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特開2024-113024パラホルムアルデヒドのためのアンモニア及び水酸化アンモニウム安定剤
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  • 特開-パラホルムアルデヒドのためのアンモニア及び水酸化アンモニウム安定剤 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113024
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】パラホルムアルデヒドのためのアンモニア及び水酸化アンモニウム安定剤
(51)【国際特許分類】
   C08G 2/08 20060101AFI20240814BHJP
   C07C 45/86 20060101ALI20240814BHJP
   C07C 47/058 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
C08G2/08
C07C45/86
C07C47/058 B
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024089908
(22)【出願日】2024-06-03
(62)【分割の表示】P 2021510036の分割
【原出願日】2019-09-05
(31)【優先権主張番号】62/738,213
(32)【優先日】2018-09-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】512225379
【氏名又は名称】セラニーズ・インターナショナル・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【弁理士】
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【弁理士】
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100129458
【弁理士】
【氏名又は名称】梶田 剛
(72)【発明者】
【氏名】レイ,ジョン・レスリー
(72)【発明者】
【氏名】ウィンドホースト,ケネス・アレン
(72)【発明者】
【氏名】マンチャ,マーティン・ドミニク
(57)【要約】      (修正有)
【課題】安定化パラホルムアルデヒドの形成法を提供する。
【解決手段】安定化パラホルムアルデヒドの形成法は、固化パラホルムアルデヒドを、50ppm~500ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む。前記固化パラホルムアルデヒドが有機アミンを含まないことが好ましく、前記アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源が尿素であることが好ましい。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
30wt%以上のホルムアルデヒドを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;
該ホルムアルデヒド溶液を、ホルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;
該パラホルムアルデヒドを固化し;そして
加熱前及び/又は加熱中のホルムアルデヒド溶液、熟成中のホルムアルデヒド溶液、パラホルムアルデヒド、及び/又は固化パラホルムアルデヒドをアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤と接触させる
ことを含む方法。
【請求項2】
加熱中のホルムアルデヒド溶液が約50ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
熟成中のホルムアルデヒド溶液が約50ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
パラホルムアルデヒドの固化が、パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスと接触させることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
固化パラホルムアルデヒドを乾燥させることをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
乾燥中及び/又は乾燥後の固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
固化パラホルムアルデヒドを貯蔵施設に輸送することをさらに含む、請求項5又は6に記載の方法。
【請求項8】
輸送中又は貯蔵施設内の固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
固化パラホルムアルデヒドを周囲温度~約50℃で30日間より長く貯蔵し、固化パラホルムアルデヒド中の不溶物濃度を約150ppm未満に維持することをさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
ホルムアルデヒド溶液の熟成が約0.1時間~約3時間行われる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
ホルムアルデヒド溶液の熟成が70℃~130℃で行われる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法であって、有機アミンが当該方法に含まれない、前記方法。
