(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113117
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール並びに光起電力システム
(51)【国際特許分類】
H01L 31/0216 20140101AFI20240814BHJP
H01L 31/068 20120101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L31/04 240
H01L31/06 300
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024092427
(22)【出願日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202311561364.2
(32)【優先日】2023-11-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523183389
【氏名又は名称】トリナ・ソーラー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRINA SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Trina Road, Trina PV Park, Xinbei District, Changzhou, Jiangsu 213031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】劉 成法
(72)【発明者】
【氏名】陳 紅
(72)【発明者】
【氏名】陳 達明
(72)【発明者】
【氏名】王 子港
(72)【発明者】
【氏名】柳 偉
(57)【要約】 (修正有)
【課題】太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール並びに光起電力システムを提供する。
【解決手段】太陽電池は、基板とパッシベーションコンタクト構造とを含み、パッシベーションコンタクト構造は、基板の1つの表面に順に設けられた第1トンネル酸化層、多結晶シリコンドープ導電層及び第2トンネル酸化層を含み、多結晶シリコンドープ導電層と第1トンネル酸化層の少なくとも一部の領域に、間隔をあけて配置された穴が複数形成され、各穴は、多結晶シリコンドープ導電層を貫通し、且つ第1トンネル酸化層中まで延在し、第2トンネル酸化層は、少なくとも各穴の第1トンネル酸化層中に位置する部分に充填されている。本発明は、パッシベーションコンタクト構造の表面パッシベーション効果を改善し、表面の再結合を低下させ、太陽電池の変換効率を向上させることができる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、
基板とパッシベーションコンタクト構造とを含み、
前記パッシベーションコンタクト構造は、前記基板の1つの表面に順に設けられた第1トンネル酸化層、多結晶シリコンドープ導電層及び第2トンネル酸化層を含み、
前記多結晶シリコンドープ導電層と前記第1トンネル酸化層の少なくとも一部の領域に、間隔をあけて配置された穴が複数形成され、各前記穴は、前記多結晶シリコンドープ導電層を貫通し、且つ前記第1トンネル酸化層中に延在し、
前記第2トンネル酸化層は、少なくとも各前記穴の前記第1トンネル酸化層中に位置する部分に充填されている、
ことを特徴とする、太陽電池。
【請求項2】
前記第2トンネル酸化層は、各前記穴に充満されている、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
少なくとも一部の前記穴は、前記第1トンネル酸化層を貫通する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記穴の横断面の輪郭は、円形に構成され、前記穴の直径は、100nm以上であり、又は
前記穴の横断面の輪郭は、多角形に構成され、前記多角形の少なくとも1つの辺長は、100nm以上である、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第1トンネル酸化層の厚さは、前記第2トンネル酸化層の厚さと等しく、及び/又は
前記第1トンネル酸化層の材質は、前記第2トンネル酸化層の材質と同じである、
ことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第2トンネル酸化層の厚さは、0.5nm~5nmである、
ことを特徴とする、請求項5に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記多結晶シリコンドープ導電層は、積層して設置された第1多結晶シリコンドープ導電層及び第2多結晶シリコンドープ導電層を含み、
前記第1多結晶シリコンドープ導電層は、前記第1トンネル酸化層に隣接し、前記第2多結晶シリコンドープ導電層は、前記第2トンネル酸化層に隣接し、
前記第1多結晶シリコンドープ導電層のドープ濃度は、前記第2多結晶シリコンドープ導電層のドープ濃度よりも低い、
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記基板の第1面の反射率は、30%よりも大きく、及び/又は
前記基板の第1面の粗さは、1μm未満であり、
前記第1面は、前記基板の前記第1トンネル酸化層が設けられた表面である、
ことを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の太陽電池。
【請求項9】
前記第2トンネル酸化層の前記基板から離れる表面に積層して設置された第1パッシベーション膜層と、
前記基板の前記第1トンネル酸化層から離れる表面に順に積層して設置されたドープ導電層及び第2パッシベーション膜層と、をさらに含む、
ことを特徴とする、請求項8に記載の太陽電池。
【請求項10】
太陽電池の製造方法であって、
基板の1つの表面に第1トンネル酸化層及び多結晶シリコンドープ導電層を順に積層して形成することであって、前記多結晶シリコンドープ導電層と前記第1トンネル酸化層の少なくとも一部の領域に、間隔をあけて配置された穴が複数形成され、各前記穴は、前記多結晶シリコンドープ導電層を貫通し、且つ前記第1トンネル酸化層中に延在することと、
前記多結晶シリコンドープ導電層の前記第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成し、且つ前記第2トンネル酸化層を少なくとも各前記穴の前記第1トンネル酸化層中に位置する部分に充填させることと、を含む、
ことを特徴とする、太陽電池の製造方法。
【請求項11】
前記した基板の1つの表面に第1トンネル酸化層及び多結晶シリコンドープ導電層を順に積層して形成することは、
前記基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、多結晶シリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層を順に形成することであって、前記多結晶シリコンドープ材料層及び前記第1酸化物材料層に貫通孔を複数形成して、前記第1トンネル酸化材料層における前記貫通孔に対応する領域を露出させることと、
前記基板の第2面及び前記基板の各側面に巻いてメッキされた前記第1トンネル酸化材料層、前記多結晶シリコンドープ材料層及び前記第1酸化物材料層を除去して、前記基板の第1面に前記第1トンネル酸化層、前記多結晶シリコンドープ導電層及び第1酸化物層を順に形成することであって、前記第1面と前記第2面は、対向配置され、前記基板の各側面は、前記第1面と前記第2面との間に隣接することと、
