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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112610
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】バスバーモジュール
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/507 20210101AFI20240814BHJP
   H01M 50/569 20210101ALI20240814BHJP
   H01M 50/298 20210101ALI20240814BHJP
【FI】
H01M50/507
H01M50/569
H01M50/298
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017768
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000006895
【氏名又は名称】矢崎総業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 潤之
(72)【発明者】
【氏名】片岡 良太
【テーマコード(参考)】
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H040AA01
5H040AA03
5H040AS07
5H040AT02
5H040AT06
5H040AY04
5H040AY05
5H040AY08
5H040DD03
5H040NN03
5H043AA05
5H043AA13
5H043AA19
5H043BA11
5H043CA04
5H043CA05
5H043FA04
5H043GA23
5H043GA30
5H043JA03F
5H043LA21F
(57)【要約】
【課題】バスバー収容部の配列方向の体格低減が可能なバスバーモジュールを提供する。
【解決手段】複数の単電池22の隣接する電極24間を接続するバスバー70と、バスバー70に接続される検出端子62と、検出端子62に接続されてケース40に配索される検出電線64とを備える。ケース40は、バスバー収容部42と、検出電線64を収容する第1配索溝44と、一端が第1配索溝44に連通し、隣接するバスバー収容部42の間に延設された複数の第2配索溝46,46Aと、第2配索溝46Aの他端に連通し、総正極24Aから一番離れて配置されたバスバー収容部42まで延設された第3配索溝48と、第2配索溝46Aの他端に連通し、総正極24Aに向かって延設されて検出電線64を収容する第4配索溝50と、を有する。検出端子62の電線接続部66が、第3配索溝48及び第4配索溝50と、第2配索溝46とに配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の単電池を並べて構成された電池集合体の側面に組付けられるケースと、
前記複数の単電池における隣接する電極間をそれぞれ電気的に接続する複数のバスバーと、
前記複数のバスバーに電気的に接続される複数の端子と、
前記複数の端子にそれぞれ電気的に接続されて前記ケースに配索される複数の電線と、を備えたバスバーモジュールであって、
前記ケースは、
前記複数の単電池の並び方向に配列され、前記バスバーを絶縁隔離して収容する複数のバスバー収容部と、
前記複数のバスバー収容部の配列方向に延設されて前記電線を収容する第1配索溝と、
一端が前記第1配索溝に連通し、隣接する前記バスバー収容部の間に延設されて前記電線を収容する複数の第2配索溝と、
前記第2配索溝の他端に連通し、当該第2配索溝の他端から前記配列方向に沿って前記電池集合体における総電極から一番離れて配置された前記バスバー収容部まで延設されて前記電線を収容する第3配索溝と、
前記第2配索溝の他端に連通し、当該第2配索溝の他端から前記配列方向に沿って前記総電極に向かって延設されて前記電線を収容する第4配索溝と、を有し、
前記端子の電線接続部が、前記第3配索溝及び前記第4配索溝と、前記第3配索溝及び前記第4配索溝に連通した前記第2配索溝を除く他の前記第2配索溝と、に配置された、
バスバーモジュール。
【請求項2】
前記第3配索溝及び前記第4配索溝に連通した前記第2配索溝が、前記複数の第2配索溝のうち前記総電極から一番離れて配置された、
請求項1に記載のバスバーモジュール。
【請求項3】
前記第1~第4配索溝が、収容された前記電線を覆ってはみ出しを抑制するためのカバーを有する、
