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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112336
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像読取システム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
H04N1/00 127A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017221
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000104652
【氏名又は名称】キヤノン電子株式会社
(72)【発明者】
【氏名】田所 茂
【テーマコード(参考)】
5C062
【Fターム(参考)】
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA29
5C062AB17
5C062AB38
5C062AB40
5C062AC02
5C062AC34
5C062AE01
5C062AF06
(57)【要約】
【課題】画像読取装置内に充分なストレージが無い場合や、一回のバッチ処理で処理が終了しない場合においても、適切な画像処理が実施されるようにする。
【解決手段】原稿の画像データを読み取る画像読取手段10、11と、画像データを送出する画像送出手段826と、画像データの画像処理情報を送出する処理情報送出手段826と、画像送出手段826によって送出された画像データに対し、画像処理情報が送出されたことに基づいて所定の処理を実行する画像処理手段830と、処理情報送出手段826からの画像処理情報の送出を、任意のタイミングで設定可能な処理情報送出タイミング設定手段1100、1200とを有することを特徴とする。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿の画像データを読み取る画像読取手段と、
前記画像データを送出する画像送出手段と、
前記画像データの画像処理情報を送出する処理情報送出手段と、
前記画像送出手段によって送出された前記画像データに対し、前記画像処理情報が送出されたことに基づいて所定の処理を実行する画像処理手段と、
前記処理情報送出手段からの前記画像処理情報の送出を、任意のタイミングで設定可能な処理情報送出タイミング設定手段と
を有することを特徴とする画像読取システム。
【請求項2】
前記処理情報送出手段は、一つの前記画像データに関する前記画像処理情報を複数送出可能であり、
前記画像処理情報のうちの第1の画像処理情報は、複数の前記画像データを結合する結合処理開始指示を含み
前記画像処理情報のうちの第2の画像処理情報は、前記所定の処理の処理開始指示を含み、
前記処理情報送出タイミング設定手段は、前記第1の画像処理情報と前記第2の画像処理情報のそれぞれに対し前記任意のタイミングを設定可能であることを特徴とする請求項1に記載の画像読取システム。
【請求項3】
前記処理情報送出手段は、前記画像データを送出先とは異なる送出先に前記画像処理情報を送出することを特徴とする請求項1または2に記載の画像読取システム。
【請求項4】
前記任意のタイミングとして時刻を設定可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取システム。
【請求項5】
前記任意のタイミングとして前記画像データの送出から経過時間を設定可能であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取システム。
【請求項6】
前記任意のタイミングとは、ユーザーが画像読取装置からログアウトしたタイミングであることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の画像読取システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を読み取った画像データを処理する画像読取システムに関する。
【背景技術】
【0002】
以前より、画像読取部を備え、帳票や原稿の画像読取を行い、読み取った画像を用いて情報処理を行う画像読取システムが提案されている。近年においては、具体的に言うと読み取った帳票や原稿の画像情報から、OCR(光学的文字認識)技術を用いて、帳票や原稿に印刷された文字や、人の手によって書かれた手書き文字を認識させる技術を利用したシステムが提案されている。
【0003】
これらの技術により、OCR技術を用いて文字認識を行い、認識された文字情報に基づいて、原稿に記述された情報を元に事務処理を自動的に行って、業務の効率化を実現するシステムが提案されている。このようなシステムにおいて、画像読取部から送られてきた画像ファイルをOCR処理やファイル結合処理などを行うには情報処理が充分に実施可能な処理能力を有する画像処理装置、すなわち中央集権的な処理装置であるサーバー上で実施することが一般的である。そこでサーバーには、OCR処理のような情報処理の処理開始許可を判断するためにメタ情報ファイルを画像ファイルと一緒にサーバーへアップロードすることを要求するシステムが多く存在している。
【0004】
しかしながら、実際にOCR処理を開始する前、画像ファイルなどの画像処理に必要な情報が集まりきっていないケースが存在した。そこでサーバー上で動作するアプリケーションがデータ結合を実施し、結合完了時点から処理を開始する事を目的として、特許文献1に示す技術が提案されている。データ結合処理とは、一般的には複数ページの画像データを1つのファイルにまとめることが可能なファイル形式TIFF(Tagged Image File Format)やPDF(Portable Document Format)などにおいて、複数あるファイルに対して一つのファイルにページ追加という形でまとめあげ、出力することを指す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4956679号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
