IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ゼネラル・エレクトリック・カンパニイの特許一覧

特開2024-112791半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ
<>
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図1
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図2
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図3
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図4
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図5
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図6
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図7
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図8
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図9
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図10
  • 特開-半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ 図11
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112791
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】半導体デバイスのためのパワーオーバーレイパッケージ
(51)【国際特許分類】
   H01L 23/48 20060101AFI20240814BHJP
【FI】
H01L23/48 G
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024017121
(22)【出願日】2024-02-07
(31)【優先権主張番号】18/166,192
(32)【優先日】2023-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】アルン・ヴィルーパークシャ・ゴウダ
(72)【発明者】
【氏名】リュビサ・ディー・ステヴァノヴィク
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー・ジェームズ・カプスタ
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ドワイン・ゴスマン
(72)【発明者】
【氏名】リスト・イイッカ・サカリ・トゥオミネン
(57)【要約】
【課題】パワーオーバーレイパッケージを有する半導体デバイスを提供すること。
【解決手段】半導体アッセンブリは、半導体デバイスと、前記デバイスに連結されているPOL-RDLパッケージとを含む。デバイスは、上側表面と、ゲートパッドと、前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドとを含む。POL-RDLパッケージは、前記デバイスの少なくとも1つの前記ソースパッドに電気的に連結されている少なくとも1つのソースパッドと、配設されている少なくとも1つのコンタクトパッドとを有する誘電体層を含む。抵抗率値を有する少なくとも1つのトレース接続部は、前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドを少なくとも1つの前記コンタクトパッドに電気的に連結している。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体アッセンブリであって、
半導体デバイスと、
前記半導体デバイスに連結されているPOL-RDLパッケージと
を含み、
前記半導体デバイスが、
上側表面と、
前記上側表面の上に配設されているゲートパッドと、
前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドと
を含み、
前記POL-RDLパッケージが、
上側表面を含む誘電体層と、
前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されており、前記半導体デバイスの少なくとも1つの前記ソースパッドに電気的に連結されている、少なくとも1つのソースパッドと、
前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのコンタクトパッドと、
所定の抵抗率値を有しており、前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドを少なくとも1つの前記コンタクトパッドに電気的に連結している、少なくとも1つのトレース接続部と
を含む、半導体アッセンブリ。
【請求項2】
前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されており、前記半導体デバイスの前記ゲートパッドに電気的に連結されている、ゲートパッドをさらに含む、請求項1に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項3】
少なくとも1つの前記トレース接続部は、少なくとも1つの前記コンタクトパッドの幅よりも小さい幅を有しており、前記トレース接続部の前記幅は、前記トレース接続部の前記抵抗率値を制御する、請求項1に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項4】
少なくとも1つの前記トレース接続部は、第1の抵抗率値を有する第1の材料から作製されており、少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、第2の抵抗率値を有する材料から作製されており、前記第1の抵抗率値は、前記第2の抵抗率値よりも大きい、請求項1に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項5】
前記第2の材料は、前記第1の材料の上に層状にされている、請求項3に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項6】
電気リード線を少なくとも1つの前記ソースパッドに取り付けるための少なくとも1つの相互接続パッドをさらに含む、請求項1に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項7】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドおよび少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、取り付けパッドをそれぞれ含む、請求項1に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項8】
少なくとも1つの前記トレース接続部は、はんだによって前記取り付けパッドに装着されている抵抗器を含む、請求項7に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項9】