前記第1酸化物層を除去し、前記第1トンネル酸化層における前記貫通孔に対応する領域を自身の厚さ方向に沿って少なくとも部分的に除去して、対応する前記貫通孔とともに前記穴を画定することと、を含む、
ことを特徴とする、請求項10に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項12】
前記した前記基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、多結晶シリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層を順に形成することは、
前記基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、アモルファスシリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層を順に形成することと、
アニールプロセスを行って、前記アモルファスシリコンドープ材料層を多結晶シリコンドープ材料層に変換し、前記多結晶シリコンドープ材料層及び前記第1酸化物材料層に前記貫通孔を複数形成することと、を含む、
ことを特徴とする、請求項11に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項13】
前記アニールプロセスのプロセス条件は、以下の通りであり、
反応温度を5℃/minよりも大きい速度で25℃から第1所定温度まで上昇させ、且つ所定時間保持し、前記第1所定温度は、600℃よりも大きく、
前記反応温度を2℃/minよりも大きい速度で前記第1所定温度から第2所定温度まで低下させ、前記第2所定温度は、前記第1所定温度よりも小さく、且つ600℃よりも大きく、
前記反応温度を20℃/minよりも大きい速度で前記第2所定温度から第3所定温度まで低下させ、前記第3所定温度は、100℃よりも小さい、
ことを特徴とする、請求項12に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項14】
前記したアモルファスシリコンドープ材料層を形成することは、
前記第1トンネル酸化材料層の前記基板から離れる表面に第1アモルファスシリコン材料層及び第2アモルファスシリコン材料層を順に積層して形成することであって、前記第1アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、前記第2アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度よりも小さいことを含む、
ことを特徴とする、請求項12に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項15】
前記第1アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、2E20cm-3よりも小さく、前記第2アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、2E20cm-3以上である、
ことを特徴とする、請求項14に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項16】
前記した前記多結晶シリコンドープ導電層の前記第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成することは、
前記多結晶シリコンドープ導電層の前記第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成し、且つ前記第2トンネル酸化層を前記穴に充満させることを含む、
ことを特徴とする、請求項10に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項17】
前記した基板の1つの表面に第1トンネル酸化層及び多結晶シリコンドープ導電層を順に積層して形成することの前に、さらに、
前記基板の第1面に対してエッチング処理を行い、且つ前記第1面の反射率を30%よりも大きくすること、及び/又は
前記基板の第1面に対してエッチング処理を行い、且つ前記基板の第1面の粗さを1μmよりも小さくすること、を含み、
前記第1面は、前記基板の前記第1トンネル酸化層が設けられた表面である、
ことを特徴とする、請求項10に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項18】
前記した前記多結晶シリコンドープ導電層の前記第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成することの後に、さらに、
前記第2トンネル酸化層の前記基板から離れる表面に第1パッシベーション膜層を形成することを含む、
ことを特徴とする、請求項17に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項19】
光起電力モジュールであって、
少なくとも1つの電池ストリングを含み、前記電池ストリングは、請求項1~6のいずれか1項に記載の太陽電池を少なくとも2つ含む、
ことを特徴とする、光起電力モジュール。
【請求項20】
光起電力システムであって、
請求項19に記載の光起電力モジュールを含む、
ことを特徴とする、光起電力システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光起電力の技術分野に関し、特に太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール並びに光起電力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力技術の発展に伴い、結晶シリコン太陽電池の光電変換効率に対する要求は益々高くなっているが、産業化された太陽電池の効率の向上は、依然として多くの課題に直面している。関連技術における太陽電池において、再結合の速度を低下させ、少数キャリアの寿命を延ばし、太陽電池の光電変換効率を向上させるために、一般的に、シリコン基板に対してパッシベーション処理を行い、シリコン基板の表面にパッシベーションコンタクト構造を形成して表面キャリアの再結合を低下させることで、シリコン基板の内部欠陥による影響を減少させる。また、一般的なパッシベーションコンタクト構造は、トンネル酸化層と高濃度にドープされた多結晶シリコン層とを結合し、トンネル酸化層の化学パッシベーション作用によりシリコン基板と多結晶シリコンとの間の界面再結合を低下させる。それに、トンネル酸化層も良好なトンネル作用を果たすことができ、多数キャリアがトンネル原理によって輸送を実現できるようにし、一方、高いポテンシャル障壁のため、少数キャリアは、トンネルしてトンネル酸化層を通過して多結晶シリコン層に入って再結合されることが困難である。しかし、関連技術の太陽電池において、常にパッシベーションコンタクト構造の構成が不連続であり、完全性が悪いという問題が存在し、それによって、パッシベーションコンタクト構造の表面パッシベーション効果が良くなく、太陽電池の変換効率に影響してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これに鑑みて、本願は、太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール並びに光起電力システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本願の実施例に係る第1態様は、
基板とパッシベーションコンタクト構造とを含み、
パッシベーションコンタクト構造は、基板の1つの表面に順に設けられた第1トンネル酸化層、多結晶シリコンドープ導電層及び第2トンネル酸化層を含み、
