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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112500
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】内底ロック構造を備えた箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/30 20060101AFI20240814BHJP
   B65D 5/26 20060101ALI20240814BHJP
   B65D 5/22 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
B65D5/30 Z
B65D5/26
B65D5/22 B
B65D5/30 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017557
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】平山 智也
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AA07
3E060AB13
3E060AB18
3E060AB19
3E060AB20
3E060BA03
3E060BB01
3E060BB02
3E060BB03
3E060BC04
3E060DA04
3E060DA14
3E060DA30
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】内底部の保形性に優れ、内フラップを有するデザインが可能な内底ロック構造を備えた箱を提供する。
【解決手段】底板1aの周囲の一方の対向辺に側壁2が連設され、他方の対向辺に端壁3が連設され、対向する側壁2は、それぞれ底板1aに順次連なる外側板2a及び内側板2bが重なり合って形成され、一方の側壁2の内側板2bの先端に折返片5が連設され、他方の側壁2の内側板2bに底パッド1bが連設され、底パッド1bの先端には、凹所6が形成されると共に、凹所6の基底部から延びる抑止片7が連設されたものとする。底板1aに底パッド1bを重ねて底壁1を形成し、抑止片7を折り返すように逆折りして、抑止片7との干渉を回避した折返片5を底パッド1bの凹所6に嵌合させ、抑止片7の逆折りを復元し、抑止片7を折返片5の上面に重ねて、折返片5を抑止片7で抑える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
底板(1a)の周囲の一方の対向辺に側壁(2)が連設され、他方の対向辺に端壁(3)が連設され、対向する前記側壁(2)は、それぞれ底板(1a)に順次連なる外側板(2a)及び内側板(2b)が重なり合って形成され、
対向する前記側壁(2)のうち、一方の側壁(2)の内側板(2b)の先端に折返片(5)が連設され、他方の側壁(2)の内側板(2b)に底パッド(1b)が連設され、
前記底パッド(1b)の先端には、前記折返片(5)に対応する凹所(6)が形成されると共に、前記凹所(6)の基底部から延びる抑止片(7)が連設され、
前記底板(1a)に前記底パッド(1b)を重ねて底壁(1)を形成し、前記抑止片(7)を折り返すように逆折りして、前記抑止片(7)との干渉を回避した前記折返片(5)を前記底パッド(1b)の凹所(6)に嵌合させ、前記抑止片(7)の逆折りを復元し、前記抑止片(7)を前記折返片(5)の上面に重ねて、前記折返片(5)を前記抑止片(7)で抑える内底ロック構造を備えた箱。
【請求項2】
前記一方の側壁(2)の外側板(2a)と内側板(2b)の上端間に外蓋板(4a)及び内蓋板(4b)が順次連なり、前記外蓋板(4a)と前記内蓋板(4b)とが貼り合わされて蓋(4)が形成され、対向する前記端壁(3)の上端に内フラップ(9)が連設され、
前記内フラップ(9)に前記蓋(4)を重ねて閉じられることを特徴とする請求項1に記載の内底ロック構造を備えた箱。
【請求項3】
