(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113044
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】特定のVMAT2阻害剤を投与するための方法
(51)【国際特許分類】
A61K 31/4375 20060101AFI20240814BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20240814BHJP
A61P 25/14 20060101ALI20240814BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20240814BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20240814BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20240814BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240814BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20240814BHJP
A61K 9/20 20060101ALI20240814BHJP
A61K 9/48 20060101ALI20240814BHJP
A61K 47/26 20060101ALI20240814BHJP
A61K 47/36 20060101ALI20240814BHJP
A61K 47/04 20060101ALI20240814BHJP
A61K 47/12 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A61K31/4375
A61P25/00
A61P25/14
A61P25/18
A61P25/24
A61P25/28
A61P43/00 111
A61P25/08
A61K9/20
A61K9/48
A61K47/26
A61K47/36
A61K47/04
A61K47/12
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024090565
(22)【出願日】2024-06-04
(62)【分割の表示】P 2022143605の分割
【原出願日】2019-08-14
(31)【優先権主張番号】62/764,889
(32)【優先日】2018-08-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/719,369
(32)【優先日】2018-08-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】398005054
【氏名又は名称】ニューロクライン バイオサイエンシーズ,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】グレース エス. リャン
(72)【発明者】
【氏名】クリストファー エフ. オブライエン
(72)【発明者】
【氏名】ダオ トゥエット タイ-クアルト
(57)【要約】
【課題】特定のVMAT2阻害剤を投与するための方法の提供。
【解決手段】バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、それを必要とする患者に投与する方法が提供される。バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、それを必要とする患者に投与する方法であって、治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップとを含み、1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ドーパミン作動系の調節不全は、神経学的および精神医学的疾患および障害を含むいくつかの中枢神経系(CNS)障害に不可欠である。これらの神経学的および精神医学的疾患および障害には、運動過剰障害、ならびに統合失調症および気分障害などの状態が含まれる。輸送体タンパク質である小胞モノアミン輸送体-2(VMAT2)は、シナプス前ドーパミン放出において重要な役割を演じており、貯蔵および放出のために、細胞質からシナプス小胞へのモノアミンの取込みを調節する。
【背景技術】
【0002】
この分野において遂げられた進歩にもかかわらず、神経学的および精神医学的疾患および障害、ならびに本明細書に記載される他の関連疾患または状態を処置するために有用な新しい治療生成物が、依然として必要とされている。このような薬剤の1つがバルベナジンであり、これは以下の化学構造を有する。
【化1】
【0003】
バルベナジン:4-トルエンスルホン酸塩(1:2)(本明細書では「バルベナジンジトシル酸塩」と呼ばれる)の製剤は、Ingrezza(登録商標)ラベルのFDA承認薬物において既に報告されている。
【0004】
VMAT2阻害剤、例えばバルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントを、それを必要とする患者に投与するための方法に対する必要は、まだ到底満たされていない。本開示は、以下の開示を参照すると明らかになる通り、これらおよび他の必要を満たす。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、それを必要とする患者に投与する方法であって、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0006】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0007】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大していない患者に投与されると予想される量と比較して低減されている量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0008】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験したことがない、それを必要とする患者に投与する方法であって、1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択され、該方法が、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0009】
本発明のこれらおよび他の態様は、以下の詳細な説明を参照すると明らかになろう。この目的を達成するために、本明細書では、特定の背景情報、手順、化合物、および/または組成物をより詳細に記載している様々な参考文献が記載され、それらはそれぞれ、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下の説明では、様々な実施形態を完全に理解できるようにするために、特定の具体的な詳細が記載される。しかし、当業者は、本発明がこれらの詳細なしに実施され得ることを理解されよう。他の場合には、実施形態の説明が不必要に曖昧になるのを回避するために、周知の構造は示されておらず、詳細に記載されてもいない。文脈によって別段必要とされない限り、本明細書および以下の特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」という用語およびその変形、例えば「含む(comprises)」および「含むこと(comprising)」は、オープンで包括的な意味で、すなわち「含むが、それに限定されるものではない」と解釈されるべきである。さらに、本明細書で提供される見出しは、単に便宜的なものであり、特許請求される発明の範囲または意味であると解釈されない。
【0011】
本明細書を通して、「一実施形態」または「1つの実施形態」または「一部の実施形態」または「特定の実施形態」への言及は、その実施形態に関連して記載される特定の特色、構造または特徴が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書を通して様々な場所における「一実施形態では」または「1つの実施形態では」または「一部の実施形態では」または「特定の実施形態では」という句の出現は、必ずしもすべて同じ実施形態に言及しているわけではない。さらに、特定の特色、構造、または特徴は、1つまたは複数の実施形態において任意の適切な方式で組み合わされ得る。
【0012】
また、本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」および「その(the)」は、内容によって別段明らかに記述されない限り、複数の指示対象を含む。
【0013】
本明細書で使用される場合、「バルベナジン」は、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステル、またはL-バリン、(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステル、またはNBI-98854と呼ぶことができる。
【0014】
本明細書で使用される場合、「(+)-α-HTBZ」は、以下の構造:
【化2】
を有するバルベナジンの活性な代謝産物である化合物を意味する。(+)-α-HTBZは、(2R,3R,11bR)、または(+)-α-DHTBZ、または(+)-α-HTBZ、またはR,R,R-DHTBZ、または(+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール、または(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール、またはNBI-98782と呼ぶことができる。
【0015】
本明細書で使用される場合、「NBI-136110」は、以下の構造:
【化3】
を有するバルベナジンの代謝産物である化合物を意味する。
【0016】
本明細書で使用される場合、「同位体バリアント」は、このような化合物を構成する原子の1つまたは複数において非天然の割合の同位体を含有する化合物を意味する。特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、それに限定されるものではないが、水素(1H)、重水素(2H)、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-14(14O)、酸素-15(15O)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、酸素-18(18O)、フッ素-17(17F)、フッ素-18(18F)、リン-31(31P)、リン-32(32P)、リン-33(33P)、硫黄-32(32S)、硫黄-33(33S)、硫黄-34(34S)、硫黄-35(35S)、硫黄-36(36S)、塩素-35(35Cl)、塩素-36(36Cl)、塩素-37(37Cl)、臭素-79(79Br)、臭素-81(81Br)、ヨウ素-123(123I)、ヨウ素-125(125I)、ヨウ素-127(127I)、ヨウ素-129(129I)、およびヨウ素-131(131I)を含む、非天然の割合の1つまたは複数の同位体を含有する。特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、安定な形態、すなわち非放射性である。特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、それに限定されるものではないが、水素(1H)、重水素(2H)、炭素-12(12C)、炭素-13(13C)、窒素-14(14N)、窒素-15(15N)、酸素-16(16O)、酸素-17(17O)、および酸素-18(18O)を含む、非天然の割合の1つまたは複数の同位体を含有する。特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、不安定な形態、すなわち放射性である。特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、それに限定されるものではないが、トリチウム(3H)、炭素-11(11C)、炭素-14(14C)、窒素-13(13N)、酸素-14(14O)、および酸素-15(15O)を含む、非天然の割合の1つまたは複数の同位体を含有する。本明細書で提供される化合物において、当業者の判断に従って実現可能な場合には、任意の水素は、一例として2Hであってよく、または任意の炭素は、一例として13Cであってよく、または任意の窒素は、一例として15Nであってよく、任意の酸素は、一例として18Oであってよいことを理解されよう。特定の実施形態では、化合物の「同位体バリアント」は、非天然の割合の重水素を含有する。
【0017】
本明細書で提供される化合物に関して、特定の原子位置が、重水素または「D」または「d」を有すると指定される場合、その位置における重水素の存在量は、重水素の天然存在量である約0.015%を実質的に超えると理解される。重水素を有すると指定される位置は、典型的に、指定の各重水素位置において、特定の実施形態では、少なくとも1000(15%の重水素組込み)、少なくとも2000(30%の重水素組込み)、少なくとも3000(45%の重水素組込み)、少なくとも3500(52.5%の重水素組込み)、少なくとも4000(60%の重水素組込み)、少なくとも4500(67.5%の重水素組込み)、少なくとも5000(75%の重水素組込み)、少なくとも5500(82.5%の重水素組込み)、少なくとも6000(90%の重水素組込み)、少なくとも6333.3(95%の重水素組込み)、少なくとも6466.7(97%の重水素組込み)、少なくとも6600(99%の重水素組込み)、または少なくとも6633.3(99.5%の重水素組込み)の最小限の同位体濃縮係数を有する。本明細書で提供される化合物の同位体濃縮は、質量分析、核磁気共鳴分光法、および結晶学を含む、当業者に公知の従来の分析方法を使用して決定することができる。
【0018】
本明細書で使用される場合、「多動性障害」または「運動過剰障害」または「運動過剰症」は、過度の異常な不随意性運動によって特徴付けられる神経学的障害または疾患を指す。これらの神経学的障害には、振戦、ジストニア、ミオクローヌス、アテトーシス、ハンチントン病(ハンチントン病と関連する舞踏病を含む)、遅発性ジスキネジア、トゥーレット症候群、ジストニア、片側バリズム、舞踏病、老人性舞踏病、チック(またはチック障害)、運動失調、または不穏下肢症候群が含まれる。
【0019】
本明細書で使用される場合、「遅発性症候群」は、それに限定されるものではないが、遅発性ジスキネジア、遅発性ジストニア、遅発性アカシジア、遅発性チック、ミオクローヌス、振戦および急性離脱症候群(withdrawal-emergentsyndrome)を包含する。遅発性
ジスキネジアは、顔、四肢、または体躯の急速な反復性の常同性不随意性運動によって特徴付けられる。
【0020】
本明細書で使用される場合、「約」は、記載される値の±20%を意味し、より具体的には、記載される値の±10%、±5%、±2%および±1%の値を含む。
【0021】
本明細書で使用される場合、「AUC」は、投薬事象後の、医薬活性成分または代謝産物の経時的な血漿濃度の曲線下面積または積分を指す。
【0022】
本明細書で使用される場合、「AUC0~t」は、時間0(投薬)から時間「t」までの血漿濃度曲線下の積分である。
【0023】
本明細書で使用される場合、「AUC0~∞」は、時間0(投薬)から時間無限大までのAUCである。別段記述されない限り、AUCは、AUC0~∞を指す。しばしば、薬物は、塩形態、例えばバルベナジンジトシル酸塩でパッケージされ、剤形強度は、この塩形態の質量または対応する遊離塩基であるバルベナジンの等価質量を指す。
【0024】
本明細書で使用される場合、Cmaxは、医薬活性成分の送達後に観察された最大血漿濃度を示す、薬物動態パラメーターである。Cmaxは、最大血漿濃度の時間、tmaxにおいて生じる。
【0025】
本明細書で使用される場合、「同時投与する」および「同時投与」およびその変形は、少なくとも2つの薬物を、互いに続いて、同時に、または結果的に時間的に近接して(例えば、同日にもしくは1週間以内にもしくは30日間以内に、または少なくとも2つの薬物のそれぞれが血漿中に同時に検出され得るのに十分近接して)、患者に投与することを意味する。2つまたはそれよりも多い活性剤が同時投与される場合、同じ組成物の一部として同時に製剤化することができ、または別個の製剤として投与することができる。これは、本明細書では、「併用」投与またはその変形と呼ぶこともできる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「投与の調整」、「投与の変更」、「投薬の調整」、または「投薬の変更」は、すべて等価であり、物質の用量の漸減、低減もしくは増大、患者への物質の投与の停止、または異なる活性剤によるその物質の置換を意味する。
【0027】
本明細書で使用される場合、「患者への投与」は、当該技術分野において認識されている導入手段を介して、組成物または剤形を患者に導入する過程を指す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「22q11.2欠失症候群」(22q11.2DS)は、口蓋心臓顔面症候群(「VCFS」)、ディジョージ症候群、CATCH22としても公知であり、頻度は低いがディジョージシークエンス(DiGeorgesequence)、微小欠失22q11.2、モノソミー22q11、円錐動脈幹異常顔貌症候群(Conotruncalanomaly
facesyndrome)、Sedlackova症候群、シュプリンツェン症候群、高尾症候群
、またはCayler心臓顔面症候群と呼ばれる。22q11.2欠失症候群は、バンドq11.2における第22番染色体上の遺伝子の欠失から生じる常染色体優性遺伝子状態である。VCFSを有する個体のおよそ90%は、VCFSと特異的に関連するCOMTおよびTBX1の2つの遺伝子の欠失と共に、3Mb欠失を有する。個体のわずか約10%が、より小さい1.5Mb欠失を有するが、これは、典型的にTBX1およびCOMTの欠失も含む。しかし、VCFSに関係するすべての遺伝子が特定されているわけではない。
【0029】
本明細書で使用される場合、「COMT」は、ドーパミン、エピネフリンおよびノルエピネフリンを含むカテコール化合物を調節するための非常に重要な酵素である。VCFSを有する個体は、正常な被験体と比較して、COMT mRNA、COMTタンパク質の発現、および酵素活性がおよそ50%低い。VCFSの特徴的な行動上の症状発現は、COMTハプロ不全から生じるドーパミン調節不全と関係し得る。しかしそのことは、低活性COMT対立遺伝子の存在によって複雑化して、VCFSを有する患者においてさらなる調節不全をもたらすおそれがある。COMTは、一般的な機能的多型であるVal158Met(rs4680)を含有し、それによって酵素活性が変化する。Met対立遺伝子の単一コピーを有するVCFSを有する個体は、COMT活性が著しく低い。COMT Val対立遺伝子を担持するVCFS成人と比較して、Met対立遺伝子を担持するヒトは、精神障害、他の精神神経症候群のリスクが増大しており、より重度の認知欠損を有する傾向がある。
