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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112758
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】方立およびカーテンウォール
(51)【国際特許分類】
   E04B 2/96 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
E04B2/96
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023156236
(22)【出願日】2023-09-21
(31)【優先権主張番号】P 2023017606
(32)【優先日】2023-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 哲也
(72)【発明者】
【氏名】野村 佳五
(72)【発明者】
【氏名】石橋 利彦
(72)【発明者】
【氏名】磯良 淳
【テーマコード(参考)】
2E002
【Fターム(参考)】
2E002NA04
2E002NB01
2E002NC03
2E002PA01
2E002QA06
2E002QC03
2E002WA17
2E002XA08
2E002XA09
(57)【要約】
【課題】断熱性の高い方立およびカーテンウォールを提供する。
【解決手段】屋外に設けられるゴンドラを上下方向にガイドするための屋外側に開口する溝部16が形成され、溝部16の互いに対向する両方の側部それぞれにおける屋外側の部分に取り付けられて、互いに対向する側に突出する一対の遮蔽部材4,4を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋外に設けられるゴンドラを上下方向にガイドするための屋外側に開口する溝部が形成され、
前記溝部の互いに対向する両方の側部それぞれにおける屋外側の部分に取り付けられて、互いに対向する側に突出する一対の遮蔽部材を有する方立。
【請求項2】
前記溝部には、前記ゴンドラのガイド部材を挿入可能であり、
前記溝部に前記ガイド部材が挿入されていない状態において、前記一対の遮蔽部材の先端部の間隔は、10mm未満である請求項1に記載の方立。
【請求項3】
前記溝部には、前記ゴンドラのガイド部材を挿入可能であり、
前記溝部に前記ガイド部材が挿入されていない状態において、
前記一対の遮蔽部材の先端部どうしは、接触している請求項1に記載の方立。
【請求項4】
屋外側に配置される金属製の屋外部材と、
屋内側に配置される金属製の屋内部材と、
前記屋外部材と前記屋内部材との間に配置され、前記屋外部材と前記屋内部材とを連結する樹脂製の連結材と、を有し、
前記屋外部材、前記屋内部材および前記連結材は、前記溝部の前記側部を形成している請求項1から3のいずれか1項に記載の方立。
【請求項5】
前記遮蔽部材は、板状の弾性材である請求項1から3のいずれか1項に記載の方立。
【請求項6】
前記一対の遮蔽部材それぞれの互いに対向する側の上端部および下端部には、隅切り部が形成されている請求項5に記載の方立。
【請求項7】
前記遮蔽部材の表面には、すべり材が設けられている請求項5に記載の方立。
【請求項8】
前記遮蔽部材は、モヘア材である請求項1から3のいずれか1項に記載の方立。
【請求項9】
前記遮蔽部材は、ブラシ材である請求項1から3のいずれか1項に記載の方立。
【請求項10】
請求項1から3のいずれか一項に記載の方立を有するカーテンウォール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、方立およびカーテンウォールに関する。
【背景技術】
【0002】
カーテンウォールの方立には、屋外の窓清掃などに使用されるゴンドラの昇降をガイドするための溝部が形成されていることがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開平3-8219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
溝部の内周面は、外気に晒されている。屋外の冷気によって溝部の内周面が冷やされると、その冷気が方立部材全体に伝わり、方立部材から屋内に伝わってしまうことがある。
方立にゴンドラの昇降をガイドするための溝部が形成されていると、断熱性が低いという問題がある。
【0005】
本開示は、断熱性の高い方立およびカーテンウォールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示に係る方立は、屋外に設けられるゴンドラを上下方向にガイドするための屋外側に開口する溝部が形成され、前記溝部の互いに対向する両方の側部それぞれにおける屋外側の部分に取り付けられて、それぞれ互いに対向する側に突出する一対の遮蔽部材を有する。
【0007】
上記目的を達成するため、本開示に係るカーテンウォールは、上記の方立を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】方立が設けられたカーテンウォールの正面図である。
図2図1のA-A線断面図である。
図3図1のB-B線断面図である。
図4】第1実施形態の溝部にガイド部材が挿入された方立の水平断面図である。
図5】第1実施形態の溝部にガイド部材が挿入されていない方立の水平断面図である。
図6】第2実施形態の方立の水平断面図である。
図7】第3実施形態の溝部にガイド部材が挿入された方立の水平断面図である。
図8】第3実施形態の溝部にガイド部材が挿入されていない方立の水平断面図である。
図9】第3実施形態の遮蔽部材の水平断面図である。
図10】第3実施形態の遮蔽部材の正面図である。
図11】第4実施形態の方立の水平断面図である。
図12】第4実施形態の連結部材の水平断面図である。
図13】第4実施形態の出隅の方立の水平断面図である。
図14】第4実施形態の入隅の方立の水平断面図である。
図15】第4実施形態の無目の水平断面図である。
図16】第4実施形態の他の無目の水平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1から図3に示すようにカーテンウォール13Aには、方立1Aが設けられている。
図面では、屋外を符号11で示し、屋内を符号12で示す。以下では、カーテンウォール13Aに沿った水平方向を左右方向と表記する。左右方向は、特許請求の範囲の「幅方向」に相当する。図面では、左右方向を矢印Xで示す。カーテンウォール13Aに直交する方向であり、左右方向に直交する方向を屋内外方向と表記する。図面では、屋内外方向を矢印Yで示す。図面では、上下方向を矢印Zで示す。方立1Aを屋外側から見た際の右側を「左右方向の一方側」と表記する。方立1Aを屋外側から見た際の左側を「左右方向の他方側」と表記する。方立1Aを構成する各部材の説明においては、それぞれの部材がカーテンウォール13Aの定位置に設置されている姿勢である。