前記半導体デバイスは、第1の表面積を画定する第1の外側周辺縁部を含み、前記POL-RDLパッケージの前記誘電体層は、第2の表面積を画定する第2の外側周辺縁部を含み、前記第2の表面積は、前記第1の表面積よりも大きく、前記第2の外側周辺縁部は、前記第1の外側周辺縁部を越えて延在し、オーバーハング領域を画定している、請求項1に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項10】
少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、前記第1の外側周辺縁部まで延在している、請求項9に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項11】
少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、前記オーバーハング領域の中に少なくとも部分的に配設されている、請求項9に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項12】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドは、前記第1の外側周辺縁部まで延在している、請求項9に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項13】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドは、前記オーバーハング領域の中に少なくとも部分的に配設されている、請求項9に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項14】
前記POL-RDLパッケージは、
前記誘電体層の上に配設されているゲートコンタクトと、
前記ゲートコンタクトを前記半導体デバイスの前記ゲートパッドに電気的に連結する追加的なトレース接続部と
をさらに含む、請求項1に記載の半導体アッセンブリ。
【請求項15】
半導体アッセンブリを製造する方法であって、
POL-RDLパッケージの誘電体層を半導体デバイスの上側表面に連結するステップであって、前記半導体デバイスは、前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドおよびゲートパッドを含む、ステップと、
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを前記誘電体層の上側表面の上に形成するステップと、
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドを前記半導体デバイスの少なくとも1つの前記ソースパッドに電気的に連結するステップと、
前記POL-RDLパッケージのゲートパッドを前記誘電体層の前記上側表面の上に形成するステップと、
前記POL-RDLパッケージの前記ゲートパッドを前記半導体デバイスの前記ゲートパッドに電気的に連結するステップと、
少なくとも1つのコンタクトパッドを前記誘電体層の前記上側表面の上に形成するステップと、
所定の抵抗率値を有する少なくとも1つのトレース接続部を使用して、前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドを少なくとも1つの前記コンタクトパッドに電気的に連結するステップと
を含む、方法。
【請求項16】
前記半導体デバイスは、第1の表面積を画定する第1の外側周辺縁部を含み、前記POL-RDLパッケージの前記誘電体層は、第2の表面積を画定する第2の外側周辺縁部を含み、前記第2の表面積は、前記第1の表面積よりも大きく、前記第2の外側周辺縁部は、前記第1の外側周辺縁部を越えて延在し、オーバーハング領域を形成している、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドの上におよび前記誘電体層の少なくとも1つの前記コンタクトパッドの上に、取り付けパッドを形成するステップをさらに含む、請求項15に記載の方法。
【請求項18】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドを少なくとも1つの前記コンタクトパッドに電気的に連結するステップは、前記取り付けパッドの上に抵抗器をはんだ付けするステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記抵抗器は、10mΩから100mΩの範囲にある抵抗率値を有している、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
少なくとも1つの前記トレース接続部は、少なくとも1つの前記コンタクトパッドの幅よりも小さい幅を有しており、前記トレース接続部の前記幅は、前記トレース接続部の前記抵抗率値を制御する、請求項15に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般的に、半導体デバイスに関し、より具体的には、パワーオーバーレイパッケージを有する半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
パワー半導体アッセンブリは、スイッチモード電源などのようなパワーエレクトロニクス回路においてスイッチまたは整流器として使用されるデバイスを含む。パワー半導体デバイスは、多量の電流を流すために、および、大電圧を支持するために、高電圧パワー用途において使用される。使用時に、高電圧パワー半導体デバイスは、パワーオーバーレイ(「POL」:power overlay)パッケージおよび相互接続システムによって、外部回路に接続されている。
【0003】
少なくともいくつかの公知のアッセンブリでは、POLパッケージが、半導体デバイスの上に層状にされている。半導体デバイスは、半導体デバイスの上部表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドおよびゲートパッドを含む。POLパッケージは、ルーティング層として構成されている少なくとも1つのPOL相互接続層を含む。少なくとも1つのPOL相互接続層は、半導体デバイスの上に堆積された少なくとも1つの誘電体層(隔離フィルムとも称される)、および、誘電体層を通って延在するメタライゼーションビア(metallization via)とともに積層されている。メタライゼーションビアは、半導体デバイスの少なくとも1つのソースパッドを、誘電体層の上部表面の上に配設されているソースパッドに電気的に連結しており、一方では、誘電体層の上部表面の上に配設されているゲートパッドは、半導体デバイスのゲートパッドに連結されている。誘電体層の上部表面の上に配設されているコンタクトパッド(たとえば、ケルビンコンタクトなど)は、誘電体層のソースパッドに電気的に連結されている。
【0004】
