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特開2024-11267メンテナンス通知システム及び制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011267
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】メンテナンス通知システム及び制御方法
(51)【国際特許分類】
   H05K 13/00 20060101AFI20240118BHJP
   H05K 13/02 20060101ALI20240118BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
H05K13/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113144
(22)【出願日】2022-07-14
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】馬場 恒星
【テーマコード(参考)】
5E353
【Fターム(参考)】
5E353CC23
5E353EE32
5E353EE89
5E353HH11
5E353LL04
5E353NN18
5E353QQ05
5E353QQ08
(57)【要約】
【課題】 メンテナンスの計画を立て易くするための技術を提供する。
【解決手段】 メンテナンス通知システムは、通知部と、通知カウンタと、ユニットカウンタと、制御部と、を備え、制御部は、ユニットカウンタによってカウントされたカウント値が所定の値以上であり、かつ、通知カウンタによってカウントされた時間が通知タイミングを示す場合に、ユニットのメンテナンスの案内を通知部に実行させ、ユニットカウンタによってカウントされたカウント値が所定の値以上であり、かつ、通知カウンタによってカウントされた時間が通知タイミングを示さない場合に、ユニットのメンテナンスの案内を通知部に実行させない、第1の通知制御部を備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品を基板に実装する実装装置で利用される複数個のユニットのうちの少なくとも1個のユニットのメンテナンスの案内を通知する通知部(14)と、
所定の周期で繰り返し到来し、前記通知部が前記案内を通知する通知タイミングを計測するための時間をカウントする通知カウンタ(34)と、
前記複数個のユニットのそれぞれについて、当該ユニットが前記実装装置で利用されている間における当該ユニットの利用状況を示すカウント値をカウントするユニットカウンタ(36)と、
前記通知部を制御する制御部(32)と、
を備える、メンテナンス通知システムであって、
前記制御部は、
前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスを推奨することを示す所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示す場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させ、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が前記所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示さない場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させない、第1の通知制御部(32)を備える、
メンテナンス通知システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が前記所定の値よりも大きい所定の上限値を超えた当該ユニットが存在する場合に、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示すか否かにかかわらず、前記前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させる第2の通知制御部(32)をさらに備える、請求項1に記載のメンテナンス通知システム。
【請求項3】
複数個のメンテナンス項目のそれぞれについて、当該メンテナンス項目によって示されるメンテナンスを推奨することを示す前記所定の値が設定されており、
前記カウント値が、前記複数個のメンテナンス項目のうちの特定のメンテナンス項目に設定されている前記所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示す場合に、前記特定のメンテナンス項目によって示されるメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させる、請求項1又は2に記載のメンテナンス通知システム。
【請求項4】
部品を基板に実装する実装装置で利用される複数個のユニットのうちの少なくとも1個のユニットのメンテナンスの案内を通知する通知部(14)を制御する制御方法であって、
前記制御方法では、
所定の周期で繰り返し到来し、前記通知部が前記案内を通知する通知タイミングを計測するための時間をカウントする通知カウンタ(34)と、
前記複数個のユニットのそれぞれについて、当該ユニットが前記実装装置で利用されている間における当該ユニットの利用状況を示すカウント値をカウントするユニットカウンタ(36)と、
が利用され、
