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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112293
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20240813BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024011051
(22)【出願日】2024-01-29
(31)【優先権主張番号】10-2023-0016410
(32)【優先日】2023-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】510223380
【氏名又は名称】エーピー システムズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】キム ソンジン
(72)【発明者】
【氏名】チャ ウンヒ
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョンス
(72)【発明者】
【氏名】キム デユ
(72)【発明者】
【氏名】イ ヒョンジン
【テーマコード(参考)】
5F131
【Fターム(参考)】
5F131AA03
5F131AA32
5F131BB03
5F131BB23
5F131CA38
5F131DA05
5F131DA22
5F131DA32
5F131DA33
5F131DA42
5F131DB88
5F131DC12
5F131KA14
5F131KA73
5F131KB32
5F131KB58
(57)【要約】
【課題】複数のチャンバーの間に基板を搬送しながら基板に対する処理工程を行う基板処理装置を提供すること。
【解決手段】第1の方向に基板を搬送する第1の搬送部を備え、前記基板を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと搬送しながら前記基板に対する処理が行われる第1のチャンバー部と、前記第1のチャンバー部と並ぶように配置されて、前記第1の方向と並ぶ方向に前記基板を搬送する第2の搬送部を備え、前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の他方の側から受け渡される前記基板を前記第1の方向と並ぶ方向に搬送して前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の一方の側に受け渡す第2のチャンバー部と、を備える基板処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に基板を搬送する第1の搬送部を備え、前記基板を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと搬送しながら前記基板に対する処理が行われる第1のチャンバー部と、
前記第1のチャンバー部と並ぶように配置されて、前記第1の方向と並ぶ方向に前記基板を搬送する第2の搬送部を備え、前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の他方の側から受け渡される前記基板を前記第1の方向と並ぶ方向に搬送して前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の一方の側に受け渡す第2のチャンバー部と、
を備える、基板処理装置。
【請求項2】
前記第1のチャンバー部には、第1の雰囲気が形成され、
前記第2のチャンバー部には、前記第1の雰囲気とは異なる第2の雰囲気が形成される、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第1の雰囲気は、窒素(N)雰囲気であり、
前記第1のチャンバー部は、前記第1の搬送部を介して搬送される前記基板の上にレーザービームを照射するレーザー部をさらに備える、請求項2に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記基板を昇降させる昇降部をさらに備え、
前記第1のチャンバー部は、前記第2のチャンバー部の上部に配置され、
前記昇降部は、前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部との間に前記基板を昇降させる、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記昇降部は、
圧縮空気を噴射して前記基板を浮揚させる昇降テーブルと、
前記昇降テーブルに配設され、前記昇降テーブルの上に浮揚された状態で前記基板を固定支持する基板ガイド部材と、
を備える、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記基板ガイド部材は、
前記昇降テーブルが前記第1のチャンバー部に対応して配設される場合に、前記基板を浮揚された状態で前記第1の搬送部に受け渡したり受け渡されたりし、
前記昇降テーブルが前記第2のチャンバー部に対応して配設される場合に、前記基板を浮揚された状態で前記第2の搬送部に受け渡したり受け渡されたりする、請求項5に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部との間に配設されるゲート部をさらに備え、
前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部は、側壁同士が相対向するように配置され、
前記ゲート部は、前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部との間に出入り通路を提供する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記第1の搬送部は、
窒素(N)を噴射する第1のパージ孔を備え、前記第1のパージ孔を介して前記基板を浮揚させる浮上ステージと、
前記浮上ステージの上に浮揚された状態で前記基板を固定支持して前記浮上ステージに沿って前記基板を移動させるグリッパーと、
を備える、請求項3に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記浮上ステージは、窒素(N)を吸い込んで排気する第1の吸込孔をさらに備える、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1のチャンバー部は、前記基板の浮揚を保持しながら前記基板の回転角度を調整する角度調整部をさらに備える、請求項8に記載の基板処理装置。
【請求項11】
前記角度調整部は、
第2のパージ孔を介して窒素(N)を噴射して前記基板を浮揚させながら第2の吸込孔を介して吸込力を提供して前記基板を浮揚された状態で固定支持するサブ浮上テーブルと、
前記サブ浮上テーブルを回転させて前記基板の回転角度を調整する第1のテーブル回転部と、
を備える、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項12】
前記第1のチャンバー部は、前記第1のチャンバー部内に搬入された前記基板の整列状態を確認する整列感知部をさらに備え、
前記角度調整部は、前記基板の回転角度を調整して前記基板を整列する、請求項10に記載の基板処理装置。
【請求項13】
前記第1のチャンバー部は、前記基板を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと1回搬送しながら前記基板の一部を処理し、
前記第2のチャンバー部は、前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の他方の側から受け渡される前記基板を回転させて前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の一方の側に搬入する、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項14】
前記第2の搬送部は、
第3のパージ孔を介して圧縮空気を噴射して前記基板を浮揚させながら第3の吸込孔を介して吸込力を提供して前記基板を浮揚された状態で固定支持する回転テーブルと、
前記基板とともに前記回転テーブルを回転させる第2のテーブル回転部と、
を備える、請求項4に記載の基板処理装置。
【請求項15】
前記第2の搬送部は、
圧縮空気を噴射する噴射孔を備え、前記噴射孔を介して前記基板を浮揚させるエア浮上プレートと、
前記エア浮上プレートに配設されて、前記エア浮上プレートの上に浮揚された状態で前記基板を固定支持する固定支持部材と、
前記固定支持部材を介して前記基板がリンクされた前記エア浮上プレートを移動させるプレート駆動部と、
を備える、請求項7に記載の基板処理装置。
【請求項16】
前記第2のチャンバー部は、前記基板とリンクされた前記エア浮上プレートを回転させるプレート回転部をさらに備える、請求項15に記載の基板処理装置。
【請求項17】
前記第2のチャンバー部は、前記エア浮上プレートの下部の中央に接続されて前記エア浮上プレートの噴射孔に前記圧縮空気を供給する軟性ガスライン部をさらに備える、請求項16に記載の基板処理装置。
【請求項18】
前記レーザー部は、前記第1の方向と交差する第2の方向の長さが前記基板の前記第2の方向の長さよりもさらに短いレーザービームを照射する、請求項3に記載の基板処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板処理装置に関し、より詳細には、複数のチャンバーの間に基板を搬送しながら基板に対する処理工程を行う基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光ディスプレイなどのディスプレイ装置の場合、各画素の発光有無や発光の度合いを当該画素に電気的に接続された薄膜トランジスターを用いて制御することになり、このような薄膜トランジスターは多種多様な構成をとり得るが、高い移動度などの長所をもった多結晶シリコン(Poly-Silicon)膜を活性層として用いることが好ましい。このとき、非晶質シリコン(Amorphous Silicon; α-Si膜)を多結晶シリコン膜に結晶化させる工程が必要であり、このために、基板のアニーリング(焼き鈍し)工程が行われる。
【0003】
