(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112575
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】吊り足場の板材横ずれ防止構造
(51)【国際特許分類】
E04G 5/00 20060101AFI20240814BHJP
E04G 7/28 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
E04G5/00 301Z
E04G7/28
E04G5/00 301A
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017710
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】592123923
【氏名又は名称】株式会社タカミヤ
(74)【代理人】
【識別番号】100104776
【弁理士】
【氏名又は名称】佐野 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100119194
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 明夫
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼宮 一雅
(72)【発明者】
【氏名】中村 崇志
(72)【発明者】
【氏名】近藤 大希
(57)【要約】
【課題】簡単な構成で吊り足場の板材の横ずれを防止でき、作業員の吊り足場上での安全な作業を確保できる吊り足場の板材横ずれ防止構造を提供する。
【解決手段】複数のおやご部材20と、おやご部材20同士の間に設置された複数のころばし部材30と、おやご部材20ところばし部材30の上に配設された複数の板材40と、を有する吊り足場10において、おやご部材20の端部に取り付けられ、支持部材本体部110とおやご部材取付部120と押え部材取付部130を備えた複数の支持部材100と、支持部材100同士の間に掛け渡されて板材40の端部側面41に位置するように配置され、押え部材本体部210と支持部材取付部220を備えた押え部材200と、を有し、支持部材100で支持された押え部材200が板材40の端部側面41と対向して、横ずれ防止構造を呈するように構成された吊り足場10の板材横ずれ防止構造とする。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
構築物の下側に設置され、所定間隔で設置された複数のおやご部材と、前記おやご部材同士の間に所定間隔で設置された複数のころばし部材と、前記おやご部材と前記ころばし部材の上に配設された複数の板材と、を有する吊り足場において、
前記おやご部材の端部に取り付けられ、支持部材本体部とおやご部材取付部と押え部材取付部を備えた複数の支持部材と、
前記支持部材同士の間に掛け渡されて前記板材の端部側面に位置するように配置され、押え部材本体部と支持部材取付部を備えた押え部材と、
を有し、
前記支持部材で支持された前記押え部材が前記板材の端部側面と対向して、横ずれ防止構造を呈するように構成されたことを特徴とする吊り足場の板材横ずれ防止構造。
【請求項2】
前記押え部材取付部は、前記支持部材本体部から上方に突出したピン形状を呈し、抜け止め部を有する構成となっており、
前記支持部材取付部は、前記押え部材本体部の両端部に設けられた貫通孔で構成されており、
前記押え部材取付部を前記支持部材取付部に挿入し、前記抜け止め部で前記支持部材取付部からの抜け止めをして取り付けるように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の吊り足場の板材横ずれ防止構造。
【請求項3】
前記押え部材は、板状の水平部と、該水平部から垂直に立ち上がった板状の立上り部とを有し、
前記水平部の両端部に前記支持部材取付部の貫通孔が設けられており、
前記立上り部で前記板材の端部側面と対向するように構成されたことを特徴とする請求項2に記載の吊り足場の板材横ずれ防止構造。
【請求項4】
前記抜け止め部が、グラビティロックで構成されていることを特徴とする請求項2に記載の吊り足場の板材横ずれ防止構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊り足場に関し、特に吊り足場の板材の横ずれを防止する吊り足場の板材横ずれ防止構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、建設現場や補修工事現場、点検工事現場等において、構築物の下側に吊り足場が設置されることがある。この吊り足場としては、例えば、おやご部材ところばし部材の上に複数の板材が配設されているものが挙げられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記した特許文献1のような従来の吊り足場において、板材が浮き上がらないように上から押さえる構成については提案されたものがあるが、板材が横ずれするのを防止する構成は検討されていなかった。また、横ずれを防止する機能を有するものがあったとしても、設置に煩雑な作業が必要であったりして、現実的に現場で採用するのは困難であるものが多かった。そのため、作業員の作業中に板材が横ずれして、吊り足場上での作業に支障をきたす虞があった。
