IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ニプロ株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-インプラント包装体 図1
  • 特開-インプラント包装体 図2
  • 特開-インプラント包装体 図3
  • 特開-インプラント包装体 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112622
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】インプラント包装体
(51)【国際特許分類】
   B65D 81/05 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B65D81/05
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017795
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000135036
【氏名又は名称】ニプロ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中村 友亮
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正典
(72)【発明者】
【氏名】日比野 隼也
【テーマコード(参考)】
3E066
【Fターム(参考)】
3E066AA38
3E066BA05
3E066CB04
3E066DA05
3E066HA01
3E066JA01
3E066KA02
3E066KA08
3E066NA60
(57)【要約】
【課題】インプラントを十分に保護できると共に、取出しが容易なインプラント包装体を実現できるようにする。
【解決手段】インプラント包装体は、インプラント201が収容された袋体101と、袋体101を保持する保持部材103と、保持部材103を収容する外箱106とを備えている。保持部材103は、クッション材132と枠体130とを有し、枠体130は、外枠部135と、緩衝部136とを有し、緩衝部136はそれぞれ、押え部145と、接続壁146とを有している。保持部材103は、押え部145とクッション材132とに囲まれた保持空間138が形成されるように折り曲げられ、袋体101の中央部111は、保持空間138に保持され、周縁部112は、押え部145の間に挟持され、保持部材103は、保持空間138の開口が取出し開口に位置するように、外箱106に収容されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラントが収容された中央部と、前記中央部を囲む周縁部とを有する袋体と、
前記袋体を保持する保持部材と、
一の面に取出し開口を有し、前記保持部材を収容する外箱とを備え、
前記保持部材は、クッション材と、前記クッション材を囲む枠体とを有し、
前記枠体は、それぞれが1組の端辺及び側辺を有する第1板部並びに第2板部と、前記第1板部及び前記第2板部の一方の端辺同士を接続する接続板部とを含む外枠部と、前記第1板部及び前記第2板部の前記側辺のそれぞれに沿って延びる緩衝部とを有し、
前記緩衝部はそれぞれ、前記第1板部及び前記第2板部の前記側辺に沿って延びる変形可能な空洞部を形成する複数の壁を有する押え部と、前記第1板部及び前記第2板部の対応する側辺と前記押え部とを接続する接続壁とを有し、
前記クッション材は、前記接続壁を前記外枠部の主面に対して起立させた状態で、前記押え部と前記外枠部の主面との間に挟持され、
前記保持部材は、前記第1板部と前記第2板部とが互いに対向し、前記押え部と前記クッション材とに囲まれた保持空間が形成されるように折り曲げられ、
前記袋体の前記中央部は、前記保持空間に保持され、
前記袋体の前記周縁部は、前記第1板部側の前記押え部と前記第2板部側の前記押え部との間に挟持され、
前記保持部材は、前記保持空間の開口が前記取出し開口に位置するように、前記外箱に収容されている、インプラント包装体。
【請求項2】
前記前記保持空間の最大幅は、前記外枠部の前記端辺の長さの15%以上、75%以下である、請求項1に記載のインプラント包装体。
【請求項3】
前記保持空間の最大高さは、前記接続板部の前記側辺方向の長さの90%以下である、請求項1に記載のインプラント包装体。
【請求項4】
前記押え部は、前記接続壁と交差する方向に延びる第1壁と、前記第1壁と交差する方向に延びる第2壁と、前記第2壁と交差する方向に延びる第3壁と、前記第3壁と交差する方向に延びる第4壁とを有し、
前記第4壁は、前記接続壁に固定されていない、請求項2又は3に記載のインプラント包装体。
【請求項5】
