(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024112935
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】人間と機械との対話における通信の証拠の記録
(51)【国際特許分類】
H04M 3/51 20060101AFI20240814BHJP
H04M 3/56 20060101ALI20240814BHJP
H04M 11/00 20060101ALI20240814BHJP
G06Q 50/18 20120101ALI20240814BHJP
G06Q 10/00 20230101ALI20240814BHJP
【FI】
H04M3/51
H04M3/56 Z
H04M11/00 302
G06Q50/18
G06Q10/00
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024084190
(22)【出願日】2024-05-23
(62)【分割の表示】P 2020571687の分割
【原出願日】2019-06-19
(31)【優先権主張番号】62/687,171
(32)【優先日】2018-06-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】520498066
【氏名又は名称】プリオン インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】PRYON INCORPORATED
(74)【代理人】
【識別番号】100117606
【弁理士】
【氏名又は名称】安部 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】ナハムー, デイビッド
(72)【発明者】
【氏名】ヤブロコフ, イゴル
(72)【発明者】
【氏名】ピックオーバー, クリフォード, エー
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の当事者間の対話の支援を機械で実現する方法、システム及び機械で読み取り可能な非一時的媒体を提供する。
【解決手段】証拠記録システムにおいて、対話アシスタント120は、ユーザ110と、エージェントまたはAIエージェント116との間での対話の通信経路114を監視し、対話に関する証拠を台帳130として記録する。台帳は、ブロックチェーンを利用して作成され、記録された証拠に基づく争議解決の容易化のために利用される。将来争議がある場合には、争議アシスタント140がこの証拠を争議の解決を助けるために利用可能であり、改ざんされていないと信頼される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の当事者間の対話の支援を機械で実現するための方法であって、
ユーザとエージェントとを含む複数の当事者間における、前記当事者のうちの少なくとも一部の間の合意の形成に関する部分を少なくとも含む通信を監視するステップと、
機械で実現したプロセスを用いて、前記通信を監視するステップに基づいて合意の証拠を形成するステップと、
将来の検索のために、前記証拠を不変台帳に記憶するステップ、を備える方法。
【請求項2】
前記証拠を形成するステップは、前記通信を自然言語処理分析して前記証拠を抽出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記証拠を形成するステップは、
前記通信が合意の形成に関係するものであることを決定すること、
前記合意の形成に関係する通信の部分を決定すること、
前記合意に関する程度、または、重要度、またはリスクを決定すること、
前記合意を特徴づける情報を抽出すること、
前記当事者から説明または確認情報を引き出すこと、および、
前記通信から決定または抽出された情報の信頼度を決定すること、
のうちの1つまたは複数を機械で実現したプロセスを用いて行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通信は、人間のユーザと機械で実現したエージェントとの間で行われる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記通信は、2人の人間の間で行われる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記監視するステップと前記証拠を形成するステップとは、前記当事者間の通信において、割り込みなしに実行される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
監視する存在と前記複数の当事者のうちの1人または複数との間で機械で実現した対話を行うステップをさらに備え、前記機械で実現した対話を行うステップは、
前記複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者にアドバイスを提供すること、
前記複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者とさらに別の当事者との間の通信を、前記当事者にアドバイスを与える目的で確立すること、および、
前記当事者間の対話または以前の関連する対話に関係する前記複数の当事者のうちの少なくとも1人から受信した質問に回答すること、
のうちの1つまたは複数を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記証拠を形成するステップは、監視する存在と通信の当事者のうちの1人または複数との間に通信をはさむことを含み、前記通信は、当事者からの確認または説明情報を引き出すことを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
不変台帳に証拠を記憶するステップは、前記証拠の存在を証明する情報を公開分散型台帳に記憶することを含む、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記公開分散型台帳はブロックチェーンを備える、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記合意に関する争議を解決する目的で前記不変台帳から前記証拠を取り出すステップをさらに備える、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
ユーザおよびエージェントの代表との対話を含む、機械で実現した争議支援を提供するステップをさらに備え、、前記争議支援は、前記不変台帳から情報検索サービスを提供することを含む、請求項1から11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記争議支援は、
前記複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者にアドバイスを提供すること、
争議を解決する目的で、ユーザおよび/または前記代表とさらに別の当事者との間に通信を確立すること、
前記当事者間の対話に関係するユーザおよび代表者のうちの少なくとも1人から受けた質問に回答すること、
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から13のいずれかに記載の全てのステップを実行するように構成された、機械で実現したシステム。
【請求項15】
命令を記憶した媒体であって、前記命令は、機械で実現したシステムで実行されると、請求項1から13のいずれかに記載の全てのステップを前記システムに実行させる、機械で読み取り可能な非一時的媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年6月19日に出願された米国仮特許出願62/687,171に基づく優先権を主張しており、その出願の全内容は本明細書中に参照として組み入れられている。
