(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112665
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】位置検知装置、送電装置、位置検知方法、及び位置検知プログラム
(51)【国際特許分類】
H02J 50/90 20160101AFI20240814BHJP
H02J 50/12 20160101ALI20240814BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240814BHJP
H02J 50/80 20160101ALI20240814BHJP
【FI】
H02J50/90
H02J50/12
H02J7/00 301D
H02J50/80
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017868
(22)【出願日】2023-02-08
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成29年度、防衛装備庁、安全保障技術研究推進制度、産業技術力強化法第17条の適用を受ける特許出願
(71)【出願人】
【識別番号】313005318
【氏名又は名称】パナソニックコネクト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】山口 修一郎
(72)【発明者】
【氏名】八木 達雄
【テーマコード(参考)】
5G503
【Fターム(参考)】
5G503AA01
5G503BA01
5G503BB01
5G503GB08
5G503GD04
5G503GD06
(57)【要約】
【課題】海中においても、送電装置と受電装置が近接しているかどうかを検知する。
【解決手段】位置検知装置は、受電コイルを有する受電装置との間で、無線で電力の伝送を行う送電コイルを有する送電装置に対する受電装置の位置情報を検知する。位置検知装置は、送電装置の電気情報を検知する電気情報検知部と、電気情報を使って受電装置の位置情報を検知する位置検知部と、を備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受電コイルを有する受電装置に無線で電力伝送を行う送電コイルを有する送電装置に対する前記受電装置の位置情報を検知する位置検知装置であって、
前記送電装置の電気情報を検知する電気情報検知部と、
前記電気情報に基づいて、前記受電装置の位置情報を検知する位置検知部と、を備える、
位置検知装置。
【請求項2】
前記送電装置の電気情報は、前記送電装置が有する前記送電コイルの電気情報である、
請求項1に記載の位置検知装置。
【請求項3】
前記送電装置の電気情報は、前記送電装置の送電電流、送電電圧、送電電力、あるいは送電力率である、
請求項1または2に記載の位置検知装置。
【請求項4】
前記受電装置は、充電可能な蓄電池を有し、
前記位置検知部は、前記受電装置が前記蓄電池の充電可能である位置に存在するか否かを検知する、
請求項1または2に記載の位置検知装置。
【請求項5】
前記位置検知部は、前記送電装置が備える通信部と接続し、
前記位置検知部は、前記受電装置の位置を検知しない場合、前記通信部を介して前記受電装置にアラート情報を送信する、
請求項1または2に記載の位置検知装置。
【請求項6】
前記位置検知部は、前記送電装置が備える通信部と接続し、
前記位置検知部は、前記通信部を介して電波により通信を行う、
請求項1または2に記載の位置検知装置。
【請求項7】
前記位置検知部は、前記送電装置が備える通信部と接続し、
前記通信部の通信領域は、前記送電装置が給電可能な給電領域よりも大きい、
請求項1または2に記載の位置検知装置。
【請求項8】
前記位置検知部は、前記送電コイルに対する前記受電コイルの相対的な位置を検知する、
請求項1または2に記載の位置検知装置。
【請求項9】
請求項1に記載の位置検知装置と、
前記送電コイルに印加する電圧を制御する電圧制御部と、を備え、
前記位置検知装置が、前記位置検知部が検知した前記受電装置の位置情報から、前記受電装置が備える充電可能な蓄電池の充電可能である位置に存在すると検知した場合、前記電圧制御部は、前記受電装置が有する充電制御回路を起動させるために所定の第1電圧を前記送電コイルに印加する、
送電装置。
【請求項10】
前記位置検知装置が、前記位置検知部が検知した前記受電装置の位置情報から、前記受電装置が前記蓄電池の充電可能である位置に存在すると検知した場合、前記電圧制御部は、前記受電装置の前記受電コイルに充電するための前記第1電圧よりも大きい所定の第2電圧を前記送電コイルに印加する、
請求項9に記載の送電装置。
【請求項11】
受電コイルを有する受電装置に対し、無線で電力伝送を行う送電コイルを有する送電装置に対する前記受電装置の位置情報を検知する位置検知方法であって、
送電装置の電気情報を検知し、
前記電気情報に基づいて、前記受電装置の位置情報を検知する、
位置検知方法。
【請求項12】
受電コイルを有する受電装置に対し、無線で電力伝送を行う送電コイルを有する送電装置に対する前記受電装置の位置情報を検知する位置検知方法であって、
送電装置の電気情報を検知し、
前記電気情報に基づいて、前記受電装置の位置情報を検知する、
ことをコンピュータに実行させる、