請求項1又は2に記載のバスバーモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バスバーモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば電気自動車やハイブリッドカーなどでは、複数の単電池を直列や並列に接続した組電池を電源として搭載している。これらの車両用の組電池は、隣接する単電池の正極と負極を接続する複数のバスバーが、組電池に取り付けられる絶縁樹脂製のバスバーモジュールに保持されている。
【0003】
バスバーモジュールには、各単電池の電極と電気的に接続される電圧検出端子が設けられる。電圧検出端子は、例えば、平板状の端子部を有し、バスバーに重ねられて取り付けられる。従って、バスバーモジュールには、電圧検出端子に接続される電圧検出線(電線)が電線配索溝に収容されて配索されている。
【0004】
ところで、組電池には、接続モジュール(バスバーモジュール)が側面(大地に対して鉛直な面)に取り付けられるものがある(例えば、特許文献1参照)。このような組電池は、単電池の両側面に電極(正極と負極)が設けられている。そして、これら電極を接続する複数のバスバーが保持される接続モジュールは、組電池の両側面にそれぞれ組み付けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-212128号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載の接続モジュールでは、バスバー収容部の配列方向に延設されてバスバーの下方の長辺側に検出電線(電線)を配設するための電線収容溝(第1配索溝)に加え、各バスバー保持部におけるバスバー収容部の配列方向の一方側に設けられてバスバーの上方の長辺側と下方の長辺側との間で検出電線を迂回させる迂回経路(第2配索溝)が設けられている。
【0007】
そのため、バスバー収容部の配列方向における一方側端部に位置するバスバー保持部に設けられた迂回経路が接続モジュールの最外部となり、接続モジュールはバスバー収容部の配列方向の体格が大きくなってしまう。そこで、接続モジュールの部品コストが増大するとともに、電池パックの最大外形寸法が拡大する可能性があった。
【0008】
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、バスバー収容部の配列方向の体格低減が可能なバスバーモジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明に係るバスバーモジュールは、下記を特徴としている。
複数の単電池を並べて構成された電池集合体の側面に組付けられるケースと、前記複数の単電池における隣接する電極間をそれぞれ電気的に接続する複数のバスバーと、前記複数のバスバーに電気的に接続される複数の端子と、前記複数の端子にそれぞれ電気的に接続されて前記ケースに配索される複数の電線と、を備えたバスバーモジュールであって、前記ケースは、前記複数の単電池の並び方向に配列され、前記バスバーを絶縁隔離して収容する複数のバスバー収容部と、前記複数のバスバー収容部の配列方向に延設されて前記電線を収容する第1配索溝と、一端が前記第1配索溝に連通し、隣接する前記バスバー収容部の間に延設されて前記電線を収容する複数の第2配索溝と、前記第2配索溝の他端に連通し、当該第2配索溝の他端から前記配列方向に沿って前記電池集合体における総電極から一番離れて配置された前記バスバー収容部まで延設されて前記電線を収容する第3配索溝と、前記第2配索溝の他端に連通し、当該第2配索溝の他端から前記配列方向に沿って前記総電極に向かって延設されて前記電線を収容する第4配索溝と、を有し、前記端子の電線接続部が、前記第3配索溝及び前記第4配索溝と、前記第3配索溝及び前記第4配索溝に連通した前記第2配索溝を除く他の前記第2配索溝と、に配置された、バスバーモジュール。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るバスバーモジュールによれば、バスバー収容部の配列方向の体格低減が可能になるという効果を奏する。
【0011】
以上、本発明について簡潔に説明した。更に、以下に説明される発明を実施するための形態(以下、「実施形態」という。)を添付の図面を参照して通読することにより、本発明の詳細は更に明確化されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、本発明の一実施形態に係るバスバーモジュールが取り付けられた電池パックの概略斜視図である。
図2図2は、図1に示したバスバーモジュールの分解斜視図である。
図3図3は、図2に示した端子の固定構造を説明する要部拡大斜視図である。
図4図4は、図1に示したバスバーモジュールのカバーを開いた状態の正面図である。
図5図5は、図4に示したバスバーモジュールの要部拡大図である。