前記保持部材を前記外箱に収容した状態において、前記第1壁と前記第2壁とがなす角は、100°より大きく、160°以下である、請求項4に記載のインプラント包装体。
【請求項6】
前記押え部の前記空洞部は、前記接続壁と、第1壁及び第2壁とに囲まれた断面三角形状である、請求項1に記載のインプラント包装体。
【請求項7】
前記保持部材を前記外箱に収容した状態において、前記第1壁と前記第2壁とのなす角は、5°以上、35°以下である、請求項6に記載のインプラント包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示はインプラント包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
人工関節、脊椎固定スクリュー、骨接合プレート等の体内に埋め込む種々の外科用のインプラントが用いられている。これらのインプラントは、精密な器具であり荷重や衝撃が加わらないように保存したり、運搬したりする必要がある。このため、厳重な包装が行われている。
【0003】
例えば、インプラントを浮かせて保持するような二重容器が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2014-523262号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、このような二重容器は構造が複雑であり、コストの問題があるだけでなく中身の取出しが容易ではないという問題がある。また、インプラントを取り出した後の空容器がかさばるので、ごみを一時保管するための大きなスペースが必要になる。さらに、中身を浮かせる二重容器は、インプラントが重い場合には強度的にも問題がある。
【0006】
本開示の課題は、インプラントを十分に保護できると共に、取出しが容易なインプラント包装体を実現できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示のインプラント包装体の一態様は、インプラントが収容された中央部と、中央部を囲む周縁部とを有する袋体と、袋体を保持する保持部材と、一の面に取出し開口を有し、保持部材を収容する外箱とを備え、保持部材は、クッション材と、クッション材を囲む枠体とを有し、枠体は、それぞれが1組の端辺及び側辺を有する第1板部並びに第2板部と、第1板部及び第2板部の一方の端辺同士を接続する接続板部とを含む外枠部と、第1板部及び第2板部の側辺のそれぞれに沿って延びる緩衝部とを有し、緩衝部はそれぞれ、第1板部及び第2板部の側辺に沿って延びる変形可能な空洞部を形成する複数の壁を有する押え部と、第1板部及び第2板部の対応する側辺と押え部とを接続する接続壁とを有し、クッション材は、接続壁を外枠部の主面に対して起立させた状態で、押え部と外枠部の主面との間に挟持され、保持部材は、第1板部と第2板部とが互いに対向し、押え部とクッション材とに囲まれた保持空間が形成されるように折り曲げられ、袋体の中央部は、保持空間に保持され、袋体の周縁部は、第1板部側の押え部と第2板部側の押え部との間に挟持され、保持部材は、保持空間の開口が取出し開口に位置するように、外箱に収容されている。
【0008】
インプラント包装体の一態様によれば、インプラントを収容した袋体の中央部はクッション材の間に形成された保持空間に保持されている。一方、袋体の周縁部は、押え部の間に挟み込まれており、クッション材のみの場合と比べて横方向に移動しにくく、インプラントをより安定して保持することができる。さらに枠体は折りたたまれて形成されているので、展開して平板に戻したり、小さく折りたたんだりすることが容易にできるので、ごみの体積を低減することができる。
【0009】
インプラント包装体の一態様において、保持空間の最大幅は、外枠部の端辺の長さの15%以上、75%以下とすることができる。このような構成とすることにより、袋体の取出しが容易となると共に、安定した保持や強度の確保も実現できる。
【0010】
インプラント包装体の一態様において、保持空間の最大高さは、接続板部の側辺方向の長さの90%以下とすることができる。このような構成とすることにより、必要なクッション性を確保しつつ、保持空間を形成できる。
【0011】
インプラント包装体の一態様において、押え部は、接続壁と交差する方向に延びる第1壁と、第1壁と交差する方向に延びる第2壁と、第2壁と交差する方向に延びる第3壁と、第3壁と交差する方向に延びる第4壁とを有し、第4壁は、接続壁に固定されていないようにできる。このような構成とすることにより、押え部が適度に歪むためクッション性が向上する。また、枠体を平板に戻したり、折りたたんだりすることが容易にできる。
【0012】
インプラント包装体の一態様において、保持部材を外箱に収容した状態において、第1壁と第2壁とがなす角は、100°より大きく、160°以下とすることができる。あらかじめ押え部を歪んだ状態としておくことにより、クッション性が向上する。
