(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112532
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】圧力検出装置
(51)【国際特許分類】
G01L 5/00 20060101AFI20240814BHJP
G01L 1/20 20060101ALN20240814BHJP
【FI】
G01L5/00 101Z
G01L1/20 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017628
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金城 拓海
(72)【発明者】
【氏名】岡 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】山口 和範
【テーマコード(参考)】
2F051
【Fターム(参考)】
2F051AA18
2F051AB07
(57)【要約】
【課題】左右対称であり、かつ製造が容易な一対の圧力センサを備えた圧力検出装置を提供する。
【解決手段】圧力検出装置は、所定の第1面に配置される第1圧力センサと、所定の第2面に配置され、第1圧力センサと左右対称な第2圧力センサと、を備えている。前記第1圧力センサは、第1面に順に重ねられた第1アレイ基板、及び第1センサシートを備えている。第2圧力センサは、第2面に順に重ねられた第2センサシート、及び第2アレイ基板を備えている。第2圧力センサと、前記第1圧力センサとは、同じ構造である。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の第1面に配置される第1圧力センサと、
所定の第2面に配置され、前記第1圧力センサと左右対称な第2圧力センサと、
を備え、
前記第1圧力センサは、前記第1面に順に重ねられた第1アレイ基板、及び第1センサシートを備え、
前記第2圧力センサは、前記第2面に順に重ねられた第2センサシート、及び第2アレイ基板を備え、
前記第2圧力センサと、前記第1圧力センサとは、同じ構造である
圧力検出装置。
【請求項2】
前記第1圧力センサは、一端が前記第1アレイ基板と接続する第1配線基板を有し、
前記第2圧力センサは、一端が前記第2アレイ基板と接続し、前記第1配線基板と左右対称な第2配線基板を有し、
前記第1配線基板の他端と前記第2配線基板の他端は、共通する制御基板に接続している
請求項1に記載の圧力検出装置。
【請求項3】
前記第1面及び前記第2面は、足の形状である
請求項1または請求項2に記載の圧力検出装置。
【請求項4】
前記第1面及び前記第2面は、手の形状である
請求項1または請求項2に記載の圧力検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧力検出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
圧力センサは、入力された圧力を検出する装置である。下記特許文献の圧力センサは、複数のアレイ電極が設けられたアレイ基板と、アレイ電極を覆うセンサシートと、センサシートを覆う保護シートと、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、圧力センサを人間の一部に装着させ、その装着した部分に作用する圧力を検出することが検討されている。例えば、足裏に作用する圧力分布を検出する場合には、右足裏の形状と一致する右足用の圧力センサと、左足裏の形状と一致する左足用の圧力センサと、のそれぞれが必要となる。このように、圧力センサを装着する部分によっては、左右対称の形状となっている箇所がある。しかしながら、右足用の圧力センサと左足用の圧力センサを別々に製造すると、圧力センサの製造が複雑化し、製造コストが大きくなる。このような理由から、左右対称である一対の圧力センサを容易に製造できることが望まれている。
【0005】
