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特開2024-113129端末装置、通信のための方法、基地局及び基地局の方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113129
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】端末装置、通信のための方法、基地局及び基地局の方法
(51)【国際特許分類】
   H04W 72/115 20230101AFI20240814BHJP
   H04W 76/27 20180101ALI20240814BHJP
【FI】
H04W72/115
H04W76/27
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024092926
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2022570694の分割
【原出願日】2020-05-20
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.3GPP
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【弁理士】
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】ワン ガン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】非アクティブ状態におけるスモールデータ送信(SDT)のための方法、装置を提供する。
【解決手段】端末装置によって実施される通信方法は、非アクティブ状態になることを示すメッセージを端末装置においてネットワーク装置から受信したことに応じて、非アクティブ状態になる。メッセージは、端末装置とネットワーク装置との間のデータ送信のためのリソース設定を含む。方法はさらに、リソース設定に基づいてデータ送信を実行する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置であって、
無線リソース制御(RRC) Releaseメッセージによって、スモールデータ送信(SDT)のためのリソース設定情報を受信する手段と、
前記リソース設定情報に基づいて前記SDTの手順における基地局へのデータ送信を、非アクティブ状態のまま実行する手段と、
前記非アクティブ状態からアイドル状態に移行する移行手段と、
を備え、
前記移行手段は、前記リソース設定情報を解放することを伴う、
端末装置。
【請求項2】
前記移行手段は、失敗を示す解放原因付きで前記アイドル状態に移行する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
前記解放原因は、RRC再開手順の失敗を示す、
請求項2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記SDTの手順の間に、セルの再選択が生じた場合に、失敗を示す解放原因付きで、前記非アクティブ状態から前記アイドル状態に移行する移行手段を更に有する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の端末装置。
【請求項5】
端末装置によって実行される通信のための方法であって、
無線リソース制御(RRC)Releaseメッセージによって、スモールデータ送信(SDT)のためのリソース設定情報を受信することと、
前記リソース設定情報に基づいて前記SDTの手順における基地局へのデータ送信を、非アクティブ状態のまま実行することと、
前記非アクティブ状態からアイドル状態に移行することと、
を含み、
前記移行することは、前記リソース設定情報を解放することを伴う、
通信のための方法。
【請求項6】
前記端末装置は、失敗を示す解放原因付きで前記アイドル状態に移行する、
請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記解放原因は、RRC再開手順の失敗を示す、
請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記SDTの前記手順の間に、セルの再選択が生じた場合に、失敗を示す解放原因付きで、前記非アクティブ状態から前記アイドル状態に移行する、
請求項5乃至7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
端末装置と通信を行う基地局であって、
無線リソース制御(RRC) Releaseメッセージによって、スモールデータ送信(SDT)のためのリソース設定情報を送信する手段と、
前記リソース設定情報に基づいて、前記SDTの手順における基地局へのデータ送信を、前記端末装置に、非アクティブ状態のまま実行させる手段と、
前記端末装置に、前記非アクティブ状態からアイドル状態に移行させる移行手段と、
を備え、
前記移行手段は、前記リソース設定情報を解放することを伴う、
基地局。
【請求項10】
端末装置と通信を行う基地局における方法であって、
無線リソース制御(RRC) Releaseメッセージによって、スモールデータ送信(SDT)のためのリソース設定情報を送信することと、
前記リソース設定情報に基づいて、前記SDTの手順における基地局へのデータ送信を、前記端末装置に、非アクティブ状態のまま実行させることと、
前記端末装置に、前記非アクティブ状態からアイドル状態に移行させることと、
を備え、
前記移行させることは、前記リソース設定情報を解放することを伴う、
