(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011225
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】連結部品及び連結部品用の発光装置
(51)【国際特許分類】
A62B 35/00 20060101AFI20240118BHJP
G09F 13/00 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
A62B35/00 C
G09F13/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113057
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000126056
【氏名又は名称】株式会社つくし工房
(74)【代理人】
【識別番号】110001335
【氏名又は名称】弁理士法人 武政国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】星野 照生
【テーマコード(参考)】
2E184
5C096
【Fターム(参考)】
2E184JA03
2E184KA11
2E184KA20
2E184MA10
5C096AA01
5C096CC06
(57)【要約】
【課題】比較的暗い状況下や比較的離れた場所からであっても好適に視認できる連結部品、及び、連結部品用の発光装置を提供する。
【解決手段】墜落制止用器具のフック1として親綱110に接続することが可能に構成された連結部品には、鉤状に屈曲した屈曲部2aを有する本体部材2に発光部材6が取着され、ロープ52の部分に設けられる操作部7を操作することによって、作業者が、発光部材6を発光させる操作が可能に構成される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
墜落制止用器具(100)のフックとして取付設備(110)に接続することが可能に構成された連結部品(1,201,301,401,501)であって、
鉤状に屈曲した屈曲部(2a)を有する本体部材(2)と、
該本体部材(2)に対して回動可能に設けられる回動部材(5)と、
前記本体部材(2)に取着される発光部材(6,160,180,280)と、
該発光部材(6,160,180,280)を発光させることが可能な操作部(7,128)とを備えていることを特徴とする発光可能な連結部品。
【請求項2】
前記本体部材(2)は、前記屈曲部(2a)よりも曲率半径が大きく設定された直状部(2c)を備え、
該直状部(2c)に発光部材(6,160,180,280)の発光体(21,31)が位置するようにして発光部材(6,160,180,280)が設けられる、ことを特徴とする請求項1に記載の連結部品。
【請求項3】
前記発光部材(6,160,180,280)の発光態様が複数種類に切り替え操作可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結部品。
【請求項4】
前記回動部材(5)には、前記本体部材(2)の厚み方向の両側に位置するように設けられる回動本体部(5a)が設けられ、
前記本体部材(2)の内周側において前記発光部材(6,160,180)と前記操作部(7)とを接続する配線(73,74)が前記回動本体部(5a)の間に形成された空間(K)内を経由するようにして前記発光部材(6,160,180)が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結部品。
【請求項5】
前記本体部材(2)は、ランヤード(50)のロープ(52)又はストラップが連結される連結部(2b)を備え、
前記操作部(7)は、前記発光部材(6,160,180)に対して前記連結部(2b)の側に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結部品。
【請求項6】
前記発光部材(6,160,180)と、前記操作部(7)との間には、前記発光部材(6,160,180)と前記操作部(7)とを連結した状態と、分離した状態とに切り替え可能な接続コネクタ(71,81)が設けられ、前記操作部(7)と前記発光部材(6,160,180)とのうち前記発光部材(6,160,180)のみを別の前記発光部材(6,160,180)に交換可能に構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の連結部品。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の前記発光部材(6,160,180,280)と、前記操作部(7,128)と、前記発光部材(6,160,180,280)を前記本体部材(2)に取着するための取着手段(61)とを組み合わせたことを特徴とする連結部品用の発光装置(80)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、墜落制止用器具のフックとして親綱等の取付設備に接続することが可能に構成された連結部品に関するものであり、より詳細には、比較的暗い状況下や比較的離れた場所からであっても好適に視認し得る発光可能な連結部品及び連結部品用の発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
