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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011254
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】荷積み計画生成システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 57/24 20060101AFI20240118BHJP
   B65G 57/03 20060101ALI20240118BHJP
   B65G 67/04 20060101ALI20240118BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240118BHJP
【FI】
B65G57/24
B65G57/03 G
B65G67/04
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113116
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000002967
【氏名又は名称】ダイハツ工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 裕喜
【テーマコード(参考)】
3F029
3F076
5L049
【Fターム(参考)】
3F029AA01
3F029AA05
3F029BA01
3F029DA01
3F076AA01
3F076CA01
3F076CA07
3F076EA10
3F076FA01
3F076FA03
3F076GA05
5L049AA16
(57)【要約】
【課題】収容空間に対するパレットの効率的な荷積み計画を生成する。
【解決手段】荷積み計画生成システム10の取得部12Aは、収容空間に関する収容空間情報16Cおよび収容空間への荷積み対象のパレットのパレット寸法情報を含むパレット情報16Bを取得する。パレット群情報生成部12Bは、収容空間の積上げ方向の空間内に収まるように1以上のパレットを積上げ方向に仮想的に積み上げたパレット群を表すパレット群情報を生成する。荷積み計画生成部12Cは、収容空間情報16Cに基づいて、パレット群情報によって表される複数のパレット群を、収容空間内における積上げ方向に交差する交差方向に仮想配置した配置パタンを荷積み計画として生成する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間に関する収容空間情報、および前記収容空間への荷積み対象のパレットのパレット寸法情報を含むパレット情報、を取得する取得部と、
前記収容空間の積上げ方向の空間内に収まるように1以上の前記パレットを前記積上げ方向に仮想的に積み上げたパレット群を表すパレット群情報を生成するパレット群情報生成部と
前記収容空間情報に基づいて、前記パレット群情報によって表される複数の前記パレット群を、前記収容空間内における前記積上げ方向に交差する交差方向に仮想配置した配置パタンを荷積み計画として生成する荷積み計画生成部と、
を備える荷積み計画生成システム。
【請求項2】
前記パレット情報は、
前記パレット寸法情報と、前記パレットの積上げ条件と、を含み、
前記パレット群情報生成部は、
前記収容空間情報および前記パレット情報に基づいて、前記収容空間の積上げ方向の空間内に収まり、且つ前記積上げ条件を満たすように、1以上の前記パレットを前記積上げ方向に仮想的に積み上げた前記パレット群を表す前記パレット群情報を生成する、
請求項1に記載の荷積み計画生成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、荷積み計画生成システムに関する。
【背景技術】
【0002】
荷物などを収容したパレットをトラックの荷室などの収容空間に積載する荷積み計画の生成が行われている。例えば、BLD(bottom left depth alogorithm)法を用いて、複数のパレットの各々を収容空間の下(bottom)、左(left)、および奥(depth)から順に仮想配置した荷積み計画を生成することが行われている(例えば、特許文献1~特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-15574号公報
【特許文献2】特開2008-265970号公報
【特許文献3】特開2018-52691号公報
【特許文献4】国際公開第2017/187482号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
パレットは、歪みや積上げ方向の噛み合わせ等の積上げ条件を有する場合がある。しかし従来技術では、複数のパレットを収容空間の下、左、および奥から順に仮想配置した配置パタンを荷積み計画として生成しており、収容空間に対するパレットの効率的な荷積み計画を生成することが困難な場合があった。
【0005】
本開示が解決しようとする課題は、収容空間に対するパレットの効率的な荷積み計画を生成することができる、荷積み計画生成システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示にかかる荷積み計画生成システムは、取得部と、パレット群情報生成部と、荷積み計画生成部と、を備える。取得部は、収容空間に関する収容空間情報、および前記収容空間への荷積み対象のパレットのパレット寸法情報を含むパレット情報、を取得する。パレット群情報生成部は、前記収容空間の積上げ方向の空間内に収まるように1以上の前記パレットを前記積上げ方向に仮想的に積み上げたパレット群を表すパレット群情報を生成する。荷積み計画生成部は、前記収容空間情報に基づいて、前記パレット群情報によって表される複数の前記パレット群を、前記収容空間内における前記積上げ方向に交差する交差方向に仮想配置した配置パタンを荷積み計画として生成する。