基地局の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施形態は、一般に電気通信の分野に関し、特に、非アクティブ状態におけるデータ通信のための方法、装置及びコンピュータ可読媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、非アクティブ状態の端末装置であっても、送信すべき小規模で低頻度のデータトラフィックを有することがある。第3世代パートナーシッププロジェクト(3GPP)リリース16までは、非アクティブ状態でデータ送信をサポートできず、端末装置がダウンリンク及びアップリンクのデータ送信のために接続を再開しなければならない。接続の確立とその後の非アクティブ状態への解放(release)は、データパケットが小さく頻度が低いものであっても、データ送信ごとに発生する。これは、不要な電力消費とシグナリングのオーバーヘッドにつながる。
【0003】
これに関し、3GPPリリース17は、非アクティブ状態におけるランダムアクセスチャネル(RACH)と事前設定された物理アップリンク共有チャネル(PUSCH)のリソースに基づく、小規模で低頻度のデータトラフィックを許可している。このため、小規模で低頻度のデータトラフィックの送信方法が議論の的となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、本開示の実施形態は、非アクティブ状態におけるデータ通信のための方法、装置及びコンピュータ可読媒体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、端末装置が非アクティブ状態になることを示すメッセージを前記端末装置においてネットワーク装置から受信したことに応じて、前記非アクティブ状態になることを含む。前記メッセージは、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間の前記データ送信のためのリソース設定を含む。前記方法はさらに、前記リソース設定に基づいて前記データ送信を実行することを含む。
【0006】
第2の態様では、通信方法が提供される。前記方法は、端末装置が非アクティブ状態になることを示すメッセージを、ネットワーク装置から前記端末装置に送信することを含む。前記メッセージは、前記端末装置と前記ネットワーク装置との間のデータ送信のためのリソース設定を含む。前記方法はさらに、前記リソース設定に基づいて前記データ送信を実行することを含む。
【0007】
第3の態様では、端末装置が提供される。前記端末装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されているメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行される場合、前記端末装置に本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0008】
第4の態様では、ネットワーク装置が提供される。前記ネットワーク装置は、プロセッサと、前記プロセッサに結合されているメモリとを備える。前記メモリには命令が格納され、前記命令は前記プロセッサによって実行される場合、前記ネットワーク装置に本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0009】
第5の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第1の態様にかかる方法を実行させる。
【0010】
第6の態様では、命令が格納されているコンピュータ可読媒体が提供される。前記命令は、少なくとも1つのプロセッサ上で実行される場合、前記少なくとも1つのプロセッサに、本開示の第2の態様にかかる方法を実行させる。
【0011】
本開示の他の特徴は、以下の説明を通して容易に理解されるはずである。
【0012】
添付図面における本開示のいくつかの実施形態のより詳細な説明を通じて、本開示の上記及び他の目的、特徴及び利点がより明らかになるはずである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示のいくつかの実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワークを示す。
図2】本開示のいくつかの実施形態にかかる、非アクティブ状態におけるデータ送信のための例示的プロセスを示す例示的なシグナリングチャートを示す。
図3】本開示の他の実施形態にかかる非アクティブ状態におけるデータ送信のための例示的プロセスを示す例示的なシグナリングチャートを示す。
図4】本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される例示的な通信方法を示す。
図5】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される例示的な通信方法を示す。
図6】本開示の実施形態を実施するのに好適な装置の概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図面全体において、同一又は類似の参照番号は、同一又は類似の要素を表す。
【0015】
本開示の原理について、いくつかの実施形態を参照しながら説明する。これらの実施形態は、単に説明を目的として説明されるもので、当業者が本開示を理解し実施する際に役立つものであり、本開示の範囲に対する何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。本明細書で説明する本開示は、以下で説明するもの以外にも様々な方法で実施することができる。
【0016】
以下の説明及び特許請求の範囲において、別途定義されない限り、使用される全ての技術用語及び科学用語は、本開示が属する技術分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0017】
