(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011253
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】プリンタドライバ、情報処理方法及び情報処理システム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240118BHJP
【FI】
G06F3/12 343
G06F3/12 303
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113115
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100174104
【弁理士】
【氏名又は名称】奥田 康一
(72)【発明者】
【氏名】都筑 広行
(57)【要約】 (修正有)
【課題】容易にデザイン性の高い印刷を行うプリンタドライバ、情報処理方法及び情報処理システムを提供する。
【解決手段】ホストPC及びプリンタにより構成される画像形成システムにおいて、ホストPCのプリンタドライバは、アプリケーションにおけるアプリ描画データをクリップするクリップ領域となるクリップ用ウォータマーク描画データを指定させるクリップ部指定部と、アプリ描画データを含む印刷データにおいて、クリップ用ウォータマーク描画データを示す、マスク生成開始コマンド領域のマスク開始コマンドと、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域のクリップ用ウォータマーク描画データとなるコマンドと、マスク生成終了コマンド領域のマスク終了コマンドとが付加された印刷データを生成する印刷データ生成部と、印刷データをプリンタへ送信する印刷データ送信部とを設ける。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置に、
アプリケーションで開かれる所定のアプリ描画データをクリップするクリップ領域となるクリップ部を指定させるクリップ部指定手段と、
前記アプリ描画データを含む印刷データにおいて、前記クリップ部を示すクリッピングコマンドが付加された前記印刷データを生成する印刷データ生成手段と、
前記印刷データを画像形成装置へ送信する印刷データ送信手段と
を実行させるためのプリンタドライバ。
【請求項2】
前記印刷データ生成手段は、
前記画像形成装置において、前記アプリ描画データよりも先に前記クリッピングコマンドが処理されるよう前記印刷データを生成する
請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項3】
前記印刷データ生成手段は、
前記アプリ描画データよりも先に前記クリッピングコマンドを配置した前記印刷データを生成する
請求項2に記載のプリンタドライバ。
【請求項4】
前記クリッピングコマンドは、
前記アプリ描画データをクリップするクリッピングマスクを生成するマスク生成コマンドと、該マスク生成コマンドの開始区間を示すマスク開始コマンドと、該マスク生成コマンドの終了区間を示すマスク終了コマンドとを含む
請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項5】
前記印刷データ生成手段は、
前記アプリ描画データを前記クリップ部によりクリップし所定のフォーム画像データの手前側に重ねるよう指示するコマンドを含む前記印刷データを生成する
請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項6】
前記印刷データ生成手段は、
前記クリップ領域の内側又は外側の何れを前記アプリ描画データで描画するかを示すコマンドを含む前記印刷データを生成する
請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項7】
前記クリップ部は、前記プリンタドライバにおいて指定されたウォータマークである
請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項8】
前記ウォータマークは、文字列である
請求項7に記載のプリンタドライバ。
【請求項9】
前記クリップ部は、前記プリンタドライバにおいて指定されたフォームである
請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項10】
前記情報処理装置に、
前記印刷データを前記画像形成装置へ送信するよりも前に、前記フォームを示すフォーム描画データを前記画像形成装置へ送信し、予め前記画像形成装置に登録するフォームデータ登録手段
をさらに実行させるための請求項9に記載のプリンタドライバ。
【請求項11】
前記情報処理装置に、
前記クリップ部を用いて前記アプリ描画データをクリップするか否かを選択させるクリップ部使用選択手段
をさらに実行させるための請求項1に記載のプリンタドライバ。
【請求項12】
プリンタドライバを含み該プリンタドライバからの指示に基づき画像形成装置において印刷を実行させる情報処理装置を制御する情報処理方法であって、
前記情報処理装置は、
アプリケーションで開かれる所定のアプリ描画データをクリップするクリップ領域となるクリップ部を指定させるクリップ部指定ステップと、
前記アプリ描画データを含む印刷データにおいて、前記クリップ部を示すクリッピングコマンドが付加された前記印刷データを生成する印刷データ生成ステップと、
前記印刷データを前記画像形成装置へ送信する印刷データ送信ステップと
を有する情報処理方法。
【請求項13】
プリンタドライバを含む情報処理装置と、
前記プリンタドライバからの指示に基づき印刷を実行する画像形成装置と
を備え、
前記情報処理装置の前記プリンタドライバは、
アプリケーションで開かれる所定のアプリ描画データをクリップするクリップ領域となるクリップ部を指定させるクリップ部指定部と、
前記アプリ描画データを含む印刷データにおいて、前記クリップ部を示すクリッピングコマンドが付加された前記印刷データを生成する印刷データ生成部と、
前記印刷データを前記画像形成装置へ送信する印刷データ送信部と
を有する情報処理システム。
【請求項14】
前記画像形成装置は、
前記情報処理装置から受信した前記印刷データが前記クリッピングコマンドを含む場合、該クリッピングコマンドに基づいて、前記アプリ描画データをクリップするクリッピングマスクを生成する画像形成部
を有する請求項13に記載の情報処理システム。
【請求項15】
前記画像形成部は、
前記情報処理装置から受信した前記印刷データに含まれる前記アプリ描画データを前記クリッピングマスクによりクリップする
請求項14に記載の情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプリンタドライバ、情報処理方法及び情報処理システムに関し、任意形状のクリップ領域を利用した印刷を画像形成装置において行う情報処理装置に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置においては、背景イメージがあり前景データに透過指定のある印刷ジョブに対して、透過を実現する画像処理の中間画像データをメモリにキャッシュ画像としてキャッシュし、透過属性が一致している以後の描画オブジェクトに対してはそのキャッシュ画像を再利用することにより、画像処理時間を短縮化するものがあった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、そのような情報処理装置においては、画像加工ソフトを用いることなく、プリンタドライバにおいて任意形状のクリップ領域を指定した印刷は考慮されていなかった。このためユーザは、プリンタドライバを用いてクリップ領域を活用したデザイン性の高い印刷を気軽に行えず、利便性を損ねていた。
【0005】
本発明は以上の点を考慮してなされたもので、容易にデザイン性の高い印刷を行い得るプリンタドライバ、情報処理方法及び情報処理システムを提案しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を解決するため本発明のプリンタドライバにおいては、情報処理装置に、アプリケーションで開かれる所定のアプリ描画データをクリップするクリップ領域となるクリップ部を指定させるクリップ部指定手段と、アプリ描画データを含む印刷データにおいて、クリップ部を示すクリッピングコマンドが付加された印刷データを生成する印刷データ生成手段と、印刷データを画像形成装置へ送信する印刷データ送信手段とを実行させるようにした。
【0007】
また本発明の情報処理方法においては、プリンタドライバを含み該プリンタドライバからの指示に基づき画像形成装置において印刷を実行させる情報処理装置を制御する情報処理方法であって、情報処理装置は、アプリケーションで開かれる所定のアプリ描画データをクリップするクリップ領域となるクリップ部を指定させるクリップ部指定ステップと、アプリ描画データを含む印刷データにおいて、クリップ部を示すクリッピングコマンドが付加された印刷データを生成する印刷データ生成ステップと、印刷データを画像形成装置へ送信する印刷データ送信ステップとを有するようにした。
【0008】
さらに本発明の情報処理システムにおいては、プリンタドライバを含む情報処理装置と、プリンタドライバからの指示に基づき印刷を実行する画像形成装置とを設け、情報処理装置のプリンタドライバは、アプリケーションで開かれる所定のアプリ描画データをクリップするクリップ領域となるクリップ部を指定させるクリップ部指定部と、アプリ描画データを含む印刷データにおいて、クリップ部を示すクリッピングコマンドが付加された印刷データを生成する印刷データ生成部と、印刷データを画像形成装置へ送信する印刷データ送信部とを有するようにした。
【0009】
本発明は、情報処理装置のプリンタドライバが従来から有している機能を応用して、クリップ部のクリップ領域でアプリ描画データをクリップした印刷結果画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、容易にデザイン性の高い印刷を行い得るプリンタドライバ、情報処理方法及び情報処理システムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】画像形成システムの構成を示すブロック図である。
【
図2】フォーム登録データ及び印刷データを示す図である。
【
図3】第1の実施の形態によるアプリ描画データを示す図である。
【
図4】第1の実施の形態によるフォーム登録時のドライバ設定画面及びフォーム登録データを示す図である。
【
