(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112761
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】電池パック
(51)【国際特許分類】
H01M 10/613 20140101AFI20240814BHJP
H01M 50/548 20210101ALI20240814BHJP
H01M 50/505 20210101ALI20240814BHJP
H01M 50/342 20210101ALI20240814BHJP
H01M 50/213 20210101ALI20240814BHJP
H01M 10/6553 20140101ALI20240814BHJP
H01M 10/659 20140101ALI20240814BHJP
H01M 50/204 20210101ALI20240814BHJP
H01M 50/383 20210101ALI20240814BHJP
H01M 10/643 20140101ALN20240814BHJP
【FI】
H01M10/613
H01M50/548 201
H01M50/505
H01M50/342 101
H01M50/213
H01M10/6553
H01M10/659
H01M50/204 401H
H01M50/383
H01M10/643
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023175535
(22)【出願日】2023-10-10
(31)【優先権主張番号】P 2023017704
(32)【優先日】2023-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001357
【氏名又は名称】弁理士法人つばさ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】本田 悦子
(72)【発明者】
【氏名】二階堂 雄太
【テーマコード(参考)】
5H012
5H031
5H040
5H043
【Fターム(参考)】
5H012AA01
5H012BB02
5H012DD05
5H031KK01
5H040AA37
5H040AT01
5H040NN01
5H040NN03
5H043AA04
5H043CA03
5H043FA04
5H043JA02
5H043JA07F
5H043JA12
5H043LA02
5H043LA21
(57)【要約】
【課題】誘爆の可能性を低減することの可能な電池パックを提供する。
【解決手段】本技術の一側面に係る電池パックは、複数の二次電池と、複数の二次電池を電気的に接続するタブと、吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材とを備える。吸熱部材は、二次電池とタブとの間であって、かつ二次電池とタブとの接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を電気的に接続するタブと、
吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材と
を備え、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間であって、かつ前記二次電池と前記タブとの接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
電池パック。
【請求項2】
前記二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面に設けられた正極と、前記第2端面に設けられた負極とを有し、
前記接続部は、前記正極と前記タブとが接続している第1接続部と、前記負極と前記タブとが接続している第2接続部とを有し、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間であって、かつ前記第1接続部および前記第2接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記吸熱部材は、前記第1接続部が挿入された第1貫通孔、および前記第2接続部が挿入された第2貫通孔を有する
請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記吸熱部材は、前記第1接続部が嵌合された第1貫通孔、および前記第2接続部が嵌合された第2貫通孔の少なくとも一方を有する
請求項2に記載の電池パック。
【請求項5】
前記第1接続部および前記第2接続部は、平面視で円形状となっており、
前記第1貫通孔は、平面視で前記第1接続部の直径以上の直径を有する円形状となっており、
前記第2貫通孔は、平面視で前記第2接続部の直径以上の直径を有する円形状となっている
請求項3に記載の電池パック。
【請求項6】
前記二次電池は、前記正極の周囲に設けられたスリット部と、前記スリット部内に設けられた開裂弁とを有し、
前記吸熱部材は、前記スリット部を覆うように設けられる
請求項2に記載の電池パック。
【請求項7】
前記吸熱部材は、前記スリット部の内部にも設けられる
請求項6に記載の電池パック。
【請求項8】
前記吸熱部材は、前記タブと接触している
請求項1に記載の電池パック。
【請求項9】
前記吸熱部材は、前記第1端面および前記第2端面と接触している
請求項2に記載の電池パック。
【請求項10】
前記複数の二次電池における第1の二次電池の前記第1端面と、前記複数の二次電池における第2の二次電池の前記第2端面とが同一平面内に配置され、
前記タブは、前記第1の二次電池の前記第1端面における前記正極と、前記第2の二次電池の前記第2端面における前記負極とに電気的に接続され、
前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間であって、かつ前記第1接続部および前記第2接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
請求項2に記載の電池パック。
【請求項11】
複数の前記第1端面および複数の前記第2端面が同一平面内において交互に配置され、
各前記タブは、前記第1の二次電池の前記第1端面における前記正極と、前記第2の二次電池の前記第2端面における前記負極とに電気的に接続され、
各前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間であって、かつ前記第1接続部および前記第2接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
請求項2に記載の電池パック。
【請求項12】
前記吸熱部材は、前記タブと接触している
請求項10に記載の電池パック。
【請求項13】
前記吸熱部材は、前記第1端面および前記第2端面と接触している
請求項10に記載の電池パック。
【請求項14】
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間に設けられた第1の吸熱部材と、前記タブを介して前記二次電池と対向する箇所に設けられた第2の吸熱部材とを有し、
前記第1の吸熱部材および前記第2の吸熱部材は、前記タブと接触している
請求項1に記載の電池パック。
【請求項15】
前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間に設けられた第1の吸熱部材と、前記タブを介して前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と対向する箇所に設けられた第2の吸熱部材とを有し、
前記第1の吸熱部材および前記第2の吸熱部材は、前記タブと接触している
請求項10に記載の電池パック。
【請求項16】
