IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 列特博生技股▲フン▼有限公司の特許一覧

特開2024-112277核酸抽出カートリッジ及びその動作方法
<>
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図1
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図2
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図3
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図4
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図5
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図6
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図7
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図8
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図9
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図10
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図11
  • 特開-核酸抽出カートリッジ及びその動作方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112277
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】核酸抽出カートリッジ及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   C12M 1/00 20060101AFI20240813BHJP
   C12M 1/26 20060101ALI20240813BHJP
   C12N 15/10 20060101ALI20240813BHJP
   C12Q 1/6806 20180101ALI20240813BHJP
【FI】
C12M1/00 A
C12M1/26
C12N15/10 120Z
C12Q1/6806 Z
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023182405
(22)【出願日】2023-10-24
(31)【優先権主張番号】112104302
(32)【優先日】2023-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(71)【出願人】
【識別番号】523402730
【氏名又は名称】列特博生技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】戴極昇
(72)【発明者】
【氏名】戴世政
【テーマコード(参考)】
4B029
4B063
【Fターム(参考)】
4B029AA09
4B029AA23
4B029BB20
4B029HA09
4B063QA13
4B063QQ28
4B063QQ42
4B063QR08
4B063QR32
4B063QR56
4B063QR62
4B063QS10
4B063QS14
4B063QS25
4B063QS39
4B063QX02
(57)【要約】
【課題】試料の体積に制限されない核酸抽出カートリッジを提供する。
【解決手段】核酸抽出カートリッジ(100)は、本体(110)と、本体(110)に形成された廃液タンク(130)とを備え、廃液タンク(130)が、抽出用膜チューブ(140)を配置するための膜チューブ区画(120)と、廃液タンク(130)と膜チューブ区画(120)とを接続する第1接続ポート(132)と、通気ポート(134)とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸抽出カートリッジ本体と、
前記核酸抽出カートリッジ本体に形成された廃液タンクと、を備え、
前記廃液タンクが、
抽出用膜チューブを配置するために使用される膜チューブ区画と、
前記廃液タンクと前記膜チューブ区画とを接続する第1接続ポートと、
通気ポートと、を含む、核酸抽出カートリッジ。
【請求項2】
前記抽出用膜チューブは、
前記抽出用膜チューブの上部に配置された開口端と、
第1接続ポートに接続するために前記抽出用膜チューブの下に配置された廃液ドレンと、
前記廃液ドレンの上方に配置された半透膜と、をさらに含む請求項1に記載の核酸抽出カートリッジ。
【請求項3】
前記通気ポートは、吸引装置に接続されている、請求項1に記載の核酸抽出カートリッジ。
【請求項4】
