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特開2024-112508転送方法、情報表示方法、転送装置、端末装置、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112508
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】転送方法、情報表示方法、転送装置、端末装置、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/54 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
H04M3/54
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017574
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000102717
【氏名又は名称】NTTテクノクロス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121706
【弁理士】
【氏名又は名称】中尾 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100128705
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 幸雄
(74)【代理人】
【識別番号】100147773
【弁理士】
【氏名又は名称】義村 宗洋
(72)【発明者】
【氏名】生駒 勝幸
【テーマコード(参考)】
5K201
【Fターム(参考)】
5K201BC08
5K201CA01
5K201CB05
5K201CC07
5K201CC10
5K201EC06
5K201ED01
(57)【要約】
【課題】呼の転送先に適した端末装置を選択する。
【解決手段】特定の宛先に発呼された呼の転送先である特定の端末装置の宛先を複数の端末装置の宛先の中から選択し、選択された特定の端末装置の宛先に呼を転送するための処理を行う。この際、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、当該特定の端末装置の宛先を選択する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
転送装置による転送方法であって、
特定の宛先に発呼された呼の転送先である特定の端末装置の宛先を複数の端末装置の宛先の中から選択する選択ステップと、
前記選択ステップで選択された前記特定の端末装置の宛先に前記呼を転送するための処理を行う転送処理ステップと、を有し、
前記選択ステップは、前記転送先に前記呼を転送するための転送費用の安さ、または、前記転送先で前記呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、前記特定の端末装置の宛先を選択するステップである、転送方法。
【請求項2】
請求項1の転送方法であって、
前記選択ステップは、前記回線品質の高さよりも前記転送費用の安さを優先して前記特定の端末装置の宛先を選択するか、または、前記転送費用の安さよりも前記回線品質の高さを優先して前記特定の端末装置の宛先を選択するステップである、転送方法。
【請求項3】
請求項2の転送方法であって、
前記回線品質の高さよりも前記転送費用の安さを優先して前記特定の端末装置の宛先を選択する費用優先モードと、前記転送費用の安さよりも前記回線品質の高さを優先して前記特定の端末装置の宛先を選択する品質優先モードと、の切り替えを行う切り替えステップをさらに有し、
前記選択ステップは、前記費用優先モードに切り替えられたときに前記回線品質の高さよりも前記転送費用の安さを優先して前記特定の端末装置の宛先を選択し、前記品質優先モードに切り替えられたときに前記転送費用の安さよりも前記回線品質の高さを優先して前記特定の端末装置の宛先を選択するステップである、転送方法。
【請求項4】
請求項3の転送方法であって、
前記切り替えステップは、前記特定の宛先に発呼した主体の属性、前記主体の場所、前記特定の宛先に発呼された時間、または前記主体の発呼状況から推測される不満度合、の少なくともいずれかに応じ、前記費用優先モードと前記品質優先モードとの切り替えを行うステップである、転送方法。
【請求項5】
端末装置の情報表示方法であって、
特定の宛先に発呼された呼が前記端末装置に転送された際に、
前記特定の宛先から前記呼を前記端末装置に転送するための転送費用に対応する情報、または前記端末装置で前記呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す転送情報領域と、
前記端末装置で前記呼を着呼するか否かを選択するための入力を受け付ける操作領域と、
を表示部に表示するための情報を出力する表示処理ステップと、
前記端末装置で前記呼を着呼することが選択された場合に前記呼を着呼するための処理を行う着呼処理ステップと、
を有する情報表示方法。
【請求項6】
請求項5の情報表示方法であって、
前記操作領域は、さらに、前記呼を他の端末装置に再転送するか否かを選択するための入力を受け付ける領域であり、
前記呼を前記他の端末装置に再転送することが選択された場合に前記呼を再転送するための処理を行う再転送処理ステップをさらに有する、情報表示方法。
【請求項7】
請求項6の情報表示方法であって、
前記表示処理ステップは、再転送先に前記呼を再転送するための転送費用に対応する情報、または前記再転送先で前記呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す再転送情報領域をさらに前記表示部に表示するステップであり、
前記操作領域は、さらに、何れの再転送先に前記呼を再転送するかを選択するための入力を受け付ける領域であり、
前記再転送処理ステップは、特定の再転送先に前記呼を再転送することが選択された場合に前記特定の再転送先に前記呼を再転送するための処理を行うステップである、情報表示方法。
【請求項8】
特定の宛先に発呼された呼の転送先である特定の端末装置の宛先を複数の端末装置の宛先の中から選択する選択部と、
前記選択部で選択された前記特定の端末装置の宛先に前記呼を転送するための処理を行う転送処理部と、を有し、
前記選択部は、前記転送先に前記呼を転送するための転送費用の安さ、または、前記転送先で前記呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、前記特定の端末装置の宛先を選択する、転送装置。
【請求項9】
端末装置であって、
特定の宛先に発呼された呼が前記端末装置に転送された際に、
前記特定の宛先から前記呼を前記端末装置に転送するための転送費用に対応する情報、または前記端末装置で前記呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す転送情報領域と、
前記端末装置で前記呼を着呼するか否かを選択するための入力を受け付ける操作領域と、
を表示部に表示するための情報を出力する表示処理部と、
前記端末装置で前記呼を着呼することが選択された場合に前記呼を着呼するための処理を行う着呼処理部と、
を有する端末装置。
【請求項10】
請求項1から4の何れかの転送方法、または、請求項5から7の何れかの情報表示方法をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電話通信技術に関し、特に呼を自動的に転送する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特定の宛先に発呼された呼(例えば、顧客からの問い合わせ電話等)を特定の端末装置(例えば、担当者の電話等)に自動的に転送する技術が知られている(例えば、非特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】「自動電話転送で代表電話の取り次ぎ課題を解決!RING x LINK」、[online]、令和4年7月4日、NTTテクノクロス株式会社、[令和4年11月8日検索]、インターネット<https://www.ntt-tx.co.jp/products/ring-x-link/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来技術では、呼の転送に適した端末装置が選択されるとは限らない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明では、特定の宛先に発呼された呼の転送先である特定の端末装置の宛先を複数の端末装置の宛先の中から選択し、選択された特定の端末装置の宛先に呼を転送するための処理を行う。この際、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、当該特定の端末装置の宛先を選択する。
【発明の効果】
【0006】
これにより、呼の転送先に適した端末装置を選択できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態の電話通信システムの構成を例示するための図である。
図2図2は、実施形態の端末装置の機能構成を例示するための図である。
図3図3は、実施形態の転送装置の機能構成を例示するための図である。
図4図4は、実施形態の管理情報の構成を例示するための図である。
図5図5Aは、実施形態の代表番号管理情報の構成を例示するための図である。図5Bは、実施形態の部署番号管理情報の構成を例示するための図である。
図6図6は、実施形態の担当番号管理情報の構成を例示するための図である。
図7図7は、実施形態の転送制御情報の構成を例示するための図である。
図8図8Aおよび図8Bは、実施形態の選択要素優先度情報の構成を例示するための図である。
図9図9Aは、実施形態の転送費用優先度情報の構成を例示するための図である。図9Bは、実施形態の回線品質優先度情報の構成を例示するための図である。
図10図10Aは、実施形態の業務状況優先度情報の構成を例示するための図である。図10Bは、実施形態の担当スキル優先度情報の構成を例示するための図である。
