(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112605
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】野菜調製装置
(51)【国際特許分類】
A23N 15/04 20060101AFI20240814BHJP
B26D 3/26 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A23N15/04
B26D3/26 601A
B26D3/26 601D
B26D3/26 605A
B26D3/26 601E
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017761
(22)【出願日】2023-02-08
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り [公開日] 令和4年2月15日 [公開場所] 旭川計量機株式会社 帯広支店(北海道帯広市東4条南13丁目2-2) [公開日] 令和4年3月23日 [公開場所] 長沼農業協同組合(北海道夕張郡長沼町銀座北1丁目5番19号) [公開日] 令和4年3月23日 [公開場所] 長沼農業協同組合 [公開日] 令和4年4月5日 [公開場所] 東川町農業協同組合(北海道上川郡東川町西町1丁目5番地1号) [公開日] 令和4年4月6日 [公開場所] 北いぶき農業協同組合(北海道雨竜郡秩父別町1312番地の9) [公開日] 令和4年5月13日 [公開場所] 新潟かがやき農業協同組合黒崎園芸センター(新潟県新潟市西区木場53) [公開日] 令和4年8月24日 [公開場所] ようてい農業協同組合(北海道虻田郡真狩村字真狩45) [公開日] 令和4年8月25日 [公開場所] 新函館農業協同組合 厚沢部支所(北海道檜山郡厚沢部町新町183-3) [公開日] 令和4年8月26日 [公開場所] 檜山北部広域農業協同組合連合会(北海道瀬棚郡今金町字今金261-1)
(71)【出願人】
【識別番号】523045021
【氏名又は名称】旭川計量機株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】504018633
【氏名又は名称】シンセメック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 篤史
(72)【発明者】
【氏名】栗林 宏光
【テーマコード(参考)】
4B061
【Fターム(参考)】
4B061AA03
4B061BA03
4B061BB07
4B061CB05
4B061CB12
(57)【要約】
【課題】野菜を支持する手段として側枝等の茎の切離を妨げにくい手段を採用する。
【解決手段】支持部100によって支持されたブロッコリーの茎の一部をブロッコリーから切離する切離部200を備えている。支持部100は、ブロッコリーの花蕾が茎の下に配置された状態で茎に上方から接触して茎を支持する茎支持部110と、ブロッコリーの花蕾が茎の下に配置された状態で花蕾を支持する花蕾支持部150とを含んでいる。切離部200が茎を切離する際に、茎支持部110及び花蕾支持部150が、独立で、ブロッコリーが切離部200から受ける力に抗してブロッコリーを支持する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の側枝を有する茎とその茎の先端部に形成される花蕾とを有し、前記茎の根本で切断された野菜を調製する装置であって、
前記野菜を支持する支持部と、
前記支持部によって支持された前記野菜の茎の一部を前記野菜から切離する切離部とを備えており、
前記支持部が、
前記花蕾が前記茎の下に配置された状態で前記花蕾を支持する花蕾支持部と、前記花蕾が前記茎の下に配置された状態で前記茎に上方から接触して前記茎を支持する茎支持部との前者又は両方を含んでおり、
前記切離部が前記茎を切離する際に、前記花蕾支持部及び前記茎支持部の前者又は両方が、独立で、前記野菜が前記切離部から受ける力に抗して前記野菜を支持することを特徴とする野菜調製装置。
【請求項2】
前記切離部が、
第1刃と、
水平方向と交差する回転軸に関して前記複数の側枝に対して相対的に前記第1刃を回転させつつ降下させて上方から前記複数の側枝に前記第1刃を接触させることにより、前記複数の側枝の少なくとも一部を前記野菜から切離する相対移動部とを有していることを特徴とする請求項1に記載の野菜調製装置。
【請求項3】
前記支持部が前記茎支持部を有しており、
前記相対移動部が、
前記花蕾支持部によって前記花蕾が、前記茎支持部によって前記茎がそれぞれ支持された状態で前記花蕾支持部及び前記茎支持部の少なくともいずれかを回転させることにより、前記複数の側枝に対して前記第1刃を相対的に回転させることを特徴とする請求項2に記載の野菜調製装置。
【請求項4】
前記第1刃が降下して前記茎と接触した際に変形することにより、前記茎が前記第1刃から受ける力の大きさが軽減されることを特徴とする請求項2又は3に記載の野菜調製装置。
【請求項5】
前記複数の側枝の少なくともいずれかである長尺側枝が、前記茎の本体から前記花蕾の側方を通って、前記茎の根本から前記花蕾に向かう方向に関して前記花蕾の先端よりも突出しており、
前記切離部が、
