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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112768
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】車両用ステップ装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 3/02 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
B60R3/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023192339
(22)【出願日】2023-11-10
(31)【優先権主張番号】P 2023017580
(32)【優先日】2023-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】門田 豪郎
(72)【発明者】
【氏名】臼井 章雄
【テーマコード(参考)】
3D022
【Fターム(参考)】
3D022AA02
3D022AC04
3D022AD02
3D022AE07
3D022AE15
3D022AE26
(57)【要約】
【課題】配置位置が制限されることを抑制できる車両用ステップ装置を提供する。
【解決手段】ステップ装置10は、ドア開口の下方においてドア開口の下縁に沿って延びるとともに、ドア開口を開閉するスライドドア104の開閉動作に連動して車体101に対して進退可能に構成された可動ステップ30と、可動ステップ30の延在方向に互いに間隔をおいて配置されるとともに可動ステップ30を車体101に対して支持する複数の支持機構40とを備える。各支持機構40は、車体101に回転可能に支持される第1アーム41と、可動ステップ30に回転可能に支持される第2アーム42と、上記延在方向に延びる仮想線Vに対する第1アーム41及び第2アーム42の回転角度α1,α2が同一となるように第1アーム41及び第2アーム42の回転動作を連動させる連動部43とを備えている。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体のドア開口の下方において当該ドア開口の下縁に沿って延びるとともに、前記ドア開口を開閉するドアの開閉動作に連動して前記車体に対して進退可能に構成された可動ステップと、
前記可動ステップの延在方向に互いに間隔をおいて配置されるとともに前記可動ステップを前記車体に対して支持する複数の支持機構と、を備える、車両用ステップ装置であって、
前記複数の支持機構の各々は、
前記車体に回転可能に支持される第1アームと、
前記可動ステップに回転可能に支持される第2アームと、
前記延在方向に延びる仮想線に対する前記第1アーム及び前記第2アームの回転角度が同一となるように前記第1アーム及び前記第2アームの回転動作を連動させる連動部と、を備えている、
車両用ステップ装置。
【請求項2】
前記第1アームと前記第2アームとのなす角度が前記複数の支持機構において同一となるように前記複数の支持機構同士を連結する連結部材を備えている、
請求項1に記載の車両用ステップ装置。
【請求項3】
前記複数の支持機構における前記第1アーム同士は、平行に延びており、
前記複数の支持機構における前記第2アーム同士は、平行に延びており、
前記連結部材は、前記複数の支持機構の各々における前記第1アーム及び前記第2アームを回転可能に支持している、
請求項2に記載の車両用ステップ装置。
【請求項4】
前記複数の支持機構は、第1支持機構と第2支持機構とを含み、
前記連結部材は、前記第1支持機構における前記第1アーム及び前記第2アームを回転可能に支持するとともに、前記第2支持機構における前記第1アーム及び前記第2アームを前記延在方向にスライド可能に支持している、
請求項2に記載の車両用ステップ装置。
【請求項5】
前記第1アームは、第1ギアを有しており、
前記第2アームは、前記第1ギアに噛み合う第2ギアを有しており、
前記連動部は、前記第1ギアと前記第2ギアとにより構成されている、
請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の車両用ステップ装置。
【請求項6】
前記ドアは、前記車体に固定された回転軸を中心に揺動することにより前記ドア開口を開閉するものであり、
前記可動ステップは、前記延在方向に延びるガイドレールを有しており、
当該車両用ステップ装置は、前記ドアの開閉動作に基づく力を前記可動ステップに伝達する伝達機構を備えており、
前記伝達機構は、
前記車体に回転可能に支持され、前記ドアの開閉動作に連動して揺動する駆動リンクと、
前記駆動リンクの揺動に連動して、前記ガイドレールを前記可動ステップの進退方向に押圧しながら前記ガイドレールに摺動する摺動部材と、を備えている、
請求項1に記載の車両用ステップ装置。
【請求項7】
前記伝達機構は、
前記駆動リンクとは異なる位置において前記車体に回転可能に支持され、前記駆動リンクに連動して揺動する従動リンクと、
前記駆動リンク及び前記従動リンクに回転可能に連結される中間リンクと、を備えており、
前記摺動部材は、前記従動リンクに設けられている、
請求項6に記載の車両用ステップ装置。
【請求項8】
前記ガイドレールは、
前記延在方向に延びる直線部と、
前記直線部の一端部に接続され、前記摺動部材の移動軌跡に沿って湾曲した湾曲部と、を有しており、
前記ドアが全閉状態であるときの前記摺動部材の位置を閉じ位置とし、前記ドアが全開状態であるときの前記摺動部材の位置を開き位置とし、前記閉じ位置と前記開き位置との間の位置であって、前記可動ステップの進退方向において前記車体から最も離間するときの前記摺動部材の位置を最大離間位置とするとき、
前記摺動部材は、前記閉じ位置と前記最大離間位置との間で移動するときには前記直線部に摺動する一方、前記開き位置と前記最大離間位置との間で移動するときには前記湾曲部に沿って移動する、
請求項6または請求項7に記載の車両用ステップ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用ステップ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車体のドア開口を開閉するドアの開閉動作に連動して、車体に対して進退可能に構成された車両用ステップ装置(以下、単にステップ装置という)が知られている。
特許文献1に記載のステップ装置は、第一ステップ板と、第二ステップ板と、第一ステップ板を車体に対して支持する支持機構とを備えている。
【0003】
第一ステップ板及び第二ステップ板は、車両の前後方向に延びる長尺状をなしている。第一ステップ板は、支持機構によって、車体の下側に格納される格納位置と、車幅方向の外側に突出する使用位置との間で移動可能に構成されている。第二ステップ板は、車体に固定されるとともに使用位置における第一ステップ板の一部を上方から覆っている。
【0004】
支持機構は、一対の支持リンクを有する四節リンク機構を構成している。各支持リンクの基端部は、車体に対して回転可能に支持されている。各支持リンクの先端部は、第一ステップ板に対して回転可能に支持されている。
【0005】
