(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112353
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】システム、電源装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240814BHJP
H02J 13/00 20060101ALI20240814BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240814BHJP
B60L 53/14 20190101ALI20240814BHJP
B60L 50/60 20190101ALI20240814BHJP
B60L 53/68 20190101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q50/10
H02J13/00 301A
H02J13/00 311A
H02J7/00 P
H02J7/00 301B
B60L53/14
B60L50/60
B60L53/68
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017264
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】510167316
【氏名又は名称】Terra Motors株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】高橋 成典
【テーマコード(参考)】
5G064
5G503
5H125
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5G064AC05
5G064AC08
5G064CB06
5G064CB10
5G064DA11
5G503AA01
5G503BB01
5G503FA03
5G503FA06
5G503GD02
5G503GD03
5G503GD04
5G503GD06
5H125AA01
5H125AC12
5H125AC24
5H125BC21
5H125BE01
5H125CC04
5H125CC06
5H125CC07
5H125CD10
5H125DD02
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】充電スタンドの設置コストを軽減することが可能な仕組みを提供する。
【解決手段】移動体を充電する電源装置と、前記電源装置を制御する制御装置と、を備え、前記電源装置と前記制御装置との間で行われる前記電源装置を制御するための情報の送受信は、前記移動体の充電に関する情報を入出力する端末装置を中継して行われる、システム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体を充電する電源装置と、
前記電源装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記電源装置と前記制御装置との間で行われる前記電源装置を制御するための情報の送受信は、前記移動体の充電に関する情報を入出力する端末装置を中継して行われる、
システム。
【請求項2】
前記制御装置は、前記電源装置による充電開始を要求する情報を前記端末装置から受信した場合に、充電開始を命令する情報を送信し、
前記電源装置は、前記充電開始を命令する情報を受信した場合に、前記移動体を充電するための電力の供給を開始する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記制御装置は、前記電源装置による充電終了を要求する情報を前記端末装置から受信した場合に、充電終了を命令する情報を送信し、
前記電源装置は、前記充電終了を命令する情報を受信した場合に、前記移動体を充電するための電力の供給を終了する、
請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御装置は、前記電源装置による充電開始を要求する情報の送信元であった前記端末装置のユーザとは異なる他のユーザの他の端末装置からの前記充電終了を要求する情報を所定の条件下で受信した場合に、前記充電終了を命令する情報を送信する、
請求項3に記載のシステム。
【請求項5】
前記電源装置は、充電内容を示す情報を送信し、
前記制御装置は、前記充電内容を示す情報に基づいて、前記電源装置による充電開始を要求する情報の送信元であった前記端末装置のユーザへの課金処理を行う、
請求項3に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御装置は、前記電源装置にエラーが発生したことを示す情報を前記端末装置から受信した場合に、前記電源装置に発生したエラーを解消するための処理を行う、
請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記制御装置は、前記電源装置にエラーが発生した場合、エラーが発生した前記電源装置とは異なる他の電源装置にユーザを誘導するための情報を前記端末装置へ送信する、
請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
前記制御装置は、前記電源装置による充電開始を要求する情報の送信元であった前記端末装置のユーザとは異なる他のユーザの他の端末装置から前記電源装置にエラーが発生したことを示す情報を受信した場合に、前記電源装置に発生したエラーを解消するための処理を行う、
請求項6に記載のシステム。
【請求項9】
前記システムは、複数の前記電源装置を備え、
前記電源装置は、前記電源装置から通信可能な範囲内に配置された1つ以上の他の電源装置と前記制御装置との間で行われる、前記1つ以上の他の電源装置を制御するための情報の送受信を、前記端末装置を介して中継する、
請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
前記電源装置は、前記端末装置が通信可能な範囲に位置する期間において、前記電源装置と前記制御装置との間で行われる前記電源装置を制御するための情報を、前記端末装置を介して送受信する、
請求項1に記載のシステム。
【請求項11】
前記電源装置と前記端末装置とは、近距離無線通信規格に準拠した通信を行う、
請求項1~10のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項12】
前記電源装置は、
前記移動体に接続される充電ケーブルを接続可能なコンセントと、
前記コンセントと前記充電ケーブルとを接続する作業又は前記コンセントと前記充電ケーブルとの接続を解除する作業が行われる空間を開閉可能に覆うカバーと、
を備える、
請求項1に記載のシステム。
【請求項13】
前記電源装置は、前記制御装置による制御に基づいて前記カバーを施錠又は解錠するロック機構を備える、
請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
移動体を充電する電源装置であって、
前記移動体を充電するユーザの端末装置と通信可能な通信部を備え、
前記通信部は、前記端末装置を介して、前記電源装置を制御する制御装置と通信する、
電源装置。
【請求項15】
端末装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記端末装置は、
移動体の充電に関する情報を出力する出力部と、
前記移動体の充電に関する情報の入力を受け付ける入力部と、
通信部と、
を有し、
前記プログラムは、前記コンピュータを、
前記移動体を充電する電源装置と前記電源装置を制御する制御装置との間で行われる前記電源装置を制御するための情報の送受信を中継するよう前記通信部を制御する制御部として機能させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、電源装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境負荷の軽減を目指して、電気自動車(EV)が広く普及しつつある。EVの普及に伴い、EVを充電するための充電スタンドもまた広く普及しつつあり、技術開発の対象となっている。例えば下記特許文献1では、充電スタンドをインターネット上のサーバに接続して、サーバにより一元管理する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記特許文献1に開示された技術は、開発されてから未だ日が浅く、様々な観点で向上の余地が残されている。充電スタンドの設置コストが、そのような観点の一例である。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、充電スタンドの設置コストを軽減することが可能な仕組みを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、移動体を充電する電源装置と、前記電源装置を制御する制御装置と、を備え、前記電源装置と前記制御装置との間で行われる前記電源装置を制御するための情報の送受信は、前記移動体の充電に関する情報を入出力する端末装置を中継して行われる、システムが提供される。
【0007】
前記制御装置は、前記電源装置による充電開始を要求する情報を前記端末装置から受信した場合に、充電開始を命令する情報を送信し、前記電源装置は、前記充電開始を命令する情報を受信した場合に、前記移動体を充電するための電力の供給を開始してもよい。
【0008】
前記制御装置は、前記電源装置による充電終了を要求する情報を前記端末装置から受信した場合に、充電終了を命令する情報を送信し、前記電源装置は、前記充電終了を命令する情報を受信した場合に、前記移動体を充電するための電力の供給を終了してもよい。
【0009】