第2刃を有し、前記第2刃を回転させつつ前記長尺側枝と接触させることで、前記方向に関して前記花蕾の先端よりも延びた部分の少なくとも一部を前記長尺側枝から切離する先端切離部を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の野菜調製装置。
【請求項6】
前記切離部が、前記茎の根本の一部を前記茎から切離する根本切離部を含んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載の野菜調製装置。
【請求項7】
前記花蕾支持部が、
前記花蕾が載置される載置面と、前記載置面に開口した凹部と、前記凹部内に収容された野菜押し出し部とを有し、
前記野菜押し出し部が、前記凹部から突出して前記載置面に載置された前記野菜を下方から突き上げることで前記野菜を前記支持部から脱離させることを特徴とする請求項1又は2に記載の野菜調製装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、側枝等を含む茎を部分的に野菜から切離する野菜収穫機に関する。
【背景技術】
【0002】
茎の先端部に花蕾を有するブロッコリー等の野菜において、茎を部分的に野菜から切離する特許文献1に記載の装置のような野菜調製装置が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置によると、野菜の茎の側方から延びて茎を掴むチャック部が採用されている。このようなチャック部に茎を支持させると、例えば、茎から延びる側枝を切離するのを妨げるおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、野菜を支持する手段として側枝等の茎の切離を妨げにくい手段が採用された野菜調製装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の野菜収穫機は、複数の側枝を有する茎とその茎の先端部に形成される花蕾とを有し、前記茎の根本で切断された野菜を調製する装置であって、前記野菜を支持する支持部と、前記支持部によって支持された前記野菜の茎の一部を前記野菜から切離する切離部とを備えており、前記支持部が、前記花蕾が前記茎の下に配置された状態で前記花蕾を支持する花蕾支持部と、前記花蕾が前記茎の下に配置された状態で前記茎に上方から接触して前記茎を支持する茎支持部との前者又は両方を含んでおり、前記切離部が前記茎を切離する際に、前記花蕾支持部及び前記茎支持部の前者又は両方が、独立で、前記野菜が前記切離部から受ける力に抗して前記野菜を支持する。
【0007】
これによると、花蕾支持部は花蕾を支持するので、茎の切離を妨げにくい。また、茎支持部が採用される場合であっても、その茎支持部は上方から茎と接触するので、側枝等の切離を妨げにくい。このため、野菜を支持する手段が側枝等の茎の切離を妨げにくい装置が実現する。なお、本発明において、「茎支持部が上方から茎に接触すること」は、茎支持部から茎が受ける力の方向が鉛直下方の要素を含んでいることに対応する。したがって、茎支持部から茎が受ける力の方向が鉛直下方であってもよいし、鉛直方向に対して斜め下方であってもよい。
【0008】
また、本発明において、前記切離部が、第1刃と、水平方向と交差する回転軸に関して前記複数の側枝に対して相対的に前記第1刃を回転させつつ降下させて上方から前記複数の側枝に前記第1刃を接触させることにより、前記複数の側枝の少なくとも一部を前記野菜から切離する相対移動部とを有していることが好ましい。これにより、花蕾が茎の下になるように野菜が配置されているので、上方から刃を降下させることで側枝を適切に切離しやすい。
【0009】
また、本発明において、前記支持部が前記茎支持部を有しており、前記相対移動部が、前記花蕾支持部によって前記花蕾が、前記茎支持部によって前記茎がそれぞれ支持された状態で前記花蕾支持部及び前記茎支持部の少なくともいずれかを回転させることにより、前記複数の側枝に対して前記第1刃を相対的に回転させることが好ましい。これにより、花蕾支持部は花蕾を、茎支持部は茎の根本を支持している。つまり、花蕾支持部及び茎支持部は野菜の上下方向の両端を支持している。したがって、これらを回転させて野菜を回転させる構成が実現しやすい。
【0010】
また、本発明において、前記第1刃が降下して前記茎と接触した際に変形することにより、前記茎が前記第1刃から受ける力の大きさが軽減されることが好ましい。これにより、第1刃から茎が受ける力が軽減されるので、花蕾が花蕾支持部に押し付けられて傷つくのが抑制される。
【0011】
また、本発明において、前記複数の側枝の少なくともいずれかである長尺側枝が、前記茎の本体から前記花蕾の側方を通って、前記茎の根本から前記花蕾に向かう方向に関して前記花蕾の先端よりも突出しており、前記切離部が第2刃を有しており、前記第2刃を回転させつつ前記長尺側枝と接触させることで、前記方向に関して前記花蕾の先端よりも延びた部分の少なくとも一部を前記長尺側枝から切離する先端切離部を含んでいることが好ましい。これによると、先端切離部が、長尺側枝における花蕾の先端よりも延びた部分の少なくとも一部を切離する。これにより、長尺側枝における花蕾の側方に配置された部分が切離されずに残ることになる。このような部分は、花蕾を側方から保護する役割を果たす。このため、野菜の流通過程や販売時において花蕾が傷つきにくくなる。