多結晶シリコンドープ導電層と第1トンネル酸化層の少なくとも一部の領域に、間隔をあけて配置された穴が複数形成され、各穴は、多結晶シリコンドープ導電層を貫通し、且つ第1トンネル酸化層中に延在し、
第2トンネル酸化層は、少なくとも各穴の第1トンネル酸化層中に位置する部分に充填されている、
太陽電池を提供する。
【0005】
いずれかの実施例では、第2トンネル酸化層は、各穴に充満されている。
【0006】
いずれかの実施例では、少なくとも一部の穴は、第1トンネル酸化層を貫通する。
【0007】
いずれかの実施例では、穴の横断面の輪郭は、円形に構成され、穴の直径は、100nm以上であり、又は
穴の横断面の輪郭は、多角形に構成され、多角形の少なくとも1つの辺長は、100nm以上である。
【0008】
いずれかの実施例では、第1トンネル酸化層の厚さは、第2トンネル酸化層の厚さと等しく、及び/又は
第1トンネル酸化層の材質は、第2トンネル酸化層の材質と同じである。
【0009】
いずれかの実施例では、第2トンネル酸化層の厚さは、0.5nm~5nmである。
【0010】
いずれかの実施例では、多結晶シリコンドープ導電層は、積層して設置された第1多結晶シリコンドープ導電層及び第2多結晶シリコンドープ導電層を含み、
第1多結晶シリコンドープ導電層は、第1トンネル酸化層に隣接し、第2多結晶シリコンドープ導電層は、第2トンネル酸化層に隣接し、
第1多結晶シリコンドープ導電層のドープ濃度は、第2多結晶シリコンドープ導電層のドープ濃度よりも低い。
【0011】
いずれかの実施例では、基板の第1面の反射率は、30%よりも大きく、及び/又は
基板の第1面の粗さは、1μm未満であり、
第1面は、基板の第1トンネル酸化層が設けられた表面である。
【0012】
いずれかの実施例では、太陽電池は、
第2トンネル酸化層の基板から離れる表面に積層して設置された第1パッシベーション膜層と、
基板の第1トンネル酸化層から離れる表面に順に積層して設置されたドープ導電層及び第2パッシベーション膜層と、をさらに含む。
【0013】
本願の実施例に係る第2態様は、
基板の1つの表面に第1トンネル酸化層及び多結晶シリコンドープ導電層を順に積層して形成することであって、多結晶シリコンドープ導電層と第1トンネル酸化層の少なくとも一部の領域に、間隔をあけて配置された穴が複数形成され、各穴は、多結晶シリコンドープ導電層を貫通し、且つ第1トンネル酸化層中に延在することと、
多結晶シリコンドープ導電層の第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成し、且つ第2トンネル酸化層を少なくとも各穴の第1トンネル酸化層中に位置する部分に充填させることと、を含む、
太陽電池の製造方法を提供する。
【0014】
いずれかの実施例では、基板の1つの表面に第1トンネル酸化層及び多結晶シリコンドープ導電層を順に積層して形成することは、具体的に、
基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、多結晶シリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層を順に形成することであって、多結晶シリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層に貫通孔を複数形成して、第1トンネル酸化材料層における貫通孔に対応する領域を露出させることと、
基板の第2面及び基板の各側面に巻いてメッキされた第1トンネル酸化材料層、多結晶シリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層を除去して、基板の第1面に第1トンネル酸化層、多結晶シリコンドープ導電層及び第1酸化物層を順に形成することであって、第1面と第2面は、対向配置され、基板の各側面は、第1面と第2面との間に隣接することと、
第1酸化物層を除去し、第1トンネル酸化層における貫通孔に対応する領域を自身の厚さ方向に沿って少なくとも部分的に除去して、対応する貫通孔とともに穴を画定することと、を含む。
【0015】
いずれかの実施例では、基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、多結晶シリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層を順に形成することは、具体的に、
基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、アモルファスシリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層を順に形成することと、
アニールプロセスを行って、アモルファスシリコンドープ材料層を多結晶シリコンドープ材料層に変換し、多結晶シリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層に貫通孔を複数形成することと、を含む。
【0016】
いずれかの実施例では、アニールプロセスのプロセス条件は、以下の通りであり、
反応温度を5℃/minよりも大きい速度で25℃から第1所定温度まで上昇させ、且つ所定時間保持し、第1所定温度は、600℃よりも大きく、
反応温度を2℃/minよりも大きい速度で第1所定温度から第2所定温度まで低下させ、第2所定温度は、第1所定温度よりも小さく、且つ600℃よりも大きく、
反応温度を20℃/minよりも大きい速度で第2所定温度から第3所定温度まで低下させ、第3所定温度は、100℃よりも小さい。
【0017】
いずれかの実施例では、アモルファスシリコンドープ材料層を形成することは、
第1トンネル酸化材料層の基板から離れる表面に第1アモルファスシリコン材料層及び第2アモルファスシリコン材料層を順に積層して形成することであって、第1アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、第2アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度よりも小さいことを含む。
【0018】
いずれかの実施例では、第1アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、2E20cm-3よりも小さく、第2アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、2E20cm-3以上である。
【0019】
いずれかの実施例では、多結晶シリコンドープ導電層の第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成することは、
多結晶シリコンドープ導電層の第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成し、且つ第2トンネル酸化層を穴に充満させることを含む。
【0020】
基板の1つの表面に第1トンネル酸化層及び多結晶シリコンドープ導電層を順に積層して形成することの前に、さらに、
基板の第1面に対してエッチング処理を行い、且つ第1面の反射率を30%よりも大きくすること、及び/又は
基板の第1面に対してエッチング処理を行い、且つ基板の第1面の粗さを1μmよりも小さくすること、を含み、
第1面は、基板の第1トンネル酸化層が設けられた表面である。
【0021】
いずれかの実施例では、多結晶シリコンドープ導電層の第1トンネル酸化層から離れる表面に第2トンネル酸化層を形成することの後に、さらに、以下を含み、
第2トンネル酸化層の基板から離れる表面に第1パッシベーション膜層を形成する。
【0022】
本願の実施例に係る第3態様は、少なくとも1つの電池ストリングを含み、電池ストリングが、上述した太陽電池を少なくとも2つ含む、光起電力モジュールを提供する。
