IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジェイ・アイ・エムの特許一覧 ▶ コスモス・パワーシステムズ株式会社の特許一覧

特開2024-112296核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置
<>
  • 特開-核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置 図1
  • 特開-核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置 図2
  • 特開-核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置 図3
  • 特開-核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置 図4
  • 特開-核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置 図5
  • 特開-核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112296
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置
(51)【国際特許分類】
   F24F 7/007 20060101AFI20240813BHJP
   F24F 11/77 20180101ALI20240813BHJP
   F24F 11/63 20180101ALI20240813BHJP
   F24F 11/72 20180101ALI20240813BHJP
   E04H 9/14 20060101ALI20240813BHJP
   F24F 8/108 20210101ALN20240813BHJP
   F24F 110/76 20180101ALN20240813BHJP
   F24F 110/70 20180101ALN20240813BHJP
   F24F 110/72 20180101ALN20240813BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20240813BHJP
【FI】
F24F7/007 B
F24F7/007 D
F24F11/77
F24F11/63
F24F11/72
E04H9/14 K
F24F8/108
F24F110:76
F24F110:70
F24F110:72
F24F110:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014100
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2023016880
(32)【優先日】2023-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】520073689
【氏名又は名称】株式会社ジェイ・アイ・エム
(71)【出願人】
【識別番号】523043119
【氏名又は名称】コスモス・パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】池田 時浩
(72)【発明者】
【氏名】山下 玲如
【テーマコード(参考)】
2E139
3L056
3L260
【Fターム(参考)】
2E139AA23
2E139AA25
2E139AA30
2E139AB08
2E139AB16
2E139AB22
2E139AC19
2E139AC26
3L056BD01
3L056BE01
3L056BF04
3L056BF06
3L260AA06
3L260AA20
3L260BA12
3L260BA43
3L260BA74
3L260CA12
3L260CA17
3L260DA10
3L260EA08
3L260FA09
3L260FC04
3L260FC31
3L260FC38
(57)【要約】
【課題】核シェルターにおいて効率よく電力を使用するための核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置を提供する。
【解決手段】核シェルター電力供給調整システム100は、主電源装置31と、蓄電池32と、主電源装置31から電力が供給されている平常時には、蓄電池32及び核シェルター1内の換気を行う換気装置6を含む核シェルター1内にある電力を使用する各設備40に対して主電源装置31から電力を供給し、主電源装置31から電力の供給遮断を検出した非常時には、蓄電池32から各設備40に対して電力を供給するように電力供給元を切り替える電力制御装置10と、核シェルター1内の酸素濃度を計測する酸素濃度センサ41と、を備え、電力制御装置10は、酸素濃度センサ41の検出値に基づいて換気装置6への電力量を調整する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
主電源部と、
蓄電部と、
前記主電源部から電力が供給されている平常時には、前記蓄電部及び核シェルター内の換気を行う換気装置を含む前記核シェルター内にある電力を使用する各装置に対して前記主電源部から電力を供給し、前記主電源部から電力の供給遮断を検出した非常時には、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給するように電力供給元を切り替える電力制御部と、
