(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011303
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】製品検査支援装置、製品検査支援方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/04 20120101AFI20240118BHJP
G01N 21/84 20060101ALI20240118BHJP
G05B 19/418 20060101ALI20240118BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240118BHJP
【FI】
G06Q50/04
G01N21/84 D
G05B19/418 Z
G06T7/00 350C
G06T7/00 610C
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113198
(22)【出願日】2022-07-14
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TENSORFLOW
(71)【出願人】
【識別番号】518436777
【氏名又は名称】ピノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115749
【弁理士】
【氏名又は名称】谷川 英和
(72)【発明者】
【氏名】鳥羽 伸嘉
【テーマコード(参考)】
2G051
3C100
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
2G051AA90
2G051EA21
2G051EB05
3C100AA38
3C100AA70
3C100BB15
3C100BB17
3C100BB27
3C100BB34
3C100CC03
5L049CC04
5L096BA03
5L096CA02
5L096DA02
5L096HA09
5L096HA11
5L096KA04
(57)【要約】
【課題】従来技術においては、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信することが容易ではなかった。
【解決手段】検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部122と、2以上の検査者のうち、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する検査者決定部125と、検査者決定部125が決定した1以上の各検査者の検査者端末2に撮影画像を送信する撮影画像送信部131とを具備する製品検査支援装置1により、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信できる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、
2以上の検査者のうち、前記撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する検査者決定部と、
前記検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に前記撮影画像を送信する撮影画像送信部とを具備する製品検査支援装置。
【請求項2】
トラップ画像を送信する条件であるトラップ画像送信条件に、前記2以上の各検査者が合致するか否かを判断するトラップ画像判断部をさらに具備し、
前記撮影画像送信部は、
前記トラップ画像判断部が、前記トラップ画像送信条件に合致すると判断した1以上の各検査者の検査者端末に前記トラップ画像を送信する請求項1記載の製品検査支援装置。
【請求項3】
前記トラップ画像の送信に応じた回答である検査結果を、前記検査者の前記検査者端末から受信する検査結果受信部と、
前記検査結果が正しいか否かを判断する回答判断部と、
前記撮影画像送信部は、
前記回答判断部が、前記トラップ画像の送信に応じた前記検査結果が正しくないと判断した場合に、前記検査者への画像の送信制御に関する処理であり、不適切者に対する処理である不適切者処理を行う請求項2記載の製品検査支援装置。
【請求項4】
1以上の検査者属性値を有する2以上の検査者情報が格納される検査者情報格納部をさらに具備し、
前記検査者決定部は、
前記2以上の各検査者情報が有する1以上の検査者属性値を用いて、前記撮影画像を送信する前記1以上の検査者を決定する請求項1記載の製品検査支援装置。
【請求項5】
製品または撮影画像の属性値である1以上の製品属性値を有する製品情報が格納される製品情報格納部をさらに具備し、
前記検査者決定部は、
前記2以上の各検査者情報が有する1以上の検査者属性値と前記製品情報が有する1以上の製品属性値とを用いて、前記撮影画像を送信する前記1以上の検査者を決定する請求項4記載の製品検査支援装置。
【請求項6】
前記撮影画像の送信に応じた回答であり、前記2以上の各検査者の検査者端末が送信した回答である検査結果を受信する検査結果受信部と、
前記2以上の各検査者ごとに、前記検査結果受信部が受信した前記検査結果を用いて、前記1以上の検査者属性値を取得する検査者属性値取得部とをさらに具備し、
前記検査者情報格納部に格納されている前記1以上の検査者属性値は、前記検査者属性値取得部が取得した1以上の検査者属性値である請求項4または請求項5記載の製品検査支援装置。
【請求項7】
撮影画像と検査結果とを有する2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、取得された学習モデルが格納される学習モデル格納部と、
前記撮影画像取得部が取得した前記撮影画像と前記学習モデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、予測結果を取得する予測部とをさらに具備し、
前記撮影画像送信部は、
前記検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に、前記撮影画像と前記予測結果とを送信する請求項1記載の製品検査支援装置。
【請求項8】
前記撮影画像の送信に応じた回答であり、当該撮影画像を識別する撮影画像識別子とエラーの箇所を特定する位置情報とを有する検査結果を、前記検査者の前記検査者端末から受信する検査結果受信部と、
前記検査結果受信部が受信した前記検査結果を出力する検査結果出力部とをさらに具備する請求項1記載の製品検査支援装置。
【請求項9】
撮影画像と位置情報とを有する2以上の教師データが格納される教師データ格納部と、
前記2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、学習モデルを取得する学習部と、
前記撮影画像取得部が取得した前記撮影画像と前記学習モデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、予測結果を取得する予測部とをさらに具備し、
前記撮影画像送信部は、
前記検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に、前記撮影画像と前記予測結果とを送信する請求項8記載の製品検査支援装置。
【請求項10】
撮影画像取得部と、検査者決定部と、撮影画像送信部とにより実現される製品検査支援方法であって、
前記撮影画像取得部が、検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得ステップと、
前記検査者決定部が、2以上の検査者のうち、前記撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する検査者決定ステップと、
前記撮影画像送信部が、前記検査者決定ステップで決定された1以上の各検査者の検査者端末に前記撮影画像を送信する撮影画像送信ステップとを具備する製品検査支援方法。
【請求項11】
コンピュータを、
検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、
2以上の検査者のうち、前記撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する検査者決定部と、
前記検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に前記撮影画像を送信する撮影画像送信部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の撮影画像を検査者端末に送信することにより製品検査を支援する製品検査支援装置等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、機械学習の学習処理を行い取得した予測モデルを用いて、製品の外観画像を機械学習の予測処理を行うモジュールに与え、当該モジュールを実行することにより、製品の外観に関する検査結果を取得する技術があった(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術においては、2以上の検査者が製品検査を行うことは想定されておらず、その結果、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信することができなかった。
【0005】
特に、従来技術においては、2以上の検査者が遠隔で製品検査を行うことは想定されておらず、2以上の検査者の端末に撮影画像を送信し、当該検査者から検査結果を受信することは行われていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本第一の発明の製品検査支援装置は、検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、2以上の検査者のうち、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する検査者決定部と、検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に撮影画像を送信する撮影画像送信部とを具備する製品検査支援装置である。
【0007】
かかる構成により、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信できる。
【0008】
また、本第二の発明の製品検査支援装置は、第一の発明に対して、トラップ画像を送信する条件であるトラップ画像送信条件に、2以上の各検査者が合致するか否かを判断するトラップ画像判断部をさらに具備し、撮影画像送信部は、トラップ画像判断部が、トラップ画像送信条件に合致すると判断した1以上の各検査者の検査者端末にトラップ画像を送信する製品検査支援装置である。
【0009】
かかる構成により、検査者の検査の正確性を増大させることができる。
【0010】
また、本第三の発明の製品検査支援装置は、第二の発明に対して、トラップ画像の送信に応じた回答である検査結果を、検査者の検査者端末から受信する検査結果受信部と、検査結果が正しいか否かを判断する回答判断部と、撮影画像送信部は、回答判断部が、トラップ画像の送信に応じた検査結果が正しくないと判断した場合に、検査者への画像の送信制御に関する処理であり、不適切者に対する処理である不適切者処理を行う製品検査支援装置である。
【0011】
かかる構成により、検査者の検査の正確性を増大させることができる。
【0012】
