IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-金型用クランプ 図1
  • 特開-金型用クランプ 図2
  • 特開-金型用クランプ 図3
  • 特開-金型用クランプ 図4
  • 特開-金型用クランプ 図5
  • 特開-金型用クランプ 図6
  • 特開-金型用クランプ 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112389
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】金型用クランプ
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/30 20060101AFI20240814BHJP
   B29C 45/26 20060101ALI20240814BHJP
   B22D 17/26 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B29C33/30
B29C45/26
B22D17/26 L
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017357
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003683
【氏名又は名称】弁理士法人桐朋
(72)【発明者】
【氏名】川内 伸郎
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202AJ02
4F202AM24
4F202AR13
4F202CA11
4F202CR03
(57)【要約】
【解決手段】金型用クランプ10は、U字状のクランプ本体24と、ボルト26と、フック28とを備える。フック28の当接部50が金型12に当接しているときに、フック28の一対のアーム46の間にボルト26が位置すると共に、フック28の連結部48は、金型12とボルト26との間に位置する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
金型を成型機のプラテンに固定するための金型用クランプであって、
前記プラテンに載置可能な基部と、前記基部から延びる一対の延在部を有し且つ一対の前記延在部で前記金型を前記プラテンの表面に押圧する押圧部と、一対の前記延在部の間に形成された切り欠きと、を有するU字状のクランプ本体と、
一対の前記延在部に当接し、前記切り欠きを貫通して前記プラテンと締結することで、前記クランプ本体を前記プラテンに固定するボルトと、
前記クランプ本体に回動可能に軸支された支持端部を有する一対のアームと、一対の前記アームの自由端部を連結する連結部と、前記連結部が前記金型の側面に向かい合うよう一対の前記アームが回動したときに、前記金型に当接する当接部と、を有するフックと、
を備え、
前記当接部が前記金型に当接しているときに、一対の前記アームの間に前記ボルトが位置し、前記連結部は、前記金型と前記ボルトとの間に位置する、金型用クランプ。
【請求項2】
請求項1記載の金型用クランプにおいて、
前記当接部は、前記連結部に設けられ、
前記連結部が前記金型の側面に向かい合うように一対の前記アームが回動したときに、前記当接部は、前記切り欠きに挿入され、前記金型の側面に当接する、金型用クランプ。
【請求項3】
請求項2記載の金型用クランプにおいて、
前記当接部のうち、前記金型の側面との当接面は、一対の前記アームの回動方向に沿って、円弧状に形成されている、金型用クランプ。
【請求項4】
請求項3記載の金型用クランプにおいて、
前記ボルトは、前記一対の延在部に当接する頭部と、前記頭部から前記切り欠きを貫通し、前記プラテンに締結される軸部と、を有し、
前記当接部は、一対の前記アームの回動方向に沿って、前記連結部を中心に円弧状に形成され、
前記当接部が前記金型の側面に当接しているときに、前記当接部の内周部における前記頭部に向かい合う角部は、前記プラテンの表面に垂直な方向において、前記頭部と、一対の前記延在部における前記頭部との接触面との間に位置する、金型用クランプ。
【請求項5】
請求項4記載の金型用クランプにおいて、
前記当接部は、前記連結部が前記金型の側面に向かい合うように一対の前記アームが回動したときに、前記連結部から前記プラテンに向かって突出する突出部を有し、
前記突出部は、前記金型の側面に当接する、金型用クランプ。
【請求項6】
請求項4記載の金型用クランプにおいて、
前記当接部が前記金型の側面に当接しているときに、前記連結部は、前記接触面と前記プラテンの表面との間に位置する、金型用クランプ。
【請求項7】
請求項4記載の金型用クランプにおいて、
前記金型は、該金型の側面から突出し、前記プラテンの表面に載置可能なフランジを有し、
前記フランジは、一対の前記延在部によって前記プラテンの表面に押圧され、
前記当接部が前記金型の側面に当接しているときに、前記プラテンの表面に沿った方向における前記角部と前記頭部との間隔は、前記金型の側面からの前記フランジの突出長よりも大きい、金型用クランプ。
【請求項8】
請求項1記載の金型用クランプにおいて、
前記クランプ本体は、
一対の前記アームの前記支持端部に連結された回動シャフトと、