【0012】
また、本発明において、前記切離部が、前記茎の根本の一部を前記茎から切離する根本切離部を含んでいることが好ましい。これによると、根本切離部により茎の長さが調整される。
【0013】
また、本発明において、前記花蕾支持部が、前記花蕾が載置される載置面と、前記載置面に開口した凹部と、前記凹部内に収容された野菜押し出し部とを有し、前記野菜押し出し部が、前記凹部から突出して前記載置面に載置された前記野菜を下方から突き上げることで前記野菜を前記支持部から脱離させることが好ましい。これによると、調製後の野菜を支持部から適切に脱離させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係るブロッコリー調製装置の斜視図である。
【
図3】
図1の筒状カッターが変形する状況を示す図である。
【
図4】
図1の花蕾支持部及び第2側枝切離部の斜視図である。
【
図5】
図1の茎支持部、第1側枝切離部及び根本切離部の斜視図である。
【
図6】
図1の茎支持部及び駆動機構部の概略構成図である。
【
図7】
図1のブロッコリー調製装置にブロッコリーを載置した図である。
【
図8】
図1のブロッコリー調製装置において、ブロッコリーが回転し、円盤カッターが側枝における花蕾の先端よりも突出した部分を切離する様子を示す図である。
【
図9】
図1のブロッコリー調製装置において、筒状カッターが降下する様子を示す図である。
【
図10】
図1のブロッコリー調製装置において、カッターが茎の根本の一部を切断する様子を示す図である。
【
図11】
図1のブロッコリー調製装置において、野菜押し出し部が花蕾を下方から突き上げて、ブロッコリーを花蕾支持部から脱離させる様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の好適な一実施の形態について説明する。
【0016】
本発明の一実施形態に係るブロッコリー調製装置1(本発明でいう野菜調製装置)について
図1~
図11を参照しつつ説明する。調製対象となるブロッコリーVは、花蕾V1及び茎V2を有している(
図7参照)。ブロッコリーVは、茎V2の根本において切断されることにより、根の部分が除去されている。茎V2は側枝V3を有している。本実施形態においては、ブロッコリーVを調製するためのブロッコリー調製装置1について述べるが、本発明は、ブロッコリー以外の茎の先端に花蕾を有する野菜、例えばカリフラワー等の野菜を調製するための野菜調製装置に適用されてもよい。
【0017】
以下、
図1に示すように、ブロッコリー調製装置1を操作する人(装置正面に立って装置に正対する人)から見た、左右方向、上下方向及び前後方向に基づきつつ、ブロッコリー調製装置1について説明する。
【0018】
ブロッコリー調製装置1は、
図1に示すように、支持部100、切離部200及び構造部300を有している。支持部100は、ブロッコリーVを支持する。切離部200は、支持部100によって支持された茎V2の一部をブロッコリーVから切離する。構造部300は、支持部100及び切離部200を床上で支持する。
【0019】
構造部300は、下部構造部310及び上部構造部320を有している。下部構造部310は、上部構造部320その他の装置全体の構成要素を下方から支持する基礎的な構造部であり、平板状の支持板311と支持板311を床上で支持する脚部312とを有している。
【0020】
上部構造部320は、支持部100及び切離部200を部分的に移動可能に支持する可動式の構造部である。上部構造部320は、スライド板321並びにスライド板321を移動可能に支持する左側板322及び右側板323等の部材を有している。左側板322及び右側板323は、下部構造部310の支持板311の上面にそれぞれ固定されている。左側板322は支持板311の左端部に、右側板323は支持板311の右端部にそれぞれ配置されている。左側板322及び右側板323は、いずれも、支持板311の上面から上方に向かって延び、左右方向と直交する平面に沿った平板の概略形状の部材である。左側板322及び右側板323の上端には左レール支持板324及び右レール支持板325がそれぞれ固定されている。左レール支持板324及び右レール支持板325は、いずれも、水平方向に沿った平板状の部材であり、前後方向に長尺である。左レール支持板324及び右レール支持板325の上面には、前後方向に沿って延びた左レール324a及び右レール325aがそれぞれ固定されている。
【0021】
スライド板321は、平面視で長方形の概略形状を有する水平方向に沿った平板状の部材である。スライド板321の左端部及び右端部は、左レール324a及び右レール325a上に載置されており、これらのレールによって前後方向に移動可能に支持されている。スライド板321は、図示しないアクチュエータによって前後方向に駆動される。
【0022】
スライド板321の前部には、前方から見て下方に開口したコの字形状を有した支持台360が固定されている。支持台360の上壁部361上には、後述する切離部200の移動部270のモータ271及びギアユニット273が固定されている。
【0023】
支持部100は、茎支持部110及び花蕾支持部150を有している。茎支持部110は、花蕾V1が茎V2の下に配置された状態(
図7参照)で茎V2を支持する。茎支持部110は、
図5及び
