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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113132
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】イメージセンサ
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20240814BHJP
   H01L 31/10 20060101ALI20240814BHJP
   H01L 31/068 20120101ALI20240814BHJP
   H01L 31/0352 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L27/146 A
H01L27/146 D
H01L31/10 A
H01L31/06 300
H01L31/04 340
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024093000
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2021201113の分割
【原出願日】2021-12-10
(31)【優先権主張番号】109146726
(32)【優先日】2020-12-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(31)【優先権主張番号】202110180113.4
(32)【優先日】2021-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521543222
【氏名又は名称】李 學能
(74)【代理人】
【識別番号】100081961
【弁理士】
【氏名又は名称】木内 光春
(74)【代理人】
【識別番号】100112564
【弁理士】
【氏名又は名称】大熊 考一
(74)【代理人】
【識別番号】100163500
【弁理士】
【氏名又は名称】片桐 貞典
(74)【代理人】
【識別番号】230115598
【弁護士】
【氏名又は名称】木内 加奈子
(72)【発明者】
【氏名】李 學能
(57)【要約】      (修正有)
【課題】光感知感度を大幅に高める半導体デバイスを提供する。
【解決手段】誘電体層100及び半導体基板110を備える半導体デバイス1であって、誘電体層は、凸部又は凹部Aを有する。半導体基板は、誘電体層上に順次積層された第1型半導体層112及び第2型半導体層114を備える。第1型半導体層は、凸部又は凹部上に配置され、第1型半導体層の上面112a及び底面112bを、凸部に合わせて突出させるか又は凹部に合わせて窪ませる。第2型半導体層は、底面114bを、凸部に合わせて突出させるか又は凹部に合わせて窪ませる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスであって、
凸部又は凹部を有する誘電体層と、
前記誘電体層上に順次積層された第1型半導体層及び第2型半導体層を備えた半導体基板と、を有し、
前記第1型半導体層が前記凸部又は前記凹部上に配置され、前記第1型半導体層の上面及び底面を前記凸部に合わせて突出させるか又は前記凹部に合わせて窪ませ、前記第2型半導体層の上面及び底面を前記凸部に合わせて突出させるか又は前記凹部に合わせて窪ませ、
前記半導体デバイスは、前記第1型半導体層と前記第2型半導体層とを含んだフォトダイオードを備えたイメージセンサであり、
前記誘電体層の厚さは、前記凸部の中心から外側に向かって徐々に減少し、又は前記凹部の中心から外側に向かって徐々に増加する、半導体デバイス。
【請求項2】
前記凸部の厚さは前記誘電体層の厚さ以下であり、前記凹部の深さは前記誘電体層の厚さ以下である、請求項1記載の半導体デバイス。
【請求項3】
前記誘電体層は複数の前記凸部又は複数の前記凹部を備え、
前記半導体基板はアレイ状に配置された複数の感知画素をさらに備え、
前記感知画素のそれぞれは複数の受光素子を備え、
前記受光素子のそれぞれは1つの前記第1型半導体層及び1つの前記第2型半導体層を備え、
前記受光素子のそれぞれが、2つ以上の前記凸部と重なるか又は2つ以上の前記凹部と重なる、請求項1に記載の半導体デバイス。
【請求項4】
前記半導体基板上に配置された複数のカラーフィルタと、
複数の前記カラーフィルタ上に配置された複数のマイクロレンズと、
複数の前記受光素子に電気的に結合された内部接続構造体と、をさらに備え、
前記誘電体層が、前記内部接続構造体と前記半導体基板との間に配置された、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項5】
反射層をさらに備え、
前記誘電体層が前記反射層と前記半導体基板との間に配置されるか、又は前記反射層が前記誘電体層と前記半導体基板との間に配置される、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項6】
前記反射層が電源電圧又は接地電圧に結合された、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項7】
前記反射層が、前記半導体基板に平行な方向に連続して延在し、複数の前記受光素子の前記反射層への正投影が前記反射層の範囲内にある、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項8】
前記反射層が、複数の分離した反射領域を含み、複数の前記受光素子の前記反射層への正投影がそれぞれ複数の前記反射領域の範囲内にある、請求項5に記載の半導体デバイス。