前記回動シャフトを前記金型の側面に向かって押圧する弾性部材と、
を有する、金型用クランプ。
【請求項9】
請求項8記載の金型用クランプにおいて、
一対の前記アームの延在方向における前記回動シャフトの中心軸線と、前記当接部における前記金型の側面との当接面との第1の間隔は、前記プラテンの表面に沿った方向において、前記金型の側面と、前記フックが前記金型から離間しているときの前記回動シャフトの中心軸線との第2の間隔よりも大きい、金型用クランプ。
【請求項10】
請求項9記載の金型用クランプにおいて、
前記クランプ本体は、前記連結部の延在方向に沿って形成され、前記弾性部材の押圧方向に沿った幅を有し、前記回動シャフトが収容される収容孔を有し、
前記弾性部材は、
前記フックが前記金型から離間しているときには、前記回動シャフトを前記金型の側面に向かって押圧し、
一対の前記アームの回動によって前記当接部が前記金型の側面に当接したときに、前記回動シャフトが前記金型の側面から離間するように前記収容孔内を移動することに伴い、前記金型から離間するように収縮し、
前記第1の間隔は、前記第2の間隔と、前記プラテンの表面に沿った方向における前記収容孔の幅とを合算した距離よりも大きい、金型用クランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金型用クランプに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1及び2には、成型機のプラテンに金型を固定するための金型用クランプが開示されている。
【0003】
特許文献1において、金型用クランプは、クランプ本体と、ボルトとを有する。金型をプラテンに固定する場合には、金型がプラテンの表面に載置されている状態で、クランプ本体の先端部を金型のフランジに接触させる。次に、クランプ本体にボルトを挿通させ、ボルトをプラテンのボルト穴に締結させる。これにより、ボルトの軸力によって、金型のフランジがプラテンの表面に押圧され、金型がプラテンに固定される。しかしながら、特許文献1の技術では、プラテンから金型を取り外すときに、プラテンからボルトを取り外し、且つ、プラテンからクランプ本体を取り外す必要があり、手間がかかる。
【0004】
特許文献2では、クランプ本体がU字状に形成されている。クランプ本体は、基部と、基部から延在する一対の延在部とを有する。一対の延在部は、金型のフランジに接触する。ボルトは、一対の延在部の間に形成された切り欠きを挿通してプラテンと締結することで、クランプ本体をプラテンに固定する。これにより、ボルトの軸力によって、金型のフランジがプラテンの表面に押圧され、金型がプラテンに固定される。プラテンから金型を取り外すときには、ボルトを緩め、切り欠きに沿ってクランプ本体を金型から離間する方向にスライドさせる。これにより、プラテンから金型を取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4803528号公報
【特許文献2】実用新案登録第3144230号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2の技術では、切り欠きの先端が開口しているので、例えば、プラテンの表面が上下方向に配置されている場合に、ボルトを緩めたときに、切り欠きに沿ってクランプ本体が落下する。これにより、クランプ本体が破損する可能性がある。また、クランプ本体が落下して成型機の周辺に存在する装置及び部品に衝突すれば、該装置及び部品が破損する可能性がある。
【0007】
本発明は、上記した課題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の態様は、金型を成型機のプラテンに固定するための金型用クランプであって、前記金型用クランプは、前記プラテンに載置可能な基部と、前記基部から延びる一対の延在部を有し且つ一対の前記延在部で前記金型を前記プラテンの表面に押圧する押圧部と、一対の前記延在部の間に形成された切り欠きと、を有するU字状のクランプ本体と、一対の前記延在部に当接し、前記切り欠きを貫通して前記プラテンと締結することで、前記クランプ本体を前記プラテンに固定するボルトと、前記クランプ本体に回動可能に軸支された支持端部を有する一対のアームと、一対の前記アームの自由端部を連結する連結部と、前記連結部が前記金型の側面に向かい合うよう一対の前記アームが回動したときに、前記金型に当接する当接部と、を有するフックと、を備え、前記当接部が前記金型に当接しているときに、一対の前記アームの間に前記ボルトが位置し、前記連結部は、前記金型と前記ボルトとの間に位置する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、一対の延在部が金型をプラテンに押圧し、クランプ本体がボルトによってプラテンに固定されるので、金型をプラテンに適切に固定することができる。
【0010】
また、本発明によれば、当接部が金型に当接するので、金型の開閉時にフックが揺動することがない。これにより、フックが成型機の周囲に存在する装置及び部品に衝突することを防止することができる。
【0011】
