(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112570
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】画像処理装置、情報処理端末、制御方法、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240814BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20240814BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240814BHJP
B41J 29/42 20060101ALI20240814BHJP
G06F 3/048 20130101ALI20240814BHJP
G06F 15/00 20060101ALI20240814BHJP
G06F 21/84 20130101ALI20240814BHJP
【FI】
H04N1/00 838
H04N1/00 350
G03G21/00 386
G03G21/00 390
B41J29/00 Z
B41J29/42 F
G06F3/048
G06F15/00 420A
G06F21/84
H04N1/00 127B
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017703
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100117651
【弁理士】
【氏名又は名称】高垣 泰志
(72)【発明者】
【氏名】川村 裕一
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5E555
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AP07
2C061CL10
2C061CQ04
2C061CQ05
2C061CQ24
2C061CQ34
2H270KA59
2H270KA60
2H270NA02
2H270NA04
2H270NC02
2H270ND02
2H270PA80
2H270PA83
2H270QA13
2H270QA23
2H270QA34
2H270QA35
2H270ZC03
2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA13
5C062AA25
5C062AA35
5C062AB20
5C062AB25
5C062AB38
5C062AB41
5C062AB42
5C062AB43
5C062AB44
5C062AC05
5C062AC22
5C062AE15
5C062AF12
5E555AA09
5E555AA16
5E555AA53
5E555BA02
5E555BA27
5E555BB02
5E555BB27
5E555BC08
5E555BC16
5E555CB33
5E555DB20
5E555DC11
5E555FA00
(57)【要約】
【課題】情報処理端末から画像処理装置を遠隔操作しているときにRPAを実行することで画像処理装置において表示される認証画面に自動入力される認証情報が第三者に漏れてしまうことを防止する。
【解決手段】画像処理装置2は、操作画面を表示する表示部5aと、表示部5aに表示される操作画面を情報処理端末3に送信し、情報処理端末3による操作画面に対する遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部26と、遠隔操作に基づき、複数の操作手順が予め登録されたRPA17を自動実行するRPA実行部28とを備える。RPA実行部28は、RPA17の実行中に、表示部5aに認証画面が表示されるとき、認証画面を加工して認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示される前記操作画面を情報処理端末に送信し、前記情報処理端末による前記操作画面に対する遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部と、
前記遠隔操作に基づき、複数の操作手順が予め登録されたRPAを自動実行するRPA実行部と、
を備え、
前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記表示部に認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工して前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態とすることを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記表示部に前記認証画面が表示されるとき、前記認証画面を非表示に切り替えることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記RPA実行部は、前記認証画面に含まれる操作ボタンに対する操作アクション表示を非表示とすることを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記表示部に表示する操作画面を制御する表示制御部、
を更に備え、
前記表示制御部は、前記認証画面を表示するとき、前記認証画面に含まれる複数の操作ボタンをランダムに配置し、
前記RPAは、前記認証画面において自動操作すべき操作ボタンに関するボタン情報を保持しており、
前記RPA実行部は、前記ボタン情報に基づき、前記認証画面においてランダムに配置された前記複数の操作ボタンのうちから自動操作すべき操作ボタンを選択し、認証情報を自動入力することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記RPAを作成して登録するRPA登録部、
を更に備え、
前記RPA登録部は、前記情報処理端末からの遠隔操作に基づき、前記複数の操作手順を予め登録した前記RPAを作成することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記RPA登録部は、前記RPAの作成中に、前記表示部に前記認証画面が表示されるとき、前記情報処理端末において表示されるポインティングデバイスの動作軌跡を非表示にする命令を前記情報処理端末へ送信することを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記RPA登録部は、前記RPAの作成中に、前記表示部に前記認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工し、前記情報処理端末からの遠隔操作によって前記認証画面に入力される情報を視認不可能な状態とすることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
【請求項8】
操作画面を表示する画像処理装置と通信可能であり、前記操作画面を取得して表示し、前記操作画面に対する操作を受け付けて前記画像処理装置へ操作情報を送信することにより前記画像処理装置を遠隔操作する情報処理端末であって、
前記画像処理装置に対する複数の操作手順が予め登録されたRPAを記憶する記憶部と、
前記RPAを実行することにより、前記操作手順を自動で実行するRPA実行部と、
を備え、
前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において認証画面が表示されるとき、前記画像処理装置に前記認証画面を加工し、前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態にすることを指示する情報処理端末。
【請求項9】
前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において前記認証画面が表示されるとき、前記認証画面を非表示に切り替えることを指示する請求項8に記載の情報処理端末。
【請求項10】
前記RPA実行部は、前記認証画面に含まれる操作ボタンに対する操作アクション表示を非表示とすることを指示する請求項8に記載の情報処理端末。
【請求項11】
