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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112911
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/00 20060101AFI20240814BHJP
   G08G 1/0962 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G08G1/00 D
G08G1/0962
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024082414
(22)【出願日】2024-05-21
(62)【分割の表示】P 2022155924の分割
【原出願日】2016-10-24
(71)【出願人】
【識別番号】391001848
【氏名又は名称】株式会社ユピテル
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 浩二
(57)【要約】      (修正有)
【課題】例えば、使用者に速度取締りにあってもおかしくなかった危険運転等を振り返らせ、安全運転を促す装置等を提供すること。
【解決手段】速度取締り位置への接近警告を発する装置は、前記速度取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度である場合に、その旨を示す情報を制御部18内のRAMに記憶しておき、記憶した当該第1の情報に基づいて前記速度取締り位置近接時の前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を表示部5及びスピーカ20に出力する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
速度取締り位置への接近警告を発する装置であって、
前記速度取締り位置への近接時が複数回あった場合に、前記速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった場合の個数と前記速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度でなかった場合の個数とを判別可能な表示態様で、表示させる機能を備えたこと
を特徴とする装置。
【請求項2】
前記速度取締り位置への近接時が複数回あった場合に、前記速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった場合の個数と前記速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度でなかった場合の個数とを判別可能な表示態様として、前記速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった場合の個数を判別可能な色と、前記速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度でなかった場合の個数とを判別可能な色とを異なる色としたこと
を特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった場合の個数を判別可能な表示態様は、前記取締り対象となり得る速度であったことを示す当該個数のオブジェクトを表示させ、当該個数のオブジェクト間で同一の絵図又は記号で表示させる機能を備えたこと
を特徴とする請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれかに記載の装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、使用者に安全運転等を促す装置、及びプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の速度取締りについては、例えば、道路上に設置された速度自動取締り装置(オービス)等による速度取締りが知られている。そして、このような速度自動取締り装置が設置されている地点へ車両が接近するとき、当該車両取締り地点への接近を使用者(例えば、運転者である。以下、同様とする。)に警告する機能を備えた装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この特許文献1には、GPS受信機で受信した位置情報とデータベースに記憶された速度測定装置等の位置とが所定の位置関係になった場合に、所定の警報処理を行う制御部を備えた装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2015-188225号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1における技術は、運転者が警告対象となった速度自動取締り装置等が設置されている地点等に至る前に車両等の速度を減速させ、安全な速度で走行(以下、「安全走行」とも呼ぶ。)させるのを促すのには役立つが、この速度取締り装置等の設置地点等を通過した後は、運転者は安全走行の必要性を忘れてしまうことがある。
そのため、運転者の中には再び制限速度を超えた走行速度で運転を始める者もおり、そのような運転者に対しては速度取締り位置に接近する度に警告等をしなければ安全走行等を促すことができないという課題があった。
【0006】
(発明の目的)
本発明は、例えば上記のような従来例の有する課題などを改善し、例えば、使用者等(例えば、運転者等)に速度取締りにあってもおかしくなかった危険運転等を振り返らせ、安全運転を促す装置等を提供することなどを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、
(1)本発明にかかる装置は、速度取締り位置への接近警告を発する装置であって、前記速度取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度である場合に、その旨を示す情報(以下、「第1の情報」と称する)を記憶しておき、記憶した当該第1の情報に基づいて前記速度取締り位置近接時の前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を出力する、という構成を採るとよい。
【0008】
このようにすれば、使用者(例えば、運転者等である。以下、同様とする。)は、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けた場合、速度取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。したがって、使用者は、危険走行があったことを振り返えることで安全運転意識を高めることができる。
【0009】
「速度取締り位置」は、例えば、法定制限速度(以下、「制限速度」とする)を超えた速度で走行している車両等について取締りを行っている位置等とするとよいが、自動速度取締り機等(例えば、いわゆるオービス(登録商標)等)が設置されている位置とすると特によい。また、「速度取締り位置」は、現実に速度取締りが行われていなくてもよく、運転者等が走行速度に注意した方がよい箇所であってもよい。
【0010】
「速度取締り位置への接近」は、例えば、速度取締り位置の位置を記憶しておき、本装置の現在位置を検出して、これらの位置の相互間距離が所定値以下になったときとするとよい。
【0011】
「接近警告」は、例えば、速度取締り位置等へ接近していることを使用者等(特に、運転者)に知らせるものであれば何でもよいが、例えば、接近警告の際の制限速度等の告知等を伴うものとするとよく、当該接近警告の際の走行速度が制限速度を超過している旨を内容とする告知を伴う警告等とするとさらによい。また、特に、(7)のようにするとよい。
【0012】
「接近警告を発する」は、例えば、前記接近警告であれば、音、音声、画像、又はそれらの組み合わせ等のどのようなものでもよいが、例えば、音及び/又は音声によって出力するとよく、音及び/又は音声と画像との両方を出力すると特によい。
【0013】
「走行速度」は、例えば、車両から取得する構成としてもよいが、本装置で取得する構成とするとよい。
車両から取得する構成としては、車両からODB2コネクタ(診断コネクタ)を介して速度情報を取得する構成とするとよい。本装置で速度を取得する構成としては、例えば、本装置にGPS受信器を備え、そのGPS受信器がGPS衛星から信号を受信して前記速度を算出する構成とするとよい。
また、「走行速度」を本装置で検出する場合には、車両の走行速度にできるだけ等しくなるような構成とするよい。
【0014】
「その旨を示す情報」(第1の情報)は、例えば、前記速度取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を指すものとするとよく、以下に示すようなものとするとよい。
【0015】
例えば、第1の情報は、前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数に関する回数情報とするとよい。このように回数情報とした場合には、「前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報」は、例えば、回数を視覚的に表現した情報、具体的には、回数を数字により視覚的に表示した情報、回数を表示画面上のオブジェクトの個数(例えば、表示画面上に示させる猫のマークの個数)で示した情報、回数を音声により表現する情報などとして出力するとよい。
ここで、「前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数」の集計は、例えば、オービス取締り位置近接が複数回あるときに、当該オービス取締り位置近接の度にオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度に該当するか判断し、これに該当すると判断した場合に、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり
得る速度に該当することを第1のフラグ情報を1として不揮発性メモリにテーブル形式で記憶しておき、当該不揮発性メモリに記憶された第1のフラグ情報が1である情報の個数を集計することで行う。
【0016】
また、第1の情報は、例えば、速度取締り位置の位置を特定する情報としてもよい(例えば、速度取締り位置に割り振られている認識番号を特定するものでもよいし、速度取締り位置の緯度経度を特定するものでもよい)。
例えば、このように速度取締り位置の位置を特定する情報とした場合、「前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報」は、例えば、速度取締り位置毎に視覚的に表示するものでもよく、過去に記憶された速度取締り位置に再接近する度に過去に走行速度が取締り対象となり得る速度として記憶されたことがある速度取締り位置に再接近している旨の情報を出力するものでもよい。
【0017】
「その旨を示す情報」(第1の情報)は、前記速度取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度である場合に、その度に記憶させるとよい。
例えば、前述したように、第1の情報は、前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数に関する回数情報として記憶させるとよい。
【0018】
「使用者」は、例えば、この装置を車両に設置し使用している人であれば誰でもよいが、例えば、運転者に情報を伝える助手でもよく、運転者本人とすると特によい。
【0019】
「取締り対象となり得る速度」は、例えば、制限速度自体としてもよいが、制限速度よりも大きな値とするとよい。例えば、取締り対象となり得る速度は、制限速度に所定の割合をかけた値を当該制限速度に加算したものとしてもよい。例えば、取締り対象となり得る速度は、制限速度が100km/hであれば、3割増しの値である130km/hのようにしてもよい。
【0020】
ただし、特に、後述する(8)のようにするとよい。特に、車両の速度計の上限側の誤差として許容される分を(8)における超過速度として加えた値とするとよい(例えば、後述する(8)における超過速度を速度計の上限側の誤差として許容される分の値とするとよい)。特に、速度計の誤差範囲は、法令上許容される範囲とするとよい。例えば、『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第148条』によれば、車両の速度計の誤差として許容される範囲は、V1を自動車に備える速度計の速度表示(単位km/h)、V2を速度試験機を用いて計測した速度(単位km/h)とするとき、10(V1-6)/11≦V2≦(100/94)V1で示される。これに基づけば、例えば、速度計が時速40kmとなるように自動車を走行させたとき(V1=40km/h)、当該自動車の速度(速度試験機を用いて計測した速度に相当する速度)V2は、30.9≦V2≦42.55の範囲である。この場合、例えば、速度計の上限側の誤差として許容される分は、2.55kmとするとよい。
【0021】
「記憶した当該第1の情報に基づいて前記速度取締り位置近接時の前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を出力」は、通過時に行ってもよいし、通過したすぐ後に行ってもよいが、より良いのは、速度取締り位置への近接を忘却してしまうほど後であるとよい。例えば、速度取締り位置への近接から所定時間後に行ってもよいし、車両が停止したときに行ってもよいし、エンジンが停止されたときに行ってもよいし、次にエンジンが始動したときに行ってもよい。
【0022】
(2)前記速度取締り位置近接時は、前記速度取締り位置の通過時とした構成とするとよい。
【0023】
このようにすれば、使用者は、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けたときに、速度取締り位置の通過時の走行速度が取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。したがって、使用者は、速度取締り位置に近い位置(例えば、自動速度取締り装置が走行車両の速度をカメラ等で実際に測定する位置)における走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力に基づいて自らの危険走行を振り返えることで安全運転意識を有効に高めることができる。
【0024】
「速度取締り位置の通過時」は、例えば、速度取締り位置への到達直前の位置でもよく、速度取締り位置の到達時でもよく、速度取締り位置の通過直後の位置でもよい。
【0025】
(3)前記速度取締り位置近接時は、前記接近警告を発するときとした構成とするとよい。
【0026】
このようにすれば、使用者は、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けたときに、接近警告を発したときの走行速度が取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。したがって、使用者は、例えば、発せられた接近警告を聞く前の(例えば、接近警告を受けたときに、これに基づいて運転中の車両の減速を開始させる前の状態(素の状態)で出していた)速度が取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。例えば、使用者は、もし本装置が接近警告を発しなければ、運転中の車両が取締り対象となり得る速度のままで速度取締り位置に到達していた可能性が高かったことについて知ることができる。
【0027】
したがって、例えば、使用者は、素の状態で出していた走行速度でそのまま走行を続けていたら速度取締にあっていたかもしれない危険走行状態にあったことを振り返えることができ、自らの安全運転意識をさらに高めることができる。
【0028】
「接近警告を発するとき」は、例えば、通過時よりも前の接近時とするとよく、具体的には、速度取締り位置の手前1km、速度取締り位置の手前500m等とするとよい。
【0029】
(4)前記速度取締り位置では、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなった場合に、その旨を示す情報(以下、「第2の情報」と称する)を記憶しておき、記憶した当該第2の情報に基づいて取締りを回避できた旨の情報の出力を行う、という構成とするとよい。
【0030】