前記側壁(2)と前記端壁(3)とが上窄まりの台形状とされ、前記側壁(2)の外側板(2a)と内側板(2b)の間に、下方から上方へかけて間隔が狭くなる隙間が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内底ロック構造を備えた箱。
【請求項4】
前記側壁(2)は、頂部に前記外側板(2a)と前記内側板(2b)とを繋ぐ頂板(2e)が介在し、前記外側板(2a)と前記内側板(2b)の間に高さ方向の全体に及ぶ隙間が設けられた額縁構造になっていることを特徴とする請求項1に記載の内底ロック構造を備えた箱。
【請求項5】
前記折返片(5)は、嵌合凸部(5a)の両側に底抑部(5b)を有する形状とされ、
前記折返片(5)の嵌合凸部(5a)が前記底パッド(1b)の凹所(6)に嵌合し、前記底抑部(5b)が前記底パッド(1b)の上面に重なって、前記底パッド(1b)が前記底抑部(5b)で抑えられることを特徴とする請求項1に記載の内底ロック構造を備えた箱。
【請求項6】
前記底パッド(1b)及び前記折返片(5)の基部からそれぞれ連なる前記内側板(2b)を切り込んで張出片(2c)が設けられ、
前記内側板(2b)からの前記底パッド(1b)及び前記折返片(5)の折り曲げに伴い、前記張出片(2c)が突出して、前記側壁(2)の外側板(2a)と内側板(2b)の間隔が維持されることを特徴とする請求項3または4に記載の内底ロック構造を備えた箱。
【請求項7】
前記抑止片(7)の先端には係合突起(7a)が設けられ、一方の前記内側板(2b)には、前記折返片(5)との境界に臨んで前記係合突起(7a)に対応する係合スロット(2d)が形成され、
前記係合突起(7a)が前記係合スロット(2d)に差し込まれて、前記内側板(2b)と前記抑止片(7)とが固定されることを特徴とする請求項1に記載の内底ロック構造を備えた箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、内底部を保形する内底ロック構造を備えた箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1には、図10及び図11に示すように、身51に開閉する蓋52が繋がり、身51は、底板53aの蓋52とは反対側の一辺に側壁54が連設され、両側の対向辺に端壁55が連設され、側壁54に連なる底パッド53bを底板53aに重ねて底壁53が形成され、底パッド53bから延びる内側板54aの両側に連設された折込片55aをいわゆる額縁構造の端壁55の内部に巻き込んで、底パッド53bの浮き上がりを防止し、底壁53に仕切56を載せる箱が記載されている。
【0003】
また、下記特許文献2には、図12及び図13に示すように、身61に開閉する蓋62が繋がり、蓋62は、封緘時に天面となる底板63aの先端辺に側壁64を形成する外側板64a及び内側板64bが順次連設され、両側の対向辺に端壁65が連設され、内側板64bの先端から延びる底パッド63bを底板63aに重ねて底壁63が形成され、底パッド63bを両側の端壁65の間に突っ張らせて、底パッド63bの浮き上がりを防止するように構成された箱が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9-301349号公報
【特許文献2】登録実用新案第3061919号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、図10及び図11に示すような構成の箱では、底パッド53bを固定するため、対向する端壁55が額縁構造としていることから、端壁55の頂部から内側へ向けて、蓋52の内面に重なる内フラップを設けることができず、デザインに制約がある。
【0006】
また、図12及び図13に示すような構成の箱では、蓋62を大きく開くと、底パッド63bが底板63aから浮き上がり、蓋62の内底部が保形されなくなる恐れがある。
【0007】
そこで、この発明は、内底部の保形性に優れ、内フラップを有するデザインが可能な内底ロック構造を備えた箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、この発明に係る箱は、底板の周囲の一方の対向辺に側壁が連設され、他方の対向辺に端壁が連設され、対向する前記側壁は、それぞれ底板に順次連なる外側板及び内側板が重なり合って形成され、