【請求項13】
固化パラホルムアルデヒドを貯蔵施設に輸送することをさらに含む、請求項1~12の
いずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源が尿素である、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む方法。
【請求項16】
固化パラホルムアルデヒドが有機アミンを含まない、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源が尿素である、請求項15又は16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
固化パラホルムアルデヒドを周囲温度~約50℃で30日間より長く貯蔵し、固化パラホルムアルデヒド中の不溶物濃度を約150ppm未満に維持することをさらに含む、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本開示は、パラホルムアルデヒドの貯蔵寿命、取扱い、及び輸送の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]パラホルムアルデヒドは80%以上のホルムアルデヒドの固体形である。典型的には、ホルムアルデヒド濃度は90%~96%の範囲である。パラホルムアルデヒドはポリ(オキシメチレン)グリコール、HO--(CHO)--H(n=8~100)と考えられている。一般的に、パラホルムアルデヒドは、減圧下で熱ホルムアルデヒド水溶液を濃縮することによって製造される。冷却すると、得られた溶液は固化して貯蔵及び/又は輸送用プリル(prill)となる。
【0003】
[0003]パラホルムアルデヒドは、製造直後は水中及びブタノールなどの有機溶媒中への優れた溶解性を示す。加水分解又は解重合により水中又はアルコール中に容易に溶解し、メチレングリコール又はホルマールを生成する。しかしながら、その水中及び溶媒中への溶解性は、時間が経つと、又は一般的に約35℃を超える温度で貯蔵すると、低下する。この溶解性の変化は、おそらくは、分子量(又はnの値)の変化及びメタノールによるパラホルムアルデヒド鎖の末端封止(エンドキャッピング)によるものであろう。パラホルムアルデヒドの溶解性及び反応性は分子量の増加に伴って低下する。
【0004】
[0004]反応混合物中にメタノールが存在することも不溶物の形成を招く。不溶物は、一般的に、アルコールによって末端封止されたパラホルムアルデヒドで、エーテルを形成している。これらの高分子量エーテルは、強酸を含有していない限り、どの溶液にも不溶性である。パラホルムアルデヒドは、典型的には約10ppm~20ppmの濃度で不溶物を含む。パラホルムアルデヒドが貯蔵されて時間が経つと、プリル中の少量のアルコールがパラホルムアルデヒドと反応してさらに不溶物を形成する。例えば、周囲温度で貯蔵後、不溶物の濃度は100ppmを超えることもあり、場合によっては高濃度のメタノールが存在すると350ppm以上にもなる。許容可能な不溶物の量の業界基準は100ppm未満である。従って、パラホルムアルデヒドの貯蔵寿命は非常に短い。
【0005】
[0005]この問題を軽減するために、多くの安定剤及び阻害剤が提案されている。例えば、ヘキサエチルアミン及びトリエチルアミンなどのアミンが使用されている。安定剤は鎖成長を鈍化させ、パラホルムアルデヒドの末端封止を鈍化させるので、経時的な不溶物形成が減少すると考えられている。しかしながら、安定剤はプリルの粘着性も増大させるので、製造及び取扱いを非常に困難にする。
【0006】
[0006]以下の図面は態様の一定の側面を例示するために包含されるものであり、排他的態様と見なされるべきでない。開示されている主題は、形態及び機能において、本開示の利益を享受する当業者に思い浮かぶような、かなりの修正、変更、組合せ及び等価物が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】[0007]図1は、クエンチング容器をシミュレートした装置の線図を示す。
【発明の概要】
【0008】
[0008]本開示は、アンモニア及び/又は水酸化アンモニウムを安定剤として使用してパラホルムアルデヒドの貯蔵寿命、取扱い、及び輸送を改良することに関する。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0009]本明細書中で使用されている用語“プリル”は、ペレット又は固体小球のことである。最終製品のパラホルムアルデヒドは、パラホルムアルデヒドの固化法及び乾燥法に応じて、フレーク、塊、顆粒などの形態のこともある。本明細書においては、最終製品のパラホルムアルデヒドは“固化(又は固化した)パラホルムアルデヒド”の形態で記載され、それは、これらに限定されないが、プリル、フレーク、塊、顆粒などを含む任意の適切な固化形でありうる。
【0010】
[0010]炭化水素アミンは、低濃度では固化パラホルムアルデヒドを粘着性にすることなく安定化できる。しかしながら、炭化水素アミンの濃度は、固化パラホルムアルデヒドの貯蔵寿命を目に見えて延長できるほど高くない。炭化水素アミンは、高濃度では固化パラホルムアルデヒドを圧縮空気のような通常手段によって輸送できないほど粘着性にする。
【0011】
[0011]アンモニア及び/又は水酸化アンモニウムをパラホルムアルデヒドの安定剤として使用すると、高濃度で使用できるため、粘着性がなく長期貯蔵寿命を有する固化パラホルムアルデヒドを製造できることが見出された。尿素は、尿素を水と混合し、加熱することによってアンモニアの供給源として使用できる。
【0012】