前記開口端に接続された通気装置をさらに備える、請求項2に記載の核酸抽出カートリッジ。
【請求項5】
前記核酸抽出カートリッジ本体に形成された液体貯蔵領域をさらに備え、
前記液体貯蔵領域は、少なくとも1つの液体を貯蔵するために用いられる、請求項1に記載の核酸抽出カートリッジ。
【請求項6】
前記核酸抽出カートリッジ本体に形成されたピペット領域をさらに含み、
前記ピペット領域は、少なくとも一つのピペットを収容するために用いられる、請求項1に記載の核酸抽出カートリッジ。
【請求項7】
A)核酸抽出カートリッジの試料チューブに試料を入れる工程と、
B)プログラム可能な作業アームを備えた自動化プラットフォーム上に前記核酸抽出カートリッジを配置する工程と、
C)前記自動化プラットフォームを開始させて核酸抽出プロセスを実行する工程であって、
C1)第1ピペットを採取して、反応液を液体貯蔵領域から試料チューブに引き込み、前記作業アームによって第1混合液を形成し、
C2)前記核酸抽出カートリッジの廃液タンクに配置された抽出用膜チューブ内に前記第1混合液を移動させ、
C3)前記抽出用膜チューブの半透膜を通って前記廃液タンクに入るように、前記抽出用膜チューブ内の前記第1混合液を押すか又は引くために、通気装置または吸引装置を始動させ、
C4)第2ピペットを採取して、作業アームにより前記抽出用膜チューブ内に添加されるべき洗浄液を前記液体貯蔵領域から引き出し、
C5)前記通気装置または前記吸引装置を始動させて、前記抽出用膜チューブ内の前記洗浄液を押す又は引くことで、前記半透膜を通過させ、
C6)工程C4およびC5を1~4回繰り返し、
C7)前記抽出用膜チューブを前記液体貯蔵領域のリカバリーチューブ孔に移動させ、前記リカバリーチューブ孔に含まれる溶出液が前記半透膜を介して押圧されて前記作業アームにより前記抽出用膜チューブに入り込むように、前記リカバリーチューブ孔に前記抽出用膜チューブを押圧する、工程と、
D)前記核酸抽出プロセスを達成する工程と、を包含する、核酸抽出カートリッジの動作方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
(発明の分野)
本発明は核酸抽出カートリッジ及びその動作方法に関し、より詳細には、バイオテクノロジー産業における自動化プラットフォームに関する。
【0002】
(背景技術)
バイオテクノロジーの分野ではPCR反応などのほとんどの用途のために、試料は最初に核酸抽出を必要とする。核酸抽出は、複数の試薬、複数の消耗品、および複数の工程を含む反応プロセスである。従来、試薬および消耗品は、複数の工程を有する反応プロセスの滑らかさおよび品質を確実にするために、各核酸抽出の前に調製されなければならない。この方法は比較的誤りがちであり、したがって、複数の試薬および複数の消耗品と共に予め配置された核酸抽出カートリッジが提供される。
【0003】
核酸抽出の工程は、試料の溶解(融解)、半透膜への核酸の吸着(結合)、半透膜上の不純物のクリーニング(洗浄)、および半透膜からの核酸の回収(溶出)などを含む。各工程は、その対応する試薬、消耗品(プラスチックチューブ、ピペットなど)、およびツールおよび装置(遠心分離機、真空ポンプまたは自動作業アームなど)を有する。抽出のこれらの工程では、試料間の相互汚染も回避されるべきであり、バックエンド核酸適用(PCRなど)を容易にするために、良好な品質を有する核酸を得ることができる。
【0004】
従来の核酸抽出カートリッジのほとんどは磁気ビーズの自動抽出法を利用しているが、一部の試料は磁気ビーズ法には適していない。いくつかは膜チューブ抽出法を利用するが、設計の複雑さのために、特に試料の体積が0.5ml未満に制限されるという制限がある。
【0005】
したがって、上記の技術的課題を解決するための核酸抽出カートリッジ及びその動作方法を提供する必要がある。
【0006】
(発明の概要)
上記の技術的課題を解決するために、本発明は、核酸抽出カートリッジ及びその動作方法を提供し、膜チューブを採用し、試料量は1ml以上に達することができる。本発明の核酸抽出カートリッジは、試薬及び消耗品を前処理するための複数のチューブと、抽出プロセス中に生成された廃液を貯蔵するための廃液タンクとを備える。抽出プロセス中、膜チューブ内の液体を押したり引き出したりして半透膜を通過させるために、正圧ポンプまたは負圧ポンプと協働することが可能である。プログラマブル作業アームを有する自動プラットフォームにより、自動プロセスを達成することができる。
【0007】
上記目的を達成するために、本発明は、核酸抽出カートリッジ本体と廃液タンクとを備える核酸抽出カートリッジを提供する。廃液タンクは、核酸抽出カートリッジ本体に形成されている。廃液タンクは、膜チューブ区画と、第1接続ポートと、通気ポートとを備える。膜チューブ区画は、抽出用膜チューブを配置するために使用される。第1接続ポートは、廃液タンクと膜チューブ区画とを接続する。
【0008】