前記制御方法は、
前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスを推奨することを示す所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記所定の周期の到来を示す場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させ、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が前記所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記所定の周期の到来を示さない場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させない、工程を備える、
制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、実装装置で使用されるユニットのメンテナンスの案内を通知するメンテナンス通知システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、電子部品を基板に実装する部品実装装置が開示されている。部品実装装置のヘッドユニットは、交換可能であり、複数個のヘッドユニットが部品実装装置に装着可能となっている。部品実装装置は、複数個のヘッドユニットのそれぞれについて、稼動時間データを記憶する。ユーザは、各ヘッドユニットの使用頻度を把握して、各ヘッドユニットのメンテナンスを実施する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-272652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
メンテナンスの不実施を抑制するために、メンテナンスの案内を通知するシステムが望まれる。例えば、特許文献1の部品実装装置が、各ヘッドユニットの稼動時間が所定の期間以上である場合に、各ヘッドユニットのメンテナンスを通知する構成が想定される。
【0005】
この構成において、複数個のヘッドユニットのうちの第1のヘッドユニットの稼働時間が所定の期間を超えるタイミングは、複数個のヘッドユニットのうちの第2のヘッドユニットの稼働時間が所定の期間を超えるタイミングとは無関係に決定される。即ち、第1のヘッドユニットのメンテナンスの通知のタイミングは、第2のヘッドユニットのメンテナンスの通知のタイミングとは、無関係である。このため、ユーザが、複数個のヘッドユニットのそれぞれのメンテナンスが通知されるタイミングを予測することは難しい。メンテナンスが通知されるタイミングの予測が困難だと、ユーザは、メンテナンスの計画を立て難くなる。
【0006】
本明細書では、メンテナンスの計画を立て易くするための技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本明細書で開示するメンテナンス通知システムは、部品を基板に実装する実装装置で利用される複数個のユニットのうちの少なくとも1個のユニットのメンテナンスの案内を通知する通知部(14)と、所定の周期で繰り返し到来し、前記通知部が前記案内を通知する通知タイミングを計測するための時間をカウントする通知カウンタ(34)と、前記複数個のユニットのそれぞれについて、当該ユニットが前記実装装置で利用されている間における当該ユニットの利用状況を示すカウント値をカウントするユニットカウンタ(36)と、前記通知部を制御する制御部(32)と、を備え、前記制御部は、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスを推奨することを示す所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示す場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させ、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が前記所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示さない場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させない、第1の通知制御部(32)を備える。
【0008】
また、本明細書では、部品を基板に実装する実装装置で利用される複数個のユニットのうちの少なくとも1個のユニットのメンテナンスの案内を通知する通知部(14)を制御する制御方法も開示する。前記制御方法では、前記通知部が前記案内を通知する通知タイミングを計測するための時間をカウントする通知カウンタ(34)であって、前記通知タイミングは、所定の周期で繰り返し到来する、前記通知カウンタ(34)と、前記複数個のユニットのそれぞれについて、当該ユニットが前記実装装置で利用されている間における当該ユニットの利用状況を示すカウント値をカウントするユニットカウンタ(36)と、が利用され、前記制御方法は、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスを推奨することを示す所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記所定の周期の到来を示す場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させ、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が前記所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記所定の周期の到来を示さない場合に、前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させない、工程を備える。
