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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112574
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】送風機
(51)【国際特許分類】
   F04D 29/44 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
F04D29/44 P
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017709
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中嶋 隆裕
(72)【発明者】
【氏名】石井 文也
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB45
3H130AC11
3H130BA14B
3H130CA03
3H130DD01Z
3H130EA06B
3H130EA07B
3H130EB01B
3H130EB02A
3H130EC12B
3H130EC17B
(57)【要約】
【課題】多翼ファン40の複数の空気流路41aに吸気孔12aを通過した空気が吸い込まれる際に異音が生じることを抑える。
【解決手段】
多翼ファン40は、複数のブレード41が軸線Sを中心として回転方向一方側Raに回転することにより軸線方向Zaの一方側から吸気孔12aを通して空気を吸い込んで軸線Sを中心とする径方向外側に吹き出す。複数の予旋回ガイド50は、複数のブレード41の回転に伴って吸気孔12aを通して複数の空気流路41aに空気が吸い込まれる際に、空気を回転方向一方側Raに旋回させるように、吸気孔12aに軸線方向Zaの一方側から流入される空気を案内する。複数の予旋回ガイド50を設けることによって吸気孔12aを通過して軸線方向Zaの一方側に流れる空気が複数の空気流路41aに円滑に吸い込まれる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、軸線方向一方側に開口する吸気孔(12a)を有するケーシング(10B)と、
前記ケーシングに収納され、かつ前記軸線を中心とする円周方向に並べられている複数のブレード(41)を有し、前記複数のブレードのうち隣り合う2つのブレードの間に、空気流路(41a)を構成し、前記複数のブレードが前記軸線を中心として回転方向一方側に回転することにより前記軸線方向一方側から前記吸気孔を通して前記空気流路に空気を吸い込んでこの吸い込んだ空気を前記空気流路から前記軸線を中心とする径方向外側に吹き出す遠心ファン(40)と、
前記空気が前記回転方向一方側に旋回させながら前記遠心ファンの前記空気流路に吸い込まれるように、前記空気流路に吸い込まれる空気を案内する案内面(51)を有する少なくとも1つの以上のガイド(50)と、
を備える送風機。
【請求項2】
前記案内面は、前記軸線を中心とする径方向内側から径方向外側に向かうほど、回転方向他方側に進むように形成されている請求項1に記載の送風機。
【請求項3】
前記案内面は、前記少なくとも1つの以上のガイドのうち前記回転方向一方側に設けられている第1案内面(51)であり、
前記少なくとも1つの以上のガイドのうち前記回転方向他方側には、前記径方向内側から前記径方向外側に向かうほど前記回転方向他方側に進むように形成され、かつ前記空気が前記回転方向一方側に旋回させながら前記遠心ファンの前記空気流路に吸い込まれるように、前記空気流路に吸い込まれる空気を案内する第2案内面(52)が設けられている請求項2に記載の送風機。
【請求項4】
前記第1案内面は、前記回転方向一方側に凸となる円弧状に形成され、
前記第2案内面は、前記回転方向一方側に凹む円弧状に形成されている請求項3に記載の送風機。
【請求項5】
前記第1案内面および前記第2案内面の間の間隔を厚みとしたとき、
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記軸線を中心とする径方向外側から径方向内側に向かうほど、前記厚みが小さくなるように形成されている請求項3に記載の送風機。
【請求項6】
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記軸線を中心とする円周方向に間隔を開けて並べられている複数のガイドである請求項1に記載の送風機。
【請求項7】
前記複数のガイドは、前記円周方向に等間隔で並べられている請求項1に記載の送風機。
【請求項8】
前記ケーシングは、前記吸気孔を形成する吸気孔形成部(13)を備え、
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記吸気孔形成部に対して前記軸線を中心とする径方向内側に配置されている請求項1に記載の送風機。
【請求項9】
前記ケーシングは、前記吸気孔を形成する吸気孔形成部(13)を備え、
前記吸気孔形成部は、前記吸気孔のうち最も軸線方向他方側に位置する吸気孔端(12b)を囲むように形成する形成部端部(13a)を備え、
前記少なくとも1つ以上のガイドのうち前記吸気孔形成部に対して前記軸線を中心とする径方向内側に配置される領域をガイド内側領域(50A)としたとき、前記ガイド内側領域のうち前記軸線方向の他方側端部(50a)は、前記形成部端部に対して前記軸線方向の他方側に位置する請求項1に記載の送風機。
【請求項10】
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記ケーシングの外側に配置されており、
