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特開2024-112307取り外し可能な拡張ボルト、接続構成、及びそのような接続構成を作成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112307
(43)【公開日】2024-08-20
(54)【発明の名称】取り外し可能な拡張ボルト、接続構成、及びそのような接続構成を作成する方法
(51)【国際特許分類】
   F16B 13/06 20060101AFI20240813BHJP
   F16B 35/04 20060101ALI20240813BHJP
【FI】
F16B13/06 Z
F16B35/04 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024016469
(22)【出願日】2024-02-06
(31)【優先権主張番号】10 2023 102 863.4
(32)【優先日】2023-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(71)【出願人】
【識別番号】518454690
【氏名又は名称】ハイコ ベフェスティグングステヒニーク ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】シュナイダー, ノルベルト
(72)【発明者】
【氏名】コテンシュルテ, イェンス
【テーマコード(参考)】
3J025
【Fターム(参考)】
3J025AA07
3J025BA12
3J025CA03
(57)【要約】      (修正有)
【課題】限られた設置スペースで使用できるだけでなく、より簡単な手段でクランプすることもできる拡張ボルトを提供する。
【解決手段】第1の端部、第2の端部、及び円筒形の外側側面を有し、且つ、前記第2の端部に向かって断面積がテーパ状であるコーンセクションを内側に有する、拡張スリーブ2と、拡張スリーブ2とコーンボルト3の軸方向の相対移動の結果、拡張スリーブを拡張させるために前記拡張スリーブ2の内側セクションと協働するコーンセクションを有する、コーンボルトと、前記拡張スリーブ2に対して軸方向に前記コーンボルト3を調整するために、前記拡張スリーブ2の前記第1の端部を提供する端部セクションに接続された、クランプ装置とを有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能な拡張ボルトであって、
-拡張スリーブ(2、2.1)であって、第1の端部(8)、第2の端部(5)、及び円筒形の外側側面を有し、且つ、前記第2の端部(5)に向かって断面積がテーパ状であるコーンセクションを内側に有する、拡張スリーブ(2、2.1)と、
-コーンボルト(3)であって、拡張スリーブ(2、2.1)とコーンボルト(3)の軸方向の相対移動の結果、拡張スリーブを拡張させるために前記拡張スリーブ(2、2.1)の内側セクションと協働するコーンセクションを有する、コーンボルト(3)と、
-クランプ装置(4)であって、前記拡張スリーブ(2、2.1)に対して軸方向に前記コーンボルト(3)を調整するために、前記拡張スリーブ(2)の前記第1の端部(8)を提供する端部セクションに接続された、クランプ装置(4)と
を有し、
前記クランプ装置(4)は、前記拡張スリーブ(2、2.1)の第1の端部セクションの領域において軸方向に形状接続的に保持され前記拡張スリーブ(2、2.1)に対して軸方向に調整可能なクランプボルト(12)を含み、前記クランプボルト(12)はその外側端に駆動輪郭(21)を有し、前記駆動輪郭(21)とは反対側の前記クランプボルト(12)の足部(25)が、拡張スリーブ(2)を拡張させるためにクランプボルト(12)をクランプするときに前記コーンボルト(3)に作用し、前記クランプ装置(4)の方を向いた前記コーンボルト(3)の端面には、前記拡張スリーブ(2)から前記コーンボルト(3)を引き抜くことによりクランプされた前記拡張ボルト(1)を解放するためのリリースツールの接続部(29)を軸方向に形状接続的に接続するための、少なくとも1つの接続輪郭(11)が設けられていることを特徴とする、拡張ボルト。
【請求項2】
前記クランプボルトが、ねじを介して前記拡張スリーブと係合し、前記拡張スリーブに対して軸方向で調整可能であることを特徴とする、請求項1に記載の拡張ボルト。
【請求項3】
前記クランプ装置(4)が、前記拡張スリーブ(2、2.1)の前記第1の端部セクションの内側に軸方向に形状接続的に接続されたアバットメント本体(13)であって、中央の、雌ねじが設けられた貫通穴(20)を有するアバットメント本体(13)を含み、前記クランプボルト(12)は前記アバットメント本体(13)の前記貫通穴(20)の雌ねじと噛み合うことを特徴とする、請求項1に記載の拡張ボルト。
【請求項4】
前記アバットメント本体(13)が前記拡張スリーブ(2、2.1)にねじ留めされており、前記拡張スリーブ(2、2.1)は、その前記第1の端部セクションに雌ねじ(16)を、且つ、前記アバットメント本体(13)はそれと相補的な雄ねじを有することを特徴とする、請求項3に記載の拡張ボルト。
【請求項5】
前記アバットメント本体が、互いに形状接続的に結合された複数の構成要素で構成されており、これらの構成要素の1つは前記拡張スリーブにねじ留めされ、別の1つの構成要素は、雌ねじを有する貫通穴を有し、前記貫通穴に前記クランプボルトがねじ込まれることを特徴とする、請求項3に記載の拡張ボルト。