【発明の効果】
【0007】
本開示にかかる荷積み計画生成システムによれば、収容空間に対するパレットの効率的な荷積み計画を生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、荷積み計画生成システムの説明図である。
図2図2は、荷積み計画生成システムのハードウェア構成図である。
図3図3は、荷積み計画生成システムの機能ブロック図である。
図4A図4Aは、荷積み対象パレット情報のデータ構成を示す模式図である。
図4B図4Bは、パレット情報のデータ構成を示す模式図である。
図4C図4Cは、収容空間情報のデータ構成を示す模式図である。
図5図5は、表示画面の模式図である。
図6図6は、パレット群の生成の説明図である。
図7図7は、荷積み計画生成の説明図である。
図8A図8Aは、パレット群の仮想配置の説明図である。
図8B図8Bは、パレット群の仮想配置の説明図である。
図8C図8Cは、パレット群の仮想配置の説明図である。
図8D図8Dは、パレット群の仮想配置の説明図である。
図9図9は、荷積み計画の説明図である。
図10図10は、表示画面の模式図である。
図11図11は、荷積み計画生成システムが実行する情報処理の流れのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る荷積み計画生成システムの実施形態を説明する。
【0010】
図1は、本実施形態の荷積み計画生成システム10の一例の説明図である。
【0011】
荷積み計画生成システム10は、収容空間Sに対するパレット30の配置パタンを荷積み計画として生成する情報処理装置である。
【0012】
収容空間Sとは、パレット30を収容する対象となる空間である。収容空間Sは、例えば、移動体の荷室内の空間、および、非移動体の荷室内の空間、等である。移動体は、例えば、トラック20、トラック20以外の車両、貨物列車、航空機、船舶、などである。非移動体は、例えば、地面に設置されたコンテナ、倉庫、などである。
【0013】
本実施形態では、収容空間Sが、トラック20の荷室内の空間である形態を一例として説明する。
【0014】
パレット30とは、収容空間Sへの荷積み対象の物体である。パレット30は、1または複数の荷物を収容するための箱状部材である。本実施形態では、パレット30が、略四角形状の底部材と、略四角形状の底部材の4辺によって構成される4つの頂点の各々に立設された支柱と、を少なくとも有するボックスパレットである形態を一例として説明する。すなわち、本実施形態では、パレット30が、直方体状のパレットである形態を一例として説明する。なお、パレット30は収容空間Sへの荷積み対象の物体であればよく、その形状および材質は限定されない。
【0015】
パレット30は、例えば、実空間における互いに異なる載置場所の各々に載置されている。図1には、一例として、載置場所Aおよび載置場所Bなどの複数の載置場所の各々に、複数のパレット30がそれぞれ載置されている形態を一例として示す。トラック20は、複数の載置場所を順に巡回し、各載置場所の各々で1または複数のパレット30を荷積みし、目的地へと運ぶ。
【0016】
荷積み計画生成システム10は、1または複数のトラック20の各々の収容空間Sに対して、載置場所の各々に載置されたパレット30の収容空間Sへの荷積み計画を生成する。
【0017】
まず、荷積み計画生成システム10のハードウェア構成を説明する。
【0018】
図2は、荷積み計画生成システム10の一例のハードウェア構成図である。
【0019】
荷積み計画生成システム10は、CPU(Central Processing Unit)11A、ROM(Read Only Memory)11B、RAM(Random Access Memory)11C、およびI/F11D等がバス11Eにより相互に接続され、通常のコンピュータを利用したハードウェア構成である。
【0020】
CPU11Aは、本実施形態の荷積み計画生成システム10を制御する演算装置である。ROM11Bは、CPU11Aによる各種処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM11Cは、CPU11Aによる各種処理に必要なデータを記憶する。I/F11Dは、データを送受信するためのインターフェースである。
【0021】
本実施形態の荷積み計画生成システム10で実行される情報処理を実行するためのプログラムは、ROM11B等に予め組み込んで提供される。なお、本実施形態の荷積み計画生成システム10で実行されるプログラムは、荷積み計画生成システム10にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0022】
次に、荷積み計画生成システム10の機能的構成を説明する。
【0023】
図3は、荷積み計画生成システム10の一例の機能ブロック図である。
【0024】
荷積み計画生成システム10は、処理部12と、通信部14と、記憶部16と、UI(ユーザ・インターフェース)部18と、を備える。処理部12、通信部14、記憶部16、およびUI部18は、例えば、バス19を介して通信可能に接続されている。
【0025】
通信部14は、ネットワークなどを介して外部の情報処理装置と通信するための通信インターフェースである。
【0026】
記憶部16は、各種の情報を記憶する。本実施形態では、記憶部16は、荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16C、等を予め記憶する。荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cの詳細は後述する。