高所作業をする作業者に装着が義務付けられている墜落制止用器具(安全帯)には、作業者が着用したフルハーネス又は胴ベルトと親綱等の取付設備とを連結するランヤードが用いられている。当該ランヤードにおける取付設備側の先端には、当該取付設備に接続されるフックが設けられている(例えば、特許文献1)。
【0003】
図8に示すように、高所作業をする作業者は、例えばフルハーネス53を着用することによって墜落制止用器具100を装着し、当該墜落制止用器具100のフック51(ランヤード50の一部)を親綱110に接続する。これにより、当該作業者が作業床115から足を踏み外すことがあったとしても、ランヤード50によって作業者の安全が確保される。
【0004】
高所作業時において墜落制止用器具を着用した作業者は、移動に際してフックの掛け替えを行う。フックの掛け替え忘れを防ぐため、作業者や監督者は、フックの取付状況を必要に応じて目視により確認していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、曇天時や夜間等の比較的暗い状況下においては、作業者がフックの位置や取付状況を確認し難い場合があり、また、監督者が比較的離れた場所から墜落制止用器具のフックの取付状況を視認し難い場合があるという問題を有していた。
【0007】
本発明は、かかる問題点を解決するために創案されたものである。すなわち、比較的暗い状況下や比較的離れた場所からであっても好適に視認できる連結部品及び連結部品用の発光装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の連結部品(1,201,301,401,501)は、墜落制止用器具(100)のフックとして取付設備(110)に接続することが可能に構成された連結部品であって、鉤状に屈曲した屈曲部(2a)を有する本体部材(2)と、該本体部材(2)に対して回動可能に設けられる回動部材(5)と、前記本体部材(2)に取着される発光部材(6,160,180,280)と、該発光部材(6,160,180,280)を発光させることが可能な操作部(7,128)とを備えていることを特徴とする。
【0009】
この請求項1に記載の連結部品(1,201,301,401,501)によれば、本体部材(2)に取着された発光部材(6)を操作部(7,128)によって発光させることができるので、比較的暗い状況下や比較的離れた場所からであっても連結部品(1,2
01,301,401,501)の位置や取付状況を視認し易くすることができる。
【0010】
請求項2に記載の連結部品(1,201,301,401,501)は、請求項1に記載の連結部品(1,201,301,401,501)において、前記本体部材(2)は、前記屈曲部(2a)よりも曲率半径が大きく設定された直状部(2c)を備え、該直状部(2c)に発光部材(6,160,180,280)の発光体(21,31)が位置するようにして発光部材(6,160,180,280)が設けられる、ことを特徴とする。
【0011】
この請求項2に記載の連結部品(1,201,301,401,501)によれば、直状部(2c)は発光部材(6,160,180,280)を安定的に取着させることができる部位であるので、発光部材(6,160,180,280)が連結部品(1,201,301,401,501)から脱落して発光体(21,31)による視認性が低下することを抑制できる。
【0012】
請求項3に記載の連結部品(1,201,301,401,501)は、請求項1又は2に記載の連結部品(1,201,301,401,501)において、前記発光部材(6,160,180,280)の発光態様が複数種類に切り替え操作可能に構成されていることを特徴とする。
【0013】
この請求項3に記載の連結部品(1,201,301,401,501)によれば、作業者毎や作業の状況等に対応して異なる発光態様を割り当てることができる。これにより、監督者等が遠くから発光態様の相違によって各作業者や作業の状況等を判別することができる。
【0014】
請求項4に記載の連結部品(1,201,301,401)は、請求項1又は2に記載の連結部品(1,201,301,401)において、前記回動部材(5)には、前記本体部材(2)の厚み方向の両側に位置するように設けられる回動本体部(5a)が設けられ、前記本体部材(2)の内周側において前記発光部材(6,160,180)と前記操作部(7)とを接続する配線(73,74)が前記回動本体部(5a)の間に形成された空間(K)内を経由するようにして前記発光部材(6,160,180)が設けられていることを特徴とする。
【0015】
この請求項4に記載の連結部品(1,201,301,401)によれば、前記発光部材(6,160,180)と前記操作部(7)とを接続する配線(73,74)の自由度が空間(K)によって規制されるので、回転部材(5)と本体部材(2)との間に当該配線(73,74)が挟み込まれたり、当該配線(73,74)の端部側に負荷がかかって配線が破損することを抑制できる。
【0016】
請求項5に記載の連結部品(1,201,301,401)は、請求項1又は2に記載の連結部品(1,201,301,401)において、前記本体部材(2)は、ランヤード(50)のロープ(52)又はストラップが連結される連結部(2b)を備え、前記操作部(7)は、前記発光部材(6,160,180)に対して前記連結部(2b)の側に設けられていることを特徴とする。
【0017】
