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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112355
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】印刷装置、制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A45D 29/18 20060101AFI20240814BHJP
   B41J 3/407 20060101ALI20240814BHJP
   B41J 29/387 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A45D29/18
B41J3/407
B41J29/387
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017272
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001443
【氏名又は名称】カシオ計算機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 到
【テーマコード(参考)】
2C061
【Fターム(参考)】
2C061AP10
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS11
(57)【要約】
【課題】指の動きを精度良く検出する。
【解決手段】印刷装置は、指を載置する指置台(載置部)と、指における爪に印刷を行う印刷ヘッド(印刷部)と、制御部と、を備え、指置台は、押圧されることによって発生する圧力を示す電圧値(圧力情報)を出力する押圧キー(押圧部)を複数有する。制御部は、複数の押圧キーのうちいずれかの押圧キーから出力される電圧値が所定の閾値以上変化した場合に(ステップS10;NO)、印刷ヘッドによる印刷動作を停止させる(ステップS12)。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
指を載置する載置部と、
前記指における爪に印刷を行う印刷部と、
制御部と、を備え、
前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有し、
前記制御部は、前記複数の押圧部のうちいずれかの前記押圧部から出力される前記圧力情報が所定の閾値以上変化した場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断する、
ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、押されていないと判断されたいずれかの前記押圧部から出力される前記圧力情報が前記所定の閾値以上変化した場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、押されていると判断されたいずれかの前記押圧部から出力される前記圧力情報が前記所定の閾値以上変化した場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、所定の時点で押されていると判断された前記押圧部の数に応じて、前記所定の閾値を設定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記所定の時点で押されていると判断された前記押圧部の数が多いほど、前記所定の閾値を大きくする、
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
指を載置する載置部と、
前記指における爪に印刷を行う印刷部と、
制御部と、を備え、
前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有し、
前記制御部は、前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断し、
前記制御部は、所定の時点で押されていないと判断された前記押圧部のうち、押されていると判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項8】
指を載置する載置部と、
前記指における爪に印刷を行う印刷部と、
制御部と、を備え、
前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有し、
前記制御部は、前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断し、
前記制御部は、所定の時点で押されていると判断された前記押圧部のうち、押されていないと判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
前記制御部は、前記所定の時点で押されていると判断された前記押圧部の数に応じて、前記所定数を設定する、
ことを特徴とする請求項7又は8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記制御部は、前記所定の時点で押されていると判断された前記押圧部の数が多いほど、前記所定数を大きくする、
ことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記複数の押圧部は、前記載置部において、マトリクス状に配置されている、
ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の印刷装置。
【請求項12】