アニーリング工程とは、金属やガラスを熱処理することにより、物質に蓄積されている歪み、水気、応力などを取り除き、内部の組織を一様にして電気的又は機械的な性質を改善するための工程のことを意味し、一般に、有機発光ディスプレイ装置などのフラットパネルディスプレイのレーザーアニーリング工程とは、シリコンウェーハの上にレーザービームを照射して非晶質シリコン膜を結晶化させることにより、多結晶シリコン膜を形成する工程のことを意味する。
【0004】
このようなレーザーアニーリング工程において、基板の打痕キズ(へこみ傷)及び引っ掻きキズを防ぐために基板を浮揚させて基板を搬送することがあり、レーザーアニーリング工程が行われるチャンバーは、基板への酸素(O)の影響をなくせるように内部雰囲気を窒素(N)雰囲気に保持するために窒素(N)を噴射して基板を浮揚させることがある。
【0005】
最近には、基板の大型化が進むことに伴い、窒素(N)の使用量が過剰に増えてしまうという問題があるため、窒素(N)の使用量を減らし、このために、窒素(N)雰囲気が形成されるチャンバーのサイズをも最小限に抑えられる技術が求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】韓国登録特許第10-0769475号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、複数のチャンバー部のうち、基板に対する処理が行われるチャンバー部のサイズを減らすことのできる基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一実施形態に係る基板処理装置は、第1の方向に基板を搬送する第1の搬送部を備え、前記基板を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと搬送しながら前記基板に対する処理が行われる第1のチャンバー部と、前記第1のチャンバー部と並ぶように配置されて、前記第1の方向と並ぶ方向に前記基板を搬送する第2の搬送部を備え、前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の他方の側から受け渡される前記基板を前記第1の方向と並ぶ方向に搬送して前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の一方の側に受け渡す第2のチャンバー部と、を備えていてもよい。
【0009】
前記第1のチャンバー部には、第1の雰囲気が形成され、前記第2のチャンバー部には、前記第1の雰囲気とは異なる第2の雰囲気が形成されてもよい。
【0010】
前記第1の雰囲気は、窒素(N)雰囲気であり、前記第1のチャンバー部は、前記第1の搬送部を介して搬送される前記基板の上にレーザービームを照射するレーザー部をさらに備えていてもよい。
【0011】
前記基板処理装置は、前記基板を昇降させる昇降部をさらに備え、前記第1のチャンバー部は、前記第2のチャンバー部の上部に配置され、前記昇降部は、前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部との間に前記基板を昇降させてもよい。
【0012】
前記昇降部は、圧縮空気を噴射して前記基板を浮揚させる昇降テーブルと、前記昇降テーブルに配設され、前記昇降テーブルの上に浮揚された状態で前記基板を固定支持する基板ガイド部材と、を備えていてもよい。
【0013】
前記基板ガイド部材は、前記昇降テーブルが前記第1のチャンバー部に対応して配設される場合に、前記基板を浮揚された状態で前記第1の搬送部に受け渡したり受け渡されたりし、前記昇降テーブルが前記第2のチャンバー部に対応して配設される場合に、前記基板を浮揚された状態で前記第2の搬送部に受け渡したり受け渡されたりしてもよい。
【0014】
前記基板処理装置は、前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部との間に配設されるゲート部をさらに備え、前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部は、側壁同士が相対向するように配置され、前記ゲート部は、前記第1のチャンバー部と前記第2のチャンバー部との間に出入り通路を提供してもよい。
【0015】
前記第1の搬送部は、窒素(N)を噴射する第1のパージ孔を備え、前記第1のパージ孔を介して前記基板を浮揚させる浮上ステージと、前記浮上ステージの上に浮揚された状態で前記基板を固定支持して前記浮上ステージに沿って前記基板を移動させるグリッパーと、を備えていてもよい。
【0016】
前記浮上ステージは、窒素(N)を吸い込んで排気する第1の吸込孔をさらに備えていてもよい。
【0017】
前記第1のチャンバー部は、前記基板の浮揚を保持しながら前記基板の回転角度を調整する角度調整部をさらに備えていてもよい。
【0018】
前記角度調整部は、第2のパージ孔を介して窒素(N)を噴射して前記基板を浮揚させながら第2の吸込孔を介して吸込力を提供して前記基板を浮揚された状態で固定支持するサブ浮上テーブルと、前記サブ浮上テーブルを回転させて前記基板の回転角度を調整する第1のテーブル回転部と、を備えていてもよい。
【0019】
前記第1のチャンバー部は、前記第1のチャンバー部内に搬入された前記基板の整列状態を確認する整列感知部をさらに備え、前記角度調整部は、前記基板の回転角度を調整して前記基板を整列してもよい。
【0020】
前記第1のチャンバー部は、前記基板を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと1回搬送しながら前記基板の一部を処理し、前記第2のチャンバー部は、前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の他方の側から受け渡される前記基板を回転させて前記第1のチャンバー部の前記第1の方向の一方の側に搬入してもよい。
【0021】
前記第2の搬送部は、第3のパージ孔を介して圧縮空気を噴射して前記基板を浮揚させながら第3の吸込孔を介して吸込力を提供して前記基板を浮揚された状態で固定支持する回転テーブルと、前記基板とともに前記回転テーブルを回転させる第2のテーブル回転部と、を備えていてもよい。
【0022】
前記第2の搬送部は、圧縮空気を噴射する噴射孔を備え、前記噴射孔を介して前記基板を浮揚させるエア浮上プレートと、前記エア浮上プレートに配設されて、前記エア浮上プレートの上に浮揚された状態で前記基板を固定支持する固定支持部材と、前記固定支持部材を介して前記基板がリンクされた前記エア浮上プレートを移動させるプレート駆動部と、を備えていてもよい。
【0023】
前記第2のチャンバー部は、前記基板とリンクされた前記エア浮上プレートを回転させるプレート回転部をさらに備えていてもよい。
【0024】
前記第2のチャンバー部は、前記エア浮上プレートの下部の中央に接続されて前記エア浮上プレートの噴射孔に前記圧縮空気を供給する軟性ガスライン部をさらに備えていてもよい。
【0025】
前記レーザー部は、前記第1の方向と交差する第2の方向の長さが前記基板の前記第2の方向の長さよりもさらに短いレーザービームを照射してもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明の実施形態に係る基板処理装置は、互いに並ぶように配置される第1及び第2のチャンバー部にそれぞれ互いに異なる(ガス)雰囲気を形成することにより、窒素(N)などの工程雰囲気を形成すべき第1のチャンバー部のサイズ(例えば、体積、面積など)を最小限に抑えることができ、工程雰囲気のための窒素(N)など雰囲気ガスの使用量を減らすことができる。また、基板を浮揚させるためのガスとして窒素(N)などの雰囲気ガスを用いなければならない区間(又は、空間)が狭まる結果、雰囲気ガスの使用量をさらに減らすことができ、雰囲気ガス使用量を最小限に抑えることができる。
【0027】
そして、第1のチャンバー部に配設された第1の搬送部の浮上ステージは、雰囲気ガスを噴射する第1のパージ孔のみならず、排気が行われる第1の吸込孔をも備えることにより、浮上ステージと基板との間に全体的に均一なガス密度の勾配が形成されて基板の撓み現象を抑止もしくは防止することができる。また、第1の吸込孔の本数に応じて相対的に第1のパージ孔の本数が減る結果、雰囲気ガスの使用量がさらに減るという効果もある。
【0028】
一方、第2のチャンバー部には第2の搬送部の回転テーブルと第2のテーブル回転部又はプレート回転部が配設されることにより、基板を回転させることで、レーザービームにより基板の一部ずつスキャン(scan)することができ、これにより、たとえ基板の大型化が進むとしても、レーザービームのサイズ(size)を(ほとんど)変更せずとも、基板のサイズ(size)に合わせて好適に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す概略断面図。
図2】本発明の一実施形態に係る第1の搬送部を説明するための概念図。
図3】本発明の一実施形態に係る第2の搬送部を説明するための概念図。
図4】本発明の一実施形態に係る基板の分割処理を順番に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下では、添付図面に基づいて、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。しかしながら、本発明は以下に開示される実施形態に何ら限定されるものではなく、互いに異なる様々な形態に具体化される筈であり、以下の実施形態は、単に本発明の開示を完全たるものにし、通常の知識を有する者に発明の範ちゅうを完全に知らせるために提供されるものである。本発明を説明するに当たって、同じ構成要素に対しては同じ参照符号を付し、図面は、本発明の実施形態を正確に説明するために大きさが部分的に誇張されてもよく、図中、同じ符号は、同じ構成要素を指し示す。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る基板処理装置を示す概略断面図であって、図1の(a)は、第1のチャンバー部と第2のチャンバー部が積層されて配置された積層型の側断面図であり、図1の(b)は、第1のチャンバー部と第2のチャンバー部が同一平面の上に並ぶように配置された水平型の水平断面図である。
【0032】
図1を参照すると、本発明の一実施形態に係る基板処理装置100は、第1の方向に基板10を搬送する第1の搬送部111を備え、前記基板10を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと搬送しながら前記基板10に対する処理が行われる第1のチャンバー部110と、前記第1のチャンバー部110と並ぶように配置されて、前記第1の方向と並ぶ方向に前記基板10を搬送する第2の搬送部121を備え、前記第1のチャンバー部110の前記第1の方向の他方の側から受け渡される前記基板10を前記第1の方向と並ぶ方向に搬送して前記第1のチャンバー部110の前記第1の方向の一方の側に受け渡す第2のチャンバー部120と、を備えていてもよい。
