(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011262
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/10 20230101AFI20240118BHJP
【FI】
G06Q10/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113137
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】500257300
【氏名又は名称】LINEヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小川 知紘
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供すること。
【解決手段】本願に係る情報処理装置は、判定部と、参加処理部とを備える。判定部は、オンライン会議の効率である会議効率を判定する。参加処理部は、判定部によって判定された会議効率が予め定められた条件を満たさない場合、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
オンライン会議の効率である会議効率を判定する判定部と、
前記判定部によって判定された前記会議効率が予め定められた条件を満たさない場合、仮想的に特定ユーザを前記オンライン会議に参加させる参加処理部と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記参加処理部は、
前記特定ユーザのアバターを前記オンライン会議に出現させる
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記参加処理部は、
前記オンライン会議の参加ユーザのうち一部の参加ユーザによって操作可能に前記特定ユーザのアバターを前記オンライン会議に出現させる
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記参加処理部は、
前記会議効率を向上させるユーザを前記特定ユーザとして推定する推定部を備える
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記推定部は、
前記オンライン会議の種別毎に前記会議効率を向上させるユーザを前記特定ユーザとして推定する
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部によって推定された前記特定ユーザに対して仮想的な前記オンライン会議への参加を示す情報を前記特定ユーザに通知する通知部を備える
ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記判定部は、
前記会議効率と前記オンライン会議の参加ユーザとの関係を示す情報に基づいて、前記オンライン会議の参加ユーザから前記会議効率を判定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記判定部は、
単位時間当たりの発言数に基づいて、前記会議効率を判定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記判定部は、
前記オンライン会議の参加ユーザが前記オンライン会議において入力した前記オンライン会議の効率を示す情報に基づいて、前記会議効率を判定する
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータが実行する情報処理方法であって、
オンライン会議の効率である会議効率を判定する判定工程と、
前記判定工程によって判定された前記会議効率が予め定められた条件を満たさない場合、仮想的に特定ユーザを前記オンライン会議に参加させる参加処理工程と、を含む
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項11】
オンライン会議の効率である会議効率を判定する判定手順と、
前記判定手順によって判定された前記会議効率が予め定められた条件を満たさない場合、仮想的に特定ユーザを前記オンライン会議に参加させる参加処理手順と、をコンピュータに実行させる
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理技術の発展に伴い、ネットワークを介して接続された複数の端末装置を用いたオンライン会議の技術が注目されており、オンライン会議の効率化を図る技術が提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、ビデオチャット画面と、共有用画面、およびビデオチャット画面以外の他のコミュニケーション用画面とが端末装置において並べて表示されるようにレイアウト済みのオンライン会議用画面を送信することで、オンライン会議の効率化を支援する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の従来技術では、オンライン会議において双方向の円滑なコミュニケーションを促進するための複数の画面を並べたオンライン会議用画面を送信することでオンライン会議を支援することができるが、オンライン会議のさらなる効率化を図る点で改善の余地がある。
【0006】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願に係る情報処理装置は、判定部と、参加処理部とを備える。判定部は、オンライン会議の効率である会議効率を判定する。参加処理部は、判定部によって判定された会議効率が予め定められた条件を満たさない場合、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の一態様によれば、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】
図1は、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法を説明するための図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る会議情報記憶部に記憶される会議情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る会議効率情報記憶部に記憶される会議効率情報テーブルの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る情報処理装置の処理部による情報処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】