【0030】
本明細書で使用される場合、「障害」という用語は、そのすべてが正常な機能を損なうヒトまたは動物の身体またはその一部の1つの異常な状態を反映し、典型的に、際立った徴候および症候によって顕在化しているという点で、「疾患」、「症候群」および「状態」(病状におけるような)という用語と一般に同義であることが企図され、それらと交換可能に使用される。
【0031】
本明細書で使用される場合、「用量」は、患者によって一度に摂取されるように測定された、活性剤の量を意味する。特定の実施形態では、活性剤がバルベナジン遊離塩基でない場合、その量は、バルベナジン遊離塩基の対応する量に対するモル当量である。例えば、しばしば薬物は、薬学的に許容される塩形態、例えばバルベナジンジトシル酸塩でパッケージされ、強度に関する投薬量は、対応する遊離塩基であるバルベナジンのモル当量の質量を指す。一例として、73mgのバルベナジントシル酸塩は、40mgのバルベナジン遊離塩基のモル当量である。
【0032】
本明細書で使用される場合、「投薬レジメン」は、患者によって初回に摂取された活性剤の用量、および活性剤の任意のその後の用量が患者によって摂取される間隔(時間的または症候的)、例えば1日1回約20~約160mg、例えば1日1回約20mg、約40mg、約60mg、約80mg、約100mg、約120mg、または約160mgを意味する。活性剤のさらなる用量は、初回に摂取された用量とは異なっていてよい。
【0033】
本明細書で使用される場合、薬剤、化合物、薬物、組成物または組合せの「有効量」および「治療有効量」は、非毒性であり、被験体または患者(例えば、ヒト被験体または患者)に投与するといくらか望ましい治療効果をもたらすのに有効な量である。被験体のための正確な治療有効量は、例えば、被験体のサイズおよび健康、状態の性質および程度、投与のために選択された治療薬または治療薬の組合せ、ならびに当業者に公知の他の変数に応じて変わり得る。所与の状況のための有効量は、日常的な実験方法によって決定され、臨床医の判断の範囲内である。
【0034】
本明細書で使用される場合、「過敏症」または「過敏症反応」は、薬物および/またはその代謝産物に起因する免疫学的感作を指す。一般に、以下の4つのタイプの過敏症がある。
I型、IgE媒介性-全身性過敏症(例えば、アナフィラキシーおよびじんま疹)および呼吸器過敏症(例えば、喘息)を含む、即時型過敏症。
II型、IgGまたはIgM媒介性-抗体媒介性の細胞傷害性反応、およびIII型、IgG媒介性-免疫複合体反応(全身性または臓器過敏症反応としばしば同時に生じ、一般にそれらと関連する)。IIおよびIII型免疫病には、貧血、白血球減少症、血小板減少症、肺炎、血管炎、狼瘡様反応または糸球体腎炎(glomeronephritis)が含まれる。
IV型、Tリンパ球媒介性-遅延型過敏症応答(最も一般的には、遅延型過敏症皮膚反応として生じる)。
【0035】
本明細書で使用される場合、「通知する」は、出版物を参照または提供すること、例えば、活性剤を出版物と共に使用者に提供すること、あるいは例えば、セミナー、会議もしくは他の教育的提示における提示によって、医療品販売担当者と医療従事者との会話によって、または医療従事者と患者との会話によって、情報を口頭で提示すること、あるいは理解を目的として企図された情報を使用者に示すことを意味する。
【0036】
本明細書で使用される場合、「ラベリング」は、医薬生成物もしくは剤形上にあるか、またはこのような医薬生成物もしくは剤形に添付されている、文書による、印刷による、図解的な、電子的な、言語的な、または実証的な伝達のすべてのラベルまたは他の手段を意味する。
【0037】
本明細書で使用される場合、「医療従事者」は、安全性、有効性、投薬、投与、または薬物動態に関する情報を含む、活性剤の剤形を含む活性剤に関する情報を必要とし得るか、または利用し得る、医療ケア分野の従事者を意味する。医療従事者の例として、医師、薬剤師、医師助手、看護師、看護助手(aide)、介護者(家族の一員または保護者を含み得る)、緊急医療従事者、および獣医が挙げられる。
【0038】
本明細書で使用される場合、「医薬品ガイド」は、医薬生成物をどのように安全に使用するかに関する患者のための情報を含有する、規制当局(例えば、FDA、EMEA、または他の等価な規制当局)によって承認された医薬生成物のための患者用ラベリングを意味する。医薬品ガイドは、科学的に正確であり、医薬生成物について承認された専門的ラベリングに基づき、それと矛盾しないが、その言語は、それが対応する承認されたラベリングのセクションと同一である必要はない。医薬品ガイドは、典型的に、特別なリスク管理情報を伴う医薬生成物について利用可能である。
【0039】
本明細書で使用される場合、「患者」または「個体」または「被験体」は、治療が望まれる、ヒトを含む哺乳動物を意味し、一般に治療のレシピエントを指す。
【0040】
本明細書で使用される場合、「患者用パッケージ挿入物」は、規制当局(例えば、FDA、EMEA、または他の等価な規制当局)によって承認されている医薬生成物をどのように安全に使用するかに関する、患者のための情報を意味する。患者用パッケージ挿入物は、生成物が調剤されるときに患者に配布され得る、生成物に関する消費者向けの情報を平易な原語で提供する、医薬生成物についての専門的ラベリングの延長線にあり、例えば、利益、リスク、リスクをどのように認識するか、投薬量、または投与について記載することができる。
【0041】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される」は、生物学的にもその他の方式でも望ましい材料を指し、すなわちその材料は、任意の望ましくない生物学的作用を引き起こすことも、その材料が含有される組成物のその他の構成成分のいずれとも有害な方式で相互作用することもなく、患者に投与される医薬組成物に組み込むことができる。「薬学的に許容される」という用語が、医薬担体または賦形剤に言及して使用される場合、その担体または賦形剤が、必要とされる毒性試験および製造試験の標準を満たしていること、または米国食品医薬局によって準備された不活性成分ガイドに含まれていることを含意している。「薬理学的に活性な」(または「活性な」)誘導体またはアナログにおけるような、「薬理学的に活性な」(または単に「活性な」)は、親化合物と同じタイプの薬理学的活性を有し、およそ等価な度合いの誘導体またはアナログを指す。「薬学的に許容される塩」という用語には、無機酸または有機酸を用いて形成される酸付加塩が含まれる。遊離カルボキシル基を用いて形成された塩は、無機塩基および有機塩基から誘導することもできる。適切な塩の一覧は、Remington'sPharmaceuticalSciences, 17.sup.th Ed., (MackPublishingCompany, Easton, 1985),p. 1418, Bergeet al., J. Pharm. Sci.,1977,66(1),1-19およびStahl et al.,Handbook ofPharmaceutical Salts: Properties,Selection,and Use, (Wiley, 2002)に見出すことができる。
【0042】
薬学的に許容される塩は、例えば、以下の酸から形成することができる。1-ヒドロキシ-2-ナフトエ酸、2,2-ジクロロ酢酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、2-オキソグルタル酸、4-アセトアミド安息香酸、4-アミノサリチル酸、酢酸、アジピン酸、アスコルビン酸(L)、アスコルビン酸(D)、アスパラギン酸(L)、アスパラギン酸(D)、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、ショウノウ酸(+)、ショウノウ酸(-)、カンファー-10-スルホン酸(+)、カンファー-10-スルホン酸(-)、カプリン酸(デカン酸)、カプロン酸(ヘキサン酸)、カプリル酸(オクタン酸)、炭酸、ケイ皮酸、クエン酸、シクラミン酸、ドデシル硫酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、ガラクタル酸、ゲンチシン酸、グルコヘプトン酸(D)、グルコヘプトン酸(L)、グルコン酸(D)、グルコン酸(L)、グルクロン酸(D)、グルクロン酸(l)、グルタミン酸、グルタル酸、グリセロリン酸、グリコール酸、馬尿酸、臭化水素酸、塩酸、イソ酪酸、乳酸(DL)、ラクトビオン酸、ラウリン酸、マレイン酸、リンゴ酸(-L)、リンゴ酸(D)、マロン酸、マンデル酸(DL)、メタンスルホン酸、ナフタレン-1,5-ジスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ニコチン酸、硝酸、オレイン酸、シュウ酸、パルミチン酸、パモ酸、リン酸、プロピオン酸、ピログルタミン酸(-L)、ピログルタミン酸(D)、サリチル酸、セバシン酸、ステアリン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸(+L)、酒石酸(D)、チオシアン酸、トルエンスルホン酸(p)、および/またはウンデシレン酸。
【0043】
薬学的に許容される塩基付加塩は、金属またはアミン、例えばアルカリおよびアルカリ土類金属または有機アミンを用いて形成され得る。無機塩基から誘導された塩には、それに限定されるものではないが、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウム塩等が含まれる。有機塩基から誘導された塩には、それに限定されるものではないが、第一級、第二級、および第三級アミン、天然に存在する置換アミンを含む置換アミン、環式アミンおよび塩基性イオン交換樹脂、例えば、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、2-ジメチルアミノエタノール、2-ジエチルアミノエタノール、ジシクロヘキシルアミン、リシン、アルギニン、ヒスチジン、カフェイン、プロカイン、N,N-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、ヒドラバミン、コリン、ベタイン、エチレンジアミン、エチレンジアニリン、N-メチルグルカミン、グルコサミン、メチルグルカミン、テオブロミン、プリン、ピペラジン、ピペリジン、N-エチルピペリジン、ポリアミン樹脂等の塩が含まれる。上記のBergeらを参照されたい。
【0044】
本明細書で使用される場合、「生成物」または「医薬生成物」は、活性剤の剤形に、出版物および必要に応じてパッケージングを加えたものを意味する。
【0045】
本明細書で使用される場合、「生成物挿入物」は、医薬生成物についての専門的ラベリング(処方情報)、医薬生成物についての患者用パッケージ挿入物、または医薬生成物のための医薬品ガイドを意味する。
【0046】
本明細書で使用される場合、「専門的ラベリング」または「処方情報」は、医薬生成物の販売を規制する規制当局(例えば、FDA、EMEA、または他の等価な規制当局)によって承認された医薬生成物の公式な説明を意味し、この説明は、薬物の安全で有効な使用のために必要な必須の科学的情報の概要、例えば適応症および使用法、投薬量および投与、誰が摂取すべきかについて、有害事象(副作用)、特別な集団(妊娠中の女性、子ども、高齢者等)での使用についての指示、患者のための安全性情報などを含む。
【0047】
本明細書で使用される場合、「出版物」は、印刷媒体、音声媒体、視覚媒体もしくは電子媒体、例えば小冊子、広告物、生成物挿入物、印刷されたラベリング、インターネットウェブサイト、インターネットウェブページ、インターネットポップアップウィンドウ、ラジオもしくはテレビ放送、コンパクトディスク、DVD、録音物、または他の記録媒体もしくは電子媒体を含む、情報を提供する媒体を意味する。
【0048】
本明細書で使用される場合、「リスク」は、医学的処置から生じる有害反応、傷害、または他の望ましくない転帰の確率または見込みを意味する。「許容されるリスク」は、個体または群が耐えられる、医学的処置から生じる損害、傷害、または疾患のリスクの尺度を意味する。リスクは、それが「許容される」かどうかは、個体または群が、そのリスクと引き換えに得ることができると捉える利点、個体または群が、そのリスクの規模に関していかなる科学的アドバイスおよび他のアドバイスが提供されるかを許容するかどうか、ならびに政治的および社会的両方の数々の他の因子に応じて決まる。有害反応の「許容されるリスク」は、有害反応が、発生の確率が小さいか、または結果が極めて微小であるか、または活性剤の利益(認識されるかまたは実際の)が非常に大きい有害反応であるため、社会での個体または群が、有害反応が生じるおそれがあるリスクを負うまたは受けることを厭わないことを意味する。有害反応の「許容されないリスク」は、社会での個体または群が、有害反応の発生の確率、有害反応の結果、および活性剤の利益(認識されるかまたは実際の)を天秤にかけて、有害反応が生じるおそれがあるリスクを負うまたは受けることに抵抗を示すことを意味する。「リスクがある」は、高レベルのリスクまたは感受性を特徴とする状況または状態にあることを意味する。リスク評価は、生成物の使用と関連するリスクの性質、頻度、および重症度を特定し、それを特徴付けることからなる。
【0049】
本明細書で使用される場合、「安全性」は、患者に関係する因子(例えば、年齢、性別、民族、人種、標的疾病、腎臓または肝臓機能の異常、併存症疾病、遺伝的特徴、例えば代謝的状況または環境)および活性剤に関係する因子(例えば、用量、血漿レベル、曝露期間、または併用医薬品)と関連する有害作用を含む、活性剤の投与と関連する有害事象の発生率または重症度を意味する。
【0050】
本明細書で使用される場合、「tmax」は、医薬活性成分の送達後に最大血漿濃度になるまでの時間を示す、薬物動態パラメーターである。
【0051】
本明細書で使用される場合、「t1/2」または「血漿半減期」または「排出半減期」等は、見かけの血漿終末相半減期、すなわち薬物の吸収および分布が完了した後に血漿濃度が半分に低下するのにかかる時間を示す、薬物動態パラメーターである。
【0052】
本明細書で使用される場合、「処置する」または「処置」は、障害の進行を緩徐もしくは停止させるための治療的適用、障害の発生を防止するための予防的適用、および/または障害の逆転を指す。障害の逆転は、逆転させる方法を用いると、障害の進行を完全に停止させるだけでなく、細胞挙動が、障害の非存在下で観察されるはずの正常状態にある程度まで向かうという点で、障害を緩徐または停止させる治療的適用とは異なる。
【0053】
本明細書で使用される場合、「VMAT2」は、モノアミン、特にドーパミン、ノルエピネフリン、セロトニン、およびヒスタミンなどの神経伝達物質を、細胞サイトゾルからシナプス小胞に輸送するように作用する膜内在性タンパク質である、ヒト小胞モノアミン輸送体アイソフォーム2を指す。
【0054】
本明細書で使用される場合、「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」、または「VMAT2の阻害」という用語は、本明細書に開示される化合物の、VMAT2の機能を変える能力を指す。VMAT2阻害剤は、その阻害剤およびVMAT2の間の可逆的もしくは不可逆的な共有結合を形成することによって、または非共有結合によって結合した複合体の形成を介して、VMAT2の活性を遮断または低減することができる。このような阻害は、特定の細胞型だけに現れ得るか、または特定の生物学的事象に左右され得る。「VMAT2阻害剤」、「VMAT2を阻害する」、または「VMAT2の阻害」という用語はまた、VMAT2および天然基質の間で複合体が形成される確率を低減することによって、VMAT2の機能を変えることを指す。
【0055】
バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、それを必要とする患者に投与する方法であって、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0056】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0057】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大していない患者に投与されると予想される量と比較して低減されている量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0058】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、それを必要とする患者に投与する方法であって、
40mgの量の初期用量のVMAT2阻害剤を1日1回投与し、1週間後、80mgの量の増大用量のVMAT2阻害剤を1日1回投与するステップと、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0059】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
40mgの量の初期用量のVMAT2阻害剤を1日1回投与し、1週間後、80mgの量の増大用量のVMAT2阻害剤を1日1回投与するステップと、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0060】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大していない患者に投与されると予想される量と比較して低減されている量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと(リスクが増大していない患者に投与されると予想される量は、1日1回の40mgの量の初期用量のVMAT2阻害剤および1週間後の1日1回の80mgの量の増大用量のVMAT2阻害剤を含む)、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0061】
一部の実施形態では、該方法は、1つまたは複数の曝露関連有害反応に耐える患者の能力に基づいて、VMAT2阻害剤の量を低減するステップをさらに含む。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約10%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約20%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約30%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約40%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約50%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約60%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約70%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約80%低減される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤の量は、少なくとも約90%低減される。