【0013】
インプラント包装体の一態様において、押え部の空洞部は、接続壁と、第1壁及び第2壁とに囲まれた断面三角形状とすることができる。このような構成とすることにより、収容するインプラントが薄い場合にも対応することができる。
【0014】
保持部材を外箱に収容した状態において、第1壁と前記第2壁とのなす角は、5°以上、30°以下とすることができる。このような構成とすることにより、第1壁と第2壁とが板バネとして機能し、クッション性を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示のインプラント包装体によれば、インプラントを十分に保護できると共に、容易に取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】一実施形態に係るインプラント包装体を示す斜視図である。
図2】インプラントを収容した袋体を示す平面図である。
図3】枠体を示す展開図である。
図4】保持部材に袋体が収容された状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1~4に示すように、一実施形態のインプラント包装体は、インプラント201が収容された袋体101と、袋体101を保持する保持部材103と、保持部材103を収容する外箱106とを有している。
【0018】
袋体101は、中央部111にインプラント201が収容され、インプラント201の形状に膨らんでおり、周縁部112にはインプラントが存在せず薄くなっている。本実施形態において、袋体101は密閉シールされたパウチであるが、これに限らず種々の袋状の形態を採用することができる。本実施形態において、インプラント201として人工骨頭を示しているが、これに限らず人工関節、脊椎固定スクリュー及び骨接合プレート等の体内に埋め込まれる種々のインプラントとすることができる。
【0019】
保持部材103は、板体が折り曲げられて形成された枠体130と、クッション材132とを有している。枠体130は、コ字状に折り曲げられた外枠部135と、外枠部135に囲まれた空間内に配置された緩衝部136とを有している。外枠部135は、それぞれが1組の端辺と側辺とを有する四角形状の第1板部141及び第2板部142と、第1板部141と第2板部142の端辺同士を接続する接続板部143とを有している。
【0020】
本実施形態において緩衝部136は、第1板部141及び第2板部142のそれぞれの側辺に4つ設けられている。それぞれの緩衝部136は、側辺に沿って延びる押え部145と、押え部145を対応する第1板部141又は第2板部142の側辺と接続する接続壁146とを有している。それぞれの押え部145は、接続壁146側から順に第1壁151、第2壁152、第3壁153、及び第4壁154を有し、これら4つの壁が同じ方向に順に折り曲げられることにより、4つの壁に囲まれた断面四角形状の空洞を有する角筒形状を形成している。折り曲げられて角筒形状を形成した第4壁154は接続壁146と重なっており、接続壁146を外枠部135の主面に対して起立させると、第3壁153は外枠部135の主面と間隔をおいて対向する。
【0021】
クッション材132の端辺及び側辺は、外枠部135の端辺及び側辺とほぼ一致している。クッション材132を外枠部135の主面の上に位置を合わせて置き、接続壁146を外枠部135の主面に対して起立させると、外枠部135の主面と押え部145の第3壁153との間にクッション材132が挟み込まれる。
【0022】
外枠部135とクッション材132とを組み合わせた保持部材103を、第1板部141と第2板部142とが対向するように折り曲げると、接続板部143と反対側に開口を有し、4本の押え部145とU字状に折り曲げられたクッション材132とに囲まれた保持空間138が形成される。クッション材132の厚さは外枠部135の主面と第3壁135との間隔とほぼ等しくすることができるが、少し厚くして、緩衝部136により押えられていない保持空間138の部分において盛り上がった状態となるようにすることもできる。保持空間138においてクッション材138が盛り上がっていることにより、インプラント201を保持する力を大きくすることができる。また、クッション材138を表面に凹凸を有する形状とすることができる。このような構成とすれば、緩衝部136により押えられた部分では凸部がつぶされ、保持空間138では凸部が盛り上がった状態とすることができる。
【0023】
保持空間138には、袋体101の中央部111が保持される。袋体101の中央部111に収容されたインプラント201は、クッション材132に挟み込まれる。袋体101の周縁部112は、第1板部141側の押え部145の第1壁151と第2板部142側の押え部145の第1壁151との間に挟み込まれる。
