(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112409
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】プレフィルドシリンジ
(51)【国際特許分類】
A61M 5/28 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
A61M5/28
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017383
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】521011259
【氏名又は名称】保田 和則
(71)【出願人】
【識別番号】523044541
【氏名又は名称】平川 太基
(71)【出願人】
【識別番号】523044552
【氏名又は名称】天野 克海
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】保田 和則
(72)【発明者】
【氏名】平川 太基
(72)【発明者】
【氏名】天野 克海
【テーマコード(参考)】
4C066
【Fターム(参考)】
4C066AA09
4C066BB01
4C066CC01
4C066DD08
4C066EE06
4C066FF05
(57)【要約】
【課題】第1液及び第2液を順次投与できるプレフィルドシリンジを簡単な構成により実現する。
【解決手段】先端にノズル部21を有するバレル2と、バレル2内を摺動可能であり、互いに離れて設けられた先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4と、バレル2内において先端側ガスケット3の前側の前室S1に収容された第1液L1と、バレル2内において先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4の間の後室S2に収容された第2液L2と、ノズル部21に向かって移動する先端側ガスケット3に接触し、先端側ガスケット3をバレル2に対して傾斜させ、先端側ガスケット3とバレル2の内側周面との間に第2液L2を通過させるバイパス流路Rを形成させる突起部10とを備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端にノズル部を有するバレルと、
前記バレル内を摺動可能であり、互いに離れて設けられた先端側ガスケット及び後端側ガスケットと、
前記バレル内において前記先端側ガスケットの前側の前室に収容された第1液と、
前記バレル内において前記先端側ガスケット及び前記後端側ガスケットの間の後室に収容された第2液と、
前記ノズル部に向かって移動する前記先端側ガスケットに接触し、前記先端側ガスケットを前記バレルに対して傾斜させ、前記先端側ガスケットと前記バレルの内側周面との間に前記第2液を通過させるバイパス流路を形成させる1又は複数の突起部とを備える、プレフィルドシリンジ。
【請求項2】
前記1又は複数の突起部は、前記バレルの内側周面に沿って周方向の半周以下の範囲内に設けられている、請求項1に記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項3】
前記1又は複数の突起部は、前記バレルの中心軸から視て前記バレルの内側周面から突出した形状が部分円筒形状をなしている、請求項1又は2に記載のプレフィルドシリンジ。
【請求項4】
前記バレルの内側周面において、前記バレルの中心軸に対して前記1又は複数の突起部とは反対側に軸方向に沿って溝が形成されている、請求項2に記載のプレフィルドシリンジ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、第1液及び第2液が予め充填されたプレフィルドシリンジに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、製造段階でシリンジに1つの薬液を充填・封入した使い捨てタイプのプレフィルドシリンジが開発されている。このプレフィルドシリンジを用いることにより、医療現場での薬液充填が不要となり、投与までの準備を迅速に行うことができる。
【0003】
一方、医療現場では、例えば生理食塩水とヘパリンという異なった薬剤を決まった順序で投与する手技がある。この手技において上記のプレフィルドシリンジを用いた場合には、2種類のプレフィルドシリンジを用いることになる。そうすると、薬剤毎にシリンジの付け外しを行わなければならず、針刺し事故、感染や不潔等のリスクが高まってしまう。
【0004】
ここで、特許文献1に示すように、第1薬液と第2薬液を順次投与するプレフィルドシリンジが考えられている。このプレフィルドシリンジは、バレル内に設けられたエンドストッパ(後端側ガスケット)とミドルストッパ(先端側ガスケット)により、バレル内を前室と後室に分離している。バレルの前端部の内側周面には、等角度間隔で放射状に延びる3対のバイパス用凸条が形成されている。そして、プランジャによりエンドストッパを先端側に押すと、第2薬剤とともにミドルストッパ及び第1薬剤が押されて第1薬剤が外部に流出する。また、ミドルストッパは、3対のバイパス用凸条により外周面が変形されてバイパス流路が形成され、このバイパス流路を介して第2薬剤が外部に流出する。