【0005】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で、吊り足場の板材の横ずれを防止することができ、その結果、作業員の吊り足場上での安全な作業を確保することができる吊り足場の板材横ずれ防止構造を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる課題を達成するために、本発明は、構築物の下側に設置され、所定間隔で設置された複数のおやご部材と、前記おやご部材同士の間に所定間隔で設置された複数のころばし部材と、前記おやご部材と前記ころばし部材の上に配設された複数の板材と、を有する吊り足場において、前記おやご部材の端部に取り付けられ、支持部材本体部とおやご部材取付部と押え部材取付部を備えた複数の支持部材と、前記支持部材同士の間に掛け渡されて前記板材の端部側面に位置するように配置され、押え部材本体部と支持部材取付部を備えた押え部材と、を有し、前記支持部材で支持された前記押え部材が前記板材の端部側面と対向して、横ずれ防止構造を呈するように構成された吊り足場の板材横ずれ防止構造としたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明は、上記記載の構成に加え、前記押え部材取付部は、前記支持部材本体部から上方に突出したピン形状を呈し、抜け止め部を有する構成となっており、前記支持部材取付部は、前記押え部材本体部の両端部に設けられた貫通孔で構成されており、前記押え部材取付部を前記支持部材取付部に挿入し、前記抜け止め部で前記支持部材取付部からの抜け止めをして取り付けるように構成された吊り足場の板材横ずれ防止構造としたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、上記記載の構成に加え、前記押え部材は、板状の水平部と、該水平部から垂直に立ち上がった板状の立上り部とを有し、前記水平部の両端部に前記支持部材取付部の貫通孔が設けられており、前記立上り部で前記板材の端部側面と対向するように構成された吊り足場の板材横ずれ防止構造としたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記記載の構成に加え、前記抜け止め部が、グラビティロックで構成されている吊り足場の板材横ずれ防止構造としたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、支持部材と押え部材の簡単な構成で、吊り足場におけるおやご部材同士の間の複数の板材の横ずれをまとめて防止することができる。その結果、簡単に、作業員の吊り足場上での安全な作業を確保することができる。
【0011】
また、本発明によれば、支持部材における抜け止め部を有する押え部材取付部を、押え部材における支持部材取付部に挿入した上で、抜け止め部によって押え部材取付部が支持部材取付部から抜けないようにすることで、簡単かつ確実に支持部材に押え部材を取り付けることができる。
【0012】
また、本発明によれば、押え部材が板状の水平部とそこから垂直に立ち上がった板状の立上り部とを有した構成となっているため、水平部に設けられた支持部材取付部で支持部材に取り付けられ、立上り部で板材の端部側面と対向して板材の横ずれを防止することができるため、簡単かつ効率的な構成で板材の横ずれ防止を行うことができる。
【0013】
また、本発明によれば、抜け止め部がグラビティロックで構成されているため、より簡単確実に支持部材に対する押え部材の抜け止めを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施の形態に係る吊り足場の基本構造を示す平面図である。
【
図2】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造を示す概略斜視図と一部拡大斜視図である。
【
図3】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造を示す拡大断面図である。
【
図4】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の設置工程を示す斜視図である。
【
図6】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の設置工程を示す一部拡大斜視図である。
【
図7】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の設置工程を示す一部拡大縦断面図である。
【
図8】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の設置工程を示す一部拡大横断面図である。
【
図9】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材を示す斜視図である。
【
図10】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材を示す側面図である。
【
図11】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の押え部材を示す斜視図である。
【
図12】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の第1別例を示す概略斜視図と一部拡大斜視図である。
【
図13】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の第1別例を示す拡大側面図である。
【
図14】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第1別例を示す斜視図である。