【0010】
方立1Aは、上下方向に延びている。方立1Aは、左右方向に間隔をあけて複数配列されている。図4に示すように、方立1Aは、方立部材2と、屋外端部材3と、遮蔽部材4、を有する。方立1Aには、上下方向全体にわたって、屋外側に開口する溝部16が形成されている。溝部16には、カーテンウォール13Aの屋外側に設けられた清掃用などのゴンドラのローラー17およびローラー17を支持する支持材18を挿入可能である。溝部16は、ゴンドラを上下方向にガイドする。ローラー17および支持材18は、溝部16に沿って昇降する。ローラー17および支持材18は、特許請求の範囲の「ガイド部材」に相当する。図5に示すように、ローラー17および支持材18は、カーテンウォール13Aの屋外側にゴンドラを設置しないときには、溝部16から取り外される。図5は、特許請求の範囲の「溝部にガイド部材が挿入されていない状態」を示している。方立部材2および屋外端部材3は、金属製である。
【0011】
図4に示すように、方立1Aには、第1ガラス溝部1aと、第2ガラス溝部1bが形成されている。第1ガラス溝部1aは、左右方向の一方側に開口している。第1ガラス溝部1aには、方立1Aの左右方向の一方側に配置される複層ガラス15の端部151が嵌め込まれる。第2ガラス溝部1bは、左右方向の他方側に開口している。第2ガラス溝部1bには、方立1Aの左右方向の他方側に配置される複層ガラス15の端部151が嵌め込まれる。第1ガラス溝部1aおよび第2ガラス溝部1bは、方立1Aにおける屋外側の部分に形成されている。
【0012】
方立部材2、屋外端部材3および遮蔽部材4は、それぞれ長尺に形成されている。方立部材2、屋外端部材3および遮蔽部材4は、それぞれ上下方向に延びる姿勢に配置されている。方立部材2、屋外端部材3および遮蔽部材4それぞれの水平断面形状は、上下方向全体にわたって同じ形状である。
【0013】
方立部材2は、第1方立部材6と、第2方立部材7と、有する。第1方立部材6は、第2方立部材7の左右方向の一方側に配置されている。第1方立部材6と第2方立部材7とは連結されている。溝部16は、第1方立部材6と第2方立部材7との間に形成されている。
【0014】
第1方立部材6は、第1溝形成部61と、第1屋内部62と、を有する。第1溝形成部61は、溝部16の左右方向の一方側の側部および底部を形成する。第1屋内部62は、第1溝形成部61の屋内側に設けられている。第1溝形成部61は、第1側板部63と、第2側板部64と、第3側板部65と、底板部66と、を有する。第1側板部63、第2側板部64、第3側板部65および底板部66は、この順に屋外側から屋内側に配列されている。
【0015】
第1側板部63、第2側板部64、第3側板部65および底板部66は、それぞれ平板状に形成されている。第1側板部63は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。
第1側板部63の屋内外方向の中間部には、左右方向の他方側に突出する爪部631が形成されている。第2側板部64は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。第2側板部64は、第1側板部63の屋内側の端部から左右方向の一方側に延びている。
【0016】
第3側板部65は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。第3側板部65は、第2側板部64の左右方向の一方側の端部から屋内側に延びている。底板部66は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。底板部66は、第3側板部65の屋内側の端部から左右方向の他方側に延びている。第1側板部63、第2側板部64および第3側板部65は、溝部16の左右方向の一方側の側部を形成している。底板部66は、溝部16の底部のうちの左右方向の一方側の部分を形成している。
【0017】
第1側板部63と第2側板部64との角部には、屋内側かつ左右方向の他方側、すなわち溝部16側に突出する第1突出部641が形成されている。第3側板部65の屋内外方向の中間部には、左右方向の他方側、すなわち溝部16側に突出する第2突出部651が形成されている。底板部66の左右方向の中間部には、屋外側、すなわち溝部16側に突出する第3突出部661が形成されている。第1突出部641、第2突出部651および第3突出部661には、ローラー17が接触する。
【0018】
第1屋内部62は、第4側板部621と、屋内板部622と、中板部623と、を有する。第4側板部621、屋内板部622および中板部623は、それぞれ平板状に形成されている。第4側板部621は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。第4側板部621は、第3側板部65の屋内側に連続している。第4側板部621の幅方向の一方側の面と、第3側板部65の幅方向の一方側の面とは、面一に配置されている。屋内板部622は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。屋内板部622は、第4側板部621の屋内側の端部から左右方向の他方側に延びている。屋内板部622の左右方向の他方側の端部には、屋外側に開口する溝部622aが形成されている。溝部622a左右方向の両側部それぞれにおける屋外側の端部には、溝部622aの内側に向かって左右方向に突出する爪部622b,622bが形成されている。
【0019】
中板部623は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。中板部623は、第4側板部621の屋内外方向の中間部から左右方向の他方側に延びている。中板部623は、底板部66の屋内側に間隔をあけて配置されている。中板部623は、屋内板部622の屋外側に間隔をあけて配置されている。
【0020】
第2方立部材7は、第2溝形成部71と、第2屋内部72と、を有する。第2溝形成部71は、溝部16の左右方向の他方側の側部および底部を形成する。第2屋内部72は、第2溝形成部71の屋内側に設けられている。第2溝形成部71は、第1側板部73と、第2側板部74と、第3側板部75と、底板部76と、第1接続部77と、を有する。第1側板部73、第2側板部74、第3側板部75は、第1溝形成部61の第1側板部63、第2側板部64、第3側板部65を左右方向に反転させた形状および配置である。第1側板部73と第2側板部74との角部には、第1側板部63と第2側板部64との角部の第1突出部641に対応する第1突出部741が形成されている。第3側板部75には、第3側板部65の第2突出部651に対応する第2突出部751が形成されている。底板部76は、第3側板部75の屋外側の端部から左右方向の一方側に延びている。第1接続部77は、底板部76の左右方向の他方側の端部から屋内側に突出し、屈曲して左右方向の他方側に延びている。底板部76の左右方向の中間部には、屋外側、すなわち溝部16側に突出する第3突出部761が形成されている。