【0062】
特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の治療有効量は、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与されると予想される量よりも10~90%少ない。
【0063】
特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の治療有効量は、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与されると予想される量よりも20~80%少ない。
【0064】
特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の治療有効量は、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与されると予想される量よりも30~70%少ない。
【0065】
特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の治療有効量は、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与されると予想される量よりも40~60%少ない。
【0066】
特定の実施形態では、VMAT2阻害剤の治療有効量は、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与されると予想される量よりも約50%少ない。
【0067】
例えば、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与されると予想される量が、1日当たり40mgである場合、個体は、1日当たり36mg、32mg、28mg、24mg、20mg、16mg、12mg、8mg、または4mgの低減された投薬量を受けることができる。同様に、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与されると予想される量が、1日当たり80mgである場合、個体は、1日当たり72mg、64mg、56mg、48mg、40mg、32mg、24mg、16mg、または8mgの低減された投薬量を受けることができる。
【0068】
例えば、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与される投薬量が、1日当たり40mgである場合、個体は、1日当たり4~36mg、例えば、1日当たり8~32mg、例えば1日当たり12~28mg、例えば、1日当たり16~24mg、または特定の実施形態では、1日当たり約20mgの低減された投薬量を受けることができる。VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与される投薬量が、1日当たり80mgである場合、個体は、1日当たり8~72mg、例えば、1日当たり16~64mg、例えば1日当たり24~56mg、例えば、1日当たり32~48mg、または特定の実施形態では、1日当たり約24mgの低減された投薬量を受けることができる。
【0069】
例えば、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与される投薬量が、1日当たり40mgである場合、個体は、1日当たり5~35mg、例えば、1日当たり10~30mg、例えば1日当たり15~30mg、例えば、1日当たり15~25mg、または特定の実施形態では、1日当たり約20mgもしくは1日当たり約30mgの低減された投薬量を受けることができる。VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者に投与される投薬量が、1日当たり80mgである場合、個体は、1日当たり5~75mg、例えば、1日当たり10~70mg、例えば1日当たり15~65mg、例えば、1日当たり20~60mg、例えば、1日当たり25~55mg、例えば、1日当たり30~50mg、または特定の実施形態では、1日当たり約40mgの低減された投薬量を受けることができる。
【0070】
特定の実施形態では、治療有効量は、低減されない。
【0071】
一部の実施形態では、該方法は、1つまたは複数の曝露関連有害反応に耐える患者の能力に基づいて、VMAT2阻害剤の投与を中断するステップをさらに含む。
【0072】
一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者は、アレルギーの病歴を有する。一部の実施形態では、患者は、1つもしくは複数の薬物、例えば、ペニシリンもしくはパロキセチンに対して、1つもしくは複数のタイプの食品、例えば、卵、乳、ピーナッツ、木の実、魚、甲殻類、小麦もしくは大豆に対して、および/またはネコに対して、アレルギーの病歴を有する。一部の実施形態では、患者は、じんま疹の病歴を有する。
【0073】
一部の実施形態では、該方法は、1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験している患者に、ステロイドおよび抗ヒスタミン薬から選択される1つまたは複数の医薬品を投与するステップをさらに含む。一部の実施形態では、ステロイドは、全身性グルココルチコイド、例えばプレドニゾンである。一部の実施形態では、ステロイドは、ヒドロコルチゾンクリームである。一部の実施形態では、抗ヒスタミン薬は、ジフェンヒドラミンである。
【0074】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない、それを必要とする患者に投与する方法であって、1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択され、該方法が、治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップを含む、方法が提供される。
【0075】
また、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない、それを必要とする患者に投与する方法であって、1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択され、該方法が、40mgの量の初期用量のVMAT2阻害剤を1日1回投与し、1週間後、80mgの量の増大用量のVMAT2阻害剤を1日1回投与するステップを含む、方法が提供される。
【0076】
一部の実施形態では、投与の前に、患者は、VMAT2阻害剤を投与されたことがなかった。
【0077】
一部の実施形態では、投与の前に、患者は、VMAT2阻害剤を投与されたことがあり、その患者は、1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験したことがなかった。
【0078】
一部の実施形態では、投与の前に、患者は、VMAT2阻害剤を投与されたことがあり、かつ1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験したことがあり、その際に患者に投与されていたVMAT2阻害剤の量が低減され、その後、その患者は、その低減された量で1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験しなかった。
【0079】
一部の実施形態では、該方法は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の曝露関連有害反応をもたらし得ることを、患者または医療従事者に通知するステップをさらに含む。
【0080】
一部の実施形態では、該方法は、患者へのVMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクの増大をもたらし得ることを、患者または医療従事者に通知するステップをさらに含む。
【0081】
一部の実施形態では、該方法は、患者に、あらゆる曝露関連有害反応を医療従事者に報告するよう通知するステップをさらに含む。
【0082】
一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、過敏症反応から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、皮膚科学的反応を伴うまたは伴わない過敏症反応から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、皮膚科学的反応を伴う過敏症反応から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、皮膚科学的反応を伴わない過敏症反応から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、アレルギー性皮膚炎、血管性浮腫、掻痒症、およびじんま疹から選択される。
【0083】
一部の実施形態では、過敏症は、I型過敏症である。一部の実施形態では、過敏症は、IV型過敏症である。
【0084】
一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、じんま疹、掻痒症、アレルギー性皮膚炎、および血管性浮腫から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、じんま疹、アレルギー性皮膚炎、および血管性浮腫から選択される。一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、過敏症反応および発疹である。
【0085】
一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、発疹、じんま疹、および血管性浮腫に合致した反応から選択される。
【0086】
一部の実施形態では、1つまたは複数の曝露関連有害反応は、血管性浮腫に合致した反応から選択される。一部の実施形態では、血管性浮腫に合致した1つまたは複数の曝露関連有害反応は、顔、唇および口の腫脹、ならびに呼吸困難から選択される。
【0087】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために患者に投与される。一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、運動過剰障害、気分障害、双極性障害、統合失調症、統合失調性感情障害、気分障害における躁病、気分障害におけるうつ病、処置抵抗性強迫性障害、レッシュ-ナイハン症候群と関連する神経学的機能不全、アルツハイマー病と関連する激越、脆弱X症候群もしくは脆弱X関連振戦-運動失調症候群、自閉症スペクトル障害、レット症候群、または舞踏病有棘赤血球増加である。
【0088】
一部の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害は、運動過剰障害である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、遅発性ジスキネジアである。一部の実施形態では、運動過剰障害は、トゥーレット症候群である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、ハンチントン病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、チックまたはチック障害(例えば、トゥーレット症候群)である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、ハンチントン病と関連する舞踏病である。一部の実施形態では、運動過剰障害は、運動失調、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群、または振戦である。
【0089】
一部の実施形態では、患者は、22q11.2欠失症候群を有すると決定されている。一部の実施形態では、患者は、22q11.2欠失症候群を有することに起因して、精神医学的障害を発症する素因がある。
【0090】
一部の実施形態では、患者は、COMTハプロ不全を有すると決定されている。一部の実施形態では、患者は、COMTハプロ不全を有することに起因して、精神医学的障害を発症する素因がある。
【0091】
一部の実施形態では、患者は、心血管系の先天性欠陥を有する。一部の実施形態では、患者は、低カルシウム血症および/または副甲状腺機能低下症を有する。一部の実施形態では、患者は、甲状腺機能低下症または甲状腺機能亢進症を有する。一部の実施形態では、患者は、肥満である。一部の実施形態では、患者は、再発性発作を有する。
【0092】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、経口投与される。
【0093】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、錠剤またはカプセル剤の形態で投与される。
【0094】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、食品を伴ってまたは伴わずに投与される。
【0095】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントである。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジントシル酸塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジンのジトシル酸塩である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、L-バリン、(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシ-d3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステルまたは薬学的に許容されるその塩である同位体バリアントである。
【0096】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mg~約160mgの間のバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約60mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約120mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される。
【0097】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、第1の期間に第1の量で投与され、次にその量は、第2の量に増大される。一部の実施形態では、第1の期間は、1週間である。一部の実施形態では、第1の量は、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等価である。一部の実施形態では、第2の量は、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等価である。
【0098】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngの間の最大血漿濃度(Cmax)の(+)-α-DHTBZおよび血漿1mL当たり少なくとも15ngの最小血漿濃度(Cmin)の(+)-α-DHTBZを、8時間にわたって達成するのに十分な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngの間の最大血漿濃度(Cmax)の(+)-α-DHTBZおよびCmaxのおよそ少なくとも約33%~50%の間の最小血漿濃度(Cmin)を、12時間にわたって達成するのに十分な量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(i)血漿1mL当たり約15ng~約60ngの治療濃度範囲の(+)-α-DHTBZ、および(ii)血漿1mL当たり少なくとも15ngの閾値濃度の(+)-α-DHTBZを、約8時間~約24時間にわたって達成するのに十分な量で投与される。
【0099】
特定の実施形態では、R,R,R-DHTBZのCmaxは、血漿1mL当たり、約15ng、約20ng、約25ng、約30ng、約35ng、約40ng、約45ng、約50ng、約55ngまたは約60ngである。特定の実施形態では、R,R,R-DHTBZのCminは、8時間、12時間、16時間、20時間、24時間、28時間、または32時間にわたって、血漿1mL当たり、少なくとも15ng、少なくとも20ng、少なくとも25ng、少なくとも30ng、または少なくとも35ngである。特定の実施形態では、R,R,R-DHTBZのCminは、約15ng/mL~約35ng/mLの間である。
【0100】
特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよびCmaxのおよそ少なくとも33%のCminを24時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよびCmaxのおよそ少なくとも50%のCminを、24時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよびCmaxのおよそ少なくとも約33%~50%の間のCminを、24時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。
【0101】
特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよびCmaxのおよそ少なくとも33%のCminを、12時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよびCmaxのおよそ少なくとも50%のCminを、12時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよびCmaxのおよそ少なくとも約33%~50%の間のCminを、12時間にわたって提供するのに十分な量で投与される。
【0102】
特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよび血漿1mL当たり約5ng~約30ngの間のCminを、24時間にわたって提供する量で、被験体に投与される。特定の実施形態では、医薬組成物は、血漿1mL当たり約15ng~約60ngのCmaxのR,R,R-DHTBZおよび血漿1mL当たり約7.5ng~約30ngの間のCminを、24時間にわたって提供する量で、被験体に投与される。
【0103】