指を載置する載置部と、前記指における爪に印刷を行う印刷部と、を備え、前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有する印刷装置における制御方法であって、
前記複数の押圧部のうちいずれかの前記押圧部から出力される前記圧力情報が所定の閾値以上変化した場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる工程を含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項13】
指を載置する載置部と、前記指における爪に印刷を行う印刷部と、を備え、前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有する印刷装置における制御方法であって、
前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断する工程と、
所定の時点で押されていないと判断された前記押圧部のうち、押されていると判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる工程と、を含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項14】
指を載置する載置部と、前記指における爪に印刷を行う印刷部と、を備え、前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有する印刷装置における制御方法であって、
前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断する工程と、
所定の時点で押されていると判断された前記押圧部のうち、押されていないと判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる工程と、を含む、
ことを特徴とする制御方法。
【請求項15】
指を載置する載置部と、前記指における爪に印刷を行う印刷部と、を備え、前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有する印刷装置のコンピュータに、
前記複数の押圧部のうちいずれかの前記押圧部から出力される前記圧力情報が所定の閾値以上変化した場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる機能、
を実現させるためのプログラム。
【請求項16】
指を載置する載置部と、前記指における爪に印刷を行う印刷部と、を備え、前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有する印刷装置のコンピュータに、
前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断する機能、
所定の時点で押されていないと判断された前記押圧部のうち、押されていると判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる機能、
を実現させるためのプログラム。
【請求項17】
指を載置する載置部と、前記指における爪に印刷を行う印刷部と、を備え、前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有する印刷装置のコンピュータに、
前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断する機能、
所定の時点で押されていると判断された前記押圧部のうち、押されていないと判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる機能、
を実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人の指の爪を印刷対象として各種デザインを印刷する印刷装置(ネイルプリンタ)が知られている。このような印刷装置では、紙等の印刷媒体に印刷する場合と異なり、印刷対象が動く可能性がある。印刷中に人が指を動かしてしまうと、爪に対してデザインがずれるため、一旦除光液等で爪を拭き取ってから、再度印刷をやり直す必要がある。
【0003】
そのため、例えば、指の爪に塗料を吐出するネイルプリンタにおいて、圧力検出部によって指による圧力分布を検出し、圧力分布に変化があった場合に印刷(塗料の吐出)を停止する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-18456号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においても、指の動きを精度良く検出することは困難であった。
【0006】
本発明は、上記の従来技術における問題に鑑みてなされたものであって、指の動きを精度良く検出することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、
指を載置する載置部と、
前記指における爪に印刷を行う印刷部と、
制御部と、を備え、
前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有し、
前記制御部は、前記複数の押圧部のうちいずれかの前記押圧部から出力される前記圧力情報が所定の閾値以上変化した場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする。
【0008】
本発明の印刷装置は、
指を載置する載置部と、
前記指における爪に印刷を行う印刷部と、
制御部と、を備え、