[0012]理論に制限されるのではないが、アンモニア及び/又は水酸化アンモニウムは、パラホルムアルデヒド鎖の末端と反応して結晶性のオキシムを形成し、何らかの酸性触媒も中和する。このどちらも、固化パラホルムアルデヒドの鎖成長及びアルコール末端封止を効果的に阻害する。
【0013】
[0013]一般的に、固化パラホルムアルデヒドの製造は、30wt%以上のホルムアルデヒド(例えば約30wt%~90wt%のホルムアルデヒド)を含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃、好ましくは約80℃~約100℃の温度に加熱することを含む。該ホルムアルデヒド溶液はこの温度に約0.1時間~約3時間、好ましくは約20分~約40分間、さらに好ましくは約20分~約30分間保持される。これはしばしば熟成と呼ばれる。熟成中、ホルムアルデヒドは重合してパラホルムアルデヒドを形成する。熟成工程が完了したら、パラホルムアルデヒド生成物は固化する。特にプリルにするには、パラホルムアルデヒドをノズルに通してプリルにし、これをプリリングタワー(prilling tower)内の向流ガス中に落下させる。これによってパラホルムアルデヒドは固化する。重合反応はパラホルムアルデヒドの固化中にもまだ起こりうる。任意に、固化パラホルムアルデヒドを、典型的には圧縮空気を用いてクエンチング容器に移し、さらに冷却する。固化パラホルムアルデヒドは、約周囲温度~約150℃、好ましくは約50℃~約100℃の温度で、約15分間~約20時間、好ましくは約1時間~約2時間乾燥させることができる。重合反応は固化パラホルムアルデヒドの乾燥中にもまだ起こりうる。次に、固化パラホルムアルデヒドは貯蔵又は顧客に輸送される。固化パラホルムアルデヒドのプラント内での又は貯蔵庫への出し入れの際の取扱い及び輸送は、典型的には圧縮空気を用いて実施される。アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の使用は、固化パラホルムアルデヒドを他のアミン安定剤のように粘着性にしないので、固化パラホルムアルデヒドの取扱い及び輸送は、未処理固化パラホルムアルデヒドと本質的に同じである。アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤は、パラホルムアルデヒドの製造又は貯蔵のどの部分にも組み込むことができる。
【0014】
[0014]本開示の例示的態様は、30wt%以上のホルムアルデヒドと約50ppm~約1000ppm、好ましくは100ppm~500ppm、さらに好ましくは150ppm~250ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤とを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;該ホルムアルデヒド溶液をホ
ルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;そして該パラホルムアルデヒドを固化する(例えば、パラホルムアルデヒドをノズルに通してプリルにし、これをプリリングタワー内の向流ガス中に落下させ、さらに重合及び固化させる)ことを含む。方法はさらに、固化パラホルムアルデヒドの乾燥を含むこともできる。
【0015】
[0015]本開示の別の例示的態様は、30wt%以上のホルムアルデヒドを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;該ホルムアルデヒド溶液を約50ppm~約1000ppm、好ましくは100ppm~500ppm、さらに好ましくは150ppm~250ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の存在下、ホルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;そして該パラホルムアルデヒドを固化する(例えば、パラホルムアルデヒドをノズルに通してプリルにし、これをプリリングタワー内の向流ガス中に落下させ、さらに重合及び固化させる)ことを含む。方法はさらに、固化パラホルムアルデヒドの乾燥を含むこともできる。
【0016】
[0016]本開示のさらに別の例示的態様は、30wt%以上のホルムアルデヒドを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;該ホルムアルデヒド溶液をホルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;そして該パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppm、好ましくは25ppm~500ppm、さらに好ましくは50ppm~150ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスの存在下、プリリングタワー内で固化し(例えば、パラホルムアルデヒドをノズルに通してプリルにし、これを向流ガス中に落下させる)、さらに重合及び固化させることを含む。方法はさらに、固化パラホルムアルデヒドの乾燥を含むこともできる。
【0017】
[0017]本開示の別の例示的態様は、30wt%以上のホルムアルデヒドを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;該ホルムアルデヒド溶液をホルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;該パラホルムアルデヒドを固化し(例えば、パラホルムアルデヒドをノズルに通してプリルにし、これをプリリングタワー内の向流ガス中に落下させ、さらに重合及び固化させる);該固化パラホルムアルデヒドを乾燥させ;そして乾燥中及び/又は乾燥後の固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppm、好ましくは25ppm~500ppm、さらに好ましくは50ppm~150ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む。