この請求項5に記載の連結部品(1,201,301,401)によれば、発光部材6(6,160,180)よりも作業者に近い位置に操作部(7)が配置されることになるので、作業者が操作部(7)を操作し易くできる。
【0018】
請求項6に記載の連結部品(1,201,301,401)は、請求項1又は2に記載
の連結部品(1,201,301,401)において、前記発光部材(6,160,180)と、前記操作部(7)との間には、前記発光部材(6,160,180)と前記操作部(7)とを連結した状態と、分離した状態とに切り替え可能な接続コネクタ(71,81)が設けられ、前記操作部(7)と前記発光部材(6,160,180)とのうち前記発光部材(6,160,180)のみを別の前記発光部材(6,160,180)に交換可能に構成されていることを特徴とする。
【0019】
この請求項6に記載の連結部品(1,201,301,401)によれば、発光部材(6,160,180)を操作部(7)から分離して取り外すことができるので、発光部材(6,160,180)が破損又は故障した場合に別の利用可能な発光部材(6,160,180)に交換することで、操作部(7)は継続して利用することができる。
【0020】
請求項7に記載の連結部品用の発光装置(80)は、請求項1又は2に記載の前記発光部材(6,160,180,280)と、前記操作部(7,128)と、前記発光部材(6,160,180,280)を前記本体部材(2)に取着するための取着手段(61)とを組み合わせたことを特徴とする。
【0021】
この請求項7に記載の連結部品用の発光装置(80)によれば、発光装置(80)における発光部材(6,160,180,280)を取着手段(61)によって本体部材(2)に取着できるので、発光装置(80)が破損又は故障した場合に別の発光装置(80)に交換可能とし、また、発光装置(80)のない墜落制止用器具(100)の連結部品に発光機能を付加することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明の連結部品(1,201,301,401,501)、及び、連結部品(1,201,301,401,501)用の発光装置(80)によれば、比較的暗い状況下や比較的離れた場所からであっても連結部品の位置や取付状況を好適に視認できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の連結部品を示し、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は(a)におけるA-A線切断部端面図である。
【
図2】本発明の連結部品に取り付けられる発光部材を示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるB-B線切断部端面図、(c)は(a)におけるC-C線切断部端面図、(d)は(a)におけるD-D線切断部端面図である。
【
図3】本発明の連結部品に取り付けられる操作部を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)はベルトを装着した状態での正面図、(d)はベルトを装着した状態での裏面図、(e)は操作部に装着されたベルトをランヤードのロープに巻き付けた状態で当該ロープを径方向に切断した場合の部分的な断面図である。
【
図4】実施例2に係る連結部品を示し、(a)は正面図、(b)は裏面図である。
【
図5】実施例3に係る連結部品を示し、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は(a)におけるE-E線切断部端面図である。
【
図6】実施例4に係る連結部品を示し、(a)は正面図、(b)は当該連結部品に取り付けられる発光部材の正面図、(c)は(b)の発光部材の側面図、(d)は(b)の発光部材の使用形態の一例示す正面図である。
【
図7】実施例5に係る連結部品を示し、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は当該連結部品に取り付けられる発光部材の正面図、(d)は(c)におけるF-F線で切断した場合における基板付近の切断部端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の連結部品であるフック1は、本体部材2に取着される発光部材6を備え、比較的暗い状況下や比較的離れた場所からであっても好適に視認可能に構成される。
【実施例0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
<連結部品の全体構成>
図1は、本発明の連結部品を示し、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は(a)におけるA-A線切断部端面図である。なお、
図1において、(a)は、本発明の連結部品であるフック1の開閉レバー3が閉鎖された状態を図示し、(b)は、開閉レバー3が開放された状態を図示している。
【0027】
本発明の連結部品であるフック1は、墜落制止用器具100(
図8参照)のランヤード50の先端側に設けられて親綱110に接続可能なフックである。フック1は、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、親綱110を進入させることが可能な穴部分が内周側に形成された環状に形成される。フック1は、本体部材2と、本体部材2の内周側と外側とを連通可能に開閉動作が可能な開閉レバー3と、開閉レバー3の開閉動作に連動して動作する連動部材4と、開閉レバー3のロック機構として機能する回動部材5と、発光部材6と、操作部7と、接続部材8とを有する。
