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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113126
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】身体排出物の分析
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/493 20060101AFI20240814BHJP
   G01N 33/483 20060101ALI20240814BHJP
   E03D 9/00 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
G01N33/493 B
G01N33/483 C
E03D9/00 Z
【審査請求】有
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092866
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2022561089の分割
【原出願日】2021-04-06
(31)【優先権主張番号】63/006,130
(32)【優先日】2020-04-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.JAVA
(71)【出願人】
【識別番号】517286331
【氏名又は名称】アウトセンス ダイアグノスティクス リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】弁理士法人 HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】カップ-バルネア,ヤアラ
(57)【要約】      (修正有)
【課題】便器内に排出される対象者の尿に関して、出力デバイスとともに使用するための装置が記載されている。
【解決手段】1または複数のセンサは、便器に結合されており、対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成されている。コンピュータプロセッサは、1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、1または複数の前記尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、ビリルビン、酸化ウロビリノーゲンおよびウロビリンからなる群から選択された前記対象者の尿内の少なくとも1種類のヘモグロビン誘導体分子の濃度を導出する。コンピュータプロセッサは、少なくとも1種類の前記ヘモグロビン誘導体分子の導出された前記濃度に少なくとも部分的に応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
便器内に排出される対象者の尿に関して、出力デバイスとともに使用するための装置であって、
前記便器に結合された、1または複数のセンサであって、
前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成された、1または複数のセンサと、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、
1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、
1または複数の前記尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、ビリルビン、酸化ウロビリノーゲンおよびウロビリンからなる群から選択された前記対象者の尿内の少なくとも1種類のヘモグロビン誘導体分子の濃度を導出し、
少なくとも1種類の前記ヘモグロビン誘導体分子の導出された前記濃度に少なくとも部分的に応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項2】
440~480nmの範囲内の波長帯域の光によって前記対象者の尿を照明するように構成された照明コンポーネントをさらに含み、
1または複数の前記センサは、前記対象者の尿の照明に応答して、前記対象者の尿によって放出される505~535nmの範囲内の波長の光を示す信号を検出するように構成されており、
少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内の酸化ウロビリンの濃度を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
1または複数の前記センサは、前記対象者の尿による480~520nmの波長帯域内の光の吸収を示す信号を検出するように構成されており、
少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内の酸化ウロビリノーゲンの濃度を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
1または複数の前記センサは、390~420nmの第1波長帯域内および445~475nmの第2波長帯域内における前記対象者の尿による光の吸収を示す複数の信号を検出するように構成されており、
少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、複数の前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内のビリルビンの濃度を決定するように構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記第1波長帯域および前記第2波長帯域の各々における前記対象者の尿による光吸収の互いに対する比率を決定するように構成されており、
前記比率に基づいて、前記対象者の尿内のビリルビンの濃度を決定するように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
便器内に排出される対象者の尿に関して、出力デバイスとともに使用するための装置であって、
前記便器に結合された、1または複数のセンサであって、
前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成された、1または複数のセンサと、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、
1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、
前記対象者の尿の泡立ちおよび/または濁りを示すパラメータを導出し、
導出された前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿内のアルブミンの濃度を推定し、
前記対象者の尿内のアルブミンの推定された前記濃度に応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項7】
便器内に排出される対象者の尿に関して、出力デバイスとともに使用するための装置であって、
前記便器に結合されており、かつ、300~520nmの範囲内の波長帯域の光によって前記対象者の尿を照明するように構成された、1または複数の照明コンポーネントと、
前記便器に結合されており、かつ、前記尿の照明に応答して、前記尿によって放出される530~560nmの範囲内の波長帯域の光の強度を検出するように構成された、1または複数のセンサと、
少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、
検出された光の前記強度に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿内のセルロースのレベルを導出し、
前記対象者の尿内のセルロースの導出された前記レベルに応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、
を備える、装置。
【請求項8】
前記コンピュータプロセッサは、1または複数の前記センサにより検出された信号に基づいて、前記対象者が血尿を患っていることを検出するように構成されており、