【0018】
[0018]本開示の別の例示的態様は、30wt%以上のホルムアルデヒドを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;該ホルムアルデヒド溶液をホルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;該パラホルムアルデヒドを固化し(例えば、パラホルムアルデヒドをノズルに通してプリルにし、これをプリリングタワー内の向流ガス中に落下させ、さらに重合及び固化させる);該固化パラホルムアルデヒドを乾燥させ;該固化パラホルムアルデヒドを貯蔵施設に輸送し;そして輸送中又は貯蔵施設内で固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppm、好ましくは25ppm~500ppm、さらに好ましくは50ppm~150ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む。
【0019】
[0019]前述の方法の組合せが使用できる。例えば、アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤は、加熱、熟成、固化、乾燥、又は貯蔵工程の一つ又は複数で使用できる。二つ以上の工程がアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤への暴露を含む場合、各工程ではより低濃度のアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤が使用できる。
【0020】
[0020]前述の態様のそれぞれにおいて、尿素がアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源として使用できる。
[0021]前述の態様のそれぞれにおいて、ホルムアルデヒド溶液は、30wt%以上のホルムアルデヒド(例えば約30wt%~90wt%のホルムアルデヒド)、好ましくは約35wt%~75wt%のホルムアルデヒド、さらに好ましくは約36wt%~50wt%のホルムアルデヒドを含みうる。
【0021】
[0022]前述の態様のそれぞれにおいて、ホルムアルデヒド溶液は、約70℃~約130℃、好ましくは約80℃~約100℃の温度に加熱されうる。
[0023]前述の態様のそれぞれにおいて、ホルムアルデヒド溶液は、約70℃~約130℃、好ましくは約80℃~約100℃の温度で約0.1時間~約3時間、好ましくは約20分~約40分間、さらに好ましくは約20分~約30分間保持(熟成)されうる。
【0022】
[0024]前述の態様のそれぞれにおいて、固化パラホルムアルデヒドは、約周囲温度~約150℃、好ましくは約50℃~約100℃の温度で、約15分間~約20時間、好ましくは約1時間~約2時間乾燥されうる。
【0023】
[0025]形成中及び貯蔵中を含む形成から貯蔵までの間の任意時点における固化パラホルムアルデヒドのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤への暴露は、固化パラホルムアルデヒドを約10ppm~約1000ppm、好ましくは25ppm~500ppm、さらに好ましくは50ppm~150ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含みうる。アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤はキャリヤーガス中に希釈されてもよい。キャリヤーガスの例は、これらに限定されないが、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、アルゴンなど、及びそれらの任意の組合せを含む。
【0024】
[0026]前述の態様のそれぞれにおいて、ホルムアルデヒド溶液はさらに、酸又は塩基性触媒を含むことができる。触媒の例は、これらに限定されないが、ギ酸、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、シュウ酸、及びそれらの任意の組合せなどである。
【0025】
[0027]前述の態様のそれぞれにおいて、ホルムアルデヒド溶液、パラホルムアルデヒド、及び固化パラホルムアルデヒドは、有機アミンが不在でもよい。本明細書中で使用されている用語“有機アミン”は、炭素、水素、窒素、及び任意に酸素で構成される低分子量化合物(500g/mol未満、好ましくは300g/mol未満)を含む。有機アミンの例は、これらに限定されないが、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、イソ-ブチルアミン、tertブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジ-イソ-プロピルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン、及びトリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、2-エチルヘキシルアミン、2-アミノプロパンジオール、ヘキシルアミン、エタノールアミン、混合C20アミン、混合C10アミン、シクロヘキシルアミン、1,2-ジメトキシプロパンアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、1-アミノ-1,3-プロパンジオール、1-アミノペンタン、2-メチルオキシプロピルアミン、及びそれらの任意の組合せなどである。
