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特開2024-113120太陽電池及びその製造方法、光起電力アセンブリ
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  • 特開-太陽電池及びその製造方法、光起電力アセンブリ 図1
  • 特開-太陽電池及びその製造方法、光起電力アセンブリ 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113120
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】太陽電池及びその製造方法、光起電力アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/0747 20120101AFI20240814BHJP
【FI】
H01L31/06 455
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024092434
(22)【出願日】2024-06-06
(31)【優先権主張番号】202310996038.8
(32)【優先日】2023-08-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】523183389
【氏名又は名称】トリナ・ソーラー・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】TRINA SOLAR CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No. 2 Trina Road, Trina PV Park, Xinbei District, Changzhou, Jiangsu 213031, China
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】王 子港
(72)【発明者】
【氏名】呉 魁▲イー▼
(57)【要約】      (修正有)
【課題】太陽電池及びその製造方法、光起電力アセンブリに関する。
【解決手段】太陽電池はシリコン基板を含み、トンネル酸化層はシリコン基板の表面に設けられ、第1ドープトポリシリコン層はトンネル酸化層の表面に設けられ、第1ドープトポリシリコン層の表面は、設定波長のレーザ光を吸収して気化蒸発し得るレーザ光吸収層が設けられる金属コンタクト領域と、非金属コンタクト領域を含み、第2ドープトポリシリコン層はレーザ光吸収層の表面に設けられる。太陽電池は、金属コンタクト領域にのみ第2ドープトポリシリコン層を配置することで、パッシベーションコンタクトを実現できると共に、非金属コンタクト領域の光に対する遮断や吸収を低減して光利用率と電池効率を上げられる。レーザ光吸収層の設置により、レーザ光で非金属コンタクト領域のレーザ光吸収層と第2ドープトポリシリコン層を除去でき、製造の工程プロセスを効果的に簡略化できる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池であって、
シリコン基板と、
前記シリコン基板の表面に設けられるトンネル酸化層と、
前記トンネル酸化層の表面に設けられる第1ドープトポリシリコン層であって、前記第1ドープトポリシリコン層の表面は金属コンタクト領域及び非金属コンタクト領域を含む第1ドープトポリシリコン層と、
前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記金属コンタクト領域に設けられ、設定波長のレーザ光を吸収して気化蒸発することができるレーザ光吸収層と、
前記レーザ光吸収層の表面に設けられる第2ドープトポリシリコン層と、を含む、ことを特徴とする太陽電池。
【請求項2】
前記トンネル酸化層は、二酸化ケイ素層を含み、および/または、
前記トンネル酸化層の厚さは3nm未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記レーザ光吸収層は、酸化チタン層又は酸化アルミニウム層を含み、および/または、
前記レーザ光吸収層の厚さ範囲は1nm~5nmを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記第2ドープトポリシリコン層の厚さは、前記第1ドープトポリシリコン層の厚さより大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第1ドープトポリシリコン層は、リンドープトポリシリコン薄膜またはボロンドープトポリシリコン薄膜を含み、および/または、
前記第1ドープトポリシリコン層の厚さ範囲は、5nm~100nmを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記第2ドープトポリシリコン層は、リンドープトポリシリコン薄膜またはボロンドープトポリシリコン薄膜を含み、および/または、
前記第2ドープトポリシリコン層の厚さ範囲は、70nm~200nmを含む、ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池。
【請求項7】
前記太陽電池は、パッシベーション反射防止層と金属電極をさらに含み、