前記核シェルター内の空気の成分に係る濃度を計測する第1センサ部と、
を備え、
前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値に基づいて前記換気装置への電力量を調整する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項2】
請求項1に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記第1センサ部は、前記核シェルター内の酸素濃度及び/又は二酸化炭素濃度を計測するものを含み、
前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値が指定値を下回った場合に、前記換気装置に対して電力を供給する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項3】
請求項2に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記第1センサ部は、前記核シェルター内の一酸化炭素濃度を計測するものを含み、
前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値が指定値を上回った場合に、前記換気装置に対する電力の供給を停止する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項4】
請求項3に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記第1センサ部が計測する各成分に係る濃度の優先順位を記憶する記憶部を備え、
前記電力制御部は、前記記憶部の前記優先順位が高い順に、前記検出値と前記優先順位に対応する指定値とを比較し、前記換気装置に対する電力の供給を制御する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項5】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
各装置には、温度調整装置が含まれ、
前記核シェルター内の温度を計測する第2センサ部を備え、
前記電力制御部は、前記第1センサ部及び前記第2センサ部の検出値に基づいて、各装置に対する電力供給量を調整する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項6】
請求項5に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記電力制御部は、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給している場合に、前記第1センサ部及び前記第2センサ部の検出値に基づいて、各装置に対する電力供給量を調整する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項7】
請求項5に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記電力制御部は、前記第2センサ部の検出値が指定範囲外になった場合に、前記温度調整装置に対して電力を供給する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項8】
請求項5に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
各装置には、照明装置が含まれ、
各装置についての電力供給に係る優先順位を記憶する記憶部を備え、
前記電力制御部は、前記第1センサ部と前記第2センサ部からの検出値と、前記記憶部の前記優先順位とに基づいて、各装置に対する電力供給量を調整する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項9】
請求項8に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記電力制御部は、前記蓄電部の電気容量に係る残量と、前記記憶部の前記優先順位とに基づいて、各装置に対する電力供給量を調整する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項10】
請求項1から請求項4までのいずれかに記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記電力制御部は、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給している際に前記主電源部から電力の供給を検出した場合には、前記主電源部から前記蓄電部及び各装置に対して電力を供給するように電力供給元を切り替える、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項11】
主電源部と、
前記主電源部から供給された電力を蓄電する蓄電部と、
前記蓄電部から核シェルター内の換気を行う換気装置を含む前記核シェルター内にある電力を使用する装置に対して電力を供給する電力制御部と、
前記核シェルター内の空気の成分に係る濃度を計測する第1センサ部と、
を備え、
前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値に基づいて前記換気装置への電力量を調整する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項12】