【請求項6】
前記クランプボルト(12)の前記足部(23)と前記コーンボルト(3)との間には、前記クランプボルト(12)の前記足部(23)を介して提供されるクランプ力を前記コーンボルト(3)に伝達するための力伝達要素(14)が配置されていることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の拡張ボルト。
【請求項7】
前記力伝達要素(14)がディスク状に設計されており、その直径は前記クランプボルト(12)の前記足部(23)の直径よりも大きいことを特徴とする、請求項6に記載の拡張ボルト。
【請求項8】
前記力伝達要素が、前記コーンボルトに面する側のその径方向の接続部の領域内に、外側の周回するスラストつばを担持していることを特徴とする、請求項7に記載の拡張ボルト。
【請求項9】
前記力伝達要素(14)が、前記コーンボルト(3)に面する側で、前記接続輪郭(11)に係合するピン(24)を担持していることを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の拡張ボルト。
【請求項10】
前記コーンボルト(3)に導入された前記接続輪郭(11)が雌ねじであることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の拡張ボルト。
【請求項11】
前記クランプボルト(12)まで径方向距離にある前記拡張スリーブ(2、2.1)および/または前記アバットメント本体(13)が、クランプツールのリアクションアームの形状接続的な係合及び支持のために、軸方向にアクセス可能な少なくとも1つの支持構造(10)を有することを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の拡張ボルト。
【請求項12】
円周方向に、同じ角距離で互いに距離を置いて配置された複数の同様の支持構造体(10)が設けられており、前記支持構造(10)は、クランプツールの同軸リアクションアームとしての、前面に相補的な係合輪郭を有するスリーブに係合するための、菊ナットの菊座金の形態により実現されることを特徴とする、請求項11に記載の拡張ボルト。
【請求項13】
請求項3から12のいずれか一項に記載の拡張ボルト(1、1.1)と、互いに接続される少なくとも2つの組立部品(25、26;25.1、26.1)とを含む接続構造であって、互いに接続される前記組立部品(25、26;25.1、26.1)は、前記拡張ボルト(1、1.1)の挿入のために、それぞれ互いに同軸の拡張ボルト穴を有し、前記拡張ボルト穴に前記拡張ボルト(1、1.1)が挿入され、前記拡張ボルト穴内で、前記拡張ボルト(1、1.1)がクランプされた際にその拡張スリーブ(2、2.1)が径方向に拡張した結果としてクランプされた状態が保持され、前記拡張ボルト(1)がクランプされたときには、前記クランプ装置(4)の外側は、操作側に配置されている前記組立部品(25)の隣接面(28)と面一になるか、又はそれに対して低くなることを特徴とする、接続構造。
【請求項14】
前記互いに接続される組立部品(25、26;15.1、26.1)の互いに同軸の前記拡張ボルト穴中への前記拡張ボルト(1、1.1)の挿入深さが、前記拡張スリーブ(2、2.1)に対して作用するストップショルダー(27、27.1、27.2、27.3)によって制限される、請求項13に記載の接続構造。
【請求項15】
請求項13又は14に記載の接続構造を作製するための方法であって、
-互いに接続し、それぞれが拡張ボルト穴を有する前記組立部品(25、26;25.1、26.1)を、それら拡張ボルト穴が互いに同軸に方向付けられるように配置する工程と、
-その構成部品に関して事前に組み立てられた前記拡張ボルト(1、1.1)を前記拡張ボルト穴中へ挿入する工程と、
-前記拡張ボルト(1、1.1)と前記拡張ボルト穴との間の径方向の遊びをなくすために、モータ駆動のクランプツールを使用して、最初に、仮締めトルクに至るまでトルク制御するやり方で、前記クランプボルト(12)を締めることにより前記拡張ボルト(1、1.1)をクランプし、その後、角度測定を使用して経路制御されたやり方で、前記コーンボルト(3)を前記拡張スリーブ(2、2.1)中へ圧入し、前記拡張スリーブ(2、2.1)を所定のように拡張する工程と、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、
-拡張スリーブであって、第1の端部、第2の端部、及び円筒形の外側側面を有し、且つ、第2の端部に向かって断面積がテーパ状であるコーンセクションを内側に有する、拡張スリーブと、
-コーンボルトであって、拡張スリーブとコーンボルトの軸方向の相対移動の結果、拡張スリーブを拡張させるために前記拡張スリーブの内側セクションと協働するコーンセクションを有する、コーンボルトと、
-クランプ装置であって、前記拡張スリーブに対して軸方向に前記コーンボルトを調整するために、前記拡張スリーブの前記第1の端部を提供する端部セクションに接続された、クランプ装置と
を有する、取り外し可能な拡張ボルトに関する。
【背景技術】
【0002】
拡張ボルトは、特に高いトルク又は横方向の力をフランジ軸に対して伝達する必要がある場合に、フランジ接続などの形状接続的な接続を作るために使用されている。そのような拡張ボルトの使用分野の1つは風力タービンであって、例えば、駆動トレイン内の2つのシャフトフランジ間にねじり剛性の高い接続を作る場合に使用される。