【0028】
本体部材2は、ランヤード50の先端側となる鉤状の屈曲部2aと、ランヤード50のロープ52又はストラップ(以下、これらを「ロープ52等」とも称する)が連結される連結部2bと、屈曲部2aより曲率半径が大きく設定された直状部2cとを有する。開閉レバー3は、回転軸11によって本体部材2に回動可能に取り付けられている。開閉レバー3には、フック1の内周側(内側)に突出部3bが設けられ、回動部材5の係止部5bと係合してロック機構として機能する。
【0029】
連動部材4は、回転軸12によって本体部材2に対して回動可能に取り付けられている。開閉レバー3には、長孔3cが貫通形成され、長孔3c内には、連動部材4の板状部4a,4aに設けられるピン13が挿通される。開閉レバー3が矢印P2方向に押し込まれると、回転軸11を中心として開閉レバー3が回動し、連動部材4も回転軸12を中心として回動する。連動部材4は、バネ(図示せず)によって、
図1(a)の矢印R1方向に回動するよう付勢されている。開閉レバー3は、操作されていない状況において、
図1(a)に示すように、本体部材2における屈曲部2a側の先端2dが開閉レバー3の先端3aに設けられた切欠部に係合して閉鎖状態となる。
【0030】
回動部材5は、板状の回転本体部5a,5aに設けられる回転軸14により、本体部材2に対して回動可能に取り付けられている。回動部材5は、バネ(図示せず)によって、
図1(a)の矢印R2方向に回動するよう付勢されている。回動部材5は、操作されていない状況において初期位置(
図1(a)における実線で示す位置)にて静止して留まるよう設けられる。回動部材5には、係止部5bが設けられている。係止部5bは、
図1(c)に示すように、各回転本体部5a,5aにおけるフック1の内周側の端部をそれぞれ他方の回転本体部5aの側へ折り曲げることによって形成される。なお、係止部5b,5bの離間距離Lは、後述する接続部材8の配線73,74が通過できない距離に設定される。回動部材5の係止部5bは、
図1(a)に示すように、回動部材5が初期位置に位置する場合に閉鎖状態の開閉レバー3の突出部3bに接触して突出部3bの移動を制限し、閉鎖状態の開閉レバー3の開放側への回動が禁止される。
【0031】
回動部材5を矢印P1方向に押し込みながら、開閉レバー3を矢印P2方向に押し込むことで、親綱110やロープ52等を本体部材2の内周側に進入させることができる。ま
た、連結部2bにロープ52等を進入させることができる。
【0032】
発光部材6は、本体部材2の直状部2cに対し、当該本体部材2の外周側から嵌め込んだ状態にして取着(貼着)される。直状部2cは、本体部材2における曲率半径の大きい部分であるので、発光部材6を安定的に取着させ易い。また、直状部2cは、屈曲部2aのように親綱110が主に接触する部位でもなく、連結部2bのようにロープ52等が接続される部位でもないので、高所での作業中に、親綱110やロープ52等による干渉によって発光部材6が脱落することを抑制できるし、親綱110やロープ52等があっても発光部材6を視認し易い。
【0033】
発光部材6は、本体部材2に取着した状態において、
図1(a)及び
図1(b)に示すように、発光部材6における内周側の縁端部が、本体部材2の内周側の縁端部から飛び出さない構成とされる。これにより、本体部材2に取着された発光部材6に対し、フック1に接続された親綱110が干渉して発光部材6が脱落したり破損したりすることを抑制することができる。
【0034】
また、発光部材6における内周側の縁端部は、内周側(
図1(a)の右側)への突出量が一定でなく変化する設定とされている。具体的には、屈曲部2aに近い一方側(
図1(a)の上方側)において突出量が多い区間が設けられ、他方側において次第に突出量が少なくなるようにした折れ線状に形成されている。このように内周側への突出量を変化させて、内周側の縁端部を直線状でない形状(折れ線状や曲線状)とすることで、本体部材2に発光部材6を取り付ける際の嵌め込み作業を行い易くすることができる。
【0035】
発光部材6は、LED(発光ダイオード)などの発光体21,31によって発光可能に構成される。本体部材2の直状部2cには、発光体21,31が位置するように発光部材6が設けられる。発光体21,31は、直状部2cの厚み方向の両側面にそれぞれ設けられる。なお、図示例においては発光体21及び発光体31が各面にそれぞれ2つずつ設けられている場合を例示したが、発光体21及び発光体31の設置数は必ずしも2つである必要はなく、少なくとも1以上の適宜数を設ける構成であればよい。
【0036】
発光部材6には、発光体21,31の発光の態様を変化させることが可能な発光部側操作部28が設けられている。発光部側操作部28は、必ずしも発光部材6に設ける必要はなく、発光部側操作部28が配置される位置に発光体21,31を設けて発光可能な箇所を増やしてもよい。発光部側操作部28の説明については、
図2を参照して後述する。
【0037】