図6図6は、参考例に係るバスバーモジュールが取り付けられた電池パックの要部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明に関する具体的な実施形態について、各図を参照しながら以下に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るバスバーモジュール30が取り付けられた電池パック10の概略斜視図である。図2は、図1に示したバスバーモジュール30の分解斜視図である。
【0014】
本実施形態に係るバスバーモジュール30は、図1に示すように、複数の単電池22を並設した組電池(電池集合体)20の左右両側面(大地に対して鉛直な面)にそれぞれ取り付けられる。そして、一対のバスバーモジュール30と組電池20とが、電池パック10を構成している。一対のバスバーモジュール30は、互いに同様の構成を有している。
なお、図1において、矢印Yは組電池20の上下方向を示し、矢印Xは組電池20の長手方向(複数の単電池22の配列方向)を示し、矢印Zは組電池20の左右方向を示す。
【0015】
本実施形態における単電池22は、板形状に形成され、矩形平面となる左右両側面の下端寄りからそれぞれ突出して設けられた一対の電極24を備えている。一対の電極24のうち一方は正極であり、他方は負極である。
組電池20は、互いに隣り合う単電池22の電極24の極が揃えられて一体化されており、バスバーモジュール30は、バスバー70によって複数の単電池22を電気的に直列接続する。
【0016】
本実施形態における電池パック10は、直列に接続された複数の単電池22の配列方向両端に位置する単電池22の電極24が総電極となる。即ち、例えば一端(矢印X2方向端)の単電池22の正極である電極24が総正極24A、となり、他端(矢印X1方向端)の単電池22の負極である電極24が総負極(図示せず)となる。
【0017】
図3は、図2に示した検出端子62の固定構造を説明する要部拡大斜視図である。図4は、図1に示したバスバーモジュール30のヒンジカバー45,47,49,51を開いた状態の正面図である。
【0018】
バスバーモジュール30は、図2に示すように、絶縁樹脂製のケース40と、複数の単電池22における隣接する電極24間をそれぞれ電気的に接続する複数のバスバー70と、ケース40に配索されるワイヤハーネス60と、を主要な構成として一体に組み立てられる。
【0019】
ワイヤハーネス60は、複数のバスバー70にそれぞれ電気的に接続される複数の検出端子(端子)62と、複数の検出端子62の電線接続部66に端末部がそれぞれ電気的に接続されてケース40に配索される複数の検出電線(電線)64と、を備える。
【0020】
ケース40は、複数(本実施形態では、6つ)のバスバー70を絶縁隔離して収容する複数のバスバー収容部42と、検出電線64を収容する第1配索溝44、第2配索溝46,46A、第3配索溝48及び第4配索溝50と、を有する。
【0021】
複数のバスバー収容部42は、複数(本実施形態では、13個)の単電池22の並び方向(矢印X方向)に配列されている。矩形箱状の各バスバー収容部42には、隣接する単電池22の正極の電極24と負極の電極24とが配置される。各バスバー収容部42には、これら正極の電極24と負極の電極24とを接続するための導電性金属板からなる矩形状のバスバー70が絶縁隔離して収容される。
【0022】
バスバー70は、例えば隣接する単電池22の正極の電極24と負極の電極24とに溶接されることで、これら電極24間を電気的に接続する。なお、バスバー70は、バスバー収容部42に形成された係止部(図示せず)によって係止され、バスバー収容部42にそれぞれ保持される。
また、配列方向両端に位置する単電池22の総正極24A及び総負極(図示せず)には、図示しない電力ケーブルに接続されるバスバー72が溶接されて電気的に接続される。
【0023】
第1配索溝44は、バスバー70の上辺側に検出電線64を配設するために、複数のバスバー収容部42の配列方向(矢印X方向)に延設されて検出電線64を収容する電線配索溝である。第1配索溝44には、収容された検出電線64を覆ってはみ出しを抑制するためのヒンジカバー(カバー)45が設けられている。そこで、第1配索溝44に収容された検出電線64がはみ出るのを抑制できる。
【0024】
第1配索溝44の中間部には、ケース40に配索されたワイヤハーネス60を作業空間に引き出すための集合部41が設けられている。集合部41を経て電線引出し口43から引き出されたワイヤハーネス60には、図示しないECUが接続され、各単電池22の充電状態が制御される。
【0025】
複数(本実施形態では6本)の第2配索溝46,46Aは、バスバー70の下方に向けて検出電線64を配設するために、上端(一端)が第1配索溝44に連通し、隣接するバスバー収容部42の間に延設されて検出電線64を収容する電線配索溝である。第2配索溝46,46Aには、収容された検出電線64を覆ってはみ出しを抑制するためのヒンジカバー(カバー)47が設けられている。そこで、第2配索溝46,46Aに収容された検出電線64がはみ出るのを抑制できる。