前記少なくとも1つの以上のガイドのうち前記軸線方向の一方側端部をガイド軸線方向一方側端部(54)としたとき、
前記少なくとも1つの以上のガイドにおいて、前記軸線を中心とする外側半分領域(50b)は、前記軸線を中心とする内側半分領域(50c)に比べて、前記ガイド軸線方向一方側端部が前記軸線方向の一方側に位置する請求項1に記載の送風機。
【請求項11】
前記1つの以上のガイドは、前記ケーシングに対して別体に設けられている請求項1に記載の送風機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、送風機では、軸線方向一方側に開口する吸気孔を有するケーシングと、このケーシング内に配置され、かつ軸線を中心とする円周方向に並べられている複数枚のブレードを有する遠心ファンとを備えるものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
遠心ファンが軸線を中心とする回転することにより、ケーシングに対して軸線方向一方側から吸気孔を通して複数枚のブレードのうち隣り合う2枚のブレード間に空気を吸い込んでこの吸い込んだ空気を回転させながら軸線を中心とする径方向外側に吹き出す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-105575号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1の送風機では、遠心ファンが回転することにより、ケーシングに対して軸線方向一方側から吸気孔を通して複数枚のブレードのうち隣り合う2枚のブレード間に空気を吸い込んでこの吸い込んだ空気を径方向外側に吹き出す。
【0006】
しかし、上述の如く軸線方向一方側から吸気孔を通して複数枚のブレードのうち隣り合う2枚のブレード間に吸い込まれる空気と、複数枚のブレードのうち隣り合う2枚のブレード間を径方向外側に吹き出される空気とは、流れる方向が大きく異なる。
【0007】
したがって、上述の如く、軸線方向一方側から吸気孔を通過する空気が複数枚のブレードのうち隣り合う2枚のブレード間に流入される際に空気流れに乱れが生じるため、騒音の発生の原因になる虞がある。
【0008】
本発明は上記点に鑑みて、騒音の発生を抑えるようにした送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、軸線方向一方側に開口する吸気孔(12a)を有するケーシング(10B)と、
ケーシングに収納され、かつ軸線を中心とする円周方向に並べられている複数のブレード(41)を有し、複数のブレードのうち隣り合う2つのブレードの間に、空気流路(41a)を構成し、複数のブレードが軸線を中心として回転方向一方側に回転することにより軸線方向一方側から吸気孔を通して空気流路に空気を吸い込んでこの吸い込んだ空気を空気流路から軸線を中心とする径方向外側に吹き出す遠心ファン(40)と、
空気が回転方向一方側に旋回させながら遠心ファンの空気流路に吸い込まれるように、空気流路に吸い込まれる空気を案内する案内面(51)を有する少なくとも1つの以上のガイド(50)と、を備える。
【0010】
したがって、請求項1に記載の発明によれば、少なくとも1つの以上のガイドを設けることによって、空気流路に吸い込まれる空気流の主流の方向と、空気流路を流れる空気流の主流の方向とを近づけることができる。
【0011】
このため、少なくとも1つの以上のガイドによって案内された空気が空気流路に円滑に吸い込まれる。これにより、空気流路に空気が吸い込まれる際に異音が生じることを未然に抑えることができる。
【0012】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1実施形態における車両用空調装置の断面構成を示す図であり、複数の予旋回ガイドおよび導風ケーシングの配置関係、および複数の予旋回ガイドによる旋回流の説明を補助するための断面図である。
図2】第1実施形態の車両用空調装置における図1中のII‐II断面図であり、車両用空調装置を構成する複数の予旋回ガイド、複数のブレード、および吸気孔形成部の位置関係の説明を補助するための図である。
図3】第2実施形態における車両用空調装置において、複数の予旋回ガイド、複数のブレード、および吸気孔形成部の位置関係の説明を補助するための図であり、図2に相当する断面図である。
図4】第3実施形態における車両用空調装置の断面構成を示す図であり、複数の予旋回ガイドおよび導風ケーシングの配置関係の説明を補助するための断面図であり、図1に相当する図である。
図5】第4実施形態における車両用空調装置の断面構成を示す図であり、複数の予旋回ガイドおよび導風ケーシングの配置関係の説明を補助するための断面図であり、図1に相当する図である。
図6】第5実施形態における車両用空調装置の断面構成を示す図であり、複数の予旋回ガイドおよび導風ケーシングの配置関係の説明を補助するための断面図であり、図1に相当する図である。
図7】第6実施形態における車両用空調装置において、複数の予旋回ガイド、複数のブレード、および吸気孔形成部の位置関係の説明を補助するための図であり、図2に相当する図である。
図8】第7実施形態における車両用空調装置において、複数の予旋回ガイド、複数のブレード、および吸気孔形成部の位置関係の説明を補助するための図であり、図2に相当する図である。
図9】第8実施形態における車両用空調装置の断面構成を示す図であり、複数の予旋回ガイドおよび吸気孔形成部の配置関係、および複数の予旋回ガイドによる旋回流の説明を補助するための断面図である。
図10】第8実施形態の車両用空調装置における図9中のX‐X断面図であり、ガイドユニット、複数の予旋回ガイドおよびリング部の位置関係の説明を補助するための断面図である。
