(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112689
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】通知業務支援装置、通知業務支援方法、及び通知業務支援プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 40/03 20230101AFI20240814BHJP
G06Q 30/015 20230101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q40/03
G06Q30/015
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023017912
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】398040527
【氏名又は名称】株式会社オービック
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西岡 直樹
(72)【発明者】
【氏名】松▲崎▼ 陽太
(72)【発明者】
【氏名】菊池 奈々
【テーマコード(参考)】
5L040
5L049
5L055
【Fターム(参考)】
5L040BB23
5L049AA02
5L055BB23
(57)【要約】
【課題】顧客ごとの通知内容を自動で作成可能とすることにより、作成時間の短縮(業務効率化)と作成精度の向上(事務過誤防止)を実現することができる通知業務支援装置等を提供することを課題とする。
【解決手段】本実施形態では、(1)メール文面マスタを参照して、所定のオペレーションと、案件データに含まれる、所定の申込人に紐づく商品および申込経路と、の組み合わせに紐づく、予約語を含む内容を取得し、(2)予約語マスタを参照して、取得した内容に含まれる予約語に紐づく取得元テーブルと取得元項目名を取得し、(3)取得した取得元テーブルで特定されるテーブルに含まれる、取得した取得元項目名で特定される項目に設定されている情報(項目値)を取得し、(4)取得した当該情報を、取得した内容における予約語が設定されている箇所に補填する、ことにより、所定の申込人へ通知する内容を作成する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
顧客から商品の提供の申し込みを受けた後の業務フローにおける前記顧客への連絡が必要となる段階を識別するための段階識別情報と、前記商品を識別するための商品識別情報と、前記申し込みの経路を識別するための経路識別情報と、前記顧客への通知内容のひな形であって情報を補填する箇所を含むものと、を格納する第一データを参照して、所定の前記段階識別情報と前記顧客に紐づく前記経路識別情報と前記顧客に紐づく前記商品識別情報との組み合わせに紐づく前記ひな形を取得する第一取得部と、
前記箇所を特定するための箇所特定情報と、前記箇所に補填される情報の存在場所を特定するための存在場所特定情報と、を格納する第二データを参照して、前記第一取得部で取得した前記ひな形に含まれる前記箇所に対応する前記箇所特定情報に紐づく前記存在場所特定情報を取得し、取得した前記存在場所特定情報で特定される前記存在場所から情報を取得し、取得した前記情報を、前記取得した前記ひな形内の対応する前記箇所に補填することにより、前記通知内容を作成する作成部と、
を備えることを特徴とする通知業務支援装置。
【請求項2】
前記第一データは、前記顧客へ情報を通知する際に利用する送信手段を識別するための送信手段識別情報をさらに格納しており、
前記第一取得部は、前記組み合わせに紐づく前記送信手段識別情報をさらに取得し、
前記作成部で作成した前記通知内容を、前記第一取得部で取得した前記送信手段識別情報で特定される前記送信手段で、前記顧客に紐づく送信先へ送信する送信処理部をさらに備えること、
を特徴とする請求項1に記載の通知業務支援装置。
【請求項3】
前記送信手段は、電子メールまたはショートメッセージサービスであること、
を特徴とする請求項2に記載の通知業務支援装置。
【請求項4】
前記第一データには、電話からの前記申し込みを示す前記経路識別情報、前記WEBからの前記申し込みを示す前記経路識別情報、または前記代理店での前記申し込みを示す前記経路識別情報が格納されていること、
を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の通知業務支援装置。
【請求項5】
前記顧客に、前記代理店での前記申し込みを示す前記経路識別情報と、前記代理店の代理店識別情報と、が紐づいている場合に、前記代理店識別情報と前記代理店に対応する送信先とを含む第三データを参照して、当該紐づいている前記代理店識別情報に紐づく前記送信先を取得する第二取得部をさらに備え、