対向する前記側壁のうち、一方の側壁の内側板の先端に折返片が連設され、他方の側壁の内側板に底パッドが連設され、
前記底パッドの先端には、前記折返片に対応する凹所が形成されると共に、前記凹所の基底部から延びる抑止片が連設され、
前記底板に前記底パッドを重ねて底壁を形成し、前記抑止片を折り返すように逆折りして、前記抑止片との干渉を回避した前記折返片を前記底パッドの凹所に嵌合させ、前記抑止片の逆折りを復元し、前記抑止片を前記折返片の上面に重ねて、前記折返片を前記抑止片で抑える内底ロック構造を備えたものとしたのである。
【0009】
また、前記一方の側壁の外側板と内側板の上端間に外蓋板及び内蓋板が順次連なり、前記外蓋板と前記内蓋板とが貼り合わされて蓋が形成され、対向する前記端壁の上端に内フラップが連設され、
前記内フラップに前記蓋を重ねて閉じられるものとしたのである。
【0010】
また、前記側壁と前記端壁とが上窄まりの台形状とされ、前記側壁の外側板と内側板の間に、下方から上方へかけて間隔が狭くなる隙間が設けられているものとしたのである。
【0011】
或いは、前記側壁は、頂部に前記外側板と前記内側板とを繋ぐ頂板が介在し、前記外側板と前記内側板の間に高さ方向の全体に及ぶ隙間が設けられた額縁構造になっているものとしたのである。
【0012】
また、前記折返片は、嵌合凸部の両側に底抑部を有する形状とされ、
前記折返片の嵌合凸部が前記底パッドの凹所に嵌合し、前記底抑部が前記底パッドの上面に重なって、前記底パッドが前記底抑部で抑えられるものとしたのである。
【0013】
また、前記底パッド及び前記折返片の基部からそれぞれ連なる前記内側板を切り込んで張出片が設けられ、
前記内側板からの前記底パッド及び前記折返片の折り曲げに伴い、前記張出片が突出して、前記側壁の外側板と内側板の間隔が維持されるものとしたのである。
【0014】
さらに、前記抑止片の先端には係合突起が設けられ、一方の前記内側板には、前記折返片との境界に臨んで前記係合突起に対応する係合スロットが形成され、
前記係合突起が前記係合スロットに差し込まれて、一方の前記内側板と前記抑止片とが固定されるものとしたのである。
【発明の効果】
【0015】
この発明に係る箱では、一方の側壁の内側板の先端に折返片が連設され、他方の側壁の内側板に底パッドが連設され、折返片を抑止片で抑える構成としているので、一方の側壁に繋がる蓋を大きく開いて逆折りしても、折返片が浮き上がることがなく、底パッドが浮き上がることもない。
【0016】
また、対向する端壁の頂部から内側へ向けて、蓋の内面に重なる内フラップを設けることができるので、内フラップの形状や印刷に工夫を凝らして、蓋を開けたときに注意を惹くデザインにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】この発明の第1実施形態に係る内底ロック構造を備えた箱の開蓋状態を示す斜視図
図2】同上の閉蓋状態を示す斜視図
図3】同上のブランクを示す図
図4】同上の組立過程を示す要部拡大斜視図
図5】同上の組立状態を示す要部拡大斜視図
図6】この発明の第2実施形態に係る内底ロック構造を備えた箱の開蓋状態を示す斜視図
図7】同上のブランクを示す図
図8】この発明の第3実施形態に係る内底ロック構造を備えた箱を示す斜視図
図9】同上のブランクを示す図
図10】特許文献1に記載の箱の使用状態を示す斜視図
図11】同上の身部分の構造を示す斜視図
図12】特許文献2に記載の箱の外観を示す斜視図
図13】同上の蓋部分の構造を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1実施形態>
(概要)
この発明の第1実施形態を、図1から図5に基づいて説明する。この箱は、図1及び図2に示すように、底壁1の周囲に各一対の上窄まり台形状をなす側壁2及び端壁3が起立し、一方の側壁2の上端に天面を開閉する蓋4が繋がった形状となっている。
【0019】
(ブランク)
図3は、この箱の板紙を材料とする示すブランクを示す。このブランクでは、長方形の底板1aの周囲の長い対向辺に外側板2aが連設され、短い対向辺に端壁3が連設されており、側壁2の形状を特徴付ける外側板2aが台形状とされている。