前記コンピュータプロセッサは、前記対象者が血尿を患っていることを検出することに応答して、300~520nmの範囲内の波長帯域の光により前記対象者の尿を照明するように、前記照明コンポーネントを駆動するよう構成されている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記コンピュータプロセッサは、前記対象者の尿内のセルロースの導出された前記レベルに基づいて、前記対象者の血尿の疑われる原因が前記対象者の尿路内のバイオフィルムに基づく病原体であると判定するように構成されている、請求項8に記載の装置。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2020年4月7日に出願された、Kapp-Barneaによる、「脱水症の検出および分類(Detecting and classifying dehydration)」という名称の米国仮特許出願第63/006,130号の優先権を主張するものである。この仮特許出願は、参照により本明細書に援用される。
【0002】
〔本発明の実施形態の分野〕
本発明の一部の応用は、概して、身体排出物の分析に関する。具体的には、本発明の一部の応用は、尿および糞便等の身体排出物を分析することによって、脱水症を検出および分類するための装置および方法に関する。
【0003】
〔背景〕
高齢者の間に脱水症が広がっており、個人にとってもヘルスケアシステムにとっても著しいコストとなっている。加齢に伴う全身水分量の変化、口渇知覚の障害、腎濃縮能、バソプレシン有効性および投薬関連の潜在性口渇を含む、さまざまな理由によって、高齢者は特に脆弱である。高齢患者の間では、機能的制限(functional limitations)、低排尿頻度および尿失禁が非常に一般的であり、これにより、脱水症への脆弱さはさらに増大し得る。脱水症の影響には、錯乱、失見当識、悪心、めまい、全身倦怠感、脱力感、感染症、冠動脈疾患、創傷治癒の障害または遅れ、および死亡が含まれる。脱水症状はしばしば多様で、時に非特異的である。そのため、尊く決定的な時間が、病院での診断に取られてしまう。この遅れによって、状態が悪化してしまうことが多い。
【0004】
脱水症は、個々の最適な全身水分(Total Body Water:TBW)量の臨床的に有意な減少として定義することができる。脱水症は、電解質の損失とともに生じ、または、電解質の損失なしに生じ得る。(例えば、R F Kushner、D A Schoeller 「Estimation of total body water by bioelectrical impedance analysis」、The American Journal of Clinical Nutrition、44巻、3号、417-424ページ、1986年9月、および、Weinberg AD1、Minaker KLJAMA、「DehydrationEvaluation and management in older adults」、Council on Scientific Affairs、American Medical Association、15;274(19):1552-6、1995年11月)脱水症には、異なる3つの形態がある。等張性脱水症は、水とナトリウムとの均衡した損失に起因する。例えば、所与の期間を超える絶食は、等張性脱水症を引き起こすことがある。同様に、嘔吐および下痢は、大量の水および電解質が胃内容物中にあるため、等張性脱水症を引き起こすことがある。最も一般的なタイプの脱水症である高張性脱水症は、ナトリウム損失よりも水損失が大きいことに起因する。高張性脱水症の特徴は、高ナトリウム血症(例えば、145mmol/Lを超える血清ナトリウムレベル)および高浸透圧症(例えば、300mmol/kgを超える血清浸透圧)である。発熱はおそらく、高張性脱水症の最も一般的な原因である。なぜなら、高張性脱水症では、経口水分摂取量を増大させる能力が限られるとともに、肺や皮膚を通じてしばしば水分が失われるからである。ナトリウム損失が水損失を超えると、低張性脱水症が起こる。血清ナトリウムは減少しており(例えば、135mmol/L未満)、血清浸透圧は低い(例えば、280mmol/kg未満)。このタイプの脱水症は主に、ナトリウムの過剰な損失を引き起こす利尿薬の過剰使用によって起こる。
【0005】
〔実施形態の概要〕
本発明の一部の応用に従って、前記便器に結合された1または複数のセンサは、対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出する。典型的には、前記便器に結合された1または複数の前記センサはさらに、前記対象者の糞便に関連する1または複数の糞便関連パラメータを、前記便器内への前記糞便の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成されている。コンピュータプロセッサは、1または複数の前記尿関連パラメータ、および、1または複数の前記糞便関連パラメータを受け取る。1または複数の前記尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記コンピュータプロセッサは、前記対象者が脱水症に罹患していると判定する。1または複数の前記糞便関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記コンピュータプロセッサは、前記脱水症を、例えば、等張性脱水症、高張性脱水症および低張性脱水症等の、所与のタイプの脱水症として分類する。典型的には、それらに少なくとも部分的に応答して、出力が生成される。
【0006】
一部の応用では、前記コンピュータプロセッサは、前記対象者の尿の比重を導出し、前記対象者の尿の前記比重に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者が脱水症に罹患していると判定するように構成されている。かかる一部の応用では、1または複数の前記センサは、前記対象者の尿によるシアン‐緑色光の吸収を示す信号を検出するように構成されており、前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿の前記比重を導出するように構成されている。一部の応用では、前記センサは、前記対象者の尿による480~520nmの波長帯域内の光の吸収を示す信号を検出するように構成されており、前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿の前記比重を導出するように構成されている。
【0007】
一部の応用では、前記コンピュータプロセッサは、1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、前記対象者の尿の泡立ちおよび/または濁りを示すパラメータを導出するように構成されている。前記コンピュータプロセッサは、導出された前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿内のアルブミンの濃度を推定し、前記対象者の尿内のアルブミンの推定された前記濃度に応答して、前記出力デバイス上に出力を生成する。
【0008】
一部の応用では、前記コンピュータプロセッサは、1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、1または複数の前記尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿内の少なくとも1種類のヘモグロビン誘導体分子の濃度を導出するように構成されている。典型的には、少なくとも1種類の前記ヘモグロビン誘導体分子は、ビリルビン、酸化ウロビリノーゲンおよび/またはウロビリンを含む。前記コンピュータプロセッサは、典型的には、少なくとも1種類の前記ヘモグロビン誘導体分子の導出された前記濃度に少なくとも部分的に応答して、出力を生成する。かかる一部の応用では、照明コンポーネントは、440~480nmの範囲内の波長帯域の光によって前記対象者の尿を照明し、前記センサは、前記対象者の尿の照明に応答して、前記対象者の尿によって放出される505~535nmの範囲内の波長の光を示す信号を検出する。典型的には、前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内の酸化ウロビリンの濃度を決定する。代替的または追加的に、前記センサは、前記対象者の尿による480~520nmの波長帯域内の光の吸収を示す信号を検出するように構成されており、前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内の酸化ウロビリノーゲンの濃度を決定する。さらに代替的または追加的に、前記センサは、390~420nmの第1波長帯域内および445~475nmの第2波長帯域内における前記対象者の尿による光の吸収を示す複数の信号を検出する。典型的には、前記コンピュータプロセッサは、複数の前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内のビリルビンの濃度を決定する。
【0009】