前記送信処理部は、前記第二取得部で取得した前記送信先への送信も行うこと、
を特徴とする請求項4に記載の通知業務支援装置。
【請求項6】
前記商品は、審査を伴う融資商品であり、
前記業務フローは、融資の申し込みを受けてから最終審査の可否が決まるまでのものであり、
前記第一データには、少なくとも、審査結果を前記顧客に連絡する前記段階に対応する前記段階識別情報が格納されていること、
を特徴とする、請求項5に記載の通知業務支援装置。
【請求項7】
第一取得部が、顧客から商品の提供の申し込みを受けた後の業務フローにおける前記顧客への連絡が必要となる段階を識別するための段階識別情報と、前記商品を識別するための商品識別情報と、前記申し込みの経路を識別するための経路識別情報と、前記顧客への通知内容のひな形であって情報を補填する箇所を含むものと、を格納する第一データを参照して、所定の前記段階識別情報と前記顧客に紐づく前記経路識別情報と前記顧客に紐づく前記商品識別情報との組み合わせに紐づく前記ひな形を取得する第一取得ステップと、
作成部が、前記箇所を特定するための箇所特定情報と、前記箇所に補填される情報の存在場所を特定するための存在場所特定情報と、を格納する第二データを参照して、前記第一取得ステップで取得した前記ひな形に含まれる前記箇所に対応する前記箇所特定情報に紐づく前記存在場所特定情報を取得し、取得した前記存在場所特定情報で特定される前記存在場所から情報を取得し、取得した前記情報を、前記取得した前記ひな形内の対応する前記箇所に補填することにより、前記通知内容を作成する作成ステップと、
を含むことを特徴とする通知業務支援方法。
【請求項8】
情報処理装置を、
顧客から商品の提供の申し込みを受けた後の業務フローにおける前記顧客への連絡が必要となる段階を識別するための段階識別情報と、前記商品を識別するための商品識別情報と、前記申し込みの経路を識別するための経路識別情報と、前記顧客への通知内容のひな形であって情報を補填する箇所を含むものと、を格納する第一データを参照して、所定の前記段階識別情報と前記顧客に紐づく前記経路識別情報と前記顧客に紐づく前記商品識別情報との組み合わせに紐づく前記ひな形を取得する第一取得手段と、
前記箇所を特定するための箇所特定情報と、前記箇所に補填される情報の存在場所を特定するための存在場所特定情報と、を格納する第二データを参照して、前記第一取得手段で取得した前記ひな形に含まれる前記箇所に対応する前記箇所特定情報に紐づく前記存在場所特定情報を取得し、取得した前記存在場所特定情報で特定される前記存在場所から情報を取得し、取得した前記情報を、前記取得した前記ひな形内の対応する前記箇所に補填することにより、前記通知内容を作成する作成手段、
として機能させるための通知業務支援プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知業務支援装置、通知業務支援方法、及び通知業務支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、コンピュータシステムを利用して与信審査業務を電子化することにより処理の迅速化を図ると同時に、与信対象者の入力内容の正当性を確保し、適確な与信審査を行うことができる電子与信システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、金融業界の融資審査業務においては、審査の各段階で顧客に状況や次のアクション方法を連絡する必要がある。また、この連絡の仕方については、メールまたはショートメッセージサービス(SMS)等を利用した文面での通知が主流になっている。しかし、通知内容に関する文面が、商品または申込経路(電話、WEB、または代理店受付など)によって少しずつ異なるので、顧客ごとに当該文面および宛先を手動で作成しなければならない。これらの理由により、通知内容に関する文面を作成する業務が煩雑化するという課題があった。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、顧客ごとの通知内容を自動で作成可能とすることにより、作成時間の短縮(業務効率化)と作成精度の向上(事務過誤防止)を実現することができる通知業務支援装置、通知業務支援方法、及び通知業務支援プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる通知業務支援装置は、顧客から商品の提供の申し込みを受けた後の業務フローにおける前記顧客への連絡が必要となる段階を識別するための段階識別情報と、前記商品を識別するための商品識別情報と、前記申し込みの経路を識別するための経路識別情報と、前記顧客への通知内容のひな形であって情報を補填する箇所を含むものと、を格