請求項11に記載の核シェルター電力供給調整システムにおいて、
前記電力制御部は、前記主電源部から電力が供給されている場合に、前記主電源部から前記蓄電部に対して電力を供給する、核シェルター電力供給調整システム。
【請求項13】
主電源部と、蓄電部とから電力が供給される電力制御装置であって、
前記主電源部から電力が供給されている平常時には、前記蓄電部及び核シェルター内の換気を行う換気装置を含む前記核シェルター内にある電力を使用する各装置に対して前記主電源部から電力を供給し、前記主電源部から電力の供給遮断を検出した非常時には、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給するように電力供給元を切り替え、
前記核シェルター内の空気の成分に係る濃度を計測する第1センサ部の検出値に基づいて前記換気装置への電力量を調整する、電力制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現状、世界情勢等に鑑み、核爆発等の有事の際に人命を守る核シェルターが検討され、また、核シェルターを実際に設置する動きが国内外で行われている。核爆発が発生した場合に放射性降下物の飛散が収まるまでの期間は、凡そ2週間である。そのため、有事の際には、人は核シェルター内に2週間は避難しなくてはならない。
核シェルターは、その性質上、密閉空間である必要がある。そのため、核シェルターには、放射線に汚染された外部の空気をフィルタにより浄化した上で内部に取り込む換気装置が設置される。換気装置を動作させるには、電力が必要である。しかし、有事の際には、電力会社からの電力供給が停止する場合が考えられる。
そこで、太陽電池を有し、当該太陽電池により発電された電力を使用する太陽電池付き核シェルターが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平2-236368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
太陽電池による発電では、設置された太陽光パネルを用いる。しかし、有事の際に太陽光パネルが破損することも考えられ、太陽光パネルが破損すると発電ができない。また、太陽電池による発電における発電量は、季節や地域、天候に左右され、また、夜間は発電ができないという欠点がある。
特に、有事の際には、電力が命綱であるため、効率よく電力を使用することが求められる。
【0005】
本発明は、核シェルターにおいて効率よく電力を使用するための核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、主電源部と、蓄電部と、前記主電源部から電力が供給されている平常時には、前記蓄電部及び核シェルター内の換気を行う換気装置を含む前記核シェルター内にある電力を使用する各装置に対して前記主電源部から電力を供給し、前記主電源部から電力の供給遮断を検出した非常時には、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給するように電力供給元を切り替える電力制御部と、前記核シェルター内の空気の成分に係る濃度を計測する第1センサ部と、を備え、前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値に基づいて前記換気装置への電力量を調整する、核シェルター電力供給調整システムに関する。
【0007】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記第1センサ部は、前記核シェルター内の酸素濃度及び/又は二酸化炭素濃度を計測するものを含み、前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値が指定値を下回った場合に、前記換気装置に対して電力を供給してもよい。
【0008】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記第1センサ部は、前記核シェルター内の一酸化炭素濃度を計測するものを含み、前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値が指定値を上回った場合に、前記換気装置に対する電力の供給を停止してもよい。
【0009】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記第1センサ部が計測する各成分に係る濃度の優先順位を記憶する記憶部を備え、前記電力制御部は、前記記憶部の前記優先順位が高い順に、前記検出値と前記優先順位に対応する指定値とを比較し、前記換気装置に対する電力の供給を制御してもよい。
【0010】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、各装置には、温度調整装置が含まれ、前記核シェルター内の温度を計測する第2センサ部を備え、前記電力制御部は、前記第1センサ部及び前記第2センサ部の検出値に基づいて、各装置に対する電力供給量を調整してもよい。
【0011】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記電力制御部は、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給している場合に、前記第1センサ部及び前記第2センサ部の検出値に基づいて、各装置に対する電力供給量を調整してもよい。