前記タブは、前記第1端面から前記二次電池の側面に沿って設けられたL字形状の第1のタブと、前記第2端面から前記二次電池の側面に沿って設けられたL字形状の第2のタブとを有し、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記第1のタブとの間に設けられたL字形状の第3の吸熱部材と、前記二次電池と前記第2のタブとの間に設けられたL字形状の第4の吸熱部材とを有する
請求項2に記載の電池パック。
【請求項17】
前記第3の吸熱部材および前記第4の吸熱部材において、前記L字形状における折曲部の厚さは、前記L字形状における、前記折曲部以外の箇所の厚さよりも薄くなっている
請求項16に記載の電池パック。
【請求項18】
前記吸熱部材は、前記複数の二次電池の間隙にも設けられる
請求項1に記載の電池パック。
【請求項19】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を電気的に接続するタブと、
吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材と
を備え、
前記二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面に設けられた正極と、前記第2端面に設けられた負極とを有し、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間であって、かつ前記正極の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
電池パック。
【請求項20】
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を電気的に接続するタブと、
吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材と
を備え、
前記二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面に設けられた正極と、前記第2端面に設けられた負極とを有し、
前記複数の二次電池における第1の二次電池の前記第1端面と、前記複数の二次電池における第2の二次電池の前記第2端面とが同一平面内に配置され、
前記タブは、前記第1の二次電池の前記第1端面における前記正極と、前記第2の二次電池の前記第2端面における前記負極とに電気的に接続され、
前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間に設けられ、
前記吸熱部材は、前記タブと接触している
電池パック。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
電子機器が広く普及しているため、その電子機器に適用される電源として電池の開発が進められている。この場合には、複数の電池を容易かつ安全に取り扱うために、その複数の電池を備えた電池パックが提案されている。
【0003】
電池パックの構成に関連する技術に関しては、様々な検討がなされている。例えば、特許文献1には、異常通電時における温度上昇を抑制する吸熱体付き導体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、電池パックに含まれる電池が異常発熱を起こし、ガスを噴出することがある。このとき、異常発熱を起こした電池に隣接する他の電池が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こすことがある。電池パックでは、このような誘爆の可能性を低減することが望まれる。誘爆の可能性を低減することの可能な電池パックを提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本技術の第1の側面に係る電池パックは、複数の二次電池と、複数の二次電池を電気的に接続するタブと、吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材とを備える。吸熱部材は、二次電池とタブとの間であって、かつ二次電池とタブとの接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる。
【0007】
本技術の第2の側面に係る電池パックは、複数の二次電池と、複数の二次電池を電気的に接続するタブと、吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材とを備える。二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、第1端面に設けられた正極と、第2端面に設けられた負極とを有する。吸熱部材は、二次電池とタブとの間であって、かつ正極の周囲領域の少なくとも一部に設けられる。
【0008】
本技術の第3の側面に係る電池パックは、複数の二次電池と、複数の二次電池を電気的に接続するタブと、吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材とを備える。二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、第1端面に設けられた正極と、第2端面に設けられた負極とを有する。複数の二次電池における第1の二次電池の第1端面と、複数の二次電池における第2の二次電池の第2端面とが同一平面内に配置される。タブは、第1の二次電池の第1端面における正極と、第2の二次電池の第2端面における負極とに電気的に接続されている。吸熱部材は、第1の二次電池の第1端面および第2の二次電池の第2端面とタブとの間に設けられている。吸熱部材は、タブと接触している。
【発明の効果】
【0009】
本技術の第1の側面に係る電池パックによれば、吸熱部材を、二次電池とタブとの間であって、かつ二次電池とタブとの接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けるようにしたので、異常発熱を起こした二次電池から噴出したガスを吸熱部材によって冷却することができる。これにより、異常発熱を起こした二次電池に隣接する他の電池が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0010】
本技術の第2の側面に係る電池パックによれば、吸熱部材を、二次電池とタブとの間であって、かつ正極の周囲領域の少なくとも一部に設けるようにしたので、異常発熱を起こした二次電池から噴出したガスを吸熱部材によって冷却することができる。これにより、異常発熱を起こした二次電池に隣接する他の電池が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0011】
本技術の第3の側面に係る電池パックによれば、吸熱部材を、複数の二次電池における第1の二次電池の第1端面、および複数の二次電池における第2の二次電池の第2端面とタブとの間に設け、さらに、吸熱部材をタブと接触させるようにしたので、異常発熱を起こした二次電池から噴出したガスを吸熱部材によって冷却することができる。これにより、異常発熱を起こした二次電池に隣接する他の電池が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】
図1は、本技術の一実施形態に係る電池パックの斜視構成例を表す図である。
【
図2】
図2は、電池パックの収容物の斜視構成例を表す図である。
【
図3】
図3は、電池パックの展開斜視構成例を表す図である。
【
図4】
図4は、二次電池の一端(正極部分)の斜視構成例を表す図である。
【
図5】
図5は、二次電池の一端(正極部分)の断面構成例を表す図である。
【
図6】
図6は、二次電池の他端(負極部分)の斜視構成例を表す図である。
【
図7】
図7は、電池パックの収容物の一部の展開斜視構成例を表す図である。
【
図8】
図8は、電池パックにおける正極部分およびその周辺部分の断面構成例を表す図である。
【
図9】
図9は、
図8のA-A線での断面構成例を表す図である。
【
図11】