【0026】
[0028]前述の態様のそれぞれにおいて、方法はさらに、固化パラホルムアルデヒドを、周囲温度~50℃で、固化パラホルムアルデヒド中の不溶物濃度を約150ppm、好ましくは約120ppm、さらに好ましくは約100ppmを超えて増加させることなく、30日間より長く(例えば30日間~1年以上)貯蔵することを含む。
【0027】
[0029]本開示の追加の態様は、約1ppm~100ppm、好ましくは約5ppm~約50ppm、さらに好ましくは約10ppm~約25ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤と、約80wt%~約99.9wt%、好ましくは約90wt%~約99.9wt%、さらに好ましくは約95wt%~約99.9wt%のパラホルムアルデヒドとを含むパラホルムアルデヒド組成物である。
【0028】
[0030]該パラホルムアルデヒド組成物は、約1ppm~約200ppm、好ましくは約5ppm~約100ppm、さらに好ましくは約10ppm~約50ppmの不溶物も含みうる。
【0029】
[0031]前述のパラホルムアルデヒド組成物の態様のそれぞれにおいて、パラホルムアルデヒド組成物はさらに酸又は塩基性触媒を含みうる。触媒の例は、これらに限定されないが、ギ酸、ホウ酸、四ホウ酸ナトリウム、シュウ酸、及びそれらの任意の組合せなどである。
【0030】
[0032]アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源は尿素である。前述のパラホルムアルデヒド組成物の態様のそれぞれにおいて、パラホルムアルデヒド組成物は有機アミンが不在でもよい。有機アミンの例は、これらに限定されないが、メチルアミン、エチルアミン、n-プロピルアミン、n-ブチルアミン、イソ-ブチルアミン、tertブチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ-n-プロピルアミン、ジ-イソ-プロピルアミン、ジブチルアミン、トリエチルアミン、及びトリエタノールアミン、ヘキサメチレンテトラミン、2-エチルヘキシルアミン、2-アミノプロパンジオール、ヘキシルアミン、エタノールアミン、混合C20アミン、混合C10アミン、シクロヘキシルアミン、1,2-ジメトキシプロパンアミン、トリエチルアミン、エタノールアミン、1-アミノ-1,3-プロパンジオール、1-アミノペンタン、2-メチルオキシプロピルアミン、及びそれらの任意の組合せなどである。
【0031】
[0033]前述のパラホルムアルデヒド組成物の態様のそれぞれの場合、固化パラホルムアルデヒドは、プリル、フレーク、塊、顆粒などの形態でありうる。
[0034]本発明の例示的態様は、30wt%以上のホルムアルデヒドを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;該ホルムアルデヒド溶液をホルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;該パラホルムアルデヒドを固化し;そして加熱前及び/又は加熱中のホルムアルデヒド溶液、熟成中のホルムアルデヒド溶液、パラホルムアルデヒド、及び/又は固化パラホルムアルデヒドをアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤と接触させることを含む方法である。任意に、該方法は、下記の一つ又は複数を含みうる。要素1:加熱中のホルムアルデヒド溶液が約50ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤をさらに含む;要素2:熟成中のホルムアルデヒド溶液が約50ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤をさらに含む;要素3:パラホルムアルデヒドの固化が、パラホルムアルデヒドを約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスと接触させることを含む;要素4:方法がさらに、固化パラホルムアルデヒドを乾燥させることを含む;要素5:要素4及び方法がさらに、乾燥中及び/又は乾燥後の固化パラホルムアルデヒドを約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む;要素6:要素4又は5及び方法がさらに、固化パラホルムアルデヒドを貯蔵施設に輸送することを含む;要素7:要素6及び方法がさらに、輸送中及び/又は貯蔵施設内の固化パラホルムアルデヒドを約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む;要素8:要素6又は7及び方法がさらに、固化パラホルムアルデヒドを周囲温度~約50℃で30日間より長く貯蔵し、固化パラホルムアルデヒド中の不溶物濃度を約150ppm未満に維持する
ことを含む;要素9:ホルムアルデヒド溶液の熟成が約0.1時間~約3時間である;要素10:有機アミンが方法に含まれない;要素11:方法がさらに、固化パラホルムアルデヒドを貯蔵施設に輸送することを含む;要素12:ホルムアルデヒド溶液の熟成が70℃~130℃である;及び要素13:アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源が尿素である。組合せの例は、これらに限定されないが、要素1、4、及び11の組合せ;要素2、4、及び11の組合せ;要素3、4、及び11の組合せ;要素4、5、及び11の組合せ;要素4、6、及び7(及び任意に8)の組合せ;要素1、4、6、及び8の組合せ;要素2、4、6、及び8の組合せ;要素3、4、6,及び8の組合せ;要素1、2、3、4、及び5の二つ以上の組合せ(任意にさらに要素6及び7の組合せ);そして要素9、12、及び/又は13と前述のいずれかとの組合せなどである。