先行文献にて例示されている技術によって、画像読取装置内で処理開始に充分な情報が集まったと判断され、その時点で分割送信すれば、情報が集まった状態で処理を開始出来る。しかしながら、画像読取装置内に充分なストレージが無い場合や、一回のバッチ処理で処理が終了しない場合や、処理単位が一週間単位などの長期の場合などにおいて、処理開始許可を判断するためのメタ情報を画像データと同時に送出してしまうと、画像処理に必要な画像データが揃う前に情報処理が実施されてしまうことがあった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記を鑑み、本発明に係る画像読取システムは、
原稿の画像データを読み取る画像読取手段と、
前記画像データを送出する画像送出手段と、
前記画像データの画像処理情報を送出する処理情報送出手段と、
前記画像送出手段によって送出された前記画像データに対し、前記画像処理情報が送出されたことに基づいて所定の処理を実行する画像処理手段と、
前記処理情報送出手段からの前記画像処理情報の送出を、任意のタイミングで設定可能な処理情報送出タイミング設定手段と
を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、後段の処理を任意のタイミングで開始することが出来、システムの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に関わる画像読取装置の斜視図を示す。
図2】本発明の実施形態に関わる画像処理装置と画像読取装置の接続を示す。
図3】本発明の実施形態に関わる画像読取装置の断面図を示す。
図4】本発明の実施形態に関わる画像読取装置のブロック図を示す。
図5】本発明の実施形態に関わる画像処理システムのブロック図を示す。
図6】本発明の実施形態に関わる画像処理開始指示設定画面を示す。
図7】本発明の実施形態に関わる画像処理装置の画像処理フローチャートを示す。
図8】本発明の実施形態に関わる画像処理開始指示ファイルを送出するタイマー処理のフローチャートを示す。
図9】本発明の実施形態に関わる画像処理サーバーの画像処理フローチャートを示す。
図10】本発明の実施形態に関わる結合処理開始指示設定画面を示す。
図11】本発明の実施形態に関わる画像処理装置の結合処理開始データ送信処理フローチャートを示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、一般的な画像読取装置1の斜視図を示す。図1の画像読取装置1には、原稿を載置するための原稿載置部4、そして原稿を搬送する為の搬送路14が設けられている。また、画像読取装置1は、原稿を排紙する原稿排紙部13を有している。
【0011】
図2は、画像読取装置1が画像処理装置2と通信ケーブル3を介して接続されていることを示した図である。
【0012】
図3は、画像読取装置1の構成を示す図である。画像読取装置1には、原稿を搬送路14に一枚ずつ給送する為の搬送ローラー5と分離ローラー6を有している。また、画像読取装置1には、搬送された原稿の画像を読み取る為のタイミングを算出する為に、原稿の有無を検出する為のレジストセンサー9が搬送路14内に設けられている。更に、画像読取装置1は、原稿の表面の画像を読み取る為の表用画像読取部10と原稿の裏面の画像を読み取る為の裏用画像読取部11を有している。
【0013】
ここで、図4を参照し、本実施形態の画像読取システムの機能を示す構成要素について説明する。図4は、本発明における画像読取装置1の機能ブロック図である。
【0014】
図4に示すように、本実施形態の画像読取装置1は、情報を伝達するシステムバス40に対し、ADF(Auto Document Feeder)スキャナー部となる画像読取部41と、この画像読取部41等を制御するCPU(Central Processing Unit)からなる制御部42と、実際のスキャン動作を指示する処理方法を格納する不揮発性記録媒体43と、読み取った画像データや各種のデータやプログラムなどを一時的に蓄積するRAM(Random Access Memory)44がそれぞれ接続されている。
【0015】
さらに、このようなシステムバス40には、画像読取部41に解像度などの各種読取条件などを画像処理装置2から受信したり、読み込まれた画像データ等を画像処理装置2に送信する機能を有する外部通信インターフェース45が接続されたりしている。本実施形態では上述した通信ケーブル3の一例である外部通信インターフェース45はUSB(Universal Serial Bus)となっている。
【0016】
<ブロック図の説明>
図5は、本実施形態で説明する画像読取システムを機能ブロック図で示している。画像読取システムは、大きく分けて3つの装置、画像読取装置1と、画像処理装置2と、画像処理サーバー830で構成されている。画像処理装置2と画像処理サーバー830は、無線又は有線接続によるネットワークを経由して接続されているものとする。ネットワーク接続であるため、画像処理装置2と画像処理サーバー830はIPアドレスを用いて通信を行うものとする。
【0017】
まず、画像処理装置2の構成について詳細に説明する。画像処理装置2は、画像処理サーバー830等とネットワーク通信を行う不図示の外部通信I/F(インターフェース)と、ユーザーのタッチ操作やマウスキーボードなどの操作を受け付けるユーザーI/F(インターフェース)部822と、ソフトウェアである制御ドライバー827と、スキャンサービスプログラム826と、を有する。制御ドライバー827は、画像読取装置1を制御するためのソフトウェアである。
【0018】
画像処理装置2は、内蔵するユーザーI/F部822上でソフトウェア部品であるWebブラウザー825の画面を表示する。Webブラウザー825はユーザーI/F部822上での操作結果をスキャンサービスプログラム826に通知する。スキャンサービスプログラム826は操作結果に基づき、スキャン設定を決定する。スキャンサービスプログラム826は、スキャン設定を制御ドライバー827に通知し、画像読取装置1から生成された画像データと画像処理情報を画像処理サーバー830へ送出することを行うソフトウェアである。すなわち、スキャンサービスプログラム826は、画像データを送出する画像送出手段であり、画像処理情報を送出する処理情報送出手段である。なお、ユーザーI/F部822として本実施形態ではタッチパネル付きディスプレイを用いているが、これに限られない。
【0019】
スキャンサービスプログラム826は、スキャン開始前に予めWebブラウザー825の画面上に図6で示す画像処理開始指示設定画面1100を表示するものとする。ここで本実施形態における画像処理開始指示設定画面1100について説明する。
【0020】