【
図15】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第1別例を示す側面図である。
【
図16】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第1別例における抜け止め部材をロック状態にした側面図である。
【
図17】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の押え部材の第1別例を示す斜視図である。
【
図18】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第2別例を示す斜視図である。
【
図19】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第2別例を示す側面図である。
【
図20】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第3別例を示す斜視図である。
【
図21】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第3別例を示す側面図である。
【
図22】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第4別例を示す斜視図である。
【
図23】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の支持部材の第4別例を示す側面図である。
【
図24】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の押え部材の第2別例を示す斜視図である。
【
図25】同実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造の押え部材の第3別例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0016】
図1~
図11には、本発明の実施の形態に係る吊り足場の板材横ずれ防止構造を示す。
【0017】
本実施の形態の吊り足場の板材横ずれ防止構造は、建設現場、補修工事現場、点検工事現場等の工事現場において、構築物の下側に設置された
図1に示すような吊り足場10に適用するものである。
【0018】
まず、本実施の形態における吊り足場10について、
図1を用いて説明する。本実施の形態の吊り足場10は、例えば橋梁等の下側に設置されるものであり、当該橋梁等に対してチェーン等の吊り具Cで吊り下げるものである。この吊り足場10は、所定間隔で複数のおやご部材20が配置され、これらのおやご部材20間にそれぞれ所定間隔で複数のころばし部材30がかけ渡されるように設置されている。これらのおやご部材20ところばし部材30上には、ころばし部材30が配置された方向と直交する方向に複数の板材(足場板)40が敷き詰められるように載置されている。
【0019】
なお、これら複数の板材40は、複数のおやご部材20の所定位置に設けられた複数の取付部材と、当該取付部材同士を繋ぐようにころばし部材30の上部に当該ころばし部材30の設置方向と平行に配設される長尺形状の押圧部材とで、上方から下方に押圧しており、板材40が浮き上がらないように構成されている(図示省略)。
【0020】
次に、本実施の形態の吊り足場10の板材横ずれ防止構造について、
図2~
図11を用いて説明する。
【0021】
本実施の形態の吊り足場10の板材横ずれ防止構造は、
図2に示すように、支持部材100と押え部材200とを用いて構成されるようになっている。このうち、支持部材100は、おやご部材20の端部に取り付けられるものであり、押え部材200は、2つの支持部材100同士の間に掛け渡されて板材40の端部側面41に位置するように取り付けられるものである。以下、それぞれの部材について詳細に説明する。
【0022】
支持部材100は、
図2~
図10に示すように、支持部材本体部110とおやご部材取付部120と押え部材取付部130を備えた部材である。
【0023】
支持部材本体部110は、左右対称の板状の部材であり、押え部材200を支持して板材40からの加重に耐えられるように、丈夫な金属等で構成されている。なお、加重に耐えられる性能を有していれば、樹脂等の他の材質で構成されていても良い。本実施の形態の支持部材本体部110は、幅広部111とその中央位置から延びる幅狭部112が連続して形成されている。
【0024】
このうち、幅狭部112には、おやご部材20に取り付ける部位であるおやご部材取付部120が設けられている。この実施の形態のおやご部材取付部120は、
図5,
図9,
図10に示すように、ボルト121、位置決め部122、棒ナット125を有する構成となっている。そして、
図6~
図8に示すように、おやご部材20の端部の溝に略コ字状に形成された位置決め部122を挿入して最も端部側に位置させて位置決めし、その上でボルト121を締めていくと、
図7及び
図8に示すように、棒ナット125が回転しておやご部材20における折込部(おやご部材20を構成する板状部材が内側に折り込まれた部位)21に引っ掛けられ、さらに締めていくと棒ナット125がおやご部材20の折込部21に固定されるようになっている。
【0025】
また、幅広部111には、押え部材200を取り付ける部位である押え部材取付部130が設けられている。この実施の形態の押え部材取付部130は、
図5,
図9,