第一ステップ板の下面には、スライドドアの下部に取り付けられた転動ローラが摺動するレール部が設けられている。ドアの開閉動作に連動して転動ローラがレール部内を摺動することにより、第一ステップ板には、車幅方向の外側に向かう外力が作用する。この外力によって各支持リンクが車体に対して回転する。これにより、第一ステップ板が格納位置から使用位置に移動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2020-82916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、特許文献1に記載のステップ装置では、第一ステップ板が格納位置から使用位置に移動する際に、第一ステップ板が各支持リンクの回転に伴って、車幅方向の外側に移動しつつ後方に移動する。すなわち、使用位置は、格納位置よりも車両における斜め後方の位置となる。この場合、車両にステップ装置を配置する上で、第一ステップ板の延在方向において第一ステップ板が移動するスペースが必要となる。このため、車両におけるステップ装置の配置位置が制限されるおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための車両用ステップ装置の各態様を記載する。
[態様1]車体のドア開口の下方において当該ドア開口の下縁に沿って延びるとともに、前記ドア開口を開閉するドアの開閉動作に連動して前記車体に対して進退可能に構成された可動ステップと、前記可動ステップの延在方向に互いに間隔をおいて配置されるとともに前記可動ステップを前記車体に対して支持する複数の支持機構と、を備える、車両用ステップ装置であって、前記複数の支持機構の各々は、前記車体に回転可能に支持される第1アームと、前記可動ステップに回転可能に支持される第2アームと、前記延在方向に延びる仮想線に対する前記第1アーム及び前記第2アームの回転角度が同一となるように前記第1アーム及び前記第2アームの回転動作を連動させる連動部と、を備えている、車両用ステップ装置。
【0009】
上記構成によれば、ドアの開閉動作に伴って可動ステップに対してドア開口の開口方向への外力が作用することにより、第1アーム及び第2アームが回転する。ここで、連動部によって、上記仮想線に対する第1アーム及び第2アームの回転角度が同一となるように第1アーム及び第2アームの回転動作が連動する。このため、可動ステップは、車体に対する姿勢を維持した状態で、可動ステップの延在方向に移動することなくドア開口の開口方向に平行移動する。これにより、可動ステップの延在方向において可動ステップが移動するスペースを確保しなくて済む。したがって、車両用ステップ装置の配置位置が制限されることを抑制できる。
【0010】
[態様2]前記第1アームと前記第2アームとのなす角度が前記複数の支持機構において同一となるように前記複数の支持機構同士を連結する連結部材を備えている、[態様1]に記載の車両用ステップ装置。
【0011】
上記構成によれば、連結部材によって連結された複数の支持機構において、第1アームと第2アームとのなす角度が同一となる。また、各支持機構では、連動部によって、上記仮想線に対する第1アーム及び第2アームの回転角度が同一となる。以上のことから、全ての第1アームの回転角度及び全ての第2アームの回転角度が同一となる。これにより、可動ステップの移動時において、車体に対する可動ステップの姿勢が維持されやすくなる。
【0012】
[態様3]前記複数の支持機構における前記第1アーム同士は、平行に延びており、前記複数の支持機構における前記第2アーム同士は、平行に延びており、前記連結部材は、前記複数の支持機構の各々における前記第1アーム及び前記第2アームを回転可能に支持している、[態様2]に記載の車両用ステップ装置。
【0013】
上記構成によれば、平行に延びる複数の第1アームが車体に対して回転するとともに連結部材に対して回転する。また、平行に延びる複数の第2アームが可動ステップに対して回転するとともに連結部材に対して回転する。これらのことから、第1アーム及び第2アームの姿勢を複数の支持機構において同一にすることができる。このため、ステップ装置の構成が複雑化することを抑制できる。
【0014】
[態様4]前記複数の支持機構は、第1支持機構と第2支持機構とを含み、前記連結部材は、前記第1支持機構における前記第1アーム及び前記第2アームを回転可能に支持するとともに、前記第2支持機構における前記第1アーム及び前記第2アームを前記延在方向にスライド可能に支持している、[態様2]に記載の車両用ステップ装置。
【0015】
上記構成によれば、第1支持機構における第1アームと第2アームとが連結部材に対して回転するとともに、第2支持機構における第1アームと第2アームとが連結部材に対してスライドする。このため、第1支持機構及び第2支持機構の双方において第1アームと第2アームとが連結部材に対して回転する場合と比較して、可動ステップが車体に対して進退する際に必要な力を低減できる。したがって、可動ステップを車体に対して円滑に進退させることができる。
【0016】
[態様5]前記第1アームは、第1ギアを有しており、前記第2アームは、前記第1ギアに噛み合う第2ギアを有しており、前記連動部は、前記第1ギアと前記第2ギアとにより構成されている、[態様1]~[態様4]のいずれか一つに記載の車両用ステップ装置。
【0017】
上記構成によれば、第1アームの第1ギアと第2アームの第2ギアとが噛み合うことにより、第1アーム及び第2アームの回転動作が連動する。したがって、簡易な構成により連動部を具体化できる。
【0018】
[態様6]前記ドアは、前記車体に固定された回転軸を中心に揺動することにより前記ドア開口を開閉するものであり、前記可動ステップは、前記延在方向に延びるガイドレールを有しており、当該車両用ステップ装置は、前記ドアの開閉動作に基づく力を前記可動ステップに伝達する伝達機構を備えており、前記伝達機構は、前記車体に回転可能に支持され、前記ドアの開閉動作に連動して揺動する駆動リンクと、前記駆動リンクの揺動に連動して、前記ガイドレールを前記可動ステップの進退方向に押圧しながら前記ガイドレールに摺動する摺動部材と、を備えている、[態様1]~[態様5]のいずれか一つに記載の車両用ステップ装置。
【0019】
上記構成によれば、ドアの開閉動作に連動して駆動リンクが揺動することにより、摺動部材がガイドレールに摺動する。このとき、摺動部材は、ガイドレールを可動ステップの進退方向に押圧しながらガイドレールに摺動する。これにより、ドアの開閉動作に基づく力が可動ステップに伝達される。したがって、車体に固定された回転軸を中心に揺動することによりドア開口を開閉するグライドドアまたはスイングドアの開閉動作に連動して、可動ステップを進退させることができる。
【0020】
[態様7]前記伝達機構は、前記駆動リンクとは異なる位置において前記車体に回転可能に支持され、前記駆動リンクに連動して揺動する従動リンクと、前記駆動リンク及び前記従動リンクに回転可能に連結される中間リンクと、を備えており、前記摺動部材は、前記従動リンクに設けられている、[態様6]に記載の車両用ステップ装置。
【0021】
上記構成によれば、摺動部材が従動リンクに設けられているため、可動ステップの可動範囲は、従動リンクの揺動軌跡に応じた範囲となる。このため、従動リンク及び中間リンクの長さを変更することにより、駆動リンクの可動範囲、すなわちドアの可動範囲を変更することなく、可動ステップの可動範囲を調整することができる。したがって、車両用ステップ装置の汎用性を高めることができる。
【0022】