このようにすれば、使用者は、接近警告を発したときの走行速度は取締り対象となり得る速度であったが、速度取締り位置に至ったときには走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなっており、したがって取締りを回避できたことを知ることができる。
【0031】
例えば、(4)については、次のように構成するとよい。
速度取締り位置への接近警告を発する装置であって、前記接近警告を発するときに、走行速度が取締り対象となり得る速度である場合に、その旨を示す情報(第1の情報)を記憶しておき、記憶した当該情報に基づいて取締り対象となり得る速度であった旨の情報を出力する(第1の出力)と共に、前記速度取締り位置では、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなった場合に、その旨を示す情報(第2の情報)を記憶しておき、この記憶した情報に基づいて取締りを回避できた旨の情報の出力(第2の出力)を行うことを特徴とする装置とするとよい。
【0032】
このようにすれば、使用者は、接近警告を発したときの走行速度は取締り対象となり得る速度であったことと共に、速度取締り位置に至ったときには走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなっており、したがって取締りを回避できたことを知ることがで
きる。そのため、使用者は、接近警報を受ける前に素の状態で取締りにあってもおかしくない速度で走行していたという危険走行を振り返ることができると共に、この装置の運転中の車両を減速させることができ、安全走行へと促されたことを知ることができる。
【0033】
特に、第1の出力と第2の出力は関連をもたせて行うとよく、例えば、第1の出力と第2の出力は別のタイミングで行ってもよいが、同一のタイミングで行うとよい。特に、関連性を持たせて行うとよい。例えば、同一画面に出力したり、1つのフレーズに内容を含めて音声出力したりしてもよい。
【0034】
「前記速度取締り位置では、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなった場合」は、例えば、前記接近警告を発したときには前記走行速度が取締り対象となり得る速度であったが、この接近警告に基づいて車両が減速され、前記速度取締り位置では当該走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合を指しているものとするとよい。特に、「前記速度取締り位置では、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなった場合」は、接近警告を発してからこの速度取締り位置に至るまでに走行速度がいかなる変化をしていたとしても(例えば、走行速度が取締り対象となり得る速度を下回ったり、上回ったりを繰り返していたとしても)、速度取締り位置では走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合とするとよい。
【0035】
「第2の情報」は、前記速度取締り位置では、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなった場合に、その度に記憶させるとよい。例えば、前記第2の情報は、前記接近警告を発したときには取締り対象となり得る速度であったが、この接近警告に基づいて車両が減速され、前記速度取締り位置では取締り対象となり得る速度ではなくなった度に記憶させるとよい。例えば、第2の情報を、速度取締り位置では取締り対象となり得る速度ではなくなった回数に関する回数情報とするとよい。
【0036】
このように回数情報とした場合には、「取締りを回避できた旨の情報」は、例えば、取締りを回避できた回数を数字で視覚的に示す情報として出力してもよく、取締りを回避できた回数を表示画面上のオブジェクトの個数(例えば、表示画面上に示す猫のマークの個数)として表示してもよく、取締りを回避できた回数が音声で出力してもよい。
ここで、「速度取締り位置では取締り対象となり得る速度ではなくなった回数」の集計は、例えば、オービス取締り位置に到達する場合が複数回あるときに、当該オービス取締り位置に到達する度に当該オービス取締り位置での走行速度が取締対象となり得る速度に該当するか判断し、これに該当しないと判断した場合に、オービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度に該当することを第2のフラグ情報を0として前述した第1のフラグ情報に対応付けて不揮発性メモリにテーブル形式で記憶しておき、当該不揮発性メモリに記憶された第1のフラグ情報が1且つ第2のフラグ情報が0である情報の個数を集計することで行う。
【0037】
「取締りを回避できた旨の情報」を視覚的に表示する場合、「取締りを回避できた旨の情報の出力」は、(1)の「前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報」とは異なる表示画面上に出力してもよく、同一の画面上に表示してもよい。
【0038】
(5)前記速度取締り位置でも、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度である場合に、その旨を示す情報(以下、「第3の情報」と称する)を記憶しておき、記憶した当該第3の情報に基づいて取締りを回避できなかった旨の情報の出力を行い、前記取締りを回避できた旨の情報の出力は、前記取締りを回避できなかった旨の情報とは異なる態様で出力している、という構成とするとよい。
【0039】
このようにすれば、使用者は、出力された前記両情報の異なる各態様に注目したとき、
速度取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度であり、取締りを回避できなかった場合と、走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなり、取締りを回避できた場合とを知ることができる。
【0040】
第2の出力と第3の出力は関連をもたせて行うとよく、例えば、第2の出力と第3の出力は別のタイミングで行ってもよいが、同一のタイミングで行うとよい。特に、関連性を持たせて行うとよい。例えば、同一画面に出力したり、1つのフレーズに内容を含めて音声出力したりしてもよい。
【0041】
「前記速度取締り位置でも、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度である場合に」は、例えば、前記接近警告を発したときに前記走行速度が取締り対象となり得る速度であり、この接近警告に基づいて車両が減速されたが、前記速度取締り位置でも当該走行速度が取締り対象となり得る速度である場合を指しているものとするとよい。特に、「前記速度取締り位置でも、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度である場合」は、接近警告を発してからこの速度取締り位置に至るまでに走行速度がいかなる変化をしていたとしても(例えば、走行速度が取締り対象となり得る速度を下回ったり、上回ったりを繰り返していたとしても)、速度取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度である場合とするとよい。
【0042】
「第3の情報」は、前記速度取締り位置でも、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度である場合に、その度に記憶させるとよい。例えば、前記第3の情報は、前記接近警告を発したときに取締り対象となり得る速度であり、前記速度取締り位置でも、取締り対象となり得る速度である度に記憶させるとよい。例えば、第3の情報を、速度取締り位置でも取締り対象となり得る速度であった回数に関する回数情報とするとよい。
ここで、「速度取締り位置でも取締り対象となり得る速度であった回数」の集計は、例えば、オービス取締り位置に到達する場合が複数回あるときに、当該オービス取締り位置に到達する度に当該オービス取締り位置での走行速度が取締対象となり得る速度に該当するか判断し、これに該当すると判断した場合に、オービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度に該当することを第3のフラグ情報を1として前述した第1のフラグ情報に対応付けて不揮発性メモリにテーブル形式で記憶しておき、当該不揮発性メモリに記憶された第1のフラグ情報が1且つ第3のフラグ情報が1で記憶されている情報の個数を集計することで行う。
【0043】
このように回数情報とした場合には、「取締りを回避できた旨の情報」は、例えば、取締りを回避できた回数を数字で視覚的に示す情報として出力してもよく、取締りを回避できた回数を表示画面上のオブジェクトの個数(例えば、表示画面上に示す猫のマークの個数)として表示してもよく、取締りを回避できた回数を音声で出力してもよい。
【0044】
「異なる態様で出力している」は、異なる態様を出力するものであればどのようなものでもよいが、例えば、オブジェクトを色分け表示又は異なる色調で表示することで行うとよい。
【0045】
このようにすれば、使用者は、前記オブジェクトの色分け表示又は異なる色調での表示に注目してこれらを認識することで、取締りを回避できた旨の情報と取締りを回避できなかった旨の情報とを認識することができる。
【0046】
「オブジェクトを色分け表示又は異なる色調で表示する」は、例えば、取締りを回避できたか否かの観点で前記オブジェクトの外形の内側の色彩又は色調等を異なるもので表示するものとするとよい。例えば、取り締まりを回避できた場合を相対的に成功を示す色とし、取り締まりを回避できなかった場合を相対的に失敗を示す色とするとよい。例えば、
取締りを回避できた場合を白色で表示するとよく、取締りを回避できなかった場合を灰色で表示するとよい。
【0047】
特に、取締りを回避できた場合の色は、速度取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であり、速度取締り位置では、前記走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなった場合であるから一定の危険性があったので、この危険性を示す色とすることが望ましく、ただし、速度取締り位置でも、取締り対象となり得る速度であった場合よりも低い危険性を示す色とするとよい。例えば、取締りを回避できなかった場合を赤色で表示するのに対して、取締りを回避できた場合を黄色で表示するとよい。(黄色によって、危険性があったが速度取締りに遭わなかった場合を黄色とし、速度取締りで捕まっていてもおかしくなかった場合を赤色で示すとよい。
【0048】
更に、例えば、取締りを回避できた場合を有色彩、取締りを回避できなかった場合を無色彩としてもよい。また、例えば、色分け及び異なる色調とすること以外にも、一方には模様を加え、他方には模様を加えないような表示等を行ってもよい。
【0049】
このようにすると、使用者は、オブジェクトをその色分け又は色調に注目して見た場合、接近警告を発したときには走行速度が取締り対象となり得る速度であった走行について、速度取締り位置の通過時には取締り対象となり得る速度ではなくなり取締りを回避できたのか否か視覚を通じて認識することができる。
【0050】
また、例えば、第1の情報は、前述したように、前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数に関する回数情報とするとよい。このようにすると、使用者は、色分け及び色調に注目してオブジェクトの個数を数えたときに、取締りを回避できた回数と取締りを回避できなかった回数、又は両者の割合等を認識することができる。
【0051】
(6)前記取締り対象となり得る速度であった旨の情報は、外形が同じであるオブジェクトであるという構成とするとよい。
【0052】
このようにすれば、使用者は、外形が同じであるオブジェクトを見てこれを認識したときに、取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。
【0053】
「外形が同じであるオブジェクト」は、例えば、オブジェクトを複数表示させる場合に、外形もその中身も同じオブジェクトとしてもよいが、外形が同じであるオブジェクトであれば何でもよい。例えば、速度取締り位置近接時が複数回あり、当該速度取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報が別々に複数個記憶されており、これらの取締り対象となり得る速度であった旨の情報を別々に複数のオブジェクトで表示させる場合に、複数のオブジェクト間で同一の外形である絵図又は記号で表示させるオブジェクトとするとよい。
【0054】
特に、一例として、「外形が同じであるオブジェクト」は、猫等の動物などを表すシンプルなイラストとするとよい。
【0055】
さらに、「外形が同じであるオブジェクト」は、絵図又は記号で構成される場合に限定されず、その他の図形であってもよい。「同一の絵図又は記号」は、例えば、完全な同一の絵図又は記号でなくても、実質的に同一に見える絵図又は記号であるとよい。
【0056】
オブジェクトは、例えば、特に、速度取締り等を連想させるようなオブジェクト(例えば、違反切符や罰金のオブジェクト)とするとよい。
【0057】
使用者は、速度取締りや罰金等を連想させるようなオブジェクトを見た場合、取締りにあわないように安全運転を心掛けなければならないことを強く思い描くことができ、危険走行の振り返りをより有効に行うことができる。
【0058】
さらに、速度取締り等を連想させるようなオブジェクトで表示するときは、速度取締り位置近接時の走行速度が制限速度を超過していた程度に応じて、このイラストを色分け表示又は段階的に異なる色調により表示してもよい。例えば、速度取締り等を連想させるようなイラストを違反切符のイラストとする場合は、前記走行速度が制限速度を超過していた程度に応じて、違反切符の色で色分けするとよい。また、例えば、速度取締り等を連想させるようなイラストを罰金のイラストとする場合は、走行速度が制限速度を超過していた程度に応じて、罰金の金額を変えるとよい。
【0059】
尚、オブジェクトを罰金のイラストで表示し、例えば、取締りを回避できた場合を白色(又は黄色)、取締りを回避できなかった場合を灰色(又は赤色)とした場合、使用者は、白色(又は黄色)の罰金のイラストに着目することで、本装置を用いたことによって、どのくらい罰金を払わずに済んだのか想像しやすくなり、これによって、本装置を設置したことによる効果を実感することもできる。さらに、この払わずに済んだ金額を元手にして新規製品を購入することを考えることもできる。
【0060】
(7)前記接近警告は、前記速度取締り位置に至る手前の位置であって、当該接近警告を受けた使用者が、前記速度取締り位置に至るまでに、取締り対象である現在の速度から、取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速できる位置で発するという構成とするとよい。
【0061】
このようにすれば、使用者は、本装置から発せられた接近警告を認識することで、速度取締り位置に至るまでに、取締り対象である現在の速度から取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速することができる。
【0062】
「減速できる位置」は、例えば、取締り対象となり得る速度ではない速度まで車両の走行速度が取締り対象となり得る速度ではない速度までに減速できる位置であれば何でもよいが、特に、安全に車両の走行速度を取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速できる位置とするとよい。取締り対象である現在の速度が取締り対象となり得る速度を大幅に上回る場合であっても、急ブレーキをかけることなく減速することができる位置とするとよい(例えば、制限時速100km/hの場合に、走行速度が160km/hや170km/hであった場合でも、制限速度まで減速できる位置とするとよい)。特に、前方及び後方の車間距離が急に接近するようなことなく一定に保ちつつ前記車両の速度を徐々に減速して取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速できる位置とするとよい。
【0063】
(8)前記取締り対象となり得る速度は、前記取締り位置近接時において、制限速度に予め設定された値(以下、「超過速度」という)を加えた速度とした、という構成とするとよい。
【0064】