【0003】
そのような形状接続的な接続には、ボルトが止まり穴に係合する拡張ボルトが使用されることが多々ある。問題の種類の拡張ボルトは、固定手段としてねじ部を有することができるボルトを含み、このボルトにより第1の組立部品の止まり穴に設けられた雌ねじ穴に固定される。ボルトをクランプする際に必要なクランプ力を加えるには、ボルトの軸方向に作用するアンカーが必要である。このボルトは、コーンセグメントを有しており、このコーンセグメントは、その上に取り付けられた拡張スリーブは、相補的な内部コーンの輪郭と作用する。したがって、そのようなボルトは、これらの説明の実行においてコーンボルトとも呼ばれる。コーンセグメントは、コーンボルトの固定手段によって尖るようにテーパになっている。したがって、テーパは止まり穴の口の方向に実行される。拡張スリーブをコーンボルトに対して軸方向に移動させることにより、拡張スリーブを拡張させることができる。拡張スリーブは、典型的に、スロット付きである。そのような拡張ボルトはEP 2191150 B1から知られている。この従来知られている拡張ボルトでは、拡張スリーブの取付穴から突出する部分に雄ねじが形成されている。ねじセグメントとして設計された固定手段の反対側の端には、コーンボルトがねじセクションを担持しており、それに対してクランプツールを取り付けるために、典型的には外側のツール輪郭を有するクランプナットがねじ込まれる。拡張スリーブの雄ねじセクションにはクランプナットがねじ込まれる。ねじセクションとして設計された固定手段を用いてコーンボルトを第1の組立部品の止まり穴に固定した後、拡張スリーブが組立穴に挿入される。クランプナットと第2の組立部品の外側の間に隙間が残るように注意する必要がある。続いて、クランプナットが拡張スリーブに接触するまで、コーンボルトのねじセクションにねじ込まれる。さらにねじを緩めることによって、拡張スリーブは、クランプねじに向かうコーンセクションのテーパと拡張スリーブの内部コーン輪郭に抗して止まり穴にコーンボルトが固定されるという観点から、取付穴に押し込まれる。これには、前述の隙間が閉じるまで拡張スリーブを拡張させる必要がある。クランプナットを締める前に、締付けナットと第2の組立部品の外側との隙間幅について、拡張スリーブを介して、組立穴の周囲でクランプされる2つの組立部品の壁に導入される径方向の予圧を設定できる。隙間を閉じた後にクランプナットをさらに締めると、一緒にクランプされる組立部品に必要な軸方向の力が発生する。
【0004】
別の拡張ボルトがEP 3658785 B1から知られている。この拡張ボルトにより、コーンセクションは、コーンボルトに対して足部側に設けられたねじ山の方向にテーパされており、それによって拡張ボルトはクランプアバットメントに接続される。この拡張ボルトにより、拡張スリーブに径方向に突出するクランプフランジが設けられる。クランプフランジと操作側に配置された取り付け部品の表面との間にはクランプ装置があり、これは円周方向に配置された複数のクランプボルトを介してクランプされ、同時に操作側取り付け部品の表面に支持される。その観点において、この拡張ボルトでは、拡張ボルトを収容する組立部品の拡張ボルト穴からスリーブが引き抜かれる。この拡張ボルトの利点は、軸方向に作用する解放力を加えることで簡単な手段で解放できることである。これは場合によっては必要とされる。
【0005】
上記のタイプの拡張ボルトの他に、ねじ部を備えた拡張ボルトがアセンブリ部品を通過して互いに接続され、ねじ部ベアリングナットがねじ部にねじ込まれる場合に、拡張ボルトが操作側から離れた取り付け部分のねじ穴又はアバットメントナットなど、軸方向のクランプアバットメントに接続されていないものも使用されこれらの拡張ボルトは、互いに接続されるアセンブリ部品間の拡張ボルトの軸に関して横方向の力を特に吸収する必要がある場合に使用される。この拡張ボルトでは、拡張スリーブのコーン形テーパと、これと相互作用するコーン形ボルトのテーパが操作側に向けられている。この拡張ボルトは、コーンボルトに作用するクランプ力を適用することによってクランプされる。
【0006】
上述した拡張ボルトに共通するのは、クランプするためにクランプツールを組立部品の操作側の面で支持しなければならないことである。これは、径方向に互いに接続される組立部品上で、拡張ボルト穴の外側で、クランプ装置を収容し、クランプツールを取り付けるのに対応したスペースが存在しなければならないことを意味する。これは常に当てはまるわけではない。
【0007】
このような拡張ボルトは通常、非常に高い圧力(通常は数100バール)で作用する油圧式クランプ調整ツールを使用してクランプする。漏れの可能性から噴出する油が人に重傷を与える可能性がある。安全性の観点から見ると、このような拡張ボルトが限られた空間、例えば、中空シャフト内に配置されており、そこでクランプしなければならない場合、これは特に問題となる。これは、例えば、風力タービンのローターシャフトをトランスミッションシャフトに接続するときに必要である。この目的のために、操作者は、クランプツールを中空シャフトに入り込まなければならない。油圧装置に漏れがあると、操作者は怪我から身を守るために危険領域から迅速に逃げることができない。
【0008】
