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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113143
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】体液収集装置
(51)【国際特許分類】
   A61F 5/445 20060101AFI20240814BHJP
   A61F 5/443 20060101ALI20240814BHJP
【FI】
A61F5/445
A61F5/443
【審査請求】有
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024093183
(22)【出願日】2024-06-07
(62)【分割の表示】P 2020572405の分割
【原出願日】2019-06-20
(31)【優先権主張番号】201820986228.6
(32)【優先日】2018-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】519178401
【氏名又は名称】楊国煌
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】楊国煌
(57)【要約】      (修正有)
【課題】人体に粘着しやすく、落ちにくく、母乳、尿や精液等の体液を収集でき、漏れによる汚染も起こりにくい体液収集装置を提供する。
【解決手段】第一シート部材と、第二シート部材と、第三シート部材とを有し、前記第一シート部材は第一開口が設置され、第一表面及び第二表面を有し、前記第一表面には粘着層が設けられ、前記第二シート部材は第二開口が設置され、第三表面及び第四表面を有し、前記第三表面と前記第二表面との間は第一密封帯状区域により相互に連結され、前記第三シート部材は第五表面及び第六表面を有し、前記第二シート部材と前記第三シート部材は第二密封帯状区域により相互に連結され、袋体を形成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一シート部材と、粘着層と、第二シート部材と、第三シート部材とを有し、
前記第一シート部材は第一開口を有し、かつ第一表面及び第二表面を有し、
前記粘着層は前記第一シート部材の前記第一表面に設けられ、
前記第二シート部材は、第二開口を有し、かつ第三表面及び第四表面を有し、前記第三表面と前記第一シート部材の前記第二表面は第一密封帯状区域に連結され、前記第一密封帯状区域の外縁は前記第一シート部材の縁と前記第一開口との間に位置し、
前記第三シート部材は第五表面及び第六表面を有し、前記第五表面と前記第二シート部材の前記第四表面は第二密封帯状区域に連結され、前記第三シート部材の縁は前記第二シート部材の縁と密封連結されることで、開口を有する袋体を形成し、
前記第一シート部材の厚さが0.1mm未満であり、
前記第一シート部材の前記第二表面に、前記第一開口の縁に延設される構造維持ユニットを設けることにより、前記第一開口の形状を維持し、前記第一開口の縁にシワが生じることを防止し、そのため体液が前記第一開口の縁のシワから前記第一シート部材の縁へ漏れることを防止できる、
体液収集装置。
【請求項2】
前記第一開口、前記第二開口及び前記第一密封帯状区域の配置関係が、
前記第一開口の縁及び前記第二開口の縁は、前記第一密封帯状区域の内縁と重なっており、かつ前記袋体の前記開口を形成する、
又は前記第一開口は前記第二開口より小さく、前記第二開口の縁は前記第一密封帯状区域の内縁と重なっていることで、前記袋体の前記開口は前記第一開口となっている、
又は前記第一開口は前記第二開口より大きく、前記第一開口の縁は前記第一密封帯状区域の内縁と重なっていることで、前記袋体の前記開口は前記第二開口となっている、
前記第一開口は前記第二開口より小さいか若しくは等しく、前記第二開口の縁は前記第一開口と前記第一密封帯状区域の内縁との間に位置するか又は前記第一開口と重なっていることで、前記袋体の前記開口は前記第一開口となっており、前記袋体内の前記第二開口の縁と前記第一開口の縁は分離している、請求項1に記載の体液収集装置。
【請求項3】
前記第三シート部材と前記第二シート部材は同一連続材料により構成され、前記第三シート部材の開放縁の少なくとも一部分と、前記第二シート部材の開放縁の少なくとも一部分は互いに密封連結される、請求項1に記載の体液収集装置。
【請求項4】
前記第二密封帯状区域上には少なくとも1つの紐穴又はボタン穴が設けられている、請求項1に記載の体液収集装置。
【請求項5】
前記第一密封帯状区域の外縁が前記第一シート部材の縁より小さく、かつ前記第二シート部材の縁よりも小さくなっていることで、前記第一シート部材の縁と前記第二シート部材の縁が分離している、請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項6】
前記第二シート部材の前記第四表面と前記第三シート部材の前記第五表面との間にさらにスペーサが設けられることで、前記第二シート部材の前記第四表面と前記第三シート部材の前記第五表面とは完全に貼附せず、かつ前記袋体内に完全に密封された空間を形成せず、前記スペーサは非平面の立体構造を有し、気泡緩衝材、コルゲート板、単一の管状物又は複数の管状物の少なくともいずれか1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項7】