図11図11Aは、実施形態の顧客情報の構成を例示するための図である。図11Bは、実施形態の通話情報の構成を例示するための図である。
図12図12は、実施形態の選択ステップの一例を説明するためのフロー図である。
図13図13は、図12のステップS1022の一例を説明するためのフロー図である。
図14図14Aおよび図14Bは、実施形態の表示画面の構成を例示するための図である。
図15図15Aおよび図15Bは、実施形態の表示画面の構成を例示するための図である。
図16図16Aおよび図16Bは、実施形態の表示画面の構成を例示するための図である。
図17図17Aおよび図17Bは、実施形態の表示画面の構成を例示するための図である。
図18図18Aおよび図18Bは、実施形態の表示画面の構成を例示するための図である。
図19図19Aおよび図19Bは、実施形態の表示画面の構成を例示するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
第1実施形態では、特定の宛先に発呼された呼の転送先である特定の端末装置の宛先を複数の端末装置の宛先の中から選択し、選択された特定の端末装置の宛先に呼を転送するための処理を行う。この際、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、転送先である特定の端末装置の宛先を選択する。本実施形態では、顧客(呼の発呼者、呼の発信元)が企業の代表番号(特定の宛先)に発呼し(電話をかけ)、この呼が特定の部署の端末装置や担当者の端末装置に転送される場合を例にとって説明する。ここで、代表番号とは会社や部署等の組織に対して2以上の電話番号(外線番号)が存在する場合に、それらの代表として定めた1つの電話番号のことである。また、担当者とは代表番号への着信に対して顧客に対する電話応対が必要な業務に従事している者のことであり、例えば、営業担当者、商品に関する問い合わせ窓口担当者、故障に対応する技術担当者等が挙げられる。しかし、これらは本発明を限定するものではなく、本発明が適用される実施形態は、以下の実施形態に限られるわけではない。
【0009】
<電話通信システム1>
図1に例示するように、本実施形態の電話通信システム1は、端末装置110-1,…,110-M、端末装置120-1,…,120-N、代表装置130-1,…,130-K、および転送装置140を有し、これらが通信ネットワーク150を介して、互いに通信可能に接続されている。ただし、Mは1以上の整数であり、Nは2以上の整数であり、Kは1以上の整数である。本実施形態の通信ネットワーク150は、単数または複数の回線事業者が運営する単数または複数の電話回線網等の公衆回線網を含み、さらにローカル無線回線網(例えば、Wi-Fi(登録商標)やローカル5G等)やローカル有線回線網を含んでもよい。
【0010】
<端末装置110-1,…,110-M>
本実施形態の端末装置110-1,…,110-Mは、顧客に使用される端末装置である。以下では、端末装置110-1,…,110-Mのそれぞれを端末装置110-mと表現する。ただし、m=1,…,Mを満たす。また、端末装置110-1,…,110-Mの総称を端末装置110と表現する。この例の端末装置110は、例えば電話機能を備えたスマートフォン、タブレット端末装置、ウェアラブルデバイス、PC(パーソナルコンピュータ)、固定電話等である。
【0011】
<端末装置120-1,…,120-N>
本実施形態の端末装置120-1,…,120-Nは、担当者に使用される端末装置である。端末装置120-1,…,120-Nは、担当者が属する部署に設置された端末装置であってもよいし、担当者が所持や所有する端末装置であってもよい。本実施形態の端末装置120-1,…,120-Nは、これら両方の端末装置を含むものとする。しかし、これは本発明を限定するものではない。また部署に設置された端末装置の電話番号が代表番号を兼ねてもよい。以下では、端末装置120-1,…,120-Nのそれぞれを端末装置120-nと表現する。ただし、n=1,…,Nを満たす。また、端末装置120-1,…,120-Nの総称を端末装置120と表現する。図2に例示するように、本実施形態の端末装置120-nは、通信処理部121-n、表示処理部122-n、着呼処理部123-n、タッチパネル部124-n、および更新情報提供部125-nを有する。端末装置120は、例えば電話機能を備えたスマートフォン、タブレット端末装置、ウェアラブルデバイス、PC、固定電話等である。
【0012】
<代表装置130-1,…,130-K>
代表装置130-1,…,130-Kは、代表番号が割り当てられた端末装置である。以下では、代表装置130-1,…,130-Kのそれぞれを代表装置130-kと表現する。ただし、k=1,…,Kを満たす。また、代表装置130-1,…,130-Kの総称を代表装置130と表現する。この例の代表装置130は、例えば電話機能を備えたスマートフォン、タブレット端末装置、ウェアラブルデバイス、PC、固定電話等である。
【0013】
<転送装置140>
転送装置140は、端末装置110から代表番号(特定の宛先)に発呼された際に、呼の転送先である特定の端末装置120-n(n∈{1,…,N})の宛先を複数の端末装置120-1,…,120-Nの宛先の中から選択し、選択した端末装置120-nの電話番号(選択した特定の端末装置の宛先)に呼を転送するための処理を行う。図3に例示するように、本実施形態の転送装置140は、転送処理部141、選択部142、記憶部143、および更新部144を有する。この例の転送装置140は、例えば、所定のプログラムがコンピュータに読み込まれることによって構成された装置である。転送装置140は、オンプレミス型の装置であってもよいし、クラウド型の装置であってもよい。
【0014】
<事前処理>
本実施形態では、事前処理において、管理情報1431、転送制御情報1432、顧客情報1433、および通話情報1434が転送装置140(図3)の記憶部143に設定される。ここで、管理情報1431、転送制御情報1432、および顧客情報1433の内容は事前処理の段階で格納される。一方、通話情報1434の内容は、これ以降の処理の段階で格納される。管理情報1431、転送制御情報1432、または顧客情報1433の少なくとの一部が、これ以降の処理に応じて更新されてもよい。
【0015】
<管理情報1431>
本実施形態の管理情報1431は、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼された呼の転送先である特定の端末装置120の宛先を複数の端末装置120-1,…,120-Nの宛先の中から選択するために必要な属性情報を含む。この属性情報は代表端末130および端末装置120の属性を表し、特に転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方を特定するための情報を含む。例えば、図4に例示するように、本実施形態の管理情報1431は、代表番号管理情報1431a、部署番号管理情報1431b、および担当番号管理情報1431cを有する。
【0016】
本実施形態の代表番号管理情報1431aは、代表装置130の属性情報を含む。例えば、図5Aに例示するように、本実施形態の代表番号管理情報1431aは、各代表装置130-kを表す識別子(例えば、「代表番号1」等)と、各代表装置130-kの電話番号(例えば、「0311111111」等)(特定の宛先)と、各代表装置130-kが利用する回線(例えば、代表装置130-kが着呼したり、発呼したり、呼を転送したりするための回線)の回線事業者(例えば、「A」等)と、が対応付けられた情報である。ここで、各代表装置130-kの電話番号や各代表装置130-kが利用する回線の回線事業者は、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方を特定するための情報である。例えば、同一の回線事業者の回線内や提携する回線事業者の回線間で呼を転送する場合の転送費用は、提携していない回線事業者の回線間で呼を転送する場合の転送費用よりも安いことが多い。例えば、同一の回線事業者の回線内や提携する回線事業者の回線間で呼を転送する場合の転送費用が無料となる場合もある。そのため、回線事業者の情報やそれを特定できる電話番号の情報は、転送先に呼を転送するための転送費用の安さを特定するための情報と言える。また、例えば、同一の回線事業者の回線内や提携する回線事業者の回線間で呼を転送した場合の回線品質が、提携していない回線事業者の回線間で呼を転送した場合の回線品質よりも高い場合もある。そのため、回線事業者の情報やそれを特定できる電話番号の情報が、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さを特定するための情報となる場合もある。
【0017】
本実施形態の部署番号管理情報1431bは、担当者が属する部署に設置された端末装置120の属性情報を含む。例えば、図5Bに例示するように、本実施形態の部署番号管理情報1431bは、担当者が属する部署に設置された端末装置120を表す識別子(例えば、「本社固定(内線1)」等)と、当該部署に設置された端末装置120の電話番号(例えば、「0333333333」等)(特定の宛先または転送先)と、当該部署に設置された端末装置120が利用する回線(例えば、当該部署に設置された端末装置120が着呼したり、発呼したり、呼を転送したりするための回線)の回線事業者(例えば、「A」等)と、当該部署に設置された端末装置120の通信環境(例えば、「携帯電話」「固定電話」「IP電話(専用Wi-Fi)」「IP電話(公共Wi-Fi)」等)と、当該部署の担当種別(例えば、「営業(VIP)」「料金」等)と、当該部署に設置された端末装置120の対応状況(例えば、「待機中」「顧客b対応中」等)と、が対応付けられた情報である。例えば、対応状況の初期値は「待機中」である。ただし、後述のように各端末装置120-nが着呼した際には、更新情報提供部125-nが更新処理を行い、これに応じて転送装置140(図3)の更新部144が更新処理を行うことにより、担当番号管理情報1431c(図5B)の「対応状況」が「顧客a 対応中」等に更新される。その後、通話が終了すると、更新情報提供部125-nが更新処理を行い、これに応じて転送装置140(図3)の更新部144が更新処理を行うことにより、担当番号管理情報1431c(図5B)の「対応状況」が「待機中」に更新される。また、上述した理由により、この例の端末装置120の宛先または転送先を表す識別子や当該端末装置120が利用する回線の回線事業者も、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方を特定するための情報である。