操作画面を表示する画像処理装置と、情報処理端末とが通信可能であり、前記情報処理端末が前記操作画面を取得して表示し、前記操作画面に対する操作を受け付けて前記画像処理装置へ操作情報を送信することにより、前記情報処理端末から前記画像処理装置を遠隔操作する画像処理システムの制御方法であって、
前記画像処理装置に対する複数の操作手順が予め登録されたRPAを記憶する記憶ステップと、
前記RPAを実行することにより、前記操作手順を自動で実行するRPA実行ステップと、
を有し、
前記RPA実行ステップは、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工し、前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態にすることを特徴とする制御方法。
【請求項12】
操作画面を表示する表示部を備える画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、
前記表示部に表示される前記操作画面を情報処理端末に送信し、前記情報処理端末による前記操作画面に対する遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付ステップと、
前記遠隔操作に基づき、複数の操作手順が予め登録されたRPAを自動実行するRPA実行ステップと、
を有し、
前記RPA実行ステップは、前記RPAの実行中に、前記表示部に認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工して前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態とすることを特徴とするプログラム。
【請求項13】
操作画面を表示する画像処理装置と通信可能であり、前記操作画面を取得して表示し、前記操作画面に対する操作を受け付けて前記画像処理装置へ操作情報を送信することにより前記画像処理装置を遠隔操作する情報処理端末において実行されるプログラムであって、前記情報処理端末に、
前記画像処理装置に対する複数の操作手順が予め登録されたRPAを記憶する記憶ステップと、
前記RPAを実行することにより、前記操作手順を自動で実行するRPA実行ステップと、
を有し、
前記RPA実行ステップは、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において認証画面が表示されるとき、前記画像処理装置に前記認証画面を加工し、前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態にすることを指示するプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、情報処理端末、制御方法、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザーが操作パネルに暗証番号などの認証情報を入力する際に認証情報が第三者に漏れてしまうことを防止するため、操作画面に表示するテンキーの配列をランダムに変更するものが知られている(例えば、特許文献1,2)。この従来技術では、テンキーの配列を毎回ランダムに変更するため、第三者が認証情報を入力しているユーザーの手の動きを見ていたとしても、どのような情報を入力したのかを認識できないようにしている。
【0003】
近年、MFP(Multifunction Peripheral)などの画像処理装置は、リモートパネル機能を有している。リモートパネル機能は、外部の情報処理端末からのアクセスを検知した場合に、その情報処理端末に対し、操作パネルに表示している操作画面と同じ画面を提供し、情報処理端末による遠隔操作を受け付ける機能である。
【0004】
画像処理装置にリモートパネル機能が搭載されることにより、管理者やサービスマンは、画像処理装置の設置場所に行かなくても情報処理端末を使用した遠隔操作で画像処理装置の設定変更などを行うことができるという利点がある。また、近年のリモートワークの普及に伴い、ユーザーは自宅に居ながら遠隔操作で画像処理装置を利用できるという利点もある。
【0005】
また、近年は、ロボティック・プロセス・オートメーション(以下、「RPA」という。)を利用することにより作業効率を向上させること注目されている。RPAは、複数の操作手順を予め登録しておき、ユーザーによる実行指示に基づいて予め登録されている操作手順を自動で実行するソフトウェアである。管理者やサービスマン、ユーザーが画像処理装置を遠隔操作で利用する際、RPAを実行させることで、画像処理装置に対する操作を自動で行うことが可能であり、作業効率を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2000-99801号公報
【特許文献2】特開2005-258838号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
管理者やサービスマン、ユーザーが、情報処理端末を使用して画像処理装置にアクセスし、RPAを実行して画像処理装置に対する操作を自動で行うとき、画像処理装置において操作パネルに認証画面が表示されることがある。RPAは、その認証画面に対し、予め登録されている認証情報を自動で入力することができる。画像処理装置は、RPAによって自動入力される認証情報に基づき、認証画面を逐次更新していく。
【0008】
しかし、画像処理装置が遠隔操作されているとき、画像処理装置の近くに第三者が居る可能性がある。その第三者によって認証画面が見られていると、RPAによって自動入力される認証情報が第三者に漏れてしまうという問題がある。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、RPAの実行中に認証画面が表示されたとしても、認証情報が第三者に漏れてしまうことを防止できるようにした画像処理装置、情報処理端末、制御方法、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、請求項1に係る発明は、画像処理装置であって、操作画面を表示する表示部と、前記表示部に表示される前記操作画面を情報処理端末に送信し、前記情報処理端末による前記操作画面に対する遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部と、前記遠隔操作に基づき、複数の操作手順が予め登録されたRPAを自動実行するRPA実行部と、を備え、前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記表示部に認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工して前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態とすることを特徴とする構成である。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記表示部に前記認証画面が表示されるとき、前記認証画面を非表示に切り替えることを特徴とする構成である。
【0012】
請求項3に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記RPA実行部は、前記認証画面に含まれる操作ボタンに対する操作アクション表示を非表示とすることを特徴とする構成である。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記表示部に表示する操作画面を制御する表示制御部、を更に備え、前記表示制御部は、前記認証画面を表示するとき、前記認証画面に含まれる複数の操作ボタンをランダムに配置し、前記RPAは、前記認証画面において自動操作すべき操作ボタンに関するボタン情報を保持しており、前記RPA実行部は、前記ボタン情報に基づき、前記認証画面においてランダムに配置された前記複数の操作ボタンのうちから自動操作すべき操作ボタンを選択し、認証情報を自動入力することを特徴とする構成である。
【0014】
請求項5に係る発明は、請求項1の画像処理装置において、前記RPAを作成して登録するRPA登録部、を更に備え、前記RPA登録部は、前記情報処理端末からの遠隔操作に基づき、前記複数の操作手順を予め登録した前記RPAを作成することを特徴とする構成である。
【0015】