【0012】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記電力制御部は、前記第2センサ部の検出値が指定範囲外になった場合に、前記温度調整装置に対して電力を供給してもよい。
【0013】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、各装置には、照明装置が含まれ、各装置についての電力供給に係る優先順位を記憶する記憶部を備え、前記電力制御部は、前記第1センサ部と前記第2センサ部からの検出値と、前記記憶部の前記優先順位とに基づいて、各装置に対する電力供給量を調整してもよい。
【0014】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記電力制御部は、前記蓄電部の電気容量に係る残量と、前記記憶部の前記優先順位とに基づいて、各装置に対する電力供給量を調整してもよい。
【0015】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記電力制御部は、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給している際に前記主電源部から電力の供給を検出した場合には、前記主電源部から前記蓄電部及び各装置に対して電力を供給するように電力供給元を切り替えてもよい。
【0016】
また、本発明は、主電源部と、前記主電源部から供給された電力を蓄電する蓄電部と、前記蓄電部から核シェルター内の換気を行う換気装置を含む前記核シェルター内にある電力を使用する装置に対して電力を供給する電力制御部と、前記核シェルター内の空気の成分に係る濃度を計測する第1センサ部と、を備え、前記電力制御部は、前記第1センサ部の検出値に基づいて前記換気装置への電力量を調整する、核シェルター電力供給調整システムに関する。
【0017】
また、核シェルター電力供給調整システムにおいて、前記電力制御部は、前記主電源部から電力が供給されている場合に、前記主電源部から前記蓄電部に対して電力を供給してもよい。
【0018】
また、本発明は、主電源部と、蓄電部とから電力が供給される電力制御装置であって、前記主電源部から電力が供給されている平常時には、前記蓄電部及び核シェルター内の換気を行う換気装置を含む前記核シェルター内にある電力を使用する各装置に対して前記主電源部から電力を供給し、前記主電源部から電力の供給遮断を検出した非常時には、前記蓄電部から各装置に対して電力を供給するように電力供給元を切り替え、前記核シェルター内の空気の成分に係る濃度を計測する第1センサ部の検出値に基づいて前記換気装置への電力量を調整する、電力制御装置に関する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、核シェルターにおいて効率よく電力を使用するための核シェルター電力供給調整システム及び電力制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本実施形態に係る核シェルターの概要を説明するための図である。
図2】本実施形態に係る核シェルター電力供給調整システムの機能ブロック図である。
図3】本実施形態に係る電力制御装置の調整条件記憶部の例を示す図である。
図4】本実施形態に係る電力制御装置における電力供給切替処理を示すフローチャートである。
図5】本実施形態に係る電力制御装置における非常時処理を示すフローチャートである。
図6】変形形態に係る電力制御装置の検出値指標テーブルの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、図を参照しながら説明する。なお、これは、あくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0022】
(実施形態)
図1は、本実施形態に係る核シェルター1の概要を説明するための図である。
核シェルター電力供給調整システム100を設置する核シェルター1は、核爆発による衝撃波や爆風、放射線、熱及び火等の脅威に備えるための建築物であり、例えば、地下に設けられる。核シェルター1は、例えば、鉄筋とコンクリートとにより建設を行い、鉛を貼り付けた構造を有する。そして、核シェルター1は、これらの建築材と土との遮断力を利用する。
【0023】
核シェルター1の内部は、50~60平方メートル程度の大きさの空間を有する。そして、核シェルター1は、前室2と居住空間3とから構成される。前室2は、外部からの入口であるドア4と、居住空間3への入口であるドア5との間の空間である。前室2は、例えば、食料等を備蓄するために用いる。他方、居住空間3は、非常時に避難者(人等)が居住する空間である。
ドア4は、外部と核シェルター1の内部とを隔てるものであり、爆風にも耐えられる程度(例えば、約0.2m程度)の厚みを有する。また、ドア5は、前室2と居住空間3とを隔てるものであり、例えば、0.1m程度の厚みを有する。
【0024】
居住空間3には、換気装置6及び温度調整装置7が設置されている。
換気装置6は、フィルタを通して空気を循環させる装置である。フィルタは、例えば、VXガスやサリン等の有毒物質を除去し、放射線を遮断して、居住空間3にきれいな空気を送りこむためのものである。また、換気装置6は、不測の事態に備えて、避難者によって手動で動作させるための回転部材を有する。
温度調整装置7は、空調設備であり、居住空間3の空気の温度や湿度等を調整する装置である。
【0025】