図11は、電池パックにおける負極部分およびその周辺部分の断面構成例を表す図である。
【
図19】
図19は、吸熱部材における貫通孔部分の断面構成例を表す図である。
【
図20】
図20は、電池パックにおける正極部分およびその周辺部分の断面構成の一変形例を表す図である。
【
図21】
図21は、電池パックの収容物の一部の展開斜視構成の一変形例を表す図である。
【
図22】
図22は、電池パックの収容物の一部の展開斜視構成の一変形例を表す図である。
【
図23】
図23は、吸熱部材の平面構成の一変形例を表す図である。
【
図24】
図24は、吸熱部材の平面構成の一変形例を表す図である。
【
図25】
図25は、吸熱部材の平面構成の一変形例を表す図である。
【
図27】
図27は、
図25の吸熱部材を備えた電池パックの収容物の一部の展開視構成例を表す図である。
【
図28】
図28は、電池パックの展開斜視構成の一変形例を表す図である。
【
図29】
図29(A)は、
図28の吸熱部材を置き換えることの可能な一組の吸熱部材の斜視構成例を表す図である。
図29(B)は、
図29(A)の吸熱部材の斜視構成例を表す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本技術を実施するための形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、説明する順序は、下記の通りである。
1.電池パック
1-1.構成
1-2.効果
2.変形例
3.電池パックの用途
【0014】
<1.電池パック>
まず、本技術の一実施形態の電池パックに関して説明する。
【0015】
ここで説明する電池パックは、複数の電池を備えた電源であり、電子機器などの多様な用途に適用される。電池パックの用途の詳細に関しては、後述する。電池の種類は、特に限定されないため、一次電池でもよいし、二次電池でもよい。二次電池の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオンの吸蔵放出を利用して電池容量が得られるリチウムイオン二次電池などである。電池の数は、特に限定されないため、任意に設定可能である。以下では、電池が二次電池(リチウムイオン二次電池)である場合に関して説明する。すなわち、以下で説明する電池パックは、複数の二次電池を備えた電源である。
【0016】
<1-1.全体構成>
図1は、電池パック1の斜視構成例を表したものである。
図2は、電池パック1の収容物の展開斜視構成例を表したものである。
【0017】
電池パック1は、例えば、
図1、
図2に示したように、外装ケース10と、外装ケース10に収容される電池モジュール20および制御基板30とを備えている。制御基板30は、例えば、電池モジュール20の正負極端子に接続されており、電池や電池モジュールの電圧計測や、電池モジュールの残容量の検出、電池モジュールから出力される電流を計測して過電流の有無の検知などをする回路を有している。
【0018】
外装ケース10は、例えば、
図3に示したように、下部ケース10aおよび上部ケース10bによって構成されている。下部ケース10aおよび上部ケース10bが互いに重ね合されることによって、電池モジュール20および制御基板30を収容する収容空間が形成される。外装ケース10(例えば、下部ケース10a)には、制御基板30に接続された外部端子11が設けられている。外部端子11には、制御基板30を介して電池モジュール20が接続されている。
【0019】
電池パック1は、電池モジュール20から出力された電力を、外部端子11を介して負荷に供給する放電モードを有している。電池パック1は、さらに、外部端子11に接続された電源から、外部端子11を介して供給された電力を電池モジュール20に蓄積する充電モードを有していてもよい。後述の電池40が二次電池である場合、制御基板30は、外部端子11に接続された被接続物の種類に応じて、放電モードと充電モードとを切り替えるようになっている。後述の電池40が一次電池である場合、制御基板30は放電モードだけを実行するようになっている。
【0020】
電池モジュール20は、複数の電池40および複数の金属製タブ70を有している。複数の電池40は、複数の金属製タブ70を介して電気的に接続されている。例えば、複数の電池40のうちの一部である複数の電池40が複数の金属製タブ70によって互いに直列に接続されており、さらに、互いに直列に接続された複数の電池40を直列ユニットと称したとき、複数の直列ユニットが複数の金属製タブ70によって互いに並列に接続されている。なお、複数の電池40の接続態様は、上記に限定されるものではない。
【0021】
各金属製タブ70は、例えば、金属製のリード板によって構成されている。各電池40は、一次電池または二次電池である。各電池40が二次電池である場合、二次電池の種類は、特に限定されないが、具体的には、リチウムイオンの吸蔵放出を利用して電池容量が得られるリチウムイオン二次電池などである。以下では、各電池40が二次電池(リチウムイオン二次電池)である場合に関して説明する。すなわち、以下で説明する電池パック1は、複数の二次電池を備えた電源である。
【0022】
電池モジュール20は、さらに、複数の電池40を支持する電池ホルダ50と、複数の電池40と複数の金属製タブ70との間に設けられた複数の吸熱部材60とを有している。吸熱部材60については後に詳述する。
【0023】
図4は、電池40の一端の斜視構成例を表したものである。
図5は、電池40の一端の断面構成例を表したものである。
図6は、電池40の他端の斜視構成例を表したものである。
【0024】
電池40は、互いに対向する第1端面40aおよび第2端面40bと、第1端面40aに設けられた正極41と、第2端面40bに設けられた負極42とを有している。電池40は、例えば、第1端面40aおよび第2端面40bが互いに対向する方向に延在する円柱形状となっており、第1端面40aおよび第2端面40bは、それぞれ、円形状となっている。電池40の形状は、円柱形状に限られるものではない。第1端面40aおよび第2端面40bの形状は、円形状に限られるものではない。
【0025】
正極41は、金属部材によって構成されている。正極41は、第1端面40aにおいて突出した形状となっている(
図5参照)。第1端面40aにおいて、正極41の周囲には1または複数のスリット部43が設けられている。第1端面40aにおいて、正極41の裏面側には、空隙が設けられており、この空隙は、1または複数のスリット部43と連通している。この空隙の底部には、開裂弁44が設けられている。開裂弁44は、電池40が異常発熱を起こしたときに電池40内部で発生したガスを外部に排出する機能を有している。負極42は、金属部材によって構成されている。負極42は、第2端面40bにおいて平坦面を構成している。
【0026】
図7は、電池パック1の収容物の一部の展開斜視構成例を表したものである。
図8は、電池パック1における正極部分およびその周辺部分の断面構成例を表したものである。
図9は、
図8のA-A線での断面構成例を表したものである。
図10は、
図8のタブの裏面構成例を表したものである。
図11は、電池パック1における負極部分およびその周辺部分の断面構成例を表したものである。
図12は、
図11の吸熱部材60の上面構成例を表したものである。
図13は、
図11のタブの裏面構成例を表したものである。
【0027】
複数の電池40が電池40の長手方向(電池40において第1端面40aおよび第2端面40bが互いに対向する方向)と直交する二次元方向(第1の方向および第1の方向と直交する第2の方向)に並んで配置されているとする。このとき、電池パック1内に設けられた複数の電池40における一の電池40(第1の電池)の第1端面40aと、電池パック1内に設けられた複数の電池40における他の電池40(第2の電池)の第2端面40bとが同一平面内に配置されている。例えば、複数の第1端面40aおよび複数の第2端面40bが、同一平面内の、第1の方向および第2の方向の少なくとも一方において交互に配置されている。複数の金属製タブ70は、電池パック1内に設けられた複数の電池40を、電池40の延在方向から挟んで互いに対向するように配置されている。本明細書において、「電池40の延在方向」とは、電池40が、第1端面40aおよび第2端面40bが互いに対向する方向に延在する円柱形状となっている場合には、第1端面40aおよび第2端面40bが互いに対向する方向と平行な方向を指している。
