IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シーエス テック カンパニー リミテッドの特許一覧

<>
  • 特開-異種接合金属ブスバーの製造方法 図1
  • 特開-異種接合金属ブスバーの製造方法 図2
  • 特開-異種接合金属ブスバーの製造方法 図3
  • 特開-異種接合金属ブスバーの製造方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112269
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】異種接合金属ブスバーの製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/526 20210101AFI20240813BHJP
【FI】
H01M50/526
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023111169
(22)【出願日】2023-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2023-0015961
(32)【優先日】2023-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】523258045
【氏名又は名称】シーエス テック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003801
【氏名又は名称】KEY弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ノ ジョンソク
【テーマコード(参考)】
5H043
【Fターム(参考)】
5H043AA19
5H043BA11
5H043FA04
5H043JA22F
5H043KA01F
(57)【要約】
【課題】多様な形態と大きさ及び陰陽刻デザイン表現を自由にすることができて、成形性が優秀な異種金属シートを製造することができる異種接合金属ブスバーの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、(a)原素材である負極金属素材と正極金属素材とを接合してコイルを形成する異種金属接合工程と、(b)コイリングされている異種金属接合シートをアンコイルする素材準備工程と、(c)(b)工程の後、負極金属素材と正極金属素材との張力を分離して一定張力を維持する張力制御工程と、(d)金属接合シートの平坦度を確保するために表面形状を矯正する形状矯正工程と、(e)(c)工程の結果物をNC、CNC、ミーリング装置を含んだ工作機械を使用して加工する切削工程と、(f)(e)工程の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにエッチングを実施するソフトエッチング工程とを含む異種接合金属ブスバーの製造方法を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)原素材である負極金属素材と正極金属素材とを接合してコイルを形成する異種金属接合工程と、
(b)コイリングされている異種金属接合シートをアンコイルする素材準備工程と、
(c)(b)工程の後、負極金属素材と正極金属素材との張力を分離して一定張力を維持する張力制御工程と、
(d)金属接合シートの平坦度を確保するために表面形状を矯正する形状矯正工程と、
(e)(c)工程の結果物をNC、CNC、ミーリング装置を含んだ工作機械を使用して加工する切削工程と、
(f)(e)工程の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにエッチングを実施するソフトエッチング工程と、
を含む、異種接合金属ブスバーの製造方法。
【請求項2】
(a)工程は、
負極金属素材と正極金属素材との各接合面をブラシでこそげて前記負極金属素材と正極金属素材の表面積を広げて円滑な接合がなされるように凹凸部を生成する表面加工工程と、
負極金属素材がそれぞれ巻取された2個の回転するローラーの間に正極金属素材を位置させて負極金属素材が巻取されたローラー面に作用する力で正極金属素材と負極金属素材を接合させる接合工程と、
接合処理された結果物を熱処理した後、徐徐に冷却させる熱処理工程と、
既設定された目標厚さ以内に厚さを減少させるために一定温度下で圧延処理する冷間圧延工程と、
冷間圧延工程の結果物に酸を処理して表面の異物を除去する酸処理工程と、
を含む請求項1に記載の異種接合金属ブスバーの製造方法。