【0002】
本発明は、通信の証拠の記録を含む複数の当事者間の対話の支援に関するものであり、特に、人間と機械との間の言語に基づく通信の証拠の記録と、記録された証拠に基づいて争議の解決を機械で容易にすることと、に関する。
【背景技術】
【0003】
当事者間の合意は、商業活動の基礎を形成する。このような合意においては、例えば、(二者以上がひとつの合意に関与する可能性があることを認識している)二者間の合意では、それぞれの当事者は、他方の当事者が行為を行う代わりに、何らかの別の行為を行う(または、何らかの別の行為を行わない)ことに合意する。例えば、一方の当事者(例えば、「顧客」)は、他方の当事者(例えば、「サービス提供者」)が特定のサービスを行うことと引き替えに、合意した金額を将来の特定の時点で支払うことに合意する。例えば、合意された金額が支払われたかまたは指定されたサービスが行われたかどうか、または、そもそも合意が成立していたかどうかについて争議が生じた場合、当事者たちは合意の証拠に頼ることになる。証拠の例としては、例えば、サービス提供者への支払いに供された小切手の写し、実施されるサービスの内容を明記した、顧客に提供される書面による(例えば、会社のレターヘッドに記載された)提案等が挙げられる。正式な仲介物が作成され、両方の当事者によって署名され、場合によっては別の当事者または公証人の立ち会いを受け、各当事者が控えを保持していることがある。当事者間の争議を当事者で解決できない場合、仲裁者、典型的には裁判官等の第三者は、利用可能な証拠を考慮し、合意がなされたかどうか(例えば、契約を構成する意図と一致する、必須の「考えの一致」が実際にあったかどうか)、および契約の項目が実行されたかどうかを決定してもよい。合意の形成および/または実行の証拠は、争議解決のために重要であるが、例えば、政府の規制要件を含む、そのような証拠を保持するための他の理由も存在し得る。なお、以下の説明では、「合意」という用語は、正式な契約、約束、申し出等を含む様々な形態を包含するために使用され、特定の法的区別または暗示をこの用語に組み込むことは意図していない。
【0004】
例えば、当事者が合意の存在を否定することを困難にするため、または政府の目的を果たすために、いくつかの証拠が保存され、公開されている。このような場合の例として、不動産を譲渡する証書の記録がある。証書の登録は、財産の移転または財産に関連する他の合意(例えば、抵当)の不変の記録であるとみなされる。登録は、合意の存在の証拠を提供する場合もあるが、特定の項目は提供しない(例えば、約束手形は、一般に抵当と一緒には記録されない)。
【0005】
合意の成立における非書面通信の発展に伴い、例えば、電話回線網を介するような、遠隔地との音声通信では、合意の証拠を保持することがより困難になった。多くの人が遭遇している一般的な技術には、電話でのやりとりの内容が会社によってその識別子と関連づけて保存されていることを理解の上で電話業者によって参照識別子(例えば、「確認番号」)が提供されること、規制要件を満たすために電話でのやりとり全体を記録すること(例えば、特定の電話で開始された金融取引の場合)、または電話を記憶するために電話での通話の書面による確認を郵送することが含まれる。それにもかかわらず、多くの人は、電話による合意の存在が会社によって争われ得、または、合意した内容が本人の記憶と一致しないという経験をしたことがある。
【0006】
現在、人々は人間のエージェントではなく、コンピュータで実現したエージェントと対話することがある。例えば、ある人が旅行予約サービスに電話をしてフライトまたはホテルの部屋を予約し、自動音声認識および自然言語認識を利用して、コンピュータによってサービスを受けることができる。別の例として、(例えば、スマートフォンを介したユーザによる)テキストメッセージの普及に伴い、コンピュータに基づいたエージェント(例えば、ロボットの略である「ボット」)は、合意を成立させるためにユーザとの複数回の対話を行うことができる。ユーザは証拠としてテキストのやりとりの控えを保持することができるが、そのような控えは、例えば署名や会社のレターヘッドに書かれた文書等で提供されるような否認防止の側面を必ずしも提供するものではない。より一般的な考えられる例として、数え切れないほどの合意が、「ウェブ」ブラウザやサーバを介したテキストに基づくコンピュータの対話(例えば、「ワールドワイドウェブ」と呼ばれるものを使用しているような、クライアントコンピュータとサーバコンピュータ間のテキストまたはハイパーメディアの対話)を介して行われている。
【0007】
近年、二者間の取引(トランザクション)を効率的かつ検証可能で恒久的な方法で記録する分散型台帳を維持する技術が開発されており、おそらくそのような分散型台帳の中で最もよく知られているのがブロックチェーンである。ブロックチェーンは、一連の連続した取引の存在の不変の記録を提供する。ビットコイン等の仮想通貨の交換に関連する特定の種類の取引は、ブロックチェーンの分散型台帳機能の上に構築されている。しかし、そのような分散型台帳は、別の取引に使用されてもよい。例えば、証書の登録と同様に、文書の控えを(公にまたは非公開で)記憶することができ、文書の非可逆的なダイジェストが分散型台帳内の取引に入力される。ダイジェストは不変台帳内にあるので、基礎となる文書の控えを有する当事者は、台帳内の取引の存在に基づいて、文書の以前の存在を証明することができる。様々なタイプの文書または記録をこのようにして取り扱うことができる。以下の説明において、「不変台帳」とは、台帳内の取引または他のエントリの存在の証拠を維持するために使用され得る、分散型または集中型の任意の種類の物理的または電子的台帳を指し、この用語は、ブロックチェーンに限定されるものではなく、またはいかなる特定の分散型台帳システムの特徴を暗示するように解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【0008】
一般的な面において、本明細書に記載される実施形態は、例えば争議解決に使用するために、人間と機械との間の通信の証拠の記録に特に焦点を当てて、通信の証拠の記録の問題を扱う。1つの焦点は、人間(または、より一般的には1人または複数の人間)と、コンピュータで実現したエージェント(以下、AIエージェント」と呼ぶ)との間の言語に基づく通信(例えば、自然発話、テキストメッセージング等)である。少なくともいくつかの実施形態で扱われる技術的な問題は、人間または自動化されたシステムのための全ての対話を記録することが(例えば、記憶装置の要求や、関連する証拠を後で特定することの困難性によって)実現可能ではない可能性があることであり、そのため、いつ合意が行われ、対話のうちの選択された部分のみが証拠として例えば不変台帳に記録されるのかに関する決定が行われることである。証拠を記録する行為は、対話における当事者のうちのいずれか1人の代わりに(例えば、ユーザのスマートフォン上の音声対話を監視するアプリケーションにおいて)、両方の当事者の代わりに(例えば、当事者に提供されるサービスとして)、またはさらには、(実際に法的に許可される場合に)当事者のどちらからも独立して実行されてもよい。
【0009】
ある一面において、一般に、通信において行われた合意の証拠を記録するための方法は、複数の当事者間の通信を監視することを含む。複数の当事者は、ユーザおよびエージェントを含み、通信は、少なくとも一部の当事者間の合意の形成に関する少なくとも一部を含む。機械で実現したプロセスは、通信の監視に基づいて合意の証拠を形成するために用いられる。その後、証拠は、将来の検索、例えば、合意に関連する争議の将来の解決のために、不変台帳に記憶される。
【0010】
