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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112734
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】光検出装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240814BHJP
   H04N 25/76 20230101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H04N25/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023018001
(22)【出願日】2023-02-08
(71)【出願人】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中崎 暢也
(72)【発明者】
【氏名】三成 英樹
【テーマコード(参考)】
4M118
5C024
【Fターム(参考)】
4M118BA14
4M118CA02
4M118CA20
4M118DD04
4M118DD12
4M118FA06
4M118FA27
4M118FA28
4M118FA33
4M118GA02
4M118GC08
4M118GC14
4M118GD04
4M118GD07
5C024CX41
5C024EX52
5C024GX03
5C024GX07
5C024GX18
5C024GY31
5C024HX23
(57)【要約】
【課題】微細化に有利な光検出装置を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態の光検出装置は、第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、前記第1画素の隣に設けられる第2画素と、前記第1光電変換素子で光電変換された電荷を前記第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、前記第2光電変換素子で光電変換された電荷を前記第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子のそれぞれを囲むように前記第1半導体層に設けられる分離部とを備える。前記転送トランジスタの少なくとも一部は、前記第1画素と前記第2画素との境界に設けられる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1半導体層にそれぞれ設けられる第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、
前記第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、前記第1画素の隣に設けられる第2画素と、
前記第1光電変換素子で光電変換された電荷を前記第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、前記第2光電変換素子で光電変換された電荷を前記第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、
前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子のそれぞれを囲むように前記第1半導体層に設けられる分離部と
を備え、
前記転送トランジスタの少なくとも一部は、前記第1画素と前記第2画素との境界に設けられる
光検出装置。
【請求項2】
前記分離部は、前記第1半導体層において、前記第1光電変換素子と前記第2光電変換素子との間に設けられ、
前記転送トランジスタは、前記第1半導体層において、前記第1フローティングディフュージョンと前記第2フローティングディフュージョンとの間から前記第1光電変換素子と前記第2光電変換素子との間まで設けられるゲート電極を有する
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項3】
前記転送トランジスタのゲート電極は、前記第1半導体層内の前記分離部に達するように設けられる
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項4】
前記第1半導体層にそれぞれ設けられる第3光電変換素子及び第3フローティングディフュージョンを含み、前記第2画素の隣に設けられる第3画素と、
前記第2フローティングディフュージョンに蓄積された電荷に基づく信号を出力可能な読み出し回路と、をさらに備える
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項5】
前記読み出し回路の少なくとも一部は、前記第2画素と前記第3画素との境界に設けられる
請求項4に記載の光検出装置。
【請求項6】
前記読み出し回路の少なくとも一部は、前記第2画素と前記第3画素とを含む複数の画素の境界に設けられる
請求項4に記載の光検出装置。
【請求項7】
前記読み出し回路は、前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとのそれぞれに電気的に接続され、前記第2フローティングディフュージョンに蓄積された電荷に基づく信号と、前記第3フローティングディフュージョンに蓄積された電荷に基づく信号とを出力可能である
請求項4に記載の光検出装置。
【請求項8】
前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとを接続する配線をさらに備え、
前記読み出し回路は、前記配線を介して、前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとのそれぞれに電気的に接続される
請求項7に記載の光検出装置。
【請求項9】
前記配線は、前記読み出し回路の周囲に設けられる
請求項8に記載の光検出装置。
【請求項10】
前記読み出し回路は、増幅トランジスタとリセットトランジスタとを含み、
前記増幅トランジスタ及び前記リセットトランジスタは、前記配線を介して、前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとのそれぞれに電気的に接続される
請求項8に記載の光検出装置。
【請求項11】
前記第1画素及び前記第2画素は、それぞれ、第1波長の光を透過する第1フィルタを有し、
前記第1光電変換素子は、前記第1フィルタを透過した光を光電変換し、
前記第2光電変換素子は、前記第1フィルタを透過した光を光電変換する
請求項7に記載の光検出装置。
【請求項12】
前記第3画素は、第2波長の光を透過する第2フィルタを有し、
前記第3光電変換素子は、前記第2フィルタを透過した光を光電変換する
請求項11に記載の光検出装置。
【請求項13】
前記第1画素は、第1波長の光を透過する第1フィルタを有し、
前記第2画素は、第2波長の光を透過する第2フィルタを有し、
前記第1光電変換素子は、前記第1フィルタを透過した光を光電変換し、
前記第2光電変換素子は、前記第2フィルタを透過した光を光電変換する
請求項7に記載の光検出装置。
【請求項14】
前記第3画素は、前記第2フィルタを有し、
前記第3光電変換素子は、前記第2フィルタを透過した光を光電変換する
請求項13に記載の光検出装置。
【請求項15】
前記第1画素と前記第2画素と前記第3画素とにそれぞれ設けられたレンズを有する
請求項7に記載の光検出装置。
【請求項16】
前記第2画素及び前記第3画素に対して設けられたレンズを有する
請求項7に記載の光検出装置。
【請求項17】
前記転送トランジスタは、前記第1光電変換素子に対して設けられる第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極と電気的に接続され、前記第2光電変換素子に対して設けられる第2ゲート電極とを含む
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項18】
前記第1半導体層に積層される第2半導体層を有し、
前記第2半導体層は、前記読み出し回路の少なくとも一部を有する
請求項4に記載の光検出装置。
【請求項19】
前記分離部は、前記第1半導体層において、前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子をそれぞれ囲むように設けられるトレンチを有する
請求項1に記載の光検出装置。
【請求項20】
光学系と、
前記光学系を透過した光を受光する光検出装置と
を備え、
前記光検出装置は、
第1半導体層にそれぞれ設けられる第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、
前記第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、前記第1画素の隣に設けられる第2画素と、
前記第1光電変換素子で光電変換された電荷を前記第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、前記第2光電変換素子で光電変換された電荷を前記第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、
前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子のそれぞれを囲むように前記第1半導体層に設けられる分離部と
を有し、
前記転送トランジスタの少なくとも一部は、前記第1画素と前記第2画素との境界に設けられる
電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、光検出装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
平面視で互いに隣接する複数のセンサ画素の境界に沿って配置された転送トランジスタを有し、入射した光を光電変換する装置が提案されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2022-15325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光を検出する装置では、微細化に対応可能であることが望ましい。
【0005】
微細化に有利な光検出装置を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態の光検出装置は、第1半導体層にそれぞれ設けられる第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、第1画素の隣に設けられる第2画素と、第1光電変換素子で光電変換された電荷を第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、第2光電変換素子で光電変換された電荷を第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、第1光電変換素子及び第2光電変換素子のそれぞれを囲むように第1半導体層に設けられる分離部とを備える。転送トランジスタの少なくとも一部は、第1画素と第2画素との境界に設けられる。
本開示の一実施形態の電子機器は、光学系と、光学系を透過した光を受光する光検出装置とを備える。光検出装置は、第1半導体層にそれぞれ設けられる第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、第1画素の隣に設けられる第2画素と、第1光電変換素子で光電変換された電荷を第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、第2光電変換素子で光電変換された電荷を第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、第1光電変換素子及び第2光電変換素子のそれぞれを囲むように第1半導体層に設けられる分離部とを有する。転送トランジスタの少なくとも一部は、第1画素と第2画素との境界に設けられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、本開示の実施の形態に係る光検出装置の一例である撮像装置の概略構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、本開示の実施の形態に係る撮像装置の平面構成の一例を説明するための図である。
図3図3は、本開示の実施の形態に係る撮像装置の画素の回路構成の一例を説明するための図である。
図4図4は、本開示の実施の形態に係る撮像装置の断面構成の一例を示す図である。
図5図5は、本開示の実施の形態に係る撮像装置の動作例を説明するための図である。
図6図6は、本開示の実施の形態に係る撮像装置の動作例を説明するための図である。
図7図7は、本開示の変形例1に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図8図8は、本開示の変形例2に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図9図9は、本開示の変形例3に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図10図10は、本開示の変形例4に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図11図11は、本開示の変形例5に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図12図12は、本開示の変形例6に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図13図13は、本開示の変形例7に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図14図14は、本開示の変形例8に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図15A図15Aは、本開示の変形例9に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図15B図15Bは、本開示の変形例9に係る撮像装置の別の構成例を説明するための図である。