位置検知プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、位置検知装置、送電装置、位置検知方法、及び位置検知プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、送電装置に設けられた接近センサにより、受電装置の受電部が送電装置の送電部に接近したことを検知すると給電を開始する非接触給電装置が記載されている。この近接センサは、光を利用するもの、静電容量の変化を利用するもの、超音波を利用するもの、空気圧を利用するもの、電磁誘導によるうず電流による励磁コイルの入力インピーダンス変化を利用するものなど、一般に知られたものの中から適宜選択できることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば光を利用したセンサとしてカメラを近接センサとして利用した場合、実際に送電部と受電部とが近接したかを検知することは困難である。カメラ画像を利用した位置確認では、水中(例えば海中)特有の濁りによってカメラ画像が不鮮明となる上、生物や植物などがカメラレンズに付着することで視野の妨げとなる可能性があるからである。また、例えば超音波を利用すると、水中(例えば海中)特有の雑音や反射などによって検知精度が低下するため、雑音や反射の少ない限られた場所のみでしか利用することができない。また、GPS(Global Positioning System)センサは、海中では電波が届かないので位置確認することができない。また、音波を利用したセンサでは、位置検知の精度が誤差数m[メートル]となるので、現実的に送電装置と受電装置とが近接したかを検知することは困難である。すなわち、一般的なセンサによって海中の送電部と受電部とが近接したことを検知することは困難であるという課題が存在している。
【0005】
本開示の目的は、海中においても、送電装置と受電装置が近接しているかどうかを検知することができる技術の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る位置検知装置は、受電コイルを有する受電装置に対し、無線で電力伝送を行う送電コイルを有する送電装置に対する前記受電装置の位置情報を検知する位置検知装置であって、送電装置の電気情報を検知する電気情報検知部と、前記電気情報を使って前記受電装置の位置情報を検知する位置検知部と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る送電装置は、位置検知装置と、前記送電コイルに印加する電圧を制御する電圧制御部と、を備え、前記位置検知装置が、前記位置検知部が検知した前記受電装置の位置情報から、前記受電装置が充電可能である位置に存在すると検知した場合、前記電圧制御部は、前記受電装置が有する充電制御回路を起動させるために所定の電圧を前記送電コイルに印加する。
【0008】
本開示の一態様に係る位置検知方法は、受電コイルを有する受電装置に対し、無線で電力伝送を行う送電コイルを有する送電装置に対する前記受電装置の位置情報を検知する位置検知方法であって、送電装置の電気情報を検知し、前記電気情報を使って前記受電装置の位置情報を検知する。
【0009】
本開示の一態様に係る位置検知プログラムは、受電コイルを有する受電装置に対し、無線で電力伝送を行う送電コイルを有する送電装置に対する前記受電装置の位置情報を検知する位置検知方法であって、送電装置の電気情報を検知し、前記電気情報を使って前記受電装置の位置情報を検知する。
【0010】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、海中においても、送電装置と受電装置が近接しているかどうかを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施の形態1に係る水中給電システムが設置される使用環境例を模式的に示す図
【
図2】実施の形態1に係る水中給電システムの構成の一例を示すブロック図
【
図3A】送電コイルと受電装置の受電コイルとの位置関係例を示す図
【
図3B】送電コイルと受電装置の受電コイルとの位置関係例を示す図
【
図3C】送電コイルと受電装置の受電コイルとの位置関係例を示す図
【
図4】実施の形態1に係る結合係数と送電装置の送電電流との関係の一例を示す図
【
図5】実施の形態1に係る結合係数と送電装置の送電電力との関係の一例を示す図
【
図6】実施の形態1に係る結合係数と送電装置の送電力率との関係の一例を示す図
【
図7】実施の形態1に係る位置検知装置の動作を示すフロー図
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を適宜参照して、本開示に係る位置検知装置、送電装置、位置検知方法、及び位置検知プログラムを具体的に開示した実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0014】
(実施の形態1)
1.水中給電システム1000
図1は、実施の形態1に係る水中給電システム1000が設置される使用環境例を模式的に示す図である。水中給電システム1000は、送電装置100(
図2参照)と、受電装置200(
図2参照)と、を少なくとも備える。なお、水中給電システム1000は、管理部108(
図2参照)、を更に備えてもよい。送電装置100と、受電装置200とは、それぞれ少なくとも1つのコイルCLを有する。送電装置100は、受電装置200に対して、それぞれのコイルCLを介して、磁気共鳴方式でワイヤレス(無接点)に電力を伝送する。
【0015】
(1)送電装置100について
送電装置100は、その一部が船舶50に設置されている。もちろん、送電装置100は、その他の箇所(例えば陸上に設置された給電設備1200)に配置されてよいし、全てが海中に配置されても良い。