納する第一データを参照して、所定の前記段階識別情報と前記顧客に紐づく前記経路識別情報と前記顧客に紐づく前記商品識別情報との組み合わせに紐づく前記ひな形を取得する第一取得部と、前記箇所を特定するための箇所特定情報と、前記箇所に補填される情報の存在場所を特定するための存在場所特定情報と、を格納する第二データを参照して、前記第一取得部で取得した前記ひな形に含まれる前記箇所に対応する前記箇所特定情報に紐づく前記存在場所特定情報を取得し、取得した前記存在場所特定情報で特定される前記存在場所から情報を取得し、取得した前記情報を、前記取得した前記ひな形内の対応する前記箇所に補填することにより、前記通知内容を作成する作成部と、を備えることを特徴とする。
【0007】
なお、本発明にかかる通知業務支援装置において、前記第一データは、前記顧客へ情報を通知する際に利用する送信手段を識別するための送信手段識別情報をさらに格納してもよく、前記第一取得部は、前記組み合わせに紐づく前記送信手段識別情報をさらに取得してもよく、本発明にかかる通知業務支援装置は、前記作成部で作成した前記通知内容を、前記第一取得部で取得した前記送信手段識別情報で特定される前記送信手段で、前記顧客に紐づく送信先へ送信する送信処理部をさらに備えてもよい。
【0008】
また、本発明にかかる通知業務支援装置において、前記送信手段は、電子メールまたはショートメッセージサービスでもよい。
【0009】
また、本発明にかかる通知業務支援装置において、前記第一データには、電話からの前記申し込みを示す前記経路識別情報、前記WEBからの前記申し込みを示す前記経路識別情報、または前記代理店での前記申し込みを示す前記経路識別情報が格納されていてもよい。
【0010】
また、本発明にかかる通知業務支援装置は、前記顧客に、前記代理店での前記申し込みを示す前記経路識別情報と、前記代理店の代理店識別情報と、が紐づいている場合に、前記代理店識別情報と前記代理店に対応する送信先とを含む第三データを参照して、当該紐づいている前記代理店識別情報に紐づく前記送信先を取得する第二取得部をさらに備えてもよく、本発明にかかる通知業務支援装置において、前記送信処理部は、前記第二取得部で取得した前記送信先への送信も行ってもよい。
【0011】
また、本発明にかかる通知業務支援装置において、前記商品は、審査を伴う融資商品でもよく、前記業務フローは、融資の申し込みを受けてから最終審査の可否が決まるまでのものでもよく、前記第一データには、少なくとも、審査結果を前記顧客に連絡する前記段階に対応する前記段階識別情報が格納されていてもよい。
【0012】
また、本発明にかかる通知業務支援方法は、第一取得部が、顧客から商品の提供の申し込みを受けた後の業務フローにおける前記顧客への連絡が必要となる段階を識別するための段階識別情報と、前記商品を識別するための商品識別情報と、前記申し込みの経路を識別するための経路識別情報と、前記顧客への通知内容のひな形であって情報を補填する箇所を含むものと、を格納する第一データを参照して、所定の前記段階識別情報と前記顧客に紐づく前記経路識別情報と前記顧客に紐づく前記商品識別情報との組み合わせに紐づく前記ひな形を取得する第一取得ステップと、作成部が、前記箇所を特定するための箇所特定情報と、前記箇所に補填される情報の存在場所を特定するための存在場所特定情報と、を格納する第二データを参照して、前記第一取得ステップで取得した前記ひな形に含まれる前記箇所に対応する前記箇所特定情報に紐づく前記存在場所特定情報を取得し、取得した前記存在場所特定情報で特定される前記存在場所から情報を取得し、取得した前記情報を、前記取得した前記ひな形内の対応する前記箇所に補填することにより、前記通知内容を作成する作成ステップと、を含むことを特徴とする。
【0013】
また、本発明にかかる通知業務支援プログラムは、情報処理装置を、顧客から商品の提供の申し込みを受けた後の業務フローにおける前記顧客への連絡が必要となる段階を識別するための段階識別情報と、前記商品を識別するための商品識別情報と、前記申し込みの経路を識別するための経路識別情報と、前記顧客への通知内容のひな形であって情報を補填する箇所を含むものと、を格納する第一データを参照して、所定の前記段階識別情報と前記顧客に紐づく前記経路識別情報と前記顧客に紐づく前記商品識別情報との組み合わせに紐づく前記ひな形を取得する第一取得手段、前記箇所を特定するための箇所特定情報と、前記箇所に補填される情報の存在場所を特定するための存在場所特定情報と、を格納する第二データを参照して、前記第一取得手段で取得した前記ひな形に含まれる前記箇所に対応する前記箇所特定情報に紐づく前記存在場所特定情報を取得し、取得した前記存在場所特定情報で特定される前記存在場所から情報を取得し、取得した前記情報を、前記取得した前記ひな形内の対応する前記箇所に補填することにより、前記通知内容を作成する作成手段、として機能させるためのものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、顧客ごとの通知内容を自動で作成可能とすることにより、作成時間の短縮(業務効率化)と作成精度の向上(事務過誤防止)を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本実施形態で想定する業務フローの一例を示す図である。
