(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112349
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】混雑予測装置、混雑予測方法及び混雑予測プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/40 20240101AFI20240814BHJP
B61L 27/60 20220101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q50/30
B61L27/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017256
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000221616
【氏名又は名称】東日本旅客鉄道株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】横山 元紀
(72)【発明者】
【氏名】青柳 宗之
(72)【発明者】
【氏名】小西 勇介
(72)【発明者】
【氏名】門田 裕太郎
(72)【発明者】
【氏名】坂入 整
【テーマコード(参考)】
5H161
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5H161AA01
5H161JJ26
5H161JJ36
5L049CC42
5L050CC42
(57)【要約】
【課題】鉄道を利用するユーザに対して列車の混雑状況に係る情報を提供するに際して、提供する情報とユーザが体感する混雑状況とを一致させ易くする。
【解決手段】列車の混雑状況に係る情報である対象列車荷重情報D6を取得する取得手段(通信部13)と、対象列車荷重情報D6を、列車荷重情報D2に基づく混雑状況と投稿情報D1に基づく混雑状況との関係性を示す関係性モデルD3に入力することで、投稿情報D1に基づく混雑状況を予測する予測手段(制御部11)と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
列車の混雑状況に係る定量的データを取得する取得手段と、
前記定量的データに基づく混雑状況に係る情報を、定量的データに基づく混雑状況と定性的データに基づく混雑状況との関係性を示す関係性モデルに入力することで、定性的データに基づく混雑状況を予測する予測手段と、
を備えることを特徴とする混雑予測装置。
【請求項2】
前記関係性モデルは、前記定量的データに基づく混雑状況と、前記定性的データに基づく混雑状況との関係を表す回帰分析によって生成されたモデルであることを特徴とする請求項1に記載の混雑予測装置。
【請求項3】
前記関係性モデルは、前記定量的データに基づく混雑状況と、前記定性的データに基づく混雑状況とを紐づけたデータを用いた機械学習によって生成されたモデルであることを特徴とする請求項1に記載の混雑予測装置。
【請求項4】
前記定量的データは、列車の重量に係る情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の混雑予測装置。
【請求項5】
前記定性的データは、所定のソーシャルメディアへの投稿に係る情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の混雑予測装置。
【請求項6】
前記関係性モデルを生成するモデル生成手段を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の混雑予測装置。
【請求項7】
前記定量的データに基づいて混雑率を推定する第1推定手段を備え、
前記第1推定手段は、乗客が乗車していない状態における列車の重量と、乗客が乗車している状態における列車の重量との差を、乗客一人当たりの重量として予め定められた重量で除算することで乗車人数を推定した上で、推定した乗車人数を、予め定められた混雑率100%の際の乗車人数で除算することで、混雑率を推定することを特徴とする請求項6に記載の混雑予測装置。
【請求項8】
前記定性的データに基づいて混雑率を推定する第2推定手段を備え、
前記第2推定手段は、所定のソーシャルメディアに投稿された文章中から混雑に関連するものとして予め定められたキーワードを抽出した上で、前記キーワード毎に予め定められた混雑率を用いて、混雑率を推定することを特徴とする請求項6に記載の混雑予測装置。
【請求項9】
列車の混雑状況に係る定量的データを取得する取得ステップと、
前記定量的データに基づく混雑状況に係る情報を、定量的データに基づく混雑状況と定性的データに基づく混雑状況との関係性を示す関係性モデルに入力することで、定性的データに基づく混雑状況を予測する予測ステップと、
を含むことを特徴とする混雑予測方法。
【請求項10】
コンピュータを、
列車の混雑状況に係る定量的データを取得する取得手段、
前記定量的データに基づく混雑状況に係る情報を、定量的データに基づく混雑状況と定性的データに基づく混雑状況との関係性を示す関係性モデルに入力することで、定性的データに基づく混雑状況を予測する予測手段、
として機能させることを特徴とする混雑予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、混雑予測装置、混雑予測方法及び混雑予測プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
鉄道を利用するユーザが移動経路を決定するに際しては、列車の混雑状況を重視する場合がある。すなわち、例えばユーザは、他の条件に大きな差がなければ、列車に混雑する区間が生じない移動経路を利用して移動することを好むことが予測される。
【0003】
そこで、列車の混雑状況を予測した上で、ユーザに対して、列車の混雑状況に係る情報を提供することを目的としたシステムが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-9604号公報
【特許文献2】特開2017-137059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
鉄道を利用するユーザに対して列車の混雑状況に係る情報を提供するに際しては、提供する情報とユーザが体感する混雑状況とができる限り合致することが好ましい。
この点、従来のシステムにおいては、列車の混雑状況の予測を、駅の改札機の通過人数や駅内に設置されたセンサによって感知された人数等の数値から行っていたが、このような数値から予測される混雑状況と、ユーザの体感する混雑状況とは必ずしも一致しないことから、提供する情報とユーザが体感する混雑状況との間に乖離が生じる場合があった。
【0006】
本発明の課題は、鉄道を利用するユーザに対して列車の混雑状況に係る情報を提供するに際して、提供する情報とユーザが体感する混雑状況とを一致させ易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、混雑予測装置において、
列車の混雑状況に係る定量的データを取得する取得手段と、