[態様8]前記ガイドレールは、前記延在方向に延びる直線部と、前記直線部の一端部に接続され、前記摺動部材の移動軌跡に沿って湾曲した湾曲部と、を有しており、前記ドアが全閉状態であるときの前記摺動部材の位置を閉じ位置とし、前記ドアが全開状態であるときの前記摺動部材の位置を開き位置とし、前記閉じ位置と前記開き位置との間の位置であって、前記可動ステップの進退方向において前記車体から最も離間するときの前記摺動部材の位置を最大離間位置とするとき、前記摺動部材は、前記閉じ位置と前記最大離間位置との間で移動するときには前記直線部に摺動する一方、前記開き位置と前記最大離間位置との間で移動するときには前記湾曲部に沿って移動する、[態様6]または[態様7]に記載の車両用ステップ装置。
【0023】
例えば、摺動部材が閉じ位置と開き位置との間で移動するときにガイドレールの直線部のみに摺動する場合には、摺動部材が最大離間位置を通過する際に可動ステップの進退方向が切り替わる。すなわち、摺動部材が閉じ位置と最大離間位置との間で移動するときと、最大離間位置と開き位置との間で移動するときとでは、可動ステップの移動方向が異なる。この場合、ドアが開方向に移動しているにも関わらず、可動ステップが車体に近接する方向に移動することがある。また、ドアが閉方向に移動しているにも関わらず、可動ステップが車体から離間する方向に移動することがある。こうした可動ステップの動作は、乗員に違和感を与えるおそれがある。
【0024】
この点、上記構成によれば、摺動部材が閉じ位置と最大離間位置との間で移動するときには直線部に摺動する一方、開き位置と最大離間位置との間で移動するときには湾曲部に沿って移動する。湾曲部は、摺動部材の移動軌跡に沿って湾曲しているため、摺動部材が湾曲部に沿って移動するときには、ドアの開閉動作に基づく力が摺動部材を介して可動ステップに伝達されなくなる。したがって、ドアの開閉動作時における可動ステップの動作が乗員に違和感を与えることを抑制できる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、車両用ステップ装置の配置位置が制限されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、第1実施形態の車両用ステップ装置を備える車両を示す斜視図である。
図2図2は、図1の車両用ステップ装置を示す平面図である。
図3図3は、図1の可動ステップが格納位置に位置するときの車両用ステップ装置を示す底面図である。
図4図4は、図1の可動ステップが展開位置に位置するときの車両用ステップ装置を示す底面図である。
図5図5は、第2実施形態の車両用ステップ装置を示す図であって、可動ステップが格納位置に位置するときの車両用ステップ装置を示す底面図である。
図6図6は、図5の可動ステップが展開位置に位置するときの車両用ステップ装置を示す底面図である。
図7図7は、第3実施形態の車両用ステップ装置を備える車両を示す図であって、ドアが全閉状態であるときの車両を示す平面図である。
図8図8は、図7のドアが全開状態であるときの車両を示す平面図である。
図9図9は、第3実施形態の伝達機構の摺動部材が閉じ位置に位置するときの車両用ステップ装置を示す底面図である。
図10図10は、図9の摺動部材が最大離間位置に位置するときの車両用ステップ装置を示す底面図である。
図11図11は、図9の摺動部材が開き位置に位置するときの車両用ステップ装置を示す底面図である。
図12図12は、変更例の車両用ステップ装置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<第1実施形態>
以下、図1図4を参照して、車両用ステップ装置の第1実施形態について説明する。
(車両100)
図1に示すように、車両100は、車体101の側面に設けられたドア開口102を開閉するスライドドア104を備えている。ドア開口102は、車両100の後席に対して乗降する乗員が通過する開口である。ドア開口102の開口方向は、車幅方向に一致している。
【0028】
スライドドア104は、例えば、図示しないモータを駆動源として車両100の前後方向に移動する。スライドドア104は、ドア開口102を全閉する全閉位置と、ドア開口102を全開する全開位置との間で移動する。
【0029】
以降において、車両100の前後方向を単に前後方向と称する。「前」及び「後」は、前後方向における「前」及び「後」を指す。また、車幅方向において車両100の中央から離れる側及び同中央に近づく側を、それぞれ「車幅方向の外側」及び「車幅方向の内側」として説明する。
【0030】
車両100は、スライドドア104を支持する複数のスライドレールを備えている。スライドレールは、車体101におけるドア開口102の下方、後方、及び上方においてそれぞれ前後方向に延びている。各図では、ドア開口102の後方及び上方に設けられたスライドレールの図示が省略されている。以降では、図3及び図4を参照して、ドア開口102の下方に設けられたスライドレールであるロアレール110について説明する。
【0031】
図3及び図4に示すように、ロアレール110は、第1直線部111と第1湾曲部112とを有している。第1直線部111は、前後方向に延びている。第1湾曲部112は、第1直線部111の前端部から前方に向かうほど車幅方向の内側に向かうように湾曲して延びている。
【0032】
スライドドア104は、各スライドレールに摺動可能に構成されたガイドローラユニットを備えている。以降では、ロアレール110に摺動可能に構成された第1ガイドローラユニット105について説明する。
【0033】
第1ガイドローラユニット105は、スライドドア104の下部から車幅方向の内側に延びている。第1ガイドローラユニット105は、ロアレール110に摺動する2つのガイドローラ105aを備えている。各ガイドローラ105aの回転軸線は、上下方向に延びている。なお、第1ガイドローラユニット105は、ロアレール110の延在方向と上下方向との双方に直交する方向に延びる回転軸線を有する他のガイドローラを備えるものであってもよい。
【0034】
スライドドア104が全閉位置から全開位置に移動する場合、第1ガイドローラユニット105が第1湾曲部112に沿って移動するため、スライドドア104が車幅方向の外側に移動しつつ後方に移動する。その後、第1ガイドローラユニット105が第1直線部111に沿って移動するため、スライドドア104が後方に移動する。
【0035】
スライドドア104が全開位置から全閉位置に移動する場合、第1ガイドローラユニット105が第1直線部111に沿って移動するため、スライドドア104が前方に移動する。その後、第1ガイドローラユニット105が第1湾曲部112に沿って移動するため、スライドドア104が車幅方向の内側に移動しつつ前方に移動する。
【0036】
スライドドア104は、後述する可動ステップ30のガイドレール31に摺動可能に構成された第2ガイドローラユニット106を備えている。第2ガイドローラユニット106は、スライドドア104の下部から車幅方向の内側に延びている。第2ガイドローラユニット106は、ガイドレール31に摺動するガイドローラ106aを備えている。ガイドローラ106aの回転軸線は、上下方向に延びている。
【0037】
(ステップ装置10)
図1に示すように、車両100は、ドア開口102の下方に配置された車両用ステップ装置(以下、ステップ装置10という)を備えている。ステップ装置10は、踏み面を形成することにより、ドア開口102を通じた乗員の乗降を補助するものである。
【0038】
図2に示すように、ステップ装置10は、固定ステップ20と、可動ステップ30と、複数の支持機構40と、連結部材50とを備えている。固定ステップ20は、ドア開口102の下方において車体101に固定されている。可動ステップ30は、固定ステップ20の下方において、スライドドア104の開閉動作に連動して車体101に対して進退可能に構成されている。各支持機構40は、可動ステップ30を車体101に対して支持している。可動ステップ30は、例えば、2つの支持機構40によって車体101に対して支持されている。連結部材50は、2つの支持機構40同士を連結している。
