(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112489
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】ツールホルダ、および、摩擦撹拌接合用工具
(51)【国際特許分類】
B23K 20/12 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B23K20/12 340
B23K20/12 344
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017536
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】523194617
【氏名又は名称】NTKカッティングツールズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宮田 英次
(72)【発明者】
【氏名】原 康
【テーマコード(参考)】
4E167
【Fターム(参考)】
4E167BG04
4E167BG05
(57)【要約】
【課題】 摩擦撹拌接合用ツールを保持するツールホルダにおいて、ツールホルダの変形を抑制する技術を提供する。
【解決手段】 ツールホルダは、摩擦撹拌接合用ツールを挿入可能な孔を有する本体部と、本体部に固定され、孔に挿入された摩擦撹拌接合用ツールと3点以上で接することで、本体部に対する摩擦撹拌接合用ツールの移動を規制する移動規制部と、を備え、移動規制部は、それぞれ摩擦撹拌接合用ツールと接触する3つ以上の部材からなり、3つ以上の部材は、孔の中心軸に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
摩擦撹拌接合用ツールを保持するツールホルダであって、
前記摩擦撹拌接合用ツールを挿入可能な孔を有する本体部と、
前記本体部に固定され、前記孔に挿入された前記摩擦撹拌接合用ツールと3点以上で接することで、前記本体部に対する前記摩擦撹拌接合用ツールの移動を規制する移動規制部と、を備え、
前記移動規制部は、それぞれ前記摩擦撹拌接合用ツールと接触する3つ以上の部材からなり、
前記3つ以上の部材は、前記孔の中心軸に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている、
ことを特徴とするツールホルダ。
【請求項2】
請求項1に記載のツールホルダであって、
前記本体部は、金属からなる、
ことを特徴とするツールホルダ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のツールホルダであって、
前記本体部は、内側に前記孔が形成された筒形状の外形を有し、外周部と前記孔とを連通する複数のねじ穴が形成されており、
前記移動規制部は、前記複数のねじ穴のそれぞれに嵌められている複数の固定用ねじであり、複数の前記固定用ねじのそれぞれの先端部が、前記孔に挿入された前記摩擦撹拌接合用ツールに接しており、
前記同一の断面において、前記本体部の周方向で隣り合う前記固定用ねじの中心軸のそれぞれと前記孔の外形線との交点間の距離は、35mm以下である、
ことを特徴とするツールホルダ。
【請求項4】
請求項1または請求項2に記載のツールホルダであって、
前記本体部は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料から形成されている、
ことを特徴とするツールホルダ。
【請求項5】
請求項1または請求項2に記載のツールホルダであって、
前記同一の断面において、前記3つ以上の部材は、前記本体部の周方向にわたって、等間隔に配置されている、
ことを特徴とするツールホルダ。
【請求項6】
摩擦撹拌接合用工具であって、
請求項1または請求項2に記載のツールホルダと、
複数の被加工部材を当接させた部分を撹拌し、複数の前記被加工部材どうしを接合させる前記摩擦撹拌接合用ツールと、を備える、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
【請求項7】
請求項6に記載の摩擦撹拌接合用工具であって、
前記ツールホルダの前記本体部の平均熱膨張係数と前記摩擦撹拌接合用ツールの平均熱膨張係数との差は、20℃から500℃までの温度範囲において、5ppm/K以上である、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
【請求項8】
請求項6に記載の摩擦撹拌接合用工具であって、
前記摩擦撹拌接合用ツールは、窒化珪素セラミックス、または、サイアロンからなる、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
【請求項9】
請求項6に記載の摩擦撹拌接合用工具であって、