前記パッシベーション反射防止層は、前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記非金属コンタクト領域及び前記第2ドープトポリシリコン層の表面に設けられ、
前記金属電極は、前記第2ドープトポリシリコン層に固定接続されている、ことを特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の太陽電池。
【請求項8】
前記パッシベーション反射防止層は、窒化ケイ素層、又は酸化アルミニウム層と窒化ケイ素層との積層体を含み、および/または、
前記パッシベーション反射防止層の厚さ範囲は、70nm~80nmを含む、ことを特徴とする請求項7に記載の太陽電池。
【請求項9】
請求項1~6のいずれか一項に記載の太陽電池を製造するための太陽電池の製造方法であって、
シリコン基板を提供することと、
前記シリコン基板の表面にトンネル酸化層を形成することと、
前記トンネル酸化層の表面に第1ドープトポリシリコン層を形成することと、
前記第1ドープトポリシリコン層の表面にレーザ光吸収層を形成することと、
前記レーザ光吸収層の表面に第2ドープトポリシリコン層を形成することと、
設定波長のレーザ光で前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域における前記レーザ光吸収層及び前記第2ドープトポリシリコン層を除去して、前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記非金属コンタクト領域を露出させて、前記太陽電池を得ることと、を含む、ことを特徴とする太陽電池の製造方法。
【請求項10】
前記レーザ光は、紫外ピコ秒レーザ光を含み、前記設定波長の範囲は355nm~532nmを含む
ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項11】
前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記非金属コンタクト領域及び前記第2ドープトポリシリコン層の表面にパッシベーション反射防止層を形成することと、
前記パッシベーション反射防止層における前記第2ドープトポリシリコン層に対応する領域に金属電極を形成することを更に含む
ことを特徴とする請求項9に記載の太陽電池の製造方法。
【請求項12】
請求項1から6のいずれか一項に記載の太陽電池を備える、ことを特徴とする光起電力アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は太陽電池の技術分野に関し、特に太陽電池及びその製造方法、光起電力アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池技術の発展に伴い、トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト技術が現れ、結晶シリコンの表面に一つの極薄のトンネル酸化層を形成して、当該トンネル酸化層の上にドープトポリシリコン層を積層することで、パッシベーションコンタクト構造を形成し、これにより、金属コンタクト領域の再結合を著しく低減できるとともに、良好な接触性能を有し、太陽電池の効率を効果的に向上させることができる。しかし、パッシベーションコンタクト構造におけるポリシリコン層は光に対して深刻な寄生吸収を有するので、シリコンウェーハの全面に渡って厚いポリシリコン層を成長させると、電池の光に対する利用率が大幅に低下し、電池の短絡電流が低下して、一定の電流損失がもたらされ、太陽電池の開放電圧及び変換効率の更なる向上が制限される。
【0003】
関連技術において、金属電極の下層のポリシリコン層及びトンネル酸化層を残しておき、他の領域における、パッシベーションコンタクトの役割を果たしていない複数の膜層を除去して、選択的ポリシリコン薄膜のパッシベーションコンタクト構造を形成することにより、パッシベーションコンタクトの機能を実現することができ、非金属領域による光に対する吸収の影響も除去でき、太陽電池の効率がさらに向上させる。
【0004】
しかしながら、現在の選択的ポリシリコン薄膜のパッシベーションコンタクト構造の製造方法は、工程プロセスが複雑でコストが高いという問題があり、大規模生産ができず、その工業普及が制限されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このことに鑑みて、現在の選択的ポリシリコン薄膜パッシベーションコンタクト構造の製造方法において工程プロセスが複雑でコストが高いという問題に対して、太陽電池及びその製造方法、光起電力アセンブリを提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様は、太陽電池であって、
シリコン基板と、
前記シリコン基板の表面に設けられるトンネル酸化層と、
前記トンネル酸化層の表面に設けられる第1ドープトポリシリコン層であって、前記第1ドープトポリシリコン層の表面は金属コンタクト領域及び非金属コンタクト領域を含む第1ドープトポリシリコン層と、
前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記金属コンタクト領域に設けられ、設定波長のレーザ光を吸収して気化蒸発することができるレーザ光吸収層と、