【
図2】
図2は、本実施形態に係る業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図3は、マスタおよびデータの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、本実施形態に係る業務支援装置が行う処理のフローチャートの一例を示す図である。
【
図5】
図5は、本実施形態に係る業務支援装置による処理結果の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、本実施形態に係る業務支援装置による処理結果の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る通知業務支援装置、通知業務支援方法、および通知業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0017】
[1.概要]
まず、金融機関における、審査を伴うローンなどの融資商品(保証商品を含む)を対象とした業務フロー(審査を含む)を、本実施形態で想定する業務フローの一例として、
図1を参照して説明する。
【0018】
融資商品を対象とした業務フローにおいて、金融機関から顧客(法人を含む)への連絡が必要となる段階(オペレーション)は、基本的には、1)顧客からの申し込みを受け付け、その内容を登録する段階(「1.申込受付登録」)、2)事前審査(仮審査)を実施して承認または拒否の審査結果が出た段階(「2.仮審査承認」「3.仮審査拒否」)、3)仮審査で承認となった(仮承認)後に、本審査に必要な書類の提出を、該当する顧客に依頼する段階(「4.書類依頼」)、および、4)本審査を実施して承認または拒否の審査結果が出た段階(「5.本審査承認」「6.本審査拒否」)、である。
【0019】
「1.申込受付登録」という段階では、金融機関は、受付が完了した旨を電子メールまたはショートメッセージサービス(SMS)等で申込人など(当該申込人が代理店で申し込みをした場合には当該申込人と代理店)に送信する必要がある。
【0020】
「2.仮審査承認」と「3.仮審査拒否」という段階では、金融機関は、仮審査の審査結果に関する案内を電子メールまたはSMS等で申込人など(当該申込人が代理店で申し込みをした場合には当該申込人と代理店)に送信する必要がある。
【0021】
「4.書類依頼」という段階では、金融機関は、本審査に必要な書類の提出依頼に関する案内をメールまたはSMS等で、仮審査で承認となった申込人など(当該申込人が代理店で申し込みをした場合には当該申込人と代理店)に送信する必要がある。
【0022】
「5.本審査承認」と「6.本審査拒否」という段階では、金融機関は、本審査の審査結果に関する案内をメールまたはSMS等で、前記提出依頼を出した申込人など(当該申込人が代理店で申し込みをした場合には当該申込人と代理店)に送信する必要がある。
【0023】
なお、金融機関は、本審査で承認となった申込人に対して融資等を実行し、仮審査で拒否となった申込人および本審査で拒否となった申込人の申し込みを取り下げる。
【0024】
上記で示した通り、金融機関が申込人等にメールまたはSMS等で連絡する局面は多く、従来、顧客へ送る文面は、定型文を各担当者が各段階に応じて個別に修正することにより作成していた。本実施形態では、商品、申込経路、段階、および送信手段の組み合わせから、該当する文面を自動で判断し選択することを可能とすることにより、従来行われていた修正作業を削減し、作業時間の短縮と作業精度の向上を実現した。
【0025】
[2.構成]
本実施形態に係る業務支援装置100(本発明の通知業務支援装置を含む。)の構成の一例について、
図2等を参照して説明する。
図2は、業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
【0026】
業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータを基に構築したものである。なお、業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置を基に構築したものに限らず、市販のノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォンまたはタブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置を基に構築したものであってもよい。