図1では、水中給電(例えば海中給電)を行うために、水中に浮遊するボビンbn10を含む給電スタンドと、海底910に配置されたボビンbn11を含む給電スタンドとが設置されている。
【0016】
船舶50の一部は水面90(例えば海面)より上部つまり水上に存在し、船舶50の他の一部は水面90よりも下部つまり水中(例えば海中)に存在する。船舶50は、水上(例えば海上)及び海中で移動可能であり、例えば海中のデータ取得場所の上方へ自由に移動可能である。
【0017】
図1では、筒状のボビンbn10の外周に、送電コイルCLA11および中継コイルCLC11が巻回されて、給電スタンドとなっている。中継コイルCLC11は必ずしも必要ない。送電コイルCLA11には、電力ケーブル280が接続されており、海上に係留している船舶50から電力ケーブル280を介して電力が供給される。電力ケーブル280は、ボビンbn10、送電コイルCLA11、中継コイルCLC11を備える給電スタンドを海中で浮遊状態に支持する。後述する水中航走体70が、浮遊状態にある給電スタンドの出入口に対し水平方向に進入し、ボビンbn10の内部に留まった時、電力を受電することができる。従って、
図1においては、ボビンbn10を含む給電スタンドでは電力伝送は行われていない。
【0018】
ボビンbn11を含む給電スタンドは、海底910に埋め込まれた2本の支柱1101の上部に固定される。給電スタンドでは、筒状のボビンbn11に送電コイルCLA12が巻回されて配置されているが、中継コイルCLCは配置されていない。当然、中継コイルCLCが配置されてもよい。送電コイルCLA12には、例えば海底910に這わされた電力ケーブル280Aが接続され、給電設備1200から電力ケーブル280Aを介して電力が供給されてよい。水中航走体70は、海底910に設置された給電スタンドの出入口に対し、水平方向に進入し、ボビンbn11の内部に留まって受電することができる。
図1においては、ボビンbn11を含む給電スタンドの内部に水中航走体70が止まっているため、電力伝送が行われている。
【0019】
(2)受電装置200について
図1においては、受電装置200は、移動可能な水中航走体70(例えば潜水艇、水底掘削機)に設けられる。ただし、受電装置200は、固定的に設置される水中設備(例えば地震計、監視カメラ、地熱発電機)などに設けられてもよい。
図1では、水中航走体70の一例として潜水艇が図示されている。受電装置200に含まれる各受電コイルCLBは、水中(例えば海中)に設けられる。
【0020】
水中航走体70は、例えば遠隔操作無人探査機(ROV:Remotely Operated Vehicle)、無人潜水艇(UUV:Unmanned Underwater Vehicle)、あるいは自律型無人潜水機(AUV:Autonomous Underwater Vehicle)である。
【0021】
水中航走体70は、水中を潜行し、船舶50などからの指示に基づいて所定のデータ取得ポイントへ自由に移動可能である。船舶50などからの指示は、各コイルCLや通信用のアンテナ203(
図2参照)を介した通信により伝送されてもよいし、その他の通信方法により伝送されてもよい。
【0022】
(3)コイルCLについて
コイルCLは、例えば環状に形成され、樹脂のカバーにより被覆されることで絶縁される。コイルCLは、例えばキャブタイヤケーブル、ヘリカルコイル、あるいはスパイラルコイルにより形成される。ヘリカルコイルは、同一平面内ではなく、磁気共鳴方式による電力の伝送方向に沿って、螺旋状に巻回された環状のコイルである。スパイラルコイルは、同一平面内においてスパイラル形状に形成された環状のコイルである。スパイラルコイルの採用により、コイルCLの薄型化が可能となる。ヘリカルコイルの採用により、巻回されたコイルCLの内部の空間を広く確保できる。なお、
図1ではヘリカルコイルの例が図示されている。
【0023】
電力伝送に使用されるコイルCLは、送電コイルCLA(Primary Coil)および受電コイルCLB(Secondary Coil)を含む。また、コイルCLは、送電コイルCLAと受電コイルCLBとの間に配置された少なくとも1つの中継コイルCLC(Booster Coil)など他のコイルCLを含んでよい。中継コイルCLCは、送電コイルの一例とも言え、送電コイルCLAによる電力伝送を補助する。中継コイルCLCが複数ある場合には、それぞれの中継コイルCLC同士は略平行に配置され、中継コイルCLCにより形成される開口面の半分以上が重なる。複数の中継コイルCLC間の間隔は、例えば中継コイルCLCの半径以上確保される。
【0024】
送電コイルCLAは、
図2においては送電コイル107であり、送電装置100に設けられる(
図2参照)。また、送電コイルCLAは、ボビンbn10やボビンbn11の周りに巻かれている。受電コイルCLBは、
図2においては受電コイル207であり、受電装置200に設けられる(
図2参照)。中継コイルCLCは、送電コイル107の一部として機能し、送電装置100に設けられても、受電装置200に設けられても、送電装置100および受電装置200とは別に設けられてもよい。また、中継コイルCLCは、一部が送電装置100に設けられ、他の一部が受電装置200に設けられてもよい。
【0025】