このようにすれば、使用者は、取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けたときに、制限速度に超過速度を加えた速度で走行していたことを知るができる。したがって、例えば、使用者は走行速度に対して予め設定された値(超過速度)に相当する速度の減速を意識すればよいことになる。したがって、減速操作に際しての思考内容が単純化され、減速操作の実効を図ることができる。
【0065】
「予め設定された値」は、制限速度にこの予め設定された値を加えた速度で車両を走行させた場合に取締りを受ける可能性が高いような値であればどのような値としてもよいが
、以下に示すような値を用いるとよい。
【0066】
例えば、制限速度100km/hの道路を車両が走行中の場合、前記予め設定された値は、例えば、当該道路に設置された取締り位置へ至る1km手前では30km/hとし、例えば、取締り位置の直前の位置(例えば、取締り位置へ至る250m手前)で15km/hとするとよい。
【0067】
前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力は、前記走行速度が取締り対象となり得る速度に対する複数の範囲別に異なる態様で出力する構成とするとよい。
【0068】
このようにすれば、使用者は、複数の範囲の異なる態様で出力された取締り対象となり得る速度であった旨の情報を受けてこれを認識した場合、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を複数の範囲別に知ることができる。
例えば、取締りにあう確率が相対的に高い速度と相対的に低い速度のように複数段階に分けて、段階別に表示態様を変えるとよい。例えば、以下の(9)のようにするとよい。
【0069】
(9) 前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力は、画面上への表示で行い、前記第1の情報の内容に基づいて、前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力は、日常的に許容される許容レベル領域と当該許容レベルを超えた非許容レベル領域とに分けて、前記画面上に二段階表示で行われる、という構成とするとよい。
【0070】
このようにすれば、使用者は、画面上に二段階表示された前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けてこれを認識した場合、走行速度が取締り対象となり得る速度であったことを、日常的に許容される許容レベル領域と当該許容レベルを超えた非許容レベル領域とに分けて知ることができる。
【0071】
「日常的に許容される許容レベル領域及び非許容レベル領域」は、例えば、取締り対象となり得る速度であった旨の情報を、その取締りにあう確率が高いか低いかの観点(取締りの危険度の観点)で許容されるか否かの基準で分けられるものであれば何でもよいが、以下のようにするとよい。
【0072】
多くの場合に安全運転を前提として制限速度を超えた速度での走行が黙認されている現状に鑑み、この黙認される範囲を許容範囲として、「許容レベル領域」は、例えば、この許容範囲内の速度領域とするとよく、非許容レベル領域は、例えば、この許容範囲を超える速度領域とするとよい。
【0073】
(10)前記非許容レベル領域は、前記走行速度が制限速度に対して超過している程度に応じて二段階以上に分けて複数段階表示されるという構成とするとよい。
【0074】
このようにすれば、使用者は、二段階以上に分けて複数段階表示された非許容レベル領域を見た場合、車両が非許容レベル領域内で制限速度に対してどの程度の速度超過で走行していたのかをより詳しく知ることができる。したがって、使用者は、制限速度を超えて走行するときの自らの運転の傾向を具体的に認識して、これを安全運転の向上に活かすことができる。
【0075】
「前記走行速度が制限速度に対して超過している程度に応じて」は、例えば、制限速度100km/hの道路の場合については、取締り対象の速度(取締りの危険があると想定される速度)を、危険度が低い順に、例えば、1km手前で、当該制限速度に対してその
15~30%の速度超過(例えば、制限速度に対しての自車の速度超過が時速15~30km/h)であれば低い危険度、当該制限速度に対してその30%以上の速度超過(制限速度に対しての自車の速度超過が30km/h以上)であれば高い危険度のように定めるとよい。
【0076】
(11)前記取締り対象となり得る速度であった旨の情報は、文字情報では出力しないという構成とするとよい。
【0077】
このようにすれば、使用者は、文字を読むことなく、取締り対象となり得る速度であった旨の情報を得ることができる。特に、文字情報以外の簡潔に示された情報で出力するとよい。このようにすれば、簡潔に示された情報に基づいて、走行速度が取締り対象となり得る速度にあったことを効率よく振り返ることができる。簡潔に示された情報としては、文字以外のオブジェクトで表示するとよい。
【0078】
(12)前記接近警告は、前記第1の情報が記憶されている場合と記憶されていない場合とで異なる態様で行われるという構成とするとよい。
【0079】
このようにすれば、使用者は、第1の情報(走行速度が取締り対象となり得る速度である旨の情報)が記憶されている場合と記憶されていない場合とで異なる態様の接近警告を受けてこれを聞き分けることで、特に、第1の情報が記憶されている場合に発せられる接近警告を認識した場合、過去に走行速度が取締り対象となり得る速度で走行したことがある警告対象の速度取締り位置へ再接近していることを知ることができる。
【0080】
そのため、使用者は、ついつい速度を出し過ぎてしまいやすい箇所を通過しようしていることを認識し、過去におかしてしまった速度超過を繰り返さないように車両を減速させることができる。
【0081】
「前記第1の情報が記憶されている場合と記憶されていない場合とで異なる態様で行われること」は、例えば、態様が異なっていればどのようなものでもよいが、特に、第1の情報が記憶された位置に接近している旨を警告するものとするとよい。
【0082】
ここで、警告は、例えば、画像を表示するものでも音声を出力するものでもよいが、特に、専用の警報画面等を表示するとよく、「要注意ポイントです」等のアナウンスを音声出力するものでもよく、これらを組み合わせて出力するものでもよい。
【0083】
(13)本発明のプログラムでは、前記(1)から(12)の何れか1つに記載の装置における各処理機能を、当該装置の要部として予め装備された制御部が備えているコンピュータに実現させるようにするとよい。
【0084】
このようにすれば、装置の要部を成す制御部が有する複数の制御機能を当該制御部が予め装備された制御部が備えているコンピュータによって実現させ、自車の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報等の出力等を迅速且つ円滑に行うことができる。このため運転者等は、安全運転に必要な各情報を迅速に得ることができるという利点がある。
【0085】
(1)から(13)の構成は任意に組み合わせて構成するとよい。また、(1)から(13)の構成要素も任意に組み合わせて構成するとよい。
【発明の効果】
【0086】
本発明の装置によれば、例えば、使用者等(例えば、運転者等)に速度取締りにあって
もおかしくなかった危険走行等を振り返らせ、安全運転を促すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0087】
図1】本発明の好適な一実施形態であるレーダー探知機の構成を示す図である。
図2】レーダー探知機のブロック図である。
図3】待ち受け画面、レーダースコープ、及びGPS警報の表示例を示す図である。
図4】レーダー波警報機能における警報画面の表示例を示す図である。
図5】取締り対象となり得る速度に関する情報の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0088】
(第1の実施形態)
図1図2は、本発明の装置に係る一実施形態として車載用のレーダー探知機の構成を示すものである。本レーダー探知機は通常車両のダッシュボード上に取り付けられる。
【0089】
本レーダー探知機は通常ダッシュボード上に台座33のプレート33bの底面を貼りつけて固定される。台座33の上部にはボールジョイント受け部33aを設けており、ケース本体1の底面から下方に伸びる支柱部31の下端部に設けたボール部をこのボールジョイント受け部33aに挿し込み、ボール部をその可動範囲内の任意の角度・姿勢で保持させることができる。台座33は、その上面所定位置に球面状の凹部を備えており、台座33は、ゴム等の弾性変形可能で、適度な摩擦係数を有する材質から構成している。ボール部の外径と、凹部の内径とはほぼ等しく設定している。
【0090】
これにより、ボール部が凹部内に入り込んだ状態では、ボール部の外形状と凹部の内形状とが略符合し、ボール部は球面に沿って任意の方向に回転・移動できるようになる。そして、両者の径をほぼ一致させると共に、凹部の内形状に適度な摩擦係数を持たせることで、ボール部を任意の角度・姿勢で保持させることができる。
【0091】
さらに、台座33は弾性変形が可能であるので、図1に示す状態から台座33を保持しつつケース本体1を上方に引き上げる方向に付勢すると、凹部の開口部の径が広がりボール部を凹部から離脱させることができる。
【0092】
逆に、台座33とボール部とが分離した状態の場合、ボール部を凹部の開口部に押し当て、その状態のまま台座33に向けて押し込むように付勢すると、凹部の弾性変形によりその開口部が一旦広がり凹部内にボール部が収納される。その後は、台座33の弾性復元力により凹部の形状は元に戻り、ボール部が簡単に凹部から離脱するのが抑制される。
【0093】
また、台座33の底面には、粘着シートや両面接着テープや面ファスナー等の接着部材の一面が装着され、その接着部材の他の面がダッシュボード等の車室内の所定位置に取り付けられる。これにより、係る車室内の所定位置に台座33が固定される。
【0094】
本レーダー探知機は、図1に示すように、ケース本体1の上面にソーラーパネル2及びスイッチ部3を配置し、ケース本体1の前面側(車両前方へ配置される側(フロントガラス側))の内部に速度測定装置の発する周波数帯のマイクロ波を検知するマイクロ波受信器4を配置する。
【0095】
一方、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))には、表示部5と警報ランプ6と赤外線通信機7とリモコン受信器16を配置している。また、ケース本体1の上面側内部には、GPS受信器8を配置する。
【0096】
さらに、ケース本体1の一方の側面には、アダプタージャック9を配置し、他方の側面
には電源スイッチ10並びに図示省略するDCジャック21を配置する。ケース本体の底面側内部にはバッテリを備え、このバッテリにはソーラーパネル2及びDCジャック21から供給される電力を充電し、各部に電力を供給する。
【0097】
また、ケース本体1内には、スピーカ20も内蔵している。第1の実施形態では、表示部5は2.4インチの小型液晶ディスプレイであり、ケース本体1の後面側(車両後方へ配置される側(ユーザ側(ドライバー側))を表示面としている。表示部5を実装するケース本体1の後方側の高さHは、その他の部位の高さH0よりも大きくしている。
【0098】
図2に示すように、赤外線通信機7は携帯電話機12等の赤外線通信機を内蔵した通信装置との間でデータの送受を行なう。
【0099】
アダプタージャック9は、メモリカードリーダ13を接続する端子である。アダプタージャック9にメモリカードリーダ13を接続することで、そのメモリカードリーダ13に装着されたメモリカード14に格納されたデータを内部に取り込んだり、データベース19や制御部18のメモリの内容をメモリカード14に書き込んだりすることができる。
【0100】
より具体的には、メモリカード14に格納されたデータに、新規な目標物の情報(経度・緯度を含む位置情報,種別情報等)などの更新情報がある場合、その更新情報を制御部18が本レーダー探知機に内蔵されるデータベース19に格納(ダウンロード)し、データベース19のデータを更新する。なお、メモリカードリーダ13の機能は、ケース本体1内に内蔵するように構成してもよい。
具体的には、前記新規な目標物の情報が後述する速度取締り位置としてのオービス取締り位置の情報である場合、メモリカード14には格納データとして、オービス取締り位置の識別番号、経度及び緯度を含む位置情報(オービス取締り位置の緯度経度情報)、種別情報、オービス取締り位置の制限速度情報、取締り対象となり得る速度の情報が記憶されており、制御部18がこれをデータベース19にダウンロードし、データベース19のデータを更新して格納するようになっている。
ここで、オービス取締り位置は、目標物である自動速度取締り機(オービス)が取締り対象となり得る速度を用いて取締りを行っている位置を指している。
また、取締り対象となり得る速度は、オービス取締り位置の制限速度よりも大きな値としてデータベース19に記憶されている。ここで、取締り対象となり得る速度は、オービス取締り位置の制限速度の30%の値を前記制限速度に加算したものとされている。第1の実施形態では、取締り対象となり得る速度は、オービス取締り位置の制限速度が100km/hであれば、3割増しの値である130km/hとしてデータベース19が記憶している。
【0101】
データベース19は、制御部18のマイコン内あるいはマイコンに外付けした不揮発性メモリ(たとえばEEPROM)である。データベース19には、出荷時に一定の目標物に関する情報を登録しており、その後に追加された目標物についてのデータ等は上記のようにしてデータ更新することができる。また、データ更新は、赤外線通信機7を介して行なうこともできる。
また、このデータベース19は、後述するような接近警告の音声、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨を告知する音声,制限速度を告知する音声,取締り対象となり得る速度を告知する音声などの音声情報を記憶するようにもなっている。
ここで、走行速度は、レーダー探知機の走行速度(移動速度)であり、本レーダー探知機で検出する場合、このレーダー探知機を搭載した車両の走行速度に等しくなるような構成とされている。
【0102】
DCジャック21は、図示省略のシガープラグコードを接続するためのもので、そのシガープラグコードを介して車両のシガーソケットに接続して電源供給を受け得るようにする。
【0103】
無線受信器15は、飛来する所定周波数の無線を受信する。リモコン受信器16は、赤外線によりリモコン(携帯機:子機)17とデータ通信をし、本装置に対する各種の設定を行なう。また、スイッチ部3も制御部18に接続され(図示省略)、リモコン17と同様の設定を行えるようになっている。リモコン17には、待受切替ボタン、設定ボタン、選択ボタン、取消ボタン、決定ボタンと、上下左右の十字ボタンを備えている。
【0104】
さらに第1の実施形態のレーダー探知機は、図2に示すように車両に実装されているODB-II(IIはローマ数字の「2」であり、以下「ODB-II」を「ODB2」と記す)コネクタに接続する接続ケーブル22を備え、この接続ケーブル22の先端には、車両のODB2コネクタに着脱自在に装着できるコネクタ端子23が取り付けられている。ODB2コネクタは、故障診断コネクタとも称され、車両のECUに接続され、各種の車両情報が出力される。
【0105】
さらに第1の実施形態では、接続ケーブル22の他端には、レーダー探知機のケース本体1の側面に設けたソケット口24と接続するためのコネクタ端子25を設けており、レーダー探知機に対しても接続ケーブル22を着脱できるようにしている。もちろん、接続ケーブル22をレーダー探知機に直接接続するようにしても良い。
【0106】
そこで、この接続ケーブル22に取り付けられたコネクタ端子23と、車両本体側のODB2コネクタとを連結することで、制御部18は、各種の車両情報を定期的に取得することができる。この車両情報としては、車速、エンジン回転数、エンジン負荷、スロットル開度、瞬間燃費、吸入空気量(MAF)、インジェクション開時間、残燃料量、アクセル開度、ウインカー情報(左右のウインカーの動作(ON/OFF))、ハンドルの回転操舵角情報等がある。
【0107】
また、制御部18は、CPU、ROM、RAM、不揮発性メモリ、I/O等を備えるマイコンであり、上記の各種の入力機器から入力される情報に基づき後述するような特定の処理を実行し、上記の各種の出力機器を利用して当該処理に対応した警報・メッセージや情報を出力する。