前記摩擦撹拌接合用ツールは、融点が1000℃以上の金属からなる複数の前記被加工部材を接合する、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ツールホルダ、および、摩擦撹拌接合用工具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、部材同士の当接部分を摩擦熱によって軟化させつつ撹拌することで部材を接合する摩擦撹拌接合用工具が知られている(例えば、特許文献1,2)。一般的に、摩擦撹拌接合用工具は、部材同士の当接部分に押し付けられる摩擦撹拌接合用ツールと、摩擦撹拌接合用ツールを保持するツールホルダと、を備える。摩擦撹拌接合用工具では、ツールホルダ内に挿入される摩擦撹拌接合用ツールは、摩擦撹拌接合用ツールに接触する固定用の部材を用いて固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007-268667号公報
【特許文献2】特開2013-103251号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、摩擦撹拌接合用工具を用いて部材を接合するとき、摩擦撹拌接合用工具は高温になりやすいため、摩擦撹拌接合用ツールとツールホルダとには、熱膨張差によって隙間が生じる。摩擦撹拌接合用ツールとツールホルダとの間に隙間が生じると、摩擦撹拌接合用ツールがツールホルダの内側で回転し、摩擦撹拌接合用ツールと固定用の部材とが接する位置が接合前の位置からずれる場合がある。摩擦撹拌接合用ツールと固定用の部材とが接する位置がずれたまま、部材の接合後に摩擦撹拌接合用ツールとツールホルダとが常温に戻ると、摩擦撹拌接合用ツールとツールホルダとの熱膨張差に起因する応力がツールホルダに作用し、ツールホルダが変形するおそれがある。
【0005】
本発明は、摩擦撹拌接合用ツールを保持するツールホルダにおいて、ツールホルダの変形を抑制する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現することが可能である。
【0007】
(1)本発明の一形態によれば、摩擦撹拌接合用ツールを保持するツールホルダが提供される。このツールホルダは、前記摩擦撹拌接合用ツールを挿入可能な孔を有する本体部と、前記本体部に固定され、前記孔に挿入された前記摩擦撹拌接合用ツールと3点以上で接することで、前記本体部に対する前記摩擦撹拌接合用ツールの移動を規制する移動規制部と、を備え、前記移動規制部は、それぞれ前記摩擦撹拌接合用ツールと接触する3つ以上の部材からなり、前記3つ以上の部材は、前記孔の中心軸に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている。
【0008】
この構成によれば、本体部の孔に挿入される摩擦撹拌接合用ツールは、摩擦撹拌接合用ツールに3点以上で接する移動規制部によって、本体部に対する移動が規制される。移動規制部となる3つ以上の部材は、摩擦撹拌接合用ツールの中心軸に対して略平行な孔の中心軸に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている。これにより、摩擦撹拌接合用ツールの中心軸に対して垂直な1つの平面上において、3つ以上の部材が摩擦撹拌接合用ツールに接触するため、熱膨張差によって移動規制部に作用する応力が分散しやすくなり、1個の部材に作用する応力は小さくなる。したがって、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダの変形を抑制することができるため、摩擦撹拌接合用ツールの交換を容易に行うことができる。
【0009】
(2)上記形態のツールホルダにおいて、前記本体部は、金属からなっていてもよい。この構成によれば、本体部が金属からなることで、摩擦撹拌接合用ツールとの熱膨張差が比較的大きくなっても、ツールホルダの変形を抑制することができる。
【0010】
(3)上記形態のツールホルダにおいて、前記本体部は、内側に前記孔が形成された筒形状の外形を有し、外周部と前記孔とを連通する複数のねじ穴が形成されており、前記移動規制部は、前記複数のねじ穴のそれぞれに嵌められている複数の固定用ねじであり、複数の前記固定用ねじのそれぞれの先端部が、前記孔に挿入された前記摩擦撹拌接合用ツールに接しており、前記同一の断面において、前記本体部の周方向で隣り合う前記固定用ねじの中心軸のそれぞれと前記孔の外形線との交点間の距離は、35mm以下であってもよい。この構成によれば、移動規制部は、複数の固定用ねじであって、固定用ねじが含まれる孔の中心軸に直交する断面において、本体部の周方向で隣り合う固定用ねじの中心軸のそれぞれと孔の外形線との交点間の距離は、35mm以下となっている。これより、例えば、摩擦撹拌接合用ツールの大きさが大きくなるにつれて、摩擦撹拌接合用ツールに接触する固定用ねじの数が増える。したがって、熱膨張差によって移動規制部に作用する応力が分散しやすくなり、1個の部材に作用する応力は小さくなるため、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダの変形を抑制することができる。