また、本第四の発明の製品検査支援装置は、第一から第三いずれか1つの発明に対して、1以上の検査者属性値を有する2以上の検査者情報が格納される検査者情報格納部をさらに具備し、検査者決定部は、2以上の各検査者情報が有する1以上の検査者属性値を用いて、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する製品検査支援装置である。
【0013】
かかる構成により、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信できる。
【0014】
また、本第五の発明の製品検査支援装置は、第四の発明に対して、製品または撮影画像の属性値である1以上の製品属性値を有する製品情報が格納される製品情報格納部をさらに具備し、検査者決定部は、2以上の各検査者情報が有する1以上の検査者属性値と製品情報が有する1以上の製品属性値とを用いて、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する製品検査支援装置である。
【0015】
かかる構成により、検査対象の製品を撮影した撮影画像をより適切な検査者の端末に送信できる。
【0016】
また、本第六の発明の製品検査支援装置は、第四または第五の発明に対して、撮影画像の送信に応じた回答であり、2以上の各検査者の検査者端末が送信した回答である検査結果を受信する検査結果受信部と、2以上の各検査者ごとに、検査結果受信部が受信した検査結果を用いて、1以上の検査者属性値を取得する検査者属性値取得部とをさらに具備し、検査者情報格納部に格納されている1以上の検査者属性値は、検査者属性値取得部が取得した1以上の検査者属性値である製品検査支援装置である。
【0017】
かかる構成により、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信できる。また、かかる構成により、2以上の遠隔の検査者から検査結果を受信できる。かかることにより、製品の検査に、クラウドワーカーの労力を有効に利用できる。
【0018】
また、本第七の発明の製品検査支援装置は、第一から第六いずれか1つの発明に対して、撮影画像と検査結果とを有する2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、取得された学習モデルが格納される学習モデル格納部と、撮影画像取得部が取得した撮影画像と学習モデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、予測結果を取得する予測部とをさらに具備し、撮影画像送信部は、検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に、撮影画像と予測結果とを送信する製品検査支援装置である。
【0019】
かかる構成により、検査者の検査を支援できる。
【0020】
また、本第八の発明の製品検査支援装置は、第一の発明に対して、撮影画像の送信に応じた回答であり、撮影画像を識別する撮影画像識別子とエラーの箇所を特定する位置情報とを有する検査結果を、検査者の検査者端末から受信する検査結果受信部と、検査結果受信部が受信した検査結果を出力する検査結果出力部とをさらに具備する製品検査支援装置である。
【0021】
かかる構成により、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信でき、検査者から検査結果を得ることができる。
【0022】
また、本第九の発明の製品検査支援装置は、第八の発明に対して、撮影画像と位置情報とを有する2以上の教師データが格納される教師データ格納部と、2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、学習モデルを取得する学習部と、撮影画像取得部が取得した撮影画像と学習モデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、予測結果を取得する予測部とをさらに具備し、撮影画像送信部は、検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に、撮影画像と予測結果とを送信する製品検査支援装置である。
【0023】
かかる構成により、検査者の検査を支援できる。
【発明の効果】
【0024】
本発明による製品検査支援装置によれば、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】実施の形態1における検査システムAの概念図
【
図4】同製品検査支援装置の動作例について説明するフローチャート
【
図5】同予測処理の例について説明するフローチャート
【
図6】同検査者決定処理の例について説明するフローチャート
【
図7】同送信情報構成処理の例について説明するフローチャート
【
図8】同検査結果処理の例について説明するフローチャート
【
図9】同トラップ画像の送信処理の例について説明するフローチャート
【
図10】同検査者端末2の動作例について説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、製品検査支援装置等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
【0027】
(実施の形態1)
本実施の形態において、製品検査のための1以上の各製品の撮影画像を2以上の検査者端末に送信する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。なお、検査対象の製品は、例えば、生産ラインで生産される製品である。検査対象の製品は、生産ラインを次々に流れて、次々に生産される製品であることは好適である。ただし、製品の生産場所等は問わない。また、検査は、製品の生産中であることは好適である。
【0028】
また、本実施の形態において、検査者が、例えば、疲れてきているか否かを判断するためのトラップ画像の送信条件に合致する場合に、トラップ画像を当該検査者の端末に送信する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
【0029】
また、本実施の形態において、トラップ画像の送信に対する検査結果が正しくない場合に、不適切者処理を行う製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。なお、不適切者処理とは、検査を行うことが不適切である当該検査者に対する処理である。
【0030】
また、本実施の形態において、1以上の検査者属性値を用いて、撮影画像を送信する検査者端末を決定する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
【0031】
また、本実施の形態において、1以上の製品属性値を用いて、撮影画像を送信する検査者端末を決定する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
【0032】
また、本実施の形態において、検査者端末から送信された検査結果を用いて、1以上の検査者属性値を取得する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
【0033】
また、本実施の形態において、撮影画像と共に、当該撮影画像に対する機械学習による予測結果をも検査者端末に送信する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
【0034】
また、本実施の形態において、検査者端末から、撮影画像識別子とエラーの箇所を特定する位置情報とを有する検査結果を受信する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
【0035】
さらに、本実施の形態において、2以上の教師データを用いて機械学習の学習処理を行い、学習モデルを構築する製品検査支援装置を具備する検査システムについて説明する。
【0036】
なお、本実施の形態において、情報Xが情報Yに対応付いていることは、情報Xから情報Yを取得できること、または情報Yから情報Xを取得できることであり、その対応付けの方法は問わない。情報Xと情報Yとがリンク付いていても良いし、同じバッファに存在していても良いし、情報Xが情報Yに含まれていても良いし、情報Yが情報Xに含まれている等でも良い。
【0037】
図1は、本実施の形態における検査システムAの概念図である。検査システムAは、製品検査支援装置1、および1または2以上の検査者端末2を備える。
【0038】
製品検査支援装置1は、検査対象の製品の撮影画像を1または2以上の検査者端末2に送信し、当該1または2以上の検査者端末2から検査結果を受信する装置である。なお、検査結果を受信し、使用する装置は、製品検査支援装置1とは別の装置でも良い。
【0039】
製品検査支援装置1は、例えば、製品を撮影し、撮影画像を取得したカメラ(図示しない)から撮影画像を受信し、当該撮影画像を1以上の検査者端末2に送信するサーバである。
【0040】
製品検査支援装置1は、例えば、製品を撮影し、撮影画像を取得する機能を有し、当該撮影画像を1以上の検査者端末2に送信する情報処理装置である。製品検査支援装置1が有するカメラと、他の機能を実現する装置とが、物理的に分離されていても良いし、一体化していても良い。なお、製品検査支援装置1は、製品を撮影した装置から送信された撮影画像を受信しても良い。
【0041】
製品検査支援装置1は、例えば、いわゆるサーバであり、例えば、クラウドサーバ、ASPサーバ等であるが、その種類は問わない。製品検査支援装置1は、例えば、カメラ機能付きのいわゆるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であっても良い。
【0042】
検査者端末2は、製品検査支援装置1から撮影画像を受信し、当該撮影画像を出力し、検査者から、当該撮影画像に基づく、検査結果を受け付ける装置である。検査者端末2は、検査結果を製品検査支援装置1または他の装置に、送信することは好適である。ただし、検査者端末2は、検査結果を蓄積したり、表示したりするだけでも良い。
【0043】
検査者端末2は、例えば、いわゆるパーソナルコンピュータ、タブレット端末、スマートフォン等であり、その種類は問わない。
【0044】
図1において、製品検査支援装置1は、カメラを具備する構成であるが、製品検査支援装置1は、カメラを含まなくても良い。
図1において、Bは、製品を生産するための生産ラインである。3は、生産される製品である。
図1において、製品3は、アイロン、電子レンジであるが、製品の種類は問わない。
図1において、4は、検査者である。検査者4は、通常、各自、一つの検査者端末2を操作する。
【0045】
製品検査支援装置1と1以上の各検査者端末2とは、通常、インターネットやLAN等のネットワークにより、通信可能である。つまり、検査者端末2は、製品を生産する場所に対して、遠隔に存在していることは好適である。検査者は、遠隔で製品の検査を行う者であることは好適である。つまり、検査者は、遠隔で製品の検査を行う、いわゆるクラウドワーカーであることは好適である。
【0046】
図2は、本実施の形態における検査システムAのブロック図である。
図3は、製品検査支援装置1のブロック図である。
【0047】
製品検査支援装置1は、格納部11、処理部12、送信部13、受信部14、および出力部15を備える。格納部11は、教師データ格納部111、学習モデル格納部112、製品情報格納部113、検査者情報格納部114、送信条件格納部115、およびトラップ画像格納部116を備える。処理部12は、学習部121、撮影画像取得部122、予測部123、検査者属性値取得部124、検査者決定部125、トラップ画像判断部126、および回答判断部127を備える。送信部13は、撮影画像送信部131を備える。受信部14は、検査結果受信部141を備える。出力部15は、検査結果出力部151を備える。