【0005】
しかしながら、ミドルストッパの外周面を径方向内側に変形させて、当該変形部分によりバイパス流路を形成する構成であり、バイパス流路の流路断面積を充分に大きくして第2薬剤の投与を確実にするためには、バイパス用凸条の数を増やしたり、バイパス用凸条のサイズを大きくしたりする必要がある。そうすると、ミドルストッパの摺動抵抗が大きくなり、エンドストッパを押すために必要な力が大きくなり、押しにくくなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、第1液及び第2液を決められた順序で投与するプレフィルドシリンジにおいて、第2液の投与を簡単かつ確実に行うことを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
すなわち、本発明に係るプレフィルドシリンジは、先端にノズル部を有するバレルと、前記バレル内を摺動可能であり、互いに離れて設けられた先端側ガスケット及び後端側ガスケットと、前記バレル内において前記先端側ガスケットの前側の前室に収容された第1液と、前記バレル内において前記先端側ガスケット及び前記後端側ガスケットの間の後室に収容された第2液と、前記ノズル部に向かって移動する前記先端側ガスケットに接触し、前記先端側ガスケットを前記バレルに対して傾斜させ、前記先端側ガスケットと前記バレルの内側周面との間に前記第2液を通過させるバイパス流路を形成させる1又は複数の突起部とを備えることを特徴とする。
【0009】
このプレフィルドシリンジであれば、突起部がノズル部に向かって移動する先端側ガスケットに接触し、先端側ガスケットをバレルに対して傾斜することで、先端側ガスケットとバレルの内側周面との間に第2液を通過させるバイパス流路が形成されるので、先端側ガスケット及び後端側ガスケットをノズル部に向かって移動させることで、第1液及び第2液を決められた順序で投与することができる。
特に本発明では、先端側ガスケットを変形させつつバレルに対して傾斜させる構成であるので、従来のようにガスケットの外周面を径方向内側に変形させるだけで通路を形成する構成に比べて、第2液を通過させるバイパス流路を簡単に形成することができ、また、その流路を大きくすることができる。
このような本発明によれば、医療現場でのプレフィルドシリンジの操作が簡便かつ円滑となり、不潔リスクを最小限に抑えることができる。特に円滑な治療が重要とされる外来診療、準備環境や衛生環境が整っておらず、また、時間的制約がある訪問医療、或いは、感染症治療等に対して、より質の高い医療を提供することができる。
【0010】
先端側ガスケットをバレルに対して傾斜させやすくするためには、前記1又は複数の突起部は、前記バレルの内側周面に沿って周方向の半周以下の範囲内に設けられていることが望ましい。
この構成であれば、突起部が設けられていない側(バレルの中心軸に対して突起部とは反対側)に確実に第2液を通過させるバイパス流路を形成することができる。
【0011】
1又は複数の突起部の具体的な実施の態様としては、前記バレルの中心軸から視て前記バレルの内側周面から突出した形状が部分円筒形状をなしていることが望ましい。
この構成であれば、先端側ガスケットと突起部との接触部分を大きくすることができ、先端側ガスケットをバレルに対して傾斜させやすくすることができる。
【0012】
そして、突起部が設けられていない側(軸方向に対して突起部とは反対側)に形成されたバイパス流路において第2液が通過しやすくするためには、前記バレルの内側周面において、前記バレルの中心軸に対して前記突起部とは反対側に軸方向に沿って溝が形成されていることが望ましい。
【0013】
本発明のプレフィルドシリンジにおいて部品点数を削減するとともに人体に対する安全性を向上するためには、前記突起部は、前記バレルに一体形成されていることが考えられる。
【発明の効果】
【0014】
このように構成した本発明によれば、第1液及び第2液を決められた順序で投与できるプレフィルドシリンジを簡単な構成により実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の一実施形態に係るプレフィルドシリンジの構成を模式的に示す断面図である。
【
図2】同実施形態の(a)バレルの軸方向から視た図及び(b)A-A線断面図である。
【
図3】同実施形態の先端側ガスケットが傾斜した状態を示す模式図である。
【
図4】同実施形態の第1液及び第2液の順次投与における各状態を示す図である。
【
図5】変形実施形態の突起部の構成を示す模式図である。
【
図6】変形実施形態の(a)バレルの軸方向から視た図及び(b)B-B線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係るプレフィルドシリンジの一実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下に示すいずれの図についても、わかりやすくするために、適宜省略し又は誇張して模式的に描かれている。同一の構成要素については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