【0027】
UI部18は、出力部18Aおよび入力部18Bを含む。出力部18Aは、各種の情報を出力する。出力部18Aは、例えば、画像を表示するディスプレイ、投影装置、スピーカ等である。入力部18Bは、ユーザによる操作指示を受付ける。入力部18Bは、例えば、キーボード、マウス、等である。
【0028】
処理部12は、各種の情報処理を実行する。本実施形態では、処理部12は、取得部12Aと、パレット群情報生成部12Bと、荷積み計画生成部12Cと、評価部12Dと、出力制御部12Eと、を備える。取得部12A、パレット群情報生成部12B、荷積み計画生成部12C、評価部12D、および出力制御部12E、の一部または全ては、例えば、CPU等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよい。また、取得部12A、パレット群情報生成部12B、荷積み計画生成部12C、評価部12D、および出力制御部12E、の一部または全ては、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよい。また、取得部12A、パレット群情報生成部12B、荷積み計画生成部12C、評価部12D、および出力制御部12E、の一部または全ては、ソフトウェアおよびハードウェアを併用して実現してもよい。
【0029】
取得部12Aは、荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cを取得する。例えば、取得部12Aは、荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cを記憶部16から読み取ることで、これらの情報を取得する。なお、取得部12Aは、通信部14を介してネットワークに接続された外部の情報処理装置から、荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cを取得してもよい。
【0030】
図4Aは、荷積み対象パレット情報16Aのデータ構成の一例を示す模式図である。荷積み対象パレット情報16Aは、収容空間Sへの荷積み対象のパレット30の載置場所を管理するためのデータベースである。荷積み対象パレット情報16Aのデータ形式は、データベースに限定されない。
【0031】
例えば、荷積み対象パレット情報16Aは、載置場所と、パレット種類IDと、を対応付けたデータベースである。載置場所は、パレット30の載置場所を表す情報である。パレット種類IDは、パレット30の種類の識別情報である。
【0032】
なお、パレット種類IDとして、パレット30を一意に識別する識別情報を用いてよい。また、複数の載置場所の各々に、同じパレット種類IDの各々によって識別される種類のパレット30が複数載置されていてよい。このため、荷積み対象パレット情報16Aには、互いに異なる複数の載置場所の各々に対して、同じパレット種類IDが対応づけて登録されていてよい。また、1つの載置場所に、同じ種類のパレット30が複数載置されていてよい。このため、荷積み対象パレット情報16Aには、1つの載置場所に対して複数のパレット種類IDが対応付けて登録されていてよい。また、荷積み対象パレット情報16Aは、1つの載置場所に同じ種類のパレット30が複数載置されている場合、載置場所およびパレット種類IDに対応付けて、該載置場所に載置された該パレット種類IDによって識別される種類のパレット30の個数を更に登録した構成であってもよい。
【0033】
図4Bは、パレット情報16Bのデータ構成の一例を示す模式図である。パレット情報16Bは、収容空間Sへの荷積み対象のパレット30のパレット寸法情報と、積上げ条件と、を管理するためのデータベースである。パレット情報16Bのデータ形式はデータベースに限定されない。
【0034】
本実施形態では、パレット情報16Bは、パレット種類IDと、パレット寸法情報と、積上げ条件と、を対応付けたデータベースである。パレット寸法情報は、対応するパレット種類IDによって識別される種類のパレット30の寸法を表す情報である。パレット寸法情報は、例えば、直方体状のパレット30の略四角形状の底部材の4辺の内の平行な一方の2辺の延伸方向の長さと、該2辺に対して交差する他の2辺の延伸方向の長さと、パレット30の該4辺に対して交差する方向の長さと、によって表される。
【0035】
本実施形態では、水平方向がX軸方向およびX軸方向に直交するY軸方向によって形成される二次元平面であるXY平面に沿った方向である形態を想定して説明する。また、X軸方向およびY軸方向の双方に直交するZ軸方向が、鉛直方向に平行である形態を想定して説明する。
【0036】
そして、本実施形態では、パレット寸法情報は、直方体状のパレット30の略四角形状の底部材の4辺の内の2辺をX軸方向に平行に配置し、他の2辺をY軸方向に平行に配置したときの、X軸方向の長さと、Y軸方向の長さと、Z軸方向の長さと、によって表される形態を一例として説明する。本実施形態では、パレット30のZ軸方向の長さを、パレット30の高さと称して説明する場合がある。
【0037】
積上げ条件とは、複数のパレット30を積上げ方向に積み上げるときの積上げ制限に関する情報である。パレット30の積上げ方向とは、パレット30の高さ方向に一致する方向である。本実施形態では、パレット30の積上げ方向が、反鉛直方向に一致する場合を想定して説明する。
【0038】
積上げ条件は、例えば、噛み合わせ情報と、歪み情報と、を含む。
【0039】