【0021】
第2屋内部72は、第4側板部721と、屋内板部722と、中板部723と、第2接続部724と、第3接続部725と、を有する。第2屋内部72における第4側板部721、屋内板部722および中板部723は、第1屋内部62における第4側板部621、屋内板部622および中板部623を左右方向に反転させた配置および形状である。屋内板部722の左右方向の一方側の端部には、屋内板部622の溝部622aおよび爪部622b,622bと同様の溝部722aおよび爪部722b,722bが形成されている。第2接続部724は、屋内板部722の左右方向の他方側の端部から屋外側に突出し、屈曲して左右方向の他方側に延びている。第2接続部724は、爪部722b,722bよりも屋外側に配置されている。第3接続部725は、中板部723の左右方向の他方側の端部から屋外側に突出し、屈曲して左右方向の他方側に延びている。第4側板部721は、第3側板部75の屋内側に連続している。第4側板部721の幅方向の他方側の面と、第3側板部75の幅方向の他方側の面とは、面一に配置されている。
【0022】
第1溝形成部61と第2溝形成部71とは、左右方向に対向して配置されている。第1溝形成部61の第1側板部63、第2側板部64および第3側板部65は、第2溝形成部71の第1側板部73、第2側板部74および第3側板部75と左右方向に間隔をあけて対向して配置されている。第1溝形成部61の底板部66と第2溝形成部71の底板部76とは、左右方向に対向して配置されている。第1接続部77の左右方向の一方側の端部、すなわち先端部は、第1溝形成部61の底板部66の左右方向の他方側の端部の屋内側に重なって配置されている。第1接続部77の左右方向の一方側の端部には、気密材771が取り付けられている。気密材771は、第1溝形成部61の底板部66の屋内側の面に接触している。
【0023】
第1溝形成部61の第1側板部63、第2側板部64および第3側板部65は、溝部16の左右方向の一方側の側部を形成している。第2溝形成部71の第1側板部73、第2側板部74および第3側板部75は、溝部16の左右方向の他方側の側部を形成している。第1溝形成部61の底板部66、第2溝形成部71の底板部76および第1接続部77は、溝部16の底部を形成している。
【0024】
第1屋内部62と第2屋内部72とは、左右方向に対向して配置されている。第1屋内部62の屋内板部622と第2屋内部72の屋内板部722とは、左右方向に対向して配置されている。第2接続部724の左右方向の一方側の端部724a、すなわち先端部は、第1屋内部62の屋内板部622の左右方向の他方側の端部の屋外側に重なって配置されている。第2接続部724の左右方向の一方側の端部724aは、屋内板部622の左右方向の他方側の端部に設けられた爪部622b,622bのうちの左右方向の他方側に位置する爪部622bの屋外側に重なっている。第2接続部724の左右方向の一方側の端部724aは、屋内板部622の溝部622aを塞がない位置に設けられている。第1屋内部62の屋内板部622と、第2接続部724との境界部は、屋外側から連結部材8によって固定されている。連結部材8は、断面形状がC字形の部材である。連結部材8は、連結板部81と、第1突出片82と、第2突出片83と、を有する。連結板部81は、第2接続部724の屋外側に重なって配置される、第1突出片82は、連結板部81の左右方向の一方側の端部から屋内側に突出している。第1突出片82は、屋内板部622の溝部622aに屋外側から挿入される。第1突出片82の先端部には、左右方向の他方側に突出する爪部821が形成されている。第1突出片82の爪部821は、爪部622bの屋内側、すなわち溝部622aの底部側に重なる。第2突出片83は、連結板部81の左右方向の他方側の端部から屋外側に突出している。第2突出片83は、屋内板部722の溝部722aに屋外側から挿入される。第2突出片83の先端部には、左右方向の一方側に突出する爪部831が形成されている。第2突出片83の爪部831は、爪部722bの屋内側、すなわち溝部722aの底部側に重なる。
【0025】
連結部材8は、方立1Aの上方から落とし込むようにして、第1突出片82および第2突出片83が第1方立部材6の溝部622a、第2方立部材7の722aに挿入される。第1方立部材6の第1屋内部62と、第2方立部材7の第2屋内部72とは、連結部材8によって連結されている。これにより、カーテンウォール13Aに風外力が作用した際に、第1方立部材6と第2方立部材7とが左右方向に離れて開くことが防止される。特に、カーテンウォール13Aに負圧が作用した場合に、第1方立部材6と第2方立部材7とが、互いの屋内側互いに開くように回転しようとする場合に、回転を拘束できる。
【0026】
第1屋内部62の中板部623と、第2屋内部72の中板部723とは、左右方向に対向して配置されている。第3接続部725の左右方向の一方側の端部、すなわち先端部は、第1屋内部62の屋内板部622の左右方向の他方側の端部の屋外側に重なって配置されている。第3接続部725の左右方向の一方側の端部には、気密材725aが取り付けられている。気密材725aは、気密材725aの屋外側の面に接触している。
【0027】
方立部材2には、第1方立部材6の底板部66、第4側板部621、中板部623、第2方立部材7の底板部76、第1接続部77、第4側板部721、中板部723および第3接続部725に囲まれた空部221が形成されている。方立部材2には、第1方立部材6の第4側板部621、屋内板部622、中板部623、第2方立部材7の第4側板部721、屋内板部722、中板部723、第2接続部724および第3接続部725に囲まれた中空部222が形成されている。
【0028】
屋外端部材3は、第1溝形成部61の第1側板部63および第2溝形成部71の第1側板部73それぞれに取り付けられている。第1溝形成部61の第1側板部63に取り付けられる屋外端部材3について説明する。第2溝形成部71の第1側板部73に取り付けられる屋外端部材3については、第1溝形成部61の第1側板部63に取り付けられる屋外端部材3を左右反転させた形状であるため、説明を省略する。
【0029】