図16図16は、本開示の変形例10に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。
図17図17は、本開示の変形例11に係る撮像装置の断面構成の一例を示す図である。
図18A図18Aは、本開示の変形例11に係る撮像装置の断面構成の別の例を示す図である。
図18B図18Bは、本開示の変形例11に係る撮像装置の断面構成の別の例を示す図である。
図19図19は、本開示の変形例12に係る撮像装置の断面構成の一例を示す図である。
図20図20は、撮像装置を有する電子機器の構成例を表すブロック図である。
図21図21は、車両制御システムの概略的な構成の一例を示すブロック図である。
図22図22は、車外情報検出部及び撮像部の設置位置の一例を示す説明図である。
図23図23は、内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
図24図24は、カメラヘッド及びCCUの機能構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.実施の形態
2.変形例
3.適用例
4.応用例
【0009】
<1.実施の形態>
図1は、本開示の実施の形態に係る光検出装置の一例である撮像装置の概略構成の一例を示すブロック図である。光検出装置は、入射する光を検出可能な装置である。光検出装置である撮像装置1は、光電変換部(光電変換素子)を有する複数の画素Pを有し、入射した光を光電変換して信号を生成するように構成される。撮像装置1(光検出装置)は、光学レンズを含む光学系(不図示)を透過した光を受光して信号を生成し得る。
【0010】
撮像装置1の各画素Pの光電変換部は、例えばフォトダイオード(PD)であり、光を光電変換可能に構成される。撮像装置1は、複数の画素Pが行列状に2次元配置された領域(画素部100)を、撮像エリアとして有する。画素部100は、複数の画素Pが配置される画素アレイともいえる。
【0011】
撮像装置1は、光学レンズを含む光学系を介して、被写体からの入射光(像光)を取り込む。撮像装置1は、光学レンズにより形成される被写体の像を撮像する。撮像装置1は、受光した光を光電変換して画素信号を生成し得る。撮像装置1は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサである。撮像装置1は、例えば、デジタルスチルカメラ、ビデオカメラ、携帯電話等の電子機器に利用可能である。
【0012】
撮像装置1は、図1に示す例のように、画素部100(画素アレイ)の周辺領域に、例えば、画素駆動部111、信号処理部112、制御部113、処理部114等を有する。また、撮像装置1には、複数の制御線Lreadと、複数の信号線VSLが設けられる。
【0013】
制御線Lreadは、画素Pを制御する信号を伝えることが可能な信号線であり、画素駆動部111と画素部100の画素Pとに接続される。図1に示す例では、画素部100では、水平方向(行方向)に並ぶ複数の画素Pにより構成される画素行ごとに、複数の制御線Lreadが配線される。制御線Lreadは、画素Pからの信号読み出しのための制御信号を伝送するように構成される。
【0014】
撮像装置1の画素行ごとの複数の制御線Lreadには、一例として、転送トランジスタを制御する信号を伝送する配線、選択トランジスタを制御する信号を伝送する配線、リセットトランジスタを制御する信号を伝送する配線等が含まれる。制御線Lreadは、画素Pを駆動する信号を伝送する駆動線(画素駆動線)ともいえる。
【0015】
信号線VSLは、画素Pからの信号を伝えることが可能な信号線であり、画素部100の画素Pと信号処理部112とに接続される。画素部100には、例えば、垂直方向(列方向)に並ぶ複数の画素Pにより構成される画素列ごとに、信号線VSLが配線される。信号線VSLは、垂直信号線であり、画素Pから出力される信号を伝送するように構成される。
【0016】
画素駆動部111は、画素部100の各画素Pを駆動可能に構成される。画素駆動部111は、駆動回路であり、例えば、バッファ、シフトレジスタ、アドレスデコーダ等を含む複数の回路によって構成される。画素駆動部111は、画素Pを駆動するための信号を生成し、制御線Lreadを介して画素部100の各画素Pへ出力する。画素駆動部111は、制御部113により制御され、画素部100の画素Pの制御を行う。
【0017】
画素駆動部111は、例えば、画素Pの転送トランジスタを制御する信号、選択トランジスタを制御する信号、及びリセットトランジスタを制御する信号等の画素Pを制御するための信号を生成し、制御線Lreadによって各画素Pに供給する。画素駆動部111は、各画素Pから画素信号を読み出す制御を行い得る。画素駆動部111は、各画素Pを制御可能に構成された画素制御部ともいえる。なお、画素駆動部111と制御部113とを併せて、画素制御部ということもできる。
【0018】
信号処理部112は、入力される画素の信号の信号処理を実行可能に構成される。信号処理部112は、信号処理回路であり、例えば、負荷回路部、AD(Analog Digital)変換部、水平選択スイッチ等を有する。なお、信号処理部112は、信号線VSLを介して画素Pから読み出される信号を増幅するように構成された増幅回路部を有していてもよい。
【0019】
画素駆動部111によって選択走査された各画素Pから出力される信号は、信号線VSLを介して信号処理部112に入力される。信号処理部112は、例えば、画素Pの信号のAD変換、CDS(Correlated Double Sampling:相関二重サンプリング)等の信号処理を行い得る。信号線VSLの各々を通して伝送される各画素Pの信号は、信号処理部112により信号処理が施され、処理部114に出力される。
【0020】
処理部114は、入力される信号に対して信号処理を実行可能に構成される。処理部114は、信号処理回路であり、例えば、画素信号に対して各種の信号処理を施す回路により構成される。処理部114は、プロセッサ及びメモリを含んでいてもよい。処理部114は、信号処理部112から入力される画素の信号に対して信号処理を行い、処理後の画素の信号を出力する。処理部114は、例えば、ノイズ低減処理、階調補正処理等の各種の信号処理を行い得る。
【0021】
制御部113は、撮像装置1の各部を制御可能に構成される。制御部113は、外部から与えられるクロック、動作モードを指令するデータ等を受け取り、また、撮像装置1の内部情報等のデータを出力し得る。制御部113は、制御回路であり、例えば、各種のタイミング信号を生成可能に構成されたタイミングジェネレータを有する。
【0022】
制御部113は、タイミングジェネレータで生成された各種のタイミング信号(パルス信号、クロック信号等)に基づき、画素駆動部111及び信号処理部112等の駆動制御を行う。なお、制御部113及び処理部114は、一体的に構成されていてもよい。
【0023】
画素駆動部111、信号処理部112、制御部113、処理部114等は、1つの半導体基板に設けられていてもよいし、複数の半導体基板に分けて設けられていてもよい。撮像装置1は、複数の基板を積層して構成された構造(積層構造)を有していてもよい。
【0024】
図2は、実施の形態に係る撮像装置の平面構成の一例を説明するための図である。また、図3は、撮像装置の画素の回路構成の一例を説明するための図である。図2においては、左上隅の画素Pを第1行第1列の画素P11、右下隅の画素Pを第4行第4列の画素P44として、4×4画素を図示している。
【0025】
図2に示す例では、画素部100の一部の領域の4×4画素のみを図示しており、例えば画素P11の左側および画素P11の上側等にも画素Pが存在し得る。撮像装置1における他の複数の画素Pも、図2及び図3に示す構成と同様の構成を有する。
【0026】
また、図2に示すように、被写体からの光の入射方向をZ軸方向、Z軸方向に直交する紙面左右方向をX軸方向、Z軸方向及びX軸方向に直交する紙面上下方向をY軸方向とする。以降の図において、図2の矢印の方向を基準として方向を表記する場合もある。
【0027】
撮像装置1の画素Pは、光電変換部12(光電変換素子)と、転送トランジスタTGと、フローティングディフュージョンFDと、読み出し回路20とを有する。光電変換部12は、光を受光して信号を生成するように構成される。光電変換部12は、受光部(受光素子)であり、光電変換により電荷を生成可能に構成される。
【0028】
図2及び図3に示す例では、光電変換部12は、フォトダイオード(PD)であり、入射する光を電荷に変換する。光電変換部12(図2では、画素P11のフォトダイオードPD11~画素P44のフォトダイオードPD44)は、光電変換を行って受光量に応じた電荷を生成する。
【0029】
転送トランジスタTG(図2では転送トランジスタTG11~転送トランジスタTG22)は、光電変換部12で光電変換された電荷をフローティングディフュージョンFDに転送可能に構成される。転送トランジスタTGは、信号STGにより制御され、光電変換部12とフローティングディフュージョンFDとを電気的に接続または切断する。
【0030】
例えば、転送トランジスタTG11は、図3に示すように、そのゲートに入力される信号STG11によりオンオフ制御される。転送トランジスタTGは、光電変換部12で光電変換されて蓄積された電荷をフローティングディフュージョンFDに転送し得る。
【0031】
フローティングディフュージョンFDは、蓄積部であり、転送された電荷を蓄積可能に構成される。フローティングディフュージョンFDは、光電変換部12で光電変換された電荷を蓄積し得る。フローティングディフュージョンFDは、転送された電荷を保持可能な保持部ともいえる。フローティングディフュージョンFDは、転送された電荷を蓄積し、フローティングディフュージョンFDの容量に応じた電圧に変換する。
【0032】
撮像装置1では、転送トランジスタTGは、複数の光電変換部12に対して設けられる。撮像装置1は、複数の画素Pが転送トランジスタTGを共有する構成を有する。このため、1つの光電変換部12あたりのトランジスタ数を低減することが可能となる。撮像装置1は、画素の微細化に有利な構造を有することができる。
【0033】
図2に示す例では、隣り合う4つの光電変換部12(即ち、隣り合う4つのフォトダイオードPD)毎に、転送トランジスタTGが配置される。隣り合う4つの画素Pにより構成される2×2画素が、転送トランジスタTGを共有する。また、撮像装置1では、後述するが、転送トランジスタTGを共有する複数の光電変換部12は異なる読み出し回路20に電気的に接続され、撮像装置1は、画素信号の読み出しを行い得る。
【0034】
図2に示す例では、転送トランジスタTG11は、画素P11のフォトダイオードPD11、画素P12のフォトダイオードPD12、画素P21のフォトダイオードPD21、及び画素P22のフォトダイオードPD22に対して設けられる。転送トランジスタTG11の少なくとも一部は、画素P11と画素P12と画素P21と画素P22との境界に設けられる。図2に示す例では、転送トランジスタTG11は、十字状の形状を有する。
【0035】
転送トランジスタTG12は、画素P13のフォトダイオードPD13、画素P14のフォトダイオードPD14、画素P23のフォトダイオードPD23、及び画素P24のフォトダイオードPD24に対して設けられる。転送トランジスタTG12の少なくとも一部は、画素P13と画素P14と画素P23と画素P24との境界に設けられる。転送トランジスタTG12は、十字状の形状を有する。
【0036】
転送トランジスタTG21は、画素P31のフォトダイオードPD31、画素P32のフォトダイオードPD32、画素P41のフォトダイオードPD41、及び画素P42のフォトダイオードPD42に対して設けられる。転送トランジスタTG21の少なくとも一部は、画素P31と画素P32と画素P41と画素P42との境界に設けられる。転送トランジスタTG21は、十字状の形状を有する。
【0037】
転送トランジスタTG22は、画素P33のフォトダイオードPD33、画素P34のフォトダイオードPD34、画素P43のフォトダイオードPD43、及び画素P44のフォトダイオードPD44に対して設けられる。転送トランジスタTG22の少なくとも一部は、画素P33と画素P34と画素P43と画素P44との境界に設けられる。転送トランジスタTG22は、十字状の形状を有する。
【0038】
転送トランジスタTGは、光電変換部12で光電変換された電荷を、その光電変換部12に対して設けられたフローティングディフュージョンFDに転送可能に構成される。例えば、転送トランジスタTG11は、フォトダイオードPD11で光電変換された電荷を画素P11のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD12で光電変換された電荷を画素P12のフローティングディフュージョンFDに転送するように構成される。
【0039】
また、転送トランジスタTG11は、フォトダイオードPD21で光電変換された電荷を画素P21のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD22で光電変換された電荷を画素P22のフローティングディフュージョンFDに転送し得る。
【0040】
転送トランジスタTG12は、フォトダイオードPD13で変換された電荷を画素P13のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD14で変換された電荷を画素P14のフローティングディフュージョンFDに転送するように構成される。また、転送トランジスタTG12は、フォトダイオードPD23で変換された電荷を画素P23のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD24で変換された電荷を画素P24のフローティングディフュージョンFDに転送し得る。