各コイルCLは、例えば等間隔に配置される。隣り合うコイルCL間の距離(コイル間隔)は、例えば5mである。コイル間隔は、例えばコイルCLの直径の半分程度の長さであるとよい。電力伝送周波数は、水中(例えば海中)での磁界強度の減衰量を考慮すると、例えば40kHz以下であり10kHz未満とされることが好ましい。また、10kHz以上の送信周波数で電力伝送する場合には、電波法の規定に基づいて所定のシミュレーションを行う必要があり、10kHz未満の場合にはこの作業を省略できる。なお、伝送周波数が低周波であるほど、電力伝送距離が長くなってコイルCLが大きくなる上に、コイル間隔が長くなる。なお、伝送周波数は、例えば通信信号が重畳される場合、40kHzよりも高い周波数としてもよい。
【0026】
電力の伝送周波数は、コイルCLのインダクタンス、コイルCLの直径、コイルのCLの巻き数等のコイル特性に基づき定まる。コイルCLの直径は、例えば数m~数10mである。コイルCLの太さが太い程、つまりコイルCLの線径が大きい程、コイルCLでの電気抵抗が減り、電力損失が小さくなる。また、コイルCLを介して伝送される電力は、例えば50W以上であり、kWオーダーでもよい。
【0027】
(4)送電装置100に対する受電装置200の位置情報について
図1においては、ボビンbn10を含む給電スタンドでは電力伝送が行われていない。それは、受電装置200を備える水中航走体70が、送電装置100の一部である給電スタンドの内部に入っていないからである。すなわち、この場合の位置情報は、送電装置100に対して受電装置200が「充電可能である領域」に存在しないことを示す情報となる。一方、ボビンbn11を含む給電スタンドの内部には水中航走体70が止まっているため、電力伝送を行うことができる状態である。すなわち、この場合の位置情報は、送電装置100に対して受電装置200が「充電可能である領域」に存在していることを示す情報となる。
【0028】
送電装置100と受電装置200との間で電力伝送を行いたい場合、「充電可能である領域」に存在しているか否かを検知できない限り、電力伝送をすることができない。そこで、これから、送電装置100に対して受電装置200が「充電可能である領域」に存在しているか否かを示す位置情報を検知することについて説明を行う。
【0029】
2.送電装置100、受電装置200の構成について
次に、
図2を用いて、水中給電システム1000及び水中給電システム1000が備える送電装置100、受電装置200の構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係る水中給電システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2においては、水中給電システム1000は、送電装置100、受電装置200を備える。なお、送電装置100の一部として、陸上あるいは海上の管理部108を備える。それ以外の送電装置100、受電装置200の構成は、海中に設けられるとよい。
【0030】
(1)送電装置100について
送電装置100は、制御部101、通信部102、アンテナ103、記憶部104、高周波電源105、整合回路106、送電コイル107、管理部108を備える。制御部101は、電気情報検知部101aと位置検知部101bとを備える。制御部101、通信部102、記憶部104は、集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現されてもよい。これらの機能ブロックは、個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。また、制御部101は記憶部104(メモリを含む)に記憶されたコンピュータプログラムを実行し、制御部101の機能ブロックを実現する装置であって良い。また、制御部101と高周波電源105は、陸上(海上)の管理部108の一部として配置されてもよい。
【0031】
制御部101は、送電装置100に含まれる各構成ブロックを制御する。電気情報検知部101aは、送電装置100の電気情報を検知する。送電装置100の電気情報とは、例えば、送電装置100が有する送電コイル107に低電圧(第1電圧の一例)を印加した際の送電コイル107の電気情報である。電気情報は、送電電流、送電電圧、送電電力、あるいは送電力率およびこれらの電気情報の少なくとも一つを使って生成される電気情報の少なくとも一つであるとよい。また、低電圧とは、例えば10V程度の電圧である。詳細は後述するが、電力伝送を行なっていない時、送電装置100の位置と受電装置200の充電可能な位置との位置関係により、送電コイル107に低電圧を印加した際の送電コイル107の電気情報が変動する。電気情報検知部101aは、この変動し得る電気情報を検知する。
【0032】
位置検知部101bは、電気情報検知部101aが検知した電気情報を用いて、受電装置200の位置情報を検知する。位置検知部101bが検知する位置情報は、受電装置200が蓄電池208(
図2参照)を充電可能である位置に存在するか否かを示す。なお、位置検知部101bが検知する位置情報として、受電装置200の位置と、充電可能である位置との位置関係を詳細に示してもよい。すなわち、例えば、送電装置100と受電装置との間が、どの程度の距離であるか、などを示してもよい。電圧制御部101cは、送電コイル107に印加する電圧を制御する。そして、少なくとも制御部101の電気情報検知部101a及び位置検知部101bを備えることによって位置検知装置100aとなる。
【0033】
通信部102は、アンテナ103を介して、受電装置200や管理部108、その他の装置などとの間で無線通信(送受信)をすることができる。また、送電装置100、受電装置200、その他の装置などの間の通信は、有線ケーブルで通信してもよいし、通信ネットワークとして有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、LTE(Long Term Evolution)、4G(第4世代移動通信方式)、5G(第5世代移動通信方式)、インターネット、VPN(Virtual Private Network)等で通信を行なってもよい。必要に応じて、位置検知装置100aは、電気情報検知部101a及び位置検知部101bの他に、通信部102も含んでもよい。