本明細書において、「端末装置」という用語は、無線又は有線の通信機能を有する任意の装置を指す。端末装置の例としては、ユーザ端末(UE)、パーソナルコンピュータ、デスクトップ、移動電話、携帯電話、スマートフォン、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ポータブルコンピュータ、タブレット、ウェアラブルデバイス、IoT(internet of things)デバイス、IoE(internet of everything)デバイス、マシンタイプ通信(MTC)機器、V2X通信用の車両搭載機器(ここでXは歩行者、車両又はインフラ/ネットワークを意味する)、デジタルカメラ等の撮像装置、ゲーム機器、音楽保存・再生装置、無線/有線でのインターネットアクセス及び閲覧を可能にするインターネット装置等が挙げられるが、それらに限定されない。「端末装置」という用語は、UE、移動局、加入者設備、移動端末、ユーザ端末又は無線装置と互換的に使用することができる。また、「ネットワーク装置」という用語は、端末装置が通信できるセル又はカバレッジを提供又はホストすることが可能な装置を指す。ネットワーク装置の例としては、Node B(NodeB又はNB)、Evolved NodeB(eNodeB又はeNB)、次世代NodeB(gNB)、送受信ポイント(TRP)、リモート無線ユニット(RRU)、無線ヘッド(RH)、リモート無線ヘッド(RRH)、フェムトノード、ピコノード等の低電力ノード等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0018】
一実施形態において、端末装置は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置と接続されてもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置の一方はマスタノードで、他方はセカンダリノードであってもよい。第1ネットワーク装置と第2ネットワーク装置は、異なるRATを使用してもよい。一実施形態では、第1ネットワーク装置は第1RAT装置であってもよく、第2ネットワーク装置は第2RAT装置であってもよい。一実施形態では、第1RAT装置はeNBであり、第2RAT装置はgNBである。異なるRATに関連する情報は、第1ネットワーク装置及び第2ネットワーク装置の少なくとも一方から端末装置に送信されてもよい。一実施形態において、第1情報が第1ネットワーク装置から端末装置に送信されてもよく、第2情報が第2ネットワーク装置から端末装置に直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。一実施形態において、第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。第2ネットワーク装置によって設定された端末装置の再設定に関連する情報が、第2ネットワーク装置から端末装置に、直接送信されるか、又は第1ネットワーク装置を介して送信されてもよい。
【0019】
本明細書で使用される場合、単数形「1つ(a)」、「1つ(an)」、及び「上記(the)」は、文脈で別途明確に示されない限り、複数形も含むことを意図している。「含む」という用語及びその変形は、「含むがこれに限定されない」ことを意味する開放式の用語として解釈される。「に基づいて」という用語は、「少なくとも部分的に基づいて」と解釈される。「一実施形態」及び「1つの実施形態」という用語は、「少なくとも1つの実施形態」と解釈される。「別の実施形態」という用語は、「少なくとも1つの他の実施形態」と解釈される。「第1」、「第2」等の用語は、異なる対象又は同じ対象を指してもよい。以下の内容には、明示的及び暗黙的な他の定義が含まれることがある。
【0020】
いくつかの例において、値、プロセス又は装置は、「最適」、「最低」、「最高」、「最小」、「最大」等と称される。理解される点として、こうした説明は、使用される複数の機能的代替の中から、選択可能であると示すことを意図しており、こうした選択は、他の選択と比べて、より優れていたり、より小さかったり、より高かったり、又はより好ましかったりする必要はない。
【0021】
図1は、本開示の実施形態を実施可能な例示的な通信ネットワーク100の模式図を示す。図1に示すように、通信ネットワーク100は、ネットワーク装置110と、ネットワーク装置110がサービスを提供する端末装置120とを含む。ネットワーク装置110と端末装置120は、無線通信チャネル等のチャネルを介して通信してもよい。例えば、端末装置120は、アップリンクデータをネットワーク装置110に送信してもよく、ネットワーク装置110は、アップリンクデータの受信に対する応答を端末装置120に送信してもよい。
【0022】
図1における装置の数及び種類は、説明を目的として示されたもので、本開示に対する何らかの限定を示唆するものではないことを理解されたい。通信ネットワーク100は、本開示の実装を実施するのに適した任意の適切な数のネットワーク装置及び/又は端末装置を含んでもよい。さらに、通信ネットワーク100は、ネットワーク装置及び端末装置以外の任意の装置、例えばコアネットワーク要素を含んでもよいが、本発明が不明瞭になることを避けるため本明細書では省略する。
【0023】
通信ネットワーク100における通信は、任意の適切な規格に準拠してもよく、規格は、モバイル通信用グローバルシステム(GSM:Global System for Mobile Communications)、ロングタームエボリューション(LTE:Long Term Evolution)、LTEエボリューション(LTE-Evolution)、LTEアドバンスト(LTE-A:LTE-Advanced)、広帯域符号分割多元接続(WCDMA:Wideband Code Division Multiple Access)、符号分割多元接続(CDMA:Code Division Multiple Access)、GSM EDGE無線アクセスネットワーク(GERAN:GSM EDGE Radio Access Network)、マシンタイプ通信(MTC)等を含むが、これらに限定されない。さらに、通信は、現在知られている、又は将来開発される任意の世代の通信プロトコルに従って実行されてもよい。通信プロトコルの例には、第1世代(1G)、第2世代(2G)、2.5G、2.75G、第3世代(3G)、第4世代(4G)、4.5G、第5世代(5G)の通信プロトコルが含まれるが、これらに限定されない。
