(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112779
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】作業工程管理システム、作業工程管理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/063 20230101AFI20240814BHJP
G06V 30/00 20220101ALI20240814BHJP
【FI】
G06Q10/063
G06V30/00 S
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024014171
(22)【出願日】2024-02-01
(31)【優先権主張番号】P 2023017960
(32)【優先日】2023-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】523045191
【氏名又は名称】株式会社産業未来化研究室
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】北林 延元
【テーマコード(参考)】
5B064
【Fターム(参考)】
5B064AA05
5B064AA07
5B064BA01
5B064CA08
5B064EA12
5B064FA04
5B064FA05
5B064FA13
(57)【要約】
【課題】作業で使用する部材に直接書かれた文字を画像として読み取って、識別コードを認識する。これにより、部材に紙やシール等の物理的なラベリングをすることなく、直接、部材に書いた文字を読み取ることで、部材管理の利便性が向上する作業工程管理システム、作業工程管理方法、およびプログラムを提供する。
【解決手段】作業工程管理システム1は、作業で使用する部材6に書かれた文字列10を撮影する撮影部301と、撮影部301で撮影された文字列10を認識し、認識した文字列10に対応し、予め記憶された文字列候補20を表示する表示部302と、を備え、表示部302は、作業者5に選択可能に文字列候補20を1つ乃至複数表示し、作業者5の選択を受け付ける。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業工程を管理する作業工程管理システムであって、
作業で使用する部材に書かれた文字列を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影された文字列を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示し、作業者の選択を受け付ける作業工程管理システム。
【請求項2】
前記作業者の選択を受付けた前記文字列候補を、当該部材の識別コードとして決定する請求項1に記載の作業工程管理システム。
【請求項3】
作業入力端末と通信可能に接続されたコンピュータとを備える作業工程管理システムであって、
前記作業の工程進捗を示す工程進捗データと、前記識別コードとを対応付けて管理する請求項2に記載の作業工程管理システム。
【請求項4】
前記作業者から前記作業を行う作業(工事)場所の入力を受付けた後に、前記表示部は、作業工程毎に前記撮影部による撮影を前記作業者に促すインターフェースを表示する請求項2に記載の作業工程管理システム。
【請求項5】
前記表示部は、前記撮影された文字列を回転可能に表示し、かつ、前記作業者にダイヤル式で選択可能に前記文字列候補を表示する請求項4に記載の作業工程管理システム。
【請求項6】
前記撮影部で前記撮影された文字列と、前記文字列候補が余分な文字又は文字列が撮影されて相違する場合に、当該余分な文字又は文字列を前記文字列候補として認識しない請求項5に記載の作業工程管理システム。
【請求項7】
前記識別コードを決定した前記部材の置場を登録する請求項6に記載の作業工程管理システム。
【請求項8】
作業入力端末が、前記作業者の作業者識別コードと対応付けられた請求項7に記載の作業工程管理システム。
【請求項9】
前記撮影部は、作業で使用する部材に書かれた複数の文字列を撮影し、
前記表示部は、撮影された複数の文字列の各々を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を各々表示し、
作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示し、作業者の選択を文字列ごとに受け付ける請求項1に記載の作業工程管理システム。
【請求項10】
作業工程を管理する作業工程管理方法であって、
作業で使用する部材に書かれた文字列を撮影するステップと、
撮影された文字列を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を表示するステップと、を備え、
前記表示するステップでは、作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示する作業工程管理方法。
【請求項11】
作業工程を管理するプログラムであって、
作業で使用する部材に書かれた文字列を撮影するステップと、
撮影された文字列を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を表示するステップと、を備え、
