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特開2024-113160LED光源、バックライトモジュール、表示装置及び照明装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024113160
(43)【公開日】2024-08-21
(54)【発明の名称】LED光源、バックライトモジュール、表示装置及び照明装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 33/48 20100101AFI20240814BHJP
   H01L 33/50 20100101ALI20240814BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240814BHJP
   H01L 33/18 20100101ALI20240814BHJP
【FI】
H01L33/48
H01L33/50
H01L33/00 L
H01L33/18
【審査請求】有
【請求項の数】11
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024093985
(22)【出願日】2024-06-10
(31)【優先権主張番号】202410432107.7
(32)【優先日】2024-04-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】506243208
【氏名又は名称】アドヴァンスト オプトエレクトロニック テクノロジー インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED OPTOELECTRONIC TECHNOLOGY INC.
(74)【代理人】
【識別番号】110002848
【氏名又は名称】弁理士法人NIP&SBPJ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】陳 佑嘉
(72)【発明者】
【氏名】洪 薪▲ティン▼
(72)【発明者】
【氏名】謝 創宇
(57)【要約】      (修正有)
【課題】LED光源のNTSC色域カバレッジの向上、LED光源の製造コストの低減を目的としたLED光源、バックライトモジュール、表示装置および照明装置を提供する。
【解決手段】LED光源は、第1発光ユニット11と第2発光ユニット12とを含み、第1発光ユニットが第1発光チップであり、第2発光ユニットがフォトルミネッセンス層又は第2発光チップである。第1発光チップは、発光スペクトルが多峰であり、少なくとも青色光及び緑色光を発光するように配置されている。第2発光ユニットは赤色を発光するように構成されている。本願が提供する多峰の第1発光チップは、第2発光ユニットを組み合わせることで、LED光源の製造コストを低減し、LED光源の色域を高め、特定の光波長の発光チップを作りやすくすることができ、表示装置の広色域の要求と、動植物育成照明装置の特定の波長の要求とを満たすことができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
LED光源であって、
発光スペクトルが多峰である第1発光チップであって、少なくとも青色光及び緑色光を発光するように構成された第1発光ユニットと、
赤色光を発光する第2発光ユニットと、を備え、
前記第1発光ユニットで発光された青色光及び緑色光と、前記第2発光ユニットで発光された赤色光とが混色されて白色光となることを特徴とするLED光源。
【請求項2】
前記第1発光チップは、第1半導体層と、多層発光層と、第2半導体層とを含み、
前記第1半導体層上に第1電極が設けられ、前記第2半導体層上に第2電極が接続されおり、
前記第1電極および前記第2電極は、前記多層発光層を駆動して発光させるための電気信号を供給するように構成されおり、
前記多層発光層は、同一の発光材料を用い、
前記第1半導体層はN型半導体層であり、前記第2半導体層はP型半導体層である、または、前記第1半導体層はP型半導体層であり、前記第2半導体層はN型半導体層である、ことを特徴とする請求項1に記載のLED光源。
【請求項3】
前記多層発光層は、2層の発光層であり、一方の前記発光層は青色光を発光するように構成され、他方の前記発光層は緑色光を発光するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のLED光源。
【請求項4】
前記第1発光チップは、シアン色光を発光するように構成され、
前記多層発光層は、3層の発光層であり、前記3層の発光層は、それぞれ、青色光、緑色光、及びシアン色光を発光するように構成されている、ことを特徴とする請求項2に記載のLED光源。
【請求項5】
前記第2発光ユニットはフォトルミネッセンス層であり、前記第2発光ユニットは前記第1発光チップの出光経路上に設けられ、前記第2発光ユニットは前記第1発光チップが発する光により励起されて赤色光を形成するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のLED光源。