【0048】
検査者端末2は、端末格納部21、端末受信部22、端末処理部23、端末出力部24、端末受付部25、および端末送信部26を備える。
【0049】
製品検査支援装置1を構成する格納部11には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、後述する教師データ、後述する学習モデル、後述する製品情報、後述する検査者情報、後述する送信条件である。
【0050】
教師データ格納部111には、2以上の教師データが格納される。教師データとは、学習モデルを構成するための元になる情報である。教師データは、例えば、正例の撮影画像、または負例の撮影画像である。正例の撮影画像とは、不具合の無い製品の撮影画像である。負例の撮影画像とは、不具合の有る製品の撮影画像である。なお、正例と負例とは逆でも良い。教師データは、例えば、撮影画像と検査結果とを有する。検査結果とは、検査の結果である。検査結果は、例えば、「不具合あり(例えば「1」)」「不具合なし(例えば「0」)」「位置情報」「不具合種類識別子」である。位置情報とは、製品の中の不具合のある位置を特定する情報である。位置情報は、製品の中の不具合のある領域を特定する情報でも良い。位置情報は、例えば、位置を特定する1以上の相対座標値(x,y)である。位置情報は、例えば、撮影画像の中の相対的な位置を特定する1以上の座標値である。位置情報は、例えば、矩形領域を特定する2つの座標値(例えば、左上座標の値、右下座標の値)である。教師データは、例えば、撮影画像と位置情報とを有する。不具合種類識別子とは、不具合の種類を識別する情報である。
【0051】
不具合とは、製品の瑕疵である。不具合は、例えば、樹脂製品の異物混入、コンタミ、白点、黒点、色むら、ひび、割れである。不具合は、例えば、金属製品の傷、凹みである。つまり、不具合種類識別子は、例えば、「異物混入」「コンタミ」「白点」「黒点」「色むら」「ひび」「割れ」である。ただし、不具合の種類や内容等は問わない。
【0052】
教師データ格納部111には、製品の種類ごとに、2以上の教師データが格納されていることは好適である。2以上の各教師データは、製品種類識別子に対応付いていることは好適である。製品種類識別子とは、検査対象の製品の種類を識別する情報である。製品種類識別子は、例えば、「アイロンカセット」「電子レンジ」であるが、検査対象の製品の品番を特定する情報でも良い。
【0053】
学習モデル格納部112には、1または2以上の学習モデルが格納される。学習モデル格納部112に、製品の種類ごとに、学習モデルが格納されることは好適である。2以上の各学習モデルは、製品種類識別子に対応付いていることは好適である。
【0054】
学習モデルとは、2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理により構成された情報であり、機械学習の予測処理に使用される情報である。学習モデルは、撮影画像と共に利用され、当該撮影画像の中の製品の検査の予測結果を取得するための情報である。学習モデルは、学習器、分類器、分類モデル等と言っても良い。
【0055】
機械学習のアルゴリズムは、深層学習、ランダムフォレスト、決定木、SVM等、問わない。また、機械学習には、例えば、TensorFlowのライブラリ、R言語のrandom forestのモジュール、fastText、TinySVM等の各種の機械学習の関数や、種々の既存のライブラリを用いることができる。なお、機械学習の学習処理は、例えば、後述する学習部121が行う。また、機械学習の予測処理は、予測部123が行う。
【0056】
製品情報格納部113は、1または2以上の製品情報が格納される。製品情報とは、検査対象の製品の情報である。製品情報は、1以上の製品属性値を有する。製品属性値とは、製品または撮影画像の属性値である。製品属性値は、例えば、判別の難易度、製品の不具合率、製品種類識別子である。判別の難易度とは、製品に不具合があるか否かを判断することの難易度である。判別の難易度は、例えば、「1」から「5」の5段階、「A」「B」「C」のいずれか等であるが、その情報は問わない。
【0057】
検査者情報格納部114には、1または2以上の検査者情報が格納される。検査者情報格納部114には、通常、2以上の検査者情報が格納される。
【0058】
検査者情報とは、検査者の情報である。検査者情報は、1または2以上の検査者属性値を有する。検査者情報は、例えば、検査者識別子、送信先情報を有する。
【0059】
検査者属性値は、静的属性値または動的属性値である。静的属性値とは、頻繁には変化しない属性値である。静的属性値は、例えば、検査者のスキルレベル,検査者が検査の経験のある製品の製品種類識別子、性別、年齢、検査の経験年数、単価(製品の検査の報酬)である。動的属性値とは、頻繁には変化する属性値である。動的属性値は、例えば、所定期間の平均回答時間、所定期間の正解率、所定期間のトラップ画像正解率である。なお、所定期間は、例えば、本日、検査業務を開始してから昨日まで、検査業務を開始してから今まで等であり、問わない。
【0060】
検査者識別子とは、検査者を識別する情報である。検査者識別子は、例えば、検査者のID、メールアドレス、電話番号、送信先情報である。送信先情報とは、検査者端末2に情報を送信するための情報である。送信先情報は、検査者端末2のIPアドレス、検査者端末2のMACアドレス、検査者のID、検査者のメールアドレス、検査者の電話番号である。
【0061】
トラップ画像正解率とは、トラップ画像に対する検査結果が正解であった率である。トラップ画像とは、検査者のテストのための画像である。トラップ画像は、例えば、検査者の状態の確認のための画像である、と言える。トラップ画像は、例えば、検査者が疲れていないか否か、検査者が適切に検査を行えるか否かを確認するための画像である、と言える。
【0062】
送信条件格納部115は、1または2以上の送信条件が格納される。送信条件とは、検査のための画像を送信するための条件である。検査のための画像は、撮影画像またはトラップ画像である。つまり、送信条件は、例えば、撮影画像送信条件、またはトラップ画像送信条件である。送信条件格納部115に格納されている送信条件は、プログラムに埋め込まれていても良い。
【0063】
撮影画像送信条件とは、一の検査者端末2に撮影画像を送信するための条件である。撮影画像送信条件は、例えば、撮影画像の送信の時間的な間隔を示す情報、単位期間(例えば、1日、4時間)における送信回数に関する条件、時間に関する条件である。撮影画像送信条件は、例えば、10秒に1つの検査を行うことを示す情報である。単位期間における送信回数に関する条件は、例えば、単位期間に限度回数まで、撮影画像を送信していないことである。時間に関する条件は、例えば、先に送付した時から所定時間以上経過したことである。撮影画像送信条件は、例えば、検査対象の製品の製品種類識別子が、検査者の過去の検査経験を示す1以上の製品種類識別子の中に含まれることである。
【0064】
トラップ画像送信条件とは、トラップ画像を送信するための条件である。トラップ画像送信条件は、例えば、回答時間に基づく条件、撮影画像の送信回数に基づく条件、検査時間に基づく条件である。
【0065】
回答時間とは、撮影画像に対して検査者が回答に要する時間に関する情報である。回答時間は、例えば、撮影画像が検査者端末2に送信されてから、当該検査者端末2から検査結果を受信するまでの時間である。回答時間は、例えば、撮影画像が検査者端末2に出力されてから、検査者端末2が検査結果を受け付けるまでの時間である。回答時間に基づく条件は、例えば、「回答時間>=閾値」、「回答時間>閾値」、「回答時間の変化量(回答時間の延び)が閾値以上」、「回答時間の変化量(回答時間の延び)が閾値より大きい」である。
【0066】
撮影画像の送信回数に基づく条件は、検査作業の開始または先にトラップ画像を送信した後、一の検査者端末2への撮影画像の送信回数が閾値になったことである。
【0067】
検査時間に基づく条件は、検査の開始からの経過時間、先にトラップ画像を送信してからの経過時間である。検査時間に基づく条件は、検査の開始からの経過時間または先にトラップ画像を送信してからの経過時間が、閾値以上または閾値より多くなったことである。
【0068】
トラップ画像格納部116には、1または2以上のトラップ画像が格納されている。トラップ画像格納部116の1以上の各トラッブ画像には、正解情報が対応付いていることは好適である。トラッブ画像には、トラッブ画像識別子が対応付いていることは好適である。
【0069】
正解情報とは、トラッブ画像に対する正解の回答の情報である。正解情報は、例えば、「不具合あり」、不具合の位置情報、不具合種類識別子である。トラッブ画像は、不具合のある製品の画像であることは好適である。1以上の各トラッブ画像には、製品種類識別子に対応付いていることは好適である。かかる製品種類識別子は、トラッブ画像が撮影された製品の製品種類識別子である。
【0070】
トラッブ画像識別子とは、トラッブ画像を識別する情報である。
【0071】
処理部12は、各種の処理を行う。各種の処理とは、例えば、学習部121、撮影画像取得部122、予測部123、検査者属性値取得部124、検査者決定部125、トラップ画像判断部126、回答判断部127が行う処理である。
【0072】
学習部121は、教師データ格納部111に格納されている2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、学習モデルを取得する。学習部121は、1または2以上の各製品種類識別子ごとに、製品種類識別子に対応する2以上の教師データを教師データ格納部111から取得し、当該2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、学習モデルを取得することは好適である。
【0073】
学習部121は、取得した学習モデルを学習モデル格納部112に蓄積することは好適である。学習部121は、取得した学習モデルを製品種類識別子に対応付けて、学習モデル格納部112に蓄積することは好適である。学習部121が行う機械学習の学習処理のアルゴリズムは、上述した通り、問わない。
【0074】
撮影画像取得部122は、検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する。なお、撮影画像は、通常、静止画であるが、2以上の静止画(フレーム)を有する動画でも良い。撮影画像は、カメラで撮影された画像に対して、所定の処理が施されて得られた画像でも良い。撮影画像は、撮影された画像に基づく画像も含んでも良い。所定の処理が施されて得られた画像は、例えば、カメラで撮影された画像に対して、解像度創造処理が施された画像である。所定の処理が施されて得られた画像は、例えば、カメラで撮影された画像に対して、GAN等の機械学習のアルゴリズムにより、よりクリアにした画像である。所定の処理が施されて得られた画像は、カメラで撮影された画像に対して、検査者がより検査しやすいように加工された画像であることは好適である。
【0075】
撮影画像取得部122は、検査対象の製品を撮影した撮影画像の一部を切り出した画像(これも撮影画像と言っても良い)を取得しても良い。なお、切り出す領域は、予め決められた領域でも良いし、機械学習の予測処理により、不具合がありそうな領域であり、切り出された領域等でも良い。
【0076】