次に、換気装置6や温度調整装置7等に電力を供給する核シェルター電力供給調整システム100について説明する。
図2は、本実施形態に係る核シェルター電力供給調整システム100の機能ブロック図である。
図3は、本実施形態に係る電力制御装置10の調整条件記憶部22の例を示す図である。
【0026】
核シェルター電力供給調整システム100は、核シェルター1における電力の供給を調整するためのシステムである。核シェルター電力供給調整システム100は、平常時には、核シェルター1の内部にある電力を使用する各設備40(各装置)に供給する電力として、主電源装置31(主電源部)からの電力を用いる。他方、有事の際等の非常時であって、主電源装置31からの電力供給が遮断された場合には、各設備40に供給する電力として、蓄電池32(蓄電部)に貯留した電力を用いる。また、核シェルター電力供給調整システム100は、電力を使用する各設備40に供給する電力量を調整する。
【0027】
図2に示すように、核シェルター電力供給調整システム100は、換気装置6と、温度調整装置7との他、照明装置8と、電力制御装置10(電力制御部)と、主電源装置31と、蓄電池32と、酸素濃度センサ41(第1センサ部)と、温度センサ42(第2センサ部)とを備える。
照明装置8は、例えば、居住空間3等に設けられ、居住空間3等において明るさを保つための装置である。
主電源装置31は、図示しないコンセントにより交流電流を受け入れて、電力制御装置10等への電力供給を行う。
蓄電池32は、主電源装置31による電力制御装置10等への電力供給がされない場合に、主電源装置31に代わって用いる電源である。蓄電池32は、例えば、バッテリ電源である。
【0028】
酸素濃度センサ41は、居住空間3の空気の成分に係る濃度として酸素濃度を計測し、検出値を電力制御装置10に出力する。
温度センサ42は、居住空間3の温度を計測し、検出値を電力制御装置10に出力する。
換気装置6と、温度調整装置7との他、照明装置8と、酸素濃度センサ41と、温度センサ42とは、各設備40に含まれる。各設備40には、電力制御装置10を介して電力が供給される。
【0029】
電力制御装置10は、核シェルター1にある各設備40に対して電力を供給し、電力量を調整する装置である。
電力制御装置10は、制御部11と、記憶部20とを備える。
制御部11は、電力制御装置10の全体を制御するCPU(中央処理装置)である。制御部11は、記憶部20に記憶されているプログラムを適宜読み出して実行することにより、上述したハードウェアと協働し、各種機能を実行する。
【0030】
制御部11は、電力供給確認部12と、電力切替部13と、検出値取得部14と、残量確認部15と、電力量調整部16と、電力供給部17とを備える。
電力供給確認部12は、主電源装置31からの電力供給及び供給の遮断を検出することで、主電源装置31から電力が供給されているか否かを確認する。
電力切替部13は、電力供給確認部12が主電源装置31からの電力の供給遮断を検出した場合には、電力供給元を、主電源装置31から蓄電池32に切り替える。また、電力切替部13は、電力供給確認部12が主電源装置31からの電力供給を検出した場合には、電力供給元を、蓄電池32から主電源装置31に切り替える。
【0031】
検出値取得部14は、酸素濃度センサ41や温度センサ42が送出した検出値を取得する。検出値取得部14は、例えば、予め定めた時間間隔(例えば、5分ごと)で、酸素濃度センサ41や温度センサ42が送出した検出値を取得する。
残量確認部15は、蓄電池32の電気容量に係る残量を確認する。
【0032】
電力量調整部16は、酸素濃度センサ41の検出値に基づいて換気装置6への電力量を調整する。また、電力量調整部16は、温度センサ42の検出値に基づいて温度調整装置7への電力量を調整する。さらに、電力量調整部16は、酸素濃度センサ41の検出値と、温度センサ42の検出値と、後述する調整条件記憶部22に記憶された優先順位テーブル22bの優先順位とに基づいて各設備40への電力量を調整する。さらにまた、電力量調整部16は、残量確認部15が確認した蓄電池32の電気容量に係る残量を考慮して、各設備40への電力量を調整する。電力量調整部16は、蓄電池32から各設備40に対して電力を供給している場合に、上述したように、各設備40への電力量を調整してもよい。
【0033】
電力供給部17は、酸素濃度センサ41の検出値が、例えば、後述する調整条件記憶部22に記憶された検出値指標テーブル22aの閾値外になった(指定値を下回った)場合に、換気装置6に対して電力を供給する。また、電力供給部17は、温度センサ42の検出値が、例えば、調整条件記憶部22に記憶された検出値指標テーブル22aの閾値(指定範囲)外になった場合に、温度調整装置7に対して電力を供給する。電力供給部17は、各設備40に対して、電力量調整部16による調整後の電力量を供給する。
そして、主電源装置31から電力供給がされている間は、電力供給部17は、蓄電池32と、各設備40とに対して電力を供給する。また、主電源装置31からの電力供給が遮断されている間は、電力供給部17は、蓄電池32に貯留された電力を、各設備40に対して供給する。
【0034】
記憶部20は、制御部11が各種の処理を実行するために必要なプログラム、データ等を記憶するためのハードディスク、半導体メモリ素子等の記憶領域である。
記憶部20は、プログラム記憶部21と、調整条件記憶部22とを備える。
プログラム記憶部21は、上記した制御部11が行う各種機能を実行するためのアプリケーションプログラムを記憶する記憶領域である。なお、複数のアプリケーションプログラムによって、制御部11が行う各種機能を実行してもよい。