US 4135432 A1及びUS 2004/0136802 A1から、拡張スリーブがボアホール内で軸方向に形状接続的に固定されるクランプボルトが知られている。この拡張ボルトは取り外すことができない。
【0009】
したがって、本発明は、上述の従来技術に基づいて、限られた設置スペースで使用できるだけでなく、より簡単な手段でクランプすることもできる拡張ボルトを提案するという目的に基づいている。
【発明の概要】
【0010】
拡張ボルトに関連する課題は、本発明によれば、請求項1の特徴の冒頭で述べた拡張ボルトによって解決される。
【0011】
方法に関する課題は、本発明に従って、請求項15の特徴を有する方法によって解決される。
【0012】
この拡張ボルトは、軸方向に作用するアバットメントを用いずにクランプすることができる。この拡張ボルトをクランプすると、閉じた力システムが構築される。したがって、この拡張ボルトはねじのない穴にあるため、特に、ねじのない止まり穴をクランプすることができ、これは特に有利である。これは、拡張スリーブを拡張させるために、この拡張ボルトのコーンボルトを移動して拡張ボルトをクランプすることで実現され、コーンボルトのこの動きは操作側から離れる軸方向に起こり、クランプボルトは軸方向に作用するコーンスリーブ上で形状接続的に支持される。したがって、この拡張ボルトは、従来の拡張ボルトの場合のように、追加のクランプアバットメントを必要としない。この拡張ボルトでは、コーンテーパの企図された配向に従ってコーンボルトが拡張スリーブに圧入されるため、クランプアバットメントを配置するための操作側にある取り付け部分の表面積も必要ない。これは、このような拡張ボルトに必要なスペースが非常に小さいことを説明している。拡張ボルト自体は、拡張ボルト穴によってすでに確保されている設置スペースよりも大きな設置スペースを設ける必要がない。これは、この拡張ボルトが設計できることを意味し、それにより、拡張ボルト穴の外径よりも径方向に突出しない。クランプボルトは拡張ボルトの長手方向軸に対して中心に配置されているため、クランプツールの設置スペースも必要最小限に抑えられる。これは、使用するクランプツールのサイズによってのみ決定される。この拡張ボルトを拡張するために設けられた単一のクランプボルトを中央に配置した結果、比較的小さなクランプツールでクランプすることができるため、拡張ボルトをクランプすることができる。このような拡張ボルトは、より大きな直径であっても、例えば、空気圧ドライバーを使用するか、又は強力なコードレスドライバのような電動クランプツールを使用して電気的に簡単にクランプすることができる。
【0013】
拡張ボルトのクランプボルトを締めてその駆動輪郭と係合させる動力伝達ヘッドがこのようなクランプツールに設けられている場合、拡張ボルトの操作端部に設けられた構造に、回転方向に形状接続的に支持される同軸リアクションアームを有することが有利である。この支持により、拡張スリーブを静止させたままにし、且つ、クランプボルトのクランプ力だけを、拡張スリーブ内のコーンボルトの軸方向の調整動作をもたらすことを同時に利用することができる。このようなリアクションアームの支持は基本的には必要ではない。拡張ボルトは、そのようなリアクションアームの支持なしで、又は別のリアクションアームの支持を使用してクランプすることもできる。このような場合、拡張スリーブの外側円筒側面と拡張ボルト穴の内壁との間の摩擦接続が利用される。
【0014】
外側にクランプ構造、例えば、拡張スリーブが拡張する結果として拡張ボルト穴の壁に押し込まれる円周方向に配置されたクランプリブを担持するこのような拡張ボルト用の拡張スリーブを設計することは完全に可能である。それから、拡張ボルトにより、軸方向の力を組立部品間で形状接続的に伝達できる。
【0015】
このような拡張ボルトの一実施形態によれば、クランプボルトは、ねじ山を介してその第1の端部セクション、すなわち操作端部セクションにおいて拡張スリーブと係合される。これにより、クランプボルトは、形状接続的に拡張スリーブに支持され、同時に、ねじ込み可能であるため、拡張スリーブに対して軸方向に調整可能である。このような構成は、直径がより小さい拡張ボルトに特に適している。
【0016】
別の実施形態によれば、クランプボルトは、アバットメント本体を介在させて拡張スリーブ上に保持され、それに対して軸方向に調整可能であることが提供される。このアバットメント本体は、拡張スリーブの第1の端部セクションの内側に軸方向に形状接続的に接続される。さらに、このようなアバットメント本体は、雌ねじが設けられた中央貫通穴を有する。この雌ねじに噛み合うクランプボルトが貫通する。このような構成であっても、拡張ボルトをクランプすると力の流れが閉じられる。好ましい実施形態によれば、アバットメント本体は拡張スリーブにねじ止めされる。しかしながら、この時点では、軸方向に形状接続的な接続、例えばバヨネットロックのようなプラグアンドターン接続を提供することもできる。拡張スリーブとアバットメント本体との間にねじ接続が設けられる場合、拡張スリーブはその第1の端部セクションに雌ねじを有し、アバットメント本体は相補的な雄ねじを有する。この実施形態でもまた、径方向に拡張スリーブの直径以上のスペースは必要ない。
【0017】
