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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112631
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】プラズマ処理装置
(51)【国際特許分類】
   H05H 1/46 20060101AFI20240814BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H05H1/46 B
C23C16/509
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017818
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】000003942
【氏名又は名称】日新電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】安藤 瞭汰
(72)【発明者】
【氏名】長町 学
(72)【発明者】
【氏名】辰巳 夏生
【テーマコード(参考)】
2G084
4K030
【Fターム(参考)】
2G084AA05
2G084BB11
2G084BB15
2G084BB25
2G084BB26
2G084CC04
2G084CC14
2G084CC33
2G084DD04
2G084DD12
2G084DD25
2G084DD38
2G084DD55
2G084FF08
2G084FF15
4K030BA28
4K030FA04
4K030JA01
4K030JA18
4K030KA02
4K030KA15
4K030KA30
(57)【要約】
【課題】設置面積に対して多くの被処理物を効率よくプラズマ処理することが求められている。
【解決手段】プラズマ処理装置(1)は、真空容器(10)と、一つの平面内において互いのアンテナに対し平行に配置され、高周波電流が流されてプラズマを発生させる複数本のアンテナ(23)と、真空容器内に、平面を挟んだ2面に被処理物(31)を固定する複数のホルダー(30)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空容器と、
互いに平行に配置され、高周波電流が流されてプラズマを発生させる複数のアンテナと、
前記真空容器内に前記複数のアンテナを挟むように配置され、複数の被処理物を固定する複数のホルダーと、を備えた、プラズマ処理装置。
【請求項2】
前記複数のアンテナのそれぞれは、第1方向に延伸し、
前記複数のアンテナは、前記第1方向に垂直な第2方向に並んでいる、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項3】
前記第1方向は、水平方向であり、前記第2方向は鉛直方向である、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項4】
前記複数のホルダーの少なくとも1つには、前記複数のホルダーに挟まれた空間にガスを導入する噴出口が形成されている、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項5】
前記複数のホルダーは、前記第2方向において、前記アンテナ同士の中央に前記複数の被処理物が位置するように、前記複数の被処理物を固定する、請求項2に記載のプラズマ処理装置。
【請求項6】
前記複数のアンテナが位置する平面と前記被処理物の先端との間隔は、前記アンテナ同士の間隔以下となるように、前記複数のホルダーは、前記複数の被処理物を固定する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項7】
前記被処理物同士の間隔Dは、前記アンテナ同士の間隔をLとした場合において、L/10≦D≦L/2の条件を満たす、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項8】
前記複数のホルダーは、棒状の前記被処理物を、前記複数のアンテナが位置する平面に対して垂直になるように固定する、請求項1に記載のプラズマ処理装置。
【請求項9】
前記高周波電流の周波数は、13.56[MHz]またはその倍数である、請求項1から8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【請求項10】