撮影画像取得部122は、例えば、検査対象の製品を撮影し、撮影画像を取得する。かかる場合、撮影画像取得部122は、カメラ機能を具備する。
【0077】
撮影画像取得部122は、例えば、検査対象の製品を撮影したカメラから送信された撮影画像を受信する。
【0078】
撮影画像取得部122は、撮影画像を含む送信情報を構成することは好適である。送信情報は、検査者端末に送信する情報である。送信情報は、例えば、撮影画像に加えて、撮影画像識別子と製品種類識別子のうちの1または2つの情報を有することは好適である。送信情報は、例えば、後述する予測結果をも含むことは好適である。なお、撮影画像識別子は、検査対象の一の製品の識別子である、と言える。
【0079】
撮影画像識別子とは、撮影画像を識別する情報である。撮影画像識別子は、生産された一の製品を識別する情報である。製品種類識別子は、製品の種類を示す情報である。
【0080】
予測部123は、撮影画像取得部122が取得した撮影画像と、学習モデル格納部112の学習モデルとを用いて、機械学習の予測処理を行い、予測結果を取得する。予測結果は、例えば、不具合の有無である。予測結果は、例えば、不具合の有無とスコアである。予測結果は、例えば、不具合の有無と、不具合がある場合の領域を特定する情報である。予測結果は、例えば、不具合の種類を特定する情報を含んでも良い。
【0081】
予測部123は、例えば、撮影画像に対応する製品種類識別子と対になる学習モデルを学習モデル格納部112から取得する。次に、予測部123は、当該撮影画像と当該学習モデルとを、機械学習の予測処理を行うモジュールに与え、当該モジュールを実行し、予測結果を取得する。
【0082】
検査者属性値取得部124は、2以上の各検査者ごとに、検査結果受信部141が受信した検査結果を用いて、1以上の検査者属性値を取得する。かかる1以上の検査者属性値は、通常、動的属性値である。なお、検査者属性値取得部124は、取得した1以上の検査者属性値を検査者情報格納部114に蓄積することは好適である。
【0083】
検査者属性値取得部124は、検査者情報格納部114から、1以上の検査者属性値を取得しても良い。
【0084】
検査者属性値取得部124は、例えば、検査結果受信部141が受信した2以上の検査結果であり、同一の検査者識別子に対応付く2以上の各検査結果に対応する回答時間を取得し、当該回答時間の平均値である平均回答時間を取得する。平均回答時間を取得する際に使用する回答時間は、本日の回答時間のみであることは好適であるが、過去の日の回答時間を用いても良い。
【0085】
検査者属性値取得部124は、例えば、トラップ画像の送信に応じて受信した検査結果が正解であるか否かの回答結果を取得する。
【0086】
検査者属性値取得部124は、2以上の各トラップ画像の送信に応じて受信した検査結果に対する回答結果(通常、「正解」または「不正解」)を取得し、当該2以上の各回答結果を用いて、正解率を取得する。
【0087】
検査者決定部125は、2以上の検査者のうち、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する。検査者決定部125は、候補のすべての検査者を決定しても良い。候補のすべての検査者は、検査者情報格納部114の各検査者情報に対応する検査者である。
【0088】
検査者決定部125は、一の撮影画像に対して、予め決められた数の検査者を決定することは好適である。また、検査者決定部125は、一の撮影画像に対して、製品属性値に応じて、決定する検査者の数を変更することは好適である。例えば、検査者決定部125は、製品属性値である判別の難易度が大きいほど、多い数の検査者を決定することは好適である。例えば、検査者決定部125は、製品属性値である不具合率が大きいほど、多い数の検査者を決定することは好適である。なお、予め決められた数は、2以上であることは好適である。
【0089】
検査者決定部125は、例えば、一の検査者端末2に対して、撮影画像の送信が所定時間以上の間隔が空くように、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する。かかる場合、例えば、検査者識別子に対応付けて、直前に撮影画像を送信した時刻、または先に撮影画像を送信してからの経過時間が格納されている。
【0090】
検査者決定部125は、2以上の各検査者情報が有する1以上の検査者属性値を用いて、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定することは好適である。なお、検査者属性値は、検査者情報格納部114に格納されている。検査者決定部125は、例えば、検査者の平均回答時間を用いて、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する。通常、平均回答時間が短い検査者の検査者端末2ほど、多くの数の撮影画像を受信する。
【0091】
検査者決定部125は、例えば、トラップ画像の送信に応じて受信した検査結果が不正解である回答結果に対応する検査者を除く、検査者の中から、1以上の検査者を決定する。かかる処理は、不適切者処理の例である、と考えても良い。
【0092】
検査者決定部125は、例えば、各検査者について、検査者属性値である検査者の平均回答時間と先に撮影画像を送信した時刻とを取得し、当該平均回答時間と当該時刻とを用いて、当該時刻からの経過時間と平均回答時間との差異が大きい1以上の検査者を決定する。
【0093】
検査者決定部125は、2以上の各検査者情報が有する1以上の検査者属性値と製品情報が有する1以上の製品属性値とを用いて、撮影画像を送信する1以上の検査者を決定することは好適である。
【0094】
検査者決定部125は、例えば、製品に応じて、決定する検査者の数を変えることは好適である。検査者決定部125は、例えば、製品の1以上の属性値に応じた人数の検査者を決定する。製品の1以上の属性値は、例えば、製品の重要度、製品の不具合率、判別の難易度である。検査者決定部125は、例えば、製品属性値である不具合率または判別の難易度を取得し、当該不具合率または当該判別の難易度に対応する検査者の数を取得する。なお、例えば、検査者決定部125は、不具合率または判別の難易度が大きいほど、多い人数の検査者を決定する。検査者決定部125は、例えば、対応表を参照し、取得した不具合率または判別の難易度に対応する人数を取得する。なお、対応表は、不具合率または判別の難易度の条件(例えば、不具合率の幅、判別の難易度)と検査者の人数との対である2以上の対応情報を有する。検査者決定部125は、例えば、不具合率または判別の難易度をパラメータとする増加関数により、検査者の数を取得する。
【0095】
検査者決定部125は、例えば、検査対象の製品の製品情報に含まれる製品種類識別子と同じ製品種類識別子を含む検査者情報に対応する1以上の検査者を決定する。検査者情報に含まれる製品種類識別子は、当該検査者が過去に検査を行った経験のある製品の製品種類識別子である。
【0096】
検査者決定部125は、例えば、撮影画像送信条件に合致する1または2以上の検査者を決定する。
【0097】
トラップ画像判断部126は、2以上の各検査者が、トラップ画像送信条件に合致するか否かを判断する。トラップ画像送信条件は、送信条件格納部115に格納されている。トラップ画像判断部126は、検査者の1以上の動的属性値がトラップ画像送信条件に合致するか否かを判断することは好適である。
【0098】
回答判断部127は、検査結果受信部141が受信した検査結果が正しいか否かを判断する。
【0099】
回答判断部127は、例えば、送信したトラッブ画像に対応付く正解情報と、検査結果受信部141が受信した検査結果とを用いて判断する。回答判断部127は、例えば、送信したトラッブ画像に対応付く正解情報と、検査結果受信部141が受信した検査結果とが正解条件に合致するか否かを判断する。
【0100】
正解条件とは、検査結果が正解である、と判断するための条件である。正解条件は、例えば、正解情報と検査結果とが一致すること、正解情報に含まれる位置情報と検査結果に含まれる位置情報との差異が閾値以下、または閾値より小さいことである。
【0101】
回答判断部127は、例えば、一の撮影画像に対する2以上の各検査者端末2から送信された検査結果を用いて、2以上の各検査結果が正しいか否かを判断する。回答判断部127は、例えば、一の撮影画像に対する2以上の検査結果を用いて、2以上の各検査結果が正解条件に合致するか否かを判断する。正解条件は、例えば、すべての検査結果が同じであること、3以上の検査結果のうち、多い方の検査結果であることである。
【0102】
一の撮影画像に対する2以上の検査結果は、一の撮影画像を受信した各検査者端末2の検査者が入力した検査結果である。
【0103】
回答判断部127は、例えば、一の撮影画像に対する2以上の検査結果がすべて同じである場合、当該2以上の検査結果は正しいと判断する。回答判断部127は、例えば、一の撮影画像に対する3以上の検査結果のうち、一の検査結果のみが異なる場合、当該一の検査結果が正しくなく、他の検査結果が正しいと判断する。
【0104】
回答判断部127は、例えば、一の撮影画像に対する2以上の検査結果のうち、1以上の検査結果が「不具合がある」旨を示す情報である場合、「不具合なし」の旨の検査結果を不正解である、と判断する。
【0105】
送信部13は、各種の情報を送信する。各種の情報は、例えば、撮影画像、送信情報である。
【0106】
撮影画像送信部131は、検査者決定部125が決定した1以上の各検査者の検査者端末2に撮影画像を送信する。撮影画像送信部131は、例えば、検査者決定部125が決定した1以上の各検査者の検査者端末2に、撮影画像と予測結果とを送信する。なお、予測結果は、予測部123が取得した情報である。撮影画像送信部131は、例えば、検査者決定部125が決定した1以上の各検査者の検査者端末2に送信情報を送信する。
【0107】
撮影画像送信部131は、例えば、トラップ画像判断部126がトラップ画像送信条件に合致すると判断した1以上の各検査者の検査者端末2に、トラップ画像を送信する。かかるトラップ画像は、トラップ画像格納部116のいずれかのトラップ画像である。また、かかる場合、撮影画像送信部131は、トラッブ画像識別子、トラッブ画像に対応することを示すフラグも送信することは好適である。
【0108】
撮影画像送信部131は、検査者によって、異なるトラップ画像を送信しても良い。撮影画像送信部131は、例えば、一の検査者に先に送付した撮影画像に対応する製品種類識別子と対になるトラップ画像をトラップ画像格納部116から取得し、当該トラップ画像を当該一の検査者の検査者端末2に送信することは好適である。
【0109】
撮影画像送信部131は、回答判断部127が、検査結果受信部141が受信した検査結果が正しくないと判断した場合に、画像の送信制御に関する処理であり、不適切者に対する処理である不適切者処理を行う。なお、不適切者処理は、処理部12等の他の構成要素が行っても良い。
【0110】
不適切者処理は、通常、撮影画像の送信制御に関する処理である。不適切者処理は、例えば、当該検査者端末2に送信していた製品ではない他の製品の撮影画像を、今後、送信することである。不適切者処理は、例えば、少なくとも所定時間以上は当該検査者端末2に撮影画像を送信しないことである。
【0111】
撮影画像送信部131は、予測部123が取得した予測結果が撮影画像送信条件を満たす場合のみ、撮影画像を送信しても良い。ここでの撮影画像送信条件は、例えば、予測結果が「不具合あり」であることである。撮影画像送信条件は、例えば、予測結果のスコアが閾値以下または閾値より小さいこと(予測結果の尤度が低い場合)である。撮影画像送信条件は、例えば、予測結果が「不具合あり」または予測結果が「不具合なし」かつスコアが閾値以下または閾値より小さいことである。その他、ここでの撮影画像送信条件は、予測結果に基づく条件であれば良い。