本発明は、左右対称であり、かつ製造が容易な一対の圧力センサを備えた圧力検出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る圧力検出装置は、所定の第1面に配置される第1圧力センサと、所定の第2面に配置され、前記第1圧力センサと左右対称な第2圧力センサと、を備えている。前記第1圧力センサは、前記第1面に順に重ねられた第1アレイ基板、及び第1センサシートを備えている。前記第2圧力センサは、前記第2面に順に重ねられた第2センサシート、及び第2アレイ基板を備えている。前記第2圧力センサと、前記第1圧力センサとは、同じ構造である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態1の圧力検出装置を分解した分解斜視図である。
【
図2】
図2は、実施形態1の圧力検出装置を上方から視た平面図である。
【
図3】
図3は、右足用靴を第1平面方向の直交方向に切った断面図である。
【
図5】
図5は、第1圧力センサに圧力(荷重)が入力された状態を示す断面図である。
【
図6】
図6は、実施形態1の第1圧力センサの回路構成を示す回路図である。
【
図8】
図8は、第2圧力センサに荷重(圧力)が入力された状態を示す断面図である。
【
図9】
図9は、実施形態2の圧力検出装置の分解斜視図である。
【
図10】
図10は、実施形態3の圧力センサ装置の模式図である。
【
図12】
図12は、変形例1の圧力センサに圧力が入力された状態の断面図である。
【
図14】
図14は、変形例2の圧力センサに圧力が入力された状態の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の圧力検出装置を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本開示の発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。なお、開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更について容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の構成要素には、同一の符号を付し、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0009】
また、本明細書及び特許請求の範囲において、ある構造体の上に他の構造体を配置する態様を表現するにあたり、単に「上に」と表記する場合、特に断りの無い限りは、ある構造体に接するように、直上に他の構造体を配置する場合と、ある構造体の上方に、さらに別の構造体を介して他の構造体を配置する場合との両方を含むものとする。
【0010】
(実施形態1)
図1は、実施形態1の圧力検出装置を分解した分解斜視図である。
図1に示すように、実施形態1の圧力検出装置100は、靴200の底面に敷き、靴200の底面に作用する荷重(圧力)を測定する装置である。言い換えると、圧力検出装置100は、人間の足裏にかかる体重分布を測定する装置である。靴200は、右足用靴210と、左足用靴220と、を備えている。
【0011】
圧力検出装置100は、右足用靴210の底面(所定の第1面)211に装着する第1圧力センサ1と、左足用靴220の底面(所定の第2面)221に装着する第2圧力センサ2と、を備えている。また、第1圧力センサ1は、第1アレイ基板10と第1センサシート20とを備えている。第2圧力センサ2は、第2アレイ基板30と第2センサシート40とを備えている。
【0012】
また、本実施形態では、第1圧力センサ1と第2圧力センサ2のそれぞれには、インソール250(右足用インソール251及び左足用インソール252)が重ねられている。以下、靴200の底面からインソール250が配置される方向を第1方向X1と称する。インソール250から靴200の底面が配置される方向を第2方向X2と称する。
【0013】
図2は、実施形態1の圧力検出装置を上方から視た平面図である。
図2に示すように、第1圧力センサ1は、右足用靴210の底面211(
図1参照)と同一形状である。第2圧力センサ2は、左足用靴220の底面221(
図1参照)と同一形状である。また、第1圧力センサ1と第2圧力センサ2は、第1平面方向Yに延びる仮想線Lを基準として線対称(左右対称)となっている。なお、第1平面方向Yとは、第1方向X1(第2方向X2)を垂線とする仮想平面と平行であり、かつ第1圧力センサ1と第2圧力センサ2が配置される方向(以下、第2平面方向Zと称する)と直交する方向を指す。
【0014】