前記被処理物に対し、ダイアモンドを成膜する、請求項1から8のいずれか1項に記載のプラズマ処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマを用いて被処理物を処理するプラズマ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プラズマを用いて被処理物を処理する技術が知られている。特許文献1には、2.45GHzのマイクロ波を用いたプラズマによって、ダイアモンドを成膜するCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相堆積法)装置が開示されている。
【0003】
一般に広く開放されている周波数帯として、マイクロ波以外に13.56MHzのRF帯もある。マイクロ波は、プラズマ密度がRF帯よりも高く、プラズマに対して高い電力を供給することができる。そのため、ダイアモンドの成膜において、マイクロ波のプラズマが広く用いられてきた。
【0004】
ここで、特許文献2には、RF帯のプラズマを用いて、原料ガスをCVDするプラズマ処理装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-091576号公報
【特許文献2】特許第6341329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような従来技術はRF帯を用いて、ダイアモンドをCVDすることが困難であった。また、特許文献2のようなプラズマ処理装置では、設置面積に対して一度に処理できる被処理物が限られており、スペ-ス効率が悪かった。
【0007】
本発明の一態様は、設置面積に対して多くの被処理物を効率よくプラズマ処理することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、本発明の一態様に係るプラズマ処理装置は、真空容器と、アンテナであって、一つの平面内において互いの前記アンテナに対し平行に配置され、高周波電流が流されてプラズマを発生させる複数本のアンテナと、前記真空容器内に、前記平面を挟んだ2面に被処理物を固定する複数のホルダーと、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、設置面積に対して多くの被処理物を効率よくプラズマ処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】プラズマ処理装置の概要を示すモデル図である。
図2】プラズマ処理装置の斜視図である。
図3】プラズマ処理装置の側面図である。
図4】プラズマ処理装置の平面図である。
図5】プラズマ処理装置の前面図である。
図6図3においてアンテナを表示しなかった場合の側面図である。
図7】噴出口の配置を変更した変形例であるプラズマ処理装置を示す側面図である。
図8】被処理物の配置を変更した変形例であるプラズマ処理装置を示す平面図である。
図9】アンテナの延伸方向を変更した変形例であるプラズマ処理装置の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
〔実施形態1〕
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施形態」とも表記する)を、図面に基づいて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0012】
(プラズマ処理装置1の構成)
図1は、プラズマ処理装置1の概要を示すモデル図である。プラズマ処理装置1は、真空容器10と、プラズマ源20と、被処理物31を固定するホルダー30と、CVDするガスを供給するガス供給部40と、を備える。
【0013】
真空容器10は、金属製の容器であり、真空排気装置11によって、その内部は真空排気される。真空容器10は、電気的に接地されている。
【0014】
プラズマ源20は、高周波電源21と、整合回路22と、アンテナ23と、温調機構24と、循環機構25と、を備える。
【0015】
高周波電源21から、整合回路22を介して、アンテナ23に高周波電流を流すことができる。高周波の周波数は一般的な13.56MHzまたはその倍数であるが、これに限られるものではない。アンテナ23に対し高周波電流が流れることによって、真空容器10内にはプラズマが発生する。
【0016】
アンテナ23は、内部に冷却液が流通する流路を有した中空構造のものであり、温調機構24でもって冷却液の温度は調整され、循環機構25によって冷却液はアンテナ23の内部を循環している。したがって、アンテナ23の温度は一定に保たれている。冷却液としては純水を用いてもよいが、これに限られるものではなく、任意のクーラントを用いてもよい。
【0017】
ホルダー30は、被処理物31を固定するホルダーである。ホルダー30は、例えば金属製である。ホルダー30は、複数の被処理物31をまとめて固定できる構造をしていてもよいし、個別に固定する構造をしていてもよい。なお、ホルダー30は内部にヒータを有してもよく、ホルダー30を加熱することによって、被処理物31を加熱することができてもよい。ヒータの温度としては、700℃が好ましい。