なお、本実施形態において画像処理情報の一例として後述するメタ情報は画像処理開始指示ファイルを指す。画像処理開始指示設定画面1100の上部には、タイトル文字列1101が表示されている。その下には、画像処理を実施する対象である画像の送信先を示す画像送信宛先1110、および画像処理の処理開始を指示するためのファイルが保管されるパスを指定するファイルパス指定エディットボックス1105とそれを示すファイルパスラベル1102が表示されている。
【0021】
同名ファイル指示チェックボックス1106は、画像処理開始指示ファイルとして画像ファイルの拡張子のみを変更したファイル名を画像処理開始指示ファイルとするか否かを指示するチェックボックスであり、それを指し示す同名ファイル指示ラベル1103も表示されている。
【0022】
変更後拡張子エディットボックス1111は、同名ファイル指示チェックボックス1106でチェックした場合に、画像処理開始指示ファイルの拡張子を指定するエディットボックスである。また、それを指し示す変更後拡張子ラベル1112も表示されている。
【0023】
その下段には、画像処理開始指示ファイルをいつ送るかを指定するリストボックス1107、及びそれを指し示すラベル1104が表示されている。最下段のOKボタン1108を選択すると、画像処理開始指示設定を画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体に記録し、キャンセルボタン1109を選択すると、画像処理開始指示設定がキャンセルされる。
【0024】
ファイルパス指定エディットボックス1105は、そのファイルパスに画像処理開始指示ファイルを置かれたこと(当該ファイルの存在)を画像処理サーバー830から確認可能となっており、指定されたファイルパスに当該ファイルが存在することを確認すると画像処理サーバー830で画像処理が開始される。
【0025】
メタ情報である画像処理開始指示ファイルは画像ファイルと同じパスに拡張子だけを変えて格納されることが多く、同名ファイル指示チェックボックス1106がONになると、変更後拡張子エディットボックス1111が有効化され、ファイルパス指定エディットボックス1105が無効化される。このとき、同名ファイル指示チェックボックス1106がONであるので、画像処理開始指示ファイルは画像ファイルと同じパスに拡張子だけ変えた形で格納される。詳しくは後述する。
【0026】
同名ファイル指示チェックボックス1106がOFFになると、変更後拡張子エディットボックス1111が無効化され、ファイルパス指定エディットボックス1105が有効化される。本実施形態においては、画像データが送出された画像処理手段とは異なる送出先にメタ情報を送出可能な送出手段を有しており、この場合、ファイルパス指定エディットボックス1105で指定した場合に作られる画像処理開始指示ファイルを送信することに対応する。同名ファイル指示チェックボックス1106がOFFであるので、指定されたファイルパスに任意のファイル名で画像処理開始指示ファイルが格納される。ファイルパス指定エディットボックス1105で画像処理開始指示ファイルを含むファイルパスを指定した場合は、その指定されたファイルパスで画像処理開始指示ファイルを作成する。
【0027】
一方、同名ファイル指示チェックボックス1106がONになると、変更後拡張子エディットボックス1111が有効になる。その場合の画像処理開始指示ファイルのファイルパスは、例えば画像データが画像送信宛先1110で示される画像ファイル名(test001.jpgなど)として送られる場合に、変更後拡張子エディットボックス1111に図で例示したCSVと記載されている場合には、¥¥test_server¥test¥test001.csvとなる。
【0028】
画像ファイルが複数存在する場合(test001.jpg,test002.jpg…)は、¥¥test_server¥test¥test001.csv、¥¥test_server¥test¥test002.csvと画像ファイルの数だけ画像処理開始指示ファイルも作成される。
【0029】
本実施形態におけるリストボックス1107として、図6では午前0時に画像処理開始指示ファイルを送信する設定が選択された状態で表示されているが、選択肢として「直ちに送信する」、「午前0時に送信する」、「そのフォルダーで最初に送信された画像ファイルが作られてから1時間後に送信する」など、送信タイミングに係る複数の選択肢が選択可能(設定可能)になっている。すなわちこのとき、ユーザーI/F部822、スキャンサービスプログラム826あるいは画像処理開始指示設定画面1100が、処理情報送出タイミング設定手段として機能している。
【0030】
時刻設定は不図示の画像処理装置2のRTC(Real Time Clock)に基づき処理されるものとする。選択肢の中には「直ちに送信」以外に、時計に基づく時刻指定と最初の画像ファイル送信からの時間経過指定、カレンダーによる日付時刻指定などの指定が出来るようにしても良いし、それ以外であってもよい。その場合はカスタム設定が選択でき、サブダイアログで日付、時刻、経過時間を指定できるようにしても良い。画像処理開始指示設定は予めユーザーがスキャン設定の一部としてプリセットするようにしても良いし、画像処理装置2のスキャンサービスプログラム826が画像処理サーバー830のAPIで画像処理開始指示設定を取得して自動的に設定できるようにしても良い。
【0031】
また、スキャンサービスプログラム826はスキャン開始前に予めWebブラウザー825の画面上に図10で示す結合処理開始指示設定画面1200を表示してもよいものとする。
【0032】
次に、本実施形態において、上述した画像処理に先行して実施される結合処理に関する設定を行う結合処理開始指示設定画面1200について図10を用いて説明する。結合処理開始指示設定画面1200の上部には、タイトル文字列1201が表示されている。その下には、結合処理を実施する画像ファイルの送信先を示す画像送信宛先1210、および画像データの結合処理を指示するためのファイルが保管されるパスを指定する結合開始指示ファイルパス指定エディットボックス1205とそれを示すファイルパスラベル1202が表示されている。
【0033】
同名ファイル指示チェックボックス1206は、結合処理開始時ファイルとして画像ファイルの拡張子のみを変更したファイル名を結合処理開始指示ファイルとするか否かを指示するチェックボックスであり、それを指し示す同名ファイル指示ラベル1203も表示されている。
【0034】
変更後拡張子エディットボックス1211は、同名ファイル指示チェックボックス1206でチェックした場合に、結合処理開始指示ファイルの拡張子を指定するエディットボックスである。また、それを指し示す変更後拡張子ラベル1212も表示されている。