【請求項9】
前記半導体基板が、
複数の前記受光素子を互いに分離する複数の分離構造をさらに備えた、請求項3に記載の半導体デバイス。
【請求項10】
半導体デバイスであって、
第1型半導体層及び第2型半導体層を備えた半導体基板を備え、
前記第1型半導体層が、上面および底面を有し、
前記第1型半導体層の前記底面は、凸部又は凹部を有し、
前記第1型半導体層の前記上面は、前記凸部に合わせて突出させるか又は前記凹部に合わせて窪ませ、
前記第2型半導体層が前記第1型半導体層の前記上面に配置され、
前記第2型半導体層の上面及び底面を、前記凸部に合わせて突出させるか又は前記凹部に合わせて窪ませ、
前記半導体デバイスは、前記第1型半導体層と前記第2型半導体層とを含んだフォトダイオードを備えたイメージセンサである、半導体デバイス。
【請求項11】
半導体デバイスであって、
凹部または凸部のない誘電体層と、
第1型半導体層及び第2型半導体層を備えた半導体基板と、を有し、
前記第1型半導体層は、前記誘電体層と前記第2型半導体層との間に配置され、凸部又は凹部を有する上面を有し、
前記第2型半導体層は、前記第1型半導体層の前記上面に配置され、前記第2型半導体層の底面は、前記凸部に合わせて突出させるか又は前記凹部に合わせて窪ませ、
前記第1型半導体層の厚さは、前記凸部の中心から外側に向かって徐々に減少し、又は前記凹部の中心から外側に向かって徐々に増加する、半導体デバイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この開示は半導体デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
相補型金属酸化物半導体イメージセンサ(CMOSイメージセンサ、CIS)は、電荷結合素子(CCD)と比べて、低動作電圧、低消費電力、高動作効率、及びランダムアクセスといった利点を有する。同時に、量産のための従来の半導体技術に組み込めるという利点も有するため、幅広い用途を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
CISの画素受光素子は主にPNダイオードから構成され、露光後に発生した画像信号の強度は、受光領域の面積の大きさ及び入射光線の光強度によって決定される。今日市場で広く使用されている裏面照射型(BSI)CISは、そのトランジスタ、キャパシタ及び金属回路層が全て画素受光素子の最下層に構築されるため、BSI‐CISの画素受光領域の大きさが画素の大きさとほぼ等しく、光感知感度を大幅に高めることができる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この開示は、照射後に半導体デバイスが発生させる電流の量を効果的に増加させ得る半導体デバイスを提供する。
【0005】
本開示のある実施形態によれば、半導体デバイスは、誘電体層及び半導体基板を備える。誘電体層は凸部又は凹部を有する。半導体基板は、誘電体層上に順次積層された第1型半導体層及び第2型半導体層を備える。第1型半導体層は凸部又は凹部上に配置される。第1型半導体層の上面及び底面を、凸部に合わせて突出させるか、又は凹部に合わせて窪ませる。第2型半導体層の底面を、凸部に合わせて突出させるか、又は凹部に合わせて窪ませる。
【発明の効果】
【0006】
以上より、本開示の実施形態に係る半導体デバイスは、誘電体層に凸部又は凹部を形成することによって誘電体層の凸部又は凹部上に配置された複数の半導体層間の接合の表面積を増大させることができ、その結果、半導体基板の受光素子又は光電変換構造体を照射することにより発生する電流を増大させることができる。
【0007】
以上をより分かりやすくするために、図面が添付された幾つかの実施形態が、以下のように詳細に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
添付図面は、本開示の理解を深めるために含められ、この明細書に組み込まれてその一部を構成する。図面は本開示の実施形態を示し、記述とともに本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0009】
図1】本開示の第1の実施形態に係る半導体デバイスの模式図。
図2】本開示の第2の実施形態に係る半導体デバイスの模式図。
図3】本開示の第3の実施形態に係る半導体デバイスの模式図。
図4】本開示の第4の実施形態に係る半導体デバイスの模式図。
図5】本開示の第5の実施形態に係る半導体デバイスの模式図。
図6】本開示の第6の実施形態に係る半導体デバイスの模式図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載される「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」などといった方向を示す用語は、添付の図面における方向を示すものにすぎない。したがって、これらの方向を示す用語は、例示を目的としたものであり、本開示を限定することを意図したものではない。
【0011】
添付図面において、各図面は、特定の実施形態で用いられる方法、構造、又は材料の一般的特徴を示す。ただし、図面は、実施形態がカバーする範囲又は性質を確定又は限定するものと解釈すべきではない。例えば、各膜層、領域、又は構造の相対的なサイズ、厚さ、及び位置は、分かりやすくするために縮小又は拡大されることがある。
【0012】
以下の実施形態では、同じ又は類似の要素には、同じ又は類似の参照番号を使用し、冗長な記述は省略される。また、異なる実施形態における特徴を矛盾することなく組み合わせることができ、この明細書又は特許出願の範囲に従って行われる単純な同等の変更及び修正は依然としてこの特許の範囲内にある。