前記表示するステップでは、作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示し、作業者の選択を受付けるコンピュータ読取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作業工程管理システム、作業工程管理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
工事現場等の部材にQRコード(登録商標)等の物理的なラベリングを紙やシールで貼り付けて、部材等の物と、その物を識別するための識別IDとを対応付けるシステムが知られている。(非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】梅村建工株式会社webサイト「工程管理システムの試験導入を開始しました」,[online],[令和4年12月2日検索],インターネット,<URL;https://umemurakenkou.co.jp/info/qrcode-system/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、非特許文献1に記載の技術では、紙やシール等を用意して、QRコード等を印刷する必要があり、人為的ミスが生じやすい。加えて、物理的な紙なのでデータの更新に対応できない。さらに、数多いラベリングがあると追跡することが難しくなる。加えて、物理的に貼ったものは剥がれてしまう。そこで、物理的なラベリングを必要としない、より簡便な管理システムが望まれている。
【0005】
そこで、本発明は、これらの課題に鑑み、作業で使用する部材に直接書かれた文字を画像として読み取って、識別コードを認識する。これにより、部材に紙やシール等の物理的なラベリングをすることなく、直接、部材に書いた文字を読み取ることで、部材管理の利便性が向上する作業工程管理システム、作業工程管理方法、およびプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0007】
第1の特徴に係る発明は、作業工程を管理する作業工程管理システムであって、
作業で使用する部材に書かれた文字列を撮影する撮影部と、
前記撮影部で撮影された文字列を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を表示する表示部と、を備え、
前記表示部は、作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示し、作業者の選択を受け付ける作業工程管理システムを提供する。
【0008】
第1の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムにおいて、
前記撮影部は、作業で使用する部材に書かれた文字列を撮影し、
前記表示部は、前記撮影部で撮影された文字列を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を表示し、作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示し、作業者の選択を受け付ける。
【0009】
第1の特徴に係る発明は、作業工程管理システムのカテゴリであるが、作業工程管理方法、およびプログラムであっても同様の作用、効果を奏する。
【0010】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明である作業工程管理システムであって、前記作業者の選択を受付けた文字列候補を、当該部材の識別コードとして決定する作業工程管理システムを提供する。
【0011】
第2の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムは、前記作業者の選択を受付けた前記文字列候補を、当該部材の前記識別コードとして決定する。
【0012】
第3の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明である作業工程管理システムであって、作業入力端末と通信可能に接続されたコンピュータとを備え、
前記作業の工程進捗を示す工程進捗データと、前記識別コードとを対応付けて管理する作業工程管理システムを提供する。
【0013】
第3の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムは、前記作業入力端末と通信可能に接続された前記コンピュータとを備え、
前記作業の工程進捗を示す前記工程進捗データと、前記識別コードとを対応付けて管理する。
【0014】
第4の特徴に係る発明は、第2の特徴に係る発明である作業工程管理システムであって、前記作業者から前記作業を行う作業(工事)場所の入力を受付けた後に、前記表示部は、作業工程毎に前記撮影部による撮影を前記作業者に促すインターフェースを表示する作業工程管理システムを提供する。
【0015】
第4の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムにおいて、前記作業者から前記作業を行う作業(工事)場所の入力を受付けた後に、前記表示部は、作業工程毎に前記撮影部による撮影を前記作業者に促すインターフェースを表示する。
【0016】
第5の特徴に係る発明は、第4の特徴に係る発明である作業工程管理システムであって、前記表示部は、前記撮影された文字列を回転可能に表示し、かつ、前記作業者にダイヤル式で選択可能に前記文字列候補を表示する作業工程管理システムを提供する。
【0017】