前記レーザ光吸収層の表面に設けられる第2ドープトポリシリコン層と、を含む、太陽電池。
【0007】
一実施例では、前記トンネル酸化層は、二酸化ケイ素層を含み、および/または、前記トンネル酸化層の厚さは3nm未満である。
【0008】
一実施例では、前記レーザ光吸収層は、酸化チタン層又は酸化アルミニウム層を含み、および/または、前記レーザ光吸収層の厚さ範囲は1nm~5nmを含む。
【0009】
一実施例では、前記第2ドープトポリシリコン層の厚さは、前記第1ドープトポリシリコン層の厚さより大きい。
【0010】
一実施例では、前記第1ドープトポリシリコン層は、リンドープトポリシリコン薄膜またはボロンドープトポリシリコン薄膜を含み、および/または、前記第1ドープトポリシリコン層の厚さ範囲は、5nm~100nmを含む。
【0011】
一実施例では、前記第2ドープトポリシリコン層は、リンドープトポリシリコン薄膜またはボロンドープトポリシリコン薄膜を含み、および/または、前記第2ドープトポリシリコン層の厚さ範囲は、70nm~200nmを含む。
【0012】
一実施例では、前記選択的パッシベーションコンタクト構造は、パッシベーション反射防止(Passivation anti-reflection)層と金属電極をさらに含み、前記パッシベーション反射防止層は、前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記非金属コンタクト領域及び前記第2ドープトポリシリコン層の表面に設けられ、前記金属電極は、前記第2ドープトポリシリコン層に固定接続されている。
【0013】
一実施例では、前記パッシベーション反射防止層は、窒化ケイ素層、又は酸化アルミニウム層と窒化ケイ素層との積層体を含み、および/または、前記パッシベーション反射防止層の厚さ範囲は、70nm~80nmを含む。
【0014】
第2態様は、第1態様のいずれか一項に記載の太陽電池を製造するための太陽電池の製造方法であって、
シリコン基板を提供することと、
前記シリコン基板の表面にトンネル酸化層を形成することと、
前記トンネル酸化層の表面に第1ドープトポリシリコン層を形成することと、
前記第1ドープトポリシリコン層の表面にレーザ光吸収層を形成することと、
前記レーザ光吸収層の表面に第2ドープトポリシリコン層を形成することと、
設定波長のレーザ光で前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域における前記レーザ光吸収層及び前記第2ドープトポリシリコン層を除去して、前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記非金属コンタクト領域を露出させて、前記太陽電池を得ることと、を含む。
【0015】
一実施例では、前記レーザ光は、紫外ピコ秒レーザ光を含み、前記設定波長の範囲は355nm~532nmを含む。
【0016】
一実施例では、前記製造方法は、
前記第1ドープトポリシリコン層の表面においての前記非金属コンタクト領域及び前記第2ドープトポリシリコン層の表面にパッシベーション反射防止層を形成することと、
前記パッシベーション反射防止層における前記第2ドープトポリシリコン層に対応する領域に金属電極を形成することを更に含む。
【0017】
第3態様は、第1態様のいずれか一項に記載の太陽電池を備える光起電力アセンブリである。
【発明の効果】
【0018】
上記の太陽電池及びその製造方法は、金属コンタクト領域にのみ第2ドープトポリシリコン層を配置することによって、パッシベーションコンタクトの機能を実現できると共に、非金属コンタクト領域の光に対する遮断及び吸収を低減して光利用率を向上させ、太陽電池の電流損失を低減することができ、よって、金属と非金属コンタクト領域との再結合を効果的に低減しつつ、電池の光に対する利用率を保証し、良好な接触性能も有し、太陽電池の効率を効果的に向上させることができる。且つ、第1ドープトポリシリコン層と第2ドープトポリシリコン層との間にレーザ光吸収層を配置することによって、マスクや化学エッチングプロセスを使用せずに、レーザ光吸収層がレーザ光を強く吸収して気化蒸発する作用を利用して非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層及び第2ドープトポリシリコン層を除去することができ、これにより、太陽電池を製造する工程プロセスを効果的に簡略化することができ、レーザ光エッチング装置を追加すれば、従来の結晶シリコン太陽電池の量産プロセスと互換性があるものとなり、プロセスのコストが低く、大規模な普及がしやすくなり、迅速に量産することができ、現在の選択的ポリシリコン薄膜パッシベーションコンタクト構造の製造方法において工程プロセスが複雑でコストが高いという問題を効果的に解決できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本願の一実施例における太陽電池の模式図である。