【0013】
本明細書又は特許出願の範囲に記載される「第1」及び「第2」なる用語は、異なる要素に名前を付けるため又は異なる実施形態又は範囲を区別するためにのみ使用され、要素の数の上限又は下限及び要素の製造順序又は配置順序を制限するために使用されることはない。また、一方の要素/膜層の他方の要素/膜層上(又は上方)への配置は、2つの要素/膜層が互いに直接接触した状態で、一方の要素/膜層が他方の要素/膜層上(又は上方)に直接的に配置されること、及び1つ以上の要素/膜層が2つの要素/膜層の間に位置した状態で、一方の要素/膜層が他方の要素/膜層上(又は上方)に間接的に配置されることを含むことができる。
【0014】
図1図6は、それぞれ本開示の第1の実施形態から第6の実施形態に係る複数の半導体デバイスの模式図である。図1図2図4、及び図5は、それぞれ複数の半導体デバイスの模式的部分断面図であり、図3は半導体デバイスの模式的部分上面図である。
【0015】
本開示のある実施形態に係る半導体デバイスは、これに限定されるわけではないが、イメージセンサ又はソーラーデバイスなどの、受光素子又は光電変換構造体を有する任意のタイプのデバイスである場合がある。受光素子又は光電変換構造体は、P型半導体層及びN型半導体層の積層を含むことがある。一部の実施形態では、受光素子又は光電変換構造体はさらに、これに限定されるわけではないが、真性半導体層を含むことがある。イメージセンサを例にとると、イメージセンサは、画像撮影用の様々な高解像度又は高画素の電子デバイス(例えばカメラ、携帯電話、及びコンピュータ)で使用されることがあり、また、これに限定されるわけではないが、例えばフルカラーイメージセンシングを達成することがある。一部の実施形態では、イメージセンサは、12メガピクセル又は64メガピクセルの電子デバイスで使用されることがある。各画素のサイズは、これに限定されるわけではないが、イメージセンサが64メガピクセルの携帯電話のカメラとしての機能を果たす場合に、例えば1.4*1.4μm又は0.7*0.7μmである場合がある。
【0016】
図1を参照すると、第1の実施形態の半導体デバイス1は、例えばイメージセンサである。裏面照射型相補型金属酸化物半導体イメージセンサ(BSI‐CIS)を例として用いると、半導体デバイス1は、誘電体層100、半導体基板110、複数のマイクロレンズ120、複数のカラーフィルタ130、内部接続構造体140、及び反射層150を含むが、これに限定されるわけではない。半導体デバイス1は、異なる要件に応じて要素又は膜層の一部が増減されることがある。
【0017】
誘電体層100の材料には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、リンケイ酸ガラス(PSG)、ホウリンケイ酸ガラス(BPSG)、スピンオンガラス(SOG)、フッ素化シリカガラス(FSG)、炭素ドープされたシリカ(例えばSiCOH)、ポリイミド、又はこれらの組み合わせが含まれることがあるが、これに限定されるわけではない。
【0018】
誘電体層100は、凹部A(誘電体層100の開口部又は窪み領域)を有することがある。凹部Aの形成方法は任意の方法であってよく、本開示によって限定されない。例えば、凹部Aは、フォトリソグラフィ又はレーザ穴加工などの方法によって形成されることがあるが、これに限定されるわけではない。エッチングには、ドライエッチング、ウェットエッチング、又はこれらの組み合わせが含まれることがある。図1に示すように、凹部Aの断面形状は、異なる設計又は形成方法に応じて、半円、逆台形、四角形(例えば、長方形又は正方形)又はその他の多角形である場合がある。半円は円の半分に限定されず、不完全な円全般を指す。凹部Aの側壁面は、傾斜面、長手方向面、湾曲面、又は凹部Aの断面形状が多角形の場合にはこれらの組み合わせを含むことがある。傾斜面とは、側壁面と垂直方向Zとがなす角度が0度でも90度でもないことを示す。長手方向面とは、側壁面と垂直方向Zとがなす角度が0度であることを示す。湾曲面は、側壁面が弧度又は曲率を有することを示し、湾曲面の弧度又は曲率は本開示によって限定されない。一部の実施形態では、側壁面の傾斜度は、等方性エッチング(例えばドライエッチング)又は異方性エッチング(例えばウェットエッチング)によって制御されることがある。一部の実施形態では、2つのエッチング方式は、側壁面が1つ以上の傾き又は曲率を有することができるように組み合わせられることがある。
【0019】
また、誘電体層100は複数の凹部Aを含むことがある。図1は3つの凹部Aを模式的に示しているが、凹部Aの数は、要件(例えば、イメージセンサの解像度又は画素サイズ)に応じて変更されることがあり、図1に示されるものに限定されない。
【0020】
凹部Aは、誘電体層100の上面100aから誘電体層100の底面100bまで延在する。この実施形態では、誘電体層100の上面100aは、誘電体層100の半導体基板110に面した表面であり、誘電体層100の底面100bは、誘電体層100の反射層150に面した表面である。一部の実施形態では、誘電体層100の反射層150に接触する表面は、誘電体層100の底面100bとしての機能を果たすことがある。
【0021】
