(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112388
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】管継手
(51)【国際特許分類】
F16L 21/08 20060101AFI20240814BHJP
F16L 21/03 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
F16L21/08 B
F16L21/03
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017356
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000002174
【氏名又は名称】積水化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100152272
【弁理士】
【氏名又は名称】川越 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】頼 蘭馨
(72)【発明者】
【氏名】川▲高▼ 俊基
(72)【発明者】
【氏名】宮本 翔太
(72)【発明者】
【氏名】近本 博章
【テーマコード(参考)】
3H015
【Fターム(参考)】
3H015FA06
(57)【要約】
【課題】ベース部材に傾斜部を設けることでパイプの挿入力を低減することが可能な管継手を提供することを目的とする。
【解決手段】パッキンよりも継手本体の軸線方向に沿って前記継手本体の端縁側に向かって、ベース部材103b、第1の抜け止めリング104a、スペーサー104c、及び第2の抜け止めリング104bの順に配置されており、前記ベース部材103bおよび前記スペーサー104cのうちの少なくとも一方が、パイプを挿入する方向に沿った傾斜部200、201を有する、管継手。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
継手本体と、
前記継手本体の内周面に配置された環状のパッキンと、
前記継手本体の内周面に配置された環状のベース部材と、
前記継手本体の内周面に配置された環状のスペーサーと、
前記継手本体の内周面に配置された第1の抜け止めリングと、
前記継手本体の内周面に配置された第2の抜け止めリングと、を備え、
前記パッキンよりも前記継手本体の軸線方向に沿って前記継手本体の端縁側に向かって、前記ベース部材、前記第1の抜け止めリング、前記スペーサー、及び前記第2の抜け止めリングの順に配置されており、
前記ベース部材および前記スペーサーのうちの少なくとも一方が、パイプを挿入する方向に沿った傾斜部を有する、管継手。
【請求項2】
前記傾斜部が前記ベース部材にある、請求項1に記載の管継手。
【請求項3】
前記傾斜部の傾斜角が、10°~30°である、請求項2に記載の管継手。
【請求項4】
前記ベース部材がR形状を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の管継手。
【請求項5】
前記ベース部材がPPSを含む、請求項4に記載の管継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管継手に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、建築物内の給水、給湯、又は空調機器等に用いられるパイプを接続するために、管継手が用いられている(例えば、特許文献1参照)。管継手は、軸方向に対向配置した一対のパイプを接続する。管継手は、内周面に収容凹部が形成された筒状の継手本体と、収容凹部に収容され、継手本体の内側に挿入されるパイプの外周面に接触する抜け止めリングと、継手本体の内周面に配置された環状のスペーサーと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パイプを挿入した時に、抜け止めリングはパイプの挿入方向に向けて曲がる。特許文献1に開示された管継手のように、抜け止めリングが2つの管継手部品に挟まれる場合、パイプを挿入すると抜け止めリングは2つの管継手部品によって固着されるように挟まれる。そのため抜け止めリングが曲げにくくなり、挿入力が高くなることがあった。
【0005】
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであって、ベース部材に傾斜部を設けることでパイプの挿入力を低減することが可能な管継手を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の管継手は、継手本体と、前記継手本体の内周面に配置された環状のパッキンと、前記継手本体の内周面に配置された環状のベース部材と、前記継手本体の内周面に配置された環状のスペーサーと、前記継手本体の内周面に配置された第1の抜け止めリングと、前記継手本体の内周面に配置された第2の抜け止めリングと、を備え、前記パッキンよりも前記継手本体の軸線方向に沿って前記継手本体の端縁側に向かって、前記ベース部材、前記第1の抜け止めリング、前記スペーサー、及び前記第2の抜け止めリングの順に配置されており、前記ベース部材および前記スペーサーのうちの少なくとも一方が、パイプを挿入する方向に沿った傾斜部を有する、管継手。
【0007】
