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特開2024-112482情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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  • 特開-情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112482
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08B 27/00 20060101AFI20240814BHJP
   G08B 31/00 20060101ALI20240814BHJP
   G01C 21/34 20060101ALI20240814BHJP
   G01W 1/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G08B27/00 A
G08B31/00 B
G01C21/34
G01W1/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017522
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【弁理士】
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】北澤 優也
【テーマコード(参考)】
2F129
5C087
【Fターム(参考)】
2F129AA02
2F129AA03
2F129BB03
2F129CC15
2F129CC16
2F129CC35
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD30
2F129DD32
2F129DD34
2F129DD53
2F129DD65
2F129EE55
2F129EE78
2F129EE79
2F129EE80
2F129EE95
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF57
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129HH12
2F129HH18
2F129HH19
2F129HH20
2F129HH22
5C087AA21
5C087DD02
5C087EE08
5C087FF01
5C087FF02
5C087GG09
5C087GG14
5C087GG68
5C087GG82
(57)【要約】
【課題】災害発生時の最適な経路を抽出すること。
【解決手段】情報処理システムは、対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得部と、地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得部と、利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を利用者情報として取得する利用者情報取得部と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認部と、前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測部と、前記利用者情報と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出部と、前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得部と、
地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得部と、
利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を利用者情報として取得する利用者情報取得部と、
前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認部と、
前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測部と、
前記利用者情報と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出部と、
前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出部と、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記利用者情報は、利用者の移動手段を示す移動手段情報と、利用者の身体能力を示す身体能力情報と、を含む、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記経路抽出部は、前記利用者情報に応じた経路を算出するための目的関数を決定し、前記目的関数の制約条件を災害種別に応じて決定し、前記制約条件を満たし且つ前記目的関数を最適化する問題として定式化し、前記定式化した問題を最適化計算機が利用可能なモデルに変換し、前記変換した前記モデルを解くように前記最適化計算機に依頼し、前記最適化計算機によって導出された前記モデルに対する解を用いて前記利用者に適した経路を抽出する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項4】