【0035】
その下段には、結合処理開始指示ファイルをいつ送るかを指定するリストボックス1207、及びそれを指し示すラベル1204が表示されている。最下段のOKボタン1208を選択すると、結合処理開始指示設定を画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体に記録し、キャンセルボタン1109を選択すると、結合処理開始指示設定がキャンセルされる。
【0036】
結合開始指示ファイルパス指定エディットボックス1205は、そのファイルパスに結合処理開始指示ファイルを置かれたこと(当該ファイルの存在)を画像処理サーバー830から確認可能となっており、指定されたファイルパスに当該ファイルが存在することを確認すると画像処理サーバー830で画像結合処理が開始される。
【0037】
画像処理情報である結合処理開始指示ファイルは画像ファイルと同じパスに拡張子だけを変えて格納されることが多く、同名ファイル指示チェックボックス1206がONになると、変更後拡張子エディットボックス1211が有効化され、結合開始指示ファイルパス指定エディットボックス1205が無効化される。このとき、同名ファイル指示チェックボックス1206がONであるので、結合処理開始指示ファイルは画像ファイルと同じパスに拡張子だけ変えた形で格納される。詳しくは後述する。
【0038】
同名ファイル指示チェックボックス1206がOFFになると、変更後拡張子エディットボックス1211が無効化され、結合開始指示ファイルパス指定エディットボックス1205が有効化される。本実施形態においては、画像データが送出された先の画像処理手段とは異なる送出先にメタ情報を送出可能な送出手段を有しており、この場合、結合開始指示ファイルパス指定エディットボックス1205で指定した場合に作られる結合処理開始指示ファイルを送信することに対応する。同名ファイル指示チェックボックス1206がOFFであるので、結合処理開始指示ファイルは画像ファイルとは別のファイルパスに独立したファイル名で格納するものとする。結合処理開始指示ファイルを結合開始指示ファイルパス指定エディットボックス1205で指定した場合はその指定されたファイルパスで結合処理開始指示ファイルを作成する。
【0039】
一方、同名ファイル指示チェックボックス1206がONになると、変更後拡張子エディットボックス1211が有効になる。その場合の結合処理開始指示ファイルのファイルパスは、例えば画像データが画像送信宛先1210で示される画像ファイル名(test001.pdfなど)として送られる場合に、変更後拡張子エディットボックス1211に図で例示したdatと記載されている場合には、¥¥test_server¥test¥test001.datとなる。
【0040】
画像ファイルが複数存在する場合(test001.pdf,test002.pdf…)は、¥¥test_server¥test¥test001.dat、¥¥test_server¥test¥test002.datと画像ファイルの数だけ結合処理指示ファイルも作成するものとする。
【0041】
本実施形態におけるリストボックス1207として、図10では直ちに結合処理開始指示ファイルを送信する設定が選択された状態で表示されているが、選択肢として「直ちに送信する」、「午前0時の10分前に送信する」、「そのフォルダーで最初に送信された画像ファイルが作られてから50分後に送信する」など、送信タイミングに係る複数の選択肢が選択可能になっている。すなわちこのとき、ユーザーI/F部822、スキャンサービスプログラム826あるいは結合処理開始指示設定画面1200が、処理情報送出タイミング設定手段として機能している。
【0042】
選択肢の中には「直ちに送信」以外に、時計に基づく時刻指定と最初の画像ファイル送信からの時間経過指定、カレンダーによる日付時刻指定などの指定が出来るようにしても良いし、それ以外であってもよい。その場合はカスタム設定が選択でき、サブダイアログで日付、時刻、経過時間を指定できるようにしても良い。ただし、OCRなどの画像処理は結合後に行うべきものが多いので、図6のリストボックス1107で指定された設定値が「午前0時に送信する」であれば、リストボックス1207は「直ちに送信する」と「午前0時の10分前に送信する」の2択だけが選択できるものとし、図6のリストボックス1107で指定された設定値が「そのフォルダーで最初に送信された画像ファイルが作られてから1時間後に送信する」であれば、リストボックス1207は「直ちに送信する」と「午前0時の10分前に送信する」の2択だけが選択できるものとする。
【0043】
いずれの場合も画像処理開始指示ファイルの送信より前に結合処理開始指示ファイルが送信されるように、選択肢が限定されている。結合処理開始指示を画像処理開始指示より先に送出することにより、画像処理開始指示を出される前に結合処理が実施されているので、画像処理開始指示を送出した後、画像処理結果を得られるまでのレスポンスが早くなるため、ユーザーの利便性が向上する。本実施形態では、結合処理が画像処理の10分前に実行されるように設定したが、5分前でも1分前でも良い。ただし、結合処理にかかる時間を考慮して結合処理が完了してから画像処理開始がなされるように考慮した時間差として選択肢が限定されるものとする。予めユーザーがスキャン設定の一部としてプリセットするようにしても良いし、画像処理サーバー830のAPIで結合処理開始指示ファイル作成タイミング指定データを取得して自動的に設定できるようにしても良い。
【0044】
なお、本実施形態においては、結合処理開始指示ファイルの送信タイミングを、画像処理開始指示ファイルの送信タイミングよりも前(例えば10分前)となるように選択肢を限定したが、これに限られない。すなわち、結合処理開始指示ファイルの送信タイミングを先に選択させ、そのタイミングに対して画像処理開始指示ファイルの送信タイミングが後(例えば10分後)となるように選択肢を限定するようにするなどしてもよい。
【0045】
また、本実施形態においては図10で示した結合処理開始指示設定画面1200を表示するのは、図6で示した画像処理開始指示設定画面1100におけるリストボックス1107の設定値が「直ちに送信する」以外の時とする。画像処理を直ちに送信して開始する場合、結合処理を予め行っている時間が画像処理サーバー830に与えられていない、すなわち結合処理の実行が想定されていないためである。
【0046】