図8は、実施形態に係る情報処理装置の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法、および情報処理プログラムが限定されるものではない。また、各実施形態は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0011】
〔1.情報処理の一例〕
まず、
図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法について説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法を説明するための図である。
【0012】
図1に示す情報処理装置1は、オンライン会議サービスを提供する。かかるオンライン会議サービスは、Web会議サービスとも呼ばれる。
図1では、端末装置2
1,2
2,2
3のユーザU
1,U
2,U
3に対して、オンライン会議サービスを提供する例を示している。以下において、端末装置2
1,2
2,2
3を含む複数の端末装置の各々を個別に区別せずに示す場合、端末装置2と記載する場合があり、ユーザU
1,U
2,U
3を含む複数のユーザの各々を個別に区別せずに示す場合、ユーザUと記載する場合がある。
【0013】
端末装置21は、ユーザU1の情報であるユーザ情報を情報処理装置1に送信し(ステップS11)、端末装置22は、ユーザU2の情報であるユーザ情報を情報処理装置1に送信し(ステップS12)、端末装置23は、ユーザU3の情報であるユーザ情報を情報処理装置1に送信する(ステップS13)。各端末装置2にはマイク、カメラ、表示部、およびスピーカなどが搭載されており、ユーザ情報は、マイクによってリアルタイムで集音されたユーザUの音声情報、およびカメラによってリアルタイムで撮像されたユーザUの動画の情報である撮像動画情報などを含むリアルタイム情報を含む。
【0014】
情報処理装置1は、端末装置21,22,23から送信されるユーザU1,U2,U3のユーザ情報に基づいて、会議情報を生成する(ステップS2)。情報処理装置1は、各ユーザUのユーザ情報に含まれる音声情報をミキシングして会議情報における音声情報を生成する。なお、情報処理装置1は、複数のユーザUのユーザ情報に含まれる音声情報のうち選択した1つの音声情報を会議情報における音声情報とすることもできる。
【0015】
また、情報処理装置1は、ユーザUの音声情報を音声認識によって文字情報に変換し、変換した文字情報を音声合成によりユーザUが指定したキャラクタの音声情報に変換することができる。
【0016】
また、情報処理装置1の音声合成では、話し方(声の大きさ、スピード、イントネーション(強調)、発話間隔(間)など)および音質などをパラメータによって調整することができ、情報処理装置1は、ユーザUが指定した話し方および音質などで音声合成により文字情報を音声情報に変換することができる。
【0017】
また、情報処理装置1は、各ユーザUのユーザ情報に含まれる撮像動画情報を用いて会議情報のうち画像情報を生成する。例えば、情報処理装置1は、ユーザUの撮像動画情報に含まれるユーザUの身体の画像である身体画像に対して画像処理を行って会議情報におけるユーザUの動画情報を生成する。
【0018】
例えば、情報処理装置1は、ユーザUの身体の画像から学習モデルなどを用いて各特徴点の座標などを特定し、特定した結果に基づいて、ユーザUの身体を3次元空間で再構築することによって会議情報におけるユーザUの動画情報を生成する。ユーザUの身体は、例えば、ユーザUの顔や首であるが、ユーザUの顔や首に加えて、ユーザUの胴体、手、腕、脚などを含んでもよい。
【0019】
また、情報処理装置1は、例えば、ユーザUが指定したキャラクタの身体3次元モデルを、ユーザUの身体の画像から推定される身体形状に合うように変形させることで会議情報におけるユーザUの動画情報を生成することもできる。ユーザUが指定したキャラクタは、会議情報においてユーザUのアバターとして示される。各ユーザUは、複数種類のキャラクタの中から所望のキャラクタを指定することができる。
【0020】
情報処理装置1は、ステップS2の処理で生成した会議情報を端末装置21,22,23に送信して端末装置21,22,23に会議情報を再生させる(ステップS31,S32,S33)。情報処理装置1は、ステップS11,S12,S13,S2,S31,S32,S33の処理を繰り返すことで、ユーザU1,U2,U3にオンライン会議サービスを提供することができる。
【0021】
図1の(a)に示す例では、各端末装置2に表示される会議画面には、ユーザU
1,U
2,U
3のアバターが表示されるが、かかる例に限定されない。例えば、情報処理装置1は、ユーザU
1,U
2,U
3のアバターに代えて、ユーザUの撮像動画情報をそのまま会議情報に含まれるユーザUの動画情報としたり、ユーザUの撮像動画情報をエフェクト処理などによって画像加工した動画情報を会議情報に含まれるユーザUの動画情報としたりすることができる。
【0022】
情報処理装置1は、オンライン会議サービスを提供している状態で、オンライン会議の効率を判定する(ステップS4)。以下において、オンライン会議の効率を会議効率と記載する場合がある。
【0023】
ステップS4の処理において、情報処理装置1は、例えば、会議効率とオンライン会議の参加ユーザとの関係を示す情報である会議効率情報を有しており、かかる会議効率情報に基づいて会議効率を判定する。
【0024】
会議効率情報には、例えば、ユーザUの組み合わせ毎の会議効率の情報が会議種別毎に含まれており、
図1に示す例では、情報処理装置1は、会議効率情報においてユーザU
1,U
2,U
3の組み合わせに対応付けられた会議効率のうちオンライン会議の種別である会議種別に対応付けられた会議効率を
図1に示すオンライン会議の会議効率として判定する。
【0025】
会議効率情報は、例えば、過去のオンライン会議の会議効率に基づいて会議種別毎に生成される。なお、会議効率情報は、ユーザUの組み合わせ毎の会議効率の情報に代えて、ユーザU毎の会議効率指標値の情報を含んでいてもよい。会議効率指標値は、会議効率の指標となる値であり、例えば、この場合、情報処理装置1は、ユーザU
1,U
2,U
3の会議効率指標値を合算した値を
図1に示すオンライン会議の会議効率として判定することもできる。
【0026】
また、情報処理装置1は、オンライン会議における単位時間当たりの発言数に基づいて、会議効率を判定することもできる。例えば、情報処理装置1は、オンライン会議における単位時間当たりの発言数が少ないほど会議効率がより低いと判定する。
【0027】
また、情報処理装置1は、オンライン会議に参加しているユーザUがオンライン会議において端末装置2を用いて入力したオンライン会議の効率を示す情報に基づいて、会議効率を判定することもできる。例えば、情報処理装置1は、
図1に示すユーザU
1,U
2,U
3の各々が入力したオンライン会議の効率の平均値を会議効率として判定する。
【0028】
また、情報処理装置1は、
図1に示すユーザU
1,U
2,U