【0023】
本願の実施例に係る第4態様は、上述した光起電力モジュールを含む、光起電力システムを提供する。
【発明の効果】
【0024】
上述した太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール及び光起電力システムの有益な効果は、以下の通りである。
本願の実施例では、第2トンネル酸化層を設け、且つ第2トンネル酸化層が少なくとも各穴の第1トンネル酸化層中に位置する部分に充填されており、それにより、第1トンネル酸化層における穴に対応する領域、即ち連続しない領域は、第2トンネル酸化層によって充填されることが可能であり、基板の表面における穴に対応する領域も被覆されることが可能であり、関連技術においてパッシベーションコンタクト構造が連続せず、穴の領域でのパッシベーション効果が劣る形態と比べて、表面パッシベーションの質を改善し、表面の再結合を低下させ、太陽電池の変換効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本願の実施例の提供する太陽電池の構成の模式図である。
【
図2】本願の実施例の提供する太陽電池の別の構成の模式図である。
【
図3】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法のフローの模式図である。
【
図4】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において基板の第1面に対してエッチング処理を行う模式図である。
【
図5】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、多結晶シリコンドープ導電材料層及び第1酸化物材料層を形成する模式図である。
【
図6】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において基板の第1面に第1トンネル酸化層及び多結晶シリコンドープ導電層を形成する模式図である。
【
図7】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において形成された穴の走査型電子顕微鏡の写真図である。
【
図8】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において形成された穴の顕微鏡の写真図である。
【
図9】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において第2トンネル酸化層を形成する模式図である。
【
図10】本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において形成された太陽電池の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の上記の目的、特徴と利点がより理解しやすくなるように、図面と参照しながら本発明の具体的な実施形態について詳しく説明する。本発明を充分に理解するために、以下の説明にて様々な具体的な細部を述べる。しかし、本発明はここで説明するものと異なる様々な形態で実施でき、当業者は本発明の趣旨から逸脱しない限り類似した改良を加えることができ、このため、本発明は以下に開示の具体的な実施例に制限されない。
【0027】
本発明の説明の中で、理解する必要があるのは、用語「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂部」、「底部」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などが指示する方位或いは位置関係は、図面が示す方位或いは位置関係に基づく。本発明を説明することを便利にし、説明を簡略化するためのみであり、装置或いはデバイスが必ず特定の方位、或いは特定の方位で構成及び操作する必要があることを指示または暗示するのではないため、本発明を制限すると理解すべきではない。
【0028】
なお、用語「第1」、「第2」は、説明のためのみに使用され、相対的な重要性を指示又は暗示し、或いは、指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すと理解すべきではない。そのため、「第1」、「第2」が限定された特徴は、少なくとも1つの当該特徴を明示し、或いは暗黙的に含むことができる。本発明の説明において、特に明確に限定しない限り、「複数」は、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0029】
本発明において、別段の明確な規定と限定がない限り、用語「取り付け」、「繋がる」、「接続」、「固定」などの用語は、別段の明確な限定がない限り、広義的に理解しなければならず、例えば、固定的に接続されてもよく、取り外し可能に接続されてもよく、一体にされてもよく、機械的に接続されてもよく、電気的に接続されてもよく、直接に接続してもよく、媒介を介して間接に接続されてもよく、2つの素子の内部の連通又は2つの素子の相互作用関係でもよく。当業者にとって、具体的な状況に基づいて上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0030】
本発明において、別段の明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴「上」又は「下」にあるのは、第1特徴が第2特徴に直接に接触してもよく、或いは、第1特徴が中間媒介を介して第2特徴に間接に接触してもよい。さらに、第1特徴が第2特徴「の上」、「上方」及び「上面」にあるのは、第1特徴が第2特徴の真上或いは斜め上にあってもよく、又は、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも高いことのみを表す。第1特徴が第2特徴「の下」、「下方」及び「下面」にあるのは、第1特徴が第2特徴の真下或いは斜め下にあってもよく、或いは、第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことのみを表す。
【0031】
なお、素子が他の素子に「固定」又は「設置」されると呼ばれる場合、他の素子に直接的に接してもよく、或いは、介在する素子が存在してもよい。素子が他の素子に「接続」されると見なされる場合、他の素子に直接的に接続されてもよく、或いは、同時に仲介素子が存在してもよい。ここで使用される用語「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似する表現は、説明のためだけであり、唯一の実施形態を示さない。
【0032】
以下、図面を参照しながら、本願の実施例に係る太陽電池及びその製造方法、光起電力モジュール並びに光起電力システムを説明する。
【0033】
なお、本願において、太陽電池がTOPCon電池(Tunnel Oxide Passivated Contact、トンネル酸化層パッシベーション接触)であることを例として説明し、太陽電池は、他のタイプの太陽電池であってもよく、太陽電池が他のタイプである場合に、同様であるため、ここで繰り返し述べない。
【0034】
図1は、本願の実施例の提供する太陽電池の構成の模式図であり、
図2は、本願の実施例の提供する太陽電池の別の構成の模式図である。
【0035】
図1、
図2を参照すると、本願の実施例に係る第1態様は、太陽電池200を提供する。太陽電池は、基板40及びパッシベーションコンタクト構造100を含み、パッシベーションコンタクト構造100は、基板40の1つの表面に順に設けられた第1トンネル酸化層10、多結晶シリコンドープ導電層30及び第2トンネル酸化層20を含む。
【0036】