【0028】
金属製タブ70は、第1の電池の第1端面40aにおける正極41と、第2の電池の第2端面40bにおける負極42とに電気的に接続されている。金属製タブ70と正極41との電気的な接続は、例えば、
図8~
図10に示したように、接続部80によって実現される。金属製タブ70と負極42との電気的な接続は、例えば、
図11~
図13に示したように、接続部90によって実現される。電池パック1は、接続部80,90を備えている。接続部80が、本技術の一実施の形態の第1接続部の一具体例に対応している。接続部90が、本技術の一実施の形態の第2接続部の一具体例に対応している。
【0029】
接続部80は、金属製タブ70の凸部71と正極41とが接続している部分である。凸部71は、金属製タブ70のうち、正極41と対向する箇所に設けられている。凸部71は、正極41方向に突出した形状となっている。本実施の形態では、凸部71と正極41とが溶接により接続されている。溶接には、例えば、レーザ溶接や抵抗溶接が用いられる。なお、接続部80は、上記に限定されるものではなく、凸部71と正極41とが溶接以外の方法で接続されていてもよい。例えば、ねじ止めによる接続や、かしめによる接続などでもよい。
【0030】
接続部90は、金属製タブ70の凸部72と負極42とが接続している部分である。凸部72は、金属製タブ70のうち、負極42と対向する箇所に設けられている。凸部72は、負極42方向に突出した形状となっている。本実施の形態では、凸部72と負極42とが溶接により接続されている。溶接には、例えば、レーザ溶接や抵抗溶接が用いられる。なお、接続部90は、上記に限定されるものではなく、凸部72と負極42とが溶接以外の方法で接続されていてもよい。例えば、ねじ止めによる接続や、かしめによる接続などでもよい。
【0031】
吸熱部材60は、第1の電池の第1端面40aおよび第2の電池の第2端面40bと金属製タブ70との間であって、かつ接続部80,90の周囲領域の少なくとも一部に設けられている。吸熱部材60は、第1の電池の第1端面40aおよび第2の電池の第2端面40bと接触している。吸熱部材60は、さらに、金属製タブ70と接触していてもよい。
【0032】
接続部80の周囲領域とは、金属製タブ70と第1端面40aとの間の領域であって、かつ、第1端面40aを平面視したときに、第1端面40aと対向する領域のうち、接続部80を除いた環状の領域αを指している(
図9参照)。吸熱部材60は、例えば、第1端面40aを平面視したときに、領域αのうち、スリット部43と対向する領域の全体もしくは一部に設けられていることが、噴射ガス冷却の観点において望ましい。接続部90の周囲領域とは、金属製タブ70と第2端面40bとの間の領域であって、かつ、第2端面40bを平面視したときに、第2端面40bと対向する領域のうち、接続部90を除いた環状の領域βを指している(
図12参照)。
【0033】
吸熱部材60は、接続部80が挿入された貫通孔61と、接続部90が挿入された貫通孔62とを有している。このとき、吸熱部材60は、接続部80,90の周囲を囲むように配置されている。貫通孔61が、本技術の一実施の形態の第1貫通孔の一具体例に対応している。貫通孔62が、本技術の一実施の形態の第2貫通孔の一具体例に対応している。
【0034】
貫通孔61は、貫通孔61の内面が接続部80の側面に接触するように構成されていてもよいし、貫通孔61の内面が接続部80の側面からわずかに離れるように構成されていてもよい。貫通孔61には、接続部80が挿入されていてもよいし、接続部80が嵌合されていてもよい。挿入とは、接続部80の少なくとも一部が貫通孔61に差し込まれている状態を指している。嵌合とは、接続部80の少なくとも一部が貫通孔61に隙間なく差し込まれている状態を指している。貫通孔61に接続部80が挿入されている場合に、接続部80は平面視で例えば円形状となっており、貫通孔61が平面視で例えば接続部80の直径以上の直径を有する円形状となっていてもよい。
【0035】
貫通孔61には、例えば
図14に示したように正極41の凸部分が挿入されていてもよいし、例えば
図15に示したように金属製タブ70の凸部71が挿入されていてもよい。貫通孔61には、例えば
図16に示したように正極41の凸部分が嵌合されていてもよいし、例えば
図17に示したように金属製タブ70の凸部71が嵌合されていてもよい。なお、
図14,
図16には、金属製タブ70において、凸部71が省略されている例が記載されている。
【0036】
貫通孔61に、正極41の凸部分が挿入されている場合、吸熱部材60は、第1の電池の第1端面40aおよび第2の電池の第2端面40bと金属製タブ70との間であって、かつ正極41の周囲領域の少なくとも一部に設けられている。正極41の周囲領域とは、金属製タブ70と第1端面40aとの間の領域であって、かつ、第1端面40aを平面視したときに、第1端面40aと対向する領域のうち、正極41の凸部分を除いた環状の領域を指している。吸熱部材60は、例えば、第1端面40aを平面視したときに、第1端面40aと対向する領域のうち、正極41の凸部分を除いた環状の領域のうち、スリット部43と対向する領域の全体もしくは一部に設けられていることが、噴射ガス冷却の観点において望ましい。
【0037】
貫通孔62は、貫通孔62の内面が接続部90の側面に接触するように構成されていてもよいし、貫通孔62の内面が接続部90の側面からわずかに離れるように構成されていてもよい。貫通孔62には、接続部90が挿入されていてもよいし、接続部90が嵌合されていてもよい。貫通孔62に接続部90が挿入されている場合に、接続部90は平面視で例えば円形状となっており、貫通孔62が平面視で例えば接続部90の直径以上の直径を有する円形状となっていてもよい。貫通孔62には、例えば
図11に示したように金属製タブ70の凸部72が挿入されていてもよいし、例えば
図18に示したように金属製タブ70の凸部72が嵌合されていてもよい。
【0038】
いずれにおいても、吸熱部材60は、1または複数のスリット部43を覆うように設けられている
【0039】
図19は、吸熱部材60における貫通孔61,62およびその周囲の断面構成例を表したものである。吸熱部材60は、例えば、
図19に示したように、吸熱剤161が絶縁性の容器に内包された構成となっている。絶縁性の容器は、例えば、
図19に示したように、吸熱剤161を挟み込む積層フィルム162,163によって構成されている。積層フィルム162,163には、ラミネート加工が施されている。積層フィルム162が、本技術の一実施の形態の第1のラミネート層の一具体例に対応している。積層フィルム163が、本技術の一実施の形態の第2のラミネート層の一具体例に対応している。
【0040】
積層フィルム162は、例えば、
図19に示したように、樹脂層162a、アルミニウム層162bおよび樹脂層162cを吸熱剤161側からこの順に積層して構成されている。積層フィルム163は、例えば、
図19に示したように、樹脂層163a、アルミニウム層163bおよび樹脂層163cを吸熱剤161側からこの順に積層して構成されている。樹脂層162a,162c,163a,163cは、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。アルミニウム層162b,163bは、例えば、アルミニウム箔によって構成されている。
【0041】