図11】第8実施形態の車両用空調装置におけるスクロールケーシング10Bの天井部を、軸線を含む仮想面で切断した断面図であり、ガイドユニットの複数の予旋回ガイド、リング部の位置関係の説明を補助するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、説明の簡略化を図るべく、図中、同一符号を付してある。
【0015】
(第1実施形態)
図1図2に本第1実施形態の車両用空調装置の車室内空調ユニット1を示す。本実施形態の車室内空調ユニット1は、車室内に配置されて、車室内空気或いは車室外空気を吸入してこの吸入した空気を温度調整して車室内に吹き出す。
【0016】
具体的には、本実施形態の車室内空調ユニット1は、図1、および図2に示すように、導風ケーシング10A、スクロールケーシング10B、フィルタ20、熱交換器30、多翼ファン40、および複数の予旋回ガイド50を備える。
【0017】
図1は、導風ケーシング10Aを軸線Sに直交する面で切断した断面図であり、図2は、図1中のII‐II断面図である。図2において、軸線Sは、多翼ファン40の回転中心線であり、軸線方向Zaは、軸線Sが延びる方向である。
【0018】
導風ケーシング10Aは、例えば、樹脂材料、或いは金属材料等によって形成されて、軸線方向Zaの一方側から他方側に空気を流通させる空気流路11を形成する。空気流路11は、車室内空気、或いは車室外空気をスクロールケーシング10Bの吸気孔12aに導くための空気流路である。
【0019】
フィルタ20は、導風ケーシング10A内に配置されて、空気流路11を流れる空気を濾過する。
【0020】
熱交換器30は、導風ケーシング10A内に配置され、フィルタ20を通過した空気流路11内の空気と冷媒との間で熱交換させて空気を冷却する冷却用熱交換器である。
【0021】
なお、熱交換器30としては、フィルタ20を通過した空気流路11内の空気と冷媒との間で熱交換させて空気を加熱する加熱用熱交換器を用いてもよい。熱交換器30としては、冷却用熱交換器および加熱用熱交換器の双方を用いてもよい。
【0022】
スクロールケーシング10Bは、導風ケーシング10Aに対して軸線方向Zaの他方側に配置されている。スクロールケーシング10Bは、例えば、樹脂材料、或いは金属材料によって形成されている。スクロールケーシング10Bは、多翼ファン40を収納している。
【0023】
スクロールケーシング10Bは、多翼ファン40を軸線方向Zaの一方側から覆うように形成されている天井部12を備える。天井部12には、軸線方向Zaの一方側に開口されている吸気孔12aが設けられている。
【0024】
吸気孔12aは、導風ケーシング10Aの空気流路11内からスクロールケーシング10B内の多翼ファン40に空気流を導くための通気通路である。本実施形態の吸気孔12aは、軸線Sを中心とする円形状に形成されている。天井部12のうち吸気孔12aを構成する吸気孔形成部13は、ベルマウスを構成している。
【0025】
ベルマウスは、図2に示すように、軸線Sを含む仮想面で切断した断面図において、軸線方向Zaの一方側に凸となる円弧状に形成されている。ベルマウスは、軸線Sを中心とする円周方向の全体に亘って設けられている。
【0026】
ベルマウスは、導風ケーシング10Aの空気流路11の空気を軸線Sを中心とする径方向Kaの外側(すなわち、径方向外側)から軸線方向Zaの他方側に空気を円滑に導く役割を果たす。
【0027】
スクロールケーシング10Bには、多翼ファン40から吹き出される空気を吹き出す吹出口14が設けられている。
【0028】
多翼ファン40は、軸線Sを中心とする回転方向一方側Raに回転することにより、軸線方向Zaの一方側から吸気孔12aを通して流入される空気を軸線Sを中心とする径方向Kaの外側に吹き出す遠心ファンを構成する。
【0029】
本実施形態の多翼ファン40は、図1および図2に示すように、複数枚のブレード41、主板42、およびリング43を備えるターボファンである。
【0030】
複数枚のブレード41は、軸線Sを中心とする円周方向に等間隔で並べられている。複数枚のブレード41は、それぞれ、軸線Sを中心とする径方向Kaの外側から内側に向かうほど、回転方向一方側Raに進むように形成されている。
【0031】
複数枚のブレード41のうち隣り合う2枚のブレード41の間には、スクロールケーシング10Bの吸気孔12aを通して流入される空気を遠心力によって軸線Sを中心とする径方向Kaの外側に吹き出す空気流路41aが設けられている。
【0032】
主板42は、複数枚のブレード41に対して軸線方向Zaの他方側に配置されている。主板42は、軸線Sを中心とする円板状に形成されている。主板42は、複数枚のブレード41を軸線方向Zaの他方側から支える。
【0033】
リング43は、複数枚のブレード41に対して軸線方向Zaの一方側に配置されている。リング43は、軸線Sを中心とするリング状に形成されている。リング43は、複数枚のブレード41を軸線方向Zaの一方側から支える。
【0034】
複数枚のブレード41、主板42、およびリング43は、例えば、樹脂材料、或いは金属材料によって形成されている。本実施形態の多翼ファン40は、図示しない電動モータによって駆動されて、軸線Sを中心とする回転方向一方側Raに回転が可能になるように構成されている。
【0035】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、回転方向一方側Raに旋回させながら多翼ファン40の複数の空気流路41aに空気が吸い込まれるように、多翼ファン40の複数の空気流路41aに吸い込まれる空気を案内するガイドである。
【0036】