【0020】
一方の外側板2aには、組立時に上端となる端辺に外蓋板4a、一対の蓋先片4c、内蓋板4b、内側板2b及び折返片5が順次連設され、折返片5は、突出した嵌合凸部5aの両側に底抑部5bを有する形状とされている。
【0021】
他方の外側板2aには、組立時に上端となる端辺から内側板2b及び底パッド1bが順次連設されている。底パッド1bの先端には、折返片5に対応する凹所6が形成されると共に、凹所6の基底部から延びる抑止片7が連設されている。
【0022】
一方の内側板2bと折返片5の境界、他方の内側板2bと底パッド1bの境界、及び底パッド1bと抑止片7の境界の折目線には、表面側が谷折りとなる方向への逆折りを容易にできるようにするため、断続的に切目が入れられている。
【0023】
また、底パッド1b及び折返片5には、それぞれ基部が連なる内側板2bへの切込により、2個の張出片2cが設けられている。
【0024】
一対の端壁3の傾斜した両側辺には、それぞれ細長い抱持片8が連設されている。両側の端壁3から延びる抱持片8の互い違いの端縁には、先端寄りに切込部8aが形成され、抱持片8の組立時に下側となる端縁の中間部には切欠部8bが形成されている。
【0025】
一対の端壁3の組立時に上端となる端縁には、それぞれ内フラップ9が連設され、内フラップ9は、デザイン性を高めるため、端縁が湾曲した形状とされている。
【0026】
このようなブランクは、組立前に一対の蓋先片4cの境界の折目線に沿って折り重ね、外蓋板4aの裏面に内蓋板4bの裏面を貼り合わせて、蓋4を形成しておく。
【0027】
(組立過程)
上記ブランクを図1に示すような箱に組み立てるには、底板1aから一対の端壁3を起立させ、底パッド1bの付根側に位置する一対の抱持片8の切込部8a同士を噛み合わせる。これにより、一対の端壁3の起立状態が維持される。
【0028】
そして、底パッド1bが繋がる外側板2aを起立させ、噛み合わせた一対の抱持片8の内側に内側板2bを沿わせるように折り曲げて、この外側板2aと内側板2bとから成る側壁2を形成し、底パッド1bを内側板2bから折り曲げて底板1aに重ねる。
【0029】
このとき、底パッド1b及び折返片5から突出した張出片2cが抱持片8の切欠部8bを介して外側板2aの内面に突き当たり、側壁2の下部における外側板2aと内側板2bの間隔が維持され、外側板2aの内側板2bに対する傾斜角度が維持される。
【0030】
次に、図4に示すように、蓋4の付根側に位置する一対の抱持片8の切込部8a同士を噛み合わせ、抑止片7及び折返片5を逆折りする。
【0031】
続いて、図5に示すように、噛み合わせた一対の抱持片8の内側に折返片5が繋がる内側板2bを沿わせるように折り曲げて、この外側板2aと内側板2bとから成る側壁2を形成し、折返片5の嵌合凸部5aを底パッド1bの凹所6に嵌合させる。この状態で、折返片5は、底パッド1bに仮止される。
【0032】
このとき、折返片5の両側の底抑部5bが底パッド1bの上面に重なって、底パッド1bが底抑部5bで抑えられ、底パッド1bの浮き上がりが防止される。
【0033】
その後、抑止片7の逆折りを復元させ、抑止片7を折返片5の上面に重ねて、折返片5を抑止片7で抑えると、折返片5の浮き上がりが防止され、図1に示すような組立状態となる。そして、菓子等の内容物を収納した後、蓋4を閉じ、重なり合った蓋先片4cを他方の側壁2の内側板2bの内面に沿って差し込むと、図2に示す閉蓋状態となる。
【0034】
(効果)
上記のような箱では、図1に示すように、一方の側壁2の内側板2bの先端に折返片5が連設され、他方の側壁2の内側板2bに底パッド1bが連設され、折返片5を抑止片7で抑える構成としているので、一方の側壁2に繋がる蓋4を大きく開いて逆折りしても、折返片5が浮き上がることがなく、底パッド1bが浮き上がることもない。
【0035】
また、端壁3を額縁構造とする必要がなく、端壁3の頂部から内側へ向けて、蓋4の内面に重なる内フラップ9を設けることができるので、内フラップ9の形状や印刷に工夫を凝らして、蓋4を開けたときに注意を惹くデザインにすることができる。