【0027】
業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
【0028】
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、記憶部106に格納されるデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
【0029】
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
【0030】
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
【0031】
記憶部106は、案件データ106a、会社マスタ106b、代理店マスタ106c(本発明の第三データに相当)、メール文面マスタ106d(本発明の第一データに相当)、および予約語マスタ106e(本発明の第二データに相当)等を格納する。
【0032】
図3には、案件データ106aに格納される情報の一例が示されている。案件データ106aは、顧客からの商品の提供(例えば融資など)の申し込みに関する情報を管理するためのものである。案件データ106aは、
図3で示すように、申込人識別情報(例えば申込人氏名等)、申込人の送信先情報(例えば電話番号または電子メールアドレス等)、商品識別情報(例えば商品名等)、申し込みの経路を識別するための申込経路識別情報(例えば電話、WEB、または代理店受付等)、および申し込みを受け付けた受付代理店の代理店識別情報等を格納する。
【0033】
図3には、会社マスタ106bに格納される情報の一例が示されている。会社マスタ106bは、業務支援装置100を利用する会社(例えば金融機関等)の会社識別情報を管理するためのものである。会社マスタ106bは、
図3で示すように会社識別情報(例えば会社名等)を格納する。
【0034】
図3には、代理店マスタ106cに格納される情報の一例が示されている。商品を開発した会社(例えば融資商品を開発した金融機関等)と代理店契約を交わした会社(代理店)に関する情報を管理するためのものである。代理店マスタ106cは、
図3で示すように、代理店識別情報(例えば代理店名等)および代理店の送信先情報(例えば電話番号または電子メールアドレス等)等を格納する。
【0035】
図3には、メール文面マスタ106dに格納される情報の一例が示されている。メール文面マスタ106dは、業務フローにおける申込人への連絡が必要となるオペレーション(段階)と商品と申込経路と申込人へ情報を通知する際に利用する送信手段(例えば電子メールまたはSMS等)の組み合わせごとに、通知する際の件名および通知内容(文面)のひな形等を管理するためのものである。メール文面マスタ106dは、
図3で示すように、オペレーションを識別するためのオペレーション識別情報、商品識別情報、申込経路を識別するための経路識別情報、送信手段識別情報、送信元の電子メールアドレス、件名、および通知内容のひな形等を格納する。ひな形内の、情報を補填する箇所には、予約語名(例えば、ハッシュタグの後に、補填する具体的情報が属する分類名(例えば顧客名、商品名、または会社名等)を付与し、ハッシュタグと分類名の全体を中括弧で囲むことにより作られる{#分類名}等)が設定されている。なお、送信手段の一例であるSMSによる通知は、電子メールによる通知に対する補助的な役割で利用してもよい。
【0036】
図3には、予約語マスタ106eに格納される情報の一例が示されている。予約語マスタ106eは、前記具体的情報の存在場所(格納場所)を管理するためのものである。予約語マスタ106eは、
図3で示すように、予約語名、および、前記具体的情報の取得元となるテーブルと項目の名称等を格納する。
【0037】
図2に戻り、制御部102は、業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
【0038】
制御部102は、機能概念的に、メール文面変換処理部102a(本発明の第一取得部、第二取得部、および作成部を含む)および送信処理実施部102b(本発明の送信処理部を含む)などを備える。
【0039】
メール文面変換処理部102aは、メール文面マスタ106dを参照して、所定のオペレーション(例えば所定の画面において指定されたもの等)と、案件データ106aに含まれる、所定の申込人(例えば所定の画面において指定されたもの等)に紐づく情報(電話番号、メールアドレス、商品、申込経路、および受付代理店)を取得するとともに、会社マスタ106bから会社名を取得する。メール文面変換処理部102aは、取得した申込経路が代理店受付であり且つ受付代理店を取得できた場合には、代理店マスタ106c含まれる、取得した受付代理店に紐づく情報(電話番号およびメールアドレス)を取得する。