好ましい実施形態では、抽出用膜チューブが、開口端、廃液排水口、および半透膜をさらに含む。開口端は、抽出用膜チューブの上部に配置される。廃液排水口は第1接続ポートに接続するために、抽出用膜チューブの下に配置される。半透膜は、廃液排水口の上方に配置される。
【0009】
好ましい実施形態では、通気ポートが吸引装置に接続される。
【0010】
好ましい実施形態では、通気装置が開口端に接続される。
【0011】
好ましい実施形態では、核酸抽出カートリッジが核酸抽出カートリッジ本体上に形成された液体貯蔵領域をさらに備え、液体貯蔵領域は少なくとも1つの液体を貯蔵するために使用される。
【0012】
好ましい実施形態では、核酸抽出カートリッジが核酸抽出カートリッジ本体上に形成されたピペット領域をさらに含み、ピペット領域は少なくとも1つのピペットを収容するために使用される。
【0013】
上記目的を実現するために、本発明は、核酸抽出カートリッジの動作方法であって、まず、工程Aを実行し、核酸抽出カートリッジの試料チューブに試料を入れ、次いで、工程Bを実行し、プログラム可能な作業アームを備えた自動化プラットフォーム上に核酸抽出カートリッジを配置し、次いで、工程Cを実行し、自動化プラットフォームを開始して核酸抽出プロセスを実行し、核酸抽出プロセスを実行する工程C1を実行し、核酸抽出プロセスは工程C1を実行し、第1ピペットを取って、液体貯蔵領域から試料チューブに反応液体を引き込み、作業アームによって第1混合液体を形成し、次いで、工程C2を実行し、第1混合液体を、核酸抽出カートリッジの廃液タンク内に配置された抽出用膜チューブ内に移動させ、次いで、工程C3を実行し、通気デバイスまたは吸引デバイスを開始して、抽出用膜チューブ内の第1混合液を押し込み、または引き込み、廃液タンクに入り、半透膜を通過する工程を含む動作方法をさらに提供する。次に、工程C4を行い、抽出用膜チューブを採取し、次いで、工程C5を行い、抽出用膜チューブ内に添加される液体貯蔵領域から洗浄液を作業アームによって採取するために第2ピペットを採取し、次いで、工程C5を行い、通気装置または吸引装置を始動して、抽出用膜チューブ内の洗浄液を押したり引き出したりして半透膜を通過させ、次いで、工程C6を行い、工程C4およびC5を1~4回繰り返し、次いで、工程C7を行い、抽出用膜チューブを液体貯蔵領域内の回収チューブ穴に移動させ、回収チューブ穴内に抽出用膜チューブを圧入し、回収チューブ穴内に含まれる溶出液が作業アームによって抽出用膜チューブに圧入されるように、回収チューブ穴内に圧入し、最後に、工程Dを行い、核酸抽出工程を達成する。
【0014】
従来技術と比較して、本発明の核酸抽出カートリッジは、試薬及び消耗品を予備処分するための複数のチューブと、抽出プロセス中に生成された廃液を貯蔵するための廃棄タンクとを備える。抽出プロセス中、膜チューブ内の液体を押したり引き出したりして半透膜を通過させるために、正圧ポンプまたは負圧ポンプと協働することが可能である。プログラマブル作業アームを有する自動プラットフォームにより、自動プロセスを達成することができる。
【0015】
(添付図面の簡単な説明)
図1は、本発明による核酸抽出カートリッジの概略図を示す。
【0016】
図2は、本発明による自動化プラットフォームの概略図を示す。
【0017】
図3図10は、本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
【0018】
図11図12は、本発明による核酸抽出カートリッジを使用する動作方法のフローチャートを示す。
【0019】
(発明を実施するための最良の形態)
実施形態の以下の説明は、本出願が実施され得る特定の実施形態を示すために、添付の図面を参照する。本出願において言及される上、下、前、後、左、右、内部、外部、側などの方向用語は、添付の図面を参照する方向にすぎない。したがって、前述した方向性の用語は本発明を説明し理解するために使用されるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0020】
図1図2を参照されたい。図1は本発明による核酸抽出カートリッジ100の概略図を示し、図2は、本発明による自動化プラットフォーム10の概略図を示す。核酸抽出カートリッジ100は、核酸抽出カートリッジ本体110と、液体貯蔵領域150と、ピペット領域160と、廃液タンク130とを備える。廃液タンク130は、核酸抽出カートリッジ本体110に形成されている。廃液タンク130は、膜チューブ区画120と、第1接続ポート132と、通気ポート134とを備える。廃液タンク130は、容器136をさらに備える。容器136は第1接続ポート132と廃液を収容するための通気ポート134との間に配置され、膜チューブ区画120は抽出用膜チューブ140を配置するために採用され、第1接続ポート132は廃液タンク130と膜チューブ区画120とを接続する。液体貯蔵領域150は、核酸抽出カートリッジ本体110に形成され、試料151を収容する試料チューブ158と、反応液152、洗浄液153及び溶出液154をそれぞれ収容する複数のチューブとを備える。ピペット領域160は核酸抽出カートリッジ本体110上に形成され、ピペット領域160は少なくとも1つのピペット162を収容するために使用される。この図に示すように、1つのピペット162のみが示されており、実際には、必要に応じて、より多くのピペット162を配置するために、パイプ穴を追加することができる。