図10に示すように、支持部材本体部110から上方に突出形成された略円柱状のピン形状に形成されており、1つの支持部材100に対して、おやご部材20に取り付けた状態で板材40の端部側面41に沿った方向に2つの押え部材取付部130が形成されている。また、押え部材取付部130の所定位置に、押え部材200を取り付けた際に簡単に抜けなくなるようにする抜け止め部135が設けられている。ここでは、抜け止め部135としてスプリング式のグラビティロックが設けられており、押え部材取付部130の側面に、上部を支点にして下方が弾性力で突出するように形成されている。
【0026】
また、
図5,
図9,
図10に示すように、支持部材本体部110の幅広部111から幅狭部112に掛けての上面の左右の丁度中央位置には、支持部材本体部110を左右に仕切る仕切り板140が上方に突出形成されている。この仕切り板140によって、左右それぞれに取り付けられた押え部材200がガタついたとしても逆側の押え部材200に干渉しないように構成されている。
【0027】
押え部材200は、
図2,
図3,
図11に示すように、長尺の部材であり、前記した支持部材100をおやご部材20にそれぞれ設置した状態で、支持部材100と隣り合うもう一つの支持部材100との間の距離と略同じ長さに形成されている。また、押え部材200は、吊り足場10の板材40が横ずれしてきたときの加重に耐えられるように、丈夫な金属等で構成されている。なお、加重に耐えられる性能を有していれば、樹脂等の他の材質で構成されていても良い。
【0028】
この押え部材200は、水平部201と当該水平部201から略垂直に立ち上がった立上り部202とで構成された押え部材本体部210を有しており、本実施の形態では、水平部201と立上り部202で断面視略L字状に形成されている。
【0029】
また、押え部材本体部210における水平部201の両端部には、支持部材100に取り付けるための支持部材取付部220が形成されている。本実施の形態の支持部材取付部220は、
図2,
図11に示すように、水平部201を貫通する貫通孔で形成されており、さらにここでは、押え部材200の長尺方向に沿った長孔に形成されており、この長孔の支持部材取付部220を、支持部材100のピン形状に形成された押え部材取付部130に上方から挿入して、押え部材200を支持部材100に取り付けるようになっている。なお、支持部材取付部220が長孔に形成されていると、部材精度や取付誤差等で多少ずれが生じてしまっても、問題なく取り付けを行うことができる。
【0030】
また、立上り部202は、水平部201に対して立ち上がる形状となっていることで、板状の水平部201のみの構成に比べて、撓み等が起こり難くなって押え部材200自体の強度を上げることができると共に、立ち上がった面で板材40の端部側面41の加重を受け止めることができる。そのため、板材40の横ずれに対して、より防止効果の高い状態にすることができる。
【0031】
このような支持部材100と押え部材200を用いて、まず、
図4~
図8に示すように、おやご部材20の端部にそれぞれ支持部材100を取り付ける。その後、
図2,
図3に示すように、2つの支持部材100のピン形状の押え部材取付部130に、それぞれ押え部材200の水平部201の両端部に形成された長孔の貫通孔に形成された支持部材取付部220を挿入させ、抜け止め部135の下方まで挿入させて押え部材200が抜け難い状態を形成する。
【0032】
これにより、1つの押え部材200が、おやご部材20同士の間に敷き詰められた複数の板材40の端部側面41と対向して、1つの押え部材200によって複数の板材40の端部側面41を一括で押えることができ、簡単かつ確実に吊り足場10の板材40の横ずれを防止することができる。
【0033】
以上のように、本実施の形態によれば、支持部材100と押え部材200の簡単な構成で、吊り足場10におけるおやご部材20同士の間の複数の板材40の横ずれをまとめて防止することができる。その結果、簡単に、作業員の吊り足場10上での安全な作業を確保することができる。
【0034】
また、本実施の形態によれば、支持部材100における抜け止め部135を有する押え部材取付部130を、押え部材200における支持部材取付部220に挿入した上で、抜け止め部135によって押え部材取付部130が支持部材取付部220から抜けないようにすることで、簡単かつ確実に支持部材100に押え部材200を取り付けることができる。
【0035】
また、本実施の形態によれば、押え部材200が板状の水平部201とそこから垂直に立ち上がった板状の立上り部202とを有した構成となっているため、水平部201に設けられた支持部材取付部220で支持部材100に取り付けられ、立上り部202で板材40の端部側面41と対向して板材40の横ずれを防止することができるため、簡単かつ効率的な構成で板材40の横ずれ防止を行うことができる。
【0036】
また、本実施の形態によれば、抜け止め部135がグラビティロックで構成されているため、より簡単確実に支持部材100に対する押え部材200の抜け止めを行うことができる。
【0037】
なお、本発明は、前記した実施の形態のようなものに限らず、他の構成、他の使用状況にも適用できる。例えば、支持部材、押え部材については、以下のような構成であっても良い。
【0038】
前記した吊り足場10の横ずれ防止構造の構成は、現場の状況等に応じて、適宜変更することが可能である。例えば、
図12~
図17に示すような、支持部材100Aと押え部材200Aとの組み合わせであっても良い。ここでは、支持部材100Aの押え部材取付部130Aの抜け止め部135Aが、前記したスプリング式のグラビティロックではなく、折ピン式のグラビティロックで構成されている。また、押え部材200Aの支持部材取付部220Aが長孔でなく丸孔形状の貫通孔で形成されている。なお、それ以外の構成については、前記した支持部材100と押え部材200の構成と同様であるので、前記説明に記載して