【請求項3】
(e)工程は、
異種金属接合シートが引入される引入段階と、
引入された異種金属接合シートの位置を整列する位置整列段階と、
異種金属接合シートを吸着して位置を固定させる位置固定段階と、
工作機械を通じて異種金属接合シートの表面を切削する表面切削段階と、
表面切削パターンを検査して不良如何を判別するパターン検査段階と、
切削された異種金属接合シートが引き出しされる引き出し段階と、
を含むことを特徴とする請求項2に記載の異種接合金属ブスバーの製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種接合金属ブスバーの製造方法に関するものである。より詳細には、多様な形態と大きさ及び陰陽刻デザイン表現を自由にすることができて、成形性が優秀な異種金属の金属シートを製造することができる異種接合金属ブスバーの製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電気自動車及びエネルギー貯蔵システムなどには、充電と放電を繰り返す2次電池が使用される。通常的に、2次電池は、複数個の板形セルを直列または並列で連結して容量及び電源を調節する2次電池パックとして使用されている。
【0003】
このとき、2次電池の複数のセルを連結するための部品としてブスバー(busbar)を使用するが、ブスバーの基本的な構造は、複数のセルを連結するために溶接される本体部と端子部で構成される。
【0004】
また、ブスバーは、大容量の電気エネルギー伝送システムの設置が必要な工業用から比較的規模が小さな家庭用などの分電盤や配電盤にも使用される。
【0005】
ブスバーの材質は、使用部分によって銅(Cu)、アルミニウム(Al)、ニッケル(Ni)などが使用されているし、ブスバーの場合、レーザー溶接で大量生産し、プレートの場合、単一金属素材にレーザー加工を通じて大量生産している。
【0006】
最近異種金属シート母材に溝を掘って接点材料を挿入した後、圧延過程を通じて接合させた貴金属インレイがあるが、多様なパターン具現が難しいという問題点があって、エッチングを通じてシート母材に溝を作る異種金属接合シートの場合、初期製作条件設定が難しくて費用も高くて生産時間が長くかかるという問題点がある。
【0007】
したがって、前記問題点を解決するための新しい異種金属接合シートを利用したブスバー、プレート用コイルの製造方法の開発が必要な実情である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
韓国登録特許第10-2422880号公報(2022年7月21日公告)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、前記のような問題点を改善するために案出されたものであり、従来のEdge Position Controlを通じて圧延溝を作って貴金属を挿入する工程、エッチングを通じた通電用及びブスバー用の異種金属接合コイル製造工程とは異なり、精緻なパターンと表面粗度が改善された異種金属接合シートの製造方法を提供することにその目的がある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するために案出された本発明による異種接合金属ブスバーの製造方法は、
(a)原素材である負極金属素材と正極金属素材とを接合してコイルを形成する異種金属接合工程と、
(b)コイリングされている異種金属接合シートをアンコイルする素材準備工程と、
(c)(b)工程の後、負極金属素材と正極金属素材との張力を分離して一定張力を維持する張力制御工程と、(d)金属接合シートの平坦度を確保するために表面形状を矯正する形状矯正工程と、
(e)(c)工程の結果物をNC、CNC、ミーリング装置を含んだ工作機械を使用して加工する切削工程と、
(f)(e)工程の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにエッチングを実施するソフトエッチング工程とを含む。
【0011】
また、(a)工程は、負極金属素材と正極金属素材の各接合面をブラシでこそげて前記負極金属素材と正極金属素材との表面積を広げて円滑な接合がなされるように凹凸部を生成する表面加工工程と、負極金属素材がそれぞれ巻取された2個の回転するローラーの間に正極金属素材を位置させて負極金属素材が巻取されたローラー面に作用する力で正極金属素材と負極金属素材を接合させる接合工程と、接合処理された結果物を熱処理した後、徐徐に冷却させる熱処理工程と、既設定された目標厚さ以内に厚さを減少させるために一定温度下で圧延処理する冷間圧延工程と、冷間圧延工程の結果物に酸を処理して表面の異物を除去する酸処理工程とを含む。