【0024】
外箱106は、互いに対向する2つの主面と4つの端面とを有し、端面の1つは取出口を開口させることができる蓋部162を有する。外箱106の内部空洞は、折り曲げられて袋体101を収容した保持部材103とほぼ同じ大きさの内腔を有し、蓋部162を開けて露出させた取出口に保持部材103の開口が位置するように、保持部材103を収容できる。外箱106内に収容された保持部材103は、外箱106によって変形が規制され、折り曲げられた形状を維持する。
【0025】
外箱106の主面の1つには、半円形状の切欠161が形成されている。切欠161は、蓋部162を閉じた際に、差込163と重なる位置に形成されている。このため、切欠161の部分において差込163を指で押さえて引っ張ることにより蓋部162の開閉を容易に行うことができる。また、この部分にシール等を張ることにより開封、未開封を区別することが容易にできる。
【0026】
袋体101に収容されたインプラント201は、外箱106内においてクッション材132に囲まれているため、外部からの振動や衝撃が直接インプラント201に加わらないようにできる。また、保持部材103は、クッション材132を囲む枠体130を有している。このため、クッション材132のみの場合よりも機械的強度をはるかに大きくすることができる。
【0027】
枠体130は、クッション材132を囲む外枠として機能するだけでなく、4つの緩衝部136により2つ折りにされたクッション材132の間に保持空間138を形成するので、インプラント201をより安定した状態で保持することができる。インプラント201が収容された袋体101の中央部が保持空間138に保持され、周縁部112が、押え部145の間に挟み込まれている。このため、インプラント201および袋体101の横方向のずれを小さくすることができる。また、外側に配置された押え部145が補強材として機能するので、上下方向及び左右方向に加えられる力に対して、インプラント201を保護することができる。
【0028】
外箱106に収容された保持部材103の第1板部141及び第2板部142は、クッション材132の弾発力により外箱106の内壁面に押し付けられる。このため、外箱106内に収容された保持部材103は、ある程度大きな力を加えないと外箱106から抜き出すことができない。このため、一方の手で外箱106の主面を、押え部145の部分を押さえないように軽く把持し、他方の手で袋体101の露出部分を把持して引っ張ると、保持部材103は外箱106の内部に収容されたまま、袋体101のみを引き出すことが容易にできる。外箱106を把持する際に、切欠161の部分に指をかけることにより、保持部材103が適度に押えられ、保持部103が外箱106から引き出されないようにできるので、操作性がより向上する。
【0029】
袋体101を取り出した後の保持部材103及び外箱106は、別々に廃棄することができる。外箱106から取り出した保持部材103は、枠体130とクッション材132とに分離し、枠体130を平板に戻したり、小さく折りたたんだりしてから廃棄することができる。また、外箱106も平らにつぶしたり、小さく折りたたんだりして廃棄することができる。これにより、廃棄物の体積を小さくし、一時保管するスペースを小さく抑えることができる。
【0030】
本実施形態において、押え部145は、第1壁151~第4壁154によって形成されており、第4壁154は、接続壁146に固定されていない。このため、押え部145を接続壁146に対して傾けることができる。また、押え部145において、第4壁154が接続壁146に固定されていないことにより、端辺が延びる方向に容易にずり変形し、角部が90°となった方形状ではなく、ひずんだ四辺形状をとることができる。押え部145を変形可能とすることにより、外箱106の主面を手で把持した際にも押え部145に若干の変形が生じて袋材101を押さえる力が大きく増加しないので、袋体101だけを引き出すことが容易にできる。
【0031】
クッション性や操作性等を考慮すると、保持部材103を外箱106内に収容した状態において、押え部145があらかじめある程度歪んだ形状となるように、枠体130、クッション材132及び外箱106を設計することが好ましい。この場合、第1壁151と第2壁152とがなす角は、好ましくは100°より大きく、より好ましくは110°以上で、好ましくは160°以下、より好ましくは150°以下である。押え部145の形状を方形状ではなくあらかじめ歪んだ四辺形状としておくことによりクッション性をより向上させることができる。
【0032】
但し、押え部145は4つの壁部を折り曲げて形成した形態に限らず、種々の形態を採用することができる。例えば、第4壁154がなく、接続壁146の一部を押え部145とする形態とすることができる。また、第4壁154の少なくとも一部が接続壁146に固定された形態とすることもできる。