前記制御装置は、前記電源装置による充電開始を要求する情報の送信元であった前記端末装置のユーザとは異なる他のユーザの他の端末装置からの前記充電終了を要求する情報を所定の条件下で受信した場合に、前記充電終了を命令する情報を送信してもよい。
【0010】
前記電源装置は、充電内容を示す情報を送信し、前記制御装置は、前記充電内容を示す情報に基づいて、前記電源装置による充電開始を要求する情報の送信元であった前記端末装置のユーザへの課金処理を行ってもよい。
【0011】
前記制御装置は、前記電源装置にエラーが発生したことを示す情報を前記端末装置から受信した場合に、前記電源装置に発生したエラーを解消するための処理を行ってもよい。
【0012】
前記制御装置は、前記電源装置にエラーが発生した場合、エラーが発生した前記電源装置とは異なる他の電源装置にユーザを誘導するための情報を前記端末装置へ送信してもよい。
【0013】
前記制御装置は、前記電源装置による充電開始を要求する情報の送信元であった前記端末装置のユーザとは異なる他のユーザの他の端末装置から前記電源装置にエラーが発生したことを示す情報を受信した場合に、前記電源装置に発生したエラーを解消するための処理を行ってもよい。
【0014】
前記システムは、複数の前記電源装置を備え、前記電源装置は、前記電源装置から通信可能な範囲内に配置された1つ以上の他の電源装置と前記制御装置との間で行われる、前記1つ以上の他の電源装置を制御するための情報の送受信を、前記端末装置を介して中継してもよい。
【0015】
前記電源装置は、前記端末装置が通信可能な範囲に位置する期間において、前記電源装置と前記制御装置との間で行われる前記電源装置を制御するための情報を、前記端末装置を介して送受信してもよい。
【0016】
前記電源装置と前記端末装置とは、近距離無線通信規格に準拠した通信を行ってもよい。
【0017】
前記電源装置は、前記移動体に接続される充電ケーブルを接続可能なコンセントと、前記コンセントと前記充電ケーブルとを接続する作業又は前記コンセントと前記充電ケーブルとの接続を解除する作業が行われる空間を開閉可能に覆うカバーと、を備えてもよい。
【0018】
前記電源装置は、前記制御装置による制御に基づいて前記カバーを施錠又は解錠するロック機構を備えてもよい。
【0019】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、移動体を充電する電源装置であって、前記移動体を充電するユーザの端末装置と通信可能な通信部を備え、前記通信部は、前記端末装置を介して、前記電源装置を制御する制御装置と通信する、電源装置が提供される。
【0020】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、端末装置を制御するコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記端末装置は、移動体の充電に関する情報を出力する出力部と、前記移動体の充電に関する情報の入力を受け付ける入力部と、通信部と、を有し、前記プログラムは、前記コンピュータを、前記移動体を充電する電源装置と前記電源装置を制御する制御装置との間で行われる前記電源装置を制御するための情報の送受信を中継するよう前記通信部を制御する制御部として機能させる、プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0021】
以上説明したように本発明によれば、充電スタンドの設置コストを軽減することが可能な仕組みが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの概要を説明するための図である。
【
図2】本実施形態に係る電源装置の内部構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る電源装置の外観構成の一例を説明するための図である。
【
図4】本実施形態に係る電源装置の外観構成の一例を説明するための図である。
【
図5】本実施形態に係る電源装置の外観構成の一例を説明するための図である。
【
図6】本実施形態に係る端末装置の構成例を示すブロック図である。
【
図7】本実施形態に係る制御装置の構成例を示すブロック図である。
【
図8】本実施形態に係る制御装置により実行される予約受け付けから決済までの一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図9】本実施形態に係るシステムにより実行される充電開始処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図10】本実施形態に係るシステムにより実行される充電終了処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図11】本実施形態に係るシステムにより実行される充電状況の監視処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図12】本実施形態に係るシステムにより実行される放置状態の解消処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図13】本実施形態に係るシステムにより実行されるエラー解消処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図14】本実施形態に係るシステムにより実行されるエラー解消処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0024】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合がある。例えば、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素を、必要に応じて電源装置10A、10B及び10Cのように区別する。ただし、実質的に同一の機能構成を有する複数の要素の各々を特に区別する必要がない場合、同一符号のみを付する。例えば、電源装置10A、10B及び10Cを特に区別する必要が無い場合には、単に電源装置10とも称する。
【0025】
<1.概要>
図1は、本発明の一実施形態に係るシステム1の概要を説明するための図である。
図1に示すように、本実施形態に係るシステム1は、複数の電源装置10(10A及び10B)、及び制御装置30を含む。複数の電源装置10及び制御装置30は、EV2を充電する充電サービスをユーザに提供する。さらに、システム1は、充電サービスを利用するユーザの端末装置20、及び充電サービスを利用したユーザへの課金を行う決済装置40を含む。以下、各装置の概要を説明する。
【0026】
電源装置10は、EV2を充電する装置であり、充電スタンドを構成する。電源装置10は、例えば集合住宅又は商業施設に併設された駐車場に配置される。そして、電源装置10は、駐車場に駐車されたEV2に接続され、EV2を充電する。ここで、電源装置10がEV2を充電することは、電源装置10がEV2に電圧を印加することを指すものとする。そして、EV2が満充電に達した後も、電源装置10とEV2とが電気的に接続されていれば、電源装置10はEV2を充電しているものと取り扱う。電源装置10がEV2を充電した時間を、充電時間とも称する。なお、電源装置10を用いてEV2を充電することを、電源装置10を利用するとも称する。
【0027】
制御装置30は、システム1において提供される充電サービスの全般を制御する装置である。とりわけ、制御装置30は、電源装置10を制御する。例えば、制御装置30は、電源装置10の各種情報を管理し、EV2を充電するよう電源装置10を制御する。制御装置30と決済装置40とは接続されており、電源装置10の利用に応じた課金を行うよう決済装置40に依頼する。制御装置30は、いわゆるクラウド上のサーバであってよい。
【0028】
決済装置40は、電源装置10を利用してEV2を充電したユーザに対する課金のための処理を行う装置である。例えば、決済装置40は、金融機関により運用され、ユーザの口座から利用料を引き落としたり、ユーザのクレジットカードを用いた決済を行ったりする。決済装置40もまた、制御装置30と同様に、いわゆるクラウド上のサーバであってよい。
【0029】
端末装置20は、EV2のユーザにより使用される装置であり、例えばスマートフォンである。端末装置20は、EV2の充電に関する情報をユーザに出力し及びユーザからの情報の入力を受け付ける等、電源装置10を利用するためのユーザインタフェースとして機能する。例えば、端末装置20は、ユーザ操作に応じて、最寄りの電源装置10を地図上で検索及び表示したり、電源装置10の利用予約を行ったり、EV2の充電開始を要求したり、利用料の決済を承認したりする。
【0030】
端末装置20は、インターネット90に接続可能であり、インターネット90を介して制御装置30と直接的に通信することができる。例えば、端末装置20は、4G若しくは5G等の移動体通信システム、又は有線/無線LAN(Local area network)等のネットワークを介してインターネット90に接続される。端末装置20は、例えば近距離無線通信規格を介して電源装置10と直接的に通信することができる。
【0031】
他方、電源装置10は、インターネット90に接続しない。そのため、電源装置10は、制御装置30と直接的に通信しない。例えば、電源装置10は、4G若しくは5G等の移動体通信システム、又は有線/無線LAN(Local area network)等のネットワークに接続されていない。そのため、制御装置30は、電源装置10を常時制御することができない。
【0032】
その代わりに、本実施形態に係る電源装置10は、電源装置10を利用するために近付いてきたユーザの端末装置20と通信し、当該端末装置20を介して制御装置30と通信する。即ち、制御装置30は、電源装置10を常時制御するのではなく、端末装置20が電源装置10に近付いたタイミングで間欠的に制御する。
【0033】