また、多結晶シリコンドープ導電層30と第1トンネル酸化層10の少なくとも一部の領域に、間隔をあけて配置された穴50が複数形成され、各穴50は、多結晶シリコンドープ導電層30を貫通し、且つ第1トンネル酸化層10中に延在する。第2トンネル酸化層20は、少なくとも各穴50の第1トンネル酸化層10中に位置する部分に充填されている。
【0037】
本願の実施例における太陽電池200では、第2トンネル酸化層20が設けられ、且つ第2トンネル酸化層20が少なくとも各穴50の第1トンネル酸化層10中に位置する部分に充填され、それにより、第1トンネル酸化層10における穴50に対応する領域、即ち連続しない領域は、第2トンネル酸化層20によって充填されることが可能であり、基板40表面における穴50に対応する領域も被覆されることが可能であり、関連技術においてパッシベーションコンタクト構造が連続せず、穴の領域でのパッシベーション効果が劣る形態と比べて、表面パッシベーションの質を改善し、表面の再結合を低下させ、太陽電池200の変換効率を向上させることができる。
【0038】
第1トンネル酸化層10、多結晶シリコンドープ導電層30及び第2トンネル酸化層20が順に基板40の1つの表面に設けられることとは、第1トンネル酸化層10が基板40の1つの表面に設けられ、多結晶シリコンドープ導電層30が第1トンネル酸化層10の基板40から離反する表面に設けられ、第2トンネル酸化層20が多結晶シリコンドープ導電層30の第1トンネル酸化層10から離反する表面に設けられることを意味する。第1トンネル酸化層10において穴50によって生じる表面の欠陥と連続しない位置に対して、第2トンネル酸化層20における一部の材料によって充填されている。
【0039】
また、複数穴50の多結晶シリコンドープ導電層30及び第1トンネル酸化層10における設置位置は、ランダムであり、一部の領域に分布してもよく、多結晶シリコンドープ導電層30及び第1トンネル酸化層10の設置範囲全体に亘って分布してもよい。各穴50はいずれも、多結晶シリコンドープ導電層30に位置する部分穴セクション及び第1トンネル酸化層10に位置する部分穴セクションを含んでもよい。
【0040】
第2トンネル酸化層20が少なくとも各穴50の第1トンネル酸化層10中に位置する部分に充填されることとは、全ての穴50のうち、第1トンネル酸化層10に位置する部分穴セクションがいずれも第2トンネル酸化層20によって被覆されることを意味する。換言すれば、各穴50に充填された第2トンネル酸化層20の材料は、穴50の第1トンネル酸化層10に位置する部分穴セクションを完全に被覆する必要があり、それに加えて、一部の材料も穴50の多結晶シリコンドープ導電層30に位置する部分穴セクションに充填されてもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、第2トンネル酸化層20は、各穴50に充満されている。このように、第2トンネル酸化層20も完全性及び連続性のよい膜層を形成することを容易にし、基板40における穴50に対応する位置でよりよいパッシベーション効果を得ることを可能にする。
【0042】
本願の実施例では、少なくとも一部の穴50は、第1トンネル酸化層10を貫通する。基板40の一部の表面は、穴50を通じて露出し、第2トンネル酸化層20が穴50に充満されているため、第2トンネル酸化層20は、基板40における穴50に対応する位置に直接的に接触することができ、この位置でのパッシベーション効果を大幅に強化させる。
【0043】
本願の実施例では、穴50の横断面の輪郭は、円形に構成され、穴50の直径は、100nm以上である。或いは、穴50の横断面の輪郭は、多角形に構成され、多角形の少なくとも1つの辺長は、100nm以上である。
【0044】
それにより、多結晶シリコンドープ導電層30の構造は、連続しない構造となり、理解できるように、ここでの多角形は、規則又は不規則な多角形であってもよい。
【0045】
本願の実施例では、第1トンネル酸化層10の厚さは、第2トンネル酸化層20の厚さと等しい。及び/又は、第1トンネル酸化層10の材質は、第2トンネル酸化層20の材質と同じである。
【0046】
第1トンネル酸化層10の厚さが第2トンネル酸化層20の厚さと等しいことで、第2トンネル酸化層20が穴50に充填される場合、少なくとも各穴50の第1トンネル酸化層10に位置する部分穴セクションに充満されることを保証することができる。
【0047】
具体的には、各穴50の第1トンネル酸化層10中に位置する部分穴セクションに第2トンネル酸化層20の一部の材料が充填され、第1トンネル酸化層10の厚さ範囲は、第2トンネル酸化層20と同じであり、且つ両者の材質が同じであり、それにより、第1トンネル酸化層10と第2トンネル酸化層20は、いずれも超薄型酸化層を形成することができ、且つ第1トンネル酸化層10の各箇所での性能の均一性及び一致性を保証することができる。第1トンネル酸化層10及び第2トンネル酸化層20の材料は、誘電体材料であってもよく、例えば、酸化シリコン、炭化シリコン、窒化シリコン、酸窒化シリコンのうちの少なくとも一方であってもよい。
【0048】
さらに、第2トンネル酸化層20の厚さは、0.5nm~5nmであり、第1トンネル酸化層10の厚さ範囲も、0.5nm~5nmであってもよい。
【0049】
本願の実施例では、多結晶シリコンドープ導電層30が形成する過程において、ドーパントが第1トンネル酸化層10に与える衝撃を減少させるために、多結晶シリコンドープ導電層30を多層構造にし、第1トンネル酸化層10に近接する一部の層構造のドープ濃度を低くすることが考えられる。
【0050】
具体的に実施する際、
図2を参照すると、多結晶シリコンドープ導電層30は、積層して設置された第1多結晶シリコンドープ導電層31及び第2多結晶シリコンドープ導電層32を含む。
【0051】
第1多結晶シリコンドープ導電層31は、第1トンネル酸化層10に隣接し、第2多結晶シリコンドープ導電層32は、第2トンネル酸化層20に隣接する。第1多結晶シリコンドープ導電層31のドープ濃度は、第2多結晶シリコンドープ導電層32のドープ濃度よりも低い。
【0052】
このように、高いドープ濃度の第2多結晶シリコンドープ導電層32の形成時に第1トンネル酸化層10に与える衝撃を緩和することができる一方、低いドープ濃度の第1多結晶シリコンドープ導電層31の水素含有量がより高く、第1トンネル酸化層10を補助してよりよい表面パッシベーションを実現することができる。
【0053】
具体的に実施する際、例えば第1多結晶シリコンドープ導電層31は、多結晶シリコンドープサブ層(図示せず)を複数含んで、複数の多結晶シリコンドープサブ層は、基板40に沿って第2トンネル酸化層20を指す方向に順に積層され、且つドープ濃度が次第に増加する。
【0054】
本願の実施例では、
図1及び
図2を参照すると、基板40は、対向配置された第1面F及び第2面Sを含んでもよく、第1面Fと第2面Sとの間に隣接する複数の側面を含んでもよい。第1面Fは、太陽電池200の背面又は正面に対応し、第2面Sは、太陽電池200の正面又は背面に対応してもよく、本願の実施例では、第1面Fが太陽電池200の背面に対応し、第1トンネル酸化層10が基板40の第1面Fに設けられることを例として説明する。
【0055】
さらに、基板40の第1面Fの反射率は、30%よりも大きく、好ましくは、反射率は、38%、40%、42%、45%である。
【0056】
さらに、基板40の第1面Fの粗さは、1μm未満である。
【0057】
このように、基板40の第1面Fを研磨表面にすることができ、基板40の第1面Fは、より少ない表面欠陥形態を有し、それにより、よりよい表面パッシベーション効果を容易に得ることができる。
【0058】
さらに、太陽電池200は、第1パッシベーション膜層70、ドープ導電層60、第2パッシベーション膜層80、第1電極91及び第2電極92をさらに含む。