複数の予旋回ガイド50のそれぞれの軸線Sを中心とする径方向Kaの外側領域は、スクロールケーシング10Bの天井部12に対して軸線方向Zaの一方側に配置されている。すなわち、複数の予旋回ガイド50のそれぞれの軸線Sを中心とする径方向Kaの外側領域は、スクロールケーシング10Bの吸気孔12aの外側に配置されている。
【0037】
複数の予旋回ガイド50のそれぞれの軸線Sを中心とする径方向Kaの内側領域は、スクロールケーシング10Bの吸気孔12aに対して軸線Sを中心とする径方向Kaの内側(すなわち、径方向内側)に配置されている。
【0038】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、軸線Sを中心とする円周方向に並べられている。具体的には、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、軸線Sを中心とする円周方向に等間隔に並べられている。複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、吸気孔12aに対して軸線Sを中心とする径方向Kaの外側から内側に亘って形成されている。
【0039】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、天井部12および吸気孔形成部13から突起するように形成されている。複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、天井部12および吸気孔形成部13によって支持されている。
【0040】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、軸線Sを中心とする径方向Kaの内側から外側に向かうほど回転方向他方側Rbに進むように形成されている。回転方向他方側Rbは、回転方向一方側Raの反対側である。
【0041】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、側面51、52を備える。側面51は、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、回転方向一方側Raに形成されている第1案内面である。
【0042】
側面52は、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、回転方向他方側Rbに形成されている第2案内面である。側面51、52は、それぞれ、軸線Sを中心とする径方向Kaの内側から外側に向かうほど回転方向他方側Rbに進むように形成されている。
【0043】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、側面51、52の間の間隔を厚みとする薄板状に形成されている。複数の予旋回ガイド50のうち隣り合う2つの予旋回ガイド50の間に複数のガイド間流路53が設けられている。
【0044】
複数の予旋回ガイド50のそれぞれの側面51、52は、吸気孔12aを通過する空気が回転方向一方側Raに旋回させながら多翼ファン40の複数の空気流路41aに吸い込まれるように、複数のガイド間流路53に流れる空気を案内する案内面である。
【0045】
以下、説明の便宜上、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、吸気孔形成部13に対して軸線Sを中心とする径方向Kaの内側に配置される領域を複数のガイド内側領域50Aという。
【0046】
ここで、複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aは、図2に示すように、軸線方向Zaにおいて、吸気孔形成部13のうち軸線方向Zaの他方側の形成部端部13aと同一位置に設けられている。
【0047】
複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aは、スクロールケーシング10Bの天井部12のうち軸線方向Zaの他方側に位置する天井面12cに対して軸線方向Zaの一方側に位置する。
【0048】
形成部端部13aは、吸気孔12aのうち最も軸線方向Zaの他方側(すなわち、最も軸線方向他方側)に位置する吸気孔端12bを囲むように形成されている。本実施形態の複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、例えば、樹脂材料、或いは金属材料によって構成されている。
【0049】
具体的には、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、スクロールケーシング10Bと一体化されている一体化構成物を構成している。なお、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、スクロールケーシング10Bに対して別体に構成されている。本実施形態では、車室内空調ユニット1において、スクロールケーシング10B、多翼ファン40、および複数の予旋回ガイド50が送風機を構成している。
【0050】
次に、本実施形態の車室内空調ユニット1の作動について説明する。
【0051】
まず、多翼ファン40は、電動モータによって駆動されて、軸線Sを中心とする回転方向一方側Raに回転する。これに伴い、導風ケーシング10Aの空気流路11において、軸線方向Zaの一方側から他方側に流れる空気の流れが矢印Fの如く発生する。
【0052】
このとき、空気流路11の空気がフィルタ20を通過することによりフィルタ20によって濾過される。このフィルタ20によって濾過された空気は、熱交換器30を通過する際に、冷媒により冷却される。
【0053】
この冷却される空気は、複数の予旋回ガイド50のうち隣り合う2つの予旋回ガイド50の間のガイド間流路53を通過することにより、複数の予旋回ガイド50のそれぞれの側面51、52によって案内される。
【0054】