吸熱剤161は、例えば、水を含む液体、または、ハイドロゲルによって構成されている。吸熱剤161として、ハイドロゲルを用いる場合、合成高分子ゲルを用いることが好ましい。合成高分子ゲルの材料としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(PNaAA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHE-MA)、シリコーンハイドロゲルなどが挙げられる。
【0042】
<1-2.効果>
次に、電池パック1の効果について説明する。
【0043】
本実施の形態では、吸熱部材60が、電池40と金属製タブ70との間であって、かつ接続部80,90の周囲領域の少なくとも一部に設けられている。これにより、異常発熱を起こした電池40から噴出したガスが吸熱部材60に触れると、吸熱部材60の積層フィルム162,163が破れ、吸熱剤161が漏出する。その結果、吸熱剤161によって噴出ガスを冷却することができる。従って、異常発熱を起こした電池40に隣接する他の電池40が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0044】
本実施の形態では、吸熱部材60が、電池40と金属製タブ70との間であって、かつ正極41の周囲領域の少なくとも一部に設けられる。これにより、異常発熱を起こした電池40から噴出したガスが吸熱部材60に触れると、吸熱部材60の積層フィルム162,163が破れ、吸熱剤161が漏出する。その結果、吸熱剤161によって噴出ガスを冷却することができる。従って、異常発熱を起こした電池40に隣接する他の電池40が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0045】
本実施の形態では、吸熱部材60には、接続部80が挿入もしくは嵌合された貫通孔61と、接続部90が挿入もしくは嵌合された貫通孔62とが設けられている。これにより、電池40と金属製タブ70との電気的な接続を維持しつつ、更なる異常発熱や誘爆の可能性を低減することができる。特に、貫通孔61,62に接続部80,90が嵌合されている場合には、貫通孔61,62内に噴出ガスの通り道が存在しないので、噴出ガスが吸熱部材60に触れることなく、貫通孔61,62を通過することができない。これにより、噴出ガスを確実に吸熱部材60に触れさせることができるので、誘爆の可能性をより一層低減することができる。
【0046】
本実施の形態において、接続部80,90が平面視で円形状となっており、貫通孔61,62が平面視で接続部80,90の直径以上の直径を有する円形状となっている場合には、電池パック1の組み立て工程において、貫通孔61,62に対して接続部80,90を容易に挿入もしくは嵌合させることが可能となる。
【0047】
本実施の形態では、吸熱部材60が、1または複数のスリット部43を覆うように設けられている。これにより、異常発熱を起こした電池40から噴出したガスが吸熱部材60に触れやすくなる。その結果、吸熱部材60から吸熱剤161が漏出しやすくなり、漏出した吸熱剤161によって噴出ガスの冷却を促進することができる。従って、更なる異常発熱や誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0048】
本実施の形態では、吸熱部材60が、第1の電池の第1端面40aおよび第2の電池の第2端面40bと接触している。これにより、吸熱部材60に接する第1の電池および第2の電池のいずれか一方において異常発熱が生じた場合であっても、吸熱部材60から漏出した吸熱剤161によって冷却することができる。従って、更なる異常発熱や誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0049】
本実施の形態では、吸熱部材60がさらに、金属製タブ70とも接触している。これにより、異常発熱を起こした電池40から伝搬してきた熱を金属製タブ70に放散することができる。その結果、異常発熱を起こした電池40の熱が吸熱剤161によって持続的に冷却されるので、異常発熱を起こした電池40の温度を低減することができる。従って、異常発熱を起こした電池40の熱が、隣接する他の電池40に伝搬するのを抑制することができ、更なる異常発熱や誘爆の可能性を低減することができる。
【0050】
本実施の形態では、第1端面40aおよび第2端面40bが同一平面内に配置され、金属製タブ70が正極41および負極42に電気的に接続されている。さらに、吸熱部材60が、第1端面40aおよび第2端面40bと金属製タブ70との間であって、かつ接続部80,90の周囲領域の少なくとも一部に設けられている。これにより、異常発熱を起こした電池40から噴出したガスが吸熱部材60に触れると、吸熱部材60の積層フィルム162,163が破れ、吸熱剤161が漏出する。その結果、吸熱剤161によって噴出ガスを冷却することができる。従って、異常発熱を起こした電池40に隣接する他の電池40が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0051】
本実施の形態では、複数の第1端面40aおよび複数の第2端面40bが同一平面内において交互に配置され、各金属製タブ70が正極41および負極42に電気的に接続されている。さらに、各吸熱部材60が、第1端面40aおよび第2端面40bと金属製タブ70との間であって、かつ接続部80,90の周囲領域の少なくとも一部に設けられている。これにより、異常発熱を起こした電池40から噴出したガスが吸熱部材60に触れると、吸熱部材60の積層フィルム162,163が破れ、吸熱剤161が漏出する。その結果、吸熱剤161によって噴出ガスを冷却することができる。従って、異常発熱を起こした電池40に隣接する他の電池40が噴出ガスにより加熱され、異常発熱、ひいては誘爆を起こす可能性を低減することができる。
【0052】
本実施の形態では、第1端面40aおよび第2端面40bが同一平面内に配置され、金属製タブ70が正極41および負極42に電気的に接続されている。さらに、吸熱部材60が第1端面40aおよび第2端面40bと金属製タブ70との間に設けられ、吸熱部材60が金属製タブ70と接触している。これにより、異常発熱を起こした電池40から伝搬してきた熱を金属製タブ70に放散することができる。その結果、異常発熱を起こした電池40の熱が吸熱剤161によって持続的に冷却されるので、異常発熱を起こした電池40の温度を低減することができる。その結果、異常発熱を起こした電池40の熱が、隣接する他の電池40に伝搬するのを抑制することができ、更なる異常発熱や誘爆の可能性を低減することができる。
【0053】
<2.変形例>
次に、上記実施の形態に係る電池パック1の変形例について説明する。
【0054】
(変形例A)
上記実施の形態において、吸熱部材60は、例えば、
図20に示したように、1または複数のスリット部43の内部にも設けられていてもよい。このようにした場合には、異常発熱を起こした電池40から噴出したガスが吸熱部材60に、より一層触れやすくなる。その結果、吸熱部材60から吸熱剤161がより一層漏出しやすくなり、漏出した吸熱剤161によって噴出ガスの冷却を促進することができる。従って、更なる異常発熱や誘爆を起こす可能性をより一層低減することができる。
【0055】
(変形例B)
上記実施の形態およびその変形例では、吸熱部材60は、電池40と金属製タブ70との間に設けられていた。また、上記実施の形態およびその変形例では、吸熱部材60は、第1の電池の第1端面40aおよび第2の電池の第2端面40bと金属製タブ70との間に設けられていた。しかし、上記実施の形態およびその変形例において、吸熱部材60は、さらに、例えば、
図21に示したように、金属製タブ70を介して電池40と対向する箇所にも設けられていてもよい。このとき、新たに設けた吸熱部材60は、例えば、両面テープ等によって金属製タブ70に貼り合わされ、両面テープ等を介して金属製タブ70と接触している。吸熱部材60は、金属製タブ70に固定されていればよい。また、上記実施の形態およびその変形例において、吸熱部材60は、さらに、例えば、