図2】本願の一実施例における太陽電池の製造方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本願の上記目的、特徴、及び利点がより明確に理解されるように、以下は図面を参照しながら本願の具体的な実施形態について詳細に説明する。本願が十分に理解されるように、多くの具体的な詳細が以下の説明で説明されている。しかし、本願は、本明細書に記載された以外の多くの態様で実施することができ、当業者は、本願の思想から逸脱することなく類似な改良を行うことができ、したがって、本願は、以下に開示される具体的な実施例に限定されない。
【0021】
本願の説明において、理解すべきものとして、用語である「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚さ」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「反時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などに指示される方位又は位置関係は、図面に基づいて示されるものであり、本願を説明しやすいようにして説明を簡略化するためのものだけであり、言及される装置又は要素が特定の方位を有し、特定の方位で構造され操作されなければならないことを意味又は示唆するものではないので、本願を限定するものと解釈されるべきではない。
【0022】
また、図面は、単に説明の目的のためのものであり、原始のサイズに従って描かれておらず、異なる膜層または領域を拡大または縮小して単一の図面に示す可能性がある。用語「第1」、「第2」は、説明だけのために使用され、相対的重要性を示すまたは示唆する、あるいは指示された技術的特徴の数を暗黙的に示すものとして理解されるべきではない。したがって、「第1」、「第2」が限定される特徴は、少なくとも1つの該特徴を明示的または暗黙的に含むことができる。本願の記載において、「複数」とは、別途明確に定義されない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つなどを意味する。
【0023】
本願の説明において、用語「取り付け」、「つながる」、「接続」、「固定」などの用語は、別途明確な規定及び限定がない限り、これらの用語は広義に理解されるべきである。別途明確に限定されない限り、例えば、固定接続であってもよいし、着脱可能な接続であってもよいし、一体になってもよい。また、機械的接続であってもよいし、電気的接続であってもよい。また、直接につながってもよいし、中間媒体を介して間接的につながってもよいし、2つの要素の内部の連通又は2つの要素の互いの作用関係であってもよい。当業者にとって、具体的な状況に応じて上記の用語の本願における具体的な意味を理解することができる。
【0024】
本願において、別途明確な規定及び限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接に接触してもよいし、第1特徴と第2特徴が中間媒体を介して間接的に接触してもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」、及び「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあるか、あるいは第1特徴の水平高さが第2特徴より大きいことを示すだけであってもよい。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」、及び「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の直下又は斜め下にあるか、あるいは第1特徴の水平高さが第2特徴よりも小さいことを示すだけであってもよい。
【0025】
説明すべきものとして、一つの要素が、他の要素に「固定される」または「設けられる」と呼ばれる場合、他の要素に直接配置されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。一つの要素が他の要素に「接続される」と考えられる場合、他の要素に直接接続されてもよく、又は介在する要素が存在してもよい。本願で使用される用語である「垂直」、「水平」、「上」、「下」、「左」、「右」及び類似の表現は、説明のためのものだけであり、唯一の実施形態を示すものではない。
【0026】
結晶シリコン太陽電池において、金属電極と結晶シリコンの表面のコンタクト領域に深刻な再結合が存在し、再結合電流が大きすぎて、結晶シリコン太陽電池の効率の向上を制限する要因となっている。トンネル酸化膜パッシベーションコンタクト構造は一層の極薄のトンネル酸化層とドープトポリシリコン層から構成され、金属コンタクト領域の再結合を著しく低減できるとともに、良好な接触性能も有し、太陽電池の効率を大幅に向上させることができる。
【0027】
太陽電池のパッシベーションコンタクト構造において、ポリシリコン層は光に対して深刻な寄生吸収を有するので、シリコンウェーハの全面に渡って厚いポリシリコン層を成長させると、電池の光に対する利用率が大幅に低下し、電池の短絡電流が低下して、一定の電流損失がもたらされる。金属と非金属とのコンタクト領域の再結合を効果的に低下させると同時に、電池の光に対する利用率を保証することは、解決しなければならない問題となっている。
【0028】
太陽電池の効率をさらに向上させるために、金属電極の下層のポリシリコン層及びトンネル酸化層を残しておき、他の領域における、パッシベーションコンタクトの役割を果たしていない複数の膜層を除去することができ、これにより、パッシベーションコンタクトの機能を実現でき、非金属領域による光に対する吸収の影響も除去でき、このような構造は、選択的ポリシリコン薄膜のパッシベーションコンタクト構造と呼ばれる。