第5の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムにおいて、前記表示部は、前記撮影された文字列を回転可能に表示し、かつ、前記作業者にダイヤル式で選択可能に前記文字列候補を表示する。
【0018】
第6の特徴に係る発明は、第5の特徴に係る発明である作業工程管理システムであって、前記撮影部で撮影された文字列と、前記文字列候補が余分な文字又は文字列が撮影されて相違する場合に、当該余分な文字又は文字列を文字列候補として認識しない作業工程管理システムを提供する。
【0019】
第6の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムは、前記撮影部で撮影された文字列と、前記文字列候補が余分な文字又は文字列が撮影されて相違する場合に、当該余分な文字又は文字列を文字列候補として認識しない。
【0020】
第7の特徴に係る発明は、第6の特徴に係る発明である作業工程管理システムであって、前記識別コードを決定した部材の置場を登録する作業工程管理システムを提供する。
【0021】
第7の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムは、前記識別コードを決定した前記部材の置場を登録する。
【0022】
第8の特徴に係る発明は、第7の特徴に係る発明である作業工程管理システムであって、前記作業入力端末が、作業者の作業者識別コードと対応付けられた作業工程管理システムを提供する。
【0023】
第8の特徴に係る発明によれば、作業工程管理システムは、前記作業入力端末と、作業者の作業者識別コードとを対応付ける。
【0024】
第9の特徴に係る発明は、作業工程を管理する作業工程管理方法において、
作業で使用する部材に書かれた文字列を撮影するステップと、撮影された文字列を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を表示するステップと、
前記表示するステップでは、作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示するステップと、を備える作業工程管理方法を提供する。
【0025】
第9の特徴に係る発明は、作業工程を管理する作業工程管理システムにおいて
作業で使用する部材に書かれた文字列を撮影するステップと、
撮影された文字列を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を表示するステップと、
前記表示するステップでは、作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示し、作業者の選択を受付けるステップと、を実行させるためのコンピュータ読取り可能なプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、例えば、鉄骨等の部材にチョーク等で直接書かれた文字を画像として読み取って、識別IDを認識することにより、部材に紙やシール等の物理的なラベリングをすることなく、直接、部材に書いた文字を読み取ることで、部材管理の利便性が向上する作業工程管理システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムの基本概念および基本構成を説明する図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る文字列認識処理フローを示す図である。
【
図3】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する文字列認識の一例を示すイメージ図である。
【
図4】本発明の実施形態に係る文字列識別処理フローを示す図である。
【
図5】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する文字列識別処理の一例を示すイメージ図である。
【
図6】本発明の実施形態に係る工程進捗対応処理フローを示す図である。
【
図7】本発明の実施形態に係る手順提示処理フローを示す図である。
【
図8】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する手順提示処理の一例を示すイメージ図である。
【
図9】本発明の実施形態に係る回転表示及びダイヤル式表示処理フローを示す図である。
【
図10】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する回転表示及びダイヤル式表示処理の一例を示すイメージ図である。
【
図11】本発明の実施形態に係る誤認識防止処理フローを示す図である。
【
図12】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する誤認識防止処理の一例を示すイメージ図である。
【
図13】本発明の実施形態に係る置場管理処理フローを示す図である。
【
図14】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する置場管理処理の一例を示すイメージ図である。
【
図15】本発明の実施形態に係る作業者識別処理フローを示す図である。
【