スキャンサービスプログラム826は決定されたスキャン設定でスキャンを開始するように制御ドライバー827へ指示を行う。制御ドライバー827は通信ケーブル3を用いた通信によってコマンドを画像読取装置1に対して送信し、スキャンを実行する。なお、ユーザーI/F部822に表示されるWebブラウザー825とスキャンサービスプログラム826との通信もネットワーク通信となるので、IPアドレスを用いて通信を行うものとする。
【0047】
画像処理装置2上で起動しているスキャンサービスプログラム826は、ユーザーI/F部822からの指示に基づいて、制御ドライバー827へ画像読取開始の指示をする。画像読取開始指示が来ると、制御ドライバー827は画像読取装置1に対して通信ケーブル3を通じて読取開始指示を送出する。画像読取装置1は読取開始の指示を受けて、原稿の搬送を開始する。
【0048】
画像読取装置1は、画像処理装置2上で起動している制御ドライバー827から画像読取の指示を受けると、原稿載置部4に載置された原稿を分離ローラー6で一枚ずつ分離しながら搬送ローラー5により搬送路14の下流へ給送を行う。
【0049】
画像読取装置1は、レジストセンサー9によって原稿の先端が通過したのを検出すると、レジストセンサー9と表用画像読取部10(における読取位置)との距離をL_1、原稿90の搬送速度をvとすると、時間L_1/v後に原稿90が表用画像読取部10に到達するので、不図示のタイマーを用いて時間の測定を行い、原稿90の先端がレジストセンサー9上を通過した時間からL_1/v経過後に表画像の読み取りを行う。なお、本実施形態においては、レジストセンサー9の位置に不図示の超音波重送検知センサー(超音波発生器と受信器の組み合わせ)があるものとし、超音波重送検知センサーを用いて紙が1枚か2枚以上かを判別する。判別結果は重送検知結果として記録される。超音波重送検知とは、超音波発生器からある位相、強度の超音波を発生させ、紙を挟んだ対向面に受信器を配置し、受信器が位相のずれ、強度の減少を検出して紙が一枚かそれ以上かを判別する技術のことである。
【0050】
また、画像読取装置1は、レジストセンサー9と裏用画像読取部11との距離をL_2、原稿90の搬送速度をvとすると、時間L_2/v後に原稿90が裏用画像読取部11に到達するので、不図示のタイマーを用いて時間の測定を行い、原稿90の先端がレジストセンサー9上を通過した時間からL_2/v経過後に裏画像の読み取りを行う。なお、表用画像読取部10と裏用画像読取部11との搬送方向に対する上下流の位置については、図3のように裏用画像読取部11を上流側にしても良く、どちらが上流側でも構わない。原稿の後端がレジストセンサー9を通過したことを検出すると、L_2/v経過後に画像一枚分の読取が終了したと判断し、読取を終了する。表用画像読取部10と裏用画像読取部11は図4における画像読取部41に相当するため、随時画像データはシステムバス40を通じてRAM44に蓄積されている。そして、画像処理装置2上で動作している制御ドライバー827は、画像読取装置1が1枚分の読み取りが完了しているかを監視している。制御ドライバー827は、1枚分の画像読取が完了していることを検知したら、画像転送の開始を画像読取装置1に指示する。
【0051】
表画像、裏画像の読取を終えた画像読取装置1は、RAM44に蓄積された画像をシステムバス40と外部通信インターフェース45と通信ケーブル3を介して画像情報と画像処理情報を画像処理装置2へ転送するとともに、原稿90を原稿排紙部13へ排紙する。
【0052】
画像読取装置1は、得られた画像を通信ケーブル3から画像処理装置2に送出し、画像処理装置2内で動作している制御ドライバー827が画像情報を受信する。
【0053】
制御ドライバー827の動作について説明する。制御ドライバー827は画像読取装置1から通信ケーブル3を介して画像情報と画像処理情報が画像処理装置2へ転送されてきたところから処理が始まる。
【0054】
まず、画像処理装置2上で動作する制御ドライバー827が画像読取装置1から通信ケーブル3を介して送られてきた画像データを受信する。
【0055】
なお、画像読取装置1で実施可能な画像処理については、画像送信前に画像読取装置1内で実施している。画像読取装置1内で実施していない画像処理はすべて制御ドライバー827で行うものとなる。制御ドライバー827は行うべき画像処理がすべて終わったら、最終出力画像データをスキャンサービスプログラム826へ送信する。スキャンサービスプログラム826は、制御ドライバー827から受信した画像データをファイルにする処理やファイル送信処理、メタ情報のファイル作成処理、タイマー処理、メタ情報ファイルの送信処理を実施する。
【0056】
続いて、スキャンサービスプログラム826は図7のフローチャートに基づいてデータ送信処理を実施する。
【0057】
S801では、スキャンサービスプログラム826が画像データを制御ドライバー827から受け取る。
【0058】
S802では、スキャンサービスプログラム826が受け取った画像データから、画像処理装置2における不図示の不揮発性記録媒体に記録されている画像送信宛先(画像処理サーバー830)に送信するファイル名の画像ファイルを作成する。S803では、S802で作成した画像ファイルをスキャンサービスプログラム826が画像送信宛先(画像処理サーバー830)に送信する。ここでいう画像送信宛先への送信とは、図6の画像送信宛先1110や図10の画像送信宛先1210で示した画像送信宛先フォルダーへの送出と同意である。
【0059】
S804では、図6で決定した画像処理開始指示設定において、リストボックス1107の値が「直ちに送信する」で設定されて画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体に記録されているかどうかを判断する。
【0060】
「直ちに送信する」設定である場合は、S805へ進み、「直ちに送信する」設定以外である場合は、S806へ進む。
【0061】
S805では、画像処理開始指示設定において画像処理開始指示ファイルを「直ちに送信する」となっているので、スキャンサービスプログラム826が画像処理開始指示ファイルを作成し、S807へと進む。画像処理開始指示ファイルのファイル名は図6の設定に基づきスキャンサービスプログラム826が決定する。図6において同名ファイル指示チェックボックス1106がOFFの場合は、ファイルパス指定エディットボックス1105の内容に従う。今回の図6で示したダイアログの場合はprocess_start.datというファイル名でファイルをスキャンサービスプログラム826が作成することになる。図6において同名ファイル指示チェックボックス1106がONの場合は、S802で作成した画像ファイルの拡張子を変更後拡張子エディットボックス1111に記載されている文字列に変更したファイル名でスキャンサービスプログラム826がファイルを作成することになる。