【0009】
上記の構成によれば、複数個のユニットのそれぞれのメンテナンスの案内は、所定の周期において案内され、所定の周期以外のタイミングでは案内されない。このため、ユーザは、複数個のユニットのそれぞれのメンテナンスの案内が通知されるタイミングを容易に予測することができ、ユーザはメンテナンスの計画を立て易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】部品実装装置の概略図を示す。
図2】部品実装装置のブロック図を示す。
図3】部品実装装置によって実現される具体的なケースC1を示す。
図4】部品実装装置によって実現される具体的なケースC2を示す。
図5】比較例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に説明する実施例の主要な特徴を列記しておく。なお、以下に記載する技術要素は、それぞれ独立した技術要素であって、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時の請求項に記載の組合せに限定されるものではない。
【0012】
(特徴1)前記制御部は、前記ユニットカウンタによってカウントされた前記カウント値が前記所定の値よりも大きい所定の上限値を超えた当該ユニットが存在する場合に、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示すか否かにかかわらず、前記前記ユニットカウンタに対応するユニットのメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させる第2の通知制御部(32)をさらに備えてもよい。
【0013】
カウンタ値が上限値を超える状況は、ユニットのメンテナンスが実行されていない状況が比較的に長く続いていることを意味する。上記の構成によれば、ユニットのメンテナンスが実行されていない状況が比較的に長く続くことを抑制することができる。
【0014】
(特徴2)複数個のメンテナンス項目のそれぞれについて、当該メンテナンス項目によって示されるメンテナンスを推奨することを示す前記所定の値が設定されており、
前記カウント値が、前記複数個のメンテナンス項目のうちの特定のメンテナンス項目に設定されている前記所定の値以上であり、かつ、前記通知カウンタによってカウントされた前記時間が前記通知タイミングを示す場合に、前記特定のメンテナンス項目によって示されるメンテナンスの前記案内を前記通知部に実行させてもよい。
【0015】
上記の構成によれば、複数個のメンテナンス項目が存在する状況(例えば、ユニット内の第1の箇所のメンテナンスと、ユニット内の第1の箇所とは異なる第2の箇所のメンテナンスと、が存在する状況)に適した通知を実行することができる。
【実施例0016】
(部品実装装置2;図1図2
部品実装装置2は、電子部品を基板に実装して回路基板を製造する装置である。部品実装装置2は、実装機構12と、カセット16と、通知部14と、制御装置30と、支持台40と、を備える。
【0017】
カセット16は、部品フィーダ100を着脱可能である。部品フィーダ100は、複数の電子部品を収容する。部品フィーダ100には、ID「f01」が割り当てられている。
【0018】
カセット16は、部品フィーダ100に代えて、部品フィーダ102を着脱可能である。部品フィーダ100には、ID「f02」が割り当てられている。カセット16には、部品フィーダ100、102を含む複数個の部品フィーダのうちの1つの部品フィーダが装着される。部品実装装置2は、特定の部品フィーダ(例えば100)がカセット16に装着されると、特定の部品フィーダからID(例えば「f01」)を取得する。部品実装装置2は、取得したIDによって、カセット16に装着されている部品フィーダを認識する。なお、部品実装装置2には、カセット16を含む複数個のカセットが設けられているが、図中では、1個のカセット16が記載され、他のカセットの記載が省略されている。回路基板の生産において、複数個のカセットのうちの一部が利用されてもよいし、複数個のカセットの全部が利用されてもよい。
【0019】
実装機構12は、部品フィーダ(例えば100)から供給された電子部品を支持台40上の基板に実装する。実装機構12の先端には、部品フィーダから供給される電子部品を吸着するノズル12aが取り付けられる。ノズル12aの種類は、様々である。吸着対象の電子部品の種類に応じて、様々なノズル12aの中から特定の種類のノズル12aが選択される。
【0020】
通知部14は、様々な案内を通知する。通知部14は、例えば、ディスプレイである。なお、変形例では、通知部14は、例えば、音声案内を出力するスピーカ、警告灯が点灯するランプ等であってもよい。
【0021】