図21に示したように、金属製タブ70を介して第1の電池の第1端面40aおよび第2の電池の第2端面40bと対向する箇所にも設けられていてもよい。このとき、新たに設けた吸熱部材60は、例えば、両面テープ等によって金属製タブ70に貼り合わされ、両面テープ等を介して金属製タブ70と接触している。吸熱部材60は、金属製タブ70に固定されていればよい。
【0056】
このようにした場合には、新たに設けた吸熱部材60によって、金属製タブ70の熱を吸熱することができる。その結果、上記実施の形態と比べて、更なる異常発熱や誘爆の可能性をより一層低減することができる。
【0057】
本変形例において、新たに設けた吸熱部材60は、例えば、
図21に示したように、電池40と金属製タブ70との間に設けた吸熱部材60と同一構成となっていてもよい。このようにした場合には、全ての吸熱部材60を共通化することができ、製造コストを低減することができる。また、新たに設けた吸熱部材60にも貫通孔61,62を設けることにより、新たに設けた吸熱部材60に熱が伝わったときに貫通孔61,62の箇所から吸熱剤161を漏出させることができるので、金属製タブ70を効果的に冷却することが可能である。なお、本変形例において、新たに設けた吸熱部材60が、例えば、
図22に示したように、電池40と金属製タブ70との間に設けた吸熱部材60とは異なる構成となっていてもよい。新たに設けた吸熱部材60において、例えば、貫通孔61,62が省略されていてもよい。このようにした場合であっても、上記実施の形態と比べて、更なる異常発熱や誘爆の可能性をより一層低減することができる。
【0058】
(変形例C)
上記実施の形態およびその変形例において、吸熱部材60は、例えば、
図23に示したように、2つの貫通孔61と、2つの貫通孔62を有していてもよい。このようにした場合には、4つの電池40に対して1つの吸熱部材60が設けられるので、上記実施の形態と比べて、吸熱部材60の、電池パック1に占める体積を増やすことができる。これにより、上記実施の形態と比べて、更なる異常発熱や誘爆の可能性をより一層低減することができる。
【0059】
(変形例D)
上記実施の形態およびその変形例において、吸熱部材60は、例えば、
図24に示したように、貫通孔61,62の代わりに切り欠き63を有していてもよい。このようにした場合であっても、上記の実施の形態と同様、更なる異常発熱や誘爆の可能性を低減することができる。
【0060】
(変形例E)
上記実施の形態およびその変形例において、吸熱部材60は、例えば、
図25に示したように、折り曲げ可能な折曲部64を有していてもよい。折曲部64では、例えば、
図26に示したように、吸熱剤161が省略されており、積層フィルム162,163同士が互いにラミネート加工によって接合された構成となっている。折曲部64の厚さは、吸熱部材60のうち、折曲部64以外の箇所の厚さよりも薄くなっている。吸熱部材60に折曲部64が設けられていることにより、吸熱部材60を、例えば、
図27に示したように、折曲部64で折り曲げられたL字形状にすることが可能である。
【0061】
本変形例では、複数の金属製タブ70が、例えば、
図27に示したように、第1端面40aから電池40の側面に沿って設けられたL字形状の金属製タブ70A(第1のタブ)と、第2端面40bから電池40の側面に沿って設けられたL字形状の金属製タブ70B(第2のタブ)とを含んでいてもよい。このとき、複数の吸熱部材60は、例えば、
図27に示したように、電池40と金属製タブ70Aとの間に設けられたL字形状の吸熱部材60A(第3の吸熱部材)と、電池40と金属製タブ70Bとの間に設けられたL字形状の吸熱部材60B(第4の吸熱部材)とを含んでいてもよい。このようにした場合には、吸熱部材60A,60Bと電池40との接触面積や、吸熱部材60A,60Bと金属製タブ70A,70Bとの接触面積、さらには、吸熱部材60A,60Bおよび金属製タブ70A,70Bの、電池パック1に占める体積を増やすことができる。これにより、上記実施の形態と比べて、更なる異常発熱や誘爆の可能性をより一層低減することができる。
【0062】
本変形例では、折曲部64の厚さは、吸熱部材60のうち、折曲部64以外の箇所の厚さよりも薄くなっている。これにより、吸熱部材60を、例えば、
図27に示したように、折曲部64で折り曲げられたL字形状にすることが可能である。その結果、吸熱部材60A,60Bと電池40との接触面積や、吸熱部材60A,60Bと金属製タブ70A,70Bとの接触面積、さらには、吸熱部材60A,60Bおよび金属製タブ70A,70Bの、電池パック1に占める体積を増やすことができる。これにより、上記実施の形態と比べて、更なる異常発熱や誘爆の可能性をより一層低減することができる。
【0063】
(変形例F)
上記実施の形態およびその変形例において、電池パック1(電池モジュール20)は、例えば、
図28に示したように、複数の吸熱部材60の他に、複数の吸熱部材110を更に備えていてもよい。
【0064】
吸熱部材110は、複数の電池40の間隙に埋め込まれている。吸熱部材110は、例えば、互いに隣り合う4つの円筒型の電池40で囲まれた間隙に配置されている。このとき、ホルダ40a,40bの支持部43には、互いに隣り合う4つの円筒形の電池40で囲まれた箇所に開口部が設けられており、吸熱部材110は、支持部43の開口部を介して4つの円筒型の電池40の周面に接している。
【0065】
吸熱部材110は、例えば、上記間隙の形状に対応した形状となっている。例えば、吸熱部材110において、吸熱部材110の延在方向と垂直な方向の断面が、略ひし形の形状となっている。吸熱部材110の延在方向は、各電池40の延在方向(正極41および負極42が互いに対向する方向)と平行な方向である。なお、吸熱部材110の断面形状は、略ひし形に限定されるものではなく、他の形状となっていてもよい。
【0066】
吸熱部材110は、吸熱剤を内包しており、電池40が異常発熱を起こしたときに吸熱剤が外部に漏出するように構成されている。吸熱部材110は、例えば、吸熱剤と、吸熱剤を覆うフィルムとによって構成されている。
【0067】
吸熱剤は、水を含む液体で構成されていてもよい。吸熱剤は、ハイドロゲル(例えば、合成高分子ゲル)で構成されていてもよい。合成高分子ゲルの材料としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム(PNaAA)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリヒドロキシエチルメタクリレート(PHE-MA)、シリコーンハイドロゲルなどが挙げられる。
【0068】
吸熱剤は、水を含む熱不可逆な固形物によって構成されていてもよい。このとき、吸熱剤は、加熱されたとしても溶解もしくは軟化等により吸熱部材110の外に漏れ出ることのない、単独で自立可能な硬さを有している。固形物は、グルコマンナンを含んで構成されている。固形物は、例えば、水にグルコマンナンの粉末を溶かしてグルコマンナンを膨潤させ、その後、アルカリ溶液を加え、加熱してゲル化、さらには、固化することにより形成される。グルコマンナンのアセチル基がアルカリとの反応により脱アセチル化し、脱アセチル化したグルコマンナンを加熱することにより熱不可逆な固形物が形成される。固形物の製造方法は、上記の内容に限定されるものではない。
【0069】
フィルムは、電池40の異常発熱温度(例えば、600℃程度)よりも低い耐熱温度の材料で構成されており、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。フィルムは、単層フィルムで構成されていてもよいし、積層フィルムで構成されていてもよい。積層フィルムは、例えば、金属層を2つの樹脂層で挟み込んだ積層シートであってもよい。このとき、2つの樹脂層は、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等の樹脂材料によって構成されている。金属層は、例えば、アルミニウム箔等の金属箔によって構成されている。