さらに、本発明によれば、フックは、一対のアームと連結部とによってU字状に構成されている。また、フックの当接部が金型に当接しているときに、一対のアームの間にボルトが位置すると共に、連結部が金型とボルトとの間に位置する。そのため、例えば、プラテンの表面が上下方向に配置されている場合に、プラテンから金型を取り外すためにボルトを緩めたときに、切り欠きに沿ってクランプ本体が落下しても、連結部がボルトに引っかかるので、クランプ本体は、フックを介してボルトにぶら下がる。この結果、クランプ本体の破損と、成型機の周辺に存在する装置及び部品の破損とを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本実施形態に係る金型用クランプの側面図である。
図2図2は、金型用クランプの正面図である。
図3図3は、金型用クランプの底面図である。
図4図4は、金型用クランプの動作を示す側面図である。
図5図5は、金型用クランプの動作を示す正面図である。
図6図6は、金型用クランプの動作を示す側面図である。
図7図7A及び図7Bは、プラテンから金型用クランプを取り外す場合を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は、本実施形態に係る金型用クランプ10の側面図である。金型用クランプ10は、金型12を成型機14のプラテン16に固定するためのクランプである。なお、金型12は、例えば、樹脂インジェクション用の金型、アルミダイカスト用の金型である。成型機14は、例えば、射出成型機、ダイカスト成型機である。
【0014】
本実施形態では、プラテン16の表面18は、上下方向に配置されている。本実施形態では、金型用クランプ10を用いて、上下方向に配置されたプラテン16の表面18に金型12を固定する。
【0015】
金型12は、直方体状の金型である。金型12の側面20には、該側面20から垂直に突出するフランジ22が設けられている。金型12がプラテン16の表面18に当接すると、フランジ22がプラテン16の表面18に当接する。本実施形態では、金型用クランプ10によって、フランジ22をプラテン16の表面18に押圧することにより、金型12をプラテン16に固定する。
【0016】
金型用クランプ10は、クランプ本体24と、ボルト26と、フック28とを備える。
【0017】
クランプ本体24は、基部30と、押圧部32と、切り欠き34とを有する。
【0018】
基部30は、矩形状のブロックである。基部30は、プラテン16の表面18に載置可能である。
【0019】
押圧部32は、基部30から延びている。以下の説明では、基部30に対する押圧部32の延在方向をZ方向と呼称する。なお、金型用クランプ10の基部30がプラテン16の表面18に載置されている場合、押圧部32の延在方向(Z方向)は、プラテン16の表面18と平行な方向となる。すなわち、Z方向は、上下方向と平行な方向となる。
【0020】
図2に示すように、押圧部32は、一対の延在部36を有する。一対の延在部36は、基部30から互いに平行に延びている。一対の延在部36は、Z方向に延びている。図1に示すように、基部30がプラテン16の表面18に載置されているときに、一対の延在部36は、プラテン16の表面18に沿って平行に延びている(図2参照)。一対の延在部36の先端は、金型12の側面20に当接可能である。一対の延在部36において、プラテン16と向かい合う側面は、金型12のフランジ22に接触可能である。一対の延在部36は、一対の延在部36の先端が金型12の側面20に当接しているときに、金型12をプラテン16の表面18に押圧可能である。
【0021】
図2に示すように、切り欠き34は、一対の延在部36の間に形成されている。切り欠き34は、一対の延在部36に沿って形成されている。切り欠き34の先端は、クランプ本体24の先端で開口している。従って、クランプ本体24(押圧部32)は、U字状に構成されている。
【0022】
以下の説明では、Z方向に直交し、且つ、一対の延在部36が離間する方向をX方向と呼称する。また、Z方向及びX方向と直交する方向をY方向と呼称する。図1に示すように、金型用クランプ10の基部30がプラテン16の表面18に載置されている場合、Y方向は、プラテン16の表面18と直交する方向となる。
【0023】
ボルト26は、一対の延在部36に接触する。ボルト26は、切り欠き34(図2参照)を貫通してプラテン16と締結することで、クランプ本体24をプラテン16に固定する。
【0024】
詳しくは、ボルト26は、頭部38と、軸部40とを有する。頭部38は、一対の延在部36の側面のうち、プラテン16の表面18から離れた側面(Y方向に離れた側面である接触面42)に接触する。軸部40は、頭部38から直線状に延びるネジ部である。軸部40は、頭部38から切り欠き34を挿通して、Y方向に延びている。軸部40は、プラテン16に設けられたネジ穴44に締結される。
【0025】
フック28は、一対のアーム46と、連結部48と、当接部50とを有する。
【0026】