【0108】
例えば、不揮発性メモリは、表示部5の表示画面に表示させるオブジェクトとして猫のイラストのデータを記憶している。また、不揮発性メモリは、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締対象となり得る速度であるか否かに関する第1のフラグ情報と、オービス取締り位置に関する情報(第1の実施形態では、オービス取締り位置の識別番号)と、記憶した日時の情報と、記憶した位置に関する情報とを関連付けてテーブル形式で記憶するようになっている。ここで、第1のフラグ情報は、取締対象となり得る速度に該当する場合は1、取締対象となり得る速度に該当しない場合は0として記憶されるようになっている。
【0109】
第1のフラグ情報と、オービス取締り位置に関する情報と、記憶した日時の情報と、記憶した位置に関する情報とは、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度に該当することを示す情報(「第1の情報」ともいう)を構成する。
ここで、この第1の情報は、オービス取締り位置に接近するごとにその情報が追加されるリスト形式で記憶されるものである。
また、第1の実施形態では、オービス取締り位置近接時は、後述するように、オービス取締り位置の通過時及び接近警告を発するときである。接近警告を発するときは、オービ
ス取締り位置の通過時よりも前のオービス取締り位置への接近時である。また、オービス取締り位置の通過時は、第1の実施形態の場合、オービス取締り位置への到達直前の位置(直前の地点)である。また、接近警告は、後述するGPS警報機能によるものであり、接近警告を発するときは、後述するように速度取締り位置の手前1kmである。
なお、これらの基本構成は、基本的に従来のものと同様のものを用いることができる。
【0110】
第1の実施形態のレーダー探知機における機能は、制御部18に有するコンピュータ(レーダー探知機の要部として予め装備された制御部18が備えているコンピュータ)が実行するプログラムとして制御部18のEEPROM上に格納され、これを制御部18に有するコンピュータが実行することで実現される。
【0111】
制御部18の有するプログラムによってコンピュータが実現する機能としては、GPSログ機能、待ち受け画面表示機能、レーダースコープ表示機能、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能などがある。
【0112】
GPSログ機能は、制御部18が1秒ごとにGPS受信器8によって検出された現在位置をその検出した時刻および速度(車速)と関連づけて位置履歴として不揮発性メモリに記憶する機能である。この位置履歴は例えばNMEA形式で記録する。
待ち受け画面表示機能は、図3(a)に示すように、GPS受信器8によって検出した自車両の速度、緯度経度、高度を表示部5に表示する機能である。
【0113】
レーダースコープ表示機能は、図3(b)に示すように、GPS受信器8によって検出した現在位置から所定の範囲内(例えば約1kmの範囲内)にある目標物をデータベース19に記憶された位置情報に基づいて検索し、自車位置と目標物の位置との相対的な位置関係を表示部5に表示させる機能である。
【0114】
図3(b)中の左側の「W」が西、右側の「E」が東、上側の「N」が北の方角を示し、「W」と「E」を結ぶ左右方向の線と「N」から下へ伸びる上下方向の線との交点にあるアイコンが自車位置を示している。また「L」「RD」「P」「N」等の文字を有するアイコンが目標物の種類と位置を示す。
【0115】
図3(a)に示すような待ち受け画面表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、図3(b)に示すようなレーダースコープ表示機能に切り替える。また、レーダースコープ表示機能実行中にリモコン17に設けた待受切替ボタンの押下が検出された場合、待ち受け画面表示機能に切り替える処理を行う。
【0116】
制御部18は、待ち受け画面表示機能またはレーダースコープ表示機能(以下これらの機能を総称して待受機能と称する)の実行中に、発生したイベントに応じて、GPS警報機能、レーダー波警報機能、無線警報機能等の各機能を実現する処理を実行する。各機能の優先度は、高いほうから、レーダー波警報機能、無線警報機能、GPS警報機能の順に設定している。
【0117】
GPS警報機能は、制御部18に有するタイマーからのイベントにより所定時間間隔(1秒間隔)で実行される処理であり、データベース19に記憶された目標物の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が所定の接近距離(例えば、1km)になった場合に、表示部5にその旨(接近警告)を表示し、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理である。
【0118】
こうした目標物としては、居眠り運転事故地点、レーダー、制限速度切替りポイント、取締エリア、オービス(「自動速度取締り機」、「車両速度測定装置」とも言う)、検問
エリア、駐禁監視エリア、Nシステム、交通監視システム、交差点監視ポイント、信号無視抑止システム、警察署、事故多発エリア、車上狙い多発エリア、急/連続カーブ(高速道)、分岐/合流ポイント(高速道)、ETCレーン事前案内(高速道)、サービスエリア(高速道)、パーキングエリア(高速道)、ハイウェイオアシス(高速道)、スマートインターチェンジ(高速道)、PA/SA内ガソリンスタンド(高速道)、トンネル(高速道)、ハイウェイラジオ受信エリア(高速道)、県境告知、道の駅、ビューポイントパーキング、ゾーン30等があり、これらの目標物の種別情報とその位置を示す緯度経度情報と表示部5に表示する模式図または写真のデータと音声データとその位置の制限速度と当該位置の取締り対象となり得る速度とを対応付けてデータベース19に記憶している。この取締り対象となり得る速度は、制限速度に30%の割合をかけた値を制限速度に加算した速度として記憶している。
【0119】
ここで、オービス(自動速度取締り機、車両速度測定装置)は、取締り位置を通過する車両の走行速度を自動的に測定し、当該車両の走行速度が前記取締り位置の取締り対象となり得る速度を超過している場合に、その車両を記録する装置であり、例えば、ループコイル、新Hシステム、LHシステム、レーダー式システム等がある。
【0120】
レーダー波警報機能は、マイクロ波受信器4によって速度測定装置(移動式レーダー等(以下、単に「レーダー」と称する))から発せられる周波数帯のマイクロ波に対応する信号が検出された場合に、表示部5に対して警報画面を表示するとともに、スピーカ20から警報音を出力する警報機能である。
【0121】
例えば、レーダーの発するマイクロ波の周波数帯のマイクロ波がマイクロ波受信器4によって検出された場合に、図4に示すように、データベース19に記憶されたレーダーの模式図または写真を表示部5に警報画面として表示するとともに、データベース19に記憶された音声データを読み出して「レーダーです。スピード注意」という音声をスピーカ20から出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0122】
無線警報機能は、無線受信器15によって、緊急車両等の発する無線電波を受信した場合に、その走行等の妨げとならないよう、警報を発する機能である。無線警報機能においては、取締無線、カーロケ無線、デジタル無線、特小無線、署活系無線、警察電話、警察活動無線、レッカー無線、ヘリテレ無線、消防ヘリテレ無線、消防無線、救急無線、高速道路無線、警備無線等の周波数をスキャンし、スキャンした周波数で、無線を受信した場合には、データベース19に無線種別ごとに記憶されたその周波数に対応する無線を受信した旨の模式図を警報画面として表示部5に表示するとともに、データベース19に無線種別ごとに記憶された音声データを読み出して、スピーカ20からその無線の種別を示す警報音声を出力する。たとえば、取締無線を受信した場合には「取締無線です。スピード注意」のように音声を出力する。音声出力中は、警報ランプ6を点燈させる。
【0123】
第1の実施形態のレーダー探知機は、上述した各機能に加え、制限速度告知機能、速度超過告知機能、直前走行速度告知機能、及びオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨を出力する機能である第1の出力機能を備えている。
【0124】
制限速度告知機能は、オービス取締り位置まで1kmの接近距離にある地点で制御部18により実行される処理であって、制御部18がデータベース19に記憶されたオービス取締り位置の制限速度を読み出して当該制限速度を表示部5に表示させると共に、データベース19に音声データとして記憶された制限速度を告知する音声をスピーカ20から出力させる処理である。当該制限速度を告知する音声は、「制限時速は○○キロです」のようなものである。
【0125】
ここで、オービス取締り位置まで1kmの接近距離にある地点は、データベース19に記憶されたオービス取締り位置の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が1kmになる地点とされる。
また、走行速度としては、GPS受信器8で受信したレーダー探知機の位置情報と時刻とを利用して制御部18により計算された速度が用いられる。また、オービス取締り位置の制限速度としては、制御部18によりデータベース19から読み出されたオービスによる取締り位置における道路の制限速度が用いられる。
【0126】
速度超過告知機能は、オービス取締り位置まで接近距離1kmの地点又はオービス取締り位置の直前の地点で制御部18により実行される処理である。この処理において、制御部18は、データベース19に記憶されたオービス取締り位置の制限速度を読み出し、後述するように計算された走行速度から当該制限速度を減算した結果がゼロより大きい場合に、その地点における走行速度が制限速度を超過している旨を表示部5の表示画面に表示させる処理を行うと共に、データベース19に音声データとして記憶された当該制限速度を超過している旨を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行う。制限速度を超過している旨を告知する音声は、例えば、「〇○キロの速度超過です」のようなものである。
【0127】
ここで、オービス取締り位置まで接近距離1kmの地点は、データベース19に記憶されたオービス取締り位置の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が1kmになる地点とされる。
【0128】
また、オービス取締り位置の直前の地点は、データベース19に記憶されたオービス取締り位置の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が100mになる地点とされる。
【0129】
また、走行速度としては、GPS受信器8で受信したレーダー探知機の位置情報と時刻とを利用して制御部18により計算された速度が用いられる。また、オービス取締り位置の制限速度としては、制御部18によりデータベース19から読み出されたオービスによる取締り位置における道路の制限速度が用いられる。
【0130】
直前走行速度告知機能は、オービス取締り位置の直前の地点で制御部18により実行される処理である。この処理において、制御部18は、オービス取締り位置の直前の地点における走行速度を直前走行速度として表示部5に表示させる制御を行うと共に、データベース19に音声データとして記憶されたこの直前走行速度を告知する音声をスピーカ20から出力させる制御を行う。直前走行速度を告知する音声は、例えば、「自車時速は〇○キロです」のようなものである。
【0131】
ここで、オービス取締り位置の直前の地点は、前述したように、データベース19に記憶されたオービス取締り位置の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が100mになる地点とされる。
【0132】
走行速度としては、前述と同様に、GPS受信器8で受信したレーダー探知機の位置情報と時刻とを利用して制御部18により計算された速度が用いられる。
【0133】
第1の出力機能は、前述したように、オービス取締り位置近接時である接近警告時(オービス取締り位置まで接近距離1km)及びオービス取締り位置の直前(オービス取締り位置まで接近距離100m)の地点で、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨を出力する機能である。具体的には、この第1の出力機能は、制御部18が以下の処理を行うものである。
【0134】
制御部18は、前述のGPS警報機能により接近警告を発する対象となったオービス取締り位置について、そのオービス取締り位置(緯度経度)と、このオービス取締り位置に関連付けて記憶されている当該オービス取締り位置の取締り対象となり得る速度と、をデータベース19から読み出す。
【0135】
また、走行速度としては、GPS受信器8で受信したレーダー探知機の位置情報と時刻とを利用して制御部18により計算された速度が用いられる。具体的には、制御部18は、GPS受信器8から本レーダー探知機の現在位置を1秒間隔で連続して検出し、この検出した現在位置を1秒間隔で不揮発性メモリに記憶し、現在位置と1秒前の位置から1秒間隔で走行速度を計算し続ける。
【0136】
そして、制御部18は、GPS受信器8から検出された本レーダー探知機の現在位置と前述したようにデータベース19から読み出したオービス取締り位置との相互間距離が1kmになったときであるオービス取締り位置近接時に、当該オービス取締り位置近接時の走行速度が読み出したオービス取締り位置の取締り対象となり得る速度以上であるか否かの判定を行う。
【0137】
制御部18は、オービス取締り位置近接時の走行速度が読み出した取締り対象となり得る速度以上であると判定した場合に、第1の情報を記憶させる処理として、以下のものを不揮発性メモリに記憶させる。具体的には、制御部18は、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であるか否かに関する第1のフラグ情報を1として、この第1のフラグ情報、オービス取締り位置に関する情報(ここでは、取締り位置(オービス)の識別番号)、記憶した日時の情報、および記憶した位置に関する情報(ここでは、接近警告時(オービス取締り位置の1km手前)、またはオービス取締り位置への到達直前(オービス取締り位置の100m手前の記憶である旨の情報)を関連付けて不揮発性メモリに記憶させる。
【0138】
制御部18は、第1の情報を記憶させる上記処理について、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度となった場合にその都度行う。したがって、取締り対象となり得る速度となった場合が複数回あり、その都度第1の情報を記憶させることで、当該第1の情報は、テーブル形式として不揮発性メモリに複数記憶されることになる。したがって、制御部18は、第1の情報を複数記憶した場合には、当該第1の情報を走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数に関する回数情報として制御部18内の不揮発性メモリに記憶させることになる。
【0139】
その後、制御部18は、車両がエンジンを停止したときに、前記不揮発性メモリに記憶されている第1の情報を読み出し、この第1の情報(具体的には、第1のフラグ情報が1である情報)の個数を集計し、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報として集計した情報の個数に相当する個数の猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理を行う(図5を参照)。
【0140】
このオブジェクトを表示部5に表示させるとき、制御部18は、表示させるそれぞれのオブジェクトについて、第1の情報における記憶した位置に関する情報が「接近警告時」の位置であると判断した場合には前記オブジェクトを白色にし、「オービス取締り位置への到達直前」の位置であると判断した場合には前記オブジェクトを灰色にする処理を行う。
【0141】
さらに、集計した個数をオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数として、データベース19に音声データとして記憶されたオービス取締
り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行う。