【0024】
上述したように、非アクティブ状態の端末装置120であっても、送信すべき小規模で低頻度のデータトラフィックを有することがある。以下では、このようなデータ送信を小規模データ送信(SDT)とも称する。いくつかの実施形態において、小規模で低頻度のデータトラフィックは、インスタントメッセージング(IM)サービス(whatsapp、QQ、wechat等)からのトラフィック、IM/メールクライアントや他のアプリケーションからのハートビート/キープアライブのトラフィック、様々なアプリケーションからのプッシュ通知等のスマートフォンアプリケーションを含んでもよい。いくつかの実施形態において、小規模で低頻度のデータトラフィックは、ウェアラブル(定期的な位置情報等)、センサ(温度、圧力測定値を定期的に又はイベントトリガ方式で送信する産業用無線センサネットワーク(Industrial Wireless Sensor Networks)等)、定期的なメータ測定値を送信するスマートメータ及びスマートメータネットワークからのトラフィック等のスマートフォン以外のアプリケーションを含んでもよい。
【0025】
現在、端末装置が非アクティブである場合のSDTを実行するために、事前設定されたPUSCHにおけるRACHベースの方式・通信が許可されている。しかし、SDTの一般的な手順について、それ以上の詳細な解決手段は提案されていない。本開示の実施形態は、SDTのための解決手段を提供する。本開示の実施形態にかかる解決手段によって、SDTが実現される。本開示の原理及び実施について、図面を参照しながら以下で詳細に説明する。
【0026】
図2は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、非アクティブ状態におけるデータ送信のための例示的プロセス200を示す例示的なシグナリングチャートを示す。議論を目的として、図1を参照してプロセス200について説明する。プロセス200は、図1に示す端末装置120及びネットワーク装置110に関わることができる。
【0027】
端末装置120がネットワーク装置110からメッセージを受信すると(210)、端末装置120は非アクティブ状態になる(220)。メッセージは、端末装置120が非アクティブ状態になることを示す。メッセージは、端末装置120とネットワーク装置110との間のデータ送信用のリソース設定を含む。
【0028】
非アクティブ状態において、端末装置120は、リソース設定に基づいてデータ送信を実行する。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態になると、端末装置120は、リソース設定に基づいてアップリンクデータをネットワーク装置110に送信する(230)。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態になると、端末装置120は、リソース設定に基づいてネットワーク装置110からダウンリンクデータを受信する(240)。
【0029】
本開示の実施形態では、非アクティブ状態におけるデータ送信のための一般的な手順が提供される。
【0030】
いくつかの実施形態において、メッセージを受信する前、端末装置120は接続状態である。このような実施形態では、端末装置120はメッセージを受信すると、接続状態から非アクティブ状態に移行する。
【0031】
いくつかの実施形態において、メッセージは無線リソース制御(RRC)Releaseメッセージを含んでもよい。当然ながら、RRC Releaseメッセージ以外の他のメッセージが適用されてもよい。本開示の範囲はそれに限定されない。
【0032】
いくつかの実施形態において、メッセージは、非アクティブ状態のためのサスペンド設定をさらに含んでもよい。
【0033】
いくつかの実施形態において、サスペンド設定は、端末装置120の完全な非アクティブ無線ネットワーク一時識別子(I-RNTI)、端末装置120のshort I-RNTI、ページングサイクル(Paging Cycle)、RAN-通知エリア情報(RAN-Notification Area Information)、周期的RNAUタイマ値、又はNext Hop Chaining Countのうち少なくとも1つを含んでもよい。
【0034】
従来、UEは、サスペンド設定を含むメッセージを受信すると、受信したサスペンド設定の適用、(ある場合は)VarConditionalConfig内の全てのエントリの削除、(ある場合は)メディアアクセス制御(MAC)のリセット及びデフォルトMACセルグループ設定の解放、シグナリング無線ベアラ1(SRB1)の無線リンク制御(RLC)エンティティの再確立、SRB0以外の全てのSRBとデータ無線ベアラ(DRB)の一時停止、全てのDRBの下位層へのパケットデータ収束プロトコル(PDCP)一時停止の指示、上位層へのRRC接続一時停止の指示、RRC_INACTIVEへの移行、及びTS38.304で規定されているセルの選択、を実行する。
【0035】
しかし、サスペンド設定付きRRC Releaseメッセージを受信した場合、MACのリセットによりタイミングアドバンス(TA:Timing Advance)が無効となり、その結果、その後のSDTを実行できなくなる。このため、サスペンド設定付きRRC Releaseメッセージにデータ送信用リソース設定が含まれている場合は、従来とは異なる手順とする必要がある。
【0036】
これに関して、いくつかの実施形態において端末装置120は、サスペンド設定及びデータ送信用リソース設定を含むメッセージを受信すると、端末装置120でMACエンティティの状態を維持する。言い換えると、端末装置120はMACエンティティをリセットしない。