かかる構成によれば、電源装置10からインターネット90への接続機能を省略して、電源装置10の設置コストを軽減することが可能となる。換言すると、インターネット90への接続機能を省略して設置コストを軽減した上で、インターネット90への接続機能を有する従来の充電スタンドと同様の機能を発揮することが可能となる。なお、ここでの設置コストとは、イニシャルコストの他に、ランニングコストをも含む概念である。
【0034】
電源装置10が同時に充電可能なEV2の台数は、典型的には1台に限定される。そのため、EV2が満充電に達した後も電源装置10に接続され続ける場合には、他のEV2を充電する機会が失われる。とりわけ、充電時間が長時間に及ぶ場合、ユーザはEV2を放置したまま別の行動をとる傾向にあり、充電機会の損失の影響は大きい。そこで、本実施形態に係るシステム1では、過不足ない電源装置10の利用をユーザに促すことで、充電機会の損失を軽減する。その結果、電源装置10の利用効率を向上させることが可能となる。
【0035】
<2.構成例>
(1)電源装置10
図2は、本実施形態に係る電源装置10の内部構成の一例を示すブロック図である。
図2に示すように、電源装置10は、電力供給部11、通信部12、通知部13、記憶部14、及び制御部15を含む。
【0036】
電力供給部11は、他の装置に電力を供給する機能を有する。本実施形態に係る電力供給部11は、電源装置10に接続されたEV2に電力を供給する。
【0037】
通信部12は、近距離無線通信規格に準拠した通信を行う機能を有する。近距離無線通信規格としては、Bleuetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy、登録商標)、NFC(Near field communication)、及びZigBee(登録商標)等が挙げられる。本実施形態に係る通信部12は、電源装置10から近距離に位置する端末装置20と通信する。
【0038】
通知部13は、ユーザに情報を通知する機能を有する。通知部13は、例えば、LED(light-emitting diode)、ディスプレイ、又はスピーカ等により実現され得る。
【0039】
記憶部14は、各種情報を記憶する。記憶部14は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0040】
制御部15は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従って電源装置10内の動作全般を制御する。制御部15は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部26は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。電源装置10は、制御部15による制御に基づいて、各種処理を実行する。電力供給部11によるEV2への給電、通信部12による情報の送受信、通知部13による情報の通知、並びに記憶部14による情報の記憶及び読み出しは、制御部15により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、電源装置10により実行されるその他の処理も、制御部15により制御される。
【0041】
以上、電源装置10の内部構成の一例を説明した。続いて、
図3~
図5を参照しながら、電源装置10の外観構成の一例を説明する。
【0042】
図3~
図5は、本実施形態に係る電源装置10の外観構成の一例を説明するための図である。
図3~
図5に示すように、電源装置10は、筐体101、筐体カバー102、開閉センサ103、ロック機構104、インジケータ105、コンセントカバー106、コンセント107、及び配線108を含む。そして、コンセント107は、充電ケーブル109が接続されると、充電ケーブル109を介してEV2に電力を供給する。
図3では、筐体カバー102が閉じられた状態の外観構成の一例が示されている。
図4では、筐体カバー102が開けられた状態の外観構成の一例が示されている。
図5では、充電ケーブル109がコンセント107に接続されつつある状態の外観構成の一例が示されている。
【0043】
筐体101は、基板等の電源装置10を構成する各種構成要素を収容する。例えば、筐体101は、通信部12、記憶部14、及び制御部15を構成する基板を収容し得る。
【0044】
筐体カバー102は、コンセント107と充電ケーブル109とを接続する作業又はコンセント107と充電ケーブル109との接続を解除する作業が行われる空間110を開閉可能に覆うカバーである。筐体カバー102の開閉は、例えば、ヒンジにより実現されてよい。ユーザは、空間110において、後述するようにコンセントカバー106を手で押さたりコンセントカバー106の留め具を取り外したりする。筐体カバー102を閉じることにより、コンセント107等の電子機器の風雨による劣化を防止したり、充電ケーブル109の不正な接続又は取り外し等の不正な操作を防止したりすることが可能となる。
【0045】
開閉センサ103は、筐体カバー102の開閉を検出するセンサである。開閉センサ103は、例えば、静電容量センサ又は磁気センサ等であってよい。
【0046】
ロック機構104は、筐体カバー102を施錠又は解錠する。とりわけ、ロック機構104は、制御装置30による制御に基づいて、筐体カバー102を施錠又は解錠する。筐体カバー102を施錠することで、筐体カバー102を閉めたまま固定することができる。筐体カバー102を解錠することで、筐体カバー102を開閉自由にすることができる。ロック機構104は、例えば、ソレノイドロックであってよい。
【0047】
インジケータ105は、電源装置10の状態を示す情報を通知する。インジケータ105は、例えば、LEDであってよい。例えば、インジケータ105は、動作状態、又は通信状態を示す情報を通知する。インジケータ105は、通知部13の一例である。
【0048】
コンセントカバー106は、コンセント107を開閉可能に覆うカバーである。コンセントカバー106の開閉は、例えば、ヒンジにより実現されてよい。また、コンセントカバー106は、バネ等の弾性体により、閉じる方向に付勢されていてもよい。その場合、ユーザは、コンセントカバー106を手で押さえながら、コンセント107に充電ケーブル109を接続する。また、コンセントカバー106には、コンセント107に接続された充電ケーブル109の抜けを防止するための留め具が設けられていてもよい。その場合、ユーザは、コンセントカバー106の留め具を外しながら、コンセント107から充電ケーブル109を取り外す。
【0049】
コンセント107は、電気機器に電力を供給するためのコネクタである。コンセント107は、EV2に接続される充電ケーブル109を接続可能なプラグ受けであってよい。コンセント107は、電力供給部11の一例である。
【0050】
配線108は、EV2を充電するための電力を電源装置10に供給するケーブルである。配線108は、例えば、分電盤に接続され、分電盤から電源装置10に電力を供給する。
【0051】
以上、電源装置10の外観構成の一例を説明した。
【0052】
制御部15は、ロック機構104による施錠及び解錠を制御する。とりわけ、制御部15は、端末装置20を経由して制御装置30から受信した情報に基づいて、筐体カバー102を施錠又は解錠するようロック機構104を制御する。かかる構成によれば、電源装置10に対する不正な操作を防止することが可能となる。
【0053】
ユーザは、電源装置10の利用を開始する際には、筐体カバー102を開け、さらにコンセントカバー106を開けて、充電ケーブル109をコンセント107に差し込む。ここで、筐体カバー102には、充電ケーブル109の径よりも少なくとも大きい切り欠き102aが設けられている。そのため、コンセント107に充電ケーブル109が接続された状態で、筐体カバー102を閉めることができる。制御部15は、EV2を充電している期間において、筐体カバー102を施錠するようロック機構104を制御してもよい。かかる構成によれば、EV2の充電中に充電ケーブル109がコンセント107から取り外されるような不正な操作を防止することが可能となる。
【0054】
ユーザは、電源装置10の利用を終了する際には、筐体カバー102を開けてコンセント107から充電ケーブル109を取り外し、その後筐体カバー102を閉める。制御部15は、EV2を充電していない期間において、筐体カバー102を施錠するようロック機構104を制御してもよい。かかる構成によれば、盗電を防止することが可能となる。
【0055】
(2)端末装置の構成例
図6は、本実施形態に係る端末装置20の構成例を示すブロック図である。
図6に示すように、端末装置20は、入力部21、出力部22、第1通信部23、第2通信部24、記憶部25、及び制御部26を含む。
【0056】
入力部21は、各種情報の入力を受け付ける機能を有する。入力部21は、ユーザからの情報の入力を受け付ける入力装置を含んでいてもよい。入力装置としては、例えば、ボタン、キーボード、タッチパネル、及びマイク等が挙げられる。他にも、入力部21は、カメラ、慣性センサ、及びGNSS(Global Navigation Satellite System)受信機等の各種センサを含んでいてもよい。
【0057】
出力部22は、情報を出力する機能を有する。出力部22は、ユーザに対し情報を出力する出力装置を含んでいてもよい。出力装置としては、例えば、情報を表示する表示装置、発光する発光装置、振動する振動装置、及び音を出力する音出力装置等が挙げられる。表示装置の一例は、ディスプレイである。発光装置の一例は、LED(Light Emitting Diode)である。振動装置の一例は、偏心モータである。音出力装置の一例は、スピーカである。
【0058】
第1通信部23は、近距離無線通信規格に準拠した通信を行う機能を有する。近距離無線通信規格としては、Bleuetooth(登録商標)、BLE(Bluetooth Low Energy、登録商標)、NFC(Near field communication)、及びZigBee(登録商標)等が挙げられる。本実施形態に係る第1通信部23は、端末装置20から近距離に位置する電源装置10と通信する。