前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有し、
前記制御部は、前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断し、
前記制御部は、所定の時点で押されていないと判断された前記押圧部のうち、押されていると判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする。
【0009】
本発明の印刷装置は、
指を載置する載置部と、
前記指における爪に印刷を行う印刷部と、
制御部と、を備え、
前記載置部は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する押圧部を複数有し、
前記制御部は、前記複数の押圧部のそれぞれについて、当該押圧部から出力される前記圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧部が押されているか、押されていないかを判断し、
前記制御部は、所定の時点で押されていると判断された前記押圧部のうち、押されていないと判断されるようになった前記押圧部が所定数以上あった場合に、前記印刷部による印刷動作を停止させる、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、指の動きを精度良く検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1の実施形態における印刷装置の要部外観構成を示す斜視図である。
図2】印刷装置の概略の制御構成を示す要部ブロック図である。
図3】(a)は、印刷装置の内部要部構成を示す平面図である。(b)は、Y方向と直交する切断面における印刷装置の概略断面図である。
図4】指置台の構成を示す斜視図である。
図5】押圧キーの回路構成図である。
図6】(a)は、指置台に指が載置される前の状態を示す模式図である。(b)は、指置台に指が載置された状態を示す模式図である。
図7】第1の実施形態の印刷装置において実行される第1の印刷制御処理を示すフローチャートである。
図8】第2の実施形態の印刷装置において実行される第2の印刷制御処理を示すフローチャートである。
図9】(a)は、指を載置する面が湾曲形状となっている指置台の構成を示す斜視図である。(b)は、Y方向と直交する切断面における指置台の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る印刷装置、制御方法及びプログラムの実施形態について説明する。
なお、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0013】
[第1の実施形態]
まず、本発明に係る印刷装置の第1の実施形態について説明する。
【0014】
<印刷装置の構成>
図1は、第1の実施形態における印刷装置1の要部外観構成を示す斜視図である。以下の実施形態において、上下、左右及び前後は、図1に示した向きをいうものとする。また、X方向、Y方向、Z方向は、図1に示した方向をいうものとする。
図2は、印刷装置1の概略の制御構成を示す要部ブロック図である。
図3(a)は、印刷装置1の内部要部構成を示す平面図であり、図3(b)は、Y方向と直交する切断面における印刷装置1の概略断面図である。
【0015】
ここでは、印刷装置1が手の指Uの爪T(図3(a)及び(b)参照)を印刷対象として、これに印刷するネイルプリンタである場合を例に説明する。
印刷装置1は、ネイルサロンや美容サロン等の店舗に設置されたものでもよいし、ユーザの自宅等で使用されるものであってもよい。
【0016】
図1に示すように、印刷装置1は、略箱形に形成された筐体2を有している。
印刷装置1の筐体2の前面側(Y方向の手前側)であって装置の左右方向(X方向)の略中央部には、開口部21が形成されている。開口部21は、印刷対象となる爪Tに対応する指Uを装置内に挿入する指挿入口であり、指Uを出し入れ可能な程度の幅及び高さを有している。
また、筐体2の内部であって開口部21の内側に、印刷対象となる爪Tに対応する指Uを配置する指配置部3が設けられている。
【0017】
図3(a)及び(b)に示すように、指配置部3は、開口部21から挿入された指Uの腹部分を載置する載置部としての指置台31を有している。
指配置部3の上方(少なくとも図1におけるY方向の奥側の上方)は開放されており、指配置部3内に挿入された指Uの爪Tの表面が露出するようになっている。
【0018】
図4は、指置台31の構成を示す斜視図である。なお、図4では、指置台31の周囲の物を除いた状態を図示している。指置台31は、指Uが載置される面に、複数の押圧部としての押圧キー32を有している。複数の押圧キー32は、指置台31において、マトリクス状に配置されている。各押圧キー32は、押圧されることによって発生する圧力を示す圧力情報を出力する。
【0019】
図5に、押圧キー32の回路構成を示す。押圧キー32は、固定抵抗R1と可変抵抗R2とが直列に接続されて構成されている。押圧キー32の固定抵抗R1側の一端は、プラス電源に接続され、押圧キー32の可変抵抗R2側の一端は、接地されている。
可変抵抗R2は、押圧キー32の押圧度合いによって抵抗値が変化するため、押圧キー32は、押圧度合いに応じた圧力情報としての電圧値V1を出力する。
制御部11は、アナログデジタル変換回路を介して、各押圧キー32から出力される電圧値V1を取得する。
【0020】
図6(a)に、指置台31に指Uが載置される前の状態を示す。図6(b)に、指置台31に指Uが載置された状態を示す。制御部11は、各押圧キー32から出力される電圧値V1を所定の基準値と比較することで、当該押圧キー32が押されているか否かを判断する。