凹部Aの深さDAは、誘電体層100の厚さT100以下である場合がある。凹部Aの深さDAは、誘電体層100の上面100aから凹部Aの最深部までの距離を指す。最深部は、例えば凹部Aの中心である場合があるが、凹部Aの最深部は、設計又は形成方法に応じて変更されることがあり、図1に示されるものに限定されない。誘電体層100の厚さT100は、誘電体層100の上面100aから誘電体層100の底面100bまでの最大距離を指す。凹部Aは、凹部Aの深さDAが誘電体層100の厚さT100未満である場合は止まり穴と呼ばれることもある。凹部Aは、凹部Aの深さDAが誘電体層100の厚さT100と等しい場合はビアと呼ばれることもある。
【0022】
半導体基板110は誘電体層100上に配置される。半導体基板110は、結晶シリコン、ダイヤモンド、若しくはゲルマニウムなどの適切な元素半導体、ヒ化ガリウム、炭化ケイ素、ヒ化インジウム、若しくはリン化インジウムなどの適切な化合物半導体、又は炭化シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、若しくはリン化ガリウムインジウムなどの適切な合金半導体を含むことがある。半導体基板110は、P型基板又はN型基板である場合がある。例えば、半導体基板110は、半導体基板110がP型基板である場合はP型ドーパント(例えばホウ素)がドープされ、半導体基板110がN型基板である場合はN型ドーパント(例えばリン、又はヒ素)がドープされることがある。
【0023】
半導体基板110は、アレイ状に配置された複数の感知画素Pを含むことがある。感知画素Pのそれぞれは、複数の受光素子Sを含むことがある。受光素子Sのそれぞれは、第1型半導体層112及び第2型半導体層114を含むことがあり、受光素子Sのそれぞれは1つ以上(≧1)の凹部Aと重なることがある。図1は、感知画素Pのそれぞれが3つの受光素子Sを含み、受光素子Sのそれぞれが1つの凹部Aと重なることを模式的に示している。このアーキテクチャでは、凹部Aのサイズ(例えば、長さ、幅、又は開口サイズ)は、例えば受光素子Sのサイズ(例えば、長さ、幅、又は直径)以下である。他の実施形態では、受光素子Sのそれぞれは複数の凹部Aと重なることもある。
【0024】
受光素子Sのそれぞれにおいて、第1型半導体層112及び第2型半導体層114は誘電体層100上に順次積層される。第1型半導体層112及び第2型半導体層114の一方はP型半導体層である場合があり、第1型半導体層112及び第2型半導体層114の他方はN型半導体層である場合がある。他の実施形態では、図示されていないが、受光素子Sのそれぞれは、第1型半導体層112と第2型半導体層114との間に配置された真性層をさらに含むことがある。他の実施形態では、図示されていないが、受光素子Sのそれぞれは、2つ以上の第1型半導体層112及び2つ以上の第2型半導体層114を含むこともある。
【0025】
第1型半導体層112は凹部A上に配置され、第1型半導体層112の上面112a及び底面112bは、例えば凹部Aに合わせて窪ませる。この実施形態では、第1型半導体層112の上面112aは、第1型半導体層112の第2型半導体層114と接触した表面であり、第1型半導体層112の底面112bは、第1型半導体層112の凹部Aと接触した表面である。
【0026】
第2型半導体層114は第1型半導体層112上に配置され、第2型半導体層114の底面114bは、例えば凹部Aに合わせて窪ませる。一方、第2型半導体層114の上面114aも凹部Aに合わせて窪ませることがある。一部の実施形態では、半導体基板110はさらに平坦層118を含むことがあり、平坦層118は、複数のカラーフィルタ130を配置するための平面を提供するために第2型半導体層114の上面114a上に配置されるが、これに限定されるわけではない。平坦層118の材料は、有機絶縁材料、無機絶縁材料、又はこれらの組み合わせを含むことがある。つまり、平坦層118は単一層又は複合層である場合がある。別の実施形態では、図示されていないが、第2型半導体層114の上面114aはまた、平坦化プロセス(例えば研磨プロセス)によって底面114bよりも平らな面を形成することがある。この実施形態では、第2型半導体層114の上面114aは、第2型半導体層114の平坦層118と接触した表面であり、第2型半導体層114の底面114bは、第2型半導体層114の第1型半導体層112と接触した表面である。第2型半導体層114の底面114b及び第1型半導体層112の上面112aはPN接合Jを構成する。図1に示されるように、電子及び正孔がPN接合Jの近くに空乏領域(点線で囲まれた領域を参照)を形成する。
【0027】
第1型半導体層112及び第2型半導体層114の形成方法にはイオン注入法が含まれることがある。具体的には、半導体基板110がP型基板である場合にN型ウェルを形成するために、活性領域がN型ドーパント(例えば、リン又はヒ素)でドープされることがあり、半導体基板110に形成されたPN接合Jは、イメージセンシング機能を実行することがある。同様に、半導体基板110がN型基板である場合にP型ウェルを形成するために、活性領域はP型ドーパント(例えば、ホウ素)でドープされることがある。
【0028】
第1型半導体層112及び第2型半導体層114が誘電体層100の凹部A上に配置されるため、凹部Aの深さDAは、半導体基板110のPN接合Jの窪み度(例えば、PN接合Jの曲率及び/又は形状)に影響を及ぼす。例えば、凹部Aの深さDAが深ければ深いほど、第1型半導体層112の底面112b及び上面112a、第2型半導体層114の底面114b及び上面114a、及びPN接合Jの窪み度が大きくなる。また、PN接合Jの面積(すなわち、第1型半導体層112と第2型半導体層114との接触面積)は、平坦なPN接合と比較して大きい。
【0029】