前記定量的データに基づく混雑状況に係る情報を、定量的データに基づく混雑状況と定性的データに基づく混雑状況との関係性を示す関係性モデルに入力することで、定性的データに基づく混雑状況を予測する予測手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の混雑予測装置において、
前記関係性モデルは、前記定量的データに基づく混雑状況と、前記定性的データに基づく混雑状況との関係を表す回帰分析によって生成されたモデルであることを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の混雑予測装置において、
前記関係性モデルは、前記定量的データに基づく混雑状況と、前記定性的データに基づく混雑状況とを紐づけたデータを用いた機械学習によって生成されたモデルであることを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の混雑予測装置において、
前記定量的データは、列車の重量に係る情報を含むことを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の混雑予測装置において、
前記定性的データは、所定のソーシャルメディアへの投稿に係る情報を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5のいずれか一項に記載の混雑予測装置において、
前記関係性モデルを生成するモデル生成手段を備えることを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載の混雑予測装置において、
前記定量的データに基づいて混雑率を推定する第1推定手段を備え、
前記第1推定手段は、乗客が乗車していない状態における列車の重量と、乗客が乗車している状態における列車の重量との差を、乗客一人当たりの重量として予め定められた重量で除算することで乗車人数を推定した上で、推定した乗車人数を、予め定められた混雑率100%の際の乗車人数で除算することで、混雑率を推定することを特徴とする。
【0014】
請求項8に記載の発明は、請求項6に記載の混雑予測装置において、
前記定性的データに基づいて混雑率を推定する第2推定手段を備え、
前記第2推定手段は、所定のソーシャルメディアに投稿された文章中から混雑に関連するものとして予め定められたキーワードを抽出した上で、前記キーワード毎に予め定められた混雑率を用いて、混雑率を推定することを特徴とする。
【0015】
請求項9に記載の発明は、混雑予測方法において、
列車の混雑状況に係る定量的データを取得する取得ステップと、
前記定量的データに基づく混雑状況に係る情報を、定量的データに基づく混雑状況と定性的データに基づく混雑状況との関係性を示す関係性モデルに入力することで、定性的データに基づく混雑状況を予測する予測ステップと、
を含むことを特徴とする。
【0016】
請求項10に記載の発明は、混雑予測プログラムにおいて、
コンピュータを、
列車の混雑状況に係る定量的データを取得する取得手段、
前記定量的データに基づく混雑状況に係る情報を、定量的データに基づく混雑状況と定性的データに基づく混雑状況との関係性を示す関係性モデルに入力することで、定性的データに基づく混雑状況を予測する予測手段、
として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、鉄道を利用するユーザに対して列車の混雑状況に係る情報を提供するに際して、提供する情報とユーザが体感する混雑状況とを一致させ易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】実施形態に係る情報配信システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る情報配信システムのステップS1の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図3】実施形態に係る情報配信システムのステップS2の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】実施形態に係る情報配信システムのステップS3の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図5】実施形態に係る情報配信システムのステップS4の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図6】実施形態に係る情報配信システムのステップS5の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図7】実施形態に係る情報配信システムのステップS6の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図8】実施形態に係る情報配信システムのステップS7の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】実施形態に係る情報配信システムのステップS8の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図10】実施形態に係る情報配信システムのステップS9の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図11】実施形態に係る情報配信システムのステップS10の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図12】実施形態に係る情報配信システムのステップS11の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図13】関係性モデルの生成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、
図1から
図13に基づいて、本発明の実施形態である情報配信システム100について説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
【0020】
[第1 構成の説明]
情報配信システム100は、
図1に示すように、管理サーバ1と、ユーザ端末2と、を備えて構成され、各装置の間は、通信ネットワークNを介して接続されている。
【0021】
[1 管理サーバ]
管理サーバ1は、例えば、情報配信システム100を管理・運営し、サービスを提供する鉄道事業者等の企業が保有するコンピュータであり、後述のように関係性モデルの生成、関係性モデルを用いた混雑率の予測、配信情報の優先順位の決定等を行う。
管理サーバ1は、
図1に示すように、例えば、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、を備えて構成されている。
【0022】
なお、管理サーバ1は、必ずしも単一のコンピュータによって実現されていることを要せず、例えば、複数台のコンピュータが通信ネットワークNを介して接続されることで、複数台のコンピュータにより、管理サーバ1としての機能が実現されていてもよい。この場合、このような複数台のコンピュータが接続されたものが、管理サーバ1に該当することとなる。