【0041】
転送トランジスタTG21は、フォトダイオードPD31で変換された電荷を画素P31のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD32で変換された電荷を画素P32のフローティングディフュージョンFDに転送するように構成される。また、転送トランジスタTG21は、フォトダイオードPD41で変換された電荷を画素P41のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD42で変換された電荷を画素P42のフローティングディフュージョンFDに転送し得る。
【0042】
また、転送トランジスタTG22は、フォトダイオードPD33で変換された電荷を画素P33のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD34で変換された電荷を画素P34のフローティングディフュージョンFDに転送するように構成される。また、転送トランジスタTG22は、フォトダイオードPD43で変換された電荷を画素P43のフローティングディフュージョンFDに転送し、フォトダイオードPD44で変換された電荷を画素P44のフローティングディフュージョンFDに転送し得る。
【0043】
なお、図3に示す回路構成例では、一部の転送トランジスタTGを、複数のトランジスタの記号を用いて表している。例えば、フォトダイオードPD11,PD12,PD21,PD22に対して設けられたトランジスタTG11a,TG11b,TG11c,TG11dは、図2に示す転送トランジスタTG11を構成する。
【0044】
読み出し回路20は、光電変換された電荷に基づく信号を出力可能に構成される。撮像装置1では、読み出し回路20は、複数の画素Pに対して設けられる。撮像装置1は、複数の画素Pが1つの読み出し回路20を共有する構成を有する。これにより、撮像装置1は、微細化に有利な構造を有することができる。
【0045】
図2及び図3に示す例では、隣り合う4つの画素P毎に、読み出し回路20が配置される。隣り合う4つの画素Pにより構成される2×2画素が、1つの読み出し回路20を共有する。また、撮像装置1では、読み出し回路20を共有する複数の画素P毎に、配線L1が設けられる。
【0046】
読み出し回路20を共有する複数の画素Pの各々のフローティングディフュージョンFDは、配線L1を介して、読み出し回路20に電気的に接続される。転送トランジスタTGを共有する複数の光電変換部12は、それぞれ別々の配線L1を介して、異なる読み出し回路20に電気的に接続される。これにより、撮像装置1は、各画素の信号を個別に取得することが可能となる。
【0047】
図2及び図3に示す例では、配線L1は、隣り合う4つの画素P毎に配置され、4つの画素Pの各々のフローティングディフュージョンFD間を電気的に接続する。配線L1は、読み出し回路20の周囲に設けられる。配線L1は、4つの画素Pで共有される配線となる。配線L1は、例えば、アルミニウム(Al)、タングステン(W)等の金属材料を用いて形成される。なお、配線L1は、ポリシリコン(Poly-Si)、他の導電材料を用いて構成されてもよい。
【0048】
読み出し回路20は、一例として、図2及び図3に示すように、増幅トランジスタAGと、選択トランジスタSGと、トランジスタFGと、リセットトランジスタRGとを有する。上述した転送トランジスタTGと、増幅トランジスタAGと、選択トランジスタSGと、トランジスタFGと、リセットトランジスタRGは、それぞれ、ゲート、ソース、ドレインの端子を有するMOSトランジスタ(MOSFET)である。
【0049】
図3に示す例では、転送トランジスタTG、増幅トランジスタAG、選択トランジスタSG、トランジスタFG、及びリセットトランジスタRGは、それぞれNMOSトランジスタにより構成される。なお、画素Pのトランジスタは、PMOSトランジスタにより構成されてもよい。
【0050】
増幅トランジスタAGは、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷に基づく信号を生成して出力するように構成される。図2及び図3に示すように、増幅トランジスタAGのゲートは、配線L1を介してフローティングディフュージョンFDと電気的に接続され、フローティングディフュージョンFDで変換された電圧が入力される。
【0051】
増幅トランジスタAGのドレインは、電源電圧VDDが供給される電源線に接続され、増幅トランジスタAGのソースは、選択トランジスタSGを介して信号線VSLに接続される。増幅トランジスタAGは、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷に基づく信号、即ちフローティングディフュージョンFDの電圧に基づく信号を生成し、信号線VSLへ出力し得る。
【0052】
選択トランジスタSGは、画素の信号の出力を制御可能に構成される。選択トランジスタSGは、信号SSGにより制御され、増幅トランジスタAGからの信号を信号線VSLに出力可能に構成される。選択トランジスタSGは、画素の信号の出力タイミングを制御し得る。なお、選択トランジスタSGは、電源電圧VDDが与えられる電源線と増幅トランジスタAGとの間に設けられてもよい。また、必要に応じて、選択トランジスタSGを省略してもよい。
【0053】
トランジスタFGは、フローティングディフュージョンFDと、リセットトランジスタRGとを電気的に接続可能に構成される。トランジスタFGは、信号SFGにより制御され、フローティングディフュージョンFDとリセットトランジスタRGとを電気的に接続または切断する。
【0054】
トランジスタFGがオン状態となることで、画素PのフローティングディフュージョンFDに付加される容量が大きくなり、電荷を電圧に変換する際の変換効率(ゲイン)を変更することが可能となる。トランジスタFGは、増幅トランジスタAGのゲートに接続される容量を切り替え、変換効率を変更する切り替えトランジスタである。
【0055】
リセットトランジスタRGは、フローティングディフュージョンFDの電圧をリセット可能に構成される。図2及び図3に示す例では、リセットトランジスタRGは、電源電圧VDDが与えられる電源線と電気的に接続され、画素Pの電荷のリセットを行うように構成される。
【0056】
リセットトランジスタRGは、信号SRGにより制御され、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷をリセットし、フローティングディフュージョンFDの電圧をリセットし得る。なお、リセットトランジスタRGは、トランジスタFG及び転送トランジスタTGを介して、光電変換部12に蓄積された電荷を排出し得る。なお、画素Pは、トランジスタFGを有していなくてもよい。
【0057】
画素駆動部111(図1参照)は、上述した制御線Lreadを介して、各画素Pの転送トランジスタTG、選択トランジスタSG、トランジスタFG、リセットトランジスタRG等のゲートに制御信号を供給し、トランジスタをオン状態(導通状態)又はオフ状態(非導通状態)とする。
【0058】
撮像装置1の複数の制御線Lreadには、転送トランジスタTGを制御する信号STGを伝送する配線、選択トランジスタSGを制御する信号SSGを伝送する配線、トランジスタFGを制御する信号SFGを伝送する配線、リセットトランジスタRGを制御する信号SRGを伝送する配線等が含まれる。
【0059】
転送トランジスタTG、選択トランジスタSG、トランジスタFG、リセットトランジスタRG等は、画素駆動部111によってオンオフ制御される。画素駆動部111は、各画素Pの読み出し回路20を制御することによって、各画素Pから画素信号を信号線VSLに出力させる。画素駆動部111は、各画素Pの画素信号を信号線VSLへ読み出す制御を行い得る。
【0060】
また、画素Pは、図2に模式的に示すように、フィルタ25を有する。フィルタ25は、入射する光のうちの特定の波長域の光を選択的に透過させるように構成される。フィルタ25は、例えば、RGBのカラーフィルタ、赤外光を透過するフィルタ等である。
【0061】
撮像装置1の画素部100に設けられた複数の画素Pには、赤(R)の光を透過するフィルタ25rが設けられた複数の画素(R画素)と、緑(G)の光を透過するフィルタ25gが設けられた複数の画素(G画素)と、青(B)の光を透過するフィルタ25bが設けられた複数の画素(B画素)が含まれる。
【0062】
フィルタ25bは、青色の波長域の光を透過する。B画素は、青色の波長光を受光して光電変換を行い得る。図2に示す例では、画素P11、画素P12、画素P21、及び画素P22は、それぞれB画素である。図2では、B画素には「B」を付している。
【0063】
フィルタ25gは、緑色の波長域の光を透過する。G画素は、緑色の波長光を受光して光電変換を行い得る。図2に示す例では、画素P13、画素P14、画素P23、画素P24、画素P31、画素P32、画素P41、及び画素P42は、それぞれG画素である。図2では、G画素には「G」を付している。
【0064】
フィルタ25rは、赤色の波長域の光を透過する。R画素は、赤色の波長光を受光して光電変換を行い得る。図2に示す例では、画素P33、画素P34、画素P43、及び画素P44は、それぞれR画素である。図2では、R画素には「R」を付している。なお、以降の図において、R画素、G画素、B画素を、それぞれ、「R」、「G」、「B」と表記する場合もある。
【0065】
画素部100では、複数のR画素、複数のG画素、及び複数のB画素が繰り返し配置される。図2に示す例では、R画素、G画素、及びB画素は、それぞれ、2×2画素単位で配置される。R画素とG画素とB画素は、それぞれ2行×2列で周期的に配置されるともいえる。
【0066】
一例として、画素部100では、隣り合う4つのR画素と、隣り合う4つのG画素と、隣り合う4つのB画素とが繰り返し配置される。4つのR画素と、4つのG画素と、4つのB画素とは、ベイヤー配列に従って配置されるともいえる。R画素、G画素、及びB画素は、それぞれ、R成分の画素信号、G成分の画素信号、及びB成分の画素信号を生成する。撮像装置1は、RGBの画素信号を得ることができる。
【0067】
撮像装置1では、複数の同色の画素毎に、上述した転送トランジスタTGが設けられる。例えば、2×2画素単位で配置される同色の画素P毎に、転送トランジスタTGが設けられる。図2に示す例では、隣り合う4つのR画素に対して、転送トランジスタTGが配置される。また、転送トランジスタTGは、隣り合う4つのG画素と、隣り合う4つのB画素に対して、それぞれ配置される。撮像装置1では、隣り合う4つの同色の画素Pが、転送トランジスタTGを共有する。
【0068】
なお、画素部100の画素Pに設けられるフィルタ25は、原色系(RGB)のカラーフィルタに限定されず、例えばCy(シアン)、Mg(マゼンタ)、Ye(イエロー)等の補色系のカラーフィルタであってもよい。W(ホワイト)に対応したフィルタ、即ち入射光の全波長域の光を透過させるフィルタを配置するようにしてもよい。
【0069】
また、撮像装置1では、必要に応じて、フィルタ25を省略してもよい。例えば、白(W)の光を受光して光電変換を行う画素Pでは、フィルタ25を設けなくてよい。また、撮像装置1の一部又は全部の画素Pにフィルタ25を設けなくてもよい。
【0070】
また、撮像装置1には、図2に示すように分離部60が設けられる。分離部60は、隣り合う光電変換部12の間に設けられ、光電変換部12間を分離する。分離部60は、半導体層において光電変換部12を囲むように設けられる。分離部60は、例えば、隣り合う画素P(又は光電変換部12)の境界に設けられるトレンチ(溝部)を用いて構成される。
【0071】
分離部60は、複数の光電変換部12の各々を囲むように格子状に設けられる。分離部60は、例えば、各光電変換部12の四方を取り囲むように連続的に形成される。分離部60は、画素間分離壁または画素間分離部ともいえる。
【0072】
図4は、実施の形態に係る撮像装置の断面構成の一例を示す図である。撮像装置1は、例えば、図4に示すように、導光部40と、絶縁層50と、第1半導体層10と、多層配線層90とがZ軸方向に積層された構成を有する。
【0073】
第1半導体層10は、図4に示すように、対向する第1面11S1及び第2面11S2を有する。第2面11S2は、第1面11S1とは反対側の面である。第1半導体層10は、半導体基板、例えばSi(シリコン)基板により構成される。第1半導体層10の第1面11S1は、受光面(光入射面)である。第1半導体層10の第2面11S2は、トランジスタ等の素子が形成される素子形成面である。第1半導体層10の第2面11S2には、ゲート電極、ゲート酸化膜等が設けられ得る。
【0074】
第1半導体層10の第2面11S2には、例えば、図4に示すように、読み出し回路20のトランジスタ(増幅トランジスタAG、トランジスタFG等)のゲート絶縁膜として用いられる絶縁膜70と、転送トランジスタTGのゲート絶縁膜75等が設けられる。また、第1半導体層10の第2面11S2側には、転送トランジスタTGのゲート電極76が形成される。
【0075】
絶縁膜70とゲート絶縁膜75は、一例として、酸化シリコン(SiO)、酸窒化シリコン(SiON)、酸化ハフニウム(HfO)等のうちの1種よりなる単層膜、あるいはこれらのうちの2種以上よりなる積層膜により形成される。絶縁膜70及びゲート絶縁膜75は、それぞれ、ハフニウム系絶縁膜など、酸化シリコンの誘電率よりも高い誘電率を有する高誘電率材料により構成され得る。
【0076】
ゲート電極76は、一例として、ポリシリコン(Poly-Si)を用いて構成される。ゲート電極76は、金属材料または金属化合物を用いて構成されてもよい、ゲート電極76は、例えば、窒化チタン(TiN)、窒化タンタル(TaN)、タングステン等により構成されてもよい。
【0077】
図4に示す例では、第1半導体層10の第1面11S1側に、絶縁層50及び導光部40等が設けられる。第1半導体層10の第2面11S2側には、多層配線層90が設けられる。光学系からの光が入射する側に導光部40等が設けられ、光が入射する側とは反対側に多層配線層90が設けられる。撮像装置1は、いわゆる裏面照射型の撮像装置である。