方程式1によれば、PN接合のドリフト電流“I”がPN接合の面積“A”に正の相関関係がある。換言すれば、PN接合Jの面積が大きければ大きいほど、発生する電流が大きくなり、量子効率(QE)が向上するため、イメージセンサの感度が効果的に高まる。一部の実施形態では、窪んだPN接合の面積は、受光素子Sのサイズが非常に小さい場合に、平坦なPN接合の面積のおよそ2√2倍である場合がある。
I=Aqφ(1-e-αW) 方程式1
ここで、qは電荷量であり、φは毎秒単位面積当たりの光子数であり、空乏領域が十分に厚い場合にαW>>1である。
【0030】
裏面照射型相補型金属酸化物半導体イメージセンサ(BSI‐CIS)のアーキテクチャでは、半導体基板110の第1の側110aは後面と呼ばれることがあり、半導体基板110の第2の側110bは前面(又は活性面)と呼ばれることがある。光(又は放射)Lが半導体基板110の後面(すなわち、第1の側110a)に入射し、後面(すなわち、第1の側110a)から受光素子Sに入ってイメージセンシング機能を実行する。PN接合Jは、PN接合Jに逆バイアスが印加される場合に入射光Lに敏感である。このとき、受光素子Sは高インピーダンス浮遊状態にある。一定期間光が照射された後、受光素子Sは電流を発生させることがあり、結果として生じる電圧差が画像信号である。換言すれば、受光素子Sが受光又は検出した光Lは、光電流に変換されることによって出力画像信号を発生させることがある。
【0031】
一部の実施形態では、半導体基板110はさらに、複数の受光素子Sを互いに分離するための複数の分離構造116を含むことがある。具体的には、複数の分離構造116は、半導体基板110に複数の活性領域を画定する。分離構造116は、半導体基板110の上面110aから半導体基板110の底面110bに向かって延在する。複数の受光素子Sは、半導体基板110に画定された複数の活性領域にそれぞれ形成される。例えば、分離構造116は、複数の受光素子Sを互いに分離するための深いトレンチ分離(DTI)構造を含み、隣接する受光素子S間の光信号干渉の大幅な低減を可能にすることがある。一方、他の実施形態では、分離構造116はさらに、浅いトレンチ分離(STI)構造、注入分離構造、又はその他の分離構造を含むことがある。
【0032】
一部の実施形態では、図示されていないが、半導体デバイス1はまた、半導体基板110の活性面(すなわち、第2の表面110b)に位置する1つ以上の画素トランジスタを含むことがある。例えば、画素トランジスタは、受光素子Sで発生した電荷を読み出しのために受光素子S外へ転送するように構成された転送トランジスタを含むことがある。また、画素トランジスタはさらに、ソースフォロアトランジスタ、行選択トランジスタ、又はリセットトランジスタなどの他のトランジスタを含むことがある。
【0033】
複数のカラーフィルタ130は半導体基板110上に配置され、複数のカラーフィルタ130は、例えば平坦層118及び複数の分離構造116上に配置されるが、これに限定されるわけではない。また、複数のカラーフィルタ130は、それぞれ複数の受光素子Sに対応して配置されることがある。
【0034】
カラーフィルタ130は、特定の波長範囲を有する光の透過を可能にする一方、特定範囲外の波長を有する光を遮断する。例えば、複数のカラーフィルタ130は、赤色光フィルタR、緑色光フィルタG、及び青色光フィルタBを含むことがある。赤色光フィルタRは赤色光を通過させ、その結果、赤色光は赤色光フィルタRの下方に位置する受光素子Sによって受光される。緑色光フィルタGは緑色光を通過させ、その結果、緑色光は緑色光フィルタGの下方に位置する受光素子Sによって受光される。青色光フィルタBは青色光を通過させ、その結果、青色光は青色光フィルタBの下方に位置する受光素子Sによって受光される。この実施形態では、半導体デバイス1は、光波長が可視光線領域にある光を感知するのに適している。一方、他の実施形態では、半導体デバイス1はまた、これに限定されるわけではないが、赤外線などの光波長が非可視光線領域にある光を感知するように構成されることがある。これに応じて、複数のカラーフィルタ130は、赤外線以外の光の通過を阻止するフィルタに置き換えられることもある。
【0035】
複数のカラーフィルタ130の上に複数のマイクロレンズ120が配置され、複数のマイクロレンズ120は、それぞれ複数のカラーフィルタ130に対応して配置される。複数のマイクロレンズ120はマイクロレンズアレイを構成することがある。複数のマイクロレンズ120の中心点は、それぞれ複数のカラーフィルタ130の中心点と垂直方向Zに実質的に位置合わせされる。マイクロレンズ120は、入射光Lを受光素子Sに合焦させるように構成されることがある。光Lは、光Lがマイクロレンズ120で屈折された後、反射層150に対して実質的に垂直に入射することがあり、次いで反射層150は、光Lを受光素子Sに反射することがあるため、集光の効率が高まる。光Lは、ほぼ垂直に入射するため、隣接する他の受光素子Sに反射されることがないため、ノイズ干渉を減らすことができる。
【0036】
図1に示されるように、内部接続構造体140は、半導体基板110の活性面(すなわち第2の表面110b)に配置され、誘電体層100は、内部接続構造体140と半導体基板110との間に配置されている。内部接続構造体140が複数の受光素子Sに電気的に結合されるため、複数の受光素子Sから発生した信号は、処理のために他の素子に送信されることがある。
【0037】