噛み合わせ情報とは、パレット30の積上げ方向における他のパレット30との噛み合わせ部の位置および形状を表す情報である。パレット30の積上げ方向の少なくとも一端部には、積上げ方向に積み上げたときに他のパレット30に対して噛み合わせとなる噛み合わせ部が設けられている。パレット情報16Bには、パレット種類IDによって識別される種類のパレット30ごとに、積上げ条件として噛み合わせ部の位置および形状を表す噛み合わせ情報が予め登録されている。
【0040】
歪み情報とは、荷重に対するパレット30の歪み度合いを表す情報である。パレット情報16Bには、パレット種類IDによって識別される種類のパレット30ごとに、積上げ条件として歪み情報が予め登録されている。
【0041】
なお、積上げ条件は、複数のパレット30を積上げ方向に積み上げるときの積上げ制限に関する情報であればよく、噛み合わせ情報、および歪み情報に限定されない。
【0042】
図4Cは、収容空間情報16Cのデータ構成の一例を示す模式図である。収容空間情報16Cは、収容空間Sに関する情報を管理するためのデータベースである。収容空間情報16Cのデータ形式は、データベースに限定されない。
【0043】
本実施形態では、収容空間情報16Cは、トラックIDと、収容空間寸法情報と、を対応付けたデータベースである。
【0044】
トラックIDは、収容空間Sである荷台を搭載したトラック20の識別情報である。トラックIDは、例えば、トラック20の巡回便の便番号などによって表される。本実施形態では、トラックIDとして便番号を用いる場合を一例として説明する。また、本実施形態では、便番号ごとに、トラック20が何れの載置場所をどの順に巡回するかを表す便情報が予め定められているものとする。便情報は、ユーザによる入力部18Bの操作指示などによって適宜変更可能としてよい。
【0045】
収容空間寸法情報とは、トラックIDによって識別されるトラック20の収容空間Sの寸法を表す情報である。本実施形態では、収容空間Sが、直方体状の空間である形態を想定して説明する。
【0046】
例えば、収容空間寸法情報は、直方体状の収容空間Sの四角形状の底部の4辺の内の平行な一方の2辺の延伸方向の長さと、該2辺に対して交差する他の2辺の延伸方向の長さと、収容空間Sの該四辺に交差する方向の長さと、によって表される。具体的には、本実施形態では、収容空間Sの四角形状の底部をXY平面に沿って配置した場合を想定する。また、本実施形態では、収容空間Sの四角形状の底部の4辺の内2辺を、X軸方向に平行に配置し、他方の2辺をY軸方向に平行に配置した場合を想定する。そして、本実施形態では、収容空間寸法情報が、直方体状の収容空間Sの四角形状の底部の4辺の内のY軸方向に平行な辺である長辺と、X軸方向に平行な辺である短辺と、Z軸方向に平行な辺である高さと、の各々の長さによって表される形態を一例として説明する。
【0047】
図3に戻り説明を続ける。
【0048】
荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cは、例えば、ユーザによる入力部18Bの操作指示や他の情報処理装置による更新処理などによって、適宜更新される。本実施形態では、記憶部16には、最新の荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cが記憶されているものとする。
【0049】
荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16C、の少なくとも2つは、1つのデータベースとして構成されていてもよい。また、荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cは、それぞれ更に他の情報を対応付けたデータベースであってもよい。
【0050】
取得部12Aは、荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cを取得する。
【0051】
パレット群情報生成部12Bは、収容空間Sの積上げ方向の空間内に収まるように1以上のパレット30を積上げ方向に仮想的に積み上げたパレット群を表すパレット群情報を生成する。
【0052】
パレット群情報生成部12Bは、ユーザによる入力部18Bの操作指示によって荷積み計画生成開始指示が入力されると、パレット群情報の生成を開始する。
【0053】
図5は、表示画面50Aの一例の模式図である。表示画面50Aは、出力部18Aに表示される表示画面50の一例である。
【0054】
例えば、出力制御部12Eは、ユーザによる入力部18Bの操作指示などによって荷積み計画生成システム10の起動が指示されると、表示画面50Aを出力部18Aに表示する。そして、ユーザによる入力部18Bの操作指示等によってデータ読み込みが指示されると、取得部12Aが荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cを取得する。取得部12Aが荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cを取得すると、出力制御部12Eは、収容空間情報16Cに登録されているトラックIDの一覧である便番号と、便情報とを対応付けて表示画面50Aに表示する。
【0055】
図5には、トラックIDの一覧である便番号「1便」~「6便」を一例として示す。また、図5には、便番号によって識別されるトラック20の各々が、載置場所「京都B」、「京都P」、「池田50」、「池田95」、「滋賀」の何れかを図中の左側から側に向かって順に巡回することを表す便情報の表示例を示す。「京都B」、「京都P」、「池田50」、「池田95」、および「滋賀」は、載置場所A~載置場所Eなどの載置場所の各々の一例である。
【0056】