特定の実施形態では、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するための方法であって、医薬活性成分としてのVMAT2阻害剤を含む医薬組成物を、(i)血漿1mL当たり約15ng~約60ngの治療濃度範囲のR,R,R-DHTBZ、および(ii)血漿1mL当たり少なくとも15ngの閾値濃度のR,R,R-DHTBZを、約8時間~約24時間にわたって提供するのに十分な量で被験体に投与するステップを含む、方法が本明細書において提供される。
【0104】
特定の実施形態では、治療濃度範囲は、血漿1mL当たり約15ng~約35ng、約40ngまで、約45ngまで、約50ngまで、または約55ngまでのR,R,R-DHTBZである。
【0105】
特定の実施形態では、R,R,R-DHTBZの閾値濃度は、約8時間、約12時間、約16時間、約20時間、約24時間、約28時間、または約32時間にわたって、血漿1mL当たり、約15ng、約20ng、約25ng、約30ng、約35ng、約40ng、約45ng、約50ng、約55ngまたは約60ngである。特定の実施形態では、R,R,R-DHTBZの閾値濃度は、約8時間~約24時間にわたって、約15ng/mL~約35ng/mLの間である。
【0106】
血漿濃度は、当技術分野で公知の方法によって、一般にタンデム質量分析法によって測定することができる。
【0107】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩である。バルベナジンは、(S)-2-アミノ-3-メチル-酪酸(2R,3R,11bR)-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-イルエステルとも呼ばれる。バルベナジンは、それぞれその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,039,627号、同第8,357,697号、および米国特許出願第15/388,960号に従って調製することができる。特定の実施形態では、本明細書で提供される組成物および方法において使用するためのバルベナジンは、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/338,214号に開示される通りの多形形態Iである。統合失調症または統合失調性感情障害を処置するためのバルベナジンの使用は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2018/102673に記載されている。運動過剰障害を処置するためのバルベナジンの使用は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第2017/071932号に記載されている。バルベナジンを製剤化するための方法は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2019/060322に見出される。双極性障害における躁病を処置するためのVMAT2阻害剤は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるWO2016/210180に記載されている。
【0108】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジンである。テトラベナジンは、それぞれその開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、PCT公報WO2010/018408、WO2011/019956、およびWO2014/047167に開示されている製剤化を含む、様々な方法によって投与することができる。
【0109】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、L-バリン、(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシ-d3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステルまたは薬学的に許容されるその塩である同位体バリアントである。
【0110】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、テトラベナジン(9,10-ジメトキシ-3-イソブチル-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オン)、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントである。一部の実施形態では、テトラベナジンは、テトラベナジンのRR、SS、RSおよびSR異性体、ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、テトラベナジンは、RRおよびSS異性体の混合物である。
【0111】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、デューテトラベナジンである。
【0112】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、ジヒドロテトラベナジン(2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-ベンゾ(a)キノリジン)、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される。一部の実施形態では、ジヒドロテトラベナジンは、ジヒドロテトラベナジンのRRR、SSS、SSRR、RSS、SSR、RRS、RSRおよびSRS異性体、ならびにそれらの混合物から選択される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、RRR異性体((+)-α-3-イソブチル-9,10-ジメトキシ-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール)、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントである。
【0113】
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、(2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-(ジメトキシ-d3)-ベンゾ(a)キノリジン)、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアント(さらに、RRR、SSS、SSRR、RSS、SSR、RRS、RSRおよびSRS異性体、ならびにそれらの混合物から選択される)である。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、RRR異性体((+)-α-3-イソブチル-9,10-(ジメトキシ-d3)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-2H-ピリド[2,1-a]イソキノリン-2-オール)、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントである。
【0114】
本明細書で使用される場合、「テトラベナジン」は、1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ(a)キノリジン-2-オンと呼ぶことができる。化合物は、3および11b炭素原子においてキラル中心を有し、したがって理論的には、以下に示される通り合計4つの異性体形態で存在することができる。
【化4】
商業的に入手可能なテトラベナジンは、RRおよびSS異性体のラセミ混合物である。例えば、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる、XENAZINE(テトラベナジン)US処方情報、2017年9月13日を参照されたい。
【0115】
本明細書で使用される場合、「デューテトラベナジン」は、(RR、SS)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシd3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-オンと呼ぶことができる。デューテトラベナジンは、以下の化合物を含有するラセミ混合物である。
【化5】
例えば、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる、AUSTEDO(デューテトラベナジン)US処方情報、2018年6月6日を参照されたい。
【0116】
本明細書で使用される場合、ジヒドロテトラベナジンは、2-ヒドロキシ-3-(2-メチルプロピル)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジメトキシ-ベンゾ(a)キノリジンと呼ぶことができる。化合物は、3つのキラル中心を有し、したがって理論的には、以下に示される通り合計8つの異性体形態で存在することができる。
【化6】
【化7】
8つの異性体の合成および特徴付けは、あらゆる目的でその全体が参照により本明細書に組み込まれる、Sunet al. (2011) Eur. J.Med.Chem. 1841-1848によって記載されてい
る。
【0117】
また本明細書では、医薬活性成分としてのVMAT2阻害剤を、1つまたは複数の薬学的に許容される担体または賦形剤と組み合わせて含む、神経学的または精神医学的疾患または障害の処置における使用のための医薬組成物が提供される。
【0118】
賦形剤の選択は、大抵の場合、特定の投与方法、活性成分の溶解度および安定性に対する賦形剤の効果、ならびに剤形の性質などの因子に応じて変わる。
【0119】
本明細書で提供される医薬組成物は、単位剤形または複数剤形で提供することができる。単位剤形は、本明細書で使用される場合、ヒトおよび動物被験体への投与に適しており、当技術分野で公知の通り個々にパッケージされた物理的に別個の単位を指す。各単位用量は、所望の治療効果をもたらすのに十分な所定量の活性成分を、必要とされる医薬担体または賦形剤と共に含有する。単位剤形の例として、アンプル、シリンジ、ならびに個々にパッケージされた錠剤およびカプセル剤が挙げられる。単位剤形は、その一部またはその倍数を投与することができる。複数剤形は、単一容器にパッケージされた、別個の単位剤形で投与されるべき複数の同一単位剤形である。複数剤形の例として、バイアル、錠剤もしくはカプセル剤のボトル、またはパイントもしくはガロンのボトルが挙げられる。
【0120】
本明細書で提供される医薬組成物は、単独で、または本明細書で提供される1つもしくは複数の他の化合物、他の1つもしくは複数の活性成分と組み合わせて投与することができる。本明細書で提供される医薬組成物は、経口、非経口、および局所投与のために様々な剤形に製剤化することができる。医薬組成物はまた、改変された放出剤形(遅延された、長期間の(extended)、延長した(prolonged)、持続した(sustained)、拍動性の(pulsatile)、制御された(controlled)、加速された(accelerated)、および迅速な(fast)、標的化された、プログラムされた放出の、ならびに胃貯留(gastric retention)の剤形が挙げられる)として製剤化され得る。これらの剤形は、従来の方法および当業者に公知の技術に従って調製することができる。本明細書で提供される医薬組成物は、1回または間隔を設けて複数回投与することができる。正確な投薬量および処置期間は、処置を受ける患者の年齢、体重、および状態と共に変わり得、公知の試験プロトコールを使用するか、またはin vivoもしくはin vitro試験もしくは診断データから外挿することによって、経験的に決定され得ると理解される。任意の特定の個体について、具体的な投薬量レジメンは、個体の必要および製剤を投与するまたは製剤の投与を監督する専門家の判断に従って、経時的に調整されるべきことがさらに理解される。
【0121】
本明細書で提供される医薬組成物は、経口投与のための固体、半固体、または液体の剤形で提供され得る。本明細書で使用される場合、経口投与としてはまた、口内、舌、および舌下投与が挙げられる。適切な経口剤形としては、錠剤、カプセル剤、丸剤、トローチ、ロゼンジ、芳香錠(pastille)、カシェ剤、ペレット、薬用チューインガム(medicated chewing gum)、顆粒剤、バルク散剤、発泡性もしくは非発泡性の散剤もしくは顆粒剤、液剤、エマルジョン、懸濁物、液剤、ウェハ、散剤(sprinkle)、エリキシル剤、およびシロップ剤が挙げられるが、これらに限定されない。その活性成分に加えて、医薬組成物は、1つまたはそれより多くの薬学的に受容可能な担体または賦形剤(結合剤、充填剤、希釈剤、崩壊剤、湿潤剤、滑沢剤、流動促進剤(glidant)、着色剤、色素移動インヒビター(dye-migration inhibitor)、甘味剤、および矯味矯臭剤が挙げられるが、これらに限定されない)を含み得る。
【0122】
結合剤または造粒剤(granulator)は、錠剤に粘着性を付与して、錠剤が、圧縮後に無傷なままであることを担保する。適切な結合剤または造粒剤としては、デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、およびα化デンプン(例えば、STARCH 1500));ゼラチン;糖(例えば、スクロース、グルコース、デキストロース、糖蜜、およびラクトース);天然および合成のガム(例えば、アカシア、アルギン酸、アルギネート、アイリッシュモス抽出物、パンワールガム(Panwar gum)、ガティーガム(ghatti gum)、インドオオバコ種皮の粘着物(mucilage of isabgol husk)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ポリビニルピロリドン(PVP)、Veegum、カラマツアラボガラクタン)(larch arabogalactan)、粉末化トラガカント、およびグアーガム);セルロース(例えば、エチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC);微結晶性セルロース(例えば、AVICEL-PH-101、AVICEL-PH-103、AVICEL RC-581、AVICEL-PH-105(FMC Corp.、Marcus Hook, PA);ならびにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。適切な充填剤としては、タルク、炭酸カルシウム、微結晶性セルロース、粉末化セルロース、デキストレート(dextrate)、カオリン、マンニトール、ケイ酸、ソルビトール、デンプン、α化デンプン、およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。その結合剤または充填剤は、本明細書で提供される医薬組成物中に約50重量%~約99重量%存在し得る。
【0123】
適切な希釈剤としては、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、ソルビトール、スクロース、イノシトール、セルロース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、乾燥デンプン、および粉糖が挙げられるが、これらに限定されない。特定の希釈剤(例えば、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、スクロース、およびイノシトール)は、十分量で存在する場合、いくらかの圧縮した錠剤に、噛むことによって口中での崩壊を可能にする特性を付与し得る。このような圧縮された錠剤は、チュアブル錠として使用され得る。
【0124】
適切な崩壊剤としては、アガー;ベントナイト;セルロース(例えば、メチルセルロースおよびカルボキシメチルセルロース);木質製品;天然のスポンジ;カチオン交換樹脂;アルギン酸;ガム(例えば、グアーガムおよびVee gum HV);柑橘類の髄(citrus pulp);架橋セルロース(例えば、クロスカルメロース);架橋ポリマー(例えば、クロスポビドン);架橋デンプン;炭酸カルシウム;微結晶性セルロース(例えば、デンプングリコール酸ナトリウム);ポラクリリンカリウム;デンプン(例えば、コーンスターチ、ジャガイモデンプン、タピオカデンプン、およびα化デンプン);クレイ;アルギン(aligns);およびこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。本明細書で提供される医薬組成物中の崩壊剤の量は、製剤のタイプに応じて変動し、当業者によって容易に認識できる。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.5~約15重量%または約1~約5重量%の崩壊剤を含み得る。
【0125】
適切な滑沢剤としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:ステアリン酸カルシウム;ステアリン酸マグネシウム;鉱油;軽油(light mineral oil);グリセリン;ソルビトール;マンニトール;グリコール(例えば、ベヘン酸グリセロールおよびポリエチレングリコール(PEG));ステアリン酸;ラウリル硫酸ナトリウム;タルク;水素添加植物油(ラッカセイ油、綿実油、ヒマワリ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油、およびダイズ油が挙げられる);ステアリン酸亜鉛;オレイン酸エチル;ラウリン酸エチル;アガー;デンプン;ヒカゲノカズラ(lycopodium);シリカもしくはシリカゲル(例えば、AEROSIL(登録商標)200(W. R. Grace Co., Baltimore, MD)およびCAB-0-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA));ならびにこれらの混合物。本明細書で提供される医薬組成物は、約0.1~約5重量%の滑沢剤を含み得る。適切な流動促進剤としては、コロイド性二酸化ケイ素、CAB-0-SIL(登録商標)(Cabot Co. of Boston, MA)、およびアスベスト非含有タルクが挙げられる。着色剤としては、承認された、認定された、水溶性のFD&C色素、および水酸化アルミニウムに懸濁された水に不溶性のFD&C色素、およびレーキ着色料(color lake)ならびにこれらの混合物のいずれかが挙げられる。レーキ着色料は、水溶性色素を重金属の含水酸化物に吸着させ、その色素の不溶性形態を生じることによる組み合わせである。矯味矯臭剤としては、植物(例えば、果実)から抽出された天然のフレーバー、および心地の良い味覚を生じる化合物の人工的なブレンド(例えば、ペパーミントおよびサリチル酸メチル)が挙げられる。甘味剤としては、スクロース、ラクトース、マンニトール、シロップ、グリセリン、および人工甘味料(例えば、サッカリンおよびアスパルテーム)が挙げられる。適切な乳化剤としては、ゼラチン、アカシア、トラガカント、ベントナイト、および界面活性剤(例えば、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(登録商標) 20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート80(TWEEN(登録商標) 80)、およびトリエタノールアミンオレエートが挙げられる。懸濁化剤および分散剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ペクチン、トラガカント、Veegum、アカシア、カルボメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、およびポリビニルピロリドンが挙げられる。保存剤としては、グリセリン、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウムおよびアルコールが挙げられる。湿潤剤としては、プロピレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ジエチレングリコールモノラウレート、およびポリオキシエチレンラウリルエーテルが挙げられる。溶媒としては、グリセリン、ソルビトール、エチルアルコール、およびシロップが挙げられる。エマルジョンにおいて利用される非水性液体の例としては、鉱油および綿実油が挙げられる。有機酸としては、クエン酸および酒石酸が挙げられる。二酸化炭素の供給源としては、炭酸水素ナトリウムおよび炭酸ナトリウムが挙げられる。