【0059】
第1パッシベーション膜層70は、第2トンネル酸化層20の基板40から離れる表面に積層して設置される。第1パッシベーション膜層70は、単層又は多層構造を用いることができ、第1パッシベーション膜層70の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンであってもよい。太陽電池200の技術の発展に伴い、太陽電池200の背面も太陽光のエネルギー、主に周囲環境における反射光又は乱射光を受けるようになった。第1パッシベーション膜層70は、例えば少なくとも1層の第1反射防止層(図示せず)を含んでもよい。このように、太陽電池200の背面の太陽光に対する反射率を減少させ、太陽電池200の背面の太陽光に対する吸収率を向上させ、それにより、第1パッシベーション膜層70は、同時にパッシベーションと反射防止の作用を果たすことができる。
【0060】
ドープ導電層60と第2パッシベーション膜層80は、順に基板40の第1トンネル酸化層10から離れる表面に積層して設置される。
【0061】
実際の場合、太陽電池200は、N型電池とP型電池を含んでもよく、N型電池の基板40には、N型元素がドープされ、ドープ導電層60には、P型元素がドープされている。P型電池の基板40には、P型元素がドープされ、ドープ導電層60には、N型元素がドープされている。ドープ導電層60は、基板40とPN接合を形成するためのものであり、本願の実施例では、基板40がN型基板であることを例として説明し、このとき、ドープ導電層60は、P型ドープであってもよく、例えばホウ素元素がドープされたドープ導電層60であってもよく、また、ホウ素元素がドープされたドープ導電層60は、P+型エミッタ電極とも呼ばれる。
【0062】
第2パッシベーション膜層80は、ドープ導電層60に積層して設置され、第2パッシベーション膜層80は、太陽電池200において表面パッシベーション作用及び反射防止作用を果たし、基板40の表面のダングリングボンドに良い化学パッシベーションを行うとともに、太陽電池200の正面において反射防止効果を果たすことができる。
【0063】
例示的に、第2パッシベーション膜層80は、ドープ導電層60に順に積層された第2パッシベーション層(図示せず)及び第2反射防止層(図示せず)を含んでもよい。
【0064】
第2反射防止層は、基板40の第2面S側に位置し、即ち、太陽電池200の入射光を受ける面に位置し、また、太陽電池200の入射光を受ける面は、正面又は受光面と呼ばれ、第2反射防止層は、太陽電池200正面において反射防止効果を奏する。第2反射防止層は、多層構造を用いることができる。多層構造の第2反射防止層において、各層の材料は、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンであってもよい。
【0065】
第2パッシベーション層は、単層構造又は多層構造を用いることができ、第2パッシベーション層の材料は、酸化アルミニウム、酸化シリコン、窒化シリコン又は酸窒化シリコンのうちの少なくとも一方であってもよい。また、第2パッシベーション層は、化学堆積の手段で形成することができる。
【0066】
また、第1電極91は、第1パッシベーション膜層70に設けられ、且つ多結晶シリコンドープ導電層30に接続され、第2電極92は、第2パッシベーション膜層80に設けられ、且つドープ導電層60に接続されている。
【0067】
図3は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法のフローの模式図である。
図4は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において基板の第1面に対してエッチング処理を行う模式図であり、
図5は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において基板の第1面に第1トンネル酸化材料層、多結晶シリコンドープ導電材料層及び第1酸化物材料層を形成する模式図であり、
図6は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において基板の第1面Fに第1トンネル酸化層と多結晶シリコンドープ導電層を形成する模式図であり、
図7は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において形成された穴の走査型電子顕微鏡の写真図であり、
図8は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において形成された穴の顕微鏡の写真図であり、
図9は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において第2トンネル酸化層を形成する模式図であり、
図10は、本願の実施例の提供する太陽電池の製造方法において形成された太陽電池の模式図である。
【0068】
図3を参照すると、本願の実施例に係る第2態様は、パッシベーションコンタクト構造の製造方法を提供し、上記実施例の太陽電池200は、この製造方法により製造できる。
【0069】
太陽電池の製造方法は、以下を含む。
【0070】
S10において、基板40の1つの表面に第1トンネル酸化層10及び多結晶シリコンドープ導電層30を順に積層して形成し、また、多結晶シリコンドープ導電層30と第1トンネル酸化層10の少なくとも一部の領域に、間隔をあけて配置された穴50が複数形成され、各穴50は、多結晶シリコンドープ導電層30を貫通し、且つ第1トンネル酸化層10中に延在する。
【0071】
S20において、多結晶シリコンドープ導電層30の第1トンネル酸化層10から離れる表面に第2トンネル酸化層20を形成し、且つ第2トンネル酸化層20を少なくとも各穴50の第1トンネル酸化層10中に位置する部分に充填させる。
【0072】
多結晶シリコンドープ導電層30の第1トンネル酸化層10から離れる表面に第2トンネル酸化層20を形成し、且つ第2トンネル酸化層20を少なくとも各穴50の第1トンネル酸化層10中に位置する部分に充填させ、それにより、基板40の表面と、第1トンネル酸化層10における穴50に対応する領域は、第2トンネル酸化層20によって被覆、充填されることが可能であり、関連技術において構造が連続せず、穴の領域でのパッシベーション効果が劣る形態と比べて、表面のパッシベーションの質を改善し、表面の再結合を低下させ、太陽電池の変換効率を向上させることができる。
【0073】
本願発明者は、第2トンネル酸化層20が穴50に充填されるケースに対しても試験を行い、穴がトンネル酸化層によって被覆されていないケースと比べて、開放電圧Uocは、728mVから729mVに変わり、これからわかるように、本願の実施例における方法製造を用いて製造された太陽電池200の性能は、一定の程度改善された。
【0074】
本願の実施例では、
図1を参照すると、ステップS10において、基板40の1つの表面に第1トンネル酸化層10及び多結晶シリコンドープ導電層30を順に積層して形成することは、具体的に、以下を含む。
【0075】
S11において、基板40の第1面Fに第1トンネル酸化材料層11、多結晶シリコンドープ材料層301及び第1酸化物材料層302を順に形成し、また、
図5に示すように、多結晶シリコンドープ材料層301及び第1酸化物材料層302に複数の貫通孔303を形成し、第1トンネル酸化材料層11における貫通孔303に対応する領域を露出させる。
【0076】
S12において、
図6を参照すると、基板40の第2面S及び基板40の各側面に巻いてメッキされた第1トンネル酸化材料層11、多結晶シリコンドープ材料層301及び第1酸化物材料層302を除去して、基板40の第1面Fに第1トンネル酸化層10、多結晶シリコンドープ導電層30及び第1酸化物層を順に形成する。