合目的的に、このねじ接続にアバットメント本体のねじ込み深さを制限するストップが装備されている場合、ねじによって拡張スリーブに接続及び保持されるようなアバットメント本体を備えた拡張ボルトが実現される。一実施形態によれば、この目的のために、外側に突出する周方向停止フランジがアバットメント本体に設けられており、これは、拡張スリーブの第1端の端面に対して作用する。別の実施形態によれば、拡張スリーブ内にはストップがあり、アバットメント本体がそれに対抗して作用する。このような実施形態では、拡張スリーブ内に位置するストップショルダーが、拡張ボルトがクランプされたときに、クランプボルトが通過するアバットメント本体が全体的に拡張スリーブの第1の端部セクションに完全に沈むような深さにあるよう構成することができ、それにより、拡張スリーブの第1の端部から突き出ることはない。このような実施形態の利点は、例えば、2つの組立部品が2つのシャフト部品を接続するためのフランジである場合、締結具がフランジの上部から突き出ないことである。この場合、拡張スリーブの第1の端部セクションは、クランプツールのリアクションアームのトルクロック接続のための支持構造を有することもできる。
【0018】
代替的な実施形態では、クランプツールのリアクションアームをアバットメント本体に支持することができる。次に、リアクションアームのトルクトレンチ接続のための支持構造が、コーンスリーブの代わりにアバットメント本体に設けられる。後者の実施形態では、アバットメント本体の雌ねじとその雄ねじとの間のねじ方向は、好ましくは互いに逆であり、それにより、クランプボルトをクランプしたときにアバットメント本体と拡張スリーブのねじ接続が緩む危険がない。
【0019】
拡張ボルトの実施形態は、クランプボルトがアバットメント本体を介して拡張スリーブに接続されており、特に直径の大きい拡張ボルトに適している。このような場合、圧力伝達要素がクランプボルトの足部、すなわち駆動輪郭の反対側のクランプボルトの端部とコーンボルトとの間に配置されると合目的的である。このような圧力伝達要素によって、典型的に、クランプボルトのクランプ力は、コーンボルトの直径と比較してクランプボルトの直径が小さいため、中心領域のみに向けられるクランプボルトのクランプ力は、クランプボルトに面するコーンボルトの端部の利用可能な表面に伝達される。拡張ボルトをクランプするためのコーンボルトを軸方向に調整するためのクランプ力は、限られた中心領域だけではなく、コーンボルトの外縁領域の円周方向に加えられると有用であることが実証されている。このような力伝達がクランプボルトからコーンボルトに提供されると、力伝達要素はディスク状に形成され、その径方向端の領域のコーンボルトに面する側に円周のスラストつばを担持することができる。
【0020】
本発明による拡張ボルトは、簡単な手段によっても取り外し可能である。その理由は、拡張ボルトに張力をかけるために、コーンボルトが拡張スリーブに軸方向に押し込まれるためである。したがって、この拡張ボルトは、拡張スリーブからコーンボルトを引き抜くことで簡単に取り外すことができる。典型的に、拡張スリーブ自体、又はアバットメント本体の外側がアバットメントを形成する。拡張ボルトを固定している拡張スリーブ内の拡張した位置からコーンボルトを引き抜くために、クランプボルトに面するコーンボルトの端面の中央に接続輪郭として逆の輪郭を導入し、そこにリリースツールの接続部分を軸方向に形状接続的に接続する手順が提供される。このような接続輪郭は、例えば、雌ねじ又はバヨネットロックの構成要素であってよい。この接続輪郭は、拡張ボルトを取り外すためにアクセスできるようにされている。拡張ボルトの実施形態に従って、この目的のためには、クランプボルトを緩めるか、ねじ付きスリーブからクランプボルトと一緒にアバットメント本体を、ねじ抜くことで、存在する場合には力伝達要素を取り外すだけで済む。それから、操作側から接続輪郭に軸方向にアクセスできるようになる。
【0021】
拡張ボルトの操作側が、クランプツールのリアクションアームのトルクを支持するための少なくとも1つの支持構造を有する実施形態では、いくつかの支持構造があり、それらがクランプボルトと同心円状に、互いに同じ角度距離に配置されている場合、これは合目的的である。それに係合する、提供されるリアクションアームは同軸に設計されており、対応する相補的な係合輪郭を有する。
【0022】
少なくとも2つの組立部品がそのような拡張ボルトによって互いに接続される接続構成では、拡張ボルトの挿入深さを画定するために、組立部品の拡張ボルト穴内にストップショルダーが設けられている場合、それは合目的的である。このストップショルダーは、拡張スリーブの自由な前面又は外径上のショルダーに対して作用する。
【0023】
互いに接続される少なくとも2つの組立部品と、上記のタイプの少なくとも1つの拡張ボルトとを含む接続構成は、次のように作られる。
【0024】
-最初に、互いに接続される組立部品を、それらの拡張ボルト穴が互いに整列するように、すなわち同軸に整列するように、互いに対して配置する。
【0025】
-挿入する拡張ボルトは事前に組み立てられており、これは、コーンボルトが拡張スリーブに挿入され、必要に応じて事前にわずかにクランプした状態で、クランプ装置によって固定されることを意味する。これは、必要に応じてアバットメント本体の介在下で、クランプボルトも、拡張スリーブ中にねじ込まれることを意味する。この事前に組み立てられた拡張ボルトは、互いに同軸の拡張ボルト穴に片側-接続構造の操作側-から、好ましくは拡張ボルト穴内に位置するストップショルダーまで挿入される。これは、この方向に対向している拡張スリーブのストップショルダーに対して、好ましくは拡張スリーブの自由端面に対して作用する。このようなストップショルダーは、典型的に、拡張ボルトの設計に応じて、コーンが2つの組立部品を所望の比率で覆うような拡張ボルト穴の深さの位置にある。拡張ボルトのコンセプトに基づいて、拡張ボルト穴に拡張スリーブを挿入して、操作側に面する組立部品の隣接面と面一になるようにすることができる。これは、拡張ボルトがクランプされているときに、拡張スリーブが拡張ボルト穴内で静止したままになるため、説明した拡張ボルトの実施形態で簡単に可能である。