【0078】
第1半導体層10では、第1半導体層10の第1面11S1及び第2面11S2に沿って、複数の光電変換部12(光電変換素子)が設けられる。第1半導体層10には、例えば、複数の光電変換部12が埋め込み形成される。また、第1半導体層10には、複数のフローティングディフュージョンFDが設けられる。
【0079】
なお、第1半導体層10は、SOI(Silicon On Insulator)基板、SiGe(シリコンゲルマニウム)基板、SiC(シリコンカーバイド)基板等であってもよく、III-V族の化合物半導体材料等により構成されてもよい。
【0080】
多層配線層90は、例えば、導体膜および絶縁膜を含み、複数の配線およびビア(VIA)等を有する。多層配線層90は、例えば2層以上の配線を含む。多層配線層90は、複数の配線が絶縁膜を間に積層された構成を有する。多層配線層90の絶縁膜は、層間絶縁膜(層間絶縁層)ともいえる。
【0081】
多層配線層90の配線は、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、タングステン(W)等の金属材料を用いて形成される。多層配線層90の配線は、ポリシリコン(Poly-Si)、その他の導電材料を用いて構成されてもよい。層間絶縁膜は、例えば、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)、酸窒化シリコン(SiON)等を用いて形成される。
【0082】
第1半導体層10及び多層配線層90には、例えば、上述した読み出し回路20、配線L1等が設けられる。なお、上述した画素駆動部111、信号処理部112、制御部113、及び処理部114等は、第1半導体層10とは別の基板、又は、第1半導体層10及び多層配線層90に設けられ得る。
【0083】
導光部40は、半導体基板11の第1面11S1と直交する厚さ方向において、第1半導体層10に積層される。導光部40は、レンズ21とフィルタ25(図4では、フィルタ25r、フィルタ25b)を有し、入射する光を第1半導体層10側へ導く。レンズ21は、オンチップレンズとも呼ばれる光学部材である。
【0084】
レンズ21は、例えば、画素P毎または複数の画素P毎に、フィルタ25上に設けられる。レンズ21には、撮像レンズ等の光学系を介して被写体からの光が入射する。光電変換部12は、レンズ21及びフィルタ25を介して入射する光を光電変換する。
【0085】
絶縁層50は、導光部40と第1半導体層10との間に設けられる。絶縁層50は、例えば、酸化膜、窒化膜、酸窒化膜等の絶縁膜を用いて形成される。絶縁層50は、酸化シリコン(SiO)、窒化シリコン(SiN)及び酸窒化シリコン(SiON)等により構成されてもよいし、他の絶縁材料を用いて構成されてよい。絶縁層50は、平坦化層(平坦化膜)ともいえる。
【0086】
なお、撮像装置1は、反射防止膜および固定電荷膜を有していてもよい。固定電荷膜は、例えば、第1半導体層10と絶縁層50との間に設けられる。固定電荷膜は、一例として、金属化合物(金属酸化物、金属窒化物等)により構成される。固定電荷膜は、例えば負の固定電荷を有する膜であり、第1半導体層10の界面における暗電流の発生を抑制する。
【0087】
反射防止膜は、例えば、窒化シリコン(SiN)、酸化シリコン(SiO)等の絶縁材料を用いて構成される。反射防止膜は、例えば、第1半導体層10と絶縁層50との間に設けられ、反射を低減(抑制)する。
【0088】
また、撮像装置1には、上述したように、分離部60が設けられる。分離部60は、第1半導体層10において、隣り合う複数の光電変換部12の間に形成され、光電変換部12間を分離する。分離部60は、隣り合う画素Pの境界に設けられるトレンチ(溝部)を有する。
【0089】
分離部60は、例えば、第1半導体層10において、各光電変換部12をそれぞれ囲むように設けられる。分離部60のトレンチ内には、一例として、絶縁膜、例えばシリコン酸化膜が設けられる。なお、分離部60のトレンチには、ポリシリコン、金属材料等が埋め込まれていてもよい。
【0090】
分離部60は、低屈折率を有する他の誘電体材料を用いて形成されてもよい。例えば、分離部60のトレンチ内には、空隙(空洞)が設けられていてもよい。分離部60が設けられることで、画素Pの光電変換部12で光電変換された電荷が周囲の画素Pへ漏れることが抑制される。また、周囲の画素Pに光が漏れることを抑制することができる。
【0091】
なお、分離部60として、隣り合う光電変換部12間にポテンシャル障壁を形成する分離部を配置し、隣り合う光電変換部12間を電気的に分離するようにしてもよい。この場合、光電変換によって生じた電荷が周囲の画素Pへ漏れることを抑制することができる。分離部60は、例えば、イオン注入により形成されるp型の半導体領域である。なお、分離部60は、n型の半導体領域により構成されてもよい。
【0092】
また、分離部60には、所定の電位(電圧)を与えるようにしてもよい。分離部60は、例えば、多層配線層90の配線等を介して、負のバイアス電圧が与えられ、負のバイアス電極となる。
【0093】
撮像装置1では、転送トランジスタTGは、第1半導体層10において、隣り合う複数のフローティングディフュージョンFDの間に設けられる。転送トランジスタTGのゲート電極76とゲート絶縁膜75の各々の少なくとも一部は、例えば、図4に示す例のように、第1半導体層10を掘り込んで設けられる。転送トランジスタTGは、縦型ゲート構造を有する。
【0094】
ゲート電極76の一部、及びゲート絶縁膜75の一部は、それぞれ、例えば図4に示すように、第1半導体層10内に設けられる。ゲート電極76とゲート絶縁膜75の各々の一部は、例えば第1半導体層10に埋め込まれるように配置される。図4に示す例では、転送トランジスタTGのゲート電極76及びゲート絶縁膜75は、第1半導体層10において、隣り合う複数のフローティングディフュージョンFDの間に形成される。
【0095】
転送トランジスタTGのゲート電極76は、図4に示す例のように、隣り合うフローティングディフュージョンFDの間から、隣り合う光電変換部12の間まで設けられる。また、ゲート絶縁膜75は、第1半導体層10内において、ゲート電極76に沿って形成される。
【0096】
転送トランジスタTGがオン状態となることで、光電変換部12で光電変換された電荷が、転送トランジスタTGのゲート絶縁膜75の側面(側部)を介して、フローティングディフュージョンFDに転送される。こうして、転送トランジスタTGは、光電変換部12で光電変換された電荷を、その光電変換部12に対して設けられたフローティングディフュージョンFDに転送し得る。
【0097】
図5は、実施の形態に係る撮像装置の動作例を説明するための図である。図5では、左上隅の画素Pを第1行第1列の画素P11、右下隅の画素Pを第8行第8列の画素P88として、8×8画素を図示している。本実施の形態に係る撮像装置1は、複数の動作モードを有する。撮像装置1は、例えば、動作モードとして、第1モードと、第2モードと、第3モードとを有する。
【0098】
(第1モードについて)
第1モードの場合、撮像装置1の画素駆動部111は、行毎に画素を走査して画素の信号を読み出す処理を実行し得る。画素駆動部111は、例えば、2行毎に画素を順次選択して、画素の信号を読み出す処理を実行するように構成される。画素駆動部111は、第1モードとして、ローリングシャッタ方式の動作、例えば2行ローリングシャッタ駆動を行い得る。以下では、図5を参照して、第1モードの場合の撮像装置1の動作例について説明する。
【0099】
第1モードに設定された場合、画素駆動部111は、転送トランジスタTG14及び転送トランジスタTG22をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG14がオン状態となることで、画素P17のフォトダイオードPD17、画素P18のフォトダイオードPD18、画素P27のフォトダイオードPD27、画素P28のフォトダイオードPD28から電荷転送が行われる。そして、別々の読み出し回路20によって、画素P17、画素P18、画素P27、画素P28の各々の画素信号が読み出される。
【0100】
転送トランジスタTG22がオン状態となることで、画素P33のフォトダイオードPD33、画素P34のフォトダイオードPD34、画素P43のフォトダイオードPD43、画素P44のフォトダイオードPD44から電荷転送が行われる。そして、別々の読み出し回路20によって、画素P33、画素P34、画素P43、画素P44の各々の画素信号が読み出される。
【0101】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG23及び転送トランジスタTG31をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG23がオン状態となることで、フォトダイオードPD35、フォトダイオードPD36、フォトダイオードPD45、フォトダイオードPD46から電荷転送が行われる。そして、別々の読み出し回路20によって、画素P35、画素P36、画素P45、画素P46の各々の画素信号が読み出される。
【0102】
転送トランジスタTG31がオン状態となることで、フォトダイオードPD51、フォトダイオードPD52、フォトダイオードPD61、フォトダイオードPD62から電荷転送が行われる。そして、別々の読み出し回路20によって、画素P51、画素P52、画素P61、画素P62の各々の画素信号が読み出される。
【0103】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG24及び転送トランジスタTG32をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG24がオン状態となることで、フォトダイオードPD37、フォトダイオードPD38、フォトダイオードPD47、フォトダイオードPD48から電荷転送が行われる。そして、画素P37、画素P38、画素P47、画素P48の各々の画素信号が読み出される。
【0104】
転送トランジスタTG32がオン状態となることで、フォトダイオードPD53、フォトダイオードPD54、フォトダイオードPD63、フォトダイオードPD64から電荷転送が行われる。そして、画素P53、画素P54、画素P63、画素P64の各々の画素信号が読み出される。
【0105】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG33及び転送トランジスタTG41をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG33がオン状態となることで、フォトダイオードPD55、フォトダイオードPD56、フォトダイオードPD65、フォトダイオードPD66から電荷転送が行われる。そして、画素P55、画素P56、画素P65、画素P66の各々の画素信号が読み出される。
【0106】
転送トランジスタTG41がオン状態となることで、フォトダイオードPD71、フォトダイオードPD72、フォトダイオードPD81、フォトダイオードPD82から電荷転送が行われる。そして、画素P71、画素P72、画素P81、画素P82の各々の画素信号が読み出される。
【0107】
このように、第1モードの場合、撮像装置1は、2行ローリングシャッタ駆動を行うことができる。なお、撮像装置1は、1行毎に画素を順次選択して、画素の信号を読み出す処理を行うことも可能である。撮像装置1は、画素部100の1行毎または複数行毎に、画素信号の読み出しを行い得る。
【0108】
本実施の形態に係る撮像装置1では、隣り合う複数の同色画素が転送トランジスタTGを共有する。このため、上述したように、隣り合う複数の同色画素の各々の画素信号が、同時に(並列に)読み出される。このため、比較的容易に画素信号の補正(例えば白点・黒点の補正処理)を行うことが可能となる。また、別々の読み出し回路20によって同色の各画素の信号の読み出しを行うことで、読み出し回路20のトランジスタの欠陥等に起因して複数の同色画素が白点または黒点となってしまうことを防ぐことが可能となる。
【0109】
(第2モードについて)
第2モードの場合、撮像装置1の画素駆動部111は、異なる画素行の同色画素を選択して、画素の信号を読み出す処理を実行し得る。画素駆動部111は、第2モードとして、例えば、同色グローバルシャッタ駆動を行い得る。以下では、図5を参照して、第2モードの場合の撮像装置1の動作例について説明する。
【0110】
第2モードに設定された場合、画素駆動部111は、転送トランジスタTG11,TG13,TG31,TG33をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG11がオン状態となり、画素P11,P12,P21,P22の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG13がオン状態となり、画素P15,P16,P25,P26の各々の画素信号が読み出される。
【0111】
転送トランジスタTG31がオン状態となることで、画素P51,P52,P61,P62の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG33がオン状態となり、画素P55,P56,P65,P66の各々の画素信号が読み出される。
【0112】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG12,TG14,TG32,TG34をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG12がオン状態となり、画素P13,P14,P23,P24の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG14がオン状態となり、画素P17,P18,P27,P28の各々の画素信号が読み出される。
【0113】