前記第二シート部材の前記第四表面と前記第三シート部材の前記第五表面はその一部が連結され、前記袋体は通路により相互に通じる二つの空間に分けられ、かつ前記通路にさらにスペーサを設けることで、前記袋体の2つの空間が前記スペーサにより相互に通じ、前記スペーサは一方向誘導機能を有する一方向要素であり、一方向弁又は流量計の少なくともいずれか1つを含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項8】
前記第二シート部材と前記第三シート部材は長い対称軸と短い対称軸を有する角が丸みを帯びた矩形であり、前記長い対称軸と前記短い対称軸の比率は2:1より大きく、前記開口は、その中心が前記長い対称軸の中間点に位置しているか、又は前記長い対称軸上であって前記中間点から所定の距離だけ移動した位置に設けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項9】
前記第一シート部材の厚さが0.05mm未満である、請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項10】
前記第一シート部材が微孔フィルムであり、透気性が水蒸気透過率(MVTR)500g/(m.24h)以上、感圧接着剤を塗布した後の透湿度が1,000g/(m.24h)以上である、請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項11】
前記第一シート部材が少なくとも1つの円弧形の切り目又は花弁形の縁を有することで、非平面の表面によりフィットしやすくなる、請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項12】
前記体液収集装置はさらに排水管を含み、前記排水管は前記袋体の前記第二シート部材又は前記第三シート部材に連結され、前記袋体の内部は前記排水管により前記袋体の外部と通じており、
前記排水管の設置方法が、
前記第二密封帯状区域が開放部分を有し、前記排水管は前記開放部分を通り抜け前記第二シート部材と前記第三シート部材の間に挟まれている、
又は前記第二シート部材又は前記第三シート部材は少なくとも1つの排水口を有し、前記排水管は前記排水口に対応して設置され、前記排水管の一端は前記排水管の軸方向とほぼ垂直で前記排水管の外周を囲むよう設けられたつば部を有し、前記つば部は前記第二シート部材の前記第三表面又は前記第三シート部材の前記第六表面と連結されている、
請求項1~4のいずれか一項に記載の体液収集装置。
【請求項13】
前記排水管は蓋体を含み、
前記蓋体と前記排水管が互いに螺合する、
又は前記蓋体及び前記排水管のいずれか一方に凸縁を設けてもう一方に凹縁を設け両者を組み合わせる、
又は弾性材料及び摩擦力によって前記蓋体を前記排水管へ差し込む、
のいずれか1つの方法で前記排水管を開閉可能とする、
請求項12に記載の体液収集装置。
【請求項14】
体液収集装置が精液収集装置であって、
第一シート部材と、粘着層と、第二シート部材と、第三シート部材とを有し、
前記第一シート部材は第一開口を有し、かつ第一表面及び第二表面を有し、
前記粘着層は前記第一シート部材の前記第一表面に設けられ、
前記第二シート部材は、第二開口を有し、かつ第三表面及び第四表面を有し、前記第三表面と前記第一シート部材の前記第二表面は第一密封帯状区域に連結され、前記第一密封帯状区域の外縁は前記第一シート部材の縁と前記第一開口との間に位置し、
前記第三シート部材は第五表面及び第六表面を有し、前記第五表面と前記第二シート部材の前記第四表面は第二密封帯状区域に連結され、前記第三シート部材の縁は前記第二シート部材の縁と密封連結されることで、開口を有する袋体を形成し、
前記第一シート部材の厚さが0.1mm未満であり、
前記袋体の容積は20ミリリットル(ml)未満である、
体液収集装置。
【請求項15】
前記第二シート部材又は前記第三シート部材の周長が180mm未満、厚さが0.1mm未満である、請求項14に記載の体液収集装置。
【請求項16】
前記第一シート部材の縁に延設される構造維持ユニットをさらに含む、請求項14に記載の体液収集装置。
【請求項17】
前記第三シート部材と前記第二シート部材は同一連続材料により構成され、前記第三シート部材の開放縁の一部分と前記第二シート部材の開放縁の一部分は互いに密封連結し、そして他の開放縁の全部又は一部を連結して第二密封帯状区域を形成することで、連続材料の同一のシートを折って成り、かつ開口を有する袋体を形成する、請求項14に記載の体液収集装置。
【請求項18】
前記第一開口、前記第二開口及び前記第一密封帯状区域の配置関係が、
前記第一開口の縁及び前記第二開口の縁は、前記第一密封帯状区域の内縁と重なっており、かつ前記袋体の前記開口を形成する、
又は前記第一開口は前記第二開口より小さく、前記第二開口の縁は前記第一密封帯状区域の内縁と重なっていることで、前記袋体の前記開口は前記第一開口となっている、
又は前記第一開口は前記第二開口より大きく、前記第一開口の縁は前記第一密封帯状区域の内縁と重なっていることで、前記袋体の前記開口は前記第二開口となっている、