一部の応用では、前記便器に結合された1または複数の照明コンポーネントは、300~520nmの範囲内の波長帯域の光によって前記対象者の尿を照明するように構成されている。前記センサは、前記尿の照明に応答して、前記尿によって放出される530~560nmの範囲内の波長帯域の光の強度を検出するように構成されている。前記コンピュータプロセッサは、検出された光の前記強度に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿内のセルロースのレベルを導出し、前記対象者の尿内のセルロースの導出された前記レベルに応答して、出力を生成する。かかる一部の応用では、前記コンピュータプロセッサは、1または複数の前記センサにより検出された信号に基づいて、前記対象者が血尿を患っていることを検出するように構成されており、前記コンピュータプロセッサは、前記対象者が血尿を患っていることを検出することに応答して、300~520nmの範囲内の波長帯域の光により前記対象者の尿を照明するように、前記照明コンポーネントを駆動するよう構成されている。典型的には、前記コンピュータプロセッサは、前記対象者の尿内のセルロースの導出された前記レベルに基づいて、前記対象者の血尿の疑われる原因が前記対象者の尿路内のバイオフィルムに基づく病原体であると判定する。
【0010】
したがって、本発明の一部の応用に従って、便器内に排出される対象者の尿および糞便に関して、出力デバイスとともに使用するための装置であって、前記便器に結合された、1または複数のセンサであって、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成されており、かつ、前記対象者の糞便に関連する1または複数の糞便関連パラメータを、前記便器内への前記糞便の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成された、1または複数のセンサと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、1または複数の前記糞便関連パラメータを受け取り、1または複数の前記尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者が脱水症に罹患していると判定し、1または複数の前記糞便関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記脱水症を、等張性脱水症、高張性脱水症および低張性脱水症からなる群から選択された所与のタイプの脱水症として分類し、それらに少なくとも部分的に応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、を備える、装置が提供される。
【0011】
一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、尿の色を検出することによって、前記対象者の尿に関連する1または複数の前記尿関連パラメータを検出するように構成されている。一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、尿量を検出することによって、前記対象者の尿に関連する1または複数の前記尿関連パラメータを検出するように構成されている。一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、排尿持続時間を検出することによって、前記対象者の尿に関連する1または複数の前記尿関連パラメータを検出するように構成されている。
【0012】
一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、形状、サイズ、質感および色からなる群から選択された1または複数の糞便関連パラメータを検出することによって、前記対象者の糞便に関連する1または複数の前記糞便関連パラメータを検出するように構成されている。
【0013】
一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記対象者の排尿頻度を検出することによって、前記対象者の尿に関連する1または複数の前記尿関連パラメータを検出するように構成されている。一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、所与の時間にどの人物が排尿しているかを自動的に検出することによって、前記対象者の排尿頻度を検出するように構成されている。
【0014】
一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記糞便の画像に対してコンピュータビジョン分析を実行することによって、前記対象者の糞便に関連する1または複数の前記糞便関連パラメータを検出するように構成されている。一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、マスキング、コントラスト強調、画像エッジ検出、関心領域検出、形態変化の適用およびセグメンテーションの実行からなる群から選択された1または複数の工程を実行することによって、前記糞便の前記画像に対してコンピュータビジョン分析を実行するように構成されている。
【0015】
一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記対象者の尿の比重を導出し、前記対象者の尿の前記比重に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者が脱水症に罹患していると判定するように構成されている。一部の応用では、1または複数の前記センサは、前記対象者の尿によるシアン‐緑色光の吸収を示す信号を検出するように構成されており、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿の前記比重を導出するように構成されている。一部の応用では、1または複数の前記センサは、前記対象者の尿による480~520nmの波長帯域内の光の吸収を示す信号を検出するように構成されており、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿の前記比重を導出するように構成されている。
【0016】
本発明の一部の応用に従って、便器内に排出される対象者の尿および糞便に関して使用するための方法であって、前記便器に結合された1または複数のセンサを用いて、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出する工程と、前記便器に結合された1または複数の前記センサを用いて、前記対象者の糞便に関連する1または複数の糞便関連パラメータを、前記便器内への前記糞便の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出する工程と、コンピュータプロセッサを用いて、1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、1または複数の前記糞便関連パラメータを受け取り、1または複数の前記尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者が脱水症に罹患していると判定し、1または複数の前記糞便関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記脱水症を、等張性脱水症、高張性脱水症および低張性脱水症からなる群から選択された所与のタイプの脱水症として分類し、それらに少なくとも部分的に応答して、出力デバイス上に出力を生成する工程と、を含む、方法がさらに提供される。
【0017】
一部の応用では、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出する工程は、尿の色を検出する工程を含む。一部の応用では、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出する工程は、尿量を検出する工程を含む。一部の応用では、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出する工程は、排尿持続時間を検出する工程を含む。
【0018】
一部の応用では、前記対象者の糞便に関連する1または複数の糞便関連パラメータを検出する工程は、形状、サイズ、質感および色からなる群から選択された1または複数の糞便関連パラメータを検出する工程を含む。
【0019】
一部の応用では、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを検出する工程は、前記対象者の排尿頻度を検出する工程を含む。一部の応用では、前記対象者の排尿頻度を検出する工程は、所与の時間にどの人物が排尿しているかを自動的に検出する工程を含む。