【0039】
(固定ステップ20)
固定ステップ20は、ドア開口102の下方においてドア開口102の下縁に沿って延びている。固定ステップ20は、前後方向に延びる長方形板状をなしている。固定ステップ20の上面は、乗員の乗降時における踏み面20aとして機能する。固定ステップ20は、車両100の前席に通じる図示しないドア開口の下縁における前端部まで延びるものであってもよいし、ドア開口102の下縁においてのみ延びるものであってもよい。
【0040】
(可動ステップ30)
可動ステップ30は、ドア開口102の下方においてドア開口102の下縁に沿って延びている。可動ステップ30は、前後方向に延びる長方形板状をなしている。可動ステップ30は、固定ステップ20の下方において2つの支持機構40を介して車体101に支持されている。可動ステップ30の上面は、乗員の乗降時における踏み面30aとして機能する。
【0041】
可動ステップ30は、スライドドア104の開閉動作に連動して、固定ステップ20の下方に格納された格納位置と、固定ステップ20から車幅方向の外側に展開された展開位置との間で進退可能に構成されている。図2では、格納位置における可動ステップ30が二点鎖線にて図示され、展開位置における可動ステップ30が実線にて図示されている。
【0042】
図3及び図4に示すように、可動ステップ30は、第2ガイドローラユニット106が摺動するガイドレール31を有している。ガイドレール31は、可動ステップ30の下面における車幅方向の外側の端部に設けられている。
【0043】
ガイドレール31は、対向する一対の側壁31aを有している。ガイドレール31は、下方に開口している。
ガイドレール31は、第2直線部32と第2湾曲部33とを有している。第2直線部32は、前後方向に延びている。第2湾曲部33は、第2直線部32の前端部から前方に向かうほど車幅方向の内側に向かうように湾曲して延びている。ガイドレール31の第2湾曲部33の前後方向における形成範囲は、ロアレール110の第1湾曲部112の前後方向における形成範囲よりも短い。
【0044】
(支持機構40)
複数の支持機構40は、第1支持機構40Aと第2支持機構40Bとを含んでいる。第1支持機構40Aと第2支持機構40Bとは、可動ステップ30の長手方向、すなわち前後方向に互いに間隔をおいて配置されている。第1支持機構40Aは、第2支持機構40Bの前方に配置されている。第1支持機構40Aと第2支持機構40Bとは、同一の構成を有している。以降において、第1支持機構40Aと第2支持機構40Bとを区別しない場合は、単に支持機構40と称して説明する。
【0045】
各支持機構40は、第1アーム41と、第2アーム42と、連動部43とを備えている。第1アーム41は、車体101に回転可能に支持されている。第2アーム42は、可動ステップ30に回転可能に支持されている。連動部43は、第1アーム41と第2アーム42とを連結している。
【0046】
(第1アーム41)
第1アーム41は、車体101の下面に固定されたブラケット120から直線状に延びている。第1アーム41は、車幅方向において車体101から離れるほど前方に位置するように車幅方向に対して傾斜している。2つの支持機構40における第1アーム41同士は、平行に延びている。
【0047】
第1アーム41の両端部には、第1回転軸A1と第2回転軸A2とがそれぞれ設けられている。第1回転軸A1と第2回転軸A2とは、上下方向に延びる軸線を有している。第1回転軸A1は、ブラケット120に回転可能に支持されている。第2回転軸A2は、連結部材50に回転可能に支持されている。
【0048】
第1アーム41は、複数の歯が形成された第1ギア41aを有している。第1ギア41aは、第2回転軸A2を有する第1アーム41の端部の外周に設けられている。
(第2アーム42)
第2アーム42は、可動ステップ30から直線状に延びている。第2アーム42は、車幅方向において可動ステップ30から離れるほど前方に位置するように車幅方向に対して傾斜している。2つの支持機構40における第2アーム42同士は、平行に延びている。
【0049】
第2アーム42は、第1アーム41と同一平面上に位置している。第1アーム41と第2アーム42とは、前側の部分ほど車幅方向において互いに近接するように配置されている。
【0050】
第2アーム42の両端部には、第3回転軸A3と第4回転軸A4とがそれぞれ設けられている。第3回転軸A3と第4回転軸A4とは、上下方向に延びる軸線を有している。第3回転軸A3は、可動ステップ30の下面に回転可能に支持されている。第4回転軸A4は、連結部材50に回転可能に支持されている。第4回転軸A4は、第1アーム41の第2回転軸A2と水平方向において隣り合っている。
【0051】
第2アーム42は、複数の歯が形成された第2ギア42aを有している。第2ギア42aは、第4回転軸A4を有する第2アーム42の端部の外周に設けられている。第2ギア42aは、第1ギア41aに噛み合うように構成されている。
【0052】
第2アーム42の長さは、第1アーム41の長さと同一である。より詳しくは、第2アーム42における第3回転軸A3と第4回転軸A4との間の長さは、第1アーム41における第1回転軸A1と第2回転軸A2との間の長さと同一である。
【0053】
(連動部43)
連動部43は、第1ギア41aと第2ギア42aとにより構成されている。連動部43において第1ギア41aと第2ギア42aとが互いに噛み合うことにより、車体101に対する第1アーム41の回転角度と、可動ステップ30に対する第2アーム42の回転角度とが同一となる。より詳しくは、連動部43は、可動ステップ30の延在方向に延びる仮想線Vに対する第1アーム41及び第2アーム42の回転角度α1,α2が同一となるように第1アーム41及び第2アーム42の回転動作を連動させる。したがって、連動部43は、第1アーム41及び第2アーム42の回転動作が同期することを許容する一方、当該回転動作が非同期となることを規制している。
【0054】
(連結部材50)
図3に示すように、連結部材50は、前後方向に延びる長尺板状をなしている。連結部材50の長さ方向における両端部には、第1支持部51と第2支持部52とがそれぞれ設けられている。第1支持部51及び第2支持部52は、連結部材50におけるその他の部分よりも幅広に形成されている。
【0055】
第1支持部51は、第1支持機構40Aにおける第1アーム41の第2回転軸A2と第2アーム42の第4回転軸A4とを回転可能に支持している。
第2支持部52は、第2支持機構40Bにおける第1アーム41の第2回転軸A2と第2アーム42の第4回転軸A4とを回転可能に支持している。
【0056】
連結部材50は、第1アーム41と第2アーム42とのなす角度が2つの支持機構40において同一となるように2つの支持機構40同士を連結している。より詳しくは、連結部材50は、2つの支持機構40における回転角度α1が同一となるように、且つ2つの支持機構40における回転角度α2が同一となるように2つの支持機構40同士を連結している。第1アーム41と第2アーム42とのなす角度は、回転角度α1と回転角度α2との総和である。
【0057】