【0029】
現在の選択的ポリシリコン薄膜のパッシベーションコンタクト構造及びその製造方法では、一般的に、化学エッチング方法で非金属コンタクト領域のポリシリコン薄膜を除去し、又はマスク等によって金属コンタクト領域にのみポリシリコン薄膜を堆積することにより、選択的ポリシリコン薄膜のパッシベーションコンタクト接触構造を形成する。上記技術的な手段の工程プロセスは複雑で、コストが高いという問題があり、大規模生産ができず、その工業普及が制限されている。
【0030】
図1を参照して、図1は本願の一実施例における太陽電池の模式図を示し、本願の一実施例に提供される太陽電池100は、シリコン基板1、トンネル酸化層2、第1ドープトポリシリコン層3、レーザ光吸収層4、及び第2ドープトポリシリコン層5を含む。トンネル酸化層2は、シリコン基板1の表面に設けられる。第1ドープトポリシリコン層3は、トンネル酸化層2の表面に設けられ、第1ドープトポリシリコン層3の表面は金属コンタクト領域及び非金属コンタクト領域を含む。レーザ光吸収層4は、第1ドープトポリシリコン層3の表面においての金属コンタクト領域に設けられ、設定波長のレーザ光を吸収して気化蒸発することができる。第2ドープトポリシリコン層5は、レーザ光吸収層4の表面に設けられる。
【0031】
本実施例では、シリコン基板1は太陽電池100を製造するために使用され、シリコン基板1はシリコンウェーハであってもよく、シリコンウェーハは、単結晶シリコンウェーハまたは多結晶シリコンウェーハであってもよく、シリコンウウェーハ表面のドーピングタイプはP型またはN型であってもよい。シリコン基板1は、対向して配置された正面および裏面を有し、正面(すなわち受光面)は太陽に面し、裏面(すなわちバックライト面)は太陽に背く。シリコン基板1の表面はシリコン基板1の正面であってもよく、シリコン基板1の裏面であってもよく、ここでは限定されない。
【0032】
シリコン基板1の表面、トンネル酸化層2の表面、第1ドープトポリシリコン層3の表面、レーザ光吸収層4の表面、および第2ドープトポリシリコン層5の表面は、互いに隣接していない。
【0033】
トンネル酸化層2及び第1ドープトポリシリコン層3は、順にシリコン基板1の表面を全面にわたって覆って設けられ、共にパッシベーションコンタクト構造を形成して、シリコン基板1の表面に良好な表面パッシベーションを提供することで表面の再結合を低減している。トンネル酸化層2が非常に薄く、第1ドープトポリシリコン層3がドープされたものであり、多数キャリアはこの2つのパッシベーション層を貫通することができ、一方、少数キャリアはブロックされ、よって、第1ドープトポリシリコン層3の表面に金属化を行えば、開孔なしにパッシベーションコンタクトを得ることができる。第1ドープトポリシリコン層3の表面は、パッシベーションコンタクトを達成するための領域である金属コンタクト領域と、パッシベーションコンタクトの役割を果たす必要のない他の領域である非金属コンタクト領域とを含む。
【0034】
レーザ光吸収層4及び第2ドープトポリシリコン層5は、順にシリコン基板1の表面においての金属コンタクト領域に積層されて設けられ、これにより、金属コンタクト領域には第1ドープトポリシリコン層3及び第2ドープトポリシリコン層5の2層のドープトポリシリコン薄膜が同時に存在するので、金属コンタクト領域がより厚いパッシベーションコンタクト構造を有し、金属コンタクト領域のパッシベーションレベルは効果的に向上し、金属化の時に金属電極によりパッシベーションコンタクトの効果が破壊されることを防止することができ、金属コンタクト領域の再結合を著しく低減できるとともに、良好な接触性能も有する。
【0035】
且つ、パッシベーションコンタクトの金属コンタクト領域にのみ第2ドープトポリシリコン層5が設けられ、パッシベーションコンタクトの必要のない非金属コンタクト領域に第1ドープトポリシリコン層3のみが設けられたので、非金属コンタクト領域により薄いポリシリコン薄膜が存在し、選択的ポリシリコン薄膜のパッシベーションコンタクト構造が形成され、これにより、非金属コンタクト領域の光に対する遮断及び吸収を低減することができて、光利用率を向上させて、太陽電池100の電流損失を防止して、太陽電池100の効率の向上を実現できる。
【0036】
さらに、金属コンタクト領域の2層のドープトポリシリコン薄膜の間にレーザ光吸収層4が設けられ、レーザ光吸収層4は、パッシベーションコンタクトの効果を確保するように、トンネル効果を有する酸化層薄膜であることができる。また、レーザ光吸収層4は、設定波長のレーザ光を吸収して気化蒸発することができ、これにより、レーザ光吸収層4がレーザ光を強く吸収して気化蒸発する作用を利用して、レーザ光吸収層4およびレーザ光吸収層4の表面に位置する第2ドープトポリシリコン層5をレーザ光エッチングの方式により除去することができる。
【0037】