これにより、複数のガイド間流路53を通過した空気は、図1中の矢印Qの如く、回転方向一方側Raに旋回させながら、吸気孔12aを通過して多翼ファン40の複数の空気流路41aに吸い込まれる。
【0055】
すなわち、複数のガイド間流路53を通過した空気は、旋回流として吸気孔12aを通過して多翼ファン40の複数の空気流路41aに円滑に吸い込まれる。
【0056】
これら複数の空気流路41aのそれぞれに吸い込まれる空気は、回転方向一方側Raに回転しながら、遠心力によって軸線Sを中心とする径方向Kaの外側に吹き出される。
【0057】
これら多翼ファン40から吹き出される空気は、スクロールケーシング10Bによって集められて吹出口14から矢印Rの如く吹き出される。
【0058】
以上説明した本実施形態によれば、車室内空調ユニット1は、軸線Sが延びる方向を軸線方向Zaとしたとき、軸線方向Zaの一方側に開口する吸気孔12aを有するスクロールケーシング10Bを備える。
【0059】
多翼ファン40は、複数のブレード41が軸線Sを中心として回転方向一方側Raに回転することにより軸線方向Zaの一方側から吸気孔12aを通して空気を吸い込んで軸線Sを中心とする径方向Kaの外側に吹き出す遠心ファンである。
【0060】
複数のブレード41は、スクロールケーシング10Bに収納され、かつ軸線Sを中心とする円周方向に並べられている。複数のブレード41のうち隣り合う2つのブレード41の間に、空気流路41aを構成する。
【0061】
車室内空調ユニット1は、複数の予旋回ガイド50を備える。複数の予旋回ガイド50のそれぞれの側面51、52は、空気が回転方向一方側Raに旋回させながら複数の空気流路41aに吸い込まれるように複数の空気流路41aに吸い込まれる空気を案内する。
【0062】
したがって、複数の予旋回ガイド50を設けることによって、複数の空気流路41aに吸い込まれる空気流の主流の方向と、複数の空気流路41aを流れる空気流の主流の方向とを近づけることができる。
【0063】
このため、吸気孔12aを通過した空気流が複数の空気流路41aに円滑に吸い込まれる。したがって、吸気孔12aを通過した空気が複数の空気流路41aに吸い込まれる際に異音が生じることを未然に抑えることができる。
【0064】
本実施形態では、複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aは、吸気孔形成部13のうち軸線方向Zaの他方側の形成部端部13aと同一位置に設けられている。
【0065】
したがって、複数の予旋回ガイド50は、側面51および側面52が、空気を回転方向一方側Raに旋回させるように複数のガイド間流路53のそれぞれを通過する空気を良好に案内することができる。
【0066】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では、複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aが、軸線方向Zaにおいて、吸気孔形成部13のうち軸線方向Zaの他方側の形成部端部13aと同一位置に設けられている例について説明した。
【0067】
しかし、これに代えて、本第2実施形態では、図3に示すように、複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aは、吸気孔形成部13のうち軸線方向Zaの他方側の形成部端部13aに対して軸線方向Zaの他方側に配置されている。
【0068】
吸気孔形成部13のうち軸線方向Zaの他方側の形成部端部13aは、上述の如く、吸気孔12aのうち最も軸線方向Zaの他方側に位置する吸気孔端12bを囲むように形成されている。図3において、図2と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0069】
複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aは、スクロールケーシング10Bの天井部12のうち軸線方向Zaの他方側に位置する天井面12cに対して軸線方向Zaの他方側に位置する。
【0070】
吸気孔形成部13のうち軸線方向Zaの他方側の形成部端部13aは、天井面12cに対して軸線方向Zaの他方側に位置する。
【0071】
以上説明した本実施形態によれば、複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aは、上述の如く、吸気孔形成部13のうち軸線方向Zaの他方側の形成部端部13aに対して軸線方向Zaの他方側に配置されている。
【0072】
このため、上記第1実施形態に比べて、複数のガイド内側領域50Aのそれぞれの軸線方向Zaの他方側端部50aを多翼ファン40の複数の空気流路41aに近づけることができる。
【0073】
このため、上記第1実施形態に比べて、側面51、52によって、空気が多翼ファン40の複数の空気流路41aに回転方向一方側Raに旋回させながら吸入されるように、複数の空気流路41aに吸入される空気をより良好に案内することができる。
【0074】
(第3実施形態)
上記第1実施形態では、複数の予旋回ガイド50が薄板状に形成されている例について説明した。
【0075】
しかし、これに代えて、複数の予旋回ガイド50がそれぞれ回転方向一方側Raに凸となる湾曲状に形成されている本第3実施形態について図4を参照して説明する。図4において、図1と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0076】
本実施形態の複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、側面51、52を備える。側面51、52は、空気が回転方向一方側Raに旋回させながら多翼ファン40の複数の空気流路41aに吸い込まれるように、複数のガイド間流路53を通過する空気を案内する案内面である。