3の各々が入力したオンライン会議の効率を重み付け加算した結果を会議効率として判定することもできる。重み付け加算における重みは、例えば、ユーザU毎に予め定められた値であるが、単位時間当たりのユーザUの発言数が多いほどまたは少ないほど高くなる値であってもよい。
【0029】
また、情報処理装置1は、参加ユーザの組み合わせに対応する会議効率、単位時間当たりの発言数、およびユーザUによって入力された会議の効率のうちの2以上の効率を重み付け加算した結果を会議効率として判定することができる。この場合の重み付け加算における重みは、予め定められた値であるが、かかる例に限定されない。
【0030】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS4において判定した会議効率が予め定められた条件を満たさないか否かを判定する(ステップS5)。予め定められた条件は、例えば、会議効率が予め定められた閾値以上であるという条件であり、閾値は会議種別毎に設定される。情報処理装置1は、ステップS4において判定した会議効率が閾値未満である場合に、ステップS4において判定した会議効率が予め定められた条件を満たさないと判定する。
【0031】
また、オンライン会議が進行中にステップS4で判定される会議効率が変動する場合、予め定められた条件は、例えば、会議効率が予め定められた閾値以上である状態が予め設定された回数以上にならないといった条件などであってもよく、会議効率の平均値が予め定められた閾値以上であるといった条件などであってもよい。
【0032】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS4において判定した会議効率が予め定められた条件を満たさないと判定した場合、オンライン会議の効率を向上させると推定される他のユーザUを特定ユーザとして決定する(ステップS6)。
【0033】
ステップS6において、例えば、情報処理装置1は、会議効率情報に基づいて、特定ユーザを決定することができる。例えば、情報処理装置1は、オンライン会議に参加中の複数のユーザUとの組み合わせに対応付けられた会議効率が閾値以上である他のユーザU、またはオンライン会議に参加中の複数のユーザUとの組み合わせに対応付けられた会議効率が最も高い他のユーザUを特定ユーザとして決定する。
【0034】
例えば、
図1に示す例では、ユーザU
1,U
2,U
3との組み合わせに対応付けられた会議効率が閾値以上である他のユーザUまたはユーザU
1,U
2,U
3との組み合わせに対応付けられた会議効率が最も高い他のユーザUを特定ユーザとして決定する。
【0035】
また、情報処理装置1は、例えば、予め定められた他のユーザUを特定ユーザとして決定することもできる。例えば、情報処理装置1は、会議種別毎または参加ユーザの組み合わせ毎に予め定められた他のユーザUを特定ユーザとして決定する。また、情報処理装置1は、ユーザU1,U2,U3との会議効率指標値の合算値または重み付け加算値が上述した予め定められた閾値以上になる他のユーザUを特定ユーザとして決定することもできる。
【0036】
つづいて、情報処理装置1は、ステップS5において会議効率が予め定められた条件を満たさないと判定した場合、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる(ステップS7)。仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させるとは、特定ユーザの上述したリアルタイム情報を用いずに特定ユーザがあたかもオンライン会議に参加しているかのように会議情報に特定ユーザの情報を含ませることを意味する。
【0037】
例えば、情報処理装置1は、特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させることによって、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる。特定ユーザのアバターは、例えば、特定ユーザが指定したキャラクタのアバターである。
図1の(b)に示す例では、各端末装置2に表示される会議画面には、ユーザU
1,U
2,U
3のアバターに加え、特定ユーザのアバターが表示されている。
【0038】
情報処理装置1は、例えば、予め特定ユーザが設定した行動(身体の動きや発話)を示す情報である複数種類の事前設定情報を記憶している。複数種類の事前設定情報は、例えば、会議のシュチュエーション毎の事前設定情報であり、例えば、参加ユーザの発言に対する相槌を打つ行動を示す情報、参加ユーザに発言を促す行動を示す情報、参加ユーザを褒める行動を示す情報などであるが、これらの例に限定されない。
【0039】
情報処理装置1は、事前設定情報を特定ユーザのアバターの行動に変換した変換情報を会議情報に含めることで、特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させることができる。変換情報は、アバターの音声情報および動画情報などの情報である。なお、情報処理装置1は、事前設定情報を変換せずにそのまま用いて特定ユーザをオンライン会議に出現させることもできる。
【0040】
また、情報処理装置1は、オンライン会議の参加ユーザのうち一部の参加ユーザによって操作可能に特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させることもできる。例えば、一部の参加ユーザは、複数種類の事前設定情報のうち所望の事前設定情報を選択することで、情報処理装置1は、一部の参加ユーザが選択した事前設定情報を特定ユーザのアバターの行動に変換した変換情報を会議情報に含めることができる。この場合も、情報処理装置1は、事前設定情報を変換せずにそのまま用いて特定ユーザをオンライン会議に出現させることもできる。
【0041】
また、情報処理装置1は、一部の参加ユーザのユーザ情報を特定ユーザのアバターの行動として変換した変換情報を会議情報に含めることもできる。一部の参加ユーザは、会議を主催する参加ユーザであるが、かかる例に限定されず、例えば、発言数が最も多い参加ユーザ、会議効率指標値が最も大きな参加ユーザ以外の参加ユーザなどであってもよい。
【0042】
また、情報処理装置1は、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させている旨を示す情報である仮想参加情報を特定ユーザに通知する(ステップS8)。例えば、情報処理装置1は、仮想参加情報を特定ユーザの端末装置2または特定ユーザのメールアドレスに送信することで、仮想参加情報を特定ユーザに通知する。これにより、特定ユーザは、実際には参加していないオンライン会議の効率を向上させるために仮想的に用いられたことを把握することができる。
【0043】