【0062】
S807では、S805でスキャンサービスプログラム826が作成した画像処理開始指示ファイルを画像処理開始指示ファイル送信宛先に送信し、データ送信処理を終了する。画像処理開始指示ファイル送信宛先は図6の画像処理開始指示設定に基づき決定する。
【0063】
一方、S806では、画像処理開始指示設定において画像処理開始指示ファイルを「直ちに送信する」となっていないので、画像処理開始指示ファイルは現時点で作成せず、画像ファイルを送信した画像送信宛先のアドレス文字列を画像処理未処理アドレスとして画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体へ記録し、S808へと進む。
【0064】
S808では、画像処理未処理アドレスに対して、図6で設定した画像処理開始指示を実施するまでのタイマーをスキャンサービスプログラム826が設定する。例えば、午前0時に送信する設定であったならば、現在時刻から午前0時までの差分時間を算出し、画像処理開始指示ファイル作成までのタイマーとして、画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体にスキャンサービスプログラム826が保存する。もし、1時間後に送信であれば、1時間のタイマーを画像処理装置2の画像処理開始指示ファイル作成までのタイマーとして記録することとなる。
【0065】
S809では、画像処理未処理アドレスに対して、結合処理開始データ送信処理を実施し、データ送信処理を終了する。もし、図10で示した結合処理開始指示設定画面1200における結合処理開始指示設定が実施されていない場合はS809の処理をスキップするものとする。結合処理開始データ送信処理の詳細については後述する。
【0066】
画像処理装置2はS808でコールバック関数内のタイマー設定用タイマースレッドとして分岐しているので、この図7のデータ送信処理はタイマー設定とは別にスキャンサービスプログラム826が継続して実施できるものとする。以降、元々スキャンサービスプログラム826が動作していたこのスレッドをデータ送信スレッドと呼称する。
【0067】
なお、本実施形態では、もしS808のタイマー設定の際に、それ以前に実行された処理においてタイマーが既に設定されている場合は、時間を延長することはせず、スキャンサービスプログラム826が最初に設定したタイマーを用いるものとする。
【0068】
図7のデータ送信処理により同じ画像送信宛先に画像ファイルをスキャンサービスプログラム826が送信した場合、画像処理開始ファイルの送信をスキャンサービスプログラム826がするまでタイマー処理によって画像処理の未処理状態で画像ファイルが蓄積されていくものとする。結合処理開始指示設定画面1200で結合処理開始指示設定がされている時はその設定に従い、結合処理を行うものとし、結合処理開始指示設定がなされていない時はファイル名が連番で増えていくか、送信元である画像処理装置2でファイルの結合処理が可能な画像送信宛先であれば、スキャンサービスプログラム826が直接結合しても良い。
【0069】
続いて本実施形態における結合処理開始データ送信処理について、図11のフローチャートを用いて説明する。本処理は、図7のフローチャートのS809にて実施されるものとする。
【0070】
S1301では、S806で画像処理未処理アドレスとして登録された送信先を、結合処理未処理アドレスとして画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体にスキャンサービスプログラム826が登録する処理を行う。
【0071】
S1302では、結合処理未処理アドレスとして登録されている画像処理未処理アドレスのフォルダー内に2つ以上の画像ファイルがあるかどうかをスキャンサービスプログラム826が判定する。
【0072】
2つ以上の画像ファイルがある場合は、結合処理開始データ送信の必要があるのでS1303へ進む。
【0073】
2つ以上の画像ファイルが無い場合は、結合処理開始データ送信処理を続行する意味が無いのでそのまま処理を終了する。
【0074】
S1303では、S1301で登録された結合処理未処理アドレスに対して図10の結合処理開始指示設定で、リストボックス1207の値が「直ちに送信する」が設定されて画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体に記録されているかどうかをスキャンサービスプログラム826が判断する。
【0075】
「直ちに送信する」設定である場合は、S1305へ進み、「直ちに送信する」設定以外である場合は、S1304へ進む。
【0076】
S1304では、結合処理開始指示設定が「直ちに送信する」となっていないので、直ちに結合処理開始指示ファイルは作成せず、S1301で登録された結合処理未処理アドレスを結合処理未処理アドレスとして画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体へスキャンサービスプログラム826が記録する。
【0077】
また、結合処理未処理アドレスに対して、図10で設定した結合処理開始指示を実施するまでのタイマーをスキャンサービスプログラム826が設定する。例えば、午前0時に送信する設定であったならば、現在時刻から午前0時までの差分時間を算出し、結合処理開始指示ファイル作成までのタイマーとして画像処理装置2の不図示の不揮発性記録媒体にスキャンサービスプログラム826が保存する。もし、1時間後に結合処理開始指示ファイルを送信する設定であれば、既にタイマーが設定されていなければ、結合処理開始指示ファイル未送信の画像送信宛先に対してスキャンサービスプログラム826が1時間のタイマーを設定するものとする。既にタイマーが設定されている場合は、本実施例では時間を延長することはせず、最初に設定されたタイマーで画像処理開始ファイル送信処理を実施するものとする。タイマー設定処理が終了したら、結合処理開始データ送信処理は終了する。
【0078】