【0021】
筐体2の上面(天板)には、操作部22が設置されている。
操作部22は、ユーザからの各種入力を受け付ける受付手段である。
操作部22は、例えば、印刷装置1の電源をON/OFFする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、印刷開始を指示する印刷開始釦等、各種の入力を行うための操作釦で構成されている。
また、操作部22は、表示部23の表面に一体的に設けられたタッチパネルによって構成され、ユーザの指先やスタイラスペン等によるタッチ操作に応じて、各種の入力・設定等を行うことができるようになっている。
操作部22が操作されると、操作に応じた操作信号が制御装置10の制御部11(図2参照)に出力され、制御部11が操作信号に従った制御を行い、印刷装置1の各部を動作させる。
【0022】
筐体2の上面には、表示部23が配置されている。
表示部23は、例えば、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ、その他のディスプレイを含んでいる。表示部23は、制御部11から入力される表示信号に基づいて、ディスプレイに各種画像や情報を表示する。
また、印刷装置1は、表示部23に加え、電源のON状態やエラーの発生を通知するためのLED等のインジケーションデバイスを備えていてもよい。
【0023】
また、図2に示すように、印刷装置1は、前述の操作部22、表示部23、指置台31を備える他、印刷機構4、撮影部5、タイマー24、通信部25及び制御装置10等を備えている。
【0024】
印刷機構4は、印刷部としての印刷ヘッド41と、位置検出センサ43と、印刷ヘッド41を移動させるX方向移動モータ45及びY方向移動モータ47とを備え、印刷ヘッド41を用いて印刷を行う。
印刷ヘッド41は、インクを微細な液滴として吐出させ、印刷対象面に印刷を施すインクジェット方式のインク吐出機構(図示せず)を備えている。
【0025】
印刷ヘッド41における印刷対象面(爪Tの表面)に対向する面には、インク吐出面(図示せず)が一体に形成されている。インク吐出面には、それぞれの色のインクを噴射する複数のノズルからなるノズルアレイの吐出口(ノズル口、インク吐出口、図示せず)が列状に形成されている。
印刷ヘッド41は、制御部11がインク吐出機構を制御することで、適宜所定のインクをノズル口から吐出させ、印刷を行うようになっている。
なお、印刷ヘッド41がインクを吐出させる構成等、印刷を行うための具体的な構成は、特に限定されない。
【0026】
印刷ヘッド41は、例えば、シアン(C;CYAN)、マゼンタ(M;MAGENTA)、イエロー(Y;YELLOW)等の各色のインクを吐出可能となっている。また、印刷ヘッド41として、印刷対象となる爪Tにネイルの下地を印刷する下地用ヘッドと、印刷対象となる爪Tにネイルデザインを印刷するデザイン用ヘッドと、が設けられていてもよい。下地用のインクとしては、デザインを印刷するときにインクの発色が良くなるように、白色等(白色若しくはこれに近いピンクやブルー等)であることが好ましい。
【0027】
印刷ヘッド41は、装置の左右方向(X方向)及び前後方向(Y方向)に移動可能となっている。
位置検出センサ43は、原点センサやエンコーダセンサ等から構成されている。制御部11は、位置検出センサ43からの出力値に基づいて、印刷ヘッド41の位置を正確に把握しつつ、印刷ヘッド41を適宜X方向、Y方向に移動させる制御を行う。
X方向移動モータ45は、印刷ヘッド41をX方向に移動させるX方向移動機構450(図3(a)及び(b)参照)を構成し、Y方向移動モータ47は、印刷ヘッド41をY方向に移動させるY方向移動機構470(図3(a)参照)を構成する。X方向移動モータ45、Y方向移動モータ47は、例えば、ステッピングモータである。
【0028】
撮影部5は、カメラ51と、光源52とを備えている(図2図3(b)参照)。
カメラ51は、印刷対象である爪Tや爪Tを含む指Uを撮影して爪画像のデータを生成する。
光源52は、例えば、白色LED等の照明灯である。
【0029】
タイマー24は、ある時点からの経過時間を測定し、測定した経過時間を制御部11に出力する。
【0030】
通信部25は、ネットワークインターフェース等により構成され、通信ネットワークを介して接続された外部装置との間でデータ通信を行う。通信部25による通信は、無線通信であってもよいし、有線通信であってもよい。
【0031】
印刷装置1に搭載される制御装置10は、図示しないCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有する制御部11と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)を有する記憶部12とを備えるコンピュータである。
記憶部12には、制御部11が各種処理を行うための各種プログラムを記憶するプログラム記憶領域121が設けられている。また、記憶部12には、処理を行うのに必要な各種情報が記憶されている。
制御部11が、プログラム記憶領域121に格納された各種プログラムをRAMの作業領域に展開して実行することによって、印刷装置1の各部の動作を統合的に制御する。すなわち、制御部11は、プログラムとの協働により、印刷装置1が印刷処理等を行うための各種機能を実現する。
【0032】
制御部11は、印刷機構4の各部の動作を制御する。具体的には、制御部11は、位置検出センサ43からの出力値に応じて印刷ヘッド41の位置を把握し、X方向移動モータ45、Y方向移動モータ47を動作させて適宜印刷ヘッド41をXY方向に移動させる。また、制御部11は、印刷データに従って印刷ヘッド41を制御し、印刷対象である爪Tに適宜インクを吐出させる。