【0126】
多くの担体および賦形剤は、同じ製剤内ですら、いくつかの機能を果たし得ることは、理解されるべきである。本明細書で提供される医薬組成物は、圧縮錠剤、錠剤粉砕物(tablet triturate)、チュアブルロゼンジ、迅速に溶解する錠剤、多重圧縮錠剤(multiple compressed tablet)、または腸溶性コーティング錠剤、糖コーティングもしくはフィルムコーティング錠剤として提供され得る。腸溶性コーティングされた錠剤は、胃酸の作用に耐えるが、腸では溶解または崩壊し、従って、活性成分を胃の酸性環境から守る物質でコーティングされた圧縮錠剤である。腸溶性コーティングとしては、脂肪酸、脂肪、フェニルサリチレート、ワックス、シェラック、アンモニア処理シェラック(ammoniated shellac)、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。糖コーティング錠剤は、糖コーティングによって囲まれた圧縮錠剤であり、これは、不愉快な味または臭いを包み隠し、その錠剤を酸化から守るにあたって有益であり得る。フィルムコーティング錠剤は、水溶性材料の薄い層またはフィルムで覆われた圧縮錠剤である。フィルムコーティングとしては、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエチレングリコール4000、および酢酸フタル酸セルロースが挙げられるが、これらに限定されない。フィルムコーティングは、糖コーティングと同じ一般的特性を付与する。多重圧縮錠剤は、1回より多くの圧縮サイクルによって作製された圧縮錠剤(層化錠剤が挙げられる)、および圧縮コーティングされた(press-coated)錠剤または有核錠(dry-coated tablet)である。
【0127】
その錠剤剤形は、粉末化された、結晶性の、または顆粒状の形態にある活性成分から、単独でまたは本明細書で記載される1つもしくはそれより多くの担体もしくは賦形剤(結合剤、崩壊剤、制御放出ポリマー、滑沢剤、希釈剤、および/または着色剤が挙げられる)と組み合わせて、調製され得る。矯味矯臭剤および甘味剤は、チュアブル錠およびロゼンジの形成において特に有用である。
【0128】
一部の実施形態では、医薬組成物は、2017年9月21日出願の米国特許出願第62/561,629号および/または2017年9月28日出願の米国特許出願第62/564,951号に記載されている方法に従って調製され、そのそれぞれは、あらゆる目的で参照により本明細書に組み込まれる。一部の実施形態では、医薬組成物は、バルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩、ケイ化微結晶性セルロース、イソマルト、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、部分的にアルファ化されたトウモロコシデンプン、およびステアリン酸マグネシウムを含む。一部の実施形態では、少なくとも35w/w%のバルベナジンジトシル酸塩を有する、医薬組成物の単位剤形が提供される。一部の実施形態では、約40w/w%のバルベナジンジトシル酸塩、約25w/w%のケイ化微結晶性セルロース、約20w/w%のイソマルト、約5w/w%のヒドロキシプロピルメチルセルロース、約7.5w/w%の部分的にアルファ化されたトウモロコシデンプン、および約2.5w/w%のステアリン酸マグネシウムを有する、医薬組成物の単位剤形が提供される。
【0129】
本明細書で提供される医薬組成物は、軟カプセル剤または硬カプセル剤として提供することができ、これは、ゼラチン、メチルセルロース、デンプン、またはアルギン酸カルシウムから作製することができる。硬ゼラチンカプセル剤は、乾燥充填カプセル剤(DFC)としても公知であり、一方が他方の上に滑り被せられ、したがって活性成分を完全に封入している、2つの部分からなる。弾性の軟カプセル剤(SEC)は、軟らかい球状シェル、例えばゼラチンシェルであり、これは、グリセリン、ソルビトール、または類似のポリオールを添加することによって可塑化される。軟ゼラチンシェルは、微生物の成長を防止するために、防腐剤を含有することができる。適切な防腐剤は、メチルパラベンおよびプロピルパラベン、ならびにソルビン酸を含む、本明細書に記載されるものである。本明細書で提供される液体、半固体、および固体剤形は、カプセルに被包することができる。適切な液体および半固体剤形は、プロピレンカーボネート、植物油、またはトリグリセリド中の溶液および懸濁物を含む。カプセル剤は、活性成分の溶解を改変または維持するために、当業者に公知の通りコーティングすることもできる。
【0130】
一部の実施形態では、サイズ1またはそれよりも小さいカプセル、および遊離塩基として測定される少なくとも80mgのバルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩を有する、医薬組成物の単位剤形が提供される。一部の実施形態では、サイズ2またはそれよりも小さいカプセル、および遊離塩基として測定される少なくとも20mgのバルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩を有する、医薬組成物の単位剤形が提供される。一部の実施形態では、単位剤形は、遊離塩基として測定される少なくとも40mgのバルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩を有する。一部の実施形態では、サイズ0またはそれよりも小さいカプセル、および遊離塩基として測定される少なくとも120mgのバルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩を有する、医薬組成物の単位剤形が提供される。
【0131】
本明細書で提供される医薬組成物は、エマルジョン剤、液剤、懸濁剤、エリキシル剤、およびシロップ剤を含む、液体および半固体剤形で提供することができる。エマルジョン剤は、一方の液体が別の液体全体に小球の形態で分散している二相系であり、それは水中油または油中水であってよい。エマルジョン剤は、薬学的に許容される非水性液体または溶媒、乳化剤、および防腐剤を含むことができる。懸濁剤は、薬学的に許容される懸濁化剤および防腐剤を含むことができる。水性アルコール性液剤は、薬学的に許容されるアセタール、例えば低級アルキルアルデヒドのジ(低級アルキル)アセタール(「低級」という用語は、1~6個の間の炭素原子を有するアルキルを意味する)、例えばアセトアルデヒドジエチルアセタール、ならびに1つまたは複数のヒドロキシル基を有する水混和性溶媒、例えばプロピレングリコールおよびエタノールを含むことができる。エリキシル剤は、甘味付けした透明な含水アルコール溶液である。シロップ剤は、糖、例えばスクロースの濃縮水溶液であり、防腐剤を含有することもできる。液体剤形については、投与のために好都合に測定されるように、例えばポリエチレングリコール溶液を、十分な量の薬学的に許容される液体担体、例えば水で希釈することができる。
【0132】
他の有用な液体および半固体剤形は、それに限定されるものではないが、本明細書で提供される活性成分を含有するもの、ならびに1,2-ジメトキシメタン、ジグリム、トリグリム、テトラグリム、ポリエチレングリコール-350-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-550-ジメチルエーテル、ポリエチレングリコール-750-ジメチルエーテル(ここで、350、550、および750は、ポリエチレングリコールのおよその平均分子量を指す)を含む、ジアルキル化モノアルキレングリコールまたはポリアルキレングリコールを含む。これらの製剤は、1つまたは複数の抗酸化剤、例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、没食子酸プロピル、ビタミンE、ヒドロキノン、ヒドロキシクマリン、エタノールアミン、レシチン、セファリン、アスコルビン酸、リンゴ酸、ソルビトール、リン酸、亜硫酸水素塩、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオジプロピオン酸およびそのエステル、ならびにジチオカルバメートをさらに含むことができる。
【0133】
経口投与のための本明細書で提供される医薬組成物は、リポソーム、ミセル、マイクロスフェア、またはナノシステムの形態で提供することもできる。
【0134】
本明細書で提供される医薬組成物は、液体剤形に再構成されるように、非発泡性または発泡性の顆粒剤および散剤として提供することができる。非発泡性の顆粒剤または散剤において使用される、薬学的に許容される担体および賦形剤には、希釈剤、甘味剤、および湿潤剤が含まれ得る。発泡性の顆粒剤または散剤において使用される、薬学的に許容される担体および賦形剤には、有機酸および二酸化炭素の供給源が含まれ得る。着色剤および矯味矯臭剤は、先の剤形のすべてにおいて使用することができる。本明細書で提供される医薬組成物は、即時放出または改変された放出剤形(遅延された、持続した、拍動型の(pulsed)、制御された、標的化された、およびプログラムされた放出の形態が挙げられる)として製剤化することができる。
【0135】
本明細書で提供される医薬組成物は、所望の治療作用を損なわない他の活性成分と共に、または所望の作用を補う物質、例えば制酸薬、プロトンポンプ阻害剤、およびH2-受容体アンタゴニストと共に、同時製剤化することができる。
【0136】
本明細書で提供される医薬組成物は、遅延放出、持続放出、拍動型放出、制御放出、標的化放出、およびプログラム放出形態を含む、即時放出または改変された放出剤形として製剤化することができる。
【0137】
本明細書で提供される医薬組成物は、改変された放出剤形として製剤化することができる。本明細書で使用される場合、用語「改変された放出」とは、その活性成分の放出の速度または場所が同じ経路によって投与される場合の即時剤形のものとは異なる剤形を意味する。改変された放出剤形としては、遅延された、長期間の、延長した、持続した、拍動性のもしくは拍動型の、制御された、加速された、および迅速な、標的化された、プログラムされた放出の、ならびに胃貯留の剤形が挙げられる。
【0138】
改変された放出剤形の医薬組成物は、それに限定されるものではないが、マトリクス制御放出デバイス、浸透圧制御放出デバイス、多重微粒子制御放出デバイス(multiparticulate controlled release device)、イオン交換樹脂、腸溶コーティング、多層コーティング、マイクロスフェア、リポソーム、およびそれらの組合せを含む、当業者に公知の様々な改変放出デバイスおよび方法を使用して調製することができる。活性成分の放出速度は、活性成分の粒径および多形を変えることによって改変することもできる。
【0139】
改変された放出剤形の本明細書で提供される医薬組成物は、当業者に公知のマトリクス制御放出デバイスを使用して製作することができる。
【0140】
投薬量
一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約5mg~約160mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約5mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約20mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約40mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約60mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約80mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約100mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約120mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約140mgの1日用量で投与される。一部の実施形態では、VMAT2阻害剤は、約160mgの1日用量で投与される。
【0141】
経口投与では、医薬組成物は、処置されるべき患者への投薬量の症候性の調整(symptomatic adjustment)のために、1.0~1,000mgの活性成分、特に約1mg、約5mg、約10mg、約15mg、約20mg、約25mg、約30mg、約40mg、約45mg、約50mg、約75mg、約80mg、約100mg、約150mg、約200mg、約250mg、約300mg、約400mg、約500mg、約600mg、約750mg、約800mg、約900mg、および約1,000mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、約100mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、約80mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、約75mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、約50mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、約40mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。特定の実施形態では、医薬組成物は、約25mgの活性成分を含有する錠剤の形態で提供することができる。組成物は、1日当たり1回、2回、3回、および4回を含む、1日当たり1~4回のレジメンで投与することができる。
【0142】
しかし、任意の特定の患者に合った特別な用量レベルおよび投薬頻度は、変わり得、用いられる具体的な化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全体的な健康状態、性別、食事、投与様式および投与時間、排出速度、薬物の組合せ、特定の状態の重症度、ならびに治療を受ける宿主を含む、様々な因子に応じて決まることを理解されよう。
【0143】
本明細書で提供される化合物は、チック障害および一般に抗精神病医薬品で処置される他の状態を含む、本明細書で提供される化合物が有用となる疾患または状態の1つまたは複数の症状の処置、防止、または改善において有用な他の薬剤と組み合わせることもでき、または組み合わせて使用することもできる。
【0144】
特定の実施形態では、本明細書で提供される化合物は、定型抗精神病薬物と組み合わせることもでき、または組み合わせて使用することもできる。特定の実施形態では、定型抗精神病薬物は、フルフェナジン、ハロペリドール、ロキサピン、モリンドン、ペルフェナジン、ピモジド、スルピリド、チオリダジン、またはトリフロペラジンである。特定の実施形態では、抗精神病薬物は、非定型抗精神病薬物である。特定の実施形態では、非定型抗精神病薬物は、アリピプラゾール、アセナピン、クロザピン、イロペリドン、オランザピン、パリペリドン、クエチアピン、リスペリドン、またはジプラシドンである。特定の実施形態では、非定型抗精神病薬物は、クロザピンである。
【0145】
このような他の薬剤または薬物は、一般に使用されるその経路および量で、本明細書で提供される化合物と同時にまたは順次、投与することができる。本明細書で提供される化合物が、他の1つまたは複数の薬物と同時に使用される場合、本明細書で提供される化合物に加えてこのような他の薬物を含有する医薬組成物を利用することができるが、必須ではない。したがって、本明細書で提供される医薬組成物には、本明細書で提供される化合物に加えて、他の1つまたは複数の活性成分または治療剤も含有する医薬組成物が含まれる。
【0146】
第2の活性成分に対する本明細書で提供される化合物の重量比は、変わり得、各成分の有効用量に応じて決まる。一般に、それぞれの有効用量が使用される。したがって、例えば、本明細書で提供される化合物が、第2の薬物と、またはこのような他の薬物を含有する医薬組成物と組み合わせて使用される場合、微粒子と第2の薬物の重量比は、約1,000:1~約1:1,000、または約200:1~約1:200の範囲であり得る。
【0147】
本明細書で提供される微粒子および他の活性成分の組合せも、一般に前述の範囲に含まれるが、各場合、有効用量の各活性成分が使用されるべきである。
【0148】
また、神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、前記方法が、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、
患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤が提供される。
【0149】
また、神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、前記方法が、
1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大していない患者に投与されると予想される量と比較して低減されている量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤が提供される。
【0150】