【0112】
受信部14は、各種の情報を受信する。各種の情報は、例えば、検査結果、検査結果と撮影画像識別子である。
【0113】
検査結果受信部141は、一の撮影画像の送信に応じた回答であり、2以上の各検査者の検査者端末2が送信した回答である検査結果を受信する。検査結果は、例えば、一の撮影画像を識別する撮影画像識別子に対応付いている。検査結果は、撮影画像に対応する製品のロット情報や検査日時情報を有しても良い。
【0114】
検査結果受信部141は、例えば、検査者の検査者端末2から、トラップ画像の送信に応じた回答である検査結果を受信する。かかる検査結果は、トラップ画像の識別子に対応付いている。
【0115】
検査結果受信部141は、例えば、検査者の検査者端末2から、撮影画像の送信に応じた回答であり、撮影画像を識別する撮影画像識別子とエラーの箇所を特定する位置情報とを有する検査結果を受信する。
【0116】
出力部15は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、検査結果である。各種の情報は、例えば、検査結果と撮影画像識別子である。
【0117】
ここで、出力とは、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラムなどへの処理結果の引渡し、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影、プリンタでの印字、音出力などを含む概念である。
【0118】
検査結果出力部151は、検査結果受信部141が受信した検査結果を出力する。検査結果出力部151は、検査結果受信部141が受信した検査結果を撮影画像識別子に対応付けて蓄積する。検査結果出力部151は、例えば、格納部11に検査結果を蓄積する。
【0119】
検査結果出力部151は、検査結果が「不具合がある」旨の情報である場合、当該検査結果を含む情報を、ディスプレイに表示したり、管理者に通知したりすることは好適である。なお、管理者への通知は、図示しない管理者端末への送信、管理者が見ているディスプレイへの表示等である。また、検査結果を含む情報は、例えば、検査結果と撮影画像と撮影画像識別子等である。
【0120】
検査者端末2を構成する端末格納部21には、各種の情報が格納される。各種の情報は、例えば、検査者識別子である。
【0121】
端末受信部22は、各種の情報を受信する。各種の情報は、例えば、撮影画像、送信情報である。送信情報は、例えば、トラッブ画像に対応するか否かを示すフラグを有する。
【0122】
端末処理部23は、各種の処理を行う。各種の処理は、例えば、受け付けられた情報や指示等を、送信する構造の情報や指示等にする処理である。各種の処理は、例えば、受信された情報を出力する構造の情報にする処理である。
【0123】
端末処理部23は、例えば、回答時間を取得する。端末処理部23は、例えば、端末出力部24が撮影画像を出力してから、端末受付部25が検査結果を受信するまでの時間である回答時間を取得する。
【0124】
端末処理部23は、例えば、製品検査支援装置1に送信する情報であり、検査結果を含む情報を構成する。かかる情報は、例えば、検査結果に加えて、回答時間、撮影画像識別子、端末格納部21の検査者識別子、製品のロット情報、検査日時情報、トラッブ画像に対応するか否かを示すフラグのうちの1以上の情報を有する。
【0125】
端末出力部24は、各種の情報を出力する。各種の情報は、例えば、撮影画像、送信情報、トラップ画像である。
【0126】
端末受付部25は、各種の情報や指示を受け付ける。各種の情報や指示は、例えば、検査結果である。
【0127】
各種の情報や指示の入力手段は、タッチパネルやキーボードやマウスやメニュー画面によるもの等、何でも良い。
【0128】
端末送信部26は、各種の情報や指示を製品検査支援装置1に送信する。各種の情報や指示は、例えば、検査結果、検査結果と撮影画像識別子、端末処理部23が構成した情報である。
【0129】
格納部11、教師データ格納部111、学習モデル格納部112、製品情報格納部113、検査者情報格納部114、送信条件格納部115、トラップ画像格納部116、および端末格納部21は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
【0130】
格納部11等に情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介して情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力された情報が格納部11等で記憶されるようになってもよい。
【0131】
処理部12、学習部121、撮影画像取得部122、予測部123、検査者属性値取得部124、検査者決定部125、トラップ画像判断部126、回答判断部127、および端末処理部23は、通常、プロセッサやメモリ等から実現され得る。処理部12等の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。なお、プロセッサは、CPU、MPU、GPU等であり、その種類は問わない。
【0132】
送信部13、撮影画像送信部131、および端末送信部26は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
【0133】
受信部14、検査結果受信部141、および端末受信部22は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
【0134】
出力部15、および検査結果出力部151は、例えば、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。出力部15、および検査結果出力部151は、例えば、無線または有線の通信手段で実現される。出力部15、および検査結果出力部151は、例えば、プロセッサやメモリ等から実現され得る。
【0135】
端末出力部24は、ディスプレイやスピーカー等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。端末出力部24は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
【0136】
端末受付部25は、タッチパネルやキーボード等の入力手段のデバイスドライバーや、メニュー画面の制御ソフトウェア等で実現され得る。
【0137】
次に、検査システムAの動作例について説明する。まず、製品検査支援装置の動作例について、
図4のフローチャートを用いて説明する。
【0138】
(ステップS401)撮影画像取得部122は、撮影画像等を取得したか否かを判断する。撮影画像等を取得した場合はステップS402に行き、撮影画像等を取得しなかった場合はステップS410に行く。
【0139】
なお、撮影画像等を取得することは、例えば、製品を撮影すること、または図示しないカメラが撮影した製品の画像を受信することである。なお、製品を撮影するカメラは、例えば、製品を生産する生産ラインの最後に設置され、生産が完了した製品を撮影するものである。また、本願の製品は、生産ライン上に、次々に流れ、生産されていくことは好適である。
【0140】
また、ここで取得する撮影画像等は、撮影画像に加えて、製品種類識別子、撮影画像識別子、ロット情報、日時のうちの1または2以上の情報を有することは好適である。
【0141】
(ステップS402)予測部123は、予測処理を行う。予測処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。なお、予測処理とは、ステップS401で取得された撮影画像の不具合に関する予測の結果を取得する処理である。
【0142】
(ステップS403)検査者決定部125等は、ステップS401で取得された撮影画像に対する検査を行う1以上の検査者を決定する。かかる検査者決定処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0143】
(ステップS404)処理部12は、送信情報を構成する。かかる送信情報構成処理の例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。なお、送信情報とは、検査者端末2に送信される情報である。
【0144】
(ステップS405)撮影画像送信部131は、カウンタiに1を代入する。
【0145】
(ステップS406)撮影画像送信部131は、ステップS403で決定された1以上の検査者のうち、i番目の検査者が存在するか否かを判断する。i番目の検査者が存在する場合はステップS407に行き、存在しない場合はステップS401に戻る。
【0146】
(ステップS407)撮影画像送信部131は、i番目の検査者の送信先情報を検査者情報格納部114から取得する。撮影画像送信部131は、当該送信先情報が示す送信先に、ステップS404で構成された送信情報を送信する。
【0147】
(ステップS408)処理部12は、i番目の検査者に送信情報を送信したことに応じて、当該i番目の検査者の検査者情報を更新する。処理部12は、例えば、当該検査者情報が有する検査者属性値「検査回数」に1を加える。
【0148】
(ステップS409)撮影画像送信部131は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS406に戻る。
【0149】
(ステップS410)検査結果受信部141は、検査者端末2から検査結果等を受信したか否かを判断する。検査結果等を受信した場合はステップS411に行き、受信しなかった場合はステップS415に行く。
【0150】
なお、検査結果等とは、例えば、検査結果に加えて、トラッブ画像に対応するか否かを示すフラグ、製品種類識別子、撮影画像識別子またはトラッブ画像識別子、検査者識別子、回答時間、日時のうちの1または2以上の情報を有する。
【0151】
(ステップS411)トラップ画像判断部126は、ステップS410で受信された検査結果等が、トラップ画像に対応する検査結果等であるか否かを判断する。トラップ画像に対応する検査結果等である場合はステップS412に行き、撮影画像に対応する検査結果等でない場合はステップS414に行く。
【0152】
(ステップS412)トラップ画像判断部126は、受信された検査結果等に対応するトラップ画像に対応する正解情報をトラップ画像格納部116から取得する。トラップ画像判断部126は、当該正解情報と、ステップS410で受信された検査結果とを用いて、ステップS410で受信された検査結果が正しいか否かを判断する。検査結果が正しい場合はステップS401に戻り、検査結果が誤っている場合はステップS413に行く。
【0153】
(ステップS413)撮影画像送信部131は、検査結果等を送信してきた検査者に対する不適切者処理を行う。ステップS401に戻る。
【0154】
なお、不適切者処理とは、当該検査者に休憩を与えるため、所定時間(例えば、10分)、休憩することの要請を送信すること、撮影画像の送信を所定時間は行わないこと、直前まで検査していた製品の製品種類識別子とは異なる製品種類識別子に対応する撮影画像を、今後、送信することである。
【0155】
(ステップS414)処理部12は、検査結果処理を行う。ステップS401に戻る。なお、検査結果処理とは、受信された検査結果を用いた処理である。検査結果処理の例について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0156】