【0032】
[0035]本発明の別の例示的態様は、固化パラホルムアルデヒドを約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む。任意に、固化パラホルムアルデヒドは有機アミンが不在であり、及び/又はアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源は尿素である。
【0033】
[0036]本発明のさらに別の例示的態様は、約1ppm~約100ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤;及び約80wt%~約99.9wt%のパラホルムアルデヒドを含む固化パラホルムアルデヒドである。任意に、該固化パラホルムアルデヒドは、下記の一つ又は複数を含みうる。要素14:固化パラホルムアルデヒドが有機アミン不在である;要素15:固化パラホルムアルデヒドがさらに150ppm未満の不溶物を含む;及び要素16:固化パラホルムアルデヒドがプリル、フレーク、塊、又は顆粒の形態である。
【0034】
[0037]別段の指示がない限り、本明細書及び付随する特許請求の範囲において使用されている成分の量、分子量のような特性、反応条件などを表すすべての数値は、すべての場合において“約”という用語によって修飾されていると理解されるものとする。従って、それに反することが示されない限り、以下の明細書及び添付の特許請求の範囲に示されている数値パラメーターは、本発明の態様によって得ようとしている所望の特性に応じて変動しうる近似値である。少なくとも、そして均等論の適用を特許請求の範囲に限定しようとしてではなく、各数値パラメーターは、少なくとも報告されている有効数字の桁数に照らし、通常の丸め技術を適用することによって解釈されるべきである。
【0035】
[0038]本明細書中に開示された本発明の態様を組み込んでいる一つ又は複数の例示的態様がここに示されている。明確にするために、物理的実施のすべての特徴が本願に記載又は示されているわけではない。本発明の態様を組み込んでいる物理的態様の開発に際しては、開発者の目標を達成するために、実施によって異なる及びその時々に異なるシステム関連、ビジネス関連、政府関連の制約及びその他の制約の遵守など、多数の実施固有の決定がなされなければならないことは理解されるはずである。開発者の努力は時間のかかるものであるが、それでもなお、そのような努力は本開示の利益を享受する当業者にとっては日常業務である。
【0036】
[0039]組成物及び方法は、本明細書においては様々な成分又は工程を“含む”という観点から記載されているが、該組成物及び方法は、様々な成分及び工程“から本質的になる”又は“からなる”こともありうる。
【0037】
[0040]本発明の態様のより良い理解を容易にするために、下記の好適な又は代表的態様の実施例を示す。下記の実施例は、決して本発明の範囲を制限する、又は規定するものとして読まれるべきではない。
【実施例0038】
[0041]実施例1.クエンチング容器をシミュレートするために図1による装置100を使用した。装置100は、底部から1.75インチ(4.445cm)の位置に多孔板104を有するドライヤー管102(半径2.5インチ(6.35cm)、高さ11インチ(27.94cm))、ドライヤー管102の底部と多孔板104との間にガス入口106、及びドライヤー管102の頂部にベント108を含む。さらに、熱電対110が、ドライヤー管102内の温度を測定するために、ドライヤー管102の頂部を通って多孔板の上方に伸びている。ガス入口106は、アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源112(例えば、アンモニアのタンク、アンモニアの空気中希釈物のタンク、尿素の水溶液、水酸化アンモニウム溶液など)に流体的に連結されている。本明細書において、二つの構成要素が流体的に連結されていると記載される場合、流体が一つの構成要素から他の構成要素に移行できるように、二つの構成要素を接続するハードウェアがある。該ハードウェアは、ライン、パイプ、管、ポンプ、コネクター、熱交換器、バルブなどを含む二つ以上の構成要素でありうる。
【0039】
[0042]アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源112との間に熱交換器114があって、ドライヤー管102に導入される前のアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を加熱するために使用される。任意に、ガス(例えばプラントの空気)をライン116から取り込んでアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤と合わせ、アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を所望濃度に希釈することもできる。
【0040】