【0077】
S13において、第1酸化物層を除去し、第1トンネル酸化材料層11における貫通孔303に対応する領域を自身の厚さ方向に沿って少なくとも部分的に除去して、対応する貫通孔303とともに穴50を画定する。
【0078】
さらに、ステップS11において、基板40の第1面Fに第1トンネル酸化材料層11、多結晶シリコンドープ材料層301及び第1酸化物材料層302を順に形成するステップは、具体的に、以下を含む。
【0079】
S111において、基板40の第1面Fに第1トンネル酸化材料層11、アモルファスシリコンドープ材料層及び第1酸化物材料層302を順に形成する。
【0080】
S112において、アニールプロセスを行って、アモルファスシリコンドープ材料層を多結晶シリコンドープ材料層301に変換し、多結晶シリコンドープ材料層301及び第1酸化物材料層302に貫通孔303を複数形成する。
【0081】
さらに、ステップS112において、アニールプロセスのプロセス条件は、以下の通りである。
【0082】
反応温度を5℃/minよりも大きい速度で室温、例えば25℃程度から第1所定温度まで上昇させ、所定時間保持し、例えば2分間~60分間保持し、また、第1所定温度は、600℃よりも大きい。
【0083】
反応温度を2℃/minよりも大きい速度で第1所定温度から第2所定温度まで低下させ、また、第2所定温度は、第1所定温度よりも小さく、且つ600℃より大きい。
【0084】
反応温度を20℃/minよりも大きい速度で第2所定温度から第3所定温度まで低下させ、また、第3所定温度は、100℃よりも小さい。
【0085】
このように、アニールの過程において、急速昇温及び降温、且つ高い熱アニール温度を設定し、即ち、熱アニールの温度を第1所定温度に設定することにより、第1トンネル酸化層10及び多結晶シリコンドープ導電層30において水素の急速移動及び拡散を実現し、第1トンネル酸化層10を補助してよりよい表面パッシベーションを実現し、且つ第1トンネル酸化層10及び多結晶シリコンドープ導電層30における余計な水素をリリースし、多結晶シリコンドープ導電層30に穴50を形成する。
【0086】
第1所定温度は、850℃~990℃であってもよい。
【0087】
さらに、ステップS111において、アモルファスシリコンドープ材料層を形成するステップは、以下を含む。
【0088】
第1トンネル酸化材料層11の基板40から離れる表面に第1アモルファスシリコン材料層及び第2アモルファスシリコン材料層を順に積層して形成し、また、第1アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、第2アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度よりも低い。
【0089】
このように、第1アモルファスシリコン材料層は、第2アモルファスシリコン材料層におけるドーパントが高温アニール結晶化時に第1トンネル酸化層10に与える衝撃を緩和することができる。一方、非ドープ又は低濃度でドープされた第1アモルファスシリコン材料層の水素含有量は、より高く、より多い水素を提供することができ、それにより、第1トンネル酸化層10を補助してよりよい表面パッシベーションを実現する。
【0090】
本願発明者は、第1アモルファスシリコン材料層及び第2アモルファスシリコン材料層を用いて多結晶シリコンドープ導電層30を形成するケースに対しても試験を行い、単層の多結晶シリコンドープ導電層のケースと比べて、開放電圧Uocは、727mVから729mVに変わり、これからわかるように、本願の実施例における方法を用いて製造された太陽電池200の性能は、一定の程度改善された。
【0091】
具体的に実施する際、第1アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、2E20cm-3よりも小さく、第2アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、2E20cm-3以上である。
【0092】
理解できるように、第1アモルファスシリコン材料層の有効電気活性ドープ濃度は、0であってもよく、即ち、第1アモルファスシリコン材料層は、真性アモルファスシリコン材料層であってもよい。
【0093】
本願の実施例では、ステップS13において、第1酸化物層を除去し、且つ第1トンネル酸化層10における貫通孔303に対応する領域を自身の厚さ方向に沿って少なくとも部分的に除去して、対応する貫通孔303とともに穴50を画定することは、具体的に実施する際、HFを含む酸性溶液を利用して洗浄することができる。当然ながら、このステップS13において、基板40の第2面S側は、ドープ導電層60上に第2酸化物層が形成されていれば、同期に第2酸化物層を除去することができる。
【0094】
本願の実施例では、
図9を参照すると、ステップS20において、多結晶シリコンドープ導電層30の第1トンネル酸化層10から離れる表面に第2トンネル酸化層20を形成するステップは、以下を含む。
【0095】
多結晶シリコンドープ導電層30の第1トンネル酸化層10から離れる表面に第2トンネル酸化層20を形成し、第2トンネル酸化層20を穴50に充満させる。
【0096】
さらに、
図10を参照すると、ステップS10において基板40の1つの表面に第1トンネル酸化層10及び多結晶シリコンドープ導電層30を順に積層して形成するステップの前に、さらに、以下を含む。
【0097】
基板40の第1面Fに対してエッチング処理を行い、且つ第1面Fの反射率を30%よりも大きくし、及び/又は基板40の第1面Fに対してエッチング処理を行い、且つ基板40の第1面Fの粗さを1μmよりも小さくし、また、第1面Fは、基板40の第1トンネル酸化層10が形成される表面である。
【0098】
このように、基板40の第1面Fをより少ない表面欠陥形態を有するものとすることにより、よりよい表面パッシベーション効果を容易に得ることができる。
【0099】
さらに、基板40の第1面Fに対してエッチング処理を行うステップは、以下を含む。
【0100】
基板40の第2面Sにドープ導電材料層を形成する。このドープ導電材料層は、ドープ導電層がP型であり、且つホウ素元素が用いられる場合、例えば基板40の第2面Sに対してホウ素拡散を行うことにより形成されることができる。
【0101】
図4に示すように、エッチングで基板40の各側面及び第1面Fに巻いてメッキされたドープ導電材料層を除去して、基板40の第2面Sにドープ導電層60を形成する。ここで、注意すべきことは、ここのドープ導電層60は基板40とPN接合を形成するためのものであり、且つドープ導電層60と多結晶シリコンドープ導電層30とは、ドープタイプが逆である。
【0102】
さらに、
図10を参照すると、ステップS20において多結晶シリコンドープ導電層30の第1トンネル酸化層10から離れる表面に第2トンネル酸化層20を形成するステップの後に、さらに以下を含む。
【0103】
ドープ導電層60の基板40から離れる表面に第2パッシベーション膜層80を形成し、
第2トンネル酸化層20の基板40から離れる表面に第1パッシベーション膜層70を形成する。
【0104】
以下、1つの具体的な例を挙げて本願の実施例における太陽電池の製造方法を説明し、この方法は、以下を含む。
【0105】
ステップ1において、基板40を提供し、基板40の第2面Sにドープ導電材料層を形成し、同時に基板40の第1面F及び各側面にもドープ導電材料層が巻いてメッキされている。
【0106】
ステップ2において、
図4を参照すると、エッチングで基板40の各側面及び第1面Fに巻いてメッキされたドープ導電材料層を除去して、基板40の第2面Sにドープ導電層60を形成し、基板40の第1面Fを平滑で平坦な表面研磨形態に形成し、また、第1面Fの反射率は30%よりも大きく、又は、第1面Fの粗さは、1μmよりも小さい。