【0023】
制御部11は、管理サーバ1の動作を制御する部分であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えて構成され、記憶部12に記憶されたプログラムデータ等とCPUとの協働により、管理サーバ1の各部を統括制御する。
【0024】
記憶部12は、管理サーバ1の運用に必要となる各種情報が記憶される部分であり、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、半導体メモリ等により構成され、プログラムデータ等の管理サーバ1の運用に必要となるデータを、制御部11から読み書き可能に記憶する。
【0025】
記憶部12には、投稿情報D1と、列車荷重情報D2と、関係性モデルD3と、対象列車情報D4と、対象区間情報D5と、対象列車荷重情報D6と、投稿混雑率情報D7と、列車遅延情報D8と、予測遅延情報D9と、列車運行情報D10と、予測運休情報D11と、混雑度関連単語重み情報D12と、列車遅延関連単語重み情報D13と、列車運休関連単語重み情報D14と、配信優先順位情報D15と、混雑情報配信フラグF1と、遅延情報配信フラグF2と、運休情報配信フラグF3と、混雑情報通知フラグF4と、遅延情報通知フラグF5と、運休情報通知フラグF6と、が記憶される。これらデータの詳細については、動作の説明の中で述べる。
また、記憶部12には、後述の動作の説明において述べるように管理サーバ1を動作させるための制御部11への各種命令を含むプログラムが記憶されている。
【0026】
通信部13は、管理サーバ1と、ユーザ端末2との間の通信に用いられる部分であり、例えば、通信用IC(Integrated Circuit)及び通信コネクタ等を有する通信インターフェイスであり、制御部11の制御の元、所定の通信プロトコルを用いて、通信ネットワークNを介したデータ通信を行う。
【0027】
[2 ユーザ端末]
ユーザ端末2は、例えば、本システムを利用する鉄道のユーザのそれぞれが所持するスマートフォン、タブレット端末、スマートウォッチ等の情報機器であり、後述のように、管理サーバ1から受信した情報の表示等を行う。
図1においてはユーザ端末2を一つしか図示していないが、実際には、本システムを利用するユーザの数に応じて多数のユーザ端末2が、管理サーバ1と通信ネットワークNを介して接続されている。
【0028】
ユーザ端末2は、
図1に示すように、例えば、管理サーバ1と同様に、制御部21と、記憶部22と、通信部23と、を備えると共に、さらに、表示部24と、操作部25と、を備えて構成されている。
【0029】
制御部21及び通信部23の構成は、それぞれ管理サーバ1における制御部11及び通信部13と変わるところはない。
記憶部22は、管理サーバ1における記憶部12と同様に、例えば、HDD、半導体メモリ等により構成され、後述の動作の説明において述べるようにユーザ端末2を動作させるための制御部21への各種命令を含むプログラムが記憶されている。
【0030】
表示部24は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備え、制御部21から出力された表示制御信号に基づいた画像を当該ディスプレイに表示する。
【0031】
操作部25は、例えば、文字入力キー、数字入力キー、その他各種機能に対応付けられたキーを有するキーボード等を備え、ユーザ端末2を使用するユーザからの操作入力を受け付けて、操作入力に応じた操作信号を制御部21へと出力する。操作部25は、例えば、表示部24と一体的に形成されたタッチパネル等であってもよい。
【0032】
[3 通信ネットワーク]
通信ネットワークNは、例えば、インターネット、電話回線網、携帯電話通信網、無線LAN通信網等であり、
図1に示すように、管理サーバ1と、ユーザ端末2と、の間を接続する。
通信ネットワークNとしては、上記のように各装置間を繋ぎ、これらの間でデータの送受信を行うことが可能なものであれば特に限定されない。
【0033】
[第2 動作の説明]
以下、本実施形態に係る情報配信システム100の動作について説明する。
情報配信システム100の動作は、大きく分けて、関係性モデルの生成(ステップS1)、混雑情報配信フラグの生成(ステップS2)、遅延情報配信フラグの生成(ステップS3)、運休情報配信フラグの生成(ステップS4)、配信情報の重要度の算出(ステップS5)、配信情報の優先順位の決定(ステップS6)、混雑情報通知フラグの生成(ステップS7)、遅延情報通知フラグの生成(ステップS8)、運休情報通知フラグの生成(ステップS9)、情報の送信(ステップS10)及び情報の表示(ステップS11)の11個のステップからなる。
【0034】
[1 ステップS1:関係性モデルの生成]
まず、管理サーバ1において、関係性モデルD3を生成する際の本システムの動作について、
図2のフローチャートに従って説明する。
【0035】
まず、管理サーバ1は、所定のソーシャルメディアにおける投稿に係る情報である投稿情報D1を取得し、記憶部12に記憶させる(ステップS1-1)。
【0036】
投稿情報D1は、所定のソーシャルメディアにおける所定の期間内における全投稿に係る情報であり、各投稿について、投稿された日時に係る情報である日時情報D1-1と、投稿された場所に係る情報である場所情報D1-2と、投稿された文章に係る情報である投稿文情報D1-3と、を含む。
【0037】
日時情報D1-1としては、例えば、当該投稿がなされた年月日及び時間に係る情報を取得すればよい。
また、場所情報D1-2としては、当該投稿に使われたスマートフォン、タブレット端末等の端末装置の投稿時点における位置をGPS等によって特定した情報を取得すればよい。また、投稿文情報D1-3に係る文章中に駅名等の投稿された場所を特定できる情報を含む場合には、当該情報を場所情報D1-2として使用してもよい。
また、投稿文情報D1-3としては、投稿された文章の全文に係る情報を取得すればよい。
【0038】
取得方法は特に限定されないが、例えば、管理サーバ1は、所定のソーシャルメディアを管理する外部のシステムと通信の上、当該システムから通信ネットワークNを介して送信された情報を通信部13によって受信することによって、投稿情報D1を取得すればよい。
【0039】
投稿情報D1を取得すると、続いて管理サーバ1においては、制御部11が、投稿情報D1から、列車の混雑に関連する投稿を抽出する(ステップS1-2)。
具体的には、列車の混雑に関連するキーワードのリストを予め記憶部12に記憶させておき、投稿文情報D1-3に当該キーワードを含む投稿を抽出すればよい。
【0040】
続いて、管理サーバ1においては、制御部11が、ステップS1-2で抽出した投稿を、関連する列車及び区間(鉄道路線における隣り合う停車駅と停車駅との間の部分のそれぞれ)毎に分類する(ステップS1-3)。
【0041】