【0077】
側面51は、回転方向一方側Raに凸となる円弧状に形成されている。側面52は、回転方向一方側Raに凹む円弧状に形成されている。
【0078】
換言すれば、側面51は、軸線Sに直交する仮想面で切断した断面図において、回転方向一方側Raに凸となる円弧状に形成されている。側面52は、軸線Sに直交する仮想面で切断した断面図において、回転方向一方側Raに凹む円弧状に形成されている。
【0079】
以上により、側面51および側面52によって、空気が回転方向一方側Raに旋回させながら多翼ファン40の複数の空気流路41aに吸い込まれるように、複数のガイド間流路53を通過する空気を適切に案内することができる。
【0080】
(第4実施形態)
上記第3実施形態では、複数の予旋回ガイド50がそれぞれ回転方向一方側Raに凸となる湾曲状に形成されている例について説明した。
【0081】
しかし、これに加えて、本第4実施形態では、図5に示すように、複数の予旋回ガイド50がそれぞれ軸線Sを中心とする径方向Kaの外側から内側に向かうほど厚みが小さくなる形成されている。
【0082】
厚みとは、側面51、52を結ぶ方向である厚み方向の寸法である。すなわち、厚みとは、側面51、52の間の間隔である。図5において、図1と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0083】
以上説明した本実施形態によれば、側面51、52によって、空気が多翼ファン40の複数の空気流路41aに回転方向一方側Raに旋回させながら吸入されるように、複数の空気流路41aに吸入される空気をより良好に案内することができる。
【0084】
(第5実施形態)
上記第1実施形態では、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、軸線Sを中心とする円周方向に等間隔に並べられている例について説明した。しかし、これに代えて、本第5実施形態では、図6に示すように、複数の予旋回ガイド50のうち2つの予旋回ガイド50の間の間隔が不均等になるように配置されている。
【0085】
本実施形態では、複数の予旋回ガイド50は、異なる2つ以上の間隔を形成するように軸線Sを中心とする円周方向に間隔を開けて並べられている。図6において、図1と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0086】
(第6実施形態)
上記第1実施形態では、車室内空調ユニット1において、10個の予旋回ガイド50を設けた例について説明した。しかし、これに限らず、本第6実施形態では、車室内空調ユニット1において、予旋回ガイド50の個数は1つ以上であればよく、例えば、図7に示すように、2つの予旋回ガイド50を設けるようにしてもよい。図7において、図1と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0087】
(第7実施形態)
本第7実施形態では、上記第1実施形態の複数の予旋回ガイド50において、軸線方向Zaの一方側端部54が軸線Sを中心とする径方向Kaの内側から外側に進むほど、軸線方向Zaの一方側に向かうように形成されている例について図8を参照して説明する。図8において、図2と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0088】
本実施形態では、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、導風ケーシング10Aの内部に配置されている。複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、スクロールケーシング10Bの外側に配置されている。
【0089】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、上記第1実施形態と同様に、側面51、52を備える。側面51は、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、回転方向一方側Raに形成されている第1案内面である。
【0090】
側面52は、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、回転方向他方側Rbに形成されている第2案内面である。 側面51、52は、それぞれ、軸線Sを中心とする径方向Kaの内側から外側に向かうほど回転方向他方側Rbに進むように形成されている。
【0091】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、スクロールケーシング10Bの天井部12に対して軸線方向Zaの一方側に配置されている。複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、吸気孔形成部13に対して軸線Sを中心とする径方向Kaの外側に配置されている。
【0092】
以下、説明の便宜上、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、軸線Sを中心とする径方向Kaの外側の半分領域を外側半分領域50bとする。複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、軸線Sを中心とする径方向Kaの内側半分の領域を内側半分領域50cとする。
【0093】
図8において、境界Eは、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、軸線Sを中心とする径方向Kaの中心を示しており、外側半分領域50bと内側半分領域50cとの間の境界を示している。