【0059】
第2通信部24は、インターネット通信を行う機能を有する。例えば、第2通信部24は、4G若しくは5G等の移動体通信システム、又は有線/無線LAN(Local area network)等に接続し、インターネット90を介した通信を行う。本実施形態に係る第2通信部24は、制御装置30と通信する。
【0060】
記憶部25は、各種情報を記憶する。記憶部25は、例えば、フラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0061】
制御部26は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従って端末装置20内の動作全般を制御する。制御部26は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部26は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。端末装置20は、制御部26による制御に基づいて、各種処理を実行する。入力部21により入力された情報の処理、出力部22による情報の出力、第1通信部23による情報の送受信、第2通信部24による情報の送受信、並びに記憶部25による情報の記憶及び読み出しは、制御部26により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、端末装置20により実行されるその他の処理も、制御部26により制御される。
【0062】
以下では、制御部26の機能は、充電サービスを利用するためのアプリケーション(以下、充電用アプリケーションとも称する)を用いて実現されるものとする。当該充電用アプリケーションは、プリインストールされていてもよいし、ダウンロードされてもよい。また、制御部26の機能は、PWA(Progressive Web Apps)により実現されてもよい。即ち、充電用アプリケーションは、端末装置20単体で動作してもよいし、制御装置30による制御の元で動作してもよい。
【0063】
(3)制御装置30
図7は、本実施形態に係る制御装置30の構成例を示すブロック図である。
図7に示すように、制御装置30は、通信部31、記憶部32、及び制御部33を含む。
【0064】
通信部31は、他の装置と通信する機能を有する。本実施形態に係る通信部31は、端末装置20、及び決済装置40と通信する。
【0065】
記憶部32は、各種情報を記憶する。記憶部32は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等の不揮発性の記憶媒体により構成される。
【0066】
制御部33は、演算処理装置又は制御装置として機能し、各種プログラムに従って制御装置30内の動作全般を制御する。制御部33は、例えばCPU(Central Processing Unit)、又はマイクロプロセッサ等の電子回路によって実現される。他に、制御部33は、使用するプログラム及び演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、並びに適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)を含んでいてもよい。制御装置30は、制御部33による制御に基づいて、各種処理を実行する。通信部31による情報の送受信、並びに記憶部32による情報の記憶及び読み出しは、制御部33により制御される処理の一例である。各構成要素への情報の入力、及び各構成要素から出力された情報に基づく処理等、制御装置30により実行されるその他の処理も、制御部33により制御される。
【0067】
<3.技術的特徴>
(1)電源装置10の予約及び利用
電源装置10は、EV2を充電する。とりわけ、電源装置10は、制御装置30による制御に基づいて、EV2の充電を開始及び終了する。例えば、電源装置10は、充電開始から充電終了までの期間に限定して、コンセント107による給電を実行してもよい。
【0068】
制御装置30は、電源装置10の予約を受け付ける処理を制御する。例えば、制御装置30は、充電用アプリケーションを介して、電源装置10が利用も予約もされていない空き時間帯での予約を受け付ける。
【0069】
とりわけ、制御装置30は、予約充電期間の設定を受け付ける。予約充電期間とは、電源装置10による充電を行う期間として予約される期間である。例えば、制御装置30は、充電開始が予定される時刻である充電開始予定時刻、及び充電終了が予定される時刻である充電終了予定時刻を指定した、電源装置10の予約を受け付ける。
【0070】
予約の受け付けの際に、制御装置30は、所要充電時間の長さを予測する。所要充電時間とは、例えば、EV2の充電状態が満充電(即ち、SoC(State Of Charge)100%)になるまでに要する時間である。なお、電源装置10ごとに供給電圧が異なっていてもよく、その場合、制御装置30は、電源装置10ごとに所要充電時間の長さを予測してもよい。
【0071】
一例として、制御装置30は、ユーザの過去の充電履歴に基づいて、所要充電時間の長さを予測してもよい。充電履歴とは、ユーザが過去に電源装置10を利用した際の充電時間の履歴である。かかる構成によれば、所要充電時間を精度よく予測することが可能となる。
【0072】
他の一例として、制御装置30は、EV2の充電状態に基づいて、所要充電時間の長さを予測してもよい。EV2は、通信機能を有していてもよく、制御装置30は、EV2から直接的に、又は端末装置20を介して間接的に、EV2のSoCを取得してもよい。かかる構成によれば、所要充電時間を精度よく予測することが可能となる。
【0073】
そして、制御装置30は、予約充電期間の長さを、予測した所要充電時間の長さに応じた長さに設定して電源装置10を予約するようユーザに促す。例えば、制御装置30は、予測した所要充電時間を示す情報を、充電用アプリケーションを介してユーザに通知してもよい。かかる構成によれば、必要以上に長い予約充電期間を設定した予約を防止することができる。予約充電期間においては他のユーザが電源装置10を利用することも予約することも困難であることを考慮すれば、かかる構成により、他のユーザの充電機会の損失を軽減することが可能となる。
【0074】
制御装置30は、予約充電期間の長さの上限を、予測した所要充電時間の長さに応じて設定してもよい。例えば、制御装置30は、予約充電期間の長さの上限を、予測した所要充電時間と同一又は予測した所要充電時間に1時間程度のバッファを加算した長さに設定してもよい。かかる構成によれば、必要以上に長い予約充電期間を設定した予約を、確実に防止することが可能となる。
【0075】
また、制御装置30は、予約時に設定された予約充電期間通りに充電するよう促す情報をユーザに通知してもよい。一例として、制御装置30は、充電開始前に、充電開始予定時刻の到来を示す情報をユーザに通知してもよい。他の一例として、制御装置30は、充電開始後であって充電終了前に、充電終了予定時刻の到来を示す情報をユーザに通知してもよい。かかる構成によれば、充電開始の遅れ、及び充電終了の遅れを防止することが可能となる。
【0076】
(2)決済
制御装置30は、EV2を充電したユーザへの課金を行う処理を制御する。例えば、制御装置30は、電源装置10の利用に応じた利用料をユーザに課金するよう決済装置40に依頼する。
【0077】
一例として、制御装置30は、実充電期間の長さに基づいて、ユーザへの課金を行う処理を制御してもよい。実充電期間とは、電源装置10がEV2の充電のために実際に利用(即ち、専有)された期間を指す。実充電期間は、制御装置30が電源装置10による充電開始を要求する情報を受信してから充電終了を要求する情報を受信するまでの期間であってよい。他に、実充電期間は、電源装置10による充電が実際に開始されてから終了するまで、即ち、電源装置10とEV2とが電気的に接続されている期間であってよい。実充電期間の長さは、電源装置10からEV2へ実際に電流が流れている時間(後述する所要充電時間に相当)と同一ではない。例えば、制御装置30は、実充電期間が長いほど、ユーザに課金する利用料を増加させる。かかる構成によれば、ユーザに適切に課金することが可能となる。
【0078】
他の一例として、制御装置30は、所要充電時間の長さに基づいて、ユーザへの課金を行う処理を制御してもよい。ここでの所要充電時間は、予測された所要充電時間であってもよいし、充電中に実際に観測された所要充電時間であってもよい。例えば、制御装置30は、所要充電時間が長いほど、ユーザに課金する利用料を増加させる。これにより、充電量(即ち、電源装置10の消費電力)に応じた課金を行うことができる。
【0079】
他の一例として、制御装置30は、予約充電期間の長さに基づいて、ユーザへの課金を行う処理を制御してもよい。例えば、制御装置30は、予約充電期間が長いほど、ユーザに課金する利用料を増加させる。これにより、必要以上な長さの予約充電期間を設定した予約を防止することが可能となる。予約充電期間においては、他のユーザによる利用及び予約が排除されることを考慮すれば、かかる構成により、電源装置10の利用効率を向上させることが可能となる。
【0080】
さらに、制御装置30は、所要充電時間の長さと実充電期間の長さとの差に基づいて、ユーザへの課金を行う処理を制御してもよい。例えば、制御装置30は、所要充電時間の長さと実充電期間の長さとの差が大きいほど、ユーザに課金する利用料を増加させる。より簡易には、制御装置30は、所要充電時間を大きく超過してEV2を充電したまま放置し、他のユーザに大きな機会損失を与えたユーザには、懲罰的な課金(例えば、一律の所定金額を追加で課金することや、通常の時間単価より高い時間単価で課金すること)を行う。かかる構成によれば、EV2の長時間にわたる放置を抑制して、電源装置10の利用効率を向上させることが可能となる。