【0020】
一部の応用では、前記対象者の糞便に関連する1または複数の糞便関連パラメータを検出する工程は、前記糞便の画像に対してコンピュータビジョン分析を実行する工程を含む。一部の応用では、前記糞便の前記画像に対してコンピュータビジョン分析を実行する工程は、マスキング、コントラスト強調、画像エッジ検出、関心領域検出、形態変化の適用およびセグメンテーションの実行からなる群から選択された1または複数の工程を実行する工程を含む。
【0021】
一部の応用では、前記対象者が脱水症に罹患していると判定する工程は、前記対象者の尿の比重を導出する工程と、前記対象者の尿の前記比重に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者が脱水症に罹患していると判定する工程と、を含む。一部の応用では、前記対象者の尿の比重を導出する工程は、前記対象者の尿によるシアン‐緑色光の吸収を示す信号を検出する工程と、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿の前記比重を導出する工程と、を含む。一部の応用では、前記対象者の尿の比重を導出する工程は、前記対象者の尿による480~520nmの波長帯域内の光の吸収を示す信号を検出する工程と、前記信号に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿の前記比重を導出する工程と、を含む。
【0022】
本発明の一部の応用に従って、便器内に排出される対象者の尿に関して、出力デバイスとともに使用するための装置であって、前記便器に結合された、1または複数のセンサであって、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成された、1または複数のセンサと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、1または複数の前記尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、ビリルビン、酸化ウロビリノーゲンおよびウロビリンからなる群から選択された前記対象者の尿内の少なくとも1種類のヘモグロビン誘導体分子の濃度を導出し、少なくとも1種類の前記ヘモグロビン誘導体分子の導出された前記濃度に少なくとも部分的に応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、を備える、装置がさらに提供される。
【0023】
一部の応用では、当該装置は、440~480nmの範囲内の波長帯域の光によって前記対象者の尿を照明するように構成された照明コンポーネントをさらに含み、1または複数の前記センサは、前記対象者の尿の照明に応答して、前記対象者の尿によって放出される505~535nmの範囲内の波長の光を示す信号を検出するように構成されており、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内の酸化ウロビリンの濃度を決定するように構成されている。
【0024】
一部の応用では、1または複数の前記センサは、前記対象者の尿による480~520nmの波長帯域内の光の吸収を示す信号を検出するように構成されており、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内の酸化ウロビリノーゲンの濃度を決定するように構成されている。
【0025】
一部の応用では、1または複数の前記センサは、390~420nmの第1波長帯域内および445~475nmの第2波長帯域内における前記対象者の尿による光の吸収を示す複数の信号を検出するように構成されており、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、複数の前記信号に少なくとも部分的に応答して、前記対象者の尿内のビリルビンの濃度を決定するように構成されている。一部の応用では、少なくとも1つの前記コンピュータプロセッサは、前記第1波長帯域および前記第2波長帯域の各々における前記対象者の尿による光吸収の互いに対する比率を決定するように構成されており、前記比率に基づいて、前記対象者の尿内のビリルビンの濃度を決定するように構成されている。
【0026】
本発明の一部の応用に従って、便器内に排出される対象者の尿に関して、出力デバイスとともに使用するための装置であって、前記便器に結合された、1または複数のセンサであって、前記対象者の尿に関連する1または複数の尿関連パラメータを、前記便器内への前記尿の排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく検出するように構成された、1または複数のセンサと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、1または複数の前記尿関連パラメータを受け取り、前記対象者の尿の泡立ちおよび/または濁りを示すパラメータを導出し、導出された前記パラメータに少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿内のアルブミンの濃度を推定し、前記対象者の尿内のアルブミンの推定された前記濃度に応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、を備える、装置がさらに提供される。
【0027】
本発明の一部の応用に従って、便器内に排出される対象者の尿に関して、出力デバイスとともに使用するための装置であって、前記便器に結合されており、かつ、300~520nmの範囲内の波長帯域の光によって前記対象者の尿を照明するように構成された、1または複数の照明コンポーネントと、前記便器に結合されており、かつ、前記尿の照明に応答して、前記尿によって放出される530~560nmの範囲内の波長帯域の光の強度を検出するように構成された、1または複数のセンサと、少なくとも1つのコンピュータプロセッサであって、検出された光の前記強度に少なくとも部分的に基づいて、前記対象者の尿内のセルロースのレベルを導出し、前記対象者の尿内のセルロースの導出された前記レベルに応答して、前記出力デバイス上に出力を生成するように構成された、少なくとも1つのコンピュータプロセッサと、を備える、装置がさらに提供される。
【0028】
一部の応用では、前記コンピュータプロセッサは、1または複数の前記センサにより検出された信号に基づいて、前記対象者が血尿を患っていることを検出するように構成されており、前記コンピュータプロセッサは、前記対象者が血尿を患っていることを検出することに応答して、300~520nmの範囲内の波長帯域の光により前記対象者の尿を照明するように、前記照明コンポーネントを駆動するよう構成されている。一部の応用では、前記コンピュータプロセッサは、前記対象者の尿内のセルロースの導出された前記レベルに基づいて、前記対象者の血尿の疑われる原因が前記対象者の尿路内のバイオフィルムに基づく病原体であると判定するように構成されている。
【0029】
本発明は、その実施形態の以下の詳細な説明を図面と併せて解釈することで、より十分に理解されるだろう。
〔図面の簡単な説明〕
【0030】
図1は、本発明の一部の応用による、身体排出物を分析するための装置の概略図である。
【0031】
図2A図2Eは、本発明の一部の応用による、便器内の糞便の画像に対して実行される一部のコンピュータビジョン分析工程の代表的な画像を示す。
【0032】
図3は、本発明の一部の応用による、尿による青色光吸収に基づいて尿の比重を検出するための分類器の感度および特異度を示すROC曲線である。
【0033】
図4は、本発明の一部の応用による、対象者の尿内の血液の存在を検出するための本明細書に記載されたセンサモジュールを利用した分類器の感度および特異度を示すROC曲線である。
【0034】
〔実施形態の詳細な説明〕