連結部材50によって2つの支持機構40が連結されることにより、2つの支持機構40における第1アーム41及び第2アーム42の車幅方向における位置が規制される。より詳しくは、2つの支持機構40において、第2回転軸A2同士の車幅方向における位置が同一となるとともに、第4回転軸A4同士の車幅方向における位置が同一となる。このため、連結部材50によって、第1アーム41と第2アーム42とのなす角度が2つの支持機構40において互いに異なるような可動ステップ30の移動が規制されている。
【0058】
連結部材50は、車体101及び可動ステップ30に対して固定されていない。このため、連結部材50は、各支持機構40における第1アーム41及び第2アーム42の回転に伴って、車体101及び可動ステップ30に対して移動する。このとき、連結部材50は、可動ステップ30の移動方向に対して交差する方向に移動する。
【0059】
[本実施形態の作用]
図3及び図4に示すように、スライドドア104が全閉位置から全開位置に移動するとき、第1ガイドローラユニット105がロアレール110の第1湾曲部112に沿って移動する。このとき、第2ガイドローラユニット106がガイドレール31の第2湾曲部33に摺動する。ガイドレール31の第2湾曲部33の前後方向における形成範囲は、ロアレール110の第1湾曲部112の前後方向における形成範囲よりも短い。このため、第2ガイドローラユニット106が第2湾曲部33を通過した後は、第2ガイドローラユニット106が第2直線部32に摺動するとともに、第1ガイドローラユニット105が第1湾曲部112に摺動する。
【0060】
第1ガイドローラユニット105が第1湾曲部112に摺動している間は、スライドドア104は、車幅方向の外側に移動しつつ後方に移動する。このとき、第2ガイドローラユニット106は、ガイドレール31の車幅方向における外側の側壁31aを同外側に向けて押圧する。このため、可動ステップ30には、車幅方向の外側に向かう外力が作用する。これにより、可動ステップ30が格納位置から展開位置に向けて移動する。図3及び図4では、第2ガイドローラユニット106の移動軌跡が一点鎖線にて図示されている。
【0061】
スライドドア104が全開位置から全閉位置に移動するとき、第1ガイドローラユニット105がロアレール110の第1直線部111に沿って移動する。このとき、第2ガイドローラユニット106がガイドレール31の第2直線部32に沿って移動する。第1ガイドローラユニット105が第1直線部111を通過した後は、第2ガイドローラユニット106が第2直線部32に摺動するとともに、第1ガイドローラユニット105が第1湾曲部112に摺動する。
【0062】
第1ガイドローラユニット105が第1湾曲部112に摺動している間は、スライドドア104は、車幅方向の内側に移動しつつ前方に移動する。このとき、第2ガイドローラユニット106は、ガイドレール31の車幅方向における内側の側壁31aを同内側に向けて押圧する。このため、可動ステップ30には、車幅方向の内側に向かう外力が作用する。これにより、可動ステップ30が展開位置から格納位置に向けて移動する。
【0063】
可動ステップ30が進退するとき、各支持機構40では、連動部43によって第1アーム41と第2アーム42とが同期して回転する。このため、各支持機構40における第1アーム41の回転角度α1と第2アーム42の回転角度α2とが同一となる。また、2つの支持機構40同士が連結部材50によって連結されているため、第1アーム41と第2アーム42とのなす角度が2つの支持機構40において同一となる。これにより、各支持機構40では、第3回転軸A3が第1回転軸A1に対して車幅方向において直線状に進退する。したがって、可動ステップ30は、前後方向に移動することなく、車幅方向においてのみ進退する。
【0064】
なお、2つの支持機構40は連結部材50によって連結されているため、可動ステップ30の移動時には、2つの第1アーム41同士が平行をなした状態で回転するとともに、2つの第2アーム42同士が平行をなした状態で回転する。したがって、可動ステップ30の移動時には、2つの支持機構40における第2回転軸A2同士の距離及び第4回転軸A4同士の距離が変化しない。
【0065】
[本実施形態の効果]
(1-1)各支持機構40は、車体101に回転可能に支持される第1アーム41と、可動ステップ30に回転可能に支持される第2アーム42と、第1アーム41及び第2アーム42の回転動作を連動させる連動部43とを備えている。
【0066】
こうした構成によれば、スライドドア104の開閉動作に伴って可動ステップ30に対して車幅方向への外力が作用することにより、第1アーム41及び第2アーム42が回転する。ここで、連動部43によって、仮想線Vに対する第1アーム41及び第2アーム42の回転角度α1,α2が同一となるように第1アーム41及び第2アーム42の回転動作が連動する。このため、可動ステップ30は、車体101に対する姿勢を維持した状態で、可動ステップ30の延在方向である前後方向に移動することなく車幅方向に平行移動する。これにより、可動ステップ30の延在方向において可動ステップ30が移動するスペースを確保しなくて済む。したがって、ステップ装置10の配置位置が制限されることを抑制できる。
【0067】
(1-2)連結部材50は、第1アーム41と第2アーム42とのなす角度が2つの支持機構40において同一となるように2つの支持機構40同士を連結している。
こうした構成によれば、連結部材50によって連結された2つの支持機構40において、第1アーム41と第2アーム42とのなす角度が同一となる。また、各支持機構40では、連動部43によって、仮想線Vに対する第1アーム41及び第2アーム42の回転角度α1,α2が同一となる。以上のことから、2つの第1アーム41の回転角度α1及び2つの第2アーム42の回転角度α2が同一となる。これにより、可動ステップ30の移動時において、車体101に対する可動ステップ30の姿勢が維持されやすくなる。
【0068】
(1-3)2つの支持機構40における第1アーム41同士は、平行に延びている。2つの支持機構40における第2アーム42同士は、平行に延びている。連結部材50は、2つの支持機構40の各々における第1アーム41及び第2アーム42を回転可能に支持している。
【0069】
こうした構成によれば、平行に延びる2つの第1アーム41が車体101に対して回転するとともに連結部材50に対して回転する。また、平行に延びる2つの第2アーム42が可動ステップ30に対して回転するとともに連結部材50に対して回転する。これらのことから、第1アーム41及び第2アーム42の姿勢を2つの支持機構40において同一にすることができる。このため、ステップ装置10の構成が複雑化することを抑制できる。
【0070】
(1-4)連動部43は、第1ギア41aと第2ギア42aとにより構成されている。
こうした構成によれば、第1アーム41の第1ギア41aと第2アーム42の第2ギア42aとが噛み合うことにより、第1アーム41及び第2アーム42の回転動作が連動する。したがって、簡易な構成により連動部43を具体化できる。
【0071】
<第2実施形態>
以下、図5及び図6を参照して、車両用ステップ装置の第2実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0072】
第2実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付す。また、第1実施形態と対応する構成については、第1実施形態の符号「**」に「200」を加算した「2**」を付すことにより、重複する説明を省略することがある。
【0073】
第2実施形態のステップ装置210では、2つの支持機構40において、第1アーム41同士の姿勢及び第2アーム42同士の姿勢が互いに異なる。