【0018】
本実施形態の担当番号管理情報1431cは、担当者が所持や所有する端末装置120の属性情報を含む。例えば、図6に例示するように、本実施形態の担当番号管理情報1431cは、担当者が所持や所有する端末装置120(転送先)を表す識別子(例えば、「担当α-1」等)と、当該担当者が所持や所有する端末装置120の電話番号(例えば、「090…」等)(宛先)と、当該担当者が所持や所有する端末装置120が利用する回線(例えば、当該部署に設置された端末装置120が着呼したり、発呼したり、呼を転送したりするための回線)の回線事業者(例えば、「E」等)と、当該担当者が所持や所有する端末装置120の通信環境(例えば、「携帯電話」「固定電話」「IP電話(専用Wi-Fi)」「IP電話(公共Wi-Fi)」等)と、当該担当者の担当種別(例えば、「営業(VIP)」「故障」等)と、当該担当者の業務能力を表す担当スキル(例えば、「経験大」「経験中」「初心者」等)と、当該担当者の業務状況(例えば、「業務中」「業務中(移動中)」「業務外」等)と、当該担当者が所持や所有する端末装置120の対応状況(例えば、「顧客a対応中」「待機中」等)と、が対応付けられた情報である。例えば、担当者の業務状況の初期値は「業務外」であり、対応状況の初期値は「待機中」である。ただし、後述のように各端末装置120-n(図2)の更新情報提供部125-nが更新処理を行い、これに応じて転送装置140(図3)の更新部144が更新処理を行うことにより、担当番号管理情報1431c(図6)の「業務状況」が「業務中」や「業務中(移動中)」等に更新される。更新処理は、更新情報提供部125-nが端末装置120-nの位置に基づいて行われてもよいし、外部からの入力処理に基づいて行われてもよい。また、各端末装置120-nが着呼した際には、更新情報提供部125-nが更新処理を行い、これに応じて転送装置140(図3)の更新部144が更新処理を行うことにより、担当番号管理情報1431c(図6)の「対応状況」が「顧客a 対応中」等に更新される。その後、通話が終了すると、更新情報提供部125-nが更新処理を行い、これに応じて転送装置140(図3)の更新部144が更新処理を行うことにより、担当番号管理情報1431c(図6)の「対応状況」が「待機中」に更新される。また、上述した理由により、この例の端末装置120の電話番号(宛先)や端末装置120が利用する回線の回線事業者は、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方を特定するための情報である。なお、回線品質は、端末装置120の通信環境(例えば、「携帯電話」「固定電話」「IP電話(専用Wi-Fi)」「IP電話(公共Wi-Fi)」等)にも依存する場合がある。そのため、この例の端末装置120の通信環境は、回線品質の高さを特定するための情報と言える。
【0019】
<転送制御情報1432>
本実施形態の転送制御情報1432は、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼された呼の転送先である特定の端末装置120-nの宛先を、複数の端末装置120-1,…,120-Nの宛先の中から選択するために必要な優先度の情報を含む。例えば、図7に例示するように、本実施形態の転送制御情報1432は、選択要素優先度情報1432a、転送費用優先度情報1432b、回線品質優先度情報1432c、業務状況優先度情報1432d、担当スキル優先度情報1432eを有する。転送制御情報1432がその他の情報を含んでいてもよい。
【0020】
本実施形態の選択要素優先度情報1432aは、複数の選択要素をどのような優先度(優先順位)で考慮して呼の転送先(特定の端末装置120の宛先)を選択するかを表す情報である。本実施形態の選択要素優先度情報1432aは、例えば、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して特定の端末装置120の宛先を選択するか(費用優先モード)、または、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して特定の端末装置120の宛先を選択するか(品質優先モード)を表す情報である。例えば、図8Aおよび図8Bに例示するように、本実施形態の選択要素優先度情報1432aは、転送先に呼を転送するための転送費用、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質、担当者の業務状況、発呼した顧客のランクを表す顧客ランク、担当者の業務経験・能力を表す担当スキル等の選択要素と、当該選択要素それぞれの優先度である選択要素優先度(「1」「2」等)と、が対応付けられた情報である。選択要素優先度の数値が小さいほど優先度が高い。図8Aの選択要素優先度情報1432aは、費用優先モードの一例であり、回線品質の高さ(選択要素優先度「2」)よりも転送費用の安さ(選択要素優先度「1」)を優先して特定の端末装置120の宛先を選択することを表している。図8Bの選択要素優先度情報1432aは、品質優先モードの一例であり、転送費用の安さ(選択要素優先度「2」)よりも回線品質の高さ(選択要素優先度「1」)を優先して特定の端末装置120の宛先を選択することを表している。
【0021】
本実施形態の転送費用優先度情報1432bは、転送費用に基づいて呼の転送先を選択する際の基準を表しており、転送元の回線の回線事業者(例えば、「A」「C」「D」等)と転送先の回線の回線事業者(例えば、「A」「B」「C」)との組み合わせ(転送形態)の優先度である転送優先度を含む。この転送優先度が高い転送形態ほど、転送元から転送先への転送費用が安い。例えば、図9Aに例示するように、本実施形態の転送費用優先度情報1432bは、転送形態(例えば、回線事業者Aの回線を利用する転送元から回線事業者Aの回線を利用する転送先への転送を表す「A→A」、回線事業者Cの回線を利用する転送元から回線事業者Dの回線を利用する転送先への転送を表す「C→D,D→C」等)と、当該転送形態それぞれでの転送費用を表す転送レート(0円、100円/回等)と、転送優先度(「1」「2」等)と、が対応付けられた情報である。この転送優先度の数値が小さいほど優先度が高い。
【0022】
本実施形態の回線品質優先度情報1432cは、回線品質に基づいて呼の転送先を選択する際の基準を表しており、例えば、転送形態と転送先の端末装置120の通信環境との組の優先度である転送優先度を含む。この転送優先度が高いほど、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質が高い。例えば、図9Bに例示するように、本実施形態の回線品質優先度情報1432cは、転送形態(例えば、転送形態に制限がないことを表す「-」、回線事業者Aの回線を利用する転送元から回線事業者Aの回線を利用する転送先への転送を表す「A→A」、回線事業者Cの回線を利用する転送元から回線事業者Dの回線を利用する転送先への転送を表す「C→D」等)と、端末装置120の通信環境(例えば、「固定電話」「携帯電話」「IP電話(専用Wi-Fi)」等)と、回線品質(例えば、「1」「2」等)と、転送優先度(例えば、「1」「2」等)と、が対応付けられた情報である。この回線品質の数値が小さいほど回線品質が高く、転送優先度の数値が小さいほど優先度が高い。
【0023】
本実施形態の業務状況優先度情報1432dは、業務状況に基づいて呼の転送先である特定の端末装置120の宛先を選択する際の基準を表しており、担当者の業務状況の優先度(転送優先度)を含む。この転送優先度が高い業務状況にある担当者の端末装置120ほど、転送の宛先に適している。例えば、図10Aに例示するように、本実施形態の業務状況優先度情報1432dは、担当者の業務状況(例えば、「業務中」「業務中(移動中)」「業務外」等)と、転送優先度(例えば、「1」「2」等)と、が対応付けられた情報である。この転送優先度の数値が小さいほど優先度が高い。
【0024】
本実施形態の担当スキル優先度情報1432eは、担当スキルに基づいて呼の転送先を選択する際の基準を表しており、担当スキルの優先度(転送優先度)を含む。この転送優先度が高い担当者の端末装置120ほど、転送の宛先に適している。例えば、図10Bに例示するように、本実施形態の担当スキル優先度情報1432eは、担当スキル(例えば、「経験大」「経験中」「初心者」等)と、転送優先度(例えば、「1」「2」等)と、が対応付けられた情報である。この転送優先度の数値が小さいほど優先度が高い。
【0025】
<顧客情報1433>
本実施形態の顧客情報1433は、顧客の情報を含む。例えば、図11Aに例示するように、本実施形態の顧客情報1433は、顧客名(例えば「a」「b」等)と、顧客の電話番号(例えば、「090…」「046…」等)と、顧客ランク(例えば、「VIP」「会員登録済」等)と、が対応付けられた情報である。顧客情報1433は、例えば、顧客名簿に基づいて設定される。
【0026】
<通話情報1434>
本実施形態の通話情報1434は、顧客との通話記録を含む。例えば、図11Bに例示するように、本実施形態の通話情報1434は、発呼した顧客の顧客名(例えば「a」「b」等)と、その呼が転送された転送先(例えば、「担当α-2」「担当β-2」等)と、通話開始日時(例えば、「2022 11 07 13:00」等)と、後述のように転送先で再転送が必要であったか否かを表す転送要否フラグ(例えば、「要」「不要」等)と、が対応付けられた情報である。通話情報1434の初期値はヌルである。しかし、後述のように各端末装置120-nが着呼または再転送した際には、更新情報提供部125-nが更新処理を行い、これに応じて転送装置140(図3)の更新部144が更新処理を行うことにより、通話情報1434が更新される。
【0027】
<処理>
次に、本実施形態の処理を説明する。
<ステップS101>