図5】第1の実施の形態によるクリップ指定印刷時のドライバ設定画面及び印刷データを示す図である。
【
図6】フォーム登録処理手順を示すフローチャートである。
【
図8】第1の実施の形態によるクリップ指定印刷時の印刷結果(1)を示す図である。
【
図9】第1の実施の形態によるクリップ指定印刷時の印刷結果(2)を示す図である。
【
図10】ホストPCの機能構成を示すブロック図である。
【
図11】第2の実施の形態によるアプリ描画データを示す図である。
【
図12】第2の実施の形態によるフォーム登録時のドライバ設定画面及びフォーム登録データを示す図である。
【
図13】第2の実施の形態によるクリップ指定印刷時のドライバ設定画面及び印刷データを示す図である。
【
図14】第2の実施の形態によるクリップ指定印刷時の印刷結果(1)を示す図である。
【
図15】第2の実施の形態によるクリップ指定印刷時の印刷結果(2)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、発明を実施するための形態(以下実施の形態とする)について、図面を用いて説明する。
【0013】
[1.第1の実施の形態]
[1-1.画像形成システムの構成]
図1に示すように、画像形成システム1は、ホストPC2及びプリンタ4により構成されている。プリンタ4とホストPC2とは、インターネットやLAN(Local Area Network)等のネットワークや、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等の任意のデータ接続経路で接続されており、印刷データ等の各種データを送受信可能な状態となっている。
【0014】
[1-2.ホストPCの構成]
ホストPC2は、所謂パーソナルコンピュータであり、PC制御部6により全体を統括制御する。PC制御部6は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を有しており、所定のプログラムを読み出して実行することにより、様々な処理を実行する。またホストPC2は、プリンタ4へ印刷ジョブを送信することにより、該プリンタ4において印刷を実行する。
【0015】
PC制御部6は、内部モジュールとして、アプリケーション8及びプリンタドライバ10を有している。アプリケーション8は、文字、図形や画像等から構成される文書データを編集する任意のソフトウェアである。プリンタドライバ10は、内部モジュールとして、ウォータマーク指定部12、オーバーレイ指定部13、クリップ指定部14及び印刷データ生成部15を有しており、プリンタ4で印刷を行うための印刷データを生成する。ウォータマーク指定部12は、プリンタ4が透かし文字を重ねて印刷するための文字列や文字形状をユーザから受け付ける入力画面であるウォータマーク編集画面68(
図5(B))を制御する。
【0016】
オーバーレイ指定部13は、プリンタ4が各ページの背景に共通の背景フォーマットとして自動で重ねて印刷を行うためのフォーム描画データをユーザがプリンタ4に登録するためのオーバーレイ指定画面57(
図4(B))を制御する。またオーバーレイ指定部13は、アプリケーション8から印刷が行われる際に、ユーザが予めプリンタ4に登録されたフォーム描画データを指定して印刷を指示するための入力画面であるオーバーレイ指定画面57(
図5(C))を制御する。さらにオーバーレイ指定部13は、ホストPC2が複数の背景(フォーム)それぞれを識別するために、新規フォーム画面64(
図4(C))においてフォーム名の文字列とフォーム番号の入力とをユーザから受け付ける。
【0017】
クリップ指定部14は、
図4(A)に示す拡張印刷機能画面50において、予めプリンタ4に登録されたフォーム描画データをクリップとして使用する際にフォーム名を指定させるクリップ用フォーム名入力部53と、ウォータマークをクリップとして使用するか否かをユーザに指定させるウォータマーククリップ使用指定部54と、クリップ領域の内側をアプリ描画データで描画するのか又は外側をアプリ描画データで描画するのかをユーザに指定させるクリップ領域内側外側描画指定部55とへの入力を受け付ける。
【0018】
印刷データ生成部15は、アプリケーション8から印刷が実行されるときの用紙サイズや解像度等の印刷設定をユーザから受け付け、プリンタ4で印刷するための印刷データを生成する。この印刷データ生成部15は、印刷設定として、一般的な項目だけでなく、拡張印刷機能であるウォータマーク機能、オーバーレイ機能やクリップ機能が設定された印刷データを生成する。このような拡張印刷機能を示す印刷データ形式については、後で
図2を用いて説明する。また印刷データ生成部15は、フォーム登録データ28(
図2(A))を生成する(詳細は後述する)。
【0019】
[1-3.プリンタの構成]
プリンタ4は、プリンタ制御部18により全体を統括制御する。プリンタ制御部18は、図示しないCPU、ROM及びRAM等を有しており、所定のプログラムを読み出して実行することにより、用紙に印刷を行う。プリンタ制御部18は、内部モジュールとして、データ解析部20、ページ画像形成部21、印刷制御部22、ファイルシステム23及び揮発性メモリ24を有している。
【0020】
データ解析部20は、ホストPC2のプリンタドライバ10が生成した印刷データに含まれるコマンドを解析する。画像形成部としてのページ画像形成部21は、データ解析部20が解析したコマンドに基づいて、印刷する用紙サイズ、解像度やカラーモードに応じたページ画像を生成する。印刷制御部22は、プリンタ4に設けられた用紙搬送機構及びトナー定着機構を制御することにより、ページ画像形成部21が生成したページ画像を実際の用紙に印刷する。
【0021】
ファイルシステム23は、ハードディスク等により構成されており、プリンタ4の電源が遮断されても保存したファイルが継続して保存され、電源が再投入された後でもファイルのデータが読み出し可能に構成されている。またファイルシステム23は、そのデータ領域の一部が、オーバーレイ格納部25として構成されている。オーバーレイ格納部25は、プリンタドライバ10が生成したフォーム描画データをファイルとして格納する。またオーバーレイ格納部25は、フォーム描画データの利用時にファイルからフォーム描画データを読み出す。
【0022】
揮発性メモリ24は、プリンタ4の基板上に搭載されたRAMにより構成されており、プリンタ4の各構成部が利用するメモリ領域である。また揮発性メモリ24は、そのデータ領域の一部が、マスク用モノクロイメージ格納部26及びフレームバッファ格納部27として構成されている。マスク用モノクロイメージ格納部26は、ページ画像形成部21が生成したモノクロイメージの画像データであるマスク用モノクロイメージをRAMに格納する格納部である。このマスク用モノクロイメージ格納部26は、印刷解像度に対応したページ全体の幅及び高さに対応するモノクロ画像データであるマスク用モノクロイメージを格納する。フレームバッファ格納部27は、ページ画像形成部21が生成したページ画像をRAMに格納する格納部である。
【0023】
[1-4.フォーム登録データ及び印刷データのデータ形式]
次に、印刷データ生成部15が生成するフォーム登録データ及び印刷データのデータ形式について
図2を用いて説明する。
【0024】
[1-4-1.フォーム登録データのデータ形式]
図2(A)は、ホストPC2が、プリンタドライバ10のオーバーレイ機能を使用して、アプリケーション8において現在開かれている印刷ドキュメントを新規フォームのフォーム描画データとしてプリンタ4に登録する際に、ホストPC2からプリンタ4へ送信されるフォーム登録データ28であり、複数のコマンドから構成される。
【0025】
フォーム登録データ28は、フォーム番号指定領域31とフォーム描画データ格納領域32とが含まれたデータ形式により構成されている。フォーム番号指定領域31は、フォーム番号を指定する。フォーム番号指定領域31における「フォーム番号=n」のnに相当するデータ領域には、ユーザにより新規フォーム画面64(
図4(C))のフォーム番号入力部66において指定されたフォーム番号が格納される。フォーム描画データ格納領域32は、オーバーレイ指定部13により指定されたフォームを描画する(すなわちフォーム描画を行う)描画データとなる複数のコマンドであるフォーム描画データを格納する。
【0026】
[1-4-2.オーバーレイ機能及びウォータマーク機能を使用しクリップ機能は使用しないで印刷する場合の印刷データのデータ形式]
図2(B)は、ホストPC2が、プリンタドライバ10のオーバーレイ機能及びウォータマーク機能を使用して、かつ、クリップ機能は使用せずにプリンタ4において印刷を行う際に、ホストPC2からプリンタ4へ送信される印刷データ29であり、複数のコマンドが順に並んでいる。印刷データ29は、クリップ機能を使用しない従来と同様の印刷が行われる際の印刷データ形式の印刷データである。
【0027】
印刷データ29は、フォーム番号指定領域33と、フォーム描画実行コマンド領域34と、アプリ描画データ格納領域35と、ウォータマーク描画データ格納領域36とが、この送信順序で含まれたデータ形式により構成されている。フォーム番号指定領域33は、フォーム番号を指定する。フォーム描画実行コマンド領域34は、フォーム番号指定領域33で指定されたフォーム番号が付されたフォーム描画データを描画するコマンドを指定する。アプリ描画データ格納領域35は、アプリケーション8による描画データとなる複数のコマンドであるアプリ描画データを格納する。
【0028】
ウォータマーク描画データ格納領域36は、ウォータマーク指定部12により指定されたウォータマークを描画するウォータマーク描画データとなる複数のコマンドを格納する領域である。プリンタ4は、ウォータマーク機能を使用する場合、アプリ描画データを先に描画処理した後に、該アプリ描画データにウォータマークを重ねるように描画処理する。このため印刷データ29は、ウォータマーク描画データ格納領域36が、アプリ描画データ格納領域35よりも後ろの、印刷データ29の中の最後の部分に配置されている。
【0029】
[1-4-3.オーバーレイ機能、ウォータマーク機能及びクリップ機能を使用して印刷する場合の印刷データのデータ形式]
図2(C)は、ホストPC2が、プリンタドライバ10のオーバーレイ機能と、予めプリンタ4に登録しておいたフォームをクリップとして使用する機能と、ウォータマークをクリップとして使用する機能とを組み合わせて、クリップ機能を使用してプリンタ4において印刷を行う際に、ホストPC2からプリンタ4へ送信される印刷データ30であり、複数のコマンドが順に並んでいる。この印刷データ30は、本発明の特徴となる印刷が行われる際の印刷データ形式の印刷データである。
【0030】