【0033】
第1のチャンバー部110は、第1の方向に延びてもよく、前記第1の方向に基板10を搬送する第1の搬送部111を備えていてもよい。第1の搬送部111は、第1のチャンバー部110の延在方向に沿って前記第1の方向に基板10を搬送することができる。このとき、第1の搬送部111は、基板10の打痕キズ(へこみ傷)及び/又は引っ掻きキズ(scratch)を防ぐために基板10を浮揚(floating)させて搬送してもよい。第1のチャンバー部110においては、第1の搬送部111を介して基板10を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと搬送しながら基板10に対する処理が行われてもよく、第1のチャンバー部110の前記第1の方向の一方の側から搬入された基板10が前記第1の方向に搬送されながら処理されて第1のチャンバー部110の前記第1の方向の他方の側に搬出されてもよい。
【0034】
ここで、第1のチャンバー部110は、内部に第1の雰囲気が形成されてもよく、前記第1の雰囲気は、第1のガスが供給されて形成されたガス雰囲気であってもよく、第1のガス雰囲気であってもよい。
【0035】
例えば、第1のチャンバー部110は、直接的に基板10に対する処理工程が行われてもよく、前記第1の雰囲気は、工程雰囲気であってもよく、窒素(N)などの雰囲気ガスにより形成されてもよい。このとき、第1のチャンバー部110は、内部空間を形成するハウジングを有していてもよく、前記内部空間に前記雰囲気ガスが満たされることにより、前記第1の雰囲気が形成されてもよい。
【0036】
第2のチャンバー部120は、第1のチャンバー部110と並ぶように配置されてもよく、前記第1の方向と並ぶ方向に延びてもよく、前記第1の方向と並ぶ方向に基板10を搬送する第2の搬送部121を備えていてもよい。第2の搬送部121は、第2のチャンバー部120の延在方向に沿って前記第1の方向と並ぶ方向に基板10を搬送することができる。このとき、第2の搬送部121もまた、基板10の打痕キズ(へこみ傷)及び/又は引っ掻きキズを防ぐために、基板10を浮揚(又は、浮上)させて搬送してもよい。第2のチャンバー部120は、第1のチャンバー部110の前記第1の方向の他方の側から受け渡される基板10を前記第1の方向と並ぶ方向に搬送して第1のチャンバー部110の前記第1の方向の一方の側に(再び)受け渡してもよく、第2のチャンバー部120の(前記第1の方向と並ぶ方向の)他方の側から、第1のチャンバー部110の前記第1の方向の他方の側から基板10を直間接的に受け渡されて第2のチャンバー部120の(前記第1の方向と並ぶ方向の)一方の側へと搬送して第1のチャンバー部110の前記第1の方向の一方の側に直間接的に受け渡してもよい。これにより、大面積の基板10を(一部分ずつ)分割して処理することができる。
【0037】
ここで、第2のチャンバー部120には、前記第1の雰囲気とは異なる第2の雰囲気が形成されてもよく、前記第2の雰囲気は、前記第1のガスとは異なる第2のガスが供給されて形成されたガス雰囲気であってもよく、第2のガス雰囲気であってもよい。このとき、前記第2のガスは、前記第1のガスと種類、流量、濃度、温度及びガス分圧のうちの少なくともいずれか一つが異なっていてもよい。
【0038】
例えば、第2のチャンバー部120は、基板10に対する処理工程が行われず、基板10の搬送(又は、移動)、回転及び整列(のみ)が行われてもよく、前記第2の雰囲気は、大気(Atmosphere;ATM)雰囲気であってもよく、大気中の空気などにより形成されてもよい。このとき、第2のチャンバー部120は、内部空間を形成するハウジングを有していてもよく、ハウジングなしに第2の搬送部121が配設(又は、配置)される空間(又は、区間や領域)を指す場合もあり、大気(圧)(ATM)雰囲気などの前記第2の雰囲気が形成可能であればよい。
【0039】
ここで、前記第1の雰囲気は、窒素(N)雰囲気であってもよく、第1のチャンバー部110は、第1の搬送部111を介して搬送される基板10の上にレーザービーム20を照射するレーザー部112をさらに備えていてもよい。レーザー部112は、第1の搬送部111を介して搬送される基板10の上にレーザービーム20を照射することができ、基板10が搬送されながらレーザービーム20によりスキャン(scan)されて基板10に対する処理工程が行われてもよい。
【0040】
例えば、レーザー部112は、基板10の上にレーザービーム20を照射して基板10上の薄膜及び/又は基板10の表面を結晶化させることができる。このとき、レーザービーム20が照射される基板10の領域が酸素(O)に曝露されれば、基板10の上部面に蒸着されている薄膜及び/又は基板10の表面が結晶化される過程において結晶質シリコンになれず、酸化物となる虞がある。
【0041】
このため、前記第1の雰囲気は、窒素(N)雰囲気であってもよく、第1のチャンバー部110の内部に窒素(N)雰囲気を形成してレーザービーム20が照射される基板10の領域が酸素(O)に曝露されることを防ぐことができる。
【0042】
このとき、基板10は、ガラス(glass)又はシリコン(Si)基板などであってもよく、非晶質シリコン(Amorphous Silicon;α-Si)膜などの薄膜が形成された基板であってもよい。
【0043】
したがって、本発明に係る基板処理装置100は、互いに並ぶように配置される第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120とを仕切ってそれぞれ互いに異なる(ガス)雰囲気を形成することにより、直接的に基板10に対する処理工程が行われる第1のチャンバー部110に(のみ)窒素(N)雰囲気(すなわち、工程雰囲気)を形成することができ、窒素(N)雰囲気を形成しなければならない空間(例えば、前記第1のチャンバー部の体積)を最小限に抑えることができ、これにより、窒素(N)雰囲気のための窒素(N)の使用量を減らすことができる。
【0044】
一方、第1のチャンバー部110は、基板10を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと1回(又は、1次)搬送しながら基板10の一部を処理することができ、第2のチャンバー部120は、第1のチャンバー部110の前記第1の方向の他方の側から受け渡される基板10を回転させて第1のチャンバー部110の前記第1の方向の一方の側に(再)搬入することができる。第1のチャンバー部110においては、基板10に対する前記第1の方向の一方の側から他方の側への1回の搬送につき基板10の一部のみを処理することができ、第2のチャンバー部120は、一部が処理されて第1のチャンバー部110の前記第1の方向の他方の側から受け渡される基板10を回転させて第1のチャンバー部110の前記第1の方向の一方の側に再び搬入(又は、再搬入)することができ、第1のチャンバー部110は回転して(再び)搬入された基板10を前記第1の方向の一方の側から他方の側へと1回(又は、2次)搬送しながら基板10の残りの一部を処理することができる。このため、大面積の基板10もまた、小さな照射面積のレーザービーム20にて(一部分ずつ)分割して処理することができ、レーザービーム20が照射される基板10の領域(又は、面積)を減らすことができ、これにより、(必須的に)窒素(N)雰囲気を形成しなければならない空間が減るという効果が奏される。
【0045】
本発明に係る基板処理装置100は、基板10を昇降させる昇降部130をさらに備えていてもよい。
【0046】
昇降部130は、基板10を昇降させることができ、第1のチャンバー部110及び/又は第2のチャンバー部120に基板10を搬入したり、第1のチャンバー部110及び/又は第2のチャンバー部120から基板10を搬出したりするために基板10を昇降させることができる。ここで、昇降部130は、基板10の打痕キズ(へこみ傷)及び/又は引っ掻きキズを防ぐために基板10を浮揚させた状態で昇降させてもよい。
【0047】
このとき、第1のチャンバー部110は、第2のチャンバー部120の上部に配置されてもよく、昇降部130は、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間に基板10を昇降させることができる。第1のチャンバー部110は、第2のチャンバー部120の上部に積層されて配置されてもよく、第1のチャンバー部110の上部面には石英(Quartz)などから作製されたウィンドウ115が配設されてレーザービーム20が透過可能であり、これにより、第1のチャンバー部110内において第1の搬送部111を介して搬送される基板10の上にレーザービーム20が照射されることが可能になる。ここで、昇降部130は、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間に基板10を昇降させることができ、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120とが直ちに接して積層可能であるため、昇降部130が基板10を昇降させる高さ(すなわち、昇降テーブルの移動距離)が減る。一方、第1のチャンバー部110が第2のチャンバー部120の上部に配置される場合には、第2のチャンバー部120の第2の搬送部121により搬送される基板10がレーザービーム20の干渉を受けないことから、それぞれ独立して第1のチャンバー部110においてレーザービーム20により基板10を処理しながら第2のチャンバー部120において他の基板10を搬送するのみならず、回転及び/又は整列することができる。
【0048】
第1のチャンバー部110が第2のチャンバー部120の下部に配置されれば、第1のチャンバー部110内にレーザービーム20を提供する(又は、到達させる)ために第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間にレーザー部112が配設(又は、配置)されて第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間の(離隔)距離が増えたり、辛うじてレーザービーム20が第2のチャンバー部120をも透過するように構成しなければならないだけではなく、第2のチャンバー部120を透過したレーザービーム20が第2の搬送部121により搬送される基板10に干渉されてしまう虞がある。