【0021】
さらに、抽出用膜チューブ140は、開口端142と、廃液ドレン144と、半透膜146とをさらに備える。開口端142は、抽出用膜チューブ140の上部に配置される。廃液ドレン144は、抽出用膜チューブ140の下に配置され、第1接続ポート132に接続する。半透膜146は、廃液ドレン144の上方に配置される。半透膜146は、液体は選択的に通過させるが、核酸は通過させることができないという特性を有する。
【0022】
説明を容易にするために、本発明の核酸抽出カートリッジは、3つの領域:1.コア動作領域、2.ピペット領域、3.試薬領域(液体貯蔵領域130)に分割される。
【0023】
(1.コア動作領域)
この領域は、抽出用膜チューブ140が配置され得る膜チューブ区画120を有する廃液タンク130を含み、正圧装置または負圧装置(ポンプまたは他の装置)との接続が確保される。負圧装置(真空ポンプなど)は、通気ポート134を接続して、抽出用膜チューブ140内の液体を引き込み、半透膜146を通過させて、その下の容器136に送る。容器136の寸法は、試料の体積及びワークフローに応じて設計することができ、一般に、容器136の容量は試料151の体積の3~6倍であり、半透膜146への核酸の吸着(結合)、半透膜上の不純物のクリーニング(洗浄)などの工程をここで行うことができる。
【0024】
(2.ピペット領域)
ピペット領域160は、自動作業アームピペッティングのための吸引ピペットを提供するために、ピペットと共に予め配置され得る、少なくとも1つのチューブ穴を備える。
【0025】
(3.試薬領域)
試薬領域は、複数のチューブからなり、各工程に必要な試薬を予め配置し、試料の溶解(融解)、半透膜からの核酸回収(溶出)、核酸配置などの工程を行うことができ、核酸抽出を行う際には、まずカートリッジを自動化プラットフォームに入れ、全ての工程を完全に自動化できるようにプログラムを開始する。
【0026】
図2に示されるように、自動化プラットフォーム10は、作業アーム12およびカートリッジ配置領域14を備える。一般に、試料151を試料チューブ158に添加した後、核酸抽出カートリッジ100をカートリッジ配置領域14に入れることができる。次いで、自動化プラットフォーム10(コンピュータおよびメモリなどの必要な構成要素を含む)によって核酸抽出プロセスが実行され、作業アーム12が使用されて、ピペット162(液体)および抽出用膜チューブ140を移動させる。具体的には、作業アーム12がピペット162と抽出用膜チューブ140とをクランプして移動させることができる。あるいは、ピペットをクランプし、このピペットを利用して、ピペット162(使い捨て)を取って、液体を移動させることもできる(例えば、反応液152または洗浄液153をピペット領域160から引き出し、次いで、抽出用膜チューブ140に移動させて、抽出用膜チューブ140に液体を添加する)。
【0027】
詳細には、作業アーム12が物体を把持して移動させる作業を行うために、コンピュータと協働するようにプログラムされている。
【0028】
詳細には、廃液が容器136に入ることを可能にするための方法は、1.半透膜146を通過するように液体を引き込むための吸引装置(真空ポンプなどの負圧ユニット)に通気ポート134が接続されることと、2.液体が抽出用膜チューブ140に入った後、半透膜146を通過するように液体を押すための通気装置143(コンプレッサなどの正圧ユニット)に開口端142が接続されることとを含む。
【0029】
図3図12を参照されたい。図3図10は本発明による核酸抽出カートリッジ100の動作図を示し、図11図12は、本発明による核酸抽出カートリッジ100を使用する動作方法のフローチャートを示す。構成要素のシンボルについては、ここでは繰り返さず、図1図2を参照されたい。次に、本発明の核酸抽出カートリッジ100の動作方法について、工程図を用いて説明する。まず、図3を参照して、工程Aを行い、核酸抽出カートリッジ100の試料チューブ158に試料151を入れる。一般に、工程Aは、様々な状況に応じて手動または自動で処理することができる。
【0030】
図2を参照すると、ステップBが実行され、核酸抽出カートリッジ100は、プログラム可能な作業アーム12を有する自動化プラットフォーム10上に配置される。その後、工程Cが実行され、自動化プラットフォームが開始されて、核酸抽出プロセスが実行される。最後に、工程Dが実行され、核酸抽出プロセスが達成される。
【0031】
ステップC、すなわち核酸抽出プロセスは、以下の工程を含む本発明の最も重要な部分である。
【0032】
まず、図4を参照して、工程C1を行い、第1ピペット162を採取して、反応液152を液体貯蔵領域150から試料チューブ158に引き込み、作業アーム12によって第1混合液155を形成する。詳細には、反応液152が試料151中の核酸を溶解(融解)することができ、一般に、反応液152はアルコールを含む。