【0070】
本変形例では、複数の吸熱部材110が複数の電池40の間隙に埋め込まれている。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池40が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池40と隣り合う吸熱部材110のフィルムが溶解し、フィルムに覆われた吸熱剤が電池40と接触する。その結果、異常発熱を起こした電池40を吸熱剤によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0071】
(変形例G)
上記変形例Fにおいて、吸熱部材110の代わりに、例えば、
図29に示したような吸熱モジュール120が設けられていてもよい。吸熱モジュール120は、複数の電池40の間隙に埋め込まれている。吸熱モジュール120は、例えば、互いに隣り合う4つの円筒型の電池40で囲まれた間隙に配置されている。このとき、ホルダ40a,40bの支持部43には、互いに隣り合う4つの円筒形の電池40で囲まれた箇所に開口部が設けられており、吸熱モジュール120は、支持部43の開口部を介して4つの円筒型の電池40の周面に接している。
【0072】
吸熱モジュール120は、例えば、上記間隙内で4つの円筒型の電池40の周面に接しており、上記間隙の形状に対応した形状となっている。例えば、吸熱モジュール120において、吸熱モジュール120の延在方向と垂直な方向の断面が、略ひし形の形状となっている。吸熱モジュール120の延在方向は、各電池40の延在方向(正極41および負極42が互いに対向する方向)と平行な方向である。なお、吸熱モジュール120の断面形状は、略ひし形に限定されるものではなく、他の形状となっていてもよい。
【0073】
吸熱モジュール120は、例えば、
図29に示したように、2つの吸熱部材121が互いに重ね合された構成となっている。例えば、各吸熱部材121において、吸熱部材121の延在方向と垂直な方向の断面が、略三角形の形状となっている。このとき、一方の吸熱部材121は、例えば、上記間隙内で2つの円筒型の電池40の周面と、他方の吸熱部材121の表面(底面)とに接している。吸熱部材121の延在方向は、各電池40の延在方向(正極41および負極42が互いに対向する方向)と平行な方向である。なお、吸熱部材121の断面形状は、略三角形に限定されるものではなく、他の形状となっていてもよい。
【0074】
吸熱部材121は、吸熱剤を内包しており、電池40が異常発熱を起こしたときに吸熱剤が外部に漏出するように構成されている。吸熱部材121は、例えば、吸熱剤と、吸熱剤を覆うフィルムとによって構成されている。吸熱部材121に用いられる吸熱剤は、吸熱部材80に用いられる吸熱剤と共通の構成となっていてもよい。吸熱部材121に用いられるフィルムは、吸熱部材121に用いられるフィルムと共通の構成となっていてもよい。
【0075】
本変形例では、複数の吸熱モジュール120が複数の電池40の間隙に埋め込まれている。これにより、例えば、電池パック1内の1本の電池40が異常発熱を起こしたとき、異常発熱を起こした電池40と隣り合う吸熱モジュール120のフィルムが溶解し、フィルムに覆われた吸熱剤が電池40と接触する。その結果、異常発熱を起こした電池40を吸熱剤によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0076】
本変形例において、複数の吸熱部材121が、複数の電池40と制御基板30との間隙に配置されていてもよい。吸熱部材121は、例えば、互いに隣り合う2つの円筒型の電池40と制御基板30とで囲まれた間隙に配置されていてもよい。このとき、ホルダ40a,40bの支持部43には、互いに隣り合う2つの円筒形の電池40と制御基板30とで囲まれた箇所に開口部が設けられており、吸熱部材121は、支持部43の開口部を介して2つの円筒型の電池40の周面に接している。このようにした場合にも、本変形例と同様、異常発熱を起こした電池40を吸熱剤によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0077】
本変形例において、複数の吸熱部材121が、複数の電池40と下部ケース10aの底面もしくは側面との間隙に配置されていてもよい。吸熱部材121は、例えば、互いに隣り合う2つの円筒型の電池40と下部ケース10aの底面もしくは側面とで囲まれた間隙に配置されていてもよい。このとき、ホルダ40a,40bの支持部43には、互いに隣り合う2つの円筒形の電池40と下部ケース10aの底面もしくは側面とで囲まれた箇所に開口部が設けられており、吸熱部材121は、支持部43の開口部を介して2つの円筒型の電池40の周面に接している。このようにした場合にも、本変形例と同様、異常発熱を起こした電池40を吸熱剤によって効率よく冷却することができる。従って、誘爆の可能性を低減することができる。
【0078】
<3.電池パックの用途>
電池パック1の用途は、その電池パック1を駆動用の電源および電力蓄積用の電力貯蔵源などとして利用可能である機械、機器、器具、装置およびシステム(複数の機器などの集合体)などであれば、特に限定されない。
【0079】
電源として用いられる電池パック1は、主電源でもよいし、補助電源でもよい。主電源とは、他の電源の有無に関係なく、優先的に用いられる電源である。補助電源は、例えば、主電源の代わりに用いられる電源でもよいし、必要に応じて主電源から切り替えられる電源でもよい。電池パックを補助電源として用いる場合には、主電源は電池パックに限られない。
【0080】
電池パック1の用途に関する一例は、以下の通りである。ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、携帯電話機、ノート型のパーソナルコンピュータ、コードレス電話機、ヘッドホンステレオ、携帯用ラジオ、携帯用テレビおよび携帯用情報端末などの電子機器(携帯用電子機器を含む。)である。電気シェーバなどの携帯用生活器具である。バックアップ電源およびメモリーカードなどの記憶用装置である。電動ドリルおよび電動鋸などの電動工具である。ペースメーカおよび補聴器などの医療用電子機器である。電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)などの電動車両である。非常時などに備えて電力を蓄積しておく家庭用バッテリシステムなどの電力貯蔵システムである。もちろん、電池パックの用途は、上記以外の用途でもよい。
【0081】
以上、一実施形態を挙げながら本技術を説明したが、本技術は上記した一実施形態において説明した態様に限定されず、その本技術に関しては種々の変形が可能である。
【0082】
具体的には、二次電池の電池構造が円筒型である場合に関して説明したが、本技術の電池パックに適用される二次電池の電池構造は、特に限定されない。具体的には、二次電池の電池構造は、角型およびコイン型などでもよい。
【0083】
また、二次電池が巻回構造を有する場合に関して説明したが、その二次電池の構造は、特に限定されない。具体的には、二次電池は、積層構造などの他の構造を有していてもよい。
【0084】
また、二次電池の電極反応物質としてリチウムを用いたが、その電極反応物質の種類は、特に限定されない。具体的には、電極反応物質は、ナトリウムおよびカリウムどの長周期型周期表における他の1族の元素でもよいし、マグネシウムおよびカルシウムなどの長周期型周期表における2族の元素でもよいし、アルミニウムなどの他の軽金属でもよい。
【0085】
本明細書中に記載された効果はあくまで例示であるため、本技術の効果は本明細書中に記載された効果に限定されない。よって、本技術に関して他の効果が得られてもよい。
【0086】
なお、本技術は、以下のような構成を取ることもできる。
<1>