抽出された前記利用者に適した経路が前記制約条件を満たすか否かを判定する判定部をさらに備え、
前記制約条件を満たさない場合に、目的関数および制約条件を再設定する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得部と、
地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得部と、
利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を利用者情報として取得する利用者情報取得部と、
前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認部と、
前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測部と、
前記利用者情報と前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出部と、
前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出部と、
を備える情報処理装置。
【請求項6】
コンピュータが、
対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得過程と、
地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得過程と、
利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を利用者情報として取得する利用者情報取得過程と、
前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認過程と、
前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測過程と、
前記利用者情報と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出過程と、
前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出過程と、
を有する情報処理方法。
【請求項7】
コンピュータに、
対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得ステップと、
地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得ステップと、
利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を利用者情報として取得する利用者情報取得ステップと、
前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認ステップと、
前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測ステップと、
前記利用者情報と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出ステップと、
前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出ステップと、
を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時に利用者に避難誘導情報を提供する技術がある。
例えば、特許文献1には、相互に無線通信が可能な無線通信装置によって生成されるメッシュネットワークに含まれる前記無線通信装置であって、前記無線通信装置の識別情報を含む情報を相互に送受信し、無線通信装置間の中継経路を示す中継経路情報を生成する送受信部と、避難情報、危険情報、又は、避難経路生成要求情報を受信すると、受信元の前記無線通信装置から、前記受信元の前記無線通信装置の周囲に位置する避難場所に属する無線通信装置までの避難経路を示す避難経路情報を、前記中継経路情報から生成する制御部と、を備える無線通信装置について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-126442号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術を用いても、センサ情報などをリアルタイムに取得して災害状況を把握したり、災害予測を行ったりすることができなかった。また、自治体が管理する防災情報やリアルタイムに取得したセンサ情報を用いて最適な経路を予測することができないことがあった。このように、災害発生時の最適な経路を抽出することができないという課題があった。
【0005】