印刷データ30は、フォーム番号指定領域38と、フォーム描画実行コマンド領域39と、マスク生成開始コマンド領域40と、クリップ用フォーム番号指定領域41と、クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42と、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43と、マスク生成終了コマンド領域44と、アプリ描画データ格納領域45とが、この送信順序で含まれたデータ形式により構成されている。
【0031】
フォーム番号指定領域38は、フォーム番号を指定する。フォーム描画実行コマンド領域39は、フォーム番号指定領域38で指定されたフォーム番号が付されたフォーム描画データを描画するコマンドを指定する。マスク生成開始コマンド領域40は、クリップ用のマスク(以下では、クリッピングマスク、マスク用モノクロイメージとも呼ぶ)の生成を開始するコマンドであるマスク開始コマンドを指定する。クリップ用フォーム番号指定領域41は、クリップ用のフォーム番号を指定する。クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42は、クリップ用フォーム番号指定領域41で指定されたフォーム番号が付されたクリップ用のフォーム描画データであるクリップ用フォーム描画データを描画するコマンドを指定する。
【0032】
クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43は、プリンタ4が、ウォータマーク指定部12により指定されたウォータマークの形状を実際のウォータマークを描画するのではなくクリップ用のデータとして利用するデータとして描画するクリップ用のウォータマーク描画データであるクリップ用ウォータマーク描画データを格納する領域である。第1の実施の形態においては、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43のコマンドが、マスク生成コマンドとなる。また、第2の実施の形態においては、クリップ用フォーム番号指定領域41及びクリップ用フォーム描画実行コマンド領域42のコマンドが、マスク生成コマンドとなる。
【0033】
マスク生成終了コマンド領域44は、クリップ用のマスク(マスク用モノクロイメージ)の生成を終了するコマンドであるマスク終了コマンドを指定する。アプリ描画データ格納領域45は、アプリ描画データとなる複数のコマンドを格納する。
【0034】
印刷データ30は印刷データ29(
図2(B))と比較して、印刷データにおける、プリンタ4側でクリップを実現するマスク用モノクロイメージを生成するためのデータ範囲を示す、マスク生成開始コマンド領域40とマスク生成終了コマンド領域44とを有している。このためプリンタ4は、ホストPC2から印刷データ30を受信したときに、該印刷データ30が、クリップ処理に使用するマスク用モノクロイメージを生成するための印刷データであることを認識できる。またマスク生成開始コマンド領域40における「マスク開始=Side」のSideに対応する部分は、「内側」又は「外側」を示すデータが指定される。さらに印刷データ30は、マスク生成開始コマンド領域40とマスク生成終了コマンド領域44とのデータ領域の間に、クリップ用フォーム番号指定領域41と、クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42と、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43とをそれぞれ設けている。
【0035】
プリンタ4は、第1の実施の形態のように、ウォータマーク機能及びクリップ機能を使用し、ウォータマークの形状を実際のウォータマークを描画するのではなくクリップ用のデータとして利用する場合、アプリ描画データを描画処理するよりも前に、クリップ用ウォータマーク描画データを描画処理してクリップ処理に使うマスク用モノクロイメージを生成する。このため印刷データ30は、マスク生成開始コマンド領域40、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43及びマスク生成終了コマンド領域44が、アプリ描画データ格納領域45よりも前に配置されている。
【0036】
またプリンタ4は、第2の実施の形態のように、クリップ機能を使用し、フォームに含まれる文字列や図形の形状を実際のフォームとして描画するのではなくクリップ用のデータとして利用する場合、アプリ描画データを描画処理するよりも前に、クリップ用フォーム描画データを描画処理してクリップ処理に使うマスク用モノクロイメージを生成する。このため印刷データ30は、マスク生成開始コマンド領域40、クリップ用フォーム番号指定領域41、クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42及びマスク生成終了コマンド領域44が、アプリ描画データ格納領域45よりも前に配置されている。
【0037】
[1-5.動作]
次に、ホストPC2がプリンタ4を用いて、ウォータマークをクリップとして使用した印刷を行う際の具体的な動作例を説明する。ホストPC2は、まず、背景として用いるアプリ描画データをプリンタ4に登録するフォーム登録を行い、次に、ウォータマークをクリップとして指定してプリンタ4へ印刷を指示するクリップ指定印刷を行う。
【0038】
[1-5-1.フォーム登録について]
[1-5-1-1.ホストPCにおけるフォーム登録動作]
図3に、第1の実施の形態において利用される、アプリケーション8において開かれる画像の例を示す。アプリ描画データ48A(
図3(A))は、ページ全体で濃淡を徐々に変化させているグラデーション画像である。アプリ描画データ48P(
図3(B))は、斜線パターンと縦横線パターンとが組み合わされた模様の画像である。
【0039】
ホストPC2においてプリンタドライバ10が起動され、拡張印刷機能としてフォーム登録時のドライバ設定画面が選択された場合にホストPC2に表示される、フォーム登録時のドライバ設定画面である拡張印刷機能画面50と、フォーム登録データの例との一例を、
図4に示す。
【0040】
図4(A)に示すように、拡張印刷機能画面50は、拡張印刷機能が設定されるための、ウォータマーク機能指定ボタン51、オーバーレイ機能指定ボタン52、クリップ用フォーム名入力部53は、ウォータマーククリップ使用指定部54及びクリップ領域内側外側描画指定部55を有している。
【0041】
ウォータマーク機能指定ボタン51は、ユーザにより押下されると、ウォータマーク機能を設定させる
図5(B)に示すウォータマーク編集画面68をホストPC2に表示させる。オーバーレイ機能指定ボタン52は、ユーザにより押下されると、オーバーレイ機能を設定させる
図5(C)に示すオーバーレイ指定画面57をホストPC2に表示させる。クリップ用フォーム名入力部53は、クリップに使用されるフォーム名をユーザに入力させる。
【0042】
ウォータマーククリップ使用指定部54は、プリンタドライバ10がウォータマークをクリップとして使用するか否かをユーザに指定させる。プリンタドライバ10は、ユーザによりチェックボックスがチェックされた場合はウォータマークをクリップとして使用する機能が有効にされたとする一方、ユーザによりチェックボックスがチェックされなかった場合はウォータマークをクリップとして使用する機能が無効にされたとする。
【0043】
クリップ領域内側外側描画指定部55は、プリンタドライバ10がクリップ領域の内側をアプリ描画データで描画するのか又は外側をアプリ描画データで描画するのかをユーザに指定させる。プリンタドライバ10は、ユーザによりチェックボックスがチェックされなかった場合はクリップ領域の内側をアプリ描画データで描画する機能が有効にされたとする一方、ユーザによりチェックボックスがチェックされた場合はクリップ領域の外側をアプリ描画データで描画する機能が有効にされたとする。
【0044】
ユーザがアプリ描画データ48A(
図3(A))をアプリケーション8(
図1)で開き、プリンタドライバ10から拡張印刷機能画面50を開き、オーバーレイ機能指定ボタン52を押下すると、オーバーレイ指定部13は、
図4(B)に示すオーバーレイ指定画面57をホストPC2に表示する。
【0045】
オーバーレイ指定画面57は、オーバーレイ非使用選択部58、オーバーレイ印刷選択部59及び新規フォーム登録選択部60を有しており、これらのうち何れか1つをユーザに選択させる。オーバーレイ非使用選択部58は、アプリケーション8(
図1)において現在開かれているアプリ描画データ48A(
図3(A))を背景として使用しない場合にユーザにより選択される。
【0046】
オーバーレイ印刷選択部59は、アプリケーション8(
図1)において現在開かれているアプリ描画データ48A(
図3(A))を背景として使用する場合にユーザにより選択される。またオーバーレイ印刷選択部59は、ユーザにより選択されると、オーバーレイ機能フォーム名指定部61及びフォーム名リスト編集画面表示ボタン62をユーザに操作させる。オーバーレイ機能フォーム名指定部61は、オーバーレイ機能において使用されるフォーム名をユーザに選択させる。フォーム名リスト編集画面表示ボタン62は、ユーザにより押下されると、複数のフォームが組み合わされて利用される場合のフォーム名のリスト編集画面を表示する。
【0047】
新規フォーム登録選択部60は、アプリケーション8(
図1)において現在開かれているアプリ描画データ48A(
図3(A))を背景(フォーム)としてプリンタ4に登録する場合にユーザにより選択される。
【0048】
ユーザは、オーバーレイ指定画面57で新規フォーム登録選択部60を選択した上でOKボタンを押下する。これに応じてオーバーレイ指定部13(
図1)は、ユーザによる選択を認識し、拡張印刷機能画面50(
図4(A))に戻る。続いてユーザは、拡張印刷機能画面50においてOKボタンを押下してドライバ設定を完了させ、ドライバ設定画面からアプリケーション8の画面に戻り、データ送信を行うボタン(図示せず)を押下する。オーバーレイ指定部13は、データ送信を行うボタンが押下されたことを検出すると、送信データを生成する直前において、
図4(C)に示す新規フォーム画面64をホストPC2にポップアップ表示させる。新規フォーム画面64は、フォーム名入力部65及びフォーム番号入力部66を有している。フォーム名入力部65は、プリンタ4への登録に必要なフォームの名前をユーザに入力させる。フォーム番号入力部66は、フォーム毎に固有の識別子(ID)であるフォーム番号をユーザに入力させる。
【0049】
ユーザは、