いくつかの実施形態では、以下で述べる「対話アシスタント」と呼ばれる機械で実現した当事者が、人間とAIエージェントとの間の対話に参加する。人間とAIエージェントとの間の通信を受動的に監視し対話の証拠を記録することに加えて、対話アシスタントは、介入する(すなわち、人間とAIエージェントとの間の対話に仲裁または介入する)か、または人との脇での対話を持ってもよい。これは、人間とAIエージェントとの間の理解の差を知覚し調和させること(「考えの一致」)、理解の確認を引き出すこと、または対話に関して人間に助言を行うこと、例えば、弁護士への相談や法的アドバイスの代わりに人間に助言すること、を含む様々な理由による。
【0011】
いくつかの実施形態において、対話アシスタントは、人間とAIエージェントとの通信に当事者を追加することを容易にしてもよい。例えば、人間が法的アドバイスを要請することを推奨するのに加えて、対話アシスタントは、人間または機械で実現した法的アドバイザを通信に参加させ、AIエージェントとの人間の通信とは独立して法的アドバイザと人間とが脇で会話をすることを可能にする。
【0012】
通信の証拠の記録に関する別の面において、機械で実現した争議アシスタントは、証拠へのアクセスを有し、元の通信の内容に関する不一致を解決するために、AIエージェントによって元々代表されていた当事者の代表と人間との間の対話を行う。いくつかの例では、争議解決手段は、記憶された証拠を回答の基礎として使用する、機械で実現した質問応答システムを含む。つまり、当事者は、争議解決手段に質問して、争議を解決する証拠の特定の項目を回復することができる。いくつかの例では、争議アシスタントは、争議解決対話において、他の人間または機械で実現した参加者を追加することを容易にする。
【0013】
他の面において、一般に、複数の当事者間の対話の支援を機械で実現するための方法は、複数の当事者間の通信を監視することを含む。複数の当事者は、ユーザおよびエージェントを含み、通信は、少なくとも一部の当事者間(例えば、ユーザとエージェントの間)の合意の形成に関する少なくとも一部を含む。上記方法は、機械で実現したプロセスを使用して、通信の監視に基づいて合意の証拠を形成することをさらに含む。その後、証拠は、将来の検索のために、不変台帳(例えば、公開ブロックチェーン)に記憶される。
【0014】
本方法の種々の面は、以下の特徴のうちの1つまたは複数の特徴を含んでいてもよい。
【0015】
証拠を形成することは、通信を自然言語処理分析して証拠を抽出することを含む。
【0016】
証拠を形成することは、機械で実現したプロセスを用いて以下のうちの1つまたは複数を行うことを含む。すなわち、証拠を形成することは、通信が合意の形成に関係するものであることを決定すること、合意の形成に関係する通信の部分を決定すること、合意に関する程度、重要度、またはリスクを決定すること、合意を特徴付ける情報を抽出すること、当事者から説明または確認情報を引き出すこと、通信から決定または抽出された情報の信頼度を決定すること、のうちの1つまたは複数を行うことを含む。
【0017】
通信は人間のユーザと機械で実現したエージェントとの間で行われる。
【0018】
通信は、2人の人間のユーザの間で行われる。
【0019】
証拠の監視および証拠の形成は、当事者間の通信において、割り込みなしに実行される。
【0020】
本方法は、監視する存在と複数の当事者のうちの1人または複数との間で、機械で実現した対話を行うことをさらに含む。
【0021】
この実行された対話は、複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者にアドバイスを提供すること、当事者にアドバイスする目的で、複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者とさらに別の当事者との間の通信を確立すること、当事者間の対話または以前の関連する対話に関係する複数の当事者のうちの少なくとも1人から受けた質問に回答すること、のうちの1つまたは複数を含む。
【0022】
証拠を形成することは、監視する存在と通信の当事者のうちの1人または複数との間に通信をはさむことを含む。例えば、このはさまれた通信は、当事者からの確認または説明情報を引き出すことを含んでいてもよい。
【0023】
不変台帳に証拠を記憶することは、証拠の存在を証明する情報を公開分散型台帳に記憶することを含む。例えば、公開分散型台帳はブロックチェーンを備える。
【0024】
本方法は、合意に関する争議を解決する目的で、不変台帳から証拠を取り出すことをさらに含む。
【0025】
機械で実施された争議支援は、当事者に提供され、例えばユーザとエージェントの代表との対話を含む。
【0026】
この争議支援は、不変台帳から情報検索サービスを提供することを含む。
【0027】
争議支援は、複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者にアドバイスを提供すること、争議を解決する目的で、ユーザおよび/または代表とさらに別の当事者との間に通信を確立すること、当事者間の対話に関係するユーザおよび代表者のうちの少なくとも1人から受けた質問に回答すること、のうちの1つまたは複数を含む。
【0028】
別の面では、一般に、機械で実現したシステムは、上述した方法のいずれかにおける全てのステップを実行するように構成される。
【0029】
別の面では、一般に、機械で読み取り可能な非一時的媒体は、それに記憶された命令を有し、この命令は、機械で実現したシステムで実行されると、前述の方法のいずれかにおける全てのステップをシステムに実行させる。
【0030】
本発明の他の特徴および利点は、以下の説明および特許請求の範囲から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は、証拠記録システムのブロック図である。
【0032】
【
図2】
図2は、ブロックチェーンに基づく台帳のブロック図である。
【0033】
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1を参照すると、1つまたは複数の実施形態は、図示されたシステム構成を用いる。この例では、ユーザ110は、機械で実現したエージェント116(人工知能(AI)エージェント、「AIエージェント」、または単に「エージェント」とも呼ばれる)と対話する。例えば、ユーザ110は、ユーザとAIエージェントとの間の通信を行うユーザインターフェース112を介して対話する。説明のために、本明細書では、「会社」は、エージェントを制御するもの(政府または別の人物等である場合もあり、この制御する存在の性質に関して何も含意しない)とし、その結果、対話において行われる全ての合意は、本質的にユーザと会社との間で行われる。いくつかの例では、ユーザインターフェース112は、音響入力を(例えば、マイクロフォンを介して)受信し、それをデジタル化し、通信チャネル114を介してエージェント116に渡す。エージェントは、(例えば、機械で実現した音声認識および自然言語処理を用いて)ユーザからの音声コンテンツを処理し、それに対して行為を行い、一般に(例えば、合成音声を使用して)チャネル114を介して戻され、ユーザインターフェース112を介してユーザ110に提示される音響フィードバックを提供する。具体的な例として、ユーザインターフェースはユーザのスマートフォンを備え、通信チャネルは移動電話回線を備える。いくつかの例では、追加で対話に参加する1人または複数の他の人間、または機械で実現した存在(エンティティ)113があってもよい。
【0035】