図6に示すように、茎接触部120及び駆動機構部130を有している。
【0024】
茎接触部120は、
図5及び
図6に示すように、円盤部121及び複数の突出部122を有している。円盤部121は水平方向に沿った円盤状の部分である。突出部122は、円盤部121の下面から下方に向かって突出した釘状の部分であり、下方に向かって先細りに形成されている。
【0025】
駆動機構部130は、
図6及び
図8に示すように、ロッド部131、回転駆動体133、連結部134、昇降駆動体135、ロッド部136及びアクチュエータ137を有している。
【0026】
ロッド部131は上下方向に沿った棒状の部材である。ロッド部131は、スライド板321を貫通してさらにその下方まで延びている。ロッド部131の下端には茎接触部120が固定されている。ロッド部131の上端部には両側方のそれぞれに突出した突起部132が形成されている。
【0027】
回転駆動体133は、ロッド部131の本体の外周を取り囲む円筒状の部材である。回転駆動体133は、連結部134を通じてギアユニット273内のギアと接続されている。回転駆動体133は、水平方向に関して互いに対向する上下方向に沿った接続孔133a及び133bを有している。接続孔133a及び133bは、いずれも回転駆動体133の側壁を貫通している。接続孔133a及び133bのそれぞれをロッド部131の突起部132が貫通している。突起部132は、接続孔133a及び133bに沿って上下に移動可能である。
【0028】
回転駆動体133には、ギアユニット273及び連結部134を通じて、後述の移動部270のモータ271から回転駆動力が伝達される。これにより、回転駆動体133は、ロッド部131に沿った回転軸に対して回転する。回転駆動体133が回転すると、接続孔133a及び133bの周縁部が突起部132と接触してこれを押す。これにより、回転駆動体133の回転に連動して、ロッド部131も回転駆動体133と同じ方向に回転する。
【0029】
昇降駆動体135は挟持部138及び139を有している。挟持部138は、水平方向に沿った平板状の部材であり、前後方向に長尺な長方形の平面形状を有している。挟持部139は、
図8に示すように、後部139aと、水平方向に沿った平板状の前部139bとを有している。後部139aは、挟持部138の後部の下面に固定されている。前部139bは、後部139aから前方へと突出している。挟持部138と挟持部139の前部139bとは上下方向に関して離隔している。挟持部138と挟持部139の前部139bとは、互いの間にロッド部131の突起部132を挟んで支持している。これにより、ロッド部131が昇降駆動体135に吊り下げられた状態で支持されている。突起部132は昇降駆動体135に固定されておらず、回転駆動体133の回転に連動して移動可能である。昇降駆動体135には、挟持部138及び139の両方を上下方向に貫通する貫通孔が形成されている。回転駆動体133が、この貫通孔を上下に貫通している。回転駆動体133は昇降駆動体135に対して相対的に移動可能である。
【0030】
昇降駆動体135の後部は、回転駆動体133の後方に配置されたロッド部136の下端と固定されている(
図8参照)。ロッド部136は、昇降駆動体135から上方に向かって延びてアクチュエータ137に挿入されている。アクチュエータ137は、支持台360の上壁部361に固定されている。昇降駆動体135は、このアクチュエータ137により上下方向に駆動される。ロッド部136が上下方向に移動すると、ロッド部136に固定された昇降駆動体135も上下移動する。これに連動し、昇降駆動体135の挟持部138及び139に挟み込まれた突起部132を通じてロッド部131及びその下端に固定された茎接触部120も上下移動する。
【0031】
ロッド部131がその下方にブロッコリーVが設置された状態で降下すると、ロッド部131の下端に固定された茎接触部120の突出部122が上方からブロッコリーVの茎V2と接触してこれを支持する。これにより、茎支持部110は、ブロッコリーVを下方の花蕾支持部150に押し付ける。
【0032】
花蕾支持部150は、
図7に示すように、花蕾V1を下方から支持する。花蕾支持部150は、
図4に示すように、下部構造部310の支持板311の前部に設置されている。花蕾支持部150は、花蕾載置部160及び野菜押し出し部170を有している。花蕾載置部160が、花蕾V1が茎V2の下に配置された状態で花蕾V1を支持する(
図7参照)。花蕾載置部160は、円筒状のベース部161、本体部162及び回転テーブル168を有している。回転テーブル168は、上下方向に沿った回転軸に対して回転可能に支持板311に支持されている。ベース部161は、回転テーブル168の上面に固定されている。回転テーブル168は、後述の移動部270のモータ274により上記回転軸に対して回転駆動される。
【0033】
本体部162はベース部161の上端に固定されている。本体部162は、花蕾V1を傷つけにくいようにシリコン等の弾性材料で形成されている。本体部162の上端面は、ブロッコリーVの花蕾V1が載置される載置面165を形成している。載置面165は、円環の平面形状を有している。載置面165は、その円環の中心に向かってすり鉢状に落ち込んでいる。これによって、円錐台状の凹部166が本体部162の上部に形成されている。凹部166の下方には、下方に向かって延びる孔167が形成されている。凹部166の大きさは、茎V2に対して反対側の花蕾V1の先端部が上方から部分的に嵌る程度に調製されている。これにより、花蕾V1が本体部162に載置された際に、花蕾V1の先端部付近が凹部166に嵌り込み、もって、花蕾V1が花蕾載置部160に安定に支持される。