この実施形態では、内部接続構造体140は、層間絶縁(ILD)層142と、層間絶縁層142内に交互に積層された複数の回路層144とを含む。層間絶縁層142の材料は、誘電体層100の材料と同様である場合がある。例えば、層間絶縁層142の材料には、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、リンケイ酸ガラス、ホウリンケイ酸ガラス、スピンオンガラス、フッ素化シリカガラス、炭素ドープされたシリカ、ポリイミド、又はこれらの組み合わせが含まれることがあるが、これに限定されるわけではない。回路層144の材料には、金属などの導電性材料が含まれることがあるが、これに限定されるわけではない。回路層144の層の数は、例えば4層又は5層であるが、これに限定されるわけではない。他の実施形態では、内部接続構造体140には、より多いか又はより少ない数の回路層144が含まれることがある。具体的には、複数の回路層144のうち半導体基板110に最も近いものが金属第1層である場合があり、垂直方向Zの反対方向に金属第1層の上部に順次積層された回路層144は、金属第2層、金属第3層などである場合がある。5層の回路層144を例にとると、複数の回路層144のうち半導体基板110に最も近いものが金属第1層である場合があり、複数の回路層144のうち半導体基板110から最も離れたものが金属第5層である場合がある。この実施形態を適用する者はまた、複数の回路層144のうち半導体基板110に最も近いものを金属第5層上に配置したり、複数の回路層144のうち半導体基板110から最も離れたものを金属第1層上に配置したりすることがある。この実施形態では、内部接続構造体140が光入射面(すなわち第1の表面110a)の反対側(すなわち第2の表面110b)、すなわち受光素子Sの下方に配置されているため、内部接続構造体140は、光Lが受光素子Sを照射するのを妨げない。
【0038】
この実施形態では、反射層150は内部接続構造体140上に配置され、誘電体層100は、反射層150と半導体基板110との間に配置される。一方、別の実施形態では、反射層150は誘電体層100と半導体基板110との間に配置されることもある。換言すれば、誘電体層100がまず形成され、それから反射層150が誘電体層100上に形成されることがあるが、これに限定されるわけではない。反射層150が誘電体層100と半導体基板110との間に配置された状態では、誘電体層100上に配置された反射層150は、誘電体層100の半導体基板110に対向する表面に適合することがある。つまり、反射層150は複数の凹部Aに合わせて窪ませてあるか、又は反射層150は、誘電体層が(図5に示されるように)複数の凸部を含む場合に、複数の凸部に合わせて突出させる場合がある。
【0039】
反射層150はシート状の金属層である場合がある。反射層150は、半導体基板110に平行な方向に連続して延在し、複数の受光素子Sの反射層150への正投影が反射層150の範囲内にある。換言すれば、上下方向(上から下)に見た場合に、複数の受光素子Sは反射層150と重なり、受光素子Sを貫通する光Lを、光Lが受光素子Sを再度照射するように反射層150で反射できる場合がある。この実施形態では、反射層150は、例えば複数の回路層144のうち半導体基板110に最も近いもの(すなわち金属第1層)と同じプロセスで形成されることがある。換言すれば、反射層150は、例えば複数の回路層144のうち半導体基板110に最も近いもの(すなわち金属第1層)と同じ高さに位置することがあり、反射層150及び回路層144は同じ材料(例えば金属)を含むことがある。反射層150を明確に示すために、反射層150と同じ高さにある回路層(すなわち金属第1層)が示されていないことに留意すべきである。
【0040】
反射層150及び回路層144が同時に形成されることがある、つまり、反射層150が既存のプロセスを用いて作られることがあるため、追加の処理ステップを導入する必要がないため、プロセス互換性が高く、追加費用がかからないなどの利点がある。また、反射層150が金属層である場合があるため、光Lの反射層150への反射は鏡面反射である場合があり、散乱しにくい。したがって、半導体基板110に対して垂直に入射する光Lは、光Lが隣接する他の受光素子Sに散乱することを防ぐために、受光素子Sに対して垂直に反射させることができ、ノイズ干渉を減らすことができる。半導体基板110に対して垂直に入射する光Lが窪み部(例えば、上面114a、PN接合J、底面112b)で界面反射を発生させるとしても、反射光は、窪み部のより高い環境に誘導されることになるため、受光素子Sで受光され、光電流に変換することができる。
【0041】
この実施形態では、反射層150は受光素子Sから電気的に切断されている。ある実施形態では、反射層150は、電源電圧(VDD)又は接地電圧(GND)に結合されることがあり、反射層150は受光素子Sと回路層144との信号干渉及び障害を減らすための信号シールドとしての機能を果たすことができる。一方、他の実施形態では、反射層150は電気的に浮遊していることもある。第1型半導体層112がP型半導体層であるアーキテクチャでは、第1型半導体層112は通常、共通接地電圧(VSS)などの接地電圧に結合される。一部の実施形態では、第1型半導体層112の底面112bは、凹部Aが貫通孔である(つまり、凹部Aの深さDAが誘電体層100の厚さT100に等しく、誘電体層100の下方に位置する反射層150を凹部Aが露出可能にする)設計によって反射層150と接触できることによって、第1型半導体層112を金属接地などの接地電圧に結合できることがある。
【0042】
図2を参照すると、第2の実施形態の半導体デバイス2は図1の半導体デバイス1と類似しているため、詳細については繰り返さない。図1と比較すると、図2の半導体デバイス2の反射層250は、複数の分離した反射領域252を含むことがあり、複数の受光素子Sの反射層250への正投影がそれぞれ複数の反射領域252の範囲内にある。換言すれば、上下方向(上から下)に見た場合に、受光素子Sのそれぞれは反射領域252の1つと重なり、受光素子Sを貫通する光Lを、光Lが受光素子Sを再度照射するように反射層250で反射できることがある。一部の実施形態では、反射層250はさらに、複数の反射領域252を接続する複数の接続線(図示せず)を含むことがある。