請求項6に係る発明は、請求項5の画像処理装置において、前記RPA登録部は、前記RPAの作成中に、前記表示部に前記認証画面が表示されるとき、前記情報処理端末において表示されるポインティングデバイスの動作軌跡を非表示にする命令を前記情報処理端末へ送信することを特徴とする構成である。
【0016】
請求項7に係る発明は、請求項5の画像処理装置において、前記RPA登録部は、前記RPAの作成中に、前記表示部に前記認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工し、前記情報処理端末からの遠隔操作によって前記認証画面に入力される情報を視認不可能な状態とすることを特徴とする構成である。
【0017】
請求項8に係る発明は、操作画面を表示する画像処理装置と通信可能であり、前記操作画面を取得して表示し、前記操作画面に対する操作を受け付けて前記画像処理装置へ操作情報を送信することにより前記画像処理装置を遠隔操作する情報処理端末であって、前記画像処理装置に対する複数の操作手順が予め登録されたRPAを記憶する記憶部と、前記RPAを実行することにより、前記操作手順を自動で実行するRPA実行部と、を備え、前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において認証画面が表示されるとき、前記画像処理装置に前記認証画面を加工し、前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態にすることを指示する構成である。
【0018】
請求項9に係る発明は、請求項8の情報処理端末において、前記RPA実行部は、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において前記認証画面が表示されるとき、前記認証画面を非表示に切り替えることを指示する構成である。
【0019】
請求項10に係る発明は、請求項8の情報処理端末において、前記RPA実行部は、前記認証画面に含まれる操作ボタンに対する操作アクション表示を非表示とすることを指示する構成である。
【0020】
請求項11に係る発明は、操作画面を表示する画像処理装置と、情報処理端末とが通信可能であり、前記情報処理端末が前記操作画面を取得して表示し、前記操作画面に対する操作を受け付けて前記画像処理装置へ操作情報を送信することにより、前記情報処理端末から前記画像処理装置を遠隔操作する画像処理システムの制御方法であって、前記画像処理装置に対する複数の操作手順が予め登録されたRPAを記憶する記憶ステップと、前記RPAを実行することにより、前記操作手順を自動で実行するRPA実行ステップと、を有し、前記RPA実行ステップは、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工し、前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態にすることを特徴とする構成である。
【0021】
請求項12に係る発明は、操作画面を表示する表示部を備える画像処理装置において実行されるプログラムであって、前記画像処理装置に、前記表示部に表示される前記操作画面を情報処理端末に送信し、前記情報処理端末による前記操作画面に対する遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付ステップと、前記遠隔操作に基づき、複数の操作手順が予め登録されたRPAを自動実行するRPA実行ステップと、を有し、前記RPA実行ステップは、前記RPAの実行中に、前記表示部に認証画面が表示されるとき、前記認証画面を加工して前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態とすることを特徴とする構成である。
【0022】
請求項13に係る発明は、操作画面を表示する画像処理装置と通信可能であり、前記操作画面を取得して表示し、前記操作画面に対する操作を受け付けて前記画像処理装置へ操作情報を送信することにより前記画像処理装置を遠隔操作する情報処理端末において実行されるプログラムであって、前記情報処理端末に、前記画像処理装置に対する複数の操作手順が予め登録されたRPAを記憶する記憶ステップと、前記RPAを実行することにより、前記操作手順を自動で実行するRPA実行ステップと、を有し、前記RPA実行ステップは、前記RPAの実行中に、前記画像処理装置において認証画面が表示されるとき、前記画像処理装置に前記認証画面を加工し、前記認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態にすることを指示する構成である。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、情報処理端末からの遠隔操作でRPAを実行しているときに、画像処理装置において認証画面が表示されたとしても、認証画面に自動入力される認証情報が第三者に漏れてしまうことを良好に防止することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】画像処理システムの一構成例を示す図である。
【
図2】第1実施形態における画像処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】画像処理装置に表示される操作画面と、情報処理端末の表示部に表示される表示画面とを示す図である。
【
図5】画像処理装置と情報処理端末のそれぞれに表示される認証画面を例示する図である。
【
図6】RPA作成時における画像処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図9】RPA実行時における画像処理装置の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】第2施形態における画像処理システムの機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図11】RPA作成時の動作フローを示す図である。
【
図12】RPA実行時の動作フローを示す図である。
【
図13】RPA実行時における情報処理端末の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】認証情報が入力されるときに操作アクション表示を非表示とする例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する要素には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0026】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態における画像処理システム1の一構成例を示す図である。この画像処理システム1は、MFPなどで構成される画像処理装置2と、パーソナルコンピュータ(PC)やタブレット端末、スマートフォンなどで構成される情報処理端末3とがネットワーク4を介して相互に通信を行うことが可能な構成である。ネットワーク4は、LANやインターネットなどを含む複合的なネットワークである。
【0027】
画像処理装置2は、コピー機能、スキャン機能、プリント機能、FAX機能などの複数の機能を備えており、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。この画像処理装置2は、ユーザーが操作可能な操作パネル5を備えている。操作パネル5には、様々な操作画面が表示され、ユーザーによる操作を受け付ける。例えば、ユーザーが画像処理装置2を使用する際には、操作パネル5に表示される操作画面に対して各種の設定操作などを行うことでジョブの設定を行う。ジョブの設定を行った後、ユーザーは操作パネル5に対する操作を行うことで画像処理装置2にジョブの実行を指示し、コピージョブなどのジョブを実行させることができる。
【0028】
画像処理装置2は、ユーザー毎に、複数の機能のそれぞれに使用権限が設定されることがある。この場合、画像処理装置2は、ユーザーによって選択された機能に使用権限が設定されていれば、操作パネル5に認証画面を表示し、ユーザー認証を行う。そのユーザー認証によって特定されたユーザーが使用権限の設定されているユーザーである場合、画像処理装置2は、ユーザーによって選択された機能を使用可能とする。