POLパッケージは、一般的に、誘電体層の上のソースパッドに、コンタクトパッドに、およびゲートパッドに電気的に連結するための接続部を利用し、メタライゼーションビアを通して半導体デバイスにパワーを送達する。適正な電気的な接続を確立するために、誘電体層の上のソースパッド、コンタクトパッド、およびゲートパッドは、ソースパッド、コンタクトパッド、およびゲートパッドを接続部とはんだ付けするか、焼結するか、銅ボンディングするか、銅クリッピングするか、またはその他の方法で接続するために十分な表面積を必要とする。しかし、ソースパッド、コンタクトパッド、およびゲートパッドの表面積は、一般的に、半導体デバイスの全体的な表面積によって制限される。さらに、POLパッケージなしでの、半導体デバイスの上のソースパッドおよびゲートパッドへの直接的なはんだ付け、焼結、銅ボンディング、および銅クリッピングは、半導体デバイスの上にボンディング応力を導入する。POLパッケージの誘電体層の上のソースパッド、コンタクトパッド、およびゲートパッドの導入は、応力緩衝を提供し、半導体デバイスの上への応力を低減させる。
【0005】
したがって、半導体デバイスの利用可能なアクティブ面積を低減させることなく、より大きなソースパッド、コンタクトパッド、およびゲートパッドが利用されることが可能であるように、POLパッケージの利用可能な表面を改善し、半導体デバイス表面へのボンディング接続部のボンディング応力を低減させる必要性が存在している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様では、半導体デバイスと、前記半導体デバイスに連結されているPOL-RDLパッケージとを含む半導体アッセンブリが開示されている。デバイスは、上側表面と、前記上側表面の上に配設されているゲートパッドと、前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドとを含む。POL-RDLパッケージは、上側表面を含む誘電体層と、前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されており、前記半導体デバイスの少なくとも1つの前記ソースパッドに電気的に連結されている、少なくとも1つのソースパッドと、前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのコンタクトパッドと、所定の抵抗率値(resistivity value)を有しており、前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドを少なくとも1つの前記コンタクトパッドに電気的に連結している、少なくとも1つのトレース接続部とを含む。
【0007】
別の態様において、半導体アッセンブリを製造する方法が開示されている。本方法は、POL-RDLパッケージの誘電体層を半導体デバイスの上側表面に連結するステップであって、半導体デバイスは、上側表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドおよびゲートパッドを含む、ステップと、POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを誘電体層の上側表面の上に形成するステップと、POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを半導体デバイスの少なくとも1つのソースパッドに電気的に連結するステップと、POL-RDLパッケージのゲートパッドを誘電体層の上側表面の上に形成するステップと、POL-RDLパッケージのゲートパッドを半導体デバイスのゲートパッドに電気的に連結するステップと、少なくとも1つのコンタクトパッドを誘電体層の上側表面の上に形成するステップと、所定の抵抗率値を有する少なくとも1つのトレース接続部を使用して、POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを少なくとも1つのコンタクトパッドに電気的に連結するステップとを含む。
【0008】
本開示の主題は、添付の図面に図示されている例示的な実施形態を参照して、以下のテキストにおいてより詳細に説明されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の1つ以上の実施形態による、半導体デバイスの上に配設されているPOLパッケージを含む半導体アッセンブリの斜視図である。
図2図1の半導体アッセンブリの詳細Aの拡大図である。
図3図1の半導体アッセンブリの分解図である。
図4】線B-B’に沿ってとられた、図1の半導体アッセンブリの断面図である。
図5図1の半導体アッセンブリの上面図である。
図6図1の半導体アッセンブリの1つの実施形態の上面図である。
図7】半導体アッセンブリを製造する方法の1つの実施形態を図示する図である。
図8】半導体アッセンブリの代替的な実施形態の斜視図である。
図9】半導体デバイスが破線で示されている状態の、図8に示されている半導体アッセンブリの上面図である。
図10】半導体アッセンブリの代替的な実施形態の斜視図である。
図11】半導体アッセンブリの代替的な実施形態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図面において使用される参照符号およびそれらの意味は、参照符号のリストにおいて要約形式で列挙されている。原則として、同一のパーツは、図において同じ参照符号を提供されている。
【0011】
以下の明細書および特許請求の範囲において、複数の用語が参照されることとなり、それらは、以下の意味を有するように定義されるものとする。
【0012】
本明細書で使用されるときに、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明示的にそうでないことを指定していない限り、複数の参照を含む。「含む(comprising)」、「含む(including)」、および「有する」という用語は、包含的であることを意図しており、列挙されたエレメント以外の追加的なエレメントが存在する可能性があるということを意味している。「随意的な」または「随意的に」という用語は、その後に記載される事象または状況が起こる可能性がありまたは起こらない可能性があるということを意味しており、また、その記載が、その事象が起こる事例と、その事象が起こらない事例とを含むということを意味している。
【0013】
別段の指示がない限り、近似的な言語(たとえば、本明細書で使用されているような、「一般的に」、「実質的に」、および「約」など)は、そのように修飾される用語が、絶対的なまたは完全な程度ではなく、当業者によって認識されることとなるように、近似的な程度にのみ適用される可能性があるということを示している。したがって、1つ以上の用語(たとえば、「約」、「おおよそ」、および「実質的に」など)によって修飾される値は、特定される正確な値に限定されるべきではない。少なくともいくつかの事例において、近似的な言語は、値を測定するための計器の精度に対応する可能性がある。ここで、ならびに、明細書および特許請求の範囲の全体を通して、範囲の限定が、識別される可能性がある。そのような範囲は、文脈または言語がそうでないことを示していない限り、組み合わせられおよび/または相互交換されることが可能であり、その中に含有されるすべてのサブレンジを含むことが可能である。
【0014】
追加的に、別段の指示がない限り、「第1の」、「第2の」などの用語は、単にラベルとして本明細書で使用されており、これらの用語が言及する項目に対して、順序的な、位置的な、または階層的な要件を課すことを意図していない。そのうえ、たとえば、「第2の」項目への言及は、たとえば、「第1の」もしくはより低く付番されている項目、または、「第3の」もしくはより高く付番されている項目の存在を必要とせず、または排除しない。
【0015】