【0026】
なお、第2配索溝46Aは、複数の第2配索溝46,46Aのうち組電池20における一端(矢印X2方向端)の単電池22の総電極である総正極24Aから一番離れて配置された(即ち、矢印X1方向端に配置された)電線配索溝である。
【0027】
第2配索溝46の下端部には、検出端子62を固定するための係止突起52が突設されているが、第2配索溝46Aには、係止突起52が突設されていない。また、係止突起52に対応する第2配索溝46の側壁には、検出端子62がバスバー収容部42内に突出できるように切欠き部46aが形成されている。
【0028】
第3配索溝48は、第2配索溝46Aの下端(他端)に連通し、当該第2配索溝46Aの下端から配列方向に沿って組電池20における総正極(総電極)24Aから一番離れて配置されたバスバー収容部42まで延設されて検出電線64を収容する電線配索溝である。第3配索溝48には、収容された検出電線64を覆ってはみ出しを抑制するためのヒンジカバー(カバー)49が設けられている。そこで、第3配索溝48に収容された検出電線64がはみ出るのを抑制できる。
【0029】
第3配索溝48には、検出端子62を固定するための係止突起52が突設されている。また、係止突起52に対応する第3配索溝48の側壁には、検出端子62がバスバー収容部42内に突出できるように切欠き部48aが形成されている。
【0030】
第4配索溝50は、第2配索溝46Aの下端(他端)に連通し、当該第2配索溝46Aの下端から配列方向に沿って総正極(総電極)24Aに向かって延設されて検出電線64を収容する電線配索溝である。第4配索溝50には、収容された検出電線64を覆ってはみ出しを抑制するためのヒンジカバー(カバー)51が設けられている。そこで、第4配索溝50に収容された検出電線64がはみ出るのを抑制できる。
【0031】
第4配索溝50には、検出端子62を固定するための係止突起52が突設されている。また、係止突起52に対応する第4配索溝50の側壁には、検出端子62がバスバー収容部42内に突出できるように切欠き部50aが形成されている。
【0032】
図3に示すように、第2配索溝46、第3配索溝48及び第4配索溝50に突設された係止突起52は、検出端子62の係合孔63に圧入されることで、電線接続部66に検出電線64の端末が接続された検出端子62をケース40に保持することができる。ケース40に保持されてバスバー収容部42内に突出した検出端子62は、バスバー70の上面に溶接されることで電気的に接続される。
そこで、検出端子62の電線接続部66は、第3配索溝48及び第4配索溝50と、第3配索溝48及び第4配索溝50に連通した第2配索溝46Aを除く他の第2配索溝46と、にそれぞれ配置される。
【0033】
そして、図4に示すように、組電池20における一端側(矢印X2方向端側)から1番目~4番目のバスバー70に検出端子62が接続された4本の検出電線64は、それぞれ第2配索溝46に配索される。その後、これら4本の検出電線64は、第1配索溝44に配索されて集合部41から作業空間に引き出される。
【0034】
図5は、図4に示したバスバーモジュール30の要部拡大図である。
図4に示すように、組電池20における一端側(矢印X2方向端側)から5番目及び6番目のバスバー70(即ち、総正極24Aから一番目及び二番目に離れて配置されたバスバー70)に検出端子62が接続された2本の検出電線64は、それぞれ第3配索溝48及び第4配索溝50に配索される。その後、これら2本の検出電線64は、組電池20における一端側(矢印X2方向端側)から一番離れて配置された第2配索溝46Aに配索され、その後第1配索溝44に配索されて集合部41から作業空間に引き出される。
【0035】
即ち、図5に示すように、第2配索溝46Aの下端に連通する第3配索溝48及び第4配索溝50が設けられ、上記5番目及び6番目のバスバー70に検出端子62が接続された2本の検出電線64が第3配索溝48及び第4配索溝50から第2配索溝46Aにまとめて配索される。そこで、上記6番目のバスバー70に検出端子62が接続された検出電線64を配索するために、上記6番目のバスバー収容部42の他端側(矢印X1方向端側)に第2配索溝46を設ける必要がなくなる。
【0036】
図6は、参考例に係るバスバーモジュール30Aが取り付けられた電池パック10Aの要部拡大図である。
参考例に係るバスバーモジュール30Aは、上記バスバーモジュール30のケース40をケース80に代えた以外は略同様の構成であるので、同部材には同符号を付して詳細な説明を省略する。
【0037】