ユーザとエージェント間の対話は、単に取引的なものでなくてもよい。例えば、ユーザが問い合わせを行い、エージェントからアドバイスや推薦を受け取り、最終的に合意を形成する対話があってもよい。エージェントは、アドバイザとセールスマンの両方であってもよい。したがって、例えば、ユーザがエージェントから与えられたアドバイスに頼り、エージェントがユーザから提供された情報に頼ることによって合意に至ったもののコンテクストが多少複雑になる場合がある。合意に関する争議がある場合には、その争議を解決する上でコンテクストが重要になることがある。例えば、エージェントは、特定の宿泊施設および場所間の交通機関を予約するのと同様に、旅行アドバイスを提供することができる。将来の争議は、予約が行われなかったことに関係する場合もあるが、なぜ特定の種類の予約が決定に先立つ対話のコンテクスト中で行われたか、に関係する場合もある。例えば、ユーザは、価格、場所、種類等について特定の好みを有することができ、ユーザは、それらの好みに従ってエージェントに頼る。争議は、それらの好みが遵守されたかどうかに関する場合がある。もちろん、これらは単なる例であるが、人工知能エージェント技術が進化するにつれて、発生する可能性のある争議の複雑さが増すと想像される。
【0036】
ユーザ110とエージェント116との間の対話中、対話アシスタント120は、通信に関連付けられ、ユーザとAIエージェントとの間の通信に関する多くの機能を実行する。1つの機能は、通信を監視し、対話に関する証拠122を抽出することである。非常に一般的には、対話アシスタントは対話に対する一種の証人として機能する。対話アシスタントは、合意の形成に関する対話の部分がどれであるかを決定し、次いで、それらの部分から合意の証拠を形成してもよい。証拠は、対話の上記部分の生の記録および/またはそのような部分から処理されまたは解釈された情報を含んでもよい。対話アシスタント120は、この形成された証拠122を台帳130に送り、台帳130は証拠の永久に不変な控えを保持する。いくつかの実施形態において、この台帳は、記憶されるか、または公開ブロックチェーンを利用する。将来の争議がある場合には、この証拠は争議の解決を助けるために利用可能であり、改ざんされていないと信頼される。
【0037】
別の機能においては、対話アシスタントは、言語的対話のコンテクストを超える通信に関する証拠を記録してもよい。例えば、対話アシスタントは、AIエージェントに関するバージョン番号または他の識別情報を決定してもよい。そのような情報は、例えば、AIエージェントによって実現される論理を確立してもよい。この情報は、様々な方法で得ることができる。例えば、対話アシスタントは、AIエージェントへの直接リンク(例えば、APIを介して)を有していてもよく、エージェントに問い合わせることができる。別の例では、対話アシスタントは、呼び出し設定中に通信チャネルを通過する情報からそのような情報を抽出してもよい。別の例では、アシスタントは、情報を決定するためのAIエージェントとの機械対機械の音声対話を有してもよい。対話アシスタントは、同様に、ユーザの識別または他の関連する特徴の証拠を記録してもよい。
【0038】
引き続き
図1を参照すると、対話アシスタント120は、1つまたは複数の他の存在との私的な対話を有してもよく、ユーザ110および/またはエージェント116とこれらの存在との直接的な対話を容易にしてもよい。例えば、対話アシスタントは人間または機械で実現した主題(例えば、ドメイン)エキスパート138を提供することができ、ドメイン固有の問題を解決するのを助けることができる。例えば、対話アシスタントは、完全な不動産取引の要素を決定するために不動産取引エキスパートに接続してもよく、ユーザとエージェントとの取引が取引の本質的要素を省略したと決定した場合に介入することができる。同様に、対話アシスタントは、例えば、ユーザに紹介を提供しエキスパートからの支援を要求することをユーザに推奨することによって、ユーザをエキスパート138と直接通信させてもよい。同様に、対話アシスタントは、法的なアドバイスを求めて人間または機械で実現した法的アドバイザ134とリンクしてもよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、対話アシスタント120は、ユーザとの直接の対話の処理およびユーザとエージェントとの間の監視された対話の解釈において、自然言語を統合する。いくつかの実施形態では、アシスタント120は、対話を解釈する際にサービスを提供する外部の自然言語プロセッサ132にリンクする。
【0040】
台帳130に対する受動的記録または他の証拠に加えて、対話アシスタントは、例えば、同じユーザとエージェントとの間の過去の対話の記録を保持した過去の台帳136にアクセスしてもよい。そのような例では、ユーザは、自然言語の質問/回答モードで過去の台帳に質問するために対話アシスタントを使用してもよいし、あるいは対話アシスタントが過去の台帳に自律的にアクセスして、例えば、矛盾を識別したり、提案を行ってもよい(例えば、「最後の対話で、あなたはXに合意しましたが、それを再び行いたくないというのは確かですか?」と提案してもよい)。
【0041】
図1の包括的な図示中において、対話アシスタントの様々な実施が可能である。一例として、対話アシスタント120は、ユーザに制御されてもよく、例えば、ユーザインターフェース112のホストもするユーザの装置(例えば、スマートフォン)で実行されるアプリケーションとして実施されてもよい。なお、この第1の例では、対話アシスタントおよびユーザは、エージェントには知られない脇での対話を持ってもよい。簡単な例として、ユーザは、記録する合意が存在していることを対話アシスタントに示してもよい。
【0042】
第2の例として、対話アシスタント120は、エージェント116を制御する会社によって共通に制御されてもよく、例えば、機械で実現したエージェントをホストするサーバと同じ場所に配置されたサーバ上で実行されるアプリケーションとして実現されてもよい。なお、この第2の例では、対話アシスタントは、エージェントの内部状態を認識するという利点を有していてもよい。例えば、エージェントの内部ダイアログ制御要素は、通信から抽出された状態または情報を対話アシスタントに直接提供してもよい。
【0043】
さらに第3の例として、対話アシスタント120は、ユーザまたはエージェントを制御する存在とは区別される当事者によって操作されるサービスとして実現される。例えば、対話アシスタント120は、ユーザとエージェントと対話アシスタントとをリンクする「コールブリッジ」またはプロキシにおいてホストされる。第4の例として、対話アシスタントは、(ユーザおよび/またはエージェントから適切に許可されたことを前提として)会話を透過的にタップすることができる。
図1の対話アシスタントは、通信経路114およびエージェント116を監視するように図示されているが、例えば、ユーザ、エージェント両方の応答を聞くユーザの環境にある分離したマイクロフォンを用いて、ユーザとユーザインターフェースとの間の音響経路を等しく監視することができる。
【0044】
ユーザとAIエージェントとの間の対話を受動的に監視することを超えて、対話アシスタントは、ユーザとエージェントとの間の対話に仲介者としてある程度介入し、能動的な参加者になることもできる。いくつかの例では、対話アシスタントとユーザとの間の対話は、エージェントに隠されてもよく(すなわち、エージェントは対話を聞かない)、その結果、この脇の会話はプライベートなものになる。このような例のいくつかの代替例では、エージェントは実際に人間のエージェントであってもよく、対話アシスタントは会話における唯一の人工的な参加者であってもよい。そのような例では、対話アシスタントは、例えば、ユーザとエージェントとの間に曖昧さを感じたり、矛盾した理解を感じたりした場合に、ユーザおよび/またはエージェントに明確な説明を要求してもよい。この役割において、対話アシスタントは、対話に関する証拠の本体に能動的に追加されていると考えることができ、したがって、このことは、後の争議の解決に、必要に応じて利用可能である。
【0045】
上述したように、対話アシスタントは、ユーザとエージェントとの間の対話を容易にするために助言または「コンシェルジュ」機能を実行してもよく、そのようないくつかの例では、ユーザとエージェントとの間の通信仲介者として機能してもよい。