顧客は、何れかの端末装置110-m(図1)を利用し、通信ネットワーク150経由で、何れかの代表装置130または何れかの担当者が属する部署に設置された端末装置120(特定の宛先)に発呼する(電話をかける)。すなわち、端末装置110-mから何れかの代表装置130または端末装置120に発呼される。その呼接続要求は通信ネットワーク150経由で転送装置140に送られる。本実施形態の呼接続要求は、例えば、発呼された代表装置130または端末装置120(転送元)が利用する回線の回線事業者を特定するための情報を含む。例えば、呼接続要求は、発呼された代表装置130または端末装置120(転送元)が利用する回線の回線事業者(例えば、「A」等)を表す情報を含んでいてもよいし、発呼された代表装置130または端末装置120の電話番号(例えば、「0311111111」等)を表す情報を含んでいてもよい。また、呼接続要求が、発呼した顧客や端末装置110-mを特定するための情報を含んでいてもよい。例えば、呼接続要求が顧客名(例えば、「a」等)を表す情報を含んでいてもよいし、端末装置110-mの電話番号(例えば、「090…」等)を含んでいてもよい。
【0028】
<ステップS102(選択ステップ)>
呼接続要求は、転送装置140(図3)の転送処理部141に入力され、選択部142に送られる。選択部142は、呼接続要求と記憶部143に格納された情報(図3図4から図11B)を用い、複数の端末装置120-1,…,120-Nの電話番号(宛先)の中から、呼の転送先である特定の端末装置120-nの電話番号(宛先)を選択する。この際、選択部142は、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、転送先である端末装置120-nの電話番号(宛先)を選択する。選択部142は、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して特定の端末装置の宛先を選択してもよいし、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して特定の端末装置の宛先を選択してもよい。この処理の具体例については後述する。
【0029】
<ステップS103(転送処理ステップ)>
選択部142は、転送先である端末装置120-nの電話番号に呼を転送するための転送処理情報を転送処理部141に送る。本実施形態の転送処理情報は、端末装置120-nの宛先を特定するための情報を含む。端末装置120-nの宛先を特定するための情報は、端末装置120-nの電話番号であってもよいし、この電話番号に紐付けられた情報であってもよい。また、本実施形態の転送処理情報は、端末装置120-n(転送先)に呼を転送するための転送費用に対応する情報、または、端末装置120-n(転送先)で呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を含む。転送費用に対応する情報は、転送費用を表す情報(例えば、0円や100円/回等の転送レート)であってもよいし、転送費用を特定するための情報(例えば、「A→A」や「C→D」等の転送形態等)であってもよいし、その他の情報(例えば、転送元と転送先の電話番号の組等)であってもよい。回線品質に対応する情報は、回線品質を表す情報(例えば、「1」「2」等)であってもよいし、回線品質を特定するための情報(例えば、「A→A」や「C→D」等の転送形態や「携帯電話」「固定電話」「IP電話(専用Wi-Fi)」「IP電話(公共Wi-Fi)」等の通信環境)であってもよいし、その他の情報であってもよい。さらに転送処理情報が、発呼した顧客に関する顧客情報やその顧客の通話履歴を含んでいてもよい。顧客情報は、顧客名(例えば、「a」等)を表す情報であってもよいし、端末装置110-mの電話番号(例えば、「090…」等)を表す情報であってもよいし、顧客ランク(例えば、「VIP」「商品購入済」「会員登録済」等)を表す情報であってもよいし、その他の情報であってもよい。通話履歴は、発呼してきた顧客と過去に通話をした履歴があったか否かを表す情報であってもよいし、通話開始日時を表す情報であってもよいし、過去の通話で再転送が必要であったか否かを表す情報であってもよいし、その他の情報であってもよい。転送処理情報が送られた転送処理部141は、ステップS102で選択された特定の端末装置120-nの電話番号(宛先)に呼を転送するための処理を行う。この処理は、転送処理部141が転送処理情報を含む呼接続要求を端末装置120-nに直接転送する処理であってもよいし、転送処理部141が外部のPBX(private branch exchange)等の装置(図示せず)にこの呼接続要求の転送を依頼する処理であってもよい。この処理により、代表装置130または端末装置120(特定の宛先)に発呼された呼が端末装置120-nに転送される。
【0030】
<ステップS104>
転送された呼接続要求は、端末装置120-n図2)の通信処理部121-nに入力される。通信処理部121-nは、呼接続要求の転送処理情報を表示処理部122-nに送る。本実施形態の表示処理部122-nは、呼接続要求に関する表示画面1240-nを、タッチパネル部124-n(表示部)に表示するための表示情報を生成する。表示画面1240-nは、例えば、代表装置130または端末装置120(特定の宛先)から呼を端末装置120-nに転送するための転送費用に対応する情報、または端末装置120-nで呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す転送情報領域と、端末装置120-nで呼を着呼するか(電話を取るか)否かを選択するための入力を受け付ける操作領域と、を含む。表示画面1240-nが、さらに、発呼した顧客に関する顧客情報やその顧客の通話履歴等を含む通話情報領域を含んでいてもよい。生成された表示情報はタッチパネル部124-nに送られる。
【0031】
<ステップS105>
タッチパネル部124-nは、送られた表示情報に基づき、表示画面1240-nを表示する。図14Aおよび図14Bに例示する表示画面1240-nは、転送情報領域1241-nと、通話情報領域1242-nと、操作領域1243-nを含む。図14Aに例示する転送情報領域1241-nは、「転送レート:0円」「回線事業者A(転送元)」「回線事業者A(転送先)」といった転送費用に対応する情報を含む。一方、図14Bに例示する転送情報領域1241-nは、「回線品質:1」「回線事業者A(転送元)」「回線事業者A(転送先)」といった回線品質に対応する情報を含む。図14Aおよび図14Bに例示する通話情報領域1242-nは、ともに「顧客情報 VIP」「メモ:過去通話」といった顧客情報や通話履歴を含む。図14Aおよび図14Bに例示する操作領域1243-nは、端末装置120-nで呼を着呼するか否かを選択するための入力を受け付ける「受信 OK」と表示されたボタン領域である。
【0032】
操作領域1243-nに入力操作(例えば、タップ)が行われると、端末装置120-nで呼を着呼することが選択される。例えば、操作領域1243-nに入力操作が行われると、操作領域1243-nに入力操作が行われた旨の情報が着呼処理部123-nに送られる。着呼処理部123-nは、通信処理部121-nに呼接続要求に対して着呼する旨の指示を与える。これにより、通信処理部121-nは着呼するための応答を行い、端末装置110-mと端末装置120-nが接続される。この際、通信処理部121-nは、呼接続要求の転送処理情報に含まれた端末装置120-nの宛先を特定するための情報(例えば、端末装置120-nの電場番号)と顧客情報を更新情報提供部-nに送る。更新情報提供部-nは、これに基づいて端末装置120-nを利用する担当者(例えば、担当者α-1)が顧客(例えば、顧客a)に対応中である旨の更新情報を生成する。更新情報は、通信ネットワーク150経由で転送装置140に送られ、転送装置140の更新部144に入力される。更新部144は、更新情報に基づいて、記憶部143に格納された部署番号管理情報1431b(図5B)または担当番号管理情報1431c(図6)の対応状況を更新する(例えば、「顧客a応対中」等)。その後、通話が終了すると、端末装置120-n図2)の更新情報提供部125-nが更新処理を行い、これに応じて転送装置140(図3)の更新部144が更新処理を行うことにより、部署番号管理情報1431b(図5B)または担当番号管理情報1431c(図6)の「対応状況」が「待機中」に更新され、通話情報1434(図11B)の「顧客名」「転送先」「電話番号」「通話開始日時」に、当該通話を行った顧客の顧客名、電話番号、当該通話の通話開始日時がそれぞれ格納される。また、最初に呼が転送された操作領域1243-nが着呼した場合、転送装置140(図3)の更新部144は、通話情報1434(図11B)の「転送フラグ」に転送が不要であった旨(「不要」)を格納する。一方、以下のように呼の再転送が行われた場合、更新部144は、通話情報1434の「転送フラグ」に転送が必要であった旨(「要」)を格納する。
【0033】
一方、操作領域1243-nに入力操作が行われない場合、端末装置120-nは着呼しない。例えば、操作領域1243-nへの入力操作が所定期間が行われない場合、端末装置120-nが着呼しないことを選択したとされる。この場合、処理をステップS102に戻し、他の端末装置120-nを選択して呼の再転送が行われてもよい。この際、転送装置140(図3)の更新部144は、通話情報1434(図11B)の「転送フラグ」に転送が必要であった旨(「要」)を格納する(ステッS102からS105)。ただし、再転送の際、ステップS102では、転送済の端末装置120を除外して新たな端末装置120-nの電話番号が選択される。あるいは、端末装置120-nが着呼しないことを選択した場合に、再転送を行うことなく、音声メッセージが端末装置110-mに送られてもよいし、単数回または複数回、再転送しても着呼されないときに音声メッセージが端末装置110-mに送られてもよい。
【0034】
<ステップS102の具体例>
図12を用いてステップS102の具体例を説明する。
まず、転送装置140(図3)の選択部142はインデックスiを1に初期化する。ここで、インデックスiは、選択要素優先度情報1432a(図7図8A図8B)の選択要素優先度を表す(ステップS1021)。選択部142は、選択要素優先度iの選択要素(例えば、転送費用、回線品質等)に基づいて、転送先である特定の端末装置120-nの電話番号(宛先)を探索する。この処理の具体例については後述する(ステップS1022)。