このように、情報処理装置1は、オンライン会議の効率である会議効率を判定し、会議効率が予め定められた条件を満たさないと判定した場合に、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる。これにより、オンライン会議に参加しているユーザUは特定ユーザの存在によってオンライン会議の効率を高めようとする可能性が高くなることから、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0044】
以下、このような処理を行う情報処理装置1および端末装置2を含む情報処理システムの構成などについて、詳細に説明する。
【0045】
〔2.情報処理システムの構成〕
図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示す図である。
図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム100は、オンライン会議サービスを提供する情報処理装置1と、オンライン会議サービスに参加する複数のユーザUが有する複数の端末装置2
1~2
nとを含む複数の端末装置2を含む。nは、例えば、3以上の整数である。
【0046】
情報処理装置1および複数の端末装置2は、ネットワークNを介して、有線または無線により互いに通信可能に接続される。なお、
図2に示す情報処理システム100には、情報処理装置1が複数含まれてもよい。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネットなどのWAN(Wide Area Network)である。
【0047】
各端末装置2には、マイク、カメラ、表示部、およびスピーカなどが搭載されている。各端末装置2は、マイクによってリアルタイムで集音されたユーザUの音声情報、およびカメラによってリアルタイムで撮像されたユーザUの動画の情報である撮像動画情報などを含むリアルタイム情報を情報処理装置1にネットワークNを介して送信する。
【0048】
また、各端末装置2は、情報処理装置1からネットワークNを介して送信される会議情報を受信し、会議情報に含まれる動画情報を不図示の表示部に表示させ、会議情報に含まれる音声情報をスピーカから出力する。
【0049】
各端末装置2は、例えば、デスクトップ型PC(Personal Computer)、ノート型PC、タブレット端末、スマートフォン、携帯電話機、またはPDA(Personal Digital Assistant)などである。各端末装置2は、ユーザUによって操作される。なお、各端末装置2は、上述した例に限定されず、例えば、ウェアラブルデバイス(Wearable Device)などであってもよい。
【0050】
また、端末装置2は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)などの無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LANなどの近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報処理装置1と通信することができる。
【0051】
〔3.情報処理装置1の構成〕
以下、情報処理装置1が有する機能構成の一例について説明する。
図3は、実施形態に係る情報処理装置1の構成の一例を示す図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10と、記憶部11と、処理部12とを有する。
【0052】
〔3.1.通信部10〕
通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。そして、通信部10は、ネットワークNと有線または無線で接続され、他の各種装置との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部10は、複数の端末装置2の各々との間でネットワークNを介して情報の送受信を行う。
【0053】
〔3.2.記憶部11〕
記憶部11は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実現される。また、記憶部11は、ユーザ情報記憶部20と、会議情報記憶部21と、会議効率情報記憶部22とを有する。
【0054】
〔3.2.1.ユーザ情報記憶部20〕
ユーザ情報記憶部20は、ユーザUに関する各種の情報を記憶する。
図4は、実施形態に係るユーザ情報記憶部20に記憶されるユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
図4に示す例では、ユーザ情報記憶部20に記憶されるユーザ情報テーブルは、「ユーザID(Identifier)」、「属性情報」、および「履歴情報」といった項目の情報を含む。
【0055】
「ユーザID」は、ユーザUを識別する識別子である。「属性情報」は、「ユーザID」に対応付けられたユーザUの属性に関する属性情報である。ユーザUの属性は、例えば、デモグラフィック属性、サイコグラフィック属性などである。デモグラフィック属性は、人口統計学的属性であり、例えば、年齢、性別、所属、職業、居住地、年収、家族構成などである。サイコグラフィック属性は、心理学的属性であり、例えば、ライフスタイル、価値観、興味関心などである。
【0056】
「履歴情報」は、「ユーザID」に対応付けられたユーザUのオンライン会議サービスの利用履歴などの情報であり、ユーザUが過去に参加したオンライン会議の会議ID、開催日時、ユーザUの参加結果などの情報を含む。ユーザUの参加結果は、ユーザUのオンライン会議での発言数、発言内容などの情報を含む。
【0057】
なお、ユーザ情報記憶部20に記憶される情報は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を含んでいてもよい。例えば、ユーザ情報記憶部20に記憶される情報は、ユーザUのコンテキストの履歴を示す情報などを含んでいてもよい。
【0058】
〔3.2.2.会議情報記憶部21〕
会議情報記憶部21は、予約されているオンライン会議に関する各種の情報を記憶する。
図5は、実施形態に係る会議情報記憶部21に記憶される会議情報テーブルの一例を示す図である。
【0059】
図5に示す例では、会議情報記憶部21に記憶される会議情報テーブルは、「会議ID」、「ユーザID」、「開催日時」、および「主催」といった項目の情報を含む。「会議ID」は、オンライン会議を識別する識別子である。「ユーザID」は、「会議ID」に対応付けられたオンライン会議に参加するユーザUのユーザIDである。「開催日時」は、「会議ID」に対応付けられたオンライン会議の開催日時を示す情報である。
【0060】
「主催」は、「会議ID」に対応付けられたオンライン会議を主催するユーザUのユーザIDである。なお、会議情報記憶部21に記憶される情報は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を含んでいてもよい。