本実施例の太陽電池100の形成方法では、まず、シリコン基板1の表面に順にトンネル酸化層2、第1ドープトポリシリコン層3、レーザ光吸収層4および第2ドープトポリシリコン層5を全面にわたって形成し、その後、レーザ光吸収層4がレーザ光を強く吸収して気化蒸発する作用を利用して、レーザ光エッチングの方式により非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層4および第2ドープトポリシリコン層5を除去し、最終的に本実施例の太陽電池100を形成することができる。
【0038】
本願の実施例の太陽電池100は、金属コンタクト領域にのみ第2ドープトポリシリコン層5を配置することによって、パッシベーションコンタクトの機能を実現できると共に、非金属コンタクト領域の光に対する遮断及び吸収を低減して光利用率を向上させ、太陽電池100の電流損失を低減することができ、よって、金属と非金属コンタクト領域との再結合を効果的に低減しつつ、太陽電池100の光に対する利用率を保証し、良好な接触性能も有し、太陽電池100の効率を効果的に向上させることができる。且つ、第1ドープトポリシリコン層3と第2ドープトポリシリコン層5との間にレーザ光吸収層4を配置することによって、マスクや化学エッチングプロセスを使用せずに、レーザ光吸収層4がレーザ光を強く吸収して気化蒸発する作用を利用して非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層4及び第2ドープトポリシリコン層5を除去することができ、これにより、太陽電池100を製造する工程プロセスを効果的に簡略化することができ、レーザ光エッチング装置を追加すれば、従来の結晶シリコン太陽電池100の量産プロセスと互換性があるものとなり、プロセスのコストが低く、大規模な普及がしやすくなり、迅速に量産することができ、現在の選択的ポリシリコン薄膜パッシベーションコンタクト構造の製造方法において工程プロセスが複雑でコストが高いという問題を効果的に解決できる。
【0039】
いくつかの実施例では、トンネル酸化層2は、二酸化ケイ素層を含んでよい。
【0040】
いくつかの実施例では、トンネル酸化層2の厚さは、量子トンネル効果を満たすように、3nm未満である。選択的には、トンネル酸化層2の厚さ範囲は、0.5nm~2.5nmを含んでよい。さらに、トンネル酸化層2の厚さ範囲は、1nm~2.5nmを含んでよく、例えば、トンネル酸化層2の厚さは1.5nmであってもよい。
【0041】
いくつかの実施例では、レーザ光吸収層4は、酸化チタン層または酸化アルミニウム層を含む。酸化チタン及び酸化アルミニウムは、355nmのレーザ光を強く吸収してレーザ光の作用によって気化蒸発することができ、よって、355nmの紫外ピコ秒レーザ光で非金属コンタクト領域を走査することでは、非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層4及び第2ドープトポリシリコン層5を迅速に除去することができ、プロセスのフローが簡単で、コストが低く、大規模な普及がしやすくなる。
【0042】
好ましくは、レーザ光吸収層4の厚さ範囲は、量子トンネル効果を満たすように、1nm~5nmを含んでよい。
【0043】
さらに、レーザ光吸収層4の厚さ範囲は、1nm~3nmを含んでよく、例えば、レーザ光吸収層4の酸化チタン薄膜の厚さは、3nmであってもよい。
【0044】
いくつかの実施例では、第2ドープトポリシリコン層5の厚さは、第1ドープトポリシリコン層3の厚さより大きい。金属コンタクト領域に位置する第2ドープトポリシリコン層5がより大きい厚さを有するように構成することによって、金属電極によりパッシベーションコンタクト効果が破壊されることをさらに防止して、金属コンタクト領域の再結合を著しく低減することができ、一方、非金属コンタクト領域に位置する第1ドープトポリシリコン層3がより小さい厚さを有することによって、非金属コンタクト領域の光に対する遮断及び吸収をさらに低減し、光利用率を向上させ、パッシベーションコンタクト構造の全面パッシベーションと光吸収及び金属電極貫通損傷との間の互換性を実現し、太陽電池100の効率をさらに向上させることに有利である。
【0045】
いくつかの実施例では、第1ドープトポリシリコン層3は、リンドープトポリシリコン薄膜またはボロンドープトポリシリコン薄膜を含む。シリコン基板1がN型シリコンウェーハである場合、第1ドープトポリシリコン層3は、シリコン基板1のN型シリコンウェーハである表面に位置し、リンドープトポリシリコン薄膜であることが好ましい。シリコン基板1がP型シリコンウェーハである場合、第1ドープトポリシリコン層3は、シリコン基板1のP型シリコンウェーハである表面に位置し、ボロンドープトポリシリコン薄膜であることが好ましい。
【0046】
いくつかの実施例では、第1ドープトポリシリコン層3の厚さ範囲は、5nm~100nmを含む。さらに、第1ドープトポリシリコン層3の厚さ範囲は、10nm~50nmを含み、例えば、第1ドープトポリシリコン層3の厚さは20nmである。
【0047】
いくつかの実施例では、第2ドープトポリシリコン層5は、リンドープトポリシリコン薄膜またはボロンドープトポリシリコン薄膜を含む。シリコン基板1がN型シリコンウェーハである場合、第1ドープトポリシリコン層3は、シリコン基板1のN型シリコンウェーハである表面に位置し、リンドープトポリシリコン薄膜であることが好ましい。シリコン基板1がP型シリコンウェーハである場合、第1ドープトポリシリコン層3は、シリコン基板1のP型シリコンウェーハである表面に位置し、ボロンドープトポリシリコン薄膜であることが好ましい。