【0034】
上記の通り、茎支持部110がブロッコリーVを花蕾支持部150に押し付けることにより、茎支持部110及び花蕾支持部150がブロッコリーVを支持する。これにより、支持部100全体は、切離部200によって茎V2が切離される際に、ブロッコリーVが切離部200から受ける力に抗してブロッコリーVを支持する。
【0035】
野菜押し出し部170は、
図4に示すように、上下方向に延びた円柱状の部材である。野菜押し出し部170の上端面171は、上下方向に対して傾斜しており、これによって、斜め上方に面するように形成されている。野菜押し出し部170は、花蕾載置部160の孔167内に収容されている。野菜押し出し部170は、支持板311の下方に配置されたアクチュエータ175によって、花蕾載置部160の載置面165より下方に退避した退避位置と、載置面165の下端より上方へと突出した突出位置との間で上下方向に移動する。野菜押し出し部170は、ブロッコリーVの調製処理中には退避位置にあり、調製処理後に突出位置に移動することで花蕾載置部160上の花蕾V1を下方から突き上げて、ブロッコリーVを花蕾支持部150から脱離させる。野菜押し出し部170の前方には、
図1に示すように、斜め上前方に面するように傾斜した平板上の案内板176が配置されている。花蕾支持部150から脱離したブロッコリーVは、案内板176に案内され、さらに前方に配置されたコンテナ(不図示)に収容される。
【0036】
切離部200は、茎支持部110によって茎V2が支持され、花蕾支持部150によって花蕾V1が支持された状態で、ブロッコリーVから、茎V2の一部を切離する。切離部200は、
図1に示すように、第1側枝切離部210、第2側枝切離部220(本発明でいう先端切離部)、根本切離部230及び移動部270(本発明でいう相対移動部)を有している。
【0037】
第1側枝切離部210は、
図5に示すように、筒状カッター216(本発明でいう第1刃)、左ロッド部211、右ロッド部212及び昇降板213(
図1参照)を有している。
【0038】
筒状カッター216は、
図2に示すように、前開閉刃214及び後開閉刃215を有している。前開閉刃214及び後開閉刃215のいずれも、金属(例えば、バネ鋼)からなる薄板を用いて形成されており、弾性変形が可能である。前開閉刃214は、前方に向かって平面視でUの字状に突出するように湾曲した湾曲部214a、湾曲部214aの左端から左方に向かって延びた平板部214d、及び、湾曲部214aの右端から右方に向かって延びた平板部214eを有している。湾曲部214aの下端縁214fは、右方から見て、前方に位置した部分ほど下方に位置するように、水平方向に対して傾斜している。平板部214dには螺子穴214bが複数形成されている。このうち2つの螺子穴214bは、平板部214dの左端部に、上下に並んで配置されている。平板部214eには螺子穴214cが複数形成されている。このうち2つの螺子穴214cは、平板部214eの右端部に、上下に並んで配置されている。残り1つの螺子穴214cは湾曲部214aの近傍に配置されている。
【0039】
後開閉刃215は、前開閉刃214を前後方向に反転させた形状を有している。前開閉刃215は、湾曲部214a並びに平板部214d及び214eと対応した湾曲部215a並びに平板部215d及び215eを有している。また、前開閉刃214には、螺子穴214b及び214cと対応した螺子穴215b及び215cが形成されている。
【0040】
前開閉刃214及び後開閉刃215同士は、平板部214d及び215dの左端部に形成された2組の螺子穴214b及び螺子穴215bを貫通する螺子と、平板部214e及び215eの右端部に形成された2組の螺子穴214c及び螺子穴215cを貫通する螺子とによって固定されている。本実施形態では、残りの1組の螺子穴214c及び螺子穴215cは螺子留めに使用されていない。
【0041】
前開閉刃214及び後開閉刃215のそれぞれは、上記の通り弾性変形が可能である。このため、筒状カッター216が降下してブロッコリーVの茎V2と接触した際に、
図3に示すように、湾曲部214aの下部が前方に広がるか、湾曲部215aの下部が後方に広がるように弾性変形しやすい。なお、湾曲部214a及び215aの下部が両方同時に前後方向に広がってもよい。本実施形態では、上記の通り、平板部214d及び215dの左端部並びに平板部214e及び215eの右端部に形成された4組の螺子穴が螺子留めに使用され、湾曲部214a及び215aの近傍の螺子穴が螺子留めに使用されていない。このため、湾曲部214a及び215aにおける上記のような変形が起こりやすい。
【0042】
左ロッド部211は、
図1及び
図5に示すように、上下方向に延びた棒状の部材である。左ロッド部211は、上部構造部320におけるスライド板321を上下に貫通している。左ロッド部211の下端には筒状カッター216の平板部214d及び215dが固定されている。右ロッド部212は、上下方向に延びた棒状の部材である。右ロッド部212は、上部構造部320におけるスライド板321を上下に貫通している。右ロッド部212の下端には、筒状カッター216の平板部214e及び215eが固定されている。