【0035】
調整条件記憶部22は、各設備40に対する電力の供給条件や、各設備40に対する電力供給に係る優先順位を記憶する記憶領域である。
調整条件記憶部22は、検出値指標テーブル22aと、優先順位テーブル22bとを含む。
図3(A)に検出値指標テーブル22aを例示する。
検出値指標テーブル22aは、装置名と閾値とを対応付けたテーブルである。
例えば、酸素濃度センサ41であれば、閾値が18%以上であり、閾値を下回ると生命維持のために換気をする必要があることを示す。また、温度センサ42であれば、閾値が10度以上30度以下であり、閾値の範囲外になると生命維持のために温度調整が必要であることを示す。
なお、具体的な数値で示された閾値は、一例であり、生命維持に必要と思われる適宜の数値であってよい。
図3(B)に優先順位テーブル22bを例示する。
優先順位テーブル22bは、優先順位と装置名とを対応付けたテーブルである。
優先順位テーブル22bでは、各設備40のうち生命維持のために優先的に電力を供給すべき装置について、優先順位が高くなっている。
【0036】
なお、コンピュータとは、制御部、記憶装置等を備えた情報処理装置をいい、電力制御装置10は、制御部11、記憶部20等を備えた情報処理装置であり、コンピュータの概念に含まれる。
また、電力制御装置10は、1つの装置ではなく、複数の装置に組み合わせによって実現されていてもよい。
【0037】
次に、電力制御装置10の処理について説明する。
図4は、本実施形態に係る電力制御装置10における電力供給切替処理を示すフローチャートである。
図5は、本実施形態に係る電力制御装置10における非常時処理を示すフローチャートである。
図4の電力供給切替処理は、電力制御装置10に電力が供給されている間は、常に実行される。
【0038】
図4のステップS(以下、「ステップS」を、単に「S」という。)11において、電力制御装置10の制御部11(電力供給確認部12)は、主電源装置31から電力供給がされているか否かを確認する。主電源装置31から電力供給がされている場合(S11:YES)には、制御部11は、処理をS12に移す。他方、主電源装置31から電力供給がされていない場合(S11:NO)には、制御部11は、処理をS13に移す。
S12において、制御部11(電力供給部17)は、主電源装置31から蓄電池32を含む各設備40に対して電力を供給する。その後、制御部11は、処理をS11に移す。
他方、S13において、制御部11(電力切替部13)は、蓄電池32から各設備40に対して電力を供給するように電力供給元を切り替える。
S14において、制御部11は、非常時処理を行う。
【0039】
ここで、非常時処理について、図5に基づき説明する。
図5のS21において、制御部11(検出値取得部14)は、酸素濃度センサ41に対して電力を供給し、酸素濃度センサ41が送出した検出値を取得する。
S22において、制御部11(検出値取得部14)は、温度センサ42に対して電力を供給し、温度センサ42が送出した検出値を取得する。
S23において、制御部11(残量確認部15)は、蓄電池32の電気容量に係る残量を取得する。
【0040】
S24において、制御部11(電力量調整部16)は、取得した蓄電池32の残量と、酸素濃度センサ41及び温度センサ42から取得した検出値が検出値指標テーブル22aの閾値外であるか否かと、に応じて、優先順位テーブル22bの優先順位に対応した装置に対する電力量を調整する。
S25において、制御部11(電力供給部17)は、調整した電力量を対応する装置に供給する。その後、制御部11は、処理を図4のS15に移す。
【0041】
図4のS15において、制御部11(電力供給確認部12)は、主電源装置31からの電力供給が再開されたか否かを確認する。主電源装置31からの電力供給が再開されたことを確認した場合(S15:YES)には、制御部11は、処理をS16に移す。他方、主電源装置31からの電力供給が再開されたことを確認していない場合(S15:NO)には、制御部11は、処理をS14に移し、非常時処理を繰り返し行う。
S16において、制御部11(電力切替部13)は、主電源装置31から蓄電池32を含む各設備40に対して電力を供給するように、電力供給元を切り替える。その後、制御部11は、処理をS11に移す。
【0042】
次に、核シェルター電力供給調整システム100における電力調整についての具体例を説明する。
(具体例1)
酸素濃度センサ41の検出値が検出値指標テーブル22aの閾値外になった場合には、電力制御装置10は、換気装置6に対して電力を供給し、閾値内になるように換気装置6を動作させる。
【0043】
(具体例2)
温度センサ42の検出値が検出値指標テーブル22aの閾値外になった場合には、電力制御装置10は、温度調整装置7に対して電力を供給し、閾値内になるように温度調整装置7を動作させる。
【0044】
(具体例3)
蓄電池32の残量が規定値(例えば、60%)以下になった場合には、電力制御装置10は、優先順位テーブル22bの優先順位の高い換気装置6を最優先で動作させ、優先順位の低い照明装置8は必要最小限の電力で点灯させる。また、電力制御装置10は、各設備40に医療機器がある場合には、当該医療機器の優先順位を換気装置6と同等とし、優先的に電力を供給させる。電力制御装置10は、蓄電池32の残量に応じて、段階的に電力供給を優先する装置と電力量とを調整してもよい。
【0045】
このように、本実施形態の核シェルター電力供給調整システム100によれば、以下のような効果がある。