【0043】
図3を参照すると、第3の実施形態の半導体デバイス3は図1の半導体デバイス1と類似しているため、詳細については繰り返さない。図1と比較すると、図3の半導体デバイス3の受光素子Sのそれぞれは、複数(これに限定されないが、例えば4つ)の凹部Aと重なる。図3は、他の素子を省略して、半導体デバイス3のマイクロレンズ120、受光素子S、及び凹部Aの一部のみを模式的に示していることが理解されるべきである。また、受光素子Sのサイズが大きくなるにつれて、より多くの凹部Aが受光素子Sと重なることがあるため、これに限定されるわけではないが、イメージセンサの感知感度が上昇する。また、上下方向(上から下)に見た場合の凹部Aの形状は、円である以外に、長方形、正方形、六角形、又はその他の多角形を含むこともあり、複数の凹部Aの形状は同じであるか又は異なることがある。一部の実施形態では、受光素子Sの凹部間の距離は、複数の凹部A間の距離を変更することを通じて変更され、その結果、スペクトルに対して選択的となることがある。例えば、赤色フィルタと重なる複数の凹部A、緑色フィルタと重なる複数の凹部A、及び青色フィルタと重なる複数の凹部Aは、異なるサイズ又はピッチを有することがあり、その結果、異なるカラーフィルタに対応する受光素子Sをスペクトルに対して選択的なものとすることができる。
【0044】
図4を参照すると、第4の実施形態の半導体デバイス4と図1の半導体デバイス1との主な相違点は、半導体デバイス4がソーラーデバイスであることである。具体的には、半導体デバイス4は、誘電体層400と、半導体基板410と、下部電極420と、上部電極430とを含む。
【0045】
誘電体層400の材料は、図1の誘電体層100の材料を含むことがあるが、これに限定されるわけではない。誘電体層400は凹部Aを有する。凹部Aの深さDAは、誘電体層400の厚さT400以下である場合がある。
【0046】
半導体基板410は、誘電体層400上に順次積層された第1型半導体層412及び第2型半導体層414を含むことがある。第1型半導体層412及び第2型半導体層414の一方はP型半導体層である場合があり、第1型半導体層412及び第2型半導体層414の他方はN型半導体層である場合がある。他の実施形態では、図示されていないが、半導体基板410は、第1型半導体層412と第2型半導体層414との間に配置された真性層をさらに含むことがある。
【0047】
第1型半導体層412は凹部A内に位置する。第1型半導体層412の上面412a及び底面412bは、凹部Aに合わせて窪ませる。第2型半導体層414の底面414bは、凹部Aに合わせて窪ませる。第2型半導体層414の上面414aは、平坦化プロセスによって平面を形成することがあり、その結果、上部電極430の配置が容易になるが、これに限定されるわけではない。他の実施形態では、第2型半導体層414の上面414aもまた凹部Aに合わせて窪ませる場合がある。
【0048】
上部電極430は、例えば光の通過及び半導体基板410の照射を促進するためのパターン電極である場合がある。下部電極420は、誘電体層400と半導体基板410との間に配置され、下部電極420の少なくとも一部分は凹部Aに合わせて窪ませる場合がある。
【0049】
図5を参照して、第5の実施形態の半導体デバイス5と図1の半導体デバイス1との主な相違点が以下のように説明される。半導体デバイス5では、誘電体層500が凸部A’を有する。凸部A’の形成方法は任意の方法であってよく、本開示によって限定されない。例えば凸部A’は、フォトリソグラフィ(例えば、これに限定されるわけではないが、ネガ型フォトレジストを使用する)によって形成されることがあるが、これに限定されるわけではない。凸部A’の断面形状については、凹部Aの断面形状が参照されることがあり、本開示によって限定されない。また、凸部A’の側壁面は、傾斜面、長手方向面、湾曲面、又はこれらの組み合わせを含むことがある。一部の実施形態では、側壁面の傾斜度は、等方性エッチング(例えばドライエッチング)又は異方性エッチング(例えばウェットエッチング)によって制御されることがある。一部の実施形態では、2つのエッチング方式は、側壁面が1つ以上の傾き又は曲率を有することができるように組み合わせられることがある。
【0050】
また、誘電体層500は複数の凸部A’を含むことがある。図5は3つの凸部A’を模式的に示しているが、凸部A’の数は、要件(例えば、イメージセンサの解像度又は画素サイズ)に応じて変更されることがあり、図5に示されるものに限定されない。
【0051】
凸部A’は、誘電体層500の底面500bから半導体基板510に向かって延在する。この実施形態では、誘電体層500の上面500aは、誘電体層500の半導体基板510に面した表面であり、誘電体層500の底面500bは、誘電体層500の反射層150に面した表面である。一部の実施形態では、誘電体層500の反射層150に接触する表面は、誘電体層500の底面500bとしての機能を果たすことがある。
【0052】
凸部A’の厚さDA’は、誘電体層500の厚さT500以下である場合がある。凸部A’の厚さDA’は、凸部A’の最高点から誘電体層500の底面500bまでの距離を指す。誘電体層500の厚さT500は、誘電体層500の上面500aから誘電体層500の底面500bまでの最大距離を指す。凸部A’の最高点は、凸部A’の中心である場合があるが、凸部A’の最高点は、設計又は形成方法に応じて変更されることがあり、図5に示されるものに限定されない。図5は、凸部A’の厚さDA’が誘電体層500の厚さT500に等しい例を示している。一方、他の実施形態では、凸部A’の厚さDA’は誘電体層500の厚さT500未満である場合がある。