図2~
図11に図示したものに「A」を加えた符号を付して、詳細な説明を省略する。
【0039】
また、支持部材については、
図18,
図19に示した支持部材100Bのように、支持部材本体部110Bが幅広部を有しない一定の幅となっており、また、略L字状に折れ曲がるように形成されており、水平に形成された部位におやご部材取付部120Bが設けられて、垂直に形成された部位に押え部材取付部130Bが設けられているものであっても良い。この支持部材100Bの押え部材取付部130Bは、前記したものとは異なり、螺子止めによって押え部材を取り付ける構成となっている。このような構成の押え部材取付部130Bに対しては、前記した押え部材200,200Aでも対応可能であるが、後述する押え部材200B,200Cのように支持部材取付部220B,220Cが貫通孔でなく鉤状の切欠き部に形成されたものの方が好ましい。なお、おやご部材取付部120Bの構成は、前記したものと同様のボルト121Bと棒ナット125Bを有するものであるため、詳細な説明は省略する。
【0040】
また、支持部材については、
図20,
図21に示した支持部材100Cのようになっていても良い。この支持部材100Cは、前記した
図18,
図19に示した支持部材100Bとほぼ同様であるが、位置決め部122Cを有している点が異なっている。この位置決め部122Cは、前記した支持部材100,100Aの位置決め部122,122Aと同様の効果を有するものであるため、説明を省略する。また、その他の構成は
図18,
図19に示した支持部材100Bと同様であるので、説明を省略する。
【0041】
また、支持部材については、
図22,
図23に示した支持部材100Dのようになっていても良い。この支持部材100Dは、前記した
図20,
図21に示した支持部材100Cに対して、支持部材本体部110Dが水平部と垂直部とさらに傾斜部を有している点が異なっている。この傾斜した部位に、押え部材取付部130Dが形成されている。このように斜めに押え部材を取り付ける構成となっていることで、特に螺子止めの場合には固定のためのインパクトドライバ等の工具を挿入するスペースが必要となるが、垂直では工具が挿入できない場合等に斜めにしておくことで挿入スペースを確保することができる場合があるため、押え部材を取付し易くなるという効果を生じさせることができる。なお、その他の構成は
図20,
図21に示した支持部材100Cと同様であるので、説明を省略する。
【0042】
また、押え部材については、
図24,
図25に示す押え部材200B,200Cのように、押え部材本体部210B,210Cの両端部(押え部材200Cは片方のみ)に設けられた支持部材取付部220B,220Cが、貫通孔でなく鉤状の切欠き部で構成されているものを用いても良い。このような構成の押え部材200Bは、前記した
図18~
図23に示す支持部材100B,100C,100Dのような、押え部材を螺子止めによって取り付けるパターンの支持部材に対して有効に使用することができる。なお、その他の構成は前記した押え部材200,200Aと同様であるので、詳細な説明は省略する。
【0043】
また、前記した実施の形態では、抜け止め部としてグラビティロックを用いたものについて説明したが、これに限るものではなく、他の抜け止め構造を採用しても良い。
【0044】
また、支持部材と押え部材の取付構造についても、前記した実施の形態のように貫通孔にピン形状のものを挿入するパターンや螺子止めするパターンに限るものではなく、適宜の構成で取り付けられるようになっていれば良い。
【0045】
また、支持部材、押え部材の形状についても、前記した実施の形態に限るものではなく、同様の作用効果を有していれば、適宜の形状で構成されていても良い。
【符号の説明】
【0046】
10 吊り足場
20 おやご部材
21 折込部
30 ころばし部材
40 板材
41 端部側面
50 吊り具保持部材
100 支持部材
110 支持部材本体部
111 幅広部
112 幅狭部
120 おやご部材取付部
121 ボルト
122 位置決め部
125 棒ナット
130 押え部材取付部
135 抜け止め部(グラビティロック)
140 仕切り板
200 押え部材
201 水平部
202 立上り部
210 押え部材本体部
220 支持部材取付部
100A 支持部材
110A 支持部材本体部
111A 幅広部
112A 幅狭部
120A おやご部材取付部
121A ボルト
122A 位置決め部
125A 棒ナット
130A 押え部材取付部
135A 抜け止め部(グラビティロック)
200A 押え部材
201A 水平部
202A 立上り部
210A 押え部材本体部
220A 支持部材取付部
100B 支持部材
110B 支持部材本体部
120B おやご部材取付部
121B ボルト
125B 棒ナット
130B 押え部材取付部
200B 押え部材
210B 押え部材本体部
220B 支持部材取付部
100C 支持部材
110C 支持部材本体部
120C おやご部材取付部
121C ボルト
122C 位置決め部
125C 棒ナット
130C 押え部材取付部
200C 押え部材
210C 押え部材本体部
220C 支持部材取付部
100D 支持部材
110D 支持部材本体部
120D おやご部材取付部
121D ボルト
122D 位置決め部
125D 棒ナット
130D 押え部材取付部
C 吊り具