転送トランジスタTG32がオン状態となることで、画素P53,P54,P63,P64の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG34がオン状態となり、画素P57,P58,P67,P68の各々の画素信号が読み出される。
【0114】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG21,TG23,TG41,TG43をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG21がオン状態となり、画素P31,P32,P41,P42の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG23がオン状態となり、画素P35,P36,P45,P46の各々の画素信号が読み出される。
【0115】
転送トランジスタTG41がオン状態となることで、画素P71,P72,P81,P82の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG43がオン状態となり、画素P75,P76,P85,P85の各々の画素信号が読み出される。
【0116】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG22,TG24,TG42,TG44をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG22がオン状態となり、画素P33,P34,P43,P44の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG24がオン状態となり、画素P37,P38,P47,P48の各々の画素信号が読み出される。
【0117】
転送トランジスタTG42がオン状態となることで、画素P73,P74,P83,P84の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG44がオン状態となり、画素P77,P78,P87,P88の各々の画素信号が読み出される。
【0118】
このように、第2モードの場合、撮像装置1は、同色の各画素において撮像タイミングをそろえるグローバルシャッタ駆動を行うことができる。このため、撮像装置1は、例えば、高速で移動する被写体の像の歪みを抑制することができる。
【0119】
(第3モードについて)
第3モードの場合、撮像装置1の画素駆動部111は、読み出し回路20を共有する各画素Pを順に選択して、画素の信号を読み出す処理を実行し得る。画素駆動部111は、例えば、図6において実線矢印で模式的に示すように、読み出し回路20を共有する各画素Pから、時計回りまたは反時計回りの順番で画素信号を読み出し得る。以下では、図5及び図6を参照して、第3モードの場合の撮像装置1の動作例について説明する。
【0120】
第3モードに設定された場合、画素駆動部111は、転送トランジスタTG11,TG13,TG31,TG33をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG11がオン状態となり、画素P11,P12,P21,P22の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG13がオン状態となり、画素P15,P16,P25,P26の各々の画素信号が読み出される。
【0121】
転送トランジスタTG31がオン状態となることで、画素P51,P52,P61,P62の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG33がオン状態となり、画素P55,P56,P65,P66の各々の画素信号が読み出される。
【0122】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG12,TG14,TG32,TG34をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG12がオン状態となり、画素P13,P14,P23,P24の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG14がオン状態となり、画素P17,P18,P27,P28の各々の画素信号が読み出される。
【0123】
転送トランジスタTG32がオン状態となることで、画素P53,P54,P63,P64の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG34がオン状態となり、画素P57,P58,P67,P68の各々の画素信号が読み出される。
【0124】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG22,TG24,TG42,TG44をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG22がオン状態となり、画素P33,P34,P43,P44の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG24がオン状態となり、画素P37,P38,P47,P48の各々の画素信号が読み出される。
【0125】
転送トランジスタTG42がオン状態となることで、画素P73,P74,P83,P84の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG44がオン状態となり、画素P77,P78,P87,P88の各々の画素信号が読み出される。
【0126】
次に、画素駆動部111は、転送トランジスタTG21,TG23,TG41,TG43をそれぞれオン状態とする。転送トランジスタTG21がオン状態となり、画素P31,P32,P41,P42の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG23がオン状態となり、画素P35,P36,P45,P46の各々の画素信号が読み出される。
【0127】
転送トランジスタTG41がオン状態となることで、画素P71,P72,P81,P82の各々の画素信号が読み出される。また、転送トランジスタTG43がオン状態となり、画素P75,P76,P85,P86の各々の画素信号が読み出される。
【0128】
このように、第3モードの場合、読み出し回路20を共有する各画素Pから、時計回りまたは反時計回りの順番で画素信号を読み出すことができる。このため、撮像装置1の処理部114は、各画素Pの信号を用いて距離計測、被写体検出等を効率よく行うことが可能となる。
【0129】
[作用・効果]
本実施の形態に係る光検出装置は、第1半導体層(第1半導体層10)にそれぞれ設けられる第1光電変換素子(光電変換部12)及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素(例えば画素P21)と、第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、第1画素の隣に設けられる第2画素(例えば画素P22)と、第1光電変換素子で光電変換された電荷を第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、第2光電変換素子で光電変換された電荷を第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタ(例えば転送トランジスタTG11)と、第1光電変換素子及び第2光電変換素子のそれぞれを囲むように第1半導体層に設けられる分離部(分離部60)とを備える。転送トランジスタの少なくとも一部は、第1画素と第2画素との境界に設けられる。
【0130】
本実施の形態に係る光検出装置(撮像装置1)では、転送トランジスタTG(例えば転送トランジスタTG11)の少なくとも一部は、隣り合う複数の画素(例えば、画素P21,画素P22)の境界に設けられる。分離部60は、第1半導体層10において、複数の光電変換部12をそれぞれ囲むように設けられる。このため、撮像装置1は、画素の微細化に有利な構造を有することができる。微細化に有利な光検出装置を実現することが可能となる。
【0131】
次に、本開示の変形例について説明する。以下では、上記実施の形態と同様の構成要素については同一の符号を付し、適宜説明を省略する。
【0132】
<2.変形例>
(2-1.変形例1)
図7は、本開示の変形例1に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。上述した実施の形態では、複数の同色の画素P毎に、転送トランジスタTGが設けられる例について説明した。しかし、図7に示す例のように、複数の異なる色の画素P毎に、転送トランジスタTGを設けるようにしてもよい。撮像装置1は、複数の異なる色の画素Pが転送トランジスタTGを共有する構成を有する。
【0133】
また、撮像装置1は、複数の同色の画素Pが、読み出し回路20を共有する構成を有していてもよい。例えば、図7に示す例のように、撮像装置1は、4つの同色画素(図7では、4つのB画素である画素P22,P23,P32,P33)が、読み出し回路20を共有する構成を有していてもよい。同色画素の画素信号を同一の読み出し回路20によって読み出すことができ、同色画素の画素信号に含まれるノイズレベルに差が生じることを抑制することができる。信号品質の低下を抑制することができ、画像の画質が低下することを防ぐことが可能となる。
【0134】
(2-2.変形例2)
上述した実施の形態では、読み出し回路20の構成例について説明したが、あくまでも一例であって、読み出し回路20の構成は上述した例に限られない。図8は、変形例2に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。図8に示す例では、読み出し回路20は、増幅トランジスタAG1及び選択トランジスタSG1と、増幅トランジスタAG2及び選択トランジスタSG2とを有する。
【0135】
増幅トランジスタAG1及び増幅トランジスタAG2は、それぞれ、フローティングディフュージョンFDに蓄積された電荷に基づく画素信号を生成して出力し得る。選択トランジスタSG1は、増幅トランジスタAG1と電気的に接続され、増幅トランジスタAG1からの信号を信号線VSLに出力可能に構成される。また、選択トランジスタSG2は、増幅トランジスタAG2と電気的に接続され、増幅トランジスタAG2からの信号を信号線VSLに出力可能に構成される。
【0136】
また、増幅トランジスタAG1及び選択トランジスタSG1と、増幅トランジスタAG2及び選択トランジスタSG2とは、互いに並列に接続されている。本変形例では、互いに並列接続された複数の増幅トランジスタによって画素信号が生成され、信号線VSLへ出力される。このため、画素信号に混入するノイズを低減させることが可能となる。
【0137】
(2-3.変形例3)
図9は、変形例3に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。読み出し回路20は、その読み出し回路20を共有する複数の画素Pの領域の中央部分以外に配置してもよい。例えば、図9に示す例のように、読み出し回路20を設けるようにしてもよい。
【0138】
本変形例では、読み出し回路20及び配線L1等のレイアウトによって、配線L1の配線長等を変更することができ、フローティングディフュージョンFDに付加される容量を調整することができる。また、読み出し回路20のトランジスタ構成、配線レイアウト等の自由度を向上させることが可能となる。
【0139】
(2-4.変形例4)
図10は、変形例4に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。図10に示す例のように、撮像装置1は、1×2画素、即ち2つの画素Pが、読み出し回路20を共有する構成を有していてもよい。同色の2つの画素Pが読み出し回路20を共有してもよく、異色の2つの画素Pが読み出し回路20を共有してもよい。
【0140】
図10に示す例では、B画素である画素P22と、G画素である画素P23とが、読み出し回路20aを共有する。また、G画素である画素P32と、R画素である画素P33とが、読み出し回路20bを共有する。2つの画素P毎に読み出し回路20が設けられることで、撮像装置1の各画素Pの信号を高速に読み出すことが可能となる。
【0141】
また、本変形例の場合も、読み出し回路20a,20b等の配置位置等によって、フローティングディフュージョンFDの容量を調整することができる。読み出し回路20のトランジスタ構成、配線レイアウト等の自由度を向上させることが可能となる。なお、読み出し回路20の数および配置は、上述した例に限られない。例えば、撮像装置1は、4×2画素が、読み出し回路20を共有する構成を有していてもよい。
【0142】
(2-5.変形例5)
図11は、変形例5に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。図11に示す例のように、転送トランジスタTGを共有する複数の画素Pが、同じ読み出し回路20に電気的に接続されていてもよい。この場合、読み出し回路20は、各画素Pの各々で光電変換された電荷を加算した電荷に基づく画素信号を、信号線VSLへ読み出すことができる。読み出し回路20においてビニング処理を行うことが可能となる。
【0143】
(2-6.変形例6)
図12は、変形例6に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。図12に示す例のように、撮像装置1は、1×2画素(又は2つの光電変換部12)が、転送トランジスタTGを共有する構成を有していてもよい。また、図12に示すように、異色の2つの画素Pが読み出し回路20を共有してもよい。なお、同色の2つの画素Pが読み出し回路20を共有していてもよい。
【0144】
(2-7.変形例7)
図13は、変形例7に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。本変形例では、2つの光電変換部12(図13では、フォトダイオードPDa,PDb)に対して、1つのレンズ21(レンズ部)が設けられる。フォトダイオードPDa及びフォトダイオードPDbによって、撮像レンズ等の光学系の互いに異なる領域を通過した光が受光され、瞳分割が行われる。