【0011】
(4)上記形態のツールホルダにおいて、前記本体部は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料から形成されていてもよい。この構成によれば、ツールホルダの本体部が、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料から形成されることで熱膨張係数が比較的大きくなっても、応力が分散するため、ツールホルダの変形を抑制することができる。
【0012】
(5)上記形態のツールホルダにおいて、前記同一の断面において、前記3つ以上の部材は、前記本体部の周方向にわたって、等間隔に配置されていてもよい。この構成によれば、摩擦撹拌接合用ツールの中心軸に対して垂直な1つの平面上において、3つ以上の部材は、等間隔に配置されるため、摩擦撹拌接合用ツールから移動規制部に作用する応力が均等に分散し、ツールホルダの変形をさらに抑制することができる。
【0013】
(6)本発明の別の形態によれば、摩擦撹拌接合用工具が提供される。この摩擦撹拌接合用工具は、上記形態のツールホルダと、複数の被加工部材を当接させた部分を撹拌し、複数の被加工部材どうしを接合させる前記摩擦撹拌接合用ツールと、を備える。この構成によれば、ツールホルダにおいて、摩擦撹拌接合用ツールの移動を規制する移動規制部となる3つ以上の部材は、孔の中心軸に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている。これにより、摩擦撹拌接合での使用によって熱膨張差が生じても、移動規制部に作用する応力が分散し、1個の部材に作用する応力は小さくなる。したがって、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダの変形を抑制することができるため、摩擦撹拌接合用ツールの交換を容易に行うことができる。
【0014】
(7)上記形態の摩擦撹拌接合用工具において、前記ツールホルダの前記本体部の平均熱膨張係数と前記摩擦撹拌接合用ツールの平均熱膨張係数との差は、20℃から500℃までの温度範囲において、5ppm/K以上であってもよい。この構成によれば、ツールホルダと摩擦撹拌接合用ツールとの熱膨張差に起因する応力も大きくなるが、移動規制部に作用する応力は分散し、1個の部材に作用する応力は小さくなる。したがって、ツールホルダの変形を抑制することができるため、摩擦撹拌接合用ツールの交換を容易に行うことができる。
【0015】
(8)上記形態の摩擦撹拌接合用工具において、前記摩擦撹拌接合用ツールは、窒化珪素セラミックス、または、サイアロンからなっていてもよい。この構成によれば、摩擦撹拌接合用ツールは、金属に比べ熱膨張係数が小さい窒化珪素セラミックス、または、サイアロンからなっている。このため、例えば、ツールホルダが金属から形成される場合には、熱膨張差による応力が大きくなるが、応力は3つ以上の部材のそれぞれに分散するため、ツールホルダの変形を抑制することができる。したがって、摩擦撹拌接合用ツールの交換を容易に行うことができる。
【0016】
(9)上記形態の摩擦撹拌接合用工具において、前記摩擦撹拌接合用ツールは、融点が1000℃以上の金属からなる複数の前記被加工部材を接合してもよい。この構成によれば、摩擦撹拌接合用ツールは、融点が1000℃以上の金属からなる複数の前記被加工部材を接合するため、摩擦撹拌接合用ツールとツールホルダの温度が比較的高くなる。このため、摩擦撹拌接合用ツールとツールホルダとの熱膨張差はさらに大きくなり、熱膨張差による応力もさらに大きくなるが、応力は3つ以上の部材のそれぞれに分散するため、ツールホルダの変形を抑制することができる。したがって、摩擦撹拌接合用ツールの交換を容易に行うことができる。
【0017】
なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、ツールホルダを備える装置やシステム、これら装置およびシステムの制御方法、これら装置およびシステムを用いて摩擦撹拌接合を行う装置やシステム等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】第1実施形態の摩擦撹拌接合用工具の概略模式図である。
【
図3】第1実施形態の摩擦撹拌接合用工具の拡大断面図である。
【
図4】第1実施形態の摩擦撹拌接合用工具の使用例を説明する図である。
【
図5】第1実施形態のツールホルダの効果を説明する図である。
【
図7】第2実施形態の摩擦撹拌接合用工具の断面図である。
【