そして、ユーザによる入力部18Bの操作指示等によって、スタートボタン51が指示されると、荷積み計画生成開始指示を表す信号が処理部12へ出力される。処理部12のパレット群情報生成部12Bは、荷積み計画生成指示を表す信号を受付けると、パレット群情報の生成を開始する。
【0057】
図6は、パレット群32の生成の一例の説明図である。
【0058】
パレット群情報生成部12Bは、収容空間情報16Cに登録されているトラックIDによって識別される便番号のトラック20の各々ごとに、便情報によって表される巡回する載置場所および載置場所の巡回順を特定する。また、パレット群情報生成部12Bは、特定した載置場所の各々に載置されているパレット30を荷積み対象パレット情報16Aから特定する。
【0059】
そして、パレット群情報生成部12Bは、トラック20の各々ごとに、トラック20の収容空間寸法情報によって表される寸法の収容空間Sの高さH内に収まるように、1または複数のパレット30を積上げ方向Z1に仮想的に積み上げたパレット群32を表すパレット群情報を生成する。
【0060】
このとき、パレット群情報生成部12Bは、収容空間情報16Cおよびパレット情報16Bに基づいて、収容空間Sの積上げ方向Z1の空間内に収まり、且つ積上げ条件を満たすように1以上のパレット30を積上げ方向Z1に仮想的に積み上げたパレット群32を表すパレット群情報を生成する。
【0061】
詳細には、パレット群情報生成部12Bは、パレット情報16Bに示されるパレット種類IDに対応する積上げ条件に含まれる噛み合わせ情報を読取る。そして、パレット群情報生成部12Bは、積上げ方向Z1に積み上げた時に、積上げ方向Z1に隣接する2つのパレット30の、噛み合わせ情報によって表される噛み合わせ部が互いに適合するように、複数のパレット30を積上げ方向Z1に積み上げる。
【0062】
また、パレット群情報生成部12Bは、パレット情報16Bに示されるパレット種類IDに対応する積上げ条件に含まれる歪み情報を読取る。そして、パレット群情報生成部12Bは、積上げ方向Z1に積み上げた時に複数のパレット30が歪むことでパレット30の高さがパレット寸法情報によって表される高さより縮んだ歪み後の高さを算出する。そして、パレット群情報生成部12Bは、歪み後の高さを用いて、トラック20の収容空間寸法情報に含まれる高さH内に収まるように、1または複数のパレット30を積上げ方向Z1に仮想的に積み上げたパレット群32を表すパレット群情報を生成する。
【0063】
また、パレット群情報生成部12Bは、収容空間Sへ先に荷積みされるパレット30ほどより下側(鉛直方向の下流側、積上げ方向Z1の上流側)に配置されるように、積上げ順を調整する。詳細には、例えば、パレット群情報生成部12Bは、載置場所の異なる複数のパレット30を積上げ方向Z1に積み上げたパレット群32を生成する場合、荷積み対象の収容空間Sのトラック20による巡回順の速い載置場所に載置されたパレット30であるほど下側に配置されるように、積上げ順を調整する。そして、パレット群情報生成部12Bは、積上げ順を調整した複数のパレット30のパレット群32を表すパレット群情報を生成する。
【0064】
パレット群情報生成部12Bは、例えば、動的計画法、貪欲法等のアルゴリズムを用いて上記処理を行うことで、複数のパレット群32のパレット群情報を生成すればよい。
【0065】
パレット群情報生成部12Bが上記処理を行うことで、荷積み対象の複数のパレット30は、積上げ方向Z1に積み上げられた1または複数のパレット30の組み合わせからなる複数のパレット群32に分類される。
【0066】
図3に戻り説明を続ける。
【0067】
荷積み計画生成部12Cは、収容空間情報16Cに基づいて、パレット群情報によって表される複数のパレット群32を、収容空間Sにおける積上げ方向Z1に交差する交差方向に仮想配置した配置パタンを、荷積み計画として生成する。
【0068】
図7は、荷積み計画生成の一例の説明図である。
【0069】
荷積み計画生成部12Cは、パレット群情報生成部12Bによって生成された複数のパレット群32を、収容空間Sにおける、積上げ方向Z1に交差する方向、すなわち、X軸方向およびY軸方向によって構成されるXY平面に沿って仮想配置する。
【0070】
詳細には、荷積み計画生成部12Cは、改良版BL(Bottom-Left)法を用いて、パレット群32を収容空間S内のXY平面に沿って仮想配置する。
【0071】
BL法とは、収容空間Sの底面を構成する頂点の1つを初期ボトムレフト点として設定し、パレット30のXY平面に沿った方向の頂点を該初期ボトムレフト点に合致するように配置する。そして、配置したパレット30の何れかの頂点と収容空間Sの辺とが合致する点を次のボトムレフト点として設定する。そして、設定したボトムレフト点の内の最も優先順位の高いボトムレフト点に、次のパレット30のXY平面に沿った方向の頂点が合致するように配置する。BL法では、この処理を繰り返すことでパレット30を配置する。
【0072】
本実施形態では、BL法を改良した改良版BL法を用いてパレット群32を収容空間S内に仮想配置する。
【0073】
図8A図8Dは、改良版BL法によるパレット群32の仮想配置の一例の説明図である。図8A図8Dには、トラック20の収容空間Sをトラック20の運転席側が図中の上側となるように配置した例を示す。
【0074】
荷積み計画生成部12Cは、トラック20の収容空間寸法情報に含まれる長辺及び短辺を読取ることで、収容空間SのXY平面のサイズを特定する。すなわち、荷積み計画生成部12Cは、トラック20の収容空間寸法情報に含まれる長辺をY軸方向の長さとし、短辺をX軸方向の長さとした、収容空間SのXY平面のサイズを特定する。そして、荷積み計画生成部12Cは、図8A中、収容空間Sにおける左上の点によって表される、収容空間SのX軸方向およびY軸方向の原点を、ボトムレフト点CPとして設定する(図8A参照)。