本開示の実施形態は、一般的に、半導体デバイスをパッケージングするための構造体および方法に関し、より具体的には、オーバーハングしたPOL構造体を含む半導体デバイスに関する。本明細書で説明されている方法、システム、および装置は、POLパッケージを有する少なくともいくつかの公知のパワー半導体デバイスの少なくともいくつかの不利益を克服する。より具体的には、本明細書で説明されているシステムおよび装置は、パワー半導体デバイスの上に直接的に位置決めされている再分配層(RDL)として構成されているPOLパッケージを提供する。したがって、POLパッケージは、本明細書では、POL-RDLパッケージとも称される。POL-RDLパッケージは、半導体デバイスに対して通常のサイズより大きい表面積を含み、それは、POL-RDLパッケージの上部表面の上へのソースパッド、ゲートパッド、およびコンタクトパッドの設置のための利用可能な表面積を改善する。改善された利用可能な表面積は、より大きなソースパッド、コンタクトパッド、およびゲートパッドの使用を可能にし、それは、半導体デバイスにかかるボンディング応力を低減させる。そのうえ、改善された利用可能な表面積は、POL-RDLパッケージのためのさまざまなトレース構成の使用を可能にする。
【0016】
半導体デバイスと、半導体デバイスのための再分配層として構成されているPOL-RDLパッケージとを含む半導体アッセンブリが開示されている。半導体デバイスは、表面積および外側周辺縁部を有するダイの上に配設されている少なくとも1つのソースパッドおよびゲートパッドを含む。POL-RDLパッケージは、誘電体層と、半導体デバイスと接触している接着剤層とを含む。POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッド、ゲートパッド、および少なくとも1つのコンタクトパッドは、誘電体層の上側表面の上に位置決めされている。少なくとも1つのソースビア経路およびゲートビア経路は、誘電体層および接着剤層を通って延在しており、メタライゼーションビアは、ビア経路の中に形成され、半導体デバイスのゲートパッドおよび少なくとも1つのソースパッドを、POL-RDLパッケージのゲートパッドおよび少なくとも1つのソースパッドにそれぞれ接続している。POL-RDLパッケージ(とりわけ、POL-RDLパッケージの誘電体層)は、外側周辺縁部、および、半導体デバイスの表面積よりも大きい表面積を有しており、誘電体層の外側周辺縁部が半導体デバイスの外側周辺縁部を越えて延在し、オーバーハング領域を画定するようになっている。POL-RDLパッケージのより大きな表面積は、POL-RDLパッケージのゲートパッド、少なくとも1つのソースパッド、および少なくとも1つのコンタクトパッドのサイズおよび位置に関して、利用可能な表面積を増加させる。これは、本明細書で説明されているように、POL-RDLパッケージの少なくとも1つのコンタクトパッドに少なくとも1つのソースパッドを接続するトレースの使用において、より大きなフレキシビリティーを可能にする。
【0017】
図1は、本開示の1つ以上の実施形態による例示的な半導体アッセンブリ100の斜視図を図示している。図2は、半導体アッセンブリ100の詳細Aの拡大図を図示しており、図3は、半導体アッセンブリ100の分解図を図示しており、図4は、線B-B’に沿ってとられた半導体アッセンブリ100の断面図を図示している。
【0018】
図1から図4に示されているように、半導体アッセンブリ100は、半導体デバイス102の上に配設されているPOL-RDLパッケージ150を含む。図3および図4に最良に示されているように、半導体デバイス102は、上側表面104を画定する誘電材料106を含む。誘電材料106の外側周辺縁部108は、半導体デバイス102の表面積を画定している。半導体デバイス102は、誘電材料106の上に配設されている少なくとも1つのソースパッド110およびゲートパッド120をさらに含む。少なくとも1つのソースパッド110は、上部接触表面112を含み、ゲートパッド120は、上部接触表面122を含む。ゲートパッド120および少なくとも1つのソースパッド110は、誘電材料106の上において互いに間隔を離して配置されている。図3に最良に示されているように、ゲートパッド120および少なくとも1つのソースパッド110は、半導体デバイス102の外側周辺縁部108から間隔を置いて配置されている。いくつかの実施形態において、ゲートパッド120および少なくとも1つのソースパッド110の少なくとも一部分は、上側表面104の下方に延在している。さらに、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのソースパッド110の上部接触表面112およびゲートパッド120の上部接触表面122は、同一平面上にある。少なくとも1つのソースパッド110は、半導体デバイス102の上の隣接するソースパッド110から電気的に隔離されている。
【0019】
半導体デバイス102の少なくとも1つのソースパッド110は、電気制御および変換のために使用される。例として、少なくとも1つのソースパッド110は、ゲートパッド120から受け取られたパワーを1秒間に数千回ターンオンおよびターンオフするように構成されることが可能である。複数のソースパッド110を含む実施形態では、POL-RDLパッケージ150は、ソースパッド110間にブリッジング接続を提供することが可能である。本開示の半導体アッセンブリとは異なり、少なくともいくつかの公知の半導体デバイスは、半導体デバイスの表面の上に、または、ソースパッドの表面の上に、ソースパッド間のブリッジング接続と同様に、外部コンポーネントへの接続を含む。そのような接続は、半導体デバイスの利用可能なアクティブ表面積を制限し、より大きなボンディング応力を誘発する可能性がある。図1から図3に最良に示されているように、POL-RDLパッケージ150は、誘電体層160と、誘電体層160の下方に位置決めされている接着剤層162とを含む。接着剤層162は、誘電体層160および半導体デバイス102に接着する誘電材料層を含む。すなわち、接着剤層162は、誘電体層160と半導体デバイス102との間に位置決めされている。いくつかの実施形態において、誘電体層160は、接着剤層162の使用なしに半導体デバイス102に直接的に接着するための接着剤材料を含む。
【0020】
POL-RDLパッケージ150は、半導体デバイス102の上方に位置決めされており、誘電体層160は、接着剤層162によって半導体デバイス102に接着されている。いくつかの実施形態において、誘電体層160は、ラミネーションまたはフィルムの形態になっており、複数の誘電材料(たとえば、Kapton(登録商標)ポリイミド、Ultem(登録商標)ポリエーテルイミド、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、Upilex(登録商標)、ポリスルホン材料(たとえば、Udel(登録商標)ポリスルホン、Radel(登録商標)ポリフェノールスルホン)、シリカ(SiO)、ケイ酸ハフニウム(HfSiO)、ケイ酸ジルコニウム(ZrSiO)およびチタン酸バリウム(BaTiO)など)または別のポリマーフィルム(たとえば、液晶ポリマー(LCP)もしくはポリイミド材料など)のうちの1つから形成されることが可能である。1つの実施形態では、POL-RDLパッケージ150は、25ミクロンから300ミクロンの範囲にある合計厚さを有している。
【0021】