【0033】
制御部11は、複数の押圧キー32のうちいずれかの押圧キー32から出力される圧力情報(電圧値)が所定の閾値以上変化した場合に、印刷ヘッド41による印刷動作を停止させる。
「所定の閾値」は、押圧キー32(押圧部)に対する指Uの置かれ方に変化があったか否かを判断するための閾値であり、圧力情報の変化についての閾値である。制御部11は、押圧キー32から出力される圧力情報の変化量(変化後の値-変化前の値)の絶対値が所定の閾値以上である場合に、押圧キー32に対する指Uの置かれ方に変化があったと判断する。
【0034】
制御部11は、複数の押圧キー32のそれぞれについて、当該押圧キー32から出力される圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧キー32が押されているか、押されていないかを判断する。
「所定の基準値」は、押圧キー32(押圧部)が押されているか、押されていないかを判断するための閾値である。
【0035】
制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数に応じて、所定の閾値を設定する。例えば、制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数が多いほど、所定の閾値を大きくする。つまり、指置台31に載置された指Uの大きさに応じて、所定の閾値を変更する。小指のように小さい指Uは、傾斜や押圧度合いの変化によって印刷精度に影響が出やすい。一方、親指のように大きい指Uは、多少の傾斜や押圧度合いに変化があっても、印刷精度に影響が出にくい。よって、指Uの動きを精度良く検出するために、小さい指Uに対しては、所定の閾値を、相対的に小さくする。
「所定の時点」として、例えば、指Uが指置台31に載置された時、印刷が開始された時等が用いられる。
【0036】
制御部11は、表示部23の動作を制御する。具体的には、制御部11は、表示部23のディスプレイに表示させる表示データを生成し、表示部23に出力する。例えば、制御部11は、撮影部5により取得された爪画像を表示させるための画像データや、デザイン(ネイルデザイン)等を表示部23に表示させるための表示データ、各種メッセージ画面、案内画面、エラー画面等を表示部23のディスプレイに表示させる表示データ等を生成する。
【0037】
制御部11は、撮影部5のカメラ51及び光源52の動作を制御して、光源52によって爪Tやその周辺を照明させ、カメラ51によって爪画像等を取得させる。
具体的には、印刷処理に先立ち、制御部11は、撮影部5を制御して、ユーザの指Uを撮影させ、撮影により得られた画像データに対して画像処理を行うことにより、爪領域を検出する。制御部11は、印刷データを爪領域の形状及び大きさに合わせておく。そして、制御部11は、印刷機構4を制御して、指配置部3に置かれた指Uの爪領域に相当する領域に対して、印刷ヘッド41でデザインを印刷させる。
【0038】
なお、スマートフォン、タブレット端末等の端末装置を、印刷装置1の操作部22及び表示部23として使用することとしてもよい。この場合、端末装置は、端末装置の通信部を介して印刷装置1との間でデータの送受信を行うことで、印刷装置1から提供された操作画面を端末装置の表示部に表示するとともに、端末装置の操作部から入力された操作指示を印刷装置1に送信する。
【0039】
<印刷装置の動作>
次に、第1の実施形態における動作について説明する。
図7は、印刷装置1において実行される第1の印刷制御処理を示すフローチャートである。
【0040】
まず、制御部11は、指置台31に設けられた複数の押圧キー32のうち1つ以上のキーが押されているか否かを判断する(ステップS1)。すなわち、制御部11は、指置台31に指Uが載置されたか否かを判断する。例えば、制御部11は、複数の押圧キー32のそれぞれについて、当該押圧キー32から出力される電圧値が所定の基準値以下である場合に、当該押圧キー32が押されていると判断し、当該押圧キー32から出力される電圧値が所定の基準値より大きい場合に、当該押圧キー32が押されていないと判断する。なお、この例では、押圧キー32が受ける圧力が高いほど、押圧キー32から出力される電圧値が低くなることを前提としている。
複数の押圧キー32のうちいずれのキーも押されていない場合には(ステップS1;NO)、処理はステップS1に戻る。
【0041】
ステップS1において、複数の押圧キー32のうち1つ以上のキーが押されている場合には(ステップS1;YES)、制御部11は、撮影部5(カメラ51及び光源52)を制御して、ユーザの指Uを撮影させ、撮影により得られた画像データに対して画像処理を行うことにより、爪領域を認識する(ステップS2)。
【0042】
次に、制御部11は、撮影により得られた画像データの爪領域にデザインを合わせこんで表示用のデータを生成し、印刷後の仕上がりイメージを表示部23にプレビュー表示させる(ステップS3)。
【0043】
次に、制御部11は、印刷が開始されたか否かを判断する(ステップS4)。例えば、ユーザが操作部22からの操作により、印刷開始釦を押下すると、制御部11は、印刷ヘッド41を制御して、ユーザの指Uの爪Tに対する印刷を開始させる。
印刷が開始されない場合には(ステップS4;NO)、処理はステップS4に戻る。
【0044】