【0029】
また、管理者やサービスマンが画像処理装置2に対する設定や設定変更などを行う際にも操作パネル5が利用される。例えば、画像処理装置2は、管理者やサービスマンなどの特定のユーザーのみが設定可能な設定画面を表示するとき、操作パネル5に認証画面を表示し、ユーザー認証を行う。そのユーザー認証によって特定されたユーザーが管理者やサービスマンなどの特定のユーザーであることが判明した場合、画像処理装置2は、操作パネル5に、特定のユーザーのみが設定可能な設定画面を表示する。
【0030】
画像処理装置2は、リモートパネル機能を有している。リモートパネル機能は、外部の情報処理端末3からのアクセスを検知した場合に、その情報処理端末3に対し、操作パネル5に表示している操作画面と同じ画面を提供し、情報処理端末3による遠隔操作を受け付ける機能である。このリモートパネル機能により、管理者やサービスマンは、画像処理装置2の設置場所に行かなくても情報処理端末3を使用した遠隔操作で画像処理装置2の設定変更などを行うことが可能である。また、ユーザーは、自宅に居ながら情報処理端末3を使用しつつ遠隔操作で画像処理装置2を使用することも可能であり、在宅ワークなどで画像処理装置2を利用することもできる。
【0031】
更に、本実施形態の画像処理装置2は、複数の操作手順を予め登録したRPAを作成し、その後、そのRPAを実行することで予め登録された複数の操作手順を自動実行する機能を有している。そのため、ユーザーが遠隔操作で画像処理装置2に対する操作を行うときにも、画像処理装置2にRPAを実行させることでユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0032】
図2は、画像処理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。画像処理装置2は、操作パネル5と、制御部10と、記憶部11と、通信インタフェース12と、スキャナ部13と、プリンタ部14と、FAX部15とを備えている。
【0033】
操作パネル5は、表示部5aと、操作部5bとを備える。表示部5aは、カラー液晶ディスプレイなどで構成され、各種の操作画面を表示する。操作部5bは、表示部5aの画面上に配置されるタッチパネルキーや表示部5aの画面周囲に配置される押しボタンキーなどで構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。記憶部11は、ハードディスクドライブ(HDD)などで構成される不揮発性の記憶デバイスである。記憶部11は、プログラム16、RPA17、設定情報19などを記憶する。制御部10は、画像処理装置2の動作を統括的に制御するものである。制御部10は、図示を省略するCPUなどのハードウェアプロセッサーを有している。このハードウェアプロセッサーは、記憶部11に記憶されているプログラム16を読み出して実行する。
【0034】
通信インタフェース12は、画像処理装置2が情報処理端末3とネットワーク4を介して通信を行うものであり、例えばNIC(Network Interface Card)などで構成される。スキャナ部13は、ユーザーによってセットされた原稿の画像を光学的に読み取り画像データを生成する。プリンタ部14は、印刷対象となる画像データに基づき印刷用紙などのシートに画像を印刷して出力する。FAX部15は、図示を省略する公衆電話網を介してFAXデータの送受信を行う。
【0035】
制御部10のハードウェアプロセッサーは、プログラム16を実行することにより、制御部10を、表示制御部20、操作受付部21、動作制御部22、遠隔操作受付部26、RPA登録部27、及び、RPA実行部28として機能させる。
【0036】
表示制御部20は、操作パネル5の表示部5aに、ユーザーが操作可能な操作画面(認証画面を含む。)を表示する。操作受付部21は、操作部5bに対するユーザーの操作を受け付ける。動作制御部22は、管理者やサービスマンを含むユーザーの操作に基づき、画像処理装置2の動作を制御する。
【0037】
操作受付部21は、ユーザーの操作を受け付けると、ユーザーによって行われた操作を示す操作情報を表示制御部20へ出力する。これにより、表示制御部20は、表示部5aに表示している操作画面をユーザーの操作が反映された画面に更新する。
【0038】
また、操作受付部21は、ユーザーの操作を示す操作情報を動作制御部22へ出力する。動作制御部22は、画像処理装置2の動作を制御する。動作制御部22は、ユーザー認証部23と、設定管理部24と、ジョブ制御部25とを備えている。
【0039】
ユーザー認証部23は、ユーザー認証を行う処理部である。例えば、ユーザーによって選択された機能に使用権限が設定されている場合、動作制御部22においてユーザー認証部23が機能する。また、ユーザー認証部23は、管理者やサービスマンなどの特定のユーザーのみが設定可能な設定画面が表示部5aに表示されるときにも機能する。ユーザー認証部23は、表示制御部20を介して表示部5aに認証画面を表示させる。そしてユーザー認証部23は、認証画面に対して入力される認証情報を取得し、その認証情報に基づいてユーザー認証を行う。
【0040】
設定管理部24は、画像処理装置2に対して設定される設定値を管理する。例えば、管理者やサービスマンなどによって画像処理装置2に対する設定が行われた場合、設定管理部24は、その設定を設定情報19として記録し、記憶部11に保存する。そして画像処理装置2が動作するとき、設定管理部24は、記憶部11から設定情報19を読み出し、設定情報19に記録されている設定を各部へ反映させる。
【0041】
また、設定管理部24は、ユーザーによってジョブの設定が行われた場合、その設定を各部へ反映させ、ユーザーによって指定されたジョブを実行できる状態を実現する。
【0042】
ジョブ制御部25は、画像処理装置2におけるジョブの実行を制御する。例えば、ジョブ制御部25は、スキャナ部13、プリンタ部14及びFAX部15のそれぞれを駆動し、ユーザーによって指定されたジョブを実行する。
【0043】
遠隔操作受付部26は、Webサーバーとして機能し、通信インタフェース12を介して情報処理端末3からアクセスを検知すると、情報処理端末3と通信を行い、情報処理端末3による遠隔操作を受け付ける。遠隔操作受付部26は、表示部5aに表示されている操作画面を表示制御部20から取得する。そして遠隔操作受付部26は、操作画面をHTML(HyperText Markup Language)などのWebページ形式の画面情報に変換し、変換した画面情報を情報処理端末3へ提供する。これにより、情報処理端末3において操作パネル5の表示部5aに表示されている操作画面と同じ操作画面を表示することができる。遠隔操作受付部26は、通信インタフェース12を介して情報処理端末3から操作画面に対する操作情報を取得する。操作情報を取得すると、遠隔操作受付部26は、その操作情報を表示制御部20へ出力する。これにより、表示制御部20は、表示部5aに表示している操作画面を情報処理端末3からの遠隔操作によって更新することができる。また、遠隔操作受付部26は、情報処理端末3から取得した操作情報を動作制御部22へ出力する。これにより、動作制御部22は、情報処理端末3からの遠隔操作によって画像処理装置2の動作を制御することができる。
【0044】
RPA登録部27は、情報処理端末3からの遠隔操作によって行われる複数の操作手順を登録したRPAを作成する処理部である。遠隔操作受付部26は、情報処理端末3からRPA作成指示を受信すると、RPA登録部27を機能させる。RPA登録部27が機能すると、その後に遠隔操作受付部26が受け付ける操作情報に基づきRPAが作成される。すなわち、RPA登録部27は、遠隔操作受付部26によって情報処理端末3からの操作情報が取得される度にその操作情報を記憶していく。RPA登録部27は、そのような動作をRPA作成終了が指示されるまで繰り返し行う。そして情報処理端末3からRPA作成終了が指示された場合、RPA登録部27は、それまで蓄積記憶している操作情報に基づいて操作手順情報18を生成し、操作手順情報18を記録したRPA17を生成する。そしてRPA登録部27は、生成したRPA17を記憶部11に保存する。例えば、操作手順情報18は、RPA17の実行中に動作するスクリプトとして記述される。
【0045】