【0142】
図5には、制御部18が表示部5にオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を取締り対象となり得る速度であった回数の情報として出力したときの表示画面の一例が示されている。
【0143】
走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報は、どのような出力としてもよいが、第1の実施形態では、オービス取締り位置近接時が複数回ある場合、制御部18は、オービス取締り位置近接の度に不揮発性メモリに複数個記憶させた第1の情報を読み出し、この第1の情報の個数を集計し、集計した第1の情報の個数に相当する個数のオブジェクトを表示部5の表示画面に表示させる。このオブジェクトは、外形が同じであり、シンプルで同一の外形を有する猫のイラストであるという構成を採用している。
【0144】
このようにすれば、使用者は、外形が同じであるオブジェクトを見てその個数を認識したときに、取締り対象となり得る速度であった回数を知ることができる。
ここで、「使用者」は、この装置を車両に設置し使用している人であり、例えば、運転者本人又は運転者に情報を伝える助手である。
【0145】
図5に示されるように、表示部5の表示画面は、1枚の表示画面として構成されている。制御部18は、不揮発性メモリから外形が同じであるオブジェクトとして猫のイラストデータを読み出し、前述したように第1の情報の個数に相当する個数のオブジェクトを表示画面に最大縦8個×横5個並べて表示させる制御を行う。
【0146】
また、図5において、制御部18は、当該制御部18の不揮発性メモリに記憶させたプログラムを実行することで、各オブジェクトを白色の猫及び/又は灰色の猫として表示させている。
ここで、第1の実施形態では、図5中の白色の猫の形をしたオブジェクトは、接近警告時に取締り対象となり得る速度であったことを示す。また、灰色の猫の形をしたオブジェクトは、オービスへの到達直前の位置にあるときに取締り対象となり得る速度であったことを示す。
【0147】
次に、この第1の実施形態におけるレーダー探知機の動作を説明する。
【0148】
本レーダー探知機は、エンジンが起動されると電源がオンとなる。これにより、制御部18は、GPS警報機能を作動し、データベース19に記憶させたオービスのオービス取締り位置を読み出し、この読み出したオービスのオービス取締り位置とGPS受信器8によって検出した現在位置とから相互間距離の計算を開始する。制御部18は、この計算を、制御部18のタイマーにより所定時間間隔(1秒間隔)ごとに継続して行う。
【0149】
制御部18は、前記相互間距離の計算結果に基づいてオービス取締り位置の1km手前の地点に到達したと判定すると、表示部5にオービスの1km先である旨を警告する表示を行う処理を行うと共に、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力させる処理を行う。
【0150】
また、制御部18は、前記1km手前の地点に到達したと判定するときに、1km先の接近警告に加えて、制限速度告知も行う。この制限速度告知について、具体的には、制御部18は、データベース19に記憶された取締り位置(オービス)の制限速度を表示部5に表示させる処理を行うと共に、スピーカ20から当該制限速度を告知する音声を出力させる処理を行う。
【0151】
さらに、制御部18は、前記1km手前の地点に到達したと判定するときに、速度超過告知も行う。具体的には、制御部18は、走行速度から前記制限速度を減算してその結果がゼロより大きい場合に、走行速度が制限速度を超過している旨を表示部5に表示させる処理を行うと共に、スピーカ20から当該制限速度を超過している旨を告知する音声出力させる処理を行う。
【0152】
このとき、制御部18は、接近警告を発するとき(又は、速度超過告知を行うとき)の走行速度が取締り対象となり得る速度である場合に、その旨を示す情報(第1の情報)を制御部18の不揮発性メモリに記憶させる。ここで、制御部18は、第1の情報の記憶として、前述したように、第1のフラグ情報と、オービス取締り位置に関する情報(オービス取締り位置の識別番号の情報)と、記憶した日時の情報と、記憶した位置に関する情報(オービス取締り位置の1km前の記憶である旨の情報)とを関連付けて行う。
【0153】
その後、本レーダー探知機がオービスへより更に接近し、当該レーダー探知機が前記オービスへの到達直前(オービス取締り位置の100m手前)の位置に到達したと制御部18が判定すると、当該制御部18は直前走行速度告知を行うと共に、二度目の速度超過告知を行う。
【0154】
このオービスへの到達直前の位置で、制御部18は、当該到達直前の位置での走行速度が取締り対象となり得る速度である場合にも、その旨を示す情報(第1の情報)を制御部18内の不揮発性メモリに記憶させる。このとき、制御部18は、第1の情報として、オービス取締り位置に関する情報(オービス取締り位置の識別番号の情報)と、記憶した日時の情報と、記憶した位置に関する情報(オービス取締り位置の100m手前(到達直前)の位置における記録である旨の情報)とを関連付けて記憶させる。
【0155】
ここで、接近警告を発したときに、そのときの走行速度が取締り対象となり得る速度の場合に走行速度が取締り対象となり得る速度に該当することを示す情報(第1の情報)を制御部18の不揮発性メモリに記憶した後に、オービスへの到達直前の位置でも、当該オービスへの到達直前の位置での走行速度が取締り対象となり得る速度であるときには、制御部18が、本実施形態の制御部18は、接近警告を発するときに記憶された第1の情報の記憶を、オービスへの到達直前の位置に到達したときの第1の情報で記憶更新するように処理を行う。
【0156】
ここまでの動作は、車両に搭載されたレーダー探知機がオービスによる取締り位置に近接する度に繰り返される。
【0157】
その後、車両がエンジンを停止するとき、制御部18は、不揮発性メモリに記憶した第1の情報をそこから読み出し、この第1の情報の個数を集計して走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数とし、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を、取締り対象となり得る速度であった回数の情報として表示部5に表示させる処理を行う(図5参照)と共に、スピーカ20から当該取締り対象となり得る速度であった回数を音声出力させる処理を行う。
【0158】
ここで、制御部18は、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を、取締り対象となり得る速度であった回数の情報として表示部5に表示させる処理を、車両のエンジン停止後一定時間(具体的には、10秒間)行う。
【0159】
尚、車両停止直前まで表示部5に待ち受け画面を表示させていた場合は、車両のエンジンが停止すると、制御部18は、待ち受け画面の表示を終了し、走行速度が取締り対象と
なり得る速度であった回数の情報を画面に表示させる。
【0160】
(第1の実施形態の効果)
(1)本レーダー探知機が備えている第1の出力機能により、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を出力するようにしたので、使用者は、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けたときに、オービス取締り位置の近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。したがって、使用者は、危険走行があったことを振り返えることで安全運転意識を高めることができる。
【0161】
(2)また、制御部18が、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を、外形が同じであるオブジェクトとして表示部5の表示画面に表示させるので、使用者は、外形が同じであるオブジェクトを見てこれを認識したときに、取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。
【0162】
(3)オービス取締り位置の到達直前の位置で記憶された第1の情報に基づいて走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けた場合(例えば、表示部5に表示させた灰色の猫のオブジェクトに注目して見た場合)、使用者は、オービス取締り位置に近い位置における走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力に基づいて自らの危険走行を振り返えることで安全運転意識を有効に高めることができる。
【0163】
(4)また、接近警告を発したときの位置で記憶された第1の情報に基づいて走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けたとき(例えば、白色の猫のオブジェクトに注目して見た場合)、接近警告を発したときの走行速度が取締り対象となり得る速度であったことも知ることができる。
【0164】
したがって、使用者は、例えば、発せられた接近警告を聞く前の(例えば、接近警告を受けたときに、これに基づいて運転中の車両の減速を開始させる前の状態(素の状態)で出していた)速度が取締り対象となり得る速度であったことを知ることができる。例えば、使用者は、もし本レーダー探知機が接近警告を発しなければ、運転中の車両が取締り対象となり得る速度のままでオービス取締り位置に到達していた可能性が高かったことについても知ることができる。
よって、使用者は、素の状態で出していた走行速度でそのまま走行を続けていたら速度取締にあっていたかもしれない危険走行状態にあったことを振り返えることができ、自らの安全運転意識をさらに高めることができる。
【0165】
(5)さらに、本レーダー探知機は、取締り対象となり得る速度となった場合が複数回あったとき、その都度第1の情報を記憶させ、これに基づいて、走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数の情報を出力するので、使用者は、この走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数の情報を受けて回数を認識した場合、取締り対象となり得る速度で走行した回数を知ることもできる。
【0166】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
【0167】
この第2の実施形態におけるレーダー探知機は、第1の実施形態の第1の出力機能に加えて、接近警告時の地点又はオービス取締り位置の直前の地点では走行速度が取締り対象となり得る速度であったが、オービス取締り位置では、走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合に、オービス取締り位置では、走行速度が取締り対象となり得る速度に該当しない旨を示す情報(以下、「第2の情報」と称する)を不揮発性メモリに記
憶しておき、記憶した第2の情報を当該不揮発性メモリから読み出し、オービス取締り位置では、取締りを回避できた旨の情報を出力する機能(第2の出力機能)を加えた構成となっている。
【0168】
ここで、第2の実施形態に係るレーダー探知機は、第1の実施形態と同様に、オービス取締り位置への接近警告を発するレーダー探知機である。
【0169】
ここで、前記レーダー探知機に備えられた制御部18の不揮発性メモリは、前述の第1の情報に加えて、当該第1の情報に対応付けて、前記第2の情報も記憶するようになっている。具体的には、この第2の情報は、オービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度に該当しない旨をフラグで示す情報(第2のフラグ情報)である。ここで、第2のフラグ情報については、制御部18が、オービス取締り位置での走行速度が取締対象となり得る速度に該当しないと判断した場合は0として記憶させる処理を行うようになっている。
【0170】
このレーダー探知機は、その制御部18により接近警告を発するときに、データベース19から取締り対象となり得る速度を読み出し、接近警告を発するとき又はオービス取締り位置の直前の走行速度が取締り対象となり得る速度である場合に、走行速度が取締り対象となり得る速度であることを示す第1のフラグを1として制御部18内の不揮発性メモリに記憶しておき(第1の情報)、当該不揮発性メモリに記憶した当該第1の情報に基づいて取締り対象となり得る速度であった旨の情報を出力する(第1の出力)。
【0171】
これと共に、制御部18は、オービス取締り位置では、その位置での走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合に、制御部18に走行速度が取締り対象となり得る速度に該当しない旨を示す情報(第2の情報)を第2のフラグを0として第1の情報に対応付けて制御部18内の不揮発性メモリに記憶させておき、車両がエンジンを停止したときにこの記憶した情報を読み出し表示部5及びスピーカ20へ取締りを回避できた旨の情報の出力(第2の出力)の処理を行う。
【0172】
ここで、「オービス取締り位置では、その位置での走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合」は、例えば、接近警告を発したときには走行速度が取締り対象となり得る速度であったが、この接近警告に基づいて車両が減速され、オービス取締り位置では、当該走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合を指している。特に、「オービス取締り位置では、当該走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合」は、接近警告を発してからこのオービス取締り位置に至るまでに走行速度がいかなる変化をしていたとしても(例えば、走行速度が取締り対象となり得る速度を下回ったり、上回ったりを繰り返していたとしても)、オービス取締り位置では走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった場合である。
【0173】
また、取締り対象となり得る速度は、第2の実施形態においても、制限速度よりも大きな値でデータベース19が記憶している。例えば、前述したように、取締り対象となり得る速度は、制限速度に30%の割合をかけた値を当該制限速度に加算したものとされる。第2の実施形態でも、取締り対象となり得る速度は、制限速度が100km/hであれば、3割増しの値である130km/hとしてデータベース19が記憶している。
【0174】
さらに、スピーカ20へ取締りを回避できた旨の情報の出力を行うために、データベース19は、第1の実施形態に示した各音声情報に加えて、第2の情報の音声情報も格納するようになっている。
【0175】
上述したように、第2の実施形態では、第1の出力機能と第2の出力機能を共に発揮す
るものであるが、ここでは第1の出力機能による第1の出力と第2の出力機能による第2の出力は、別々のタイミングで別々の画面及び音声として出力させるものとしている。第1の出力機能の第1の出力については、第1の実施形態と同様であるので、説明を省略する。以下、第2の出力機能について、より詳しく説明する。
【0176】
前記第2の出力機能は、制御部18が以下の処理を行うものである。
【0177】
まず、制御部18は、第2の出力機能を実行するときには、第1の出力機能の対象となったオービス取締り位置、オービス取締り位置(緯度経度)、及びオービス取締り位置に関連付けて記憶されている取締り位置の取締り対象となり得る速度を、それぞれ第2の出力機能の対象となるオービス取締り位置、オービス取締り位置(緯度経度)、及び前記オービス取締り位置に関連付けて記憶されている取締り位置の取締り対象となり得る速度として利用する。
【0178】
また、第1の出力機能と同様に、走行速度としては、GPS受信器8で受信したレーダー探知機の位置情報と時刻とを利用して制御部18により計算された速度が用いられる。具体的には、制御部18は、GPS受信器8から本レーダー探知機の現在位置を1秒間隔で連続して検出し、この検出した現在位置を1秒間隔で不揮発性メモリに記憶し、現在位置と1秒前の位置から1秒間隔で走行速度を計算し続ける。
【0179】
そして、制御部18は、前記オービス取締り位置の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が20mの地点であるオービス取締り位置に到達したと判断すると、当該オービス取締り位置の走行速度と読み出したオービス取締り位置の取締り対象となり得る速度との比較を行う。