【0046】
対話アシスタント120がユーザとエージェントとの間の対話にどのようにアクセスするかについては多くの例があるが、以下に特に明記しない限り、一般に、対話アシスタントの動作は、対話アシスタントがどこで実行されるかには影響されない。
【0047】
ユーザが自然言語(例えば、話し言葉の英語、タイプされたテキスト-メッセージ構文)で通信する
図1に示す種類の例では、対話アシスタント120は通信の自然言語処理を実現する。特に、対話アシスタント120は、以下のうちの1つ以上を自動的に決定する。
1)通信が、例えば情報を入手する目的ではなく、合意を形成することについてであるかどうかの決定。
2)合意の重要性/リスク、例えば、ホテルの部屋を予約する合意は、ピザを注文する合意よりもリスクが大きい場合がある。
3)合意を特徴づける抽出された情報、例えば、ドルの額およびその他の面、例えば、ホテル名および宿泊日数。
4)監視者が能動的に参加する場合、当事者からの説明または確認情報の引き出し。
5)1)から4)の面が正しく実行されたという信頼性。
【0048】
自然言語処理には様々な技術を用いることができるが、ある広いクラスの技術は、上記の出力1)から4)が既知である注釈付きの訓練材料を利用しており、(例えば、ディープニューラルネットワークを用いた)機械学習アプローチが使用される。機械学習アプローチにおいては、設定可能なパラメータ(例えば、ニューラルネットワーク「重み」)が訓練材料に設定し直され、その後、これらのパラメータは監視された新しい通信を処理するために用いられる。
【0049】
後に、ユーザと、エージェントが代理として合意を引き受けた当事者との間に争議が生じた場合、証拠132が台帳から抽出されて争議アシスタント140に渡され、このことにより、ユーザ110と、会社118の人間または機械で実現した代表との間の対話が容易になり得る。いくつかの例では、争議アシスタントは、裁判官154、弁護士156、調停者、仲裁人等のさらに他の存在にリンクして、争議アシスタントにサービスを提供するか、またはユーザおよび/または代表と他の存在との間の方向通信を容易にしてもよい。例えば、争議アシスタントは、人間の裁判官に証拠を提供し、裁判官からの質問に答えてもよく、裁判官はその後、合意が当事者(例えば、ユーザと、エージェントが代理をする当事者)によって満足されたかどうかを決定するために証拠を検討する。争議アシスタント140は、台帳130に記録された証拠に依拠し、争議状態につながる特定の履歴およびコンテクストについて裁判官に通知する代理証人として機能することができる。いくつかの例では、争議アシスタントは人工知能に基づくものでもあるが、いくつかの例では、人間の裁判官154が、台帳から関連の証拠を検索するために、裁判官に応答する会話型人工知能エージェントと対話してもよい。
【0050】
対話アシスタント120は、通信に関するコンテクスト情報を決定してもよい。そのようなコンテクスト情報は、チャネル114上の通信の内容から決定されるか、またはサイドチャネル(例えば、対話アシスタントとエージェントとの間の直接の通信)から決定される、エージェント116の決定された識別子またはバージョンを含むことができる。他のコンテクスト情報は、日付と時刻、エージェントへのアクセスに用いたアドレスまたは電話番号を含んでもよい。一例として、エージェントを実現するソフトウェアのバージョンが、例えばユーザの意図を誤解して不適切な行為を行わせるようなソフトウェアの不具合(「バグ」)があると判断された場合、そのバージョンが将来的に重要になる可能性がある。
【0051】
図2を参照して、台帳130のある実施例は、ブロックチェーン236を利用する。上で述べたように、ブロックチェーンは、以前に形成された取引または他の形式の記録の存在を証明するために用いることができる不変台帳の一例であり、一般に、記録の時間(例えば、記録が作成されたかまたは永久にされた時間)および記録内の少なくとも一部のデータを含む。
図2に示した手法では、対話に関連した証拠の全てが必ずしもブロックチェーンに格納されるわけではない。むしろ、台帳制御部234は、対話アシスタントから証拠122を受け取り、コンテンツストア232に記憶する証拠のためのデジタル記録252を形成する。この例では、制御部は、デジタルレコードの暗号署名を(例えば、ハッシュ関数等の記録の非可逆関数を使用して)形成し、この署名は、ブロックチェーン236によってその内部台帳242の複数の分散コピーに分散された記録262に含まれる。台帳制御部は、証拠132が台帳130によって提供される必要がある場合に、デジタル記録252を識別するためのインデックスを維持するか、または何らかの他の方法を有する。将来の日付で台帳によって提供される証拠132は、デジタル記録が真正であり、争議の対象である対話の時点で存在していたことを証明するために、ブロックチェーン236からの認証情報を提供する。
【0052】
いくつかの実施形態において、台帳130は、例えば、固定されたスケジュール、または記録された証拠の性質に基づいて、証拠を「忘れる」ように構成される。ブロックチェーン236内のレコード262を削除することはできないが、コンテンツストア232内のデジタルレコード252を削除し、将来の検索に利用できないようにすることができる。その他の状況、例えば、証拠が不適切に収集された場合に削除が必要になる場合や、準拠する規制(欧州GDPR規制等)に従って収集または保持してはいけない情報が含まれている場合などもある。
【0053】
全ての実施形態が完全な(例えば、音声)通信が記録されることを必要とするわけではないことを理解すべきである。例えば、様々なコード、(例えば、話された会話から作成される)テキスト、テキスト要約、情報へのリンクは全て、より標準的な音声デジタル化と共に、必要に応じて様々な量で記憶されてもよい。
【0054】
通信は、1人または複数の人間と、1人または複数の知的アシスタントとの間で行われてもよいし、1人または複数の人間と、1人または複数の知的アシスタントを含んでもよい。例えば、旅行予約ボット等の知的アプリケーションと対話や会話している、電話やスマートデバイスまたはスマートスピーカー(例えば、Amazon Echo等)を使っている人間との間である。あるいは、対話は、2人以上の人間同士、または機械同士(例えば、AIからAIエンティティへ)で行われてもよい。
【0055】
いくつかの実装形態では、ユーザの装置(例えば、
図1のユーザインターフェース112をホストする装置)は、電話、スマートフォン、スマートスピーカー、ロボット、車両、自律車両、半自律車両等であってもよく、対話の監視の使用に関連する制御(例えば、GUI)および指示(例えば、色付き照明領域)の両方のための手段を有してもよい。
【0056】
図3を参照すると、システムの特定の実施において、多数の異なるモジュールが存在する。モジュール1では、確立されたポリシーを自動自然言語理解機能と共に用いて、会話の特定のセグメントが、ポリシーが保存したい、または保存したくないカテゴリ内のものなのかどうかを判断する。モジュール2は、争議の一部として必要とされる会話のセグメントのリスク(または、感度とも呼ばれる)、例えば、いかなる争議にとっても重要であるか、または変更された場合、争議の結果に影響を与えるかどうか、を予測するために訓練された確率的メカニズムを使用する。モジュール3は、ユーザ識別因子、ユーザ履歴、ユーザが関連付けられているグループ、およびノイズと議論の複雑さによる会話の明瞭さに基づいて、ブロックチェーン方式で所定のセグメントを記憶するか、または単にそれを記録するかを決定する。争議は通常、価値の高いアイテムが関与している場合には、追求したり保護したりする価値がある。モジュール4は、それを実現する。モジュール5は、会話の断片がどの程度あいまいであるかについての信頼レベルを確立する。モジュール6は、場所等の物理的およびデジタルコンテクストに基づくブロックチェーンストレージの基準を確立する。通信の議題を決定する1つの手法は、話された単語またはテキストの潜在的意味のインデックス付けを通じたものであり、これは実施可能な技術分野において知られている。