【0034】
記憶部104は、後述する位置検知部101bが使用する閾値などを記憶する。また、記憶部104の一部としてメモリを備え、位置検知プログラムを記憶してもよい。この位置検知プログラムは、制御部101によって実行される。
【0035】
高周波電源105は、受電装置200に対してワイヤレス(無接点)で伝送するための電力の供給源となる送電用電源である。制御部101に制御される高周波電源105が供給する交流電流は、整合回路106を介して送電コイル107に印加される。送電コイル107は、
図1においては送電コイルCLA11、CLA12である。もちろん、中継コイルCLC11も送電コイル107と考えてもよい。
【0036】
管理部108は、例えばDB(Database)を有し、位置検知装置100aによって検知される送電装置100と受電装置200との相対的な位置情報を、制御部101から取得してDBに保存して管理する。
【0037】
(2)受電装置200について
受電装置200は、制御部201、通信部202、アンテナ203、センサ204、整流器205、整合回路206、受電コイル207、蓄電池208を備える。制御部201、通信部202は、集積回路であるLSIとして実現されてもよい。これらの機能ブロックは、個別に1チップ化されてもよいし、一部又は全てを含むように1チップ化されてもよい。
【0038】
制御部201は、受電装置200に含まれる各構成ブロックを制御する。通信部202は、アンテナ203を介して、送電装置100、その他の装置などとの間で無線通信(送受信)をすることができる。センサ204は、例えばカメラなどであり、水中航走体70の電力を消費する負荷の一例である。また、センサ204は、水中航走体70に搭載され電力を消費する負荷の一例として、海中での移動を制御する駆動系機構(スラスタなど)でもよい。受電コイル207を介して受電した電力は、整合回路206、整流器205を介して蓄電池208に蓄えられる(つまり、蓄電池208が充電される)。そして、センサ204やスラスタなどが、蓄電池208に蓄えられた電力を消費する。受電コイル207は、
図1においては受電コイルCLBである。
【0039】
3.送電コイル107と受電コイル207との位置関係
次に、
図3A、
図3B、
図3C及び
図3Dを用いて、送電装置100の送電コイル107と受電装置200の受電コイル207との位置関係例について説明する。
図3A、
図3B及び
図3Cは、送電コイル107と受電装置200の受電コイル207との位置関係例を示す図である。
図3Dは、
図3Cの矢印Xから見た図である。
図3Aから
図3Dの説明において、重複する要素には同一の符号を付与して説明を簡略化あるいは省略し、異なる内容について説明する。
図3Aから
図3Dの説明において、XYZ軸を定義する。
【0040】
具体的には、
図3Aから
図3Dにおいて、X軸は受電装置200が送電コイル107に接近する方向を示し、Y軸はX軸及びZ軸に垂直であって受電装置200の幅方向を示し、Z軸はX軸及びY軸に垂直であって受電装置200の高さ方向を示す。
【0041】
図3Aから
図3Cにおいて、送電コイル107は、第1送電コイル107aと第2送電コイル107bと第3送電コイル107cとが受電装置200の進行方向(つまり、X軸方向)に沿って連結された構成である。なお、第3送電コイル107cは、中継コイルCLC11(
図1参照)であってもよい。第1送電コイル107aと第2送電コイル107bとは例えばX軸方向に沿って1m[メートル]離れて連結されている。受電装置200の充電可能な位置は、例えば第1送電コイル107aから第3送電コイル107cまでの間に、受電装置200の受電コイル207の少なくとも半分が存在する位置である。なお、第1送電コイル107aから第3送電コイル107cのZ軸方向の上端部を覆うように、矩形状に構成されたアンテナ103が配置されている。さらに、アンテナ103よりZ軸方向に沿った上方に通信部102を構成するモジュールが配置されている。
【0042】
図3Aには、送電コイル107に対する受電装置200の受電コイル207の相対的な位置関係例が示されている。具体的には、受電装置200の受電コイル207は、第1送電コイル107aから第2送電コイル107bまでの範囲に半分だけ位置している。この場合、受電装置200の受電コイル207は、受電装置200の充電可能な位置に到達した状態となっている(
図4のC点参照)。
【0043】
図3Bには、送電コイル107に対する受電装置200の受電コイル207の他の相対的な位置関係例が示されている。具体的には、受電装置200の受電コイル207は、第1送電コイル107aから第3送電コイル107cまでの範囲に位置している。この場合、受電装置200の受電コイル207は、安定して受電装置200の充電可能な位置に存在している(
図4のD点参照)。
【0044】
図3C及び
図3Dには、送電コイル107に対する受電装置200の受電コイル207の他の相対的な位置関係例が示されている。具体的には、受電装置200の受電コイル207は、第1送電コイル107aから第3送電コイル107cまでの範囲であって、
図3Bに比べてよりZ軸方向に沿って上方に位置している(
図3D参照)。この場合、受電装置200の受電コイル207は、