RPA実行部28は、遠隔操作受付部26によってRPA実行指示が受け付けられた場合に機能する。RPA実行部28は、記憶部11に保存されているRPA17を読み出して実行し、RPA17に記録されている操作手順情報18に基づいて複数の操作手順を自動実行する処理部である。RPA実行部28がRPA17に予め登録されている複数の操作手順を自動で実行することにより、ユーザーの操作負担を軽減することができる。
【0046】
次に、情報処理端末3は、制御部30と、表示部31と、操作部32と、通信インタフェース33とを備えている。表示部31は、カラー液晶ディスプレイなどで構成される表示デバイスである。操作部32は、キーボードやマウスなどで構成され、ユーザーに寄る操作を受け付ける。また、操作部32は、表示部31の画面上に配置されるタッチパネルキーを備えていても構わない。通信インタフェース33は、情報処理端末3が画像処理装置2とネットワーク4を介して通信を行うものであり、例えばNICなどで構成される。
【0047】
制御部30は、図示を省略するCPUなどのハードウェアプロセッサーと、記憶部とを有している。記憶部には、ハードウェアプロセッサーによって実行されるプログラムが予め記憶されている。ハードウェアプロセッサーは、そのプログラムを読み出して実行することにより、制御部30をブラウザ34として機能させる。
【0048】
ブラウザ34は、Webサーバーによって提供されるWebページを取得して表示部31に表示すると共に、操作部32を介してWebページに対するユーザーの操作を受け付け、ユーザーの操作を示す操作情報を生成してWebサーバーに出力する。ブラウザ34は、画像処理装置2にアクセスすることにより、操作パネル5の表示部5aに表示されている操作画面と同じ操作画面を表示部31に表示する。ブラウザ34は、その操作画面に対するユーザーの操作を受け付け、ユーザーの操作を示す操作情報を生成して画像処理装置2へ送信する。これにより、情報処理端末3は、画像処理装置2を遠隔操作することができる。
【0049】
図3は、画像処理装置2に表示される操作画面と、情報処理端末3の表示部31に表示される表示画面とを示す図である。
図3(a)は、画像処理装置2の表示部5aに表示される操作画面G10の例を示している。
図3(a)に示す操作画面G10は、例えば操作パネル5に表示される複数の操作画面のトップ画面の例であり、ユーザーに使用する機能の選択操作を促す画面である。この操作画面G10には、ユーザーが操作可能な複数の操作ボタンが表示されている。例えば、ユーザーが画像処理装置2を使用してコピージョブなどを実行したい場合、操作画面G10において表示される「コピー」の操作ボタンを操作すれば良い。また、管理者やサービスマンが画像処理装置2に対する設定操作を行いたい場合、操作画面G10において表示される「設定メニュー」の操作ボタンを操作すれば良い。
【0050】
図3(b)は、情報処理端末3の表示部31に表示される操作画面G20の例を示している。
図3(b)に示す操作画面G20は、ブラウザ34によって表示される画面である。この操作画面G20には、RPAに関する操作ボタンB1,B2を表示する表示領域R1と、画像処理装置2の操作パネル5に表示されている操作画面G10と同じ操作画面G10を表示する表示領域R2とが含まれる。表示領域R1,R2を含む画面は、例えば画像処理装置2の遠隔操作受付部26によって生成される。そのため、ブラウザ34は、画像処理装置2から受信したWebページをそのまま表示部31に表示することで、
図3(b)に示す操作画面G20を表示部31に表示することができる。
【0051】
表示領域R1には、RPA作成を指示する操作ボタンB1と、RPA実行を指示する操作ボタンB2とが含まれる。画像処理装置2にRPAの作成を指示するとき、ユーザーは、操作ボタンB1を操作してから表示領域R2において表示される操作画面G10に対する操作を行う。これにより、ユーザーの操作画面G10に対する操作が画像処理装置2において順次記録されていき、ユーザーによって行われた複数の操作手順が登録されたRPAとして作成される。ユーザーの操作によって画像処理装置2において表示される操作画面G10が別の画面に切り替わると、表示領域R2に表示される操作画面G10も同様に別の画面に切り替わる。そのため、ユーザーは、表示領域R2の画面に対して操作を行っていくことにより、画像処理装置2の操作パネル5に対する操作と同様の操作を遠隔で行うことができる。また、操作ボタンB1が操作され、RPAの作成が開始されると、表示領域R1の操作ボタンB1はRPAの作成終了を指示するボタンに切り替わる。そのため、ユーザーは、RPAの作成を終了させるときには再度操作ボタンB1を操作すれば良い。
【0052】
また、画像処理装置2にRPAの実行を指示するとき、ユーザーは、操作ボタンB2を操作すれば良い。操作ボタンB2が操作されることに伴い、画像処理装置2において既に記憶されているRPAの実行が開始される。これにより、ユーザーによって予め登録された複数の操作手順が画像処理装置2において自動実行される。そのため、ユーザーは、表示領域R2の操作画面G10に対する操作を行わなくても画像処理装置2に所望の処理を実行させることができる。
【0053】
図4は、RPA作成時の動作フローを示す図である。ユーザーが情報処理端末3に対してRPA作成を指示すると、情報処理端末3から画像処理装置2にRPA作成指示が送信される。画像処理装置2は、情報処理端末3からRPA作成指示を受信すると、RPA登録部27を機能させ、RPA作成のための動作を開始させる。
【0054】
ユーザーは、情報処理端末3にRPA作成を指示した後、表示領域R2に表示される操作画面G10に対する操作を順次行う。情報処理端末3は、ユーザーによる操作を検知すると、その操作を示す操作情報を生成し、操作情報を画像処理装置2へ送信する。例えば、操作情報には、表示部31の表示サイズ及び表示解像度、表示領域R2の表示サイズ及び表示位置、ユーザーによって操作された位置を示す座標情報、並びに、ユーザーによって操作された操作ボタンを識別可能なボタン情報などが含まれる。したがって、画像処理装置2は、情報処理端末3から取得する操作情報を解析することにより、情報処理端末3を操作するユーザーによってどのような操作ボタンが操作されたのかを把握することが可能であり、ユーザーの遠隔操作を画像処理装置2に反映させることができる。また、RPA登録部27は、情報処理端末3から操作情報を取得する度に、その操作情報を一時的に記憶する。例えば、RPA登録部27は、ユーザーの操作順序に従って操作情報を記憶部11に一時的に保存していく。
【0055】
ユーザーは、画像処理装置2に対する一連の操作を行った後、RPA作成終了を指示する。これにより、情報処理端末3から画像処理装置2にRPA作成終了指示が送信される。RPA登録部27は、情報処理端末3からRPA作成終了指示を受信すると、それまでに記憶部11に一時的に保存しておいた操作情報を読み出し、複数の操作手順を示す操作手順情報18を生成し、その操作手順情報18を含むRPA17を作成して記憶部11に保存する。以上で、画像処理装置2に複数の操作手順を予め登録したRPA17が保存される。
【0056】
ところで、RPA登録部27がユーザーの遠隔操作に基づいてRPA17を作成している途中の段階で、操作パネル5の表示部5aに認証画面が表示されることがある。
図5は、画像処理装置2と情報処理端末3のそれぞれに表示される認証画面G11を例示する図である。
図5(a)は、画像処理装置2の表示部5aに表示される認証画面G11の例を示している。
図5(a)に示す認証画面G11は、例えばユーザーによって入力される認証情報を表示する認証情報表示欄と、ユーザーが認証情報を入力するためのキーボードやテンキーなどのソフトキーとが表示される。RPA作成時において、操作パネル5の表示部5aに認証画面G11が表示されると、情報処理端末3の表示部31には、
図5(b)に示すような操作画面G20が表示される。すなわち、操作画面G20の表示領域R2には、画像処理装置2の操作パネル5に表示されている認証画面G11と同じ認証画面G11が表示される。そのため、ユーザーは、情報処理端末3において表示される認証画面G11のソフトキーに対するボタン操作を行うことにより、パスワードなどの認証情報を入力することができる。ユーザーによって入力される認証情報は、一文字ずつ操作情報としてRPA登録部27によって記録される。そのため、画像処理装置2においてRPA17が作成されると、そのRPA17の操作手順情報には、ユーザーを認証するための認証情報を入力するための操作手順が含まれることになる。