【0094】
本実施形態では、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、軸線Sを中心とする径方向Kaの外側端部と境界Eとの間の距離と、軸線Sを中心とする径方向Kaの内側端部と境界Eとの間の距離とが同一になっている。
【0095】
本実施形態の複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、軸線方向Zaの一方側端部54(すなわち、ガイド軸線方向一方側端部)が軸線Sを中心とする径方向Kaの内側から外側に向かうほど軸線方向Zaの一方側に進むように形成されている。
【0096】
このため、側面51、52のそれぞれの軸線方向Zaの寸法が軸線Sを中心とする径方向Ka内側から外側に向かうほど、大きくなる。
【0097】
すなわち、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、外側半分領域50bのうち軸線方向Zaの一方側端部54は、内側半分領域50cのうち軸線方向Zaの一方側端部54に比べて、軸線方向Zaの一方側に配置されている。図8において、図2と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0098】
これにより、本実施形態の複数の予旋回ガイド50は、上記第1実施形態に比べて、径方向Kaの外側において、より多くの風量の空気を回転方向一方側Raに旋回させながら多翼ファン40に吸い込まれるように案内することができる。
【0099】
ここで、導風ケーシング10A内では、軸線Sを中心とする径方向Kaの外側に比べて、径方向Kaの内側の方が、軸線方向zaの一方側から吸気孔12aに流れる空気流量が大きい。
【0100】
複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、一方側端部54が軸線方向Zaの他方側になるほど、吸気孔12aに流れ込む空気流の圧力損失が大きくなる。
【0101】
一方、複数の予旋回ガイド50のそれぞれにおいて、内側半分領域50cのうち軸線方向Zaの一方側端部54は、外側半分領域50bのうち軸線方向Zaの一方側端部54に比べて、軸線方向Zaの他方側に配置されている。
【0102】
このため、複数の予旋回ガイド50のそれぞれの径方向Kaの内側が起因して吸気孔12aに流れ込む空気流の圧力損失が生じることを未然に抑えることができる。
【0103】
以上により、複数の予旋回ガイド50によって、空気流量の圧力損失の発生を抑えつつ、多くの風量の空気を回転方向一方側Raに旋回させながら多翼ファン40の複数の空気流路41aに吸い込まれるように案内することができる。
【0104】
(第8実施形態)
上記第1実施形態では、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、スクロールケーシング10Bの天井部12と一体化されている一体化構成物を構成している例について説明した。 しかし、これに代えて、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、スクロールケーシング10Bに対して独立に構成されている本第7実施形態について図9図10図11を参照して説明する。
【0105】
図9図10において、図1図2と同一の符号は、同一のものを示し、その説明を省略する。
【0106】
本第7実施形態では、複数の予旋回ガイド50は、図9図10、および図11に示すように、リング部151とともに、ガイドユニット150を構成する。
【0107】
リング部151は、図10に示すように、軸線Sを中心とするリング状に形成されている。リング部151は、吸気孔形成部13内に嵌め込まれている。リング部151は、例えば、吸気孔形成部13内に圧入された状態でスクロールケーシング10Bの天井部12に固定されている。
【0108】
なお、リング部151は、スクロールケーシング10Bの天井部12に対して接着材等を用いて固定してもよい。
【0109】
複数の予旋回ガイド50は、リング部151から軸線Sを中心とする径方向Kaの内側に突起するように形成されている。このため、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、吸気孔形成部13に対して軸線Sを中心とする径方向Kaの内側に配置されている。
【0110】
本実施形態の複数の予旋回ガイド50は、リング部151と一体化されている一体化構成物であるガイドユニット150を構成している。ガイドユニット150は、スクロールケーシング10Bに対して独立して構成されている。
【0111】
すなわち、複数の予旋回ガイド50は、スクロールケーシング10Bに対して独立して構成されている。つまり、複数の予旋回ガイド50は、スクロールケーシング10Bに対して別体に構成されている。
【0112】
以上説明した本実施形態によれば、複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、ガイドユニット150によって吸気孔形成部13に対して軸線Sを中心とする径方向Kaの内側に配置されている。
【0113】
複数の予旋回ガイド50は、それぞれ、側面51、52を備える。側面51、52は、それぞれ、軸線Sを中心とする径方向Kaの内側から外側に向かうほど回転方向他方側Rbに進むように形成されている。
【0114】
以上により、複数の予旋回ガイド50のそれぞれの側面51、52は、空気を回転方向一方側Raに旋回させるように吸気孔12a内において複数のガイド間流路53のそれぞれを通過する空気を案内することができる。
【0115】
(他の実施形態)
【0116】