【0037】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、サスペンド設定及びデータ送信用リソース設定を含むメッセージを受信すると、データ送信用のDRBを維持する。言い換えると、端末装置120は、データ送信用DRBを一時停止しない。
【0038】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、サスペンド設定及びデータ送信用リソース設定を含むメッセージを受信すると、端末装置120でPDCPエンティティの状態を維持する。言い換えると、端末装置120はPDCPエンティティを一時停止しない。
【0039】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、サスペンド設定及びデータ送信用リソース設定を含むメッセージを受信すると、SRB0を除く全てのSRBを一時停止する。
【0040】
いくつかの実施形態において、ネットワーク装置110からのメッセージは、端末装置120用の初期の帯域幅部分(BWP)以外のアクティブなBWPの設定をさらに含む。このような実施形態において、端末装置120は、初期BWP以外のアクティブなBWPでデータ送信を実行してもよい。
【0041】
図3は、本開示の他の実施形態にかかる非アクティブ状態におけるデータ送信のための例示的プロセス300を示す例示的なシグナリングチャートを示す。議論を目的として、図1を参照してプロセス300について説明する。プロセス300は、図1に示す端末装置120及びネットワーク装置110に関わることができる。プロセス300は、RACHスキームに基づくSDTと、それに続くSDTとに関連することができる。
【0042】
非アクティブ状態の端末装置120は、ネットワーク装置110にランダムアクセスプリアンブルを送信する(310)。ネットワーク装置110は、ランダムアクセスプリアンブルを受信すると、端末装置120にランダムアクセス応答を送信する(320)。
【0043】
端末装置120は、非アクティブ状態維持の要求をネットワーク装置110に送信する(330)。いくつかの実施形態において、端末装置120は、要求をアップリンクデータと共にネットワーク装置110に送信する。
【0044】
いくつかの実施形態において、要求はRRC Resume要求又はRRC Resume要求1を含んでもよい。
【0045】
ネットワーク装置110は、端末装置120にメッセージを送信する(340)。メッセージは、端末装置120が非アクティブ状態になることを示す。メッセージは、データ送信用リソース設定を含む。プロセス200の210で送信されたメッセージとは異なり、340で送信されるメッセージは、ダウンリンクデータと共に送信されてもよい。
【0046】
プロセス200と同様に、端末装置120がメッセージを受信した場合、端末装置120は非アクティブ状態になる(220)。非アクティブ状態において端末装置120は、リソース設定に基づいて、ネットワーク装置110にアップリンクデータを送信する(230)。いくつかの実施形態において、非アクティブ状態になると、端末装置120は、リソース設定に基づいて、ネットワーク装置110からダウンリンクデータを受信する(240)。
【0047】
プロセス300は4ステップランダムアクセス手順を例に説明されているが、プロセス300は2ステップランダムアクセス手順にも適用されることを理解されたい。
【0048】
従来、無線リンクモニタリングと無線リンク障害(RLF)検出は、接続状態の端末装置に対してのみサポートされている。
【0049】
接続状態において端末装置は、ネットワーク装置によって設定された参照信号及び信号品質の閾値に基づいて、アクティブなBWPで無線リンクモニタリング(RLM)を実行する。参照信号は、同期信号ブロック(SSB)又はチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)のうち少なくとも1つを含んでもよい。SSBベースのRLMは、初期のDL BWPに関連付けられたSSBに基づいており、初期のDL BWPと、初期のDL BWPに関連付けられたSSBを含むDL BWPに対してのみ設定可能である。その他のDL BWPについては、CSI-RSに基づいてのみRLMを実行可能である。DAPSハンドオーバーの場合、端末装置は、ターゲットセルへのランダムアクセス手順が正常に完了するまで、ソースセルでRLMを継続する。
【0050】
端末装置は、次の基準の1つが満たされる場合に無線リンク障害(RLF)を宣言する。その基準とは、物理層からの無線問題の通知後に開始された無線問題タイマの満了(タイマ満了前に無線問題が回復した場合、端末装置はタイマを終了する)、別の無線問題タイマの実行中にタイマが設定された測定アイデンティティに関する測定レポートをトリガしたときに開始されたタイマの満了、ランダムアクセス手順の障害、RLC障害、ランダムアクセス手順の障害、又は共有スペクトルチャネルアクセスでの動作についての一貫したアップリンクLBT(Listen Before Talk)障害の検出後、である。
【0051】
従来、RLFが宣言されたあと、端末装置は、接続状態を維持すること、適切なセルを選択してからRRCの再確立を開始すること、RLFが宣言されてから一定時間以内に適切なセルが発見できなかった場合にアイドル状態になること、のうち少なくとも1つを実行してもよい。
【0052】
非アクティブ状態におけるSDTの間、セル再選択のカバレッジとデータ送信のカバレッジの間にギャップが生じる可能性がある。これは、無線信号が弱くなりすぎてデータを正常に送信できないのに、セルの再選択がまだ行われていないことを意味する。端末装置がまだSDTを維持している場合、大幅な遅延が発生する。
【0053】
上記の問題を解決するために、非アクティブ状態でSDTを実行する端末装置のためのRLF関連の処理が提案される。
【0054】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、非アクティブ状態におけるデータ送信中にRLFを検出する。