屋外端部材3は、側板部31と、端板部32と、突出部33と、を有する。側板部31および端板部32は、平板状に形成されている。側板部31は、板面が左右方向に向く姿勢に配置されている。側板部31の屋内側の端部には、左右方向の一方側に突出する爪部311が形成されている。側板部31の屋内外方向の中間部には、左右方向の一方側に張り出すように凹み、左右方向の他方側に開口する凹部312が形成されている。側板部31の左右方向の一方側の面には、凹部312に対応する凸部313が形成されている。端板部32は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置されている。端板部32は、側板部31の屋外側の端部から左右方向の一方側に突出している。端板部32の左右方向の一方側の端部には、屋内側に突出する凸部321が形成されている。
【0030】
側板部31は、第1方立部材6の第1側板部63に左右方向の他方側から重なっている。側板部31の爪部311は、第1側板部63の爪部631と噛み合っている。側板部31の凸部313は、第1側板部63の左右方向の他方側の面と接触している。側板部31の左右方向の一方側の面と、第1側板部63の左右方向の他方側の面との間には、間隔が形成されている。側板部31と突出部33との間には、第1側板部63の屋外側の端部が挿入されている。突出部33は、第1側板部63の左右方向の一方側の面と接触している。
【0031】
側板部31の左右方向の他方側の面は、溝部16の側面を構成している。すなわち、側板部31の左右方向の他方側の面は、溝部16に面している。端板部32は、第1側板部63の屋外側に配置されている。端板部32は、第1溝形成部61の第1側板部63の屋外側に間隔をあけて対向して配置されている。第1側板部63と側板部31との間には、第1側板部63、爪部631、側板部31および凸部313に囲まれた中空部341が形成されている。第1側板部63と側板部31との間には、第1側板部63、側板部31、凸部313および端板部32に囲まれた中空部342が形成されている。
【0032】
第1溝形成部61の第1側板部63および第2側板部64と、屋外端部材3の端板部32および突出部33とは、第1ガラス溝部1aを形成している。上述しているように、第1ガラス溝部1aには、複層ガラス15の端部151が嵌め込まれている。第2側板部64と、複層ガラス15の屋内側の面との間には、シール材152が設けられている。端板部32の凸部321と、複層ガラス15の屋外側の面との間には、パッキン材153が嵌め込まれている。屋外端部材3は、複層ガラス15を抑えるための押縁である。
【0033】
遮蔽部材4は、第1溝形成部61の第1側板部63の屋外側の端部に取り付けられた屋外端部材3、および第2溝形成部71の第1側板部73の屋外側の端部に取り付けられた屋外端部材3それぞれに固定されている。第1溝形成部61の第1側板部63の屋外側の端部に取り付けられた屋外端部材3、および第2溝形成部71の第1側板部73の屋外側の端部に取り付けられた屋外端部材3は、特許請求の範囲の「溝部の互いに対向する両方の側部それぞれにおける屋外側の部分」に相当する。第1溝形成部61の第1側板部63の屋外側の端部に取り付けられた屋外端部材3に固定された遮蔽部材4を「第1遮蔽部材41」と表記する。第2溝形成部71の第1側板部73の屋外側の端部に取り付けられた屋外端部材3に固定された遮蔽部材4を「第2遮蔽部材42」と表記する。第1遮蔽部材41および第2遮蔽部材42は、特許請求の範囲の「一対の遮蔽部材」に相当する。第1遮蔽部材41について説明する。第2遮蔽部材42については、第1遮蔽部材41を左右方向に反転させた形状および配置であるため、説明を省略する。
【0034】
第1遮蔽部材41は、板状に形成されたゴムなどで形成されている。第1遮蔽部材41は、方立1Aの上下方向の長さ全体にわたって設けられている。ゴムは、特許請求の範囲の「弾性材」に含まれる。遮蔽部材4は、固定部43と、遮蔽部44と、を有する。固定部43は、固定板部431と、固定凸部432と、を有する。固定板部431、固定凸部432および遮蔽部44は、一体に形成されている。固定凸部432は、屋外端部材3の側板部31の左右方向の他方側の面に沿って配置されている。固定板部431は、屋外端部材3の側板部31の左右方向の他方側の面に沿って配置されている。
【0035】
遮蔽部44は、固定板部431の屋外側の端部から左右方向の他方側、すなわち溝部16側に突出している。遮蔽部44における固定板部431と接続されている基端部441は、左右方向に延びている。遮蔽部44における左右方向の他方側の先端部442は、屋内側に屈曲している。
【0036】
第1遮蔽部材41と第2遮蔽部材42とは、左右方向に対向して配置されている。第1遮蔽部材41の遮蔽部44と、第2遮蔽部材42の遮蔽部44とは、互いに対向する側に突出している。図5に示すように、第1遮蔽部材41の遮蔽部44の先端部442と、第2遮蔽部材42の遮蔽部44の先端部442との間隔dは、溝部16にローラー17および支持材18が挿入されていない状態において、10mm未満である。図4に示すように、第1遮蔽部材41と第2遮蔽部材42との間には、ゴンドラのローラー17を支持する支持材18が配置される。第1遮蔽部材41の先端部442および第2遮蔽部材42の先端部442は、溝部16に挿入された支持材18と接触するように設計されている。第1遮蔽部材41および第2遮蔽部材42の遮蔽部44の表面には、すべり材443が設けられている。すべり材は、例えば、テフロンなどのコーティングである。「テフロン」は、登録商標である。
【0037】
ローラー17は、溝部16における第1方立部材6の第2側板部64、および第2方立部材7の第2側板部74よりも屋内側の領域に配置される。溝部16に配置されたローラー17は、第1溝形成部61および第2溝形成部71それぞれの第1突出部641,741、第2突出部651,751および第3突出部661,761と接触している。
【0038】
方立1Aには、溝部16の側部の屋外側の部分、すなわち、溝部16の両側方の屋外端部材3の側板部31,31に取り付けられて互いに対向する側に突出する一対の遮蔽部材4,4が設けられている。溝部16の内部に、屋外の冷気が流入することを抑制できる。
その結果、屋外の冷気が方立部材2を介して屋内に伝達することを抑制できて、方立1Aの断熱性を向上できる。屋外の冷気が方立部材2に伝達しにくいため、方立1Aの屋外側に結露が生じることを防止できる。すなわち、方立1Aの防露性を向上できる。方立1Aの断熱性および防露性が向上されることによって、カーテンウォール13Aの断熱性および防露性を向上できる。
【0039】
一対の遮蔽部材4,4それぞれの先端部442の間隔dは、溝部16にローラー17および支持材18が挿入されていない状態において、10mm未満である。一対の遮蔽部材4,4は、溝部16の内部に、屋外の冷気が流入することを抑制できる。