【0057】
言語的コミュニケーション(例えば、音声またはテキスト)のコンテクストにおいて上述したが、ユーザのジェスチャの記録、ユーザの顔の表情の記録、ユーザ環境の記録、タイムスタンプの考慮および包含もまた、対話に関する証拠として記録されてもよい。いくつかの例では、議題がデリケートであると自動的に判断される場合、システムは、ユーザの環境またはジェスチャ等のより多くの種類の情報を、より高速で台帳に格納してもよい。
【0058】
特定の使用例では、ユーザは、AIエージェントがリスクを改善するのに有用である可能性が高いと判断した場合、例えば、議題、単語、感情レベル、または会話の背景にある単語またはノイズによる曖昧さのためにリスクレベルが上昇した場合に、(1人または複数のユーザに代わって)AIエージェントを使用して、保険を得てもよい。感情レベルは、話された単語、音声の韻律、および/またはバイオメトリクス(そのような情報が利用可能な場合)に基づいて推定することができる。
【0059】
通信装置は、スマートフォン、スマートグラス、スマートスピーカー、ロボット、ロボットペットおよびコンパニオン、スマートホーム、スマートウォッチ、拡張現実システム、仮想現実システム、3D仮想世界、ゲーム、スマートウェアラブルデバイス、通信システムを備えた車両、自律または半自律車両、ドローン(例えば、無人飛行車両)、または種々の形態のTVボックス(例えば、インタフェース装置)のいずれかを含んでいてもよい。
【0060】
対話アシスタントが対話のアクティブな参加者である例では、対話アシスタントは、対話が予期されたパターンに従っていないと決定してもよい。例えば、対話が旅行の計画に関連すると予想され、非旅行の取引が行われている場合、対話アシスタントは、会話の潜在的リスクについてリアルタイムにフィードバックを提供してもよく、これにより、参加者はリスクを認識し、期待されるパターンにより一致するように会話を変更する等の適切なステップに合意するようになる。
【0061】
対話アシスタントがユーザと脇での通信を行ういくつかの例では、対話アシスタントは、触覚または他の非言語フィードバックを提供するか、または対話アシスタントが不変台帳に通信の証拠を記録していることをユーザに示してもよい。また、ユーザは、手動で(例えば、GUI、ジェスチャ、話した言葉、位置等を介して)記録のきっかけを明示的に作ってもよく、または対話アシスタントは、自動的に(例えば、システムが記録の必要性を決定したときに)きっかけを作ってもよい。
【0062】
必要に応じて、対話アシスタントは、複数のデータソースのうちの1つまたは複数を使用してモバイルコンピューティングデバイス(電話、Amazon Echo、スマートグラス等)の位置を決定し、この情報をビデオとともに永続的に記憶するためにリモート記憶システムに送信してもよい。対象となるモバイルコンピューティングデバイス(または他のデバイス)情報は、ビデオ/オーディオファイル、画像、トレースルート、位置データ、センサデータ、および/または他の適切なデータを含んでいてもよい。
【0063】
いくつかの実施形態において、システム全体は、ブロックチェーンインフラストラクチャと、本システムを使用している取引(例えば、ビットコインを用いて)を収益化するスマート契約とを含んでいてもよい。これはまた、システムの使用のためのマイクロペイメントを粒度レベルで可能にしてもよい。本目的のためのブロックチェーンインフラストラクチャの実現は、ピアツーピアネットワーク上の取引の冗長な分散型台帳を使用して、実行可能なデータへのアクセスを提供し、ユーザと裁判官とのための公平で透明なアプローチを実現しながら、個人的な通信の解釈の維持を可能にする新しい種類の方法を提供する。例えば、システムは、争議解決および/または争議解決の結果の記録に使用するための支払いを受け取ってもよい。
【0064】
システムはまた、通信に関する争議がどのように解決されたかに関するメタデータ(例えば、争議が解決されたときに、争議が両方の当事者の満足に従って解決されたかどうか、感情レベル等を含む)を記録してもよい。関連する争議がどのように解決されたかが台帳に示されてもよい。
【0065】
いくつかの代替案では、争議の解決を助けるために台帳を使用する代わりに、ユーザは、例えばユーザの記憶を増強するために、争議アシスタントのようなアシスタントを使用して台帳にアクセスしてもよい。例えば、このアシスタントは、台帳のユーザの記録に基づいて質問応答能力を提供してもよい。例えば、ユーザは、交渉、決定、提案、レシピ、ガイダンス、さらには1年前からの感情のセットを思い出すことを望んでもよく、アシスタントはこのプロセスを支援する。
【0066】
上述で紹介したように、実施形態は、デジタルアシスタントを含む音声駆動装置に適用されてもよい。このようなアシスタントは、異なるメーカー、異なるフォームファクタの広い範囲の装置で利用できる(そして、利用できるようになるであろう)。多くのそのような装置は、異なるオペレーティングシステムを利用する音声レイヤーを採用する。多くの企業が現在、および今後も音声専用アプリケーションを開発し、または、既存のアプリケーションやサービスをプラットフォームに関連付けるであろう。また、多くのメーカーが、現在スマートディスプレイ(例えばスクリーン付きの音声対応スピーカー等)を製造しており、今後も製造するであろう。このようなスクリーンは、本発明の実施形態のさらなる対話および機会を促進するであろう。
【0067】
このような音声ベースのアシスタントは、エンドユーザ装置が他の装置やクラウドと協働する際に、(例えば、家庭またはオフィスビル内において)他の装置と通信する。そのような他の装置は、ホームハブプラットフォームを含んでもよく、また任意で、重要なタスクを自動化し、本明細書で説明するように会話を記録する際にどの機能および設定を使用すべきかを決定するのに役立つ学習アルゴリズムを利用してもよい。
【0068】
いくつかの実施形態においては、システムの種々の面が広告を通じて収益化される。例えば、ユーザが広告を聞いたり、見たり、対話したりすると、ユーザはブロックチェーンに情報を記憶することができるようにしてもよい。
【0069】
音声通信のコンテクストで説明されているが、システムは、対話の手段(例えば、特定の要求を受信して実行すること、設定を変更すること、ヘルプを受信すること等)として、話すアバタープラットフォームを利用してもよい。例えば、そのようなより高いエージェント能力は、誤解を招くと考えられ得る隠された感情的特徴を有する情報を伝達してもよい。
【0070】
いくつかの例では、対話アシスタントは、しばしば会話、対話、および言語表現の一部である曖昧なまたはおしゃべりの音声を超える、ユーザ通信に関する「推論」または推論の性質または種類を記憶/記録してもよい。例えば、対話アシスタントは、前提から結論へと移動する推論のステップを記録してもよい(また、a演繹、b帰納、およびcアブダクションに関連するメタデータも含んでいてもよい)。人間対人間の対話において、裁判官は、人間の参加者として、どのように結論に到達したかを示してもよい。このシステムでは、将来の争議解決のためにAIエージェントの推論ステップが取得されてもよい。
【0071】
演繹とは、真であることが知られているか、真であると仮定されている前提から論理的に推論することである。帰納とは、特定の前提から普遍的な結論へ推論することである。アブダクションは、最良の説明へ推論することである。人工知能推論エンジンは、新しい情報を演繹するために知識ベースに規則を適用する場合がある。したがって、台帳は、採用された演繹、帰納、およびアブダクションステップに関する有用な情報を含んでもよく、これは、争議解決および他の種類の解決において潜在的に非常に有用であり得る。