一対のアーム46の各々は、棒状部材である。一対のアーム46の各々は、支持端部52と自由端部54とを有する。支持端部52は、クランプ本体24の基部30に回動可能に軸支されている。図2に示すように、一対のアーム46のうち、一方のアーム46は、基部30の側部のうち、一方の延在部36に連なる側部に軸支されている。他方のアーム46は、基部30の側部のうち、他方の延在部36に連なる側部に軸支されている。つまり、一対のアーム46の支持端部52は、基部30を挟んで、互いに向かい合うように、該基部30に軸支されている。一対のアーム46は、支持端部52を中心に、フック28が金型12の側面20からZ方向に離間した位置(図1及び図2に示すフック28の位置)と、フック28が金型12の側面20と向かい合う位置(図4及び図5に示すフック28の位置)との間で回動可能である。
【0027】
図2に示すように、連結部48は、一対のアーム46の自由端部54をX方向に連結する。連結部48は、一対のアーム46の自由端部54を連結する棒状部である。上記のように、一対のアーム46が回動するため、連結部48は、フック28が金型12の側面20から離間した位置(図1及び図2参照)と、フック28が金型12の側面20と向かい合う位置(図4及び図5参照)との間で回動可能である。
【0028】
当接部50は、連結部48と金型12の側面20とが向かい合うように一対のアーム46が回動したときに、金型12の側面20に当接する。具体的には、当接部50は、連結部48に設けられている。より詳しくは、図2に示すように、当接部50は、X方向における連結部48の中央部に設けられている。図5に示すように、連結部48と金型12の側面20とが向かい合うように一対のアーム46が回動したときに、当接部50は、切り欠き34に挿入される。このときに、当接部50は、金型12の側面20に当接可能である(図4参照)。
【0029】
なお、当接部50は、金型12の側面20と当接可能にフック28に設けられていればよい。そのため、当接部50は、フック28における連結部48以外の部分に設けられてもよい。例えば、一対のアーム46のうち、いずれか一方のアーム46の自由端部54に設けられてもよい。
【0030】
図5に示すように、当接部50が金型12の側面20に当接しているときに、ボルト26は、一対のアーム46の間に位置する。このときに、連結部48は、金型12とボルト26との間に位置する(図4参照)。
【0031】
当接部50の形状について、より詳しく説明する。図1に示すように、当接部50は、一対のアーム46の回動方向に沿って、円弧状に形成されている。当接部50は、連結部48を中心として、一対のアーム46の回動方向に沿って、円弧状に形成されている。そのため、当接部50は、回動方向に直交する径方向に所定の厚みを有する。当接部50のうち、金型12の側面20との当接面56(当接部50の外面)は、一対のアーム46の回動方向に沿って、円弧状に形成されている。なお、図3に示すように、連結部48と当接部50とは、互いに直交している。従って、図3に示す底面視で、連結部48と当接部50とは、十字状に形成されている。
【0032】
なお、当接部50は、少なくとも、金型12の側面20との当接面56が円弧状に形成されていればよい。従って、当接部50の背面(当接部50の内周側)は、円弧状でなくてもよい。
【0033】
図4に示すように、当接部50が金型12の側面20に当接しているときに、当接部50の内周部における頭部38と向かい合う角部58は、Y方向において、頭部38と、一対の延在部36の側面のうち、頭部38との接触面42(プラテン16の表面18から離間した側面)との間に位置している。
【0034】
すなわち、Y方向において、プラテン16の表面18と当接部50の角部58との距離をFとする。Y方向において、プラテン16の表面18とボルト26の頭部38との距離をGとする。Y方向において、プラテン16の表面18と一対の延在部36の接触面42との距離をDとする。このときに、D<F<Gであることが望ましい。
【0035】
当接部50は、連結部48が金型12の側面20に向かい合うように一対のアーム46が回動したときに、連結部48からプラテン16に向かって突出する突出部60を有する。突出部60は、金型12の側面20に当接する。突出部60が金型12の側面20に当接しているときに、連結部48は、一対の延在部36の接触面42とプラテン16の表面18との間に位置する。すなわち、当接部50が金型12の側面20に当接しているときに、Y方向において、プラテン16の表面18と連結部48との距離をCとすると、C<Dであることが望ましい。
【0036】
図2に示すように、クランプ本体24は、回動シャフト62と、弾性部材64とをさらに有する。
【0037】
具体的には、基部30の内部には、収容孔66が形成されている。収容孔66は、基部30をX方向に貫通している。回動シャフト62は、収容孔66の内部でX方向に配置されている。図1に示すように、収容孔66は、一対の延在部36の延在方向に沿って形成されている。Z方向における収容孔66の幅Jは、回動シャフト62の直径よりも大きい。そのため、回動シャフト62は、収容孔66の内部でZ方向に移動可能である。図2に示すように、回動シャフト62は、2つの連結ボルト68を介して、一対のアーム46の支持端部52と連結されている。これにより、一対のアーム46の支持端部52は、2つの連結ボルト68を介して、回動シャフト62の両端に固定される。
【0038】
なお、Y方向におけるプラテン16の表面18と収容孔66との間隔Kは、適宜変更してもよい。また、収容孔66の延在方向は、一対の延在部36の延在方向に限定されない。例えば、一対の延在部36の延在方向に対して収容孔66を斜め方向に形成してもよい。