具体的には、例えば、列車の路線図及びダイヤに係る情報を予め記憶部12に記憶させておき、投稿情報D1に含まれる日時情報D1-1及び場所情報D1-2に基づき、各投稿について、日時情報D1-1に係る日時に、場所情報D1-2に係る場所に最も近い位置を走行していた列車の当該日時に走行中の区間に関するものとして分類すればよい。
また、例えば、投稿文情報D1-3に駅名が含まれているものを抽出し、日時情報D1-1に係る日時の直前に当該駅を出発した列車の、当該駅の次の区間に関するものとして分類してもよい。
【0042】
続いて、管理サーバ1においては、制御部11が、ステップS1-2で抽出した投稿情報D1のそれぞれについて、対応する混雑率を推定する(ステップS1-4)。なお、列車の乗車人数の所定の定員に対する割合(乗車人数/定員)を混雑率とする。
具体的には、例えば、列車を利用するユーザに対するアンケート等に基づき、予め混雑に関連するキーワード毎に対応する混雑率の数値を決定の上、記憶部12に記憶させておき、投稿文情報D1-3に係る文章に含まれるキーワードに対応する混雑率を、当該投稿情報D1に対応する混雑率として推定すればよい。
【0043】
続いて、管理サーバ1においては、投稿情報D1を取得したのと同じ所定の期間について、各列車の区間毎の、乗客が乗車していない状態の重量と、乗客が乗車した状態の重量との差、すなわち列車に乗車していた乗客の重量の合計に係る情報である列車荷重情報D2を取得し、記憶部12に記憶させる(ステップS1-5)。
【0044】
取得方法は特に限定されないが、例えば、管理サーバ1は、各列車に備えられた重量センサによって取得された情報を管理する外部のシステムと通信の上、当該システムから通信ネットワークNを介して送信された情報を通信部13によって受信することによって、列車荷重情報D2を取得すればよい。
【0045】
続いて、管理サーバ1においては、ステップS1-5で取得した列車荷重情報D2に基づき、列車荷重情報D2を取得した各列車の区間毎の混雑率を推定する(ステップS1-6)。
【0046】
具体的には、各列車の各区間における列車荷重情報D2に係る重量を、乗客一人当たりの重量として予め定めた所定の重量で除算することで、各列車の各区間における乗車人数を推定した上で、推定した各列車の各区間における乗車人数を、各列車について予め定められた混雑率100%の際の乗車人数で除算することで、各列車の各区間における混雑率を算出する。
例えば、ある列車のある区間における列車荷重情報D2に係る重量の値が10,000kgであり、乗客一人当たりの重量として定めた所定の重量が65kgであれば、10,000÷65≒154人を当該列車の当該区間における乗車人数と推定する。その上で、当該列車について予め定められた混雑率100%の際の乗車人数が140人であれば、154÷140=1.1となり、混雑率110%と算出することとなる。
【0047】
続いて、管理サーバ1の制御部11は、ステップS1-4で推定した投稿情報D1に基づく混雑率と、ステップS1-6で推定した列車荷重情報D2に基づく混雑率と、に基づき、これらの関係性を示す関係性モデルを生成する(ステップS1-7)。
【0048】
具体的には、例えば、ステップS1-3での分類に従い、ステップS1-4で推定した投稿情報D1に基づく混雑率のそれぞれについて、列車及び区間が共通する列車荷重情報D2に基づく混雑率を特定した上で、
図13に示すように、横軸(x軸)にステップS1-6で推定した列車荷重情報D2に基づく混雑率、縦軸(y軸)にステップS1-4で推定した投稿情報D1に基づく混雑率を示す座標区間上で、ステップS1-4で推定した投稿情報D1に基づく混雑率のそれぞれについて対応する点を定めた上で(
図13上の各点がこれに該当する。)、これらを基にした線形回帰により、回帰直線(
図13上の直線がこれに該当する。)の傾き(y=axのa)を求めればよい。
図13においては、傾きaが1,3534,決定係数R
2が0.4481となった場合を図示している。
このy=axの式が、ここで生成された関係性モデルに該当することとなる。
【0049】
関係性モデルを生成すると、制御部11は、生成した関係性モデルに係るデータ(関係性モデルD3)を、記憶部12に記憶させる(ステップS1-8)。
【0050】
[2 ステップS2:混雑情報配信フラグの生成]
続いて、ステップS1で生成した関係性モデルD3を用いて、投稿情報D1に基づく混雑率を予測し、これが所定の閾値を超える場合に混雑情報配信フラグF1を生成する際の本システムの動作について、
図3のフローチャートに従って説明する。
【0051】
管理サーバ1は、まず、本システムを利用する鉄道のユーザが情報の提供を希望する列車に係る情報(対象列車情報D4)及び情報の提供を希望する区間に係る情報(対象区間情報D5)を取得し、当該ユーザの識別情報と紐付けて記憶部12に記憶させる(ステップS2-1)。
【0052】
取得方法は特に限定されず、例えば、ユーザが直接特定した列車及び区間に係る情報を、当該ユーザが使用するユーザ端末2から通信部13によって受信することによって取得してもよいし、ユーザが経路検索に係るウェブページで経路検索を行った際に、検索結果として表示される経路に含まれる列車及び区間に係る情報を、ユーザが情報の提供を希望する列車及び区間に係る情報として、このような経路検索に係るウェブページに係る外部システムから通信部13によって受信することによって取得してもよい。
【0053】
続いて、管理サーバ1においては、対象列車情報D4に係る列車の対象区間情報D5に係る区間について、列車の乗客が乗車していない状態の重量と、乗客が乗車した状態の重量との差、すなわち列車に乗車していた乗客の重量の合計に係る情報である対象列車荷重情報D6を取得する(ステップS2-2)。
取得方法は特に限定されず、ステップS1-5と同様、各列車に備えられた重量センサによって取得された情報を管理する外部のシステムと通信の上、当該システムから通信ネットワークNを介して送信された情報を通信部13によって受信することによって取得すればよい。
【0054】
続いて、管理サーバ1においては、制御部11が、ステップS2-2で取得した対象列車荷重情報D6に基づき、対象列車荷重情報D6を取得した各列車の区間毎の混雑率を推定する(ステップS2-3)。
【0055】
具体的には、ステップS1-6と同様、各列車の各区間における対象列車荷重情報D6に係る重量を、乗客一人当たりの重量として予め定めた所定の重量で除算することで、各列車の各区間における乗車人数を推定した上で、推定した各列車の各区間における乗車人数を、各列車について予め定められた混雑率100%の際の乗車人数で除算することで、各列車の各区間における混雑率を算出すればよい。
【0056】
続いて、管理サーバ1においては、制御部11が、ステップS2-3で推定した対象列車荷重情報D6に基づく混雑率を関係性モデルD3に入力することで、対象列車情報D4に係る列車の対象区間情報D5に係る区間毎に、投稿情報D1に基づく混雑率を予測する(ステップS2-4)。
【0057】
すなわち、ステップS2-3で推定した混雑率の数値のそれぞれを、関係性モデルD3に係るy=axという式のxに代入することで、対応するyの値を算出すればよい。
【0058】