図4(C)に示すように、例えば、フォーム名入力部65に「Form-A」を、フォーム番号入力部66に「1」を入力してOKボタンを押下する。これに応じてオーバーレイ指定部13は、フォーム名入力部65及びフォーム番号入力部66に入力された入力情報を受け取って印刷データ生成部15へ送出する。印刷データ生成部15は、オーバーレイ指定部13から取得した入力情報に応じたフォーム登録データ28a(
図4(E))を生成し、プリンタ4に送信する。
【0050】
その際のフォーム登録データ28aのデータ形式は、フォーム登録データ28(
図2(A))のデータ形式であり、フォーム番号指定領域31a及びフォーム描画データ格納領域32aが、フォーム番号指定領域31及びフォーム描画データ格納領域32(
図2(A))それぞれと対応している。フォーム番号指定領域31aには、フォーム番号入力部66(
図4(C))において指定された「フォーム番号=1」が格納される。フォーム描画データ格納領域32aには、アプリケーション8において現在開かれているアプリ描画データ48A(
図4(D))に対応したフォーム描画を行うフォーム描画データが格納される。
【0051】
なお、オーバーレイ指定部13は、フォーム名「Form-A」とフォーム番号「1」との対応付けをプリンタドライバ10の内部設定領域に記録する。このためオーバーレイ指定部13は、オーバーレイ指定画面57(
図5(C))のオーバーレイ機能フォーム名指定部61のプルダウンリストから登録済みフォームのフォーム名をユーザに選択させるだけで済ませることができ、オーバーレイ印刷を行う際に使用するフォーム名をユーザに直接入力させる手間を省くことができる。またオーバーレイ指定部13は、ドライバ設定画面上では「Form-A」等の文字列でフォームをユーザに識別させてユーザの利便性を図りつつ、ドライバデータのデータ形式上は「1」等の数値でフォームを識別することでデータ処理の実装を容易としている。
【0052】
[1-5-1-2.プリンタにおけるフォーム登録処理手順]
次に、プリンタ4によるフォーム登録処理手順RT1について、
図6に示すフローチャートを用いて説明する。ホストPC2から上述したフォーム登録データ28a(
図4(E))を受信すると、プリンタ制御部18は、フォーム登録処理プログラムを読み出して実行することにより
図6に示すフォーム登録処理手順RT1を開始し、ステップSP1へ移る。
【0053】
ステップSP1においてプリンタ制御部18は、受信したフォーム登録データ28a中のコマンドをデータ解析部20により解析し、受信したデータがフォーム登録データであると判断し、ステップSP2へ移る。
【0054】
ステップSP2においてプリンタ制御部18は、フォーム登録データ28aのフォーム描画データ格納領域32aに格納されている、オーバーレイ機能を実現するフォーム描画データを、ファイルシステム23(
図1)のオーバーレイ格納部25に格納し、ステップSP3へ移り、フォーム登録処理手順RT1を終了する。このときプリンタ制御部18は、フォーム番号指定領域31a(
図4(E))で指定された数値である「1」をファイル名の文字列「1」として使用してオーバーレイ格納部25にファイルを格納する。ここまでの動作で、ユーザはアプリ描画データ48A(
図3(A))を、プリンタ4に「Form-A」として登録できたことになる。
【0055】
[1-5-2.クリップ指定印刷について]
[1-5-2-1.ホストPCにおける印刷指示動作]
続いてユーザは、印刷を行うためにアプリ描画データ48P(
図3(B))をアプリケーション8で開き直して、プリンタドライバ10から
図5(A)に示す拡張印刷機能画面50を表示させ、ウォータマーククリップ使用指定部54のチェックボックスをチェックする。クリップ指定部14は、この設定変更を認識する。
【0056】
またユーザが拡張印刷機能画面50においてウォータマーク機能指定ボタン51を押下すると、ウォータマーク指定部12(
図1)は、
図5(B)に示すウォータマーク編集画面68をホストPC2に表示させる。ウォータマーク編集画面68は、ウォータマーク文字列入力部69及びウォータマークサイズ指定部70を含む、属性情報の入力部を有しており、ウォータマークに使用する文字列、サイズ、回転角度、フォント、色、囲み枠及び微調整X方向、Y方向の属性情報からなる、ウォータマーク設定値をユーザに指定させる。ウォータマーク文字列入力部69は、ウォータマークで使用される文字列をユーザに入力させる。ウォータマークサイズ指定部70は、ウォータマークで使用される文字のサイズをユーザに入力させる。
図5(B)においては、ウォータマークで使用される文字列として「TEST」が入力され、ウォータマークで使用される文字の文字サイズとして「258」が入力された例を示している。
【0057】
またウォータマーク編集画面68は、プレビュー表示部71を有している。プレビュー表示部71は、ウォータマーク文字列入力部69に入力された文字列とウォータマークサイズ指定部70に入力された文字サイズとに基づき、横長のページサイズ全体にかかるような大きな「TEST」という文字列をウォータマークの描画として設定したことを示すプレビュー画像を表示している。
【0058】
ユーザがウォータマーク編集画面68においてOKボタンを押下すると、ウォータマーク指定部12(
図1)は、ユーザが指定したウォータマーク設定値を認識する。
【0059】
次にユーザが拡張印刷機能画面50においてオーバーレイ機能指定ボタン52を押下すると、オーバーレイ指定部13(
図1)は、
図4(B)と対応する
図5(C)に示すオーバーレイ指定画面57をホストPC2に表示させる。
【0060】
ユーザは、オーバーレイ指定画面57でオーバーレイ印刷選択部59を選択した上で、オーバーレイ機能フォーム名指定部61において、オーバーレイ機能に使用するフォーム名として、登録済みフォーム名のプルダウンリストから既に登録済みのフォーム名である「Form-A」を選択した上でOKボタンを押下する。これに応じてオーバーレイ指定部13(
図1)は、ユーザが指定したフォーム名を認識し、拡張印刷機能画面50(
図5(A))に戻る。本実施の形態においては、ユーザは
図5(A)のクリップ用フォーム名入力部53は、空欄のままとしている。これは、ユーザがウォータマークをクリップとして使用するように指定し、登録済みフォームはクリップとして利用しないことを意味する。
【0061】
次にユーザが、拡張印刷機能画面50においてOKボタンを押下してドライバ設定を完了させ、ドライバ設定画面からアプリケーション8の画面に戻り、印刷開始ボタン(図示せず)を押下すると、印刷データ生成部15(
図1)は、
図5(E)に示すような印刷データ30aを生成しプリンタ4に送信する。
【0062】
その際の印刷データ30aのデータ形式は、印刷データ30(
図2(C))のデータ形式であり、フォーム番号指定領域38a、フォーム描画実行コマンド領域39a、マスク生成開始コマンド領域40a、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43a、マスク生成終了コマンド領域44a及びアプリ描画データ格納領域45aが、フォーム番号指定領域38、フォーム描画実行コマンド領域39、マスク生成開始コマンド領域40、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43、マスク生成終了コマンド領域44及びアプリ描画データ格納領域45(
図2(C))それぞれと対応している。
【0063】
ただし、クリップ用フォーム番号指定領域41及びクリップ用フォーム描画実行コマンド領域42(
図2(C))に対応したデータは、印刷データ30aでは存在していない。これは
図5(A)のクリップ用フォーム名入力部53で、ユーザがクリップ機能として、登録済みフォーム名を指定していないことに対応している。
【0064】
フォーム番号指定領域38aには、オーバーレイ機能フォーム名指定部61(
図5(C))において指定された「Form-A」に対応付けられた「フォーム番号=1」が格納される。フォーム描画実行コマンド領域39aは、フォーム番号指定領域38aで指定されたフォーム番号が付されたフォーム描画データを描画するコマンドを指定する。
【0065】
マスク生成開始コマンド領域40aにおいては、マスク生成開始コマンド領域40(
図2(C))における「マスク開始=Side」のSideに相当するデータ領域に、クリップ領域内側外側描画指定部55(
図5(A))において指定された、クリップ領域の内側をアプリ描画データ48Pで描画する機能が有効にされたことを示す、「内側」が格納される。
【0066】
クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aには、ウォータマーク編集画面68(
図5(B))において指定されたクリップ用ウォータマーク描画データが格納される。アプリ描画データ格納領域45aには、アプリケーション8において現在開かれているアプリ描画データ48P(
図5(D))に対応したアプリ描画データが格納される。
【0067】
[1-5-2-2.プリンタにおける印刷処理]
次に、プリンタ4による印刷処理手順RT2について、
図7に示すフローチャートを用いて説明する。ホストPC2から上述した印刷データ30a(
図5(E))を受信すると、プリンタ制御部18は、印刷処理プログラムを読み出して実行することにより
図7に示す印刷処理手順RT2を開始し、ステップSP11へ移る。ステップSP11においてプリンタ制御部18は、受信した印刷データ30a中のコマンドをデータ解析部20により解析し、受信したデータが印刷データであると判断し、ステップSP12へ移る。
【0068】
ステップSP12においてプリンタ制御部18は、ステップSP11において解析した印刷データ30aが、クリップ機能を実現するマスク開始コマンドとマスク終了コマンドとを含む印刷データであったか否かをデータ解析部20により判定する。以下では、マスク開始コマンドとマスク終了コマンドとをまとめてマスクコマンドとも呼ぶ。ここで否定結果が得られると、このことは、クリップ機能を使用しない従来と同様の印刷を実行することを表し、このときプリンタ制御部18は、ステップSP13へ移る。なお、印刷データ30aは実際にはマスクコマンドを含むため、ステップSP13及びSP14の説明においては、マスクコマンドを含まない印刷データを仮に受信した場合の動作として説明する。この場合、この印刷データのデータ形式は、印刷データ29(
図2(B))のデータ形式である。
【0069】
ステップSP13においてプリンタ制御部18は、データ解析部20により、印刷データ中のコマンドをフォーム番号指定領域38aから順次検出して、各コマンドで指定された座標値等の設定値から具体的に描画する個々の描画オブジェクト形状を解釈し、コマンドの解釈結果データを描画オブジェクトとしてRAMに格納し、ステップSP14へ移る。