【0012】
また、(e)工程は、異種金属接合シートが引入される引入段階と、引入された異種金属接合シートの位置を整列する位置整列段階と、異種金属接合シートを吸着して位置を固定させる位置固定段階と、工作機械を通じて異種金属接合シートの表面を切削する表面切削段階と、表面切削パターンを検査するパターン検査段階と、切削された異種金属接合シートが引き出しされる引き出し段階と、を含む。
【0013】
また、(e)工程は、異種接合金属の表面を所望のパターンに従って除去する方法で、外部接合材(負極素材)を除去して内部芯材(正極素材)を露出させる方式で、NC、CNC、ミーリング装置などを活用して製作する工程である。負極素材と正極素材は、その位置が変わることもできる。これは、エッチングを通じて加工する方法に比べて安い費用で所望のものを得ることができるし、微細バリ除去及び表面粗度管理などに限って必要時にソフトエッチングを進行して品質的水準を高めることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、異種金属パターンをNC、CNC、ミーリング方式で具現することで多様な形態と大きさ及びデザインを自由に表現することができるようにするし、小型モータ部品、電装接点スイッチ、家電製品スイッチ、コネクター、電気自動車用ブスバー及び産業用ブスバーなどに適用することができる異種接合シートまたは異種接合コイルの生産を効率的にすることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の望ましい実施例による異種接合金属ブスバーの製造方法の各工程の手順を示した流れ図である。
図2】本発明の望ましい実施例による異種接合金属ブスバーの製造方法の切削工程の手順を示した流れ図である。
図3】エッチング工程を遂行しないで、切削工程だけ遂行したときの加工された表面を示した図面である。
図4】エッチング工程を遂行した以後の加工された表面を示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の望ましい実施例を添付された図面を参照して詳しく説明する。先ず、各図面の構成要素に参照符号を付け加えることにおいて、同一な構成要素に対してはたとえ他の図面上に表示されてもできるだけ同一な符号を有するようにしていることに留意しなければならない。また、本発明を説明することにおいて、関連される公知構成または機能に対する具体的な説明が本発明の要旨を濁ごすことがあると判断される場合には、その詳細な説明は略する。また、以下で本発明の望ましい実施例を説明するが、本発明の技術的思想はこれに限定するか、または制限されないで当業者によって変形されて多様に実施されることができることは勿論である。
【0017】
図1は、本発明の望ましい実施例による異種接合金属ブスバーの製造方法の各工程の手順を示した流れ図であり、図2は本発明の望ましい実施例による異種接合金属ブスバーの製造方法の切削工程の手順を示した流れ図であり、図3はエッチング工程を遂行しないで、切削工程だけ遂行した時の加工された表面を示した図面であり、図4はエッチング工程を遂行した以後の加工された表面を示した図面である。
【0018】
以下では、本発明の望ましい実施例による異種接合金属ブスバーの製造方法を説明する。
【0019】
本発明の望ましい実施例による異種接合金属ブスバーの製造方法は、図1を参照すれば、異種金属接合工程(S100)、素材準備工程(S200)、張力制御工程(S300)、形状矯正工程(S400)、切削工程(S500)、及びソフトエッチング工程(S600)を含んでなる。
【0020】
また、以下では、正極金属素材はアルミニウム、負極金属素材は銅を例示として説明するが、正極金属素材及び負極金属素材には、アルミニウムと銅だけでなく、ステンレス、鉄鋼、非鉄金属を含む、電位差を発生させて通電用及びブスバー用で使用することが可能な金属を使用することができる。
【0021】
異種金属接合工程(S100)は、負極金属素材である銅と正極金属素材であるアルミニウムとを接合してコイルを形成し、表面加工工程、接合工程、熱処理工程、冷間圧延工程、酸処理工程、及びコイリング工程を含んでなる。
【0022】
表面加工工程は、原素材であるアルミニウムと銅の表面積を広げて後加工工程である接合工程で円滑な接合がなされるようにするためにアルミニウムと銅の各接合表面をブラシでこそげて凹凸部を形成する。この時、表面加工工程は、投入された原資材に少なくとも一種類以上の形状に形成されたブラシを利用して接合表面をこそげることができる。