【0040】
遮蔽部材4の遮蔽部44の表面には、すべり材443が設けられている。ゴンドラのローラー17を支持する支持材18は、一対の遮蔽部材4,4の間をスムーズに移動できる。支持材18が移動することによる遮蔽部材4の損傷が抑制される。
【0041】
(第2実施形態)
図6に示すように、第2実施形態によるカーテンウォール13Bの方立1Bは、方立部材2Bの第1方立部材6Bおよび第2方立部材7Bの屋外側に、ブリッジ材92を介して屋外部材91が連結されている。屋外部材91は、金属製である。ブリッジ材92は、樹脂製である。第1方立部材6Bと第2方立部材7Bとは、左右方向に反転させた配置および形態である。第1方立部材6Bの屋外側に設けられる屋外部材91、ブリッジ材92、屋外端部材3および遮蔽部材4と、第2方立部材7Bの屋外側に設けられる屋外部材91、ブリッジ材92、屋外端部材3および遮蔽部材4とは、左右方向に反転させた配置および形態である。方立部材2B、第1方立部材6Bおよび第2方立部材7Bは、特許請求の範囲の「屋内部材」に相当する。
【0042】
第2実施形態の第1方立部材6Bの第1側板部63Bは、第1実施形態の第1方立部材6の第1側板部63よりも屋内外方向に短く形成されている。第1方立部材6Bは、屋外板部67と、突出片68と、を有する。屋外板部67は、第1側板部63Bの屋外側の端部から左右方向の他方側に延びている。突出片68は、屋外板部67の左右方向の他方側の端部から屋内側に延びている。突出片68の屋内側の端部681は、左右方向の一方側に屈曲している。突出片68の屋内側の端部は、底板部66の屋外側に間隔をあけて配置されている。第2実施形態では、第1側板部63Bと第2側板部64との角部に第1突出部641が形成されていない。第2実施形態では、ローラー17は、第1突出部641に代わって突出片68の屋内側の端部681と接触する。
【0043】
ブリッジ材92は、屋外板部67と屋外部材91とをカシメ加工によって連結している。ブリッジ材92は、特許請求の範囲の「連結材」に相当する。屋外部材91の屋外側に屋外端部材3が設けられている。屋外端部材3は、屋外部材91に固定されている。遮蔽部材4Bは、屋外端部材3に固定されている。屋外端部材3は、複層ガラス15を抑えるための押縁である。
【0044】
屋外部材91は、固定部911と、屋外板部912と、を有する。固定部911は、ブリッジ材92と固定される。屋外板部912は、平板状に形成されている。屋外板部912は、板面が左右方向を向く姿勢に配置されている。屋外板部912は、固定部911から屋外側に延びている。屋外板部912には、屋内外方向の中間部に爪部913が形成されている。
【0045】
屋外端部材3の側板部31は、屋外部材91の屋外板部912に左右方向の他方側から重なっている。側板部31の爪部311は、屋外板部912の爪部913と噛み合っている。側板部31の凸部313は、屋外板部912の左右方向の他方側の面と接触している。側板部31の凸部313と屋外板部912の左右方向の他方側の面との間には、隙間が形成されていてもよい。側板部31の左右方向の一方側の面と、屋外板部912の左右方向の他方側の面との間には、間隔が形成されている。側板部31と突出部33との間には、屋外板部912の屋外側の端部が挿入されている。突出部33は、屋外板部912の左右方向の一方側の面と接触している。
【0046】
一対の遮蔽部材4,4は、第1実施形態と同様に、屋外端部材3に取り付けられている。一対の遮蔽部材41の先端部の間隔は、溝部16にローラー17および支持材18が挿入されていない状態において、10mm未満である。屋外端部材3と屋外部材91との間には、側板部31、爪部311、凸部313、屋外板部912および爪部913に挟まれた空部343が形成されている。屋外端部材3と屋外部材91との間には、側板部31、端板部32、突出部33および屋外板部912に挟まれた空部344が形成されている。
【0047】
第2実施形態の方立1Bは、第1実施形態の方立1Aと同様の効果を奏する。第2実施形態の方立部材2Bと屋外部材91とは、樹脂製のブリッジ材92を介して連結されている。屋外部材91が屋外の冷気によって冷やされた場合でも、ブリッジ材92によって屋外部材91から方立部材2Bに冷気が伝達することを防止できる。その結果、屋外の冷気が方立部材2を介して屋内に伝達することを抑制できて、方立1Bの断熱性を向上できる。屋外の冷気が方立部材2Bに伝わらないため、方立1Bの屋外側に結露が生じることを防止できる。すなわち、方立1Bの防露性を向上できる。方立1Bの断熱性および防露性が向上されることによって、カーテンウォール13Bの断熱性および防露性を向上できる。
【0048】
(第3実施形態)
図7および図8に示すように、第3実施形態によるカーテンウォール13Cの方立1Cは、第1実施形態の方立1Aと、一対の遮蔽部材4C,4Cの遮蔽部44Cの形状が異なっている。図9に示すように、溝部16の左右方向の一方側に位置する第1遮蔽部材41Cの遮蔽部44Cは、第1遮蔽部材41Cの固定部43Cの屋外側の端部から左右方向の他方側に向かって漸次屋外側に延びている。溝部16の左右方向の他方側に位置する第2遮蔽部材42Cの遮蔽部44Cは、第2遮蔽部材42Cの固定部43Cの屋外側の端部から左右方向の一方側に向かって漸次屋外側延びている。
【0049】
図8に示すように、第1遮蔽部材41Cの遮蔽部44Cの先端部442と、第2遮蔽部材42Cの遮蔽部44Cの先端部442とは、間にローラー17の支持材18が設けられていない状態、すなわち溝部16にローラー17および支持材18が挿入されていない状態において、接触している。図7に示すように、第1遮蔽部材41Cの遮蔽部44Cの先端部442と、第2遮蔽部材42Cの遮蔽部44Cの先端部442との間に、ゴンドラのローラー17の支持材18が配置されると、第1遮蔽部材41Cおよび第2遮蔽部材42Cそれぞれの遮蔽部44Cの先端部442が、さらに屋外側に向かうように屈曲する。第1遮蔽部材41Cおよび第2遮蔽部材42Cが屈曲する様子は、図9を参照する。第1遮蔽部材41Cおよび第2遮蔽部材42Cそれぞれの遮蔽部44Cの表面には、すべり材443が設けられている。図10に示すように、第1遮蔽部材41Cおよび第2遮蔽部材42Cそれぞれの先端部442における上端部および下端部には、角部が切り落とされた隅切り部45が形成されている。
【0050】
第3実施形態の方立1Cの一対の遮蔽部材4C,4Cの先端部442どうしは、溝部16にローラー17および支持材18が挿入されていない状態において、接触している。一対の遮蔽部材4C,4Cは、溝部16の内部に、屋外の冷気が流入することを抑制できる。その結果、屋外の冷気が方立部材2を介して屋内に伝達することを抑制できて、方立1Cの断熱性を向上できる。屋外の冷気が方立部材2に伝達しにくいため、方立1Cの屋外側に結露が生じることを防止できる。すなわち、方立1Cの防露性を向上できる。方立1Cの断熱性および防露性が向上されることによって、カーテンウォール13Cの断熱性および防露性を向上できる。