【0070】
ステップSP14においてプリンタ制御部18は、ページ画像形成部21により、データ解析部20がステップSP13において格納した描画オブジェクトをRAMから読み出し、クリップ機能によるマスク用モノクロイメージの生成は行うことなく、描画オブジェクトに対応するページ画像データを生成してフレームバッファ格納部27に格納し、ステップSP19へ移る。
【0071】
ステップSP19においてプリンタ制御部18は、ページ画像形成部21が生成したページ画像データを印刷制御部22により印刷し、ステップSP20へ移り、印刷処理手順RT2を終了する。
【0072】
一方、ステップSP12において否定結果が得られると、このことは、クリップ機能を使用する、本発明の特徴となるクリップ指定印刷を実行することを表し、このときプリンタ制御部18は、ステップSP15へ移る。
【0073】
ステップSP15においてプリンタ制御部18は、データ解析部20により、印刷データ30a中からマスク開始コマンドとマスク終了コマンドとの間に挟まれているコマンドを順次検出して、各コマンドで指定された座標値等の設定値から具体的に描画する個々のマスク用描画オブジェクト形状を解釈し、コマンドの解釈結果データをマスク用描画オブジェクトとしてRAMに格納し、ステップSP16へ移る。ここで第1の実施の形態においてデータ解析部20は、マスク開始コマンドとマスク終了コマンドとの間に挟まれているコマンドとして、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aのコマンドを検出する。
【0074】
ステップSP16においてプリンタ制御部18は、ページ画像形成部21により、データ解析部20がステップSP15において格納したマスク用描画オブジェクトをRAMから読み出し、対応するマスク用モノクロイメージを生成してマスク用モノクロイメージ格納部26に格納し、ステップSP17へ移る。このマスク用モノクロイメージは、具体的に、「TEST」という文字の縁で囲まれた領域(クリップ領域)内部のビットが「1」であり、クリップ領域外部のビットが「0」であるデータとなる。なお、ページ画像形成部21は、マスク開始コマンドの「Side」に外側が指定されていた場合は、マスク用モノクロイメージの各ビットの「0」と「1」とを反転させて生成する。これにより、ページ画像形成部21は、クリップ領域内側外側描画指定部55(
図5(A))において、クリップ領域の外側をアプリ描画データで描画する機能が有効にされた場合を実現できる。
【0075】
ステップSP17においてプリンタ制御部18は、データ解析部20により、印刷データ30a中からマスク開始コマンドとマスク終了コマンドとの間の外側に位置しているコマンドを順次検出して、各コマンドで指定された座標値等の設定値から具体的に描画する個々の描画オブジェクト形状を解釈し、コマンドの解釈結果データを描画オブジェクトとしてRAMに格納し、ステップSP18へ移る。
【0076】
ステップSP18においてプリンタ制御部18は、ページ画像形成部21により、データ解析部20がステップSP17において格納した描画オブジェクトをRAMから読み出すと共に、マスク用モノクロイメージ格納部26からマスク用モノクロイメージを取り出して、マスク用モノクロイメージをビットマスクとして利用し、ビットマスクのビットが「1」の画素に対応する画素はページ画像としてドットを描画する一方、ビットマスクのビットが「0」の画素に対応する画素はページ画像としてドットを描画しないように(すなわちマスク用モノクロイメージでアプリ描画データ48Pをクリップし)ページ画像を形成し、フレームバッファ格納部27に格納する。なお、ビットマスクのビットが「0」の画素だけを描画しないようにするビット演算は、一般的にAND論理演算として知られているため、詳細な説明は省略する。
【0077】
ステップSP19においてプリンタ制御部18は、ページ画像形成部21が生成したページ画像データを印刷制御部22により印刷し、ステップSP20へ移り、印刷処理手順RT2を終了する。
【0078】
[1-6.まとめ]
ここまでに説明した第1の実施の形態による構成及び動作を整理すると、プリンタ4は、
図8(A)に示す、ホストPC2から送信されプリンタ4に予め登録済みのグラデーション画像であるフォーム名が「Form-A」のフォーム描画データ80Aを背景として選択する。
【0079】
またプリンタ4は、
図8(B)に示す、ホストPC2から送信された印刷データ30a(
図5(E))のクリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aに格納されていた、「TEST」という文字列のウォータマークの文字形状がクリップ領域となる描画データをクリップ用ウォータマーク描画データ81として指定する。
【0080】
さらにプリンタ4は、
図8(C)に示す、ホストPC2から送信された印刷データ30a(
図5(E))のアプリ描画データ格納領域45aに格納されていた、斜線パターンと縦横線パターンとが組み合わされた模様の画像であるアプリ描画データ48P(
図5(D))をクリップ機能を実行してクリップ用ウォータマーク描画データ81のクリップ領域でクリップし、クリップした画像を、オーバーレイ機能を実行してフォーム描画データ80Aに重ね合わせる。
【0081】
これにより、印刷データ30a(
図5(E))のマスク生成開始コマンド領域40aにおいて「マスク開始=Side」のSideに相当するデータ領域に「内側」が格納されていた場合、プリンタ4は、
図8(D)に示すように、フォーム描画データ80A(
図8(A))のグラデーション画像を背景として、その背景の上に、クリップ用ウォータマーク描画データ81(
図8(B))で指定された文字列「TEST」の文字形状の内側の領域のみを、アプリ描画データ48P(
図8(C))の斜線パターンと縦横線パターンとが組み合わされた模様で描画するような、印刷結果画像82aを印刷できる。
【0082】
一方、印刷データ30a(
図5(E))のマスク生成開始コマンド領域40aにおいて「マスク開始=Side」のSideに相当するデータ領域に「外側」が格納されていた場合、プリンタ4は、
図9(D)に示すように、フォーム描画データ80A(
図9(A))のグラデーション画像を背景として、その背景の上に、クリップ用ウォータマーク描画データ81(
図9(B))で指定された文字列「TEST」の文字形状の外側の領域のみを、アプリ描画データ48P(
図9(C))の斜線パターンと縦横線パターンとが組み合わされた模様で描画するような、印刷結果画像82aを印刷できる。
【0083】
[1-7.ホストPCの機能構成]
ここで、ホストPC2におけるクリップ指定印刷に関係する基本的な機能を機能ブロック図により表すと、
図10のようになる。
【0084】
フォームデータ登録部90は、印刷データ生成部15(
図1)と対応しており、印刷データをプリンタ4へ送信するよりも前に、フォーム描画データ80Aをプリンタ4へ送信し、予めプリンタ4に登録する。
【0085】
クリップ部使用選択部91は、クリップ指定部14(
図1)と対応しており、アプリケーション8における所定のアプリ描画データ48Pをクリップするクリップ領域となるクリップ部としてのクリップ用ウォータマーク描画データ81を用いてアプリ描画データ48Pをクリップするか否かを選択させる。クリップ部指定部92は、クリップ指定部14(
図1)と対応しており、クリップ用ウォータマーク描画データ81を指定させる。
【0086】
印刷データ生成部93は、印刷データ生成部15(
図1)と対応しており、アプリ描画データ48Pを含む印刷データ30aにおいて、クリップ用ウォータマーク描画データ81を示すクリッピングコマンドが付加された印刷データ30aを生成する。ここで、クリッピングコマンドとは、マスク生成開始コマンド領域40aのマスク開始コマンドと、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aのクリップ用ウォータマーク描画データ81となるコマンドと、マスク生成終了コマンド領域44aのマスク終了コマンドとのセットである。
【0087】
印刷データ送信部94は、印刷データ生成部15(
図1)と対応しており、印刷データ30aをプリンタ4へ送信する。
【0088】
[1-8.効果等]
以上の構成においてホストPC2は、プリンタドライバ10の拡張印刷機能画面50におけるウォータマーククリップ使用指定部54において、ウォータマークをクリップとして使用することがユーザに指定された場合、アプリ描画データ48Pを含む印刷データ30aにおいて、クリップ用ウォータマーク描画データ81を示すクリッピングコマンドとしての、マスク生成開始コマンド領域40aのマスク開始コマンドと、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aのクリップ用ウォータマーク描画データ81となるコマンドと、マスク生成終了コマンド領域44aのマスク終了コマンドとが付加された印刷データ30aを生成するようにした。
【0089】
このためホストPC2は、高機能な画像加工用のアプリケーションを用いることなく、プリンタドライバ10に従来から備わっているウォータマーク機能及びクリップ機能を応用して、ウォータマークの文字列をクリップ領域として用いたデザイン性の高い印刷を容易に行うことができる。
【0090】
またホストPC2は、クリップ指定印刷に先立ちフォーム描画データ80Aをプリンタ4に予め登録するようにし、その後のクリップ指定印刷において該フォーム描画データ80Aを背景として指定するようにした。このためホストPC2は、複数の印刷ジョブの度にユーザにフォーム描画データ80Aを指定させる手間を省いて、該フォーム描画データ80Aを複数の印刷ジョブにおいて利用でき、ユーザの利便性を高めることができる。
【0091】
さらにホストPC2は、ウォータマークを描画するコマンドはアプリ描画データ48Pと共に印刷データに含めて送信するようにした。このためホストPC2は、ウォータマークの描画データを予めクリップ用にプリンタ4に登録しておく必要をなくし、少ない手順で文字形状のクリップ機能を利用させることができ、ユーザの利便性を高めることができる。
【0092】
またプリンタ4は、ウォータマーク機能及びクリップ機能を使用しウォータマークの形状を実際のウォータマークを描画するのではなくクリップ用のデータとして利用する場合、アプリ描画データ48Pを描画処理するよりも前に、クリップ用ウォータマーク描画データ81を描画処理してクリップ処理に使うマスク用モノクロイメージを生成するという処理を行う。