少なくとも1つのソースパッド170、少なくとも1つのコンタクトパッド180、およびゲートパッド190は、誘電体層160の上側表面161の上に形成されている。この実施形態では、少なくとも1つのコンタクトパッド180は、少なくとも1つのコンタクトパッド180から少なくとも1つのソースパッド170の間に延在するトレース接続部172によって、少なくとも1つのソースパッド170に電気的に連結されている。トレース接続部172は、少なくとも1つのコンタクトパッド180の抵抗値とは異なる抵抗値を有している。いくつかの実施形態において、異なる抵抗率値を実現するために、トレース接続部172は、少なくとも1つのコンタクトパッド180とは異なる材料から作製されている。追加的にまたは代替的に、いくつかの実施形態において、異なる抵抗率値を実現するために、トレース接続部172は、少なくとも1つのコンタクトパッド180の幅よりも小さい幅を有している。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのコンタクトパッド180は、ケルビンゲートコンタクトである。
【0022】
少なくとも1つのソースビア経路164およびゲートビア経路166が、誘電体層160および接着剤層162を通って延在している。図4に最良に示されているように、POL-RDLパッケージ150は、金属相互接続構造体167も含み、金属相互接続構造体167は、少なくとも1つのソースビア経路164およびゲートビア経路166を通って延在している。金属相互接続構造体167は、半導体デバイス102の少なくとも1つのソースパッド110の上部接触表面112をPOL-RDLパッケージ150の少なくとも1つのソースパッド170に電気的に連結しており、同様に、半導体デバイス102のゲートパッド120の上部接触表面122をPOL-RDLパッケージ150のゲートパッド190に電気的に連結している。
【0023】
いくつかの実施形態において、金属相互接続構造体167は、少なくとも1つのソースビア経路164およびゲートビア経路166を導電性材料(すなわち、導電性エポキシ、ペースト、またははんだなど)によって充填することによって形成される。いくつかの実施形態において、金属相互接続構造体167は、少なくとも1つのソースパッド170およびゲートパッド190の堆積の間に形成される。例として、少なくとも1つのソースパッド170およびゲートパッド190が堆積されるときに、少なくとも1つのソースビア経路164およびゲートビア経路166も充填される。その後に、少なくとも1つのソースパッド170およびゲートパッド190は、所望の厚さに電気メッキされる。
【0024】
少なくとも1つのコンタクトパッド180は、少なくとも1つのソースパッド170に電気的に連結されており、ゲートパッド190が、ソースパッド170および/または少なくとも1つのコンタクトパッド180との入力-出力(I/O)接続を確立するようになっている。入力-出力(I/O)接続は、外部回路(たとえば、プリント回路基板(PCB)など)への半導体デバイス102の接続を可能にする。いくつかの実施形態において、電気的な接続は、はんだ付け、焼結、銅ボンディング、および銅クリッピングなどのうちの1つ以上を含む。例として、図5に示されているように、電気リード線101が、ゲートパッド190、ソースパッド170、および少なくとも1つのコンタクトパッド180に取り付けられることが可能である。そのような構成では、少なくとも1つのコンタクトパッド180は、ケルビンコンタクトである。いくつかの実施形態において、はんだマスク層が、少なくとも1つのソースパッド170の上に適用され、保護コーティングを提供し、電気リード線101を少なくとも1つのソースパッド170に取り付けるための相互接続パッド171を画定している。代替的な実施形態において、相互接続パッドは、Ni、Cu、Ni/Au、Cu/Ni/Au、Cu/Ni/Pd/Auなどのような、はんだ付け性を補助するための金属仕上げを有することが可能である。
【0025】
適正な接続を確立するために、少なくとも1つのコンタクトパッド180、ソースパッド170、およびゲートパッド190は、電気的な接続を行うのに十分な表面積を有していなければならない。しかし、少なくとも1つのコンタクトパッド180、ソースパッド170、およびゲートパッド190の表面積は、最終的に誘電体層160の全体的な表面積によって制限される。例として、誘電体層160の上に配設されている少なくとも1つのソースパッド170、少なくとも1つのコンタクトパッド180、およびゲートパッド190のそれぞれは、誘電体層160の外側周辺縁部168から所定の距離に位置決めされている。そのうえ、誘電体層160の上に配設されている少なくとも1つのソースパッド170、少なくとも1つのコンタクトパッド180、およびゲートパッド190のそれぞれは、コンポーネント同士を隔離して電気的な漏洩を防止するために、互いに十分に離れるように間隔を置いて配置されるべきである。
【0026】
図2図4、および図5に最良に示されているように、誘電体層160は、半導体デバイス102の表面積よりも大きい表面積を有しており、誘電体層160の外側周辺縁部168が、半導体デバイス102の外側周辺縁部108を越えて延在し、オーバーハング領域174を画定するようになっている。いくつかの実施形態において、接着剤層162は、半導体デバイス102の外側周辺縁部108まで延在している。いくつかの実施形態において、接着剤層162は、誘電体層160の外側周辺縁部168まで延在している。いくつかの実施形態において、接着剤層162は、誘電体層160の外側周辺縁部168まで部分的に延在している。
【0027】
オーバーハング領域174は、少なくとも1つのコンタクトパッド180、ソースパッド170、およびゲートパッド190がより大きな表面積を有することを可能にする。とりわけ、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのコンタクトパッド180、ソースパッド170、およびゲートパッド190のいずれか1つは、図4に示されているように、半導体デバイス102の外側周辺縁部108まで延在している。いくつかの実施形態において、少なくとも1つのコンタクトパッド180、ソースパッド170、およびゲートパッド190のうちのいずれか1つは、オーバーハング領域174の中へ延在しており、したがって、少なくとも1つのコンタクトパッド180、ソースパッド170、およびゲートパッド190のうちのいずれか1つは、半導体デバイス102の外側周辺縁部108を越えて延在している。少なくとも1つのコンタクトパッド180と同様に、オーバーハング領域174は、ソースパッド170およびゲートパッド190がより大きな表面積を有することを可能にする。
【0028】
本明細書で説明されているPOL-RDLパッケージ150は、誘電体層160の上の少なくとも1つのコンタクトパッド180およびゲートパッド190の再分配を可能にし、少なくとも1つのコンタクトパッド180およびゲートパッド190がより大きな表面積を有することを可能にし、外部回路へのより容易でよりロバストな接続を促進させる。また、POL-RDLパッケージ150は、誘電体層160の改善された弾性率(ヤング率)を可能にし、それは、半導体デバイス102にかかるボンディング応力を低減させる。POL-RDLパッケージ150の誘電体層160は、ポリイミドであることが可能であり、それは、おおよそ2.5GPaの弾性率を有しており、半導体デバイス102(それは、SiOであることが可能である)は、おおよそ70GPaの弾性率を有することが可能である。より低い弾性率は、ボンディング応力を吸収することができ、それによって、半導体デバイス102の上のボンディング応力を低減させる。
【0029】