制御装置30は、部品実装装置2の各部12、14、16、40等を制御する。制御装置30は、CPU、メモリ等で構成される。制御装置30は、さらに、通知カウンタ34と、ユニットカウンタ36と、を含み、制御装置30のメモリには、通知プログラム32及び上限期間38が記憶されている。通知カウンタ34は、通知部14がメンテナンスの案内を通知するための時間をカウントし、通知カウンタ34がカウントした時間が、所定の周期(例えば100時間)で繰り返し到来する通知タイミングであるときに、制御装置30は、通知部14にメンテナンスの案内を実行させる。別言すれば、通知カウンタ34は、通知タイミングを計測するための時間をカウントする。通知カウンタ34による時間のカウントは、例えば、部品実装装置2の利用の開始とともに開始される。また、例えば、通知カウンタ34による時間のカウントは、部品実装装置2の初期化とともに開始されてもよい。
【0022】
ユニットカウンタ36は、部品フィーダ(例えば100)の利用期間をカウントする。利用期間は、部品フィーダのメンテナンスが実行された後において、部品フィーダがカセット16に装着されて、当該部品フィーダが実際に稼働している期間の合計を示す。利用期間は、部品フィーダのメンテナンスが実行されるとリセットされる。なお、変形例では、利用期間は、部品フィーダがカセット16に装着された期間の合計を示し、部品フィーダがカセット16に装着されているものの部品フィーダが一時停止している期間も含んでもよい。また、ユニットカウンタ36は、メンテナンスの実行の有無を管理するシステム(図示省略)と連携してもよい。また、メンテナンスの実行の有無は、部品実装装置2が管理してもよい。
【0023】
例えば、複数個の部品フィーダのうち、部品フィーダ100がカセット16に装着されている場合に、部品フィーダ100のユニットカウンタ36(即ちID「f01」の利用期間を示すカウンタ)と通知カウンタ34とはカウントを実行する。通知カウンタ34は、複数個の部品フィーダのうちのいずれの部品フィーダがカセット16に装着されているかに関わらず、カウントを実行する。
【0024】
制御装置30のCPUは、通知プログラム32に従って、以下の処理を実行する。CPUは、通知カウンタ34によってカウントされる時間が通知タイミングを示す場合に、部品フィーダのメンテナンスの案内を通知するのか否かを判断する。具体的には、CPUは、複数個の部品フィーダに対応する複数個のユニットカウンタ36のそれぞれについて、当該ユニットカウンタ36によってカウントされた利用期間が所定の期間(例えば100時間)以上であるのか否かを判断する。所定の期間は、部品フィーダのメンテナンスを推奨することを示す期間である。CPUは、特定のユニットカウンタ36によってカウントされた利用期間(例えば部品フィーダ100のユニットカウンタ36)が所定の期間以上であることが判断される場合に、特定のユニットカウンタ36に対応するユニット(例えば部品フィーダ100)のメンテナンスの案内を通知部14に実行させる。一方で、CPUは、特定のユニットカウンタ36によってカウントされた利用期間が所定の期間未満であることが判断される場合に、特定のユニットカウンタ36に対応するユニットのメンテナンスの案内を通知部14に実行させない。ここで、「所定の期間」は、部品実装装置2のベンダによって予め設定される。なお、「所定の期間」は、ユーザによって設定されてもよい。
【0025】
また、上限期間38は、各利用期間の上限値を示し、例えば、180時間である。制御装置30のCPUは、利用期間が上限期間を超える場合に、通知カウンタ34によってカウントされた時間が通知タイミングを示すのか否かに関わらず、部品フィーダのメンテナンスの案内を強制的に通知する。上限期間38は、部品実装装置2のベンダによって予め設定される。
【0026】
(具体的なケースC1;図3
制御装置30のCPUが、通知プログラム32に従って実行する具体的なケースC1について説明する。以下では、制御装置30のCPUが通知プログラム32に従って実行する処理を、通知プログラム32を主体として説明する。
【0027】
本ケースでは、部品フィーダ100(即ちID「f01」)が70時間に亘って稼働した後に、部品フィーダ102(即ちID「f01」)がカセット16に装着されて、部品フィーダ102が80時間に亘って稼働する。その後、部品フィーダ100、102が交互にカセット16に装着されて、部品フィーダ100が、60時間、その後の60時間に亘って稼働し、部品フィーダ102が、90時間、その後の80時間に亘って稼働する。
【0028】
通知プログラム32は、通知カウンタ34によってカウントされた時間が通知タイミング「100時間」を示す場合に、ID「f01」のユニットカウンタ36の利用期間(以下では、「利用期間「f01」」と記載)が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。現時点では、利用期間「f01」は、所定の期間「100時間」未満の70時間である。通知プログラム32は、部品フィーダ100のメンテナンスの案内を通知部14に通知させないことを決定する。さらに、通知プログラム32は、ID「f02」のユニットカウンタ36の利用期間(以下では、「利用期間「f02」」と記載)が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。現時点では、利用期間「f02」は、所定の期間「100時間」未満の30時間である。通知プログラム32は、部品フィーダ102のメンテナンスの案内を通知部14に通知させないことを決定する。
【0029】