【0017】
<プレフィルドシリンジ100の基本構成>
本実施形態のプレフィルドシリンジ100は、
図1に示すように、第1液L1及び第2液L2が予め充填されており、当該第1液L1及び第2液L2が決められた順序で投与できるものである。
【0018】
ここで、第1液L1及び第2液L2は、医療分野によって適宜選択される。血液透析分野では、例えば第1液を生理食塩水とし、第2液をヘパリンとすることができる。また、点滴を落としながら薬剤を点滴回路の側管から注入するような治療であれば、例えば第1液をファモチヂンとし、第2液を生理食塩水とすることができ、ファモチヂンを投与した直後に側管の残液を生理食塩水で押し流すことができる。
【0019】
具体的にプレフィルドシリンジ100は、
図1に示すように、バレル2と、先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4と、第1液L1と、第2液L2と、プランジャ5とを備えるものである。
【0020】
バレル2は、円筒状をなすものであり、先端にノズル部21を有するとともに、後端に開口部22を有している。ノズル部21は、バレル2の先端壁2aに設けられており、使用前はキャップ6により封止されている。また、開口部22には、プランジャ5を操作する際に指が引っ掛けられるフランジ部23が形成されている。なお、バレル2は、例えばポリプロピレン等の樹脂性のものである。
【0021】
先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4は、バレル2内を摺動可能であり、バレル2の軸方向において互いに離れて設けられている。先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4は、ゴム、熱可塑性エラストマー等の弾性材料により形成されている。また、先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4は、概略回転体形状をなすものであり、例えば、その外側周面に複数の環状リブが軸方向に並んで形成されている。
【0022】
この先端側ガスケット3の前側に形成されるノズル部21と連通する空間が、第1液L1が収容される前室S1となる。また、先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4の間に形成される空間が、第2液L2が収容される後室S2となる。
【0023】
プランジャ5は、バレル2の開口部22からバレル2内に挿し込まれて、後端側ガスケット4をノズル部21に向かって押圧するためのものである。このプランジャ5による後端側ガスケット4をノズル部21に向かって押圧すると、後端側ガスケット4だけでなく、第2液L2を介して先端側ガスケット3もノズル部に向かって移動する。なお、プランジャ5は、後端側ガスケット4に接続されて一体をなすものであっても良い。また、プランジャ5は、例えばポリプロピレン等の樹脂性のものである。
【0024】
<プレフィルドシリンジ100の特徴構成>
そして、本実施形態のプレフィルドシリンジ100は、
図1~
図3に示すように、先端側ガスケット3を変形させつつバレル2に対して傾斜させる突起部10を有している。
【0025】
この突起部10は、ノズル部21に向かって移動する先端側ガスケット3に接触して先端側ガスケット3を変形させつつバレル2に対して傾斜させ、先端側ガスケット3とバレル2の内側周面との間に第2液L2を通過させるバイパス流路Rを形成させるものである(
図3参照)。本実施形態の突起部10は、バレル2と一体形成されている。
【0026】
ここで、突起部10は、先端側ガスケット3がノズル部21に向かう移動を可能としつつ、先端側ガスケット3をバレル2に対して傾斜させるものである。また、「先端側ガスケット3がバレル2に対して傾斜する」とは、先端側ガスケット3が突起部10に接触する前の状態に比べて、先端側ガスケット3の中心軸3Cがバレル2の中心軸2Cに対して傾斜することをいう(
図3参照)。
【0027】
具体的に突起部10は、
図2(A)に示すように、バレル2の先端側の内側周面に沿って1つ設けられており、バレル2の内側周面に沿って周方向の半周以下の範囲内に設けられている。本実施形態の突起部10は、バレル2の内側周面に沿って周方向の4分の1の範囲に亘って設けられている。また、突起部10は、
図2(A)に示すように、バレル2の中心軸2Cから視てバレル2の内側周面から突出した形状が部分円筒形状をなしている。
【0028】
さらに、突起部10は、
図2(B)に示すように、バレル2の先端側の内側周面において軸方向に沿って形成されている。ここで、突起部10の軸方向後端部は、先端側ガスケット3がノズル部21に向かって移動する際に、突起部10に乗り上げやすくするために、軸方向後端側に向かって下り勾配のテーパ面又は傾斜面10aを有している。
【0029】
<プレフィルドシリンジ100の動作>