S1305では、結合処理開始指示設定が結合処理開始指示ファイルを「直ちに送信する」となっているので、結合処理開始指示ファイルを作成し、S1306へと進む。結合処理開始指示ファイルのファイル名は図10の設定に基づきスキャンサービスプログラム826が決定する。図10において同名ファイル指示チェックボックス1206の値がOFFだった場合は、結合開始指示ファイルパス指定エディットボックス1205の内容から図10に示したダイアログの場合はmerge_start.datというファイル名でファイルをスキャンサービスプログラム826が作成することになる。図10において同名ファイル指示チェックボックス1206の値がONの場合は、S802で作成した画像ファイルの拡張子の文字列を変更後拡張子エディットボックス1211に記載されている文字列に変更してスキャンサービスプログラム826がファイルを作成することになる。
【0079】
S1306では、S1305で作成した結合処理開始指示ファイルを結合処理開始指示ファイル送信宛先にスキャンサービスプログラム826が送信し、データ送信処理を終了する。結合処理開始指示ファイル送信宛先は図10の結合処理開始指示設定に基づきスキャンサービスプログラム826が決定する。
【0080】
続いて本実施形態におけるタイマー処理について図8のフローチャートを用いて説明する。例えば、図7のフローチャートのS808において直ちに画像処理開始指示ファイルを送信しない設定の画像送信宛先に対して、画像処理開始指示ファイルを送信するまでの時間をタイマーとしてスキャンサービスプログラム826がセットしている。図8のフローチャートの動作は図7のS808でセットされたタイマーが一つ以上ある状態、あるいは図11のS1304でセットされたタイマーが一つ以上ある状態でスキャンサービスプログラム826が実施するものとする。以下の説明においては、図7のS808でセットされたタイマーが存在する場合について例示する。
【0081】
S901では、S806で画像処理未処理アドレスとして登録された送信先に対してタイマー処理に登録する処理を行う。本実施形態におけるタイマー処理に登録する処理とは、画像処理装置2のクロックが指定された時刻分経過したことをスキャンサービスプログラム826が検出したら通知するコールバック関数を登録する処理のことを指すものとする。S902以降の処理は前述したタイマースレッドでスキャンサービスプログラム826が実施するものとする。
【0082】
S902では、各画像処理未処理アドレスに対しS808で指定されたタイマー値を取得し、紐づける処理を実施する。
【0083】
S903では、画像処理未処理アドレスに対して指定されたタイマーがタイムアウトしているかどうかを判定する。タイムアウトしている場合は、S905へと進み、まだタイムアウトしていない場合は、S904へと進む。
【0084】
S904では未だセットされたタイマー値がタイムアウトに至っていないため、タイマー値をインクリメントして、S903へ戻る。すなわち、画像処理装置2のクロックが指定された時刻分経過したことをスキャンサービスプログラム826が検出するまでS903とS904が繰り返される。今回の実施形態であれば、午前0時を迎えるまでS904とS903を繰り返すことになる。このタイマーインクリメント処理はコールバック関数内の新たなタイマーインクリメントスレッドで実施されるので、データ送信スレッドやタイマースレッドやその他ここでは例示していないシステムスレッド他にて新たなファイルを画像送信先に送信したり、画像送信先にある画像データを編集したりすることがスキャンサービスプログラム826で可能となっているものとする。タイマーインクリメントスレッドはタイマー値がタイムアウトしてS905へと進んだら、終了するものとする。
【0085】
S905では設定した時間が経過し、画像処理開始指示ファイルを送信する時刻となったので、画像処理開始指示ファイルをスキャンサービスプログラム826が作成する。作成する画像処理開始指示ファイルに対しては、図6の設定に基づいたファイル名を設定するものとする。
【0086】
S906では、作成した画像処理開始指示ファイルを図6で指定された画像処理開始指示ファイル送信先にスキャンサービスプログラム826が送信して、処理を終了する。処理が終了するとスキャンサービスプログラム826のデータ送信スレッドから分岐したタイマースレッドも終了するものとする。
【0087】
図7で説明した中で画像処理開始指示ファイルを「直ちに送信する」設定では無い場合(S804にてNoの場合)に進む各ステップは、画像送信と画像処理開始指示ファイル、すなわちメタ情報を同時に送出しないことを意味する。つまり、画像データの送出とは異なるタイミングでメタ情報を送出することを意味する。本実施形態においては、画像データの送出とは異なるタイミングでメタ情報を送出することによって、ユーザーが所定の処理を開始しても良いと判断した任意のタイミングでメタ情報を送出することを実現可能としている。
【0088】
図9では図7図8で画像ファイルと画像処理開始指示ファイルが送信された画像処理サーバー830の動作を説明したフローチャートとなっている。
【0089】
S1001では、まず図7のS803において送信された画像ファイルを画像処理サーバー830が画像処理装置2から受信する。本実施形態では画像ファイルの受信を検出する毎に、受信した画像ファイルのフォルダーをサーバー側画像処理未処理アドレスとして画像処理サーバー830の不図示の記憶媒体に登録するものとする。サーバー側画像処理未処理アドレスが既に登録されていなければ、画像処理サーバー830上で新たに作られるサーバー側スレッドをひとつ立ち上げるものとする。S1002以降は新たに立ち上げたサーバー側スレッド上で実施するものとする。既にサーバー側画像処理未処理アドレスが登録されていれば、既にサーバー側スレッドを新たに立てる必要が無いのでそのまま処理を終了するものとする。
【0090】
S1002では、画像処理サーバー830は画像処理開始指示ファイルの存在を確認する処理を実施する。
【0091】
見つからない場合は、S1002に戻って、画像処理開始指示ファイルが送られてくるまで待つ処理を実施する。一般的なオペレーティングシステムにおいて、待ち時間無く、ループ処理を実施してしまうとスレッド切り替え処理が実施できず、画像処理サーバー830のCPUの処理時間を際限なく圧迫してしまうことがありえる。そこで、本実施形態においてもS1002の処理を実施するにあたって、サーバー側スレッドの中で、適切な待ち時間毎(例えば1秒毎)にファイルチェックを行うものとする。
【0092】
S1002で画像処理開始指示ファイルが見つかった場合は、S1003へ進む。
【0093】
S1003では画像処理開始指示ファイルがあるので、画像処理サーバー830は画像処理を実施する。ここでいう画像処理はOCR、バーコード認識、更なる上位システムへの画像ファイルの送信などを含む。
【0094】