【0055】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、以下の基準の1つが満たされる場合にRLFを検出し、RLFを宣言する。その基準とは、物理層からの無線問題の通知後に開始された無線問題のタイマの満了(PScelにおけるT310の満了時)、RLC障害(すなわち、再送が最大数に達したこと)、ランダムアクセス手順の障害、又は一貫したLBT障害、である。
【0056】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、ネットワーク装置110によって設定された参照信号(SSB又はCSI-RS等)及び信号品質の閾値に基づいて、アクティブBWPにおいてRLMを実行することによって、無線問題を検出する。
【0057】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、RLFを検出すると、ネットワーク装置110への接続再開手順を開始することによってRLFを軽減する。
【0058】
いくつかの実施形態において、接続再開手順を開始するために、端末装置120は、端末装置120とネットワーク装置110との間の第1RRC接続を再開する要求をネットワーク装置110に送信する。いくつかの実施形態において、端末装置120は、アップリンクデータなしで要求をネットワーク装置110に送信する。
【0059】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、RLFを検出すると、MACエンティティをリセットすることによってRLFを軽減する。
【0060】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、RLFを検出すると、全てのDRBを一時停止することによってRLFを軽減する。
【0061】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、RLFを検出すると、アイドル状態になることによってRLFを軽減する。
【0062】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、ネットワーク装置110から受信したリソース設定を解放することによってアイドル状態になる。
【0063】
本開示のいくつかの実施形態によれば、データ送信中の無線リンクモニタリング及びRLF検出により、非アクティブ状態でSDTを実行する際に無線リンクの問題を検出することができ、端末装置はサービスの中断を回避するための手順を実行することができる。
【0064】
現在、端末装置がRRCアイドル状態になる際、「その他」、「RRC接続障害」、「RRC再開障害」の3種類の解放原因が上位層に提供可能である。しかしながら、これら3つの解放原因は全てSDT障害には適していない。
【0065】
いくつかの実施形態において、アイドル状態になる際に、端末装置120は非アクセス層(NAS)に通知を提供する。この通知は、非アクティブ状態におけるデータ送信の障害を示す。以下、この通知は解放原因とも称される。データ送信の障害は、SDT障害とも称される。
【0066】
いくつかの実施形態では、タイマT319が満了になるか、タイマT319の実行中に下位層から整合性チェック失敗指示を受け、且つ、SDTのためにRRC再開手順が開始された場合に、端末装置120は、「SDT障害」を示す解放原因によって、アイドル状態になる際のアクションを実行する。
【0067】
表1は、タイマT319の詳細を示す。
【表1】
表1
【0068】
いくつかの実施形態において、タイマT319又はタイマT302の実行中にセルの再選択が発生し、且つ、SDTのためにRRC再開手順が開始された場合、端末装置120は、SDT障害を示す解放原因によって、アイドル状態になる際のアクションを実行する。
【0069】
表2は、タイマT302の詳細を示す。
【表2】
表2
【0070】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、その後のSDT又は設定されたグラントSDTの最中にRLFを検出すると、「SDT障害」を示す解放原因によって、アイドル状態になる際のアクションを実行する。
【0071】
本開示のいくつかの実施形態によれば、「SDT障害」を示す解放原因がNASに提供されると、NAS層は、状態移行の理由によって、Connection Management(CM)-Connected状態からCM-Idle状態に移行することができる。
【0072】
図4は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、端末装置で実施される例示的な通信方法400を示す。例えば方法400は、図1に示すような端末装置120で実行されてもよい。議論を目的として、以下では図1を参照して方法400について説明する。方法400は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0073】
ブロック410において、端末装置120が非アクティブ状態になることを示すメッセージを、端末装置120がネットワーク装置110から受信すると、端末装置120は非アクティブ状態になる。メッセージは、端末装置とネットワーク装置との間のデータ送信のためのリソース設定を含む。
【0074】
ブロック420において、端末装置120は、リソース設定に基づいてデータ送信を実行する。
【0075】
いくつかの実施形態において、端末装置120は、メッセージを受信する前は接続状態である。非アクティブ状態になることは、接続状態から非アクティブ状態へ移行することを含む。
【0076】
いくつかの実施形態において、端末装置におけるメディアアクセス制御エンティティの状態が維持される。
【0077】
いくつかの実施形態において、データ送信用のデータ無線ベアラが維持される。
【0078】
いくつかの実施形態において、端末装置におけるパケットデータ収束プロトコルエンティティの状態が維持される。