【0023】
接合工程は、銅素材がそれぞれ巻取された2個の回転するローラーの間にアルミニウムを位置させて接合部を通じて両側または片側の銅素材の間にアルミニウムが圧着されるようにして全体がローリングされることができるように接合する。接合工程は、回転する両銅素材が巻取されたローラー面に作用する圧力だけでアルミニウムと銅とを接合させる。
【0024】
本発明では、接合工程で圧延方式を利用してアルミニウムと銅とが接合されているシートを連続的に製造することができる。
【0025】
また、前記では正極金属素材を基準として両側に同一の負極金属素材が接合されるものとして実施例を説明したが、正極金属素材を基準として相異なる材質の負極金属素材が接合されることができるし、正極金属素材の一側に負極金属素材が接合されることもでき、前記例示に限定されないで、多様な正極金属素材及び負極金属素材が接合されてシートが製造されることができる。
【0026】
例えば、銅とアルミニウム、またはニッケルと銅がそれぞれ接合されることができるし、銅-アルミニウム-ニッケルの順序でそれぞれ接合されることもできて、銅-アルミニウム-ステンレスの順でそれぞれ接合されることもできる。
【0027】
熱処理工程は、接合工程で接合処理された結果物を熱処理部で熱処理した後、徐徐に冷却させる。
【0028】
特に、本工程である熱処理工程では、接合工程で硬化された各原素材の組織を軟化させて硬度を下げて、後加工工程である圧延工程で加工性及び作業性を高めるようにする。また、必要によって条件を変更することができる。
【0029】
熱処理工程が遂行されれば、アルミニウムと銅を含む異種金属が接合される接合表面は、熱処理による原子の拡散によって接合力が上昇するようになる。その後、空隙の収縮、酸化被膜の破壊や分解が進行され、接触面が増加して接合界面の原子配列が結晶粒界の原子配列に近くなる。また、接触面が増加すれば、接合界面を横切る結晶粒の成長と再結晶を起こして、最初の接合界面が消失されて接合強度が高くなるようになる。
【0030】
圧延工程は、熱処理工程の後、あらかじめ設定された目標厚さに厚さを減少させるために圧延を実施する。より具体的には、圧延工程は、一定温度以下で回転する二つのローラーの間に熱処理された加工物を圧延部に通過させてあらかじめ設定された目標厚さに加圧する。この時、圧延ラインにあらかじめ設置された厚さ測定センサー(図示せず)を通じて厚さを測定して圧延処理する。
【0031】
この時、圧延工程の後、既設定された目標厚さが導出されない場合には、再熱処理工程がさらに行われることができる。
【0032】
酸処理工程は、圧延工程の結果物に酸を処理して表面の異物を除去する。
【0033】
コイリング工程では、表面加工工程、接合工程、熱処理工程、冷間圧延工程、及び酸処理工程を経て連続的に製造される異種金属接合シートは、ローラーにコイリングされることができる。
【0034】
素材準備工程(S200)では、ローラーにコイリングされている異種金属接合シートをアンコイルすることができるし、ローラーに巻かれていた異種金属接合シートが解ける時には一定な張力を有しながら解けるように、張力制御工程で一定張力を維持できるようにする。
【0035】
張力制御工程(S300)では、ブライドルロールを利用して異種金属接合シートがブライドルロールを通過する間に異種金属接合シートに引張力を付与して一定な張力を維持しながらアンコイリングされることができるようにする。
【0036】
異種金属接合シートは、ブライドルロールとの接地力を高めるためにブライドルロールの間をS字形態で通過することができるし、ブライドルロールによって張力が付与される。
【0037】
張力制御工程(S300)の後、形状矯正工程(S400)では、レベラーを通じて異種金属接合シートを平坦化させ、ブライドルロールとレベラーによって順次に異種金属接合シートが平坦化される。
【0038】
レベラーには複数個のローラーが具備されているし、複数個のローラーは互いに平行に配置され、上部ローラーと下部ローラーが交互に配置されているし、上部ローラーは異種金属接合シートの上側面と接触することができるし、下部ローラーは異種金属接合シートの下側面と接触することができる。
【0039】
すなわち、上部ローラー相互間には所定の離隔距離が形成されているし、上部ローラー相互間の離隔されている位置の下方に下部ローラーが位置する。
【0040】
また、下部ローラー相互間にも所定の離隔距離が形成されているし、下部ローラー相互間の離隔されている位置の上方に上部ローラーが位置する。
【0041】