少なくともいくつかの公知の半導体アッセンブリにおいて、POLパッケージの中のコンタクトパッドおよびゲートパッドは、オーバーハング領域174の利益なしに、最大で0.6mmの表面積を有することが可能である。オーバーハング領域174によって提供される追加的な表面積の利益なしに、より大きなゲートパッドは、半導体デバイス102の中のソースパッドおよびコンタクトパッドの設置のための利用可能な面積を必然的に低減させることとなり、半導体デバイス102のより低い電流定格を結果として生じさせる。
【0030】
それとは対照的に、本明細書で説明されている実施形態のうちの少なくともいくつかでは、少なくとも1つのコンタクトパッド180は、オーバーハング領域174の利益を所与として、半導体デバイス102の電流定格を依然として維持しながら、0.5mmから1.5mmの範囲にある表面積を有している。いくつかの実施形態において、コンタクトパッド180の表面積は、0.6mmよりも大きい。したがって、POL-RDLパッケージ150のオーバーハング領域174は、半導体デバイス102の電流定格を依然として維持しながら、少なくとも1つのコンタクトパッド180およびゲートパッド190の再分配を可能にする。少なくとも1つのコンタクトパッド180と同様に、ソースパッド170およびゲートパッド190も、より大きな表面積を有することが可能である。
【0031】
POL-RDLパッケージ150のオーバーハング領域174およびより大きな表面積は、(図8図11に示されているように)さまざまな抵抗率値を有する広範なトレース接続部172を使用することも促進させる。異なるタイプのトレース構成172を使用することは、ソースパッド110と少なくとも1つのコンタクトパッド180との間の抵抗率値を選択的に調整することを可能にする。特に、少なくとも1つのソースパッド110と少なくとも1つのコンタクトパッド180との間の追加的な抵抗は、クロストークを低減させ、したがって、半導体デバイス102の効率を改善する。本明細書で説明されている実施形態によれば、少なくとも1つのソースパッド110と少なくとも1つのコンタクトパッド180との間の抵抗値は、製作および組み立ての間に半導体デバイス102を変更することなく、特定の用途のために選択的に調節されることが可能である。これは、特定の顧客および用途のニーズに応じて、トレース接続部172の製作後カスタマイズを伴う、ベース半導体デバイス102の簡単化された製作を可能にする。
【0032】
たとえば、トレース接続部172の抵抗率値は、異なる抵抗率を有する材料によってトレース接続部172を堆積することによって、トレース接続部172の幅を修正することによって、および/または、トレース接続部172の堆積厚さを修正することによって、変更されることが可能である。2mmの長さ、35mmの幅、および10mmの厚さを有する例示的なトレース接続部172は、おおよそ0.1Ωの抵抗を有している。いくつかの実施形態において、トレース接続部172は、5~25mmの範囲にある厚さ、および、おおよそ25mmのトレース幅を有している。いくつかの実施形態において、トレース接続部172の堆積深さは、50nmから50μmの範囲にある。いくつかの実施形態において、トレース接続部172の抵抗率値は、トレース接続部172の体積を変化させることによって、トレース接続部172の断面積を変化させることによって、および/または、トレース接続部172の材料を変化させることによって、調整または変更される。いくつかの実施形態において、トレース接続部172は、第1の抵抗率値を有する第1の材料と第2の抵抗率値を有する第2の材料との組み合わせから作製され、第2の材料は、第1の材料の上に積層されるかまたはその他の方法で層状にされる。トレース接続部172の抵抗率値は、10mΩ(マイクロオーム)から100mΩの範囲の中で選択的に調節可能であり得る。いくつかの実施形態において、トレース接続部172は、抵抗器である。さらに、いくつかの実施形態において、トレース接続部172は、表面実装抵抗器である。
【0033】
図6に示されているように、いくつかの実施形態において、少なくとも1つのコンタクトパッド180および少なくとも1つのソースパッド170は、取り付けパッド178を含む。そのような実施形態では、トレース接続部172は、取り付けパッド178間に連結されている表面実装抵抗器176として実装される。抵抗器176は、製作後に半導体アッセンブリ100に接続されることが可能である。
【0034】
図7は、(図1図6に示されている)半導体アッセンブリ100などのような半導体アッセンブリを製造する方法200を図示している。方法200は、POL-RDLパッケージの誘電体層をパネルフォーマットで半導体デバイスの上側表面に接着するステップ202と、誘電体層の中に画定された少なくとも1つのソースビア経路を少なくとも1つのメタライゼーションビアによって充填するステップ204と、少なくとも1つのソースパッドおよび少なくとも1つのコンタクトパッドを誘電体層の上側表面の上に堆積させるステップ206とを含む。いくつかの実施形態において、方法200は、少なくとも1つのソースパッドと少なくとも1つのコンタクトパッドとの間に所定の抵抗率値を有するトレース接続部を堆積させるステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、方法200は、誘電体層の少なくとも1つのソースパッドおよび少なくとも1つのコンタクトパッドの上にはんだパッドを形成するステップと、はんだパッドの上に抵抗器をはんだ付けするステップとをさらに含む。
【0035】
いくつかの実施形態において、トレース接続部は、少なくとも1つのソースパッドと少なくとも1つのコンタクトパッドとの間に窒化タンタル(TaN)などのような抵抗材料をスパッタリングまたは堆積させることによって形成される。いくつかの実施形態において、方法200は、半導体アッセンブリを外部回路に接続するために、少なくとも1つのコンタクトパッドの上部表面への銅接続部を形成するステップ208をさらに含む。いくつかの実施形態において、メタライゼーションビアは、レーザーアブレーションもしくはレーザードリリングプロセス、プラズマエッチング、フォトデフィニション(photo-definition)、および/または、機械的なドリリングもしくはパンチングプロセスによって形成される。そのうえ、事前および事後ドリリングされたビアの組み合わせが用いられることが可能である。
【0036】
いくつかの実施形態において、メタライゼーション層は、スパッタリングおよび電気めっき適用の組み合わせを通して形成されるが、金属堆積の他の無電解方法も使用されることが可能であるということが認識される。たとえば、チタン接着層および銅シード層は、最初に、スパッタリングプロセスを介して適用されることが可能であり、銅の厚さを所望のレベルまで増加させる電気めっきプロセスがそれに続く。次いで、適用された金属材料は、その後に、金属相互接続部の中へパターニングされ、金属相互接続部は、所望の形状を有しており、誘電体層および接着剤層を通して形成された垂直方向のフィードスルーとして機能する。
【0037】
ここで図8および図9を参照すると、POL-RDLパッケージの上の少なくとも1つのソースパッド、ゲートパッド、および少なくとも1つのコンタクトパッドの構成の追加的な代替的な実施形態が図示されている。図8および図9に示されている半導体アッセンブリは、図1の半導体アッセンブリ100に示されているコンポーネントと同様の複数のコンポーネントを含む。
【0038】