【0075】
なお、図8A図8Dには、画像処理ライブラリとしてOpenCV(Open Source Computer Vision Library))またはPillowを用いた例を示す。これらの画像処理ライブラリでは左上を原点として扱うため、荷積み計画生成部12Cは、トップレフト点を探索することで、ボトムレフト点CPを探索する。すなわち、荷積み計画生成部12Cによる探索処理は、画像反転処理すれば、ボトムレフトであるボトムレフト点CPを探索する処理に相当する。
【0076】
そして、図8Bに示すように、荷積み計画生成部12Cは、図8Aで設定したボトムレフト点CPに、パレット群32のXY平面に沿った方向の頂点が合致するように該パレット群32を配置する。
【0077】
荷積み計画生成部12Cは、収容空間Sにおける、パレット群32を未配置の残り空間RSから、ボトムレフト点CPを複数探索する。荷積み計画生成部12Cは、収容空間Sを、X軸方向およびY軸方向の各々の方向における、原点から離れる方向であるX1方向およびY1方向の各々に沿って探索することで、ボトムレフト点CPを探索する。
【0078】
荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSを1または複数の矩形状の空間として扱う。このため、図8Bに示す状態の場合、荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSとして2つの矩形状の残り空間RS1および残り空間RS2を特定する。そして、荷積み計画生成部12Cは、これらの残り空間RS1および残り空間RS2の各々の左上の点であるボトムレフト点CPを探索する。
【0079】
そして、荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSと未配置の複数のパレット群32の内の何れか1つのパレット群32のXY平面に沿った方向のサイズとを比較する。
【0080】
詳細には、荷積み計画生成部12Cは、パレット群32に含まれる1または複数のパレット30のパレット寸法情報から、パレット群32に含まれる1または複数のパレット30の各々のX軸方向の長さおよびY軸方向の長さの各々を特定する。そして、荷積み計画生成部12Cは、パレット群32に含まれる複数のパレット30の各々の内、最も長いX軸方向の長さをパレット群32のX軸方向の長さとし、最も長いY軸方向の長さをパレット群32のY軸方向の長さとして特定する。荷積み計画生成部12Cは、特定したパレット群32のX軸方向の長さおよびY軸方向の長さを、パレット群32のXY平面に沿った方向のサイズとして特定すればよい。
【0081】
そして、荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSと未配置の複数のパレット群32の内の何れか1つのパレット群32のXY平面に沿った方向のサイズとを比較し、残り空間RSに入るパレット群32を特定する。
【0082】
そして、図8Cに示すように、荷積み計画生成部12Cは、図8Bで設定したボトムレフト点CPの何れか一つに、特定したパレット群32のXY平面に沿った方向の頂点が合致するように該パレット群32を配置する。
【0083】
更に、荷積み計画生成部12Cは、収容空間Sにおける、パレット群32を未配置の残り空間RSから、ボトムレフト点CPを複数探索する。荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSを1または複数の矩形状の空間として扱う。このため、図8Cに示す状態の場合、荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSとして3つの矩形状の残り空間RS3、残り空間RS4、および残り空間RS5を特定する。そして、荷積み計画生成部12Cは、これらの残り空間RSの各々の左上の点であるボトムレフト点CPを探索する。
【0084】
そして、荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSと未配置の複数のパレット群32の内の何れか1つのパレット群32のXY平面に沿った方向のサイズとを比較する。荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSと未配置の複数のパレット群32の内の何れか1つのパレット群32のXY平面に沿った方向のサイズとを比較し、残り空間RSに入るパレット群32を特定する。
【0085】
そして、図8Dに示すように、荷積み計画生成部12Cは、図8Cで設定したボトムレフト点CPの何れか一つに、特定したパレット群32のXY平面に沿った方向の頂点が合致するように該パレット群32を配置する。
【0086】
このように、荷積み計画生成部12Cは、残り空間RSからボトムレフト点CPを特定し、パレット群32の頂点がボトムレフト点CPに合致するように該パレット群32を配置する処理を繰り返すことで、複数のパレット群32を積上げ方向Z1に交差する交差方向(XY平面に沿った方向)に仮想配置した配置パタンを、荷積み計画として生成する。
【0087】
図9は、荷積み計画42の一例の説明図である。
【0088】
荷積み計画生成部12Cは、上記処理を行うことで、トラックIDの一例である便番号によって識別されるトラック20の収容空間Sごとに、パレット群32をXY平面に沿って配置した配置パタン40を、荷積み計画42として生成する。図8には、便番号「1便」のトラックIDによって識別されるトラック20の収容空間Sに対する配置パタン40の荷積み計画42を一例として示す。
【0089】