【0049】
しかしながら、第1のチャンバー部110を第2のチャンバー部120の上部に配置することにより、このような問題を解決することができる。
【0050】
ここで、昇降部130は、圧縮空気を噴射して基板10を浮揚させる昇降テーブル131と、昇降テーブル131に配設され、昇降テーブル131の上に浮揚された状態で基板10を固定支持する基板ガイド部材132と、を備えていてもよい。昇降テーブル131は、圧縮空気を噴射して基板10を浮揚させることができ、その表面から基板10を離隔させて非接触(non-contact)方式により基板10を支持することができる。例えば、昇降テーブル131は、前記圧縮空気を基板10の下面に噴射して基板10を浮上(又は、浮揚)させることができる。これにより、従来に昇降テーブルの表面と基板10との接触により基板10の昇降(又は、搬送)中に必然的に生じることを余儀なくされていた基板10の表面(又は、前記薄膜)の打痕キズ(へこみ傷)及び引っ掻きキズなどを防ぐことができ、基板10の表面の打痕キズ(へこみ傷)及び/又は引っ掻きキズを防ぐことにより、工程不良率が減少することができ、工程安定性が確保されることが可能になる。
【0051】
基板ガイド部材132は、昇降テーブル131に配設されてもよく、昇降テーブル131の上に浮揚された状態で基板10を固定支持することができる。例えば、基板ガイド部材132は、昇降テーブル131に接続(又は、結合)されて昇降テーブル131につれて昇降しながら基板10を昇降テーブル131の上に浮揚された状態で固定支持することができる。このとき、基板ガイド部材132は、基板10の周縁(部)を固定支持することができ、未使用の(又は、廃棄される)基板10のダミー(dummy)部分又は領域を固定支持することができる。
【0052】
そして、基板ガイド部材132は、昇降テーブル131が第1のチャンバー部110に対応して配設される場合に、基板10を浮揚された状態で第1の搬送部111に受け渡したり、第1の搬送部111から受け渡されたりすることができ、昇降テーブル131が第2のチャンバー部120に対応して配設される場合に、基板10を浮揚された状態で第2の搬送部121に受け渡したり、第2の搬送部121から受け渡されたりすることができる。すなわち、基板ガイド部材132は、昇降テーブル131の昇降位置(又は、高さ)に応じて、第1のチャンバー部110及び/又は第2のチャンバー部120に基板10を搬入及び/又は搬出することができる。例えば、基板ガイド部材132は、基板10を浮揚された状態で固定支持して第1のチャンバー部110の第1の搬送部111に基板10を受け渡したり、第1の搬送部111から基板10を受け渡されたりすることができ、第2のチャンバー部120の第2の搬送部121に基板10を受け渡したり、第2の搬送部121から基板10を受け渡されたりすることができる。このとき、基板ガイド部材132が第1のチャンバー部110又は第2のチャンバー部120内に進入して基板10を受け渡したり受け渡されたりすることもできれば、グリッパー111b又は固定支持部材121cなどの第1の搬送部111又は第2の搬送部121の一部が第1のチャンバー部110又は第2のチャンバー部120の外に基板10を受け渡したり、第1のチャンバー部110又は第2のチャンバー部120の外から基板10を受け渡されたりすることもできる。
【0053】
ここで、昇降部130は、図1の(a)に示すように、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120の前記第1の方向の両側にそれぞれ配置されてもよく、各昇降部130には、昇降テーブル131と基板ガイド部材132がそれぞれ配設されてもよい。例えば、前記第1の方向の両側のうちの一方の側に配置された昇降部130は、搬送チャンバー50又は第2のチャンバー部120から基板10を受け渡されて第1のチャンバー部110に基板10を受け渡してもよく、前記第1の方向の両側のうちの他方の側に配置された昇降部130は、第1のチャンバー部110から基板10を受け渡されて第2のチャンバー部120又は搬送チャンバー50に基板10を受け渡してもよい。このとき、前記第1の方向の両側のうちの一方の側に配置された昇降部130と第1のチャンバー部110との間には搬入ゲート141が配設されて、搬入ゲート141を介して第1のチャンバー部110内に基板10を搬入することができ、前記第1の方向の両側のうちの他方の側に配置された昇降部130と第1のチャンバー部110との間には搬出ゲート142が配設されて、搬出ゲート142を介して第1のチャンバー部110から基板10を搬出することができる。
【0054】
一方、昇降部130は、搬送チャンバー50から受け渡された基板10を第2のチャンバー部120から受け渡してもよいし、あるいは、第2のチャンバー部120から基板10を受け渡されて搬送チャンバー50に基板10を受け渡してもよい。ここで、前記一方の側と前記他方の側は、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との互いに対応する(又は、隣り合う)側を意味し、第1のチャンバー部110の前記一方の側と第2のチャンバー部120の前記一方の側は、互いに並ぶように同じ方向を向く側であってもよく、第1のチャンバー部110の前記他方の側と第2のチャンバー部120の前記他方の側は、前記一方の側とは反対となって互いに並ぶように同じ方向を向く側であってもよい。
【0055】
本発明に係る基板処理装置100は、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間に配設されるゲート部140をさらに備えていてもよい。
【0056】
ゲート部140は、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間に配設されてもよく、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間に基板10を互いに受け渡しできるようにすることができる。例えば、ゲート部140は、第2のチャンバー部120から基板10を第1のチャンバー部110に搬入する搬入ゲート141と、第1のチャンバー部110から第2のチャンバー部120に基板10を搬出する搬出ゲート142と、を備えていてもよい。搬入ゲート141は、レーザービーム20により基板10を処理するために、第1のチャンバー部110に基板10を搬入可能な通路(passage)を提供することができる。
【0057】
そして、搬出ゲート142は、レーザービーム20により少なくとも一部が処理された基板10を第2のチャンバー部120に搬出可能な通路を提供することができる。
【0058】
このとき、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120は、側壁同士が相対向するように配置されてもよく、ゲート部140は、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間に出入り通路を提供することができる。第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120は、側壁同士が相対向するように同一平面の上に並ぶように配置されてもよく、水平型の配置構造を有していてもよく、第1のチャンバー部110の上部面には石英などから作製されたウィンドウ115が配設されてレーザービーム20が透過可能であり、これにより、第1のチャンバー部110内において第1の搬送部111を介して搬送される基板10の上にレーザービーム20が照射されることが可能になる。ここで、ゲート部140は、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120の側壁との間において第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120との間に出入り通路を提供することができ、基板10の処理のために基板10が搬送されながらレーザービーム20によりスキャンされるように第1のチャンバー部110への搬入通路(すなわち、前記搬入ゲート)を提供することができ、レーザービーム20によりスキャンされた基板10が第1のチャンバー部110から搬出可能な搬出通路(すなわち、前記搬出ゲート)を提供することができる。
【0059】
図2は、本発明の一実施形態に係る第1の搬送部を説明するための概念図であって、図2の(a)は、第1の搬送部の平面図を示し、図2の(b)は、第1の搬送部の側断面図を示す。
【0060】
図2を参照すると、第1の搬送部111は、窒素(N)を噴射する第1のパージ孔1aを備え、第1のパージ孔1aを介して基板10を浮揚させる浮上ステージ111aと、浮上ステージ111aの上に浮揚された状態で基板10を固定支持して浮上ステージ111aに沿って基板10を移動させるグリッパー(gripper)111bと、を備えていてもよい。浮上ステージ111aは、第1のチャンバー部110の延在方向に沿って延びてもよく、第1のパージ孔1aを備えていてもよく、第1のパージ孔1aを介して窒素(N)を噴射して基板10を浮揚させることができ、これにより、従来に搬送ステージの表面と基板10との接触により基板10の搬送中に必然的に生じることを余儀なくされていた基板10の表面の打痕キズ(へこみ傷)及び引っ掻きキズなどを防ぐことができる。第1のパージ孔1aは、窒素(N)を噴射することができ、基板10を浮揚させるとともに、基板10の周りの酸素(O)又はパーティクル(Particle)などの不純物をパージ(purge)して取り除くことができ、レーザービーム20が照射される基板10の領域が酸素(O)に曝露されることを防ぐことができる。
【0061】
すなわち、第1のチャンバー部110は、レーザービーム20が照射される基板10の領域が酸素(O)に曝露されることを防ぐために、内部に窒素(N)雰囲気が形成されるので、このような窒素(N)雰囲気を保持するために、第1のパージ孔1aは、前記雰囲気ガスと同じ窒素(N)を噴射して基板10を浮揚させることができる。
【0062】
例えば、第1のパージ孔1aは、複数本で構成されてもよく、第1のガス供給ラインにより複数本の第1のパージ孔1a同士が互いに接続(又は、連通)可能であり、一つの窒素(N)供給部113aから複数本の第1のパージ孔1aに窒素(N)が振り分けられて供給されることが可能になる。
【0063】
グリッパー111bは、浮上ステージ111aの上に浮揚された状態で基板10を固定支持して浮上ステージ111aに沿って基板10を移動させることができ、グリッパー駆動部111dにより浮上ステージ111aの延在方向に沿って(線状)移動可能であり、基板10を固定支持してグリッパー駆動部111dによる移動につれて線状移動させることができる。