これによって、制御部11は、対象列車情報D4に係る列車の対象区間情報D5に係る区間毎に、対象列車荷重情報D6に基づく混雑率を投稿情報D1に基づく混雑率に変換し、投稿情報D1に基づく混雑率を予測することができる。
【0059】
投稿情報D1に基づく混雑率を予測すると、制御部11は、予測した混雑率に係る情報(投稿混雑率情報D7)を、対応するユーザの識別情報と紐付けて、記憶部12に記憶させる(ステップS2-5)。
【0060】
投稿混雑率情報D7を記憶させると、管理サーバ1の制御部11は、ステップS2-4で予測した投稿情報D1に基づく混雑率と、混雑率に係る所定の閾値とを対照の上、ステップS2-4で予測した投稿情報D1に基づく混雑率に所定の閾値を超えているものがある場合に、混雑情報配信フラグF1を立て(ステップS2-6)、混雑情報配信フラグF1を立てた場合、制御部11は、対応するユーザの識別情報と紐付けて、混雑情報配信フラグF1を記憶部12に記憶させる(ステップS2-7)。
【0061】
[3 ステップS3:遅延情報配信フラグの生成]
続いて、列車の遅延について予測の上、これが所定の閾値を超える場合に遅延情報配信フラグF2を生成する際の本システムの動作について、
図4のフローチャートに従って説明する。
【0062】
まず、管理サーバ1においては、列車の遅延に係る情報である列車遅延情報D8を取得し、記憶部12に記憶させる(ステップS3-1)
取得方法は特に限定されず、例えば、管理サーバ1は、列車の遅延に係る情報を管理する外部の所定のシステムと通信の上、当該システムから通信ネットワークNを介して送信された情報を通信部13によって受信することによって、列車遅延情報D8を取得すればよい。
【0063】
続いて、管理サーバ1においては、制御部11が、ステップS3-1で取得した列車遅延情報D8を用いて、対象列車情報D4に係る列車の遅延時間の予測を行う(ステップS3-2)。遅延時間を予測すると、制御部11は、予測した遅延時間に係る情報である予測遅延情報D9を記憶部12に記憶させる。
遅延予測の方法は特に限定されず、既存の列車の遅延予測のアルゴリズムを用いて、列車の遅延時間を予測すればよい。
【0064】
続いて、管理サーバ1の制御部11は、ステップS3-2で予測した遅延時間と、遅延時間に係る所定の閾値とを対照の上、ステップS3-2で予測した遅延時間に所定の閾値を超えているものがある場合に、遅延情報配信フラグF2を立て(ステップS3-3)、遅延情報配信フラグF2を立てた場合、制御部11は、対応するユーザの識別情報と紐付けて、遅延情報配信フラグF2を記憶部12に記憶させる(ステップS3-4)。
【0065】
[4 ステップS4:運休情報配信フラグの生成]
続いて、列車の運休について予測の上、これが所定の閾値を超える場合に運休情報配信フラグF3を生成する際の本システムの動作について、
図5のフローチャートに従って説明する。
【0066】
まず、管理サーバ1においては、列車の運行に係る情報である列車運行情報D10を取得し、記憶部12に記憶させる(ステップS4-1)。
取得方法は特に限定されず、例えば、管理サーバ1は、列車の運行に係る情報を管理する外部の所定のシステムと通信の上、当該システムから通信ネットワークNを介して送信された情報を通信部13によって受信することによって、列車運行情報D10を取得すればよい。
【0067】
続いて、管理サーバ1においては、制御部11が、ステップS4-1で取得した列車運行情報D10を用いて、対象列車情報D4に係る列車の運休の予測を行う(ステップS4-2)。列車の運休を予測すると、制御部11は、予測した運休に係る情報である予測運休情報D11を記憶部12に記憶させる。
運休予測の方法は特に限定されず、既存の列車の運休予測のアルゴリズムを用いて、列車の運休を予測すればよい。
【0068】
続いて、管理サーバ1の制御部11は、ステップS4-2で予測した運休列車の本数と、運休本数に係る所定の閾値とを対照の上、ステップS4-2で予測した運休列車の本数が所定の閾値を超えている場合に、運休情報配信フラグF3を立て(ステップS4-3)、運休情報配信フラグF3を立てた場合、制御部11は、対応するユーザの識別情報と紐付けて、運休情報配信フラグF3を記憶部12に記憶させる(ステップS4-4)。
【0069】
[5 ステップS5:配信情報の重要度の算出]
続いて、管理サーバ1において、本システムのユーザに提供する配信情報の種類毎の重要度を算出する際の本システムの動作について、
図6のフローチャートに従って説明する。
【0070】
まず、制御部11は、ステップS1-1で取得した投稿情報D1を用いて、投稿文情報D1-3に係る文章から、列車の混雑度に関連する単語(名詞、形容詞、動詞等、以下「混雑度関連単語」とする。)を全て抽出する(ステップS5-1)。
単語の抽出は、予め列車の混雑度に関連する単語の一覧を記憶部12に記憶させておき、記憶されている単語と一致する単語を抽出すればよい。また、完全に一致する単語のみではなく、自然言語処理によって記憶されている単語と所定の値以上の関連性を有する単語も抽出するようにしてもよい。
【0071】
続いて、制御部11は、ステップS1-1で取得した投稿情報D1を用いて、投稿文情報D1-3に係る文章から、列車の遅延に関連する単語(名詞、形容詞、動詞等、以下「列車遅延関連単語」とする。)を全て抽出する(ステップS5-2)。
単語の抽出は、予め列車の遅延に関連する単語の一覧を記憶部12に記憶させておき、記憶されている単語と一致する単語を抽出すればよい。また、この場合も、完全に一致する単語のみではなく、自然言語処理によって記憶されている単語と所定の値以上の関連性を有する単語も抽出するようにしてもよい。
【0072】
続いて、制御部11は、ステップS1-1で取得した投稿情報D1を用いて、投稿文情報D1-3に係る文章から、列車の運休に関連する単語(名詞、形容詞、動詞等、以下、「列車運休関連単語」とする。)を全て抽出する(ステップS5-3)。
単語の抽出は、予め列車の運休に関連する単語の一覧を記憶部12に記憶させておき、記憶されている単語と一致する単語を抽出すればよい。また、この場合も、完全に一致する単語のみではなく、自然言語処理によって記憶されている単語と所定の値以上の関連性を有する単語も抽出するようにしてもよい。
【0073】
続いて、制御部11は、ステップS5-1で抽出した混雑度関連単語について、投稿情報D1に係る全投稿中での重みを算出する(ステップS5-4)。
具体的には、予め記憶部12に、混雑度に関する基本単語の一覧と、投稿で使われる可能性のある混雑度に関連する単語と基本単語との類似度の一覧と、を記憶させておき、このような類似度が高いほど高くなるようにして、所定の基準に従ってステップS5-1で抽出した単語のそれぞれについて数値(基本単語との類似度に関する数値)を決定し、決定した数値を全て合計することで、ステップS5-1で抽出した混雑度関連単語について、投稿情報D1に係る全投稿中での重み、すなわち混雑度関連単語のそれぞれについて所定の基準に従って決定された数値の総和を算出すればよい。
また、投稿に使われる可能性のある混雑度に関連する単語と基本単語との類似度は、例えば、Word2vec等を用いて、単語間の共起性による類似度を過去の投稿等により算出して記憶させておけばよい。