【0053】
凸部A’のサイズ(例えば、長さ、幅又は開口サイズ)は、例えば受光素子Sのサイズ(例えば、長さ、幅又は直径)以下である。受光素子Sのそれぞれにおいて、第1型半導体層112は凸部A’上に配置される。第1型半導体層112の上面112a及び底面112bは凸部A’に合わせて突出させ、第2型半導体層114の底面114bも凸部A’に合わせて突出させる。一方、第2型半導体層114の上面114aも凸部A’に合わせて突出させることがある。一部の実施形態では、半導体基板510はさらに平坦層118を含むことがあり、平坦層118は、カラーフィルタ130を配置するための複数の平面を提供するために第2型半導体層114の上面114aに配置されるが、これに限定されるわけではない。別の実施形態では、図示されていないが、第2型半導体層114の上面114aはまた、平坦化プロセス(例えば研磨プロセス)によって底面114bよりも平らな面を形成することがある。
【0054】
第1型半導体層112及び第2型半導体層114が誘電体層500の凸部A’上に配置されるため、凸部A’の凸度は、半導体基板510のPN接合Jの凸度(例えばPN接合Jの曲率及び/又は形状)に影響を及ぼす。例えば、凸部A’が突出していれば突出しているほど、第1型半導体層112の底面112b及び上面112a、第2型半導体層114の底面114b及び上面114a、及びPN接合Jの突出度が大きくなる。また、PN接合Jの面積(すなわち、第1型半導体層112と第2型半導体層114との接触面積)は、平坦なPN接合と比較して大きい。PN接合Jの面積が大きければ大きいほど、発生する電流が大きくなり、量子効率が向上するため、イメージセンサの感度が効果的に高まる。一部の実施形態では、突出したPN接合の面積は、受光素子Sのサイズが非常に小さい場合に平坦なPN接合の面積のおよそ2√2倍である場合がある。
【0055】
図2の半導体デバイス2から図4の半導体デバイス4の凹部Aは、図5に示す凸部A’に変わることもあり、詳細についてはここでは繰り返さない。
【0056】
図6を参照して、第6の実施形態の半導体デバイス6と図1の半導体デバイス1との主な相違点が以下のように説明される。半導体デバイス6では、誘電体層600の上面600aが、図1の凹部A又は図5の凸部A’を形成することなく、誘電体層600の底面600bと実質的に一致している。つまり、誘電体層600の上面600aは、例えば平面である。これに応じて、誘電体層600上に配置された半導体基板610の第2の側610b及び半導体基板610の第1の側610aも、例えば平面である。また、半導体基板610では、誘電体層600上に配置された第1型半導体層112の底面112bも、例えば平面である。一方、複数の凹部A又は複数の凸部A’が、例えばエッチングプロセスによって第1型半導体層112の上面112aに形成されることがある(図5参照)。このようにして、第1型半導体層112の上面112aに配置される第2型半導体層114の底面114bも、凹部Aに合わせて窪ませたり、凸部A’に合わせて突出させたりする。一方、第2型半導体層114の上面114aは、凹部Aに合わせて窪ませたり、凸部A’に合わせて突出させたりすることもある。
【0057】
要約すれば、本開示の実施形態に係る半導体デバイスは、誘電体層に凸部又は凹部を形成することによって、誘電体層の凸部又は凹部上に配置された複数の半導体層間の接合の表面積を増大させることができるため、半導体基板内の受光素子又は光電変換構造体を照射することにより発生する電流を増大させることができる。受光素子の凹部又は凸部間の距離は、凹部又は凸部間の間隔を変更することを通じて変更されることがあり、その結果、スペクトルに対して選択的となり、CMOSイメージセンサの感度を高めるのに役立つ。
【0058】
前述の実施形態を参照して本開示を説明してきたが、本開示を限定することは意図されていない。当業者ならば本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく上記の実施形態に変更及び修正をなし得ることは明らかであろう。したがって、本開示の範囲は、本願に添付された請求項と、別段の指示がない限り全ての用語にその最も広い合理的な意味が与えられる請求項の均等物とによって定められる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本開示の半導体デバイスは電子デバイスに適用されることがある。
【符号の説明】
【0060】
1,2,3,4,5:半導体デバイス
100,400,500:誘電体層
100a,112a,114a,412a,414a:上面
100b,112b,114b,412b,414b:底面
110,410,510:半導体基板
110a,500a:第1の側
110b,500b:第2の側
112,412:第1型半導体層
114,414:第2型半導体層
116:分離構造
118:平坦層
120:マイクロレンズ
130:カラーフィルタ
140:内部接続構造体
142:層間絶縁層
144:回路層
150,250:反射層
252:反射領域
420:下部電極
430:上部電極
A:凹部
A’:凸部
B:青色光フィルタ
DA:深さ
DA’,T100,T400,T500:厚さ
G:緑色光フィルタ
J:PN接合
L:光
P:感知画素
R:赤色光フィルタ
S:受光素子
Z:垂直方向

図1
図2
図3
図4
図5
図6