[0043]本実施例では、350グラムのパラホルムアルデヒドプリルをドライヤー管102に加えた。この結果、プリルの高さはドライヤー管102の頂部から2.5インチ(6.35cm)の位置に達した。空気中100ppmのアンモニアのタンクをアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源112として使用した。熱交換器114は200°F(93.3℃)に設定した。空気中100ppmのアンモニアを30標準立方フィート/分(0.85立方メートル/分)で装置100に通した。この結果、プリルはドライヤー管102内で流動床になった。プリルが流動床を維持していたということは、アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤がプリルを輸送のために粘着性にしすぎなかったことを示している。
【0041】
[0044]エチルヘキシルアミンを安定剤として用いた以外は同じ実験を実施した。プリルはドライヤー管102内で粘着性になりすぎて流動化しなかった。
[0045]実施例2.フルスケールのプラントで、パラホルムアルデヒドプリルをプリリングタワー内で様々な濃度の水酸化アンモニウムに暴露した。さらに詳しくは、19%の水酸化アンモニウム水溶液を約90℃に加熱した。得られた蒸気をプリリングタワーに通した。任意にスチームはプラントの空気で希釈されてもよかった。次に、プリルを50℃で4日間熟成した。これは通常の貯蔵条件下(約23℃~38℃)での6ヶ月間の熟成を模擬している。熟成後の不溶物の量を表1に示す。ここで、対照は水酸化アンモニウムに暴露されなかったプリルである。
【0042】
【表1】
【0043】
[0046]どの場合も、プリルは粘着性にならず、標準的な方法及び装置によって容易に輸送された。
[0047]これらの実施例は、アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を使用すれば、貯蔵時の固化パラホルムアルデヒド中の不溶物を低濃度に維持し、従来手段による取扱い及び輸送能力を維持できることを示している。
【0044】
[0048]このように、本発明は、言及された目的及び利点のみならず内在する目的及び利益を達成するためによく適応されている。本発明は、本明細書中の教示の利益を享受する当業者には明白な、異なってはいるが等価の様式で修正及び実施することができるため、上に開示された特定の態様は例示に過ぎない。さらに、本明細書中に示されている構成又は設計の詳細に対しては、以下の特許請求の範囲に記載されている以外の制限は意図されない。従って、上に開示された特定の例示的態様は、変更、組合せ、又は修正可能であり、すべてのそのような変形は本発明の範囲及び精神に含まれると見なされることは明らかである。本明細書において例示的に開示された本発明は、本明細書中に具体的に開示されていない任意の要素及び/又は本明細書中に開示されている任意の自由選択要素がなくても適切に実施できる。組成物及び方法は、様々な成分又は工程を“含む(comprisiing)”
、“含有する(containing)”、又は“含める(includng)”という観点から記載されているが、該組成物及び方法は、様々な成分及び工程“から本質的になる”又は“からなる”こともありうる。上に開示されたすべての数値及び範囲はある程度変動しうる。下限及び上限を有する数値範囲が開示されている場合はいつでも、その範囲内に入る任意の数値及び任意の包含範囲は特定的に開示される。特に、本明細書中に開示されているあらゆる値範囲(“約aから約bまで”又は等価的に“およそaからbまで”又は等価的に“およそa~b”の形式の)は、値のより広い範囲内に包含されるあらゆる数値及び範囲を示すと理解される。また、特許請求の範囲における用語は、特許権者によって明示的かつ明確に定義されない限り、それらの明白な通常の意味を有する。さらに、特許請求の範囲で使用されている不定冠詞“a”又は“an”は、本明細書においては、それが誘導する要素の一つ又は二つ以上を意味すると定義される。
【符号の説明】
【0045】
100 装置
102 ドライヤー管
104 多孔板
106 ガス入口
108 ベント
110 熱電対
112 アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源
114 熱交換器
116 ライン
図1
【手続補正書】
【提出日】2024-06-03
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固化パラホルムアルデヒドを、50ppm~500ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む方法。
【請求項2】
前記固化パラホルムアルデヒドが有機アミンを含まない、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源が尿素である、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記固化パラホルムアルデヒドを周囲温度から50℃で30日間より長く貯蔵し、前記固化パラホルムアルデヒド中の不溶物濃度を150ppm未満に維持することをさらに含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載の方法であって、
前記固化パラホルムアルデヒドを乾燥させること;及び
乾燥中及び/又は乾燥後の前記固化パラホルムアルデヒドを、10ppm~1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露すること
をさらに含む、前記方法。
【請求項6】
前記乾燥が、周囲温度~約150℃の温度で、15分間~約20時間行われる、請求項5に記載の方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0044
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0044】