【0051】
(第4実施形態)
図11に示すように、第4実施形態によるカーテンウォール13Dの方立1Dは、屋外端部材3D、すなわち複層ガラス15を抑えるための押縁にブリッジ材37が設けられている。以下では、屋外端部材3Dを押縁3Dと表記する。押縁3Dは、第1方立部材6Dおよび第2方立部材7Dそれぞれの屋外側に連結されている。押縁3Dは、屋外押縁部材35と、屋内押縁部材36と、ブリッジ材37と、を有する。屋外押縁部材35は、屋内押縁部材36の屋外側に配置される。ブリッジ材37は、屋外押縁部材35と屋内押縁部材36との間に配置され、屋外押縁部材35と屋内押縁部材36とをカシメ加工によって連結している。屋外押縁部材35および屋内押縁部材36は、いずれも金属製の部材である。ブリッジ材37は、樹脂製の部材である。屋外押縁部材35、屋内押縁部材36およびブリッジ材37は、それぞれ長尺に形成されている。屋外押縁部材35、屋内押縁部材36およびブリッジ材37は、それぞれ上下方向に延びる姿勢に配置されている。屋外押縁部材35、屋内押縁部材36およびブリッジ材37それぞれの水平断面形状は、上下方向全体にわたって同じ形状である。
【0052】
屋内押縁部材36は、第1方立部材6Dおよび第2方立部材7Dの屋外側に固定される。屋内押縁部材36の屋内側の端部には、爪部311Dが設けられている。第1方立部材6Dおよび第2方立部材7Dそれぞれの屋外側の端部には、爪部311Dと噛み合う爪部631が設けられている。爪部311Dと爪部631とが噛み合うことによって、屋内押縁部材36が第1方立部材6Dおよび第2方立部材7Dに固定される。
【0053】
屋外押縁部材35は、ブリッジ固定部351と、端板部352と、を有する。ブリッジ固定部351は、ブリッジ材37に固定される。ブリッジ固定部351は、ブリッジ材37の屋外側に位置する。ブリッジ固定部351は、板面が左右方向を向き、溝部16に面する側面351aを有する。ブリッジ固定部351の側面351aには、遮蔽部材4Dが取り付けられる。端板部352は、ブリッジ固定部351の屋外側の端部に接続されている。端板部352は、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置され複層ガラス15側に延びている。端板部352と複層ガラス15との間にパッキン材153がはめ込まれる。屋外押縁部材35には、ブリッジ固定部351と、端板部352と、に囲まれた中空部353が形成されている。
【0054】
押縁3Dにブリッジ材37が設けられていることにより、押縁と第1方立部材との間、および押縁と第2方立部材との間にブリッジ材を設ける場合と比べて、ブリッジ材を屋外側でかつ複層ガラス15に近い位置に設けることができる。このため、より屋外側において、屋外側の冷気が方立1Dを介して屋内に伝達することを防止できる。
【0055】
押縁3Dの屋外押縁部材35と屋内押縁部材36との間にブリッジ材37を設け、カシメ加工によって屋外押縁部材35と屋内押縁部材36とを連結している。ブリッジ材を押縁と第1方立部材との間、および押縁と第2方立部材との間に設けてカシメ加工を行って連結する場合と比べて、ブリッジ材37で連結する部材が小さいため、カシメ加工の作業を行いやすい。他の工場などでカシメ加工を行って製作された押縁3Dを持ち込んで方立1Dを製作すれば、カシメ加工ができない工場においてもブリッジ材37を設けた方立1Dを容易に製作できる。
【0056】
図12に示すように、第1方立部材6Dと第2方立部材7Dとを連結する連結部材8Dは、方立1Dに形成された屋内側に開口する孔部85から方立1Dの内部に挿入されてもよい。孔部85は、方立1Dの上部側で、天井裏となる位置などの屋内に露出しない位置に形成されている。孔部85は、第1方立部材6Dの屋内板部622の左右方向の他方側の端部近傍に形成された切り欠き部626と、第2方立部材7Dの第2接続部724および屋内板部722の左右方向の一方側の端部近傍に形成された切り欠き部726によって形成される。切り欠き部626と切り欠き部726とは、屋内外方向に重なっている。図12では、屋内板部622および屋内板部722における切り欠き部626,726が形成されている部分をハッチングで示している。
【0057】
連結部材8Dは、第1実施形態の連結部材8と同様の連結板部81、第1突出片82および第2突出片83に加えて、第3突出片86および第4突出片87を有する。第3突出片86は、連結板部81の左右方向の一方側の端部から屋外側に突出している。第3突出片86の先端部は、中板部623に屋内側から接触する。第4突出片87は、連結板部81の左右方向の他方側の端部から屋外側に突出している。第4突出片87の先端部は、中板部723に屋内側から接触する。
【0058】
連結部材8Dは、方立1Dの孔部85から挿入して落とし込むようにして、第1突出片82および第2突出片83が第1方立部材6の溝部622a、第2方立部材7の722aに挿入される。連結部材8Dは、第1方立部材6の第1屋内部62と、第2方立部材7の第2屋内部72とを連結できる。これにより、カーテンウォール13Dに風外力が作用した際に、第1方立部材6Dと第2方立部材7Dとが左右方向に離れて開くことが防止される。特に、カーテンウォール13Dに負圧が作用した場合に、第1方立部材6Dと第2方立部材7Dとが、互いの屋内側互いに開くように回転しようとする場合に、回転を拘束できる。
【0059】
図13に示すように、カーテンウォール13Dの出隅に設けられる方立1Eにおいても、押縁3Eにブリッジ材37Eが設けられている。方立1Eは、出隅の角部の一方側に位置する第1方立部材6Eと他方側に位置する第2方立部材7Eと、を有している。第1方立部材6Eと第2方立部材7Eとは、連結されている。押縁3Dは、第1方立部材6Eおよび第2方立部材7Eそれぞれの屋外側に連結されている。押縁3Eは、屋外押縁部材35Eと、屋内押縁部材36Eと、ブリッジ材37Eと、を有する。屋外押縁部材35Eは、屋内押縁部材36Eの屋外側に配置される。ブリッジ材37Eは、屋外押縁部材35Eと屋内押縁部材36Eとの間に配置され、屋外押縁部材35Eと屋内押縁部材36Eとをカシメ加工によって連結している。屋外押縁部材35Eおよび屋内押縁部材36Eは、いずれも金属製の部材である。ブリッジ材37Eは、樹脂製の部材である。屋外押縁部材35E、屋内押縁部材36Eおよびブリッジ材37Eは、それぞれ長尺に形成されている。屋外押縁部材35E、屋内押縁部材36Eおよびブリッジ材37Eは、それぞれ上下方向に延びる姿勢に配置されている。屋外押縁部材35E、屋内押縁部材36Eおよびブリッジ材37Eそれぞれの水平断面形状は、上下方向全体にわたって同じ形状である。