前記第一開口は前記第二開口より小さいか若しくは等しく、前記第二開口の縁は前記第一開口と前記第一密封帯状区域の内縁との間に位置するか又は前記第一開口と重なっていることで、前記袋体の前記開口は前記第一開口となっており、前記袋体内の前記第二開口の縁と前記第一開口の縁は分離している、請求項14に記載の体液収集装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体液の収集装置に関し、特に母乳、尿又は精液の収集装置に関する。
【0002】
哺乳育児における母乳、乳幼児から検尿する尿、尿失禁患者の尿及び不妊検査での採取が必要な精液等の制御が難しい人体の体液は、溢出した際に即座に収集することは容易でないため、衣服やマットレスを汚し当事者又は収集を行う者の負担となっている。
【背景技術】
【0003】
先行技術では体液収集装置に対する解決方法として、母乳収集カバー、多種の口径を有し導尿カテーテルと連結する導尿バッグ、幼児貼付け式集尿バッグ、避妊具などが提供されている。しかしこうした先行技術で応用される体液収集装置には依然として、授乳時に漏れ防止の母乳パットを絶えず交換する必要がある、尿失禁患者は分厚く熱気が篭るおむつを絶えず交換する必要がある又は尿道留置カテーテルにより尿を尿バッグへ導く必要がある、精液採集時に精液を小さな容器に入れる必要がある、といった多くの欠点が存在する。
【0004】
このような先行技術における体液収集装置においては繰り返し貼附や除去ができるよう設計する必要があるが、こうした方法では粘着性を犠牲にするため、体液収集装置は体液の重量を受けると粘着性不足により落ちてしまうという事態が起きる。したがって体液収集装置が容易に落ちないようにすることは、先行技術において解決されていない問題である。
【0005】
先行技術でよく見られる別の問題として、貼附させる位置は必ずしも連続的な平面とは限らず、女性の乳房や男女の外生殖器はいずれも連続的な平面ではないため、貼附時に体液収集装置の貼附部位が体表にフィットせずねじ曲がって変形してしまう、また使用者が動態である場合も貼附が堅固ではないといった問題がある。したがって体液収集装置を曲面である体表へどのように容易に貼附させるか及び体液収集装置をどのように動態変化に適用させるかは、先行技術において解決が待たれる問題である。
【0006】
先行技術で最もよく見られる別の問題として、使用中に体液が体液収集装置の貼附部位に浸透することで粘着性が低下し、装置が落ちてしまうという問題がある。したがって先行技術を如何に改良し、収集した体液が貼附部位に容易に浸透しないようにすることも、同様に解決が待たれる問題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記課題に鑑みて、本発明は、人体に粘着しやすく、落ちにくく、母乳、尿や精液等の体液を収集でき、漏れによる汚染も起こりにくい体液収集装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明は、第一シート部材と、第二シート部材と、第三シート部材とを有し、前記第一シート部材は第一表面及び第二表面を有し、前記第一シート部材を貫通する第一開口が設けられ、前記第一表面には粘着層が設けられ、前記第二シート部材は第三表面及び第四表面を有し、前記第二シート部材を貫通する第二開口が設けられ、前記第三表面と前記第二表面との間は第一密封帯状区域により相互に連結され、前記第三シート部材は第五表面及び第六表面を有し、前記第二シート部材と前記第三シート部材との間は第二密封帯状区域により相互に連結され、袋体を形成する、体液収集装置を提供する。
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は、第一シート部材と、第二シート部材と、第三シート部材とを有し、前記第一シート部材は第一表面を有し、前記第一シート部材を貫通する第一開口が設けられ、前記第一表面には粘着層が設けられ、前記第二シート部材は、前記第二シート部材を貫通する第二開口が設けられ、前記第二開口の縁は第一開口の縁と連続材料の方法で密封連結され、前記第三シート部材は前記第二シート部材の縁と連続材料の方法で密封連結され、袋体を形成する、体液収集装置を提供する。
【0010】
好ましくは、前記体液収集装置は、前記第一開口の縁及び前記第二開口の縁は、前記第一密封帯状区域の内縁と重なっている。
【0011】
好ましくは、前記体液収集装置は、前記第一開口は前記第二開口より小さく、前記第二開口の縁は前記第一密封帯状区域の内縁と重なっている。
【0012】
好ましくは、前記体液収集装置は、前記第一開口は前記第二開口より小さく、前記第二開口の縁は前記第一開口と前記第一密封帯状区域の内縁の間に位置するか又は前記第一開口と重なっており、前記第一開口の縁と前記第二開口の縁は互いに分離している。
【0013】
本発明は、異なる体液、例えば母乳、精液、血液、経血、胸水、腹水、組織液又は尿などの収集に適用することができる。
【0014】
本発明は異なる体液量の体液を収容可能な体液収集装置である。様々な材料、形状又は大きさのシート部材と組み合わせて使用することで、異なる容量又は形状の袋体を作ることができる。本発明を精液収集装置として用いた場合、第二シート部材及び第三シート部材の周長が短く厚さが薄いため、体液収集装置がより薄く小型になり、性行為中の快感を高めることができる。また容積は男性の射精量に合わせて設定される。
【0015】