【0072】
なお、演繹的な議論とは異なり、帰納的推論は、全ての前提が真であっても結論が偽であるという可能性を考慮する。有効または無効である代わりに、帰納的議論は、強い(S)または弱い(W)のいずれかであってもよく、これは、結論が真である可能性がどの程度であるかを記述する。SおよびWの情報は、ブロックチェーンに記録されてもよい。
【0073】
推論の方法論および手法の議論に関して、日々の対話において、人々は一般に、推薦、決定、確認、および説明に基づく行為を行っていることに留意することが有用である。一方、帰納的推論は、多くの例から、通常は長いプロセスを経て理論に至る。行為を起こす役割を果たすための帰納的推論では、一般に以下のステップを経る。1)結論または「理論」につながる多くの観察(帰納的部分)、および2)理論を、結論/確認のための特定の場合に適用すること(演繹的部分)。言い換えれば、対話型システムでは、理論を構成するために帰納的推論が行われる場合、一般に、何らかの演繹的推論が後に続く必要があり、すなわち、時間的に隣接する演繹的推論または将来の何らかの対話が後に続かない限り、帰納的推論が単独で対話に存在しない。また、「帰納的推論」は一般に、会話中にも起こり得る「帰納による証明」とは異なることに注意すべきである。もちろん、帰納による証明も考慮され得る。
【0074】
特定のアプリケーション、例えば、契約、期間、合意、および条件に関するシナリオ、に関するシステムにおいてシステムが実施される場合、通信している当事者による特定のキーワード、会話の流れ、または特定の命令を、そのような情報がそのような対話に関連し得るときに、システムが「聞」いてもよい。例えば、本の著者であるボブが、出版者であるパムと、彼らが出版を予定している近日予定の本について会話しているとする。電話での(またはデジタルアシスタント装置を使用して、または他の通信手段によって)非公式のまたは公式の交渉中、そのような考慮は、出版者に与えられた権利、前金、ハードカバー版およびペーパーバック版の印税、副次的な権利(外国語の発行、商業的な改変等に関する著者と発行者との間の金銭の分配)、原稿の配送日、発行日、または将来の作品に関する選択のうちの1つまたは複数を含むことができる。
【0075】
他の適用例は以下のものを含んでもよい。1)本ブロックチェーンシステムを使用するHIPPAに準拠した医療トランスクリプション、2)スマートウォッチまたはスマートグラスを着用する顧客とオンサイトで行われる不動産取引であって、スマートウォッチまたはスマートグラスが会話の様子を記録し、部屋の中の画像をブロックチェーン上にも記録されるコメントと関連付けるもの、3)金融アドバイザとの会話、4)特定の事柄、数値、スポーツ、成果等に「賭ける」人々の間の非公式の「バーベット(賭博)」等。
【0076】
ユーザが、(例えば、ユーザがデジタルデバイスに話しかけるとき、仮想世界内のアバターと対話するとき、または拡張された現実設定内のデバイスと対話するときに)将来的にデバイスとのダイアログおよび会話をさらに採用することになることを考慮すると、(例えば、過去から取り出された)複雑な通信や交渉を理解するための任意の支援が役立つ。したがって、本明細書で説明されるブロックチェーンシステムは、ユーザまたはユーザのコホート(「コホート」とは、医師であるユーザというようなユーザの分類を指すことがある)にとって有用であると考えられるものに応じて、ユーザが様々な手段を通して過去からの様々な通信(当事者間の合意および取引に関することがある)を理解するのを助けることができ、このシステムは、記憶されたコンテンツを使用して、以前の合意または交渉に関する説得力のある視聴覚的な物語を作成し、提供することができる。例として、アバターは、様々な当事者を表すことができる。システムは、以前の通信を説明、提示、または概説する際に様々なテンプレートを適用することができ、ユーザ、または、異なるレベルの理解度を有する異なる分類のユーザに対して過去からの取引を理解可能にするために、円グラフ、他のグラフ、アニメーション、音響映像、スクリーン上のグラフのレイアウト、脚本化等を構築することができる。これらの改善された物語は、システムがユーザの好みを学習する時間を通して向上し得る。例えば、ユーザが、期間と条件とに基づいてユーザに割引を与えた会社との以前の争議または合意を思い出そうとしている場合を考える。この争議または合意は、過去に何ヶ月間も行われている可能性がある。同様に、出版予定の書籍に関する出版者と著者との間の事前の口頭での合意の場合を考える。場合によっては、システムは、様々な当事者がある構成を理解し思い出すことの補助を進めていく中で、顕著な情報を構成または要約した時系列のテンプレートまたはパターン、および過去の出来事の連続的な流れを使用するか、または使用することを学習してもよい。システムは、あるユーザが一方向の時間(順方向)における情報の配置を好む一方で、別のユーザが逆方向の配置を好むことを学習してもよい。システムは、ある重要なまたは理解が困難な部分に到達すると、減速または一時停止してもよい。別のテンプレートでは、ユーザは、(例えば、フローチャートまたはアウトラインのような)一連のステップを見るのを好むことがある。別のテンプレートは、位置、感情、曖昧さ、および強調表示される他の要因を示してもよい(そして、情報は、様々な特徴に従ってソートされてもよい)。別のテンプレートは、異なる音響効果、ピッチ、音声、設定等を用いて、ユーザに対して発声される合意の音声表現を制御してもよい。過去の議論が多くの異なる分岐を有し、そのいくつかがどこにもつながらず(例えば、さらなる発展の合意に進まず)、一方(例えば、複雑な議論が時間をかけて行われたため)他の分岐が結論に至った場合、システムは、川の支流、種々なグラフィック、注釈、テキスト、アイコン、日付タグ、人のタグ等のようなこれらの分岐を表示してもよい。
【0077】
システムは、ユーザフィードバック、他人からのフィードバック、ユーザのコホートにおける他人からのフィードバック、裁判官または仲裁者(AIまたは人間)からのフィードバックを含む多くの手段によってそれぞれのユーザの好みを学習してもよい。パラメータのあるパターンがユーザのより速い理解をもたらした場合、これらのパラメータは、将来使用または提案されてもよい。例えば、システムが、シミュレートされた医師のオフィス内のアバターを使用して脚本を描写し、設定を示唆するために背景にいくらかのシミュレートされたオフィス雑音を伴って、再生中に特定の時点で一時停止すると、医師が平均して2分以内に争議を理解できることをシステムが学習した場合、このパターンまたはテンプレートは、医師が過去の対話を理解しようとして平均して5分を費やす必要がある別のパターンと比較して、使用または示唆されてもよい。
【0078】
また、このシステムは、様々な方法で仲裁を支援してもよい。例えば、AIエージェントは、いくつかのケースでは、「仲裁者」として動作することによって、裁判所外の争議を解決するのを助けてもよく、2つ以上のエージェントが、「仲裁判決」を与える「仲裁裁判」に参加してもよい。この仲裁判決は、双方を法的に拘束し、裁判所で執行することができる。また、仲裁モジュールは、自発的にまたは強制的に課すことができ、拘束力があってもよく、なくてもよい。当然ながら、システムは、人間の仲裁判決への参加を促すこともできる。システムはまた、仲裁判決の審査および上訴をする制限された権利がある場合に役割を果たすこともできる。これらのAIエージェント、裁判官、ヘルパー、仲裁者、仲裁判決等は、自然言語処理、チャットボット、および人間とコンピュータの対話の他の手段を用いてもよい。
【0079】