【0093】
これに対応させてホストPC2は、印刷データ30a(
図5(E))において、マスク生成開始コマンド領域40、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43及びマスク生成終了コマンド領域44をアプリ描画データ格納領域45よりも前に配置する、すなわち、アプリ描画データ48Pとなるコマンドよりも前に、マスク用モノクロイメージを生成するコマンドを配置するようにした。このためホストPC2は、プリンタ4に対し、ウォータマークをクリップ用のデータとして利用させてアプリ描画データ48Pをクリップさせることができる。
【0094】
以上の構成によれば画像形成システム1は、プリンタドライバ10を含むホストPC2と、プリンタドライバ10からの指示に基づき印刷を実行するプリンタ4とを設け、ホストPC2のプリンタドライバ10は、アプリケーション8における所定のアプリ描画データ48Pをクリップするクリップ領域となるクリップ部としてのクリップ用ウォータマーク描画データ81を指定させるクリップ部指定部92と、アプリ描画データ48Pを含む印刷データ30aにおいて、クリップ用ウォータマーク描画データ81を示すクリッピングコマンドとしての、マスク生成開始コマンド領域40aのマスク開始コマンドと、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aのクリップ用ウォータマーク描画データ81となるコマンドと、マスク生成終了コマンド領域44aのマスク終了コマンドとが付加された印刷データ30aを生成する印刷データ生成部93と、印刷データ30aをプリンタ4へ送信する印刷データ送信部94とを設けるようにした。
【0095】
これにより画像形成システム1は、ホストPC2のプリンタドライバ10が従来から有している機能を応用して、クリップ部であるクリップ用ウォータマーク描画データ81(
図8(B))のクリップ領域でアプリ描画データ48P(
図8(C))をクリップした印刷結果画像(
図8(D))を得ることができる。
【0096】
[2.第2の実施の形態]
[2-1.画像形成システム、ホストPC及びプリンタの構成]
図1に示すように、第2の実施の形態による画像形成システム101は、第1の実施の形態による画像形成システム1と同様に構成されている。第2の実施の形態によるホストPC102及びプリンタ104は、第1の実施の形態によるホストPC2及びプリンタ4と同様に構成されている。印刷データ生成部15が生成するフォーム登録データ28並びに印刷データ29及び30のデータ形式は、
図2に示した第1の実施の形態と同様に構成されている。
【0097】
[2-2.動作]
次に、ホストPC102がプリンタ104を用いて、フォームをクリップとして使用した印刷を行う際の具体的な動作例を説明する。
【0098】
[2-2-1.フォーム登録について]
[2-2-1-1.ホストPCにおけるフォーム登録動作]
図11に、第2の実施の形態において利用される、アプリケーション8において開かれる画像の例を示す。アプリ描画データ48B(
図11(A))は、斜線パターンの画像である。アプリ描画データ48C(
図11(B))は、円、星及び上向き矢印の3つの図形からなる画像である。アプリ描画データ48Q(
図11(C))は、ページ全体で濃淡を徐々に変化させているグラデーション画像である。
【0099】
ホストPC102においてプリンタドライバ10が起動され、拡張印刷機能としてフォーム登録時のドライバ設定画面が選択された場合にホストPC102に表示される、フォーム登録時のドライバ設定画面である拡張印刷機能画面50と、フォーム登録データの例との一例を、
図4と対応する箇所に同一符号を付した
図12に示す。拡張印刷機能画面50(
図12(A))及びオーバーレイ指定画面57(
図12(B))は、第1の実施の形態と同様にユーザにより操作される。
【0100】
第2の実施の形態において、ユーザは、
図12(C)に示すように、例えば、新規フォーム画面64のフォーム名入力部65に「Form-B」を、フォーム番号入力部66に「2」を入力してOKボタンを押下する。これに応じてオーバーレイ指定部13は、フォーム名入力部65及びフォーム番号入力部66に入力された入力情報を受け取って印刷データ生成部15へ送出する。印刷データ生成部15は、オーバーレイ指定部13から取得した入力情報に応じたフォーム登録データ28b(
図12(F))を生成し、プリンタ104に送信する。
【0101】
また第2の実施の形態において、ユーザは、
図12(D)に示すように、例えば、新規フォーム画面64のフォーム名入力部65に「Form-C」を、フォーム番号入力部66に「3」を入力してOKボタンを押下する。これに応じてオーバーレイ指定部13は、フォーム名入力部65及びフォーム番号入力部66に入力された入力情報を受け取って印刷データ生成部15へ送出する。印刷データ生成部15は、オーバーレイ指定部13から取得した入力情報に応じたフォーム登録データ28c(
図12(G))を生成し、プリンタ104に送信する。
【0102】
その際のフォーム登録データ28b及び28cのデータ形式は、フォーム登録データ28(
図2(A))のデータ形式であり、フォーム番号指定領域31b及びフォーム描画データ格納領域32bと、フォーム番号指定領域31c及びフォーム描画データ格納領域32cとが、フォーム番号指定領域31及びフォーム描画データ格納領域32(
図2(A))それぞれと対応している。
【0103】
フォーム番号指定領域31b(
図12(F))には、フォーム番号入力部66(
図12(C))において指定された「フォーム番号=2」が格納される。フォーム描画データ格納領域32bには、アプリケーション8において現在開かれているアプリ描画データ48B(
図12(E))に対応したフォーム描画を行うフォーム描画データが格納される。
【0104】
フォーム番号指定領域31c(
図12(H))には、フォーム番号入力部66(
図12(D))において指定された「フォーム番号=3」が格納される。フォーム描画データ格納領域32cには、アプリケーション8において現在開かれているアプリ描画データ48C(
図12(G))に対応したフォーム描画を行うフォーム描画データが格納される。
【0105】
[2-2-1-2.プリンタにおけるフォーム登録処理手順]
ホストPC102から上述したフォーム登録データ28b(
図12(F))及びフォーム登録データ28c(
図12(H))を受信すると、プリンタ制御部18は、フォーム登録処理プログラムを読み出して実行することにより
図6に示したフォーム登録処理手順RT1を実行し、フォーム登録データ28bのフォーム描画データ格納領域32aと、フォーム登録データ28cのフォーム描画データ格納領域32cとに格納されているフォーム描画データを、それぞれファイルシステム23(
図1)のオーバーレイ格納部25に格納する。ここまでの動作で、ユーザは、アプリ描画データ48B(
図11(A))及び48C(
図11(B))それぞれを、プリンタ104に「Form-B」及び「Form-C」として登録できたことになる。
【0106】
[2-2-2.クリップ指定印刷について]
[2-2-2-1.ホストPCにおける印刷指示動作]
続いてユーザは、印刷を行うためにアプリ描画データ48Q(
図11(C))をアプリケーション8で開き直して、プリンタドライバ10から
図13(A)に示す拡張印刷機能画面50を表示させ、ウォータマーククリップ使用指定部54のチェックボックスのチェックを外す。クリップ指定部14は、この設定変更を認識する。
【0107】
またユーザが拡張印刷機能画面50においてウォータマーク機能指定ボタン51を押下し、ウォータマーク編集画面68(図示せず)のウォータマーク文字列入力部69を空欄(すなわち未指定)の状態にしてOKボタンを押下すると、ウォータマーク指定部12(
図1)は、ウォータマーク機能をオフにすることを認識する。
【0108】
次にユーザが拡張印刷機能画面50においてオーバーレイ機能指定ボタン52を押下すると、オーバーレイ指定部13(
図1)は、
図12(B)と対応する
図13(B)に示すオーバーレイ指定画面57をホストPC102に表示させる。
【0109】
ユーザは、オーバーレイ指定画面57でオーバーレイ印刷選択部59を選択した上で、オーバーレイ機能フォーム名指定部61において、オーバーレイ機能に使用するフォーム名として、登録済みフォーム名のプルダウンリストから既に登録済みのフォーム名である「Form-B」を選択した上でOKボタンを押下する。これに応じてオーバーレイ指定部13(
図1)は、ユーザが指定したフォーム名を認識し、拡張印刷機能画面50(
図13(A))に戻る。
【0110】
次に、本実施の形態においてユーザは、クリップ用フォーム名入力部53において、クリップ機能に使用するフォーム名として、登録済みフォーム名のプルダウンリストから既に登録済みのフォーム名である「Form-C」を選択する。これに応じてオーバーレイ指定部13(
図1)は、ユーザが指定したフォーム名を認識する。
【0111】
次にユーザが、拡張印刷機能画面50においてOKボタンを押下してドライバ設定を完了させ、ドライバ設定画面からアプリケーション8の画面に戻り、印刷開始ボタン(図示せず)を押下すると、印刷データ生成部15(
図1)は、
図13(D)に示すような印刷データ30bを生成しプリンタ104に送信する。
【0112】
その際の印刷データ30bのデータ形式は、印刷データ30(
図2(C))のデータ形式であり、フォーム番号指定領域38b、フォーム描画実行コマンド領域39b、マスク生成開始コマンド領域40b、クリップ用フォーム番号指定領域41b、クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42b、マスク生成終了コマンド領域44b及びアプリ描画データ格納領域45bが、フォーム番号指定領域38、フォーム描画実行コマンド領域39、マスク生成開始コマンド領域40、クリップ用フォーム番号指定領域41、クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42、マスク生成終了コマンド領域44及びアプリ描画データ格納領域45(
図2(C))それぞれと対応している。
【0113】
印刷データ30b(
図13(D))は、第1の実施の形態による印刷データ30a(
図5(E))と比較して、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aに代えて、クリップ用フォーム番号指定領域41b及びクリップ用フォーム描画実行コマンド領域42bが設けられている。すなわち、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43(