本発明は材料の加工の便宜に基づき、体液収集装置は独立シート部材が連結されて構成されるよう、又は連続材料で製造するよう、設計することができる。
【0016】
本発明は体液収集の用途又は使用の状況によって、様々な追加設計を有することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の有益な効果として、本発明の体液収集装置は構造が簡易であり、人体に粘着しやすく、収集した体液が漏れることを効果的に防止できる。
【0018】
本発明の有益な効果として、第三表面と第二表面との間は第一密封帯状区域により相互に連結される設計により、第一シート部材が受ける力を堅固に連結された前記第一密封帯状区域に集中させ、本発明の使用時に摩擦、引っ張り、水圧又は重力により本発明の体液収集装置が人体から剥がれなくなる。
【0019】
本発明の有益な効果として、第一開口の縁と第二開口の縁は互いに分離しており、かつ第一密封帯状区域の外縁を参考点としているため、粘着層が前記第一シート部材のそれぞれ内側及び外側双方に固定されるという効果により、前記第二シート部材の引っ張り又は袋体の重力により前記第一シート部材が体表から剥がれることに対し効果的に抵抗することができる。前記第一シート部材及び前記第二シート部材は弾性のある材質を使用することができ、緩衝の効果がより増大する。
【0020】
本発明の有益な効果として、薄型化された第一シート部材によって、縁が摩擦によりめくれにくくまた剥がれにくくなる。また当該第一シート部材は透気性及び透湿性に優れているため、不快感を和らげ皮膚アレルギーを減少させることができ、さらに繰り返し貼附や除去をすることができ皮膚の損傷が発生しづらくなる。
【0021】
本発明の有益な効果として、第一シート部材の縁に少なくとも1つの切り目の設計、円弧形の切り目の設計又は花弁形の縁の設計を有することで、非平面の人体上によりフィットしやすくなり、袋体が液体で充満した際に外力からの引っ張りに対しより抵抗することができる。
【0022】
本発明の有益な効果として、第一開口と第二開口の大小関係、及び第一密封帯状区域の位置を改良することで、袋体が体液で充満した際に、水圧が当該第一密封帯状区域の内縁に導かれ、第一開口の縁から体液が外に漏れる確率が減少する。
【0023】
本発明の有益な効果として、第一シート部材の縁又は第一開口の縁に延設される構造維持ユニットにより、当該第一シート部材の縁に皺が生じ体液が皺から漏れることを防止することができる。
【0024】
本発明の有益な効果として、第二シート部材及び第三シート部材は長い対称軸と短い対称軸を有する角丸の矩形であり、当該長い対称軸と当該短い対称軸との比率は2対1より大きい又は少なくとも2対1に等しく、細長で帯状の袋体は使用者の足に固定されると、尿の重量を平均的に分散させ重心が不安定になることを防ぎ、使用者は足を自由に動かすことができる。
【0025】
本発明の有益な効果として、実施例の体液収集装置は母乳収集装置、尿バッグ又は避妊用の男性の精液収集装置に用いることができ、こうした実施形態により、母乳の漏れ、尿の漏れ、精液検査や夢精による汚染といった使用者の問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は本発明の体液収集装置を示す概略図である。
図2A図2Aは体液収集装置を異なる角度から示した概略図である。
図2B図2Bは体液収集装置を異なる角度から示した概略図である。
図2C図2Cは体液収集装置を異なる角度から示した概略図である。
図3A図3Aは体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図3B図3Bは体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図4A図4Aは体液収集装置の袋体開口の異なる態様を示す概略図である。
図4B図4Bは体液収集装置の袋体開口の異なる態様を示す概略図である。
図4C図4Cは体液収集装置の袋体開口の異なる態様を示す概略図である。
図5A図5Aは体液収集装置の使用方法及び効果を示す概略図である。
図5B図5Bは体液収集装置の使用方法及び効果を示す概略図である。
図5C図5Cは体液収集装置の使用方法及び効果を示す概略図である。
図5D図5Dは体液収集装置の使用方法及び効果を示す概略図である。
図6A図6Aは体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図6B図6Bは体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図7図7は本発明の体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図8A図8Aは体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図8B図8Bは体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図9図9は本発明の体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図10A図10Aはスペーサを有する体液収集装置を示す概略図である。
図10B図10Bはスペーサを有する体液収集装置を示す概略図である。
図10C図10Cはスペーサを有する体液収集装置を示す概略図である。