図6に示すように、絶縁樹脂製のケース80は、6つのバスバー70を絶縁隔離して収容する複数のバスバー収容部82と、検出電線64を収容する第1配索溝84及び第2配索溝86と、を有する。
【0038】
第1配索溝84は、バスバー70の上辺側に検出電線64を配設するために、複数のバスバー収容部82の配列方向(矢印X方向)に延設されて検出電線64を収容する電線配索溝である。第1配索溝84には、収容された検出電線64を覆ってはみ出しを抑制するためのヒンジカバー85が設けられている。
【0039】
複数(本実施形態では6本)の第2配索溝86は、バスバー70の下方に向けて検出電線64を配設するために、上端(一端)が第1配索溝84に連通して検出電線64を収容する電線配索溝である。第2配索溝86は、隣接するバスバー収容部82の間と、組電池20における一端側(矢印X2方向端側)から6番目のバスバー収容部82の他端側(矢印X1方向端側)とに延設されている。第2配索溝86には、収容された検出電線64を覆ってはみ出しを抑制するためのヒンジカバー87が設けられている。
【0040】
第2配索溝86の下端部には、検出端子62を固定するための係止突起52が突設されている。また、係止突起52に対応する第2配索溝86の側壁には、検出端子62がバスバー収容部82内に突出できるように切欠き部86aが形成されている。
【0041】
第2配索溝86に突設された係止突起52は、検出端子62の係合孔63に圧入されることで、電線接続部66に検出電線64の端末が接続された検出端子62をケース80に保持することができる。ケース80に保持されてバスバー収容部82内に突出した検出端子62は、バスバー70の上面に溶接されることで電気的に接続される。そこで、検出端子62の電線接続部66は、第2配索溝46に配置される。
【0042】
そして、6つのバスバー70に検出端子62が接続された6本の検出電線64は、それぞれ第2配索溝86に配索される。その後、これら6本の検出電線64は、第1配索溝84に配索されて図示しない集合部から作業空間に引き出される。
【0043】
即ち、複数の第2配索溝86には、それぞれ検出電線64が1本ずつ配索される。そして、上記6番目のバスバー収容部42の他端側(矢印X1方向端側)には、上記6番目のバスバー70に検出端子62が接続された検出電線64を配索するための第2配索溝46が設けられている。
【0044】
従って、図6に示すように、上記6番目のバスバー収容部82の他端側に設けられた第2配索溝46がバスバーモジュール30Aの最外部となり、バスバーモジュール30Aはバスバー収容部82の配列方向の体格が大きくなってしまう。
【0045】
これに対し、上述した本実施形態のバスバーモジュール30は、図5に示したように、上記6番目のバスバー70に検出端子62が接続された検出電線64を配索するための第2配索溝46が、上記6番目のバスバー収容部42の他端側(矢印X1方向端側)にない。
【0046】
そのため、本実施形態のバスバーモジュール30では、上記6番目のバスバー収容部42がバスバーモジュール30の最外部となり、バスバーモジュール30はバスバー収容部42の配列方向の体格が小さくなる。そこで、バスバーモジュール30の部品コストが減少するとともに、電池パック10の最大外形寸法が拡大するのを抑制することができる。
【0047】
また、本実施形態のバスバーモジュール30では、第3配索溝48及び第4配索溝50に連通する第2配索溝46Aが、複数の第2配索溝46,46Aのうち組電池20における総電極である総正極24Aから一番離れて配置されている。
そこで、第2配索溝46Aが総正極24Aの近くに配置されている場合にくらべて、第3配索溝48を短くできる。即ち、バスバーモジュール30の体格を最小とすることができる。
【0048】
従って、本実施形態のバスバーモジュール30によれば、バスバー収容部42の配列方向の体格低減が可能になるという効果を奏する。
【0049】
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、適宜、変形、改良、等が可能である。その他、上述した実施形態における各構成要素の材質、形状、寸法、数、配置箇所、等は本発明を達成できるものであれば任意であり、限定されない。
【0050】
例えば、上記実施形態では、第3配索溝48及び第4配索溝50に連通した第2配索溝46Aが、複数の第2配索溝46,46Aのうち組電池20における総電極である総正極24Aから一番離れて配置されているが、本発明はこれに限定されるものではない。第2配索溝46Aは、総正極24Aの近くに配置することもできる。この場合、バスバーモジュール30は、第3配索溝48の長さが長くなった分だけ体格が大きくなるが、バスバー収容部42の配列方向の体格が大きくなることはなく、電池パック10の最大外形寸法が拡大することはない。
【0051】