【0026】
-その後、拡張ボルトがクランプされる。この目的のために、典型的に、モータ駆動のクランプツール、典型的に、クランプボルトの駆動輪郭に対応するレセプタクルを備えたコードレスドライバなどの電動、特に電池式のクランプツール、がクランプボルト上に配置される。このようなクランプツールは、好ましくはリアクションアームを有し、締め付けトルクに応答して生じるリアクショントルクは、リアクションアームを介して拡張スリーブ上で支持される。あるいはまた、リアクショントルクは、拡張スリーブに形状接続的に接続された1つ又は複数の構成要素で支持することもできる。ねじ込みプロセスは、経路制御された方法で実行されることが好ましい、つまり:拡張ボルトが所定どおりにクランプされるまで、画定された調整経路によって拡張スリーブ内のコーンボルトを移動するために、一定量のねじ込みを実行しなければならない。コードレスドライバなどの電動クランプツールを使用する場合、経路検出(Wegaufnahme)は、既存のモータ制御を介して行われ、ロータや出力軸の回転角度変化が記録される。所定の径方向予圧で拡張ボルトをクランプする経路制御プロセスは、拡張ボルトを拡張穴に挿入する際の不可欠な遊びを排除するために、事前に特定の締め付けトルクが拡張ボルトに適用されたときに開始される。最終的に、その調整経路のみが、拡張ボルト穴の壁に径方向与圧を導入する制御に影響を与えるべきである。このような経路制御の利点は、拡張ボルトなどの締め付けトルク管理に影響を与える拡張ボルト内の摩擦が、導入される径方向与圧に悪影響を与えないことである。
【0027】
接続構造もまた苦労せずに再び取り外すことができる。これを行うには、第1の工程はクランプボルトのねじを緩めることである。続いて、コーンボルトは、それに加えられた牽引力によって引き抜かれる。この牽引力は、例えば拡張スリーブにねじ込まれたねじ付きロッドによって加えることができる。好ましくは、例えば、ナットや適切な工具を用いて、ねじ付きロッドに作用する牽引力を加えるための支持体を拡張スリーブに設ける。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本発明は、添付の図面を参照して例示的な実施形態を使用して以下に説明される。
図1】本発明による拡張ボルトの斜視図であり、分解図で示されている。
図2図1の拡張ボルトを使用した接続構成の断面図であり、拡張ボルトがクランプされていない状態を示す。
図3】クランプされた拡張ボルトを使用した図2の接続構成。
図4】拡張ボルトをクランプするときの力の流れを示す、図3に対応する図である。
図5】リリースツールを作動させる前に拡張ボルトを取り外すためのリリースツールを備えた図2図4の接続構成の断面図である。
図6】拡張ボルトが解放された状態の図5の接続構成。
図7図2と比較して、組立部品間のパーティングラインに対して拡張ボルトを別の軸方向位置に配置した接続構成の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
拡張ボルト1は、拡張スリーブ2、コーンボルト3、及びクランプ装置4を含む。図示の例示的な実施形態の拡張スリーブ1は、円筒状の外部側面を有しており、それらの拡張性に関して2つ部分に分かれている。拡張スリーブの第2の端部5を取り囲むセクション6は、内側が第2の端部5に向かってテーパしているコーン面を備えている(図2図6の断面図で理解される)。このセクション6にはスロットが設けられている。このようなスロット7を図1に示す。図示の例示的な実施形態では、セクション6は、互いに直径において対向している2つのスロット7を有する。スロット7は、セクション6を拡張させ、したがって広げることを可能にするという目的を果たす。したがって、このセクション6は拡張セクションとしても扱うことができる。セクション6の後には、拡張スリーブ2の第1の端部8を担持するセクション9が続き、これらの記述の文脈では第1の端部セクションとも呼ばれる。第1の端部セクション9の内壁構造は、図2に関連して以下に説明される。
【0030】
拡張スリーブ2の第1の端部8には、互いに同じ角距離で配置された複数の支持構造10が設けられ、クランプツールのリアクションアームの対応する対向輪郭への形状接続的な接続を可能にする。好ましい実施形態では、これらの支持構造は、菊ナットの菊座金の種類に応じて達成される。
【0031】
図示の例示的な実施形態のコーン形ボルト3は、その外部側面とともに長手方向全体にわたってコーン状にテーパしている。したがって、コーンセクションはコーンボルト3の軸方向の範囲全体にわたって延びている。コーンボルト3のテーパ角と拡張スリーブ2の拡張セクション6の内壁のテーパ角は同じである。リリース装置をそこに取り付けるために、少なくとも1つのねじ山11がコーンボルト3に挿入される。ねじ山11は雌ねじとして示されている。
【0032】