【0043】
左ロッド部211及び右ロッド部212におけるスライド板321より上方の部分には、
図1及び
図5に示すように、複数枚のスペーサ281が挿入されている。スペーサ281は、手動で左ロッド部211及び右ロッド部212に追加したり、左ロッド部211及び右ロッド部212から除去したりできる。なお、
図5には、複数枚のスペーサ281がロッド部211に挿入された様子が記載されているが、その他の図においては、図の見やすさの観点からこのような図示が省略されている。
【0044】
昇降板213は、
図1及び
図9等に示すように、平面視で前方に開口したU字形状を有する平板状の部材である。昇降板213は、上下方向に関して支持台360と上部構造部320の間に位置している。昇降板213の左前端部には、左ロッド部211の上端部が固定されている。昇降板213の右前端部には、右ロッド部212の上端部が固定されている。昇降板213は、後方に配置された後述のアクチュエータ272と接続されている。アクチュエータ272は昇降板213を上下移動させる。昇降板213が上下移動すると、昇降板213に固定された左ロッド部211及び右ロッド部212を通じ、筒状カッター216も上下移動する。昇降板213は、その降下中に最も上方に位置するスペーサ281と接触すると降下を停止する。したがって、最も上方に位置するスペーサ281は、筒状カッター216の下限位置を規定している。よって、スペーサ281を追加したり除去したりすることで筒状カッター216の下限位置を調整することが可能である。
【0045】
移動部270は、
図1及び
図4に示すように、モータ271及び274並びにアクチュエータ272を有している。花蕾支持部150によって花蕾V1が支持され、茎支持部110によって茎V2が支持された状態で、モータ271が水平方向と直交する回転軸に対して茎支持部110を回転させつつ、モータ274が回転テーブル168を茎支持部110の回転方向と同方向に同じ速さで回転させる。これにより、ブロッコリーVが回転する。一方、アクチュエータ272が筒状カッター216を降下させる。このようにして、複数の側枝V3に筒状カッター216を上方から接触させつつブロッコリーVを回転させることにより、側枝V3がブロッコリーVから切離される。
【0046】
根本切離部230は、茎V2から根本の一部を切離する。根本切離部230は、
図5に示すように、根本カッター部240、カッター受け部250、アクチュエータ260を有している。
【0047】
根本カッター部240は、カッター241、右支持部242、右フレーム部245及びロッド部246を有している。カッター241は水平方向に沿った平板状の部材である。カッター241は、平面視で長い底辺が左方に配置された台形の形状を有しており、左端部が刃となっている。右支持部242は、左端がカッター241の右端に固定され、カッター241から右方に延びて、右端が右フレーム部245と固定されている。右フレーム部245は、左右方向と直交する方向に沿った平板状の部材である。右フレーム部245は、左右方向に沿った複数のロッド部246と固定されている。各ロッド部246は、右フレーム部245から左方に延び、アクチュエータ260と接続されている。アクチュエータ260は各ロッド部246を左右移動させる。
【0048】
カッター受け部250は、受けブロック251、左支持部252、左フレーム部255及びロッド部(不図示)を有している。受けブロック251は、平面視で長い底辺が右方に配置された台形の概略形状を有した角柱部材である。受けブロック251の右端部の前後方向の幅は、カッター241の左端部の幅と同程度の大きさを有している。左支持部252は、右端が受けブロック251の左端に固定され、受けブロック251から左方に延びて、左端が左フレーム部255と固定されている。左フレーム部255は、左右方向と直交する方向に沿った平板状の部材である。左フレーム部255は、右フレーム部245と同様に、左右方向に沿った複数のロッド部と固定されている。各ロッド部は、左フレーム部245から右方に延び、アクチュエータ260と接続されている。アクチュエータ260は各ロッド部を左右移動させる。
【0049】
花蕾支持部150に花蕾V1が支持されたブロッコリーVは、茎V2の根本が根本カッター部240とカッター受け部250とに挟まれる。この状態で、アクチュエータ260により右フレーム部245が左方に移動すると共に左フレーム部255が右方に移動すると、カッター241がブロッコリーVの茎V2の根本を受けブロック251との間に挟み込みつつこれを切断する。
【0050】
第2側枝切離部220は、
図4に示すように、下部構造部310の支持板311の上面に設置されている。第2側枝切離部220は、花蕾支持部150の後方に配置されている。第2側枝切離部220は、円盤カッター221(本発明でいう第2刃)及び円盤カッター駆動部225を有している。花蕾支持部150上に載置されたブロッコリーVは、複数の側枝V3のうち、比較的長尺の側枝V3が、茎V2の本体から花蕾V1の側方を通って、茎V2の根本から花蕾V1に向かう方向(概ね下方)に関して花蕾V1の先端よりも突出している。円盤カッター221は、このような側枝V3における花蕾V1の先端よりも突出した部分を切離できる高さに配置されている。