(ステップS415)処理部12は、トラップ画像を送信するタイミングであるか否かを判断する。トラップ画像を送信するタイミングであればステップS416に行き、当該タイミングでなければステップS420に行く。
【0157】
なお、トラップ画像を送信するタイミングは、常時でも良いし、所定時間ごとでも良い。トラップ画像を送信するタイミングは、問わない。
【0158】
(ステップS416)処理部12は、カウンタiに1を代入する。
【0159】
(ステップS417)処理部12は、i番目の検査者が存在するか否かを判断する。i番目の検査者が存在する場合はステップS418に行き、存在しない場合はステップS401に戻る。
【0160】
(ステップS418)処理部12等は、トラップ画像の送信処理を行う。トラップ画像の送信処理の例について、
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0161】
(ステップS419)処理部12は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS417に戻る。
【0162】
(ステップS420)受信部14は、教師データを受信したか否かを判断する。教師データを受信した場合はステップS421に行き、受信しなかった場合はステップS422に行く。なお、ここで、受信部14は、教師データと製品種類識別子とを受信することは好適である。
【0163】
(ステップS421)処理部12は、ステップS420で受信された教師データを、製品種類識別子に対応付けて教師データ格納部111に蓄積する。ステップS401に戻る。
【0164】
(ステップS422)処理部12は、学習処理を行うか否かを判断する。学習処理を行う場合はステップS423に行き、学習処理を行わない場合はステップS401に戻る。なお、例えば、受信部14が学習指示を受信した場合に、処理部12は学習処理を行うと判断する。ただし、学習処理を行うタイミングは問わない。
【0165】
(ステップS423)学習部121は、製品種類識別子ごとに、教師データ格納部111に格納されている2以上の教師データを取得する。次に、学習部121は、製品種類識別子ごとに、2以上の教師データを用いて、機械学習の学習処理を行い、学習モデルを取得する。
【0166】
(ステップS424)学習部121は、製品種類識別子ごとに、製品種類識別子に対応付けて、ステップS423で取得した学習モデルを学習モデル格納部112に蓄積する。ステップS401に戻る。
【0167】
なお、
図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0168】
次に、ステップS402の予測処理の例について、
図5のフローチャートを用いて説明する。
【0169】
(ステップS501)予測部123は、受信された撮影画像に対応する製品種類識別子を取得する。予測部123は、当該製品種類識別子と対になる学習モデルを学習モデル格納部112から取得する。
【0170】
(ステップS502)予測部123は、受信された撮影画像を取得する。
【0171】
(ステップS503)予測部123は、ステップS501で取得した学習モデルとステップS502で取得した撮影画像とを、機械学習の予測処理を行うモジュールに与え、当該モジュールを実行し、予測結果を取得する。上位処理にリターンする。
【0172】
次に、ステップS403の検査者決定処理の例について、
図6のフローチャートを用いて説明する。
【0173】
(ステップS601)検査者決定部125は、撮影画像に対応する製品種類識別子と対になる1以上の製品属性値を製品情報格納部113から取得する。
【0174】
(ステップS602)検査者決定部125は、カウンタiに1を代入する。
【0175】
(ステップS603)検査者属性値取得部124は、i番目の検査者が存在するか否かを判断する。i番目の検査者が存在する場合はステップS604に行き、存在しない場合はステップS608に行く。
【0176】
(ステップS604)検査者属性値取得部124は、i番目の検査者の1以上の検査者属性値を、検査者情報格納部114から取得する。
【0177】
(ステップS605)検査者決定部125は、ステップS604で取得した1以上の検査者属性値と、ステップS601で取得した1以上の製品属性値とを用いて、i番目の検査者が撮影画像送信条件に合致するか否かを判断する。撮影画像送信条件に合致する場合はステップS606に行き、合致しない場合はステップS607に行く。
【0178】
(ステップS606)検査者決定部125は、i番目の検査者の検査者識別子を取得し、当該検査者識別子を図示しないバッファに一時蓄積する。
【0179】
(ステップS607)検査者決定部125は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS603に戻る。
【0180】
(ステップS608)検査者決定部125は、ステップS606で図示しないバッファに一時蓄積した1以上の検査者識別子から、1以上の検査者識別子を取得する。なお、検査者決定部125は、例えば、ステップS606で図示しないバッファに一時蓄積した1以上の各検査者識別子と対になるすべての送信先情報を検査者情報格納部114から取得する。検査者決定部125は、例えば、ステップS606で図示しないバッファに一時蓄積した1以上の検査者識別子のうち、ランダムに、予め決められた数の検査者識別子を取得し、当該1以上の各検査者識別子と対になる送信先情報を検査者情報格納部114から取得する。検査者決定部125は、例えば、ステップS606で図示しないバッファに一時蓄積した1以上の検査者識別子のうち、高い正解率と対になる、予め決められた数の検査者識別子を取得し、当該1以上の各検査者識別子と対になる送信先情報を検査者情報格納部114から取得する。検査者決定部125は、例えば、ステップS606で図示しないバッファに一時蓄積した1以上の検査者識別子のうち、低い単価(報酬)と対になる、予め決められた数の検査者識別子を取得し、当該1以上の各検査者識別子と対になる送信先情報を検査者情報格納部114から取得する。
【0181】
次に、ステップS404の送信情報構成処理の例について、
図7のフローチャートを用いて説明する。
【0182】
(ステップS701)処理部12は、ステップS401で取得された撮影画像等のうちの撮影画像を取得する。
【0183】
(ステップS702)処理部12は、当該撮影画像と対になる撮影画像識別子を取得する。
【0184】
(ステップS703)処理部12は、当該撮影画像と対になる製品種類識別子を取得する。
【0185】
(ステップS704)処理部12は、当該撮影画像と対になるその他の情報を取得する。その他の情報は、例えば、ロット情報、日時、製品属性値(例えば、不具合率)である。
【0186】
(ステップS705)処理部12は、ステップS701からステップS704で取得した情報を有する送信情報を構成する。上位処理にリターンする。
【0187】
次に、ステップS414の検査結果処理の例について、
図8のフローチャートを用いて説明する。
【0188】
(ステップS801)回答判断部127は、ステップS410で受信された検査結果等に対応する撮影画像識別子を取得する。
【0189】
(ステップS802)回答判断部127は、ステップS410で受信された検査結果等を図示しないバッファに一時蓄積する。
【0190】
(ステップS803)回答判断部127は、ステップS801で取得した撮影画像識別子に対応する検査結果が、撮影画像が送信された検査者端末2の数だけ存在するか否か(すべての検査者から検査結果を受信したか否か)を判断する。検査結果が検査者端末2の数だけ存在する(最終の判断を行う)場合はステップS804に行き、全員の検査結果が揃っていない(判断を行わない)場合は上位処理にリターンする。
【0191】
(ステップS804)回答判断部127は、ステップS801で取得した撮影画像識別子に対応するすべての検査結果を図示しないバッファから取得する。
【0192】
(ステップS805)回答判断部127は、ステップS804で取得した1以上の検査結果を用いて、最終の検査結果(正しいと推定できる検査結果)を取得する。回答判断部127は、例えば、一つでも不具合の検査結果が存在する場合、最終の検査結果を「不具合」とする。回答判断部127は、例えば、多数決により、多い検査結果を最終の検査結果とする。その他、2以上の検査結果から最終の検査結果を決定するアルゴリズムは問わない。
【0193】
(ステップS806)回答判断部127は、カウンタiに1を代入する。
【0194】
(ステップS807)回答判断部127は、検査結果を送信したi番目の検査者が存在するか否かを判断する。i番目の検査者が存在する場合はステップS808に行き、存在しない場合はステップS811に行く。
【0195】
(ステップS808)回答判断部127は、i番目の検査者の検査結果とステップS805で取得した最終の検査結果とを用いて、i番目の検査者の検査結果に対する正解情報を取得する。正解情報は、例えば、「正解」または「不正解」である。正解情報は、例えば、i番目の検査者の検査結果または「不正解」である。
【0196】
(ステップS809)回答判断部127は、ステップS808で取得した正解情報を用いて、i番目の検査者の検査者情報(例えば、正解率、正解数、エラー数)を更新する。
【0197】
(ステップS810)回答判断部127は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS807に戻る。
【0198】
(ステップS811)検査結果出力部151は、ステップS805で取得した最終の検査結果を、撮影画像識別子に対応付けて、出力する。上位処理にリターンする。なお、検査結果出力部151は、最終の検査結果が「不具合」に該当する場合、当該最終の検査結果を、例えば、管理者に通知することは好適である。
【0199】
次に、ステップS418のトラップ画像送信処理の例について、
図9のフローチャートを用いて説明する。
【0200】
(ステップS901)トラップ画像判断部126は、判断対象の検査者の1以上の検査者属性値を検査者情報格納部114から取得する。なお、1以上の検査者属性値には、回答時間、正解率等の動的属性値を含むことは好適である。
【0201】
(ステップS902)トラップ画像判断部126は、ステップS901で取得した1以上の検査者属性値を用いて、判断対象の検査者がトラップ画像送信条件に合致するか否かを判断する。トラップ画像送信条件に合致する場合はステップS903に行き、トラップ画像送信条件に合致しない場合は上位処理にリターンする。
【0202】
(ステップS903)処理部12は、判断対象の検査者が行っている検査に対応する製品の製品種類識別子を取得する。
【0203】
(ステップS904)処理部12は、ステップS903で取得した製品種類識別子と対になるトラップ画像をトラップ画像格納部116から取得する。
【0204】
(ステップS905)撮影画像送信部131は、判断対象の検査者の送信先情報を検査者情報格納部114から取得する。
【0205】
(ステップS906)撮影画像送信部131は、ステップS904で取得されたトラップ画像を、ステップS905で取得した送信先情報が示す送信先に送信する。上位処理にリターンする。
【0206】
次に、検査者端末2の動作例について、
図10のフローチャートを用いて説明する。
【0207】