図11A図11Aは一方向要素を有する体液収集装置を示す概略図である。
図11B図11Bは一方向要素を有する体液収集装置を示す概略図である。
図12A図12Aは紐穴を有する体液収集装置を示す概略図である。
図12B図12Bは紐穴を有する体液収集装置を示す概略図である。
図13図13は本発明の体液収集装置の別の実施例を示す概略図である。
図14A図14Aは排水管を有する体液収集装置を示す概略図である。
図14B図14Bは排水管を有する体液収集装置を示す概略図である。
図14C図14Cは排水管を有する体液収集装置を示す概略図である。
図15A図15Aは本発明の体液収集装置の別の実施例の使用ステップを示す概略図である。
図15B図15Bは本発明の体液収集装置の別の実施例の使用ステップを示す概略図である。
図15C図15Cは本発明の体液収集装置の別の実施例の使用ステップを示す概略図である。
図15D図15Dは本発明の体液収集装置の別の実施例の使用ステップを示す概略図である。
図15E図15Eは本発明の体液収集装置の別の実施例の使用ステップを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態を説明する。なお、同じ又は類似の部材については、同じ符号を付して説明する。
【0028】
図1で示される体液収集装置10は本発明の実施例である。体液収集装置10は、第一シート部材11と、第二シート部材21と、第三シート部材31とを有し、第一シート部材11は第一開口12、第一表面S1及び第二表面S2を有し、第一表面S1には使用者への粘着に用いる粘着層13が設けられ、第二シート部材は第二開口22、第三表面S3及び第四表面S4を有し、第三表面S3は円形、楕円形、又は角丸正多角形に沿って、第一シート部材11の第二表面S2と第一密封帯状区域1121に連結され、第一密封帯状区域1121の外縁は第一シート部材11の縁と第一開口12との間に位置し、第三シート部材31は第五表面S5及び第六表面S6を有し、第三シート部材31の縁と第二シート部材21が密接連結されることで、開口を有する袋体が形成され、体液の貯蔵に用いる。
【0029】
図2Aから図2Cは体液収集装置10を異なる角度から示した概略図である。図2Aは正面図(粘着層13は図示せず)、図2Bは断面図、図2Cは背面図である。図2Bで示すように(図2B図2Aの垂直断面を示す)、第三シート部材31の第五表面S5と第二シート部材21の第四表面S4は第二密封帯状区域2131で連結している(図2B図2Cで示す)。本実施例において、第一開口12の縁及び第二開口22の縁は第一密封帯状区域1121の内縁と重なっており、袋体の開口を形成している(図2Bに示す)。この開口は円形又は楕円形であってよいがこれに限らない。第一シート部材11、第二シート部材21、及び第三シート部材31は平面又は弧状面の膜として製造されてよく、その形状は円形、楕円形又は角丸多角形であってよいがこれに限らない。
【0030】
体液収集装置10は例えば天然ラテックス、合成ラテックス、ゴム、シリコン、ポリイソプレン(PI)、ポリウレタン(PU)、ポリエチレン(PE)、ポリマー材料、生体材料又は合成生物DNA材料を使用して製造することができるが、これに限らない。粘着層13を構成する材料は例えば感圧接着剤を含むことができる。第一シート部材11は粘性材料により製造することができる。第二シート部材21の第三表面S3と第一シート部材11の第二表面S2は相互に連結され、第三シート部材31の第五表面S5と第二シート部材21の第四表面S4は相互に連結される。この連結は溶剤、接着剤、テープ又は接着フィルムを使用するか、例えば電熱、超音波又は高周波等の方法で溶接することで行うことも可能であるが、これに限らない。
【0031】
摩擦、引っ張り、水圧又は重力に抵抗し、本発明が人体から剥がれ体液が外に漏れるのを防ぐために、図3Aに示すように、第一シート部材11、第二シート部材21及び第三シート部材31は自然状態の下で平面的な軟質シートであってよい。その材質は弾性を有するものが好ましいが、弾性を有しない材質を使用してもよく、厚さは0.1ミリメートル(mm)未満が好ましい。ここで第一シート部材11は使用者の皮膚への粘着に用いるため優れた透気性を有する必要があり、微孔フィルムを使用することができる。例えば高透気性、高透湿性のポリウレタン(PU)フィルムが挙げられるがこれに限らず、厚さは例えば0.1mm未満、好ましくは0.05mm未満、より好ましくは0.03mm未満であり、透気性として好ましくは水蒸気透過率(MVTR)が500g/(m.24h)以上、感圧接着剤を塗布した後の透湿度として好ましくは1,000g/(m.24h)以上である。第一シート部材11の厚さが薄いほど、貼附度がより増し、縁が摩擦を受けてめくれにくくまた剥がれにくくなる。第一シート部材11の透気性、透湿性が高いほど、長時間の使用時の不快感がより和らぎ皮膚アレルギーをより減少させることができる。図3Bに示すように、第二シート部材21と第三シート部材31は各々の縁で相互に連結され、この場合第二密封帯状区域2131は実質的な幅を有する閉じた線であり、第一シート部材11の縁は少なくとも1つの切り目を有していてよく、好ましくは例えば円弧形の切り目である。この切り目により、体液収集装置10を表面が曲面である体表へ粘着させる際、第一シート部材11の縁に皺が生じるのを防ぐことができ、貼附の密着性が改善する。第一シート部材11は花弁形の縁を有していてもよく、これにより非平面の表面によりフィットしやすくなる。また、縁が花弁形の構造を有する第一シート部材11は爪同様の保持力を提供し、袋体内が体液で充満した際に外力からの引っ張りに対しより抵抗することができる。