第1圧力センサ1の第1アレイ基板10には、第1配線基板3が設けられている。同様に、第2圧力センサ2の第2アレイ基板30には、第2配線基板5が設けられている。第1配線基板3と第2配線基板5は、フレキシブルプリント基板である。第1配線基板3は、第1制御基板4に電気的に接続している。第2配線基板5は、第2制御基板6に電気的に接続している。第1制御基板4と第2制御基板6には、それぞれ、制御部4a、6aと、バッテリ4b、6bが設けられている。
【0015】
制御部4a、6aは、いわゆるコンピュータであり、CPU(Central Processing Unit)と、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disc Drive)などの記憶装置と、を備えている。CPUは、RAMに格納されたプログラムを読み出して実行し、その演算結果を記憶装置に出力する。RAMは、プログラム及びデータの記録及び読み出しができるメインメモリである。ROMには、BIOS(Basic Input Output System)などのプログラムが記憶されている。また、バッテリ4b、6bは、所定量の電圧信号をゲート線駆動回路(不図示)や信号線選択回路(不図示)に供給したり、共通電極(第1共通電極22(
図4参照)又は第2共通電極42(
図7参照))に所定量の電流を供給したりしている。
【0016】
図3は、右足用靴を第1平面方向の直交方向に切った断面図である。第1配線基板3と第1制御基板4は、右足用靴210の右側部213に取り付けられる。よって、第1配線基板3と第1制御基板4には、荷重(圧力)が作用しないようになっている。また、第1制御基板4は、右側部213の外側の側面に取り付けられている。これにより、右足用靴210の装着や運動の際、第1制御基板4が装着等を阻害したり、違和感を与えたりしないようになっている。また特に図示しないが、第2配線基板5と第2制御基板6も同様に、左足用靴220の右側部の側面に取り付けられる。
【0017】
図4は、
図2のIV-IV線矢視断面図である。
図4に示すように、第1圧力センサ1は、右足用靴210の底面211に順に重ねた第1アレイ基板10と第1センサシート20を備えている。第1アレイ基板10は、第1アレイ基材11と、第1アレイ基材11の第1方向X1に配置される第1アレイ層12と、を備えている。また、第1アレイ層12の第1方向X1を向く面12aには、複数の第1アレイ電極13が設けられている。複数の第1アレイ電極13は、第1平面方向Y及び第2平面方向Zに配列し、マトリクス状に配置されている(
図2参照)。
【0018】
第1アレイ基材11は、絶縁性を備える樹脂基材である。第1アレイ基材11の第2方向X2を向く面は、第1圧力センサ1の底面1aを構成しており、右足用靴210の底面211に当接している。なお、第1圧力センサ1の底面1aに接着層を設け、第1圧力センサ1を底面211に接着してもよい。なお、第1アレイ基板10のその他の構成については後述する。
【0019】
第1センサシート20は、第1センサ基材21と、第1センサ基材21の第2方向X2の面に設けられた第1共通電極22と、第1共通電極22の第2方向X2の面に設けられた第1センサ層23と、を備えている。第1センサ基材21は、例えば、樹脂基板、又は樹脂フィルム等で製造され、絶縁性及び可撓性を備えている。第1センサ基材21の第1方向X1の面は、第1圧力センサ1の表面1bを構成している。第1圧力センサ1の表面1bは、右足用インソール251と当接している。第1共通電極22は、第1センサ基材の第2方向X2の面の全てに設けられたベタ膜である。第1共通電極22には、図示しない供給線によりバッテリ4b(
図2参照)から所定量の電流が供給されている。
【0020】
第1センサ層23の下方の面は、第1アレイ電極13と当接している。第1センサ層23は、感圧層であり、絶縁性が高い樹脂層の内部に導電性の微粒子が含まれている。微粒子は、樹脂層の内部で分散し、互いに離隔している。よって、樹脂層が変形していない場合、第1センサ層23の抵抗値が高く、第1アレイ電極13と第1共通電極22とは電気的に接続していない。
【0021】
図5は、第1圧力センサに圧力(荷重)が入力された状態を示す断面図である。一方で、