図3Bに示す位置に比べて、より安定して受電装置200の充電可能な位置に存在している(
図4のE点参照)。これは、送電コイル107と受電装置200の受電コイル207との間の距離が、
図3Bに示す長さよりも
図3Cに示す長さの方が短く結合係数が高くなっているからである。
【0045】
4.受電装置200の位置情報検知
次に、
図4、
図5及び
図6を用いて、受電装置200の位置情報検知方法について説明する。
図4、
図5及び
図6は、実施の形態1に係る結合係数と送電装置の送電電流との関係の一例を示す図である。
【0046】
まず、受電装置200が送電装置100の充電可能な位置(領域)に遠いと、送電コイル107と受電コイル207の磁気的な結合度合いを示す結合係数は低くなる。そして、受電装置200が送電装置100の充電可能な位置(領域)に近づくほど、送電コイル107と受電コイル207の磁気的な結合度合いを示す結合係数は高くなる。送電装置100から受電装置200への電力伝送が行われていない時に、送電装置100の送電コイル107に低電圧を、常に、または一定時間ごとに印加すると、結合係数の変化によって送電コイル107に流れる電流(電気情報)が変化する。この結合係数によって電流(電気情報)が変化することを利用して、受電装置200の位置情報検知が可能となる。
【0047】
図4を測定した条件のもとであれば、実験の結果、以下のようになる。受電装置200が送電装置100に対して非常に遠方にある時(A点)、送電コイル107の電流値は2Arms以上である。当然、受電装置200は、充電可能な位置には存在しない。受電装置200が送電装置100に対して少し遠くに存在する時(B点)、送電コイル107の電流値は1.7Arms程度である。この時はまだ、受電装置200は、充電可能な位置には存在しない。
【0048】
そして、受電装置200が送電装置100に対してギリギリ充電可能な位置に存在すると(C点)、送電コイル107の電流値は1.2Arms程度である。そして、受電装置200が送電装置100に対して十分に充電可能な位置に存在すると(D点)、送電コイル107の電流値は1Arms程度である。そして、受電装置200が送電装置100に対して最も充電効率の最適な位置に存在すると(E点)、送電コイル107の電流値は1Arm以下となる。なお、受電装置200が送電装置100に対してギリギリ充電可能な位置に存在するとは、例えば給電効率が50%などの所定の割合以上になる位置などである。そして、この場合、給電効率が50%以上であると、「受電装置200が充電可能である位置に存在する」となる。当然、給電効率が49%未満であると、「受電装置200が充電可能である位置に存在しない」となる。
【0049】
図4の状況下においては、位置検知部101bは、結合係数が0.169以上となると「受電装置200が充電可能である位置に存在する」と判断できる。従って、位置検知部101bは、送電コイル107の電流が約1.3Arms(閾値)よりも低くなると、送電装置100は、受電装置200が充電可能である位置に存在すると検知することができる。同時に、位置検知部101bは、送電コイル107の電流が約1.3Armsよりも高い場合は、送電装置100は、受電装置200が充電可能である位置に存在しないと検知することができる。すなわち、送電装置100の送電コイル107の電流を検知するだけで、送電装置100に対する受電装置200の位置情報を検知することができる。従って、送電装置100に対する受電装置200の位置情報を検知するために、カメラなど新たなセンサを用いる必要がない。また、本実施の形態において更にカメラなど新たなセンサも用いて受電装置200の位置情報検知を行う場合は、より精度の高い受電装置200の位置情報検知が可能となる。なお、
図1における送電コイルCLAだけでなく、中継コイルCLCの電気情報を検知することで送電装置100に対する受電装置200の位置情報を検知することもできる。いずれにしても、送電装置100の送電コイル107の電流を検知するだけで、送電装置100に対する受電装置200の位置情報を検知することができる。
【0050】
なお、結合係数は、送電コイル107に対する受電コイル207の位置によっても変化するので(A~E点)、位置検知部101bは、送電コイル107に対する受電コイル207の位置(どのくらいの距離で離れているか)を検知、推定することができる。送電コイル107に対する受電コイル207の位置(距離)を検知、推定することによって、より精度の高い位置検知が可能となる。
【0051】
なお、
図4においては、送電コイル107を流れる電流によって受電装置200の位置情報検知を行ったが、
図5あるいは
図6のように送電コイル107の送電電力あるいは送電力率によって受電装置200の位置情報検知を行ってもよい。どちらの場合も、
図4と同様の条件下である場合、結合係数が0.169程度よりも大きくなると、「受電装置200が充電可能である位置に存在する」と検知したこととなる。そして、結合係数が0.169の時の電力、力率が、閾値となる。ただし、送電コイル107を流れる電流のみで判断する場合は電流のみを検知するだけで可能となるが、送電電力あるいは送電力率で判断する場合は送電電圧の情報も必要となる。従って、電流のみで検知することが簡単である。なお、前述した電気情報検知部101aが、送電コイル107の電流、電力、力率を検知することができる。
【0052】
なお、
図4から
図6から明らかな通り、位置検知部101bは電気情報によって、受電装置200が送電装置100の充電可能な位置に存在するか否かだけでなく、受電装置200が送電装置100からどの程度離れているかも検知することができる。
【0053】
なお、
図4から