レベラーを通過する間に、異種金属接合シートは、上部ローラーと下部ローラーによって上方及び下方に交互に力を受けるようになる。
【0042】
異種金属接合シートは、レベラーの複数個の上部ローラーと複数個の下部ローラーとの間を通り過ぎながら、上部ローラー及び下部ローラーが交互に配置されていることによって、上方及び下方に交互に力を受けて脈動的に変わる曲げ応力を受けて平坦化されることができる。
【0043】
ブライドルロールによって張力が発生された後にレベラーによって平坦化をするようになれば、残留応力発生を最小化することができるし、平坦度効果を上昇させることができる。
【0044】
切削工程(S500)は、レベラーを通じた形状矯正工程(S400)の後に遂行し、切削工程(S500)は、図2を参照すれば、引入段階(S510)、位置整列段階(S520)、位置固定段階(S530)、表面切削段階(S540)、パターン検査段階(S550)、及び引き出し段階(S560)を含んでなる。
【0045】
引入段階(S510)では、異種金属接合シートがNC、CNC、ミーリングマシンを含んだ工作機械に投入される前に、効果的な切削のために停止区間が生成されることができる。
【0046】
より詳細には、異種金属接合シート引入区間に上方及び下方に昇降運動ができる第1昇降ローラーが具備されているし、第1昇降ローラーの後方には上部ローラー及び下部ローラーが対応されるように位置する引入ローラーが位置していて、第1昇降ローラーは異種金属接合シートの進行速度と等しい速度で等速垂直往復運動ができて、第1昇降ローラーの等速垂直往復運動で異種金属接合シートの停止区間を生成することができるし、引入ローラーでは上部ローラーと下部ローラーが異種金属接合シートに上方及び下方に同時に力を加える。
【0047】
すなわち、異種金属シートは、引入区間に引入されるまでは連続して工程が遂行されて引入されるようになるが、引入区間に具備されている第1昇降ローラーによって第1昇降ローラーが下方運動する時には引き出しされないで、上方運動する時には引入される速度の2倍の速度で引き出しされて切削工程及びソフトエッチング工程を効率的に遂行できるように停止区間が作られるようになる。
【0048】
位置整列段階(S520)では、異種金属シートが位置整列装置を通過しながら左右位置及び上下位置が整列されるようになる。
【0049】
より詳細には、位置整列段階(S520)を遂行する位置整列装置は、両側で下部パネル及び上部パネルが垂直連結部と結合されている‘
’形態のガイドが具備されていて、ガイドの下部パネルには複数個の真空吸入通孔が形成されているし、異種金属接合シートは、位置整列装置を通過する時にガイドによって左右位置が整列され、ガイドの下部パネルに形成されている真空吸入通孔で異種金属接合シート下側面を吸着して上下位置が整列されるようになる。
【0050】
位置固定段階(S530)では、NC、CNC、ミーリングマシンを含んだ工作機械のテーブルに異種金属接合シートが真空吸着によって位置が固定されるようになる。
【0051】
より詳細には、工作機械テーブルには複数個の通孔が形成されていて、複数個の通孔は真空吸入装置と結合されていて、異種金属接合シートの切削工程を遂行する間にテーブルに形成されている通孔で異種金属接合シートを真空吸着して、切削工程を遂行する間に異種金属接合シートを動かさないように固定することができる。
【0052】
表面切削段階(S540)では、位置整列工程の後に異種金属接合シートのコイルの一部表面を目的に合うように切削する。
【0053】
表面切削段階(S540)では、NC、CNC、ミーリングマシンを含んだ工作機械のエンドミルカッターまたは工作ビットなどを利用して、一定の主軸回転速度、送り速度、及び切削深さの条件下で異種金属接合シート表面に対して切削加工を実施する。
【0054】
表面切削段階(S540)では、エンドミルカッターまたは工作ビットをチャックに挿入して、分当たり回転速度を適正値で指定して、工作機械テーブルに固定されているガイドに沿って異種金属接合シートを投入し、投入された異種金属接合シート上部の不必要な部分を切削し、この時、下部ミーリングが必要な場合、同一の方法で下部を切削することができるし、加工経路に沿ってスピンドルが異種金属接合シートに対して移動するか、または異種金属接合シートがスピンドルに対して移動することができる。切削工程の間、スピンドルはスピンドル軸を中心に回転し、加工経路に沿ってスピンドルの回転速度及び/または位相位置が制御され、加工経路は線形平行経路を含む。
【0055】
加工経路は並んで配列された直線状の平行経路を含み、スピンドルの位相位置は、加工経路に沿って隣接した経路で同一か、または実質的に同一である。