【0048】
いくつかの実施例では、第2ドープトポリシリコン層5の厚さ範囲は、70nm~200nmを含む。さらに、第2ドープトポリシリコン層5の厚さ範囲は、100nm~150nmを含み、例えば、第2ドープトポリシリコン層5の厚さは150nmである。
【0049】
いくつかの実施例では、図1に示すように、太陽電池100は、パッシベーション反射防止層6及び金属電極7をさらに含む。パッシベーション反射防止層6は、第1ドープトポリシリコン層3の表面における非金属コンタクト領域及び第2ドープトポリシリコン層5の表面に設けられている。金属電極7は、第2ドープトポリシリコン層5に固定接続されている。パッシベーション反射防止層6は、フィールドパッシベーションを提供するために用いられ、且つ、入射光の反射を減少させて光学吸収を増加させることができ、それによって光利用率をさらに向上させ、太陽電池100の効率を向上させることができる。金属電極7がパッシベーション反射防止層6を貫通して第2ドープトポリシリコン層5に固定接続されることにより、金属電極7と第2ドープトポリシリコン層5との導電接続は実現される。金属電極7は電流を収集するために用いられる。
【0050】
いくつかの実施例では、パッシベーション反射防止層6は、窒化ケイ素層、又は酸化アルミニウム層と窒化ケイ素層との積層体を含んでよい。いくつかの実施例では、パッシベーション反射防止層6の厚さ範囲は、70nm~80nmを含む。
【0051】
いくつかの実施例では、金属電極7は、銀電極または銀アルミニウム電極を含んでよい。
【0052】
図2には、本願の一実施例における太陽電池の製造方法のフローチャートが示され、本願の一実施例に提供される太陽電池の製造方法は、上述の実施例のいずれかにおける太陽電池を製造するための製造方法であって、
シリコン基板を提供するステップS100と、
シリコン基板の表面にトンネル酸化層を製造するステップS200と、
トンネル酸化層の表面に第1ドープトポリシリコン層を形成するステップS300と、
第1ドープトポリシリコン層の表面にレーザ光吸収層を形成するステップS400と、
レーザ光吸収層の表面に第2ドープトポリシリコン層を形成するステップS500と、
設定波長のレーザ光で第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層及び第2ドープトポリシリコン層を除去して、第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域を露出させて、太陽電池を得るステップS600と、を含む。
【0053】
本実施例では、設定波長のレーザ光とは、レーザ光吸収層に強く吸収されてレーザ光吸収層を気化蒸発させることができるレーザ光をいう。例えば、レーザ光は、紫外ピコ秒レーザ光または紫外ナノ秒レーザ光であってもよい。太陽電池を製造する時、まず、シリコン基板の表面に順にトンネル酸化層、第1ドープトポリシリコン層、レーザ光吸収層および第2ドープトポリシリコン層を全面にわたって形成し、その後、レーザ光吸収層が設定波長のレーザ光を強く吸収して気化蒸発できる作用を利用して、設定波長のレーザ光で非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層および第2ドープトポリシリコン層を除去して第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域を露出させ、最終的に上記実施例における太陽電池を形成してもよい。
【0054】
マスクや化学エッチングプロセスを使用せずに、レーザ光で非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層及び第2ドープトポリシリコン層を除去することにより、太陽電池の選択的パッシベーションコンタクト構造を製造する工程プロセスを効果的に簡略化することができ、レーザ光エッチング装置を追加すれば、従来の結晶シリコン太陽電池の量産プロセスと互換性があるものとなり、プロセスのコストが低く、大規模な普及がしやすくなり、迅速に量産することができ、現在の選択的ポリシリコン薄膜パッシベーションコンタクト構造の製造方法において工程プロセスが複雑でコストが高いという問題を効果的に解決できる。
【0055】
選択的には、シリコン基板を提供するステップは、シリコン基板を洗浄することにより、シリコン基板の表面の汚れを除去して、後の工程で使用するための清浄で平坦なシリコン基板を提供するステップを含んでもよい。
【0056】
選択的には、シリコン基板の表面においてのトンネル酸化層は、熱酸化によって形成されてもよい。シリコンが空気中で酸化して天然酸化層を形成する過程は熱酸化と呼ばれ、シリコンの表面に性能の優れた天然二酸化ケイ素層を得ることができる。
【0057】
選択的には、第1ドープトポリシリコン層は、低圧化学気相堆積法(LPCVD,Low Pressure Chemical Vapor Deposition )または化学気相堆積法( PECVD,Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)で形成されてもよい。PECVDとは、プラズマ強化化学的蒸着法をいい、成膜品質が良い。
【0058】