【0039】
基部30の内部において、収容孔66の中央部には、連通孔70が連通している。連通孔70は、切り欠き34から離間するように、収容孔66からZ方向に延びている。連通孔70は、蓋部材72によって閉塞されている。連通孔70には、弾性部材64が配置されている。弾性部材64は、蓋部材72と回動シャフト62との間で、Z方向に沿って配置されている。弾性部材64は、回動シャフト62を金型12の側面20に向かって押圧する弾性力を有する。なお、弾性部材64は、例えば、バネ部材である。
【0040】
図1に示すように、一対のアーム46の延在方向における回動シャフト62の中心軸線74と、当接部50における金型12の側面20との当接面56との間隔(第1の間隔)をIとする。また、Z方向において、金型12の側面20と、フック28が金型12の側面20から離間しているときの回動シャフト62の中心軸線74との間隔(第2の間隔)をHとする。このときに、I>Hであることが望ましい。
【0041】
図1及び図2に示すように、弾性部材64は、フック28が金型12から離間しているときには、弾性力によって、回動シャフト62を金型12の側面20に向かって押圧する。これにより、回動シャフト62は、弾性部材64の弾性力によって、収容孔66内で金型12の側面20に向かって移動する。回動シャフト62は、2つの連結ボルト68を介して一対のアーム46の支持端部52に連結されている。そのため、フック28が金型12から離間しているときには、一対のアーム46の支持端部52は、金型12の側面20に向かって移動する。
【0042】
また、I>Hであるため、図4及び図5に示すように、一対のアーム46の回動によって当接部50が金型12の側面20に当接したときに、回動シャフト62は、収容孔66の内部で金型12から離間するようにZ方向に移動する。これにより、弾性部材64は、弾性力に抗して、金型12から離間するようにZ方向に収縮する。また、I>H+Jであることが望ましい。
【0043】
当接部50が金型12の側面20に当接しているときに、Z方向において、当接部50の内周部における頭部38と向かい合う角部58と、ボルト26の頭部38との距離をAとする。また、Z方向において、金型12の側面20からのフランジ22の突出長をBとする。このときに、A>Bであることが望ましい。
【0044】
本実施形態の金型用クランプ10は、以下のように使用される。
【0045】
先ず、プラテン16に金型12を固定するための手順について説明する。
【0046】
上記のように、本実施形態では、成型機14のプラテン16の表面18が上下方向に配置されている。金型12は、プラテン16の表面18に当接している。そこで、図6に示すように、金型用クランプ10のクランプ本体24をプラテン16の表面18に載置する。このときに、クランプ本体24の基部30をプラテン16の表面18に載置する。また、一対の延在部36を金型12のフランジ22に接触させた状態で、一対の延在部36の先端を金型12の側面20に当接させる。このときに、フック28は、金型12の側面20から下方で、且つ、基部30よりも下方に位置する。また、弾性部材64は、弾性力によって、回動シャフト62を収容孔66で金型12の側面20に向かって押圧する。従って、回動シャフト62は、収容孔66内の先端に位置している。
【0047】
次に、図1に示すように、ボルト26の軸部40を切り欠き34に挿通し、軸部40をプラテン16のネジ穴44に締結させる。このときに、ボルト26の頭部38が一対の延在部36に接触するまで、ボルト26を回す。これにより、金型用クランプ10がプラテン16に固定される。また、ボルト26の軸力によって、一対の延在部36が金型12のフランジ22をプラテン16の表面18に押圧する。この結果、金型12が金型用クランプ10によってプラテン16に固定される。
【0048】
次に、ユーザは、一対のアーム46の支持端部52を中心に、フック28を図1及び図2に示す金型12から離間する位置から、図4及び図5に示す金型12と向かい合う位置にまで回動させる。これにより、当接部50は、切り欠き34に挿入されると共に、該当接部50の当接面56が金型12の側面20に当接する。このときに、一対のアーム46の間にボルト26が位置し、連結部48が金型12とボルト26との間に位置する。
【0049】
また、I>H+Jであるため、フック28が回動し、当接部50が金型12の側面20に当接すると、回動シャフト62が移動する。これにより、弾性部材64は、弾性力に抗して収縮する。
【0050】
次に、プラテン16から金型12を取り外すための手順について説明する。
【0051】
先ず、ユーザは、ボルト26を緩める。ボルト26が挿通する切り欠き34は、先端が開口している。そのため、ボルト26を緩めると、クランプ本体24は、ボルト26による締結力から解放され、下方に落下する。
【0052】
このときに、一対のアーム46の間にボルト26が位置し、連結部48が金型12とボルト26との間に位置している。また、連結部48の中央部に当接部50が設けられている。これにより、図7Aに示すように、クランプ本体24が落下したときに、当接部50のボルト26と向かい合う角部58がボルト26の頭部38に当接する。その後、図7Bに示すように、フック28は、ボルト26の軸部40に移動し、ボルト26にぶら下がる。