さて、図1を参照する。図1は、本発明の一部の応用による、身体排出物を分析するための装置20の概略図である。図示のように、装置20は、典型的には便器23内に配置されたセンサモジュール22を含む。一部の応用(図示せず)では、センサモジュール(および/または、装置の追加のコンポーネント)は、便器と一体となっている。センサモジュールは、1または複数のセンサ24を含む。典型的には、1または複数のセンサは、1または複数の尿関連パラメータ(排尿頻度、尿量、尿の色および/または尿濃度等)を検出し、1または複数の糞便関連パラメータ(糞便の形状、サイズ、質感等)を検出するように構成されている。一部の応用では、1または複数のセンサは、身体排出物が対象者によって便器内に排出されている間に、前述の複数のパラメータのうちの少なくとも一部のパラメータを検出する。代替的または追加的に、1または複数のセンサは、対象者による身体排出物の排出後に当該身体排出物が便器内に配置されたとき、前述の複数のパラメータのうちの少なくとも一部のパラメータを検出する。一部の応用では、前記センサは、RGBカメラ、スペクトルカメラおよび/またはハイパースペクトルカメラ等の撮像コンポーネントを含む。代替的または追加的に、1または複数のセンサは、身体排出物からの光を受け取るように構成された、1または複数の光センサを含んでもよい。一部の応用では、センサモジュールは、1または複数の照明コンポーネント25を含む。それぞれの応用に従って、かかる照明コンポーネントは、所与のスペクトル帯域において身体排出物を照明するように構成された照明コンポーネント(例えば、LEDおよび/もしくはレーザ)、ならびに/または、広帯域光源を含む。一部の応用では、広帯域光源は、1または複数のバンドパスフィルタ(放出された光および/または検出された光をフィルタリングするために使用されてもよい)と組み合わせて使用される。
【0035】
典型的には、コンピュータプロセッサは、1または複数のセンサから1または複数の尿関連パラメータを受け取るだけでなく、1または複数のセンサから1または複数の糞便関連パラメータを受け取る。それぞれの応用に従って、本明細書に記載された分析を実行するコンピュータプロセッサは、ハウジング30(典型的には、センサモジュールもまた収容している)内に配置されたコンピュータプロセッサ28であり、または、センサモジュールとの通信状態にある異なるコンピュータプロセッサである。典型的には、1または複数の尿関連パラメータに少なくとも部分的に基づいて、コンピュータプロセッサは、対象者が脱水症に罹患していると判定する。例えば、1または複数のセンサによって検出される1または複数の尿関連パラメータには、尿の色、尿量(便器内の尿の高さhを検出することによって測定されてもよい)、排尿持続時間(便器内の尿の高さhがその時間にわたって上昇する時間を検出することによって測定されてもよい)、および/または、排尿頻度が含まれ得る。典型的には、特定の対象者の排尿頻度を検出するために、センサモジュールは、対象者が現在便器を使用していることを示す入力を当該対象者から受け取るように構成されており、または、センサモジュールは、どの対象者が所与の時間に便器内に排尿しているかを自動的に検出するように構成されている。
【0036】
一部の応用では、1または複数の糞便関連パラメータ(糞便の形状、サイズ、質感、色等)に少なくとも部分的に基づいて、コンピュータプロセッサは、脱水症を、等張性脱水症、高張性脱水症または低張性脱水症等の所与のタイプの脱水症であると分類する。例えば、1または複数のセンサは、1または複数のカメラを含んでもよい。かかる応用では、コンピュータプロセッサは、典型的には、糞便の1または複数の画像を受け取り、その画像を分析して、糞便の空間的パラメータ、および/または、質感的パラメータ、および/または、色パラメータを決定する。一部の応用では、異なる複数の波長で捕捉された画像が分析される。例えば、異なる複数の波長の光によって、それぞれの時間において糞便が照明されてもよく、それぞれの照明波長下において糞便が照明されている間に、画像が取得されてもよい。代替的または追加的に、フィルタ、カメラ、および/または、種々の波長において画像を取得するように構成されたその他の撮像デバイスもしくは光検出デバイス(例えば、分光計、スペクトルカメラ、ハイパースペクトルカメラ等)を使用して、画像が取得されてもよい。一部の応用では、糞便の画像の分析は、セグメンテーションおよび/または質感分類を実行する、コンピュータビジョン分析アルゴリズムを使用して実行される。代替的または追加的に、画像分析は、このタスクのために訓練されたディープニューラルネットワークを使用して実行される。
【0037】
限定としてではなく例示として、コンピュータビジョン分析アルゴリズムに含まれ得る工程のいくつかの代表的な例は、以下の通りである:
例えば糞便から離れた周辺領域を排除するための、マスキング;
糞便が配置されている画像領域を強調するための、コントラスト強調;
糞便の縁部を検出するための、画像エッジ検出;
例えばガウス混合モデルを使用した、関心領域の検出;
ノイズクリーニングのための、形態変化(morphological changes)の実行;
GrabCutを使用した、セグメンテーションの実行。
【0038】
図2A図2B図2C図2Dおよび図2Eを参照する。図2A図2Eは、本発明の一部の応用による、便器内の糞便の画像に対して実行される上述したコンピュータビジョン分析工程の一部の工程の代表的な画像を示す。
【0039】
図2Aは、対象者の糞便の画像に対して実行されるコントラスト強調の一例である。左のフレームは、強調される前の糞便の画像を示し、右のフレームは、強調された画像を示す。
【0040】
図2Bは、対象者の糞便の画像に対して実行されるエッジ検出の一例である。左のフレームは、エッジ検出アルゴリズムが適用される前の糞便の画像を示し、右のフレームは、エッジ検出アルゴリズムの出力を示す。
【0041】
図2Cは、ガウス混合モデルを使用した、対象者の糞便の画像に対して実行される関心領域の検出の一例である。画像のシーケンスは、画像内の関心領域として識別されるそれぞれのクラスタを示す。典型的には、関心領域の各々はその後、対象者の糞便に関連するパラメータを検出するために、さらなる分析に供される。
【0042】
図2Dは、対象者の糞便の画像に適用される、ノイズクリーニングアルゴリズムのそれぞれの段階を示す。それによって画像からノイズをクリーニングするために、形態変化が画像に適用される。
【0043】
図2Eは、対象者の糞便の画像に適用される、GrabCut画像セグメンテーションアルゴリズムの一例である。左のフレームは、GrabCut画像セグメンテーションアルゴリズムが適用される前の糞便の画像を示し、右のフレームは、GrabCut画像セグメンテーションアルゴリズムの出力を示す。
【0044】
典型的には、コンピュータプロセッサ28は、脱水症の検出および分類に基づいて、出力デバイス(例えば、以下に説明するユーザインターフェースデバイス32)上に、出力を生成する。例えば、コンピュータプロセッサは、対象者が所与のタイプの脱水症に罹患していることを示す出力を生成してもよく、および/または、脱水症のタイプに基づいて、対象者に関して推奨される行動指針を示す出力を生成してもよい。この点に関して、脱水症に罹患している患者に対して、典型的には、脱水症のタイプに応じて、種々の行動指針が推奨されることに留意されたい。
【0045】
図1には、便器内に配置された対象者の尿27および糞便26が、互いに同時に示されている。しかしながら、本出願の範囲には、対象者の尿を分析する工程とは別の時間に対象者の糞便を分析する工程が含まれていることに留意されたい。例えば、まず、対象者の尿を分析することによって、対象者が脱水症に罹患していると判定されてもよい。続いて、対象者が排便したときに、上述したように、対象者の糞便を分析して、対象者の脱水症が所与のタイプの脱水症として分類されてもよい。
【0046】
一部の応用では、本明細書に記載された装置および方法は、AttarによるUS10,575,830および/またはAttarによるUS2019/0195802に記載の装置および方法と併せて実施される。これらの出願はいずれも、参照により本明細書に援用される。
【0047】
一部の応用では、装置20は、便器外に配置されハウジング30内に配置された電源(例えば、バッテリーパック)を含む。代替的または追加的に、センサモジュールは、商用電源(図示せず)に接続されている。典型的には、電源およびセンサモジュール22は、(図示のように)有線接続されており、または、(図示しないが)無線接続されている。それぞれの応用に従って、上述した分析を実行するコンピュータプロセッサは、便器内に配置されており(例えば、コンピュータプロセッサ28は、(典型的には、センサモジュールも収容している)ハウジング30内に配置されている)、または、遠隔に配置されている。例えば、図示のように、センサモジュールは、コンピュータプロセッサを含むユーザインターフェースデバイス32と無線通信してもよい。かかるユーザインターフェースデバイスには、電話機34、タブレットコンピュータ36、ラップトップコンピュータ38、または、異なる種類のパーソナルコンピューティングデバイスが含まれてもよいが、これらに限定されるものではない。典型的には、ユーザインターフェースデバイスは、入力デバイスおよび出力デバイスを介してユーザがセンサモジュール22と対話する、当該入力デバイスと当該出力デバイスとの両方として動作する。センサモジュールは、ユーザインターフェースデバイスにデータを送信してもよく、ユーザインターフェースデバイスのコンピュータプロセッサは、受け取ったデータを分析するように構成されたプログラムを実行してもよい。