また、神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験したことがない、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択され、前記方法が、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップを含む、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤が提供される。
【0151】
一部の実施形態では、該方法は、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験している患者を選択し、患者に投与されていたVMAT2阻害剤の量を低減するステップを含む。
【0152】
一部の実施形態では、該方法は、VMAT2阻害剤を用いる処置を継続するために、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験していない患者を選択するステップを含む。
【0153】
また、神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、該方法が、個体に、有効量のVMAT2阻害剤を投与するステップを含み、前記患者が、VMAT2阻害剤を既に投与され、かつ過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングされており、前記患者が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応が存在しないVMAT2阻害剤を用いる処置のために選択されている、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤が提供される。
【0154】
また、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を用いる処置のために患者を選択する方法であって、VMAT2阻害剤の投与後に、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応の存在または非存在を決定するステップと、VMAT2阻害剤を用いる処置のために、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応が存在しない患者を選択するステップとを含む、方法が提供される。
【0155】
また、本明細書に開示される方法のいずれかにおける使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤が提供される。
【0156】
また、
(i)容器と、
(ii)容器内の、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を含む組成物と、
(iii)神経学的または精神医学的疾患または障害に罹患している個体にVMAT2阻害剤を投与するよう、組成物の使用者に指示し、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクについて組成物の使用者に警告する、パッケージ挿入物と
を含む、製造物品が提供される。
【0157】
また、個体における神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するためのキットであって、
(i)バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤と、
(ii)神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するためにVMAT2阻害剤を使用するため、ならびに過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクについて組成物の使用者に警告するための、指示と
を有するパッケージを含む、キットも提供される。
【0158】
また本明細書では、神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、それを必要とする患者において行う方法であって、
治療有効量のVMAT2阻害剤を、患者に投与するステップと、
1つまたは複数の曝露関連有害反応について患者をモニタリングするステップと、
患者が1つまたは複数の曝露関連有害反応を有している場合、VMAT2阻害剤の量を低減するステップと
を含み、
1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法が提供される。
【0159】
本開示の実施形態の例は、以下の実施例に提供される。以下の実施例は、単に例示として、当業者が本開示を使用するのを助けるために提示される。実施例は、本開示の範囲を別段制限することを決して企図されない。
【実施例0160】
(実施例1)
バルベナジン、テトラベナジン、およびその代謝産物の薬理学的特徴付け
TBZは、経口投与されると還元されて、まとめてジヒドロテトラベナジン(DHTBZ)と呼ばれる4種の別個の異性体の二次アルコール代謝産物を形成し、TBZは、3つの不斉炭素中心(C-2、C-3、およびC-11β)を含有し、それによって、仮説上は8種の立体異性体をもたらし得る。しかし、C-3およびC-11β炭素は、固定された相対的立体配置を有するので、(R,R,R-DHTBZまたは(+)-α-DHTBZ(代替の命名法)またはNBI-98782(実験上の命名法);S,S,S-DHTBZまたは(-)-α-DHTBZまたはNBI-98771;S,R,R-DHTBZまたは(+)-β-DHTBZまたはNBI-98795;およびR,S,S-DHTBZまたは(-)-β-DHTBZまたはNBI-98772の4種の立体異性体だけが可能である。
【0161】
各化合物の親和性を、ラット前脳膜への[
3H]-DHTBZ結合の阻害によって測定した。R,R,R-DHTBZと比較した親和性も算出し、提示する。データを、共に、平均およびSEMを決定するために使用した正規分布した結合パラメーターを用いる統計的算出のために、Kiの負の対数(pKi)として報告する。Ki値を、平均pKiから10(-pKi)として決定した。R,R,R-DHTBZ立体異性体は、ラットおよびヒトの両方のVMAT2に、最高親和性で結合する(Ki=1.0~4.2nM)。それと比較して、残りの3種のDHTBZ立体異性体(S,R,R-DHTBZ、S,S,S-DHTBZ、R,S,S-DHTBZ)は、それぞれ9.7nM、250nM、および690nMのKi値でVMAT2に結合する。
ラット前脳におけるinvitroでのVMAT2結合親和性
【表1】
a R,R,R-DHTBZと比較した親和性を、同じ研究で決定したK
i値を使用して算出した
【0162】
バルベナジン(VBZ、NBI-98854)の一次代謝クリアランス経路は、加水分解(R,R,R-DHTBZを形成する)およびモノ酸化(代謝産物NBI-136110を形成する)である。VBZの最も豊富な2種の循環代謝産物であるR,R,R-DHTBZおよびNBI-136110は、徐々に形成され、それらの血漿濃度は、VBZに類似の半減期で減少する。
【0163】
VBZ、ならびにその代謝産物であるR,R,R-DHTBZおよびNBI-136110を、それらが細胞系または天然組織においてVMAT2への[3H]-DHTBZの結合を阻害する能力について、試験した。各化合物の親和性を、ヒト血小板またはラット線条体膜のいずれかへの[
3H]-DHTBZ結合の阻害によって測定した。R,R,R-DHTBZと比較した親和性も算出し、提示する。データを、共に、平均およびSEM(各組織における化合物についてn=4)を決定するために使用した正規分布した結合パラメーターを用いる統計的算出のために、Kiの負の対数(pKi)として報告する。Ki値を、平均pKiから10
(-pKi)として決定した。一次代謝産物であるR,R,R-DHTBZは、ラット線条体およびヒト血小板ホモジネートにおいて、VMAT2の最も強力な阻害剤であった。
バルベナジンおよびその代謝産物のin vitroでのVMAT2結合親和性
【表2】
【0164】
VBZおよびNBI-136110は、VMAT2阻害に対して類似の効果を有していたが、Ki値は、R,R,R-DHTBZのKi値のおよそ40~65倍であった(より低い親和性)。これらの結果を、ラット前脳におけるDHTBZ立体異性体(すなわち、TBZ代謝産物)の放射リガンド結合アッセイによって裏付けると、やはりR,R,R-DHTBZがVMAT2の最も強力な阻害剤であることが示され、S,R,R-DHTBZがそれに続いた。それと比較して、TBZのその他の2つの一次代謝産物であるS,S,S-DHTBZおよびR,S,S-DHTBZは、R,R,R-DHTBZよりも親和性がおよそ60倍および160倍弱く、不十分なVMAT2阻害剤であることが見出された。
【0165】
VMAT2を超える、他の標的に対するVBZ、ならびにその代謝産物であるR,R,R-DHTBZおよびNBI-136110の親和性を、GPCR、細胞表面モノアミン輸送体、および心臓カリウムチャネル、ヒトエーテル-ア-ゴー-ゴー関連遺伝子(HERG)を含むイオンチャネルを含む、複数のクラスのタンパク質標的の広範なCerepスクリーニングにおいて評価した。
【0166】
これらの化合物に関する80を超える標的の多重標的活性スクリーニング(Cerepスクリーニング)は、VBZ、ならびにその代謝産物であるR,R,R-DHTBZおよびNBI-136110が、標的のいずれへの同族リガンドの結合も、1~10μMの濃度で50%を超えて阻害しないことを実証した。それとは対照的に、TBZの代謝産物であるがVBZの代謝産物ではない、その他の3種のDHTBZ立体異性体(S,R,R-DHTBZ、S,S,S-DHTBZ、R,S,S-DHTBZ)は、セロトニン、ドーパミンおよびアドレナリン受容体を含む、いくつかの受容体サブタイプへのリガンド結合の>50%阻害を実証した。結果は、対照の特異的結合のパーセント:(試験した化合物の特異的結合/対照の特異的結合)×100として表した。すべての化合物を、1μMまたは10μM最終濃度で試験したが、結果は、Cerepにおける初期スクリーニングとして実施したより大きい80の標的パネルの抜粋である(各標的における化合物についてn=2)。太字の結果(>50%)は、標的受容体における活性を示す。
ドーパミン、セロトニン、およびアドレナリン受容体におけるバルベナジンおよびDHTBZ
立体異性体のinvitro活性
【表3】
a広範なパネルスクリーニングの目的で、S,S,S-およびR,S,S-代謝産物を、50/50混合物として試験した。
【0167】
モノアミン系をより詳細に説明するために、放射リガンド結合アッセイを、TBZおよびVBZの共通代謝産物(R,R,R-DHTBZ)、ならびにTBZおよびVBZに独特のその他の関連代謝産物について、ドーパミン、セロトニンおよびアドレナリン受容体サブタイプ、ならびにドーパミンのための輸送体(DAT)、セロトニンのための輸送体(SERT)およびノルエピネフリンのための輸送体(NET)に関して実施した。この詳細な分析によって、VMAT2輸送体についてのR,R,R-DHTBZの高い特異性、ならびにドーパミンおよびセロトニン受容体サブタイプについての相対的に高い親和性を含む、その他のTBZ代謝産物の非特異的活性が明らかになった。興味深いことに、R,R,R-DHTBZ代謝産物は、モノアミン受容体に関して最も大きい非選択性を示した。TBZまたはVBZ代謝産物のいずれも、モノアミン輸送体DAT、SERTまたはNETに対して親和性を全く有していなかった。VMAT2に関する選択性プロファイルを完成させるために、これらの化合物のヒトVMAT1輸送体の機能活性を、VMAT1を発現する細胞において試験した。VMAT1の非選択的な不可逆的な高い親和性取込み阻害剤であるレセルピンは、VMAT1を介する取込みを実質的に阻害したが、10μMまでの濃度では、TBZ、VBZ、またはその代謝産物であるR,R,R-DHTBZもしくはNBI-136110の著しい阻害活性はなかった。VMAT1およびVMAT2の両方に関して、取込みを、トランスフェクトしていない宿主細胞において測定すると、過剰のレセルピンの存在下でトランスフェクト細胞に類似していることが見出された。
【0168】
放射リガンド結合アッセイおよび広範なパネルスクリーニングは、VMAT2輸送体における様々な効力に加えて、TBZのその他のDHTBZ代謝産物のうちの2種(S,S,S-DHTBZおよびR,S,S-DHTBZ)が、D1およびD2受容体と相互作用することを示している。VBZは、これらのDHTBZ立体異性体のいずれにも代謝されないので、代謝産物を直接的または間接的に介するシナプス後ドーパミン受容体に対するその効果は、存在しない。
【0169】
さらに、広範なパネルスクリーニングから得られた結果は、VBZおよびその主な代謝産物(R,R,R-DHTBZおよびNBI-136110)が、受容体、モノアミン輸送体、およびイオンチャネルを含む80を超える結合部位に対して親和性をほとんど有していないか全く有していないことを示している。このプロファイルは、オフターゲット薬理学的効果の潜在可能性が低いことを示唆している。さらに、TBZ、VBZ、ならびにその代謝産物であるR,R,R-DHTBZおよびNBI-136110を使用する取込み研究では、それらが、公知のVMAT1/VMAT2阻害剤であるレセルピンと比較して、VMAT1を介するモノアミンの取込みに対して著しい効果を有していなかったので、VMAT2に対するこれらの化合物の選択性が確認された。
【0170】
VBZの選択性および特異性を、薬理学的効果の2つのin vivo代替尺度を使用して、区別して実証した。アドレナリン活性化および下垂体からのプロラクチン放出を介して生じることが公知であり、D2ドーパミン受容体を介してモジュレートされる眼瞼下垂では、TBZおよびVBZを用いる処置の間で差異が実証された。TBZ、VBZおよびR,R,R-DHTBZは、眼瞼下垂を同等に誘導した。これにより、TBZもしくはVBZの投薬によって形成された代謝産物、またはその活性な代謝産物自体(R,R,R-DHTBZ)の投薬が、すべて、シナプス前モノアミン放出に影響を及ぼすVMAT2において、この場合は眼瞼下垂を誘導するノルエピネフリン放出に特異的に関する活性を有することが確認される。類似の処置(ただし今回は、ドーパミン作動性モジュレーションの代替としてプロラクチン放出を使用する)の後、R,R,R-DHTBZおよびVBZ(より低い程度まで)は、TBZと類似の血清プロラクチンレベルの増大を誘導した。
【0171】
(実施例2)
過敏症および皮膚科学的反応の分析
VBZとの可能な因果関係について、過敏症反応ならびに/または皮膚科学的知見および証拠の合計17個の症例が、自発的に(6)または要請された後(11)のいずれかに報告された。これらの17個の症例のうち、14個の症例が、過敏症反応と皮膚科学的知見の両方を有していた(5個が重症であり、9個が重症でなかった)。
【0172】
これらの14個の症例において、薬物開始と事象発生との間に妥当な時間的関係があった。1個の症例では、デチャレンジ(dechallenge)および再チャレンジの両方が陽性で
あった。2個の症例では、薬物を継続すると事象が悪化し、VBZを中断すると事象が消散した。3個の症例では、デチャレンジが陽性とみなされた。7個の症例では、薬物を中断し、適切な処置を受けた後に事象が消散したか、または消散しつつあったが、これは因果関連性を暗示している。さらに、これらの7個の症例の中で、1個の症例では、薬物を再投与すると事象が再発した。残りの1個の症例では、VBZの開始直後に事象が開始したが、その被験体はVBZを摂取し続け、事象が継続した。したがって、薬物と事象との間の因果関連性は、除外できなかった。
【0173】
17個の症例の中で、2個の症例では、患者が、VBZとの可能な因果関係を示す証拠を伴う過敏症反応を経験したが、皮膚科学的知見はなかった。これらの症例は、共に重症ではなかった。1個の症例では、デチャレンジは陽性であり、別の場合、その患者の第2の用量の薬物で事象が再発したが、これは、薬物と事象の間に因果関連性があることを暗示している。
【0174】
17個の症例の中で、1個の症例では、患者は、VBZとの可能な因果関係を示す証拠を伴う皮膚科学的知見だけを経験したが、他の過敏症反応の証拠はなかった。この症例は、重症ではなく、この症例ではデチャレンジは陽性であった。これらの17個の症例で報告された情報を考慮すると、事象とVBZの投与の間に可能な因果関係があると思われる。しかし、スティーブンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、または好酸球増加症および全身症状を伴う薬疹を示唆する重度の過敏症の症例または皮膚科学的反応は、2017年10月10日まで、VBZでは報告されなかったことに留意することが重要である。
【0175】
2017年10月10日までに受け取った症例報告に基づくと、VBZは、それに限定されるものではないが、過敏症、発疹、じんま疹、掻痒症、アレルギー性皮膚炎、および血管性浮腫を含む、皮膚科学的反応を伴うまたは伴わない過敏症反応と関連し得ると思われる。
【0176】
(実施例3)
バルベナジン80mgを含有するカプセル剤の調製
バルベナジン80mg(遊離塩基として測定した)を含有するカプセル剤は、下記の手順に従って調製することができ、例示的な錠剤の構成を、以下に列挙する。
【表4】
【0177】
バルベナジンジトシル酸塩、ケイ化微結晶性セルロース(USP)、イソマルト(USNF)、部分的にアルファ化されたトウモロコシデンプン(USNF)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(USNF)およびステアリン酸マグネシウム(USNF)を、上述の量に従って秤量した。
【0178】
壁紙貼り(Wallpapering)
イソマルトを、813μmのまたはそれに等価な丸穴スクリーンを備えたふるい分けミルを通して、ブレンドするために運搬箱に移した。次に、ふるい分けしたイソマルト構成成分をブレンドした。
【0179】
プレブレンドおよびふるい分け
以下の成分:バルベナジンジトシル酸塩およびケイ化微結晶性セルロース(「SMCC」)を、約813μmのまたはそれに等価な丸穴スクリーンを備えたふるい分けミルを通して、運搬箱に移した。次に、構成成分をブレンドした。
【0180】
砕塊(Delumping)
そのブレンドを、約813μmのまたはそれに等価な丸穴スクリーンを備えたバッファータンクを通して、真空移送させた。
【0181】
プレブレンド#2
ふるい分けした構成成分を、再びブレンドした。
【0182】
粒子内ブレンド(Intragranular Blending):
次に、以下の成分を、約813μmのまたはそれに等価な丸穴スクリーンを備えたふるい分けミルを通して、運搬箱に移した。
a.部分的にアルファ化されたトウモロコシデンプン
b.ヒドロキシプロピルメチルセルロース
【0183】
次に、構成成分をブレンドした。イソマルトおよびSMCC希釈剤へのバルベナジンジトシル酸塩の不適切なデアグロメレーションおよびその後の分散は、投薬量単位の含量および均一性に、潜在的に影響を及ぼし得る。
【0184】
滑沢剤ブレンド