【0053】
ボルト26を緩めることで、金型12もボルト26の軸力による押圧力から解放される。従って、ユーザは、プラテン16から金型12を取り外すことができる。
【0054】
次に、ユーザは、クランプ本体24を上方に持ち上げる。これにより、当接部50は、ボルト26の軸部40から上方に持ち上がる。
【0055】
次に、ユーザは、一対のアーム46を持ち、回動シャフト62(図5参照)を中心に、一対のアーム46を図7Bの時計方向(プラテン16から離間する方向)に回動させる。これにより、当接部50は、ボルト26の頭部38よりもプラテン16から離間する。従って、ユーザは、クランプ本体24及びフック28をボルト26からそのまま取り外すことができる。
【0056】
次に、ユーザは、ボルト26をさらに緩めることで、ボルト26をプラテン16から取り外す。
【0057】
なお、フランジ22は、金型12の側面20から突出して形成されている。そのため、金型12をプラテン16に固定する場合には、金型12の外周に沿って、一定の間隔で、複数の金型用クランプ10により、フランジ22をプラテン16の表面18に固定する。
【0058】
また、上記の説明では、プラテン16の表面18が上下方向に配置されているときに、金型12の下方から金型用クランプ10で該金型12をプラテン16に固定する場合について説明した。本実施形態に係る金型用クランプ10は、金型12の上方から該金型12をプラテン16に固定する場合にも適用可能である。
【0059】
さらに、プラテン16の表面18が上下方向以外の方向に配置されてもよい。例えば、プラテン16の表面18が水平方向に配置されてもよい。このときに、金型用クランプ10は、水平方向に配置されたプラテン16の表面18に配置される。なお、プラテン16の表面18が水平方向に配置される場合、プラテン16の表面18が上向きに配置される場合と、プラテン16の表面18が下向きに配置される場合とがある。いずれの場合でも、プラテン16の表面18に配置された金型12を金型用クランプ10で固定することができる。また、プラテン16の表面18が水平方向に配置される場合、金型12は、直方体以外の形状であってもよい。プラテン16の表面18が水平方向に配置される場合、例えば、円筒状の金型12をプラテン16の表面18に配置してもよい。
【0060】
また、金型用クランプ10では、複数の弾性部材64を用いて回動シャフト62を金型12の側面20に向かって押圧してもよい。
【0061】
本実施形態は、以下の効果を有する。
【0062】
図4及び図5に示すように、一対の延在部36が金型12をプラテン16に押圧し、クランプ本体24がボルト26によってプラテン16に固定されるので、金型12をプラテン16に適切に固定することができる。また、プラテン16への金型12の取り付け作業にかかる時間及び工数を削減することができる。
【0063】
当接部50が金型12に当接するので、金型12の開閉時にフック28が揺動することがない。これにより、フック28が成型機14の周囲に存在する装置及び部品に衝突することを防止することができる。
【0064】
図2に示すように、フック28は、一対のアーム46と連結部48とによってU字状に構成されている。また、図4及び図5に示すように、フック28の当接部50が金型12に当接しているときに、一対のアーム46の間にボルト26が位置すると共に、連結部48が金型12とボルト26との間に位置する。そのため、プラテン16の表面18が上下方向に配置されている場合に、プラテン16から金型12を取り外すためにボルト26を緩めたときに、切り欠き34に沿ってクランプ本体24が落下しても、図7A及び図7Bに示すように、連結部48がボルト26に引っかかるので、クランプ本体24は、フック28を介してボルト26にぶら下がる。この結果、クランプ本体24の破損と、成型機14の周辺に存在する装置及び部品の破損とを防止することができる。
【0065】
図5に示すように、一対のアーム46が回動し、連結部48に設けられた当接部50が切り欠き34に挿入されるので、当接部50を金型12の側面20に確実に当接させることができる。
【0066】
図4に示すように、当接部50における金型12の側面20との当接面56が一対のアーム46の回動方向に沿って円弧状に形成されているので、金型12を傷つけることなく、当接部50を金型12の側面20に当接させることができる。
【0067】
当接部50が金型12の側面20に当接しているときに、当接部50の内周部における頭部38に向かい合う角部58が、プラテン16の表面18に垂直な方向(Y方向)において、頭部38と、一対の延在部36における頭部38との接触面42との間に位置する。これにより、プラテン16から金型12を取り外すためにボルト26を緩めたときに、フック28の当接部50がボルト26の頭部38に当たり(図7A参照)、その後、フック28は、軸部40に向かって移動する(図7B参照)。この結果、フック28が確実にボルト26に引っ掛かる。
【0068】
図4に示すように、連結部48が金型12の側面20に向かい合うように一対のアーム46が回動したときに、連結部48からプラテン16に向かって突出する突出部60が金型12の側面20に当接する。これにより、当接部50を金型12の側面20に確実に押圧することができる。