【0057】
図6は、RPA作成時における画像処理装置2の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、主としてRPA登録部27によって行われる。画像処理装置2は、RPA作成指示を検知すると、情報処理端末3から操作情報を取得したか否かを判断し(ステップS10)、操作情報を取得した場合(ステップS10でYES)、その操作情報を記憶する(ステップS11)。尚、操作情報を取得していない場合、ステップS11の処理はスキップする。
【0058】
次に画像処理装置2は、情報処理端末3からRPA作成終了が指示されたか否かを判断する(ステップS12)。RPA作成終了が指示されていない場合(ステップS12でNO)、画像処理装置2による処理はステップS10に戻り、上述した処理を繰り返す。この繰り返しによって、情報処理端末3から順次取得する操作情報が蓄積されていく。一方、RPA作成が指示された場合(ステップS12でYES)、画像処理装置2は、それまでに蓄積した操作情報を読み出し(ステップS13)、操作手順情報18を生成する(ステップS14)。そして画像処理装置2は、操作手順情報18を含むRPA17を生成し、記憶部11に保存する(ステップS15)。以上で、RPA作成時の処理が終了する。
【0059】
次に、
図7は、RPA実行時の動作フローを示す図である。ユーザーが情報処理端末3に対してRPA実行を指示すると、情報処理端末3から画像処理装置2にRPA実行指示が送信される。画像処理装置2は、情報処理端末3からRPA実行指示を受信すると、RPA実行部28を機能させ、RPA17の実行動作を開始させる。
【0060】
RPA実行部28は、RPA17の実行を開始すると、そのRPA17に記録されている操作手順情報18を読み出す。RPA実行部28は、その操作手順情報18に基づき、操作パネル5に表示されている操作画面G10に対する自動操作を順次行っていく。そして操作手順情報18に記録されている全ての操作の自動実行が完了すると、RPAの実行を終了させる。
【0061】
上記のようにRPA実行部28がRPA17を実行しているとき、操作パネル5の表示部5aに認証画面が表示されることがある。RPA実行部28は、その認証画面に対して認証情報を自動入力することができる。しかし、情報処理端末3からの遠隔操作によって画像処理装置2がRPA17を実行しているとき、画像処理装置2の近くに第三者が居ると、その第三者によって自動入力される認証情報が見られてしまい、認証情報が漏れる可能性がある。これを防止するため、RPA実行部28は、RPA17の実行中に、操作パネル5の表示部5aに表示される操作画面を監視する。RPA実行部28は、操作手順情報18に基づいて自動操作を行っていく過程において、表示部5aに表示される操作画面が認証画面に切り替わったことを検知すると、表示制御部20を介して認証画面を加工し、認証画面に自動入力される情報を視認不可能な状態とする。
【0062】
図8は、表示部5aに表示される認証画面G11の加工例を示す図である。例えば、RPA実行部28は、認証画面G11に含まれる認証情報表示欄とソフトキーとが非表示となるように認証画面G11を加工する。これにより、
図8(a)に示すように、操作パネル5の表示部5aに表示される認証画面G11は、認証情報表示欄とソフトキーとを表示する表示領域R4が非表示状態となり、RPA実行部28によって自動入力される認証情報を視認することができない画面となる。
【0063】
図8(a)に示すような認証画面G11が画像処理装置2において表示されると、情報処理端末3において表示される操作画面G20は、
図8(b)に示すような画面となる。すなわち、情報処理端末3において表示領域R2に表示される認証画面G11も画像処理装置2と同様に、表示領域R4に対応する部分が非表示状態となる。これにより、情報処理端末3を使用しているユーザーは、画像処理装置2において表示されている認証画面G11において認証情報の入力操作を行う画像コンテンツが非表示となっていることを確認することができる。
【0064】
RPA実行部28は、
図8に示すように認証画面G11の表示領域R4を非表示した後に、認証画面G11に対する認証情報の自動入力を開始する。すなわち、RPA実行部28は、認証情報を表示制御部20及び動作制御部22のそれぞれに出力する。これにより、ユーザー認証部23は、表示部5aにソフトキーなどが表示されていない状態であっても、RPA実行部28から認証情報を取得し、その認証情報に基づいてユーザー認証を行うことができる。
【0065】
RPA実行部28による認証画面G11の加工態様は、上述のように、認証情報表示欄とソフトキーとが表示される表示領域R4を非表示状態とする態様には限られない。例えば、RPA実行部28は、認証画面G11の全体を非表示とするようにしても良いし、表示部5aの表示画面をブラックアウトさせることにより認証画面G11を視認できないようにしても良い。また、RPA実行部28は、非表示とする以外に、認証画面G11上に別の画像を重ねて表示することにより、別の画面が認証画面G11を隠蔽し、認証画面G11に自動入力される認証情報が視認されないような加工を行うようにしても良い。
【0066】
図9は、RPA実行時における画像処理装置2の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、主としてRPA実行部28によって行われる。画像処理装置2は、RPA実行指示を検知すると、記憶部11に保存されているRPA17を読み出す(ステップS20)。このとき、記憶部11には複数のRPA17が保存されていることもある。その場合、RPA実行部28は、遠隔操作受付部26を介して情報処理端末3に、複数のRPA17の一覧画面を表示し、情報処理端末3のユーザーによるRPA17の選択操作を受け付ける。そしてRPA実行部28は、ユーザーによって選択されたRPA17を記憶部11から読み出す。記憶部11から実行対象となるRPA17を読み出すと、RPA実行部28は、読み出したRPA17の実行を開始する(ステップS21)。
【0067】
RPA17の実行を開始すると、RPA実行部28は、操作手順情報18を読み出す(ステップS22)。続いて、RPA実行部28は、表示部5aに表示されている操作画面G10の判定処理を行い(ステップS23)、操作画面G10が認証画面G11であるか否かを判断する(ステップS24)。操作画面G10が認証画面G11でない場合(ステップS24でNO)、RPA実行部28による処理はステップS26へ進む。これに対し、操作画面G10が認証画面G11である場合(ステップS24でYES)、RPA実行部28は、認証画面G11を加工し、認証画面G11に自動入力される認証情報を視認不可能な状態とする(ステップS25)。つまり、RPA実行部28は、認証画面G11に対する認証情報の自動入力を開始する前に、認証情報を視認できない状態に認証画面G11を加工する。
【0068】
続いて、RPA実行部28は、ステップS22で読み出して操作手順情報に基づき、自動操作を行う(ステップS26)。このとき、RPA実行部28によって認証情報が入力される場合には、既に認証画面G11が加工されているため、画像処理装置2の近くに第三者が居る場合であっても、第三者に認証情報が漏れることを回避することができる。
【0069】
次に、RPA実行部28は、次の操作があるか否かを判断し(ステップS27)、次の操作がある場合(ステップS27でYES)、ステップS23以降の処理を繰り返し実行する。このとき、操作画面G10が認証画面G11から別の画面に遷移していれば、表示部5aには認証画面G11とは異なる画面が正常表示される。RPA実行部28は、ステップS23~S27の処理を繰り返し行うことにより、RPA17に登録されている一連の操作を指定された順序で自動実行することができる。これに対し、次の操作がない場合(ステップS27でNO)、RPA実行部28は、RPA17の実行を終了させる(ステップS28)。以上で、RPA実行時の処理が終了する。
【0070】