【0035】
ここで、選択要素優先度iの選択要素について対応可能な転送先が抽出されなかった場合(ステップS1023)、選択部142は、インデックスiが最大値imaxであるか否かを判断する。最大値imaxは選択要素優先度iの最大値である(ステップS1024)。ここで、インデックスiが最大値imaxでなかった場合、選択部142は、i+1を新たなiとし(ステップS1025)、ステップS1022の処理に戻る。すなわち、選択部142は、選択要素優先度を1つ下げて探索を行う。
【0036】
一方、インデックスiが最大値imaxであった場合(ステップS1024)、選択部142は、対応可能な転送先がないとして処理を終える(ステップS1027)。ステップS1023で、選択要素優先度iの選択要素について対応可能な転送先が抽出された場合(ステップS1023)、選択部142は、抽出した特定の端末装置120-nの電話番号を転送先としてステップS102の処理を終える(ステップS1026)。
【0037】
<ステップS1022の具体例>
図13を用いて、図12のステップS1022の具体例を示す。
まず選択部142は、転送優先度を表すインデックスjを1に初期化する(ステップS1022a)。
【0038】
選択部142は、選択要素優先度iの選択要素について転送優先度jに対応する転送先を探索する(ステップS1022b)。以下に、この処理の具体例を示す。
【0039】
まず選択部142は、選択要素優先度情報1432a(図8A図8B)を参照し、インデックスi(選択要素優先度i)に対応する選択要素を選択する。例えば、図8Aの選択要素優先度情報1432aの場合(費用優先モード)、選択部142は、i=1の場合に「転送費用」を選択要素として選択し、i=2の場合の場合に「回線品質」を選択要素として選択する。例えば、図8Bの選択要素優先度情報1432aの場合(品質優先モード)、選択部142は、i=1の場合に「回線品質」を選択要素として選択し、i=2の場合の場合に「転送費用」を選択要素として選択する(ステップS1022ba)。
【0040】
次に選択部142は、選択した選択要素に対応する、転送費用優先度情報1432b、回線品質優先度情報1432c、業務状況優先度情報1432d、または担当スキル優先度情報1432e等(図9Aから図10B)を参照し、転送優先度jに対応する転送先の条件を抽出する。
例えば、選択した選択要素が「転送費用」である場合、選択部142は、転送費用優先度情報1432b(図9A)を参照し、転送優先度jに対応する転送形態(例えば、j=1の場合、転送形態「A→A」および「C→D,D→C」)を抽出し、これを転送先の条件とする。
例えば、選択した選択要素が「回線品質」である場合、選択部142は、回線品質優先度情報1432c(図9B)を参照し、転送優先度jに対応する転送形態と通信環境の組(例えば、j=1の場合、転送形態「-」と通信環境「固定電話」の組)を抽出し、これを転送先の条件とする。
例えば、選択した選択要素が「業務状況」である場合、選択部142は、業務状況優先度情報1432d(図10A)を参照し、転送優先度jに対応する業務状況(例えば、j=1の場合、業務状況「業務中」)を抽出し、これを転送先の条件とする。
例えば、選択した選択要素が「担当スキル」である場合、選択部142は、担当スキル優先度情報1432e(図10B)を参照し、転送優先度jに対応する担当スキル(例えば、j=1の場合、担当スキル「経験大」)を抽出し、これを転送先の条件とする(ステップS1022bb)。
【0041】
次に選択部142は、管理情報1431の代表番号管理情報1431a、部署番号管理情報1431b、および担当番号管理情報1431c(図5A図5B図6)の少なくともいずれかを参照し、ステップS1022bbで選択した条件に合致し、対応可能な転送先である端末装置120-nの電話番号を抽出する。
【0042】
例えば、転送先の条件が「転送形態」(例えば、「A→A」および「C→D,D→C」)である場合、選択部142は、呼接続要求、代表番号管理情報1431a、部署番号管理情報1431b、および担当番号管理情報1431c等を用い(図5Aから図6)、転送先の条件に合致する転送形態(例えば、「A→A」または「C→D,D→C」)であり、かつ、対応状況が「待機中」の端末装置120-nの電話番号を転送先として抽出する。
【0043】
例えば、転送先の条件が「転送形態」と「通信環境」の組(例えば、転送形態「-」と通信環境「固定電話」の組)である場合、選択部142は、呼接続要求、代表番号管理情報1431a、部署番号管理情報1431b、および担当番号管理情報1431c等を用い(図5Aから図6)、転送先の条件に合致する転送形態および通信環境(例えば、転送形態「-」および通信環境「固定電話」)であり、かつ、対応状況が「待機中」の端末装置120-nの電話番号を転送先として抽出する。
【0044】
例えば、転送先の条件が「業務状況」(例えば、「業務中」)である場合、選択部142は、担当番号管理情報1431c(図6)を用い、転送先の条件に合致する業務状況(例えば、「業務中」)であり、かつ、対応状況が「待機中」の端末装置120-nの電話番号を転送先として抽出する。
【0045】
例えば、転送先の条件が「担当スキル」(例えば、「経験大」)である場合、選択部142は、担当番号管理情報1431c(図6)を用い、転送先の条件に合致する担当スキル(例えば、「経験大」)の担当者が利用し、かつ、対応状況が「待機中」の端末装置120-nの電話番号を転送先として抽出する(ステップS1022bc)。
【0046】
ここで、ステップS1022bで転送先が抽出されなかった場合(ステップS1022c)、選択部142は、インデックスjが最大値jmax(i)であるか否かを判断する。最大値jmax(i)は、選択要素優先度iの選択要素についての転送優先度jの最大値である(ステップS1022d)。ここで、インデックスjが最大値jmax(i)でなかった場合、選択部142は、j+1を新たなjとし(ステップS1022e)、ステップS1022bの処理に戻る。すなわち、選択部142は、転送優先度を1つ下げて探索を行う。一方、インデックスjが最大値jmax(i)であった場合、選択部142は、対応可能な転送先がないとしてステップS1022の処理を終える(ステップS1022g)。一方、ステップS1022bで転送先が抽出された場合(ステップS1022c)、選択部142は、抽出したの端末装置120-nの電話番号を転送有制度jに対応する転送先として決定して(ステップS1022f)、ステップS1022の処理を終える。
【0047】
<本実施形態の特徴>
本実施形態では、代表装置130または端末装置120の電話番号(特定の宛先)に発呼された呼の転送先である端末装置120-nの電話番号(特定の端末装置の宛先)を複数の端末装置120-1,…,120-Nの電話番号(端末装置の宛先)の中から選択し、選択された端末装置120-nの電話番号(特定の端末装置の宛先)に呼を転送するための処理を行う。この際、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、転送先である端末装置120-nの電話番号(特定の端末装置の宛先)を選択する。これにより、転送費用または回線品質の少なくとも一方を考慮して、呼の転送先を選択できる。
【0048】
この際、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して転送先の端末装置の宛先(端末装置120-nの電話番号)を選択してもよい。これにより、転送費用を削減できる。または、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して転送先の端末装置の宛先(端末装置120-nの電話番号)を選択してもよい。これにより、顧客の満足度を向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態では、代表装置130または端末装置120の電話番号(特定の宛先)に発呼された呼が端末装置120-nに転送された際に、特定の宛先から呼を端末装置120-nに転送するための転送費用に対応する情報、または端末装置120-nで呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す転送情報領域1241-nと、端末装置120-nで呼を着呼するか否かを選択するための入力を受け付ける操作領域1243-nとを、タッチパネル部124-n(表示部)に表示し、端末装置120-nで呼を着呼することが選択された場合に呼を着呼するための処理を行う。これにより、担当者は、着呼前に転送費用や回線品質を知ることができ、それに基づいて着呼すべきか否かを判断することができる。例えば、担当者は、転送費用が安い場合や回線品質が良い場合には自ら着信するが、そうでない場合に着信をしないといった選択も可能になる。
【0050】
[第2実施形態]
第2実施形態は、第1実施形態の変形例である。第2実施形態では、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して転送先(特定の端末装置の宛先)を選択する費用優先モードと、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して転送先を選択する品質優先モードと、の切り替えを行う。費用優先モードに切り替えられたときに回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して転送先を選択し、品質優先モードに切り替えられたときに転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して転送先を選択する。以下では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、既に説明した事項については、同じ参照番号を用いて説明を用いて説明を簡略化する。
【0051】
<電話通信システム2>
図1に例示するように、本実施形態の電話通信システム2は、端末装置110-1,…,110-M、端末装置120-1,…,120-N、代表装置130-1,…,130-K、および転送装置240を有し、これらが通信ネットワーク150を介して、互いに通信可能に接続されている。電話通信システム2の電話通信システム1との相違点は、転送装置140が転送装置240に置換される点である。