ステップS4において、印刷が開始された場合には(ステップS4;YES)、制御部11は、指置台31に設けられた複数の押圧キー32のうち1つ以上のキーが押されているか否かを判断する(ステップS5)。例えば、制御部11は、ステップS1と同様、各押圧キー32から出力される電圧値を所定の基準値と比較することで、各押圧キー32が押されているか否かを判断する。
複数の押圧キー32のうちいずれのキーも押されていない場合には(ステップS5;NO)、処理はステップS5に戻る。
【0045】
ステップS5において、複数の押圧キー32のうち1つ以上のキーが押されている場合には(ステップS5;YES)、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出し、各押圧キー32について、読み出した電圧値を記憶部12に記憶させる(ステップS6)。ここで記憶された電圧値が、電圧値の変化を判断する際の比較対象(初期値)となる。また、制御部11は、各押圧キー32から出力された電圧値を所定の基準値と比較することで、各押圧キー32が押されているか否かを判断する。また、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出した際に、タイマー24をリセットする。
【0046】
次に、制御部11は、複数の押圧キー32のうち、押されていると判断されたキーの数に応じて、ステップS10で用いる閾値を設定する(ステップS7)。例えば、制御部11は、押されていると判断された押圧キー32の数が多いほど、閾値を大きくする。
【0047】
次に、制御部11は、複数の押圧キー32に対する前回の電圧値の読み出しからの経過時間を、タイマー24から取得し、前回の電圧値の読み出しから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS8)。
前回の電圧値の読み出しから所定時間が経過していない場合には(ステップS8;NO)、処理はステップS8に戻る。
【0048】
ステップS8において、前回の電圧値の読み出しから所定時間が経過した場合には(ステップS8;YES)、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出す(ステップS9)。また、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出した際に、タイマー24をリセットする。
【0049】
ここで、制御部11は、全ての押圧キー32について、ステップS6で記憶された電圧値からステップS9で読み出された電圧値への変化が閾値未満であるか否かを判断する(ステップS10)。例えば、制御部11は、押圧キー32ごとに、ステップS9で読み出された電圧値からステップS6で記憶された電圧値を引いた値の絶対値が、ステップS7で設定された閾値未満であるか否かを判断する。
全ての押圧キー32について、ステップS6で記憶された電圧値からステップS9で読み出された電圧値への変化が閾値未満である場合には(ステップS10;YES)、制御部11は、ユーザの指Uの爪Tに対する印刷が完了したか否かを判断する(ステップS11)。
【0050】
印刷が完了していない場合(ステップS11;NO)、すなわち、爪Tに対する印刷が途中である場合には、処理はステップS8に戻る。このように、制御部11は、印刷中、一定の時間間隔で、各押圧キー32の電圧値を読み出し、電圧値に大きい変化があるか否かをチェックする。そして、制御部11は、全ての押圧キー32について、電圧値の変化が閾値未満であれば、印刷を継続する。
【0051】
ステップS10において、複数の押圧キー32のうち、いずれか1つ以上の押圧キー32について、ステップS6で記憶された電圧値からステップS9で読み出された電圧値への変化が閾値以上となった場合には(ステップS10;NO)、制御部11は、印刷ヘッド41を制御して、ユーザの指Uの爪Tに対する印刷を中止させる(ステップS12)。すなわち、制御部11は、いずれかの押圧キー32について、初期状態の電圧値からの変化が閾値以上となった場合に、指Uが動いたと判断する。
【0052】
ステップS11において、印刷が完了した場合(ステップS11;YES)、又は、ステップS12の後、第1の印刷制御処理が終了する。第1の印刷制御処理では、印刷開始から印刷完了まで、各押圧キー32の押圧度合いを検出することで、指Uが動いていないかどうかを監視する。
【0053】
以上説明したように、第1の実施形態によれば、印刷装置1の制御部11は、複数の押圧キー32(押圧部)のうちいずれかの押圧キー32から出力される圧力情報(電圧値)が所定の閾値以上変化した場合に、印刷ヘッド41による印刷動作を停止させる。指置台31(載置部)は複数の押圧キー32を有しているため、制御部11は、複数の押圧キー32に対する指Uの押圧の度合いの変化から、指Uの動きを精度良く検出することができる。よって、印刷の無駄なやり直しを防ぐことができる。例えば、指置台31に置いた指Uが高さ方向(Z方向)に動いたことや、指Uが傾いたことを精度良く検出することができる。
【0054】
また、制御部11は、複数の押圧キー32のそれぞれについて、当該押圧キー32から出力される圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧キー32が押されているか、押されていないかを判断する。制御部11は、押圧キー32から出力される圧力情報と所定の基準値とを比較することで、押圧キー32が押されているか、押されていないかを容易に判断することができる。
【0055】
なお、制御部11は、押されていないと判断された押圧キー32に限定して、押されていないと判断されたいずれかの押圧キー32から出力される圧力情報が所定の閾値以上変化した場合に、印刷ヘッド41による印刷動作を停止させてもよい。この場合、制御部11は、押されていなかった押圧キー32に対する押圧の度合いがある程度以上変化することで、指Uの動きを精度良く検出することができる。