【0079】
いくつかの実施形態において、メッセージは、端末装置用の初期の帯域以外のアクティブな帯域の設定をさらに含み、データ送信を実行することは、アクティブな帯域でデータ送信を実行することを含む。
【0080】
いくつかの実施形態において、方法400は、非アクティブ状態でのデータ送信中に無線リンク障害を検出することをさらに含む。
【0081】
いくつかの実施形態において、方法400は、無線リンク障害の検出に応じて、ネットワーク装置への接続再開手順を開始することによって無線リンク障害を軽減することをさらに含む。
【0082】
いくつかの実施形態において、接続再開手順を開始することは、端末装置とネットワーク装置との間の第1無線リソース制御接続の再開についての要求を、ネットワーク装置に送信することを含む。
【0083】
いくつかの実施形態において、要求を送信することは、アップリンクデータなしで要求を送信することを含む。
【0084】
いくつかの実施形態において、方法400は、無線リンク障害の検出に応じて、アイドル状態になることによって無線リンク障害を軽減することをさらに含む。
【0085】
いくつかの実施形態において、方法400は、タイマT319の満了、タイマT319の実行中に下位層から整合性チェック失敗指示を受け取ったこと、又はタイマT319若しくはタイマT302の実行中にセル再選択が発生したこと、のうち少なくとも1つに応じてアイドル状態になることをさらに含む。
【0086】
いくつかの実施形態において、アイドル状態になることは、リソース設定を解放することを含む。
【0087】
いくつかの実施形態において、方法400は、非アクティブ状態でのデータ送信の障害を示す通知を非アクセス層に提供することをさらに含む。
【0088】
図5は、本開示のいくつかの実施形態にかかる、ネットワーク装置で実施される例示的な通信方法500を示す。例えば方法500は、図1に示すようなネットワーク装置110で実行されてもよい。議論を目的として、以下では図1を参照して方法500について説明する。方法500は、示されていない追加のブロックを含んでもよく、且つ/又は示されたいくつかのブロックを省略してもよく、この点に関して本開示の範囲は限定されないことを理解されたい。
【0089】
ブロック510において、ネットワーク装置110は、端末装置が非アクティブ状態になることを示すメッセージを端末装置120に送信する。メッセージは、端末装置とネットワーク装置との間のデータ送信のためのリソース設定を含む。
【0090】
ブロック520において、ネットワーク装置110は、リソース設定に基づいてデータ送信を実行する。
【0091】
いくつかの実施形態において、メッセージは、端末装置用の初期の帯域幅部分以外のアクティブな帯域幅部分の設定をさらに含み、データ送信を実行することは、アクティブな帯域幅部分でデータ送信を実行することを含む。
【0092】
いくつかの実施形態において、方法500は、非アクティブ状態でのデータ送信中の無線リンク障害に応じて、端末装置とネットワーク装置との間の第1無線リソース制御接続の再開についての要求を端末装置から受信することをさらに含む。
【0093】
いくつかの実施形態において、要求を受信することは、アップリンクデータなしで要求を受信することを含む。
【0094】
図6は、本開示の実施形態を実施するのに適した装置600の概略ブロック図である。装置600は、図1に示すネットワーク装置110又は端末装置120の別の例示的な実施であるとみなすことができる。したがって、装置600は、ネットワーク装置110又は端末装置120において、又は少なくともその一部として実施することができる。
【0095】
図に示すように、装置600は、プロセッサ610、プロセッサ610に結合されたメモリ620、プロセッサ610に結合された適切な送信機(TX)及び受信機(RX)640、並びにTX/RX640に結合された通信インタフェースを含む。メモリ620は、プログラム630の少なくとも一部を格納する。TX/RX 640は、双方向通信用である。TX/RX 640は、通信を促進する少なくとも1つのアンテナを有するが、実際には、本願で述べたアクセスノードは、複数のアンテナを有してもよい。通信インタフェースは、他のネットワーク要素と通信を行う際に必要な任意のインタフェース、例えば、eNBs/gNB間の双方向通信用のX2/Xnインタフェース、モビリティマネージメントエンティティ(MME)/アクセス・モビリティマネージメント機能(AMF)/SGW/UPFとeNB/gNBとの間の通信用のS1/NGインタフェース、eNB/gNBと中継ノード(RN)との間の通信用のUnインタフェース、又はeNB/gNBと端末装置との間の通信用のUuインタフェースを表してもよい。
【0096】
プログラム630はプログラム命令を含むとみなされ、プログラムは、関連付けられたプロセッサ610によって実行されると、本明細書で図1図5を参照して論じたように、本開示の実施形態に従って装置600が動作することを可能にする。本明細書の実施形態は、装置600のプロセッサ610が実行可能なコンピュータソフトウェア、ハードウェア、又はソフトウェア及びハードウェアの組合せにより実施してもよい。プロセッサ610は、本開示の様々な実施形態を実施するように設定され得る。また、プロセッサ610及びメモリ620の組合せは、本開示の各実施形態を実施するのに適した処理手段650を構成してもよい。
【0097】