【0051】
円盤カッター駆動部225はアーム部226を有している。アーム部226は、円盤カッター221を回転可能に支持している。円盤カッター駆動部225は、アーム部226を前後移動させることで、花蕾支持部150から離隔した退避位置と花蕾支持部150に接触した接触位置との間で円盤カッター221を移動させる。接触位置においては、後述する花蕾支持部150の回転に伴い、花蕾支持部150の側面に接触した円盤カッター221も回転し、側枝V3における花蕾V1の先端よりも突出した部分を円盤カッター221に切離させる。
【0052】
制御部330は、
図1に示すように、上部構造部320の後方において、下部構造部310の支持板311に固定されている。制御部330は、ブロッコリー調製装置1の各部の動作を制御する機能に特化したコンピュータや制御回路等のハードウェアとハードウェアに各種の処理を実行させるソフトウェアとから構成されている。この各種の処理には、支持部100、切離部200及び上部構造部320の各動作を制御する処理が含まれている。また、制御部330には、図示しない複数のスイッチが接続されている。制御部330は、これら複数のスイッチの操作状況に基づき、ブロッコリー調製装置1のスタンバイ状態のオン及びオフを切り替えたり、装置を強制停止させたり、スタンバイ状態においてスイッチが操作された際に各部の動作を開始させたりする処理を行う。
【0053】
次に、ブロッコリー調製装置1に対するユーザによる操作と制御部330による各部の動作制御について、
図7~
図11を用いて説明する。
【0054】
まず、ブロッコリー調製装置1のスイッチがユーザによりスタンバイ状態に切り替えられる。次に、
図7に示すように、ブロッコリーVの花蕾V1が茎V2の下に配置された状態で、ユーザがブロッコリーVを花蕾支持部150に載置する。花蕾載置部160は、花蕾V1が茎V2の下に配置された状態で、ブロッコリーVを支持する。次に、ブロッコリー調製装置1のスイッチがユーザにより操作されると、ブロッコリー調製装置1が作動を開始する。制御部330は、ブロッコリー調製装置1の各部を以下の動作を行うように制御する。
【0055】
まず、上部構造部320のスライド板321は、スライド板321の前端が左レール324a及び右レール325aの前端に位置するまで、前方に移動する。
【0056】
次に、
図8に示すように、ロッド部136はアクチュエータ137に駆動されて下方に移動し、これにより昇降駆動体135が下方に移動する。これに連動し、ロッド部131及び茎接触部120も下方に移動する。茎接触部120の突出部122が茎V2の根本に接触すると、ロッド部136の移動が停止し、昇降駆動体135、ロッド部131及び茎接触部120の移動が停止する。
【0057】
次に、花蕾支持部150によって花蕾V1が支持され、茎支持部110によって茎V2が支持された状態で、モータ271が水平方向と直交する回転軸に対して茎支持部110を回転させつつ、モータ274が回転テーブル168を茎支持部110の回転方向と同方向に回転させることで花蕾支持部150が同様に回転する。これにより、
図8に示すように、ブロッコリーVが回転する。次に、円盤カッター駆動部225のアーム部226は、円盤カッター221が退避位置から接触位置に到達するまで、前方に移動する。円盤カッター221は、茎V2から生えた複数本の側枝V3に順次接触し、各側枝V3における花蕾V1の先端よりも突出した部分を切離していく。
【0058】
一方、
図9に示すように、アクチュエータ272が昇降板213を降下させ、筒状カッター216を降下させる。これにより、筒状カッター216にはその下端から茎V2が挿入される。この際、筒状カッター216の先端が茎V2と接触すると、筒状カッター216が変形し、湾曲部214a及び215aの下部が前方及び後方に広がり(
図3参照)、茎V2が円滑に筒状カッター216内に挿入される。よって、茎V2が筒状カッター216から受ける力の大きさが軽減する。筒状カッター216内に茎V2が挿入されつつさらに筒状カッター216が降下すると、ブロッコリーVの回転により側枝V3が、筒状カッター216の先端に接触しつつ移動することで、根本から切離されていく。
【0059】
次に、円盤カッター駆動部225のアーム部226が後方に移動し、円盤カッター221を退避位置に移動させる。一方で、昇降板213が最も上方に位置するスペーサ281と接触して昇降板213の降下が停止すると、アクチュエータ272が昇降板213を上昇させることで、筒状カッター216を元の位置まで上昇させる。また、筒状カッター216が元の位置まで上昇すると、モータ271及びモータ274の作動も停止して、茎支持部110及び回転テーブル168の回転が停止する。
【0060】
次に、ロッド部136がアクチュエータ137に駆動されて上昇し、これによって昇降駆動体135が元の位置まで上昇する。これに連動し、ロッド部131及び茎接触部120も元の位置まで上昇する。
【0061】
次に、根本カッター部240のアクチュエータ260が各ロッド部246を左右移動させ、茎V2の根本が根本カッター部240とカッター受け部250とに挟まれる。そして、カッター241が、
図10に示すように、茎V2の根本の一部を切断する。
【0062】
次に、上部構造部320のスライド板321が後方に元の位置まで移動する。
【0063】