より具体的には、図8は、誘電体層360の上に位置決めされているソースパッド370、コンタクトパッド380、およびゲートパッド390を含む半導体アッセンブリ300の1つの実施形態の斜視図を図示している。図9は、半導体アッセンブリ300の上面図を図示しており、半導体デバイス102のコンポーネントは、破線で示されている。図8に示されているように、ソースパッド370およびコンタクトパッド380は、互いに一体的になっており、ソースパッド370とコンタクトパッド380との間に延在する離散的なトレース接続部は存在していない。ゲートパッド390は、図1のゲートパッド190の表面積よりも大きい表面積を有している。そのうえ、図示されている実施形態では、1つのコンタクトパッド380のみが存在している。図9に示されているように、半導体デバイス102のゲートパッド120は、ゲートパッド390の一部分と垂直方向に整合されており、半導体デバイス102のソースパッド110は、ソースパッド370の一部分と垂直方向に整合され、それらのコンポーネント間の接続を促進させる。いくつかの実施形態において、ソースパッド370、コンタクトパッド380、およびゲートパッド390は、オーバーハング領域174の中へ延在している。
【0039】
図10は、誘電体層460の上に位置決めされているソースパッド470、2つのコンタクトパッド480、およびゲートパッド490を含む半導体アッセンブリ400の別の実施形態を示している。ソースパッド470および2つのコンタクトパッド480は、一体的であり、ソースパッド470と2つのコンタクトパッド480との間に延在する離散的なトレース接続部はない。
【0040】
図11は、誘電体層560の上に位置決めされているソースパッド570、コンタクトパッド580、およびゲートパッド590を含む半導体アッセンブリ500の別の実施形態を示している。ソースパッド570およびコンタクトパッド580は、一体的であり、ソースパッド570とコンタクトパッド580との間に延在する離散的なトレース接続部はない。この実施形態では、メタライゼーションビアが、半導体デバイスのゲートパッドを誘電体層560の上のゲートコンタクト594に接続している。ゲートコンタクト594は、下層のゲートパッドと垂直方向に整合されている。さらに、トレース接続部592は、ゲートコンタクト594をゲートパッド590に接続している。いくつかの実施形態において、トレース接続部592は、ゲートパッド590の抵抗率値とは異なる抵抗率値を有している。いくつかの実施形態において、トレース接続部592は、ゲートパッド590とは異なる材料から作製されている。いくつかの実施形態において、トレース接続部592は、ゲートパッド590の幅よりも小さい幅を有している。さらに、これらの実施形態では、コンタクトパッド(380、480、580)のいずれかは、ソースパッド(370、470、570)のものとは異なる表面仕上げを有することが可能である。例として、図8図11の実施形態の構成は、GENERAL ELECTRIC(登録商標)半導体デバイスにとって最適化されているが、しかし、その構成は、他の半導体デバイスのために最適化されることも可能である。
【0041】
上述の実施形態は、半導体デバイスの少なくともいくつかの不利益を克服する。具体的には、本明細書で説明されている実施形態は、誘電体層の上のコンタクトパッドおよびゲートパッドの再分配を促進させ、外部回路へのより容易でよりロバストな接続のために、コンタクトパッドおよびゲートパッドがより大きな表面積を有することを可能にする。また、本明細書で説明されているPOL-RDLパッケージは、誘電体層の改善された弾性率を提供し、それは、半導体デバイスにかかるボンディング応力を低減させる。また、通常のサイズより大きいPOL-RDLパッケージは、半導体デバイスの電流定格を依然として維持しながら、コンタクトパッドおよびゲートパッドの再分配を可能にする。
【0042】
また、本明細書で説明されているPOL-RDLパッケージのより大きな表面積は、さまざまな抵抗率値を有するさまざまなトレース接続部を使用することを促進させる。トレース構成の抵抗率値は、ソースパッドとコンタクトパッドとの間の抵抗率値を制御するために選択的に調節されることが可能である。追加される抵抗は、一般的に、クロストークを低減させ、したがって、半導体デバイスの効率を改善する。
【0043】
本明細書で開示されている方法、システム、および組成は、本明細書で説明されている特定の実施形態に限定されるのではなく、むしろ、方法のステップ、システムのエレメント、および/または、組成のエレメントは、本明細書で説明されている他のステップおよび/またはエレメントから独立して別個に利用されることが可能である。
【0044】
さまざまな実施形態の特定の特徴が、いくつかの図面に示されており、他の図面には示されていない可能性があるが、これは、単に便宜のためのものに過ぎない。そのうえ、上記の説明における「1つの実施形態」への言及は記載された特徴も組み込んだ追加的な実施形態の存在を除外するものとして解釈されることを意図するものではない。本開示の原理によれば、図面の任意の特徴は、任意の他の図面の任意の特徴と組み合わせて参照および/または特許請求されることが可能である。
【0045】
この書面による説明は、任意の当業者が本開示を実践すること(任意のデバイスまたはシステムを作製および使用すること、ならびに、任意の組み込まれた方法を実施することを含む)を可能にするために、例(最良の態様を含む)を使用する。本開示の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義されており、当業者が思い付く他の例を含むことが可能である。そのような他の例は、それらが、特許請求の範囲の文言通りの言語とは異ならない構造的なエレメントを有する場合には、または、それらが、特許請求の範囲の文言通りの言語とはごくわずかな相違しか伴わない同等の構造的なエレメントを含む場合には、特許請求の範囲の中にあることが意図される。
【0046】
本開示のさらなる態様は、以下の条項の主題によって提供される。
【0047】
半導体アッセンブリであって、半導体デバイスと、前記半導体デバイスに連結されているPOL-RDLパッケーとを含み、半導体デバイスが、上側表面と、前記上側表面の上に配設されているゲートパッドと、前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドとを含み、POL-RDLパッケージが、上側表面を含む誘電体層と、前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されており、前記半導体デバイスの少なくとも1つの前記ソースパッドに電気的に連結されている、少なくとも1つのソースパッドと、前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されている少なくとも1つのコンタクトパッドと、所定の抵抗率値を有しており、前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドを少なくとも1つの前記コンタクトパッドに電気的に連結している、少なくとも1つのトレース接続部とを含む、半導体アッセンブリ。
【0048】
前記誘電体層の前記上側表面の上に配設されており、前記半導体デバイスの前記ゲートパッドに電気的に連結されている、ゲートパッドをさらに含む、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0049】