【0032】
図4Aから図4Cは体液収集装置10の異なる用途における、袋体開口の異なる態様を示す概略図である。図4Aに示すように、第一開口12は第二開口22より小さく、第二開口22の縁は第一密封帯状区域1121の内縁と重なっていることで、袋体の開口は第一開口12となっている。図4Bに示すように、第一開口12は第二開口22より大きく、第一開口12の縁は第一密封帯状区域1121の内縁と重なっていることで、袋体の開口は第二開口22となっている。図4Cに示すように、第一開口12は第二開口22より小さく、第二開口22の縁は第一開口12と第一密封帯状区域1121の内縁との間に位置し、袋体内の第二開口22の縁は第一シート部材11と連結していないことで、袋体の開口は第一開口12となっている。図4A及び図4Cで示される袋体開口の縁は第一シート部材11の一層であり、厚さが0.1mm未満であれば、体液が第一開口12の縁から外に漏れることをより効果的に防止することができる。また図4Cに示すように袋体が体液で充満した際に、水圧が第一シート部材11と第二シート部材21が相互に連結する第一密封帯状区域1121の内縁に導かれることで、第一開口12の縁から体液が外に漏れる確率が減少する。また、これら実施例において第一密封帯状区域1121の外縁を参考点とし、粘着層13によって第一シート部材11のそれぞれ内側及び外側双方に固定されるという効果により、第二シート部材21の引っ張り又は袋体の重力が原因となって第一シート部材11が体表から剥がれることに効果的に抵抗することが可能となる。
【0033】
図5Aから図5Dは体液収集装置10の異なる使用方法を示す概略図である。図5Aは女性の尿又は経血の収集に用いる場合、図5Bは男性の尿又は精液の収集に用いる場合、図5Cは女性の母乳の収集に用いる場合である。これら実施例において、第一密封帯状区域1121の外縁は第一シート部材11の縁より小さく、かつ第二シート部材21の縁よりも小さい。第一シート部材11の縁に隣接している第二表面S2は第二シート部材21の第三表面S3から離れており(第二表面S2のうち縁に隣接している部分と第三表面S3は分離している)、これにより第二シート部材21が引っ張り(又は水圧、重力)を受けた際に第一シート部材11に生じる作用力を緩衝することができ、第一シート部材11が人体から剥がれづらくなる。第一シート部材11及び第二シート部材21は弾性のある材質を使用することができ、緩衝の効果がより増大する。図5Aに示すように、使用時は袋体の開口を女性使用者の尿道口及び膣口に合わせ、第一シート部材11を粘着層13によって外陰部へ粘着させ、尿又は経血を袋体の中へ流入させる。図5Bに示すように、使用時は袋体の開口を男性使用者の尿道口に合わせ、第一シート部材11を粘着層13によって亀頭又は陰茎へ粘着させ、尿又は精液を袋体の中へ流入させる。
【0034】
これら実施例において、体液収集装置10は構造維持ユニット14をさらに含むことができる。構造維持ユニット14は第一シート部材11の縁の第二表面S2に延設され(図5Bに示す)、第一シート部材11上に設置された枠同様に、第一シート部材11を使用者に貼附させる際に皺が生じるのを防ぎ、貼附前に第一シート部材11の縁形状を維持するために用いる。構造維持ユニット14は粘着力を調整することで(例えば、構造維持ユニット14と第一シート部材11との間の粘着力を、第一シート部材11が粘着層13によって人体に粘着する粘着力よりも小さくする)、使用者は貼附後に構造維持ユニット14を取り外すことができる。図5Cに示すように、第一開口12は第二開口22より小さく、第二開口22の縁は第一密封帯状区域1121の内縁と重なっており(図4Aも同時に参照)、使用時は第一開口12を女性使用者の乳頭に合わせ、第一シート部材11を粘着層13によって乳房へ粘着させ、母乳を袋体の中へ流入させる。第一シート部材11を表面が曲面である体表へ粘着させる際、第一開口12の縁は非常に皺が生じやすく、体液が皺の箇所から第一シート部材11の縁へと漏れてしまうが、第一シート部材11の第二表面S2に、第一開口12の縁を囲んで構造維持ユニット14を延設させることができ、第一開口12の形状を維持し、第一開口12に皺が生じ体液が漏れることを防止することができる。図5Dに示すように(亀頭に粘着させる体液収集装置10)、構造維持ユニット14は縁から延伸してつまみ部141を形成することができ、つまみ部141は少なくとも一点は構造維持ユニット14に連結され、使用者は指でそれをつまむことで、貼附前に体液収集装置10の位置を調整する、又は貼附後に構造維持ユニット14を取り外すことが可能となる。包皮小帯と陰嚢に隣接する冠状溝箇所の陰茎表面は平らではなく、ここは性行為中における摩擦力が最大の場所であり、同時に第一シート部材11の底縁と貼附する場所でもある。本発明を避妊に用いる実施例では、第一シート部材11の底縁はさらに円弧形の切り目を有し、第一シート部材11は底縁から剥離しづらくなっている。
【0035】