次に、野菜押し出し部170は、アクチュエータ175によって、
図11に示すように、退避位置から突出位置まで移動し、花蕾V1を下方から突き上げて、ブロッコリーVを花蕾支持部150から脱離させる。次に、野菜押し出し部170は、アクチュエータ175によって、退避位置まで移動する。脱離したブロッコリーVは、案内板176によってコンテナへと案内される。
【0064】
以上に述べたように、花蕾支持部150は花蕾V1を下方から支持する。したがって、切離部200による茎V2の切離が花蕾支持部150によって妨げられにくい。また、茎支持部110は、茎V2に上方から接触する。したがって、側枝V3の切離は茎支持部110によっても妨げられにくい。本実施形態では、茎支持部110及び花蕾支持部150が独立でブロッコリーVが切離部200から受ける力に抗してブロッコリーVを支持する。つまり、切離の力に抗してブロッコリーVを支持する手段としては茎支持部110及び花蕾支持部150が設置されているのみである。このため、ブロッコリーVを支持する手段が側枝V3の切離を妨げにくい装置が実現する。
【0065】
また、花蕾V1が茎V2の下になるようにブロッコリーVが配置されるので、上方から筒状カッター216を降下させることで側枝V3を適切に切離しやすい。
【0066】
また、花蕾支持部150は花蕾V1を、茎支持部110は茎V2の根本を支持している。つまり、花蕾支持部150及び茎支持部110はブロッコリーVの上下方向の両端を支持している。したがって、これらを回転させてブロッコリーVを回転させる構成が実現しやすい。
【0067】
また、筒状カッター216が茎V2と接触した際、湾曲部214aの下部が前方に広がったり、湾曲部215aの下部が後方に広がったりする。これにより、筒状カッター216から茎V2が受ける力が軽減されるので、花蕾V1が花蕾支持部150に押し付けられて傷つくのが抑制される。
【0068】
また、円盤カッター221が、長尺な側枝V3における花蕾V1の先端よりも延びた部分の少なくとも一部を切離する。これにより、長尺な側枝V3における花蕾V1の側方に配置された部分が切離されずに残ることになる。このような部分は、花蕾V1を側方から保護する役割を果たす。このため、野菜の流通過程や販売時において花蕾が傷つきにくくなる。
【0069】
また、切離部200が根本切離部230を有しているため、茎V2の長さを調製することができる。
【0070】
また、花蕾支持部150は野菜押し出し部170を有しているため、調製後のブロッコリーVを花蕾支持部150から適切に脱離させることができる。
【0071】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0072】
上述の実施形態では、茎支持部110及び花蕾支持部150の両者が設置されているが、花蕾支持部150のみが設置されていてもよい。この場合、花蕾支持部150が独立でブロッコリーVが切離部200から受ける力に抗してブロッコリーVを支持する。つまり、切離の力に抗してブロッコリーVを支持する手段としては花蕾支持部150が設置されているのみとなる。
【0073】
また、上述の実施形態では、茎支持部110、具体的には茎接触部120が下方へと移動し、ブロッコリーVの茎V2と接触する。したがって、茎V2が茎接触部120から受ける力の方向は鉛直下方である。これに対し、例えば、茎接触部120が斜め下方に向かって移動して茎V2に接触してもよい。つまり、茎V2が茎接触部120から受ける力の方向が鉛直方向に対して斜め下方であってもよい。
【0074】
また、上述の実施形態では、移動部200がブロッコリーVを回転させつつ筒状カッター216を降下させることでブロッコリーVの側枝V2を筒状カッター216に切離させている。これに対し、例えば、ブロッコリーVは固定したまま、筒状カッター216を回転させつつ降下させることで筒状カッター216に側枝V2を切離させてもよい。つまり、筒状カッター216がブロッコリーVに対して相対的に回転移動且つ降下をすればよく、上記移動方法以外の方法を用いる移動部が移動部200の代わりに採用されてもよい。
【0075】
上述の実施形態では、モータ271が茎支持部110を回転させつつ、モータ274が花蕾載置部160の回転テーブル168を回転させる。しかし、モータ271又はモータ274のどちらかのみが設けられることで、茎支持部110及び花蕾載置部160の一方が駆動され、他方がこれに従動してもよい。
【0076】
上述の実施形態では、根本切離部230はカッター受け部250を有している。しかし、カッター受け部250の代わりに根本カッター部が設置されてもよい。つまり、根本切離部は左右のカッターを有する構造であってもよい。
【0077】
上述の実施形態では、第2側枝切離部220の円盤カッター221は、上下方向の高さが固定されている。しかし、円盤カッターの位置は可変として、側枝V3の切離箇所を変更できるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0078】
1 ブロッコリー調製装置
100 支持部
110 茎支持部
150 花蕾支持部
165 載置面
166 凹部
170 野菜押し出し部
200 切離部
216 筒状カッター
220 第2側枝切離部
221 円盤カッター
230 根本切離部
270 移動部
V ブロッコリー
V1 花蕾
V2 茎
V3 側枝