【0060】
屋内押縁部材36Eは、第1方立部材6Eおよび第2方立部材7Eの屋外側に固定される。屋内押縁部材36Eの屋内側の端部には、爪部311Eが設けられている。第1方立部材6Eおよび第2方立部材7Eそれぞれの屋外側の端部には、爪部311Eと噛み合う爪部631Eが設けられている。爪部311Eと爪部631Eとが噛み合うことによって、屋内押縁部材36Eが第1方立部材6Eおよび第2方立部材7Eに固定される。
【0061】
屋外押縁部材35Eは、ブリッジ固定部351Eと、端板部352Eと、を有する。ブリッジ固定部351Eは、ブリッジ材37Eに固定される。ブリッジ固定部351Eは、ブリッジ材37Eの屋外側に位置する。端板部352Eは、ブリッジ固定部351Eの屋外側の端部に接続されている。端板部352Eは、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置され複層ガラス15側に延びている。端板部352Eと複層ガラス15との間にパッキン材153がはめ込まれる。屋外押縁部材35には、ブリッジ固定部351Eと、端板部352と、に囲まれた中空部353Eが形成されている。端板部352Eは、ブリッジ固定部351Eの屋外側の端部から複層ガラス15側と離れる側、すなわち出隅の角側にも延びている。第1方立部材6Eと連結される押縁3Eの端板部352Eおよび第2方立部材7Eと連結される押縁3Eの端板部352Eのいずれか一方の出隅の角側の端部には、他方側に突出するパッキン材354が取り付けられている。
【0062】
押縁3Eにブリッジ材37Eが設けられていることにより、押縁と第1方立部材との間、および押縁と第2方立部材との間にブリッジ材を設ける場合と比べて、ブリッジ材を屋外側でかつ複層ガラス15に近い位置に設けることができる。このため、より屋外側において、屋外側の冷気が方立1Eを介して屋内に伝達することを防止できる。
【0063】
方立1Eには、第1方立部材6Eと第2方立部材7Eとを連結する連結部材8Eが設けられている。連結部材8Eは、第1連結部材84Eと第2連結部材85Eと、を有する。第1連結部材84Eは、第1方立部材6Eにネジなどの固定具で固定される。第1連結部材84Eは、第2方立部材7E側に突出している。第1連結部材84Eの先端部には、爪部841が形成されている。第2連結部材85Eは、第2方立部材7Eにネジなどの固定具で固定される。第2連結部材85Eは、第1方立部材6E側に突出している。第2連結部材85Eの先端部には、爪部851が形成されている。第1連結部材84Eと第2連結部材85Eとは、それぞれの先端部の爪部841,851が噛み合い、連結される。第1連結部材84Eと第2連結部材85Eとが連結されることによって、第1方立部材6Eと第2方立部材7Eとが連結される。これにより、カーテンウォール13Eに風外力が作用した際に、第1方立部材6Eと第2方立部材7Eとが互いに離れて開くことが防止される。
【0064】
図14に示すように、カーテンウォール13Dの入隅に設けられる方立1Fにおいても、押縁3Fにブリッジ材37Fが設けられている。方立1Fは、入隅の角部の一方側に位置する第1方立部材6Fと他方側に位置する第2方立部材7Fと、を有している。第1方立部材6Fと第2方立部材7Fとは、連結されている。押縁3Fは、第1方立部材6Fおよび第2方立部材7Fそれぞれの屋外側に連結されている。押縁3Fは、屋外押縁部材35Fと、屋内押縁部材36Fと、ブリッジ材37Fと、を有する。屋外押縁部材35Fは、屋内押縁部材36Fの屋外側に配置される。ブリッジ材37Fは、屋外押縁部材35Fと屋内押縁部材36Fとの間に配置され、屋外押縁部材35Fと屋内押縁部材36Fとをカシメ加工によって連結している。屋外押縁部材35Fおよび屋内押縁部材36Fは、いずれも金属製の部材である。ブリッジ材37Fは、樹脂製の部材である。屋外押縁部材35F、屋内押縁部材36Fおよびブリッジ材37Fは、それぞれ長尺に形成されている。屋外押縁部材35F、屋内押縁部材36Fおよびブリッジ材37Fは、それぞれ上下方向に延びる姿勢に配置されている。屋外押縁部材35F、屋内押縁部材36Eおよびブリッジ材37Fそれぞれの水平断面形状は、上下方向全体にわたって同じ形状である。
【0065】
屋内押縁部材36Fは、第1方立部材6Fおよび第2方立部材7Fの屋外側に固定される。屋内押縁部材36Fの屋内側の端部には、爪部311Fが設けられている。第1方立部材6Fおよび第2方立部材7Fそれぞれの屋外側の端部には、爪部311Fと噛み合う爪部631Fが設けられている。爪部311Fと爪部631Fとが噛み合うことによって、屋内押縁部材36Fが第1方立部材6Fおよび第2方立部材7Fに固定される。
【0066】
屋外押縁部材35Fは、ブリッジ固定部351Fと、端板部352Fと、を有する。ブリッジ固定部351Fは、ブリッジ材37Fに固定される。ブリッジ固定部351Fは、ブリッジ材37Fの屋外側に位置する。端板部352Fは、ブリッジ固定部351Fの屋外側の端部に接続されている。端板部352Fは、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置され複層ガラス15側に延びている。端板部352Fと複層ガラス15との間にパッキン材153がはめ込まれる。屋外押縁部材35Fには、ブリッジ固定部351Fと、端板部352Fと、に囲まれた中空部353Fが形成されている。端板部352Fは、ブリッジ固定部351Fの屋外側の端部から複層ガラス15側と離れる側、すなわち入隅隅の角側にも延びている。第1方立部材6Fと連結される押縁3Fの端板部352Fおよび第2方立部材7Fと連結される押縁3Fの端板部352Fのいずれか一方の出隅の角側の端部には、他方側に突出するパッキン材354Fが取り付けられている。
【0067】
押縁3Fにブリッジ材37Fが設けられていることにより、押縁と第1方立部材との間、および押縁と第2方立部材との間にブリッジ材を設ける場合と比べて、ブリッジ材を屋外側でかつ複層ガラス15に近い位置に設けることができる。このため、より屋外側において、屋外側の冷気が方立1Fを介して屋内に伝達することを防止できる。
【0068】
方立1Fには、第1方立部材6Fと第2方立部材7Fとを連結する連結部材8Fが設けられている。連結部材8Fは、第1連結部材84Fと第2連結部材85Fと、を有する。第1連結部材84Fは、第1方立部材6Fにネジなどの固定具で固定される。第1連結部材84Fは、第2方立部材7F側に突出している。第1連結部材84Fの先端部には、爪部841が形成されている。第2連結部材85Fは、第2方立部材7Fにネジなどの固定具で固定される。第2連結部材85Fは、第1方立部材6F側に突出している。第2連結部材85Fの先端部には、爪部851が形成されている。第1連結部材84Fと第2連結部材85Fとは、それぞれの先端部の爪部841,851が噛み合い、連結される。第1連結部材84Fと第2連結部材85Fとが連結されることによって、第1方立部材6Fと第2方立部材7Fとが連結される。これにより、カーテンウォール13Fに風外力が作用した際に、第1方立部材6Fと第2方立部材7Fとが互いに離れて開くことが防止される。