(1)主電源装置31と、蓄電池32と、主電源装置31から電力が供給されている平常時には、蓄電池32及び核シェルター1内の換気を行う換気装置6を含む核シェルター1にある電力を使用する各設備40に対して主電源装置31から電力を供給し、主電源装置31から電力の供給遮断を検出した非常時には、蓄電池32から各設備40に対して電力を供給するように電力供給元を切り替える電力制御装置10と、核シェルター1内の酸素濃度を計測する酸素濃度センサ41と、を備え、電力制御装置10は、酸素濃度センサ41の検出値に基づいて換気装置6への電力量を調整する。
よって、非常時には、蓄電池32から各設備40に対して電力を供給するように電力供給元を切り替えることで、核シェルター1内で電力を引き続き使用することができる。また、酸素濃度センサ41を使用することによって、必要に応じて換気装置6の運転を行わせることができる。
【0046】
(2)電力制御装置10は、酸素濃度センサ41の検出値指標テーブル22aの閾値外になった場合に、換気装置6に対して電力を供給する。
よって、酸素濃度センサ41を使用することによって、生命維持に必要な換気装置6の運転を行わせることができる。
【0047】
(3)各設備40には、温度調整装置7が含まれ、核シェルター1内の温度を計測する温度センサ42を備え、電力制御装置10は、酸素濃度センサ41及び温度センサ42の検出値に基づいて、各設備40に対する電力供給量を調整する。
よって、酸素濃度センサ41と温度センサ42とを使用することによって、必要に応じて換気装置6及び温度調整装置7の運転を行わせることができる。
【0048】
(4)電力制御装置10は、蓄電池32から各設備40に対して電力を供給している場合に、酸素濃度センサ41及び温度センサ42の検出値に基づいて、各設備40に対する電力供給量を調整する。
よって、非常時には、酸素濃度センサ41と温度センサ42とを使用することによって、必要に応じて換気装置6及び温度調整装置7の運転を行わせることができる。
【0049】
(5)電力制御装置10は、温度センサ42の検出値が検出値指標テーブル22aの閾値外になった場合に、温度調整装置7に対して電力を供給する。
よって、温度センサ42を使用することによって、生命維持に必要な温度調整装置7の運転を行わせることができる。
【0050】
(6)各設備40には、照明装置8が含まれ、各設備40についての電力供給に係る優先順位を記憶する優先順位テーブル22bを備え、電力制御装置10は、酸素濃度センサ41と温度センサ42とからの検出値と、優先順位とに基づいて、各設備40に対する電力供給量を調整する。
よって、優先順位の高い装置に対して優先的に電力を供給することができる。そのため、生命維持に必要な換気装置6の優先順位を高く設定し、照明装置8の優先順位を低く設定すれば、生命を維持するために適切な装置に対して電力を供給できる。
【0051】
(7)電力制御装置10は、蓄電池32の電気容量に係る残量と、優先順位テーブル22bの優先順位とに基づいて、各設備40に対する電力供給量を調整する。
よって、蓄電池32の残量をさらに考慮して、優先順位の高い装置に対して優先的に電力を供給する電力量を調整することができる。
(8)電力制御装置10は、蓄電池32から各設備40に対して電力を供給している際に主電源装置31から電力の供給を検出した場合には、主電源装置31から蓄電池32及び各設備40に対して電力を供給するように電力供給元を切り替える。
よって、主電源装置31から電力が供給された場合には、主電源装置31から各設備40に電力を供給するので、安定して電力を供給できる。また、主電源装置31から蓄電池32に電力を供給するので、蓄電池32の電気容量を貯留させることができる。
【0052】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。また、実施形態に記載した効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、実施形態に記載したものに限定されない。なお、上述した実施形態及び後述する変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。
【0053】
(変形形態)
(1)本実施形態では、核シェルター1を図1で例示して説明したが、これに限定されない。どのような形状の核シェルターであってもよい。また、前室2と居住空間3とを備えるものを例示したが、一例にすぎない。内部が密閉空間であり、避難者が有事において2週間程度は過ごすことができるものであれば、他のものであってもよい。
【0054】
(2)本実施形態では、センサとして酸素濃度センサ41と温度センサ42とを例示して説明したが、これに限定されない。例えば、酸素濃度センサ41の他に、二酸化炭素濃度センサ等を備えてもよいし、例えば、温度センサ42の他に、湿度センサ等を備えてもよい。
例えば、二酸化炭素は、その濃度が上昇すると生命に危険が生じるため、生命維持に必要な濃度を監視する必要がある。そして、二酸化炭素濃度センサを備える場合には、例えば、閾値を1000ppmとし、電力制御装置10は、閾値を超えると換気装置6に対して電力を供給し、閾値内になるように換気装置6を動作させる。
【0055】
さらに、核シェルター1は、センサとして一酸化炭素濃度センサを備えてもよい。また、居住空間3の二酸化炭素濃度を、計算値を用いて推定してもよい。
図6は、変形形態に係る電力制御装置10の検出値指標テーブル222aの例を示す図である。