以上のように、本実施形態の画像処理装置2は、操作画面G10を表示する表示部5aと、表示部5aに表示される操作画面G10を情報処理端末3に送信し、情報処理端末3による操作画面G10に対する遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部26と、情報処理端末3による遠隔操作に基づき、複数の操作手順が予め登録されたRPA17を自動実行するRPA実行部28とを備えている。そして、RPA実行部28は、RPA17の実行中に、表示部5aに認証画面G11が表示されるとき、認証画面G11を加工して認証画面G11に自動入力される情報を視認不可能な状態とする構成である。このような構成を備えることにより、画像処理装置2は、RPA17の実行中に認証画面G11を表示する状態となっても、認証画面G11に自動入力される情報が第三者に漏れてしまうことを防止することができる。
【0071】
また、表示制御部20は、セキュリティ向上のため、操作パネル5の表示部5aに認証画面G11を表示する際にソフトキーのボタン配列を毎回ランダムに変更するものであっても構わない。上述したように、操作手順情報18に記録される操作情報には、ユーザーによって操作された操作ボタンを識別可能なボタン情報が含まれている。そのため、表示制御部20によって認証画面G11におけるボタン配列が毎回異なる場合であっても、RPA実行部28は、ボタン情報に基づいてソフトキーに含まれる複数の操作ボタンのうちから自動操作すべき操作ボタンを選択することが可能であり、認証情報を自動入力することができる。
【0072】
また、上記においては、主としてRPA17の実行中に、認証画面G11を加工し、認証画面G11に自動入力される情報を視認不可能な状態とする例を説明した。しかし、RPA17の作成中においても、第三者に認証情報がなるべく見られないようにすることが好ましい。例えば、情報処理端末3によって画像処理装置2が遠隔操作されているとき、情報処理端末3のポインティングデバイスの動作軌跡が画像処理装置2の表示部5aにも表示されてしまうことがある。ポインティングデバイスの動作軌跡が表示部5aにおいて表示されてしまうと、認証画面G11に入力される認証情報が第三者によって見られてしまう可能性がある。これを防止するため、RPA登録部27は、RPA17の作成中に、表示部5aに認証画面G11が表示されるとき、情報処理端末3において表示されるポインティングデバイスの動作軌跡を非表示にする命令を情報処理端末3へ送信するようにすることが好ましい。これにより、情報処理端末3では、マウス操作などによるポインティングデバイスの動作軌跡が表示されなくなる。その結果、画像処理装置2の表示部5aにおいてもポインティングデバイスの動作軌跡が表示されなくなるため、認証画面G11に入力される認証情報が第三者に漏れることを防止することができる。
【0073】
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。上記第1実施形態では、画像処理装置2においてRPAが保存されると共に、RPAが実行される形態を例示した。本実施形態では、情報処理端末3においてRPAが保存されると共に、RPAが実行される形態を説明する。
【0074】
図10は、本実施形態における画像処理システム1の機能構成の一例を示すブロック図である。
図10に示す構成が、
図2に示した構成と異なる点は、RPA登録部及びRPA実行部が情報処理端末3に設けられ、画像処理装置2には設けられていない点である。
【0075】
情報処理端末3は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライ(SSD)などで構成される記憶部35を有している。この記憶部35には、制御部30のハードウェアプロセッサー(図示省略)によって実行されるプログラム36が記憶されている。また、記憶部35には、RPA35が記憶される。制御部30のハードウェアプロセッサーは、記憶部35のプログラム36を読み出して実行することにより、制御部30を、ブラウザ34、RPA登録部41、及び、RPA実行部42として機能させる。
【0076】
ブラウザ34は、第1実施形態と同様、画像処理装置2にアクセスすることにより、遠隔操作受付部26から提供されるWebページを取得し、そのWebページを表示部31に表示する。このWebページには、操作パネル5の表示部5aに表示されている操作画面G10が含まれる。
【0077】
RPA登録部41は、第1実施形態で説明したRPA登録部27と同様の機能を有している。すなわち、RPA登録部41は、ブラウザ34が画像処理装置2にアクセスしている状態で操作画面G10に対するユーザーの操作を記憶し、操作手順情報18を生成する。そしてRPA登録部41は、操作手順情報38を含むRPA37を生成し、RPA37を記憶部35に保存する。尚、操作手順情報38は、第1実施形態の操作手順情報18と同様、例えばRPA37の実行中に動作するスクリプトして記述される。
【0078】
RPA実行部42は、第1実施形態で説明したRPA実行部28と同様の機能を有している。すなわち、RPA実行部42は、ブラウザ34が画像処理装置2にアクセスしている状態で記憶部35からRPA37を読み出し、RPA37に記録されている操作手順情報38に基づき、ブラウザ34によって表示されている操作画面G10に対して自動操作を実行する。
【0079】
図11は、RPA作成時の動作フローを示す図である。ユーザーが情報処理端末3に対してRPA作成を指示すると、情報処理端末3においてRPA登録部41が機能し、RPA作成のための動作を開始する。
【0080】
ユーザーは、情報処理端末3にRPA作成を指示した後、操作画面G20の表示領域R2に表示される操作画面G10に対する操作を順次行う。情報処理端末3は、ユーザーによる操作を検知すると、その操作を示す操作情報を生成し、操作情報を画像処理装置2へ送信する。このとき、RPA登録部41は、操作情報を取得し、その操作情報を一時的に記憶する。例えば、RPA登録部41は、ユーザーの操作順序に従って操作情報を記憶部35に一時的に保存していく。
【0081】
ユーザーは、画像処理装置2に対する一連の操作を行った後、RPA作成終了を指示する。RPA登録部41は、ユーザーによるRPA作成終了指示を検知すると、それまでに記憶部11に一時的に保存しておいた操作情報を読み出し、複数の操作手順を示す操作手順情報38を生成し、その操作手順情報38を含むRPA37を作成して記憶部35に保存する。以上で、情報処理端末3に複数の操作手順を予め登録したRPA37が保存される。
【0082】
図12は、RPA実行時の動作フローを示す図である。ユーザーが情報処理端末3に対してRPA実行を指示すると、情報処理端末3においてRPA実行部42が機能し、RPA37の実行動作を開始させる。
【0083】
RPA実行部42は、RPA37の実行を開始すると、そのRPA37に記録されている操作手順情報38を読み出す。RPA実行部42は、その操作手順情報38に基づき、操作画面G20の表示領域R2に表示される操作画面G10に対する自動操作を順次行っていく。そして操作手順情報38に記録されている全ての操作の自動実行が完了すると、RPAの実行を終了させる。
【0084】
RPA実行部42がRPA37を実行しているとき、画像処理装置2の表示部5aに認証画面が表示されることがある。RPA実行部42は、その認証画面に対して認証情報を自動入力することができる。しかし、情報処理端末3がRPA37を実行することによって画像処理装置2を遠隔操作しているとき、画像処理装置2の近くに第三者が居ると、その第三者によって自動入力される認証情報が見られてしまい、認証情報が漏れる可能性がある。これを防止するため、RPA実行部42は、RPA37の実行中に、操作パネル5の表示部5aに表示される操作画面を監視する。情報処理端末3の表示部31には、画像処理装置2の操作パネル5と同じ操作画面が表示される。そのため、RPA実行部42は、ブラウザ34によって表示部31に表示される操作画面G10を監視することにより,操作パネル5の表示部5aに表示される操作画面を監視することができる。RPA実行部42は、操作手順情報38に基づいて自動操作を行っていく過程において、表示部31に表示される操作画面G10が認証画面G11に切り替わったことを検知すると、画像処理装置2に対して画面加工指示を送信する。このとき、RPA実行部42は、認証画面G11を非表示に切り替えることを指示しても構わない。画像処理装置2は、その画面加工指示を受信すると、表示制御部20を介して認証画面G11を加工し、認証画面G11に自動入力される情報を視認不可能な状態とする。