上述の課題を鑑み、本発明の目的は、災害発生時の最適な経路を抽出することが可能な情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するために、本発明の一態様に係る情報処理システムは、対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得部と、地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得部と、利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を取得する利用者情報取得部と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認部と、前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測部と、前記センサ情報と前記地域情報と前記利用者情報に基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出部と、前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出部と、を備える情報処理システムである。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得部と、地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得部と、利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を取得する利用者情報取得部と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認部と、前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測部と、前記センサ情報と前記地域情報と前記利用者情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出部と、前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出部と、を備える情報処理装置である。
【0008】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、コンピュータが、対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得過程と、地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得過程と、利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を取得する利用者情報取得過程と、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認過程と、前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測過程と、前記センサ情報と前記地域情報と前記利用者情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出過程と、前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出過程と、を有する情報処理方法である。
【0009】
本発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得ステップと、地域情報を地域情報データベースから取得する地域情報取得ステップと、利用者の現在地点と目的地点とを含む地点情報を取得する利用者情報取得ステップと、前記センサ情報と前記地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認ステップと、前記センサ情報と前記地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測ステップと、前記センサ情報と前記地域情報と前記利用者情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出ステップと、前記利用者情報と、前記現在の被災状況と、前記今後の被災予測と、前記除外経路とに基づいて、前記利用者に適した経路を抽出する経路抽出ステップと、を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、災害発生時の最適な経路を抽出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2】本実施形態に係る情報処理システムの経路抽出処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
図3】本実施形態に係る情報処理装置の経路抽出処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
【0013】
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る情報処理システムSYSの構成について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムSYSの構成の一例を示すブロック図である。
情報処理システムSYSは、対象地域に配置された複数のセンサによる計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得し、さらに、地域情報データベースが記憶する地域情報を取得することで、利用者にとって最適な経路を抽出するシステムである。
【0014】