【0048】
一部の応用では、センサモジュール22および/またはユーザインターフェースデバイスは、リモートサーバと通信する。例えば、装置は、通信ネットワークを通じて、対象者からの介入なく、医師または保険会社と通信してもよい。医師または保険会社は、結果を評価し、さらなる検査または介入が対象者にとって適切であるか否かを判断してもよい。一部の応用では、受け取ったセンサ信号に関連するデータが、メモリ内に記憶される。例えば、メモリは、便器内(例えば、センサユニット内)、ハウジング30内、または遠隔に配置されてもよい。対象者は、記憶されたデータを、例えばヘルスケア施設(例えば、診療所または薬局)または保険会社等の施設に定期的に提出してもよく、当該施設におけるコンピュータプロセッサはその後、ある期間にわたって取得された対象者の複数の身体排出物に関連するデータのバッチに対して、上述した分析を実行してもよい。
【0049】
なお、本明細書に記載された装置および方法には、対象者が身体排出物に物理的に触れる必要がないスクリーニングテストが含まれることに留意されたい。さらに、典型的には、対象者は、例えば、デバイスを設置するために、または、デバイスのバッテリを交換もしくは再充電するために、専用のセンシング装置のいずれかの部分に定期的に触れる必要があるだけである。(なお、対象者は、ユーザインターフェースデバイスを操作してもよいが、これは、典型的には、センシング装置を使用しないときでも対象者が操作する、(電話機等の)デバイスであることに留意されたい。)さらに、典型的には、本明細書に記載された装置および方法では、排出物の分析、ならびに/または、対象者が脱水症に罹患しているとの判定および当該脱水症の分類が容易となるように、対象者が身体排出物を便器内に排出した後に便器に何かを加えることが、必要とされない。一部の応用では、装置を便器に設置した後に、対象者は、いかなる行為も実行する必要がない。検査は自動であり、装置によって処理される。そのため、異常が検出されない限り、対象者の排出物のモニタリングは対象者にとって円滑であり、対象者による遵守(コンプライアンス)が必要とされない。
【0050】
典型的には、対象者が身体排出物を便器内に排出した後(典型的には、対象者が身体排出物の排出をいったん完了したとき、身体排出物が、少なくとも部分的に、便器の水内に配置されている)、その排出後に、任意の人物によって実行されるべきいかなる行為も必要とすることなく、便器からの反射光および/または透過光を受け取ることによって、身体排出物が撮像される。一部の応用では、便器内への身体排出物の排出中に、身体排出物が分析される。
【0051】
一部の応用では、対象者の各排出物について、陽性信号の場合には、装置は、出力デバイスを介して、例えばユーザインターフェースデバイス32を介して、見出された事柄を対象者に報告する。一部の応用では、出力デバイスは、装置20内に組み込まれた出力コンポーネント(例えば、光(例えば、LED)またはスクリーン等)を含む。
【0052】
センサモジュール22は、典型的には、便器内に配置されている。さらに、典型的には、センサモジュールは、撮像コンポーネントを含む。撮像コンポーネントは、1または複数の光センサを含む。1または複数の当該光センサは、対象者によって排出された身体排出物からの光を受け取るように構成されており、かつ、便器内に配置されている。典型的には、センサモジュールは、耐水性ハウジング内に収容されている。さらに、典型的には、撮像コンポーネントがその下に取り付けられたセンサモジュールの面は、透明かつ耐水性のカバーによって覆われている。図1には、便器内の水の水位よりも上に配置されたセンサモジュールが示されていることに留意されたい。しかしながら、一部の応用では、センサモジュールの少なくとも一部(例えば、センサモジュール全体)は、便器内の水中に浸漬されている。
【0053】
一部の応用では、センサモジュールは、対象者センサを含む。対象者センサは、いつ対象者が便器上にもしくは便器の近傍にいるのか、ならびに/または、対象者が便器内に排便および/もしくは排尿したのかどうかを検出するように構成されている。例えば、対象者センサは、糞便、尿、対象者または便器内の水の動きを感知するように構成されたモーションセンサを含んでもよい。代替的または追加的に、対象者センサは、いつトイレ内の光のスイッチが入れられるか、または、いつ対象者が便器に座っているかを検出するように構成された光センサを含んでもよい。一部の応用では、身体排出物からの光を検出するために使用される光センサもまた、前述した機能のために使用される。かかる一部の応用では、センサモジュールは、(センサモジュールが使用する電力量が低減するように)ほとんど常にスタンバイモードにあるように構成されている。対象者が便器上にもしくは便器の近傍にいることの検出に応答して、ならびに/または、対象者が便器内に排便および/もしくは排尿したことの検出に応答して、センサモジュールのスイッチが入れられる。典型的には、対象者が便器上にもしくは便器の近傍にいることの検出に応答して、ならびに/または、対象者が便器内に排便および/もしくは排尿したことの検出に応答して、センサモジュールの撮像コンポーネントが画像を取得する。一部の応用では、センサモジュールのスイッチを、対象者が手動でオンにする。
【0054】
一部の応用では、コンピュータプロセッサ28は、センサモジュール22によって取得されたデータに基づいて、対象者の尿の1または複数の追加の構成要素および/またはパラメータを検出するように構成されている。かかる一部の応用を、以下に記載する。
【0055】
(尿の比重)
尿の比重は、尿内の溶質の濃度の尺度である。尿の比重は、水の密度と比較したときの尿の密度の比率を測定したものであり、腎臓の尿濃縮力に関する情報を提供する。典型的には、健康な成人の尿は、1.010~1.030の範囲内の比重を有する。(高張尿として知られる)比重の増加は、脱水症、下痢、嘔吐、発汗過多、尿路/膀胱感染症、糖尿、腎動脈狭窄、肝腎症候群、(特に、心不全の結果としての)腎臓への血流量の低下および/または抗利尿ホルモン過剰と関連し得る。(低張尿として知られる)比重の減少は、腎不全、腎盂腎炎、尿崩症、急性尿細管壊死、間質性腎炎および水分摂取過多(例えば、心因性多飲症)に関連し得る。
【0056】
一部の応用では、センサモジュールは、対象者の尿による光の吸収を示す信号を生成するように構成されており、コンピュータプロセッサは、その信号に基づいて、対象者の尿の比重を導出する。典型的には、コンピュータプロセッサは、対象者の尿によるシアン‐緑色光(例えば、480~520nmの波長帯域内の光)の吸収を示すセンサ信号に基づいて、対象者の尿の比重を導出する。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、導出された比重に応答して、出力を生成する。例えば、コンピュータプロセッサは、対象者が脱水症に罹患していることを示す出力を、ユーザインターフェースデバイス32上に生成してもよく、および/または、対象者に関して推奨される行動指針を示す出力を、ユーザインターフェースデバイス32上に生成してもよい。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、対象者の尿の比重に基づいて、対象者が脱水症に罹患していることを検出するように構成されており、かつ、上述した手法を用いて、脱水症をカテゴライズするように構成されている。
【0057】
さて、図3を参照する。本発明の一部の応用による、尿による青色光吸収に基づいて尿の比重を検出するための分類器の感度および特異度を示すROC曲線である。図3に示す結果は、1.025という比重を分類点として用いた分類器に関するものである(すなわち、1.025未満の比重は、等張尿か低張尿かのいずれか一方を示すものとみなされ、1.025を超える比重は、高張尿を示すものとみなされる)。この分類器の結果を、Siemens(ドイツ)により製造されたMultistix(登録商標)10SG試薬片を用いて得られた結果と比較した。この分類器によって、82%の曲線下面積(「AUC(area under curve)」)とともに、81%の感度と、80.0%の特異度とが得られた。このことは、この分類器が比重の決定に関して信頼性の高い分類器であることを示している。
【0058】
(血尿)