【0033】
押え部145は、断面四角形状の空洞部を形成するものに限らず、断面三角形状の空洞部を有する構成とすることができる。例えば、押え部145を第1壁151及び第2壁152とし、接続壁146と、V字状に折り曲げた第1壁151及び第2壁152とにより断面三角形状の空洞部を形成することができる。接続壁146と組み合わされた押え部145を断面三角形状とすることにより、大腿骨ステム等の薄いインプラントにも対応することができる。
【0034】
第1壁151と第2壁152とのなす角は、収容するインプラントの厚さにもよるが、好ましくは5°以上、好ましくは35°以下である。このようにすることにより、第1壁151と第2壁152とが板バネとして機能し、保持空間138を形成し、クッション性を発揮させることができる。空洞部を断面三角形状とする場合、第1壁151と第2壁152との長さをそろえて、略二等辺三角形としたり、第2壁152の長さを長くして、略直角三角形としたりすることができる。なお、接続壁146ではなく第3壁を設けて断面三角形状とすることもできる。
【0035】
保持空間138の大きさは、保持するインプラント201の大きさに応じて、適宜変更することができる。インプラント201を収容した袋体101が動きにくく、且つ、引き出しやすくする観点及び強度を確保する観点から、保持空間138の最大幅は、外枠部135の端辺の長さの好ましくは15%以上、より好ましくは25%以上、好ましくは75%以下、より好ましくは65%以下である。
【0036】
保持空間138の最大高さは、保持するインプラント201のサイズに応じて決めることができるが、クッション性を発揮させる観点から、接続板部143の側辺方向の長さの、好ましくは90%以下、より好ましくは80%以下である。保持空間138の最大高さは、第1板部141側の押え部145の最も第1板部141側の位置と、第2板部142側の押え部145の最も第2板部142側の位置との間隔である。
【0037】
本実施形態において、袋体101の周縁部112を含めた最大幅は、保持部材103の端辺の長さとほぼ等しく、押え部145の第1壁151のほぼ全体が周縁部112を挟み込んでいる。袋体101の最大幅と保持部材103の端辺の長さとをほぼ等しくすることにより、袋体101の挟み込みに寄与しない部分が生じないようにすることができる。但し、周縁部112を含めた袋体101の最大幅が保持空間138の最大幅よりも大きければ、袋体101の最大幅と保持部材103の端辺の長さとは一致していなくてもよい。
【0038】
本実施形態において、緩衝部136の側辺方向の長さは、第1板部141及び第2板部142の側辺の長さよりも短く、接続板部143側には、緩衝部136が存在していない。このような構成とすることにより、外枠部135をコ字状に折り曲げる際に、緩衝部136が干渉しないようにすることができる。クッション材132及び袋体101を押さえる機能及び強度を確保しつつ折り曲げを容易にする観点から、緩衝部136の側辺方向の長さは、第1板部141及び第2板部142の側辺の長さの75%~95%程度とすることが好ましい。本実施形態において、緩衝部136は、開口部側から接続板部143側まで一体に形成されているが、複数の部分に分割することもできる。
【0039】
袋体101は、取出しを容易にする観点からは、表面が平滑なものが好ましく、例えばタイベック等の紙製としたり、ナイロン又はポリエチレン等の樹脂製としたりすることができる。枠体130は、加工性及び経済性の観点から段ボール等の紙製とすることが好ましいが、樹脂製とすることもできる。クッション材132は、クッション性を有する種々のものを用いることができ、例えばウレタンフォームとすることができる。クッション材132は、特に限定されないが、少なくとも保持空間138側の面に凹凸形状を有していることが好ましい。保持空間138側の面に凹凸を有していることにより、袋体101の中央部111との接触面積が小さくなり、衝撃や振動がインプラント201に伝わりにくくなると共に、取出しも容易となる。外箱106は、特に限定されないが、加工性及び経済性の観点から紙製とすることが好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本開示のインプラント包装体は、インプラントを安全に保管、輸送できると共に、取出しが容易であり、医療分野等において有用である。
【符号の説明】
【0041】
101 袋体
103 保持部材
106 外箱
111 中央部
112 周縁部
130 枠体
132 クッション材
135 外枠部
136 緩衝部
138 保持空間
141 第1板部
142 第2板部
143 接続板部
145 押え部
146 接続壁
151 第1壁
152 第2壁
153 第3壁
154 第4壁
162 蓋部
201 インプラント
図1
図2
図3
図4