図6においては、常に、または一定時間ごとに送電コイル107に対して印加した低電圧(第1電圧の一例)は、例えば10Vである。この低電圧は10V以外の数字でも良いが、ある一定以上の電圧とした場合に受電装置200の受電が開始してしまうことがある。そのため、受電装置200の受電が開始しない程度の低電圧であると良い。
【0054】
また、位置検知部101bが受電装置200の位置を検知しない場合、すなわち充電することができない場合は、送電装置100の通信部102がアンテナ103を介して受電装置200にアラート情報を送信しても良い。これによって、受電装置200に充電が必要であるときに、効率的に充電を促すことができる。受電装置200はアンテナ203を介して通信部202がこのアラート情報を受信する。アラート情報とは、位置検知部101bが受電装置200の位置を検知していないこと、すなわち充電することができていないことなどを示すと良い。このアラートは、特に、受電装置200が通信部202及びアンテナ203を介して充電が必要であることを示す情報を送信し、送電装置100が通信部102及びアンテナ103を介してその情報を受け取った場合に有効である。すなわち、受電装置200が充電を必要としているにもかかわらず、充電が開始されていない時にアラート情報を通信するとよい。また、この時のアラートの一部として、受電装置200と送電装置100との距離に関する情報を通信してもよい。
【0055】
なお、送電装置100、受電装置200の間の通信は、電波であるとよく、それぞれが備える通信部102、202は電波による通信を行うと良い。これによって、効率的な通信を行うことができる。
【0056】
また、通信部102、202が通信を可能とする通信領域は、送電装置100が受電装置200に対して充電を可能とする位置の領域よりも広い。これによって、位置検知部101bが受電装置200の位置を検知しない場合、すなわち充電することができない場合などに、送電装置100の通信部102がアンテナ103を介して受電装置200にアラート情報などの情報を送信することができる。なお、
図2においては、通信部102及びアンテナ103は位置検知装置100aの外に設けられているが、位置検知装置100aの一部としても良い。
【0057】
また、位置検知部101bが、検知した受電装置200の位置情報から、受電装置200が充電可能である位置に存在すると検知した場合、電圧制御部101cは受電装置200が有する制御部201を起動させるために必要な所定の電圧を送電コイル107に印加するとよい。また、位置検知部101bが、検知した受電装置200の位置情報から、受電装置200が充電可能である位置に存在すると検知した場合、電圧制御部101cは受電装置200の受電コイル207に充電するための所定の電圧を送電コイル107に印加するとよい。なお、制御部201を起動させるために必要な所定の電圧と、受電装置200の受電コイル207に充電するための所定の電圧とは、同じ大きさの電圧であってもよいし、異なる大きさの電圧であってもよい。
【0058】
5.受電装置200の位置情報検知のフロー
次に、
図7を用いて、受電装置200の位置情報検知のフローについて説明する。
図7は、実施の形態1に係る位置検知装置の動作を示すフロー図である。なお、以下のフローに関しては、記憶部104に記憶される位置検知プログラムを使って制御部101が実行する処理のフローと考えてよい。また、以下の説明は、
図4のように電気情報として送電コイル107の電流を検知する場合について説明するが、当然、送電電力あるいは送電力率に置き換えてもよい。
【0059】
図7において、まず、電圧制御部101cによって、送電コイル107に低電圧(例えば10V)の電圧を印加する(St1)。次に、電気情報検知部101aが、送電コイル107の電流を検知する(St2)。そして、位置検知部101bが、検知した電流が閾値よりも小さいか否かを判断する。検知した電流が閾値よりも小さい場合(St3、YES)、「受電装置200が充電可能である位置に存在する」と検知したこととなる(St4)。その場合、電圧制御部101cによって送電コイル107に印加する電圧を上昇させる。その結果、受電装置200の制御部201がオンとなる(St5)。そして、送電装置100から受電装置200への給電が開始し、位置検知のフローは終了する。
【0060】
一方、位置検知部101bが、検知した電流が閾値以上の場合(St3、NO)、「受電装置200が充電可能である位置に存在していない」と検知したこととなる(St6)。その場合、電圧制御部101cによって送電コイル107に印加する電圧を停止する(St7)。
【0061】
以上により、本実施の形態に係る位置検知装置100aは、受電コイル207を有する受電装置200に対し、無線で電力の伝送を行う送電コイル107を有する送電装置100に対する受電装置200の位置情報を検知する。位置検知装置100aは、送電装置100の電気情報を検知する電気情報検知部101aと、電気情報に基づいて受電装置200の位置情報を検知する位置検知部101bと、を備える。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかを検知することができる。
【0062】
また、本実施の形態に係る位置検知装置100aにおいて、送電装置100の電気情報は、送電装置100が有する送電コイル107の電気情報である。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかをより高い精度で検知することができる。
【0063】