(1)上記第1~第7実施形態では、本発明の送風機を車室内空調ユニット1に適用した例について説明した例にいて説明した。しかし、これに限らず、本発明の送風機を車室内空調ユニット1以外の空調機器に適用してもよい。
【0117】
(2)上記第1~第7実施形態では、多翼ファン40として、ターボファンを用いた例について説明した。しかし、これに代えて、多翼ファン40として、ターボファン以外のシロッコファン等の各種の遠心ファンを用いてもよい。
【0118】
(3)上記第1~第7実施形態では、スクロールケーシング10Bの吸気孔形成部13がベルマウスを構成している例について説明したが、これに限らず、スクロールケーシング10Bの吸気孔形成部13がベルマウスを構成していなくてもよい。
【0119】
(4)なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されるものではない
【0120】
(本発明の特徴)
【0121】
[請求項1]
軸線(S)が延びる方向を軸線方向としたとき、軸線方向一方側に開口する吸気孔(12a)を有するケーシング(10B)と、
前記ケーシングに収納され、かつ前記軸線を中心とする円周方向に並べられている複数のブレード(41)を有し、前記複数のブレードのうち隣り合う2つのブレードの間に、空気流路(41a)を構成し、前記複数のブレードが前記軸線を中心として回転方向一方側に回転することにより前記軸線方向一方側から前記吸気孔を通して前記空気流路に空気を吸い込んでこの吸い込んだ空気を前記空気流路から前記軸線を中心とする径方向外側に吹き出す遠心ファン(40)と、
前記空気が前記回転方向一方側に旋回させながら前記遠心ファンの前記空気流路に吸い込まれるように、前記空気流路に吸い込まれる空気を案内する案内面(51)を有する少なくとも1つの以上のガイド(50)と、
を備える送風機。
【0122】
[請求項2]
前記案内面は、前記軸線を中心とする径方向内側から径方向外側に向かうほど、回転方向他方側に進むように形成されている請求項1に記載の送風機。
【0123】
[請求項3]
前記案内面は、前記少なくとも1つの以上のガイドのうち前記回転方向一方側に設けられている第1案内面(51)であり、
前記少なくとも1つの以上のガイドのうち前記回転方向他方側には、前記径方向内側から前記径方向外側に向かうほど前記回転方向他方側に進むように形成され、かつ前記空気が前記回転方向一方側に旋回させながら前記遠心ファンの前記空気流路に吸い込まれるように、前記空気流路に吸い込まれる空気を案内する第2案内面(52)が設けられている請求項2に記載の送風機。
【0124】
[請求項4]
前記第1案内面は、前記回転方向一方側に凸となる円弧状に形成され、
前記第2案内面は、前記回転方向一方側に凹む円弧状に形成されている請求項3に記載の送風機。
【0125】
[請求項5]
前記第1案内面および前記第2案内面の間の間隔を厚みとしたとき、
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記軸線を中心とする径方向外側から径方向内側に向かうほど、前記厚みが小さくなるように形成されている請求項3に記載の送風機。
【0126】
[請求項6]
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記軸線を中心とする円周方向に間隔を開けて並べられている複数のガイドである請求項1ないし5のいずれか1つに記載の送風機。
【0127】
[請求項7]
前記複数のガイドは、前記円周方向に等間隔で並べられている請求項1ないし6のいずれか1つに記載の送風機。
【0128】
[請求項8]
前記ケーシングは、前記吸気孔を形成する吸気孔形成部(13)を備え、
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記吸気孔形成部に対して前記軸線を中心とする径方向内側に配置されている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の送風機。
【0129】
[請求項9]
前記ケーシングは、前記吸気孔を形成する吸気孔形成部(13)を備え、
前記吸気孔形成部は、前記吸気孔のうち最も軸線方向他方側に位置する吸気孔端(12b)を囲むように形成する形成部端部(13a)を備え、
前記少なくとも1つ以上のガイドのうち前記吸気孔形成部に対して前記軸線を中心とする径方向内側に配置される領域をガイド内側領域(50A)としたとき、前記ガイド内側領域のうち前記軸線方向の他方側端部(50a)は、前記形成部端部に対して前記軸線方向の他方側に位置する請求項1ないし8のいずれか1つに記載の送風機。
【0130】
[請求項10]
前記少なくとも1つの以上のガイドは、前記ケーシングの外側に配置されており、
前記少なくとも1つの以上のガイドのうち前記軸線方向の一方側端部をガイド軸線方向一方側端部(54)としたとき、
前記少なくとも1つの以上のガイドにおいて、前記軸線を中心とする外側半分領域(50b)は、前記軸線を中心とする内側半分領域(50c)に比べて、前記ガイド軸線方向一方側端部が前記軸線方向の一方側に位置する請求項1ないし9のいずれか1つに記載の送風機。
【0131】
[請求項11]
前記1つの以上のガイドは、前記ケーシングに対して別体に設けられている請求項1ないし10のいずれか1つに記載の送風機。
【符号の説明】
【0132】
1 車室内空調ユニット
10A 導風ケーシング
10B スクロールケーシング
13 ベルマウス
40 多翼ファン
41 ブレード
50 予旋回ガイド
50a 径方向内側端部
51 側面
52 側面
53 ガイド間流路
54 一方側端部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11