この発明によれば、ベース部材およびスペーサーのうちの少なくとも一方が傾斜部を有することで、パイプの挿入時に、抜け止めリングが曲げやすくなり、挿入力が低減する。
【0008】
また、上記の管継手において、前記傾斜部が前記ベース部材にあってもよい。
この発明によれば、ベース部材に角度をつけることで、パイプの挿入時に、抜け止めリングが曲げやすくなり、挿入力が低減する。
【0009】
また、上記の管継手において、前記傾斜部の傾斜角が、10°~30°であってもよい。
この発明によれば、ベース部材の傾斜部に10°~30°の角度をつけることで、パイプの挿入時に、傾斜部を有さない通常のベース部材よりも挿入力が低減する。
【0010】
また、上記の管継手において、前記ベース部材がR形状を有してもよい。
この発明によれば、ベース部材の傾斜が深くなることで、傾斜が直線であるベース部材を設ける場合よりも抜け止めリングがより曲げやすくなる。
【0011】
また、上記の管継手において、前記ベース部材がPPSを含んでもよい。
この発明によれば、ベース部材は耐薬性に強く、金属を含む場合よりもコストが安く成形しやすい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、パイプの挿入時に挿入力を低減する管継手を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本発明の一実施形態に係る管継手を示す図であって、一部断面を含む斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る管継手の部品構成を示す斜視図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る管継手の縦断面図の一部である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る管継手の縦断面図の一部である。
【
図5】本発明の一実施形態に係るベース部材の縦断面図の一部である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1から
図2を参照し、本発明の一実施形態に係る管継手100について説明する。
図1は、継手本体101と、継手本体101の内周面に配置された環状のパッキン103aと、継手本体101の内周面に配置された環状のベース部材103bと、継手本体101の内周面に配置された環状のスペーサー104cと、継手本体101の内周面に配置された第1の抜け止めリング104aと、継手本体101の内周面に配置された第2の抜け止めリング104bと、を備える。パッキン103aよりも継手本体101の軸線方向に沿って継手本体101の端縁側に向かって、ベース部材103b、第1の抜け止めリング104a、スペーサー104c、及び第2の抜け止めリング104bの順に配置される。
本実施形態に係る管継手100は、建物内の吸水、給湯又は空調機器用の複数のパイプ(配管)を接続するための部材である。管継手100と、この管継手100に接続されるパイプと、は配管構造を構成する。
【0015】
管継手100は、筒状の継手本体101と、継手本体101の端部に設けられたキャップ102と、を備えている。
以下では、継手本体101の中心軸線に沿う方向を軸方向といい、継手本体101を軸方向から見た平面視で、前記中心軸線と交差する方向を径方向という。また、前記平面視で前期中心軸線回りに周回する方向を周方向という。
【0016】
継手本体101の軸方向の端部における内周面には、段113が形成されている。段113は、継手本体101の内周面から径方向の内側に向けて突出している。段113は、周方向の全周にわたって設けられている。段113において、継手本体101の内径は、軸方向の外側から内側に向けて段階的に(段状に)縮径している。段113には、継手本体101とは別体で形成されたインコア105が突き当たる。
以下では、継手本体101のうち、継手本体101の端面から段113に至るまでの部分を、継手本体101の開口端という。
【0017】
継手本体101の軸方向の両端部それぞれにおける外周面には、外フランジ部101bと、雄ねじ部101cと、が形成されている。
外フランジ部101bは、継手本体101から径方向の外側に向けて突出する。外フランジ部101bは、継手本体101の外周面に、全周にわたって延びている。
雄ねじ部101cは、継手本体101の外周面のうち、外フランジ部101bよりも軸方向の外側(即ち、継手本体101の端部寄り)に位置する部分に形成されている。
【0018】
図1~
図2に示すように、キャップ102は、軸方向に段階的に外径が小さくなっている筒状である。キャップ102は、内周面に雌ねじが形成された第1筒102aと、第1筒102aよりも軸方向に沿って外側に位置する第2筒102bと、を備えている。
第1筒102aは、雄ねじ部101cに螺着する。キャップ102の内周の第1筒102aと第2筒102bとの境界に相当する部分には段差102dが設けられている。段差102dは、周方向の全周にわたって延びている。段差102dは、継手本体101において軸方向の外側を向く端面に接触又は近接する。
【0019】
第2筒102bは、第1筒102aよりも小径である。第2筒102bは、第1筒102aから軸方向の外側に延びる。
管継手100において、継手本体101とキャップ102との間には、止水部103及び固定部104を収容するための収容凹部106が形成されている。収容凹部106は、段差102dと、継手本体101において軸方向の外側を向く端面と、の間に形成されている。収容凹部106は、周方向の全周にわたって延びている。