図2(C))に対応したデータは、印刷データ30bでは存在していない。これは
図13(A)のウォータマーククリップ使用指定部54で、ユーザがウォータマークをクリップとして使用する機能をオフに設定したことに対応している。
【0114】
フォーム番号指定領域38bには、オーバーレイ機能フォーム名指定部61(
図13(B))において指定された「Form-B」に対応付けられた「フォーム番号=2」が格納される。フォーム描画実行コマンド領域39bは、フォーム番号指定領域38bで指定されたフォーム番号が付されたフォーム描画データを描画するコマンドを指定する。
【0115】
マスク生成開始コマンド領域40bにおいては、マスク生成開始コマンド領域40(
図2(C))における「マスク開始=Side」のSideに相当するデータ領域に、クリップ領域内側外側描画指定部55(
図13(A))において指定された、クリップ領域の内側をアプリ描画データで描画する機能が有効にされたことを示す、「内側」が格納される。
【0116】
クリップ用フォーム番号指定領域41bには、クリップ用フォーム名入力部53(
図13(A))において指定された「Form-C」に対応付けられた「クリップ用フォーム番号=3」が格納される。クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42bは、クリップ用フォーム番号指定領域41bで指定されたクリップ用フォーム番号が付されたフォーム描画データを描画するコマンドを指定する。
【0117】
アプリ描画データ格納領域45bには、アプリケーション8において現在開かれているアプリ描画データ48Q(
図13(C))に対応したアプリ描画データが格納される。
【0118】
[2-2-2-2.プリンタにおける印刷処理]
次に、プリンタ104による印刷処理手順RT2について、
図7に示したフローチャートを用いて説明する。ホストPC102から上述した印刷データ30b(
図13(D))を受信すると、プリンタ制御部18は、印刷処理プログラムを読み出して実行することにより
図7に示した印刷処理手順RT2を開始し、ステップSP11へ移る。
【0119】
プリンタ制御部18は、ステップSP11を介しステップSP12へ移り、受信した印刷データ30bがマスクコマンドを含むため、ステップSP12において否定結果を得て、ステップSP15へ移る。
【0120】
ステップSP15においてプリンタ制御部18は、データ解析部20により、印刷データ30b中からマスク開始コマンドとマスク終了コマンドとの間に挟まれているコマンドを順次検出してマスク用描画オブジェクトをRAMに格納し、ステップSP16へ移る。ここで第2の実施の形態においてデータ解析部20は、マスク開始コマンドとマスク終了コマンドとの間に挟まれているコマンドとして、第1の実施の形態の場合のクリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43aのコマンドに代えて、クリップ用フォーム番号指定領域41bの「クリップ用フォーム番号=3」のコマンドとクリップ用フォーム描画実行コマンド領域42bのフォーム描画データを描画するコマンドとを順次検出する。このときデータ解析部20は、「クリップ用フォーム番号=3」で登録済みである「Form-C」のフォーム描画データをオーバーレイ格納部25から読み出し、該フォーム描画データ中に含まれるコマンドを順次検出して、各コマンドで指定された座標値等の設定値から具体的に描画する個々の描画オブジェクト形状を解釈し、コマンドの解釈結果データをマスク用描画オブジェクトとしてRAMに格納する。
【0121】
ステップSP16においてプリンタ制御部18は、ページ画像形成部21により、データ解析部20がステップSP15において格納したマスク用描画オブジェクトをRAMから読み出し、対応するマスク用モノクロイメージを生成してマスク用モノクロイメージ格納部26に格納し、ステップSP17へ移る。このマスク用モノクロイメージは、具体的に、円、星及び上向き矢印のそれぞれの図形の縁で囲まれた領域(クリップ領域)内部のビットが「1」であり、クリップ領域外部のビットが「0」であるデータとなる。なお、ページ画像形成部21は、マスク開始コマンドの「Side」に外側が指定されていた場合は、マスク用モノクロイメージの各ビットの「0」と「1」とを反転させて生成する。これにより、ページ画像形成部21は、クリップ領域内側外側描画指定部55(
図13(A))において、クリップ領域の外側をアプリ描画データで描画する機能が有効にされた場合を実現できる。
【0122】
以降のステップにおいてプリンタ制御部18は、第1の実施の形態の場合と同様の処理を行う。
【0123】
[2-3.まとめ]
ここまでに説明した第2の実施の形態による構成及び動作を整理すると、プリンタ104は、
図14(A)に示す、ホストPC102から送信されプリンタ104に予め登録済みの斜線パターンの画像であるフォーム名が「Form-B」のフォーム描画データ80Bを背景として選択する。
【0124】
またプリンタ104は、
図14(B)に示す、ホストPC102から送信されプリンタ104に予め登録済みの円、星及び上向き矢印の3つの図形からなる画像であるフォーム名が「Form-C」のフォーム描画データにおける、円、星及び上向き矢印の3つの図形の形状がクリップ領域となる描画データをクリップ用フォーム描画データ83Cとして指定する。
【0125】
さらにプリンタ104は、
図14(C)に示す、ホストPC102から送信された印刷データ30b(
図13(D))のアプリ描画データ格納領域45bに格納されていた、グラデーション画像であるアプリ描画データ48Q(
図13(C))をクリップ機能を実行してクリップ用フォーム描画データ83Cのクリップ領域でクリップし、クリップした画像を、オーバーレイ機能を実行してフォーム描画データ80Bに重ね合わせる。
【0126】
これにより印刷データ30b(
図13(E))のマスク生成開始コマンド領域40bにおいて「マスク開始=Side」のSideに相当するデータ領域に「内側」が格納されていた場合、プリンタ104は、
図14(D)に示すように、フォーム描画データ80B(
図14(A))の斜線パターンの画像を背景として、その背景の上に、クリップ用フォーム描画データ83C(
図14(B))で指定された円、星及び上向き矢印の3つの図形の内側の領域のみを、アプリ描画データ48Q(
図14(C))のグラデーション画像で描画するような、印刷結果画像82bを印刷できる。
【0127】
一方、印刷データ30b(
図13(E))のマスク生成開始コマンド領域40bにおいて「マスク開始=Side」のSideに相当するデータ領域に「外側」が格納されていた場合、プリンタ104は、
図15(D)に示すように、フォーム描画データ80B(
図15(A))の斜線パターンの画像を背景として、その背景の上に、クリップ用フォーム描画データ83C(
図15(B))で指定された円、星及び上向き矢印の3つの図形の外側の領域のみを、アプリ描画データ48Q(
図15(C))のグラデーション画像で描画するような、印刷結果画像82bを印刷できる。
【0128】
[2-4.効果]
以上の構成においてホストPC102は、プリンタドライバ10の拡張印刷機能画面50におけるウォータマーククリップ使用指定部54において、フォームをクリップとして使用することがユーザに指定された場合、アプリ描画データ48Qを含む印刷データ30bにおいて、クリップ用フォーム描画データ83Cを示すクリッピングコマンドとしての、マスク生成開始コマンド領域40bのマスク開始コマンドと、クリップ用フォーム番号指定領域41bのクリップ用フォーム番号と、クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42bのクリップ用フォーム描画データ83Cとなるコマンドと、マスク生成終了コマンド領域44bのマスク終了コマンドとが付加された印刷データ30bを生成するようにした。
【0129】
このためホストPC102は、高機能な画像加工用のアプリケーションを用いることなく、プリンタドライバ10に従来から備わっているクリップ機能を応用して、フォームの図形をクリップ領域として用いたデザイン性の高い印刷を容易に行うことができる。
【0130】
またホストPC2は、クリップ指定印刷に先立ちフォーム描画データ80B及びクリップ用フォーム描画データ83Cをプリンタ104に予め登録するようにし、その後のクリップ指定印刷において該フォーム描画データ80Bを背景として指定し、該クリップ用フォーム描画データ83Cをクリップとして指定するようにした。このためホストPC102は、複数の印刷ジョブの度にユーザにフォーム描画データ80B及びクリップ用フォーム描画データ83Cを指定させる手間を省いて、該フォーム描画データ80B及び該クリップ用フォーム描画データ83Cを複数の印刷ジョブにおいて利用でき、ユーザの利便性を高めることができる。
【0131】
以上の構成によれば画像形成システム101は、プリンタドライバ10を含むホストPC102と、プリンタドライバ10からの指示に基づき印刷を実行するプリンタ104とを設け、ホストPC102のプリンタドライバ10は、アプリケーション8における所定のアプリ描画データ48Qをクリップするクリップ領域となるクリップ部としてのクリップ用フォーム描画データ83Cを指定させるクリップ部指定部92と、アプリ描画データ48Qを含む印刷データ30bにおいて、クリップ用フォーム描画データ83Cを示すクリッピングコマンドとしての、マスク生成開始コマンド領域40bのマスク開始コマンドと、クリップ用フォーム番号指定領域41bのクリップ用フォーム番号と、クリップ用フォーム描画実行コマンド領域42bのクリップ用フォーム描画データ83Cとなるコマンドと、マスク生成終了コマンド領域44bのマスク終了コマンドとが付加された印刷データ30bを生成する印刷データ生成部93と、印刷データ30bをプリンタ104へ送信する印刷データ送信部94とを設けるようにした。
【0132】
これにより画像形成システム101は、ホストPC102のプリンタドライバ10が従来から有している機能を応用して、クリップ部であるクリップ用フォーム描画データ83C(
図14(B))のクリップ領域でアプリ描画データ48Q(
図14(C))をクリップした印刷結果画像(
図14(D))を得ることができる。
【0133】
その他、第2の実施の形態による画像形成システム101は、第1の実施の形態による画像形成システム1と同様の作用効果を奏し得る。
【0134】
[3.他の実施の形態]