本発明を精液収集装置とした場合、第二シート部材21(又は第三シート部材31)の周長は例えば180mm未満、好ましくは150mm未満、より好ましくは120mm未満であり、厚さは例えば0.1mm未満、好ましくは0.05mm未満、より好ましくは0.03未満であり、袋体の容積は例えば20ミリリットル(ml)未満、好ましくは15ミリリットル未満、より好ましくは10ミリリットル未満である。周長が短く厚さが薄いことで体液収集装置10のサイズがより軽薄で短小となり、性行為中の双方の快感が向上する。容積の設定は男性の一度の射精量に合わせて設定するが、通常は10ミリリットル未満である。
【0036】
図6A及び図6Bは本発明の別の実施例である。体液収集装置10の第三シート部材31の縁の少なくとも一部分と、第二シート部材21の縁の少なくとも一部分は製造過程において連続材料の方法で連結される。図6Aに示すように、第三シート部材31と第二シート部材21は連続材料の方法、例えば第二開口22を有するシート部材を半分に折る又は折り畳み、シートを2つの部分、つまり第二開口22を含む第二シート部材21に相当する部分、第二開口22を含まないものは第三シート部材31に相当する部分として定義する。そして他の開放縁を連結することで図6Aに示す構造を形成することができる。図6Bに示すように、第三シート部材31の縁と第二シート部材21の縁は全て連続材料の方法で連結されており、これは例えば吹込み成形、3Dプリント又は浸漬成形によって作ることができるがこれに限らない。
【0037】
図7に示す体液収集装置10は本発明の実施例である。体液収集装置10は第一シート部材11と、第二シート部材21と、第三シート部材31とを有し、第一シート部材11は第一開口12及び第一表面S1を有し、第一表面S1には使用者への粘着に用いる粘着層13が設けられ、第二シート部材は第二開口22を有し、第二開口22の縁は円形、楕円形、又は角丸正多角形に沿って、第一シート部材11の第一開口12の縁と連続材料の方法で密封連結され、第三シート部材31の縁と第二シート部材21の縁は連続材料の方法で密封連結されることで、開口を有する袋体が形成され、体液の貯蔵に用いる。本実施例において、第三シート部材31の縁と第二シート部材21の縁との連結方法、又は第二シート部材21の第二開口22の縁と第一シート部材11の第一開口12の縁との連結方法は、例えば吹込み成形、3Dプリント又は浸漬成形によって作ることができるがこれに限らない。
【0038】
図8A及び図8Bは本発明の別の実施例である。体液収集装置10の第三シート部材31は自然状態の下で平面又は弧状面のシートであり、又は両者の組み合わせである。図8Aに示すように、第三シート部材31は弧状面の膜として製造され、これにより袋体の容量が増大し、より多くの体液が収集可能となる。図8Bに示すように、第三シート部材31は一部が平面で一部が弧状面の軟質シート部材である。ここで第三シート部材31の縁に隣接する部分は平面構造として製造され、中央部分は弧状構造(又は嚢状構造であってもよい)として製造されており、比較的大きい袋体開口と合わせることで、少なくとも一部の人体器官(例えば乳頭又は幼児の陰茎だがこれに限らない)を通過させて袋体の内部空間に収容させることができる。弧状構造は例えば真空成形、圧空成形、マッチドダイ成形、吹込み成形、3Dプリント又は浸漬成形によって作ることができるがこれに限らない。
【0039】
図9及び図10Aから図10Cに示すように、体液収集装置10の第二シート部材21の第四表面S4と第三シート部材31の第五表面S5との間にさらにスペーサを設けることができる。図10Aから図10C図9の水平断面を示しており、スペーサによって第二シート部材21の第四表面S4と第三シート部材31の第五表面S5とは完全に貼附せず、かつ袋体内に完全に密封された空間を形成していない。スペーサは非平面の立体構造を有し、以下の要素の少なくとも1つを含むことができるがこれに限らない。例えば気泡緩衝材151(図10Aに示す)、コルゲート板152(図10Bに示す)、単一又は複数の管状物153(図10Cに示す)体液は第二シート部材21及び第三シート部材31とスペーサとの間に形成される隙間から流れるため、肢体や衣服の皺により袋体が圧迫され体液が滞るのを効果的に防止することができる。
【0040】
図11Aは本発明の体液収集装置10の別の実施例である。図11B図11Aの水平断面を示しており、第二シート部材21の第四表面S4と第三シート部材31の第五表面S5はその一部が連結され、袋体を通路により相互に通じる二つの空間に分けている(図11Aに示す)。また通路にさらにスペーサを設けることで、袋体の2つの空間がスペーサにより相互に通じるようにすることもできる。スペーサは一方向誘導機能を有する一方向要素16である(図11Bに示す)。一方向要素は一方向弁又は流量計であってよいがこれに限らない。一方向弁は尿の逆流(尿路感染症を引き起こしやすい)防止に用い、流量計は使用者の尿流量の統計に用いる。
【0041】