(ステップS1001)端末受信部22は、製品検査支援装置1から画像等を受信したか否かを判断する。画像等を受信した場合はステップS1002に行き、画像等を受信しなかった場合はステップS1001に戻る。なお、画像等は画像を含み、当該画像は、撮影画像またはトラップ画像である。画像等は、例えば、撮影画像識別子またはトラップ画像識別子、トラップ画像であるか否かを示すフラグを含む。
【0208】
(ステップS1002)端末処理部23は、ステップS1001で受信された画像等を用いて、出力する画像等を構成する。端末出力部24は、当該画像等を出力する。
【0209】
(ステップS1003)端末受付部25は、出力された画像に対する検査結果を受け付けたか否かを判断する。検査結果を受け付けた場合はステップS1004に行き、検査結果を受け付けなかった場合はステップS1003に行く。
【0210】
(ステップS1004)端末処理部23は、回答時間等を取得する。端末処理部23は、例えば、図示しないタイマーを用いて、回答時間を取得する。回答時間は、例えば、ステップS1001で画像等を受信してから、ステップS1003で検査結果を受け付けるまでの時間である。
【0211】
(ステップS1005)端末処理部23は、ステップS1003で受け付けられた検査結果、ステップS1004で取得した回答時間等を含む情報を構成する。回答時間等を含む情報は、例えば、撮影画像識別子またはトラップ画像識別子、検査者識別子、トラップ画像であるか否かを示すフラグを含む。
【0212】
(ステップS1006)端末送信部26は、ステップS1005で構成した情報を、製品検査支援装置1に送信する。ステップS1001に戻る。
【0213】
なお、
図10のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0214】
以下、本実施の形態における検査システムAの具体的な動作例について説明する。
図1に示すように、生産ラインで製造されるアイロン(「アイロンX」)や電子レンジ(「電子レンジE」)等の2以上の製品が製造されている、とする。そして、2以上の各製品の生産ラインの最終工程後に、カメラを設置し、製品を撮影し、各カメラから撮影画像が、次々と、製品検査支援装置1に送信される、とする。
【0215】
そして、製品検査支援装置1の学習モデル格納部112には、製品種類識別子「アイロンX」に対応付けて、「学習モデルX」で識別される学習モデルが格納されている、とする。また、学習モデル格納部112には、製品種類識別子「電子レンジE」に対応付けて、「学習モデルE」で識別される学習モデルが格納されている。
【0216】
なお、「学習モデルX」は、「撮影画像」「正解情報(不具合の有無,位置情報,不具合種類識別子)」を有する2以上の教師データを用いて、学習部121が学習処理を行い、学習モデル格納部112に蓄積したデータである。また、「学習モデルE」は、1以上の正例(不具合ありの電子レンジEの撮影画像)と1以上の負例(不具合なしの電子レンジEの撮影画像)とを用いて、学習部121が学習処理を行い、学習モデル格納部112に蓄積したデータである。
【0217】
また、製品情報格納部113には、
図11に示す製品情報管理表が格納されている、とする。製品情報管理表とは、検査対象の製品の情報を管理する表である。製品情報管理表は、「ID」「動的属性値」を有する1以上のレコードを管理する。「ID」は、レコードを識別する情報である。「動的属性値」は「製品種類識別子」「判別難易度」「不具合率(%)」を有する。「判別難易度」は、検査の難易度であり、ここでは「1」から「5」の5段階のうちのいずれかの値を採り得る。
【0218】
検査者情報格納部114には、
図12に示す構造を有する検査者情報管理表が格納されている、とする。検査者情報管理表は、「ID」「検査者識別子」「静的属性値」「動的属性値」を有する1以上のレコードを管理する。「静的属性値」は、ここでは「性別」「スキルレベル」「単価」「経験年数」を有する。「動的属性値」は、ここでは「回答数」「平均回答時間(S)」「トラップ画像正解率」を有する。ここでの「回答数」「平均回答時間(S)」「トラップ画像正解率」は、各々、検査者の本日の動的属性値である、とする。なお、1以上の各レコード(検査者情報)は、図示しないが、送信先情報を有する、とする。また、ここでの検査者は、登録されたクラウドワーカーである。
【0219】
送信条件格納部115には、撮影画像送信条件「スキルレベル>=判別難易度」「検査者数<=5」が格納されている、とする。つまり、ここでの製品の検査の判別難易度以上のスキルレベルを有する検査者のみに撮影画像が送信される、とする。また、一の撮影画像を検査する検査者の最大人数は5名である、とする。また、送信条件格納部115には、トラップ画像送信条件「回答時間-平均回答時間>=閾値(ここでは、例えば、「20秒」)」が格納されている、とする。つまり、本日の平均回答時間から、閾値(20秒)以上、回答に時間がかかった場合に、当該検査者は疲れていると判断され、トラップ画像を検査者に送信することとする。
【0220】
さらに、トラップ画像格納部116には、
図13に示すトラップ画像管理表が格納されている、とする。トラップ画像管理表は、トラップ画像を管理する表である。トラップ画像管理表は、「ID」「トラップ画像」「トラップ画像識別子」「製品種類識別子」「正解情報」を有する1以上のレコードを管理する。「正解情報」は、ここでは「不具合」「位置情報」「不具合種類識別子」を有する。なお、「正解情報」は、「不具合」のみでも良い。「不具合」は、「あり(不具合である)」または「なし(不具合でない)」である。「位置情報」は、不具合のある位置(領域でも良い)を特定する情報である。「位置情報」が2つの座標値を有する場合、当該「位置情報」は、不具合のある領域を示す。「位置情報」が1つの座標値を有する場合、当該「位置情報」は、不具合のある領域の重心座標を示す、とする。「不具合種類識別子」は、例えば、「コンタミ」「キズ」「割れ」である。
【0221】
かかる状況において、以下の2つの具体例について説明する。具体例1は、撮影画像の検査者を決定し、決定した検査者に対してのみ、当該撮影画像を送信する場合である。具体例2は、検査者からの検査結果の受信に応じて、トラップ画像を送信するか否かを判断し、トラップ画像を送信する場合である。また、具体例2において、トラップ画像の送信に対応する検査結果に応じて、不適切者処理を行う。なお、ここでの不適切処理は、該当する検査者に「所定時間、休憩することの指示を送信すること」および「所定時間、撮影画像を送信しないこと」である。
【0222】
(具体例1)
「アイロンX」の生産ラインでの生産が開始された、とする。次に、図示しないカメラは、「アイロンX」を撮影し、撮影画像を取得し、当該撮影画像を。製品種類識別子「アイロンX」および撮影画像識別子「X0001」と対にして、製品検査支援装置1に送信する。
【0223】
なお、例えば、カメラは、製品検査支援装置1が有する、とする。そして、当該カメラは、生産ラインの動きに合わせ、定期的に、出来上がってきた製品を撮影する。そして、カメラを含む製品検査支援装置1は、撮影の度に、ユニークな撮影画像識別子を生成する。そして、製品検査支援装置1の通信手段は、製品検査支援装置1が具備するサーバに、製品種類識別子「アイロンX」および撮影画像識別子「X0001」と撮影画像とを送信する。
【0224】
次に、製品検査支援装置1の撮影画像取得部122は、撮影画像等を受信する。次に、予測部123は、製品種類識別子「アイロンX」と対になる学習モデル「学習モデルX」を学習モデル格納部112から取得する。次に、予測部123は、当該「学習モデルX」と受信された撮影画像とを、機械学習の予測処理を行うモジュールに与え、当該モジュールを実行し、予測結果「不具合なし(例えば「0」)」を取得した、とする。なお、予測部123は、誤った予測結果が取得することもある。
【0225】
次に、検査者決定部125等は、以下のように撮影画像等を送信する検査者を決定する。つまり、検査者決定部125は、撮影画像送信条件「スキルレベル>=判別難易度」「検査者数<=5」を送信条件格納部115から取得する。
【0226】
次に、検査者決定部125は、撮影画像に対応する製品種類識別子「アイロンX」を取得する。次に、検査者決定部125は、撮影画像送信条件「スキルレベル>=判別難易度」に基づき、製品種類識別子「アイロンX」と対になる判別難易度「4」を製品情報管理表(
図11)から取得する。
【0227】
次に、検査者決定部125は、
図12の検査者情報管理表を参照し、「スキルレベル>=判別難易度「4」」を満たすスキルレベルと対になる検査者識別子「I001」「I002」「I025」「I038」「I055」「I103」を取得した、とする。
【0228】
次に、検査者決定部125は、撮影画像送信条件「検査者数<=5」を満たすために、取得した6つの検査者識別子から、ランダムに5つの検査者識別子(ここでは、「I001」「I002」「I025」「I038」「I055」)を取得した、とする。なお、検査者識別子を絞り込みアルゴリズムは問わない。
【0229】
以上の処理により、撮影画像識別子「X0001」で識別される撮影画像の5名の検査者が決定された。
【0230】
次に、処理部12は、受信された撮影画像、製品種類識別子「アイロンX」、撮影画像識別子「X0001」、現在の日時、予測結果「不具合なし」を取得し、当該情報を有する送信情報を構成する。
【0231】
次に、撮影画像送信部131は、5つの各検査者識別子「I001」「I002」「I025」「I038」「I055」と対になる送信先情報を、検査者情報管理表から取得する、とする。
【0232】
次に、撮影画像送信部131は、5つの各送信先情報が特定する検査者端末2に、構成された送信情報を送信する。
【0233】
次に、5つの各検査者端末2の端末受信部22は、製品検査支援装置1から送信情報を受信する。次に、5つの各検査者端末2の端末処理部23は、受信された送信情報を用いて、出力する画像等を構成する。端末出力部24は、当該画像等を出力する。かかる出力例は、
図14である。
図14において、撮影画像1401、予測結果1402が出力されている。
【0234】
次に、例えば、「I001」で識別される検査者は、撮影画像1401を見て、検査結果「不具合あり」および「コンタミ」のチェックボックスにチェックを入力し、かつコンタミのある領域1403を特定する図形を入力した、とする。次に、当該検査者は、送信ボタン1404を指示した、とする。
【0235】
すると、端末受付部25は、出力された画像に対する検査結果「<不具合>あり <不具合種類識別子>コンタミ <位置情報>(X11,Y11) <画像>不具合画像file.jpeg」を受け付ける。なお、位置情報(X11,Y11)は、ここでは、1403の図形の中心点である、とする。
【0236】
次に、端末処理部23は、回答時間「21秒」を取得する。そして、端末処理部23は、当該検査結果、回答時間「21秒」、検査者識別子「I001」、製品種類識別子「アイロンX」、撮影画像識別子「X0001」、予測結果「不具合なし」等を含む情報を構成する。
【0237】
次に、端末送信部26は、端末処理部23が構成した情報を、製品検査支援装置1に送信する。
【0238】
また、他の4名の検査者は、例えば、検査結果「不具合なし」を入力し、送信ボタン1404を指示した、とする。そして、他の4名の検査者の検査者端末2からは、検査結果「不具合なし」、回答時間、検査者識別子「I001」、製品種類識別子「アイロンX」、撮影画像識別子「X0001」、予測結果「不具合なし」等を含む情報が、製品検査支援装置1に送信された、とする。
【0239】