拡張ボルト1をクランプするためにクランプ装置4が使用される。図示の例示的な実施形態では、これは3つの構成要素、すなわちクランプボルト12、アバットメント本体13、及び力伝達要素14を含む。アバットメント本体13は、拡張スリーブ2の第1の端部セクション6に挿入され、拡張スリーブ2によって軸方向にクランプされるように設計されている。この目的のために、アバットメント本体13は、その第1の端部セクション6において拡張スリーブ2の相補的な雌ねじ16と協働する雄ねじ15を有する(図2を参照)。アバットメント本体13は、その雄ねじ15が拡張スリーブ2の雌ねじ16に螺合すると、拡張スリーブ2に形状接続的に軸方向に接続され、拡張スリーブ2によって保持される。アバットメント本体13はまた、雄ねじ15の上に配置されたストップフランジ17を有し、この部分は、雄ねじセクション15を越えて径方向に突出する。ストップフランジ17は、拡張スリーブ2の第1の端部セクション6へのアバットメント本体13のねじ込み動作を制限するように機能する。この目的のために、拡張スリーブ2は、その第1の端部セクション6にストップショルダー18を担持しており、これに対してアバットメント本体13のストップフランジ17が作用する(図2を参照)。ねじ込むため、特に拡張スリーブ2でアバットメント本体13を固定するため、前者は、上部に回転駆動輪郭19を有し、図示の例示的な実施形態では六角形として説明されている。アバットメント本体13は、中央貫通穴20を有する。これには雌ねじが設けられている。
【0033】
拡張ボルト1をクランプするクランプボルト12は、一端に駆動輪郭21を有し、これも、図示の例示的な実施形態では六角形として説明されている。ねじ部22は、駆動輪郭21の境界を接しており、アバットメント本体13の雌ねじと相補的な雄ねじを有する。したがって、クランプボルト12は、そのねじ部分22と貫通穴20の雌ねじと噛み合う。
【0034】
足部23が駆動輪郭21の反対側にある状態で、クランプボルト12は力伝達要素14上に支持される。力伝達要素14は、ディスク方式で、すなわち、必要な径方向の遊びにより、拡張スリーブ2の第1の端部セクション6に挿入できる直径を有するように設計されている。図示の実施形態の力伝達要素14は、クランプボルト12とは反対側に形成されたスタッド24を有し、これはコーンボルト3の駆動輪郭11に係合する。
【0035】
組み立てられた、したがって事前に組み立てられた拡張ボルト1が図2に示されており、2つの組立部品25、26の同軸に配置された拡張ボルト穴に挿入されて互いに接続されている。拡張ボルト1は、2つの相互作用するコーン面が互いに当接するように、拡張スリーブ2にコーンボルト3を挿入することによって予め組み立てられる。次に、力伝達要素14が拡張スリーブ2に挿入される。続いて、アバットメント本体3は、拡張スリーブ2に挿入され、クランプボルト12がねじ込まれていてもいなくても、その雄ねじ15が拡張スリーブ2の雌ねじ16にねじ込まれている、すなわち、アバットメント本体13のストップフランジ17が拡張スリーブのストップショルダー18上に載置されるまで、アバットメント本体13は、そのストップフランジ17によって拡張スリーブ2のストップショルダー18にクランプすることができる。図示の実施形態では、互いに作用するストップ面は、拡張ボルト1の長手軸に対する方向で45°の角度で傾斜している。図示の例示的な実施形態に設けられた、長手軸方向における相互作用するスリーブ面の45°の傾斜も、異なるように設計することができる。例えば、長手方向軸に対して90°の相互作用ストップ面の位置合わせ又は他の角度も可能である。クランプボルト12がアバットメント本体13と一緒に取り付けられていない場合、最後に、クランプボルト12のねじセクション22が、雌ねじを備えたアバットメント本体13の貫通穴20にねじ込まれる。この点において、クランプ装置4を含む拡張ボルト1は一体品として取り扱うことができる。拡張ボルト1の構成部品はいずれも拡張スリーブ2の円筒側面の外径を越えて突出しない。
【0036】
組立部品26の拡張ボルト穴はストップショルダー27を有し、それにより拡張ボルト穴の直径が減少する。このストップショルダー27は、組立部品25と26の間のパーティングラインに対して拡張ボルト1を位置決めするために、第2の端部5を提供する拡張スリーブ2の自由な前面に対して作用する。
【0037】
別の実施形態では、第1の組立部品の穴と第1の端部セクションの領域の拡張スリーブは両方とも、第2の組立部品の穴よりも大きな直径で設計されている。これにより、拡張スリーブ2と第1の組立部品との間に軸方向のストップショルダーが形成され、これにより拡張ボルトがパーティングラインに対して位置決めされる。
【0038】
別の代替実施形態では、第1の組立部品の穴も、パーティングラインまでの拡張スリーブも、第2の組立部品の穴よりも大きな直径で設計される。これにより、拡張スリーブと第2の組立部品との間に軸方向のストップショルダーが形成され、これにより拡張ボルトがパーティングラインに対して位置決めされる。
【0039】
図7には、拡張ボルト穴内で拡張スリーブ2.1を支持するための上述の2つの代替案が拡大して示されている。拡張スリーブ2.1は、第1のセクションの自由端にストップショルダーを有する。このストップは、図7では符号27.1で示されている。第2のストップショルダー27.2は、組立部品25.1に作られた拡張ボルト穴内に位置する。第3のストップショルダー27.3は、2つの組立部品25.1、26.1の間の接合領域に位置する。この図は、拡張ボルト穴への拡張スリーブ2.1の挿入動作を制限するストップショルダーの形成の様々な可能な方法を示すのに役立つ。典型的に、ストップショルダーは1つだけ設けられる。