【0018】
また、ホルダー30は、バイアス電源32に接続されており、被処理物31に対してバイアス電圧を印加することができる。このため、バイアス電圧を調整することで、プラズマによって被処理物31を効率的に処理することができる。
【0019】
被処理物31は、ドリル、エンドミル、またはリーマなどの回転工具であり、棒状の形状をしており、表面の硬度が必要な部材である。また、被処理物31は回転工具に限定されず、金型などであってもよい。被処理物31は、ホルダー30によって、複数のアンテナ23が位置する平面に対して垂直に固定される。
【0020】
ガス供給部40は、真空容器10内にCVDに用いるガスを導入する。ガス供給部40は、ホルダー30の複数の噴出口41に繋がっている。ガス供給部40から導入されたガスは、ホルダー30に開いた噴出口41から噴出し、被処理物31周辺に、ガスが均一に広がるようになっている。
【0021】
なお、ホルダー30にガス供給部40が直接接続され、噴出口41以外からは真空容器に流入しなくてもよい。この場合、高圧のガスを被処理物31の周りに供給することができるため、効率的な成膜が可能になる。
【0022】
また、図1のようにガス供給部40のガスの流入方向にホルダー30が位置し、ホルダー30とガス供給部40との間には隙間があり、該隙間から真空容器10内部にガスが流入してもよい。この場合、真空容器10内部を均一なガス濃度とすることが容易である。
【0023】
例えば、ガスとしては、水素:メタン:二酸化炭素:アルゴン=10:5:13:112[SCCM]の比で導入し、ガスの圧力は15[Pa]とすることができる。
【0024】
(プラズマ処理装置における幾何配置)
図2は、プラズマ処理装置1の斜視図である。プラズマ処理装置1は、フロアに対して垂直なXZ面内に、アンテナ23を有する。アンテナ23は、一つの平面(XZ平面)内において互いのアンテナ23に対し、平行に配置されている。そのため、真空容器10内のアンテナ23が配置されているXZ平面を挟んだ2面にプラズマを発生させ、該プラズマによって被処理物31を処理する。被処理物31をプラズマが作用する範囲内に配置するために、複数のホルダー30が設けられている。
【0025】
アンテナ23のそれぞれは、X方向に延伸し、複数本のアンテナは、互いに対してZ方向に並べられている。つまり、アンテナ23は、水平方向に延伸し、互いに対して平行に鉛直方向に並べられている。
【0026】
ホルダー30には、複数本の被処理物31がX方向に並んで配置されている。また、ホルダー30は、Z方向に複数並んで配置されていてもよく、例えば図2のように、被処理物31は二段に並べられてもよい。
【0027】
アンテナ23を挟んだ被処理物31は、互いにXZ平面から矢視した際に、同じ位置に位置する。つまり、被処理物31は、アンテナ23を挟んで対向する。つまり、被処理物31を固定する複数のホルダー30は、真空容器10内に複数のアンテナ23を挟むように配置されている。ホルダー30は、Z方向において、アンテナ23同士の中央に複数の被処理物31が位置するように、複数の被処理物31を固定する。
【0028】
噴出口41は、アンテナ23が配置されているXY平面内に位置し、かつ、被処理物31の間に位置する。そのため、噴出口41から噴出されたガスは、アンテナ23の周囲に均一に広がるようになっている。
【0029】
(プラズマ処理装置1の側面視)
次に、プラズマ処理装置1を側面視(XZ平面から矢視)した場合に関して詳細に説明する。図3は、プラズマ処理装置1の側面図である。アンテナ23同士は、ピッチLで鉛直方向に同一の鉛直平面内に並べられている。また、被処理物31は、アンテナ23同士の中央に配置される。つまり、アンテナ23から距離L/2離れた位置に、被処理物31は位置する。例えば、Lは10[cm]である。
【0030】
なお、プラズマ処理装置1を側面視した際は、アンテナ23と噴出口41とが重なり合う配置であるため、噴出口41はアンテナ23に隠されることになる。
【0031】
(プラズマ処理装置1の平面視)
プラズマ処理装置1を平面視(XY平面から矢視)した場合に関して詳細に説明する。図4は、プラズマ処理装置1の平面図である。図4に示すように、アンテナ23同士は、互いに対して重なり合うために、平面視では重なって1本に見える。
【0032】
アンテナ23が位置する平面から、H離れた位置に、被処理物31の先端が位置する。Hは、1[cm]≦H≦Lであることが好ましい。例えば、Hは1[cm]である。
【0033】
被処理物31同士は、X方向において、互いに対しDのピッチで並べられている。Dは、L/10≦D≦L/2であることが好ましい。
【0034】
(プラズマ処理装置1の前面視)