続いて、通知プログラム32は、通知カウンタ34によってカウントされた時間が次の通知タイミング「200時間」を示す場合に、利用期間「f01」が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。現時点では、利用期間「f01」は、所定の期間「100時間」以上の120時間(即ち70+50時間)である。通知プログラム32は、部品フィーダ100のメンテナンスの案内を通知部14に通知させることを決定する。そして、通知プログラム32は、部品フィーダ100のメンテナンスが実行されると利用期間「f01」をリセットする。さらに、通知プログラム32は、利用期間「f02」が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。現時点では、利用期間「f02」は、所定の期間「100時間」未満の80時間である。通知プログラム32は、部品フィーダ102のメンテナンスの案内を通知部14に通知させないことを決定する。
【0030】
続いて、通知プログラム32は、通知カウンタ34によってカウントされた時間が次の通知タイミング「300時間」を示す場合に、利用期間「f01」が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。利用期間「f01」は通知タイミング「200時間」の時点でメンテナンスが実行されてリセットされている。このため、通知プログラム32は、利用期間「f01」が所定の期間「100時間」未満であると判断し、部品フィーダ100のメンテナンスの案内を通知部14に通知させないことを決定する。さらに、通知プログラム32は、利用期間「f02」が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。現時点では、利用期間「f02」は、所定の期間「100時間」以上の170時間(80+90時間)である。通知プログラム32は、部品フィーダ102のメンテナンスの案内を通知部14に通知させることを決定する。そして、通知プログラム32は、部品フィーダ102のメンテナンスが実行されると利用期間「f02」をリセットする。
【0031】
例えば、通知カウンタ34を備えない比較例が想定される。この比較例において、通知プログラム32は、利用期間「f01」が所定の期間「100時間」を超える場合に、部品フィーダ100のメンテナンスの案内を通知し、利用期間「f02」が所定の期間「100時間」を超える場合に、部品フィーダ102のメンテナンスの案内を通知する。図5は、比較例の具体的なケースを示し、図3と同様のスケジュールで部品フィーダ100、102が利用される。
【0032】
図5に示すように、比較例では、180時間のタイミングで部品フィーダ100のメンテナンスが案内される。次に、230時間のタイミングで部品フィーダ102のメンテナンスが案内され、390時間のタイミングで再び部品フィーダ102のメンテナンスが案内される。図5に示すように、比較例では、メンテナンスの案内が無秩序である。ユーザは、無秩序に案内されるメンテナンスに対処する必要があり、ユーザが生産ラインを止める可能性もある。また、無秩序なメンテナンスの案内により、ユーザは、メンテナンスの計画を立て難い。
【0033】
図3に示すように、本実施例の構成によれば、複数個の部品フィーダのそれぞれのメンテナンスは、通知カウンタ34によってカウントされる時間が通知タイミングを示す場合に案内される。一方で、通知カウンタ34によってカウントされる時間が通知タイミングを示さない場合には、複数個の部品フィーダのいずれのメンテナンスも案内されない。このため、ユーザは、所定の周期に従って通知されるメンテナンスの案内に合わせて事前にメンテナンスの準備をすることが可能となり、メンテナンスの計画が立て易くなる。
【0034】
通知プログラム32が通知するメンテナンスは、例えば、部品フィーダや電子部品を吸着するノズル12a等の清掃であり、比較的短い間隔で実行されるべきメンテナンスである。このようなメンテナンスは、所定の期間「100時間」から多少遅れて実行されても、部品実装装置2による回路基板の製造に大きな影響を与えない。本実施例では、所定の期間「100時間」における厳格な通知よりも、ユーザのメンテナンス計画の立て易さを優先するものである。
【0035】
なお、給油や点検、部品交換等の比較的長い間隔(例えば1000時間)で実行されるべきメンテナンスは部品実装装置2による回路基板の製造に大きな影響を与える可能性があるため、本実施例の通知ではなく、図5の比較例のような厳格な通知が採用されてもよい。なお、変形例では、給油、部品交換等についても、本実施例の通知を採用してもよい。
【0036】
(具体的なケースC2;図4
通知プログラム32によって実現される具体的なケースC2について説明する。本ケースでも、部品フィーダ100、102が交互にカセット16に装着される。部品フィーダ100は、99時間、その後の91時間、80時間に亘って稼働し、部品フィーダ102が、10時間、その後の40時間に亘って稼働する。
【0037】
通知プログラム32は、通知カウンタ34によってカウントされる時間が通知タイミング「100時間」を示す場合に、利用期間「f01」が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。現時点では、利用期間「f01」は、所定の期間「100時間」未満の99時間である。通知プログラム32は、部品フィーダ100のメンテナンスの案内を通知部14に通知させないことを決定する。さらに、通知プログラム32は、利用期間「f02」が所定の期間「100時間」以上であるのか否かを判断する。現時点では、利用期間「f02」は、所定の期間「100時間」未満の1時間である。通知プログラム32は、部品フィーダ102のメンテナンスの案内を通知部14に通知させないことを決定する。