次に、製品検査支援装置1の検査結果受信部141は、5つの各検査者端末2から検査結果等を受信する。
【0240】
次に、回答判断部127等は、5つの検査結果等を用いて、検査結果処理を行う。つまり、回答判断部127は、5つの検査結果のうち、一つが「<不具合>あり」を含むことを検知し、最終の検査結果「<不具合>あり」を取得する。なお、ここでは、製品の優良な品質の確保ため、1つでも「<不具合>あり」の検査結果が含まれる場合、最終の検査結果を「<不具合>あり」とするものとする。
【0241】
次に、検査結果出力部151は、「<不具合>あり」に対応する検査結果「<不具合>あり <不具合種類識別子>コンタミ <位置情報>(X11,Y11) <画像>不具合画像file.jpeg」を、管理者の端末(図示しない)に送信する。
【0242】
次に、管理者の端末は、当該検査結果を受信し、出力する。その結果、生産ラインの管理者は、不具合のある製品を特定でき、廃棄等を行える。かかることにより、製品の品質を高く保つことができる。
【0243】
また、回答判断部127は、
図12の検査者管理表における、検査者識別子「I001」の検査者の正解率や正解数(図示しない)を上げ、検査者識別子「I002」「I025」「I038」「I055」の検査者の正解率(図示しない)を下げ、エラー数(図示しない)を上げることにより、5名の検査者あの動的属性値を更新する、とする。
【0244】
(具体例2)
「アイロンX」の検査の開始後、1時間以上が経過し、検査者識別子「I002」で識別される検査者の今までの平均回答時間が「15秒」であったのが、疲れまたは目のかすみ等から、「50秒」の時間を要した、とする。
【0245】
つまり、製品検査支援装置1の検査結果受信部141は、検査者識別子「I002」と検査結果と回答時間「50秒」とを有する検査結果等を受信した、とする。そして、具体例1で説明した検査結果処理が行われた、とする。
【0246】
次に、トラップ画像判断部126は、トラップ画像送信条件「回答時間-平均回答時間>=20秒」を送信条件格納部115から取得する。
【0247】
次に、トラップ画像判断部126は、検査者識別子「I002」と対になる平均回答時間「15」を、検査者情報管理表(
図12)から取得する。また、トラップ画像判断部126は、受信された回答時間「50秒」を取得する。そして、トラップ画像判断部126は、「50-15>=20秒」である、と判断する。つまり、トラップ画像判断部126は、検査者識別子「I002」の回答時間がトラップ画像送信条件を満たす、と判断する。
【0248】
次に、処理部12は、判断対象の検査者が行っている検査に対応する製品の製品種類識別子「アイロンX」を取得する。
【0249】
次に、処理部12は、製品種類識別子「アイロンX」と対になるトラップ画像をトラップ画像管理表(
図13)から取得する。なお、ここで、「アイロンX」と対になる3つのトラップ画像から、任意に一つのトラップ画像(ここでは、例えば、「ID=1」のトラップ画像)を取得した、とする。また、処理部12は、トラップ画像識別子「T01」も取得する。
【0250】
次に、撮影画像送信部131は、検査者識別子「I002」の検査者の送信先情報を検査者情報管理表から取得する。次に、撮影画像送信部131は、「ID=1」のトラップ画像とトラップ画像識別子「T01」等を、取得した送信先情報が示す送信先に送信する。
【0251】
次に、検査者識別子「I002」の検査者端末2は、「ID=1」のトラップ画像とトラップ画像識別子「T01」等を受信し、出力する。
【0252】
次に、検査者識別子「I002」の検査者は、検査者端末2に、検査結果「不具合なし」を入力した、とする。
【0253】
そして、当該検査者端末2は、検査結果「不具合なし」を受け付ける。次に、端末処理部23は、回答時間等を取得する。次に、端末処理部23は、受け付けられた検査結果「不具合なし」、回答時間、トラップ画像識別子「T01」、検査者識別子「I002」等を含む情報を構成する。次に、端末送信部26は、構成された情報を、製品検査支援装置1に送信する。
【0254】
次に、製品検査支援装置1の検査結果受信部141は、検査者識別子「I002」の検査者端末2から当該検査結果等を受信する。
【0255】
次に、トラップ画像判断部126は、受信された検査結果等のトラップ画像識別子「T01」から、当該検査結果等が、トラップ画像に対応する検査結果等であると判断する。
【0256】
次に、トラップ画像判断部126は、受信された検査結果等に対応するトラップ画像に対応する正解情報「<不具合>あり <位置情報>(x
11,y
11)(x
12,y
12) <不具合種類識別子>コンタミ」をトラップ画像管理表(
図13)から取得する。次に、トラップ画像判断部126は、当該正解情報と受信された検査結果「不具合なし」とを用いて、受信された検査結果「不具合なし」が正しくない、と判断する。
【0257】
次に、撮影画像送信部131は、検査結果等を送信してきた検査者に対する不適切者処理を行う。つまり、撮影画像送信部131は、注意喚起情報「お疲れのようです。30分、休憩してください。」を、検査者識別子「I002」の検査者端末2に送信する。また、撮影画像送信部131は、今から30分間は、検査者識別子「I002」の検査者端末2に撮影画像を送信しないようにする。なお、不適切者処理に利用される注意喚起情報は、格納部11に格納されている、とする。
【0258】
次に、検査者識別子「I002」の検査者端末2は、「お疲れのようです。30分、休憩してください。」を受信し、出力する。
【0259】
以上の処理により、適切にトラップ画像を送信でき、かつトラップ画像に対応する検査結果に応じて、撮影画像の適切な送信制御ができる。
【0260】
以上、本実施の形態によれば、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信できる。
【0261】
また、本実施の形態によれば、トラップ画像を用いることにより、検査者の状態を把握できる。
【0262】
また、本実施の形態によれば、必要に応じて、不適切者処理を行うことにより、検査の正確性を増大させることができる。
【0263】
また、本実施の形態によれば、製品の検査に、クラウドワーカーの労力を有効に利用できる。
【0264】
さらに、本実施の形態によれば、機械学習の予測処理を行うことにより、検査者の検査を支援できる。
【0265】
なお、本実施の形態において、検査者決定部125は、常に、すべての検査者を決定しても良い。かかる場合の製品検査支援装置は、検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、予め決められた1以上の各検査者の検査者端末に前記撮影画像を送信する撮影画像送信部とを具備する製品検査支援装置である。
【0266】
また、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD-ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における製品検査支援装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、検査対象の製品を撮影した撮影画像を取得する撮影画像取得部と、2以上の検査者のうち、前記撮影画像を送信する1以上の検査者を決定する検査者決定部と、前記検査者決定部が決定した1以上の各検査者の検査者端末に前記撮影画像を送信する撮影画像送信部として機能させるためのプログラムである。
【0267】
また、
図15は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の製品検査支援装置1、検査者端末2を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。
図15は、このコンピュータシステム300の概観図であり、
図16は、システム300のブロック図である。
【0268】
図15において、コンピュータシステム300は、CD-ROMドライブを含むコンピュータ301と、キーボード302と、マウス303と、モニタ304とを含む。
【0269】
図16において、コンピュータ301は、CD-ROMドライブ3012に加えて、MPU3013と、CD-ROMドライブ3012等に接続されたバス3014と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM3015と、MPU3013に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM3016と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3017とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ301は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
【0270】
コンピュータシステム300に、上述した実施の形態の製品検査支援装置1等の機能を実行させるプログラムは、CD-ROM3101に記憶されて、CD-ROMドライブ3012に挿入され、さらにハードディスク3017に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ301に送信され、ハードディスク3017に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3016にロードされる。プログラムは、CD-ROM3101またはネットワークから直接、ロードされても良い。
【0271】
プログラムは、コンピュータ301に、上述した実施の形態の製品検査支援装置1等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム300がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
【0272】
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
【0273】
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0274】
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
【0275】
また、上記各実施の形態において、各処理は、単一の装置によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0276】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0277】
以上のように、本発明にかかる製品検査支援装置1は、検査対象の製品を撮影した撮影画像を適切な検査者の端末に送信できるという効果を有し、製品検査を支援するサーバ等として有用である。
【符号の説明】
【0278】
1 製品検査支援装置
2 検査者端末
11 格納部
12 処理部
13 送信部
14 受信部
15 出力部
21 端末格納部
22 端末受信部
23 端末処理部
24 端末出力部
25 端末受付部
26 端末送信部
111 教師データ格納部
112 学習モデル格納部
113 製品情報格納部
114 検査者情報格納部
115 送信条件格納部
116 トラップ画像格納部
121 学習部
122 撮影画像取得部
123 予測部
124 検査者属性値取得部
125 検査者決定部
126 トラップ画像判断部
127 回答判断部
131 撮影画像送信部
141 検査結果受信部
151 検査結果出力部