【0064】
例えば、グリッパー111bは、基板10に接触して固定支持することができ、基板10を吸着固定(又は、支持)することもでき、基板10を把持して支持することもできる。グリッパー111bは、前記浮上ステージ111aの延在方向と並ぶように延びるグリッパー駆動部111dのレールに沿って移動可能なグリッパー駆動部111dの可動体に接続されて前記可動体の移動につれて前記第1の方向に移動することができ、前記可動体の移動による前記第1の方向への移動につれて、固定支持している基板10を浮上ステージ111aの上に浮揚された状態で前記第1の方向に線状移動させることができる。
【0065】
このとき、グリッパー111bは、基板10の周縁(部)を固定支持することができ、前記ダミー部分を固定支持することができ、前記ダミー部分にはレーザービーム20が照射されないことから、グリッパー111bがレーザービーム20に干渉されないながらも、基板10を前記第1の方向に線状移動させることができる。
【0066】
そして、浮上ステージ111aは、窒素(N)を吸い込んで排気する第1の吸込孔1bをさらに備えていてもよい。第1の吸込孔1bは、窒素(N)を吸い込んで排気することができ、排気を用いて吸込力を提供することもでき、真空(Vacuum)が形成可能である。例えば、第1の吸込孔1bは、真空ポンプ(vacuum pump)に接続されて真空引きが行われてもよく、複数本で構成されて第1の排気ライン(図示せず)により互いに接続(又は、連通)可能であり、一つの真空ポンプ(図示せず)により複数本の第1の吸込孔1bの真空引きが行われることが可能である。これにより、前記吸引力が生じて前記吸引力により基板10を引き寄せる引力を生じさせることができ、基板10を浮上ステージ111aの表面から離隔させて一定の高さに保持することができ、(複数本の)第1のパージ孔1aから噴射された窒素(N)が浮上ステージ111aと基板10との間に滞ることなく円滑に排気(又は、排出)されるようにすることもできる。
【0067】
第1の吸込孔1bがなく、第1のパージ孔1aのみがある場合には、第1のパージ孔1aから噴射された窒素(N)が浮上ステージ111aと基板10の外郭に排出(又は、排気)されることを余儀なくされるため、浮上ステージ111aと基板10との間から窒素(N)が円滑に排出できなくなり、前記外郭に近い浮上ステージ111aと基板10の周縁部の領域においては窒素(N)がそれでもある程度排出が行われるのに対し、前記外郭から遠い浮上ステージ111aと基板10の中央領域においては窒素(N)の排出が渋滞されてまるで風船(balloon)のように基板10の中央領域が凸状になることにより、基板10の撓み(warpage)が生じる虞がある。すなわち、前記外郭からの距離に応じて窒素(N)の排出能力が異なってきて浮上ステージ111aと基板10との間に領域ごと(例えば、前記周縁部領域と前記中央領域)にガス密度の勾配が異なってき、相対的にガス密度が低めの領域(例えば、前記周縁部領域)においては凹状になり得、相対的にガス密度が高めの領域(例えば、前記中央領域)においては凸状になり得る。
【0068】
しかしながら、本発明に係る基板処理装置100は、浮上ステージ111aが窒素(N)を噴射する第1のパージ孔1aのみならず、排気が行われる第1の吸込孔1bをも備えることにより、浮上ステージ111aと基板10との間に全体的に均一なガス密度の勾配が形成されて基板10の撓み現象を抑止もしくは防止することができる。
【0069】
一方、第1のパージ孔1aがなく、第1の吸込孔1bのみがある場合には、基板10が吸着支持されて浮上ステージ111aの表面に基板10が接触されることを余儀なくされ、基板10の表面(又は、前記薄膜)に打痕キズ(へこみ傷)及び引っ掻きキズなどの損傷が生じる虞がある。
【0070】
したがって、本発明に係る基板処理装置100は、第1のチャンバー部110に配設された第1の搬送部111の浮上ステージ111aが窒素(N)を噴射する第1のパージ孔1aのみならず、排気が行われる第1の吸込孔1bをも備えることにより、浮上ステージ111aと基板10との間に全体的に均一なガス密度の勾配が形成されて基板10の撓み現象を抑止もしくは防止することができる。また、第1の吸込孔1bの本数に応じて、相対的に第1のパージ孔1aの本数が減って、窒素(N)の使用量が減るという効果も奏される。
【0071】
第1のチャンバー部110は、基板10の浮揚を保持しながら基板10の回転角度を調整する角度調整部111cをさらに備えていてもよい。角度調整部111cは、基板10の浮揚を保持しながら基板10の回転角度を調整することができ、グリッパー111bにより固定支持されていない状態で浮揚された基板10を所定の角度だけ回転させて基板10の回転角度を調整することができる。
【0072】
ここで、角度調整部111cは、第2のパージ孔2aを介して窒素(N)を噴射して基板10を浮揚させながら第2の吸込孔2bを介して吸込力を提供して基板10を浮揚された状態で固定支持するサブ浮上テーブル11aと、サブ浮上テーブル11aを回転させて基板10の回転角度を調整する第1のテーブル回転部11bと、を備えていてもよい。サブ浮上テーブル11aは、第2のパージ孔2aを介して窒素(N)を噴射して基板10を浮揚させながら第2の吸込孔2bを介して吸込力を提供して基板10を浮揚された状態で固定支持することができる。すなわち、サブ浮上テーブル11aは、窒素(N)を噴射して基板10を浮揚させた状態で基板10との接触なしに第2の吸込孔2bを介した吸込力のみを提供してサブ浮上テーブル11aの回転につれて基板10が共回り(又は、一緒に回転)できるように基板10を固定支持することができる。第2の吸込孔2bを介した吸込力だけでは基板10への固定力が足りなくなる可能性があるが、サブ浮上テーブル11aは、90°未満という小さな角度でのみ回転して基板10の回転角度(のみ)を僅かに(又は、若干)調整するだけであるため、第2の吸込孔2bを介した吸込力だけでも基板10がサブ浮上テーブル11aにリンク(又は、接続)されてサブ浮上テーブル11aの回転につれて基板10の回転角度が調整されるようにすることができる。
【0073】
例えば、第2のパージ孔2aは、複数本で構成されてもよく、第2のガス供給ラインにより複数本の第2のパージ孔2aが互いに接続(又は、連通)可能であり、一つの窒素(N)供給部113bから複数本の第2のパージ孔2aに窒素(N)が振り分けられて供給されることが可能になる。このとき、浮上ステージ111aの窒素(N)供給部113aとサブ浮上テーブル11aの窒素(N)供給部113bには一つの窒素(N)供給源(図示せず)から窒素(N)が振り分けられて供給されてもよいし、あるいは、それぞれの窒素(N)供給源(図示せず)から窒素(N)がそれぞれ供給されてもよい。また、第2の吸込孔2bもまた複数本で構成されて第2の排気ライン(図示せず)により互いに接続(又は、連通)可能であり、一つの真空ポンプ(図示せず)により複数本の第2の吸込孔2bの真空引きが行われることが可能になる。
【0074】
第1のテーブル回転部11bは、サブ浮上テーブル11aを回転させて基板10の回転角度を調整することができ、サブ浮上テーブル11aが窒素(N)を噴射して基板10を浮揚支持した状態で第2の吸込孔2bを介した吸込力にて基板10をサブ浮上テーブル11aの上に固定することにより、第1のテーブル回転部11bがサブ浮上テーブル11aを回転させることにより、(リンクされた)基板10もまた共回り(又は、一緒に回転)して基板10の回転角度が調整されることが可能になる。
【0075】
そして、第1のチャンバー部110は、第1のチャンバー部110内に搬入された基板10の整列状態を確認する整列感知部(図示せず)をさらに備えていてもよい。整列感知部(図示せず)は、第1のチャンバー部110内に搬入された基板10の整列状態を確認することができ、浮上ステージ111aに対して基板10を整列して基板10が整列された状態で第1の搬送部111を介して搬送されながらレーザービーム20が照射されるようにすることができる。
【0076】
例えば、整列感知部(図示せず)は、整列センサー(align sensor)又はカメラ(camera)などであってもよく、基板10が浮上ステージ111aに対して整列されたか否かの確認のみを行ってよいし、あるいは、ビジョン(vision)にて基板10の整列状態を自ら目視(又は、確認)してもよい。
【0077】
このとき、角度調整部111cは、前記基板10の回転角度を調整して基板10を整列することができ、前記整列感知部(図示せず)において確認された基板10の整列状態に応じて前記基板10の回転角度を調整することができ、基板10が浮揚された状態で固定支持されたサブ浮上テーブル11aを回転させて基板10を浮上ステージ111aに対して整列することができる。例えば、前記ビジョンにて基板10の整列状態を自ら目視しながら(又は、確認しながら)浮上ステージ111aに対して基板10が整列されるまでサブ浮上テーブル11aを所定の角度にて回転させることができる。
【0078】
このように、浮上ステージ111a上において基板10が浮上ステージ111aに対して整列された後に(又は、状態で)グリッパー111bが基板10に接触して固定支持することができ、グリッパー111bが浮上ステージ111aの上に移動して浮上ステージ111aに沿って基板10を移動させることができる。
【0079】
一方、工程に応じて浮上ステージ111aに対して前記基板10の回転角度を(僅かに)傾くように(tilting)してもよく、角度調整部111cは、浮上ステージ111aに対して前記基板10の回転角度を調整することもでき、浮上ステージ111aに対して前記基板10の回転角度が(僅かに)傾くように前記基板10の回転角度を調整した後に(又は、状態で)、グリッパー111bが基板10に接触して固定支持することができる。
【0080】
そして、第2の搬送部121は、第3のパージ孔(図示せず)を介して圧縮空気を噴射して基板10を浮揚させながら第3の吸込孔(図示せず)を介して吸込力を提供して基板10を浮揚された状態で固定支持する回転テーブル121aと、基板10とともに回転テーブル121aを回転させる第2のテーブル回転部rと、を備えていてもよい。回転テーブル121aは、第3のパージ孔(図示せず)を介して圧縮空気を噴射して基板10を浮揚させながら第3の吸込孔(図示せず)を介して吸込力を提供して基板10を浮揚された状態で固定支持することができ、サブ浮上テーブル11aと同様に、基板10を浮揚させた状態で基板10との接触なしに第3の吸込孔(図示せず)を介した吸込力のみを提供して回転テーブル121aの回転につれて基板10が共回り(又は、一緒に回転)できるように基板10を固定支持することができる。