ステアリン酸マグネシウムを、手作業でふるい分けし(約1mmの篩)(粒子内分量は、必要に応じて、事前に滑沢剤を添加した(pre-lubricated)ブレンド収量に基づいて調節 - 限界98%)、ブレンドするために開放運搬箱に入れた。次に、構成成分をブレンドした。このステップにおいて望ましい結果は、流動性の改善と、かさ密度およびタップ密度の増大、ならびに粒径分布の改善である。
【0185】
ローラー圧縮
次に、ブレンドを、0.8~1.0mmのミルスクリーンを有するローラー圧縮機を介して、重力供給した。ブレンドの特徴は、被包化中にブレンドをどのように上手く取り扱うかについて考慮するための重要な因子である。不適切な処理パラメーターは、不十分な顆粒の流れおよび圧縮性をもたらし、それによって被包化に影響を及ぼし得る。APIおよび賦形剤の高い溶解度は、溶解に影響を及ぼすべきではない。すべてのローラー圧縮ブレンドは、初期の粒子内ブレンド特性を上回る改善を示したが、それによって、より良好なカプセル剤の重量均一性が支持される。
【0186】
最終的な滑沢剤ブレンド
ステアリン酸マグネシウムを、手作業でふるい分けし(約1mmの篩)(分量は、必要に応じて、事前に滑沢剤を添加したブレンド収量に基づいて調節 - 限界98%)、ブレンドするために開放運搬箱に入れた。次に、構成成分をブレンドした。このステップにおいて望ましい結果は、被包化のための、均一かつ自由に流動する滑沢剤を添加した最終ブレンドである。不適切なブレンドは、投薬量単位の含量および均一性に影響を及ぼし得る。疎水性ステアリン酸マグネシウムとの過剰ブレンドは、溶解に影響を及ぼし得る。ブレンドは、湿気への曝露を最小限に抑える制御環境において実施される。
【0187】
被包化
滑沢剤を添加したブレンドを、自動被包機に移し、サイズ1カプセルに被包化した。不適切な被包装置の設定は、充填されたカプセルシェルの外観に影響を及ぼし得る。カプセル充填重量は、含量および用量の均一性に影響を及ぼし得る。カプセル充填プラグの圧縮は、溶解および充填重量/含量の均一性に影響を及ぼし得る。
【0188】
被包化は、湿気への曝露を最小限に抑える制御環境において実施される。
【0189】
被包化生成物の除塵および金属検出を実施し、生成物の重量をチェックした。
【0190】
(実施例4)
従来技術の製剤化を用いるバルベナジン80mgのカプセル剤の調製
80mg用量の製剤化戦略では、公知の40mgカプセル剤の直接被包製剤化の使用を試みた。以下に示される通り、粉末ブレンド40mgの量の2倍でサイズ0カプセルを充填して、80mg強度のカプセル剤を得る試みがなされた。
【表5】
【0191】
バルベナジンジトシル酸塩、マンニトール(USP)、部分的にアルファ化されたトウモロコシデンプン(USNF)、フュームドシリカ(USNF)およびステアリン酸マグネシウム(USNF)を、先に示される量に従って秤量した。マンニトールの一部(1/4)を、約0.8mmのまたはそれに等価な丸穴スクリーンを備えたふるい分けミルを通して、ブレンドするために運搬箱に移した。次に、ふるい分けしたマンニトール構成成分をブレンドした。
【0192】
プレブレンドおよびふるい分け
以下の構成成分を、約0.8mmのまたはそれに等価な丸穴スクリーンを備えたふるい分けミルを通して、運搬箱に移した。
a.バルベナジンジトシル酸塩
b.フュームドシリカ
c.部分的にアルファ化されたトウモロコシデンプン
d.残りのマンニトール(3/4)-(DSアッセイを補償するために、マンニトール重量の調整をこの画分で実施する)
【0193】
構成成分をブレンドし、次にポリエチレン(PE)バッグに移した。プレブレンドを、約0.8mmのまたはそれに等価な丸穴スクリーンを備えたふるい分けミルを通して、ブレンドするために運搬箱に移した。
【0194】
最終的な滑沢剤ブレンド
ステアリン酸マグネシウム(分量は、必要に応じて、事前に滑沢剤を添加したブレンド収量に基づいて調節 - 限界98%)を、手作業でふるい分けし(約1mmの篩)、ブレンドするために開放運搬箱に入れた。次に、構成成分をブレンドした。
【0195】
被包化
サイズ0カプセルを充填する試みは上手くいかなかった。サイズ0カプセルシェルに適合するはずの圧縮物に粉末を十分に圧縮することは不可能であった。
【0196】
上記の様々な実施形態は、さらなる実施形態を提供するために組み合わせることができる。本明細書において言及されるおよび/または出願データシートに列挙される米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、外国特許、外国特許出願および非特許刊行物のすべては、それら全体が参照により本明細書に組み込まれる。実施形態の態様は、必要に応じて様々な特許、出願および刊行物の概念を用いて、またさらなる実施形態を提供するために、改変することができる。
【0197】
これらおよび他の変更は、上記の詳細な説明に照らして、実施形態に対して行うことができる。一般に、以下の特許請求の範囲において使用される用語は、特許請求の範囲を、本明細書および特許請求の範囲に開示される具体的な実施形態に限定するものと解釈されるべきでなく、このような特許請求の範囲に権利が付与される均等物の全範囲と共に、すべての可能な実施形態を含むと解釈されるべきである。したがって、特許請求の範囲は、本開示によって限定されない。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、それを必要とする患者に投与する方法であって、
治療有効量の前記VMAT2阻害剤を、前記患者に投与するステップと、
前記患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法。
(項目2)
バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
治療有効量の前記VMAT2阻害剤を、前記患者に投与するステップと、
前記患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法。
(項目3)
1つまたは複数の曝露関連有害反応に耐える前記患者の能力に基づいて、前記VMAT2阻害剤の量を低減するステップをさらに含む、項目1または2に記載の方法。
(項目4)
バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者に投与する方法であって、
1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大していない患者に投与されると予想される量と比較して低減されている量の前記VMAT2阻害剤を、前記患者に投与するステップと、
前記患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、方法。
(項目5)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約10%低減される、項目3または4に記載の方法。
(項目6)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約20%低減される、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約30%低減される、項目5に記載の方法。
(項目8)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約40%低減される、項目5に記載の方法。
(項目9)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約50%低減される、項目5に記載の方法。
(項目10)
1つまたは複数の曝露関連有害反応に耐える前記患者の能力に基づいて、前記VMAT2阻害剤の投与を中断するステップをさらに含む、項目1、2、または4に記載の方法。(項目11)
1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験している前記患者に、ステロイドおよび抗ヒスタミン薬から選択される1つまたは複数の医薬品を投与するステップをさらに含む、項目1から10のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を、前記VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験したことがない、それを必要とする患者に投与する方法であって、前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択され、
前記方法が、治療有効量の前記VMAT2阻害剤を、前記患者に投与するステップを含む、方法。
(項目13)
前記投与の前に、前記患者が、前記VMAT2阻害剤を投与されたことがなかった、項目12に記載の方法。
(項目14)
前記投与の前に、前記患者が、前記VMAT2阻害剤を投与されたことがあり、かつ前記患者が、1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験したことがなかった、項目12に記載の方法。
(項目15)
前記投与の前に、前記患者が、前記VMAT2阻害剤を投与されたことがあり、かつ1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験したことがあり、その際に前記患者に投与されていたVMAT2阻害剤の量が低減され、その後、前記患者が、前記低減された量で1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験しなかった、項目12に記載の方法。
(項目16)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の曝露関連有害反応をもたらし得ることを、前記患者または医療従事者に通知するステップをさらに含む、項目1から15のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクの増大をもたらし得ることを、前記患者または医療従事者に通知するステップをさらに含む、項目1から16のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記患者に、あらゆる曝露関連有害反応を医療従事者に報告するよう通知するステップをさらに含む、項目1から17のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症反応および発疹である、項目1から18のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症反応である、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、じんま疹、掻痒症、アレルギー性皮膚炎、および血管性浮腫から選択される、項目20に記載の方法。
(項目22)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、発疹である、項目1から19のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記VMAT2阻害剤が、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために前記患者に投与される、項目1から22のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が、運動過剰障害、気分障害、双極性障害、統合失調症、統合失調性感情障害、気分障害における躁病、気分障害におけるうつ病、処置抵抗性強迫性障害、レッシュ-ナイハン症候群と関連する神経学的機能不全、アルツハイマー病と関連する激越、脆弱X症候群もしくは脆弱X関連振戦-運動失調症候群、自閉症スペクトル障害、レット症候群、または舞踏病有棘赤血球増加である、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が、運動過剰障害である、項目24に記載の方法。
(項目26)
前記運動過剰障害が、遅発性ジスキネジアである、項目25に記載の方法。
(項目27)
前記運動過剰障害が、トゥーレット症候群である、項目25に記載の方法。
(項目28)
前記運動過剰障害が、ハンチントン病である、項目25に記載の方法。
(項目29)
前記運動過剰障害が、チックまたはチック障害である、項目25に記載の方法。
(項目30)
前記運動過剰障害が、ハンチントン病と関連する舞踏病である、項目25に記載の方法。
(項目31)
前記運動過剰障害が、運動失調、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群、または振戦である、項目25に記載の方法。
(項目32)
前記患者が、22q11.2欠失症候群を有すると決定されている、項目1から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目33)
前記患者が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して精神医学的障害を発症する素因がある、項目1から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記患者が、COMTハプロ不全を有すると決定されている、項目1から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記患者が、COMTハプロ不全を有することに起因して精神医学的障害を発症する素因がある、項目1から31のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記VMAT2阻害剤が、経口投与される、項目1から35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記VMAT2阻害剤が、錠剤またはカプセル剤の形態で投与される、項目1から36のいずれか一項に記載の方法。
(項目38)
前記VMAT2阻害剤が、食品を伴ってまたは伴わずに投与される、項目1から37のいずれか一項に記載の方法。
(項目39)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩である、項目1から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目40)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジントシル酸塩である、項目1から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目41)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジンのジトシル酸塩である、項目1から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目42)
前記VMAT2阻害剤が、L-バリン、(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシ-d3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステルまたは薬学的に許容されるその塩である同位体バリアントである、項目1から38のいずれか一項に記載の方法。
(項目43)
前記VMAT2阻害剤が、約20mg~約160mgの間のバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目1から42のいずれか一項に記載の方法。
(項目44)
前記VMAT2阻害剤が、約20mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目43に記載の方法。
(項目45)
前記VMAT2阻害剤が、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目43に記載の方法。
(項目46)
前記VMAT2阻害剤が、約60mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目43に記載の方法。
(項目47)
前記VMAT2阻害剤が、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目43に記載の方法。
(項目48)
前記VMAT2阻害剤が、約120mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目43に記載の方法。
(項目49)
前記VMAT2阻害剤が、第1の期間に第1の量で投与され、次に前記量が、第2の量に増大される、項目1から48のいずれか一項に記載の方法。
(項目50)
前記第1の期間が、1週間である、項目49に記載の方法。
(項目51)
前記第1の量が、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等価である、項目49または50に記載の方法。
(項目52)
前記第2の量が、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等価である、項目49から51のいずれか一項に記載の方法。
(項目53)
前記VMAT2阻害剤が、血漿1mL当たり約15ng~約60ngの間の最大血漿濃度(Cmax)の(+)-α-DHTBZおよび血漿1mL当たり少なくとも15ngの最小血漿濃度(Cmin)の(+)-α-DHTBZを、8時間にわたって達成するのに十分な量で投与される、項目1から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目54)
前記VMAT2阻害剤が、血漿1mL当たり約15ng~約60ngの間の最大血漿濃度(Cmax)の(+)-α-DHTBZおよび前記Cmaxのおよそ少なくとも約33%~50%の間の最小血漿濃度(Cmin)を、12時間にわたって達成するのに十分な量で投与される、項目1から52のいずれか一項に記載の方法。
(項目55)
前記VMAT2阻害剤が、(i)血漿1mL当たり約15ng~約60ngの治療濃度範囲の(+)-α-DHTBZ、および(ii)血漿1mL当たり少なくとも15ngの閾値濃度の(+)-α-DHTBZを、約8時間~約24時間にわたって達成するのに十分な量で投与される、項目1から53のいずれか一項に記載の方法。
(項目56)
神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、前記方法が、
治療有効量の前記VMAT2阻害剤を、前記患者に投与するステップと、
前記患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目57)
それを必要とする前記患者が、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、項目56に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目58)
前記方法が、1つまたは複数の曝露関連有害反応に耐える前記患者の能力に基づいて、前記VMAT2阻害剤の量を低減するステップをさらに含む、項目56または57に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目59)