また、本実施の形態に係る位置検知装置100aにおいて、送電装置100の電気情報は、送電装置100の送電電流、送電電圧、送電電力、あるいは送電力率である。なお、送電装置100が有する送電コイル107の送電電流、送電電圧、送電電力、あるいは送電力率でもよい。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかをより高い精度で検知することができる。
【0064】
また、本実施の形態に係る受電装置200は充電可能な蓄電池208を有し、位置検知装置100aにおいて、位置検知部101bは、受電装置200が充電可能である位置に存在するか否かを検知する。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかをより高い精度で検知することができる。
【0065】
また、本実施の形態に係る位置検知装置100aにおいて、位置検知部101bは、送電装置100が備える通信部102と接続し、位置検知部101bが受電装置200の位置を検知しない場合、通信部102を介して受電装置200にアラート情報を送信する。これによって、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、受電装置200に充電が必要であるときに、効率的に充電を促すことができる。
【0066】
また、本実施の形態に係る位置検知装置100aにおいて、位置検知部101bは、送電装置100が備える通信部102と接続し、位置検知部101bは、通信部102を介して、電波により通信を行う。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、効率的な通信をすることができる。
【0067】
また、本実施の形態に係る位置検知装置100aにおいて、位置検知部101bは、送電装置100が備える通信部102と接続し、通信部102の通信領域は、送電装置100が給電可能な給電領域よりも大きい。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、効率的な通信をすることができる。
【0068】
また、本実施の形態に係る位置検知装置100aにおいて、位置検知部101bは、送電コイル107に対する受電コイル207の相対的な位置を検知する。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかをより高い精度で検知することができる。
【0069】
また、本実施の形態に係る送電装置100は、位置検知装置100aと、送電コイル107に印加する電圧を制御する電圧制御部101cと、を備える。位置検知装置100aが、位置検知部101bが検出した受電装置200の位置情報から、受電装置200が備える充電可能な蓄電池208の充電可能である位置に存在すると検知した場合、電圧制御部101cは、受電装置200が有する制御部201を起動させるために所定の第1電圧(例えば位置検知の電圧以上第2電圧未満の電圧)を送電コイル107に印加する。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかを検知できた上で、充電の準備をすることができる。
【0070】
また、本実施の形態に係る送電装置100において、位置検知装置100aが、位置検知部101bが検出した受電装置200の位置情報から、受電装置200が蓄電池208の充電可能である位置に存在すると検知した場合、電圧制御部101cは、受電装置200の受電コイル207に充電するための第1電圧よりも大きい所定の第2電圧(例えば100V以上)を送電コイル107に印加する。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかを検知できた上で、充電をすることができる。
【0071】
また、位置検知方法は、受電コイル207を有する受電装置200に対し、無線で電力の伝送を行う送電コイル107を有する送電装置100に対する受電装置200の位置情報を検知する位置検知方法であって、送電装置100の電気情報を検知し、電気情報に基づいて、受電装置200の位置情報を検知する。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかを検知することができる。
【0072】
位置検知プログラムは、受電コイル207を有する受電装置200に対し、無線で電力の伝送を行う送電コイル107を有する送電装置100に対する受電装置200の位置情報を検知する位置検知装置100aであって、送電装置100の電気情報を検知し、電気情報に基づいて、受電装置200の位置情報を検知することをコンピュータに実行させる。これにより、位置検知装置100aあるいは送電装置100は、海中においても、送電装置100と受電装置200が近接しているかどうかを検知することができる。
【0073】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本開示の技術は、海中においても、送電装置と受電装置が近接しているかどうかを検知することができる。
【符号の説明】
【0075】
50 船舶
70 水中航走体
100 送電装置
101 制御部
101a 電気情報検知部
101b 位置検知部
101c 電圧制御部
102 通信部
103 アンテナ
104 記憶部
105 高周波電源
106 整合回路
107 送電コイル
200 受電装置
201 制御部
202 通信部
203 アンテナ
204 センサ
205 整流器
206 整合回路
207 受電コイル
208 蓄電池
1000 水中給電システム
CLA11 送電コイル
CLB 受電コイル
CLC11 中継コイル