図5に示すように、第1圧力センサ1の表面1bの一部に圧力Fが入力され、第1センサ層23の樹脂層が変形すると、微粒子が接触又は近接し、第1センサ層23の抵抗値が小さくなる。これにより、第1センサ層23を介して、第1共通電極22から第1アレイ電極13に電流が流れる(
図5の矢印Aを参照)。また、樹脂層の変形量が大きくなると、微粒子の接触する量が増加し、第1センサ層23の抵抗値が大きく低減する。よって、第1アレイ電極13に流れる電流が多くなる。よって、入力された圧力に比例して、第1アレイ電極13に入力する電流値が大きくなる。
【0022】
図4に示すように、第1アレイ層12には、複数の第1トランジスタ14が設けられている。複数の第1トランジスタ14は、第1平面方向Y及び第2平面方向Zに配列し、マトリクス状に配置されている。第1トランジスタ14は、半導体層14aと、ゲート絶縁膜14bと、ゲート電極14cと、ソース電極14dと、ドレイン電極14eと、を備えている。ソース電極14dは、第1アレイ電極13と電気的に接続している。
【0023】
また、第1アレイ基材11及び第1アレイ層12は、可撓性を備えている。よって、第1アレイ基板10に対し第2方向X2から荷重が入力されると変形する。この結果、第1方向X1に配置あれる第1センサシート20に荷重が伝達されるようになっている。なお、第1アレイ基板10において、第1アレイ基材11として、一部がミアンダ形状となっているストレッチャブル基材を用いてもよい。ストレッチャブル基材によれば、伸縮性及び可撓性に優れる。
【0024】
図6は、実施形態1の第1圧力センサの回路構成を示す回路図である。
図6に示すように、第1アレイ層12には、第1トランジスタ14を駆動するための構成として、ゲート線15、及び信号線16と、ゲート線駆動回路(不図示)、信号線選択回路(不図示)、を有している。ゲート線15は、第2平面方向Zに延在し、第1トランジスタ14のゲート電極14cに接続している。また、ゲート線15は、複数設けられ、第1平面方向Yに配列している。信号線16は、第1平面方向Yに延在し、ドレイン電極14eと接続している。また、信号線16は、複数設けられ、第2平面方向Zに配列している。
【0025】
ゲート線駆動回路は、各種制御信号に基づいて複数のゲート線15を駆動する回路である。ゲート線駆動回路は、複数のゲート線15を順次又は同時に選択し、選択されたゲート線15にゲート駆動信号を供給する。信号線選択回路は、複数の信号線16を順次又は同時に選択するスイッチ回路である。信号線選択回路は、例えばマルチプレクサである。信号線選択回路は、制御部4aから供給される選択信号に基づき、選択された信号線16と制御部4aとを接続する。以上から、ゲート線15を走査すると、第1アレイ電極13の電気的状態、言い換えると、第1アレイ電極13に入力された電気信号(電流値)が信号線16を介して制御部4aに送られる。
【0026】
第2圧力センサ2は、第1圧力センサ1と同一物である。詳細には、仮想線L(
図2参照)を中心に第1圧力センサを180度回転した(ひっくり返した)ものが第2圧力センサ2である。よって、第2圧力センサ2では、第2センサシート40の第1方向X1に第2アレイ基板30が配置される。また、第1圧力センサ1の底面1aは、第2圧力センサ2の表面2bに入れ替わっている。第1圧力センサ1の表面1bは、第2圧力センサ2の底面2aに入れ替わっている。そのほか、
図2に示すように、第1アレイ基板10に対し左方に配置される第1配線基板3と第1制御基板4は、第2圧力センサ2において、第2アレイ基板30に対し右方に配置されるようになる。
【0027】
次に第2圧力センサ2の詳細を説明するが、第2アレイ基板30は第1アレイ基板10と同一構造であり、第2センサシート40は第1センサシート20と同一構造である。よって、第2アレイ基板30と第2センサシート40の構造の説明を省略する。ただし、第2圧力センサ2は、第1圧力センサ1をひっくり返したものであり、第1圧力センサ1と配置が異なる。よって、以下では第2圧力センサ2の配置に絞って説明する。
【0028】
図7は、
図2のVII-VII線矢視断面図である。