プラズマ処理装置1を前面視(YZ平面から矢視)した場合に関して説明する。図5は、プラズマ処理装置1の前面図である。上述したように、アンテナ23は互いに対し、Z軸方向に並んでいる。また、複数のアンテナ23が位置する平面(XZ平面)から、Hの距離に被処理物31の先端は位置する。
【0035】
また、噴出口41が位置する平面は、アンテナ23が位置する平面と同一平面状に位置する。
【0036】
(噴出口41)
図6は、図3においてアンテナ23を表示しなかった場合の側面図である。図6に示すように、被処理物31と噴出口41とは千鳥配置されている。この配置によって、各被処理物31の先端におけるガス濃度が均一になり、ほぼ同じ条件でCVDを行うことができる。
【0037】
ここで、噴出口41の配置は千鳥配置に制限されない。噴出口41の少なくとも一つは、ホルダー30が位置する面から、ホルダー30に挟まれた空間に向けてガスを導入することができればよい。
【0038】
特に、アンテナ23周辺にガスを吹き付けることができるため、強いプラズマでガスを反応させることができる。そのため、効率的にダイアモンドを合成し、被処理物31に対して成膜することができる。
【0039】
また、噴出口41とアンテナ23とが同一平面に位置するため、噴出口41から噴出したガスはアンテナ23に吹き付けられることで、拡散する。そのために、アンテナ23周辺でのガスの均一性が高くなるというメリットもある。
【0040】
(小括)
複数本のアンテナ23を水平方向に延伸させ、該複数本のアンテナを鉛直方向に並べた、鉛直平面を挟んだ二面において、被処理物31をプラズマ処理することができる。そのため、被処理物31を水平に載置した場合よりも、小さなフロア面積で多くの被処理物31をプラズマ処理することができる。つまり、設置面積に対して多くの被処理物を効率よくプラズマ処理、例えばCVDを行うことができる。
【0041】
また、被処理物31の交換およびアンテナ23の点検を行うために、ホルダー30およびアンテナ23を真空容器10外に引き出す際には、水平方向にこれらを引き出せばよい。そのため、天井高さがプラズマ処理装置1を収められる高さだけあればよく、天井が低い場所でも装置を設置することができる。
【0042】
多数の被処理物31をプラズマ処理する場合であっても、鉛直方向には、多くの被処理物31が存在しない。そのため、上部の被処理物31から下部の被処理物31に対するパーティクルの落下等を気にする必要がない。
【0043】
〔変形例〕
(噴出口41の配置)
図7は、噴出口41の配置を変更した変形例であるプラズマ処理装置2を示す側面図である。実施形態では、噴出口41の配置は、噴出口41および被処理物31で、千鳥配置となるように配置し、アンテナ23と噴出口41とが同じ水平面内に配置された。対して、本変形例では、噴出口41は同じ水平面内の被処理物31の間に配置される。
【0044】
この結果、噴出口41とアンテナ23とが同じ水平面内に位置しなくなる。そのため、噴出口41から噴出されたガスが直接的にアンテナ23に吹き付けられなくなるため、アンテナ23の表面にカーボン膜が成膜されることを防止することができる。
【0045】
また、この場合であっても、被処理物31の周りのガス濃度は均一になり、被処理物31は均等に反応していくことができる。
【0046】
(被処理物31の配置)
図8は、被処理物31の配置を変更した変形例であるプラズマ処理装置3を示す平面図である。実施形態では、アンテナ23を挟んだ2つの被処理物31は、互いに対向していた。対して、本変形例では、2つの被処理物31は対向せずに、一方の被処理物の取り付け間隔の中央位置に、他方の被処理物が位置するようにする。つまり、被処理物31がアンテナ23を挟んだ二面において、互い違いに配置されることになる。
【0047】
実施形態では対向する2つの被処理物の先端で電界集中が発生し、プラズマ密度が均一ではなくなることがある。本変形例では、被処理物31が対向せずに、互い違いに配置されるため、被処理物31の先端で発生する電界集中が離散化する。その結果、均一な反応が促進されて、被処理物31に均一にダイアモンドを成膜することができる。
【0048】
(アンテナ23の延伸方向)
実施形態では、アンテナ23は水平方向に延伸し、複数のアンテナは互いに対し鉛直方向に並べられた。
【0049】
ここで、アンテナ23の延伸方向は水平方向に限定されず、任意の第1軸方向であればよい。また、複数のアンテナ23の並び方は、鉛直方向に限定されず、第1軸に対して垂直な任意の第2軸方向であればよい。
【0050】
例えば、第1軸が鉛直方向であり、第2軸が水平方向であってもよい。図9は、アンテナ23の延伸方向を変更した変形例であるプラズマ処理装置4の斜視図である。この場合、実施形態のものよりも多数の被処理物31を鉛直方向に配置することができるため、プラズマ処理装置1よりもさらにプラズマ処理装置4の設置面積を小さくすることができる。そのため、設置面積に対して効率的にプラズマ処理することができる。