次に、本実施形態のプレフィルドシリンジ100の第1液L1及び第2液L2がノズル部21から外部に流出させる(投与する)動作について、
図4を参照して説明する。
【0030】
本実施形態のプレフィルドシリンジ100において、プランジャ5をノズル部21に向かって押し込むと後端側ガスケット4がノズル部21に向かって押圧される(
図4(A)参照)。そうすると、後端側ガスケット4が第2液L2を介して先端側ガスケット3をノズル部21に向かって押圧する。その結果、先端側ガスケット3が第1液L1をノズル部21に押圧しながらノズル部21に向かって移動し、第1液L1がノズル部21から流出する(
図4(B)参照)。
【0031】
プランジャ5をノズル部21に押し込むことによって、先端側ガスケット3がノズル部に向かって移動して第1液L1をノズル部21から流出させる。そして、先端側ガスケット3がノズル部21に移動すると突起部10に接触し、さらにノズル部21に向かって移動すると、先端側ガスケット3が変形しつつバレル2に対して傾斜する(
図4(C)参照)。先端側ガスケット3がバレル2に対して傾斜すると、先端側ガスケット3の外側周面とバレル2の内側周面との間に隙間が形成される。この隙間が第2液L2を通過させるバイパス流路Rとなる。
【0032】
さらにプランジャ5をノズル部21に向かって押し込むと、先端側ガスケット3は傾斜したまま(バイパス流路Rを形成した状態で)ノズル部21に向かって移動する。また、先端側ガスケット3と後端側ガスケット4との距離が徐々に縮まり、第2液L2がバイパス流路Rを通過して先端側ガスケット3を迂回してノズル部21から流出する(
図4(D)参照)。
【0033】
<本実施形態の効果>
本実施形態のプレフィルドシリンジ100によれば、突起部10がノズル部21に向かって移動する先端側ガスケット3に接触し、先端側ガスケット3をバレルに対して傾斜させることで、先端側ガスケット3とバレル2の内側周面との間に第2液L2を通過させるバイパス流路Rが形成されるので、先端側ガスケット3及び後端側ガスケット4をノズル部21に向かって移動させることで、第1液L1及び第2液L2を順次投与することができる。
【0034】
特に本実施形態では、先端側ガスケット3を変形させつつバレル2に対して傾斜させる構成であるので、従来のようにガスケットの外周面を径方向内側に変形させるだけでバイパス通路を形成する構成に比べて、第2液L2を通過させるバイパス流路を簡単に形成することができ、また、その流路を大きくすることができる。
【0035】
また、本実施形態では、突起部10がバレル2の内側周面に沿って周方向の半周以下の範囲内に設けられているので、先端側ガスケット3をバレル2に対して傾斜させやすくすることができ、突起部10が設けられていない側(バレル2の中心軸2Cに対して突起部10とは反対側)に確実に第2液L2を通過させるバイパス流路Rを形成することができる。
【0036】
さらに、本実施形態の突起部10は、バレル2の中心軸2Cから視て、バレル2の内側周面から突出した形状が部分円筒形状をなしているので、先端側ガスケット3と突起部10との接触部分を大きくすることができ、先端側ガスケット3をバレル2に対して確実に傾斜させやすくすることができる。
【0037】
<本発明の変形実施形態>
なお、本発明は前記実施形態に限られるものではない。
【0038】
例えば、前記実施形態では、突起部10がバレル2と一体形成されたものであったが、突起部10とバレル2とを別部品としても良い。具体的には、
図5に示すように、突起部10を有する部材11をバレル2内に収容することが考えられる。このとき突起部10を有する部材11は、1又は複数の突起部10を支持する支持体12を有しており、当該支持体12がバレル2内に嵌まる形状を有している。
図5には、バレル2内に嵌まる円環状をなすものとしている。この構成であれば、突起部10が形成されていない既製品のバレルに対して、突起部10を設けることができる。
【0039】
また、前記実施形態では、1つの突起部10を設けた構成であったが、
図6に示すように、複数の突起部10を設ける構成としても良い。この場合であっても、複数の突起部10をバレル2の内側周面に沿って周方向の半周以下の範囲内に設けることが望ましい。
【0040】
さらに、前記実施形態の構成に加えて、バレル2の内側周面において、バレル2の中心軸2Cに対して突起部10とは反対側(バイパス流路Rが形成される部分)に軸方向に沿って溝を形成しても良い。なお、この溝は、先端側ガスケット3が傾く前の状態では、先端側ガスケット3により閉塞される程度のサイズである。このように内側周面に溝を形成することで、先端側ガスケット3が傾斜した際に溝により第2液L2を通過させやすくすることができる。
【0041】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0042】
100・・・プレフィルドシリンジ
2 ・・・バレル
21 ・・・ノズル部
2C ・・・バレルの中心軸
3 ・・・先端側ガスケット
4 ・・・後端側ガスケット
S1 ・・・前室
L1 ・・・第1液
S2 ・・・後室
L2 ・・・第2液
R ・・・第2液を通過させる流路
10 ・・・突起部