【0061】
〔3.2.3.会議効率情報記憶部22〕
会議効率情報記憶部22は、会議効率とオンライン会議の参加ユーザとの関係を示す情報である会議効率情報を記憶する。
図6は、実施形態に係る会議効率情報記憶部22に記憶される会議効率情報テーブルの一例を示す図である。
【0062】
図6に示す例では、会議効率情報記憶部22に記憶される会議効率情報テーブルは、「組み合わせID」、「ユーザID」、および「効率」といった項目の情報を含む。「組み合わせID」は、複数のユーザUの組み合わせであるユーザ組み合わせを識別する識別子である。
【0063】
「ユーザID」は、「組み合わせID」に対応付けられたユーザ組み合わせを構成する複数のユーザUのユーザIDである。「効率」は、「組み合わせID」に対応付けられたユーザ組み合わせを構成する複数のユーザUでオンライン会議を行った場合に予測される会議効率を示す情報である。会議効率は、例えば、0から1までの範囲内で示され、値が大きいほど会議効率が高い。
【0064】
上述した会議効率情報テーブルは、会議種別毎に会議効率情報記憶部22に記憶される。会議種別は、例えば、業務報告などの定期的なミーティング、開発会議などのミーティング、業務改善会議などのミーティング、社員研修でのミーティングなどのように、会議対象の内容に応じた種別であるが、かかる例に限定されない。例えば、会議種別は、会議時間の長さに応じた種別、時間帯に応じた種別、曜日に応じた種別、または会議内容、会議時間の長さ、時間帯、および曜日のうちの2以上の組み合わせ毎の種別であってもよく、その他の種別であってもよい。
【0065】
このように、会議効率情報記憶部22には、ユーザUの組み合わせ毎の会議効率の情報が会議種別毎に記憶されている。なお、会議効率情報記憶部22に記憶される情報は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を含んでいてもよい。
【0066】
〔3.3.処理部12〕
処理部12は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などのプロセッサによって、情報処理装置1内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、処理部12は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路により実現される。
【0067】
図3に示すように、処理部12は、取得部30と、受付部31と、判定部32と、推定部33と、会議処理部34と、通知部35とを有し、以下に説明する情報処理の機能や作用を実現または実行する。なお、処理部12の内部構成は、
図3に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。
【0068】
〔3.3.1.取得部30〕
取得部30は、各種情報を取得する。取得部30は、記憶部11から各種の情報を取得する。取得部30は、ユーザ情報記憶部20、会議情報記憶部21、および会議効率情報記憶部22などから各種の情報を取得する。
【0069】
取得部30は、通信部10を介して、外部の情報処理装置から各種情報を受信する。取得部30は、端末装置2から各種情報を受信する。例えば、取得部30は、端末装置2からユーザUの情報を取得し、取得したユーザUの情報をユーザ情報記憶部20に記憶させてユーザ情報テーブルを更新する。
【0070】
また、取得部30は、端末装置2やその他の外部装置からオンライン会議に関する情報を取得し、取得したオンライン会議に関する情報を会議情報記憶部21に記憶させて会議情報テーブルを更新する。また、取得部30は、端末装置2やその他の外部装置からオンライン会議の効率に関する情報を取得し、取得したオンライン会議の効率を会議効率情報記憶部22に記憶させて会議効率情報テーブルを更新する。
【0071】
〔3.3.2.受付部31〕
受付部31は、各種要求を受け付ける。受付部31は、端末装置2から各種要求を受け付ける。受付部31は、通信部10を介して、端末装置2から各種要求を示す情報を受信する。
【0072】
例えば、受付部31は、端末装置2からの会議参加要求や会議設定要求などを受け付ける。会議参加要求には、会議IDなどの情報が含まれており、会議設定要求には、オンライン会議に参加するユーザUのユーザID、開催日時の情報、およびオンライン会議を主催するユーザUのユーザIDなどが含まれる。
【0073】
なお、会議設定要求には、オンライン会議に参加するユーザUのユーザIDが含まれていなくてもよい。この場合、受付部31は、ユーザUがオンライン会議に参加したときに、オンライン会議参加したユーザUのユーザIDを会議情報記憶部21に記憶される会議情報テーブルに追加する。
【0074】
〔3.3.3.判定部32〕
判定部32は、オンライン会議の効率である会議効率を判定する。例えば、判定部32は、会議効率情報記憶部22に記憶されている会議効率情報に基づいて、会議効率を判定する。
【0075】
例えば、
図6に示す状態の会議効率情報テーブルが用いられ、オンライン会議の参加ユーザの組み合わせが、組み合わせID「G1」の組み合わせ、すなわち、ユーザID「U1」のユーザU、ユーザID「U2」のユーザU、およびユーザID「U3」のユーザUの組み合わせであるとする。この場合、判定部32は、会議効率が「0.8」であると判定する。
【0076】
会議効率情報は、例えば、過去のオンライン会議の会議効率に基づいて会議種別毎に生成される。なお、会議効率情報は、ユーザUの組み合わせ毎の会議効率の情報に代えて、ユーザU毎の会議効率指標値の情報を含んでいてもよい。会議効率指標値は、会議効率の指標となる値であり、例えば、この場合、判定部32は、オンライン会議に参加するユーザUの会議効率指標値を合算した値を会議効率として判定することもできる。
【0077】
また、判定部32は、オンライン会議における単位時間当たりの発言数に基づいて、会議効率を判定することもできる。例えば、判定部32は、オンライン会議における単位時間当たりの発言数が少ないほど会議効率がより低いと判定する。
【0078】
また、判定部32は、オンライン会議に参加しているユーザUがオンライン会議において端末装置2を用いて入力したオンライン会議の効率を示す情報に基づいて、会議効率を判定することもできる。例えば、判定部32は、オンライン会議に参加する複数のユーザUが入力したオンライン会議の効率の平均値を会議効率として判定する。
【0079】
また、判定部32は、オンライン会議に参加する複数のユーザUが入力したオンライン会議の効率を重み付け加算した結果を会議効率として判定することもできる。重み付け加算における重みは、例えば、ユーザU毎に予め定められた値であるが、単位時間当たりのユーザUの発言数が多いほどまたは少ないほど高くなる値であってもよい。
【0080】