【0145】
フォトダイオードPDaで光電変換された電荷に基づく第1の画素信号と、フォトダイオードPDbで光電変換された電荷に基づく第2の画素信号とを用いることで、位相差データ(位相差情報)を得ることができる。位相差データを用いることで、位相差AF(Auto Focus)を行うことができる。
【0146】
図13に示す例のように、フォトダイオードPDaとフォトダイオードPDbに対して、1つの読み出し回路20を設けるようにしてもよい。本開示に係る技術は、位相差検出に用いる信号を出力可能な位相差画素にも適用可能である。本変形例の場合も、上記した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0147】
(2-8.変形例8)
上述した実施の形態および変形例では、配線L1の構成例について説明したが、配線L1の形状および配置位置などは、図示した例に限られない。図14は、変形例8に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。配線L1とフローティングディフュージョンFDとは、一体的に構成されていてもよい。
【0148】
図14に模式的に示すように、配線L1を、フローティングディフュージョンFDと同様に、活性領域(アクティブ領域)、例えばn型の半導体領域(導電層)により構成してもよい。配線L1のレイアウト等によって、配線L1の配線長および配線L1に付加される容量を変更することができ、フローティングディフュージョンFDの容量を調整することが可能となる。
【0149】
(2-9.変形例9)
上述した実施の形態および変形例では、撮像装置1の画素Pの構成例について説明したが、画素Pの形状および配置等は、図示した例に限られない。図15A及び図15Bは、変形例9に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。各画素P及びフィルタ25は、平面視において、六角形の形状を有していてもよい。例えば、図15A及び図15Bに示す例のように、各画素P及びフィルタ25は、ハニカム状に設けられ得る。
【0150】
撮像装置1の画素部100では、例えば、図15Aに示すように、R画素、G画素、及びB画素が、それぞれ、同数(例えば3つ)ずつ、繰り返し配置されてもよい。また、例えば、人間の目の特性を考慮して、図15Bに示すように、G画素は、R画素、B画素よりも多く設けられてもよい。例えば、G画素は、R画素及びB画素の周囲をそれぞれ囲むように設けられる。
【0151】
図15Bに示す例では、R画素の周りに複数のG画素が配置され、B画素の周りにも複数のG画素が配置される。なお、画素P(又はフィルタ25)の形状は、特に限定されない。画素P、フィルタ25等の形状は、正方形、長方形、三角形、六角形、円等、または、それらの組み合わせであってもよい。
【0152】
(2-10.変形例10)
図16は、変形例10に係る撮像装置の構成例を説明するための図である。転送トランジスタTGは、複数のゲート電極76を有していてもよい。例えば、各転送トランジスタTGは、それぞれ、図16に示すように、4つのゲート電極76と、ゲート絶縁膜75を用いて構成されてもよい。転送トランジスタTGの4つのゲート電極76は、例えば、上述した多層配線層90の配線により互いに電気的に接続される。
【0153】
例えば、転送トランジスタTG11は、画素P11のフォトダイオードPD11に対して設けられたゲート電極76aと、画素P12のフォトダイオードPD12に対して設けられたゲート電極76bを有する。また、転送トランジスタTG11は、画素P21のフォトダイオードPD21に対して設けられたゲート電極76cと、画素P22のフォトダイオードPD22に対して設けられたゲート電極76dを有する。
【0154】
本変形例の場合も、転送トランジスタTGは、フォトダイオードPDで光電変換された電荷を、そのフォトダイオードPDに対して設けられたフローティングディフュージョンFDに転送することが可能となる。本変形例の場合も、上記した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0155】
(2-11.変形例11)
図17は、変形例11に係る撮像装置の断面構成の一例を示す図である。図17に示す例のように、分離部60は、転送トランジスタTGに達するように形成されてもよい。また、第1半導体層10のうち転送トランジスタTGの無い部分では、分離部60は、図17に示す例のように設けられてもよいし、第1半導体層10の第2面11S2まで達していてもよい。転送トランジスタTGのゲート電極76及びゲート絶縁膜75は、第1半導体層10内の分離部60に達するように設けられる。
【0156】
図18Aは、変形例11に係る撮像装置の断面構成の別の例を示す図である。転送トランジスタTGのゲート電極76は、図18Aに示すように、第1半導体層10の第2面11S2上に設けられてもよい。また、撮像装置1は、図18Bに示すように、第1半導体層10内にゲート絶縁膜75を有していなくてもよい。図18Bに示す例では、絶縁膜70は、転送トランジスタTGのゲート絶縁膜としても用いられる。転送トランジスタTGは、平面ゲート構造を有する。
【0157】
(2-12.変形例12)
図19は、変形例12に係る撮像装置の断面構成の一例を示す図である。撮像装置1は、図19に示すように、第1半導体層10及び多層配線層90と、第2半導体層15及び多層配線層95を有していてもよい。第2半導体層15及び多層配線層95には、例えば、画素Pの各トランジスタの少なくとも一部が設けられ得る。第2半導体層15上には、ゲート絶縁膜として用いられる絶縁膜77が形成される。
【0158】
例えば、転送トランジスタTG、増幅トランジスタAG、選択トランジスタSG、トランジスタFG、及びリセットトランジスタRGが、第1半導体層10と第2半導体層15に分けて配置され得る。これにより、チップ面積の増大を抑えることができる。一例として、第1半導体層10に転送トランジスタTGを配置し、第2半導体層15に読み出し回路20の各トランジスタを配置するようにしてもよい。
【0159】
なお、撮像装置1の構成は、上述した例に限られない。例えば、第1半導体層10又は第2半導体層15は、図4または図17に示す第1半導体層10と同様の構成を有していてもよい。また、例えば、撮像装置1は、図4図17等に示す第1半導体層10及び多層配線層90と、図19に示す第2半導体層15及び多層配線層95を有していてもよい。
【0160】
<3.適用例>
上記撮像装置1等は、例えば、デジタルスチルカメラやビデオカメラ等のカメラシステムや、撮像機能を有する携帯電話等、撮像機能を備えたあらゆるタイプの電子機器に適用することができる。図20は、電子機器1000の概略構成を表したものである。
【0161】
電子機器1000は、例えば、レンズ群1001と、撮像装置1と、DSP(Digital Signal Processor)回路1002と、フレームメモリ1003と、表示部1004と、記録部1005と、操作部1006と、電源部1007とを有し、バスライン1008を介して相互に接続されている。
【0162】
レンズ群1001は、被写体からの入射光(像光)を取り込んで撮像装置1の撮像面上に結像するものである。撮像装置1は、レンズ群1001によって撮像面上に結像された入射光の光量を画素単位で電気信号に変換して画素信号としてDSP回路1002に供給する。
【0163】
DSP回路1002は、撮像装置1から供給される信号を処理する信号処理回路である。DSP回路1002は、撮像装置1からの信号を処理して得られる画像データを出力する。フレームメモリ1003は、DSP回路1002により処理された画像データをフレーム単位で一時的に保持するものである。
【0164】
表示部1004は、例えば、液晶パネルや有機EL(Electro Luminescence)パネル等のパネル型表示装置からなり、撮像装置1で撮像された動画または静止画の画像データを、半導体メモリやハードディスク等の記録媒体に記録する。
【0165】
操作部1006は、ユーザによる操作に従い、電子機器1000が所有する各種の機能についての操作信号を出力する。電源部1007は、DSP回路1002、フレームメモリ1003、表示部1004、記録部1005および操作部1006の動作電源となる各種の電源を、これら供給対象に対して適宜供給するものである。
【0166】
<4.応用例>
(移動体への応用例)
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、自動車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車、自動二輪車、自転車、パーソナルモビリティ、飛行機、ドローン、船舶、ロボット等のいずれかの種類の移動体に搭載される装置として実現されてもよい。
【0167】
図21は、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例である車両制御システムの概略的な構成例を示すブロック図である。
【0168】
車両制御システム12000は、通信ネットワーク12001を介して接続された複数の電子制御ユニットを備える。図21に示した例では、車両制御システム12000は、駆動系制御ユニット12010、ボディ系制御ユニット12020、車外情報検出ユニット12030、車内情報検出ユニット12040、及び統合制御ユニット12050を備える。また、統合制御ユニット12050の機能構成として、マイクロコンピュータ12051、音声画像出力部12052、及び車載ネットワークI/F(interface)12053が図示されている。
【0169】
駆動系制御ユニット12010は、各種プログラムにしたがって車両の駆動系に関連する装置の動作を制御する。例えば、駆動系制御ユニット12010は、内燃機関又は駆動用モータ等の車両の駆動力を発生させるための駆動力発生装置、駆動力を車輪に伝達するための駆動力伝達機構、車両の舵角を調節するステアリング機構、及び、車両の制動力を発生させる制動装置等の制御装置として機能する。
【0170】
ボディ系制御ユニット12020は、各種プログラムにしたがって車体に装備された各種装置の動作を制御する。例えば、ボディ系制御ユニット12020は、キーレスエントリシステム、スマートキーシステム、パワーウィンドウ装置、あるいは、ヘッドランプ、バックランプ、ブレーキランプ、ウィンカー又はフォグランプ等の各種ランプの制御装置として機能する。この場合、ボディ系制御ユニット12020には、鍵を代替する携帯機から発信される電波又は各種スイッチの信号が入力され得る。ボディ系制御ユニット12020は、これらの電波又は信号の入力を受け付け、車両のドアロック装置、パワーウィンドウ装置、ランプ等を制御する。
【0171】
車外情報検出ユニット12030は、車両制御システム12000を搭載した車両の外部の情報を検出する。例えば、車外情報検出ユニット12030には、撮像部12031が接続される。車外情報検出ユニット12030は、撮像部12031に車外の画像を撮像させるとともに、撮像された画像を受信する。車外情報検出ユニット12030は、受信した画像に基づいて、人、車、障害物、標識又は路面上の文字等の物体検出処理又は距離検出処理を行ってもよい。
【0172】
撮像部12031は、光を受光し、その光の受光量に応じた電気信号を出力する光センサである。撮像部12031は、電気信号を画像として出力することもできるし、測距の情報として出力することもできる。また、撮像部12031が受光する光は、可視光であっても良いし、赤外線等の非可視光であっても良い。
【0173】
車内情報検出ユニット12040は、車内の情報を検出する。車内情報検出ユニット12040には、例えば、運転者の状態を検出する運転者状態検出部12041が接続される。運転者状態検出部12041は、例えば運転者を撮像するカメラを含み、車内情報検出ユニット12040は、運転者状態検出部12041から入力される検出情報に基づいて、運転者の疲労度合い又は集中度合いを算出してもよいし、運転者が居眠りをしていないかを判別してもよい。
【0174】
マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車内外の情報に基づいて、駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置の制御目標値を演算し、駆動系制御ユニット12010に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両の衝突回避あるいは衝撃緩和、車間距離に基づく追従走行、車速維持走行、車両の衝突警告、又は車両のレーン逸脱警告等を含むADAS(Advanced Driver Assistance System)の機能実現を目的とした協調制御を行うことができる。
【0175】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030又は車内情報検出ユニット12040で取得される車両の周囲の情報に基づいて駆動力発生装置、ステアリング機構又は制動装置等を制御することにより、運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0176】
また、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で取得される車外の情報に基づいて、ボディ系制御ユニット12020に対して制御指令を出力することができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車外情報検出ユニット12030で検知した先行車又は対向車の位置に応じてヘッドランプを制御し、ハイビームをロービームに切り替える等の防眩を図ることを目的とした協調制御を行うことができる。
【0177】