【0074】
ステップS5-1で抽出した混雑度関連単語について投稿情報D1に係る全投稿中での重みを算出すると、制御部11は、対応するユーザの識別情報と紐付けて、算出した重みの数値に係る情報(混雑度関連単語重み情報D12)を記憶部12に記憶させる(ステップS5-5)。
【0075】
続いて、制御部11は、ステップS5-2で抽出した列車遅延関連単語について、投稿情報D1に係る全投稿中での重みを算出する(ステップS5-6)。
具体的には、予め記憶部12に、列車遅延に関する基本単語の一覧と、投稿で使われる可能性のある列車遅延に関連する単語と基本単語との類似度の一覧と、を記憶させておき、このような類似度が高いほど高くなるようにして、所定の基準に従ってステップS5-2で抽出した単語のそれぞれについて数値(基本単語との類似度に関する数値)を決定し、決定した数値を全て合計することで、ステップS5-2で抽出した列車遅延関連単語について、投稿情報D1に係る全投稿中での重み、すなわち列車遅延関連単語のそれぞれについて所定の基準に従って決定された数値の総和を算出すればよい。
また、投稿に使われる可能性のある列車遅延に関連する単語と基本単語との類似度は、例えば、Word2vec等を用いて、単語間の共起性による類似度を過去の投稿等により算出して記憶させておけばよい。
【0076】
ステップS5-2で抽出した列車遅延関連単語について投稿情報D1に係る全投稿中での重みを算出すると、制御部11は、対応するユーザの識別情報と紐付けて、算出した重みの数値に係る情報(列車遅延関連単語重み情報D13)を記憶部12に記憶させる(ステップS5-7)。
【0077】
続いて、制御部11は、ステップS5-3で抽出した列車運休関連単語について、投稿情報D1に係る全投稿中での重みを算出する(ステップS5-8)。
具体的には、予め記憶部12に、列車運休に関する基本単語の一覧と、投稿で使われる可能性のある列車運休に関連する単語と基本単語との類似度の一覧と、を記憶させておき、このような類似度が高いほど高くなるようにして、所定の基準に従ってステップS5-3で抽出した単語のそれぞれについて数値(基本単語との類似度に関する数値)を決定し、決定した数値を全て合計することで、ステップS5-3で抽出した列車運休関連単語について、投稿情報D1に係る全投稿中での重み、すなわち列車運休関連単語のそれぞれについて所定の基準に従って決定された数値の総和を算出すればよい。
また、投稿に使われる可能性のある列車運休に関連する単語と基本単語との類似度は、例えば、Word2vec等を用いて、単語間の共起性による類似度を過去の投稿等により算出して記憶させておけばよい。
【0078】
ステップS5-3で抽出した列車運休関連単語について投稿情報D1に係る全投稿中での重みを算出すると、制御部11は、対応するユーザの識別情報と紐付けて、算出した重みの数値に係る情報(列車運休関連単語重み情報D14)を記憶部12に記憶させる(ステップS5-9)。
【0079】
[6 ステップS6:配信情報の優先順位の決定]
続いて、管理サーバ1において、本システムのユーザに提供する配信情報の種類毎の優先順位を決定する際の本システムの動作について、
図7のフローチャートに従って説明する。
【0080】
まず、制御部11は、記憶部12から、ステップS5-5で記憶させた混雑度関連単語重み情報D12、ステップS5-7で記憶させた列車遅延関連単語重み情報D13及びステップS5-9で記憶させた列車運休関連単語重み情報D14を読み出す(ステップS6-1)。
【0081】
続いて、制御部11は、ステップS6-1で読み出した情報を基に、混雑度、列車遅延及び列車運休から、配信情報の優先順位を決定する(ステップS6-2)。
すなわち、混雑度、列車遅延及び列車運休のうち、対応する重み情報(混雑度について混雑度関連単語重み情報D12、列車遅延について列車遅延関連単語重み情報D13、列車運休について列車運休関連単語重み情報D14)の数値が高いものから順に優先度が高くなるようにして、配信情報の優先順位を決定すればよい。
【0082】
配信情報の優先順位を決定すると、制御部11は、対応するユーザの識別情報と紐付けて、決定した優先順位に係る情報(配信優先順位情報D15)を、記憶部12に記憶させる(ステップS6-3)。
【0083】
[7 ステップS7:混雑情報通知フラグの生成]
続いて、混雑情報通知フラグF4を生成する際の本システムの動作について、
図8のフローチャートに従って説明する。
【0084】
まず、制御部11は、記憶部12から、ステップS5-5で記憶させた混雑度関連単語重み情報D12を読み出す(ステップS7-1)。
【0085】
続いて、制御部11は、ステップS7-1で読み出した混雑度関連単語重み情報D12の数値と、所定の閾値とを対照の上、混雑度関連単語重み情報D12の数値が所定の閾値以上であるかを判定する(ステップS7-2)。
【0086】
ステップS7-2の結果、混雑度関連単語重み情報D12の数値が所定の閾値以上である場合、制御部11は、混雑情報フラグを立てる(ステップS7-3)。
【0087】
続いて、制御部11は、記憶部12から、ステップS2-7で記憶させた混雑情報配信フラグF1を読み出す(ステップS7-4)。
【0088】
続いて、制御部11は、混雑情報配信フラグ及び混雑情報フラグの両者が立っているかを判定する(ステップS7-5)。
【0089】
ステップS7-5で混雑情報配信フラグ及び混雑情報フラグの両者が立っていると判定した場合、制御部11は、混雑情報通知フラグF4を、対応するユーザの識別情報と紐付けて、記憶部12に記憶させる(ステップS7-6)。
【0090】
[8 ステップS8:遅延情報通知フラグの生成]
続いて、遅延情報通知フラグF5を生成する際の本システムの動作について、
図9のフローチャートに従って説明する。
【0091】
まず、制御部11は、記憶部12から、ステップS5-7で記憶させた列車遅延関連単語重み情報D13を読み出す(ステップS8-1)。
【0092】
続いて、制御部11は、ステップS8-1で読み出した列車遅延関連単語重み情報D13の数値と、所定の閾値とを対照の上、列車遅延関連単語重み情報D13の数値が所定の閾値以上であるかを判定する(ステップS8-2)。
【0093】
ステップS8-2の結果、列車遅延関連単語重み情報D13の数値が所定の閾値以上である場合、制御部11は、遅延情報フラグを立てる(ステップS8-3)。
【0094】
続いて、制御部11は、記憶部12から、ステップS3-4で記憶させた遅延情報配信フラグF2を読み出す(ステップS8-4)。
【0095】
続いて、制御部11は、遅延情報配信フラグ及び遅延情報フラグの両者が立っているかを判定する(ステップS8-5)。
【0096】
ステップS8-5で遅延情報配信フラグ及び遅延情報フラグの両者が立っていると判定した場合、制御部11は、遅延情報通知フラグF5を、対応するユーザの識別情報と紐付けて、記憶部12に記憶させる(ステップS8-6)。
【0097】
[9 ステップS9:運休情報通知フラグの生成]
続いて、運休情報通知フラグF6を生成する際の本システムの動作について、
図10のフローチャートに従って説明する。