【0081】
若しくは、制御装置30は、予約充電期間と実充電期間との差に基づいて、ユーザへの課金を行う処理を制御してもよい。例えば、制御装置30は、予約充電期間と実充電期間とのずれが大きいほど、ユーザに課金する利用料を増加させる。より簡易には、制御装置30は、充電終了予定時刻を大きく超過してEV2を充電したまま放置し、他のユーザに大きな機会損失を与えたユーザには、懲罰的な課金を行う。かかる構成によれば、EV2の長時間にわたる放置を抑制して、電源装置10の利用効率を向上させることが可能となる。
【0082】
課金額の決定に関し、上記説明した基準の少なくとも2以上が組み合わせて利用されてもよい。
【0083】
制御装置30は、ユーザが電源装置10に対応付けられたユーザであるか否かに応じた料金体系で課金を行う処理を制御してもよい。一例として、マンションの駐車場に設置された電源装置10に関しては、当該マンションの居住者には安い料金体系が適用され、当該マンションの居住者以外の部外者には高い料金体系が適用されてよい。かかる構成によれば、マンションの居住者による利用が、上記部外者による利用により阻害されにくくすることが可能となる。他の一例として、マンションの駐車場に設置された電源装置10に関しては、当該マンションの居住者には所要充電時間の長さに基づいて課金され、上記部外者には実充電期間の長さに基づいて課金されてもよい。かかる構成によれば、駐車場の利用権を有するマンションの居住者にはEV2の放置(即ち、長時間の駐車)を許容する一方で、上記部外者による放置を抑制することが可能となる。なお、上記部外者が払った利用料は、マンション側に還元されてもよい。その場合、マンション側に電源装置10を設置するよう動機付けることができるので、電源装置10のさらなる普及が期待される。
【0084】
制御装置30は、時刻に応じた料金体系で課金を行う処理を制御してもよい。例えば、制御装置30は、電源装置10の利用率が高い時間帯には高い料金体系を適用し、電源装置10の利用率が低い時間帯には安い料金体系を適用してもよい。
【0085】
以下、
図8を参照しながら、決済に関する処理の流れの一例を説明する。
【0086】
図8は、本実施形態に係る制御装置30により実行される予約受け付けから決済までの一連の処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0087】
まず、制御装置30は、充電用アプリケーションを介して、予約する電源装置10を選択するユーザ操作を受け付ける(ステップS10)。例えば、制御装置30は、ユーザの位置から近い複数の電源装置10を地図上に表示して、利用しようとする電源装置10を選択するユーザ操作を受け付ける。
【0088】
次いで、制御装置30は、所要充電時間の長さを予測して、予測した所要充電時間の長さに応じた長さの予約充電期間を設定するよう、充電用アプリケーションを介してユーザに促す(ステップS12)。例えば、制御装置30は、予測した所要充電時間の長さを示す情報を、充電用アプリケーションにより表示させる。
【0089】
次に、制御装置30は、充電用アプリケーションを介して、予約充電期間の設定を伴う電源装置10の予約を受け付ける(ステップS14)。例えば、制御装置30は、充電開始予定時刻、及び充電終了予定時刻の設定を伴う、ステップS10において選択された電源装置10の予約を受け付ける。
【0090】
次いで、制御装置30は、ユーザによる電源装置10の利用を支援する(ステップS16)。一例として、制御装置30は、充電用アプリケーションを介して、充電開始前には充電開始予定時刻をリマインドし、充電中は充電終了予定時刻をリマインドする。他の一例として、制御装置30は、端末装置20を介して電源装置10に充電開始/充電終了を命令する。
【0091】
その後、制御装置30は、ユーザへの課金を行う処理を制御する(ステップS18)。例えば、制御装置30は、実充電期間の長さに応じた利用料をユーザに課金するよう決済装置40に依頼する。
【0092】
(3)端末装置20による通信の中継
電源装置10と端末装置20とは、近距離無線通信規格に準拠した通信を行う。例えば、ユーザがEV2を充電するために端末装置20を携帯して電源装置10に近付いた際に、電源装置10と端末装置20とはBLE接続を確立する。ユーザが電源装置10を利用する際に電源装置10に近付くことを考慮すれば、ユーザに特段の負担をかけることなく、電源装置10と端末装置20との接続を確立することが可能となる。
【0093】
端末装置20は、電源装置10と制御装置30との間で行われる電源装置10を制御するための情報の送受信を中継する。さらに言えば、電源装置10と制御装置30との間で行われる電源装置10を制御するための情報の送受信は、端末装置20を中継してのみ行われる。例えば、端末装置20は、BLEを用いて電源装置10と通信しつつ、インターネット90を介して制御装置30と通信する。かかる構成によれば、電源装置10がインターネット接続機能を有さずとも、制御装置30は電源装置10の動作を適切に制御することが可能となる。
【0094】
以下、電源装置10と制御装置30との通信を端末装置20が中継する処理の具体例を順に説明する。
【0095】
(充電開始)
制御装置30は、電源装置10による充電開始を要求する情報を端末装置20から受信した場合に、充電開始を命令する情報を送信する。端末装置20は、充電開始を命令する情報を受信すると、電源装置10へ転送する。そして、電源装置10は、充電開始を命令する情報を受信した場合に、EV2を充電するための電力の供給を開始する。このように、充電開始を命令する情報の制御装置30から電源装置10への送信は、端末装置20により中継される。かかる構成によれば、制御装置30は、電源装置10による充電開始を、端末装置20を介して制御することが可能となる。
【0096】
制御装置30は、充電開始を要求する情報を受信したタイミングにおける電源装置10のステータスに応じて、充電開始を命令するか否かを切り替えてもよい。一例として、制御装置30は、電源装置10のステータスが正常であって空き状態である場合に、充電開始を命令してもよい。他の一例として、制御装置30は、電源装置10のステータスがエラー発生中又は利用中である場合に、充電開始を拒否してもよい。
【0097】
以下、
図9を参照しながら、充電開始に関する処理の流れの一例を説明する。
【0098】
図9は、本実施形態に係るシステム1により実行される充電開始処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、電源装置10、端末装置20、及び制御装置30が関与する。
【0099】
図9に示すように、まず、端末装置20は、ユーザ操作に応じて、充電用アプリケーションを起動する(ステップS102)。
【0100】
次いで、端末装置20は、EV2への給電元となる電源装置10を特定する(ステップS104)。一例として、端末装置20は、充電用アプリケーションに表示された地図上で、EV2への給電元となる電源装置10を選択するユーザ操作を受け付けてもよい。他の一例として、端末装置20は、EV2への給電元となる電源装置10に貼付されたバーコード等の情報コードを読み取ることで、EV2への給電元となる電源装置10を特定してもよい。
【0101】
次いで、端末装置20は、電源装置10のデバイス情報のリクエストを制御装置30へ送信する(ステップS106)。当該リクエストは、ステップS104において特定された電源装置10の識別情報を含む。
【0102】
次に、制御装置30は、端末装置20からリクエストされた電源装置10のデバイス情報を端末装置20へ送信する(ステップS108)。デバイス情報は、例えば、電源装置10の識別情報、及び電源装置10の状態を示す情報等、電源装置10に関する各種情報を含む。
【0103】
次いで、端末装置20は、制御装置30から受信したデバイス情報を表示する(ステップS110)。
【0104】
次に、端末装置20は、充電開始を指示するユーザ操作を受け付ける(ステップS112)。
【0105】
次いで、電源装置10と端末装置20とは、BLE接続を確立する(ステップS114)。
【0106】
次に、端末装置20は、充電開始リクエストを制御装置30へ送信する(ステップS116)。充電開始リクエストとは、電源装置10によるEV2への充電を開始するよう要求するメッセージである。充電開始リクエストは、電源装置10の識別情報を含み得る。
【0107】
次いで、制御装置30は、充電開始リクエストに対するレスポンスとして、充電開始コマンドを端末装置20へ送信する(ステップS118)。充電開始コマンドは、充電開始を命令するメッセージである。例えば、制御装置30は、電源装置10を予約したユーザの端末装置20から充電開始リクエストを受信したことを条件として、充電開始コマンドを端末装置20へ送信する。
【0108】
次に、端末装置20は、制御装置30から受信した充電開始コマンドを電源装置10へ送信する(ステップS120)。
【0109】
そして、電源装置10は、EV2への給電を開始することで、EV2の充電を開始する(ステップS122)。
【0110】
他方、端末装置20は、EV2の充電を開始したことを示す情報を表示する(ステップS124)。
【0111】
以上、充電開始処理の流れの一例を説明した。
【0112】
なお、ユーザは、任意のタイミングで、電源装置10の筐体カバー102、及びコンセントカバー106を開け、EV2に接続された充電ケーブル109をコンセント107に接続し得る。一例として、ユーザは、ステップS102とS104との間に、充電ケーブル109をコンセント107に接続してもよい。他の一例として、電源装置10は、ステップS114におけるBLE接続の確立、又はステップS120における充電開始コマンドの受信をトリガとしてロック機構104によるロックを解除してもよい。そして、ユーザは、ロック解除の後に充電ケーブル109をコンセント107に接続してもよい。