また、判定部32は、参加ユーザの組み合わせに対応する会議効率、単位時間当たりの発言数、およびユーザUによって入力された会議の効率のうちの2以上の効率を重み付け加算した結果を会議効率として判定することができる。この場合の重み付け加算における重みは、予め定められた値であるが、かかる例に限定されない。
【0081】
判定部32は、上述のように判定した会議効率が予め定められた条件を満たさないか否かを判定する。予め定められた条件は、例えば、会議効率が予め定められた閾値以上であるという条件であり、閾値は会議種別毎に設定される。判定部32は、例えば、会議効率が閾値未満である場合に、会議効率が予め定められた条件を満たさないと判定する。
【0082】
また、オンライン会議が進行中に会議効率が変動する場合、予め定められた条件は、例えば、会議効率が予め定められた閾値以上である状態が予め設定された回数以上にならないといった条件などであってもよく、会議効率の平均値が予め定められた閾値以上であるといった条件であってもよい。
【0083】
〔3.3.4.推定部33〕
推定部33は、オンライン会議の種別である会議種別毎に会議効率を向上させる他のユーザUを効率向上ユーザとして推定する。他のユーザUは、会議効率を向上させようとする対象のオンライン会議に参加していないユーザUであり、他のオンライン会議に参加していないユーザUであるが、他のオンライン会議に参加しているユーザUであってもよい。
【0084】
例えば、推定部33は、会議効率情報記憶部22に記憶されている会議効率情報に基づいて、効率向上ユーザを推定することができる。例えば、推定部33は、オンライン会議に参加中の複数のユーザUとの組み合わせに対応付けられた会議効率が閾値以上である他のユーザU、またはオンライン会議に参加中の複数のユーザUとの組み合わせに対応付けられた会議効率が最も高い他のユーザUを効率向上ユーザとして推定する。
【0085】
会議効率を向上させようとするオンライン会議に参加しているユーザUがユーザU1,U2,U3であるとする。また、会議効率情報テーブルにおいて、ユーザU1,U2,U3,U4の組み合わせに対応付けられた会議効率が「0.7」であり、ユーザU1,U2,U3,U5の組み合わせに対応付けられた会議効率が「0.8」であり、ユーザU1,U2,U3,U6の組み合わせに対応付けられた会議効率が「0.9」であるとする。そして、閾値が「0.8」であるとする。この場合、推定部33は、ユーザU4,U5またはユーザU5を効率向上ユーザとして推定する。
【0086】
また、推定部33は、例えば、予め定められた他のユーザUを効率向上ユーザとして推定することもできる。例えば、推定部33は、会議種別毎または参加ユーザの組み合わせ毎に予め定められた他のユーザUを効率向上ユーザとして推定する。また、推定部33は、オンライン会議に参加している複数のユーザUとの会議効率指標値の合算値または重み付け加算値が上述した予め定められた閾値以上になる他のユーザUまたは最も高い他のユーザUを効率向上ユーザとして推定することもできる。
【0087】
〔3.3.5.会議処理部34〕
会議処理部34は、複数のユーザUの情報であるユーザ情報を複数の端末装置2からネットワークNおよび通信部10を介して受信する。ユーザ情報は、マイクによってリアルタイムで集音されたユーザUの音声情報、およびカメラによってリアルタイムで撮像されたユーザUの動画の情報である撮像動画情報などを含むリアルタイム情報を含む。
【0088】
会議処理部34は、受信した複数のユーザUのユーザ情報に基づいて、会議情報を生成する。会議処理部34は、各ユーザUのユーザ情報に含まれる音声情報をミキシングして会議情報における音声情報を生成する。なお、会議処理部34は、複数のユーザUのユーザ情報に含まれる音声情報のうち選択した1つの音声情報を会議情報における音声情報とすることもできる。
【0089】
また、会議処理部34は、ユーザUの音声情報を音声認識によって文字情報に変換し、変換した文字情報を音声合成によりユーザUが指定したキャラクタの音声情報に変換することができる。
【0090】
また、会議処理部34の音声合成では、話し方(声の大きさ、スピード、イントネーション(強調)、発話間隔(間)など)および音質などをパラメータによって調整することができ、会議処理部34は、ユーザUが指定した話し方および音質などで音声合成により文字情報を音声情報に変換することができる。
【0091】
また、会議処理部34は、各ユーザUのユーザ情報に含まれる撮像動画情報を用いて会議情報のうち画像情報を生成する。例えば、会議処理部34は、ユーザUの撮像動画情報に含まれるユーザUの身体の画像である身体画像に対して画像処理を行って会議情報におけるユーザUの動画情報を生成する。
【0092】
例えば、会議処理部34は、ユーザUの身体の画像から学習モデルなどを用いて各特徴点の座標などを特定し、特定した結果に基づいて、ユーザUの身体を3次元空間で再構築することによって会議情報におけるユーザUの動画情報を生成する。ユーザUの身体は、例えば、ユーザUの顔や首であるが、ユーザUの顔や首に加えて、ユーザUの胴体、手、腕、脚などを含んでもよい。
【0093】
また、会議処理部34は、例えば、ユーザUが指定したキャラクタの身体3次元モデルを、ユーザUの身体の画像から推定される身体形状に合うように変形させることで会議情報におけるユーザUの動画情報を生成することもできる。ユーザUが指定したキャラクタは、会議情報においてユーザUのアバターとして示される。各ユーザUは、複数種類のキャラクタの中から所望のキャラクタを指定することができる。
【0094】
会議処理部34は、生成した会議情報を複数の端末装置2に通信部10およびネットワークNを介して送信して複数の端末装置2に会議情報を再生させる処理を繰り返すことで、複数のユーザUにオンライン会議サービスを提供する。なお、会議処理部34は、ユーザU毎に会議画面を構成するユーザUの動画情報の位置や大きさを変更するが、かかる例に限定されない。
【0095】
図3に示すように、会議処理部34は、参加処理部40を有する。参加処理部40は、会議効率が予め定められた条件を満たさないと判定部32によって判定された場合、仮想的に推定部33によって推定された効率向上ユーザを特定ユーザとしてオンライン会議に参加させる。
【0096】
仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させるとは、特定ユーザの上述したリアルタイム情報を用いずに特定ユーザがあたかもオンライン会議に参加しているかのように会議情報に特定ユーザの情報を含ませることを意味する。
【0097】
例えば、参加処理部40は、特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させることによって、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる。特定ユーザのアバターは、例えば、特定ユーザが指定したキャラクタのアバターである。