【0098】
まず、制御部11は、記憶部12から、ステップS5-9で記憶させた列車運休関連単語重み情報D14を読み出す(ステップS9-1)。
【0099】
続いて、制御部11は、ステップS9-1で読み出した列車運休関連単語重み情報D14の数値と、所定の閾値とを対照の上、列車運休関連単語重み情報D14の数値が所定の閾値以上であるかを判定する(ステップS9-2)。
【0100】
ステップS9-2の結果、列車運休関連単語重み情報D14の数値が所定の閾値以上である場合、制御部11は、運休情報フラグを立てる(ステップS9-3)。
【0101】
続いて、制御部11は、記憶部12から、ステップS4-4で記憶させた運休情報配信フラグF3を読み出す(ステップS9-4)。
【0102】
続いて、制御部11は、運休情報配信フラグ及び運休情報フラグの両者が立っているかを判定する(ステップS9-5)。
【0103】
ステップS9-5で遅運休報配信フラグ及び運休情報フラグの両者が立っていると判定した場合、制御部11は、運休情報通知フラグF6を、対応するユーザの識別情報と紐付けて、記憶部12に記憶させる(ステップS9-6)。
【0104】
[10 ステップS10:情報の送信]
続いて、管理サーバ1からユーザ端末2へと情報の送信を行う際の本システムの動作について、
図11のフローチャートに従って説明する。
【0105】
まず、制御部11は、記憶部12から、ステップS6-3で記憶させた配信優先順位情報D15を読み出す(ステップS10-1)。
【0106】
続いて、制御部11は、記憶部12に混雑情報通知フラグF4が記憶されているかを判定の上、記憶されている場合、記憶部12から混雑情報通知フラグF4を読み出す(ステップS10-2)。
【0107】
ステップS10-2で混雑情報通知フラグが読み出された場合、制御部11は、記憶部12から、投稿混雑率情報D7を読み出す(ステップS10-3)。
【0108】
続いて、制御部11は、記憶部12に遅延情報通知フラグF5が記憶されているかを判定の上、記憶されている場合、記憶部12から遅延情報通知フラグF5を読み出す(ステップS10-4)。
【0109】
ステップS10-4で遅延情報通知フラグが読み出された場合、制御部11は、記憶部12から、予測遅延情報D9を読み出す(ステップS10-5)。
【0110】
続いて、制御部11は、記憶部12に運休情報通知フラグF6が記憶されているかを判定の上、記憶されている場合、記憶部12から運休情報通知フラグF6を読み出す(ステップS10-6)。
【0111】
ステップS10-6で運休情報通知フラグF6が読み出された場合、制御部11は、記憶部12から、予測運休情報D11を読み出す(ステップS10-7)。
【0112】
続いて、制御部11は、ステップS10-1で読み出した配信優先順位情報D15、ステップS10-3で読み出した投稿混雑率情報D7、ステップS10-5で読み出した予測遅延情報D9及びステップS10-7で読み出した予測運休情報D11を、通信部13から通信ネットワークNを介して、ユーザ端末2へと送信する(ステップS10-8)。なお、各ステップにおいて読み出されていない情報が存在する場合、当該情報は送信されない。
【0113】
[11 ステップS11:情報の表示]
続いて、管理サーバ1から受信した情報をユーザ端末2において表示する際の本システムの動作について、
図12のフローチャートに従って説明する。
【0114】
ステップS10-8で管理サーバ1から情報が送信されると、ユーザ端末2は、通信部23によって受信することによって、管理サーバ1から送信された各情報を取得する(ステップS11-1)。
【0115】
ステップS11-1において情報を取得すると、ユーザ端末2の制御部21は、受信した情報を表示部24に表示させる(ステップS11-2)。
この際、制御部21は、配信優先順位情報D15における優先順位と対応付けて、受信したその他の情報(投稿混雑率情報D7、予測遅延情報D9及び/又は予測運休情報D11)を表示する。
【0116】
具体的には、例えば、優先順位が高い順に表示される領域が広くなるようにして、各情報を同時に表示する画面を生成の上、当該画面を表示部24に表示させればよい。
この場合、表示させる情報の種類が1種類のみであれば、画面の全域に当該情報を表示させる。
また、表示させる情報の種類が2種類であれば、第1順位の情報を表示する領域が第2順位の情報を表示する領域よりも広くなるようにして、これら2種類の情報を表示させる。
また、表示させる情報の種類が3種類であれば、第1順位の情報を表示する領域が最も広く、第2順位の情報を表示する領域が次いで広く、第3順位の情報を表示する領域が最も狭くなるようにして、これら3種類の情報を表示させる。
【0117】
また、例えば、優先順位が高い情報程に先に表示されるようにして、各情報を順次表示部24に表示させるようにしてもよい。
この場合、表示させる情報の種類が1種類のみであれば、当該情報を表示する画面を表示部24に表示させる。
また、表示させる情報の種類が2種類であれば、第1順位の情報を表示する画面を表示部24に表示させた後に、続いて、表示する画面を切り替えて、第2順位の情報を表示する画面を表示部24に表示させる。
また、表示させる情報の種類が3種類であれば、第1順位の情報を表示する画面を表示部24に表示させた後に、続いて、表示する画面を切り替えて、第2順位の情報を表示する画面を表示部24に表示させ、続いて、表示する画面を切り替えて、第3順位の情報を表示する画面を表示部24に表示させることとなる。
【0118】
[第3 効果の説明]
次に、本実施形態に係る情報配信システム100の効果について説明する。
【0119】
本実施形態に係る情報配信システム100によれば、管理サーバ1において、鉄道を利用するユーザが混雑状況に係る情報の提供を希望する列車の混雑状況に係る情報の提供を希望する区間について対象列車荷重情報D6を取得し、取得した情報に係る混雑率を、列車に乗車していた乗客の重量の合計に係る情報である列車荷重情報D2に基づく混雑率と、所定のソーシャルメディアにおける投稿に係る情報である投稿情報D1に基づく混雑率と、の関係性を示す関係性モデルD3に入力することで、投稿情報D1に基づく混雑率を予測する。
【0120】
単純に対象列車荷重情報D6のような数値から直接混雑率を予測し、予測した情報を、鉄道を使用するユーザに提供する場合、このような数値は人間の体感を反映したものではないことから、提供する情報がユーザの体感と乖離することがあったが、本実施形態に係る情報配信システム100によれば、このような数値に基づく混雑率から、投稿情報D1という列車の乗客が自らの体感を文字情報という数値以外の形式で提供した情報に基づく混雑率を予測することで、鉄道を利用するユーザに対して列車の混雑状況に係る情報を提供するに際して、提供する情報と当該情報の提供を受けたユーザが体感する混雑状況とを一致させ易くなり、提供する情報と当該情報の提供を受けたユーザが体感する混雑状況とが乖離するおそれを低減させることができる。
【0121】
また、関係性モデルD3が、列車荷重情報D2に基づく混雑率と、投稿情報D1に基づく混雑率との関係を表す回帰分析によって生成されたモデルであることで、関係性モデルD3の生成及び関係性モデルD3を用いた予測が容易となる。