図7に示すように、第2圧力センサ2は、左足用靴220の底面221に順に重ねた第2センサシート40と第2アレイ基板30とを備えている。第2センサシート40は、第2センサ基材41と、第2センサ基材41の第1方向X1の面に設けられた第2共通電極42と、第2共通電極42の第1方向X1の面に設けられた第2センサ層43と、を備えている。第2センサ基材41の第2方向X2の面は、第2圧力センサ2の底面2aを構成しており、左足用靴220の底面221に当接している。なお、第2圧力センサ2の底面2aに接着層を設け、第2圧力センサ2を底面221に接着してもよい。
【0029】
第2アレイ基板30は、基材である第2アレイ基材31と、第2アレイ基材31の第2方向X2に配置される第2アレイ層32と、を備えている。第2アレイ基材31の第1方向X1を向く面は、第2圧力センサ2の表面2bを構成し、左足用インソール252と当接している。また、第2アレイ層32の第2方向X2を向く面32aには、第2センサ層43に当接する複数の第2アレイ電極33が設けられている。また、第2アレイ層32には、複数の第2トランジスタ34が設けられている。第2トランジスタ34は、半導体層34aと、ゲート絶縁膜34bと、ゲート電極34cと、ソース電極34dと、ドレイン電極34eと、を備えている。
【0030】
図8は、第2圧力センサに荷重(圧力)が入力された状態を示す断面図である。
図8に示すように、第2圧力センサ2では、表面2bの一部に荷重(圧力)が入力される。また、第2アレイ基板30は可撓性を備えている。よって、第2アレイ基板30が変形し、第2センサ層43に荷重(圧力)が伝達する。この結果、第2センサ層43が潰れ、第2センサ層の抵抗値が小さくなり、第2共通電極42から第2アレイ電極33に電流が流れる(
図8の矢印Bを参照)。そして、第2アレイ電極33に入力された電気信号が信号線16(
図6参照)を介して制御部6aに送られ、表面2bに入力された圧力が検出される。
【0031】
以上、実施形態1の圧力検出装置100によれば、第1圧力センサを2つ製造すれば、1つを第2圧力センサとして使用することができる。よって、第1圧力センサを製造する製造ラインのみで済み、製造コストの低減を図れる。
【0032】
また、実施形態1では、足裏に作用する体重分布を検出する圧力検出装置100に適用した例を挙げたが、本開示は、他の部位に適用してもよい。以下、手に適用した実施形態2について説明する。
【0033】
(実施形態2)
図9は、実施形態2の圧力検出装置の分解斜視図である。実施形態2の圧力検出装置300は、手500(右手501、左手502)を覆うグローブ400の内側に挿入し、掌と甲に作用する荷重(圧力)を測定する装置である。グローブ400は、右手用グローブ410と、左手用グローブ420と、を備えている。
【0034】
右手用グローブ410は、右手501の掌501aを覆う右手用内側部411と、右手501の甲501bを覆う右手用外側部412と、を備えている。左手用グローブ420は、左手502の掌502aを覆う左手用内側部421と、左手502の甲502bを覆う左手用外側部422と、を備えている。なお、
図9においては、右手用内側部411と右手用外側部412とを分解した状態で図示しているが、実際は一体となっている。同様に、
図9において、左手用内側部421と左手用外側部422とを分解した状態で図示しているが、実際は一体となっている。
【0035】
圧力検出装置300は、右手用内側圧力センサ(第1圧力センサ)301と、左手用内側圧力センサ(第2圧力センサ)302と、右手用外側圧力センサ303と、左手用外側圧力センサ304と、を備えている。
【0036】
右手用内側圧力センサ301は、右手用内側部411に順に重ねられる第1アレイ基板311と第1センサシート312とを備えている。
【0037】
左手用内側圧力センサ302は、左手用内側部421に順に重ねられる第2センサシート322と第2アレイ基板321とを備えている。また、右手用内側圧力センサ301と左手用内側圧力センサ302とは、互いの形状が左右対称となっている。つまり、左手用前後方向に延在する仮想線L(
図9参照)を基準として右手用内側圧力センサ301を180度回転させた(ひっくり返した)ものが左手用内側圧力センサ302である。よって、左手用内側圧力センサ302は、右手用内側圧力センサ301と同一であり、右手用内側圧力センサ301を製造する製造ラインにより、左手用内側圧力センサ302を製造することができる。
【0038】
右手用外側圧力センサ303は、右手用外側部412に順に重ねられる第3シートセンサ332と第3アレイ基板331とを備えている。右手用内側圧力センサ301と右手用外側圧力センサ303は、右手用内側部411と右手用外側部412とが重なる方向から視て、同一形状である。つまり、右手用外側圧力センサ303は、右手用内側圧力センサ301と同一物である。よって、右手用内側圧力センサ301を製造する製造ラインにより、右手用外側圧力センサ303を製造することができる。
【0039】
左手用外側圧力センサ304は、左手用外側部414に順に重ねられる第4アレイ基板341と第4シートセンサ342とを備えている。左手用外側圧力センサ304と左手用内側圧力センサ302は、左手用内側部421と左手用外側部422とが重なる積層方向から視て、同一形状である。よって、左手用外側圧力センサ304は、右手用内側圧力センサ301と同一であり、右手用内側圧力センサ301を製造する製造ラインにより、左手用外側圧力センサ304を製造することができる。
【0040】
以上、実施形態2の圧力検出装置300によれば、右手用内側圧力センサ(第1圧力センサ)301を製造すれば、左手用内側圧力センサ302(第2圧力センサ)として使用することができる。さらには、右手用外側圧力センサ303や左手用外側圧力センサ304としても使用することができる。よって、右手用内側圧力センサ(第1圧力センサ)301を製造する製造ラインのみで済み、製造コストの低減を図れる。
【0041】
以上、実施形態1と実施形態2について説明したが、本開示は、靴200やグローブ400でなく、足の裏や掌など、人間に直接張り付けてもよいし、ロボットなどに取り付けてもよく、特に限定されない。次に、実施形態1の圧力検出装置100のうち配線基板を変形した実施形態3について説明する。
【0042】
(実施形態3)
図10は、実施形態3の圧力センサ装置の模式図である。
図10に示すように、実施形態3の圧力センサ装置600は、第1圧力センサ1の第1配線基板603がL字状となっている点で、実施形態1と相違する。よって、第2圧力センサ2の第2配線基板605もL字状となっている。また、第1配線基板603は、第1アレイ基板10と接続する端部603aと、端部603aと反対側の端部603bと、を有している。第2配線基板605は、第2アレイ基板30と接続する端部605aと、端部605aと反対側の端部605bと、を有している。そして、制御基板604には、端部603bと端部605bのそれぞれが接続している。この圧力センサ装置600によれば、実施形態1の圧力検出装置100よりも制御基板を少なくすることができる。
【0043】
以上、各実施形態について説明したが、本開示は実施形態で説明した例に限定されない。例えば、第2圧力センサでは、圧力が入力される第2圧力センサの底面から第2センサ層までの距離が大きい。このため、圧力が第2アレイ基板や第2アレイ層に吸収され易く、感度が低い可能性がある。よって、第2圧力センサ2の制御部6aにおいて、感度が高くなるように補正処理するようにしてもよい。
【0044】
また、実施形態では、センサ層(第1センサ層23及び第2センサ層43)として、絶縁性が高い樹脂層の内部に導電性の微粒子が含まれたものを例として挙げたが、本開示はこれに限定されない。以下、センサ層を変形した変形例1、変形例2について説明する。
【0045】
(変形例1)
図11は、変形例1の圧力センサの断面図である。
図12は、変形例1の圧力センサに圧力が入力された状態の断面図である。変形例1の第1センサ層23Aは、導電性樹脂により製造されている。第1センサ層23Aの第2方向X2の面には、複数の凸部24が設けられている。複数の凸部24のうち少なくとも一部の凸部24は、第1アレイ電極13と接触している。ただし、接触面積が小さいため、第1共通電極22と第1アレイ電極13とは電気的に接続していない。
【0046】
圧力が入力されると、
図12に示すように、第1センサ層23Aが第2方向X2に移動すると、第1アレイ電極13に接触する凸部24に数が増加し、第1アレイ電極13との接触面積が増加する。これにより、第1アレイ電極13と第1共通電極22を電気的に接続し、第1アレイ電極13に電流が流れる。また、入力された圧力が大きい場合、凸部24が第1アレイ電極13に押し付けられて平坦化する。これにより、第1アレイ電極13との接触面積がさらに増加し、第1アレイ電極13に多くの電流が流れる。このように変形例1によれば、第1センサ層23Aは、圧力の増加(接触面積の増加)に比例して第1アレイ電極13に入力する電流量が大きくなる。よって、電流値の大きさに基づいて圧力値を検出することができる。
【0047】
(変形例2)
図13は、変形例2の圧力センサの断面図である。
図14は、変形例2の圧力センサに圧力が入力された状態の断面図である。
図13に示すように、変形例2の第1センサ層23Bは、導電性樹脂により製造されている。第1センサ層23Bの第2方向X2の面は、平面化され、第1アレイ電極13と離隔している。よって、第1共通電極22と第1アレイ電極13とは電気的に接続していない。
【0048】
圧力が入力されると、
図14に示すように、第1センサ層23Bが第2方向X2に移動すると、第1アレイ電極13に接触する。これにより、第1アレイ電極13と第1共通電極22を電気的に接続し、第1アレイ電極13に電流が流れる。また、入力された圧力が大きい場合、第1センサ層23Bと第1アレイ電極13との接触面積がさらに増加し、第1アレイ電極13に多くの電流が流れる。このように変形例2によれば、第1センサ層23は、圧力の増加(接触面積の増加)に比例して第1アレイ電極13に入力する電流量が大きくなる。よって、電流値の大きさに基づいて圧力値を検出することができる。
【0049】
また、実施形態において、共通電極(第1共通電極22及び第2共通電極42)は、センサ層(第1センサ層23及び第2センサ層43)とセンサ基材(第1センサ基材21及び第2センサ基材41)との間に配置される対向型を例示したが、本開示はこれに限定されない。以下、共通電極を変形した変形例3、変形例4について説明する。
【0050】
(変形例3)
図15は、変形例3の圧力センサの断面図である。
図15に示すように、変形例3の第1共通電極25は、第1センサ層23と第1センサ基材21の間でなく、第1アレイ基板10の面12aに設けられている点で、実施形態1と相違する。つまり、第1アレイ電極13と第1共通電極25は、いわゆる平行型の配置となっている。この変形例3によれば、第1センサ層23の抵抗値が小さくなった場合、
図15の矢印Cで示すように、第1共通電極25から第1アレイ電極13に電流が流れる。
【0051】
(変形例4)
図16は、変形例4の圧力センサの断面図である。
図16に示すように、変形例4の第1共通電極25は、変形例3と同じように、第1アレイ基板10の面12aに設けられている。また、変形例4において、第1センサ層23と第1センサ基材21の間に電極26が設けられている。よって、変形例4は、第1共通電極25と電極26とを備えたハイブリッド型である。なお、バッテリ4b(
図2参照)から供給される所定量の電流は、第1共通電極25の方に供給されている。変形例4によれば、第1センサ層23の抵抗値が小さくなった場合、
図16の矢印Dで示すように、第1共通電極25から電極26の方に流れ、次に電極26から第1アレイ電極13の方に電流が流れる。
【0052】
以上、変形例3と変形例4について説明したが、変形例3と変形例4のセンサ層は、変形例1と変形例2で説明した第1センサ層23Aや第1センサ層23Bを適用してもよい。
【符号の説明】
【0053】
1 第1圧力センサ
1a、2a 底面
1b、2b 表面
2 第2圧力センサ
3、603 第1配線基板
4 第1制御基板
5、605 第2配線基板
6 第2制御基板
10 第1アレイ基板
11 第1アレイ基材
12 第1アレイ層
13 第1アレイ電極
14 第1トランジスタ
20 第1センサシート
21 第1センサ基材
22 第1共通電極
23、23A、23B 第1センサ層
25 第1共通電極
26 電極
30 第2アレイ基板
31 第2アレイ基材
32 第2アレイ層
34 第2トランジスタ
40 第2センサシート
41 第2センサ基材
42 第2共通電極
43 第2センサ層
100、300 圧力検出装置
200 靴
211 底面(所定の第1面)
221 底面(所定の第2面)
400 グローブ
301 右手用内側圧力センサ(第1圧力センサ)
302 左手用内側圧力センサ(第2圧力センサ)
303 右手用外側圧力センサ
304 左手用外側圧力センサ
311 第1アレイ基板
312 第1センサシート
321 第2アレイ基板
322 第2センサシート
331 第3アレイ基板
332 第3シートセンサ
341 第4アレイ基板
342 第4シートセンサ