図16】本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する作業者識別処理の一例を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。以降の図においては、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号または符号を付している。
【0029】
[基本概念/基本構成]
図1は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システムの基本概念および基本構成を説明するための図である。
【0030】
図1に示すように、本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1は、作業で使用する部材6に書かれた文字列10を撮影する撮影部301と、撮影部301で撮影された文字列10を認識し、認識した文字列10に対応し、予め記憶された文字列候補20を表示する表示部302と、から構成される。
【0031】
図1に示すように、作業工程を管理する作業工程管理システム1は、撮影部301を有する作業入力端末2を用いて、例えば、作業現場で用いる鉄鋼などの部材6に書かれた文字列10を撮影する。
【0032】
撮影された文字列10は、作業入力端末2の表示部302によって認識される。表示部302は、認識した文字列10に対応した1つ乃至複数の文字列候補20を作業入力端末2に表示し、作業者5の選択を受付ける。
【0033】
作業工程管理システム1の作業入力端末2は、例えば、カメラ等の撮影機能を有したスマートフォンやタブレット端末等の電子デバイスであってよく、コンピュータ4は、例えば、オンプレミスサーバやオンプレミスコンピューティングシステム、またはクラウドサーバやクラウドコンピューティングシステムであって、本実施形態では、クラウドコンピューティングシステムである。
【0034】
ここで、作業工程管理システムの作業入力端末2およびコンピュータ4は、ネットワーク3で通信可能に接続されていれば、それぞれ1つ乃至複数あってよい。また、ネットワーク3は例えば、Wi―Fi等の無線通信環境に限定されず、それぞれにUSBケーブル等のインターフェースを用いて物理的に接続されてもよい。
【0035】
作業工程管理システム1の作業入力端末2は、撮影するためのカメラ機能と、制御部200として、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、等と、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、Wi―Fi対応デバイス等と、を少なくとも備え、記憶部210として、半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。ストレージ部はネットワーク通信可能な外部に存在してもよい。
【0036】
作業工程管理システム1の作業入力端末2において、制御部200が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部210と協働して、撮影部301および表示部302を実現する。
【0037】
作業工程管理システム1のコンピュータ4は、CPU、GPU、RAM、ROM、等と、他の端末や装置等と通信可能にするためのデバイス、例えば、Wi―Fi対応デバイス等と、を少なくとも備え、半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。ストレージ部はネットワーク通信可能な外部に存在してもよい。
【0038】
以上が作業工程管理システム1の基本概念および基本構成である。
【0039】
[文字列認識処理]
図2は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の文字列認識処理フローを示す図である。
図3は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する文字列認識処理の一例を示すイメージ図である。
図2および
図3に基づいて、作業工程管理システム1が実現する文字列認識処理について説明する。
【0040】
まず、
図3左に示すように作業者5の操作により作業工程管理システム1の作業入力端末2の撮影部301が、文字列10を撮影する(ステップS401)。次に、作業工程管理システム1の作業入力端末2の表示部302は、撮影された文字列10を認識し、
図3右に示すように文字列10に対応する記憶部230に予め記憶された1つ乃至複数の文字列候補20を選択可能に表示する(ステップS402)。
【0041】
ここで、作業入力端末2の表示部302は、1つ乃至複数の文字列候補20を作業入力端末2に表示してよい。
【0042】
次に、作業者5の操作により作業入力端末2に表示された1つ乃至複数の文字列候補20から1つの文字列候補20を選択された場合(ステップS403)、作業入力端末2の表示部302は、選択された文字列候補20を受付ける(ステップS404)。
【0043】
文字列10は、例えば、作業現場で使用する鉄骨等の部材6にチョーク等で直接書かれた文字であってよく、書かれた文字は数字やアルファベットに限定されず、記号などであってもよい。
【0044】
文字列候補20は、例えば、予め撮影された文字列10を教師データとして学習し、文字列認識のアノテーションデータとして付与するなどしてよい。アノテーションデータの付与方法については、特に限定することなく、人手による方法や、アノテーションツールといったタグ付け自動化ツールを使用する方法などでデータを付与してもよい。
【0045】