メモリ620は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプとしてもよく、任意の適切なデータ記憶技術(例として、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体、半導体ベースの記憶装置、磁気記憶装置及びシステム、光学記憶装置及びシステム、固定メモリ及び移動可能メモリ等が挙げられるが、これらに限定されない)により実施してもよい。装置600には1つのメモリ620しか示されていないが、装置600には複数の物理上異なるメモリモジュールを設置してもよい。プロセッサ610は、ローカルの技術ネットワークに適した任意のタイプであってもよく、例として、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、マイクロプロセッサ、デジタル信号処理器(DSP)、及びマルチコアプロセッサ構成に基づくプロセッサのうち、1つ又は複数を含んでもよいが、これらに限定されない。装置600は複数のプロセッサ、例えば、マスタープロセッサと同期するクロックに時間的に従属する特定用途向け集積回路チップを有してもよい。
【0098】
通常、本開示の様々な実施形態は、ハードウェア若しくは専用回路、ソフトウェア、ロジック又はそれらの任意の組合せにより実施してもよい。いくつかの態様はハードウェアによって実施し、他の態様はコントローラ、マイクロプロセッサ又は他のコンピューティングデバイスが実行し得るファームウェア又はソフトウェアによって実施してもよい。本開示の実施形態の各態様は、ブロック図、フローチャートとして図示されて説明され、又は他の何らかの絵画的表現によって示されているが、本明細書に記載のブロック、装置、システム、技術又は方法は、例えば、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、専用回路若しくはロジック、汎用ハードウェア若しくはコントローラ若しくは他のコンピューティングデバイス、又はそれらの組合せによって実施してもよいが、これらに限定されないことが理解されるであろう。
【0099】
本開示はさらに、コンピュータが読み取り可能な非一時的記憶媒体に、有形記憶される少なくとも1つのコンピュータプログラム製品を提供する。当該コンピュータプログラム製品は、プログラムモジュールに含まれる命令のような、コンピュータが実行可能な命令を含む。当該命令は、対象の実プロセッサ又は仮想プロセッサ上のデバイスにおいて実行され、例えば図2図5を参照して上述したプロセス又は方法を実行する。通常、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行するか、又は特定の抽象データタイプを実装するルーチン、プログラム、ライブラリ、オブジェクト、クラス、コンポーネント、データ構造等を含む。各実施形態において、プログラムモジュールの機能は、必要に応じてプログラムモジュール間で組み合わせるか、又は分割してもよい。プログラムモジュールのマシン可読命令は、ローカル又は分散型デバイスにおいて実行してもよい。分散型デバイスにおいて、プログラムモジュールはローカル及びリモートの可読媒体のどちらに置いてもよい。
【0100】
本開示の方法を実行するためのプログラムコードは、1種類又は複数のプログラミング言語の任意の組合せにより記述されてもよい。これらのプログラムコードは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ又はその他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサ又はコントローラに提供されてもよく、プログラムコードがプロセッサ又はコントローラによって実行されると、フローチャート及び/又はブロック図に規定された機能/操作が実施される。プログラムコードは全てマシン上で実行するか、部分的にマシン上で実行するか、独立したソフトウェアパッケージとして実行するか、マシン上で部分的に実行するとともにリモートのマシン上で部分的に実行するか、又は全てリモートのマシン若しくはサーバ上で実行してもよい。
【0101】
上述のプログラムコードは、マシン可読媒体上で具現化されてもよく、当該マシン可読媒体は、命令実行システム、装置若しくはデバイスにより使用されるプログラム、又は、それらと結合して使用されるプログラムを含むか又は格納する任意の有形媒体であり得る。マシン可読媒体は、マシン可読信号媒体又はマシン可読記憶媒体であり得る。マシン可読媒体は、電子、磁気、光学、電磁気、赤外線若しくは半導体のシステム、装置若しくはデバイス、又は前述の任意の適切な組合せを含んでもよいが、これらに限定されない。マシン可読記憶媒体のさらにより具体的な例には、1つ若しくは複数のワイヤ、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去・書き込み可能なリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯型コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD-ROM)、光学的記憶装置、磁気記憶装置、又は前述の任意の適切な組合せが含まれる。
【0102】
なお、操作について、特定の順序で説明を行ったが、所望の結果を得るために、こうした操作を示された特定の順序で実行するか若しくは順に実行するか、又は、示された全ての操作を実行することが求められる、と理解されるべきではない。いくつかの状況では、マルチタスク及び並行処理が有利である可能性がある。同様に、上述の議論には、いくつかの具体的な実施の詳細が含まれるが、これらは本開示の範囲に対する限定ではなく、特定の実施形態に特定され得る特徴についての説明であると解釈されるべきである。個々の実施形態の文脈において説明したいくつかの特徴は、ある1つの実施形態において組み合わせて実施されてもよい。逆に、1つの実施形態の文脈において説明された各種特徴は、複数の実施形態において別々に、又は任意の適切なサブ組合せにより、実施されてもよい。
【0103】
本開示について、構造的特徴及び/又は方法論的な動作に特有の言葉で説明したが、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示は、必ずしも上述の特定の特徴又は動作に限定されないことを理解されたい。上述の特定の特徴や動作はむしろ、特許請求の範囲を実施する例示的形態として開示されている。
図1
図2
図3
図4
図5
図6