音声画像出力部12052は、車両の搭乗者又は車外に対して、視覚的又は聴覚的に情報を通知することが可能な出力装置へ音声及び画像のうちの少なくとも一方の出力信号を送信する。図21の例では、出力装置として、オーディオスピーカ12061、表示部12062及びインストルメントパネル12063が例示されている。表示部12062は、例えば、オンボードディスプレイ及びヘッドアップディスプレイの少なくとも一つを含んでいてもよい。
【0178】
図22は、撮像部12031の設置位置の例を示す図である。
【0179】
図22では、車両12100は、撮像部12031として、撮像部12101,12102,12103,12104,12105を有する。
【0180】
撮像部12101,12102,12103,12104,12105は、例えば、車両12100のフロントノーズ、サイドミラー、リアバンパ、バックドア及び車室内のフロントガラスの上部等の位置に設けられる。フロントノーズに備えられる撮像部12101及び車室内のフロントガラスの上部に備えられる撮像部12105は、主として車両12100の前方の画像を取得する。サイドミラーに備えられる撮像部12102,12103は、主として車両12100の側方の画像を取得する。リアバンパ又はバックドアに備えられる撮像部12104は、主として車両12100の後方の画像を取得する。撮像部12101及び12105で取得される前方の画像は、主として先行車両又は、歩行者、障害物、信号機、交通標識又は車線等の検出に用いられる。
【0181】
なお、図22には、撮像部12101ないし12104の撮影範囲の一例が示されている。撮像範囲12111は、フロントノーズに設けられた撮像部12101の撮像範囲を示し、撮像範囲12112,12113は、それぞれサイドミラーに設けられた撮像部12102,12103の撮像範囲を示し、撮像範囲12114は、リアバンパ又はバックドアに設けられた撮像部12104の撮像範囲を示す。例えば、撮像部12101ないし12104で撮像された画像データが重ね合わせられることにより、車両12100を上方から見た俯瞰画像が得られる。
【0182】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、距離情報を取得する機能を有していてもよい。例えば、撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、複数の撮像素子からなるステレオカメラであってもよいし、位相差検出用の画素を有する撮像素子であってもよい。
【0183】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を基に、撮像範囲12111ないし12114内における各立体物までの距離と、この距離の時間的変化(車両12100に対する相対速度)を求めることにより、特に車両12100の進行路上にある最も近い立体物で、車両12100と略同じ方向に所定の速度(例えば、0km/h以上)で走行する立体物を先行車として抽出することができる。さらに、マイクロコンピュータ12051は、先行車の手前に予め確保すべき車間距離を設定し、自動ブレーキ制御(追従停止制御も含む)や自動加速制御(追従発進制御も含む)等を行うことができる。このように運転者の操作に拠らずに自律的に走行する自動運転等を目的とした協調制御を行うことができる。
【0184】
例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104から得られた距離情報を元に、立体物に関する立体物データを、2輪車、普通車両、大型車両、歩行者、電柱等その他の立体物に分類して抽出し、障害物の自動回避に用いることができる。例えば、マイクロコンピュータ12051は、車両12100の周辺の障害物を、車両12100のドライバが視認可能な障害物と視認困難な障害物とに識別する。そして、マイクロコンピュータ12051は、各障害物との衝突の危険度を示す衝突リスクを判断し、衝突リスクが設定値以上で衝突可能性がある状況であるときには、オーディオスピーカ12061や表示部12062を介してドライバに警報を出力することや、駆動系制御ユニット12010を介して強制減速や回避操舵を行うことで、衝突回避のための運転支援を行うことができる。
【0185】
撮像部12101ないし12104の少なくとも1つは、赤外線を検出する赤外線カメラであってもよい。例えば、マイクロコンピュータ12051は、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在するか否かを判定することで歩行者を認識することができる。かかる歩行者の認識は、例えば赤外線カメラとしての撮像部12101ないし12104の撮像画像における特徴点を抽出する手順と、物体の輪郭を示す一連の特徴点にパターンマッチング処理を行って歩行者か否かを判別する手順によって行われる。マイクロコンピュータ12051が、撮像部12101ないし12104の撮像画像中に歩行者が存在すると判定し、歩行者を認識すると、音声画像出力部12052は、当該認識された歩行者に強調のための方形輪郭線を重畳表示するように、表示部12062を制御する。また、音声画像出力部12052は、歩行者を示すアイコン等を所望の位置に表示するように表示部12062を制御してもよい。
【0186】
以上、本開示に係る技術が適用され得る移動体制御システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、撮像部12031に適用され得る。具体的には、例えば、撮像装置1等は、撮像部12031に適用することができる。撮像部12031に本開示に係る技術を適用することにより、高精細な撮影画像を得ることが可能となる。移動体制御システムにおいて撮影画像を利用した高精度な制御を行うことが可能となる。
【0187】
(内視鏡手術システムへの応用例)
本開示に係る技術(本技術)は、様々な製品へ応用することができる。例えば、本開示に係る技術は、内視鏡手術システムに適用されてもよい。
【0188】
図23は、本開示に係る技術(本技術)が適用され得る内視鏡手術システムの概略的な構成の一例を示す図である。
【0189】
図23では、術者(医師)11131が、内視鏡手術システム11000を用いて、患者ベッド11133上の患者11132に手術を行っている様子が図示されている。図示するように、内視鏡手術システム11000は、内視鏡11100と、気腹チューブ11111やエネルギー処置具11112等の、その他の術具11110と、内視鏡11100を支持する支持アーム装置11120と、内視鏡下手術のための各種の装置が搭載されたカート11200と、から構成される。
【0190】
内視鏡11100は、先端から所定の長さの領域が患者11132の体腔内に挿入される鏡筒11101と、鏡筒11101の基端に接続されるカメラヘッド11102と、から構成される。図示する例では、硬性の鏡筒11101を有するいわゆる硬性鏡として構成される内視鏡11100を図示しているが、内視鏡11100は、軟性の鏡筒を有するいわゆる軟性鏡として構成されてもよい。
【0191】
鏡筒11101の先端には、対物レンズが嵌め込まれた開口部が設けられている。内視鏡11100には光源装置11203が接続されており、当該光源装置11203によって生成された光が、鏡筒11101の内部に延設されるライトガイドによって当該鏡筒の先端まで導光され、対物レンズを介して患者11132の体腔内の観察対象に向かって照射される。なお、内視鏡11100は、直視鏡であってもよいし、斜視鏡又は側視鏡であってもよい。
【0192】
カメラヘッド11102の内部には光学系及び撮像素子が設けられており、観察対象からの反射光(観察光)は当該光学系によって当該撮像素子に集光される。当該撮像素子によって観察光が光電変換され、観察光に対応する電気信号、すなわち観察像に対応する画像信号が生成される。当該画像信号は、RAWデータとしてカメラコントロールユニット(CCU: Camera Control Unit)11201に送信される。
【0193】
CCU11201は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等によって構成され、内視鏡11100及び表示装置11202の動作を統括的に制御する。さらに、CCU11201は、カメラヘッド11102から画像信号を受け取り、その画像信号に対して、例えば現像処理(デモザイク処理)等の、当該画像信号に基づく画像を表示するための各種の画像処理を施す。
【0194】
表示装置11202は、CCU11201からの制御により、当該CCU11201によって画像処理が施された画像信号に基づく画像を表示する。
【0195】
光源装置11203は、例えばLED(Light Emitting Diode)等の光源から構成され、術部等を撮影する際の照射光を内視鏡11100に供給する。
【0196】
入力装置11204は、内視鏡手術システム11000に対する入力インタフェースである。ユーザは、入力装置11204を介して、内視鏡手術システム11000に対して各種の情報の入力や指示入力を行うことができる。例えば、ユーザは、内視鏡11100による撮像条件(照射光の種類、倍率及び焦点距離等)を変更する旨の指示等を入力する。
【0197】
処置具制御装置11205は、組織の焼灼、切開又は血管の封止等のためのエネルギー処置具11112の駆動を制御する。気腹装置11206は、内視鏡11100による視野の確保及び術者の作業空間の確保の目的で、患者11132の体腔を膨らめるために、気腹チューブ11111を介して当該体腔内にガスを送り込む。レコーダ11207は、手術に関する各種の情報を記録可能な装置である。プリンタ11208は、手術に関する各種の情報を、テキスト、画像又はグラフ等各種の形式で印刷可能な装置である。
【0198】
なお、内視鏡11100に術部を撮影する際の照射光を供給する光源装置11203は、例えばLED、レーザ光源又はこれらの組み合わせによって構成される白色光源から構成することができる。RGBレーザ光源の組み合わせにより白色光源が構成される場合には、各色(各波長)の出力強度及び出力タイミングを高精度に制御することができるため、光源装置11203において撮像画像のホワイトバランスの調整を行うことができる。また、この場合には、RGBレーザ光源それぞれからのレーザ光を時分割で観察対象に照射し、その照射タイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御することにより、RGBそれぞれに対応した画像を時分割で撮像することも可能である。当該方法によれば、当該撮像素子にカラーフィルタを設けなくても、カラー画像を得ることができる。
【0199】
また、光源装置11203は、出力する光の強度を所定の時間ごとに変更するようにその駆動が制御されてもよい。その光の強度の変更のタイミングに同期してカメラヘッド11102の撮像素子の駆動を制御して時分割で画像を取得し、その画像を合成することにより、いわゆる黒つぶれ及び白とびのない高ダイナミックレンジの画像を生成することができる。
【0200】
また、光源装置11203は、特殊光観察に対応した所定の波長帯域の光を供給可能に構成されてもよい。特殊光観察では、例えば、体組織における光の吸収の波長依存性を利用して、通常の観察時における照射光(すなわち、白色光)に比べて狭帯域の光を照射することにより、粘膜表層の血管等の所定の組織を高コントラストで撮影する、いわゆる狭帯域光観察(Narrow Band Imaging)が行われる。あるいは、特殊光観察では、励起光を照射することにより発生する蛍光により画像を得る蛍光観察が行われてもよい。蛍光観察では、体組織に励起光を照射し当該体組織からの蛍光を観察すること(自家蛍光観察)、又はインドシアニングリーン(ICG)等の試薬を体組織に局注するとともに当該体組織にその試薬の蛍光波長に対応した励起光を照射し蛍光像を得ること等を行うことができる。光源装置11203は、このような特殊光観察に対応した狭帯域光及び/又は励起光を供給可能に構成され得る。
【0201】
図24は、図23に示すカメラヘッド11102及びCCU11201の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0202】
カメラヘッド11102は、レンズユニット11401と、撮像部11402と、駆動部11403と、通信部11404と、カメラヘッド制御部11405と、を有する。CCU11201は、通信部11411と、画像処理部11412と、制御部11413と、を有する。カメラヘッド11102とCCU11201とは、伝送ケーブル11400によって互いに通信可能に接続されている。
【0203】
レンズユニット11401は、鏡筒11101との接続部に設けられる光学系である。鏡筒11101の先端から取り込まれた観察光は、カメラヘッド11102まで導光され、当該レンズユニット11401に入射する。レンズユニット11401は、ズームレンズ及びフォーカスレンズを含む複数のレンズが組み合わされて構成される。
【0204】
撮像部11402は、撮像素子で構成される。撮像部11402を構成する撮像素子は、1つ(いわゆる単板式)であってもよいし、複数(いわゆる多板式)であってもよい。撮像部11402が多板式で構成される場合には、例えば各撮像素子によってRGBそれぞれに対応する画像信号が生成され、それらが合成されることによりカラー画像が得られてもよい。あるいは、撮像部11402は、3D(Dimensional)表示に対応する右目用及び左目用の画像信号をそれぞれ取得するための1対の撮像素子を有するように構成されてもよい。3D表示が行われることにより、術者11131は術部における生体組織の奥行きをより正確に把握することが可能になる。なお、撮像部11402が多板式で構成される場合には、各撮像素子に対応して、レンズユニット11401も複数系統設けられ得る。
【0205】
また、撮像部11402は、必ずしもカメラヘッド11102に設けられなくてもよい。例えば、撮像部11402は、鏡筒11101の内部に、対物レンズの直後に設けられてもよい。
【0206】
駆動部11403は、アクチュエータによって構成され、カメラヘッド制御部11405からの制御により、レンズユニット11401のズームレンズ及びフォーカスレンズを光軸に沿って所定の距離だけ移動させる。これにより、撮像部11402による撮像画像の倍率及び焦点が適宜調整され得る。