図9に示すように、荷積み計画42は、複数のパレット群32をXY平面に沿って配置した配置パタン40を示す。複数のパレット群32の各々は、上述したように、1または複数のパレット30を積上げ方向Z1に仮想的に積み上げた組合せを表す。
【0090】
図9中、「Z-00N」は、載置場所Zのパレット種類ID「00N」のパレット30を表す。Zはアルファベットを表す、Nは1以上の整数を表す。
【0091】
上述したように、パレット群情報生成部12Bは、収容空間Sへ先に荷積みされるパレット30ほどより下側(鉛直方向の下流側)に配置されるように、積上げ順を調整したパレット群32を生成する。図9には、1つのパレット群32内において、Y軸方向に沿ってより原点から離れる方向(Y1方向)の下流側に示されるパレット30であるほど、より先に荷積みする対象のパレット30であることを表す。
【0092】
なお、荷積み計画生成部12Cは遊び空間FSを含む配置パタン40を、荷積み計画42として生成することが好ましい。
【0093】
遊び空間FSとは、収容空間S内に仮想配置した少なくとも1つのパレット群32の交差方向(XY平面に沿った方向)における位置が変動可能な空間である。遊び空間FSは、この条件を満たす空間であればよく、サイズおよび形状は限定されない。
【0094】
図3に戻り説明を続ける。
【0095】
評価部12Dは、荷積み計画生成部12Cによって生成された荷積み計画42が、予め定めた最適条件を満たすか否かを評価する。最適条件は、例えば、収容空間Sに対するパレット群32の積載率が第1閾値以上、トラック20の荷積みに要するコストが第2閾値未満、1つの収容空間S内に遊び空間FSを少なくとも1箇所有する、などである。第1閾値および第2閾値は予め定めればよい。第1閾値および第2閾値は、ユーザによる入力部18Bの操作指示によって適宜変更可能としてもよい。
【0096】
評価部12Dは、荷積み計画生成部12Cによって生成された荷積み計画42が最適条件を満たさないと判断した場合、再処理を表す再処理指示をパレット群情報生成部12Bおよび荷積み計画生成部12Cへ出力する。
【0097】
そして、評価部12Dは、荷積み計画42が最適条件を満たすと判断した場合、最適条件を満たす荷積み計画42を出力制御部12Eへ出力する。
【0098】
なお、処理部12では、パレット群情報生成部12Bおよび荷積み計画生成部12Cによる上記処理を複数回繰り返し実行してもよい。この繰り返し回数は、2以上の整数であればよい。また、この繰り返し回数は、ユーザによる入力部18Bの操作指示などによって適宜変更可能としてよい。そして、評価部12Dは、上記処理が繰り返し実行されることで生成された複数の荷積み計画42の各々について、上記最適条件の複数の項目の各々について最も良好な値を表す荷積み計画42を、出力制御部12Eへ出力してもよい。例えば、評価部12Dは、積載率が最も高く、コストが最も低く、且つ、収容空間Sに少なくとも1つの遊び空間FSを含む配置パタン40の荷積み計画42を、出力制御部12Eへ出力してよい。
【0099】
出力制御部12Eは、評価部12Dから受付けた荷積み計画42を出力部18Aへ出力する。例えば、出力制御部12Eは、評価部12Dから受付けた荷積み計画42を表す表示画面50を出力部18Aであるディスプレイに表示する。
【0100】
図10は、表示画面50Bの一例の模式図である。表示画面50Bは、表示画面50の一例である。例えば、出力制御部12Eは、評価部12Dから受付けた荷積み計画42を表す画像を含む表示画面50Bを、ディスプレイに表示する。
【0101】
このため、ユーザは表示画面50Bを視認することで、トラックIDの一例である便番号によって識別されるトラック20の収容空間Sごとに、パレット群32の配置パタン40およびパレット群32に含まれるパレット30の積載順を容易に確認することができる。
【0102】
また、出力制御部12Eは、荷積み計画42をトラック20の表示制御装置に送信してもよい。この場合、トラック20の表示制御装置は、荷積み計画生成システム10から受信した荷積み計画42をトラック20内に設けられたディスプレイに表示すればよい。また、出力制御部12Eは、トラック20のドライバによって携帯される情報処理端末に荷積み計画42を送信してもよい。情報処理端末は、例えば、携帯端末、スマートフォンなどである。この場合、情報処理端末は、荷積み計画生成システム10から受信した荷積み計画42を情報処理端末のディスプレイに表示すればよい。
【0103】
次に、本実施形態の荷積み計画生成システム10で実行する情報処理の流れの一例を説明する。
【0104】
図11は、荷積み計画生成システム10が実行する情報処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【0105】
荷積み計画生成システム10の取得部12Aが、荷積み対象パレット情報16A、パレット情報16B、および収容空間情報16Cを取得する(ステップS100)。
【0106】
パレット群情報生成部12Bは、ステップS100で取得した情報に基づいて、収容空間Sの積上げ方向の空間内に収まるように1以上のパレット30を積上げ方向Z1に仮想的に積み上げたパレット群32を表すパレット群情報を生成する(ステップS102)。
【0107】
荷積み計画生成部12Cは、ステップS100で取得した収容空間情報16Cに基づいて、ステップS102で生成したパレット群情報によって表される複数のパレット群32を、収容空間Sにおける積上げ方向Z1に交差する交差方向に仮想配置した配置パタン40を、荷積み計画42として生成する(ステップ104)。
【0108】
評価部12Dは、ステップS104で生成した荷積み計画42が、予め定めた最適条件を満たすか否かを評価する(ステップS106)。最適条件を満たさないと判断した場合(ステップS108:No)、上記ステップS102へ戻る。最適条件を満たすと判断した場合(ステップS108:Yes)、ステップS110へ進む。