操作部7は、発光部材6を発光させることが可能に構成されている。操作部7の内部には、ボタン電池や充電池により構成される電源(図示せず)と当該電源からの電力を制御する制御基板(図示せず)とが収容され、操作部7に設けられた電源スイッチ43の操作によって電源からの電力の供給(オン)と遮断(オフ)とを切り替え可能に構成される。具体的に、電源スイッチ43が押下操作される毎に、操作部7から発光部材6の発光体21,31への電力の供給(オン)と遮断(オフ)とが切り替わる。よって、作業者は、操作部7に対する操作(より詳細には、電源スイッチ43に対する操作)を行うことによって発光部材6の発光体21,31を発光させることができる。
【0038】
図1(a)及び
図1(b)に示すように、操作部7は、発光部材6に対して本体部材2の連結部2b側に設けられている。図示例においては、操作部7は、当該操作部7に取り付けたベルト41をロープ52における連結部2b側の端側に巻き付け、バックル42で固定することによって取り付けられる。発光部材6よりも作業者に近い位置に操作部7が配置されるので、作業者は発光部材6の発光状況を視認しながら操作部7を操作し易い。
【0039】
なお、ロープ52に巻き付けたベルト41を固定する手段としては、必ずしもバックル42を用いる必要はなく、他の手段により構成してもよく、例えば、ベルト41の一面側と他面側にそれぞれ設けた面ファスナーによってベルト41が固定される構成であってもよい。
【0040】
発光部材6と操作部7との間には、発光部材6(より詳細には、発光体21,31)と操作部7とを電気的に接続する接続部材8が設けられる。詳細は
図2を参照して後述するが、接続部材8は、発光部材6と操作部7との間を接続する配線72,73,74(
図2(a)参照)と、操作部7の側の端部に設けられた接続コネクタのオス端子71(
図2(a)参照)とを有して構成される。オス端子71は、操作部7に設けられた接続コネクタのメス端子81(
図3(a)参照)に対して着脱可能に構成され、オス端子71をメス端子81に装着することで発光部材6と操作部7とが電気的に接続(連結)される。
【0041】
よって、発光部材6と操作部7とは、接続コネクタ(オス端子71及びメス端子81)によって、発光部材6と操作部7とが連結された状態と、これらを分離した状態とに切り替えることができる。これにより、発光部材6を操作部7から分離して取り外すことができるので、発光部材6が破損又は故障した場合に別の利用可能な発光部材6に交換することで、操作部7は継続して利用可能となる。また、外形形状や、発光可能な色、出力可能な発光態様などが異なる各種の発光部材6を当該発光部材6の交換によって適宜利用することが可能となる。
【0042】
発光部材6と操作部7とを連結する接続部材8は、
図1(c)に示すように、本体部材2の内周側にて、本体部材2と、本体部材2の厚み方向の両側を挟む回転本体部5a,5aと、係止部5b,5bとの間に形成された空間K内を経由するよう配線される。これにより、接続部材8における配線の自由度が空間Kによって規制されるので、回動部材5と本体部材2との間に接続部材8が挟み込まれたり、接続部材8の端部側に負荷がかかること等を抑制できる。
【0043】
図1(a)に示すように、操作部7には、操作部7がロープ52に取り付けられた状態において発光部材6が位置する上方側へ向けて延びる管状の配線保護部材9が、メス端子81に連通する位置に取着される。接続部材8は、配線保護部材9に挿通された状態でメス端子81に接続される。配線保護部材9は内部に挿通される配線より高い剛性があって変形し難く構成され、接続部材8を配線保護部材9に挿通させることで、接続部材8の自由度を規制できる。よって、配線保護部材9によっても、上述した空間Kの場合と同様に、回動部材5と本体部材2との間に挟み込まれる等の不具合を抑制できる。
【0044】
配線保護部材9は、弾性変形可能なポリ塩化ビニル等の樹脂により構成される。よって、発光部材6から操作部7への延びる接続部材8の配線の動きを配線保護部材9の弾性変形によって吸収できるので、当該接続部材8の配線の自由度を規制しつつも、当該配線に無理な負荷がかかることを抑制できる。
【0045】
操作部7の内部に収容される制御基板は、上述したように電源からの電力を制御するだけでなく、発光部材6の発光態様(より詳細には、発光体21,31の発光態様)を制御可能に構成される。具体的に、操作部7は、発光部材6の発光態様を複数種類に切り替え操作可能に構成される。なお、当該「発光態様」としては、例えば、色の相違(例えば、赤、青、黄、橙など)によるものであってもよく、発光パターン(例えば、点灯又は点滅、点滅回数、インターバル時間など)の相違によるものであってもよく、色と発光パターンとの組合せの相違によるものであってもよい。
【0046】
図1(a)に示すように、操作部7には発光態様切替スイッチ44が設けられており、
作業者が発光態様切替スイッチ44を操作する毎に、発光部材6の発光態様として予め準備されている複数種類の発光態様を所定の順序で順次切り替え可能に構成される。これにより、発光部材6を適宜の発光態様で発光させることができるので、例えば、作業者毎に異なる発光態様の発光部材6を割り当てることが可能となる。これにより、監督者等が遠くから発光態様の相違によって各作業者を判別することが可能となる。
【0047】
<発光部材6の具体的な構成>
図2は、本発明の連結部品であるフック1に取り付けられる発光部材6を示し、(a)は正面図、(b)は(a)におけるB-B線切断部端面図、(c)は(a)におけるC-C線切断部端面図、(d)は(a)におけるD-D線切断部端面図である。
【0048】