【0122】
また、予測時に管理サーバ1が取得する情報として、列車の乗客の重量の合計に係る情報である対象列車荷重情報D6を使用することで、このような数値に基づく列車の混雑率の予測が容易となる。
【0123】
また、関係性モデルD3から出力される混雑率が、所定のソーシャルメディアにおける投稿に係る情報である投稿情報D1に基づく混雑率であることによって、ソーシャルメディアにおける投稿にはユーザの体感を直接的に表す表現が多く見られることから、出力される混雑率をユーザの体感により一致させ易くなる。
【0124】
また、管理サーバ1において、列車の乗客による所定のソーシャルメディアへの投稿内容に係る情報である投稿情報D1を取得し、取得した投稿情報D1に係る文章中から所定の複数の要素、すなわち、列車の混雑度、遅延及び運休に関連する単語を抽出し、このような要素毎に、抽出した単語の投稿情報D1に係る投稿の中での重み、すなわちそれぞれの要素について、関連する単語について所定の基準に従って決定された数値の総和を求めた上で、求めた重みに基づき、各要素について情報配信の優先順位を決定する。
これによって、ソーシャルメディア上での重みが大きい、すなわちユーザの注目度が高いことが予想される要素に係る情報である程に優先順位が高くなるようにして、情報配信の優先順位が決定されることから、鉄道を利用するユーザに対して提供する情報について、その種類毎の優先順位を適切に決定し易くなる。
【0125】
また、投稿情報D1に係る文章中から、混雑度、遅延又は運休のいずれかに関連する単語として予め定められた単語と一致する単語を抽出することで、これら要素に関連する単語を投稿情報D1に係る文章中から抽出することが容易となる。
【0126】
また、投稿情報D1に係る文章中から抽出した単語について、それぞれ所定の基本単語との類似度に応じて数値を決定の上、混雑度、遅延及び運休の要素毎にその総和を算出することで、抽出した単語の投稿情報D1に係る投稿の中での重みを求めることが容易となる。
【0127】
また、管理サーバ1において、抽出した単語のそれぞれについて所定の基準に従って決定された数値の要素毎の総和を算出した上で、これを所定の閾値と対照し、少なくともこのような総和に係る数値が所定の閾値未満である要素について、情報配信を要しないと決定することで、配信することを要する情報と要しない情報とを適切に区別し易くなる。
【0128】
[第4 変形例]
次に、本実施形態に係る情報配信システム100の変形例について説明する。
【0129】
[1 変形例1:定量的データの変更]
上記説明においては、関係性モデルD3の生成に用いるデータ及び関係性モデルD3に入力するデータとして、列車の乗客が乗車していない状態の重量と乗客が乗車した状態の重量との差、すなわち列車に乗車していた乗客の重量の合計に係る情報である列車荷重情報に基づく混雑率を用いる場合について説明したが、これに代えて、列車の混雑率に関連するその他の数値に係る情報を取得し、当該情報に基づく混雑率を、関係性モデルD3の生成に用いるデータ及び関係性モデルD3に入力するデータとして使用することも可能である。例えば、各駅における改札の通過人数に係る情報等を用いてもよい。
列車荷重情報を含めて、列車の混雑状況を推定可能な情報であり、かつ数値によって取得される情報であれば、本発明における定量的データに該当するものとする。
【0130】
[2 変形例2:定性的データの変更]
上記説明においては、関係性モデルD3の生成に用いるデータ及び関係性モデルD3から出力されるデータとして、所定のソーシャルメディアにおける投稿に係る情報である投稿情報D1に基づく混雑率を用いる場合について説明したが、これに代えて、列車の混雑率に関連するその他の数値以外の態様で取得される情報を取得し、当該情報に基づく混雑率を関係性モデルD3の生成に用いるデータとして使用し、関係性モデルD3から当該情報に基づく混雑率が出力されるようにすることも可能である。例えば、ソーシャルメディア以外に、ユーザが混雑状況に関連する文章を記載できる場所があれば、その記載を用いてもよいし、例えば、ユーザに対して実施した混雑率に係るアンケートの結果(例えば、混雑、普通、空いている等の複数段階から選択させるもの)があれば、その結果を用いてもよい。
投稿情報D1を含めて、列車の混雑状況を推定可能な情報であり、かつ取得時点で数値によって取得されるものではない情報であれば、本発明における定性的データに該当するものとする。
【0131】
[3 変形例3:配信の優先順位を決定する情報の変更]
上記説明においては、配信の優先順位を決定する情報に係る複数の要素が、列車の混雑度、遅延及び運休の3つである場合について説明したが、本システムを利用して配信の優先順位を決定することができる要素はこの3つに限られない。
その他の要素についても、投稿情報D1に係る文章中から当該要素に関連する単語を抽出し、抽出した単語の投稿情報D1に係る投稿の中での重みを求めた上で、求めた重みに基づいて情報配信の優先順位を決定することで、同様の効果を得ることができる。
【0132】
[4 変形例4:関係性モデルの生成方法の変更]
上記説明においては、関係性モデルD3が、列車荷重情報D2に基づく混雑率と、投稿情報D1に基づく混雑率との関係を表す回帰分析によって生成されたモデルである場合について説明したが、関係性モデルは、列車荷重情報D2に基づく混雑率と、投稿情報D1に基づく混雑率との関係性を表すことができるものであればよく、その生成方法は回帰分析には限られない。
例えば、列車荷重情報D2に基づく混雑率と投稿情報D1に基づく混雑率とを紐づけたデータを教師データとして用いた機械学習によって生成された機械学習モデルを用いてもよい。
【0133】
[5 変形例5:閾値の設定方法の変更]
上記説明においては、各ステップで使用する閾値が、本システムの管理者等によって予め設定されている場合を想定して説明したが、閾値の設定方法はこれに限られない。
例えば、ユーザ毎に当該ユーザの属性に応じて異なる閾値が設定されるようにしてもよいし、ユーザが希望に応じて閾値の値を設定することができるようにしてもよい。
また、ユーザ毎の過去の利用履歴を学習し、学習結果から自動的に閾値が設定されるようにしてもよい。いずれの場合も、当該閾値を用いた処理の前に定められた値であれば、所定の閾値に該当するものとする。
【符号の説明】
【0134】
100 情報配信システム
1 管理サーバ(混雑予測装置)
11 制御部(予測手段、モデル生成手段、第1推定手段、第2推定手段)
12 記憶部
13 通信部(取得手段)
2 ユーザ端末
21 制御部
22 記憶部
23 通信部
24 表示部
25 操作部
D1 投稿情報(定性的データ)
D2 列車荷重情報(定量的データ)
D3 関係性モデル
D4 対象列車情報
D5 対象区間情報
D6 対象列車荷重情報(定量的データ)
D7 投稿混雑率情報
D8 列車遅延情報
D9 予測遅延情報
D10 列車運行情報
D11 予測運休情報
D12 混雑度関連単語重み情報
D13 列車遅延関連単語重み情報
D14 列車運休関連単語重み情報
D15 配信優先順位情報