【0040】
拡張ボルト1をクランプするには、クランプボルト12の駆動輪郭21上に配置される適切なクランプツールが使用される。クランプツールとしてコードレスドライバを使用することが好ましい。クランプボルト12の駆動輪郭21に配置できるツールに加えて、このクランプツールは、実際のクランプツールをスリーブとして取り囲む環状のリアクションアームを有し、その自由端面は、拡張スリーブ2の第1の端部8の構造10と相補的であるように実行される。この点で、クランプツールのリアクションアームと拡張スリーブ2との間に形状接続的な係合が確立される。駆動輪郭21に接続されたツールがクランプされている場合、リアクションアームは回転しない。クランプボルト12をクランプすると、クランプボルト12はその足部23とともに力伝達要素14の上面に対して作用する。力伝達要素14は、中間領域の中心に加えられる軸力を、クランプボルト12に面するコーンボルト3の環状端面に伝達し、コーンボルト3はコーンテーパの方向に拡張スリーブ2中に挿入される。拡張スリーブ2に対するコーンボルト3のこの移動により、拡張スリーブ2の拡張セクション6が拡張する。拡張ボルト1をクランプするときのコーンボルト3のこの軸方向の動きは、図2にブロック矢印で示されている。
【0041】
拡張スリーブ2の拡張セクション6は、2つの組立部品25、26の拡張ボルト穴に対する軸方向の広がりに関して、拡張セクション6が各拡張ボルト穴のほぼ均等な部分に係合するように実行される。
【0042】
2つの組立部品25、26でクランプされた拡張ボルト1を図3に示す。この断面図は、拡張ボルト1の構成要素が、操作側に面する組立部分25の表面28より上に突出することがないことを示している。拡張スリーブ2は、組立部品25、26の互いに同軸の拡張ボルト穴の意図された深さに適合するか、又はその逆である。拡張ボルト穴は拡張ボルト1の軸長に適合される。コーンボルト3のねじ込み深さ又は調整経路は、拡張ボルト1をクランプするために、画定された径方向予圧が拡張ボルト穴にかかるように提供される。
【0043】
図4は、組立部品25、26を接続する拡張ボルト1をブロック矢印で模式的に示しており、そこに力の流れが入る。拡張スリーブ2の拡張セクション6を拡張することにより、組立部品25、26の拡張ボルト穴の壁に対して径方向予圧が作用する。クランプボルト12のねじ込み動作も、この図ではブロック矢印によって概略的に示されている。これは、拡張スリーブ2と軸方向に形状接続的に保持されているアバットメント本体13によって捕捉され、その上にクランプボルト12が軸方向に形状接続的に保持されている。拡張ボルト1をクランプするために、ねじ山などの追加のクランプアバットメントは必要ない。したがって、拡張ボルト1は、雄ねじを有しない拡張ボルトである。
【0044】
クランププロセスの監視又は制御は、説明の導入部で指定された手順ステップを使用して実行される。
【0045】
拡張ボルト1をクランプするためにコーンボルト3が軸方向に拡張スリーブ2に押し込まれているという上記の背景に対して、拡張ボルト1を簡単な手段を使用して再び緩め、拡張ボルト穴から取り外すこともできる。解放プロセスは次のとおりである。
【0046】
互いに接続される2つの組立部品25、26と、これらの組立部品25、26を接続する拡張ボルト1とを含む接続構成を解放する場合には、まずクランプボルト12をアバットメント本体13からねじ込む。次に、アバットメント本体13を拡張スリーブ2からねじを緩めて取り外し、後者は、内部に配置されたクランプボルト12と一緒に行うこともできる。次のステップでは、力伝達要素14も拡張スリーブ2から取り外され、図示の例示的な実施形態では雌ねじとして設計されている駆動輪郭11に操作側からアクセスできるようになる。ねじ付きロッド29が、コーンボルト3のこの駆動輪郭11にねじ込まれる(図5を参照)。駆動輪郭11にねじ込まれた端部において、ねじ付きロッド29は、直径が減少したスタッド状の延長部を担持し、これにより、ねじ付きロッド29が駆動輪郭11を提供する穴の底部にクランプされる。ねじ付きロッド29は、拡張スリーブ2の自由端を越えて突出している。組立部品25の拡張ボルト穴から突出するねじ付きロッド29の部分に支持ディスク30が配置され、次にねじ付きロッド29にナット31を螺合させる。
【0047】
ナット31は支持ディスク30の表面上に支持されている。ねじ付きロッド29を案内し、支持ディスク30を位置決めするために、ねじロッド29は拡張スリーブ2に係合する環状延長部32を有する。コーンボルト3に接続されたねじ付きロッド29にナット31をねじ込むだけで、図6のブロック矢印で示すように、コーンボルト3が拡張スリーブ2から引き抜かれる。コーンボルト3が拡張スリーブ2から十分に引き出され、径方向予圧が減少すると、その後、コーンボルト3及び拡張スリーブ2を、互いに同軸に配置された組立部品25、26の拡張ボルト穴から引き抜くことができる。
【0048】
本発明は、例示的な実施形態を使用して説明される。該当する特許請求の範囲から逸脱することなく、これらの記述の文脈で説明することなく、当業者らがそれらを実施できる他の多くの可能性が存在する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】