【0069】
図15に示すように、カーテンウォール13Dに設けられる無目9Gにおいても、押縁3Gにブリッジ材37Gが設けられている。無目9Gは、上側に位置する第1無目部材6Gと下側に位置する第2無目部材7Gと、を有している。第1無目部材6Gと第2無目部材7Gとは、連結されている。押縁3Gは、第1無目部材6Gおよび第2無目部材7Gそれぞれの屋外側に連結されている。押縁3Gは、屋外押縁部材35Gと、屋内押縁部材36Gと、ブリッジ材37Gと、を有する。屋外押縁部材35Gは、屋内押縁部材36Gの屋外側に配置される。ブリッジ材37Gは、屋外押縁部材35Gと屋内押縁部材36Gとの間に配置され、屋外押縁部材35Gと屋内押縁部材36Gとをカシメ加工によって連結している。屋外押縁部材35Gおよび屋内押縁部材36Gは、いずれも金属製の部材である。ブリッジ材37Gは、樹脂製の部材である。屋外押縁部材35G、屋内押縁部材36Gおよびブリッジ材37Gは、それぞれ長尺に形成されている。屋外押縁部材35G、屋内押縁部材36Gおよびブリッジ材37Gは、それぞれ左右方向に延びる姿勢に配置されている。屋外押縁部材35G、屋内押縁部材36Gおよびブリッジ材37Gそれぞれの鉛直断面形状は、左右方向全体にわたって同じ形状である。
【0070】
屋内押縁部材36Gは、第1無目部材6Gおよび第2無目部材7Gの屋外側に固定される。屋内押縁部材36Gの屋内側の端部には、爪部311Gが設けられている。第1無目部材6Gおよび第2無目部材7Gそれぞれの屋外側の端部には、爪部311Gと噛み合う爪部631Gが設けられている。爪部311Gと爪部631Gとが噛み合うことによって、屋内押縁部材36Gが第1無目部材6Gおよび第2無目部材7Gに固定される。
【0071】
屋外押縁部材35Gは、ブリッジ固定部351Gと、端板部352Gと、を有する。ブリッジ固定部351Gは、ブリッジ材37Gに固定される。ブリッジ固定部351Gは、ブリッジ材37Gの屋外側に位置する。端板部352Gは、ブリッジ固定部351Fの屋外側の端部に接続されている。端板部352Gは、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置され複層ガラス15側(上側または下側)に延びている。端板部352Gと複層ガラス15との間にパッキン材153がはめ込まれる。屋外押縁部材35Gには、ブリッジ固定部351Gと、端板部352Gと、に囲まれた中空部353Gが形成されている。第1無目部材6Gと連結される押縁3Fの端板部352Fおよび第2無目部材7Gと連結される押縁3Fの端板部352Fのいずれか一方には、他方側に突出するパッキン材354Gが取り付けられている。
【0072】
押縁3Gにブリッジ材37Gが設けられていることにより、押縁と第1無目部材との間、および押縁と第2無目部材との間にブリッジ材を設ける場合と比べて、ブリッジ材を屋外側でかつ複層ガラス15に近い位置に設けることができる。このため、より屋外側において、屋外側の冷気が無目9Gを介して屋内に伝達することを防止できる。
【0073】
図16に示すように、カーテンウォール13Dに設けられる無目9Hにおいても、押縁3Hにブリッジ材37Hが設けられている。無目9Hは、無目9Gのように第1無目部材6Gおよび第2無目部材7Gの2つの無目部材を有しておらず、1つの無目部材6Hを有する。押縁3Hは、無目部材6Hの屋外側に連結されている。押縁3Hは、屋外押縁部材35Hと、屋内押縁部材36Hと、ブリッジ材37Hと、を有する。屋外押縁部材35Hは、屋内押縁部材36Hの屋外側に配置される。ブリッジ材37Hは、屋外押縁部材35Hと屋内押縁部材36GHの間に配置され、屋外押縁部材35Hと屋内押縁部材36Hとをカシメ加工によって連結している。屋外押縁部材35Hおよび屋内押縁部材36Hは、いずれも金属製の部材である。ブリッジ材37Hは、樹脂製の部材である。屋外押縁部材35H、屋内押縁部材36Hおよびブリッジ材37Hは、それぞれ長尺に形成されている。屋外押縁部材35H、屋内押縁部材36Hおよびブリッジ材37Hは、それぞれ左右方向に延びる姿勢に配置されている。屋外押縁部材35H、屋内押縁部材36Hおよびブリッジ材37Hそれぞれの鉛直断面形状は、左右方向全体にわたって同じ形状である。
【0074】
屋内押縁部材36Hは、無目部材6Hの屋外側に固定される。屋内押縁部材36Hの屋内側の端部には、爪部311Hが設けられている。無目部材6Hの屋外側の端部には、爪部311Hと噛み合う爪部631Hが設けられている。爪部311Hと爪部631Hとが噛み合うことによって、屋内押縁部材36Hが無目部材6Hに固定される。
【0075】
屋外押縁部材35Hは、ブリッジ固定部351Hと、端板部352Hと、を有する。ブリッジ固定部351Hは、ブリッジ材37Hに固定される。ブリッジ固定部351Hは、ブリッジ材37Hの屋外側に位置する。端板部352Hは、ブリッジ固定部351Hの屋外側の端部に接続されている。端板部352Hは、板面が屋内外方向を向く姿勢に配置され上下に延びている。端板部352Hと複層ガラス15との間にパッキン材153がはめ込まれる。屋外押縁部材35Hには、ブリッジ固定部351Hと、端板部352Hと、に囲まれた中空部353Hが形成されている。
【0076】
押縁3Hにブリッジ材37Hが設けられていることにより、押縁と無目部材との間にブリッジ材を設ける場合と比べて、ブリッジ材を屋外側かつ複層ガラス15に近い位置に設けることができる。このため、より屋外側において、屋外側の冷気が無目1Hを介して屋内に伝達することを防止できる。
【0077】
本開示は上記の実施形態に限定されるものではなく、適宜変更可能である。例えば、遮蔽部材4は、ゴムなどの弾性体に代わって、モヘア材であってもよい。遮蔽部材4は、ゴムなどの弾性体に代わって、ブラシ材であってもよい。遮蔽部材4の表面には、すべり材443が設けられていなくてもよい。遮蔽部材4におけるすべり材443が設けられる範囲は、適宜設定されてよい。
【符号の説明】
【0078】
1A-1F 方立、2,2B 方立部材、4,4C 遮蔽部材、6,6B 第1方立部材、7,7B 第2方立部材、13A,13B,13C カーテンウォール、16 溝部、17 ローラー、18 支持材、45隅切り部、91 屋外部材、92 ブリッジ材、442 先端部、443 すべり材、d 間隔
図1
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