発光部材6は、上述した発光体21,31と、発光部側操作部28と発光体21とが搭載される基板22と、発光体31が搭載される基板32と、基部25と、導光カバー26とを有する。
【0049】
発光部側操作部28は、操作部7に対しての操作とは別に、発光部材6の側でも、発光態様を切り替える操作が可能なスイッチにより構成される。操作部7の電源スイッチ43がオンとされた状態で、発光部側操作部28に対して切替操作(例えば、1秒以上の押し操作)を行うことで、発光体21,31の発光態様が切り替えられる。発光態様の切替は、例えば、発光のオンオフの切り替えでもよく、発光の強さの切り替えでもよい。また、必ずしも2つの発光態様の切り替えに限らず、3以上に設定された発光態様(例えば、発光のオンオフの切り替えに加えて、明るさが複数段階に設定可能な態様)でもよい。
【0050】
基部25は、弾性変形可能なポリ塩化ビニル等の樹脂によって構成され、その内側に本体部材2(図示例においては二点鎖線により図示)を挟み込むことが可能な断面略コの字状に形成される。より詳細には、基部25は、本体部材2の厚み方向の一面側に配置される面配置部25aと、本体部材2の厚み方向の他面側に配置される面配置部25bと、面配置部25a,25bとを連結する連結部25cとにより構成される。面配置部25aには、発光体21が搭載された基板22を収容可能な凹部25dが形成される。面配置部25bには、発光体31が搭載された基板32を収容可能な凹部25eが形成される。
【0051】
導光カバー26は、アクリル等の導光性を有する樹脂によって構成される。導光カバー26は、発光体21が収容される凹部25dを覆う発光体被覆部26aと、発光体31が収容される凹部25eを覆う発光体被覆部26bと、発光体被覆部26a,26bを連結する連結部26cとにより構成される。連結部26cは、破損防止の観点から基部25の長手方向両端側(角部)を除いて設けられる。なお、導光カバー26が、連結部26cを有さず、発光体被覆部26aと発光体被覆部26bとが各々独立した構成であってもよい。
【0052】
導光カバー26は、乳白色等の半透明に構成された光拡散性を有する導光板であり、発光体21,31の光を拡散する光拡散手段として機能する。なお、透明なシートの表面側又は裏面側に光を拡散する光拡散シートを重ねて構成した導光カバー26を光拡散手段とする構成であってもよい。導光カバー26が光拡散手段として機能することで、発光体21,31がLEDのような指向性の高い光源であっても眩しさを抑制することができる。よって、発光部材6が取付けられたフック1を使用する場合に、作業中に作業者が発光体21,31の光によって目が眩むことを抑制できる。
【0053】
なお、発光体21,31の光を拡散する光拡散手段は、必ずしも導光カバー26で構成する必要はなく、例えば、光を拡散する光拡散機能を有したキャップを発光体21,31の各々に被せる構成であってもよい。発光体21,31にキャップを被せる構成において
は、導光カバー26に代えて光拡散性を有さない透明カバーを用いる構成としてもよい。
【0054】
導光カバー26における発光体被覆部26a,26bの裏面側(発光体21,31を向く面)は、凹凸を有する形状に加工される。これにより、発光体21,31から発光された光を拡散し易く、発光体被覆部26a,26bの光り方を他の領域の光り方と異ならせ目立たせることができる。
【0055】
導光カバー26は、連結部26cの面方向に沿って光を導光しつつ表面側に一部を出力するよう加工されており、それによって、発光体21,31が発光された場合には、発光体21,31に面する発光体被覆部26a,26bだけでなく、発光体被覆部26a,26bに連設された連結部26cも発光させることができる。これにより、発光部材6の発光が本体部材2の厚み方向の両面側だけでなく幅方向の一面側にも及ぶので、フック1に取り付けられた発光部材6による発光の死角を減らすことができる。
【0056】
なお、発光部材6は、蛍光色や銀色等の反射シートから構成される反射層を含むようにして構成してもよい。例えば、基部25の中で、凹部25dが設けられていない箇所であって導光カバー26が表面側に重なる部分に反射シートを設けて発光部材6を構成しもよく、これにより、発光体21,31の発光をより目立たせることができるし、外部からの光によって反射層を発光させることもできる。
【0057】
粘着層61は、粘着性を有する層であり、基部25の面配置部25a,25bにおける本体部材2に接する側と、面配置部25a,25bが配設される本体部材2の面との間に設けられる。図示例において、粘着層61は、予め面配置部25a,25bに取り付けられて発光部材6の一部を構成する。なお、粘着層61は、発光部材6とは独立して準備されるシート材であってもよい。
【0058】
面配置部25a,25bと本体部材2との間に設けられた粘着層61は、発光部材6を本体部材2に取着するための取着手段として機能し、粘着層61による粘着力によって、本体部材2に取着された発光部材6の脱落を防ぐことができる。
【0059】
なお、面配置部25a,25bと本体部材2との間に粘着層61を設けることに代えて、接着剤の硬化による接着層を面配置部25a,25bと本体部材2との間に設ける構成としてもよい。接着層によって面配置部25a,25bと本体部材2とが接着される構成においては、接着された発光部材6を本体部材2から取り外し可能な剥離剤が準備されていることが好ましい。
【0060】