【0107】
ステップ3において、基板40の第1面Fに第1トンネル酸化材料層11、第1アモルファスシリコン材料層、第2アモルファスシリコン材料層及び第1酸化物材料層302を順に形成する。同時に、基板40の第2面S及び各側面にも、第1トンネル酸化材料層11、第1アモルファスシリコン材料層、第2アモルファスシリコン材料層及び第1酸化物材料層302が形成されている。
【0108】
また、第1トンネル酸化材料層11を形成するステップは、以下を含む。300℃以上の温度で、酸素源を導入し、酸素源は、例えばN2O、CO、CO2などであってもよい。酸素源は、マイクロ波電源の作用で電離して酸素イオンを生成し、基板40の表面と反応して超薄い第1トンネル酸化材料層11を生成し、この層の厚さ範囲は、0.5nm~5nmである。
【0109】
第1アモルファスシリコン材料層を形成するステップは、以下を含む。一定の割合のシラン及び水素ガス、又は一定の割合のシラン及びアルゴンガスを導入し、マイクロ波電源の作用で、水素を多く含む1層の真性アモルファスシリコン層を堆積して成長させて第1アモルファスシリコン材料層とする。或いは、一定の割合のシラン、ホスフィン及び水素ガス、又は一定の割合のシラン、ホスフィン及びアルゴンガスを導入し、マイクロ波電源の作用で、水素を多く含む1層の低ドープアモルファスシリコン層を堆積して成長させて第1アモルファスシリコン材料層とする。
【0110】
第2アモルファスシリコン材料層を形成するステップは、以下を含む。別の割合のシラン及びホスフィンを導入し、また、ホスフィン/シランの比は、第1アモルファスシリコン材料層のホスフィン/シランよりも大きく、ドープ濃度がより高い1層のドープアモルファスシリコン層を堆積して成長させて第2アモルファスシリコン材料層とする。
【0111】
ステップ4において、800度以上の温度でステップ3にて形成された構造体に対してアニール処理を行い、第1トンネル酸化材料層11、第1アモルファスシリコン材料層及び第2アモルファスシリコン材料層を結晶化させ、多結晶シリコンドープ材料層301、即ち第1多結晶シリコンドープ材料層及び第2多結晶シリコンドープ材料層に変換する。同時に、第1トンネル酸化材料層11の表面の余分な水素が部分的に逸出し、多結晶シリコンドープ材料層301及び第1酸化物材料層302にサイズ100nm以上の貫通孔303を形成する。これにより、第1トンネル酸化材料層11における貫通孔303に対応する領域を露出させて、
図5に示す構造を形成する。
【0112】
ステップ5において、基板40の第2面S及び基板40の各側面に巻いてメッキされた第1トンネル酸化材料層11、多結晶シリコンドープ材料層301及び第1酸化物材料層302を除去して、基板40の第1面Fに第1トンネル酸化層10、多結晶シリコンドープ導電層30及び第1酸化物層を順に形成し、また、多結晶シリコンドープ導電層30は、即ち第1多結晶シリコンドープ導電層31及び第2多結晶シリコンドープ導電層32である。第1酸化物層を除去し、第1トンネル酸化層10における貫通孔303に対応する領域を自身の厚さ方向に沿って少なくとも部分的に除去して、対応する貫通孔303とともに穴50を画定し、形成された構造体は、
図6に示す通りであり、穴50の構造は、
図7、
図8に示す通りである。
【0113】
ステップ6において、PECVD手段により、多結晶シリコンドープ導電層30に第2トンネル酸化層20を形成し、第2トンネル酸化層20を穴50に充填させ、第2トンネル酸化層20の厚さ範囲は、第1トンネル酸化層10と一致し、
図9に示す通りである。
【0114】
ステップ7において、
図10を参照すると、ドープ導電層60の基板40から離反する表面に第2パッシベーション膜層80を形成し、第2トンネル酸化層20の基板40から離反する表面に第1パッシベーション膜層70を形成し、第1パッシベーション膜層70及び第2パッシベーション膜層80にそれぞれ第1電極91及び第2電極92を形成する。また、第1パッシベーション膜層70及び第2パッシベーション膜層80の材質は、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化シリコンなどを含んでもよい。
【0115】
本願の実施例における方法で製造された太陽電池200は、より多い水素を提供して基板40の表面に対してパッシベーションを行い、十分なパッシベーション効果を有し、同時に水素が多すぎて逸出した多結晶シリコンドープ導電層30の表面に第2トンネル酸化層20が堆積し、また、多結晶シリコンドープ導電層30は、穴50を有し、それにより、表面パッシベーションの質を改善、補足し、穴がない構造と比べて、表面パッシベーションの質を改善し、表面の再結合を低下させ、太陽電池200の変換効率を向上させることができる。
【0116】
本願の実施例に係る第3態様は、光起電力モジュール(図示せず)を提供し、この光起電力モジュールは、少なくとも1つ電池ストリングを含み、電池ストリングは、少なくとも2つの、上述した太陽電池200を含み、各太陽電池200の間は、直列溶接の方式で接続される。
【0117】
本願の実施例に係る第4態様は、光起電力システム(図示せず)を提供し、この光起電力システムは、上述した光起電力モジュールを含む。
【0118】
光起電力システムは、光起電力ステーション、例えば地面電力ステーション、屋根電力ステーション、水面電力ステーションなどに適用されてもよく、太陽エネルギーを利用して発電を行うデバイス又は装置、例えばユーザの太陽エネルギー電源、太陽エネルギー街灯、太陽エネルギー自動車、太陽エネルギー建物などに適用されてもよい。当然ながら、理解できるように、光起電力システムの適用シーンは、これに限定されず、即ち、光起電力システムは、太陽エネルギーを用いて発電を行う必要があるすべての分野に適用されてもよい。光起電力発電システム網を例とし、光起電力システムは、光起電力アレイ、集電箱及びインバーターを含んでもよく、光起電力アレイは、複数の光起電力モジュールのアレイの組合せであってもよく、例えば、複数の光起電力モジュールは、複数の光起電力アレイを構成することができ、光起電力アレイは、集電箱に接続され、集電箱は、光起電力アレイが生成した電流を集電することができ、集電された電流は、インバーターによって市電電力網の要求する交流電力に変換された後、市電電力網に導入して太陽エネルギー給電を実現する。
【0119】
以上、実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることができ、説明を簡潔にするため、上記実施例中の各技術的特徴のすべての可能な組合せに対して説明をしていないが、これらの技術的特徴の組合せは矛盾が存在しない限り、すべて本明細書記載の範囲にあると見なすべきである。
【0120】
以上の実施例は本発明のいくつかの実施形態のみを表し、その説明は比較的具体的で詳細であるが、発明特許請求の範囲を限定するものと理解すべきではない。当業者にとって、本発明の構想から逸脱しない前提で、若干の変形と改良を行うことができ、これらはすべて本発明の保護範囲に属する。そのため、本発明特許請求の保護範囲は添付の特許請求の範囲を基準とする。
【符号の説明】
【0121】
100 パッシベーションコンタクト構造、10 第1トンネル酸化層、11 第1トンネル酸化材料層、20 第2トンネル酸化層、30 多結晶シリコンドープ導電層、301 多結晶シリコンドープ材料層、302 第1酸化物材料層、303 貫通孔、31 第1多結晶シリコンドープ導電層、32 第2多結晶シリコンドープ導電層、40 基板、50 穴、60 ドープ導電層、70 第1パッシベーション膜層、80 第2パッシベーション膜層、91 第1電極、92 第2電極、200 太陽電池、F 第1面、S 第2面。