情報処理システムSYSは、情報処理装置10と、センサ20と、ユーザ端末装置30と、地域情報データベース40と、最適化計算機50と、を含んで構成される。
情報処理装置10と、センサ20と、ユーザ端末装置30と、地域情報データベース40と、最適化計算機50とは、有線または無線により通信可能に接続される。
【0015】
センサ20は、対象地域に配置された複数のセンサである。センサ20は、例えば、雨量、水位、積雪、傾斜、震度などを測定可能なセンサである。センサ20は、測定値を取得する。センサ20は、取得した測定値をセンサ情報として、リアルタイムに情報処理装置10に送信する。
【0016】
ユーザ端末装置30は、利用者によって操作可能な端末装置である。ユーザ端末装置30は、例えば、スマートフォン、タブレット端末装置、パーソナルコンピュータ(PC)などの端末装置である。ユーザ端末装置30は、利用者情報を取得する。利用者情報は、利用者によって入力さえる情報である。利用者情報は、地点情報を含む。地点情報は、利用者の現在地点の情報と、目的地点の情報とが含まれる。現在地点の情報は、経路における出発地点を示す情報であり、例えば、GPSなどによるユーザ端末装置30の現在の位置情報である。目的地点の情報は、利用者が所望する目的地点を示す情報であり、例えば、目的地点の位置情報である。本実施形態では、目的地が避難所である場合の一例について説明する。
【0017】
また、ユーザ端末装置30は、移動手段情報および身体能力情報を利用者情報としてさらに取得する。移動手段情報は、例えば、徒歩、自転車、車両など、利用者の移動手段を示す情報である。身体能力情報は、利用者の年齢、利用者の歩行レベルなどの運動能力、身体障がいの有無などの経路抽出時に利用者が考慮を所望する条件となる情報である。ユーザ端末装置30は、取得した利用者情報を情報処理装置10に送信する。
【0018】
地域情報データベース40は、地域情報を記憶するデータベースである。地域情報データベース40は、例えば、国や自治体によって管理される。地域情報は、防災情報、予報情報、被災情報、観測情報などである。より具体的には、地域情報は、洪水、土砂災害、高潮、津波のリスク情報、道路防災情報、土地の特徴、地形分類などのハザードマップ、河川情報、雨雲レーダー情報、降水量情報、積雪量情報、交通状況情報、優先道路基準情報、土砂災害警戒情報、土壌雨量指数情報、震源情報、震度マップ、地盤情報、建物倒壊危険度情報、火災危険度情報、噴火警報情報、噴火予報情報、噴火速報情報、降灰予報情報、海上警報情報、火山ガス予報情報、観測所データなどの各種情報である。
【0019】
ハザードマップは、自然災害による被害の軽減や防災対策に使用する目的で、被災想定区域や避難場所、避難経路などの防災関連施設の位置などが示されたマップである。
河川情報は、河川の増水、氾濫の危険を伝える情報であり、降雨地域の情報、河川の水位の情報、河川カメラの画像情報、水害リスクラインの情報、雨量情報などである。
雨雲レーダー情報は、レーダーによって観測された雨雲の方向や距離、雨や雪の強さなどに関する観測情報である。
降水量情報は、レーダー、アメダスなどの観測値から生成された降水量の情報である。
【0020】
積雪量情報は、観測地点における積雪量や積雪計による測定値などの情報である。
交通状況情報は、降雪、積雪時の道路交通状況を示す情報である。
優先道路基準情報は、車道、歩道などの道路種別ごとに、緊急輸送道路、幹線道路、生活道路の道路種別や道路幅などによって優先順位付けされた情報である。
【0021】
土砂災害警戒情報は、大雨警報発表中に土砂災害の危険性が高まった場合に気象台と都道府県が共同で発表する防災情報である。
土壌雨量指数とは、降った雨による土砂災害危険度の高まりを把握するための指標の情報である。
【0022】
震源情報は、地震の震源地の情報である。
震度マップは、地震ごとの震度分布の情報である。
地盤情報は、地質、地盤の情報である。
建物倒壊危険度情報は、地震動に起因する建物倒壊被害の危険性を示す情報である。
火災危険度情報は、地震時に発生する出火による建物の延焼被害の危険性を示す情報である。
【0023】
噴火警報情報は、火山の噴火による重大な災害が起こる恐れがある場合に気象庁が発表する警報の情報である。
噴火予報情報は、噴火警報の前段階を示す情報である。
噴火速報情報は、噴火が発生したことを示す速報の情報である。
降灰予報情報は、火山噴火に伴う火山灰の予報の情報である。
海上警報情報は、噴火の影響が海上や沿岸に及ぶ恐れがある場合に発表される警報の情報である。
火山ガス予報情報は、噴火などにより居住地に有毒の火山ガスが滞留することが予想されるときに発表される予報の情報である。
【0024】
観測所データは、各地の観測所によって観測された気象データである。
【0025】
最適化計算機50は、最適化問題を解くためのコンピュータであり、例えば、量子コンピュータである。量子コンピュータは、逆過程(ユニタリー演算)を通して計算を実行する。このため、量子コンピュータではない従来型のコンピュータ(以下、古典コンピュータという)と違って、エントロピーの増大が生じない。このため、量子コンピュータは、量子力学的な重ね合わせの原理を用いた並列計算によって、古典コンピュータより指数関数的に高速な計算が可能になる。
【0026】
例えば、最適化計算機50は、量子アニーリング方式の量子コンピュータである。最適化計算機50は、ゲート方式の量子コンピュータであってもよい。最適化計算機50は、疑似量子コンピュータを含むイジングマシンであってもよい。例えば、商用に公開されている量子コンピュータを、ネットワークを経由してAPIを呼び出すことにより、最適化計算機50として利用することができる。
なお、最適化計算機50は、量子コンピュータに限定されることはない。最適化計算機50は、古典コンピュータであってもよく、例えば、古典コンピュータを使った古典アニーリングマシン(古典イジングマシン)等であってもよい。
【0027】
最適化計算機50は、情報処理装置10から、最適化問題として定式化されたイジングモデル(Ising Model)、もしくはQUBO(Quadratic Unconstrained Binary Optimization)を受信する。最適化計算機50は、情報処理装置10から通知されたイジングモデル、もしくはQUBOに対する最適解を導出する。最適化計算機50は、イジングモデル、もしくはQUBOにおける目的関数が最小となる変数の組合せを求めることにより最適解を導出する。最適化計算機50は、導出した最適解をイジングモデル、もしくはQUBOの解として情報処理装置10に出力する。ここで、最適化計算機50は、複数の解を導出してもよい。この場合、最適化計算機50は、導出した複数の解を情報処理装置10に出力する。
【0028】
情報処理装置10は、通信部11と、記憶部12と、制御部13と、出力部14と、を含んで構成される。通信部11と、記憶部12と、制御部13と、出力部14とは、バスを介して相互に接続される。
【0029】
通信部11は、ユーザ端末装置30と、地域情報データベース40と、最適化計算機50と通信する。通信部11は、各種情報の送受信を行う機能を有する。例えば、通信部11は、ネットワークを介して、他の装置から受信した各種情報を制御部13に出力する。また、通信部11は、制御部13から入力される各種情報を、ネットワークを介して、他の装置に送信する。
【0030】
記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)、RAM(Random Access read/write Memory)、ROM(Read Only Memory)などの記憶媒体、あるいはこれらの組合せによって構成される。記憶部12は、情報処理装置10の各種処理を実行するためのプログラム、及び各種処理を行う際に利用される一時的なデータを記憶する。
【0031】
記憶部12は、例えば、地域情報121と、センサ情報122と、を記憶する。
地域情報121には、水害情報1210と、積雪情報1211と、土砂災害情報1212と、地震情報1213と、噴火情報1214と、が含まれる。水害情報1210は、ハザードマップ、河川情報、雨雲レーダー情報、降水量情報、観測所データなどの水害に関する情報である。積雪情報1211は、積雪量情報、交通状況情報、優先道路基準情報、観測所データなどの積雪に関する情報である。土砂災害情報1212は、土砂災害警戒情報、土壌雨量指数情報、観測所データなどの土砂災害に関する情報である。地震情報1213は、震源情報、震度マップ、地盤情報、建物倒壊危険度情報、火災危険度情報、ハザードマップ、観測所データなどの地震災害に関する情報である。噴火情報1214は、噴火警報情報、噴火予報情報、噴火速報情報、降灰予報情報、海上警報情報、火山ガス予報情報、観測所データなどの噴火に関する情報である。
【0032】
制御部13は、情報処理装置10がハードウェアとして備えるCPU(Central Processing Unit)にプログラムを実行させることによって実現される。
【0033】
制御部13は、例えば、取得部130と、設定部131と、状況確認部132と、予測部133と、除外経路抽出部134と、最適化計算制御部135と、経路確認部136と、を備える。
【0034】
取得部130は、各種情報を取得する。取得部130は、取得した各種情報を記憶部12に記憶させる。具体的には、取得部130は、センサ情報取得部1301と、地域情報取得部1302と、利用者情報取得部1303と、を備える。
【0035】
センサ情報取得部1301は、複数のセンサ20から測定値を表すセンサ情報を取得する。センサ情報取得部1301は、取得したセンサ情報を記憶部12に記憶させる。
【0036】
地域情報取得部1302は、地域情報データベース40から地域情報を取得する。地域情報取得部1302は、取得した地域情報を記憶部12に記憶させる。
【0037】
利用者情報取得部1303は、ユーザ端末装置30から移動手段情報と、身体能力情報と、現在地情報および目的地情報とを含む地点情報とを、利用者情報として取得する。利用者情報取得部1303は、取得した利用者情報を、記憶部12に記憶させる。
【0038】
設定部131は、災害種別の設定を受け付ける。災害種別は、例えば、水害、積雪、土砂災害、地震、噴火などである。設定部131は、設定された災害種別に応じた地域情報を用いて最短経路の抽出を行う。
【0039】
状況確認部132は、リアルタイムに取得したセンサ情報と、地域情報を参照して、現在の被災状況を確認する。
【0040】
予測部133は、リアルタイムに取得したセンサ情報に基づいて、今後の被災状況を予測する。予測部133は、センサ情報に基づいて、時間当たりの変動量を算出する。予測部133は、時間当たりの変動量と、現在の被災状況に基づいて、今後の被災状況を予測する。
【0041】
除外経路抽出部134は、抽出する経路から除外する除外経路を抽出する。除外経路抽出部134は、利用者情報取得部1303が取得した移動手段情報、身体能力情報、現在地点の情報、目的地点の情報および現在の被災状況、今後の被災状況の予測、ハザードマップなどの地域情報に基づいて、現在地から目的地までの移動手段に応じた経路のうち、除外する除外経路を抽出する。換言すれば、除外経路は、通行できない経路、あるいは通行できないと予測される経路、危険あるいは危険があると予測される経路、身体能力情報により対象の利用者の通行が困難な経路、あるいは通行が困難と予測される経路などである。ここで、経路とは、人やモノが移動する道路であって、避難経路、迂回経路、物流経路なども含まれる。
【0042】
最適化計算制御部135は、最適化計算を制御する。まず、最適化計算制御部135は、利用者に応じた現在地から目的地までの最適経路を抽出するための制約条件及び目的関数を決定する。
【0043】
ここでの目的関数は、目的を表す関数であって、例えば、現在地から目的地までの経路である。ここでの制約条件は、利用者に応じた現在地から目的地までの最適経路を抽出する場合において制約される条件である。制約条件は、例えば、災害種別、利用者の移動手段情報、利用者の身体能力情報、現在の被災状況及び今後の被災状況の予測に基づく除外経路などの制約である。
【0044】
次に、最適化計算制御部135は、制約条件及び目的関数を、制約条件を満たし、且つ目的関数を最適化する問題として定式化する。
【0045】
次に、最適化計算制御部135は、定式化した問題を、最適化計算機50が利用可能なイジングモデルあるいはQUBOに変換する。最適化計算制御部135は、イジングモデルあるいはQUBOを、最適化計算機50に出力する。最適化計算制御部135は、最適化計算機50によって導出されたイジングモデルあるいはQUBOに対する解を取得する。ここで、最適化計算制御部135は、最適化計算機50から複数の解を取得してもよい。
【0046】
経路確認部136は、最適化計算機50からイジングモデルあるいはQUBOに対する一または複数の解を取得すると、それぞれの解が制約条件を満たしているか否かを確認する。具体的には、経路確認部136は、解として取得した経路が制約条件を満たしているか否かを判定する。解として取得した経路が制約条件を満たしている場合、経路確認部136は、解として取得した経路を出力部14に出力させる。一方、解として取得した経路が制約条件を満たしていない場合、経路確認部136は、制約条件を変更することが可能であるか否かを確認する。制約条件を変更することが可能である場合、経路確認部136は、最適化計算制御部135に目的関数および制約条件を再設定させ、再度一または複数の解を取得する。一方、制約条件を変更することが可能でない場合、経路確認部136は、緊急通報や応援要請などの代替手段を検討する必要があることを示す通知を生成して出力部14に出力させる。
【0047】
なお、目的関数や制約条件の変更は、安全な経路が抽出されない場合には、例えば、目的地として設定された避難所を別の避難所に変更したり、当該目的地の変更に伴って制約条件を変更したりすることであってもよい。また、目的関数や制約条件の変更は、目的地として設定された避難所の収容人数や混雑度、導出された経路の混雑具合や混雑時間帯などによって、例えば、目的地として設定された避難所を別の避難所に変更したり、当該目的地の変更に伴って制約条件を変更したりすることであってもよい。
【0048】
なお、経路確認部136は、制約条件を確認する緩和条件を設け、当該緩和条件と、目的関数および制約条件とに基づいて導出された解を取得してもよい。この場合、経路確認部136は、緊急通報や応援要請などの代替手段を検討する必要があることを示す通知を生成することに代えて、または加えて緩和条件を用いて導出された解に基づく経路を出力部14に出力させてもよい。
【0049】
ここで、災害種別に応じた目的関数および制約条件の例を説明する。
【0050】
洪水、河川の氾濫などの水害の場合、目的関数は、利用者の現在地点から、避難所などの目的地まで移動するための安全な移動経路である。この場合の制約条件は、水位などのセンサ情報、観測所データ、水害に関するハザードマップ、河川情報に含まれる水害リスクラインなどの情報や現在の被災状況、今後の被災状況の予測に基づいて抽出された除外経路、利用者の移動手段情報、利用者の身体能力情報などである。
このようにすることで、利用者の身体能力に応じた、当該利用者にとって安全な経路を抽出することができる。
【0051】
積雪の場合、目的関数は、豪雪などの降雪によって道路の除雪作業が必要になった際の除雪車の巡回経路である。この場合、制約条件は、積雪センサなどのセンサ情報による各区画の積雪量の情報や、優先道路基準情報である。なお、制約条件には、除雪車の車両規格情報、除雪車の運転手の資格情報、除雪車の運転手の勤務時間情報なども含まれてもよい。
このようにすることで、除雪車が優先して向かうべき道路を抽出することができる。また、一度除雪した道路がどのくらいの時間経過で再度除雪が必要になるかを予測することで、除雪車の巡回効率を高めることが可能な経路を抽出することができる。
【0052】
土砂災害の場合、目的関数は、土砂災害による危険な道路や通行不可能な道路を避けた避難経路や救援物資の配送経路である。この場合の制約条件は、傾斜角センサやワイヤーセンサ、水位計、雨量計などのセンサ情報と、地盤情報や土砂に対する施工情報などの土砂災害に関する地域情報、ハザードマップなどに基づいて抽出された除外経路、利用者の移動手段情報、利用者の身体能力情報などである。
このようにすることで、安全な避難経路や救援物資の配送経路を適切に抽出することができる。
【0053】
地震の場合、目的関数は、地震や津波警戒時に住民が避難所まで移動するための安全な経路である。この場合の制約条件は、震源・深度情報、津波情報、地域危険度測定調査の情報、地震に関する地域情報などに基づいて抽出された除外経路、利用者の移動手段情報、利用者の身体能力情報などである。
このようにすることで、安全な避難経路を抽出することができる。
【0054】
噴火の場合、目的関数は、住民が避難所まで移動するための安全な経路である。この場合の制約条件は、噴石や火砕流、火山灰などの状況、及び噴火警報などの噴火に関する地域情報、利用者の移動手段情報、利用者の身体能力情報などである。
このようにすることで、安全な避難経路を抽出することができる。
【0055】
出力部14は、経路確認部136から出力される解に基づく経路を、ユーザ端末装置30に出力する。また、出力部14は、緊急通報や応援要請などの代替手段を検討する必要があることを示す通知を、ユーザ端末装置30に出力する。
【0056】
次いで、情報処理システムSYSにおける経路抽出処理の流れについて説明する。
【0057】
図2は、本発明の実施形態に係る情報処理システムSYSの経路抽出処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
ステップST101において、センサ20は、取得した測定値をセンサ情報として情報処理装置10にリアルタイムに送信する。
ステップST102において、情報処理装置10は、センサ20から取得したセンサ情報に基づいて、各センサのセンサ値(測定値)の変動量を算出し、今後の観測値(予測値)を予測することで、今後の被災状況を予測する。
【0058】
ステップST103において、情報処理装置10は、センサ情報と予測値とを地域情報データベース40に送信する。
ステップST104において、ユーザ端末装置30は、移動手段情報と、身体能力情報と、現在地と目的地とを含む地点情報とを含む利用者情報を、情報処理装置10に送信する。例えば、現在地は、ユーザ端末装置30の現在位置である。
【0059】
ステップST105において、情報処理装置10は、利用者情報に基づいて、地域情報データベース40に地域情報を取得するための情報抽出依頼を送信する。情報抽出依頼には、利用者情報として取得した地点情報が含まれる。
ステップST106において、地域情報データベース40は、管理する地域情報のうち、地点情報に対応する地域情報を情報処理装置10に送信する。
【0060】
ステップST107において、情報処理装置10は、利用者情報、センサ情報、地域情報、除外経路に基づいて、目的関数および制約条件を定式化する。
ステップST108において、情報処理装置10は、定式化した問題を、イジングモデルあるいはQUBOに変換し、イジングモデルあるいはQUBOを最適化計算機50に送信することで、最適化計算依頼を行う。
【0061】
ステップST109において、最適化計算機50は、一又は複数の解を導出し、導出した一又は複数の解を、解の候補として情報処理装置10に送信する。
ステップST110において、情報処理装置10は、取得した一または複数の解に基づく経路が適切な経路であるか否かを判定する。
【0062】
ステップST110において、情報処理装置10は、抽出した一または複数の解に基づく経路を、ユーザ端末装置30に送信する。
【0063】
次いで、情報処理装置10における経路抽出処理の流れについて説明する。
【0064】
図3は、本実施形態に係る情報処理装置10の経路抽出処理の流れの一例を示すブローチャートである。
ステップS101において、情報処理装置10は、利用者情報をユーザ端末装置30から取得する。
ステップS102において、情報処理装置10は、地域情報を地域情報データベース40から取得する。また、情報処理装置10は、センサ情報をセンサ20から取得する。あるいは、情報処理装置10は、記憶部12に一時記憶された地域情報およびセンサ情報を読み出して取得する。
【0065】
ステップS103において、情報処理装置10は、除外経路を抽出することで利用可能な経路を限定する。
ステップS104において、情報処理装置10は、目的関数と制約条件とを決定する。
ステップS105において、情報処理装置10は、決定した目的関数と制約条件とを定式化する。
ステップS106において、情報処理装置10は、定式化した問題を、QUBO、もしくはイジングモデルに変換する。
【0066】
ステップS107において、情報処理装置10は、変換したQUBO、もしくはイジングモデルを、最適化計算機50に送信する。
ステップS108において、情報処理装置10は、QUBO、もしくはイジングモデルに対する一または複数の解を解の候補として最適化計算機50から受信する。
【0067】
ステップS109において、情報処理装置10は、取得した一または複数の解が示す経路のそれぞれが、安全かつ最短経路であるか否かを確認する。取得した一または複数の解が示す経路のそれぞれが、安全かつ最短経路である場合(ステップS109 YES)、情報処理装置10は、ステップS110の処理を実行する。一方、取得した一または複数の解が示す経路のそれぞれが、安全かつ最短経路でない場合(ステップS109 NO)、情報処理装置10は、ステップS111の処理を実行する。
【0068】
ステップS110において、情報処理装置10は、解に基づく経路を移動手段に応じた現在地から目的地までの最適経路として、ユーザ端末装置30に送信し、利用者に提示させる。
ステップS111において、情報処理装置10は、制約条件あるいは緩和条件などの条件の変更が可能であるか否かを判定する。制約条件あるいは緩和条件などの条件の変更が可能である場合(ステップS111 YES)、情報処理装置10は、ステップS112の処理を実行する。一方、制約条件あるいは緩和条件などの条件の変更が可能でない場合(ステップS111 NO)、情報処理装置10は、ステップS113の処理を実行する。
【0069】
ステップS112において、情報処理装置10は、目的関数と制約条件および/または緩和条件を変更して設定する。そして、情報処理装置10は、ステップS104の処理を実行する。
ステップS113において、情報処理装置10は、緊急通報や応援要請などの代替手段を検討する必要があることを示す通知をユーザ端末装置30に送信する。
【0070】
このように、本実施形態に係る情報処理システムSYSは、対象地域に配置された複数のセンサ20による計測値をセンサ情報としてリアルタイムに取得するセンサ情報取得部1301と、地域情報を地域情報データベース40から取得する地域情報取得部1302と、利用者の現在地点と目的地点とを含む利用者情報を取得する利用者情報取得部1303と、センサ情報と地域情報とに基づいて、現在の被災状況を確認する状況確認部132と、センサ情報と地域情報と現在の被災状況とに基づいて今後の被災予測を行う予測部133と、利用者情報とセンサ情報と地域情報とに基づいて、経路から除外する除外経路を抽出する除外経路抽出部134と、利用者情報と、現在の被災状況と、今後の被災予測と、除外経路とに基づいて、利用者に適した経路を抽出する経路抽出部(最適化計算制御部135)と、を備える。
【0071】
この構成により、災害発生時の最適な経路を抽出することができる。
【0072】
経路抽出部(最適化計算制御部135)は、利用者情報に応じた経路を算出するための目的関数を決定し、目的関数の制約条件を災害種別に応じて決定し、制約条件を満たし且つ目的関数を最適化する問題として定式化し、定式化した問題を最適化計算機が利用可能なモデルに変換し、変換したモデルを解くように最適化計算機50に依頼し、最適化計算機50によって導出されたモデルに対する解を用いて前記利用者に適した経路を抽出する。
【0073】
この構成により、リアルタイムに取得したセンサ情報に応じた被災状況に応じた経路を抽出することができる。また、制約条件を用いることで、利用者に適した経路を抽出することができる。
【0074】
なお、本実施形態では、利用者情報として地点情報に加えて、移動手段情報と、身体能力情報とを用いる場合の一例について説明したが、利用者情報は、地点情報のみであってもよいし、地点情報と移動手段の情報とであってもよいし、地点情報と身体能力情報とであってもよい。
地点情報を用いることで現在地から目的地までの経路を抽出することができる。地点情報と、移動手段情報とを用いることで、移動手段に応じた現在地から目的地までの経路を抽出することができる。地点情報と、身体能力情報を用いることで、利用者の身体能力に応じた現在地から目的地までの経路を抽出することができる。このように、利用者情報として複数の情報を組み合わせることにより、利用者に適した経路を抽出する抽出精度を向上させることができる。
【0075】
以上、本発明の実施形態および変形例について説明した。なお、変形例は、本発明の実施形態で説明した構成に代えて適用されてもよいし、本発明の実施形態で説明した構成に対して追加的に適用されてもよい。
【0076】
なお、上述した実施形態および変形例における情報処理装置10の機能は、複数の装置によって実現されてもよい。また、情報処理装置10の一部又は全部をコンピュータで実現するようにしてもよい。このコンピュータには、量子コンピュータも含まれる。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0077】
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。
【0078】
また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0079】
以上、図面を参照してこの発明の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【符号の説明】
【0080】
SYS 情報処理システム
10 情報処理装置
11 通信部
12 記憶部
121 地域情報
1210 水害情報
1211 積雪情報
1212 土砂災害情報
1213 地震情報
1214 噴火情報
122 センサ情報
13 制御部
130 取得部
1301 センサ情報取得部
1302 地域情報取得部
1303 利用者情報取得部
131 設定部
132 状況確認部
133 予測部
134 除外経路抽出部
135 最適化計算制御部
136 経路確認部
14 出力部
図1
図2
図3