【0040】
メール文面変換処理部102aは、(1)メール文面マスタ106dに含まれる、前記所定のオペレーションと取得した申込経路と取得した商品との組み合わせに紐づく情報(送信手段、送信元アドレス、件名、および内容)を取得し、(2)予約語マスタ106eを参照して、取得した内容に含まれる予約語に紐づく情報(取得元テーブルおよび取得元項目名)を取得し、(3)取得した取得元テーブルで特定されるテーブルに含まれる、取得した取得元項目名で特定される項目に設定されている情報(項目値)を取得し、(4)取得した当該情報を、取得した内容における予約語が設定されている箇所に補填する、ことにより、前記所定の申込人へ通知する内容を作成する。
【0041】
送信処理実施部102bは、メール文面変換処理部102aで作成した内容を、メール文面変換処理部102aで取得した送信手段で、前記所定の申込人に紐づく取得した情報(電話番号およびメールアドレス)を用いて、前記所定の申込人へ送信する。送信処理実施部102bは、メール文面変換処理部102aで受付代理店に紐づく情報(電話番号およびメールアドレス)を取得した場合には、取得した当該情報もさらに用いて、受付代理店への送信も行う。
【0042】
[3.処理の具体例]
上述のように構成された業務支援装置100が行う処理の具体例について、
図4を参照して説明する。
図4は、本実施形態に係る業務支援装置が行う処理のフローチャートの一例を示す図である。
【0043】
まず、メール文面変換処理部102aは、案件データ106aから、オペレータに指定された申込人を含む案件レコードを取得するとともに、会社マスタ106bから会社(自社)の情報を取得する(ステップS1)。
【0044】
つぎに、メール文面変換処理部102aは、ステップS1で取得した案件レコードに含まれる申込経路が代理店受付で、かつ、当該案件レコードに受付代理店の情報が含まれている場合(ステップS2:Yes)には、代理店マスタ106cから、当該案件レコードに含まれる受付代理店を含む代理店レコードを取得する(ステップS3)。
【0045】
つぎに、メール文面変換処理部102aは、メール文面マスタ106dから、オペレータに指定されたオペレーションと、ステップS1で取得した案件レコードに含まれる商品および申込経路との組み合わせを含むメール文面レコードを取得する(ステップS4)。なお、メール文面レコードは、複数取得されることもある。
【0046】
つぎに、メール文面変換処理部102aは、予約語マスタ106eを取得し(ステップS5)、取得した予約語マスタ106eから一行目の予約語レコードを読み出す(ステップS6)。
【0047】
つぎに、メール文面変換処理部102aは、ステップS4で取得した各メール文面レコードに対し、ステップS7からステップS9の処理(以下の(1)から(4)の処理)を行うことにより、各メール文面レコードに含まれる内容を変換する。
(1)メール文面レコードに含まれる内容を、変換前内容というパラメータにセットする(ステップS7)。
(2)読み出した予約語レコードに含まれる予約語が、変換前内容に含まれているか確認する(ステップS7)。
(3)含まれていると確認された場合は、(31)予約語レコードに含まれる取得元テーブルで特定されるテーブルの、予約語レコードに含まれる取得元項目で特定される項目にアクセスして、当該アクセスした項目の項目値(当該特定される項目が申込人名であったときには前記指定された申込人、当該特定される項目が申込人名以外であったときには前記指定された申込人に紐づくもの)を取得し、(32)変換前内容に含まれる予約語を、取得した項目値に変換する(ステップS7)。
(4)含まれていないと確認された場合は、読み出した予約語レコードが予約語マスタ106eにおける最終行のレコードであるか確認し(つまり、次行のレコードが無いか確認し)、最終行のレコードでないと確認された場合(ステップS8:No)は、予約語マスタ106eから次行の予約語レコードを読み出し(ステップS9)、(2)の処理へ戻り、最終行のレコードであると確認された場合(ステップS8:Yes)は、メール文面変換処理部102aが行う処理は終了する。
【0048】
ステップS7からステップS9の処理により、各メール文面レコードに対し、変換後内容が得られる。
【0049】