2つの支持機構40における第1アーム41は、車幅方向の外側の部分ほど前後方向において互いに離れるように車幅方向に対して逆向きに傾斜している。2つの支持機構40における第2アーム42は、車幅方向の内側の部分ほど前後方向において互いに離れるように車幅方向に対して逆向きに傾斜している。ステップ装置210では、2つの支持機構40における第1アーム41同士が前後方向において対称な姿勢をなすとともに、第2アーム42同士が前後方向において対称な姿勢をなしている。
【0074】
連結部材250は、前後方向に延びる長尺板状をなしている。連結部材250の長さ方向における両端部には、第1支持部251と第2支持部252とがそれぞれ設けられている。
【0075】
第1支持部251は、第1支持機構40Aにおける第1アーム41の第2回転軸A2と第2アーム42の第4回転軸A4とを回転可能に支持している。
第2支持部252は、第2支持機構40Bにおける第1アーム41の第2回転軸A2と第2アーム42の第4回転軸A4とを可動ステップ30の延在方向にスライド可能に支持している。
【0076】
第2支持部252は、第2回転軸A2と第4回転軸A4とを個別にスライド可能に支持する2つの支持溝252aを有している。2つの支持溝252aは、前後方向に延びるとともに車幅方向に並列している。各支持溝252aは、下方に開口している。支持溝252aは、第2支持機構40Bにおける第2回転軸A2及び第4回転軸A4が連結部材250に対して車幅方向に相対移動することを規制している。
【0077】
[本実施形態の作用]
第2支持機構40Bにおける第2回転軸A2及び第4回転軸A4は、連結部材250の支持溝252aにスライド可能に支持されている。このため、可動ステップ30が進退するとき、2つの支持機構40における第2回転軸A2同士が前後方向において互いに近接及び離間するとともに、第4回転軸A4同士が前後方向において互いに近接及び離間する。これにより、各支持機構40では、第3回転軸A3が第1回転軸A1に対して車幅方向において直線状に進退する。したがって、可動ステップ30は、前後方向に移動することなく、車幅方向においてのみ進退する。
【0078】
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1-1)、(1-2)及び(1-4)に準じた効果に加えて、新たに以下に示す効果を奏することができる。
【0079】
(2-1)連結部材250は、第1支持機構40Aにおける第1アーム41と第2アーム42とを回転可能に支持するとともに、第2支持機構40Bにおける第1アーム41と第2アーム42とを可動ステップ30の延在方向にスライド可能に支持している。
【0080】
こうした構成によれば、第1支持機構40Aにおける第1アーム41と第2アーム42とが連結部材250に対して回転するとともに、第2支持機構40Bにおける第1アーム41と第2アーム42とが連結部材250に対してスライドする。このため、第1支持機構40A及び第2支持機構40Bの双方において第1アーム41と第2アーム42とが連結部材250に対して回転する場合と比較して、可動ステップ30が車体101に対して進退する際に必要な力を低減できる。したがって、可動ステップ30を車体101に対して円滑に進退させることができる。
【0081】
<第3実施形態>
以下、図7図11を参照して、車両用ステップ装置の第3実施形態について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0082】
第3実施形態において、第1実施形態と同一の構成については同一の符号を付す。また、第1実施形態と対応する構成については、第1実施形態の符号「**」に「300」を加算した「3**」を付すことにより、重複する説明を省略することがある。
【0083】
(車両400)
図7及び図8に示すように、第3実施形態の車両400は、車体401に固定された回転軸を中心に揺動することによりドア開口402を開閉するグライドドア404を備えている。グライドドア404は、車体401の側面に沿った姿勢を維持した状態で揺動する。なお、図7図11は、車両400の左側面に設けられたグライドドア404を示している。
【0084】
グライドドア404は、メインリンク410と駆動リンク62とを介して車体401に連結されている。グライドドア404には、例えば、グライドドア404の上下方向に間隔をおいて配置された一対のメインリンク410が連結されている。
【0085】
メインリンク410は、平面視において略C字状をなしている。メインリンク410の一端部は、車体401の側面における車室内側の部分に回転可能に支持されている。メインリンク410の一端部とは反対側の他端部は、グライドドア404における車室内側の部分に回転可能に支持されている。メインリンク410は、図示しないアクチュエータによって、メインリンク410の一端部を中心に揺動するように構成されている。
【0086】
駆動リンク62は、長尺状をなしている。駆動リンク62の一端部は、車体401の下面に回転可能に支持されている。駆動リンク62の一端部とは反対側の他端部は、グライドドア404の下部における車室内側の部分に回転可能に支持されている。駆動リンク62は、メインリンク410の揺動に連動して駆動リンク62の一端部を中心に揺動する。
【0087】
(ステップ装置310)
図9に示すように、ステップ装置310は、固定ステップ20と、可動ステップ330と、複数の支持機構40と、連結部材50とに加えて、伝達機構60を備えている。伝達機構60は、グライドドア404の開閉動作に基づく力を可動ステップ330に伝達する。
【0088】
(可動ステップ330)
可動ステップ330のガイドレール331は、第2直線部332と、第2直線部332の一端部に接続された第2湾曲部333とを有している。第2直線部332は、可動ステップ330の延在方向である前後方向に延びている。第2湾曲部333は、第2直線部332の両端部のうちグライドドア404の移動方向における開き側の一端部に接続されている。第2湾曲部333は、第2直線部332の一端部から前方に向かうほど車幅方向の内側に向かうように湾曲して延びている。第2湾曲部333は、後述する摺動部材65の移動軌跡に沿って湾曲している。第2直線部332は、「直線部」の一例である。第2湾曲部333は、「湾曲部」の一例である。
【0089】
(伝達機構60)
伝達機構60は、固定リンク61と、上述した駆動リンク62と、従動リンク63と、中間リンク64とを備えている。伝達機構60は、固定リンク61と、駆動リンク62と、従動リンク63と、中間リンク64とにより四節リンク機構を構成している。伝達機構60は、例えば、互いに平行に延びる駆動リンク62及び従動リンク63を備える平行クランク機構を構成している。
【0090】
固定リンク61は、車体401の下面に固定されている。固定リンク61は、ブラケット120の下方に位置している。
固定リンク61は、ベース部61aと、ベース部61aから延びる延在部61bとを有している。ベース部61aは、車体401の下面に固定されている。延在部61bは、車幅方向の外側に向かうほどグライドドア404の移動方向における閉じ側に位置するように車幅方向に対して傾斜して延びている。
【0091】
駆動リンク62は、固定リンク61のベース部61aから直線状に延びている。駆動リンク62の一端部には、第5回転軸A5が設けられている。駆動リンク62の一端部と他端部との間の部分には、第6回転軸A6が設けられている。第5回転軸A5と第6回転軸A6とは、上下方向に延びる軸線を有している。駆動リンク62は、第5回転軸A5を介してベース部61aに回転可能に支持されている。駆動リンク62は、グライドドア404の開閉動作に連動して第5回転軸A5を中心に揺動する。