少なくとも1つの前記トレース接続部は、少なくとも1つの前記コンタクトパッドの幅よりも小さい幅を有しており、前記トレース接続部の幅は、前記トレース接続部の抵抗率値を制御する、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0050】
少なくとも1つの前記トレース接続部は、第1の抵抗率値を有する第1の材料から作製されており、少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、第2の抵抗率値を有する材料から作製されており、前記第1の抵抗率値は、前記第2の抵抗率値よりも大きい、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0051】
前記第2の材料は、前記第1の材料の上に層状にされている、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0052】
電気リード線を少なくとも1つの前記ソースパッドに取り付けるための少なくとも1つの相互接続パッドをさらに含む、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0053】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドおよび少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、取り付けパッドをそれぞれ含む、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0054】
少なくとも1つの前記トレース接続部は、はんだによって前記取り付けパッドに装着されている抵抗器を含む、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0055】
前記半導体デバイスは、第1の表面積を画定する第1の外側周辺縁部を含み、前記POL-RDLパッケージの前記誘電体層は、第2の表面積を画定する第2の外側周辺縁部を含み、第2の表面積は、第1の表面積よりも大きく、前記第2の外側周辺縁部は、前記第1の外側周辺縁部を越えて延在し、オーバーハング領域を画定している、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0056】
少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、前記第1の外側周辺縁部まで延在している、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0057】
少なくとも1つの前記コンタクトパッドは、オーバーハング領域の中に少なくとも部分的に配設されている、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0058】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドは、前記第1の外側周辺縁部まで延在している、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0059】
前記POL-RDLパッケージの少なくとも1つの前記ソースパッドは、オーバーハング領域の中に少なくとも部分的に配設されている、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0060】
前記POL-RDLパッケージは、前記誘電体層の上に配設されているゲートコンタクトと、前記ゲートコンタクトを前記半導体デバイスの前記ゲートパッドに電気的に連結する追加的なトレース接続部とをさらに含む、先行する条項のいずれか1つに記載の半導体アッセンブリ。
【0061】
半導体アッセンブリを製造する方法であって、POL-RDLパッケージの誘電体層を半導体デバイスの上側表面に連結するステップであって、半導体デバイスは、上側表面の上に配設されている少なくとも1つのソースパッドおよびゲートパッドを含む、ステップと、POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを誘電体層の上側表面の上に形成するステップと、POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを半導体デバイスの少なくとも1つのソースパッドに電気的に連結するステップと、POL-RDLパッケージのゲートパッドを誘電体層の上側表面の上に形成するステップと、POL-RDLパッケージのゲートパッドを半導体デバイスのゲートパッドに電気的に連結するステップと、少なくとも1つのコンタクトパッドを誘電体層の上側表面の上に形成するステップと、所定の抵抗率値を有する少なくとも1つのトレース接続部を使用して、POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを少なくとも1つのコンタクトパッドに電気的に連結するステップとを含む、方法。
【0062】
半導体デバイスは、第1の表面積を画定する第1の外側周辺縁部を含み、POL-RDLパッケージの誘電体層は、第2の表面積を画定する第2の外側周辺縁部を含み、第2の表面積は、第1の表面積よりも大きく、第2の外側周辺縁部は、第1の外側周辺縁部を越えて延在し、オーバーハング領域を形成している、先行する条項のいずれか1つに記載の方法。
【0063】
POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドの上におよび誘電体層の少なくとも1つのコンタクトパッドの上に、取り付けパッドを形成するステップをさらに含む、先行する条項のいずれか1つに記載の方法。
【0064】
POL-RDLパッケージの少なくとも1つのソースパッドを少なくとも1つのコンタクトパッドに電気的に連結するステップは、取り付けパッドの上に抵抗器をはんだ付けするステップを含む、先行する条項のいずれか1つに記載の方法。
【0065】
抵抗器は、10mΩから100mΩの範囲にある抵抗率値を有している、先行する条項のいずれか1つに記載の方法。
【0066】
少なくとも1つのトレース接続部は、少なくとも1つのコンタクトパッドの幅よりも小さい幅を有しており、トレース接続部の幅は、トレース接続部の抵抗率値を制御する、先行する条項のいずれか1つに記載の方法。
【符号の説明】
【0067】
100 半導体アッセンブリ
101 電気リード線
102 半導体デバイス
104 上側表面
106 誘電材料
108 外側周辺縁部
110 ソースパッド
112 上部接触表面
120 ゲートパッド
122 上部接触表面
150 POL-RDLパッケージ
160 誘電体層
161 上側表面
162 接着剤層
164 ソースビア経路
166 ゲートビア経路
167 金属相互接続構造体
168 外側周辺縁部
170 ソースパッド
171 相互接続パッド
172 トレース接続部
174 オーバーハング領域
176 抵抗器
178 取り付けパッド
180 コンタクトパッド
190 ゲートパッド
300 半導体アッセンブリ
360 誘電体層
370 ソースパッド
380 コンタクトパッド
390 ゲートパッド
400 半導体アッセンブリ
460 誘電体層
470 ソースパッド
480 コンタクトパッド
490 ゲートパッド
500 半導体アッセンブリ
560 誘電体層
570 ソースパッド
580 コンタクトパッド
590 ゲートパッド
592 トレース接続部
594 ゲートコンタクト
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
【外国語明細書】