【0069】
当接部50が金型12の側面20に当接しているときに、連結部48が接触面42とプラテン16の表面18との間に位置するので、プラテン16から金型12を取り外すためにボルト26を緩めたときに、連結部48が確実にボルト26に引っ掛かる。
【0070】
当接部50が金型12の側面20に当接しているときに、プラテン16の表面18に沿った方向(Z方向)における角部58と頭部38との間隔Aが、金型12の側面20からのフランジ22の突出長Bよりも大きい。これにより、プラテン16から金型12を取り外すためにボルト26を緩めたときに、連結部48がボルト26に当たることで(図7A及び図7B参照)、クランプ本体24が金型12及びプラテン16から外れていることを容易に確認することができる。
【0071】
図2及び図5に示すように、弾性部材64が回動シャフト62を金型12の側面20に向かって押圧するので、連結部48が金型12の側面20に向かい合うように一対のアーム46が回動したときに、当接部50を金型12の側面20に確実に当接させることができる。
【0072】
図1及び図4に示すように、間隔Iが間隔Hよりも大きいので、連結部48が金型12の側面20に向かい合うよう一対のアーム46が回動したときに、弾性部材64の弾性力によって、当接部50を金型12の側面20に確実に当接させることができる。
【0073】
間隔Iが間隔Hと収容孔66の幅Jとを合算した距離よりも大きいので、弾性部材64の弾性力によって、当接部50を金型12の側面20に確実に当接させることができる。
【0074】
上述した開示に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0075】
(付記1)
金型(12)を成型機(14)のプラテン(16)に固定するための金型用クランプ(10)であって、前記プラテンに載置可能な基部(30)と、前記基部から延びる一対の延在部(36)を有し且つ一対の前記延在部で前記金型を前記プラテンの表面(18)に押圧する押圧部(32)と、一対の前記延在部の間に形成された切り欠き(34)と、を有するU字状のクランプ本体(24)と、一対の前記延在部に当接し、前記切り欠きを貫通して前記プラテンと締結することで、前記クランプ本体を前記プラテンに固定するボルト(26)と、前記クランプ本体に回動可能に軸支された支持端部(52)を有する一対のアーム(46)と、一対の前記アームの自由端部(54)を連結する連結部(48)と、前記連結部が前記金型の側面(20)に向かい合うよう一対の前記アームが回動したときに、前記金型に当接する当接部(50)と、を有するフック(28)と、を備え、前記当接部が前記金型に当接しているときに、一対の前記アームの間に前記ボルトが位置し、前記連結部は、前記金型と前記ボルトとの間に位置する。
【0076】
このような構成によれば、一対の延在部が金型をプラテンに押圧し、クランプ本体がボルトによってプラテンに固定されるので、金型をプラテンに適切に固定することができる。
【0077】
当接部が金型に当接するので、金型の開閉時にフックが揺動することがない。これにより、フックが成型機の周囲に存在する装置及び部品に衝突することを防止することができる。また、プラテンへの金型の取り付け作業にかかる時間及び工数を削減することができる。
【0078】
フックは、一対のアームと連結部とによってU字状に構成されている。また、フックの当接部が金型に当接しているときに、一対のアームの間にボルトが位置すると共に、連結部が金型とボルトとの間に位置する。そのため、例えば、プラテンの表面が上下方向に配置されている場合に、プラテンから金型を取り外すためにボルトを緩めたときに、切り欠きに沿ってクランプ本体が落下しても、連結部がボルトに引っかかるので、クランプ本体は、フックを介してボルトにぶら下がる。この結果、クランプ本体の破損と、成型機の周辺に存在する装置及び部品の破損とを防止することができる。
【0079】
(付記2)
付記1に記載の金型用クランプにおいて、前記当接部は、前記連結部に設けられ、前記連結部が前記金型の側面に向かい合うように一対の前記アームが回動したときに、前記当接部は、前記切り欠きに挿入され、前記金型の側面に当接してもよい。
【0080】
このような構成によれば、一対のアームが回動し、連結部に設けられた当接部が切り欠きに挿入されるので、当接部を金型の側面に確実に当接させることができる。
【0081】
(付記3)
付記2に記載の金型用クランプにおいて、前記当接部のうち、前記金型の側面との当接面(56)は、一対の前記アームの回動方向に沿って、円弧状に形成されてもよい。
【0082】
このような構成によれば、当接部における金型の側面との当接面が一対のアームの回動方向に沿って円弧状に形成されているので、金型を傷つけることなく、当接部を金型の側面に当接させることができる。
【0083】
(付記4)
付記3に記載の金型用クランプにおいて、前記ボルトは、前記一対の延在部に当接する頭部(38)と、前記頭部から前記切り欠きを貫通し、前記プラテンに締結される軸部(40)と、を有し、前記当接部は、一対の前記アームの回動方向に沿って、前記連結部を中心に円弧状に形成され、前記当接部が前記金型の側面に当接しているときに、前記当接部の内周部における前記頭部に向かい合う角部(58)は、前記プラテンの表面に垂直な方向において、前記頭部と、一対の前記延在部における前記頭部との接触面(42)との間に位置してもよい。