【0036】
また、外蓋板4aの裏面と内蓋板4bの裏面とを貼り合わせて蓋4が形成されているので、材料の表面に印刷しておくだけで、蓋4の外面と内面に印刷が施されたものとすることができ、内フラップ9の印刷と相俟って、開蓋時の訴求性を強めることができる。
【0037】
そのほか、側壁2において、一対の抱持片8の噛合部分が内側板2bで隠されるので、組立状態での優れた保形性を維持しつつ、美粧性を高めることができる。
【0038】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、ここでは、主として上記第1実施形態とは異なる特徴部分に言及するに留める。
【0039】
この箱は、図6に示すように、底壁1の周囲に起立する各一対の側壁2及び端壁3が長方形とされ、組立状態で直方体となるものである。一対の側壁2には、外側板2aと内側板2bとの間に空隙がないため、外側板2aと内側板2bの間隔を維持する必要がなく、第1実施形態が備える張出片2cは存在しない。
【0040】
また、図7のブランクに示すように、折返片5に第1実施形態が備える底抑部5bがなく、抑止片7の先端に係合突起7aが設けられ、一方の内側板2bには、折返片5との境界に臨んで切込により係合スロット2dが形成されている。そして、図6に示すように、係合スロット2dは、折返片5の折り曲げに伴い開口し、係合突起7aが係合スロット2dに差し込まれ、内側板2bと抑止片7とが係止されて固定される。
【0041】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。なお、ここにおいても、主として上記第1実施形態とは異なる特徴部分に言及するに留める。
【0042】
この箱は、図8に示すように、底壁1の周囲に起立する各一対の側壁2及び端壁3が長方形とされ、組立状態で直方体となるものであり、第1実施形態及び第2実施形態が備える蓋4がないトレイとされている。また、一対の側壁2は、外側板2aと内側板2bとが頂部の頂板2eを介して連なり、外側板2aと内側板2bの間に高さ方向の全体に及ぶ隙間が設けられた額縁構造になっている。
【0043】
また、図9のブランクに示すように、抱持片8には、それぞれ中頂板8c及び中側板8dが上端となる端縁から順次連設され、図8に示すように、中頂板8c及び中側板8dがそれぞれ頂板2e及び内側板2bの裏面に沿うように折り曲げられて、一対の側壁2が補強されている。側壁2の外側板2aと内側板2bの間隔は、底パッド1b及び折返片5から突出した張出片2cにより、下部から上部へかけて維持される。
【0044】
また、第2実施形態と同様、折返片5に第1実施形態のような底抑部5bがなく、抑止片7の先端に係合突起7aが設けられ、一方の内側板2bには、折返片5との境界に臨んで切込により係合スロット2dが形成されている。そして、図8に示すように、係合スロット2dは、折返片5の折り曲げに伴い開口し、係合突起7aが係合スロット2dに差し込まれ、内側板2bと抑止片7とが係止されて固定される。
【0045】
<その他>
上記第1実施形態の箱は、第2実施形態及び第3実施形態のように、抑止片7の先端の係合突起7aとこれに対応する内側板2bの係合スロット2dとを備えていないが、これらを備えるようにして、内側板2bと抑止片7とが固定されるようにしてもよい。
【0046】
また、第2実施形態及び第3実施形態の箱は、第1実施形態のように、折返片5に底パッド1bを抑える底抑部5bを備えていないが、これを備えるようにして、底パッド1bの浮き上がりが確実に防止されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 底壁
1a 底板
1b 底パッド
2 側壁
2a 外側板
2b 内側板
2c 張出片
2d 係合スロット
2e 頂板
3 端壁
4 蓋
4a 外蓋板
4b 内蓋板
4c 蓋先片
5 折返片
5a 嵌合凸部
5b 底抑部
6 凹所
7 抑止片
7a 係合突起
8 抱持片
8a 切込部
8b 切欠部
8c 中頂板
8d 中側板
9 内フラップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13