つぎに、送信処理実施部102bは、メール文面レコードに含まれる送信手段がメールである場合、メールの各パラメータ(宛先、CC、送信元アドレス、件名、および内容)に値をセットし、メール送信を行う(ステップS10)。具体的には、案件レコードに含まれるメールアドレスが、メールの宛先にセットされ、代理店レコードが取得された場合において当該レコードにメールアドレスが設定されていたときは、当該メールアドレスがメールのCCにセットされ、メール文面レコードに含まれる送信元アドレスが、メールの送信元アドレスにセットされ、メール文面レコードに含まれる件名が、メールの件名にセットされ、メール文面変換処理部102aにより得られた変換後内容が、メールの内容にセットされる。これにより、申込人または申込人と代理店に対し、メール送信が実行される。
【0050】
また、送信処理実施部102bは、メール文面レコードに含まれる送信手段がSMSである場合、SMSの各パラメータ(宛先および内容)に値をセットし、SMS送信を行う(ステップS10)。具体的には、案件レコードに含まれる電話番号が宛先にセットされ、メール文面変換処理部102aにより得られた変換後内容が内容にセットされる。これにより、申込人に対し、SMS送信が実行される。
【0051】
これにて、業務支援装置100が行う処理の具体例についての説明を終える。なお、
図3に示したデータおよびマスタを前提として、
図4に示したフローチャートによる処理が業務フローの各オペレーションのときに実行された場合において、例えば、申込人が「山田太郎」で、オペレーションが「1.申込受付登録」、「3.仮審査拒否」の順に進んだときには、「1.申込受付登録」のオペレーションでは
図5のMAに示したメールが送信され、「3.仮審査拒否」のオペレーションでは
図5のMBに示したメールとSMSが送信される。また、同じ場合において、例えば、申込人が「佐藤次郎」で、オペレーションが「1.申込受付登録」、「2.仮審査承認」、「4.書類依頼」、「5.本審査承認」の順に進んだときには、「1.申込受付登録」のオペレーションでは
図6のMCに示したメールが送信され、「2.仮審査承認」のオペレーションでは
図6のMDに示したメールとSMSが送信され、「4.書類依頼」のオペレーションでは
図6のMEに示したメールとSMSが送信され、「5.本審査承認」のオペレーションでは
図6のMFに示したメールとSMSが送信される。
【0052】
[4.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8および9に貢献することが可能となる。
【0053】
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13および15に貢献することが可能となる。
【0054】
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
【0055】
[5.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
【0056】
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
【0057】
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0058】
また、業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
【0059】
例えば、業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
【0060】
また、このコンピュータプログラムは、業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
【0061】
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
【0062】
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
【0063】
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
【0064】
また、業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
【0065】
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明は、メール等を送信する金融業または旅行業など様々な業界において有用である。
【符号の説明】
【0067】
100 業務支援装置
102 制御部
102a メール文面変換処理部
102b 送信処理実施部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 案件データ
106b 会社マスタ
106c 代理店マスタ
106d メール文面マスタ
106e 予約語マスタ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク