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特開2024-11313運動変換機構及び運動変換機構を用いた清掃装置
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  • 特開-運動変換機構及び運動変換機構を用いた清掃装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024011313
(43)【公開日】2024-01-25
(54)【発明の名称】運動変換機構及び運動変換機構を用いた清掃装置
(51)【国際特許分類】
   B08B 9/049 20060101AFI20240118BHJP
   B08B 1/32 20240101ALI20240118BHJP
【FI】
B08B9/049
B08B1/04
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022113216
(22)【出願日】2022-07-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (刊行物1) 「遊星歯車機構を用いた角ダクトの油塵を清掃可能な機構の検討」 システムインテグレーション部門講演会講演論文集(令和3年12月15日発行)2021(SI2021),2G1-05,pp.2071-2074.(2021.12)にて公開 (刊行物2) 「遊星歯車機構を用いたダクト清掃ロボットの清掃性能評価」ロボティクス・メカトロニクス講演会講演予稿集(令和4年6月1日発行)2022,2P1-D03にて公開
(71)【出願人】
【識別番号】599011687
【氏名又は名称】学校法人 中央大学
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 太郎
(72)【発明者】
【氏名】山中 雄太
(72)【発明者】
【氏名】人見 峻広
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 文臣
【テーマコード(参考)】
3B116
【Fターム(参考)】
3B116AA13
3B116AA46
3B116BA02
3B116BA08
3B116BA15
3B116BA35
(57)【要約】
【課題】角型の換気ダクト等の内壁に付着した付着物の清掃に好適な運動変換機構及び運動変換機構を用いた清掃装置を提供する。
【解決手段】
円運動に基づいて変位体を矩形形状の輪郭に沿って移動させる運動変換機構であって、矩形形状の中心に、中心が実質的に一致するように配置される太陽歯車と、太陽歯車の半径方向に設けられ、相互に噛み合う複数の遊星歯車を有する遊星歯車群と、太陽歯車の中心を回転中心として回転可能に設けられ、遊星歯車群の各遊星歯車を回転自在に支持する遊星キャリアと、遊星歯車群のうち半径方向の最も外側に位置する最外遊星歯車と共に回転可能に設けられた変位体とを備え、矩形形状が正方形状の場合と、長方形状の場合とに応じて変位体の輪郭形状を設定するようにした。
【選択図】図4

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円運動に基づいて変位体を矩形形状の輪郭に沿って移動させる運動変換機構であって、
前記矩形形状の中心に、中心が実質的に一致するように配置される太陽歯車と、
太陽歯車の半径方向に設けられ、相互に噛み合う複数の遊星歯車を有する遊星歯車群と、
太陽歯車の中心を回転中心として回転可能に設けられ、遊星歯車群の各遊星歯車を回転自在に支持する遊星キャリアと、
遊星歯車群のうち前記半径方向の最も外側に位置する最外遊星歯車と共に回転可能に設けられた前記変位体と、を備え、
前記矩形形状が正方形状である場合には、
太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、
最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、
正方形の一辺の長さをD、
太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをRとし、
最外遊星歯車が前記正方形の辺に最も近づいた位置を0°とし、該最外遊星歯車が0°から90°公転する間について、
{(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]に基づいて設定され、
前記矩形形状が長方形状である場合には、
太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、
最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、
長方形状の短辺の長さをD1、長辺の長さをD2、
太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをR、
最外遊星歯車が前記長方形状の短辺に最も近づいた位置を0°とし、
該最外遊星歯車が0°から公転し、最外遊星歯車の回転中心が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(0°≦θ≦η)については、
P={(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]
により算出される長さの変化に基づいて、
該最外遊星歯車がηから公転し、最外遊星歯車の公転角度が90°が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(η≦θ≦90°)については、
{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}
/cos[tan-1[Rsin((π/2)-θ)/3{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}]]
に基づいて設定されたことを特徴とする運動変換機構。
【請求項2】
前記遊星歯車群は、太陽歯車の周方向に均等な間隔で複数設けられ、前記半径方向最も外側に位置する各遊星歯車が前記変位体を備え、
複数の前記遊星歯車群が前記太陽歯車の周りを公転したときに、
各変位体が太陽歯車の中心を点対称の状態を維持しつつ自転することを特徴とする請求項1に記載の運動変換機構。
【請求項3】
円運動に基づいて変位体を矩形形状の輪郭に沿って移動させる運動変換機構を備えた清掃装置であって、
前記運動変換機構は、
前記矩形形状の中心に、中心が実質的に一致するように配置される太陽歯車と、
太陽歯車の半径方向に設けられ、相互に噛み合う複数の遊星歯車を有する遊星歯車群と、
太陽歯車の中心を回転中心として回転可能に設けられ、遊星歯車群の各遊星歯車を回転自在に支持する遊星キャリアと、
遊星歯車群のうち前記半径方向の最も外側に位置する最外遊星歯車と共に回転可能に設けられた前記変位体と、を備え、
前記矩形形状が正方形状である場合には、
太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、
最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、
正方形の一辺の長さをD、
太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをRとし、
最外遊星歯車が前記正方形の辺に最も近づいた位置を0°とし、該最外遊星歯車が0°から90°公転する間について、
{(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]に基づいて設定され、
前記矩形形状が長方形状である場合には、
太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、
最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、
長方形状の短辺の長さをD1、長辺の長さをD2、
太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをR、
最外遊星歯車が前記長方形状の短辺に最も近づいた位置を0°とし、
該最外遊星歯車が0°から公転し、最外遊星歯車の回転中心が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(0°≦θ≦η)については、
P={(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]
により算出される長さの変化に基づいて、
該最外遊星歯車がηから公転し、最外遊星歯車の公転角度が90°が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(η≦θ≦90°)については、
{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}
/cos[tan-1[Rsin((π/2)-θ)/3{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}]]
に基づいて設定され、
前記変位体は、前記輪郭形状を形成する周面を備え、
前記周面に、付着物を分離させる清掃体を備えたことを特徴とする運動変換機構を用いた清掃装置。
【請求項4】
前記遊星歯車群は、太陽歯車の周方向に均等な間隔で複数設けられ、前記半径方向最も外側に位置する各遊星歯車が前記変位体を備え、
複数の前記遊星歯車群が前記太陽歯車の周りを公転したときに、
各変位体が太陽歯車の中心を点対称の状態を維持しつつ自転することを特徴とする請求項3に記載の運動変換機構を用いた清掃装置。
【請求項5】
前記変位体は、前記輪郭形状に囲まれた端面に清掃体を備えたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の運動変換機構を用いた清掃装置。
【請求項6】
清掃対象を断面矩形状のダクトとし、
前記太陽歯車の中心線をダクトの中心線と一致させて前記運動変更機構を配置し、ダクトの中心線に沿って移動可能としたことを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の運動変換機構を用いた清掃装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動変換機構及び運動変換機構を用いた清掃装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ダクト内を清掃する清掃装置の一つとして、例えば、特許文献1に示すように空気を噴射してダクト内に付着した埃を除去するもの等が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005-152839号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、飲食店などに設置された換気ダクト内に付着する粘性の高い油塵等の除去に適したものではない。飲食店では、調理時に発生する油煙を換気するために換気ダクトが設置され、換気扇から吸気された油煙がダクトを通り屋外へ排出される。この油煙は、ダクトを通過する際に油分が埃や塵と混合し冷えて固まることで油塵と呼ばれる物質に変化しながらダクト壁面に付着し、換気設備の長期利用に伴いダクト内壁全体に堆積する。この油塵に何らかの要因で引火した場合,火はダクト内の油塵により伝播し,建物全体に延焼することが問題となる。このようなダクトは、建物の構造上,天井裏や床下に設置されることが多く、ダクト火災における初期消火に困難性を生じさせ、甚大な被害に発展する可能性が高い。ダクト火災を未然に防ぐには、定期的に油塵を除去する必要があるものの、現状では、作業員がダクト内に入り、スクレーパなどを用いて人力で油塵を削ぎ落とす清掃に依存している。また、ダクトによっては、人の侵入不可能な大きさにより清掃が困難なもの、天井裏などの暗く狭い場所での作業となり作業者に危険を生じさせるものがある。また、人による清掃が可能であっても、飲食店が換気ダクトを使用しない営業時間外に清掃作業を行う必要があり,実質的に人によるダクト全体の清掃が困難な場合もある。
そこで、本発明では、角型の換気ダクト等の内壁に付着した付着物の清掃に好適な運動変換機構及び運動変換機構を用いた清掃装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するための運動変換機構の構成として、円運動に基づいて変位体を矩形形状の輪郭に沿って移動させる運動変換機構であって、矩形形状の中心に、中心が実質的に一致するように配置される太陽歯車と、太陽歯車の半径方向に設けられ、相互に噛み合う複数の遊星歯車を有する遊星歯車群と、太陽歯車の中心を回転中心として回転可能に設けられ、遊星歯車群の各遊星歯車を回転自在に支持する遊星キャリアと、遊星歯車群のうち前記半径方向の最も外側に位置する最外遊星歯車と共に回転可能に設けられた前記変位体とを備え、矩形形状が正方形状である場合には、太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、正方形の一辺の長さをD、太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをRとし、最外遊星歯車が前記正方形の辺に最も近づいた位置を0°とし、該最外遊星歯車が0°から90°公転する間について、
{(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]に基づいて設定され、矩形形状が長方形状である場合には、太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、長方形状の短辺の長さをD1、長辺の長さをD2、太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをR、最外遊星歯車が前記長方形状の短辺に最も近づいた位置を0°とし、該最外遊星歯車が0°から公転し、最外遊星歯車の回転中心が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(0°≦θ≦η)については、
P={(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]
により算出される長さの変化に基づいて、該最外遊星歯車がηから公転し、最外遊星歯車の公転角度が90°が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(η≦θ≦90°)については、
{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}
/cos[tan-1[Rsin((π/2)-θ)/3{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}]]
に基づいて設定されたことにより、変位体を正方形や長方形の軌跡を描くように移動させることができる。
また、遊星歯車群は、太陽歯車の周方向に均等な間隔で複数設けられ、前記半径方向最も外側に位置する各遊星歯車が前記変位体を備え、複数の前記遊星歯車群が前記太陽歯車の周りを公転したときに、各変位体が太陽歯車の中心を点対称の状態を維持しつつ自転する構成としても良い。
また、円運動に基づいて変位体を矩形形状の輪郭に沿って移動させる運動変換機構を備えた清掃装置であって、運動変換機構は、矩形形状の中心に、中心が実質的に一致するように配置される太陽歯車と、太陽歯車の半径方向に設けられ、相互に噛み合う複数の遊星歯車を有する遊星歯車群と、太陽歯車の中心を回転中心として回転可能に設けられ、遊星歯車群の各遊星歯車を回転自在に支持する遊星キャリアと、遊星歯車群のうち前記半径方向の最も外側に位置する最外遊星歯車と共に回転可能に設けられた変位体とを備え、矩形形状が正方形状である場合には、太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、正方形の一辺の長さをD、太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをRとし、最外遊星歯車が前記正方形の辺に最も近づいた位置を0°とし、該最外遊星歯車が0°から90°公転する間について、
{(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]
に基づいて設定され、矩形形状が長方形状である場合には、太陽歯車を中心線方向視したときの変位体の輪郭形状は、最外遊星歯車が太陽歯車の周りを公転するときの角度をθ、長方形状の短辺の長さをD1、長辺の長さをD2、太陽歯車の中心から変位体の回転中心までの長さをR、最外遊星歯車が前記長方形状の短辺に最も近づいた位置を0°とし、該最外遊星歯車が0°から公転し、最外遊星歯車の回転中心が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(0°≦θ≦η)については、P={(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]
により算出される長さの変化に基づいて、該最外遊星歯車がηから公転し、最外遊星歯車の公転角度が90°が長方形状の対角線上に位置する角度η公転する間(η≦θ≦90°)については、
{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}
/cos[tan-1[Rsin((π/2)-θ)/3{(D/2)-Rcos((π/2)-θ)}]]
に基づいて設定され、変位体は、前記輪郭形状を形成する周面を備え、周面に付着物を分離させる清掃体を備えた構成とすることにより、例えば、正方形や長方形等のように2つの平面が直交する壁などのカドに清掃体を接触させて付着物を分離させることができる。
また、遊星歯車群は、太陽歯車の周方向に均等な間隔で複数設けられ、前記半径方向最も外側に位置する各遊星歯車が前記変位体を備え、複数の前記遊星歯車群が前記太陽歯車の周りを公転したときに、各変位体が太陽歯車の中心を点対称の状態を維持しつつ自転するように構成しても良い。
また、変位体は、輪郭形状に囲まれた端面に付着物を分離させる清掃体を備える構成とすることにより、2つの直交する平面にさらに直交する面、例えば、部屋を形成する直交する2つの壁とともに床等に、清掃体を接触させて付着物を分離させることができる。
また、清掃対象を断面矩形状のダクトとし、太陽歯車の中心線をダクトの中心線と一致させて前記運動変更機構を配置し、ダクトの中心線に沿って移動可能としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】清掃装置の一実施形態を示す概略構成図である。
図2】清掃部の外観斜視図である。
図3】アタッチメントの斜視図、変位体の外観斜視図及びブラシ構造部材の外観斜視図である。
図4】断面正方形のダクトを清掃するための変位体の形状を設定するときの説明図である
図5】清掃装置の動作を示す図である。
図6】断面長方形のダクトを清掃するための変位体の形状を設定するときの説明図である。
【0007】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明される特徴の組み合わせのすべてが発明の解決手段に必須であるとは限らず、選択的に採用される構成を含むものである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態1]
図1は、運動変換機構を利用した清掃装置1の一実施形態を示す概略構成図である。本実施形態に係る清掃装置1は、断面形状が矩形形状の所謂角ダクトを清掃対象とされる。以下の説明では、清掃対象とされる角ダクトは断面形状が正方形のものとして説明する。
【0009】
図1に示すように、清掃装置1は、概略、運動変換機構20と、駆動装置5とを備え、ダクト8の内壁8aから付着物を分離させる清掃手段が運動変換機構20に設けられる。なお、以下の説明では運動変換機構20を単に機構部20という。
【0010】
図2は、清掃手段を有する機構部20の外観斜視図である。
本実施形態に係る機構部20は、太陽歯車22、太陽歯車22の周りを自転しつつ公転する第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25、第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25を保持する遊星キャリア26及び補助キャリア28を備える。
【0011】
太陽歯車22は、例えば、後述の駆動装置5の不動の部位に固定される。太陽歯車22は、中央に貫通孔を備え、駆動装置5から延長する出力軸53が貫通可能とされる。太陽歯車22に対する出力軸53の貫通の状態は、出力軸53と供回りしないようにされる。
【0012】
遊星キャリア26は、太陽歯車22を貫通した出力軸53に取り付けられ、出力軸53と共に回転可能とされる。遊星キャリア26は、出力軸53の半径方向に延長する延長片26Aを備える。延長片26Aは、例えば、互いに直交する十字状をなすように4箇所に設けられる。
【0013】
第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25は、延長片26A毎に設けられる。第1遊星歯車24は、太陽歯車22と噛み合うように出力軸53側に、第2遊星歯車25は、第1遊星歯車24と噛み合うように第1遊星歯車24の外側に配置される。第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25は、主軸30と平行に延長し、延長片26Aを貫通する軸34;35により、延長片26Aに対して回転自在に支持される。
【0014】
例えば、第1遊星歯車24が軸34と共に、第2遊星歯車25が軸35と共にそれぞれ回転するように構成し、ベアリング等の軸受けを介して軸34及び35を延長片26Aに対して回転するように構成すれば良い。
【0015】
各延長片26Aに設けられた第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25は、それぞれ出力軸53の回転中心軸を中心とする同心円上に配置される。
また、各第2遊星歯車25が取り付けられる軸35は、遊星キャリア26を貫通し、遊星キャリア26を貫通した端部側には変位体12及び補助キャリア28が設けられる。
【0016】
上記構成によれば、第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25は、遊星キャリア26を回転させることで、太陽歯車22の外周を公転しつつ太陽歯車22との噛み合いによってそれぞれ自転する。
【0017】
図3(a)は、本実施形態に係る変位体12の斜視図、図3(b)は、変位体12の外観斜視図、図3(c)は、ブラシ構造部材の外観斜視図である。
変位体12は、第2遊星歯車25が固定された軸35に固定され、第2遊星歯車25とともに回転可能とされる。
【0018】
変位体12は、図中矢印で示す厚み方向に平面視したときに、卵形状を有する卵型端面12a(12b)と、卵型端面12a(12b)の輪郭線(外形線)を形成し、卵型端面12a(12b)に直交する周面12cと、軸35が貫通する貫通孔12zとを備える。
【0019】
本実施形態の周面12cは、変位体12を清掃手段の一部として機能させるための取付手段13を備える。取付手段13には、ダクト8の内壁8aに付着した付着物を、内壁8aから分離させる清掃体15が取り付けられる。
【0020】
取付手段13は、周面12cにおいて、一方の卵型端面12aから他方の卵型端面12bまで厚み方向に延長する一対の突起13A;13Bとして設けられる。突起13A;13Bは、互いに対向し、一方の卵型端面12aから他方の卵型端面12bまで厚み方向に沿って延長する溝13m;13mを備える。取付手段13は、例えば、図3(a)に示すように、周面12cの延長方向に沿って隙間なく複数設けられる。
取付手段13は、周面12cに複数箇所設けられる。
【0021】
清掃体15は、例えば、複数の繊維を繊維群14を構成するように基材16に植設したブラシ体として構成することができる。
基材16は、例えば、溝13m;13mに装着可能な幅や厚みを有するシート状のものを利用することができる。基材16は、例えば、樹脂等を素材として構成すると良い。そして、この基材16の一方の面16aに対して繊維が立ち上がるように接着等の固定手段によって固定することによって繊維群14と基材16とが一体化された清掃体15を構成すれば良い。
【0022】
このように清掃体15を構成し、変位体12の取付手段13に着脱が容易となるように取り付けることにより、ダクト8の清掃により繊維群14が汚れたときに、清掃体15を簡単に交換することができる。
【0023】
なお、清掃体15は、繊維群14で構成されるようなブラシ体に限定されず、スポンジやゴム等の弾性体であっても良い。
【0024】
貫通孔12zは、一方の卵型端面12aから他方の卵型端面12bまで貫通する。貫通孔12zは、変位体12において所定の位置に設けられる。変位体12における貫通孔12zの位置については後述する。
貫通孔12zは、第2遊星歯車25を回転自在に支持する軸35を貫通可能に構成されるとともに、変位体12が第2遊星歯車25と一体に回転するように軸35に固定される。
【0025】
補助キャリア28は、遊星キャリア26と一体的に回転するように出力軸53に固定され、変位体12を遊星キャリア26とで挟み込むように軸35に設けられる。補助キャリア28は、例えば、遊星キャリア26と同様な十字状の形状とされ、遊星キャリア26の各延長片26Aに対応する延長片28Aを備える。補助キャリア28は、変位体12を貫通した軸35をベアリング等の軸受け等を介して回転自在に支持する。
【0026】
駆動装置5は、例えば、太陽歯車22側に設けられる。駆動装置5は、例えば、モーター50と、モーター50の回転を減速する減速機構52とを備える。モーター50には、例えば、回転状態を制御しやすいステッピングモーター等を用いることができる。また、減速機構52には、例えば、入力軸と出力軸とを同軸上に配置することができる遊星歯車機構を利用することができる。
【0027】
駆動装置5は、モーター50の図外の回転出力軸を減速機構52の入力側と連結し、減速機構52から突出する出力軸53を、図外の連結手段を介して遊星キャリア26及び補助キャリア28と連結される。
【0028】
上記構成によれば、モーター50を駆動することにより、減速機構52を介して遊星キャリア26及び補助キャリア28が回転する。遊星キャリア26及び補助キャリア28を回転させることにより、第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25が太陽歯車22の外周を公転(回転)させる。第1遊星歯車24は、太陽歯車22との噛み合いによって第1遊星歯車24を自転させる。また、第1遊星歯車24の自転は、第1遊星歯車24に噛み合う第2遊星歯車25を自転させる。その結果、変位体12が第2遊星歯車25と共に回転することになる。
【0029】
以下、変位体12の形状について説明する。なお、ここでいう変位体12の形状とは、前述の変位体12の卵型端面12aの輪郭形状に倣うように清掃体15が設けられた変位体12全体の外形形状をいい、変位体12の卵型端面12aの輪郭形状と相似の関係にある。
【0030】
本実施形態に係る変位体12は、上記機構部20の動作により、周面に設けられた繊維群14の毛先14Aがダクト8の内壁8aを全周にわたり接触するように構成される。本実施形態では、第2遊星歯車25が太陽歯車22の外周を1/8回転公転したときに、1/2回転自転するようにギア比を設定した。
【0031】
図4は、断面長方形のダクトを清掃するための変位体12の形状を設定するときの説明図である
なお、同図において、
Cpは、変位体12がダクト8の内壁8aに接触する接触点の位置、
Dは、ダクトの内壁8aの一辺の長さ、
Oは、太陽歯車22の中心(第2遊星歯車25の公転中心)、
Rは、第2遊星歯車25の自転中心が太陽歯車22の周りを公転するときの公転半径(第2遊星歯車25の公転中心から第2遊星歯車25の自転中心までの距離)、
Pは、第2遊星歯車25の自転中心から接触点までの距離、
Qは、太陽歯車22の中心から接触点までの距離、
v1は、接触点Cpにおける第2遊星歯車25の公転による速度ベクトル、
v2は、接触点Cpにおける第2遊星歯車25の自転による速度ベクトル、
をそれぞれ示している。
また、同図において、太陽歯車22の中心がダクト8の中心に一致しているものとして説明する。
【0032】
本実施形態では、変位体12の外形形状は、変位体12がダクト8の内壁8aに接触する接触点における速度ベクトルに基づいて設定される。
内壁8aと変位体12の接触する点(接触点)Cpの速度をVcpとする。変位体12は、太陽歯車22の外周を公転しつつ第2遊星歯車25とともに自転するため、接触点Cpにおける運動は、変位体12が太陽歯車22の外周を公転するときの速度v1と、遊星歯車25とともに自転するときの速度v2の合ベクトルにより得られる。即ち、Vcp=v1+v2……式(1)と表すことができる。ここで、Vcpは、接触点Cpの速度である。
【0033】
また、変位体12は、太陽歯車22の外周を公転しつつ遊星歯車25とともに自転するときに、少なくとも変位体12の周面12cが内壁8aを超えないことが必要とされる。変位体12を構成する繊維群14は撓み変形が許容されるものの、繊維群14を保持する変位体12は、撓み変形が許容されないため、ダクト8の内壁8aに衝突すると、機構部20が不動となり清掃することができなくなってしまう。
このため、式(1)によって表される接触点Cpの運動において、接触点Cpの速度Vcpのx方向の成分が0以下、Vcp(x方向の成分)≦0……式(2)であれば良い。なお、x方向の正,負については図4に示すとおりである。
【0034】
Vcp(x方向の成分)は、式(1),式(2)から
-v1sinα+v2sinβ≦0……式(3)と表すことができ、これを満たすように接触点Cpの運動がなされれば良い。
【0035】
v1=Q・dθ/dt……式(4)
v2=P・4(dθ/dt)……式(5)
P={(D/2)-Rcosθ}/cosβ……式(6)
Q=(D/2)/cosα……式(7)
α=tan-1{(Rsinθ+Psinβ)/(D/2)}……式(8)
とすると、
式(3)は、式(4)~式(8)を代入することにより、
3{(D/2)-Rcosθ}tanβ≧Rsinθ
β≧tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]
と表せる。
βの最小値を式(6)に代入することにより、
P={(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]] 式(9)
が得られる。式(9)は、第2遊星歯車25が太陽歯車22の周りを公転したときに、第2遊星歯車25の自転中心から接触点Cpまでの距離の変化を示している。
【0036】
見方をかえれば、式(9)は、第2遊星歯車25の自転中心から半径方向に延長した直線を、第2遊星歯車25の円周方向に回転させたときに、変位体12の外形形状の輪郭線と交差するまでの長さの変化を示しているということもできる。
【0037】
したがって、変位体12の外形形状は、式(9)を利用することで設定することができる。ここで、式(9)においてDは、清掃対象のダクト8の一辺の長さのため既知である。一方、第2遊星歯車25の公転半径Rは、太陽歯車22及び第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25によるため、変位体12の外形形状を決める実質的な要素と言える。
【0038】
本実施形態では、第2遊星歯車25が太陽歯車22の外周を1/8回転公転したときに、1/2回転自転するようにギア比を設定し、ダクト8の内壁8aに対して最も接近した位置をθ=0°として、第2遊星歯車25が太陽歯車22の周りを0°→45°(1/8回転)公転しつつ0°→180°自転したときに、接触点Cpが内壁8aを形成する1つの辺の中点から角9cまで移動するように変位体12の外形形状を式(9)に基づいて設定した。
ここでは、変位体12の外形形状を決める実質的な要素である第2遊星歯車25の公転半径Rは、第2遊星歯車25が太陽歯車22の外周を1/8回転公転したときに、1/2回転自転するように設定したギア比によって一義的に定められる。
【0039】
さらに、第2遊星歯車25が太陽歯車22の周りを45°→90°(1/8回転)公転することによって180°→360°自転したときの変位体12の残りの外形形状は、ダクト8が正方形であることの対称性から第2遊星歯車25が太陽歯車22の周りを0°→45°(1/8回転)公転しつつ0°→180°自転したときの変位体12の外形形状を反転させた形状となる。
【0040】
図5は、清掃装置1の動作を示す図である。同図では、清掃装置1を構成する1つの変位体12の動作を抽出し、モデル化して示したものである。また、図中の矢印Aは、遊星キャリア26(出力軸53)の回転方向を示し、矢印Bは、第1遊星歯車24の回転方向、矢印Cは、第2遊星歯車25の回転方向を示している。
【0041】
例えば、図5(a)に示すように、内壁8aに対して第2遊星歯車25が最接近した位置、即ち、変位体12が内壁aを構成する一つの辺(面)の中間点に接触した状態を初期状態とする。
初期状態から遊星キャリア26が矢印Aに示すように左回りに回転することにより、図5(b)に示すように、第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25を太陽歯車22の周りを左回りに公転させる。
この公転にともなって第1遊星歯車24は左回りに自転し、第2遊星歯車25は第1遊星歯車24の自転によって右回りに自転する。この第2遊星歯車25の公転及び自転により、変位体12は、繊維群14を内壁8aに摺接させた状態を維持しつつ内壁aを構成する一つの辺(面)に沿うように移動する。
そして、図5(c)に示すように、遊星キャリア26が45°公転(1/8回転公転)することにより、変位体12が一つの辺(面)の中間点から角9Cまで内壁8aに接触を継続した状態で移動し、ダクト8の内壁8aの一部を清掃することができる。
【0042】
したがって、遊星キャリア26を同一方向に繰り返し回転させながら、ダクト8の延長方向に沿って清掃装置1を所定の速度で移動させることで、ダクト8の内壁8aを周面全体にわたり変位体12により清掃することができる。
【0043】
なお、遊星キャリア26の回転方向は、同一方向に限定されず、一方向に所定角度回転した後に逆方向に回転させるなど交互に回転方向を代えながら清掃するようにしても良い。
【0044】
また、式(9)により変位体12の外形形状を設定するときに、式(9)におけるダクト8の一つの辺の長さDを、清掃対象とするダクト8の実際の寸法に対して前後させた寸法を設定することにより、繊維群14を内壁8aに押し付ける力を調整することができる。
【0045】
なお、上記式(9)により設定される変位体12の外形形状は、前述の正方形断面のダクト8に限定されず、長方形断面のダクト8であっても良い。
【0046】
[実施形態2]