【0113】
(充電終了)
制御装置30は、電源装置10による充電終了を要求する情報を端末装置20から受信した場合に、充電終了を命令する情報を送信する。端末装置20は、充電終了を命令する情報を受信すると、電源装置10へ転送する。そして、電源装置10は、充電終了を命令する情報を受信した場合に、EV2を充電するための電力の供給を終了する。このように、充電終了を命令する情報の制御装置30から電源装置10への送信は、端末装置20により中継される。かかる構成によれば、制御装置30は、電源装置10による充電終了を、端末装置20を介して制御することが可能となる。
【0114】
電源装置10は、充電を終了した際に、充電内容を示す情報を送信してもよい。充電内容を示す情報は、例えば、充電時間、及び充電中に実際に観測された所要充電時間を含む。充電内容を示す情報の電源装置10から制御装置30への送信は、端末装置20により中継される。かかる構成によれば、制御装置30は、充電内容を把握することが可能となる。
【0115】
制御装置30は、充電内容を示す情報に基づいて、電源装置10による充電開始を要求する情報の送信元であった端末装置20のユーザへの課金処理を行う。例えば、制御装置30は、ユーザの料金プラン及び充電内容を示す情報に基づいて利用料を決定し、決定した利用料の課金を、電源装置10を利用したユーザに対して行うよう決済装置40に要求する。決済装置40は、かかる要求に基づいて、ユーザへの課金を行う。かかる構成によれば、制御装置30は、充電内容に応じたユーザへの課金を、適切に実行することが可能となる。
【0116】
以下、
図10を参照しながら、充電終了に関する処理の流れの一例を説明する。
【0117】
図10は、本実施形態に係るシステム1により実行される充電終了処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、電源装置10、端末装置20、制御装置30、及び決済装置40が関与する。
【0118】
図10に示すように、まず、端末装置20は、充電終了を指示するユーザ操作を受け付ける(ステップS202)。
【0119】
次いで、端末装置20は、充電終了リクエストを制御装置30へ送信する(ステップS204)。充電終了リクエストとは、充電を終了するよう要求するメッセージである。
【0120】
次に、制御装置30は、充電終了リクエストに対するレスポンスとして、充電終了コマンドを端末装置20へ送信する(ステップS206)。充電終了コマンドは、充電終了を命令するメッセージである。
【0121】
次いで、端末装置20は、充電終了コマンドを電源装置10へ送信する(ステップS208)。
【0122】
次に、電源装置10は、EV2への給電を終了することで、EV2の充電を終了する(ステップS210)。
【0123】
次いで、電源装置10は、充電終了報告を端末装置20へ送信する(ステップS212)。充電終了報告は、電源装置10の状態を示す情報、及び充電内容を示す情報を含む。電源装置10の状態を示す情報は、例えば、エラーの発生有無を示す情報を含む。
【0124】
次に、端末装置20は、電源装置10から受信した充電終了報告を制御装置30へ送信する(ステップS214)。
【0125】
次いで、制御装置30は、決済リクエストを決済装置40へ送信する(ステップS216)。決済リクエストは、決済を要求するメッセージである。例えば、制御装置30は、ユーザの料金プラン及び充電終了報告に基づいて利用料を決定し、利用料の決済を要求する決済リクエストを決済装置40へ送信する。
【0126】
次いで、決済装置40は、決済リクエストに基づいて決済を行い、決済内容を示す情報を制御装置30へ送信する(ステップS218)。決済内容を示す情報は、例えば、決済の成否、及び支払いが完了した利用料を示す情報を含む。
【0127】
次に、制御装置30は、決済装置40から受信した決済内容を示す情報を端末装置20へ送信する(ステップS220)。
【0128】
そして、端末装置20は、EV2の充電が終了したことを示す情報を表示する(ステップS222)。その際、端末装置20は、決済内容を示す情報を表示してもよい。
【0129】
以上、充電終了処理の流れの一例を説明した。
【0130】
なお、ステップS216及びS218は省略されてもよい。例えば、料金プランに無料利用枠が用意されている場合であって、今回の利用が無料利用枠に収まっている場合には、ステップS216及びS218が省略される。
【0131】
(電源装置10の監視)
電源装置10は、端末装置20が通信可能な範囲に位置する期間において、電源装置10と制御装置30との間で行われる電源装置10を制御するための情報を、端末装置20を介して送受信してもよい。たとえば、EV2の充電中の様子を見るために、ユーザが端末装置20を携帯して電源装置10に近付いたタイミングで、端末装置20は、電源装置10とのBLE接続を確立し、電源装置10と制御装置30との通信を周期的に中継してもよい。かかる構成によれば、制御装置30は、電源装置10の状態を監視することが可能となる。
【0132】
以下、
図11を参照しながら、EV2の充電中に充電状況を監視する処理の流れの一例を説明する。
【0133】
図11は、本実施形態に係るシステム1により実行される充電状況の監視処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、電源装置10、端末装置20、及び制御装置30が関与する。例えば、本フローは、EV2を充電中の任意のタイミングで実行される。
【0134】
図11に示すように、まず、端末装置20は、電源装置10がEV2を充電中であることを示す情報を表示する(ステップS302)。
【0135】
次いで、端末装置20は、最新情報を取得するよう指示するユーザ操作を受け付ける(ステップS304)。
【0136】
次に、端末装置20は、充電状況取得リクエストを電源装置10へ送信する(ステップS306)。充電状況取得リクエストとは、充電状況を報告するよう要求するメッセージである。
【0137】
次いで、電源装置10は、充電状況を示す情報を端末装置20へ送信する(ステップS308)。充電状況を示す情報は、例えば、これまでの充電量、及び残りの充電時間の見積もり等を含む。
【0138】
次に、端末装置20は、電源装置10から受信した充電状況を示す情報を制御装置30へ送信する(ステップS310)。
【0139】
次いで、制御装置30は、端末装置20から受信した充電状況を示す情報を記憶する(ステップS312)。
【0140】
他方、端末装置20は、電源装置10から受信した充電状況を示す情報を表示する(ステップS314)。
【0141】
(放置状態の解消)
ユーザは、EV2を充電したまま放置し得る。このような放置状態は、次のユーザによる電源装置10の利用を阻害するため、適宜解消されることが望ましい。以下では、放置されたEV2をEV2B、EV2Bを放置したユーザをユーザB、ユーザBの端末装置20を端末装置20Bとも称する。また、ユーザBの次に電源装置10を利用しようとするユーザをユーザA、ユーザAの端末装置20を端末装置20A、ユーザAのEV2をEV2Aとも称する。
【0142】
EV2Bが接続されたまま放置されている電源装置10に、ユーザAが端末装置20Aを携帯して近付くと、電源装置10と制御装置30との間で行われる、放置状態を解消するための通信が、端末装置20Aにより中継される。詳しくは、端末装置20Aは、充電終了を要求する情報を、端末装置20Bの代わりに制御装置30へ送信する。制御装置30は、電源装置10による充電開始を要求する情報の送信元であった端末装置20BのユーザBとは異なるユーザAの端末装置20Aからの充電終了を要求する情報を所定の条件下で受信した場合に、充電終了を命令する情報を送信する。そして、端末装置20Aは、充電終了を命令する情報を、端末装置20Bの代わりに電源装置10へ送信する。所定の条件は、EV2Bを充電したまま放置していると判定可能な条件である。所定の条件の一例としては、EV2Bが満充電まで達していること、充電時間の長さが所定の閾値を超えていること、又は予約充電期間が満了していることが挙げられる。かかる構成によれば、放置状態を解消して、ユーザAが電源装置10を利用することが可能となる。
【0143】
以下、
図12を参照しながら、放置状態の解消に関する処理の流れの一例を説明する。
【0144】
図12は、本実施形態に係るシステム1により実行される放置状態の解消処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、電源装置10、EV2Aを充電しようとするユーザAの端末装置20A、EV2Bを充電したまま放置したユーザBの端末装置20B、制御装置30、及び決済装置40が関与する。
【0145】
図12に示すように、まず、端末装置20Aは、ユーザ操作に応じて、充電用アプリケーションを起動する(ステップS402)。
【0146】
次いで、端末装置20Aは、放置されたEV2Bを充電中の電源装置10を特定する(ステップS404)。例えば、ユーザは、放置されていることを示す情報をインジケータ105が出力している電源装置10を充電用アプリケーション上で選択したり、当該電源装置10に貼付されたバーコードを端末装置20に読み取らせたりする。
【0147】
次に、端末装置20Aは、放置状態解消リクエストを制御装置30へ送信する(ステップS406)。放置状態解消リクエストは、放置状態を解消するよう要求するメッセージであり、充電終了リクエストを兼ねるメッセージである。放置解消リクエストは、ステップS404において特定された電源装置10の識別情報を含む。
【0148】
次いで、制御装置30は、放置状態解消リクエストに基づいて放置状態を解消するか否かを判定し、解消すると判定した場合にデバイス情報を更新する(ステップS408)。例えば、制御装置30は、放置状態を解消すると判定した場合に、制御装置30で管理している電源装置10のステータスを利用中から空きに変更する。そして、制御装置30は、放置状態解消リクエストに対するレスポンスとして、充電終了コマンドを端末装置20Aへ送信する(ステップS410)。