【0052】
<転送装置240>
転送装置240は、端末装置110から代表番号(特定の宛先)に発呼された際に、呼の転送先である特定の端末装置120-n(n∈{1,…,N})の宛先を複数の端末装置120-1,…,120-Nの宛先の中から選択し、選択した端末装置120-nの電話番号(選択した特定の端末装置の宛先)に呼を転送するための処理を行う。図3に例示するように、本実施形態の転送装置240は、転送処理部141、選択部142、記憶部143、更新部144、および切り替え部245を有する。この例の転送装置240は、例えば、所定のプログラムがコンピュータに読み込まれることによって構成された装置である。転送装置240は、オンプレミス型の装置であってもよいし、クラウド型の装置であってもよい。
【0053】
<事前処理>
第1実施形態の事前処理との相違点は、転送制御情報1432が転送制御情報2432に置換される点である。本実施形態の転送制御情報2432は、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼された呼の転送先である特定の端末装置120-nの宛先を、複数の端末装置120-1,…,120-Nの宛先の中から選択するために必要な優先度の情報を含む。ただし、転送制御情報2432は、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して転送先(特定の端末装置の宛先)を選択する費用優先モードと、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して転送先を選択する品質優先モードと、の切り替えが可能なものである。例えば、図7に例示するように、本実施形態の転送制御情報2432は、選択要素優先度情報2432a、転送費用優先度情報1432b、回線品質優先度情報1432c、業務状況優先度情報1432d、担当スキル優先度情報1432eを有する。転送制御情報2432がその他の情報を含んでいてもよい。本実施形態の選択要素優先度情報2432aは、複数の選択要素をどのような優先度(優先順位)で考慮して呼の転送先(特定の端末装置120の宛先)を選択するかを表す情報である。ただし、本実施形態の選択要素優先度情報2432aは、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して特定の端末装置120の宛先を選択する場合(費用優先モードの場合)の情報と、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して特定の端末装置120の宛先を選択する場合(品質優先モードの場合)の情報とを含む。例えば、選択要素優先度情報2432aは、図8Aに例示したような費用優先モードの選択要素優先度情報1432aと、図8Bに例示したような品質優先モードの選択要素優先度情報1432aとを含む。その他は、第1実施形態の事前処理と同じである。
【0054】
<処理>
次に、本実施形態の処理を説明する。
<ステップS201>
ステップS201は、転送装置140が転送装置240に置換される以外、第1実施形態のステップS101と同じである。
【0055】
<ステップS202(選択ステップ)>
呼接続要求は、転送装置240(図3)の転送処理部141に入力され、選択部142に送られる。選択部142は、呼接続要求と記憶部143に格納された情報(図3図4から図11B)を用い、複数の端末装置120-1,…,120-Nの電話番号(宛先)の中から、呼の転送先である特定の端末装置120-nの電話番号(宛先)を選択する。ただし、本実施形態では、切り替え部245が、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して端末装置120-nの電話番号(宛先)を選択する費用優先モードと、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して端末装置120-nの電話番号(宛先)を選択する品質優先モードと、の切り替えを行う。
【0056】
例えば、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼した顧客(主体)の属性に基づいて、切り替え部245が費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。すなわち、転送費用が安いことは転送装置240を運営する側にメリットがある。一方、回線品質が高いことは顧客側にメリットがある。そのため、例えば、新規の顧客を獲得するために、顧客が新規顧客である場合に品質優先モードが選択され、それ以外の場合に費用優先モードが選択されてもよい。例えば、顧客がVIPである場合に、品質優先モードが選択され、それ以外の場合に費用優先モードが選択されてもよい。例えば、呼接続要求(発呼した顧客や端末装置110-mを特定するための情報を含む)が切り替え部245に入力され、切り替え部245が、呼接続要求と記憶部143に格納された顧客情報1433とを用いて顧客の属性を特定し、その属性に応じて費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。
【0057】
例えば、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼した顧客(主体)の場所に基づいて、切り替え部245が費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。すなわち、発呼を行った顧客の場所によって通信環境が異なる場合がある。例えば、顧客が携帯電話から発呼した場合の通信環境が、顧客が固定電話から発呼した場合の通信環境よりも悪い場合がある。このような場合に、品質優先モードが選択され、それ以外の場合に費用優先モードが選択されてもよい。また、同じ携帯電話で通話を行う場合であっても、顧客が高速通信網を使用できるエリア(例えば、5G通信カバーエリア)で通話を行う場合の音質が、高速通信網を使用できないエリア(例えば、4G通信カバーエリア)で通話を行う場合の音質よりも高い場合がある。そのため、顧客が高速通信網を使用できないエリアで発呼した場合に品質優先モードが選択され、高速通信網を使用できるエリアで発呼した場合に費用優先モードが選択されてもよい。例えば、呼接続要求(端末装置110-mの位置の情報を含む)が切り替え部245に入力され、切り替え部245が端末装置110-mの位置の情報に応じ、費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。
【0058】
例えば、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼した時間に基づいて、切り替え部245が費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。例えば、時間帯によって携帯電話で通話を行っている人数に偏りがある地域では、携帯電話で通話を行う人数が多い時間帯での音質が、通話を行う人数が少ない時間帯での音質よりも低下する場合がある。そのため、携帯電話で通話を行う人数が多い時間帯に発呼された場合には品質優先モードが選択され、それ以外の時間帯に発呼された場合に費用優先モードが選択されてもよい。例えば、切り替え部245が現在時刻に応じて、費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。
【0059】
例えば、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼した顧客(主体)の発呼状況から推測される不満度合に応じ、切り替え部245が費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。例えば、単位時間当たりの発呼回数が多い顧客は、電話対応や商品等に関して何等かの不満を持って電話をかけている可能性が高い。そのため、例えば、単位時間当たりの発呼回数が閾値を超えている顧客から発呼された場合(顧客の不満度合が高いと推測される場合)に品質優先モードが選択され、それ以外の場合に費用優先モードが選択されてもよい。あるいは、所定期間前から現在までの単位時間当たりの発呼回数が閾値を超えている顧客から発呼された場合(顧客の不満度合が高いと推測される場合)に品質優先モードが選択され、それ以外の場合に費用優先モードが選択されてもよい。例えば、呼接続要求(発呼した顧客や端末装置110-mを特定するための情報を含む)が切り替え部245に入力され、切り替え部245が、呼接続要求と記憶部143に格納された通話情報(図5B)とを用いて、この呼接続要求が表す顧客の単位時間当たりの発呼回数を算出し、それに応じて、費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行ってもよい。
【0060】
切り替え部245が費用優先モードに切り替えた旨の情報、または、切り替え部245が品質優先モードに切り替えた旨の情報は、選択部142に送られる。選択部142は、費用優先モードに切り替えられたときに回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して端末装置120-n(特定の端末装置)の電話番号(宛先)を選択し、品質優先モードに切り替えられたときに転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して端末装置120-n(特定の端末装置)の電話番号(宛先)を選択する。例えば、選択部142は、費用優先モードの場合に図8Aの選択要素優先度情報1432aを用い、品質優先モードの場合に図8Bの選択要素優先度情報1432aを用いる。その他は第1実施形態のステップS102と同じである。
【0061】
<ステップS103(転送処理ステップ),S104,S105>
第1実施形態と同じである。
【0062】
<本実施形態の特徴>