【0051】
また、この場合であっても、アンテナ23およびホルダー30を水平方向に引き出すことで容易に被処理物31の交換およびメンテナンスを行うことができる。
【0052】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係るプラズマ処理装置は、真空容器と、互いに平行に配置され、高周波電流が流されてプラズマを発生させる複数のアンテナと、前記真空容器内に前記複数のアンテナを挟むように配置され、複数の被処理物を固定する複数のホルダーと、を備える。
【0053】
上記の構成によれば、複数のアンテナが配置された一つの平面を挟んだ2面において、プラズマ処理を行うことができ、設置面積に対して効率的なプラズマ処理が可能となる。
【0054】
本発明の態様2に係るプラズマ処理装置は、前記態様1において、前記複数のアンテナのそれぞれは、第1方向に延伸し、前記複数のアンテナは、前記第1方向に垂直な第2方向に並んでもよい。
【0055】
上記の構成によれば、第1方向および第2方向によって構成される平面を、鉛直平面とすることによって、プラズマ処理装置の設置面積を小さくすることができる。
【0056】
本発明の態様3に係るプラズマ処理装置は、前記態様2において、前記第1方向は、水平方向であり、前記第2方向は鉛直方向であってもよい。
【0057】
上記の構成によれば、小さな設置面積において、多くの被処理物を処理できるプラズマ処理装置を実現することができる。また、鉛直方向において多くの被処理物が存在しないために、パーティクル等のリスクを低減することができる。
【0058】
本発明の態様4に係るプラズマ処理装置は、前記態様1から3のいずれかにおいて、前記複数のホルダーの少なくとも1つには、前記複数のホルダーに挟まれた空間にガスを導入する噴出口が形成されてもよい。
【0059】
上記の構成によれば、被処理物を均一なガスによって反応させることができるため、均一なプラズマ処理が可能となる。
【0060】
本発明の態様5に係るプラズマ処理装置は、前記態様2から4のいずれかにおいて、前記複数のホルダーは、前記第2方向において、前記アンテナ同士の中央に前記複数の被処理物が位置するように、前記複数の被処理物を固定してもよい。
【0061】
上記の構成によれば、均一なプラズマ密度によって、被処理物を処理することができる。
【0062】
本発明の態様6に係るプラズマ処理装置は、前記態様1から5のいずれかにおいて、前記複数のアンテナが位置する平面と前記被処理物の先端との間隔は、前記アンテナ同士の間隔以下となるように、前記複数のホルダーは、前記複数の被処理物を固定してもよい。
【0063】
上記の構成によれば、十分なプラズマ密度でもって、被処理物を処理することができる。
【0064】
本発明の態様7に係るプラズマ処理装置は、前記態様1から6のいずれかにおいて、前記被処理物同士の間隔Dは、前記アンテナ同士の間隔をLとした場合において、L/10≦D≦L/2の条件を満たしてもよい。
【0065】
上記の構成によれば、十分なプラズマ密度でもって、被処理物を処理することができる。
【0066】
本発明の態様8に係るプラズマ処理装置は、前記態様1から7のいずれかにおいて、前記複数のホルダーは、棒状の前記被処理物を、前記複数のアンテナが位置する平面に対して垂直になるように固定してもよい。
【0067】
上記の構成によれば、被処理物として棒状の形状、例えばドリル・エンドミル・リーマなどをプラズマ処理することができる。
【0068】
本発明の態様9に係るプラズマ処理装置は、前記態様1から8のいずれかにおいて、前記高周波電流の周波数は、13.56[MHz]またはその倍数であってもよい。
【0069】
上記の構成によれば、プラズマを発生させる高周波電流は13.56[MHz]とすることができる。
【0070】
本発明の態様10に係るプラズマ処理装置は、前記態様1から9のいずれかにおいて、前記被処理物に対し、ダイアモンドを成膜してもよい。
【0071】
上記の構成によれば、被処理物に対してダイアモンドを成膜することができる。
【0072】
〔付記事項〕
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0073】
1、2、3、4 プラズマ処理装置
10 真空容器
11 真空排気装置
20 プラズマ源
21 高周波電源
22 整合回路
23 アンテナ
24 温調機構
25 循環機構
30 ホルダー
31 被処理物
40 ガス供給部
41 噴出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9