S1004では、画像処理サーバー830は画像処理結果を画像処理実行部から受信する処理を実施する。その後、画像処理サーバー830は受け取った画像処理結果をユーザーI/F部822で表示するために画像処理装置2へ送信する。画像処理サーバー830は画像処理結果を送信したら画像処理としては終了となる。画像処理が終了したら、サーバー側画像処理未処理アドレスでは無くなるので、画像処理サーバー830の不図示の記憶媒体上の登録を解除するものとする。これにより、一つのサーバー側画像処理未処理アドレスに対して複数のサーバー側スレッドが立たないように制御できるものとする。
【0095】
図8のフローチャートと図9のフローチャートの処理は画像処理の部分を結合処理に置き換えて実施することで結合処理も同様に行えるものとする。その際、結合処理が終了すると画像ファイルは一つになるのと同時に、結合処理開始指示ファイルも削除する。なお、画像処理と結合処理とで置き換えることで同じ処理が実行可能であるが、並列処理が可能であり、本実施形態では結合処理と画像処理は一つの同じサーバー側画像処理未処理アドレスの登録として見做さないものとし、別々に画像処理サーバー830が処理を実施できるものとする。
【0096】
結合処理開始指示設定がされておらず、画像ファイルが複数処理すべき宛先に存在する場合、画像処理に結合処理を含ませることによって、複数回送信された画像ファイルを結合してから画像処理サーバー830が画像処理(OCR、帳票認識、バーコード認識、データ登録など)を行うことが出来るものとしても発明の効果は変わらない。結合処理開始指示ファイルと画像処理開始指示ファイルを異なるメタ情報ファイルとすることにより、結合処理と画像処理を分けて指示することが可能になる。結合処理開始指示ファイルとは異なるタイミングで画像処理開始指示ファイルを送出することによって、ユーザーが所定の処理を開始しても良いと判断した任意のタイミングで画像処理開始指示ファイルを送出することを実現可能としている。
【0097】
以上の説明により、画像処理開始指示ファイルが作成されるまで、画像処理を実施しないことによって、ユーザーの処理したい単位での画像処理を実施することが実現でき、処理の効率を向上させ、画像処理を指示するユーザーの利便性を向上させることができた。
【0098】
以上説明した本実施形態では、一連の処理を画像読取装置1、画像処理装置2、画像処理サーバー830で分けて行うことを例に挙げて説明したが、当然すべて画像読取装置1内で実施するようにしても構わない。一方で、画像処理装置2や画像処理サーバー830側で行う処理を増やしても構わない。また、画像処理装置2を説明上記載したが、画像処理を一切行わず、画像処理サーバー830への情報の受け渡しだけをするようにしても良い。その場合、画像処理装置2は画像処理サーバー830と統合された同じ処理ブロック、装置内で動作するものとする。すなわち、画像処理装置2と画像処理サーバー830も同一であっても良いし、本発明の効果は変わらない。
【0099】
また、画像処理サーバー830は実施する画像処理に応じて別々のサーバーを用意しても良い。例えば、結合処理だけを行う画像処理サーバーと二値化だけを行う画像処理サーバー、OCR処理だけ行う画像処理サーバーを用意し、それぞれ同じ作業フォルダー、ディレクトリに置かれた画像ファイルを参照して処理するようにしても良い。
【0100】
本実施形態では画像処理サーバー830で実施するメインの画像処理とは別のサブの画像処理として結合処理を例として挙げたが、OCR専用の二値画像作成処理やPDFやTIFFから処理が容易なビットマップファイルへの変換処理など画像処理しやすい形式に変換する画像処理実施前処理を実施するようにしても良い。その場合の処理についても別途サブの画像処理開始指示ファイルについて結合処理開始指示設定画面1200同様の画面を作成し、図11のようなフローチャート同様の処理をすることで実施することが可能となる。但し、結合処理との組み合わせをしても良いし、単体で実施しても良い。結合処理開始指示ファイルがある時に同時にOCR専用の二値画像作成処理やPDFやTIFFから処理が容易なビットマップファイルへの変換処理などを行うようにしても良い。
【0101】
本実施形態ではメタ情報ファイルの中身についてあえて記載していないが、ファイルは空のファイルでも良いし、ファイル内に画像処理の処理順番を記載しても良いし、処理前の画像枚数やファイルサイズを記載してチェックするようにしても良い。また、ファイル内に画像処理が開始されるための追加の条件が記載されていてもよい。本実施形態では結合処理と画像処理を別々のファイルで運用したが、結合処理と画像処理を一つの処理開始指示ファイルとし、処理開始指示ファイルが生成されたら、結合処理→画像処理の順番で実施するようにしても良い。
【0102】
また、上述したメタ情報ファイルに限らず、他の画像処理情報に基づいて上述した結合処理や画像処理を実行してもよい。メタ情報とは異なる他の画像処理情報とは、いわゆる画像データのメタデータを一切含まないが、そのファイルが指定のパスに置かれると指定された画像処理が開始されるファイルのことを指す。本実施形態の説明はすべての画像処理開始指示ファイル、結合処理開始指示ファイルをメタ情報としていたが、実際には画像データのメタ情報を一切含まないファイルを画像処理情報として作成してもよい。
【0103】
メタ情報送出手段は、ユーザーが所定の処理を開始しても良いと判断した任意のタイミングで送出できれば良いので、今まで説明してきたタイマーやその日の時刻指定以外にも毎週固定の曜日の決まった時刻になったらメタ情報を送出しても良いし、ユーザーが画像処理開始指示ファイル送出ボタンを押下したタイミングでメタ情報を送出しても良いし、ユーザーが画像読取装置、画像処理装置からログアウトしたタイミングでメタ情報を送出しても良いし、ユーザーが最後のスキャンバッチとして明確に指示したスキャンバッチでは画像ファイル送信後直ちに画像処理開始指示ファイルを送出するようにしても良い。その場合であっても、ユーザーが所定の処理を開始しても良いと判断した時点で送出するメタ情報送出タイミングで指定されたメタ情報送出動作であることは変わらない。
【符号の説明】
【0104】
1 画像読取装置
2 画像処理装置
3 通信ケーブル
4 原稿載置部
5 搬送ローラー
6 分離ローラー
9 レジストセンサー
10 表用画像読取部
11 裏用画像読取部
13 原稿排紙部
14 搬送路
40 システムバス
41 画像読取部
42 制御部
43 不揮発性記録媒体
44 RAM
45 外部通信インターフェース(外部通信I/F)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11