【0056】
また、制御部11は、押されていると判断された押圧キー32に限定して、押されていると判断されたいずれかの押圧キー32から出力される圧力情報が所定の閾値以上変化した場合に、印刷ヘッド41による印刷動作を停止させてもよい。この場合、制御部11は、押されていた押圧キー32に対する押圧の度合いがある程度以上変化することで、指Uの動きを精度良く検出することができる。
【0057】
また、制御部11は、所定の時点(上記の例では、ステップS6の時点)で押されていると判断された押圧キー32の数に応じて、ステップS10で用いる所定の閾値を設定する。例えば、制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数が多いほど、所定の閾値を大きくする。これにより、指置台31に載置されている指Uの大きさに応じて、印刷動作を停止させるか否かの判断に用いる閾値を変えることができる。例えば、親指のように大きい指Uの場合、多少の傾きは無視して印刷を続行することができる。一方、小指のように小さい指Uの場合、少しの傾きでも印刷精度に影響が出るため、印刷を停止させることができる。
【0058】
また、指置台31において、複数の押圧キー32がマトリクス状に配置されているため、いずれかの押圧キー32に対する押圧の度合いがある程度以上変化することで、指Uの動きを精度良く検出することができる。また、複数の押圧キー32がマトリクス状に配置されることで、載置された指Uの大きさ(領域)を認識することが容易になる。
【0059】
[第2の実施形態]
次に、本発明を適用した第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態における印刷装置は、第1の実施形態に示した印刷装置1と同様の構成であるため、図1図6を援用し、説明を省略する。以下、第2の実施形態に特徴的な構成及び処理について説明する。
【0060】
印刷装置1の制御部11は、複数の押圧キー32のそれぞれについて、当該押圧キー32から出力される圧力情報と所定の基準値とに基づいて、当該押圧キー32が押されているか、押されていないかを判断する。
【0061】
制御部11は、所定の時点で押されていないと判断された押圧キー32のうち、押されていると判断されるようになった押圧キー32が所定数以上あった場合に、印刷ヘッド41による印刷動作を停止させる。
「所定数」は、複数の押圧キー32に対する指の置かれ方に変化があったか否かを判断するための閾値であり、押されていない状態(非押下状態)から押されている状態(押下状態)へと変化した押圧キー32の数についての閾値である。
「所定の時点」として、例えば、指Uが指置台31に載置された時、印刷が開始された時等が用いられる。
【0062】
制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数に応じて、所定数を設定する。例えば、制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数が多いほど、所定数を大きくする。つまり、載置された指Uの大きさに応じて、所定数を変更する。
【0063】
次に、第2の実施形態における動作について説明する。
図8は、印刷装置1において実行される第2の印刷制御処理を示すフローチャートである。
ステップS21~ステップS25の処理は、第1の印刷制御処理(図7参照)のステップS1~ステップS5の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0064】
次に、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出し、各押圧キー32について、押されているか(押下状態)、押されていないか(非押下状態)を記憶部12に記憶させる(ステップS26)。例えば、制御部11は、各押圧キー32から出力された電圧値を所定の基準値と比較することで、各押圧キー32が押されているか否かを判断する。ここで記憶された、各押圧キー32が押されているか否かの情報が、ステップS30で状態の変化を判断する際の初期状態となる。また、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出した際に、タイマー24をリセットする。
【0065】
次に、制御部11は、複数の押圧キー32のうち、押されていると判断されたキーの数に応じて、ステップS30で用いる所定数を設定する(ステップS27)。例えば、制御部11は、押されていると判断された押圧キー32の数が多いほど、所定数を大きくする。
【0066】
次に、制御部11は、複数の押圧キー32に対する前回の電圧値の読み出しからの経過時間を、タイマー24から取得し、前回の電圧値の読み出しから所定時間が経過したか否かを判断する(ステップS28)。
前回の電圧値の読み出しから所定時間が経過していない場合には(ステップS28;NO)、処理はステップS28に戻る。
【0067】
ステップS28において、前回の電圧値の読み出しから所定時間が経過した場合には(ステップS28;YES)、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出し、各押圧キー32が押されているか(押下状態)、押されていないか(非押下状態)を判断する(ステップS29)。例えば、制御部11は、各押圧キー32から出力された電圧値を所定の基準値と比較することで、各押圧キー32が押されているか否かを判断する。また、制御部11は、全ての押圧キー32の電圧値を読み出した際に、タイマー24をリセットする。