本実施形態では、回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して特定の端末装置の宛先を選択する費用優先モードと、転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して特定の端末装置の宛先を選択する品質優先モードと、の切り替えを行う。費用優先モードに切り替えられたときに回線品質の高さよりも転送費用の安さを優先して端末装置120-nの電話番号(特定の端末装置の宛先)を選択し、品質優先モードに切り替えられたときに転送費用の安さよりも回線品質の高さを優先して端末装置120-nの電話番号(特定の端末装置の宛先)を選択する。例えば、代表端末130または端末装置120(特定の宛先)に発呼した顧客(主体)の属性、顧客(主体)の場所、特定の宛先に発呼された時間、または顧客(主体)の発呼状況から推測される不満度合、の少なくともいずれかに応じ、費用優先モードと品質優先モードとの切り替えを行う。これにより、状況に応じて転送先の探索基準を変えることができ、顧客満足度と転送費用削減とを最適化できる。
【0063】
[第3実施形態]
第3実施形態は、第1実施形態および第2実施形態の変形例である。第3実施形態では、呼が転送された端末装置で、呼を着呼するか否かに加え、他の端末装置に再転送するか否かを選択するため入力を受け付け、呼を他の端末装置に再転送することが選択された場合に、呼を再転送するための処理が行われる。以下では、第1実施形態および第2実施形態との相違点を中心に説明し、既に説明した事項については、同じ参照番号を用いて説明を用いて説明を簡略化する。
【0064】
<電話通信システム3>
図1に例示するように、本実施形態の電話通信システム3は、端末装置110-1,…,110-M、端末装置320-1,…,320-N、代表装置130-1,…,130-K、および転送装置140または240を有し、これらが通信ネットワーク150を介して、互いに通信可能に接続されている。電話通信システム3の電話通信システム1,2との相違点は、端末装置120-1,…,120-Nが端末装置320-1,…,320-Nに置換される点である。
【0065】
<端末装置320-1,…,320-N>
図2に例示するように、本実施形態の端末装置320-nは、通信処理部121-n、表示処理部322-n、着呼処理部123-n、タッチパネル部324-n、更新情報提供部125-n、および再転送処理部326-nを有する。以下では、端末装置320-1,…,320-Nのそれぞれを端末装置320-nと表現する。ただし、n=1,…,Nを満たす。また、端末装置320-1,…,320-Nの総称を端末装置320と表現する。端末装置320は、例えば電話機能を備えたスマートフォン、タブレット端末装置、ウェアラブルデバイス、PC、固定電話等である。
【0066】
<事前処理>
第1実施形態または第2実施形態と同じである。
【0067】
<処理>
次に、本実施形態の処理を説明する。
まず、第1実施形態のステップS101,S102または第2実施形態のステップS201,S202の処理が行われ、その後、ステップS103の処理が行われる。ただし、端末装置120は端末装置320に置換される。
【0068】
<ステップS304>
ステップS103の処理によって転送された呼接続要求は、端末装置320-n図2)の通信処理部121-nに入力される(n∈{1,…,N})。通信処理部121-nは、呼接続要求の転送処理情報を表示処理部322-nに送る。本実施形態の表示処理部322-nは、呼接続要求に関する表示画面3240-nを、タッチパネル部324-n(表示部)に表示するための表示情報を生成する。本実施形態の表示画面3240-nは、例えば、代表装置130または端末装置320(特定の宛先)から呼を端末装置320-nに転送するための転送費用に対応する情報、または端末装置320-nで呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す転送情報領域と、端末装置320-nで呼を着呼するか(電話を取るか)否か、および呼を他の端末装置320に再転送するかを選択するための入力を受け付ける操作領域と、を含む。表示画面3240-nの操作領域は、さらに、何れの端末装置320(再転送先)に呼を再転送するかを選択するための入力を受け付ける領域であってもよい。例えば、操作領域が、呼の再転送先の候補から再転送する他の端末装置320(再転送先)を選択するための入力を受け付ける領域であってもよい。表示画面3240-nが、さらに他の端末装置320(再転送先)に呼を再転送するための転送費用に対応する情報、または他の端末装置320(再転送先)で呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す再転送情報領域を含んでいてもよい。表示画面3240-nが、発呼した顧客に関する顧客情報やその顧客の通話履歴等を含む通話情報領域を含んでいてもよい。生成された表示情報はタッチパネル部324-nに送られる。
【0069】
<ステップS305>
タッチパネル部324-nは、送られた表示情報に基づき、表示画面3240-nを表示する。以下に表示画面3240-nを例示する。
【0070】
図15Aに例示する表示画面3240-nは、転送情報領域1241-nと、通話情報領域1242-nと、操作領域1243-n,3244-nを含む。図14Aに例示した表示画面1240-nとの相違点は、図15Aに例示する表示画面3240-nがさらに操作領域3244-nを表示する点である。この例の操作領域3244-nは、呼を他の端末装置320に再転送するかを選択するための入力を受け付ける「転送」と表示されたボタン領域である。
【0071】
操作領域1243-nに入力操作(例えば、タップ)が行われると、端末装置120-nで呼を着呼することが選択される。この処理は第1実施形態と同じである。一方、操作領域3244-nに入力操作(例えば、タップ)が行われると、端末装置320-nで着呼せずに、呼を他の端末装置320-nに再転送するための処理が実行される。例えば、処理をステップS102に戻し、他の端末装置320-nを選択して呼の再転送が行われてもよい(ステッS102からS104,S105)。ただし、再転送の際、ステップS102では、転送済の端末装置120を除外して新たな端末装置320-nの電話番号が選択される。
【0072】
操作領域3244-nに入力操作が行われた際、さらに、何れの端末装置320(再転送先)に呼を再転送するかを選択するための入力を受け付ける操作領域3245-n,3245-nが表示されてもよい。図15Bの例では、「送信可 Y」と表示されたボタン領域である操作領域3245-nと、「送信可 Z」と表示されたボタン領域である操作領域3246-nとが表示される。この例では、操作領域3245-nに入力操作が行われると、Yで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための処理が行われ、この再転送先に呼が再転送される。一方、操作領域3246-nに入力操作が行われると、Zで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための処理が行われ、この再転送先に呼が再転送される。この際、転送装置140(図3)の更新部144は、通話情報1434(図11B)の「転送フラグ」に転送が必要であった旨(「要」)を格納する。
【0073】
また、図16Aおよび図16Bに例示する表示画面3240-nのように、転送情報領域1241-nに代え、転送費用(転送レート)に応じて、文字だけではなく、色彩や模様等の視覚情報が変化する転送情報領域3241-nが表示されてもよい。例えば、転送費用が0円の場合に転送情報領域3241-nが通常の色彩(例えば、水色)で表示され、転送費用が有料の場合に転送情報領域3241-nが通常とは異なる色彩(例えば、赤色)で表示されてもよい。これにより、担当者は、転送費用が高いかどうかを一目で認識することができ、呼を着信するか再転送するかを即座に判断できる。
【0074】
また、図17Aおよび図17Bに例示する表示画面3240-nのように、転送情報領域1241-nに代え、回線品質に応じて文字だけではなく、色彩や模様等の視覚情報が変化する転送情報領域3241-nが表示されてもよい。例えば、回線品質が1の場合(回線品質が良い場合)に転送情報領域3241-nが通常の色彩(例えば、水色)で表示され、回線品質が4の場合(回線品質が悪い場合)に転送情報領域3241-nが通常とは異なる色彩(例えば、赤色)で表示されてもよい。これにより、担当者は、着信したときに回線品質が高いかどうかを一目で認識することができ、呼を着信するか再転送するかを即座に判断できる。
【0075】
また、図18Aおよび図18Bに例示する表示画面3240-nのように、再転送先に呼を再転送するための転送費用に対応する情報を表す再転送情報領域3247-nがさらに表示されてもよい。図18Aに例示するように、この例では、操作領域3245-nに入力操作が1回行われただけでは再転送は開始されず、この入力操作によって、操作領域3245-nの色彩や模様等の視覚情報が変化し、再転送情報領域3247-nに、Yで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための転送費用(例えば、「転送レート:0円」)が表示される。この状態でさらに操作領域3245-nに入力操作が行われると、Yで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための処理が行われ、この再転送先に呼が再転送される。図18Bに例示するように、この例では、操作領域3246-nに入力操作が1回行われただけでは再転送は開始されず、この入力操作によって、操作領域3246-nの色彩や模様等の視覚情報が変化し、再転送情報領域3247-nに、Zで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための転送費用(例えば、「転送レート:120円/回」)が表示される。この状態でさらに操作領域3246-nに入力操作が行われると、Zで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための処理が行われ、この再転送先に呼が再転送される。なお、転送費用に応じて、再転送情報領域3247-nの色彩や模様等の視覚情報が変化してもよい。例えば、転送費用が0円の場合に再転送情報領域3247-nが通常の色彩(例えば、水色)で表示され、転送費用が有料の場合に再転送情報領域3247-nが通常とは異なる色彩(例えば、赤色)で表示されてもよい。これにより、担当者は、転送費用が高いかどうかを一目で認識することができ、呼を再転送するかを即座に判断できる。