【0020】
継手本体101は、例えば、合成樹脂材料の射出成形又は金属材料の切削加工、鋳造若しくは鍛造により形成されている。
キャップ102は、例えば、合成樹脂材料の射出成形又は金属材料の切削加工、鋳造若しくは鍛造により形成されている。
前記合成樹脂材料としては、例えば、架橋ポリエチレン、ポリブデン、塩化ビニル(PVC)、ポリサルフォン樹脂(PSU)、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリアミド樹脂(PA)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリフェニルスルホン樹脂(PPSU)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ガラス繊維強化PPS、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。また、切削加工や融着等の他の加工方法を用いてもよい。
前記金属材料としては、ステンレス鋼、低合金鋼、炭素鋼、低温用炭素鋼、低温用合金鋼、真鍮、砲金、アルミニウム合金、マグネシウム合金等、用途に応じた品質設計に基づき、任意に選択することができる。
【0021】
管継手100における軸方向の各端部には、継手本体101の端部に向かって順に、パッキン103a(シール部材)と、ベース部材103bと、抜け止めリング104a(第1の抜け止めリング)と、スペーサー104cと、抜け止めリング104b(第2の抜け止めリング)と、が設けられている。即ち、固定部104は止水部103よりも端部寄りに位置している。
パッキン103a及びベース部材103bは止水部103を構成する。止水部103によって、パイプPの内容物が管継手100から漏れ出ることを防ぐ。
抜け止めリング104a、スペーサー104c及び抜け止めリング104bは固定部104を構成する。管継手100に挿入したパイプPは、固定部104によって管継手100に固定される。
【0022】
パッキン103a(シール部材)は、継手本体101の内周面に配置されている。パッキン103aは、図示の例では1つだが、軸方向に間隔をあけて複数設けられてもよい。パッキン103aは、断面円形の環状である。パッキン103aは、周方向の全周にわたって延びている。図示の例では、パッキン103aとしてOリングが採用されている。パッキン103aの材質としては、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)、ビニルメチルシリコンゴム(VMQ)、アクリロニトリル・ブタジエンゴム(NBR)、スチレン・ブタジエンゴム(SBR)、クロロプレンゴム(CR)等のゴム材料を採用することができる。
【0023】
ベース部材103bは、パッキン103aと抜け止めリング104aとの間に配置されている。ベース部材103bは、パッキン103aと抜け止めリング104aとが接触することを規制する。ベース部材103bは、環状に形成されている。ベース部材103bは、周方向の全周にわたって延びている。ベース部材103bは、継手本体101の開口端内に嵌め込まれている。ベース部材103bは、継手本体101の内周面に設けられた段である第1段に接触している。ベース部材103bは、継手本体101の前記第1段に対して軸方向の外側から引っ掛けられている。ベース部材103bの内径は、パッキン103aの内径よりも大きい。
【0024】
抜け止めリング104a、104b(第1の抜け止めリング、第2の抜け止めリング)及びスペーサー104cは、ベース部材103bに対して軸方向の外側に配置されている。抜け止めリング104a、104b及びスペーサー104cは、継手本体101の収容凹部に配置されている。収容凹部は、前記第1段よりも軸方向の外側に位置している。抜け止めリング104a、104b及びスペーサー104cは、前記収容凹部に対して、軸方向に若干の遊びをもった状態で配置されている。抜け止めリング104a、スペーサー104c及び抜け止めリング104bは、軸方向の外側から内側に向けてこの順に並べられて配置されている。スペーサー104cは、前記収容凹部において、抜け止めリング104a及び抜け止めリング104bの間に軸方向に挟まれて配置されている。
【0025】
さらに、
図3に示すように、ベース部材103bが、パイプPを挿入する方向に沿った傾斜部200を有する。傾斜部200は、ベース部材103bのうち、軸方向の外側の面(抜け止めリング104a側の面)に設けられている。傾斜部200は、径方向の外側から内側に向かうに従い、軸方向の内側に傾斜している。これにより、パイプPを挿入した時に、抜け止めリング104aがパイプPの挿入方向に曲がりやすくなる。なお、傾斜部200は、ベース部材103bの周方向の全周にわたって設けられている。傾斜部200の外周縁は、ベース部材103bの外周縁上に位置している。抜け止めリング104aは、ベース部材103bの外周縁(傾斜部200の外周縁)と、スペーサー104cと、の間に挟まれている。さらに、