【0180】
制御部18は、比較を行った結果、計算した走行速度が取締り対象となり得る速度以下の場合(オービス取締り位置での走行速度が取締対象となり得る速度に該当しないと判断した場合)、走行速度が前記取締り対象となり得る速度に該当しない旨の情報(第2の情報)を第2のフラグ情報を0として第1のフラグ情報に対応付けて制御部18の不揮発性メモリに記憶させる。
【0181】
制御部18は、第2の情報を記憶させる上記処理について、オービス取締り位置の走行速度が取締り対象となり得る速度以下の場合にその都度行う。したがって、オービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度以下の場合が複数回あり、その都度第2の情報を記憶させることで、当該第2の情報は、テーブル形式として第1の情報と関連付けて不揮発性メモリに複数記憶されることになる。
【0182】
したがって、制御部18は、第2の情報を複数記憶した場合には、これらを走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった回数に関する回数情報として制御部18内の不揮発性メモリに記憶させることになる。
【0183】
その後、車両がエンジンを停止したときに、制御部18は、前記不揮発性メモリに記憶させた第1の情報及び第2の情報を読み出し、第2の情報の個数(具体的には、第1のフラグ情報が1且つ第2のフラグ情報が0で記憶されている情報の個数)を集計し、取締りを回避できた旨の情報として集計した第2の情報の個数に相当する個数の猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理を行う(図5を参照)。
【0184】
このとき、第1の実施形態と同様に、図5において、制御部18は、当該制御部18の不揮発性メモリに記憶させたプログラムを実行することで、各オブジェクトを白色の猫及び/又は灰色の猫として表示させている。ここで、第2の実施形態でも、制御部18は、
接近警告時に取締り対象となり得る速度であった情報については白色の猫のオブジェクトとして表示させる。また、制御部18は、オービスへの到達直前の位置にあるときに取締り対象となり得る速度であった情報については灰色の猫のオブジェクトとして表示させる。
【0185】
さらに、集計した個数を取締りを回避できた回数として、データベース19に音声データとして記憶されたオービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行う。
【0186】
第2の実施形態の動作は、第1の実施形態に含まれている第1の出力機能の動作に加えて、更に、以下の第2の出力機能の動作が行われる。
【0187】
制御部18は、データベース19に記憶されたオービス取締り位置の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が20mになる地点である(速度取締り位置としての)オービス取締り位置に到達したと判断すると、データベース19に記憶された取締り対象となり得る速度を読み出し、走行速度が読み出した取締り対象となり得る速度であるか判定を行う。
【0188】
制御部18は、算出した走行速度が取締り対象となり得る速度以下の場合に、走行速度が前記取締り対象となり得る速度に該当しない旨の情報(第2の情報)を第2のフラグを0とすることで制御部18の不揮発性メモリに記憶させる。
【0189】
以上の動作は、オービスによる取締り位置に到達する度に繰り返される。このため、制御部18は、前記第2の情報を、接近警告を発したときには走行速度が取締り対象となり得る速度であったが、この接近警告に基づいて本実施形態のレーダー探知機を搭載した車両が減速され、オービス取締り位置では走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった度に記憶させる。したがって、制御部18は、第2の情報(具体的には、第1のフラグ情報が1且つ第2のフラグ情報が0で記憶される情報)を、前記不揮発性メモリにオービス取締り位置では取締り対象となり得る速度ではなくなった回数に関する回数情報として記憶させる。
【0190】
車両がエンジンを停止したとき、制御部18は、前記不揮発性メモリに記憶されている第1のフラグ情報が1且つ第2のフラグ情報が0である第2の情報を読み出し、この第2の情報の個数を集計し、取締りを回避できた旨の情報として集計した情報の個数に相当する個数の猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理を行う(図5を参照)。
【0191】
ここで、前述したように、制御部18は、猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理を行うときに、接近警告時に取締り対象となり得る速度であった情報については白色の猫のオブジェクトとして表示させるようにし、オービスへの到達直前の位置にあるときに取締り対象となり得る速度であった情報については灰色の猫のオブジェクトとして表示させるようにする。
【0192】
さらに、集計した個数を取締りを回避できた回数として、データベース19に音声データとして記憶された取締りを回避できた回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行う。
【0193】
ここで、第2の実施形態による表示部5の表示画面を、再び図5を参照して具体的に説明する。この表示画面には、第1の実施形態において図5に示された表示画面と同様に、制御部18は、外形が同じである猫のイラストのオブジェクトを表示させる処理を行って
いる。
【0194】
尚、上述したように、第2の実施形態では、第1の出力機能による第1の出力と第2の出力機能による第2の出力は、別々のタイミングで別々の画面としている。ここでは、第2の出力機能による第2の出力の画面についてのみ説明する。第1の出力の画面については第1の実施形態に示したものと同様である。尚、第1の出力の画面と第2の出力の画面は、制御部18がタイマーに基づいて切り替えるようになっている。
【0195】
第2の実施形態では、個々の猫のオブジェクトは、第2の出力に対応している。当該オブジェクトは、前述したように、白色又は灰色の表示である。
【0196】
ここで、白色の猫のオブジェクトは、接近警告を発したときには走行速度が取締り対象となり得る速度であったが、この接近警告に基づいて車両が減速され、オービス取締り位置の通過時には当該走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった個々の事実を表している。
【0197】
また、灰色の猫のオブジェクトは、オービスへの到達直前の位置にあるときには走行速度が取締り対象となり得る速度であったが、この接近警告に基づいて車両が減速され、オービス取締り位置の通過時には当該走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった個々の事実を表している。
【0198】
このようにすれば、使用者は、接近警告を発したとき又はオービスへの到達直前の位置にあるときの走行速度は取締り対象となり得る速度であったが、オービス取締り位置に至ったときには走行速度が前記取締り対象となり得る速度ではなくなっており、したがって取締りを回避できたことを知ることができる。そのため、使用者は、接近警報を受ける前に素の状態で出していた走行速度でそのまま走行を続けていたら速度取締りにあっていたかもしれない危険走行状態にあったことを振り返ることができると共に、この装置の運転中の車両を減速し、安全走行へと促されたことを知ることができる。
【0199】
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
【0200】
第3の実施形態におけるレーダー探知機は、第1の実施形態における第1の出力機能及び第2の実施形態における第2の出力機能に加えて、接近警告時の地点又はオービス取締り位置の直前の地点ではオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であり、オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度である場合に、オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度に該当する旨を示す情報(以下、「第3の情報」と称する)を不揮発性メモリに記憶しておき、記憶した第3の情報を当該不揮発性メモリから読み出し、オービス取締り位置で、取締りを回避できなかった旨の情報を出力する機能(第3の出力機能)を加えた構成となっている。
【0201】
さらに、制御部18は、第2の出力機能による取締りを回避できた旨の情報と、第3の出力機能による取締りを回避できなかった旨の情報とを異なる態様で同時に出力する処理を行うことを特徴とした構成となっている。
【0202】
ここで、前記レーダー探知機に備えられた制御部18の不揮発性メモリは、前述の第1の情報および第2の情報に対応付けて、オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度に該当する旨を示す情報(以下、「第3の情報」と称する)も格納するようになっている。具体的には、この第3の情報は、オービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度に該当することをフラグで示す情報(第3のフラグ情報)である。
ここで、第3のフラグ情報については、制御部18が、オービス取締り位置での走行速度が取締対象となり得る速度に該当すると判断した場合は1として記憶させる処理を行うようになっている。
【0203】
また、異なる態様で出力は、第3の実施形態では、オブジェクトを白色と灰色のように色調を変えることで異なる態様で制御部18が表示部5に出力させるものである。
【0204】
ここで、第3の実施形態に係るレーダー探知機も、第1及び第2の実施形態と同様に、オービス取締り位置への接近警告を発するレーダー探知機である。
【0205】
具体的には、前記第3の出力機能は、第1及び第2の出力機能の処理に以下の処理を追加するものである。
【0206】
制御部18は、オービス取締り位置で計算した走行速度と取締り対象となり得る速度とを比較したときに、オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度である場合、オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度に該当する旨を示す情報(第3の情報)を第3のフラグを1として第1及び第2の情報に対応付けて制御部18内の不揮発性メモリに記憶させ、車両がエンジンを停止したときにこの記憶した情報を読み出し表示部5及びスピーカ20へ取締りを回避できなかった旨の情報の出力(第3の出力)の処理を行うものである。
【0207】
ここで、「オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度である場合」は、例えば、接近警告を発したときに走行速度が取締り対象となり得る速度であり、この接近警告に基づいて車両が減速されたが、オービス取締り位置でも、当該走行速度が取締り対象となり得る速度である場合を指している。
特に、「オービス取締り位置でも、当該走行速度が取締り対象となり得る速度である場合」は、接近警告を発してからこのオービス取締り位置に至るまでに走行速度がいかなる変化をしていたとしても(例えば、走行速度が取締り対象となり得る速度を下回ったり、上回ったりを繰り返していたとしても)、オービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度である場合である。
【0208】
また、第3の実施形態における取締り対象となり得る速度は、第1及び第2の実施形態における取締り対象となり得る速度と同じものである。
【0209】
さらに、スピーカ20へ取締りを回避できなかった旨の情報の出力を行うために、データベース19は、第1及び第2の実施形態に示した各音声情報に加えて、第2の情報の音声情報も格納するようになっている。
【0210】
次に、第3の実施形態において、第1の機能に加えて協働して機能する第2及び第3の出力機能についてより詳しく説明する。
【0211】
前記第2及び第3の出力機能は、第1の機能に加えて、制御部18が以下の処理を行うものである。
【0212】
まず、制御部18は、第2及び第3の出力機能を実行するときには、第1の出力機能の対象となったオービス取締り位置、オービス取締り位置(緯度経度)、及び前記オービス取締り位置に関連付けて記憶されている取締り位置の取締り対象となり得る速度を、第2及び第3の出力機能の対象となるオービス取締り位置、オービス取締り位置(緯度経度)、及び前記オービス取締り位置に関連付けて記憶されている取締り位置の取締り対象となり得る速度として利用する。
【0213】
また、第1の出力機能と同様に、走行速度としては、GPS受信器8で受信したレーダー探知機の位置情報と時刻とを利用して制御部18により計算された速度が用いられる。具体的には、制御部18は、GPS受信器8から本レーダー探知機の現在位置を1秒間隔で連続して検出し、この検出した現在位置を1秒間隔で不揮発性メモリに記憶し、現在位置と1秒前の位置から1秒間隔で走行速度を計算し続ける。
【0214】
そして、制御部18は、前記オービス取締り位置の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が20mの地点であるオービス取締り位置に到達したと判断すると、当該オービス取締り位置の走行速度と読み出したオービス取締り位置の取締り対象となり得る速度との比較を行う。
【0215】
制御部18は、比較を行った結果、計算した走行速度が取締り対象となり得る速度以下の場合、走行速度が前記取締り対象となり得る速度に該当しない旨の情報(第2の情報)を第2のフラグ情報を0として第1のフラグ情報に対応付けて制御部18の不揮発性メモリに記憶させる。一方、制御部18は、計算した走行速度が取締り対象となり得る速度よりも高い場合、走行速度が前記取締り対象となり得る速度に該当する旨を示す情報(第3の情報)を第3のフラグ情報を1として第1のフラグ情報に対応付けて制御部18の不揮発性メモリに記憶させる。
【0216】
制御部18は、第2の情報を記憶させる処理について、前記オービス取締り位置の走行速度が取締り対象となり得る速度以下の場合にその都度行うとともに、第3の情報を記憶させる処理について、前記オービス取締り位置の走行速度が取締り対象となり得る速度よりも高い場合にその都度行う。
【0217】
したがって、オービス取締り位置に到達する場合が複数回あり、その都度第2の情報又は第3の情報を記憶させることで、当該第2又は第3の情報は、第1の情報と関連付けられてテーブル形式として不揮発性メモリに複数記憶されることになる。
【0218】
したがって、制御部18は、第2の情報を複数記憶した場合には、第2の情報を走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった回数に関する回数情報として制御部18内の不揮発性メモリに記憶させることになる。また、制御部18は、第3の情報を複数記憶した場合には、第3の情報を、オービス取締り位置近接時には走行速度が取締り対象となり得る速度であり、オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度のままであった回数に関する回数情報として、制御部18内の不揮発性メモリに記憶させることになる。
【0219】
その後、車両がエンジンを停止したときに、制御部18は、前記不揮発性メモリに記憶させた第2の情報を読み出し、この第2の情報の個数(具体的には、第1のフラグ情報が1且つ第2のフラグ情報が0で記憶されている情報の個数)を集計し、集計した情報の個数に相当する個数の猫のイラストを白色のオブジェクトとして表示部5の表示画面に表示させる処理を行う。ここで、この白色の猫の形状をしたオブジェクトは、接近警告を発したときには前記走行速度が取締り対象となり得る速度であったが、オービス取締り位置では走行速度が取締り対象となり得る速度でなくなり、取締りを回避できたことを示している(図5参照)。
【0220】