【0056】
同一の位相位置のために、表面切削段階によって表面に生成されるパターンが、隣接した経路で同一であり、よって均一に加工された表面の溝が生成される。
【0057】
パターン検査段階(S550)では、表面切削段階を経た異種金属接合シートは、作業者が肉眼で特定パターンに切削されたか、またはパターン自動検査装置を通じて特定パターンに切削されたかどうかを判別することができる。
【0058】
より詳細には、異種金属接合シートは、銅、アルミニウムなど彩度、照度を含んだ色相の相異なる金属が接合されるので、パターン自動検査装置に具備されているビジョンセンサーは、このような色相情報を利用し、設定されたパターンで表面切削がまともになされたかどうか、切削不良の有無を自動で判別することができる。
【0059】
すなわち、パターン自動検査装置には表面切削段階で切削されなければならない切削パターンが保存されているし、ビジョンセンサーを通じてセンシングされた切削パターンと保存されている切削パターンとを比較演算し、不良の有無を自動で判別することができる。
【0060】
切削工程(S500)の後、加工部位のバリ(burr)除去と表面粗度改善のためにソフトエッチング工程(S600)を実施する。
【0061】
通常的に、表面切削加工は、荒削り加工、中削り加工、仕上げ削り加工の順で行われるようになるが、荒削り加工は、荒く加工し、形を整えて行く段階で実施するようになって、中削り加工は、荒削り加工の後に加工変形、熱処理変形などの変形が寸法に影響を与えないように余裕を残して加工をし、仕上げ削り加工で、正確な寸法で精緻に加工をするようになる。
【0062】
本願発明では、切削工程で荒削り加工をした後、中削り加工、仕上げ削り加工を行わないで、ソフトエッチングを進行してソフトエッチングを通じて表面を精緻に加工するようになる。
【0063】
ソフトエッチング装置の引き出し部には第2昇降ローラーが具備されていて、第1昇降ローラーが上方運動をする場合、第2昇降ローラーが等しい速度で下方運動をして、第1昇降ローラーが下方運動をする場合、第2昇降ローラーは上方運動をして、ソフトエッチング装置の引き出し部では異種金属接合シートが連続的に引き出しされる。
【0064】
より詳細には、第1昇降ローラーが下方運動をして異種金属接合シートが停止しても第2昇降ローラーは上方運動をして異種金属接合シートが継続的に引き出しされることができるようにするし、第1昇降ローラーが上方運動をして異種金属接合シートが引入される速度の2倍の速度で移動しても第2昇降ローラーが下方運動をして引入される速度と等しい速度で引き出しされることができるようにする。
【0065】
すなわち、切削工程の引入区間に具備されている第1昇降ローラー及びエッチング装置の引き出し区間に具備されている第2昇降ローラーがそれぞれ上方運動及び下方運動をしながら第1昇降ローラーと第2昇降ローラーとの間では切削工程及びソフトエッチング工程が円滑になされるように停止区間が作られるが、第2昇降ローラー以後には再び停止区間なしに第1昇降ローラーに引入される速度と等しい速度で連続的に移動して引き出しされる。
【0066】
連続的に移動している素材を表面切削加工及びソフトエッチング加工する場合には、不良が発生する危険があって、効果的に切削加工及びソフトエッチング加工ができないが、本願発明は、第1昇降ローラー及び第2昇降ローラーを具備していて、第1昇降ローラーと第2昇降ローラーとの間では停止区間が形成され、素材が止められている状態で表面切削加工及びソフトエッチング加工を遂行することができて、不良発生危険が著しく低く、効果的に表面切削加工及びソフトエッチング加工を遂行することができるという長所がある。
【0067】
前記素材準備工程(S200)、張力制御工程(S300)、形状矯正工程(S400)、切削工程(S500)、及びソフトエッチング工程(S600)を含んだ本発明の複数の工程は、連続的に遂行され、それぞれ同時に遂行されて最終的に完成される特定パターンの異種金属接合シートは連続的に生産されることができる。
【0068】
すなわち、本発明の工程はロール・ツー・ロール(roll to roll)方式で、一方でアンコイリングされながらそれぞれの工程が遂行されると共に、他方ですべての工程が遂行された最終物が連続的に引き出しされながらリコイリングされることができる。
【0069】
また、必要によっては、ロール・ツー・シート(roll to sheet)方式で、一方でアンコイリングされながらそれぞれの工程が遂行されると共に、他方ですべての工程が遂行された最終物が連続的に引き出しされ、プレスを含んだ切断手段が一定速度で水平往復運動しながら連続的に引き出しされる最終物を一定間隔で切断してシート形状で製造することができる。