【0081】
しかしながら、回転テーブル121aの第3のパージ孔(図示せず)は、サブ浮上テーブル11aの第2のパージ孔2aから噴射するガスとは異なるガスを噴射して基板10を浮揚させることができ、第1のチャンバー部110は、直接的に工程が行われて前記工程雰囲気が形成される個所(又は、空間)であるため、サブ浮上テーブル11aの第2のパージ孔2aが前記雰囲気ガスと同じ窒素(N)を噴射して基板10を浮揚させるのに対し、第2のチャンバー部120は、工程が行われなくて前記工程雰囲気が形成されなくても済む個所ではないため、回転テーブル121aの第3のパージ孔(図示せず)が前記雰囲気ガスである窒素(N)の代わりに圧縮空気を噴射して基板10を浮揚させることができる。
【0082】
また、回転テーブル121aは、180°以上の大きな角度範囲を回転しなければならないため、回転テーブル121aの第3の吸込孔(図示せず)は複数本で構成されて90°未満という小さな角度だけで回転するサブ浮上テーブル11aの第2の吸込孔2bの本数よりも多くてもよく、複数本の第3の吸込孔(図示せず)を介して十分な吸込力を提供して第3の吸込孔(図示せず)を介した吸込力だけでも基板10との接触なしに回転テーブル121aの上に浮揚された基板10を固定支持することができ、基板10が回転テーブル121aにリンク(又は、接続)されて回転テーブル121aの回転につれて基板10もまた共回り(又は、一緒に回転)することができる。このとき、サブ浮上テーブル11aの第2の吸込孔2bよりも多い複数本の第3の吸込孔(図示せず)を介した十分な吸込力を用いて基板10に対して安定的な固定力を提供して回転テーブル121aの回転の際に基板10の揺動又は逸脱などなしに回転テーブル121aの回転につれて安定的に基板10が回転することが可能になる。
【0083】
一方、第3のパージ孔(図示せず)もまた複数本で構成されてもよく、複数本の第3のパージ孔(図示せず)は、圧縮空気を噴射して少ない数の第3のパージ孔(図示せず)でも十分な基板10の浮揚力を提供することができるので、サブ浮上テーブル11aの第2のパージ孔2aの本数よりも少ない数でも安定的に基板10を浮揚させることができる。
【0084】
第2のテーブル回転部rは、基板10とともに回転テーブル121aを回転させることができ、回転テーブル121aが圧縮空気を噴射して基板10を浮揚支持した状態で第3の吸込孔(図示せず)を介した吸込力にて基板10を回転テーブル121aの上に固定することにより、第2のテーブル回転部rが回転テーブル121aを回転させることにより、(リンクされた)基板10もまた共回りすることができる。
【0085】
一方、第2のチャンバー部120における第2の搬送部121中の回転テーブル121a以外の区間(又は、空間)には第2の浮上ステージが配設されてもよく、前記第2の浮上ステージは、浮上ステージ111aとは異なり、圧縮空気を噴射して基板10を浮揚させることができ、グリッパー111bのように第2のグリッパーを介して基板10を固定支持して前記第2の浮上ステージに沿って基板10を移動させることができる。ここで、前記第2のグリッパーは、回転テーブル121aの回転の際に基板10に対する固定支持を解放していて、回転テーブル121aの回転につれて基板10が回転した後に(再び)基板10を固定支持してもよい。
【0086】
図3は、本発明の一実施形態に係る第2の搬送部を説明するための概念図であって、図3の(a)は、第2の搬送部の概略斜視図を示し、図3の(b)は、第2の搬送部の正面図を示す。
【0087】
図3を参照すると、第2の搬送部121は、圧縮空気を噴射する噴射孔12aを備え、噴射孔12aを介して基板10を浮揚させるエア浮上プレート121bと、エア浮上プレート121bに配設されて、エア浮上プレート121bの上に浮揚された状態で基板10を固定支持する固定支持部材121cと、固定支持部材121cを介して基板10がリンク(link)されたエア浮上プレート121bを移動させるプレート駆動部121dと、を備えていてもよい。エア浮上プレート121bは、噴射孔12aを備えていてもよく、噴射孔12aを介して圧縮空気を噴射して基板10を浮揚させることができ、これにより、従来に搬送ステージの表面と基板10との接触により基板10の搬送中に必然的に生じることを余儀なくされていた基板10の表面の打痕キズ(へこみ傷)及び引っ掻きキズなどを防ぐことができる。
【0088】
固定支持部材121cは、エア浮上プレート121bに配設されてエア浮上プレート121bの上に浮揚された状態で基板10を固定支持することができ、エア浮上プレート121bに接続(又は、結合)可能であり、エア浮上プレート121bの上に浮揚された固定支持した状態でエア浮上プレート121bとともに移動することができる。
【0089】
例えば、固定支持部材121cは、基板10に接触して固定支持することができ、基板10を吸着固定(又は、支持)することもでき、基板10を把持して支持するグリッパーの形態であってもよい。固定支持部材121cは、エア浮上プレート121bの上に浮揚された状態で基板10を固定支持してエア浮上プレート121bの移動につれて一緒に(又は、併せて)移動しながら基板10もまた一緒に移動するようにすることができる。このとき、固定支持部材121cもまた、基板10の周縁(部)を固定支持することができ、前記ダミー部分を固定支持することができる。
【0090】
プレート駆動部121dは、固定支持部材121cを介して基板10がリンク(又は、接続)されたエア浮上プレート121bを移動させることができ、少なくとも第2のチャンバー部120の延在方向に沿って前記第1の方向と並ぶ方向にエア浮上プレート121bを移動させることができ、基板10が固定支持部材121cを介してエア浮上プレート121bとリンクされて、基板10もまたエア浮上プレート121bの移動につれて少なくとも前記第1の方向と並ぶ方向に移動することができる。
【0091】
例えば、プレート駆動部121dは、前記第1の方向と並ぶ方向に延びる第1のレール21aと、第1のレール21aに沿って前記第1の方向と並ぶ方向に移動(又は、走行)可能な第1の走行部21bと、第1の走行部21bの上に配設されて前記第1の方向と交差する第2の方向に延びる第2のレール21c及び第2のレール21cに沿って前記第2の方向に移動(又は、走行)可能な第2の走行部21dを備えていてもよい。第1のレール21aは、前記第1の方向と並ぶ方向に延びてもよく、複数本が並ぶように配置されてもよい。
【0092】
第1の走行部21bは、第1のレール21aに沿って前記第1の方向と並ぶ方向に走行(又は、移動)することができ、複数本の第1のレール21aにそれぞれ配設される複数の可動体と前記複数の可動体同士をつなぐ接続プレートとから構成されてもよい。
【0093】
第2のレール21cは、第1の走行部21bの上(例えば、前記接続プレートの上)に配設(又は、配置)されてもよく、第1の走行部21bと接続(又は、リンク)されてもよく、前記第1の方向と交差する第2の方向に延びてもよく、複数本が並ぶように配置されてもよい。
【0094】
第2の走行部21dは、第2のレール21cに沿って前記第2の方向に走行(又は、移動)することができ、複数本の第2のレール21cにそれぞれ接続される複数の脚部を有する移動テーブルから構成されてもよい。
【0095】
第2の走行部21dの上(例えば、前記移動テーブルの上)にエア浮上プレート121bが配設(又は、配置)されて第2の走行部21dと接続(又は、リンク)されることにより、前記第2の方向への第2の走行部21dの移動につれてエア浮上プレート121bが前記第2の方向に移動することができ、これにより、基板10もまた前記第2の方向に移動することができる。また、第2のレール21cが第1の走行部21bと接続されて前記第1の方向と並ぶ方向への第1の走行部21bの移動につれて第2のレール21cと第2の走行部21dが前記第1の方向と並ぶ方向に移動することができ、これにより、第2の走行部21dと接続されたエア浮上プレート121bもまた基板10とともに前記第1の方向と並ぶ方向に移動することができ、基板10が前記第1の方向と並ぶ方向に搬送されることが可能になる。
【0096】
そして、第2のチャンバー部120は、基板10とリンクされたエア浮上プレート121bを回転させるプレート回転部122をさらに備えていてもよい。プレート回転部122は、基板10とリンクされたエア浮上プレート121bを回転させることができ、エア浮上プレート121bのみを回転させてもよいし、あるいは、第2の走行部21d、第2のレール21c、第1の走行部21b又は第1のレール21aなどの他の構成要素とともにエア浮上プレート121bを回転させてもよい。例えば、プレート回転部122は、エア浮上プレート121bと第2の走行部21dとの間に配設されてエア浮上プレート121bを回転させることができ、エア浮上プレート121bが回転することにより、エア浮上プレート121bにリンクされた基板10もまた共回り(又は、一緒に回転)することができる。ここで、プレート回転部122は、180°以上に基板10が回転するようにエア浮上プレート121bを回転させてもよく、エア浮上プレート121bには固定支持部材121cが配設されて基板10に対して安定的な固定力を提供することにより、たとえエア浮上プレート121bが180°以上に回転するとしても、エア浮上プレート121bの回転の際に基板10の揺動又は逸脱などなしに、エア浮上プレート121bの回転につれて安定的に基板10が回転することが可能になる。
【0097】
このとき、第2のチャンバー部120は、エア浮上プレート121bの下部の中央に接続されてエア浮上プレート121bの噴射孔121aに前記圧縮空気を供給する軟性ガスライン部123をさらに備えていてもよい。軟性ガスライン部123は、エア浮上プレート121bの噴射孔121aに前記圧縮空気を供給することができ、エア浮上プレート121bの移動に影響を与えたり影響を受けたりしないように可撓性(flexibility)を有していてもよい。例えば、軟性ガスライン部123は、エア浮上プレート121bの移動につれて形状、長さ、両端間の距離のうちの少なくともいずれか一つが可変となるケーブルスリーブ(cable sleeve)から構成されてもよい。
【0098】