[0048]このように、本発明は、言及された目的及び利点のみならず内在する目的及び利益を達成するためによく適応されている。本発明は、本明細書中の教示の利益を享受する当業者には明白な、異なってはいるが等価の様式で修正及び実施することができるため、
上に開示された特定の態様は例示に過ぎない。さらに、本明細書中に示されている構成又は設計の詳細に対しては、以下の特許請求の範囲に記載されている以外の制限は意図されない。従って、上に開示された特定の例示的態様は、変更、組合せ、又は修正可能であり、すべてのそのような変形は本発明の範囲及び精神に含まれると見なされることは明らかである。本明細書において例示的に開示された本発明は、本明細書中に具体的に開示されていない任意の要素及び/又は本明細書中に開示されている任意の自由選択要素がなくても適切に実施できる。組成物及び方法は、様々な成分又は工程を“含む(comprisiing)”
、“含有する(containing)”、又は“含める(includng)”という観点から記載されているが、該組成物及び方法は、様々な成分及び工程“から本質的になる”又は“からなる”こともありうる。上に開示されたすべての数値及び範囲はある程度変動しうる。下限及び上限を有する数値範囲が開示されている場合はいつでも、その範囲内に入る任意の数値及び任意の包含範囲は特定的に開示される。特に、本明細書中に開示されているあらゆる値範囲(“約aから約bまで”又は等価的に“およそaからbまで”又は等価的に“およそa~b”の形式の)は、値のより広い範囲内に包含されるあらゆる数値及び範囲を示すと理解される。また、特許請求の範囲における用語は、特許権者によって明示的かつ明確に定義されない限り、それらの明白な通常の意味を有する。さらに、特許請求の範囲で使用されている不定冠詞“a”又は“an”は、本明細書においては、それが誘導する要素の一つ又は二つ以上を意味すると定義される。
以下に、出願時の特許請求の範囲の記載を示す。
[請求項1]
30wt%以上のホルムアルデヒドを含むホルムアルデヒド溶液を約70℃~約130℃の範囲の温度に加熱し;
該ホルムアルデヒド溶液を、ホルムアルデヒドが重合してパラホルムアルデヒドを形成するのに足る時間熟成し;
該パラホルムアルデヒドを固化し;そして
加熱前及び/又は加熱中のホルムアルデヒド溶液、熟成中のホルムアルデヒド溶液、パラホルムアルデヒド、及び/又は固化パラホルムアルデヒドをアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤と接触させる
ことを含む方法。
[請求項2]
加熱中のホルムアルデヒド溶液が約50ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
[請求項3]
熟成中のホルムアルデヒド溶液が約50ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
[請求項4]
パラホルムアルデヒドの固化が、パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスと接触させることを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
[請求項5]
固化パラホルムアルデヒドを乾燥させることをさらに含む、請求項1~4のいずれか1項に記載の方法。
[請求項6]
乾燥中及び/又は乾燥後の固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することをさらに含む、請求項5に記載の方法。
[請求項7]
固化パラホルムアルデヒドを貯蔵施設に輸送することをさらに含む、請求項5又は6に記載の方法。
[請求項8]
輸送中又は貯蔵施設内の固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することをさらに含む、請求項7に記載の方法。
[請求項9]
固化パラホルムアルデヒドを周囲温度~約50℃で30日間より長く貯蔵し、固化パラホルムアルデヒド中の不溶物濃度を約150ppm未満に維持することをさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
[請求項10]
ホルムアルデヒド溶液の熟成が約0.1時間~約3時間行われる、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
[請求項11]
ホルムアルデヒド溶液の熟成が70℃~130℃で行われる、請求項1~10のいずれか1項に記載の方法。
[請求項12]
請求項1~11のいずれか1項に記載の方法であって、有機アミンが当該方法に含まれない、前記方法。
[請求項13]
固化パラホルムアルデヒドを貯蔵施設に輸送することをさらに含む、請求項1~12のいずれか1項に記載の方法。
[請求項14]
アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源が尿素である、請求項1~13のいずれか1項に記載の方法。
[請求項15]
固化パラホルムアルデヒドを、約10ppm~約1000ppmのアンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤を含むガスに暴露することを含む方法。
[請求項16]
固化パラホルムアルデヒドが有機アミンを含まない、請求項15に記載の方法。
[請求項17]
アンモニア及び/又は水酸化アンモニウム安定剤の供給源が尿素である、請求項15又は16のいずれか1項に記載の方法。
[請求項18]
固化パラホルムアルデヒドを周囲温度~約50℃で30日間より長く貯蔵し、固化パラホルムアルデヒド中の不溶物濃度を約150ppm未満に維持することをさらに含む、請求項15~17のいずれか1項に記載の方法
【外国語明細書】