【0098】
参加処理部40は、例えば、予め特定ユーザが設定した行動(身体の動きや発話)を示す情報である複数種類の事前設定情報を記憶している。複数種類の事前設定情報は、例えば、会議のシュチュエーション毎の事前設定情報であり、例えば、参加ユーザの発言に対する相槌を打つ行動を示す情報、参加ユーザに発言を促す行動を示す情報、参加ユーザを褒める行動を示す情報などであるが、これらの例に限定されない。
【0099】
参加処理部40は、事前設定情報を特定ユーザのアバターの行動に変換した変換情報を会議情報に含めることで、特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させることができる。変換情報は、アバターの音声情報および動画情報などの情報である。
【0100】
例えば、参加処理部40は、複数種類の事前設定情報からオンライン会議の進行状態に応じた事前設定情報を決定し、決定した事前設定情報を特定ユーザのアバターの行動に変換した変換情報を会議情報に含めることができる。オンライン会議の進行状態は、例えば、単位時間当たりの発言数、参加ユーザの表情、参加ユーザの発話のトーンなどで判定される。
【0101】
また、参加処理部40は、オンライン会議の参加ユーザのうち一部の参加ユーザによって操作可能に特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させることもできる。例えば、一部の参加ユーザは、複数種類の事前設定情報のうち所望の事前設定情報を選択することで、参加処理部40は、一部の参加ユーザが選択した事前設定情報を特定ユーザのアバターの行動に変換した変換情報を会議情報に含めることができる。なお、参加処理部40は、事前設定情報を変換せずにそのまま用いて特定ユーザをオンライン会議に出現させることもできる。
【0102】
また、参加処理部40は、一部の参加ユーザのユーザ情報を特定ユーザのアバターの行動として変換した変換情報を会議情報に含めることもできる。一部の参加ユーザは、会議を主催する参加ユーザであるが、かかる例に限定されず、例えば、発言数が最も多い参加ユーザ、会議効率指標値が最も大きな参加ユーザ以外の参加ユーザなどであってもよい。この場合も、参加処理部40は、事前設定情報を変換せずにそのまま用いて特定ユーザをオンライン会議に出現させることもできる。
【0103】
また、参加処理部40は、一部の参加ユーザのユーザ情報を特定ユーザのアバターの行動として変換した変換情報を会議情報に含めることもできる。一部の参加ユーザは、会議を主催する参加ユーザであるが、かかる例に限定されず、例えば、発言数が最も多い参加ユーザ、会議効率指標値が最も大きな参加ユーザ以外の参加ユーザなどであってもよい。
【0104】
なお、参加処理部40は、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させた後、会議効率が予め設定された解除条件を満たす場合、特定ユーザのアバターをオンライン会議から不出現にすることで、仮想的な特定ユーザのオンライン会議への参加を終了する。予め設定された解除条件は、例えば、会議効率が予め定められた閾値以上であるという条件であり、閾値は会議種別毎に設定される。
【0105】
また、参加処理部40は、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させてから、予め定められた期間内に会議効率が予め定められた条件を満たさない場合、特定ユーザのアバターからの発話の語気を高めたり、特定ユーザのアバターの表情をネガティブな表情にしたりすることができる。ネガティブな表情は、例えば、怒った表情や悲しい表情である。
【0106】
〔3.3.6.通知部35〕
通知部35は、推定部33によって効率向上ユーザとして推定された特定ユーザに対して仮想的なオンライン会議への参加を示す情報である仮想参加情報を特定ユーザに通知する。
【0107】
例えば、通知部35は、仮想参加情報を特定ユーザの端末装置2または特定ユーザのメールアドレスに送信することで、仮想参加情報を特定ユーザに通知する。これにより、特定ユーザは、実際には参加していないオンライン会議に効率を向上させるために仮想的に用いられたことを把握することができる。
【0108】
〔4.処理手順〕
次に、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の手順について説明する。
図7は、実施形態に係る情報処理装置1の処理部12による情報処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示す処理は処理部12によって繰り返し実行される。
【0109】
図7に示すように、情報処理装置1の処理部12は、会議効率タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS10)。会議効率タイミングは、例えば、予め定められた周期で到来するタイミングであるが、かかる例に限定されず、例えば、単位時間当たりの発言数が閾値以下になった場合に発生するタイミングであってもよく、その他のタイミングであってもよい。
【0110】
処理部12は、会議効率タイミングが到来したと判定した場合(ステップS10:Yes)、オンライン会議の効率である会議効率を判定する(ステップS11)。そして、処理部12は、ステップS11で判定した会議効率が予め定められた条件を充足するか否かを判定する(ステップS12)。
【0111】
処理部12は、会議効率が予め定められた条件を充足しないと判定した場合(ステップS12:No)、会議効率を向上させる他のユーザUを効率向上ユーザとして推定し、推定した効率向上ユーザを特定ユーザに決定する(ステップS13)。そして、処理部12は、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる処理を行う(ステップS14)。
【0112】
処理部12は、ステップS14の処理が終了した場合、会議効率タイミングが到来していないと判定した場合(ステップS10:No)、会議効率が予め定められた条件を充足すると判定した場合(ステップS12:Yes)、
図7に示す処理を終了する。
【0113】
〔5.ハードウェア構成〕
上述してきた実施形態に係る情報処理装置1は、例えば
図8に示すような構成のコンピュータ80によって実現される。
図8は、実施形態に係る情報処理装置1の機能を実現するコンピュータ80の一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ80は、CPU81、RAM82、ROM(Read Only Memory)83、HDD(Hard Disk Drive)84、通信インターフェイス(I/F)85、入出力インターフェイス(I/F)86、およびメディアインターフェイス(I/F)87を有する。
【0114】