【0092】
従動リンク63は、固定リンク61の延在部61bから直線状に延びている。従動リンク63は、駆動リンク62よりも短い。従動リンク63の両端部には、第7回転軸A7と第8回転軸A8とがそれぞれ設けられている。第7回転軸A7と第8回転軸A8とは、上下方向に延びる軸線を有している。従動リンク63は、第7回転軸A7を介して延在部61bに回転可能に支持されている。すなわち、従動リンク63は、駆動リンク62とは異なる位置において車体401に回転可能に支持されている。従動リンク63は、駆動リンク62に連動して第7回転軸A7を中心に揺動する。従動リンク63の揺動中心は、駆動リンク62の揺動中心と異なる。より詳しくは、従動リンク63の揺動中心は、駆動リンク62の揺動中心よりも車幅方向の外側、且つグライドドア404の移動方向における閉じ側の位置である。
【0093】
中間リンク64は、固定リンク61と平行に直線状に延びている。中間リンク64は、第6回転軸A6及び第8回転軸A8を介して、駆動リンク62及び従動リンク63にそれぞれ回転可能に連結されている。中間リンク64によって、駆動リンク62と従動リンク63との動作が連動する。
【0094】
伝達機構60は、ガイドレール331の側壁331aを可動ステップ330の進退方向に押圧しながらガイドレール331に摺動する摺動部材65を備えている。摺動部材65は、例えば、従動リンク63のうち中間リンク64との連結部分に設けられている。摺動部材65は、例えば、従動リンク63と中間リンク64との連結部分に第8回転軸A8と同軸上に取り付けられたガイドローラである。摺動部材65は、駆動リンク62の揺動に伴って、従動リンク63の揺動軌跡、より詳しくは、第8回転軸A8の移動軌跡に沿って移動する。すなわち、摺動部材65は、第7回転軸A7を中心とする円弧に沿って移動する。
【0095】
摺動部材65がガイドレール331に摺動することにより、可動ステップ330には、摺動部材65を介して車幅方向の内側または外側への力が作用する。これにより、可動ステップ330は、グライドドア404の開閉動作に連動して格納位置と展開位置との間で進退する。すなわち、駆動リンク62の揺動に伴って摺動部材65がガイドレール331に摺動することにより、グライドドア404の回転運動が可動ステップ330の進退方向における直線運動に変換される。
【0096】
グライドドア404は、図9に示す全閉位置と、図11に示す全開位置との間で移動するとき、図10に示す車幅方向において車体401から最も離間した位置を通過する。グライドドア404は、車幅方向において車体401から最も離間した位置を通過するまでは車体401から離間する方向に移動する一方、当該位置を通過した後は車体401に近接する方向に移動する。
【0097】
以降において、グライドドア404が全閉状態であるときの摺動部材65の位置を閉じ位置Pcと称する。また、グライドドア404が全開状態であるときの摺動部材65の位置を開き位置Poと称する。また、可動ステップ330の進退方向において車体401から最も離間するときの摺動部材65の位置を最大離間位置Pmと称する。最大離間位置Pmは、摺動部材65の移動範囲における閉じ位置Pcと開き位置Poとの間の位置である。
【0098】
摺動部材65は、閉じ位置Pcと開き位置Poとの間で移動するとき、最大離間位置Pmを通過する。摺動部材65は、最大離間位置Pmを通過するまでは車体401から離間する方向に移動する。一方、摺動部材65は、最大離間位置Pmを通過した後は車体401に近接する方向に移動する。摺動部材65は、閉じ位置Pcと最大離間位置Pmとの間で移動するときにはガイドレール331の第2直線部332に摺動する。摺動部材65は、最大離間位置Pmと開き位置Poとの間で移動するときには第2湾曲部333に沿って移動する。
【0099】
[本実施形態の作用]
図9及び図10に示すように、グライドドア404が全閉位置から全開位置に移動するとき、摺動部材65は、まず、閉じ位置Pcから最大離間位置Pmに向かって移動する。このとき、摺動部材65は、ガイドレール331の第2直線部332に摺動する。より詳しくは、摺動部材65は、第2直線部332の車幅方向における外側の側壁331aを同外側に向けて押圧しながら第2直線部332内を移動する。このため、可動ステップ330には、車幅方向の外側に向かう外力が作用する。これにより、可動ステップ330が格納位置から展開位置に向けて移動する。摺動部材65が最大離間位置Pmに移動することにより、可動ステップ330が展開位置に移動する。
【0100】
図10及び図11に示すように、その後、摺動部材65は、最大離間位置Pmから開き位置Poに向かって移動する。このとき、摺動部材65は、ガイドレール331の第2湾曲部333に沿って移動する。第2湾曲部333は、摺動部材65の移動軌跡に沿って湾曲しているため、摺動部材65は、第2湾曲部333の一対の側壁331aを押圧しない。このため、摺動部材65が最大離間位置Pmから開き位置Poに移動しても、可動ステップ330は、展開位置に位置したままとなる。なお、摺動部材65が第2湾曲部333に沿って移動するとき、摺動部材65は、第2湾曲部333の一対の側壁331aに接触してもよい。
【0101】
グライドドア404が全開位置から全閉位置に移動するとき、摺動部材65は、まず、開き位置Poから最大離間位置Pmに向かって移動する。このとき、摺動部材65は、ガイドレール331の第2湾曲部333に沿って移動する。このため、摺動部材65が開き位置Poから最大離間位置Pmに移動しても、可動ステップ330は、展開位置に位置したままとなる。
【0102】
図9及び図10に示すように、その後、摺動部材65は、最大離間位置Pmから閉じ位置Pcに向かって移動する。このとき、摺動部材65は、ガイドレール331の第2直線部332に摺動する。より詳しくは、摺動部材65は、第2直線部332の車幅方向における内側の側壁331aを同内側に向けて押圧しながら第2直線部332内を移動する。このため、可動ステップ330には、車幅方向の内側に向かう外力が作用する。これにより、可動ステップ330が展開位置から格納位置に向けて移動する。摺動部材65が閉じ位置Pcに移動することにより、可動ステップ330が格納位置に移動する。
【0103】
[本実施形態の効果]
本実施形態によれば、第1実施形態の効果(1-1)~(1-4)に準じた効果に加えて、新たに以下に示す効果を奏することができる。
【0104】
(3-1)伝達機構60は、グライドドア404の開閉動作に連動して揺動する駆動リンク62と、ガイドレール331を可動ステップ330の進退方向に押圧しながらガイドレール331に摺動する摺動部材65とを備えている。
【0105】
こうした構成によれば、グライドドア404の開閉動作に連動して駆動リンク62が揺動することにより、摺動部材65がガイドレール331に摺動する。このとき、摺動部材65は、ガイドレール331を可動ステップ330の進退方向に押圧しながらガイドレール331に摺動する。これにより、グライドドア404の開閉動作に基づく力が可動ステップ330に伝達される。したがって、グライドドア404の開閉動作に連動して、可動ステップ330を進退させることができる。
【0106】
(3-2)伝達機構60は、駆動リンク62に連動して揺動する従動リンク63と、駆動リンク62及び従動リンク63に回転可能に連結される中間リンク64とを備えている。摺動部材65は、従動リンク63に設けられている。