接続部材8は、オス端子71と、オス端子71に接続される配線72と、配線72から分岐した配線の一方であって基板22に接続される配線73と、配線72から分岐した配線の他方であって基板32に接続される配線74とを有する。配線72,73,74は、その周囲が絶縁性を有する樹脂により被覆されている。
【0061】
オス端子71は、操作部7に設けられたメス端子81(
図3(a)参照)に装着可能な端子である。オス端子71には、メス端子81のラッチ係合部に係合可能なラッチ71aが設けられており、メス端子81に装着された場合に当該メス端子81から抜け難いよう構成されている。メス端子81に装着されたオス端子71は、ラッチ71aを押し下げながら引き抜くことによって取り外すことができる。
【0062】
接続部材8において配線72から配線73及び配線74に分岐される分岐部の周囲には、絶縁性を有する樹脂により構成される被覆部75が設けられる。被覆部75には、板状の土台76が連設される。土台76は、本体部材2の厚みの範囲内に収まる大きさとされ
る。
【0063】
土台76における被覆部75とは反対側の面には、
図2(d)に示すように、粘着性を有する粘着層77が設けられる。粘着層77による粘着力によって、土台76を本体部材2の厚み方向の面に取着することができる。これにより、被覆部75が設けられた位置において接続部材8を本体部材2に固定できるので(例えば、
図1(a)参照)、接続部材8の配線72,73,74の自由度が規制され、接続部材8が回動部材5と本体部材2との間に挟み込まれる等の不具合を抑制できる。なお、粘着層77を有する土台76は、必ずしも接続部材8における配線の分岐部に設けられる必要はなく、接続部材8における適宜の1又は複数箇所に設ける構成としてもよい。
【0064】
管状の配線保護部材9における貫通孔9aは、オス端子71を挿通可能な口径とされる。よって、発光部材6に一端側が接続された接続部材8に対し、他端側となるオス端子71の側から後付けで配線保護部材9を挿通させることができる。配線保護部材9における操作部7側の端部には、操作部7に形成された係合穴82(
図3(a)参照)に圧着挿入可能な形状の突起部9bが形成され、操作部7と配線保護部材9とを一体化することが可能に構成されている。
【0065】
<操作部の具体的な構成>
図3は、本発明の連結部品であるフック1に取り付けられる操作部7を示し、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)はベルト41を装着した状態での正面図、(d)はベルト41を装着した状態での裏面図、(e)は操作部7に装着されたベルト41をランヤード50のロープ52に巻き付けた状態で当該ロープ52を径方向に切断した場合の部分的な断面図である。
【0066】
操作部7は、内部に電源と制御基板を収容可能なケース7aと、電源用ホルダー7bとを有している。電源用ホルダー7bに装着されたボタン電池等の電源は、当該電源用ホルダー7bをケース7aに装着することで制御基板への電源を供給可能にする。電源用ホルダー7bは、ケース7aに対して着脱可能に構成されるので、操作部7の電源を必要に応じて交換することができる。
【0067】
図3(b)に示すように、電源スイッチ43は、発光態様切替スイッチ44と比べると、その表面から突出した(突出量が多い)態様でケース7aの正面に設けられているので、作業者は電源スイッチ43の操作を行い易い。一方、発光態様切替スイッチ44は、その表面からあまり突出しない(突出量が少ない)態様で設けられているので、発光態様切替スイッチ44の誤操作を抑制できる。例えば、発光態様切替スイッチ44は、作業者毎に態様を作業前に予め設定し、作業中には、全く触らないといった利用方法としてもよい。
【0068】
図3(a)に示すように、操作部7をロープ52に取り付ける場合に上側に位置するケース7aの面には、接続部材8のオス端子71を着脱可能に装着できるメス端子81が設けられる。メス端子81には、オス端子71のラッチ71aを係合可能なラッチ係合部が設けられており、オス端子71がメス端子81に装着された場合には、ラッチ71aがラッチ係合部に係合される。
【0069】
メス端子81が設けられている面には、配線保護部材9の突起部9bを圧着挿入可能な係合穴82が当該メス端子81を囲むように設けられている。ケース7aはポリプロピレン等の比較的硬い樹脂によって構成されているので、弾性変形可能な樹脂によって構成される配線保護部材9の突起部9bを係合穴82に対して押し込むことで、係合穴82に突起部9bが圧入挿入されて両者が係合される。これにより、配線保護部材9を操作部7に
抜け難い態様で取り付けることができる。
【0070】
ケース7aの裏面側には、ベルト通し部85が設けられている。ベルト通し部85にベルト41を挿通することによって、操作部7をロープ52に取り付けることが可能となる。ロープ52に巻き付けたベルト41をバックル42で固定した後に余ったベルト41の部分をさらにロープ52に巻き付けてベルト通し部85に通す構成としてもよい(例えば、
図1(a)参照)。
【0071】
ベルト通し部85におけるベルト41を通す方向の幅Wは、ランヤード50のロープ52の径を超えないことが好ましい。幅Wをロープ52の径より小さくすることによって、ロープ52に巻き付けたベルト41がロープ52から浮いて当該ロープ52との接触面積が減ることを抑制できる。これにより、後述する突起92による滑り止め効果を好適に奏することを可能にする。
【0072】