【0033】
次に、図5を参照して、工程C2を実施し、第1混合液155を核酸抽出カートリッジ100の廃液タンク120内に配置された抽出用膜チューブ140内に移動させる。
【0034】
次に、図6を参照して、工程C3を行い、抽出用膜チューブ140内の第1混合液155を、抽出用膜チューブ140の半透膜146を介して廃液タンク130に導入する。ここで、通気装置143または吸引装置135として、正圧ユニットまたは負圧ユニットが採用され、第1混合液155を押し出しまたは引き出して、半透膜146を介して廃液タンク130に流入させる詳細な方法は上述した通りであり、ここでは繰り返さない。
【0035】
次に、図7を参照して、ステップC4が実行され、第2ピペット162が採取されて、作業アーム12によって抽出用膜チューブ140内に添加される洗浄液153が液体貯蔵領域150から引き出される。具体的には、第1ピペット162および第2ピペット162が液体の相互汚染を回避するために異なるピペット162である。一般に、ピペット162は使い捨てである。
【0036】
次に、図8を参照して、工程C5が行われ、抽出用膜チューブ140内の洗浄液153が半透膜146を通過する。ここで、通気装置143または吸引装置135として、正圧ユニットまたは負圧ユニットを採用し、洗浄液153を押し出しまたは引き出して、半透膜146を介して廃液タンク130に流入させる詳細な方法は上述した通りであり、ここでは繰り返さない。そして、ステップC6を行い、ステップC4、C5を1~4回繰り返す。ここで、洗浄の回数は、要件(試料または環境など)に応じて調整することができる。
【0037】
最後に、図9図10を参照して、工程C7を行い、抽出用膜チューブ140を液体貯蔵領域150のリカバリーチューブ孔159に移動させ、リカバリーチューブ孔159に抽出用膜チューブ140を圧入することにより、リカバリーチューブ孔159に含まれる溶出液154を半透膜146に圧入し、作業アーム12により抽出用膜チューブ140に進入させる。
【0038】
詳細には、本発明における液体の移動が作業アーム12を利用してピペットをクランプし、次いでピペット162を取ることによって達成される。あるいは、ピペットが作業アーム12上に配置され、それを一緒に移動させることができる。ピペット162は必要とされるときにのみ使用することができ、作業アーム12上のクランプは、ピペットが必要とされないときに、抽出用膜チューブ140をクランプし、移動させるために使用される。
【0039】
従来技術と比較して、本発明は、試薬および消耗品を事前に処分するための複数のチューブと、抽出プロセス中に生成された廃液を貯蔵するための廃液タンクとを備える核酸抽出カートリッジを使用する。抽出プロセス中、膜チューブ内の液体を押したり引き出したりして半透膜を通過させるために、正圧ポンプまたは負圧ポンプと協働することが可能である。プログラマブル作業アームを有する自動化プラットフォームにより、自動化プロセスを達成することができる。
【0040】
上記は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、当業者であれば、容易に導き出される改良および修正は、本出願の保護された範囲に包含されるべきであることに留意されたい。したがって、本出願の保護された範囲は、改良および修正を含む主題の特許請求の範囲によって規定されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1】本発明による核酸抽出カートリッジの概略図を示す。
図2】本発明による自動化プラットフォームの概略図を示す。
図3】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図4】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図5】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図6】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図7】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図8】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図9】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図10】本発明による核酸抽出カートリッジの動作図を示す。
図11】本発明による核酸抽出カートリッジを使用する動作方法のフローチャートを示す。
図12】本発明による核酸抽出カートリッジを使用する動作方法のフローチャートを示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12