AI仲裁裁判(例えば、それぞれが自然言語処理、推論ルール、機械学習等の特徴を有する複数のAIエンティティを採用する)は、争議の結果を決定することを支援してもよい。AI仲裁裁判の構成には、AIの議長または審判員の有無にかかわらず、異なる会社からのAIエンティティを含めることができる。任意で、場合によっては、AI仲裁者は、AI仲裁者が悪意で動作するようにプログラムされていない限り、仲裁者として動作している間に行われるかまたは省略されることに対する責任を免除されてもよい。
【0080】
AI仲裁裁判を採用する場合(複数のAIエンティティを採用する場合)、AI仲裁裁判は、争議または質問を有する当事者(会社を含む)によって指定されてもよい。また、AI仲裁裁判は、エンドユーザが指定することも、当事者が選択したAI指定権威者が指定することもできる。
【0081】
上記で詳細に説明した手法の実施形態は、機械で読取り可能な非一時的な媒体に記憶されたコンピュータ命令を用いて、ソフトウェアで実現されてもよい。これらの命令は、1つまたは複数のプロセッサで実行されると、上述の機能を実現する。これらの命令は、機械レベルの命令から人工知能システムを構築するための命令までの様々なレベルであってもよい。
【0082】
以上の説明は、例示を目的とするものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものではない。他の実施形態は、以下の特許請求の範囲で規定される。
【手続補正書】
【提出日】2024-06-21
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の当事者間の対話の支援を機械で実現するための方法であって、
ユーザとエージェントとを含む複数の当事者間における、前記当事者のうちの少なくとも一部の間の合意の形成に関する部分を少なくとも含む通信を、通信仲介アプリケーションによって監視するステップと、
機械で実現したプロセスを用いて、前記通信を監視するステップに基づいて合意の証拠を形成するステップと、
前記形成された証拠の少なくとも一部に基づいて、デジタル記録を形成するステップと、
前記デジタル記録の暗号署名を含むデジタル証拠記録を形成するステップと、
前記形成された証拠の少なくとも一部を、前記デジタル記録として、台帳のコンテンツストアに保存するステップと、
ブロックチェーンに基づく不変公共分配台帳に前記デジタル証拠記録の前記デジタル記録の前記暗号署名を保存するステップと、を備え、
前記暗号署名は、前記台帳によって維持される索引を通じて前記デジタル記録と紐づけられ、前記不変公共分配台帳は、前記台帳の前記コンテンツストアとは異なっており、前記暗号署名は、前記合意を含む将来の争議解決における使用のために後で取り出されたときに、前記コンテンツストアに保存された前記形成された証拠のうちの少なくとも一部を認証するように構成されており、
前記合意に関係する争議を解決する目的のために、前記形成された証拠および前記デジタル証拠記録を検索するステップと、
前記取り出され認証された証拠から、機械で実現された質問応答システムによって、前記合意の形成に関する前記争議の解決のための対話の間にされた質問に対する回答としての形式を有する証拠の項目を回復するステップと、をさらに備える、方法。
【請求項2】
前記証拠を形成するステップは、前記通信を自然言語処理分析して前記合意の証拠を抽出することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記証拠を形成するステップは、
前記通信が合意の形成に関係するものであることを決定すること、
前記合意の形成に関係する通信の部分を決定すること、
前記合意に関する程度、または、重要度、またはリスクを決定すること、
前記合意を特徴づける情報を抽出すること、
前記当事者から説明または確認情報を引き出すこと、および、
前記通信から決定または抽出された情報の信頼度を決定すること、
のうちの1つまたは複数を機械で実現したプロセスを用いて行うことを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通信は、人間のユーザと機械で実現したエージェントとの間で行われる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記通信は、2人の人間のユーザの間で行われる、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記監視するステップと前記証拠を形成するステップとは、前記当事者間の通信において、割り込みなしに実行される、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
監視する存在と前記複数の当事者のうちの1人または複数との間で機械で実現した対話を前記通信仲介アプリケーションによって行うステップをさらに備え、前記機械で実現した対話を行うステップは、
前記複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者にアドバイスを提供すること、
前記複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者とさらに別の当事者との間の通信を、前記当事者にアドバイスを与える目的で確立すること、
前記当事者間の対話または以前の関連する対話に関係する前記複数の当事者のうちの少なくとも1人から受信した質問に回答すること、および、
機械で実現された前記エージェントによって実現された論理を表すデータを含む前記エージェントの内部状態を決定し記録すること、
のうちの1つまたは複数を備える、請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記証拠を形成するステップは、監視する存在と通信の当事者のうちの1人または複数との間に通信をはさむことを含み、前記通信は、当事者からの確認または説明情報を引き出すことを含む、請求項1から7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記ブロックチェーンに基づく不変公共分配台帳とは異なるコンテンツストアに前記デジタル記録を保存するステップをさらに備え、前記暗号署名は、前記デジタル記録が前記コンテンツストアから取り出されるときに前記デジタル記録を認証するように構成された状態で、前記デジタル記録に紐づけられる、請求項1から8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記証拠を形成するステップは、複数の当事者の間の通信に基づき、前記通信仲介アプリケーションによって、前記複数の当事者の間の前記対話について説明するコンテクスト情報を形成することを含む、請求項1から9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記取り出され認証された形成された証拠から前記証拠の項目を回復するステップは、前記ユーザと前記エージェントの代表との対話を含む機械で実現された争議支援を提供することを含み、前記争議支援は、前記不変公共分配台帳からの情報検索サービスを提供することを含む、請求項1から10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記争議支援は、
前記複数の当事者のうちの少なくとも1人の当事者にアドバイスを提供すること、
争議を解決する目的で、ユーザおよび/または前記代表とさらに別の当事者との間に通信を確立すること、
前記当事者間の対話に関係するユーザおよび代表者のうちの少なくとも1人から受けた質問に回答すること、
のうちの1つまたは複数をさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
請求項1から11のいずれかに記載の全てのステップを実行するように構成された、機械で実現したシステム。
【請求項14】
命令を記憶した媒体であって、前記命令は、機械で実現したシステムで実行されると、請求項1から11のいずれかに記載の全てのステップを前記システムに実行させる、機械で読み取り可能な非一時的媒体。