また、前記車両がエンジンを停止したときに、制御部18は、前記不揮発性メモリに記憶させた第3の情報も読み出し、この第3の情報の個数(具体的には、第1のフラグ情報が1且つ第3のフラグ情報が1で記憶されている情報の個数)を集計し、集計した情報の個数に相当する個数の猫のイラストを灰色のオブジェクトとして表示部5の表示画面に表
示させる処理も同様に行う。ここで、この灰色の猫の形状をしたオブジェクトは、接近警告を発したときには前記走行速度が取締り対象となり得る速度であり、オービス取締り位置でも走行速度が取締り対象となり得る速度であり、取締りを回避できなかったことを示している(図5参照)。
【0221】
さらに、第2の情報について集計した個数をオービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった回数として、データベース19に音声データとして記憶されたオービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなった回数を告知する音声(第1の音声)をスピーカ20に出力させる処理を行う。同様に、第3の情報について集計した個数をオービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度のままであった回数として、データベース19に音声データとして記憶されたオービス取締り位置で走行速度が取締り対象となり得る速度のままであった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行う。
【0222】
ここで、制御部18は、第1の音声と、第2の音声とを1つのフレーズに内容を含めてスピーカ20に音声出力させる処理を行う。
【0223】
このようにすれば、使用者は、前記猫のイラストのオブジェクトの色に注目し、灰色の猫のイラストのオブジェクトの個数を認識したとき、オービス取締り位置でも、走行速度が取締り対象となり得る速度であり、取締りを回避できなかった回数を把握できる。さらに、白色の猫のイラストのオブジェクトの個数を認識したとき、オービス取締り位置では、走行速度が取締り対象となり得る速度ではなくなり、取締りを回避できた回数を知ることができる。
【0224】
また、それぞれの上記各回数の内の2つを比較することで、取締りを回避できた回数と取締りを回避できなかった回数の割合、オービス取締り位置近接時に走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数と取締りを回避できた回数の割合、及びオービス取締り位置近接時に走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数と取締りを回避できなかった回数の割合を知ることができる。
【0225】
しかも、第3の実施形態では、制御部18は、第2の出力と第3の出力を関連性を持たせて表示部5の同一の表示画面に同一のタイミングでどちらも表示する処理を行うものとしたので、関連性を持たせて同一の表示画面に同一のタイミングで表示される第2の出力と第3の出力を使用者が認識すると、取締りを回避できた回数、取締りを回避できなかった回数、及びオービス取締り位置近接時に走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数、並びにそれらの割合を1つの表示画面でまとめて把握することができる。
【0226】
さらに、白色の猫のオブジェクトも灰色の猫のオブジェクトも、それぞれが第1の情報に対応しており、白色の猫のオブジェクトも灰色の猫のオブジェクトの総数は接近警告時に取締り対象となり得る速度であった情報を表しているので、使用者は、表示部5の表示画面に出力された猫のイラストのオブジェクトの総数を認識したとき、接近警告時に取締り対象となり得る速度であった回数を把握することができる。
【0227】
(他の実施形態)
以下、他の実施形態を説明する。
【0228】
上記各実施形態におけるGPS警報機能において、制御部18は、求めた距離が所定の接近距離(例えば、1km)になった場合に、表示部5にその旨(接近警告)を表示し、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力するとしたが、接近距離は500mであってもよく、又は接近距離は1kmと500mの両方であってもよい。
【0229】
上記各実施形態におけるレーダー探知機は、制御部18の制御下で、制限速度告知機能により制限速度告知を行っていたが、当該制限速度告知を行わなくてもよい。また、制御部18がオービス取締り位置の制限速度を表示部5に表示させると共に、制限速度を告知する音声をスピーカ20から出力させる処理を行っていたが、これに代えて、当該音声出力と当該表示出力の何れか一方だけを行ってもよい。
【0230】
また、上記各実施形態のレーダー探知機は、制御部18の制御下で速度超過告知機能により速度超過告知を行っていたが、当該速度超過告知を行わなくてもよい。また、制御部18は、速度超過告知機能により、走行速度が制限速度を超過している旨を表示部5にそれぞれ表示させる処理を行うと共に、当該制限速度を超過している旨を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行っていたが、これに代えて、当該音声出力と当該表示出力のどちらか一方だけを行ってもよい。
【0231】
上記各実施形態の速度超過告知機能は、走行速度が制限速度を超過している旨を表示部5の表示画面に表示させる処理を行うと共に、制限速度を超過している旨を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行っており、超過した速度の値自体の告知をする処理は行っていなかったが、制御部18が速度超過告知時に計算した走行速度を超過した速度の値としてこれも表示部5の表示画面に表示させ且つ/又はそれを音声出力する処理を行ってもよい。あるいは、制御部18は、走行速度から制限速度を減算した値を表示部5の表示画面に表示させ且つ/又はそれを音声出力する処理を行ってもよい。
【0232】
上記各実施形態において、接近警告については、レーダー探知機のGPS警報機能によるものとしているが、これに限定されない。当該接近警告は、オービス取締り位置まで所定の接近距離内にあることを知らせるものであれば何でもよく、GPS警報機能の接近警告を用いずに、前記レーダー探知機による制限速度告知及び/又は速度超過告知が接近警告の役割を代わりに果たすものとなっていてもよい。
【0233】
また、所定の接近位置は、データベース19に記憶された目標物の緯度経度とGPS受信器8によって検出した現在位置の緯度経度から両者の距離を求め、求めた距離が1kmになった場合としていたが、車両が高速道を走行しているときには、前述の所定の接近距離はオービスの1km前に代えて2km前であってもよい。
【0234】
また、接近警告は、オービス取締り位置に至る手前の位置であって、GPS警報機能により接近警告を受けた使用者が、上記各実施形態のレーダー探知機を搭載した車両を、オービス取締り位置に至るまでに、取締り対象である現在の速度から、取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速できる位置(例えば、オービス取締り位置の手前2km手前、1km手前、500m手前、100m手前など)で発するという構成とするとよい。
【0235】
このようにすれば、使用者は、本レーダー探知機から発せられた接近警告を認識することで、オービス取締り位置に至るまでに、取締り対象である現在の速度から取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速することができる。
【0236】
ここで、「減速できる位置」は、車両の走行速度が取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速できる位置であれば何でもよいが、特に、安全に車両の走行速度を取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速できる位置とするとよい。取締り対象である現在の速度が取締り対象となり得る速度を大幅に上回る場合であっても、急ブレーキをかけることなく減速することができる位置とするとよい(例えば、制限時速100km/hの場合に、走行速度が160km/hや170km/hであった場合でも、制限速度まで減速できる位置とするとよい)。特に、前方及び後方の車間距離が急に接近するようなことな
く一定に保ちつつ前記車両の速度を徐々に減速して取締り対象となり得る速度ではない速度まで減速できる位置とするとよい。
【0237】
接近警告は、表示部5にその旨を表示し、スピーカ20から接近警告を示す接近警告を表示し、スピーカ20からその旨を示す接近警告の音声を出力する処理としたが、接近警告であれば、音、音声、画像、又はそれらの組み合わせ等のどのようなものでもよく、例えば、音及び/又は音声によって出力してもよい。
【0238】
前記各実施形態では、速度取締り位置としてのオービス取締り位置である場合としたが、法定制限速度(以下、制限速度とする)を超えた速度で走行している車両等について取締り対象となり得る速度を用いて取締りを行っている位置であれば何でもよく、運転者等が走行速度に注意した方がよい箇所であってもよい。
【0239】
オービス取締り位置近接時は、オービス取締り位置の通過時及び接近警告を発するときとしたが、オービス取締り位置の通過時又は接近警告を発するときの何れか一方に当てはまるときとしてもよい。
【0240】
オービス取締り位置の通過時は、オービス取締り位置への到達直前の位置であるとしたが、オービス取締り位置の到達時でもよく、オービス取締り位置の通過直後の位置でもよい。
【0241】
走行速度は、GPS受信器8で受信したレーダー探知機の位置情報と時刻とを利用して制御部18により計算された速度が用いられるものとしたが、これに代えて、制御部18は、車両から当該車両のODB2コネクタ(診断コネクタ)及びそれに接続された接続ケーブル22を介して車両の走行車速を取得し、これをレーダー探知機の走行速度として用いてもよい。
【0242】
また、第1乃至第3の情報に関して、制御部18は、第1乃至第3の情報を制御部18内の不揮発性メモリに記憶させるとしたが、これに限定されない。制御部18は、第1乃至第3の情報の全部又は一部を他の記憶装置に記憶してもよく、例えば、制御部18内のRAMに記憶してもよく、データベース19に記憶してもよい。
【0243】
上記各実施形態において、制御部18は、集計した第1の情報(第2の情報、第3の情報)の個数に相当する個数のオブジェクトを表示させる構成としたが、集計した第1の情報(第2の情報、第3の情報)の個数に相当する数字を表示させてもよく、又はそれら両方を関連付けて表示させてもよい。また、前記集計した第1の情報(第2の情報、第3の情報)の個数をそれぞれの情報に関する回数として告知する音声をスピーカ20に出力させてもよい。
【0244】
上記各実施形態において、データベース19に記憶されている取締り対象となり得る速度は、制限速度に30%の割合をかけた値を制限速度に加算した速度としたが、制限速度よりも大きな値であれば他の値でもよく、これに限定されない。取締り対象となり得る速度は、制限速度よりも大きな値とする場合、取締り位置近接時において、制限速度に超過速度を加えた速度とするとよい。
【0245】
ここで、この超過速度は、制限速度に予め設定された値を加えた速度で車両を走行させた場合に取締りを受ける可能性が高いような値であればどのような値としてもよいが、例えば、制限速度100km/hの道路を車両が走行中の場合、前記予め設定された値は、例えば、当該道路に設置された取締り位置へ至る1km手前では30km/hであり、例えば、取締り位置の直前の位置(例えば、取締り位置へ至る100m手前)で15km/
hである。
【0246】
このようにすれば、使用者は、取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けた場合、制限速度に超過速度を加えた速度で走行していたことを知るができる。したがって、使用者は、走行速度に対して予め設定された値(超過速度)に相当する速度の減速を意識すればよいことになる。したがって、減速操作に際しての思考内容が単純化され、減速操作の実効を図ることができる。
【0247】
特に、取締り対象となり得る速度は、車両の速度計の誤差として許容される分を加えた値とするとよい。特に、速度計の誤差範囲は、法令上許容される範囲とするとよい。特に、速度計の誤差範囲は、法令上許容される範囲とするとよい。
【0248】
例えば、『道路運送車両の保安基準の細目を定める告示の第148条』によれば、車両の速度計の誤差として許容される範囲は、V1を自動車に備える速度計の速度表示(単位km/h)、V2を速度試験機を用いて計測した速度(単位km/h)とするとき、10(V1-6)/11≦V2≦(100/94)V1で示される。これに基づけば、例えば、速度計が時速40kmとなるように自動車を走行させたとき(V1=40km/h)、当該自動車の速度(速度試験機を用いて計測した速度に相当する速度)V2は、30.9≦V2≦42.55の範囲である。この場合、例えば、速度計の上限側の誤差として許容される分は、2.55kmとするとよい。
【0249】
また、取締り対象となり得る速度は、制限速度よりも大きな値であれば他の値でもよいとしたが、これに限定されない。取締り対象となり得る速度は、制限速度自体としてもよい。
【0250】
上記各実施形態では、猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理は、車両がエンジンを停止したときに行うとしたが、これに代えて、オービス取締り位置通過時に当該処理を行ってもよく、オービス取締り位置を通過したすぐ後に前記処理を行ってもよく、速度取締り位置への近接を忘却してしまうほど後である特定の期間経過後、例えば、オービス取締り位置通過時から1時間後、2時間後、6時間後、12時間後、1日後、2日後などに前記処理を行ってもよく、前記特定の期間経過後の車両停止時に前記処理を行ってもよく、次にエンジンが始動したときに前記処理を行ってもよい。
【0251】
同様に、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理は、車両がエンジンを停止したときに行うとしたが、これに代えて、オービス取締り位置通過時に当該処理を行ってもよく、オービス取締り位置を通過したすぐ後に前記処理を行ってもよく、特定の期間経過後、例えば、オービス取締り位置通過時から1時間後、2時間後、6時間後、12時間後、1日後、2日後などに前記処理を行ってもよく、エンジンが停止したときに前記処理を行ってもよく、次にエンジンが始動したときに前記処理を行ってもよい。
【0252】
また、上記各実施形態では、制御部18が、猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理と、オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理とは、同時に行われるものとして説明したが、これに限定されず、制御部18は、これらの処理を別々のタイミングで行ってもよい。
【0253】
また、上記各実施形態における、猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理、及びオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理は、通過時に行ってもよいし、通過し
たすぐ後に行ってもよい。
【0254】
また、上記各実施形態では、猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理は、及びオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理は、車両がエンジンを停止したときに行うとしたが、制御部18に、レーダー探知機が道路の特定区間の入口(例えば、高速道路のインターチェンジ入口)を通過するときに、この入口に関連付けてその進行方向の一定の範囲内(例えば、10km)で特定されているオービス取締り位置の第1の情報だけをデータベース19から読み込み、この第1の情報の個数を集計し、この個数に相当する個数の猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させると共に、当該個数を走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数として告知する音声をスピーカ20に出力させる処理を行ってもよい。
【0255】