【0207】
通信部11404は、CCU11201との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11404は、撮像部11402から得た画像信号をRAWデータとして伝送ケーブル11400を介してCCU11201に送信する。
【0208】
また、通信部11404は、CCU11201から、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を受信し、カメラヘッド制御部11405に供給する。当該制御信号には、例えば、撮像画像のフレームレートを指定する旨の情報、撮像時の露出値を指定する旨の情報、並びに/又は撮像画像の倍率及び焦点を指定する旨の情報等、撮像条件に関する情報が含まれる。
【0209】
なお、上記のフレームレートや露出値、倍率、焦点等の撮像条件は、ユーザによって適宜指定されてもよいし、取得された画像信号に基づいてCCU11201の制御部11413によって自動的に設定されてもよい。後者の場合には、いわゆるAE(Auto Exposure)機能、AF(Auto Focus)機能及びAWB(Auto White Balance)機能が内視鏡11100に搭載されていることになる。
【0210】
カメラヘッド制御部11405は、通信部11404を介して受信したCCU11201からの制御信号に基づいて、カメラヘッド11102の駆動を制御する。
【0211】
通信部11411は、カメラヘッド11102との間で各種の情報を送受信するための通信装置によって構成される。通信部11411は、カメラヘッド11102から、伝送ケーブル11400を介して送信される画像信号を受信する。
【0212】
また、通信部11411は、カメラヘッド11102に対して、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を送信する。画像信号や制御信号は、電気通信や光通信等によって送信することができる。
【0213】
画像処理部11412は、カメラヘッド11102から送信されたRAWデータである画像信号に対して各種の画像処理を施す。
【0214】
制御部11413は、内視鏡11100による術部等の撮像、及び、術部等の撮像により得られる撮像画像の表示に関する各種の制御を行う。例えば、制御部11413は、カメラヘッド11102の駆動を制御するための制御信号を生成する。
【0215】
また、制御部11413は、画像処理部11412によって画像処理が施された画像信号に基づいて、術部等が映った撮像画像を表示装置11202に表示させる。この際、制御部11413は、各種の画像認識技術を用いて撮像画像内における各種の物体を認識してもよい。例えば、制御部11413は、撮像画像に含まれる物体のエッジの形状や色等を検出することにより、鉗子等の術具、特定の生体部位、出血、エネルギー処置具11112の使用時のミスト等を認識することができる。制御部11413は、表示装置11202に撮像画像を表示させる際に、その認識結果を用いて、各種の手術支援情報を当該術部の画像に重畳表示させてもよい。手術支援情報が重畳表示され、術者11131に提示されることにより、術者11131の負担を軽減することや、術者11131が確実に手術を進めることが可能になる。
【0216】
カメラヘッド11102及びCCU11201を接続する伝送ケーブル11400は、電気信号の通信に対応した電気信号ケーブル、光通信に対応した光ファイバ、又はこれらの複合ケーブルである。
【0217】
ここで、図示する例では、伝送ケーブル11400を用いて有線で通信が行われていたが、カメラヘッド11102とCCU11201との間の通信は無線で行われてもよい。
【0218】
以上、本開示に係る技術が適用され得る内視鏡手術システムの一例について説明した。本開示に係る技術は、以上説明した構成のうち、例えば、内視鏡11100のカメラヘッド11102に設けられた撮像部11402に好適に適用され得る。撮像部11402に本開示に係る技術を適用することにより、高精細な内視鏡11100を提供することが可能となる。
【0219】
以上、実施の形態、変形例および適用例ならびに応用例を挙げて本開示を説明したが、本技術は上記実施の形態等に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、上述した変形例は、上記実施の形態の変形例として説明したが、各変形例の構成を適宜組み合わせることができる。例えば本開示は、裏面照射型イメージセンサに限定されるものではなく、表面照射型イメージセンサにも適用可能である。
【0220】
上記実施の形態等では、撮像装置を例示して説明するようにしたが、本開示の光検出装置は、例えば、入射する光を受光し、光を電荷に変換するものであればよい。出力される信号は、画像情報の信号でもよいし、測距情報の信号でもよい。光検出装置(撮像装置)は、イメージセンサ、測距センサ等に適用され得る。
【0221】
本開示に係る光検出装置は、TOF(Time Of Flight)方式の距離計測が可能な測距センサとしても適用され得る。光検出装置(撮像装置)は、イベントを検出可能なセンサ、例えば、イベント駆動型のセンサ(EVS(Event Vision Sensor)、EDS(Event Driven Sensor)、DVS(Dynamic Vision Sensor)等と呼ばれる)としても適用され得る。
【0222】
本開示の一実施形態の光検出装置は、第1半導体層にそれぞれ設けられる第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、第1画素の隣に設けられる第2画素と、第1光電変換素子で光電変換された電荷を第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、第2光電変換素子で光電変換された電荷を第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、第1光電変換素子及び第2光電変換素子のそれぞれを囲むように第1半導体層に設けられる分離部とを備える。転送トランジスタの少なくとも一部は、第1画素と第2画素との境界に設けられる。このため、光検出装置は、画素の微細化に有利な構造を有することができる。微細化に有利な光検出装置を実現することが可能となる。
【0223】
なお、本明細書中に記載された効果はあくまで例示であってその記載に限定されるものではなく、他の効果があってもよい。また、本開示は以下のような構成をとることも可能である。
(1)
第1半導体層にそれぞれ設けられる第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、
前記第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、前記第1画素の隣に設けられる第2画素と、
前記第1光電変換素子で光電変換された電荷を前記第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、前記第2光電変換素子で光電変換された電荷を前記第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、
前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子のそれぞれを囲むように前記第1半導体層に設けられる分離部と
を備え、
前記転送トランジスタの少なくとも一部は、前記第1画素と前記第2画素との境界に設けられる
光検出装置。
(2)
前記分離部は、前記第1半導体層において、前記第1光電変換素子と前記第2光電変換素子との間に設けられ、
前記転送トランジスタは、前記第1半導体層において、前記第1フローティングディフュージョンと前記第2フローティングディフュージョンとの間から前記第1光電変換素子と前記第2光電変換素子との間まで設けられるゲート電極を有する
前記(1)に記載の光検出装置。
(3)
前記転送トランジスタのゲート電極は、前記第1半導体層内の前記分離部に達するように設けられる
前記(1)または(2)に記載の光検出装置。
(4)
前記第1半導体層にそれぞれ設けられる第3光電変換素子及び第3フローティングディフュージョンを含み、前記第2画素の隣に設けられる第3画素と、
前記第2フローティングディフュージョンに蓄積された電荷に基づく信号を出力可能な読み出し回路と、をさらに備える
前記(1)から(3)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(5)
前記読み出し回路の少なくとも一部は、前記第2画素と前記第3画素との境界に設けられる
前記(4)に記載の光検出装置。
(6)
前記読み出し回路の少なくとも一部は、前記第2画素と前記第3画素とを含む複数の画素の境界に設けられる
前記(4)または(5)に記載の光検出装置。
(7)
前記読み出し回路は、前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとのそれぞれに電気的に接続され、前記第2フローティングディフュージョンに蓄積された電荷に基づく信号と、前記第3フローティングディフュージョンに蓄積された電荷に基づく信号とを出力可能である
前記(4)から(6)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(8)
前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとを接続する配線をさらに備え、
前記読み出し回路は、前記配線を介して、前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとのそれぞれに電気的に接続される
前記(7)に記載の光検出装置。
(9)
前記配線は、前記読み出し回路の周囲に設けられる
前記(8)に記載の光検出装置。
(10)
前記読み出し回路は、増幅トランジスタとリセットトランジスタとを含み、
前記増幅トランジスタ及び前記リセットトランジスタは、前記配線を介して、前記第2フローティングディフュージョンと前記第3フローティングディフュージョンとのそれぞれに電気的に接続される
前記(8)または(9)に記載の光検出装置。
(11)
前記第1画素及び前記第2画素は、それぞれ、第1波長の光を透過する第1フィルタを有し、
前記第1光電変換素子は、前記第1フィルタを透過した光を光電変換し、
前記第2光電変換素子は、前記第1フィルタを透過した光を光電変換する
前記(4)から(10)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(12)
前記第3画素は、第2波長の光を透過する第2フィルタを有し、
前記第3光電変換素子は、前記第2フィルタを透過した光を光電変換する
前記(11)に記載の光検出装置。
(13)
前記第1画素は、第1波長の光を透過する第1フィルタを有し、
前記第2画素は、第2波長の光を透過する第2フィルタを有し、
前記第1光電変換素子は、前記第1フィルタを透過した光を光電変換し、
前記第2光電変換素子は、前記第2フィルタを透過した光を光電変換する
前記(4)から(10)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(14)
前記第3画素は、前記第2フィルタを有し、
前記第3光電変換素子は、前記第2フィルタを透過した光を光電変換する
前記(13)に記載の光検出装置。
(15)
前記第1画素と前記第2画素と前記第3画素とにそれぞれ設けられたレンズを有する
前記(4)から(14)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(16)
前記第2画素及び前記第3画素に対して設けられたレンズを有する
前記(4)から(14)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(17)
前記転送トランジスタは、前記第1光電変換素子に対して設けられる第1ゲート電極と、前記第1ゲート電極と電気的に接続され、前記第2光電変換素子に対して設けられる第2ゲート電極とを含む
前記(1)から(16)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(18)
前記第1半導体層に積層される第2半導体層を有し、
前記第2半導体層は、前記読み出し回路の少なくとも一部を有する
前記(4)から(17)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(19)
前記分離部は、前記第1半導体層において、前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子をそれぞれ囲むように設けられるトレンチを有する
前記(1)から(18)のいずれか1つに記載の光検出装置。
(20)
光学系と、
前記光学系を透過した光を受光する光検出装置と
を備え、
前記光検出装置は、
第1半導体層にそれぞれ設けられる第1光電変換素子及び第1フローティングディフュージョンを含む第1画素と、
前記第1半導体層にそれぞれ設けられる第2光電変換素子及び第2フローティングディフュージョンを含み、前記第1画素の隣に設けられる第2画素と、
前記第1光電変換素子で光電変換された電荷を前記第1フローティングディフュージョンに転送可能であると共に、前記第2光電変換素子で光電変換された電荷を前記第2フローティングディフュージョンに転送可能な転送トランジスタと、
前記第1光電変換素子及び前記第2光電変換素子のそれぞれを囲むように前記第1半導体層に設けられる分離部と
を有し、
前記転送トランジスタの少なくとも一部は、前記第1画素と前記第2画素との境界に設けられる
電子機器。
【符号の説明】
【0224】
1…撮像装置、10…第1半導体層、12…光電変換部、15…第2半導体層、20…読み出し回路、21…レンズ、25…フィルタ、40…導光部、50…絶縁層、60…分離部。
図1
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