図8】第3実施形態の摩擦撹拌接合用工具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の摩擦撹拌接合用工具1の概略模式図である。本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1は、ツールホルダ10と、摩擦撹拌接合用ツール20と、を備える。摩擦撹拌接合用工具1は、複数の被加工部材の当接部分を摩擦熱によって軟化させるとともに、撹拌することで、被加工部材同士を接合する。本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1は、融点が1000℃以上の金属からなる複数の被加工部材を接合することが可能である。
【0020】
ツールホルダ10は、摩擦撹拌接合用ツール20を挿入可能な孔11aを有する本体部11と、本体部11に対する摩擦撹拌接合用ツール20の移動を規制する移動規制部12と、を備える。ツールホルダ10は、摩擦撹拌接合用ツール20を保持する。
【0021】
本体部11は、内側に孔11aが形成された筒形状の外形を有している。本体部11は、円板形状の底部11bと、底部11bに接続する円筒部11cと、を有する。本実施形態では、本体部11は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料、例えば、金属から形成されている。円筒部11cには、本体部11の外周部と孔11aとを連通する複数のねじ穴11dが形成されている。
【0022】
図2は、
図1のA-A線断面図である。
図2には、孔11aの中心軸C11に直交する断面図を示している。本実施形態では、ねじ穴11dは、円筒部11cの周方向にわたって、等間隔に、4か所設けられている。4つのねじ穴11dは、
図2に示すように、孔11aの中心軸C11に直交する同一の断面に含まれる位置に形成されている。
【0023】
移動規制部12は、本体部11に固定され、孔11aに挿入された摩擦撹拌接合用ツール20と3点以上で接する。移動規制部12は、それぞれ摩擦撹拌接合用ツール20と接触する3つ以上の部材からなっており、本実施形態では、4つのねじ穴11dのそれぞれに嵌められている、金属製の4つの固定用ねじ12である(
図2参照)。移動規制部12が有する4つの固定用ねじ12のそれぞれの先端部12aは、孔11aに挿入されている摩擦撹拌接合用ツール20に接している。4つの固定用ねじ12は、
図2に示すように、同一の断面において、本体部11の周方向にわたって、等間隔に配置されている。
【0024】
図3は、本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1の拡大断面図である。
図3には、
図2に示す、孔11aの中心軸C11に直交する断面図の部分拡大図を示している。本実施形態の4つの固定用ねじ12のそれぞれは、
図3に示すように、本体部11の周方向で隣り合う固定用ねじ12の中心軸C12のそれぞれと孔11aの外形線S11aとの交点P1間の距離L1は、35mm以下となっている。
【0025】
摩擦撹拌接合用ツール20は、略円柱形状を有しており、例えば、窒化珪素セラミックス、または、サイアロンから形成されている。これにより、ツールホルダ10の本体部11の平均熱膨張係数と摩擦撹拌接合用ツール20の平均熱膨張係数との差は、20℃から500℃までの温度範囲において、5ppm/K以上となる。
【0026】
摩擦撹拌接合用ツール20は、突起部21と、軸部22とを備える。突起部21は、
図1に示すように、軸部22に接続する側から離れるにしたがって、外径が小さくなるように形成されている。軸部22は、略円柱形状を有しており、本体部11の孔11aに挿入可能な大きさを有している。軸部22の側面22aには、固定用ねじ12の先端部12aと接触する平面状の当接面22bが形成されている。
【0027】
図4は、本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1の使用例を説明する図である。
図4は、融点が1000℃以上の金属からなる複数の被加工部材M1を摩擦撹拌接合によって接合している状態を示している。摩擦撹拌接合用工具1を用いて、複数の被加工部材M1を接合するとき、ツールホルダ10に支持された摩擦撹拌接合用ツール20の突起部21を、複数の被加工部材M1を当接させた部分pM1に押し当て、摩擦撹拌接合用工具1を回転させる。これにより、突起部21が押し当てられた部分pM1は、摩擦熱によって軟化し、撹拌される。回転する摩擦撹拌接合用工具1を複数の被加工部材M1を当接させた部分pM1に沿って移動させることで、軟化し攪拌された部分が冷えて固まり、複数の被加工部材M1どうしが接合する。
【0028】
次に、本実施形態のツールホルダ10の効果について説明する。摩擦撹拌接合用工具1を用いて被加工部材を接合するため、摩擦撹拌接合用ツール20を被加工部材に押し当てて回転させると、摩擦撹拌接合用工具1の温度は上昇する。このため、ツールホルダ10および摩擦撹拌接合用ツール20のいずれもが熱膨張する。本実施形態では、ツールホルダ10の本体部11は、熱膨張係数が比較的大きい金属からなり、摩擦撹拌接合用ツール20は、熱膨張係数が比較的小さい窒化珪素セラミックス、または、サイアロンから形成されている。このため、摩擦撹拌接合用ツール20を被加工部材に押し当てて回転させているとき、ツールホルダ10と摩擦撹拌接合用ツール20との間に隙間が形成される。ツールホルダ10と摩擦撹拌接合用ツール20との間に隙間が形成されると、摩擦撹拌接合用ツール20がツールホルダ10の内部で回転する。
【0029】
図5は、本実施形態のツールホルダ10の効果を説明する図である。
図5に示す摩擦撹拌接合用工具1の断面は、孔11aに摩擦撹拌接合用ツール20が挿入された状態であって、被加工部材を接合しているときの状態を示している。摩擦撹拌接合用ツール20がツールホルダ10の内部で回転(
図5の白抜き矢印R1)すると、摩擦撹拌接合用ツール20と固定用ねじ12とが接触する位置がずれて、
図5に示すように、摩擦撹拌接合用ツール20の当接面22bと、固定用ねじ12の先端部12aまわりの肩の部分12bとが接触する場合がある。
図5に示す状態で、被加工部材の接合が終了し、摩擦撹拌接合用工具1の温度が常温に戻ると、熱膨張差がなくなるため、固定用ねじ12にのみ、摩擦撹拌接合用ツール20の応力F1が作用することとなる。本実施形態のツールホルダ10は、4つの固定用ねじ12が本体部11の周方向に沿って等間隔に配置されているため、摩擦撹拌接合用ツール20の応力F1は、分散する。これにより、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダ10の変形を抑制することができる。
【0030】
図6は、比較例のツールホルダ50の断面図である。比較例のツールホルダ50は、摩擦撹拌接合用ツール20と組み合わせて、摩擦撹拌接合用工具5となる。比較例のツールホルダ50は、ツールホルダ10と同様に、筒形状の外形を有する本体部51を備える。本体部51が有する円筒部51cには、摩擦撹拌接合用ツール20を挿入可能な孔51aが形成されており、円筒部51cには、本体部51の外周部と孔51aとを連通するねじ穴51dが形成されている。ねじ穴51dには、固定用ねじ12が嵌められている。
【0031】
図6に示す比較例のツールホルダ50には、2つのねじ穴51dが形成されている。このため、摩擦撹拌接合用ツール20がツールホルダ50の内部で回転(
図6の白抜き矢印R1)すると、2つの固定用ねじ12のそれぞれに、摩擦撹拌接合用ツール20の応力F0が作用することとなる。応力F0は、本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1における応力F1(
図5参照)に比べ大きいため、固定用ねじ12を介して応力F0が作用するツールホルダ50は、変形するおそれがある。ツールホルダ50が変形すると、摩擦撹拌接合用ツール20が孔51aから抜けにくくなり、作業性が低下する。
【0032】
以上説明した、本実施形態のツールホルダ10によれば、本体部11の孔11aに挿入される摩擦撹拌接合用ツール20は、摩擦撹拌接合用ツール20に4点で接する移動規制部12によって、本体部11に対する移動が規制される。移動規制部12となる4つの部材は、摩擦撹拌接合用ツール20の中心軸に対して略平行な孔11aの中心軸C11に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている。これにより、摩擦撹拌接合用ツール20の中心軸に対して垂直な1つの平面上において、4つの部材が摩擦撹拌接合用ツール20に接触するため、熱膨張差によって移動規制部12に作用する応力が分散しやすくなり、1個の部材に作用する応力は小さくなる。したがって、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダ10の変形を抑制することができる。
【0033】
また、本実施形態のツールホルダ10によれば、熱膨張差によって移動規制部12に作用する応力が分散しやすくなるため、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダ10の変形が抑制される。ツールホルダが変形すると摩擦撹拌接合用ツールがツールホルダから抜けにくくなり、作業性が低下するが、本実施形態のツールホルダ10では、被加工部材の接合後に、ツールホルダ10から摩擦撹拌接合用ツール20を容易に抜くことができるため、摩擦撹拌接合用ツール20の交換を容易に行うことができる。したがって、摩擦撹拌接合の作業性を向上することができる。
【0034】
また、本実施形態のツールホルダ10は、金属からなっている。これにより、摩擦撹拌接合用ツール20との熱膨張差が比較的大きくなる。しかしながら、ツールホルダ10では、熱膨張差によって移動規制部12に作用する応力が分散しやすくなるため、ツールホルダ10の変形を抑制することができる。
【0035】
また、本実施形態のツールホルダ10によれば、移動規制部12は、複数の固定用ねじ12である。本実施形態では、固定用ねじ12が含まれる孔11aの中心軸C11に直交する断面において、本体部11の周方向で隣り合う固定用ねじ12の中心軸C12のそれぞれと孔11aの外形線S11aとの交点P1間の距離L1は、35mm以下となっている。これより、例えば、摩擦撹拌接合用ツール20の大きさが大きくなるにつれて、摩擦撹拌接合用ツール20に接触する固定用ねじ12の数が増える。したがって、熱膨張差によって固定用ねじ12に作用する応力が分散しやすくなり、1個の固定用ねじ12に作用する応力は小さくなるため、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダ10の変形を抑制することができる。
【0036】
また、本実施形態のツールホルダ10によれば、本体部11は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料から形成されている。このように、本体部11の熱膨張係数が比較的大きくなっても、応力が分散するため、ツールホルダ10の変形を抑制することができる。
【0037】
また、本実施形態のツールホルダ10によれば、摩擦撹拌接合用ツール20の中心軸に対して垂直な1つの平面上において、4つの固定用ねじ12は、等間隔に配置されるため、摩擦撹拌接合用ツール20から移動規制部12に作用する応力が均等に分散し、ツールホルダ10の変形をさらに抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1によれば、ツールホルダ10において、摩擦撹拌接合用ツール20の移動を規制する移動規制部12となる4つの固定用ねじ12は、孔11aの中心軸C11に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている。これにより、摩擦撹拌接合での使用によって熱膨張差が生じても、移動規制部12に作用する応力が分散し、1個の固定用ねじ12に作用する応力は小さくなる。したがって、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダ10の変形を抑制することができるため、摩擦撹拌接合用ツール20の交換を容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1によれば、ツールホルダ10の本体部11の平均熱膨張係数と摩擦撹拌接合用ツール20の平均熱膨張係数との差は、20℃から500℃までの温度範囲において、5ppm/K以上となっている。これにより、ツールホルダ10の本体部11と摩擦撹拌接合用ツール20との熱膨張差に起因する応力も大きくなる。しかしながら、摩擦撹拌接合用工具1では、移動規制部12に作用する応力は分散し、1個の固定用ねじ12に作用する応力は小さくなる。したがって、ツールホルダ10の変形を抑制することができるため、摩擦撹拌接合用ツール20の交換を容易に行うことができる。
【0040】
また、本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1によれば、摩擦撹拌接合用ツール20は、金属に比べ熱膨張係数が小さい窒化珪素セラミックス、または、サイアロンからなっている。このため、熱膨張差による応力が大きくなる。しかしながら、摩擦撹拌接合用工具1では、応力は4つの固定用ねじ12のそれぞれに分散するため、ツールホルダ10の変形を抑制することができる。したがって、摩擦撹拌接合用ツール20の交換を容易に行うことができる。
【0041】
また、本実施形態の摩擦撹拌接合用工具1によれば、摩擦撹拌接合用ツール20は、融点が1000℃以上の金属からなる複数の被加工部材M1を接合するため、摩擦撹拌接合用ツール20とツールホルダ10の温度が比較的高くなる。このため、摩擦撹拌接合用ツール20とツールホルダ10との熱膨張差はさらに大きくなり、熱膨張差による応力もさらに大きくなる。しかしながら、摩擦撹拌接合用工具1では、応力は4つの固定用ねじ12のそれぞれに分散するため、ツールホルダ10の変形を抑制することができる。したがって、摩擦撹拌接合用ツール20の交換を容易に行うことができる。
【0042】
<第2実施形態>
図7は、第2実施形態の摩擦撹拌接合用工具の断面図である。第2実施形態の摩擦撹拌接合用工具が備えるツールホルダは、第1実施形態のツールホルダ(
図2)と比較すると、ねじ穴が8個形成されている点が異なる。
【0043】
第2実施形態の摩擦撹拌接合用工具2は、ツールホルダ30と、摩擦撹拌接合用ツール20と、を備える。ツールホルダ30は、摩擦撹拌接合用ツール20を挿入可能な孔31aを有する本体部31と、本体部31に対する摩擦撹拌接合用ツール20の移動を規制する移動規制部12と、を備える。ツールホルダ30は、摩擦撹拌接合用ツール20を保持する。
【0044】
本体部31は、内側に孔31aが形成された筒形状の外形を有している。本体部31は、円筒部31cを有する。本実施形態では、本体部31は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料、例えば、金属から形成されている。円筒部31cには、円筒部31cの外周部と孔31aとを連通する複数のねじ穴31dが形成されている。本実施形態では、ねじ穴31dは、本体部31の周方向に沿って、等間隔に8つ形成されており、8つのねじ穴31dは、孔31aの中心軸C31に直交する同一の断面に含まれている。8つのねじ穴31dのそれぞれには、移動規制部12としての固定用ねじ12が嵌められている。これにより、固定用ねじ12は、本体部31の周方向に沿って、45度ずつの間隔で配置されている。
【0045】
以上説明した、本実施形態のツールホルダ30によれば、摩擦撹拌接合用ツール20の中心軸に対して垂直な1つの平面上において、8つの固定用ねじ12が摩擦撹拌接合用ツール20に接触するため、熱膨張差による応力が分散しやすくなり、1個の固定用ねじ12に作用する応力は小さくなる。したがって、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダ30の変形を抑制することができる。
【0046】
<第3実施形態>
図8は、第3実施形態の摩擦撹拌接合用工具の断面図である。第3実施形態の摩擦撹拌接合用工具が備えるツールホルダは、第1実施形態のツールホルダ(
図2)と比較すると、ねじ穴が3個形成されている点が異なる。
【0047】
第3実施形態の摩擦撹拌接合用工具3は、ツールホルダ40と、摩擦撹拌接合用ツール20と、を備える。ツールホルダ40は、摩擦撹拌接合用ツール20を挿入可能な孔41aを有する本体部41と、本体部41に対する摩擦撹拌接合用ツール20の移動を規制する移動規制部12と、を備える。ツールホルダ40は、摩擦撹拌接合用ツール20を保持する。
【0048】
本体部41は、内側に孔41aが形成された筒形状の外形を有している。本体部41は、円筒部41cを有する。本実施形態では、本体部41は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料、例えば、金属から形成されている。円筒部41cには、円筒部41cの外周部と孔41aとを連通する複数のねじ穴41dが形成されている。本実施形態では、ねじ穴41dは、本体部41の周方向に沿って、等間隔に3つ形成されており、3つのねじ穴41dは、孔41aの中心軸C41に直交する同一の断面に含まれている。3つのねじ穴41dのそれぞれには、移動規制部12としての固定用ねじ12が嵌められている。これにより、固定用ねじ12は、本体部41の周方向に沿って、120度ずつの間隔で配置されている。
【0049】
以上説明した、本実施形態のツールホルダ40によれば、摩擦撹拌接合用ツール20の中心軸に対して垂直な1つの平面上において、3つの固定用ねじ12が摩擦撹拌接合用ツール20に接触するため、熱膨張差による応力が分散しやすくなり、1個の固定用ねじ12に作用する応力は小さくなる。したがって、熱膨張差を起因とする応力によるツールホルダ40の変形を抑制することができる。
【0050】
また、本実施形態のツールホルダ40によれば、3つのねじ穴41dは、孔41aの中心軸に直交する同一の断面に含まれている。すなわち、3つのねじ穴41dのそれぞれに取り付けられる固定用ねじ12は、孔41aの中心軸C41に直交する同一の断面に含まれている。これにより、摩擦撹拌接合用ツール20は、3点で固定されるため、孔41aの中心軸C41に対して、摩擦撹拌接合用ツール20の中心軸が傾くことを抑制することができる。
【0051】
<本実施形態の変形例>
本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0052】
[変形例1]
移動規制部12として、第1実施形態では、4つの固定用ねじ12を備えるとし、第2実施形態では、8つの固定用ねじ12を備えるとし、第3実施形態では、3つの固定用ねじ12を備えるとした。しかしながら、移動規制部が備える部材は、3つ以上であればよく、3つ以上の部材が、孔11aの中心軸C11に直交する同一の断面に含まれていればよい。これにより、摩擦撹拌接合用ツールの中心軸に対して垂直な1つの平面上において、3つ以上の部材が摩擦撹拌接合用ツールに接触することができる。
【0053】
[変形例2]