また、前記学習する文字列は、前記文字列に限定されず、文字や記号単位であってもよい。
【0046】
ここで、上述した文字列候補20の前記学習は、作業入力端末2で行ってよく、コンピュータ4で行いネットワーク3を介して前記学習した結果を作業入力端末2と同期してよい。
【0047】
以上が、文字列認識処理である。
【0048】
[文字列識別処理]
図4は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2が実行する文字列識別処理フローを示す図である。
図5、本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1が出力する文字列識別処理の一例を示すイメージ図である。
図4および
図5に基づいて、作業工程管理システム1が実現する文字列識別処理について説明する。
【0049】
本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2は、
図5左に示すように、作業者5が選択し作業入力端末2が受付けた文字列候補20を、識別コード30として決定する(ステップS405)。
【0050】
ここで、決定された識別コード30は、
図5右に示すように表示される。
【0051】
以上が、文字列識別処理である。
【0052】
[工程進捗対応処理]
図6は本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2が実行する工程進捗対応処理フローを示す図である。
図6に基づいて、作業工程管理システム1が実現する工程進捗対応処理について説明する。
【0053】
図6に示すように、作業工程管理システム1の作業入力端末2は、識別コード30と工程進捗データ40とを対応付ける(ステップS406)。
【0054】
工程進捗データ40とは、例えば、作業等の工程の進捗を管理するためのデータであって、対応するデータは識別コード30に限定されず、部材6に関するデータ、作業や工事等の物件データ、工程データ、製品データ、図面データ、後述する部材置場データ50、作業者識別コード60などと対応してよい。
【0055】
工程進捗データ40は、作業入力端末2とネットワーク3を介して通信可能に接続されたコンピュータ4の当該工程進捗データと同期して管理してよい。
【0056】
以上が、工程進捗対応処理である。
【0057】
[手順提示処理]
図7は本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2が実行する手順提示処理フローを示す図である。また、
図8は本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する手順提示処理の一例を示すイメージ図である。
図7および
図8に基づいて、作業工程管理システム1が実現する手順提示処理について説明する。
【0058】
図7に示すように、作業工程管理システム1の作業入力端末2は、作業者5によって作業(工事)場所項目の入力を受付けた場合(ステップS407)、作業工程項目、撮影項目を入力可能に表示する(ステップS408)。
【0059】
図8左に示すように、前記作業(工事)場所項目が入力されていない場合、前記撮影項目は表示されない。
【0060】
また、作業工程管理システム1の作業入力端末2は前記作業(工事)場所項目の入力を受付け、前記作業工程項目の入力を受付けた後、
図8右に示すように前記撮影項目が表示され撮影することが可能となり、作業者5に作業工程毎に撮影を促すことが可能となる。
【0061】
上述した一定の手順で入力可能な項目を表示することで、項目の記載漏れを軽減することも可能である。
【0062】
以上が、手順提示処理である。
【0063】
[回転表示及びダイヤル式表示処理]
図9は本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2の表示部302が実行する回転表示及びダイヤル式表示処理フローを示す図である。また、
図10は本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1が出力する回転表示及びダイヤル式表示処理の一例を示すイメージ図である。
図9および
図10に基づいて、作業工程管理システム1が実現する回転表示及びダイヤル式表示処理について説明する。
【0064】
作業工程管理システム1の作業入力端末2の表示部302は、撮影された文字列10を回転可能に表示する(ステップS409)。さらに、作業工程管理システム1の表示部302は、認識した文字列10に対応する記憶部230に予め記憶された1つ乃至複数の文字列候補20をダイヤル式で選択可能に表示する(ステップS410)。
【0065】
図10左に示すように、作業者5は、回転項目を操作することによって撮影された文字列10を任意の角度に回転させることができ、例えば、部材6に書かれた文字列10を反対側からなど正面以外の角度から撮影しても、
図10中に示すように文字列10を認識することが可能となる。
【0066】
図10右に示すように、ダイヤル式で文字列候補20を表示することで、多数の文字列候補であっても少ないスペースで表示することが可能となり、例えば、片手で操作できるなど、操作を容易にすることが可能となる。
【0067】
以上が、回転表示及びダイヤル式表示処理である。
【0068】
[誤認識防止処理]