【0084】
このような構成によれば、当接部が金型の側面に当接しているときに、当接部の内周部における頭部に向かい合う角部が、プラテンの表面に垂直な方向において、頭部と、一対の延在部における頭部との接触面との間に位置する。これにより、プラテンから金型を取り外すためにボルトを緩めたときに、フックの当接部がボルトの頭部に当たり、その後、フックは、軸部に向かって移動する。この結果、フックが確実にボルトに引っ掛かる。
【0085】
(付記5)
付記4に記載の金型用クランプにおいて、前記当接部は、前記連結部が前記金型の側面に向かい合うように一対の前記アームが回動したときに、前記連結部から前記プラテンに向かって突出する突出部(60)を有し、前記突出部は、前記金型の側面に当接してもよい。
【0086】
このような構成によれば、連結部が金型の側面に向かい合うように一対のアームが回動したときに、連結部からプラテンに向かって突出する突出部が金型の側面に当接する。これにより、当接部を金型の側面に確実に押圧することができる。
【0087】
(付記6)
付記4又は5に記載の金型用クランプにおいて、前記当接部が前記金型の側面に当接しているときに、前記連結部は、前記接触面と前記プラテンの表面との間に位置してもよい。
【0088】
このような構成によれば、当接部が金型の側面に当接しているときに、連結部が接触面とプラテンの表面との間に位置するので、プラテンから金型を取り外すためにボルトを緩めたときに、連結部が確実にボルトに引っ掛かる。
【0089】
(付記7)
付記4~6のいずれかに記載の金型用クランプにおいて、前記金型は、該金型の側面から突出し、前記プラテンの表面に載置可能なフランジ(22)を有し、前記フランジは、一対の前記延在部によって前記プラテンの表面に押圧され、前記当接部が前記金型の側面に当接しているときに、前記プラテンの表面に沿った方向における前記角部と前記頭部との間隔(A)は、前記金型の側面からの前記フランジの突出長(B)よりも大きくてもよい。
【0090】
このような構成によれば、当接部が金型の側面に当接しているときに、プラテンの表面に沿った方向における角部と頭部との間隔が、金型の側面からのフランジの突出長よりも大きい。これにより、プラテンから金型を取り外すためにボルトを緩めたときに、連結部がボルトに当たることで、クランプ本体が金型及びプラテンから外れていることを容易に確認することができる。
【0091】
(付記8)
付記1~7のいずれかに記載の金型用クランプにおいて、前記クランプ本体は、一対の前記アームの前記支持端部に連結された回動シャフト(62)と、前記回動シャフトを前記金型の側面に向かって押圧する弾性部材(64)と、を有してもよい。
【0092】
このような構成によれば、弾性部材が回動シャフトを金型の側面に向かって押圧するので、連結部が金型の側面に向かい合うように一対のアームが回動したときに、当接部を金型の側面に確実に当接させることができる。
【0093】
(付記9)
付記8に記載の金型用クランプにおいて、一対の前記アームの延在方向における前記回動シャフトの中心軸線(74)と、前記当接部における前記金型の側面との当接面との第1の間隔(I)は、前記プラテンの表面に沿った方向において、前記金型の側面と、前記フックが前記金型から離間しているときの前記回動シャフトの中心軸線との第2の間隔(H)よりも大きくてもよい。
【0094】
このような構成によれば、第1の間隔が第2の間隔よりも大きいので、連結部が金型の側面に向かい合うよう一対のアームが回動したときに、弾性部材の弾性力によって、当接部を金型の側面に確実に当接させることができる。
【0095】
(付記10)
付記9に記載の金型用クランプにおいて、前記クランプ本体は、前記連結部の延在方向に沿って形成され、前記弾性部材の押圧方向に沿った幅を有し、前記回動シャフトが収容される収容孔(66)を有し、前記弾性部材は、前記フックが前記金型から離間しているときには、前記回動シャフトを前記金型の側面に向かって押圧し、一対の前記アームの回動によって前記当接部が前記金型の側面に当接したときに、前記回動シャフトが前記金型の側面から離間するように前記収容孔内を移動することに伴い、前記金型から離間するように収縮し、前記第1の間隔は、前記第2の間隔と、前記プラテンの表面に沿った方向における前記収容孔の幅(J)とを合算した距離よりも大きくてもよい。
【0096】
このような構成によれば、第1の間隔が第2の間隔と収容孔の幅とを合算した距離よりも大きいので、弾性部材の弾性力によって、当接部を金型の側面に確実に当接させることができる。
【0097】
なお、本発明は、上述した開示に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得る。
【符号の説明】
【0098】
10…金型用クランプ
12…金型
14…成型機
16…プラテン
18…表面
20…側面
24…クランプ本体
26…ボルト
28…フック
30…基部
32…押圧部
34…切り欠き
36…延在部
46…アーム
48…連結部
50…当接部
52…支持端部
54…自由端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7