選択的には、レーザ光の設定波長の範囲は、355nm~532nmを含んでもよい。
【0059】
いくつかの実施例では、レーザ光は紫外ピコ秒レーザ光を含み、設定波長は355nmを含む。355nmの紫外ピコ秒レーザ光を用いることにより、熱影響が小さく、速度が速く、加工精度が高い。
【0060】
いくつかの実施例では、レーザパワーの範囲は、1W~10Wを含んでもよく、シリコン基板への損傷を防止し、電力を節約することができる。
【0061】
いくつかの実施例では、製造方法は、
第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域及び第2ドープトポリシリコン層の表面にパッシベーション反射防止層を形成するステップS700と、
パッシベーション反射防止層における第2ドープトポリシリコン層に対応する領域に金属電極を形成するステップS800と、を更に含む。
【0062】
選択的には、化学気相堆積法または原子堆積法(ALD,Atomic layer deposition)でパッシベーション反射防止層を形成してもよい。原子堆積法は、物質を単原子膜として基板表面に一層ずつめっきすることができる方法であり、成膜品質が良い。
【0063】
選択的には、スクリーン印刷プロセスでパッシベーション反射防止層に金属電極を形成してもよく、金属電極は、金属コンタクト領域に残っている第2ドープトポリシリコン層に印刷される。
【0064】
以下、本願の太陽電池の製造方法を具体的な一実施例としてさらに説明する。この太陽電池の製造方法は具体的に、
シリコン基板を提供するステップであって、シリコンウェーハであるシリコン基板を洗浄することを含むステップと、
シリコン基板の表面にトンネル酸化層を形成するステップであって、熱酸素の方式でシリコンウェーハの表面に1.5nmの厚さの酸化シリコン層を形成することを含むステップと、
トンネル酸化層の表面に第1ドープトポリシリコン層を形成するステップであって、低圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法でリンドープト又はボロンドープトの20nmの厚さのポリシリコン薄膜を形成することを含むステップと、
第1ドープトポリシリコン層の表面にレーザ光吸収層を形成するステップであって、低圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法で3nmの厚さの酸化チタン薄膜を形成することを含むステップと、
レーザ光吸収層の表面に第2ドープトポリシリコン層を形成するステップであって、低圧化学気相堆積法又は化学気相堆積法でリンドープト又はボロンドープトの150nmの厚さのポリシリコン薄膜を形成することを含むステップと、
設定波長のレーザ光で第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層及び第2ドープトポリシリコン層を除去して第1ドープトポリシリコン層の表面においての非金属コンタクト領域を露出させるステップであって、波長355nmのピコ秒レーザ光で非金属コンタクト領域の第2ドープトポリシリコン薄膜を走査し、酸化チタン薄膜が355nmレーザ光を強く吸収してレーザ光の作用で気化蒸発することを利用して、非金属コンタクト領域におけるレーザ光吸収層及び第2ドープトポリシリコン薄膜を除去することを含むステップと、
パッシベーション反射防止層を形成するステップであって、化学気相堆積法又は原子堆積法で酸化アルミニウム/窒化ケイ素積層体又は窒化ケイ素積層体を堆積することを含むステップと、
各金属電極を形成するステップであって、パッシベーション反射防止層の表面に、スクリーン印刷プロセスで、残っている第2ドープトポリシリコン層に印刷される銀電極又は銀アルミニウム電極である金属電極を形成することを含むステップと、を含む。
【0065】
本実施例の太陽電池の製造方法で得られる太陽電池は、結晶シリコン太陽電池の光電変換効率を0.2%向上させることができる。
【0066】
本願の一実施例に提供される光起電力アセンブリは、上述の実施例のいずれかによって提供される太陽電池を含む。
【0067】
光起電力アセンブリは、上述の実施例のいずれかによって提供される太陽電池を含むので、同じ有益な効果を有し、ここでは説明を省略する。
【0068】
以上説明した実施例の各技術的特徴は、任意に組み合わせることが可能であり、説明を簡潔にするために、上記実施例における各技術的特徴の全ての可能な組み合わせについては説明していないが、これらの技術的特徴の組み合わせに矛盾がない限り、本明細書に記載される範囲内であると考えられるべきである。
【0069】
上記の実施例は、本願のいくつかの実施形態を示しているに過ぎず、その叙述は具体的かつ詳細であるが、本願の発明の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。当業者であれば、本願の思想から逸脱することなく、本願の範囲に含まれるいくつかの変形および改善を行うことができることに留意されたい。したがって、本願の特許の範囲は、添付の特許請求の範囲に従うものとする。
【符号の説明】
【0070】
100 太陽電池;1 シリコン基板;2 トンネル酸化層;3 第1ドープトポリシリコン層;4 レーザ光吸収層;5 第2ドープトポリシリコン層;6 パッシベーション反射防止層;7 金属電極
図1
図2