図12Aは本発明の実施例である。第二シート部材21と第三シート部材31は長い対称軸と短い対称軸を有する角丸の矩形であり、袋体の開口は長い対称軸に隣接する一端に設けられている。第二密封帯状区域2131上には少なくとも1つの紐穴17が設けられ、使用時に細い紐、接着テープ又は面ファスナーを紐穴17に通して袋体を使用者の足に固定する際に便利であり(図12Bに示す)、尿で満たされた袋体が引っ張りを受けるのを防止し袋体の揺れを減少させることができる。長い対称軸と短い対称軸の比率は例えば2:1より大きくすることができ、好ましくは3:1より大きく、より好ましくは4:1より大きい。細長で帯状の袋体は、体液の重量を平均的に分散させ重心が不安定になることを防ぎ、使用者は足を自由に動かすことができるという利点を有し、着座状態、起立状態及び横臥状態又は歩行時のいずれも障害がない。本発明の属する技術分野における通常知識を有する者であれば、紐穴17をボタン穴とすることもでき、ボタンを連結することで固定効果が達せられることを理解できる。
【0042】
図13は本発明の別の実施例である。第二シート部材21と第三シート部材31は長い対称軸と短い対称軸を有する角丸の矩形であり、袋体の開口は長い対称軸の中間点に設けられている。長い対称軸の両端は外に向かって延伸しているため袋体がより長くなり、袋体の容量が増加しより多くの尿を収集できる。また、袋体の長い対称軸の両端を使用者の左足及び右足にそれぞれ固定することが可能となる。
【0043】
本発明はさらに排水管が含まれてもよい。排水管は袋体の第二シート部材21又は第三シート部材31に連結され、袋体内に貯蔵された体液を排水管を通じて袋体の外部へ排出させることができる。図14Aは本発明の別の実施例であり、図14B図14Aの垂直断面である。体液収集装置10の第二密封帯状区域2131は密封されていない開放部分を有し、排水管18は開放部分を通り抜け第二シート部材21と第三シート部材31の間に挟まれている。排水管18は袋体に連結されると同時に以下の要素の少なくとも1つを含むことができるがこれに限らない。蓋体19(図14Cに示す、排水管18を密封するために、弾性材料及び摩擦力によって蓋体19を排水管18へ差し込む)、スイッチ、バルブ、流量計(排尿量の計算に用いる)、一方向弁(逆止弁ともいう、尿の逆流を防ぐ)。図14B及び図14Cで示す排水管18はあくまで例示に過ぎず、長さは任意に延長することができる。
【0044】
本発明はさらに離型層20が含まれていてもよい。離型層20は粘着層13の少なくとも一部分を覆い、粘着層13が使用前に汚れて粘性を失うことを防ぐ。離型層20は例えば離型紙であってよい。図15Aから図15Eは母乳(男性の尿/女性の尿)の収集に本発明を用いる際の使用ステップである。袋体は連続材料の同一のシートを折った後その全部又は一部の縁を密封して形成される。密封された縁は第二密封帯状区域2131を形成する。第一開口12は第二開口22より小さく、第二開口22の縁は第一開口12と第一密封帯状区域1121の内縁との間に位置する(図4Cも合わせて参照)。ステップ1は図15Aに示すように、使用時に体液収集装置10の離型層20は分けられて剥離され、第一シート部材11上の粘着層13が露出する。ステップ2は図15Bに示すように、第一開口12を女性の乳頭(尿道口)に合わせ第一シート部材11を粘着層13により乳房皮膚(男性亀頭/女性大陰唇)へ粘着させる。ステップ3(必須のステップではない)は図15Cに示すように、構造維持ユニット14を取り外す。ステップ4は図15Dに示すように、蓋体19と排水管18を互いに螺合し排水管18を閉じる。ステップ5は図15Eに示すように、使用者の母乳(尿)を第一開口12及び第二開口22を介して袋体の中に流入させ貯蔵し、後にふさわしい場所を選択して排水管18を開けて体液を排出させる。本実施例において、第二シート部材21又は第三シート部材31は少なくとも1つの排水口を有する。排水管18は排水口に対応する形で設置され、排水管18の一端は排水管18の軸方向とほぼ垂直で排水管18の外周を囲むよう設けられたつば部181を有し、つば部181は第二シート部材21の第三表面S3又は第三シート部材31の第六表面S6と連結されることで、排水管18が第二シート部材21又は第三シート部材31と連結する強度及び信頼性が高まる。さらに排水管18上に雄ねじを設け蓋体19内に雌ねじを設けることで両者を着脱可能に合わせることができる。ただし本発明の属する技術分野における通常知識を有する者であれば、本実施例において上記雄ねじと雌ねじは、排水管18及び蓋体19のいずれか一方に凸縁を設けてもう一方に凹縁を設け両者を組み合わせることで簡略化できることを理解できる。
【0045】
上記内容は例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく行われる等価な変更又は変形は、いずれも全て本発明の範囲に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0046】
10 体液収集装置
11 第一シート部材
12 第一開口
S1 第一表面
S2 第二表面
13 粘着層
21 第二シート部材
22 第二開口
S3 第三表面
S4 第四表面
1121 第一密封帯状区域
31 第三シート部材
S5 第五表面
S6 第六表面
2131 第二密封帯状区域
14 構造維持ユニット
141 つまみ部
151 気泡緩衝材
152 コルゲート板
153 管状物
16 一方向要素
17 紐穴
18 排水管
181 つば部
19 蓋体
20 離型層
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図5A
図5B
図5C
図5D
図6A
図6B
図7
図8A
図8B
図9
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D
図15E