ここで、上述した本発明に係るバスバーモジュールの実施形態の特徴をそれぞれ以下[1]~[3]に簡潔に纏めて列記する。
【0052】
[1] 複数の単電池(22)を並べて構成された電池集合体(組電池20)の側面に組付けられるケース(40)と、
前記複数の単電池(22)における隣接する電極(24)間をそれぞれ電気的に接続する複数のバスバー(70)と、
前記複数のバスバー(70)に電気的に接続される複数の端子(検出端子62)と、
前記複数の端子(検出端子62)にそれぞれ電気的に接続されて前記ケース(40)に配索される複数の電線(検出電線64)と、を備えたバスバーモジュール(30)であって、
前記ケース(40)は、
前記複数の単電池(22)の並び方向に配列され、前記バスバー(70)を絶縁隔離して収容する複数のバスバー収容部(42)と、
前記複数のバスバー収容部(42)の配列方向(X)に延設されて前記電線(検出電線64)を収容する第1配索溝(44)と、
一端が前記第1配索溝(44)に連通し、隣接する前記バスバー収容部(42)の間に延設されて前記電線(検出電線64)を収容する複数の第2配索溝(46,46A)と、
前記第2配索溝(46A)の他端に連通し、当該第2配索溝(46A)の他端から前記配列方向(X)に沿って前記電池集合体(組電池20)における総電極(総正極24A)から一番離れて配置された前記バスバー収容部(42)まで延設されて前記電線(検出電線64)を収容する第3配索溝(48)と、
前記第2配索溝(46A)の他端に連通し、当該第2配索溝(46A)の他端から前記配列方向(X)に沿って前記総電極(総正極24A)に向かって延設されて前記電線(検出電線64)を収容する第4配索溝(50)と、を有し、
前記端子(検出端子62)の電線接続部(66)が、前記第3配索溝(48)及び前記第4配索溝(50)と、前記第3配索溝(48)及び前記第4配索溝(50)に連通した前記第2配索溝(46A)を除く他の前記第2配索溝(46)と、に配置された、
バスバーモジュール(30)。
【0053】
上記[1]の構成のバスバーモジュール(30)によれば、第3配索溝(48)及び第4配索溝(50)が、第2配索溝(46A)の下端に連通して設けられる。そして、総電極(総正極24A)から一番離れて配置されたバスバー収容部(42)に収容されたバスバー(70)と、総電極(総正極24A)に近い側に配置されたバスバー収容部(42)に収容されたバスバー(70)とに端子(検出端子62)が接続された2本の電線(検出電線64)は、第3配索溝(48)及び第4配索溝(50)から第2配索溝(46A)にまとめて配索される。そこで、総電極(総正極24A)から一番離れたバスバー70に検出端子62が接続された電線(検出電線64)を配索するために、総電極(総正極24A)から一番離れたバスバー収容部(42)の他端側(矢印X1方向端側)に第2配索溝(46)を設ける必要がなくなる。
そのため、上記[1]の構成のバスバーモジュール(30)では、総電極(総正極24A)から一番離れたバスバー収容部(42)がバスバーモジュール(30)の最外部となり、バスバーモジュール(30)はバスバー収容部(42)の配列方向の体格が小さくなる。そこで、バスバーモジュール(30)の部品コストが減少するとともに、電池パック(10)の最大外形寸法が拡大するのを抑制することができる。
【0054】
[2] 前記第3配索溝(48)及び前記第4配索溝(50)に連通した前記第2配索溝(46A)が、前記複数の第2配索溝(46,46A)のうち前記総電極(総正極24A)から一番離れて配置された、
上記[1]に記載のバスバーモジュール(30)。
【0055】
上記[2]の構成のバスバーモジュール(30)によれば、第2配索溝(46A)が総電極(総正極24A)の近くに配置されている場合にくらべて、第3配索溝(48)を短くできる。即ち、バスバーモジュール(30)の体格を最小とすることができる。
【0056】
[3] 前記第1~第4配索溝(44,46,46A,48,50)は、収容された前記電線(検出電線64)を覆ってはみ出しを抑制するためのカバー(ヒンジカバー45,47,51)を有する、
上記[1]又は[2]に記載のバスバーモジュール(30)。
【0057】
上記[3]の構成のバスバーモジュール(30)によれば、第1~第4配索溝(44,46,46A,48,50)に収容された電線(検出電線64)がはみ出すのを抑制できる。
【符号の説明】
【0058】
20…組電池(電池集合体)
22…単電池
24…電極
24A…総正極(総電極)
30…バスバーモジュール
40…ケース
42…バスバー収容部
44…第1配索溝
46…第2配索溝
46A…第2配索溝
48…第3配索溝
50…第4配索溝
62…検出端子(端子)
64…検出電線(電線)
66…電線接続部
70…バスバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6