【0149】
次に、電源装置10と端末装置20Aとは、BLE接続を確立する(ステップS412)。
【0150】
次いで、端末装置20Aは、充電終了コマンドを電源装置10へ送信する(ステップS414)。
【0151】
次に、電源装置10は、放置されたEV2Bへの給電を終了することで、放置されたEV2Bの充電を終了する(ステップS416)。
【0152】
次いで、電源装置10は、充電終了報告を端末装置20Aへ送信する(ステップS418)。
【0153】
次に、端末装置20Aは、電源装置10から受信した充電終了報告を制御装置30へ送信する(ステップS420)。
【0154】
次いで、制御装置30は、充電終了報告に基づいて、決済リクエストを決済装置40へ送信する(ステップS422)。ここでの決済リクエストは、EV2Bを放置したユーザBに対する決済を要求するメッセージである。
【0155】
次に、決済装置40は、決済リクエストに基づいて決済を行い、決済内容を示す情報を制御装置30へ送信する(ステップS424)。
【0156】
次に、制御装置30は、決済装置40から受信した決済内容を示す情報を、EV2Bを放置したユーザBの端末装置20Bへ送信する(ステップS426)。
【0157】
次いで、端末装置20Bは、充電が終了したことを示す情報を表示する(ステップS428)。その際、端末装置20Bは、決済内容を示す情報を表示してもよい。
【0158】
以上、放置状態の解消処理の流れの一例を説明した。上記説明した処理は、他の処理と並行して実行されてもよい。例えば、放置状態の解消処理は、充電開始処理と並行して実施されてもよい。その場合、放置状態の解消処理と充電開始処理とで共通する処理については、2度実行される必要はなく、1度実行されればよい。例えば、充電用アプリケーションを起動する処理、電源装置10を特定する処理、及びBLE接続を確立する処理は、1度実行されればよい。
【0159】
(エラーへの対処)
電源装置10にエラーが発生している場合がある。エラー解消のために電源装置10と制御装置30との間で行われる情報の送受信もまた、端末装置20により中継される。
【0160】
詳しくは、端末装置20は、電源装置10に近づいたタイミングで、電源装置10にエラーが発生したことを示す情報を制御装置30へ送信する。例えば、端末装置20は、電源装置10に発生したエラーを識別するための情報を、電源装置10から受信して制御装置30へ転送する。そして、制御装置30は、電源装置10にエラーが発生したことを示す情報を端末装置20から受信した場合に、電源装置10に発生したエラーを解消するための処理を行う。例えば、制御装置30は、電源装置10に発生したエラーを解消するための命令を、端末装置20を介して電源装置10へ送信する。エラーを解消するための命令の一例は、電源装置10の再起動の命令である。かかる構成によれば、電源装置10のエラーを解消して、電源装置10を正常な状態に復帰させることが可能となる。
【0161】
制御装置30は、電源装置10にエラーが発生した場合、エラーが発生した電源装置10とは異なる他の電源装置10にユーザを誘導するための情報を端末装置20へ送信してもよい。例えば、制御装置30は、復帰困難なエラーが発生した場合、ユーザの現在位置に最寄りの他の電源装置10の位置情報を端末装置20へ送信してもよい。かかる構成によれば、エラーにより充電できなかったユーザは、エラーが発生していない他の電源装置10まで移動してEV2を充電することが可能となる。他に、制御装置30は、ユーザの周辺の他の電源装置10のうち現時点で予約/利用可能な他の電源装置10の位置情報を、端末装置20へ送信してもよい。さらには、制御装置30は、現時点でのEV2の残充電量に応じた走行可能な範囲内にある他の電源装置10の位置情報と、走行可能な範囲外にある他の電源装置10の位置情報とを、区別して端末装置20へ送信してもよい。かかる構成によれば、ユーザの利便性をさらに向上させることが可能となる。
【0162】
制御装置30は、電源装置10による充電開始を要求する情報の送信元であった端末装置20のユーザとは異なる他のユーザの他の端末装置20から電源装置10にエラーが発生したことを示す情報を受信し得る。その場合も、制御装置30は、電源装置10に発生したエラーを解消するための処理を行う。例えば、前のユーザのEV2が満充電に達する前に電源装置10にエラーが発生して充電が中断している状態で、次のユーザが電源装置10に到着した場合がある。その場合、制御装置30は、次のユーザの端末装置20を介して、エラーを解消するための処理を行う。かかる構成によれば、次のユーザの利便性を向上させることが可能となる。
【0163】
以下では、電源装置10が自力で復帰可能なエラーが発生した場合と、電源装置10が自力で復帰困難なエラーが発生した場合と、における処理の流れの一例を説明する。
【0164】
-復帰可能なエラーが発生した場合
図13は、本実施形態に係るシステム1により実行されるエラー解消処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、電源装置10、端末装置20、及び制御装置30が関与する。
【0165】
図13に示すように、まず、端末装置20は、ユーザ操作に応じて、充電用アプリケーションを起動する(ステップS502)。
【0166】
次いで、端末装置20は、エラーが発生した電源装置10を特定する(ステップS504)。例えば、ユーザは、エラーが発生していることを示す情報をインジケータ105が出力している電源装置10を充電用アプリケーション上で選択したり、当該電源装置10に貼付されたバーコードを端末装置20に読み取らせたりする。
【0167】
次に、端末装置20は、エラー発生報告を制御装置30へ送信する(ステップS506)。エラー発生報告は、エラーが発生していることを報告するメッセージである。エラー発生報告は、ステップS504において特定された電源装置10の識別情報を含む。
【0168】
次いで、制御装置30は、エラー発生報告に基づいて、デバイス情報を更新する(ステップS508)。例えば、制御装置30は、電源装置10のステータスをエラー発生中に変更する。そして、制御装置30は、エラー解消リクエストに対するレスポンスとして、エラー解消コマンドを端末装置20へ送信する(ステップS510)。エラー解消コマンドとは、再起動等のエラーを解消するための処理を実行するよう命令するメッセージである。
【0169】
次に、電源装置10と端末装置20とは、BLE接続を確立する(ステップS512)。
【0170】
次いで、端末装置20は、エラー解消コマンドを電源装置10へ送信する(ステップS514)。
【0171】
次に、電源装置10は、エラー解消コマンドに基づいて、エラーの解消を試みる(ステップS516)。ここでは、エラーの解消に成功したものとする。
【0172】
次いで、電源装置10は、エラー解消コマンドに対するレスポンスとして、エラー解消成功報告を端末装置20へ送信する(ステップS518)。エラー解消成功報告とは、電源装置10のエラーの解消に成功したことを報告するメッセージである。エラー解消成功報告は、電源装置10の識別情報を含み得る。
【0173】
次に、端末装置20は、エラー解消成功報告を制御装置30へ送信する(ステップS520)。
【0174】
次いで、制御装置30は、エラー解消成功報告に基づいて、デバイス情報を更新する(ステップS522)。例えば、制御装置30は、電源装置10のステータスを正常に変更する。
【0175】
-復帰困難なエラーが発生した場合
図14は、本実施形態に係るシステム1により実行されるエラー解消処理の流れの一例を示すシーケンス図である。本シーケンスには、電源装置10、端末装置20、及び制御装置30が関与する。
【0176】
図14に示すステップS602~ステップ614に係る処理は、
図13に示したステップS502~ステップS514に係る処理と同様である。
【0177】
ステップS616において、電源装置10は、エラー解消コマンドに基づいて、エラーの解消を試みる(ステップS616)。ここでは、エラーの解消に失敗したものとする。
【0178】
次いで、電源装置10は、エラー解消コマンドに対するレスポンスとして、エラー解消失敗報告を端末装置20へ送信する(ステップS618)。エラー解消失敗報告とは、電源装置10のエラーの解消に失敗したことを報告するメッセージである。エラー解消失敗報告は、電源装置10の識別情報を含み得る。
【0179】
次に、端末装置20は、エラー解消失敗報告を制御装置30へ送信する(ステップS620)。
【0180】
次いで、制御装置30は、エラー解消失敗報告に基づいて、メンテナンス部隊を手配する(ステップS622)。例えば、制御装置30は、メンテナンス部隊に、電源装置10のエラーを解消するよう依頼するメッセージを送信する。メンテナンス部隊とは、電源装置10を修理する技能を有する組織である。
【0181】
次に、制御装置30は、最寄りの他の電源装置10を示す情報を端末装置20へ送信する(ステップS624)。例えば、制御装置30は、ステップS604において特定された電源装置10の周囲にあり、且つ、現時点で予約/利用可能な他の電源装置10の位置情報を送信する。さらには、制御装置30は、現時点でのEV2の残充電量に応じた走行可能な範囲内にある他の電源装置10の位置情報と、走行可能な範囲外にある他の電源装置10の位置情報とを、区別して端末装置20へ送信してもよい。
【0182】
次いで、端末装置20は、最寄りの他の電源装置10に案内する画面を表示する(ステップS626)。例えば、端末装置20は、地図上に最寄りの他の電源装置10をプロットした画面を表示する。さらに、端末装置20は、走行可能な範囲内と範囲外とを分けて、地図上に他の電源装置10を表示してもよい。
【0183】