(血尿として知られる)ヒトの尿内の血液は、尿路のさまざまな深刻な状態を警告する徴候である。これらの深刻な状態の中には、生命を脅かし得るものも含まれている。血尿は、例えば、尿路感染症、腎臓感染症、膀胱結石もしくは腎結石、前立腺肥大、腎疾患、ウイルス感染症もしくはレンサ球菌感染症、または、膀胱癌および腎臓癌に起因し得るだろう。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、センサモジュールからの信号を分析して、対象者が血尿を患っていると判定する。かかる一部の応用では、コンピュータプロセッサは、参照により本明細書に援用される、AttarによるUS10,575,830に記載された手法を用いる。
【0059】
さて、図4を参照する。図4は、本発明の一部の応用による、対象者の尿内の血液の存在を検出するための本明細書に記載されたセンサモジュールを利用した分類器の感度および特異度を示すROC曲線である。この分類器によって、88%を超えるAUCとともに、80.5%の感度と、80.8%の特異度とが得られた。これは、Aidian(エスポー、フィンランド)により製造されたQuikRead go wrCRP+Hb器具を用いて実施された、ヘモグロビンイムノアッセイの結果と比較したときのものである。このことは、対象者の尿内の血液の存在を高い信頼性をもって検出するために、本明細書に記載されたセンサを使用してもよいことを示している。
【0060】
(ビリルビン、酸化ウロビリノーゲンおよびウロビリン)
ビリルビン、ウロビリンおよびウロビリノーゲンは全て、肝臓内のヘモグロビン代謝の誘導体分子である。ウロビリノーゲンは、ビリルビン還元の無色の副生成物である。肝疾患(例えば、肝炎等)では、ウロビリノーゲンレベルが上昇する。ウロビリノーゲンが空気に曝されると、酸化されてウロビリンとなり、尿が黄色くなる。
【0061】
ビリルビンは、390~420nm(例えば、約400~約410nm)の範囲内の波長帯域において、吸収スペクトルの谷を示し、(b)445~475nm(例えば、約455~約465nm)の範囲内の波長帯域において、吸収スペクトルのピークを示す、明確な吸収スペクトルを有する。したがって、本発明の一部の応用では、センサモジュールは、上記波長帯域の各々における光吸収を検出するように構成されており、コンピュータプロセッサは、それに応答して、対象者の尿内のビリルビンの濃度を決定するように構成されている。かかる一部の応用では、コンピュータプロセッサは、上記波長帯域の各々における光吸収の互いに対する比率を決定し、その比率に基づいて、対象者の尿内のビリルビンの濃度を決定する。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、検出されたビリルビン濃度に応答して、出力を生成するように構成されている。例えば、高濃度のビリルビンに応答して、コンピュータプロセッサは、対象者が医学的注意(medical attention)を求めるべきであることを示す出力を、ユーザインターフェースデバイス上に生成してもよい。
【0062】
酸化ウロビリノーゲンは、480~520nm(例えば、約500~約515nm)の範囲内の波長帯域において、吸収スペクトルのピークを示す、明確な吸収スペクトルを有する。したがって、本発明の一部の応用では、センサモジュールは、上記波長帯域における光吸収を検出するように構成されており、コンピュータプロセッサは、それに応答して、対象者の尿内の酸化ウロビリノーゲンの濃度を決定するように構成されている。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、検出された酸化ウロビリノーゲン濃度に応答して、出力を生成するように構成されている。例えば、高濃度の酸化ウロビリノーゲンに応答して、コンピュータプロセッサは、対象者が医学的注意を求めるべきであることを示す出力を、ユーザインターフェースデバイス上に生成してもよい。
【0063】
さらに、約460nm(例えば、440nm~480nm)の波長でウロビリンを前照明(pre-illumination)すると、そのウロビリンが約520nmの波長の光を(自己蛍光により)放出することが実証されている。それゆえ、本発明の一部の応用に従って、(例えば、図1に示す照明コンポーネント25を使用して、)440~480nmの範囲内の波長帯域における照明によって、対象者の尿が照明される。その後、コンピュータプロセッサは、尿の照明に応答して、尿によって放出される約520nmの波長(例えば、505~535nmの範囲内の波長帯域、または、515~525nmの範囲内の波長帯域)の光の強度を、センサ信号を分析して決定する。典型的には、コンピュータプロセッサは、それに応答して、対象者の尿内の酸化ウロビリンの濃度を決定するように構成されている。
【0064】
(タンパク質(例えば、アルブミン))
タンパク質(例えば、アルブミン)は通常、血中に豊富に存在している。腎臓に問題がある場合、タンパク質が尿内に漏出することがある。尿内の大量のタンパク質は、腎疾患の兆候であり得る。尿内のタンパク質は光学的サイン(optical signature)を有しない傾向があるが、対象者の尿内にタンパク質が存在することで尿の泡立ちが引き起こされ得ることが観察されている。タンパク質は、尿の表面張力を低下させる石鹸様効果を有するためである。尿の排出の結果、液体内および表面内の分子間に静電気力の相互作用が生じ、尿内における空気の分散の結果として、気泡が形成される。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、対象者の尿の泡立ちおよび/もしくは濁りを示す、ならびに/または、尿の泡立ちおよび/もしくは濁りの量を示すセンサ信号を検出するように構成されており、それに少なくとも部分的に応答して、対象者の尿内にタンパク質が過剰に存在すると判定するように構成されている。代替的または追加的に、コンピュータプロセッサは、対象者の尿の泡立ちおよび/または濁り、ならびに/または、尿の泡立ちおよび/または濁りの量に応答して、対象者の尿内のタンパク質の濃度を推定するように構成されている。かかる一部の応用では、コンピュータプロセッサは、尿の不透明度を検出することによって、尿の濁りを推定するように構成されている。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、尿の上の発泡層の高さを測定し、それに応答して、対象者の尿内にタンパク質が過剰に存在すると判定し、かつ/または、対象者の尿内のタンパク質の濃度を推定するように構成されている。一部の応用では、コンピュータプロセッサは、対象者の尿内のタンパク質の過剰を検出することに応答して、および/または、対象者の尿内のタンパク質の推定された濃度に基づいて、出力を生成するように構成されている。例えば、対象者の尿内のタンパク質の過剰を検出することに応答して、および/または、対象者の尿内のタンパク質の推定された濃度に基づいて、コンピュータプロセッサは、対象者が医学的注意を求めるべきであることを示す出力を、ユーザインターフェースデバイス上に生成してもよい。
【0065】
(バイオフィルムに基づく病原体)
再発性の尿路感染症(urinary tract infections:UTIs)の原因は、尿路内に形成された病原体(例えば、大腸菌(UPEC)等)のバイオフィルムであることが示唆されている。典型的には、かかる場合において、尿路内のバイオフィルムの細胞外マトリックス内にはセルロースが存在する。さらに、300~520nmの範囲内の波長帯域における広帯域照明を用いてセルロースを前照明すると、そのセルロースが約545nmの波長の光を(自己蛍光により)放出することが実証されている。それゆえ、本発明の一部の応用に従って、(例えば、図1に示す照明コンポーネント25を使用して、)300~520nmの範囲内の波長帯域における広帯域照明によって、対象者の尿が照明される。その後、コンピュータプロセッサは、尿の照明に応答して、尿によって放出される約545nmの波長(例えば、530~560nmの範囲内の波長帯域、または、540~550nmの範囲内の波長帯域)の光の強度を、センサ信号を分析して決定する。
【0066】
一部の応用では、コンピュータプロセッサは、光の検出された強度に少なくとも部分的に基づいて、対象者の尿内のセルロースのレベルを導出するように構成されている。上述したように、一部の応用では、コンピュータプロセッサは、センサ信号を分析することによって、血尿を検出するように構成されている。一部の応用では、(例えば、上述した手法を用いて)血尿を検出することに応答して、コンピュータプロセッサは、(a)300~520nmの範囲内の波長帯域における広帯域照明によって対象者の尿を照明するように、照明コンポーネント25を駆動し、かつ、(b)尿の照明に応答して、尿によって放出される約545nmの波長(例えば、530~560nmの波長、または、540~550nmの波長)の光の強度を決定するように、構成されている。光の検出された強度(および、尿内のセルロースの導出された濃度)に基づいて、コンピュータプロセッサは、鑑別診断を実行し、血尿の疑われる原因が対象者の尿路内のバイオフィルムに基づく病原体であるか否かを判定するように構成されている。かかる一部の応用では、コンピュータプロセッサは、その鑑別診断に応答して、出力を生成する。例えば、コンピュータプロセッサは、対象者が医学的注意を求めるべきであることを示す出力を、ユーザインターフェースデバイス上に生成してもよい。