なお上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、アプリ描画データ48P(
図8(C))をクリップ用ウォータマーク描画データ81でクリップした画像を、オーバーレイ機能によりフォーム描画データ80Aに重ね合わせて印刷結果画像82aを得る場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、オーバーレイ機能を用いずに、アプリ描画データ48Pをクリップ用ウォータマーク描画データ81でクリップした画像を印刷結果画像として得ても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0135】
また上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、ウォータマークとして文字列を用いる場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、ウォータマークとして文字列以外の図形を用い、該図形の形状をクリップ領域としてアプリ描画データ48Pをクリップしても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0136】
さらに上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、フォーム描画データ80A及びアプリ描画データ48Pとしてモノクロ画像に限らずカラー画像を用いても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0137】
さらに上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、印刷データ30a(
図5(E))において、マスク開始コマンドが指定されたマスク生成開始コマンド領域40と、マスク終了コマンドが指定されたマスク生成終了コマンド領域44との間に、クリップ用ウォータマーク描画データ81となるコマンドを格納する領域であるクリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43を配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、例えば、マスク開始コマンドと、クリップ用ウォータマーク描画データ81となるコマンドと、マスク終了コマンドとを1つのコマンドとして配置する等、マスク用モノクロイメージを生成する、プリンタ4が処理可能な他の種々のコマンドをアプリ描画データ格納領域45よりも前に配置しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0138】
さらに上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、印刷データ30a(
図5(E))において、マスク生成開始コマンド領域40、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43及びマスク生成終了コマンド領域44をアプリ描画データ格納領域45よりも前に配置する、すなわち、アプリ描画データ48Pとなるコマンドよりも前に、マスク用モノクロイメージを生成するコマンドを配置する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、種々のコマンドを追加することにより、アプリ描画データ48Pとなるコマンドよりも前にマスク用モノクロイメージを生成するコマンドがプリンタ4において処理されるのであれば、マスク生成開始コマンド領域40、クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域43及びマスク生成終了コマンド領域44をアプリ描画データ格納領域45よりも後ろに配置しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0139】
さらに上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、クリップ指定印刷に先立ちフォーム描画データ80Aを予めプリンタ4に登録する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、印刷するページ数が多い場合はプリンタ4へ送信するデータ量は増加するものの、クリップ指定印刷に先立ちフォーム描画データ80Aを予めプリンタ4に登録せずに、クリップ指定印刷を指示する際にフォーム描画データ80Aをプリンタ4に送信しても良い。第2の実施の形態においても同様である。
【0140】
さらに上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、クリップ指定印刷の際にクリップ用ウォータマーク描画データ81をプリンタ4に送信する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、クリップ指定印刷に先立ちクリップ用ウォータマーク描画データ81を予めプリンタ4に登録しても良い。
【0141】
さらに上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、1つのクリップ用ウォータマーク描画データ81をクリップとして使用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、印刷時において2つ以上のウォータマークをユーザに指定させ、2つ以上のクリップ用ウォータマーク描画データをクリップとして使用しても良い。
【0142】
さらに上述した第2の実施の形態においてホストPC102は、1つのクリップ用フォーム描画データ83Cをクリップとして使用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC102は、2つ以上のクリップ用フォーム描画データをリストに登録してユーザに指定させ、2つ以上のクリップ用フォーム描画データをクリップとして使用しても良い。
【0143】
さらに上述した第1の実施の形態においてホストPC2は、クリップ用ウォータマーク描画データ81をクリップとして使用し、第2の実施の形態においてホストPC102はクリップ用フォーム描画データ83Cをクリップとして使用する場合について述べた。本発明はこれに限らず、ホストPC2は、クリップ用ウォータマーク描画データとクリップ用フォーム描画データとを併用してクリップとして使用しても良い。
【0144】
さらに本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態に限定されるものではない。すなわち本発明は、上述した各実施の形態と上述した他の実施の形態の一部又は全部を任意に組み合わせた実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。また本発明は、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうち任意の実施の形態に記載された構成の一部を抽出し、上述した各実施の形態及び他の実施の形態のうちの任意の実施の形態の構成の一部と置換・転用した実施の形態や、抽出された構成の一部を任意の実施の形態に追加した実施の形態にも本発明の適用範囲が及ぶものである。
【0145】
さらに上述した第1の実施の形態においては、情報処理装置としてのホストPC2と、画像形成装置としてのプリンタ4とによって、情報処理システムとしての画像形成システム1を構成し、情報処理装置のプリンタドライバは、クリップ部指定部としてのクリップ部指定部92と、印刷データ生成部としての印刷データ生成部93と、印刷データ送信部としての印刷データ送信部94とを有する場合について述べた。本発明はこれに限らず、その他種々の構成でなるクリップ部指定部と、印刷データ生成部と、印刷データ送信部とよって情報処理装置のプリンタドライバを構成し、その他種々の構成でなる情報処理装置と画像形成装置とによって情報処理システムを構成しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、プリンタドライバを用いて任意形状のクリップ領域を利用した印刷を行う場合に利用できる。
【符号の説明】
【0147】
1、101……画像形成システム、2、102……ホストPC、4、104……プリンタ、6……PC制御部、8……アプリケーション、10……プリンタドライバ、12……ウォータマーク指定部、13……オーバーレイ指定部、14……クリップ指定部、15……印刷データ生成部、18……プリンタ制御部、20……データ解析部、21……ページ画像形成部、22……印刷制御部、23……ファイルシステム、24……揮発性メモリ、25……オーバーレイ格納部、26……マスク用モノクロイメージ格納部、27……フレームバッファ格納部、28、28a、28b……フォーム登録データ、29、30……印刷データ、31、31a、31b……フォーム番号指定領域、32、32a、32b……フォーム描画データ格納領域、33……フォーム番号指定領域、34……フォーム描画実行コマンド領域、35……アプリ描画データ格納領域、36……ウォータマーク描画データ格納領域、38、38a……フォーム番号指定領域、39、39a……フォーム描画実行コマンド領域、40、40a……マスク生成開始コマンド領域、41……クリップ用フォーム番号指定領域、42……クリップ用フォーム描画実行コマンド領域、43、43a……クリップ用ウォータマーク描画データ格納領域、44、44a……マスク生成終了コマンド領域、45、45a……アプリ描画データ格納領域、48A、48P、48Q……アプリ描画データ、50……拡張印刷機能画面、51……ウォータマーク機能指定ボタン、52……オーバーレイ機能指定ボタン、53……クリップ用フォーム名入力部、54……ウォータマーククリップ使用指定部、55……クリップ領域内側外側描画指定部、57……オーバーレイ指定画面、58……オーバーレイ非使用選択部、59……オーバーレイ印刷選択部、60……新規フォーム登録選択部、61……オーバーレイ機能フォーム名指定部、62……フォーム名リスト編集画面表示ボタン、64……新規フォーム画面、65……フォーム名入力部、66……フォーム番号入力部、68……ウォータマーク編集画面、69……ウォータマーク文字列入力部、70……ウォータマークサイズ指定部、71……プレビュー表示部、80A……フォーム描画データ、81……クリップ用ウォータマーク描画データ、82a……印刷結果画像、83C……クリップ用フォーム描画データ、90……フォームデータ登録部、91……クリップ部使用選択部、92……クリップ部指定部、93……印刷データ生成部、94……印刷データ送信部。