図3(a)に示すように、メス端子81及び係合穴82は、ベルト通し部85の幅方向の略中央に設けられるので、操作部7に装着されたベルト41をロープ52に巻き付けた場合に、ロープ52に対して安定的に操作部7(より詳細には、操作部7に設けられたベルト通し部85)が接する位置に配線保護部材9を配置することができる。これにより、配線保護部材9による接続部材8の配線の自由度の規制効果を好適に奏することを可能にする。なお、メス端子81及び係合穴82の設置位置は、必ずしも当該例に限定される必要はなく適宜の位置に設置できる。
【0073】
図3(d)に示すように、ベルト通し部85においてロープ52(図示例においては二点鎖線により図示)に接する面には、多数の四角錐の突起91がロープ52に対する滑り止め手段として設けられている。操作部7の装着時にロープ52に接する面に突起91による滑り止め手段を設けたことにより、操作部7をロープ52に対して滑り難くできる。図示例において、多数の突起91は、ロープ52が連続する方向に沿った向きにも当該連続する方向に対して交差する向きにも配列される構成であるので、操作部7がロープ52の長手方向に沿った向きに滑ることも、周方向に沿った向きに滑ることも抑制できる。
【0074】
図3(d)に示すように、ベルト41には、その裏面側(すなわち、ロープ52に接する面)に、操作部7の装着時にロープ52が連続する方向に沿って延びる複数本の筋状の突起92がロープ52に対する滑り止め手段として設けられている。ベルト41をロープ52に巻き付けた場合、これらの突起92は、
図3(e)に示すように、ロープ52の周方向に各々配置されるので、ベルト41がロープ52の周方向に沿った向きに滑ることを抑制できる。これにより、ロープ52に装着された操作部7を滑り難くできる。
【0075】
このように、滑り止め手段として機能する突起91や突起92をベルト通し部85及びベルト41に設けることにより、操作部7をロープ52に対して滑り難くすることができるので、回動部材5によって形成される空間Kや配線保護部材9による接続部材8の配線の自由度の規制効果を好適に奏することを可能にする。
【0076】
なお、ロープ52に対する滑り止め手段としては、突起91,92として例示した形態に限らず、各種の凹凸パターンを採用できる。また、ゴムシートや凹凸を有するシート等の摩擦係数の高い表面を有するシート状部材を滑り止め手段としてベルト通し部85またはベルト41に貼設する構成としてもよい。また、滑り止め手段として粘着や接着を用いてもよく、例えば、接着層を有する接着シートを内面に付加して、ロープ52に操作部7を接着する構成としてもよい。
【0077】
以上のように、本発明の連結部品であるフック1においては、本体部材2に取着された
発光部材6を操作部7に対する操作によって発光させることができるので、曇天時や夜間等の比較的暗い状況下において作業の場を目視する場合や、比較的離れた場所から作業の場を目視する場合であっても好適に視認することができる。
【0078】
ここで、発光部材6と、発光部材6を本体部材2に取着するための取着手段(粘着層61)と、接続コネクタのうち発光部材6の側に設けられる部分(オス端子71)とを組み合わせた発光部品60を、交換用の部品として設定することが好ましい。これにより、作業中に発光部材6が破損等しても発光部品60の交換により発光機能を再び利用できる。
【0079】
また、発光部材6と、操作部7と、発光部材6を本体部材2に取着するための取着手段(粘着層61)とを組み合わせた発光装置80を、交換用又は後付け用の装置として設定することが好ましい。これにより、作業中に発光部材6や操作部7が破損しても発光装置80の交換により発光機能を再び利用でき、また、発光機能のない既存のフックに発光装置80を後付けして発光機能を付加できる。
スイッチ部130は、発光体21が搭載された基板22と接続部材8との間に設けられ、発光体21の点灯(発光)と消灯とを切り替えるスイッチである。スイッチ部130は、粘着層(図示せず)によって本体部材2に取着される。なお、スイッチ部130は、発光部材6又は接続部材8の少なくとも一方に対して着脱可能な部品として構成してもよいし、いずれかと一体的に構成してもよい。
実施例2において、操作部7に設けられた電源スイッチ43は主スイッチとして機能し、スイッチ部130は副スイッチとして機能する。スイッチ部130は、電源スイッチ43の操作によって操作部7から電力が供給されている状態において、レバー131が操作位置に達する毎に発光体21,31の点灯と消灯とが切り替わる構成とされる。つまり、スイッチ部130は、電源スイッチ43の操作によって操作部7から電力が供給されている状態において、回動部材5が矢印P1方向に押し込まれる毎に発光体21,31の点灯と消灯とが切り替わる。
このスイッチ部130が設けられることにより、回動部材5の操作により発光体21,31の点灯と消灯とを切り替えることができる。このため、フック1を親綱110に接続した場合における点灯や、親綱110から外した場合の消灯忘れを防止することができる。なお、スイッチ部130の動作により点灯と消灯を必ずしも切り替える必要はなく、色や発光パターンなどの発光の態様を異ならせてもよいし、また、スイッチ部130の構造及び配置についても、回動部材5の操作を検出可能であれば、非接触式のスイッチなど他の構造のスイッチを用いてもよいし、回動部材5に限らず、開閉レバー3や連動部材4の動作を検出して発光体21,31の発光の態様を変化させてもよい。