また、エア浮上プレート121bは、回転もするため、軟性ガスライン部123は、エア浮上プレート121bの回転に影響を与えたり影響を受けたりしないようにエア浮上プレート121bの下部の中央に接続されてもよい。エア浮上プレート121bは、360°に近く(例えば、約270°まで)回転しなければならないため、エア浮上プレート121bのいずれか片側に偏って軟性ガスライン部123が接続される場合にはエア浮上プレート121bが回転しながら軟性ガスライン部123がもつれてしまうなどエア浮上プレート121bの回転に干渉されてしまう虞がある。しかしながら、エア浮上プレート121bの回転軸と同心軸にエア浮上プレート121bの下部の中央に軟性ガスライン部123を接続する場合には、たとえエア浮上プレート121bが360°回転するとしても、軟性ガスライン部123がもつれることがなくなり、エア浮上プレート121bの回転に干渉されなくなる。
【0099】
第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120は、前記第1の雰囲気と前記第2の雰囲気であって、(ガス)の雰囲気が互いに異なるため、第1の搬送部111と第2の搬送部121において基板10を浮揚させるのに用いるガスが窒素(N)と圧縮空気であって、互いに異なる可能性があり、これにより、第1の搬送部111と第2の搬送部121は、基板10の搬送のための構成及び/又はそれによる搬送方式が互いに異なる可能性がある。
【0100】
したがって、本発明に係る基板処理装置100は、基板10を浮揚させるためのガスとして窒素(N)などの雰囲気ガスを用いなければならない区間(又は、空間)が減って、窒素(N)の使用量をさらに減らすことができ、窒素(N)の使用量を最小限に抑えることができる。
【0101】
一方、第2のチャンバー部120は、基板10を検査する基板検査部125をさらに備えていてもよい。基板検査部125は、基板10を検査することができ、基板10に異常がないか、あるいは、基板10の処理が上手く施されたかなど基板10の状態を確認することができる。このとき、第2の搬送部121を介して基板10を搬送したり、プレート回転部122を介して基板を回転させながら基板10を検査したりすることもできる。本発明はこれに特に限定されるものではなく、基板検査部125は、多種多様な方法により基板10を検査することができる。
【0102】
そして、浮上ステージ111aは、第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bのうちの少なくともどちらか一方の数が互いに異なる第1及び第2の領域を備えていてもよい。第1及び第2の領域は、第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bのうちの少なくともどちらか一方の数が互いに異なっていてもよく、レーザー部112からの距離(すなわち、前記レーザービームが照射される位置からの距離)に応じて仕切り可能である。
【0103】
例えば、レーザー部112から距離が近い個所を前記第1の領域とすることができ、実質的にレーザービーム20が照射されて工程が行われる個所(すなわち、前記レーザービームが照射される位置)に近い個所であるため、精度よく基板10を浮上させて基板10がフラット(flat)になるようにすることで、基板10に対して精度良い(及び/又は、均一な)レーザー処理が施されるようにすることができる。また、レーザー部112から距離が遠い個所を前記第2の領域とすることができ、実質的にレーザービーム20が照射されて工程が行われる個所(すなわち、前記レーザービームが照射される位置から遠い個所)であるため、レーザー工程の間に(ほとんど)影響を及ぼさないため、基板10が浮上して速やかに前記第1の方向に搬送されるようにすることができる。
【0104】
ここで、前記第1の領域は、前記第2の領域よりもレーザー部112に隣接しており、第1の本数の第1のパージ孔1aを有していてもよく、前記第2の領域は、前記第1の本数よりも少ない第2の本数の第1のパージ孔1aを有していてもよい。前記第1の領域は、前記第2の領域よりもレーザービーム20が照射される位置(又は、前記レーザー部)に隣接していてもよく、前記レーザービーム20が照射される位置に接していてもよく、基板10に対して精度良い(及び/又は、均一な)レーザー処理が行われるようにするために精度よく基板10を浮上させる高精細の区間(又は、領域)又は工程領域(又は、区間)であってもよい。このとき、前記第1の領域は、第1の本数の第1のパージ孔1aを有していてもよく、精度良い基板10の浮上のために多い数(又は、多数)の第1のパージ孔1aを有していてもよく、これにより、基板10の浮上を精度よく制御することができる。
【0105】
前記第2の領域は、前記第1の本数よりも少ない第2の本数の第1のパージ孔1aを有していてもよく、前記第1の領域よりも前記レーザービーム20が照射される位置から離隔していてもよい。例えば、前記第2の領域は、基板10を浮上させて速やかに前記第1の方向に(又は、前記第1の領域に)搬送する搬送区間(又は、領域)又は非工程領域(又は、区間)であってもよく、基板10を浮上可能な程度であれば済むため、少ない数(又は、少数)の第1のパージ孔1aを有していてもよい。このとき、前記第2の領域は、少ない数の第1のパージ孔1aにより基板10の浮揚(又は、浮上)を保持することができ、基板10が浮揚された状態で速やかに前記第1の方向に移動するようにすることができる。
【0106】
ここで、前記第1の領域は、第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bとが交互に配置されてもよい。例えば、前記第1の領域においては、第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bとが前記第1の方向に交互に配置されてもよく、第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bとが前記第2の方向に交互に配置されてもよく、第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bとが前記第1の方向と前記第2の方向の両方ともに交互に配置されてもよい。このとき、高い基板10の扁平度のためには、前記第1の方向と前記第2の方向の両方ともに第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bとが交互に配置されることが好ましい。
【0107】
このため、前記第1の領域において(領域ごとに)第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bとが一様に(又は、均一に)振り分けられて第1のパージ孔1aから噴射される窒素(N)の流れが形成されることができ、浮上ステージ111aと基板10との間に領域ごとに(又は、全体的に)ガス密度の勾配が均一になり、これにより、基板10の撓み現象をさらに有効に抑止もしくは防止することができる。
【0108】
そして、前記第2の領域は、第1の吸込孔1bの本数が第1のパージ孔1aの本数よりも少数であってもよい。ここで、前記第2の領域は、第1の吸込孔1bの本数が前記第2の本数よりも少数であってもよく、第1の吸込孔1bがなくてもよい。前記第2の領域においては、実質的な工程が行われない非工程領域であるため、速やかに基板10を前記第1の方向に搬送さえすれば済むため、第1のパージ孔1aを介して基板10を浮揚(又は、浮上)できればよい。このとき、第1の吸込孔1bが全くなければ、基板10の撓み現象が生じて基板10の損傷が生じる虞があるため、基板10の損傷が生じないほどに基板10の撓みを抑える(又は、最小限に抑える)ために、前記第2の領域は少なくとも1つ以上であり、前記第2の本数よりも少数の第1の吸込孔1bを有していてもよい。
【0109】
また、前記第1の領域は、第1のパージ孔1a又は第1の吸込孔1bが形成される凹部を備えていてもよい。前記凹部には第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bのうちのどちらか一方が形成されてもよく、前記凹部は、底面と側壁とからなって前記底面に形成された第1のパージ孔1a又は第1の吸込孔1bと連通していてもよく、このことから、第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bのうちの少なくともどちらか一方の周りに配設されることが可能になる。すなわち、第1のパージ孔1aが前記凹部に形成されて前記凹部が前記第1の領域の第1のパージ孔1aの周りに配設(又は、形成)されてもよく、第1の吸込孔1bが前記凹部に形成されて前記凹部が前記第1の領域の第1の吸込孔1bの周りに配設されてもよく、前記凹部が前記第1の領域の第1のパージ孔1aと第1の吸込孔1bの周りの両方ともに配設されてもよい。このとき、第1の吸込孔1bが前記凹部に形成されて前記凹部が少なくとも前記第1の領域の第1の吸込孔1bの周りに配設されることが好ましい。
【0110】
前記第1の領域の第1の吸込孔1bの周りに配設される前記凹部は、前記吸込力が第1の吸込孔1bに対応する(又は、前記吸込孔に位置している)部分(又は、一ヵ所)に集中せず、前記凹部の広さ(又は、面積)に見合う広い領域(又は、部分)に分散させることができ、これにより、前記第1の吸込孔1bに対応する部分と他の(又は、前記第1の吸込孔1bに対応する部分ではない)部分との間の高さのばらつきを抑える(又は、最小限に抑える)ことができる。前記第1の領域の第1の吸込孔1bの周りに前記凹部がない場合には、前記吸込力が基板10中の前記第1の吸込孔1bに対応する部分に集中することにつれて、前記第1の吸込孔1bに対応する部分の高さが前記他の部分よりも低くなり、前記第1の吸込孔1bに対応する部分と前記他の部分との間の高さのばらつきが生じてしまい、第1のパージ孔1aに対応する(又は、前記パージ孔に位置している)部分とは高さのばらつきがさらに大きくなる。しかしながら、前記第1の領域の第1の吸込孔1bの周りに前記凹部が配設される場合には、前記吸込力が前記凹部に見合う広い部分(又は、領域)に分散可能であり、これにより、前記第1の吸込孔1bに対応する部分と前記他の部分との間の高さのばらつきが抑えられる(又は、最小限に抑えられる)。
【0111】