【0038】
本ケースでは、部品フィーダ102が10時間だけ装着され、その直後に、部品フィーダ100が再び装着される。通知カウンタ34によってカウントされる時間が次の所定の通知タイミング「200時間」を示す前に、利用期間「f01」が上限期間「180時間」を超える。このため、通知プログラム32は、通知カウンタ34によってカウントされる時間が通知タイミングを示さなくても部品フィーダ100のメンテナンスの案内を通知部14に実行させる。
【0039】
本ケースによれば、利用期間が上限期間38を超えるような比較的に長い期間に亘って部品フィーダ100のメンテナンスの案内が通知されないことを抑制することができる。別言すれば、部品フィーダ100のメンテナンスが実行されていない状況が比較的に長く続くことを抑制することができる。
【0040】
(対応関係)
部品実装装置2が、「メンテナンス通知システム」の一例である。部品実装装置2、複数個の部品フィーダ、通知部14、通知カウンタ34、ユニットカウンタ36、上限期間38が、それぞれ、「実装装置」、「複数個のユニット」、「通知部」、「通知カウンタ」、「ユニットカウンタ」、「所定の上限値」の一例である。所定の周期「100時間」、所定の期間「100時間」が、それぞれ、「所定の周期」、「所定の期間」の一例である。通知プログラム32に従って動作するCPUが、「制御部」、「判断部」、「第1の通知制御部」、及び、「第2の通知制御部」の一例である。
【0041】
実施例で説明した画像処理装置に関する留意点を述べる。「複数個のユニット」は、例えば、部品実装装置2に着脱可能な複数個の他のユニット(例えばノズル12a、カメラ等)であってもよい。また、「複数個のユニット」は、部品実装装置2への装着と部品実装装置2からの取り外しとを繰り返すユニットではなく、部品実装装置2に内蔵されたユニットであってもよい。当該ユニットは、例えば、基板を部品実装装置2の支持台に搬送する搬送装置、実装機構12を水平方向に駆動させるアクチュエータ等であってもよい。
【0042】
「通知部」、「通知カウンタ」、「ユニットカウンタ」、及び、「制御部」のうちの少なくとも一部は、部品実装装置2とは異なる外部装置(例えば部品実装装置2を管理するPC、システム等)であってもよい。また、「ユニットカウンタ」は、ユニット(例えば部品フィーダ100)に内蔵されてもよい。
【0043】
「所定の周期」は、実施例の「100時間」に限らない。「所定の周期」は、メンテナンスの計画に合わせてユーザによって適宜に設定されてもよいし、部品実装装置2のベンダによって予め決定されてもよい。
【0044】
通知カウンタ34は、部品実装装置2の停止時に止まってもよいし、部品実装装置2の停止時でも継続していてもよい。通知カウンタ34が部品実装装置2の停止時に止まる変形例Aでは、ユーザは、部品実装装置2の実際の稼働状況に合わせてメンテナンスの計画を立てることができる。一方、通知カウンタ34が部品実装装置2の停止時でも継続する変形例Bでは、ユーザは、日時に合わせてメンテナンスの計画を立てることができる。また、他の変形例では、変形例Aのカウントと変形例Bのカウントのいずれかをユーザに選択させてもよい。
【0045】
「カウント値」は、ユニットの利用期間に限らず、ユニットの利用回数でもよい。例えば、ユニットがノズル12aである場合には、ノズル12aが電子部品を吸着した回数を利用回数としてカウントしてもよい。ノズル12aが単位時間当たりに吸着する回数は、様々であるので、利用期間よりも利用回数の方がノズル12aの利用状況を適切に示すことができる。また、他の変形例では、ユニットカウンタ36のカウント値として利用期間と利用回数のいずれかをユーザに選択させてもよい。
【0046】
また、メンテナンスの項目は、清掃、点検、交換等と様々であり、メンテナンスの箇所も、上部、下部、内部等と様々である。例えば、項目「上部の清掃」と項目「下部の清掃」とでは、メンテナンスを推奨する期間に差がある場合がある。このような状況に対処するために、複数個のメンテナンス項目のそれぞれについて、当該メンテナンス項目によって示されるメンテナンスを推奨することを示す所定の期間が設定されていてもよい。そして、通知プログラム32は、利用期間が、複数個のメンテナンス項目のうちの特定のメンテナンス項目に設定されている所定の期間以上であり、かつ、通知カウンタ34によってカウントされた時間が通知タイミングを示す場合に、特定のメンテナンス項目によって示されるメンテナンスの案内を通知部14に実行させてもよい。
【0047】
「所定の期間」は、100時間とは異なる他の時間(例えば120時間)であってもよい。実施例は、「所定の周期」が「所定の期間」と同じである例であるが、上記の変形例は、「所定の周期」が「所定の期間」と異なる例である。
【0048】
図4のケースC2は、実行されなくてもよい。本変形例では、「第2の通知制御部」を省略可能である。
【0049】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0050】
2 :部品実装装置
12 :実装機構
12a :ノズル
14 :通知部
16 :カセット
30 :制御装置
32 :通知プログラム
34 :タイミングカウンタ
36 :ユニットカウンタ
38 :上限期間
40 :支持台
100 :部品フィーダ
102 :部品フィーダ
図1
図2
図3
図4
図5