図6は、断面長方形のダクト8を清掃するための変位体12の形状を設定するときの説明図である。なお、同図において、Dは、長方形のダクト8における短辺の長さ、Dは、長方形のダクト8における長辺の長さである。
図6に示すように、断面長方形のダクト8を清掃するための変位体12を設定する場合には、式(9)を長方形の短辺と長辺とに分けて適用することで変位体12の外形形状を設定することができる。
【0047】
まず、変位体12の外形形状において、ダクト8の短辺に対応する部分の設定について説明する。
例えば、図6(a)に示すように、内壁8aの短辺に対して第2遊星歯車25が最接近した位置、即ち、変位体12が内壁8aを構成する短辺(面)の中間点に接触した状態を基準とする。即ち、式(9)において、第2遊星歯車25の自転中心から短辺に下した垂線と、第2遊星歯車25の自転中心から接触点まで延長する直線とのなす角度θが0°の位置に相当する。
【0048】
この場合、短辺の長さDを用いて式(9)を書き直すと、
P={(D/2)-Rcosθ}
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]] 式(10)
となる。ここで、第2遊星歯車25の自転中心から短辺に下した垂線と、対角線とのなす角度をηとすると、この式(10)は、θが0≦θ≦ηの範囲に対応する。
【0049】
次に、変位体12の外形形状において、ダクト8の長辺に対応する部分の設定について説明する。
例えば、図6(c)に示すように、内壁8aの長辺に対して第2遊星歯車25が最接近した位置である、変位体12が内壁8aを構成する長辺(面)の中間点に接触した状態を基準とする。即ち、式(9)において、第2遊星歯車25の自転中心から長辺9Aに下した垂線と、第2遊星歯車25の自転中心から接触点まで延長する直線とのなす角度γが0°の位置に相当する。
【0050】
この場合、図6(d)に示すように、式(9)におけるDを長辺の長さD、θをθと表すと、
P={(D/2)-Rcosθ
/cos[tan-1[Rsinθ/3{(D/2)-Rcosθ}]]
θは、π/2-θであるから、
P={(D/2)-Rcos(π/2-θ)}
/cos[tan-1[Rsin(π/2-θ)/3{(D/2)-Rcos(π/2-θ)}]] 式(11)
として長辺に対応させることができる。
この式(11)は、θがη≦θ≦π/2の範囲に対応する。
【0051】
したがって、変位体12の外形形状は、式(10),式(11)によって得られた変位体12の形状を長方形状の対称性に基づいて組み合わせることで容易に得られる。
【0052】
以上説明したように、ダクト8の断面形状に応じて変位体12の外形形状を設定することにより、ダクト8の周方向、1周にわたり変位体12に取り付けられた清掃体15を接触させながら内壁8aを清掃することができる。
また、本実施形態によれば、変位体12がダクト8の周方向に移動しながら自転することにより、公転によってダクト8の内壁8aに対して変位体12の繊維群14を押し付ける力と、自転によって内壁8aに付着した汚れを繊維群14で擦り取る力とが同時になされることから汚れが油塵であっても清掃することができる。
【0053】
したがって、上記構成の清掃装置1がダクト8の延長方向に沿う直線部分や曲管部分を含む移動を可能とする移動手段(駆動源)を備えた構成とすることにより、ダクト8の清掃を容易とすることができる。
【0054】
なお、図9に示すように太陽歯車22の外周を公転する遊星歯車24;25及び変位体12は一組に限定されず、対向する位置にも設けるようにしても良いことは言うまでもない。
【0055】
また、機構部20は、複数の遊星歯車(群)24;25を有する場合、すべての最外の遊星歯車25に正方形状や長方形状の軌跡に沿って移動する前述のような変位体12を設ける必要はなく、例えば、一部に正方形状及び長方形状の辺部分のみ、特に中央部分を含む範囲が接触するような変位体の形状としても良い。
【0056】
また、変位体12は、遊星キャリア26及び補助キャリア28により挟み込むように設けるものとしたが、補助キャリア28を省略しても良い。
【0057】
例えば、補助キャリア28を省略することにより、補助キャリア28が取り付けられていた側の変位体12の端面にも清掃体15を設けることもできる。
変位体12の端面にも清掃体15を設けることにより、直交する2つの平面に直交するもう一つの平面で囲まれた角、例えば、部屋などの床面や、床面と壁面との境目、直交する2つの壁面の角を想定することができ、これらに清掃体15を接触させることができる。即ち、清掃対象は、角型のダクトに限定されず、室内の床周りの清掃に利用することができる。
【0058】
なお、上記実施形態では、太陽歯車22の外周を第1遊星歯車24及び第2遊星歯車25の2つとして説明したが、1つでも良く、また2以上としても良い。
また、遊星歯車機構を2重にしても良い。
【符号の説明】
【0059】
1 清掃装置、12 アタッチメント、14 繊維群、15 清掃体、
20 運動変換機構(運動部)、22 太陽歯車、26 遊星キャリア、
28 補助キャリア。
図1
図2
図3
図4
図5
図6