図6に示す検出値指標テーブル222aは、図2及び図3(A)に示す検出値指標テーブル22aに代わるものである。
検出値指標テーブル222aは、一例として、優先順位と、装置名/計算値と、下限値及び上限値(指定値)と、危険判定と、判定制御との各項目を有する。
【0056】
優先順位は、空気の成分に係る濃度の優先順を示すものである。外部で発生した一酸化炭素が換気装置6から流入してくると、即座に生命に危険が及ぶ。そのため、検出値指標テーブル222aには、一酸化炭素濃度センサが、最も優先順位が高く設定されている。また、実験結果から、二酸化炭素濃度の方が酸素濃度よりも危険判定の値に達する速度が速いことが判明したため、二酸化炭素濃度の方が、酸素濃度よりも優先順位が高く設定されている。
そして、センサの検出値や計算値のうちの複数が同時に危険判定を満たす状態になった場合に、電力制御装置10は、優先順位が高いものを優先して制御を行う。例えば、一酸化炭素濃度センサと、二酸化炭素濃度センサとのいずれもが危険判定を満たす場合には、電力制御装置10は、一酸化炭素濃度センサの方が優先順位が高いため、一酸化炭素濃度センサの制御に対応するものとして、換気装置6を停止させる制御を行う。
【0057】
なお、温度センサは、空気の成分に係る濃度に関するものではないため、図6では優先順位の指定がされていない。
下限値及び上限値は、各値の下限及び上限に関するものであり、予め設定されている。
危険判定は、危険を判定する指標であり、下限値又は上限値のいずれかを用いた指標である。
判定制御は、危険判定を満たす場合の制御に関する。
【0058】
例えば、優先順位が「1」である一酸化炭素濃度センサの場合は、検出値が上限値超になると、電力制御装置10が換気装置6を停止する制御を行うことを示す。居住空間3の内部では、基本的に何かが燃えるということは考えられず、一酸化炭素を検知するのは、外部での火災等で一酸化炭素が発生し、換気装置6を通じてそれが流入してくる場合にほぼ限られると想定される。そのため、電力制御装置10は、検出値が上限値超になった場合に、換気装置6を停止する制御を行う。
【0059】
なお、図6に示す検出値指標テーブル222aには、一酸化炭素濃度センサにおいて下限値が設定されているが、下限値の設定は、任意である。下限値が設定されている場合には、例えば、検出値が下限値に達したら判定制御を解除するようにしてもよい。他の装置名/計算値ものも同様に、危険判定に用いらない方の値の設定は、任意である。
【0060】
また、優先順位が「4」である二酸化炭素濃度計算値は、閉ざされた空間において、時間経過とともに二酸化炭素濃度がどの程度増加するかを計算により求め、その計算値を電力制御装置10の制御に用いるものである。居住空間3において二酸化炭素が増加する原因は、人間の呼気によるものに限定される。そして、時間経過とともに増加する二酸化炭素濃度の値は、避難者の体重、身長、年齢、性別、活動状態(安静、軽微な運動、激しい運動等)に基づいて近似値を計算する計算式が公知であるため、それを用いる。
避難者は、居住空間3を使用する際に、例えば、図示しない入力装置から体重、年齢等を登録することで、電力制御装置は、公知の計算式を用い、避難者全員分の単位時間当たりの二酸化炭素呼出量の近似値を合計し、居住空間3の容積を用いて二酸化炭素濃度を算出する。二酸化炭素濃度計算値は、特に、二酸化炭素濃度センサが壊れた際等に活用できる。
【0061】
なお、検出値指標テーブル222aは、一例である。居住空間3の空気の成分に係る濃度として、空気に含まれる他の成分に係る濃度についての指標がある場合には、当該指標を検出値指標テーブル222aに追加すればよく、様々な空気の成分に対応できる。
【0062】
(3)本実施形態では、各設備40として換気装置6と、温度調整装置7と、照明装置8とを例示し、医療機器を含むことを説明したが、これに限定されない。電力が供給されることにより動作する他の装置であって、有事であっても必要な装置を含んでもよい。例えば、除湿機能を有し、大気中の空気から飲料水を製水する装置等を含んでもよい。
【0063】
(4)本実施形態では、主電源装置31から電力供給がされていない非常時において、各センサから検出値を取得して各設備40に対する電力量を調整するものを例に説明したが、これに限定されない。例えば、主電源装置から電力供給がされている平常値においても、各センサから検出値を取得して各設備に対する電力量を調整してもよい。
【0064】
(5)本実施形態では、電力制御装置10は、主電源装置31から電力が供給されているか否かを確認し、主電源装置31からの電力の供給遮断を検出した場合に、電力供給元を主電源装置31から蓄電池32に切り替えるものを例に説明したが、これに限定されない。主電源装置31から蓄電池32にのみ電力が供給されるようにし、電力制御装置10は、蓄電池32に対して接続されていてもよい。
【符号の説明】
【0065】
1 核シェルター
2 前室
3 居住空間
4、5 ドア
6 換気装置
7 温度調整装置
8 照明装置
10 電力制御装置
11 制御部
12 電力供給確認部
13 電力切替部
14 検出値取得部
15 残量確認部
16 電力量調整部
17 電力供給部
20 記憶部
22 調整条件記憶部
22a、222a 検出値指標テーブル
22b 優先順位テーブル
31 主電源装置
32 蓄電池
40 各設備
41 酸素濃度センサ
42 温度センサ
100 核シェルター電力供給調整システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6