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を電気的に接続するタブと、
吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材と
を備え、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間であって、かつ前記二次電池と前記タブとの接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
電池パック。
<2>
前記二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面に設けられた正極と、前記第2端面に設けられた負極とを有し、
前記接続部は、前記正極と前記タブとが接続している第1接続部と、前記負極と前記タブとが接続している第2接続部とを有し、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間であって、かつ前記第1接続部および前記第2接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
<1>に記載の電池パック。
<3>
前記吸熱部材は、前記第1接続部が挿入された第1貫通孔、および前記第2接続部が挿入された第2貫通孔を有する
<2>に記載の電池パック。
<4>
前記吸熱部材は、前記第1接続部が嵌合された第1貫通孔、および前記第2接続部が嵌合された第2貫通孔の少なくとも一方を有する
<2>に記載の電池パック。
<5>
前記第1接続部および前記第2接続部は、平面視で円形状となっており、
前記第1貫通孔は、平面視で前記第1接続部の直径以上の直径を有する円形状となっており、
前記第2貫通孔は、平面視で前記第2接続部の直径以上の直径を有する円形状となっている
<3>または<4>に記載の電池パック。
<6>
前記二次電池は、前記正極の周囲に設けられたスリット部と、前記スリット部内に設けられた開裂弁とを有し、
前記吸熱部材は、前記スリット部を覆うように設けられる
<2>ないし<5>のいずれか1つに記載の電池パック。
<7>
前記吸熱部材は、前記スリット部の内部にも設けられる
<6>に記載の電池パック。
<8>
前記吸熱部材は、前記タブと接触している
<1>ないし<7>のいずれか1つに記載の電池パック。
<9>
前記吸熱部材は、前記第1端面および前記第2端面と接触している
<2>ないし<7>のいずれか1つに記載の電池パック。
<10>
前記複数の二次電池における第1の二次電池の前記第1端面と、前記複数の二次電池における第2の二次電池の前記第2端面とが同一平面内に配置され、
前記タブは、前記第1の二次電池の前記第1端面における前記正極と、前記第2の二次電池の前記第2端面における前記負極とに電気的に接続され、
前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間であって、かつ前記第1接続部および前記第2接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
<2>ないし<7>のいずれか1つに記載の電池パック。
<11>
複数の前記第1端面および複数の前記第2端面が同一平面内において交互に配置され、
各前記タブは、前記第1の二次電池の前記第1端面における前記正極と、前記第2の二次電池の前記第2端面における前記負極とに電気的に接続され、
各前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間であって、かつ前記第1接続部および前記第2接続部の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
<2>ないし<7>のいずれか1つに記載の電池パック。
<12>
前記吸熱部材は、前記タブと接触している
<10>に記載の電池パック。
<13>
前記吸熱部材は、前記第1端面および前記第2端面と接触している
<10>ないし<12>のいずれか1つに記載の電池パック。
<14>
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間に設けられた第1の吸熱部材と、前記タブを介して前記二次電池と対向する箇所に設けられた第2の吸熱部材とを有し、
前記第1の吸熱部材および前記第2の吸熱部材は、前記タブと接触している
<1>ないし<9>のいずれか1つに記載の電池パック。
<15>
前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間に設けられた第1の吸熱部材と、前記タブを介して前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と対向する箇所に設けられた第2の吸熱部材とを有し、
前記第1の吸熱部材および前記第2の吸熱部材は、前記タブと接触している
<10>ないし<13>のいずれか1つに記載の電池パック。
<16>
前記タブは、前記第1端面から前記二次電池の側面に沿って設けられたL字形状の第1のタブと、前記第2端面から前記二次電池の側面に沿って設けられたL字形状の第2のタブとを有し、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記第1のタブとの間に設けられたL字形状の第3の吸熱部材と、前記二次電池と前記第2のタブとの間に設けられたL字形状の第4の吸熱部材とを有する
<2>ないし<7>のいずれか1つに記載の電池パック。
<17>
前記第3の吸熱部材および前記第4の吸熱部材において、前記L字形状における折曲部の厚さは、前記L字形状における、前記折曲部以外の箇所の厚さよりも薄くなっている
<16>に記載の電池パック。
<18>
前記吸熱部材は、前記複数の二次電池の間隙にも設けられる
<1>ないし<17>のいずれか1つに記載の電池パック。
<19>
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を電気的に接続するタブと、
吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材と
を備え、
前記二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面に設けられた正極と、前記第2端面に設けられた負極とを有し、
前記吸熱部材は、前記二次電池と前記タブとの間であって、かつ前記正極の周囲領域の少なくとも一部に設けられる
電池パック。
<20>
複数の二次電池と、
前記複数の二次電池を電気的に接続するタブと、
吸熱剤が絶縁性の容器に内包された吸熱部材と
を備え、
前記二次電池は、互いに対向する第1端面および第2端面と、前記第1端面に設けられた正極と、前記第2端面に設けられた負極とを有し、
前記複数の二次電池における第1の二次電池の前記第1端面と、前記複数の二次電池における第2の二次電池の前記第2端面とが同一平面内に配置され、
前記タブは、前記第1の二次電池の前記第1端面における前記正極と、前記第2の二次電池の前記第2端面における前記負極とに電気的に接続され、
前記吸熱部材は、前記第1の二次電池の前記第1端面および前記第2の二次電池の前記第2端面と前記タブとの間に設けられ、
前記吸熱部材は、前記タブと接触している
電池パック。
【符号の説明】
【0087】
1…電池パック、10…外装ケース、10a…下部ケース、10b…上部ケース、11…外部端子、20…電池モジュール、30…制御基板、40…電池、40a…第1端面、40b…第2端面、41…正極、42…負極、43…スリット部、44…開裂弁、50…電池ホルダ、60,60A,60B…吸熱部材、61,62…貫通孔、63…切り欠き、64…折曲部、70,70A,70B…金属製タブ、71,72…凸部、80,90…接続部、110,121…吸熱部材、120…吸熱モジュール、162,163…積層フィルム、162a…樹脂層、162b…アルミニウム層、162c…樹脂層、163a…樹脂層、163b…アルミニウム層、163c…樹脂層。