図4に示すように、ベース部材103bおよびスペーサー104cが、パイプPを挿入する方向に沿った傾斜部200、201を有してもよい。また、ベース部材103bおよびスペーサー104cのうちの少なくとも一方が、パイプPを挿入する方向に沿った傾斜部200、201を有してもよい。傾斜部201は、スペーサー104cのうち、軸方向の外側の面(抜け止めリング104b側の面)に設けられている。傾斜部201は、径方向の外側から内側に向かうに従い、軸方向の内側に傾斜している。これにより、パイプPを挿入した時に、抜け止めリング104bがパイプPの挿入方向に曲がりやすくなる。なお、傾斜部201は、スペーサー104cの周方向の全周にわたって設けられている。傾斜部201の外周縁は、スペーサー104cの外周縁上に位置している。これにより、パイプPを挿入した時に、抜け止めリング104a、104bが、パイプPの挿入方向に曲がりやすくなる。
【0026】
また、
図3、
図4に示すように、スペーサー104cは押さえ部202を備える。押さえ部202は、抜け止めリング104aを軸方向の外側から押さえる。押さえ部202は、スペーサー104cにおいて軸方向の内側(抜け止めリング104a側)を向く面である。また、キャップ102は押さえ部203を備える。押さえ部203は、抜け止めリング104bを軸方向の外側から押さえることができる。押さえ部203は、段差102dである。押さえ部203は押さえ部202よりも径方向に長く、径方向の内側(インコア105の方向)に向かって出っ張っている。
【0027】
押さえ部202、203は、挿入されたパイプPを引き抜く過程で、抜け止めリング104a、104bがパイプPとともに抜け出ようとしたときに、抜け止めリング104a、104bを押さえる。すなわち、パイプPの引き抜き時、抜け止めリング104a、104bは、それぞれの外周縁にある支点X、Yを中心として、軸方向の外側にひっくり返ろうとする。しかしながら、押さえ部202、203がパイプPを軸方向の外側から押さえることで、パイプPの引き抜き時でも抜け止めリング104a、104bの引っ繰り返りが規制される。
【0028】
さらに、
図5に示すように、傾斜部200がベース部材103bにあるとき、傾斜部200の傾斜角は、10°~30°である。傾斜角は、例えば、押さえ部202に対するベース部材103bの傾斜部200の角度である。
図5では、傾斜角を10°、20°、30°としたときの例を図示する。傾斜角が10°未満である場合、傾斜が足りないため抜け止めリング104aは曲げにくく挿入力は低減しない。また傾斜角が30°よりも大きい場合、パイプPの挿入時に抜け止めリング104aの曲げ変形が大きくなり、パイプPへの抜け止めリング104aの食い込みが浅くなるため引き抜き力に影響を及ぼす可能性がある。
【0029】
さらに、
図3、
図4、
図5に示すように、ベース部材103bは、R形状を有する。言い換えると、ベース部材103bは、凹球面部300を有する。凹球面部300は、傾斜部200に径方向の内側から連なっている。凹球面部300は、ベース部材103bの内周面の一部である。R形状を有することで、パイプP挿入時に抜け止めリング104aが変形しても、ベース部材103bに対して干渉しにくくなり、抜け止めリング104aがより曲げやすくなる。
【0030】
また、ベース部材103bは、パイプPを挿入する際にあたり、水や洗剤などと接触しやすいため、薬液による影響が少ないことが求められる。そのため、ベース部材103bはポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)などの耐薬性が強い樹脂を含んでもよい。また、ベース部材103bはガラス繊維強化ポリフェニレンサルファイド樹脂(GFPPS)を含んでもよい。PPSや、GFPPSは金属でベース部材を施工するよりも成形しやすく、コストも低い。
【0031】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、本実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
【実施例0032】
以下では実施例によって本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明は後述する実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
【0033】
実施例では、万能試験機にてパイプ挿入時の最大挿入力(パイプの挿入し易さ)を計測した。計測方法としては、テンシロン万能試験機に設置した圧縮治具の直下に管継手を設置し、管継手に対して垂直方向に直管を設置する。その後テンシロン万能試験で直管を圧縮して直管を管継手に挿入し、その時の挿入力を試験機で計測する。また、試験速度は5mm/sと設定した。なお、継手口径は呼び径13Aであるものを用いた。
【0034】
(実施例)
実施例では、ベース部材103bの傾斜部200の傾斜角をそれぞれ0°、10°、20°、30°として調整し、それぞれの傾斜角で3回ずつ計測した時の平均挿入力を計測した。このときの結果を表1に示す。
【0035】
【0036】
ベース部材103bの傾斜部200の傾斜角を0°としたとき、平均挿入力は98Nとなった。ベース部材103bの傾斜部200の傾斜角を10°としたとき、平均挿入力は95Nとなり、傾斜角0°の時に比べて挿入力は3%低減した。また、ベース部材103bの傾斜部200の傾斜角を20°としたとき、平均挿入力は90Nとなり、傾斜角0°の時に比べて挿入力は8%低減した。また、ベース部材103bの傾斜部200の傾斜角を30°としたとき、平均挿入力は86Nとなり、傾斜角0°の時に比べて挿入力は13%低減した。