【0085】
図13は、RPA実行時における情報処理端末3の処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、主としてRPA実行部42によって行われる。情報処理端末3は、ユーザーによるRPA実行指示を検知すると、記憶部35に保存されているRPA37を読み出す(ステップS30)。このとき、記憶部35には複数のRPA37が保存されていることもある。その場合、RPA実行部42は、ブラウザ34を介して複数のRPA37の一覧画面を表示し、ユーザーによるRPA37の選択操作を受け付ける。そしてRPA実行部42は、ユーザーによって選択されたRPA37を記憶部35から読み出す。記憶部35から実行対象となるRPA17を読み出すと、RPA実行部42は、読み出したRPA37の実行を開始する(ステップS31)。
【0086】
RPA37の実行を開始すると、RPA実行部42は、操作手順情報38を読み出す(ステップS32)。続いて、RPA実行部42は、表示領域R2に表示されている操作画面G10の判定処理を行い(ステップS33)、操作画面G10が認証画面G11であるか否かを判断する(ステップS34)。操作画面G10が認証画面G11でない場合(ステップS34でNO)、RPA実行部42による処理はステップS36へ進む。これに対し、操作画面G10が認証画面G11である場合(ステップS34でYES)、RPA実行部42は、画像処理装置2に対して画面加工指示を送信する(ステップS35)。すなわち、RPA実行部42は、認証画面G11に対する認証情報の自動入力を開始する前に、画面加工指示を送信する。これにより、画像処理装置2において、表示部5aに表示される認証画面G11が加工され、認証画面G11に自動入力される認証情報が視認不可能な状態となる。
【0087】
続いて、RPA実行部42は、ステップS32で読み出して操作手順情報38に基づき、自動操作を行う(ステップS36)。このとき、RPA実行部42によって認証情報が入力される場合には、既に認証画面G11が加工されているため、画像処理装置2の近くに第三者が居る場合であっても、第三者に認証情報が漏れることを回避することができる。
【0088】
次に、RPA実行部42は、次の操作があるか否かを判断し(ステップS37)、次の操作がある場合(ステップS37でYES)、ステップS33以降の処理を繰り返し実行する。このとき、操作画面G10が認証画面G11から別の画面に遷移していれば、表示部5aには認証画面G11とは異なる画面が正常表示される。RPA実行部42は、ステップS33~S37の処理を繰り返し行うことにより、RPA37に登録されている一連の操作を指定された順序で自動実行することができる。これに対し、次の操作がない場合(ステップS37でNO)、RPA実行部42は、RPA37の実行を終了させる(ステップS38)。以上で、RPA実行時の処理が終了する。
【0089】
以上のように、本実施形態の情報処理端末3は、画像処理装置2に対する複数の操作手順が予め登録されたRPA37を記憶する記憶部35と、RPA35を実行することにより複数の操作手順を自動で実行するRPA実行部42とを備えている。そして、RPA実行部42は、RPA37の実行中に、画像処理装置2において認証画面G11が表示されるとき、画像処理装置2に画面加工指示を送信して認証画面G11を加工させることにより、認証画面G11に自動入力される情報を第三者が視認不可能な状態にする構成である。このような構成を備えることにより、情報処理端末3は、RPA37の実行中に画像処理装置2において認証画面G11が表示される状態となっても、認証画面G11に自動入力される情報が第三者に漏れてしまうことを防止することができる。
【0090】
特に本実施形態では、画像処理装置2に対する複数の操作手順を記録した操作手順情報38が情報処理端末3において保持される。そのため、例えば管理者やサービスマンが複数の画像処理装置2に対して同じ設定作業を行う場合に各画像処理装置2の設置場所へ移動することなく、設定作業を遠隔操作で行うことが可能であり、作業効率が向上する。
【0091】
尚、本実施形態において上述した点以外の構成及び動作は、第1実施形態で説明した構成及び動作と同様である。
【0092】
(変形例)
以上、本発明に関する好ましい実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態において説明した内容のものに限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。
【0093】
例えば上記各実施形態では、画像処理装置2と情報処理端末3のいずれか一方でRPA17,37を実行する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、画像処理装置2と情報処理端末3との双方でRPA17,37を実行する構成を採用しても構わない。例えば情報処理端末3で実行するRPA37が、画像処理装置2にRPA17を実行させる操作手順を含んでいても良い。この場合、情報処理端末3においてRPA37が実行されているときに、画像処理装置2においてRPA17を自動的に実行することができる。そのため、例えば認証画面G11に対して認証情報を自動入力する操作手順を画像処理装置2のRPA17に保存しておけば、認証情報を情報処理端末3に保存しておく必要がない。それ故、セキュリティの高い画像処理システム1を構築できるという利点がある。
【0094】
また、認証画面G11の加工態様としては、上記実施形態で説明した加工態様とは異なる態様を採用しても良い。例えば、通常状態において認証画面G11のソフトキーに対するボタン操作が行われた場合、表示制御部20は、
図14(a)に示すように、操作されたボタンに対し、アニメーションなどの操作アクション表示を行ってボタンの表示態様を変化させる。しかし、RPA実行中に、そのような操作アクション表示を行ってしまうと、第三者によって操作されたボタンが特定されてしまう可能性がある。そのため、RPA実行中における認証画面G11の加工は、操作アクション表示を非表示とする可能であっても構わない。これにより、RPA実行中に操作ボタンが自動操作された場合であっても、
図14(b)に示すように操作されたボタンの表示態様が変化しないため、第三者によって操作されたボタンが特定されることを防ぐことができる。
【0095】
また、上記実施形態では、RPA17,37の実行中に画像処理装置2において認証画面G11が表示されるとき、認証画面G11を加工して認証画面G11に自動入力される情報を第三者が視認不可能な状態とすることを説明した。しかし、これに限られるものではない。例えば、RPA登録部27,41は、RPA17,37の作成中に画像処理装置2で認証画面G11が表示されるとき、認証画面G11を加工して認証画面G11に入力される情報を第三者が視認不可能な状態とする構成であっても構わない。この場合、ユーザーは、情報処理端末3のキーボードなどを利用して認証情報を入力することができるため、認証画面G11においてソフトキーなどが非表示であっても認証情報を手動操作で入力することが可能である。
【0096】
また、上記各実施形態で説明したプログラム16,36は、画像処理装置2又は情報処理端末3に予め記憶されているものに限られない。すなわち、画像処理装置2又は情報処理端末3において実行されるプログラム16,36は、それ単体で取引の対象となるものであっても構わない。この場合、プログラム16,36は、インターネットなどのネットワークを介してダウンロード可能な態様で提供されるものであっても良いし、またCD-ROMなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された状態で提供されるものであっても良い。
【符号の説明】
【0097】
1 画像処理システム
2 画像処理装置
3 情報処理端末
5 操作パネル
5a 表示部
16,36 プログラム
17,37 RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)
20 表示制御部
26 遠隔操作受付部
27,41 RPA登録部
28,42 RPA実行部