【0070】
また、最初の工程で、異種金属の接合工程の後にシャーリングを進行してロール方式ではなくシート方式で生産することができる。
【0071】
必要によって、ロール方式を除いた他の方式で生産する場合には連続的に工程が遂行されないこともあるので、連続的に工程が遂行されない場合には、第1昇降ローラー及び第2昇降ローラーが含まれないこともあって、ソフトエッチング工程でエッチング溶液に浸漬される単純浸漬過程を通じてソフトエッチングを実施することもできる。
【0072】
検査工程は、剥離を終えた製品の外観状況を把握して不良及び良品を確認することができる。
【0073】
また、切削工程では、シートの両側面部及び中央部は切削しないで中央部を基準で両側一部のみを切削することができる。
【0074】
中央部を基準として両側一部のみを切削する場合、表面は銅-アルミニウム-銅-アルミニウム-銅の順で形成され、アルミニウムの中央を基準として切削する場合、銅-アルミニウム順で表面が形成されているサイドレイ、アルミニウム-銅-アルミニウム順で表面が形成されているダブルサイドレイ、アルミニウム-銅の順で表面が形成されているサイドレイがそれぞれ製造されることができる。
【0075】
また、図4を参照すれば、シートの特定部分を切削して、サイドレイ、ダブルサイドレイだけでなく、リーバスレイ、センターレイを含んだ多くの形態のシートを製造することができる。
【0076】
すなわち、本願発明でのように中央部を基準として両側一部のみを表面切削する場合、色々な形態のサイドレイとダブルサイドレイをいっぺんに易しく製造することができるという長所がある。
【0077】
また、従来には、ブスバー用の異種金属接合シートまたは異種金属接合コイルを製造することにおいて、母材の一部を削り、これの一部を必要な素材で埋める方式、または要する部位だけメッキ層をかぶせる方式、クラッド金属にミーリング作業を通じて一部を削り取る方法などを通じてパターンを具現したが、切断及び折曲加工が一般的に難しくて、多様な溝加工などの後加工が不可能であるという短所があった。
【0078】
本願発明は、切削工程及びソフトエッチング工程で通電用またはブスバー用の異種金属接合シートまたは異種金属接合コイルを製造することで、多様な形態と大きさ及び陰陽刻デザイン表現を自由にできて、小型モータ部品、電装接点スイッチ、家電製品スイッチ、コネクター、電気自動車用ブスバー、及び産業用接地ブスバーなどに適用することができる。
【0079】
また、切削工程の結果、銅が切削除去されて露出されたアルミニウムと銅との段差を調節するために金属シートに圧力をかけて段差を調節するプレス工程がさらに含まれることができる。
【0080】
本発明によって製造される切削工程及びエッチング工程を利用した通電用またはブスバー用の異種金属接合シートまたは異種金属接合コイルは、アルミニウムと銅との段差を要する製品にも使用されることができるが、アルミニウムと銅との段差を要する製品に使用される場合、プレス工程なしに段差を維持して生産されることができるし、段差を不必要とする製品に使用される場合、プレス工程を通じて段差を調節することができる。
【0081】
本発明によれば、クラッド金属に切削作業を通じてクラッド金属の一部を削り取る方法にソフトエッチング方式を適用して多様な形態と大きさ及び陰陽刻デザインを表現し、生産性と原価節減ができる効果がある。
【0082】
以上の説明は本発明の技術思想を例示的に説明したことに過ぎないものとして、本発明が属する技術分野で通常の知識を有した者なら本発明の本質的な特性から脱しない範囲内で多様な修正、変更及び置き換えが可能であろう。よって、本発明に開示された実施例及び添付された図面は本発明の技術思想を限定するためではなく説明するためのものであり、このような実施例及び添付された図面によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではない。本発明の保護範囲は下の請求範囲によって解釈されなければならないし、それと同等な範囲内にあるすべての技術思想は本発明の権利範囲に含まれることで解釈されなければならないであろう。
【符号の説明】
【0083】
S100 異種金属接合工程
S200 素材準備工程
S300 張力制御工程
S400 形状矯正工程
S500 切削工程
S510 引入段階
S520 位置整列段階
S530 位置固定段階
S540 表面切削段階
S550 パターン検査段階
S560 引き出し段階
S600 ソフトエッチング工程
図1
図2
図3
図4