以上、エラー解消処理の流れの一例を説明した。上記説明した処理は、他の処理と並行して実行されてもよい。例えば、エラー解消処理は、充電開始処理と並行して実施されてもよい。その場合、エラー解消処理と充電開始処理とで共通する処理については、2度実行される必要はなく、1度実行されればよい。例えば、充電用アプリケーションを起動する処理、電源装置10を特定する処理、及びBLE接続を確立する処理は、1度実行されればよい。
【0184】
(4)インセンティブの付与
制御装置30は、ユーザに各種のインセンティブを付与する処理を制御し得る。インセンティブとしては、電源装置10の利用料の割引、キャッシュバック又は充電サービスにて利用可能なポイントの付与等が考えられる。
【0185】
制御装置30は、電源装置10と制御装置30との間で行われる電源装置10を制御するための情報の送受信を中継した端末装置20のユーザに、中継した情報量に応じたインセンティブを付与する処理を制御してもよい。ここでの情報量としては、例えば、ビット数及び中継回数が挙げられる。例えば、制御装置30は、中継した情報量が多いほど多くのインセンティブを付与する処理を制御する。かかる構成によれば、電源装置10と制御装置30との通信を中継するようユーザに動機付けて、電源装置10と制御装置30との通信頻度を向上させることが可能となる。
【0186】
制御装置30は、電源装置10に発生したエラーのための充電が阻害されたEV2のユーザに、インセンティブを付与する処理を制御してもよい。一例として、制御装置30は、エラーのために充電できなかった分を課金しない、又はキャッシュバックするよう決済装置40に依頼する。かかる構成によれば、エラーの発生に起因してユーザが被った不利益を補償することが可能となる。
【0187】
制御装置30は、電源装置10に発生したエラーの解消に関与したユーザに、インセンティブを付与する処理を制御してもよい。一例として、制御装置30は、エラー発生報告を制御装置30へ送信したり、エラー解消コマンドを電源装置10へ送信したりした端末装置20のユーザに、インセンティブを付与する処理を制御する。かかる構成によれば、エラーを解消するようユーザに動機付けて、電源装置10のエラー発生から復帰までの期間を短縮することが可能となる。
【0188】
制御装置30は、電源装置10により充電されたまま放置されたEV2の放置状態の解消に関与したユーザに、インセンティブを付与する処理を制御してもよい。一例として、制御装置30は、放置状態解消リクエストを制御装置30へ送信したり、放置状態解消リクエストのレスポンスとしての充電終了コマンドを電源装置10へ送信したりした端末装置20のユーザに、インセンティブを付与する処理を制御する。かかる構成によれば、放置状態を解消するようユーザに動機付けて、電源装置10の利用効率を向上させることが可能となる。
【0189】
<4.補足>
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0190】
電源装置10の給電先はEV2に限定されない。電源装置10は、PHEV(Plug-in Hybrid Electric Vehicle))、電動バイク、又はドローン等の、充電可能であって電力で駆動する任意の移動体を給電先としてもよい。
【0191】
電源装置10と端末装置20との情報のやり取りを実現する技術は、近距離無線通信に限定されない。電源装置10と端末装置20とが近距離に位置することを条件とした情報のやり取りが可能であればよい。例えば、有線通信、情報コードの生成及び読み込みより、電源装置10と端末装置20との間で情報がやり取りされてもよい。
【0192】
上記実施形態では、ユーザが電源装置10を予約した上で利用する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。ユーザは、予約せずに電源装置10を利用し得る。
【0193】
上記実施形態では、電源装置10が端末装置20と通信する例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。
【0194】
一例として、EV2が端末装置20として機能してもよく、電源装置10と制御装置30との通信をEV2が中継してもよい。その場合、EV2の充電中は電源装置10の近くにEV2が位置することとなるので、充電中の電源装置10の制御が容易となる。
【0195】
他の一例として、電源装置10は、電源装置10から通信可能な範囲に配置された1つ以上の他の電源装置10と通信してもよい。そして、電源装置10は、電源装置10から通信可能な範囲に配置された1つ以上の他の電源装置10と制御装置30との間で行われる、当該1つ以上の他の電源装置10を制御するための情報の送受信を、端末装置20を介して中継してもよい。より簡易には、互いに通信可能な距離に位置する複数の電源装置10が、メッシュネットワークを構成していてもよい。そして、端末装置20は、電源装置10と制御装置30との通信を中継する際に、当該電源装置10が属するメッシュネットワークを構成する複数の電源装置10と制御装置30との通信をまとめて中継してもよい。かかる構成によれば、利用される電源装置10だけでなく、複数の電源装置10をまとめて制御装置30が制御することが可能となる。
【0196】
上述したメッシュネットワークを構成する複数の電源装置10と制御装置30との通信を端末装置20が中継することは、電源装置10にエラーが発生した場合に特に有効である。詳しくは、メッシュネットワークを構成する複数の電源装置10(10A及び10Bを含むものとする)には、複数のユーザが様々なタイミングで近付くこととなる。そのため、電源装置10Aにエラーが発生した場合、電源装置10Aによる充電終了予定時刻よりも前に、電源装置10Bを利用するユーザBが到着する可能性がある。その場合には、ユーザBの端末装置20を介して、エラーを解消するための処理が行われる。つまり、電源装置10Aによる充電終了予定時刻が到来してユーザAが電源装置10Aに戻るよりも前に、もしくは次に電源装置10Aを利用する予定のユーザCが電源装置10Aに到着するよりも前に、電源装置10Aに発生したエラーの解消を試みることができる。このように、メッシュネットワーク単位でまとめて通信を中継することは、エラーの早期発見及び早期復帰を可能にし得る点で、ユーザの利便性を大きく高めることが可能である。
【0197】
上記実施形態では、EV2が満充電になるまで充電される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。EV2は、EV2の充電状態がユーザの所望する充電状態になるまで充電されればよく、ユーザが所望する充電状態はSoC80%等の任意の充電状態であってよい。即ち、所要充電時間は、EV2の充電状態がユーザの所望する充電状態になるまでに要する時間であればよい。ユーザの所望する充電状態は、充電用アプリケーションを介してユーザにより予め指定され得る。
【0198】
上記実施形態では、電源装置10とEV2とが有線接続される例を説明したが、本発明はかかる例に限定されない。電源装置10は、EV2を非接触充電してもよい。
【0199】
本明細書において特定の装置が実行すると説明した処理の少なくとも一部は、任意の情報処理装置により実行されてよい。例えば、上記実施形態において制御装置30が実行すると説明した処理の少なくとも一部は、端末装置20により実行されてよい。逆に、上記実施形態において端末装置20が実行すると説明した処理の少なくとも一部は、制御装置30により実行され、端末装置20は入出力等のユーザとのインタフェースとして機能してもよい。
【0200】
なお、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、ソフトウェア、ハードウェア、及びソフトウェアとハードウェアとの組合せのいずれを用いて実現されてもよい。ソフトウェアを構成するプログラムは、例えば、各装置の内部又は外部に設けられる記録媒体(詳しくは、コンピュータにより読み取り可能な非一時的な記憶媒体)に予め格納される。そして、各プログラムは、例えば、本明細書において説明した各装置を制御するコンピュータによる実行時にRAMに読み込まれ、CPUなどの処理回路により実行される。上記記録媒体は、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等である。また、上記のコンピュータプログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信されてもよい。また、上記のコンピュータは、ASICのような特定用途向け集積回路、ソフトウエアプログラムを読み込むことで機能を実行する汎用プロセッサ、又はクラウドコンピューティングに使用されるサーバ上のコンピュータ等であってよい。また、本明細書において説明した各装置による一連の処理は、単数のコンピュータにより集中して処理されてもよく、複数のコンピュータにより分散して処理されてもよい。さらに、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良い。
【0201】
また、本明細書においてフローチャート又はシーケンス図を用いて説明した処理は、必ずしも図示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
【0202】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0203】
1 システム
2 EV
10 電源装置
11 電力供給部
12 通信部
13 通知部
14 記憶部
15 制御部
20 端末装置
21 入力部
22 出力部
23 第1通信部
24 第2通信部
25 記憶部
26 制御部
30 制御装置
31 通信部
32 記憶部
33 制御部
40 決済装置
90 インターネット
101 筐体
102 筐体カバー
103 開閉センサ
104 ロック機構
105 インジケータ
106 コンセントカバー
107 コンセント
108 配線
109 充電ケーブル