第1のパージ孔1aは、狭い(断)面積の圧力の高い個所から広い(断)面積の圧力の低い個所へと窒素(N)が噴射されながら、広い領域(又は、部分)に行き渡っていくことができるので、前記第1の領域の第1のパージ孔1aの周りに前記凹部が配設されなくてもよいが、窒素(N)が行き渡っていく広さ(又は、面積)を制御して第1のパージ孔1aに対応する(又は、前記パージ孔に位置している)部分と他の部分との間の高さのばらつきを最小限に抑えることができる。また、前記第1の領域の第1のパージ孔1aの周りに配設される前記凹部は、前記凹部に見合う部分(又は、領域)にできる限り(又は、最大限に)垂直な窒素(N)の流れ(又は、噴射方向)を形成することもできる。一般に、狭い個所から広い個所へと窒素(N)が噴射される場合には、位置ごとに窒素(N)の噴射方向(又は、流れ)又は噴射角度が異なってくる可能性があり、このような窒素(N)の噴射方向により垂直な窒素(N)の流れとの(噴射)角度の違いにより、基板10の位置ごとの高さのばらつきが生じる虞がある。しかしながら、前記第1の領域の第1のパージ孔1aの周りに前記凹部が配設される場合には、前記凹部において窒素(N)が前記凹部に見合うように広く行き渡っていくことができ、これにより、前記凹部に見合う広い部分(又は、領域)において垂直な窒素(N)の流れが形成されることが可能になる。
【0112】
前記第1の領域の第1の吸込孔1bの周りに配設される前記凹部及び/又は前記第1の領域の第1のパージ孔1aの周りに配設される前記凹部を用いて、前記第1の吸込孔1bに対応する部分と前記他の部分、及び/又は前記第1のパージ孔1aに対応する部分と前記他の部分との間の高さのばらつきを抑えて(又は、最小限に抑えて)より一層平らに基板10を浮上させることができ、これにより、さらに精度良いレーザー処理が施されることが可能になる。
【0113】
前記第2の領域の第1の吸込孔1b及び/又は第1のパージ孔1aにも前記凹部が配設されてもよいが、前記第2の領域においては(非常に)平らな(又は、精度良い)基板10の浮上が不要であるため、前記第2の領域の第1の吸込孔1b及び/又は第1のパージ孔1aには前記凹部を形成しなくてもよい。
【0114】
ここで、前記凹部は、前記第2の方向に延びてもよく、前記第2の方向の長さが前記第1の方向の幅(又は、長さ)よりもさらに長くてもよい。レーザービーム20は、前記第2の方向に延びるラインビーム(line beam)であってもよく、このような場合には、ラインビームの形状のレーザービーム20が同時に照射される部分(又は、領域)が均一にレーザー処理できるようにレーザービーム20の延在方向に沿って基板10を平らに支持することが肝要である。前記凹部が前記第2の方向に延びて前記第2の方向の長さが前記第1の方向の幅よりもさらに長い場合には、前記凹部の延在方向に沿って前記凹部において吸込力などが前記第2の方向に分散されて(又は、振り分けられて)前記第2の方向に前記第1の吸込孔1bに対応する部分と前記他の部分との間、及び/又は前記第1のパージ孔1aに対応する部分と前記他の部分との間の高さのばらつきを抑える(又は、最小限に抑える)ことができ、基板10中のラインビームの形状のレーザービーム20が同時に照射されるべき(又は、照射される)部分を平らに支持することができる。これにより、ラインビームの形状のレーザービーム20が同時に照射される部分が均一にレーザー処理されることが可能になる。
【0115】
したがって、本発明の基板処理装置100は、浮上ステージ111aを第1のパージ孔1aの本数が相対的に多めの前記第1の領域と第1のパージ孔1aの本数が相対的に少なめの前記第2の領域とに仕切ることにより、レーザービーム20が照射される領域と隣り合う前記第1の領域においては浮上の高さ及び浮上の度合いを保持して精度良いレーザー工程を行うことができ、前記レーザービーム20が照射される領域から遠い前記第2の領域においては基板10の移動速度を向上させることができる。これにより、前記第1の領域における精度良いレーザー工程により安定性を確保しながら、前記第2の領域における向上した移動速度を用いて生産量を増大させることもできる。
【0116】
図4は、本発明の一実施形態に係る基板の分割処理を順番に示す図であって、図4の(a)は、第1のチャンバー部への基板の搬入を示し、図4の(b)は、半分がレーザービームにより結晶化された基板の搬出を示し、図4の(c)は、半分が結晶化された基板の回転を示し、図4の(d)は、半分が結晶化されかつ回転して第1のチャンバー部に再搬入された基板の搬送を示し、図4の(e)は、基板の残りの半分に対する結晶化を示す。
【0117】
図4を参照すると、レーザー部112は、前記第1の方向と交差する第2の方向の長さが基板10の前記第2の方向の長さよりもさらに短いレーザービーム20を照射することができる。レーザービーム20は、ラインビームであってもよく、前記第2の方向に延びてもよく、前記第2の方向の長さが基板10の前記第2の方向の長さよりもさらに短くてもよい。このような場合、基板10の部分(又は、領域)を仕切ってレーザー処理(又は、前記レーザービームのスキャン)が行われることができ、基板10を分割してレーザー処理を施すことができて、基板10のサイズ(size)に合わせて好適に対応することもできる。
【0118】
例えば、第1のチャンバー部110において(1次的に)基板10の半分10aをレーザービーム20により(第1)スキャンされるようにしてレーザー処理を施した後に、第2のチャンバー部120において回転テーブル121aと第2のテーブル回転部r又はエア浮上プレート121bとプレート回転部122を介して基板10を回転させ、第1のチャンバー部110に(再び)搬入して基板10の残りの半分10bがレーザービーム20により(第2)スキャンされるようにすることで、基板10の残りの半分10bをレーザー処理することができる。これにより、大型の基板10の全体に対するレーザー処理がインライン(in-line)工程により行われることが可能になる。
【0119】
また、レーザービーム20の前記第2の方向の長さが前記基板10の前記第2の方向の長さよりもさらに短い場合には、グリッパー111bが支持(又は、固定)可能な部分(又は、領域)を確保することもでき、グリッパー111bがレーザービーム20に干渉されないながらも、基板10を前記第1の方向に線状移動させる(又は、搬送する)ことができる。
【0120】
したがって、本発明に係る基板処理装置100は、第2のチャンバー部120に第2の搬送部121の回転テーブル121aと第2のテーブル回転部r又はプレート回転部122が配設されることにより、基板10を回転させることで、レーザービーム20により基板10の一部ずつスキャンすることができる。これにより、たとえ基板10の大型化が進むとしても、レーザービーム20のサイズ(size)を(ほとんど)変更せずとも、基板10のサイズに合わせて好適に対応することができ、第1のチャンバー部110と第2のチャンバー部120とから拡張性よく基板処理装置100を構成することもできる。
【0121】
一方、本発明の基板処理装置100は、搬送ユニット51が配設された搬送チャンバー50をさらに備えていてもよく、搬送ユニット51を介して第2のチャンバー部120、昇降部130又は第1のチャンバー部110に基板10を搬入及び搬出することができ、第2のチャンバー部120、昇降部130又は第1のチャンバー部110と搬送チャンバー50との間には搬送ゲート55が配設されて搬送ゲート55を介して基板10が搬入及び搬出されることが可能になる。
【0122】
このように、本発明においては、互いに並ぶように配置される第1及び第2のチャンバー部にそれぞれ互いに異なる雰囲気を形成することにより、窒素などの工程雰囲気を形成しなければならない第1のチャンバー部のサイズを最小限に抑えることができ、工程雰囲気のための窒素など雰囲気ガスの使用量を減らすことができる。また、基板を浮揚させるためのガスとして窒素などの雰囲気ガスを用いなければならない区間が減って、雰囲気ガスの使用量をさらに減らすことができ、雰囲気ガスの使用量を最小限に抑えることができる。そして、第1のチャンバー部に配設された第1の搬送部の浮上ステージは、雰囲気ガスを噴射する第1のパージ孔のみならず、排気が行われる第1の吸込孔をも備えることにより、浮上ステージと基板との間に全体的に均一なガス密度の勾配が形成されて基板の撓み現象を抑止もしくは防止することができる。さらに、第1の吸込孔の本数に応じて、相対的に第1のパージ孔の本数が減って、雰囲気ガスの使用量がさらに減るという効果も奏される。一方、第2のチャンバー部には第2の搬送部の回転テーブルと第2のテーブル回転部又はプレート回転部が配設されることにより、基板を回転させることで、レーザービームにより基板の一部ずつスキャンすることができ、これにより、たとえ基板の大型化が進むとしても、レーザービームのサイズを変更せずとも、基板のサイズに合わせて好適に対応することができる。
【0123】
上記の説明の際に使われた「~上に」という言い回しの意味合いは、直接的に接触する場合と直接的に接触はしないものの、上部又は下部に対向して位置する場合を含み、上部面又は下部面の全体に対向して位置することも可能であれば、部分的に対向して位置することも可能であり、位置上に離れて対向したり、上部面又は下部面に直接的に接触したりするという意味合いとして使われている。
【0124】
以上、本発明に好適な実施形態について図示しかつ説明したが、本発明は、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、特許請求の範囲において請求する本発明の要旨を逸脱することなく、当該本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者であれば、様々な変形及び均等な他の実施形態が可能であるということは理解できる筈である。よって、本発明の技術的な保護範囲は、特許請求の範囲によって定められるべきである。
【符号の説明】
【0125】
1a:第1のパージ孔
1b:第1の吸込孔
2a:第2のパージ孔
2b:第2の吸込孔
10:基板
10a:基板の半分
10b:基板の残りの半分
11a:サブ浮上テーブル
11b:第1のテーブル回転部
12a:噴射孔
20:レーザービーム
21a:第1のレール
21b:第1の走行部
21c:第2のレール
21d:第2の走行部
50:搬送チャンバー
51:搬送ユニット
55:搬送ゲート
100:基板処理装置
110:第1のチャンバー部
111:第1の搬送部
111a:浮上ステージ
111b:グリッパー
111c:角度調整部
111d:グリッパー駆動部
112:レーザー部
113a、113b:窒素供給部
115:ウィンドウ
120:第2のチャンバー部
121:第2の搬送部
121a:回転テーブル
121b:エア浮上プレート
121c:固定支持部材
121d:プレート駆動部
122:プレート回転部
123:軟性ガスライン部
125:基板検査部
130:昇降部
131:昇降テーブル
132:基板ガイド部材
140:ゲート部
141:搬入ゲート
142:搬出ゲート
r:第2のテーブル回転部
図1
図2
図3
図4