【0109】
出力制御部12Eは、ステップS108で最適条件を満たすと判断した荷積み計画42を出力部18Aへ出力する(ステップS110)。そして、本ルーチンを終了する。
【0110】
以上説明したように、本実施形態の荷積み計画生成システム10は、取得部12Aと、パレット群情報生成部12Bと、荷積み計画生成部12Cと、を備える。取得部12Aは、収容空間Sに関する収容空間情報16Cおよび収容空間Sへの荷積み対象のパレット30のパレット寸法情報を含むパレット情報16Bを取得する。パレット群情報生成部12Bは、収容空間Sの積上げ方向Z1の空間内に収まるように1以上のパレット30を積上げ方向Z1に仮想的に積み上げたパレット群32を表すパレット群情報を生成する。荷積み計画生成部12Cは、収容空間情報16Cに基づいて、パレット群情報によって表される複数のパレット群32を、収容空間S内における積上げ方向Z1に交差する交差方向(XY平面に沿った方向)に仮想配置した配置パタン40を荷積み計画42として生成する。
【0111】
ここで、従来技術では、BLD法を用いて、複数のパレット30の各々を収容空間Sの下(bottom)、左(left)、および奥(depth)から順に仮想配置した荷積み計画を生成していた。しかし、パレット30は、歪みや積上げ方向Z1の噛み合わせ等の積上げ条件を有する場合がある。このため、複数のパレット30を収容空間Sの下、左、および奥から順に仮想配置した配置パタンを荷積み計画として生成すると、収容空間Sに対するパレット30の効率的な荷積み計画42を生成することが困難な場合があった。
【0112】
一方、本実施形態の荷積み計画生成システム10は、収容空間Sの積上げ方向Z1の空間内に収まるように1以上のパレット30を積上げ方向Z1に仮想的に積み上げたパレット群32を表すパレット群情報を生成する。そして、荷積み計画生成システム10は、パレット群情報によって表される複数のパレット群32を、収容空間S内における積上げ方向Z1に交差する交差方向に仮想配置した配置パタン40を、荷積み計画42として生成する。
【0113】
このように、本実施形態の荷積み計画生成システム10は、収容空間Sの積上げ方向Z1の空間内に収まるように1または複数のパレット30を積上げ方向Z1に積み上げたパレット群32を複数生成した後に、該複数のパレット群32を積上げ方向Z1に対して交差する交差方向に仮想配置する。
【0114】
このため、本実施形態の荷積み計画生成システム10は、まず収容空間Sの積上げ方向Z1の空間内に収まるように1または複数のパレット30を積み上げることで、パレット30が歪みや積上げ方向Z1の噛み合わせ等の積上げ条件を有する場合であっても、積上げ条件に応じて複数のパレット30を積上げ方向Z1に積み上げたパレット群32を生成することができる。そして、本実施形態の荷積み計画生成システム10は、積上げ方向Z1に積み上げたパレット群32を、積上げ方向Z1に対して交差する交差方向に仮想配置した配置パタン40を、荷積み計画42として生成する。
【0115】
よって、本実施形態の荷積み計画生成システム10は、パレット30が歪みや積上げ方向Z1の噛み合わせ等の積上げ条件を有する場合であっても、収容空間Sに対するパレット30の効率的な荷積み計画42を生成することができる。
【0116】
従って、本実施形態の荷積み計画生成システム10は、収容空間Sに対するパレット30の効率的な荷積み計画42を生成することができる。
【0117】
なお、上記実施形態の荷積み計画生成システム10で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、HDD(ハードディスクドライブ)に記憶されていてもよい。また、上記実施形態の荷積み計画生成システム10で実行される上記各処理を実行するためのプログラムは、ROM11Bに予め組み込まれて提供されていてもよい。
【0118】
また、上記実施形態の荷積み計画生成システム10で実行される上記処理を実行するためのプログラムは、インストール可能な形式または実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD(Digital Versatile Disk)、フレキシブルディスク(FD)等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されてコンピュータプログラムプロダクトとして提供されるようにしてもよい。また、上記実施形態の荷積み計画生成システム10で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせることにより提供するようにしてもよい。また、上記実施形態の荷積み計画生成システム10で実行される上記処理を実行するためのプログラムを、インターネット等のネットワーク経由で提供または配布するようにしてもよい。
【0119】
なお、上記には、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態およびその変形は、発明の範囲および要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0120】
10 荷積み計画生成システム
12A 取得部
12B パレット群情報生成部
12C 荷積み計画生成部
12E 出力制御部
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図5
図6
図7
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11