上記各実施形態では、制御部18が、猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理、及びオービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった回数を告知する音声をスピーカ20に出力させる処理の両方を行うものとしたが、何れか一方の出力だけを行うものとしてもよい。
【0256】
第2の実施形態において、第1の出力機能による第1の出力と第2の出力機能による第2の出力は、別々のタイミングで別々の画面及び音声として出力させるものとしたが、第1の出力と第2の出力は、同一のタイミングで行ってもよく、例えば、同一画面に出力したり、1つのフレーズに内容を含めて音声出力したりすると特によい。
【0257】
尚、第1の出力と第2の出力は、同一のタイミングで行い、同一画面に出力する態様は、第3の実施形態として示している。
【0258】
また、第1の出力の画面と第2の出力の画面は、制御部18がタイマーに基づいて切り替えるようになっているとしたが、使用者が、リモコン17の操作により切り換えるようにしてもよい。
【0259】
第3の実施形態において、制御部18は、第2の出力と第3の出力を表示部5の同一の表示画面に同一のタイミングでどちらも表示する処理を行うものとしたが、同一の表示画面に別のタイミングで行ってもよく、別々の表示画面に同一又は別々のタイミングで行ってもよい。
【0260】
制御部18は、第1の音声と、第2の音声とを1つのフレーズに内容を含めてスピーカ20に音声出力させる処理を行う20に音声出力させる処理を行うものとしたが、別々のフレーズとして音声出力させてもよい。
【0261】
前記各実施形態において、図5には、制御部18が表示させるオブジェクトは、外形が同じであり、シンプルで同一の外形を有する猫のイラストであるという構成を示したが、これに限られない。外形が同じであり、シンプルで同一の外形を有するものであれば何でもよい。例えば、複雑でない輪郭形状を有するオブジェクトであるとよく、特に、動物等のシンプルなイラストとするとよい。
【0262】
また、前記各実施形態において、図5には、オブジェクト(猫のイラスト)を表示画面中に縦8個×横5個並べて表示させる制御を行うとしたが、オブジェクトの拡大縮小などにより、これとは異なる行数及び列数で表示させてもよく、又は少ない行数及び列数で表示させてもよい。
【0263】
また、前記各実施形態において、オブジェクトの表示は、1枚の表示画面で行ったがこれに限定されず、複数枚の画面(ページ)にわたってもよい。
【0264】
さらに、前記各実施形態において、この一画面に表示させるオブジェクトの記録期間は、どのような期間でもよいが、現時点までの1年間、現時点までの1か月間、現時点までの1週間、現時点までの1日間などとしてもよく、使用開始時から現在までとすると特によい。
【0265】
表示部5に表示させるオブジェクトは、上記各実施形態では、外形が同じであり、シンプルで同一の外形を有する猫のイラストであるとしたが、オブジェクトを複数表示させる場合に、外形が実質的に同じであるオブジェクトであれば何でもよい。
【0266】
例えば、前記オブジェクトは、オービス取締り位置近接時が複数回あり、当該オービス取締り位置近接時の走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報が別々に複数個記憶されており、これらの取締り対象となり得る速度であった旨の情報を別々に複数のオブジェクトで表示させる場合に、複数のオブジェクト間で同一の絵図又は記号で表示させるものとするとよい。
【0267】
特に、一例として、「外形が同じであるオブジェクト」は、猫等の動物などを表すシンプルなイラストとするとよい。
「外形が同じであるオブジェクト」は、絵図又は記号で構成される場合に限定されず、その他の図形であってもよい。「同一の絵図又は記号」は、例えば、完全な同一の絵図又は記号でなくても、実質的に同一に見える絵図又は記号であるとよい。
【0268】
オブジェクトは、外形が同じであり、シンプルで同一の外形を有する猫のイラストとしたが、どのようなイラストでもよく、例えば、特に、速度取締り等を連想させるようなイラスト等(例えば、違反切符や罰金のイラスト等)とするとよい。
【0269】
このように速度取締り等を連想させるようなイラスト等のオブジェクトとした場合、使用者がこれを認識したとき、使用者は速度取締りにあわないように安全運転を心掛けなければならないことを思い描くことができ、危険走行の振り返りをより有効に行うことができる。
【0270】
さらに、速度取締り等を連想させるようなオブジェクトで表示するときは、オービス取締り位置近接時の走行速度が制限速度を超過していた程度に応じて、このイラストを色分け表示又は段階的に異なる色調により表示してもよい。例えば、速度取締り等を連想させるようなイラストを違反切符のイラストとする場合は、前記走行速度が制限速度を超過していた程度に応じて、違反切符の色で色分けするとよい。また、例えば、速度取締り等を連想させるようなイラストを罰金のイラストとする場合は、走行速度が制限速度を超過していた程度に応じて、罰金の金額を変えるとよい。
【0271】
オブジェクトを罰金のイラストで表示し、例えば、取締りを回避できた場合を白色(又は黄色)、取締りを回避できなかった場合を灰色(又は赤色)とした場合、使用者は、白色(又は黄色)の罰金のイラストに着目することで、本レーダー探知機を用いたことによって、どのくらい罰金を払わずに済んだのか想像しやすくなり、これによって、本装置を設置したことによる効果を実感することもできる。
【0272】
上記各実施形態では、オブジェクトを白色と灰色のように色調を変えることで異なる態様で出力する処理としたが、この「異なる態様で出力」は、異なる態様を出力するものであればどのようなものでもよく、例えば、オブジェクトを色分け表示することで行っても
よい。例えば、上記各実施形態において、白色の猫は黄色の猫として表示させてもよく、灰色の猫は赤色の猫として表示させてもよい。
【0273】
このようにすれば、使用者は、前記オブジェクトの色分け表示に注目してこれらを認識することで、取締りを回避できた旨の情報と取締りを回避できなかった旨の情報とを認識することができる。
【0274】
例えば、第1及び第2の実施形態においては、接近警告時の位置といったオービス取締り位置から遠い位置で取締り対象となり得る速度であった場合を白色の猫のオブジェクトで表示させたが、この場合を相対的に低い取締り危険性を示す他の色(例えば、黄色)でオブジェクトを制御部18が表示させてもよい。
【0275】
オービス取締り位置の直前といったオービス取締り位置から近い位置で取締り対象となり得る速度であった場合を白色の猫のオブジェクトで表示させたが、この場合を相対的に高い取締り危険性を示す他の色(例えば、赤色)でオブジェクトを制御部18が表示させてもよい。
例えば、第3の実施形態においては、取締りを回避できたか否かの観点で、取締りを回避できた旨の情報を黄色、取締りを回避できなかった旨の情報を赤色とするとよい。
【0276】
又、上記各実施形態においては、オブジェクトを白色と灰色のように色調を変えることで異なる態様で出力する処理としたが、異なる色調で表示するときは、制御部18は、前記オブジェクトの外形の内側の色調を異なるもので表示部5の表示画面に表示させるとするとよい。
【0277】
さらに、オブジェクトを異なる色調で表示するのに代えて、オブジェクトを色分け表示してもよく、このときは、制御部18は、オブジェクトの外形の内側の色彩を異なるもので表示部5の表示画面に表示させるとよい。
【0278】
また、オブジェクトを異なる色調で表示するのに代えて、一方のオブジェクトを有色彩、他方の取締りを回避できなかった場合を無色彩としてもよい。また、例えば、色分け及び異なる色調とすること以外にも、一方には模様を加え、他方には模様を加えないような表示処理を制御部18が行ってもよい。
【0279】
上記第1及び第2の実施形態では、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力は、第1の情報を記憶した位置別に異なる態様で出力するものとしたが、走行速度が取締り対象となり得る速度に対する複数の範囲別に異なる態様で出力する構成としてもよい。
【0280】
例えば、例えば、制御部18の不揮発性メモリは、さらに第1の情報として走行速度に関する情報を記憶するようにしてもよい。
【0281】
その上で、実際のレーダー探知機の使用時に、制御部18は、オービス取締り位置近接時に、オービス取締り位置近接時の走行速度が不揮発性メモリから読み出したオービス取締り位置の取締り対象となり得る速度以上であると判定した場合、そのときの走行速度から取締り対象となり得る速度を差し引いた速度値を取締り対象速度超過情報として前記不揮発性メモリに記憶させておくとよい。
【0282】
そして、車両がエンジンを停止したときに、記憶した不揮発性メモリ第1の情報を読み出し、第1の情報の個数に相当する個数の猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理を行うときに、取締り対象速度超過情報の値が時速15km未満であれば白色
のオブジェクトとし、取締り対象速度超過情報の値が時速15km以上であれば灰色のオブジェクトとする処理を行うとよい。
【0283】
尚、このオブジェクトの白色は黄色としてもよく、灰色は赤色として制御部18が表示部5の表示画面に表示させる処理をしてもよい。
【0284】
このようにすれば、使用者は、複数の範囲の異なる態様で出力された取締り対象となり得る速度であった旨の情報を受けてこれを認識した場合、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報を複数の範囲別に知ることができる。
【0285】
また、走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力は、例えば車両がエンジンを停止したときに、制御部18が第1の情報を不揮発性メモリから読み出し、第1の情報の個数に相当する個数の猫のイラストのオブジェクトを表示部5に表示させる処理を行うときに、前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を、日常的に許容される許容レベル領域と当該許容レベルを超えた非許容レベル領域とに分けて、前記オブジェクトの表示を表示部5の表示画面上に二段階表示で行うとよい。
【0286】
このようにすると、使用者は、画面上に二段階表示させた前記走行速度が取締り対象となり得る速度であった旨の情報の出力を受けてこれを認識した場合、走行速度が取締り対象となり得る速度であったことを、日常的に許容される許容レベル領域と当該許容レベルを超えた非許容レベル領域とに分けて知ることができる。
【0287】
ここで、日常的に許容される許容レベル領域及び非許容レベル領域は、例えば、取締り対象となり得る速度であった旨の情報を、その取締りにあう確率が高いか低いかの観点(取締りの危険度の観点)で許容されるか否かの基準で分けられるものであれば何でもよいが、以下のようにするとよい。
【0288】
多くの場合に安全運転を前提として制限速度を超えた速度での走行が黙認されている現状に鑑み、この黙認される範囲を許容範囲として、前記許容レベル領域は、取締り対象となり得る速度を超えた速度の内、制限速度の100%以上且つ115%未満の値を許容範囲内の速度領域とするとよく、非許容レベル領域は、例えば、この許容範囲を超える(制限速度の115%以上の)速度領域とするとよい。
【0289】
例えば、制御部18は、第1の情報を不揮発性メモリから読み出すとともに、第1の情報の取締り対象速度超過情報を参照して、取締り対象速度超過情報の値が制限速度の100%以上且つ115%未満の範囲内にあると判断した場合、この第1の情報を許容レベル領域に属するオブジェクトとして表示部5の表示画面に表示させるとよく、制限速度の115%以上の場合、この第1の情報を非許容レベル領域に属するオブジェクトとして表示部5の表示画面に表示させるとよい。
【0290】
さらに、前記非許容レベル領域は、前記走行速度が制限速度に対して超過している程度に応じて二段階以上に分けて複数段階表示させるという構成とするとよい。
【0291】
例えば、制御部18は、第1の情報を不揮発性メモリから読み出すとともに、第1の情報の取締り対象速度超過情報を参照して、取締り対象速度超過情報の値が制限速度の115%以上且つ130%未満の範囲内にあると判断した場合、この第1の情報を第1の非許容レベル領域に属するオブジェクトとして表示部5の表示画面に表示させるとよく、制限速度の130%以上の場合、この第1の情報を第2の非許容レベル領域に属するオブジェクトとして表示部5の表示画面に表示させるとよい。
【0292】
このようにすれば、使用者は、二段階以上に分けて複数段階表示させた非許容レベル領域を見た場合、車両が非許容レベル領域内で制限速度に対してどの程度の速度超過で走行していたのかをより詳しく知ることができる。したがって、使用者は、制限速度を超えて走行するときの自らの運転の傾向を具体的に認識して、これを安全運転の向上に活かすことができる。
【0293】
尚、「前記走行速度が制限速度に対して超過している程度に応じて」は、例えば、制限速度100km/hの道路の場合については、取締り対象の速度(取締りの危険があると想定される速度)を、危険度が低い順に、例えば、1km手前で、当該制限速度に対してその15~30%の速度超過(すなわち、制限速度に対しての自車の速度超過が時速15~30km/h)であれば低い危険度、当該制限速度に対してその30%以上の速度超過(制限速度に対しての自車の速度超過が30km/h以上)であれば高い危険度のように定めるとよい。
【0294】
前記取締り対象となり得る速度であった旨の情報は、文字情報では出力しないという構成とするとよい。
【0295】
このようにすれば、使用者は、文字を読むことなく、取締り対象となり得る速度であった旨の情報を得ることができる。
【0296】
特に、文字情報以外の簡潔に示された情報で出力するとよい。このようにすれば、簡潔に示された情報に基づいて、走行速度が取締り対象となり得る速度にあったことを効率よく振り返ることができる。
【0297】
各実施形態において、GPS警報機能による接近警告については、制御部18が、前述の接近警告を行う前に、接近警告を行う取締り位置(オービス)について不揮発性メモリに第1の情報が記憶されているか照会を行い、制御部18が当該第1の情報が記憶されていると判断する場合と記憶されていないと判断する場合とで、制御部18が接近警告を異なる態様で行うとよい。
【0298】
このようにすれば、使用者は、第1の情報(走行速度が取締り対象となり得る速度である旨の情報)が記憶されている場合と記憶されていない場合とで異なる態様の接近警告を受けてこれを聞き分けることで、特に、第1の情報が記憶されている場合に発せられる接近警告を認識した場合、過去に走行速度が取締り対象となり得る速度で走行したことがある警告対象のオービス取締り位置へ再接近していることを知ることができる。
【0299】
そのため、使用者は、ついつい速度を出し過ぎてしまいやすい箇所を通過しようしていることを認識し、過去におかしてしまった速度超過を繰り返さないように車両を減速させることができる。
【0300】
「制御部18が当該第1の情報が記憶されていると判断する場合と記憶されていないと判断する場合とで、制御部18が接近警告を異なる態様で行う」としたが、これについては、態様が異なっていればどのようなものでもよく、特に、第1の情報が記憶された位置に接近している旨を警告するものとするとよい。
【0301】
具体的には、警告は、例えば、表示部5を介して当該警告について画像を表示する制御を行うものでもスピーカ20を介して音声を出力するものでもよいが、特に、表示部5に専用の警報画面等を表示するとよく、スピーカ20に「要注意ポイントです」等のアナウンスを音声出力の制御を行うものでもよく、これらを組み合わせて出力するものでもよい。
【0302】
変形例や各実施形態の内容の構成要素、課題を解決するための手段に記載の要素や思想を適用した要素は、任意に組み合わせて実施形態とするとよい。
【符号の説明】
【0303】
1 ケース本体
2 ソーラーパネル
3 スイッチ部
4 マイクロ波受信器
5 表示部
6 ランプ
7 赤外線通信機
8 GPS受信器
9 アダプタージャック
10 電源スイッチ
12 携帯電話機
13 メモリカードリーダ
14 メモリカード
15 無線受信器
16 リモコン受信器
17 リモコン
18 制御部
19 データベース
20 スピーカ
21 DCジャック
22 接続ケーブル
23 コネクタ端子

図1
図2
図3
図4
図5