【0107】
こうした構成によれば、摺動部材65が従動リンク63に設けられているため、可動ステップ330の可動範囲は、従動リンク63の揺動軌跡に応じた範囲となる。このため、従動リンク63及び中間リンク64の長さを変更することにより、駆動リンク62の可動範囲、すなわちドアの可動範囲を変更することなく、可動ステップ330の可動範囲を調整することができる。したがって、ステップ装置310の汎用性を高めることができる。
【0108】
(3-3)摺動部材65は、閉じ位置Pcと最大離間位置Pmとの間で移動するときには第2直線部332に摺動する一方、開き位置Poと最大離間位置Pmとの間で移動するときには第2湾曲部333に沿って移動する。
【0109】
例えば、摺動部材65が閉じ位置Pcと開き位置Poとの間で移動するときにガイドレール331の第2直線部332のみに摺動する場合には、摺動部材65が最大離間位置Pmを通過する際に可動ステップ330の進退方向が切り替わる。すなわち、摺動部材65が閉じ位置Pcと最大離間位置Pmとの間で移動するときと、最大離間位置Pmと開き位置Poとの間で移動するときとでは、可動ステップ330の移動方向が異なる。この場合、グライドドア404が開方向に移動しているにも関わらず、可動ステップ330が車体401に近接する方向に移動することがある。また、グライドドア404が閉方向に移動しているにも関わらず、可動ステップ330が車体401から離間する方向に移動することがある。こうした可動ステップ330の動作は、乗員に違和感を与えるおそれがある。
【0110】
この点、上記構成によれば、摺動部材65が閉じ位置Pcと最大離間位置Pmとの間で移動するときには第2直線部332に摺動する一方、開き位置Poと最大離間位置Pmとの間で移動するときには第2湾曲部333に沿って移動する。第2湾曲部333は、摺動部材65の移動軌跡に沿って湾曲しているため、摺動部材65が第2湾曲部333に沿って移動するときには、グライドドア404の開閉動作に基づく力が摺動部材65を介して可動ステップ330に伝達されなくなる。したがって、グライドドア404の開閉動作時における可動ステップ330の動作が乗員に違和感を与えることを抑制できる。
【0111】
<変更例>
各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0112】
・第3実施形態において、第2湾曲部333は、ガイドレール331から省略されてもよい。この場合、摺動部材65の開き位置Poが最大離間位置Pmとなるように、グライドドア404の開度を調整することが好ましい。
【0113】
・第3実施形態において、摺動部材65は、ガイドレール331に摺動するものであれば、ガイドローラに限定されない。摺動部材65は、例えば、第8回転軸A8からガイドレール331に向かって突出する円柱状の突起であってもよい。
【0114】
・第3実施形態において、伝達機構60は、平行クランク機構でなくてもよい。すなわち、駆動リンク62及び従動リンク63は、互いに平行に延びていなくてもよい。
・第3実施形態において、摺動部材65は、駆動リンク62、従動リンク63、及び中間リンク64のいずれかにおける任意の位置に取り付けられていてもよい。この場合、摺動部材65の位置に応じて、車幅方向における可動ステップ330の幅、ガイドレール331の位置及び形状、可動ステップ330の可動範囲を制限する支持機構40の可動範囲等を調整すればよい。
【0115】
・第3実施形態において、車両400は、グライドドア404に代えて、車体401に固定されたヒンジを中心に揺動するスイングドアを備えていてもよい。この場合、駆動リンク62は、スイングドアの開閉動作に連動して揺動する。
【0116】
・第2実施形態において、第1支持部251及び第2支持部252の少なくとも一方に支持溝252aが設けられていてもよい。
・第2実施形態において、第1アーム41及び第2アーム42の姿勢が2つの支持機構40において同一であってもよい。すなわち、2つの支持機構40において、第1アーム41同士が平行に延びるとともに、第2アーム42同士が平行に延びていてもよい。
【0117】
・連動部43は、第2回転軸A2を有する第1アーム41の端部に設けられたギアと、第4回転軸A4を有する第2アーム42の端部に設けられたギアと、これらギアを連結する歯付きベルトとにより構成されていてもよい。
【0118】
・第2回転軸A2を有する第1アーム41の端部と、第4回転軸A4を有する第2アーム42の端部とに、互いに密着した状態で回転する摺動ローラが設けられていてもよい。摺動ローラは、第1アーム41及び第2アーム42の回転動作が同期することを許容する一方、摩擦力によって第1アーム41と第2アーム42との滑りを規制するものであることが好ましい。この場合、連動部43は、摺動ローラによって構成される。
【0119】
・ステップ装置10から連結部材50が省略されてもよい。
・可動ステップ30は、車両100の後方に開口するドア開口を開閉するバックドアの開閉動作に連動して、車体101に対して前後方向に進退可能に構成されるものであってもよい。
【0120】
図12に示すように、車両は、可動ステップ30同士が前後方向に隣り合って配置される2つのステップ装置10を備えるものであってもよい。この構成によれば、各可動ステップ30が車幅方向にのみ進退するため、可動ステップ30同士の干渉を回避できる。また、可動ステップ30同士の前後方向における隙間を小さくできる、あるいは無くすことができる。これにより、可動ステップ30同士が前後方向に連続的に並ぶため、各ステップ装置10の使用範囲を拡大することができるとともに、見栄えを向上させることができる。
【0121】
・ステップ装置10から固定ステップ20が省略されてもよい。この場合、例えば、可動ステップ30がドア開口102の下縁に位置するロッカーなどの部位に対して進退可能に構成されていればよい。
【0122】
・ステップ装置10は、3つ以上の支持機構40を備えるものであってもよい。この場合、少なくとも2つの支持機構40が連結部材50によって連結されていることが好ましい。
【符号の説明】
【0123】
α1,α2…回転角度
A1…第1回転軸
A2…第2回転軸
A3…第3回転軸
A4…第4回転軸
A5…第5回転軸
A6…第6回転軸
A7…第7回転軸
A8…第8回転軸
Pc…閉じ位置
Pm…最大離間位置
Po…開き位置
V…仮想線
10,210,310…ステップ装置
20…固定ステップ
20a…踏み面
30,330…可動ステップ
30a…踏み面
31,331…ガイドレール
31a,331a…側壁
32,332…第2直線部
33,333…第2湾曲部
40…支持機構
40A…第1支持機構
40B…第2支持機構
41…第1アーム
41a…第1ギア
42…第2アーム
42a…第2ギア
43…連動部
50,250…連結部材
51,251…第1支持部
52,252…第2支持部
60…伝達機構
61…固定リンク
61a…ベース部
61b…延在部
62…駆動リンク
63…従動リンク
64…中間リンク
65…摺動部材
100,400…車両
101,401…車体
102,402…ドア開口
104…スライドドア
105…第1ガイドローラユニット
105a…ガイドローラ
106…第2ガイドローラユニット
106a…ガイドローラ
110…ロアレール
111…第1直線部
112…第1湾曲部
120…ブラケット
252a…支持溝
404…グライドドア
410…メインリンク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12