【0067】
本明細書に記載された本発明の応用は、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)からアクセス可能なコンピュータプログラムプロダクトの形態を取り得る。当該コンピュータプログラムプロダクトは、コンピュータもしくは任意の命令実行システムによって用いるためのプログラムコード、または、コンピュータもしくは任意の命令実行システムと接続して用いるためのプログラムコードを提供する。当該任意の命令実行システムは、例えば、ユーザインターフェースデバイス32のコンピュータプロセッサ、ハウジング30内に配置されたコンピュータプロセッサ28、または、遠隔のクラウドベースのコンピュータプロセッサ等である。本明細書の目的のために、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、命令実行システム、命令実行装置もしくは命令実行デバイスによって用いるためのプログラム、または、命令実行システム、命令実行装置もしくは命令実行デバイスと接続して用いるためのプログラムを備え、記憶し、通信し、伝搬しまたは輸送し得る、任意の装置であってもよい。この媒体は、電子的な、磁気的な、光学的な、電磁的な、赤外線の、もしくは、半導体のシステム(もしくは、装置もしくはデバイス)であってもよく、または、伝搬媒体であってもよい。典型的には、コンピュータ使用可能媒体またはコンピュータ可読媒体は、非一時的コンピュータ使用可能媒体または非一時的コンピュータ可読媒体である。
【0068】
コンピュータ可読媒体の例には、半導体メモリまたはソリッドステートメモリ、磁気テープ、リムーバブルコンピュータディスケット、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリ(ROM)、リジッド磁気ディスクおよび光ディスクが含まれる。光ディスクの現在の例には、コンパクトディスク読出し専用メモリ(CD-ROM)、コンパクトディスク読出し/書込み(compact disk-read/write:CD-R/W)およびDVDが含まれる。一部の応用では、クラウドストレージが使用される。
【0069】
プログラムコードを記憶および/または実行するのに適したデータ処理システムには、システムバスを通じてメモリ要素(例えば、ユーザインターフェースデバイス32のメモリ)に直接的または間接的に結合された少なくとも1つのプロセッサ(例えば、ユーザインターフェースデバイス32のコンピュータプロセッサ、ハウジング30内に配置されたコンピュータプロセッサ28、または、遠隔のクラウドベースのコンピュータプロセッサ)が含まれるだろう。メモリ要素には、プログラムコードの実際の実行中に用いられるローカルメモリ、大容量ストレージ、および、実行中に大容量ストレージからコードを取り出す必要がある回数が削減されるように少なくとも一部のプログラムコードの一時ストレージを提供する、キャッシュメモリが含まれ得る。システムは、プログラムストレージデバイス上の本発明の命令を読み取り、これらの命令に従い、本発明の実施形態の方法体系を実行してもよい。
【0070】
介在するプライベートネットワークまたはパブリックネットワークを通じて、その他のプロセッサ、リモートプリンタまたはストレージデバイスにプロセッサが結合された状態となり得るように、ネットワークアダプタが当該プロセッサに結合されてもよい。現在利用可能なネットワークアダプタのタイプのほんの数例として、モデム、ケーブルモデムおよびイーサネットカードがある。
【0071】
本発明の動作を実行するためのコンピュータプログラムコードは、1または複数のプログラミング言語を任意に組み合わせて記述されてもよい。当該プログラミング言語には、例えば、Java、Smalltalk、C++等のオブジェクト指向プログラミング言語、および、プログラミング言語Cまたは類似のプログラミング言語等の従来の手続き型プログラミング言語が含まれる。
【0072】
本明細書に記載されたアルゴリズムは、コンピュータプログラム命令によって実装され得ることが理解されるだろう。コンピュータのプロセッサ(例えば、ユーザインターフェースデバイス32のコンピュータプロセッサ、ハウジング30内に配置されたコンピュータプロセッサ28、もしくは、遠隔のクラウドベースのコンピュータプロセッサ)またはその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサを介して実行される命令が、本出願に記載されたアルゴリズムにおいて特定された機能/挙動を実装するための手段を作り出すように、これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、専用コンピュータまたはその他のプログラム可能データ処理装置のプロセッサに提供されて、マシンが生成されてもよい。また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読媒体)に記憶されてもよい。アルゴリズムにおいて特定された機能/挙動を実装する命令手段を含む製品が、当該コンピュータ可読媒体に記憶された命令によって作り出されるように、当該コンピュータ可読媒体は、コンピュータまたはその他のプログラム可能データ処理装置が特定の方法で機能するように指示してもよい。また、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置上で実行される命令によって、本出願に記載されたアルゴリズムにおいて特定された機能/挙動を実装するためのプロセスが提供されるように、コンピュータプログラム命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能データ処理装置上にロードされ、その結果、コンピュータまたはその他のプログラム可能装置上で一連の動作工程を実行させて、コンピュータ実装されたプロセスを生成してもよい。
【0073】
典型的には、本明細書に記載されたコンピュータプロセッサは、専用コンピュータが作り出されるようにコンピュータプログラム命令によってプログラムされた、ハードウェアデバイスである。例えば、本明細書に記載されたアルゴリズムを実行するようにプログラムされた場合、コンピュータプロセッサは、典型的には、専用の身体排出物分析コンピュータプロセッサとして機能する。典型的には、コンピュータプロセッサにより実行される本明細書に記載された動作によって、実際の物理的物品であるメモリの物理的状態は、使用されるメモリの技術に応じて、異なる磁気極性、電荷等を有するように変換される。
【0074】
以上に具体的に示され説明されたものに本発明が限定されるものではないことを、当業者ならば理解するだろう。むしろ、本発明の範囲には、上述したさまざまな特徴のコンビネーションとサブコンビネーションとの両方が含まれるのみならず、上述した説明を読んだ当業者に想到されるであろう、先行技術には存在しない本発明の変形形態および修正形態が含まれている。
【図面の簡単な説明】
【0075】
図1】本発明の一部の応用による、身体排出物を分析するための装置の概略図である。
図2A】本発明の一部の応用による、便器内の糞便の画像に対して実行される一部のコンピュータビジョン分析工程の代表的な画像を示す。
図2B】本発明の一部の応用による、便器内の糞便の画像に対して実行される一部のコンピュータビジョン分析工程の代表的な画像を示す。
図2C】本発明の一部の応用による、便器内の糞便の画像に対して実行される一部のコンピュータビジョン分析工程の代表的な画像を示す。
図2D】本発明の一部の応用による、便器内の糞便の画像に対して実行される一部のコンピュータビジョン分析工程の代表的な画像を示す。
図2E】本発明の一部の応用による、便器内の糞便の画像に対して実行される一部のコンピュータビジョン分析工程の代表的な画像を示す。
図3】本発明の一部の応用による、尿による青色光吸収に基づいて尿の比重を検出するための分類器の感度および特異度を示すROC曲線である。
図4】本発明の一部の応用による、対象者の尿内の血液の存在を検出するための本明細書に記載されたセンサモジュールを利用した分類器の感度および特異度を示すROC曲線である。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3
図4