神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大している、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、前記方法が、
1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクが増大していない患者に投与されると予想される量と比較して低減されている量の前記VMAT2阻害剤を、前記患者に投与するステップと、
前記患者を、1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングするステップと
を含み、
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目60)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約10%低減される、項目58または59に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目61)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約20%低減される、項目60に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目62)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約30%低減される、項目60に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目63)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約40%低減される、項目60に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目64)
前記VMAT2阻害剤の前記量が、少なくとも約50%低減される、項目60に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目65)
1つまたは複数の曝露関連有害反応に耐える前記患者の能力に基づいて、前記VMAT2阻害剤の投与を中断するステップをさらに含む、項目56、58、または59に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目66)
1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験している前記患者に、ステロイドおよび抗ヒスタミン薬から選択される1つまたは複数の医薬品を投与するステップをさらに含む、項目56から65のいずれか一項に記載の使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目67)
神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、VMAT2阻害剤の投与の結果としての1つまたは複数の曝露関連有害反応を経験したことがない、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択され、前記方法が、
治療有効量の前記VMAT2阻害剤を、前記患者に投与するステップを含む、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目68)
前記投与の前に、前記患者が、前記VMAT2阻害剤を投与されたことがなかった、項目67に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目69)
前記投与の前に、前記患者が、前記VMAT2阻害剤を投与されたことがあり、前記患者が、1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験したことがなかった、項目67に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目70)
前記投与の前に、前記患者が、前記VMAT2阻害剤を投与されたことがあり、かつ1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験したことがあり、その際に前記患者に投与されていたVMAT2阻害剤の量が低減され、その後、前記患者が、前記低減された量で1つまたは複数の曝露関連有害事象を経験しなかった、項目67に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目71)
神経学的または精神医学的疾患または障害の処置を、それを必要とする患者において行う方法における使用のための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤であって、前記方法が、個体に、有効量の前記VMAT2阻害剤を投与するステップを含み、前記患者が、前記VMAT2阻害剤を既に投与され、かつ過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応についてモニタリングされており、そして前記患者が、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応が存在しない前記VMAT2阻害剤を用いる処置のために選択されている、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目72)
神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するための、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を用いる処置のために患者を選択する方法であって、前記VMAT2阻害剤の投与後に、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応の存在または非存在を決定するステップと、前記VMAT2阻害剤を用いる処理のために、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応が存在しない患者を選択するステップとを含む、方法。(項目73)
項目1から52のいずれか一項における使用のための、小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤。
(項目74)
(i)容器と、
(ii)前記容器内の、バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤を含む組成物と、
(iii)神経学的または精神医学的疾患または障害に罹患している個体に前記VMAT2阻害剤を投与するよう、前記組成物の使用者に指示し、過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクについて前記組成物の前記使用者に警告する、パッケージ挿入物と
を含む、製造物品。
(項目75)
個体における神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するためのキットであって、
(i)バルベナジン、または薬学的に許容されるその塩および/もしくは同位体バリアントから選択される小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤と、
(ii)神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために前記VMAT2阻害剤を使用するため、ならびに過敏症および/または皮膚科学的反応から選択される1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクについて組成物の使用者に警告するための、指示とを有するパッケージを含む、キット。
(項目76)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の曝露関連有害反応をもたらし得ることを、前記患者または医療従事者に通知するステップをさらに含む、項目56から75のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目77)
患者への前記VMAT2阻害剤の投与が、1つまたは複数の曝露関連有害反応のリスクの増大をもたらし得ることを、前記患者または医療従事者に通知するステップをさらに含む、項目56から76のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目78)
前記患者に、あらゆる曝露関連有害反応を医療従事者に報告するよう通知するステップをさらに含む、項目56から77のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目79)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症反応および発疹である、項目56から78のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目80)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、過敏症反応である、項目56から78のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目81)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、じんま疹、掻痒症、アレルギー性皮膚炎、および血管性浮腫から選択される、項目80に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目82)
前記1つまたは複数の曝露関連有害反応が、発疹である、項目56から78のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目83)
前記VMAT2阻害剤が、神経学的または精神医学的疾患または障害を処置するために前記患者に投与される、項目56から82のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目84)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が、運動過剰障害、気分障害、双極性障害、統合失調症、統合失調性感情障害、気分障害における躁病、気分障害におけるうつ病、処置抵抗性強迫性障害、レッシュ-ナイハン症候群と関連する神経学的機能不全、アルツハイマー病と関連する激越、脆弱X症候群もしくは脆弱X関連振戦-運動失調症候群、自閉症スペクトル障害、レット症候群、または舞踏病有棘赤血球増加である、項目83に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目85)
前記神経学的または精神医学的疾患または障害が、運動過剰障害である、項目84に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目86)
前記運動過剰障害が、遅発性ジスキネジアである、項目85に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目87)
前記運動過剰障害が、トゥーレット症候群である、項目85に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目88)
前記運動過剰障害が、ハンチントン病である、項目85に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目89)
前記運動過剰障害が、チックまたはチック障害である、項目85に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目90)
前記運動過剰障害が、ハンチントン病と関連する舞踏病である、項目85に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目91)
前記運動過剰障害が、運動失調、舞踏病、ジストニア、ハンチントン病、ミオクローヌス、不穏下肢症候群、または振戦である、項目85に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目92)
前記患者が、22q11.2欠失症候群を有すると決定されている、項目56から91のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目93)
前記患者が、22q11.2欠失症候群を有することに起因して精神医学的障害を発症する素因がある、項目56から91のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目94)
前記患者が、COMTハプロ不全を有すると決定されている、項目56から91のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目95)
前記患者が、COMTハプロ不全を有することに起因して精神医学的障害を発症する素因がある、項目56から91のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目96)
前記VMAT2阻害剤が、経口投与される、項目56から95のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目97)
前記VMAT2阻害剤が、錠剤またはカプセル剤の形態で投与される、項目56から96のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目98)
前記VMAT2阻害剤が、食品を伴ってまたは伴わずに投与される、項目56から97のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目99)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジンまたは薬学的に許容されるその塩である、項目56から98のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目100)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジントシル酸塩である、項目56から98のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目101)
前記VMAT2阻害剤が、バルベナジンのジトシル酸塩である、項目56から98のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目102)
前記VMAT2阻害剤が、L-バリン、(2R,3R,11bR)-1,3,4,6,7,11b-ヘキサヒドロ-9,10-ジ(メトキシ-d3)-3-(2-メチルプロピル)-2H-ベンゾ[a]キノリジン-2-イルエステルまたは薬学的に許容されるその塩である同位体バリアントである、項目56から98のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目103)
前記VMAT2阻害剤が、約20mg~約160mgの間のバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目56から102のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目104)
前記VMAT2阻害剤が、約20mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目103に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目105)
前記VMAT2阻害剤が、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目103に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目106)
前記VMAT2阻害剤が、約60mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目103に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目107)
前記VMAT2阻害剤が、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目103に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目108)
前記VMAT2阻害剤が、約120mgのバルベナジン遊離塩基に等価な量で投与される、項目103に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目109)
前記VMAT2阻害剤が、第1の期間に第1の量で投与され、次に前記量が、第2の量に増大される、項目56から102のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目110)
前記第1の期間が、1週間である、項目109に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目111)
前記第1の量が、約40mgのバルベナジン遊離塩基に等価である、項目109または110に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目112)
前記第2の量が、約80mgのバルベナジン遊離塩基に等価である、項目109から111のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目113)
前記VMAT2阻害剤が、血漿1mL当たり約15ng~約60ngの間の最大血漿濃度(Cmax)の(+)-α-DHTBZおよび血漿1mL当たり少なくとも15ngの最小血漿濃度(Cmin)の(+)-α-DHTBZを、8時間にわたって達成するのに十分な量で投与される、項目56から112のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目114)
前記VMAT2阻害剤が、血漿1mL当たり約15ng~約60ngの間の最大血漿濃度(Cmax)の(+)-α-DHTBZおよび前記Cmaxのおよそ少なくとも約33%~50%の間の最小血漿濃度(Cmin)を、12時間にわたって達成するのに十分な量で投与される、項目56から112のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。
(項目115)
前記VMAT2阻害剤が、(i)血漿1mL当たり約15ng~約60ngの治療濃度範囲の(+)-α-DHTBZ、および(ii)血漿1mL当たり少なくとも15ngの閾値濃度の(+)-α-DHTBZを、約8時間~約24時間にわたって達成するのに十分な量で投与される、項目56から112のいずれか一項に記載の小胞モノアミン輸送2(VMAT2)阻害剤、方法、製造物品、またはキット。