【0068】
ここで、制御部11は、押されていない状態から押されている状態に変化した押圧キー32の数が所定数未満であるか否かを判断する(ステップS30)。例えば、制御部11は、ステップS26で押されていないと判断された押圧キー32のうち、ステップS29で押されていると判断されるようになった押圧キー32の数が所定数未満であるか否かを判断する。
押されていない状態から押されている状態に変化した押圧キー32の数が所定数未満である場合には(ステップS30;YES)、制御部11は、ユーザの指Uの爪Tに対する印刷が完了したか否かを判断する(ステップS31)。
【0069】
印刷が完了していない場合(ステップS31;NO)、すなわち、爪Tに対する印刷が途中である場合には、処理はステップS28に戻る。このように、制御部11は、印刷中、一定の時間間隔で、各押圧キー32の電圧値を読み出し、押されていない状態から押されている状態に変化した押圧キー32の数をチェックする。
【0070】
ステップS30において、押されていない状態から押されている状態に変化した押圧キー32の数が所定数以上である場合には(ステップS30;NO)、制御部11は、印刷ヘッド41を制御して、ユーザの指Uの爪Tに対する印刷を中止させる(ステップS32)。すなわち、制御部11は、押されていない状態から押されている状態に変化した押圧キー32の数が所定数以上である場合に、指Uが動いたと判断する。
【0071】
ステップS31において、印刷が完了した場合(ステップS31;YES)、又は、ステップS32の後、第2の印刷制御処理が終了する。
【0072】
以上説明したように、第2の実施形態によれば、印刷装置1の制御部11は、所定の時点(上記の例では、ステップS26の時点)で押されていないと判断された押圧キー32(押圧部)のうち、押されていると判断されるようになった押圧キー32が所定数以上あった場合に、印刷ヘッド41による印刷動作を停止させる。指置台31(載置部)は複数の押圧キー32を有しているため、制御部11は、複数の押圧キー32に対する指Uの押圧の度合いの変化から、指Uの動きを精度良く検出することができる。
【0073】
また、制御部11は、所定の時点(上記の例では、ステップS26の時点)で押されていると判断された押圧キー32の数に応じて、ステップS30で用いる所定数を設定する。例えば、制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数が多いほど、所定数を大きくする。これにより、指置台31に載置されている指Uの大きさに応じて、印刷動作を停止させるか否かの判断に用いる所定数を変えることができる。例えば、親指のように大きい指Uの場合、非押下状態から押下状態へと変化した押圧キー32が多少存在しても、印刷精度への影響が出にくいため、印刷を続行することができる。一方、小指のように小さい指Uの場合、非押下状態から押下状態へと変化した押圧キー32が少しでもあると印刷精度に影響が出るため、印刷を停止させることができる。
【0074】
また、指置台31において、複数の押圧キー32がマトリクス状に配置されているため、非押下状態から押下状態へと変化した押圧キー32が所定数以上となることで、指Uの動きを精度良く検出することができる。
【0075】
なお、第2の実施形態では、非押下状態から押下状態へと変化した押圧キー32の数に基づいて、印刷動作の停止を制御する場合について説明したが、押下状態から非押下状態へと変化した押圧キー32の数に基づいて、印刷動作の停止を制御してもよい。
例えば、印刷装置1の制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32のうち、押されていないと判断されるようになった押圧キー32が所定数以上あった場合に、印刷ヘッド41による印刷動作を停止させる。これにより、制御部11は、複数の押圧キー32に対する指Uの押圧の度合いの変化から、指Uの動きを精度良く検出することができる。
この場合にも、制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数に応じて、所定数を設定する。例えば、制御部11は、所定の時点で押されていると判断された押圧キー32の数が多いほど、所定数を大きくする。これにより、指置台31に載置されている指Uの大きさに応じて、印刷動作を停止させるか否かの判断に用いる所定数を変えることができる。
【0076】
なお、上記各実施形態における記述は、本発明に係る印刷装置、制御方法及びプログラムの例であり、これに限定されるものではない。装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関しても、本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
【0077】
例えば、指置台31の指Uを載置する面は、平面でなくてもよく、指Uの形に沿った形状であってもよい。図9(a)及び(b)に、指Uを載置する面が湾曲形状となっている指置台31Aの例を示す。図9(a)は、指置台31Aの構成を示す斜視図である。図9(b)は、Y方向と直交する切断面における指置台31Aの断面図である。指置台31Aは、指Uを包むように、安定して支えることができる。
【符号の説明】
【0078】
1 印刷装置
3 指配置部
4 印刷機構
10 制御装置
11 制御部
12 記憶部
22 操作部
23 表示部
31 指置台
31A 指置台
32 押圧キー
41 印刷ヘッド
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9