CPU81は、ROM83またはHDD84に記憶されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM83は、コンピュータ80の起動時にCPU81によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ80のハードウェアに依存するプログラムなどを記憶する。
【0115】
HDD84は、CPU81によって実行されるプログラム、および、かかるプログラムによって使用されるデータなどを記憶する。通信インターフェイス85は、ネットワークN(
図2参照)を介して他の機器からデータを受信してCPU81へ送り、CPU81が生成したデータを、ネットワークNを介して他の機器へ送信する。
【0116】
CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、ディスプレイやプリンタなどの出力装置、および、キーボードまたはマウスなどの入力装置を制御する。CPU81は、入出力インターフェイス86を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU81は、入出力インターフェイス86を介して生成したデータを出力装置へ出力する。
【0117】
メディアインターフェイス87は、記録媒体88に記憶されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM82を介してCPU81に提供する。CPU81は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス87を介して記録媒体88からRAM82上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体88は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)などの光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)などの光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリなどである。
【0118】
例えば、コンピュータ80が実施形態に係る情報処理装置1として機能する場合、コンピュータ80のCPU81は、RAM82上にロードされたプログラムを実行することにより、処理部12の機能を実現する。また、HDD84には、記憶部11内のデータが記憶される。コンピュータ80のCPU81は、これらのプログラムを記録媒体88から読み取って実行するが、他の例として、他の装置からネットワークNを介してこれらのプログラムを取得してもよい。
【0119】
〔6.その他〕
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0120】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0121】
例えば、上述した情報処理装置1は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットホームなどをAPIやネットワークコンピューティングなどで呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0122】
また、上述してきた実施形態および変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0123】
〔7.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置1は、判定部32と、参加処理部40とを備える。判定部32は、オンライン会議の効率である会議効率を判定する。参加処理部40は、判定部32によって判定された会議効率が予め定められた条件を満たさない場合、仮想的に特定ユーザをオンライン会議に参加させる。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0124】
また、参加処理部40は、特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させる。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0125】
また、参加処理部40は、オンライン会議の参加ユーザのうち一部の参加ユーザによって操作可能に特定ユーザのアバターをオンライン会議に出現させる。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0126】
また、参加処理部40は、会議効率を向上させるユーザUを特定ユーザとして推定する推定部33を備える。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0127】
また、推定部33は、オンライン会議の種別毎に会議効率を向上させるユーザUを特定ユーザとして推定する。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0128】
また、情報処理装置1は、推定部33によって推定された特定ユーザに対して仮想的なオンライン会議への参加を示す情報を特定ユーザに通知する通知部35を備える。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0129】
また、判定部32は、会議効率とオンライン会議の参加ユーザとの関係を示す情報に基づいて、オンライン会議の参加ユーザから会議効率を判定する。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0130】
また、判定部32は、単位時間当たりの発言数に基づいて、会議効率を判定する。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0131】
また、判定部32は、オンライン会議の参加ユーザがオンライン会議において入力したオンライン会議の効率を示す情報に基づいて、会議効率を判定する。これにより、情報処理装置1は、オンライン会議のさらなる効率化を図ることができる。
【0132】
以上、本願の実施形態を図面に基づいて詳細に説明したが、これは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
【0133】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0134】
1 情報処理装置
2,21~2n 端末装置
10 通信部
11 記憶部
12 処理部
20 ユーザ情報記憶部
21 会議情報記憶部
22 会議効率情報記憶部
30 取得部
31 受付部
32 判定部
33 推定部
34 会議処理部
35 通知部
40 参加処理部
100 情報処理システム