【0076】
また、図19Aおよび図19Bに例示する表示画面3240-nのように、再転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報を表す再転送情報領域3247-nがさらに表示されてもよい。図19Aに例示するように、この例では、操作領域3245-nに入力操作が1回行われただけでは再転送は開始されず、この入力操作によって、操作領域3245-nの色彩や模様等の視覚情報が変化し、再転送情報領域3247-nに、Yで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)で呼を着呼して通話を行う際の回線品質(例えば、「回線品質:1」)が表示される。この状態でさらに操作領域3245-nに入力操作が行われると、Yで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための処理が行われ、この再転送先に呼が再転送される。図19Bに例示するように、この例では、操作領域3246-nに入力操作が1回行われただけでは再転送は開始されず、この入力操作によって、操作領域3246-nの色彩や模様等の視覚情報が変化し、再転送情報領域3247-nに、Zで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)で呼を着呼して通話を行う際の回線品質(例えば、「回線品質:3」)が表示される。この状態でさらに操作領域3246-nに入力操作が行われると、Zで表される特定の再転送先(他の端末装置320-n)に呼を再転送するための処理が行われ、この再転送先に呼が再転送される。例えば、回線品質が1の場合(回線品質が良い場合)に再転送情報領域3247-nが通常の色彩(例えば、水色)で表示され、回線品質が3の場合(回線品質が悪い場合)に再転送情報領域3247-nが通常とは異なる色彩(例えば、赤色)で表示されてもよい。これにより、担当者は、再転送先での回線品質が高いかどうかを一目で認識することができ、呼を再転送するかを即座に判断できる。
【0077】
表示画面3240-nにその他の情報が付加されてもよい。例えば、表示画面3240-nに、特定の宛先から呼を端末装置320-nに転送するための転送費用に対応する情報、および端末装置320-nで呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報の両方が表示されてもよい。例えば、表示画面3240-nに、再転送先に呼を再転送するための転送費用に対応する情報、または再転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報の両方が表示されてもよい。
【0078】
<本実施形態の特徴>
本実施形態では、呼の転送先である端末装置320-nのタッチパネル部324-n(表示部)に、呼を他の端末装置に再転送するか否かを選択するための入力を受け付ける操作領域3246-nを含む表示画面3240-nを表示した。そして、操作領域3246-nの入力操作によって、呼を他の端末装置に再転送することが選択された場合に、呼を再転送するための処理を行った。これにより、呼の再転送を即座に実行することができる。
【0079】
本実施形態では、呼を再転送先に再転送するか否かを選択するための入力を受け付ける操作領域3245-n,3246-nと、再転送先に呼を再転送するための転送費用に対応する情報、または再転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質に対応する情報、の少なくとも一方を表す再転送情報領域3247-nと、をタッチパネル部324-n(表示部)に表示した。操作領域3245-n,3246-nの入力操作によって、特定の再転送先に呼を再転送することが選択された場合、この特定の再転送先に呼を再転送するための処理が行われ、この再転送先に呼が再転送される。これにより、再転送先に呼を再転送した際の転送費用や回線品質を考慮し、再転送先に呼を再転送するか否かを判断できる。
【0080】
[ハードウェアとプログラム]
各実施形態における各装置は、例えば、CPU(central processing unit)等のプロセッサ(ハードウェア・プロセッサ)やRAM(random-access memory)・ROM(read-only memory)等のメモリ等を備える汎用または専用のコンピュータが所定のプログラムを実行することで構成される。すなわち、各実施形態における各装置は、例えば、それぞれが有する各部を実装するように構成された処理回路(processing circuitry)を有していてもよい。このコンピュータは1個のプロセッサやメモリを備えていてもよいし、複数個のプロセッサやメモリを備えていてもよい。このプログラムはコンピュータにインストールされてもよいし、予めROM等に記録されていてもよい。また、CPUのようにプログラムが読み込まれることで機能構成を実現する電子回路(circuitry)ではなく、単独で処理機能を実現する電子回路を用いて一部またはすべての処理部が構成されてもよい。また、1個の装置を構成する電子回路が複数のCPUを含んでいてもよい。
【0081】
上述のプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体の例は非一時的な(non-transitory)記録媒体である。このような記録媒体の例は、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等である。
【0082】
これらのプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD-ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータやクラウド上の記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させてもよい。上述のように、このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくは転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記憶装置に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
【0083】
その他、何れかの装置の処理内容の少なくとも一部がその他のハードウェアで実現されてもよい。
【0084】
[その他の変形例]
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。例えば、担当者が属する組織に応じて異なる転送制御情報1432,2432が設定されてもよい。
【0085】
また、転送先に呼を転送するための転送費用の安さ、または、転送先で呼を着呼して通話を行う際の回線品質の高さ、の少なくとも一方に基づき、転送先を選択するのであれば、その選択方法に限定はない。例えば、転送費用のみに基づいて転送先が選択されてもよいし、回線品質のみに基づいて転送先が選択されてもよいし、転送費用と回線品質とに基づいて転送先が選択されてもよい。その他、転送費用と回線品質を含む複数の選択要素を総合評価して転送先が選択されてもよい。例えば、転送費用の安さを表すスコアと回線品質の高さを表すスコアを含む選択要素の総合スコアに基づいて転送先が選択されてもよい。例えば、転送費用の安さを表すスコア(例えば、転送費用が安いほど値が大きいスコア)と回線品質の高さを表すスコア(例えば、回線品質が高いほど値が大きいスコア)の合計スコアが高い順に転送先が選択されてもよいし、合計スコアが閾値を超える転送先が選択されてもよい。例えば、転送費用の安さを表すスコアと回線品質の高さを表すスコアの重み付け和に基づいて転送先が選択されてもよい。例えば、重み付け和が高い順に転送先が選択されてもよいし、重み付け和が閾値を超える転送先が選択されてもよい。この際、顧客に応じて重みを変えてもよい。例えば、顧客が新規顧客やVIPである場合に回線品質の高さを表すスコアの重みを転送費用の安さを表すスコアよりも大きく、それ以外の場合に回線品質の高さを表すスコアの重みを転送費用の安さを表すスコアよりも小さくしてもよい。また、管理情報1431、転送制御情報1432,2432、顧客情報1433、および通話情報1434が、転送装置140,240の記憶部143に格納されるのではなく、通信ネットワーク150に接続可能なその他の装置に格納されてもよい。また、これらの情報が複数の装置に分散配置されてもよい。すなわち、選択部142、切り替え部245、更新部144がアクセスできるのであれば、管理情報1431、転送制御情報1432,2432、顧客情報1433、および通話情報1434はどこに格納されていてもよい。
【0086】
実施形態では端末装置が持つタッチパネル部に、転送情報領域、操作領域、通話情報領域、再転送情報領域が表示された。しかし、再転送情報領域の外部のディスプレイ(表示部)に転送情報領域、操作領域、通話情報領域、再転送情報領域が表示されてもよい。
【0087】
また上述の各種の処理は、記載に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されてもよい。その他、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能であることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0088】
1~3 電話通信システム
110,120,320 端末装置
140,240 転送装置
122,322 表示処理部
124,324 タッチパネル部
142 選択部
245 切り替え部
326 再転送処理部
1240,3240 表示画面
1241,3241 転送情報領域
1242 通話情報領域
1243,3244,3245,3246 操作領域
3247 再転送情報領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19