図11は本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2が実行する誤認識防止処理フローを示す図である。また、
図12は本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1が出力する誤認識防止処理の一例を示すイメージ図である。
図11および
図12に基づいて、作業工程管理システム1が実現する誤認識防止処理について説明する。
【0069】
図11に示すように、作業工程管理システム1の作業入力端末2は、余分な文字や文字列や汚れが撮影され、文字列10が予め記憶された文字列候補20と相違する場合(ステップS411)、前記余分な文字や文字列や汚れを文字列候補20として認識しない(ステップS412)。
【0070】
ここで、前記余分な文字や文字列や汚れは、予め記憶された文字列候補20と一致する場合であっても、例えば、予め上述した前記作業(工事)場所項目や前記作業工程等と対応して設定された除外項目に合致した場合に、前記余分な文字や文字列や汚れあるいは不要文字と認識してよい。
【0071】
また、前記余分な文字や文字列や汚れは、例えば、予め撮影された余分な文字や文字列や汚れを教師データとして学習し、不要文字認識のアノテーションデータとして付与するなどしてよい。アノテーションデータの付与方法については、特に限定することなく、人手による方法や、アノテーションツールといったタグ付け自動化ツールを使用する方法などでデータを付与してもよい。
【0072】
図12に示すように、作業工程管理システム1の作業入力端末2は、撮影された文字列から、破線枠で示された不要文字や汚れを認識から除外することで、実線枠で示された文字列10を誤認識せずに認識することが可能となる。
【0073】
以上が、誤認識防止処理である。
【0074】
[置場管理処理]
図13は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2が実行する本発明の実施形態に係る置場管理処理フローを示す図である。
図14は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する置場管理処理の一例を示すイメージ図である。
図13および
図14に基づいて、作業工程管理システム1が実現する置場管理処理について説明する。
【0075】
図13に示すように、作業工程管理システム1の作業入力端末2は、識別コード30と部材置場データ50とを対応付けて登録する(ステップS413)。
【0076】
なお、識別コード30と部材置場データ50と対応付けは
図14に示すように作業入力端末2による登録に限定されず、例えば、コンピュータ4を直接操作して登録してもよい。
【0077】
部材置場データ50とは、例えば
図14右に示すような部材の置場を示すデータであって、例えば、
図14左に示すように、部材置場データ50の項目を選択することで、識別コード30を決定した部材6と対応付けて登録することで、部材6とその置場の管理を容易にすることが可能となる。
【0078】
以上が、置場管理処理である。
【0079】
[作業者識別処理]
図15は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2が実行する本発明の実施形態に係る作業者識別処理フローを示す図である。
図16は、本発明の実施形態に係る作業工程管理システムが出力する作業者識別処理の一例を示すイメージ図である。
図15および
図16に基づいて、作業工程管理システム1が実現する作業者識別処理について説明する。
【0080】
図15に示すように、本発明の実施形態に係る作業工程管理システム1の作業入力端末2は、作業入力端末2と作業者識別コード60とを対応付ける(ステップS414)。
【0081】
図16に示すように、作業者5が使用する作業入力端末2を操作して、作業者識別コード60を選択することで作業入力端末2と作業者識別コード60が対応付けられる。
【0082】
なお、作業入力端末2と作業者識別コード60が対応付けは作業入力端末2による操作に限定されず、例えば、コンピュータ4を直接操作して対応付けても良い。
【0083】
作業者識別コード60とは、どの作業者が作業入力端末を操作したのかを管理するための識別コードであって、作業者と使用した作業入力端末を対応付けて識別することで工程や部材の管理を容易にすることが可能となる。
【0084】
以上が、作業者識別処理である。
【0085】
前記撮影部は、作業で使用する部材に書かれた複数の文字列を撮影し、
前記表示部は、撮影された複数の文字列の各々を認識し、認識した文字列に対応し、予め記憶された文字列候補を各々表示し、
作業者に選択可能に前記文字列候補を1つ乃至複数表示し、作業者の選択を文字列ごとに受け付ける請求項1に記載の作業工程管理システム。
【0086】
このような作業工程管理システムによれば、作業で使用する部材に直接書かれた文字を画像として読み取って、識別コードを認識することにより、部材に紙やシール等の物理的なラベリングをすることなく、直接、部材に書いた文字を読み取ることで、部材管理の利便性が向上する作業工程管理システムを提供することが可能となる
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0088】
1 作業工程管理システム
2 作業入力端末
3 ネットワーク
4 コンピュータ
5 作業者
6 部材
10 文字列
20 文字列候補
30 識別コード
50 部材置場データ
60 作業者識別コード