上述の実施形態では、ツールホルダ10の本体部11は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料であって、例えば、金属からなっているとした。摩擦撹拌接合用ツール20は、窒化珪素セラミックス、または、サイアロンから形成されているとした。しかしながら、ツールホルダ10の本体部11または摩擦撹拌接合用ツール20の材料はこれらに限定されない。また、ツールホルダ10の本体部11の平均熱膨張係数と摩擦撹拌接合用ツール20の平均熱膨張係数との差は、20℃から500℃までの温度範囲において、5ppm/K以上となっているとしたが、平均熱膨張係数の差についても、5ppm/Kより小さくてもよい。金属からなる本体部11と窒化珪素セラミックス、または、サイアロンから形成されている摩擦撹拌接合用ツール20との組み合わせでは、平均熱膨張係数の差が大きくなりやすく、応力が作用しやすいが、3つ以上の部材のそれぞれに分散させることで、ツールホルダ10の変形を抑制することができる。
【0054】
[変形例3]
上述の実施形態では、
図3に示すような摩擦撹拌接合用工具の断面において、本体部11の周方向で隣り合う固定用ねじ12の中心軸C12のそれぞれと孔11aの外形線S11aとの交点P1間の距離L1は、35mm以下となっているとした。距離L1は35mmより大きくてもよい。距離L1を35mm以下とすることで、応力を分散し、1つの部材に作用する応力を小さくすることができる。
【0055】
[変形例4]
上述の実施形態では、摩擦撹拌接合用ツール20の軸部22は、略円柱形状であるとした。断面が矩形形状であってもよい。
【0056】
以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
【0057】
(適用例1)
摩擦撹拌接合用ツールを保持するツールホルダであって、
前記摩擦撹拌接合用ツールを挿入可能な孔を有する本体部と、
前記本体部に固定され、前記孔に挿入された前記摩擦撹拌接合用ツールと3点以上で接することで、前記本体部に対する前記摩擦撹拌接合用ツールの移動を規制する移動規制部と、を備え、
前記移動規制部は、それぞれ前記摩擦撹拌接合用ツールと接触する3つ以上の部材からなり、
前記3つ以上の部材は、前記孔の中心軸に直交する同一の断面に含まれる位置に配置されている、
ことを特徴とするツールホルダ。
(適用例2)
適用例1に記載のツールホルダであって、
前記本体部は、金属からなる、
ことを特徴とするツールホルダ。
(適用例3)
適用例1または適用例2に記載のツールホルダであって、
前記本体部は、内側に前記孔が形成された筒形状の外形を有し、外周部と前記孔とを連通する複数のねじ穴が形成されており、
前記移動規制部は、前記複数のねじ穴のそれぞれに嵌められている複数の前記固定用ねじであり、複数の前記固定用ねじのそれぞれの先端部が、前記孔に挿入された前記摩擦撹拌接合用ツールに接しており、
前記同一の断面において、前記本体部の周方向で隣り合う前記固定用ねじの中心軸のそれぞれと前記孔の外形線との交点間の距離は、35mm以下である、
ことを特徴とするツールホルダ。
(適用例4)
適用例1から適用例3のいずれか一例に記載のツールホルダであって、
前記本体部は、20℃から500℃までの温度範囲における熱膨張係数が10ppm/K以上の材料から形成されている、
ことを特徴とするツールホルダ。
(適用例5)
適用例1から適用例4のいずれか一例に記載のツールホルダであって、
前記同一の断面において、前記3つ以上の部材は、前記本体部の周方向にわたって、等間隔に配置されている、
ことを特徴とするツールホルダ。
(適用例6)
摩擦撹拌接合用工具であって、
適用例1から適用例5のいずれか一例に記載のツールホルダと、
複数の被加工部材を当接させた部分を撹拌し、複数の前記被加工部材どうしを接合させる前記摩擦撹拌接合用ツールと、を備える、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
(適用例7)
適用例6に記載の摩擦撹拌接合用工具であって、
前記ツールホルダの本体部の平均熱膨張係数と前記摩擦撹拌接合用ツールの平均熱膨張係数との差は、20℃から500℃までの温度範囲において、5ppm/K以上である、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
(適用例8)
適用例6または適用例7に記載の摩擦撹拌接合用工具であって、
前記摩擦撹拌接合用ツールは、窒化珪素セラミックス、または、サイアロンからなる、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
(適用例9)
適用例6から適用例8のいずれか一例に記載の摩擦撹拌接合用工具であって、
前記摩擦撹拌接合用ツールは、融点が1000℃以上の金属からなる複数の前記被加工部材を接合する、
ことを特徴とする摩擦撹拌接合用工具。
【符号の説明】
【0058】
1,2,3…摩擦撹拌接合用工具
10,30,40…ツールホルダ
11…本体部
11a…孔
11d,31d,41d…ねじ穴
12…移動規制部(固定用ねじ)
12a…先端部
20…摩擦撹拌接合用ツール
C11…孔の中心軸
C12…(固定用ねじの)中心軸
L1…距離
M1…被加工部材
P1…交点
pM1…(被加工部材どうしを当接させた)部分
S11a…(孔の)外形線