【請求項6】
前記第2発光ユニットは第2発光チップであり、前記第2発光チップは、赤色光を発光するように構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のLED光源。
【請求項7】
前記第1発光チップと前記第2発光チップは水平または垂直に積み重ねて配置されている、ことを特徴とする請求項6に記載のLED光源。
【請求項8】
前記第1発光チップと前記第2発光チップは垂直に積み重ねて配置されており、前記第1発光チップは、前記第2発光チップの発光経路上に位置している、ことを特徴とする請求項6に記載のLED光源。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載のLED光源を備えることを特徴とするバックライトモジュール。
【請求項10】
表示装置であって、
表示パネルと、
前記表示パネルにバックライトを供給する請求項9に記載のバックライトモジュールとを備える、ことを特徴とする表示装置。
【請求項11】
請求項1から8のいずれか一項に記載のLED光源を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、LED光源技術分野に関し、特に、LED光源、バックライトモジュール、表示装置及び照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
発光ダイオード(Light Emitting Diode、略称、LED)光源は、固体半導体冷光源の一種であり、半導体化合物材料を用いてPN接合を作った光電素子であって、表示パネルによく用いられている。従来、表示パネルの光源は、通常、赤、緑、青の3色の光を混光して白色光を発しているが、具体的には、2つの実現方式が一般的である。
【0003】
第1の方式は、それぞれ青色発光チップ、緑色発光チップおよび赤色発光チップとなる3つの独立した発光チップ用いるものであり、3つのチップのそれぞれが対応する色の光を発光して混色することにより、白色光を形成する。第2の方式は、青色発光チップに緑色光蛍光体と赤色光蛍光体とを組み合わせたものであり、青色光発光チップは青色光を発光し、緑色光蛍光体と赤色光蛍光体とは青色光発光チップにより励起されてそれぞれ緑色光と赤色光を発光し、赤、緑、青の3色の光が混色されて白色光を形成する。
【0004】
しかし、上記2つの方式は、いずれも顕著な欠陥がある。第1の方式は、チップ数が多くコストが高く、視聴距離が遠い広告看板ディスプレイに適用される場合が多い。第2の方式は、用いられる緑色光蛍光体が発する緑色光の波長純度が十分でない(半波長幅が狭く)ため、NTSC色域カバレッジが悪く、視聴距離が近いノートパソコン(notebook computer、略称NB)パネル、テレビ(television、略称TV)パネル等に適用されることが多い。上記の問題を解決するのが、当業者によって検討される問題である。
【発明の概要】
【0005】
そこで、本出願は、LED光源のNTSC色域カバレッジの向上、LED光源の製造コストの低減を目的としたLED光源、バックライトモジュール、表示装置および照明装置を提供する。
【0006】
本願実施例は、第1発光ユニットと、第2発光ユニットとを含むLED光源を提供する。前記第1発光ユニットは、発光スペクトルが多峰である第1発光チップであって、少なくとも青色光及び緑色光を発光するように構成されている。前記第2発光ユニットは、赤色光を発光するように構成される。前記第1発光ユニットで発光された青色光及び緑色光と、前記第2発光ユニットで発光された赤色光とが混色されて白色光となる。
【0007】
ある好ましい実施形態において、前記第1発光チップは、第1半導体層と、多層発光層と、第2半導体層とを含み、前記第1半導体層上に第1電極が設けられ、前記第2半導体層上に第2電極が接続されおり、前記第1電極および前記第2電極は、前記多層発光層を駆動して発光させるための電気信号を供給するように構成されおり、前記多層発光層は、同一の発光材料を用いている。
【0008】
前記第1半導体層はN型半導体層であり、前記第2半導体層はP型半導体層である、または、前記第1半導体層はP型半導体層であり、前記第2半導体層はN型半導体層である。
【0009】
ある好ましい実施形態において、前記多層発光層は、2層の発光層であり、一方の前記発光層は青色光を発光するように構成され、他方の前記発光層は緑色光を発光するように構成されている。
【0010】
ある好ましい実施形態において、前記第1発光チップは、シアン色光を発光するように構成され、前記多層発光層は、3層の発光層であり、前記3層の発光層は、それぞれ、青色光、緑色光、及びシアン色光を発光するように構成されている。
【0011】
ある好ましい実施形態において、前記第2発光ユニットはフォトルミネッセンス層であり、前記第2発光ユニットは前記第1発光チップの出光経路上に設けられ、前記第2発光ユニットは前記第1発光チップが発する光により励起されて赤色光を形成するように構成されている。
【0012】
ある好ましい実施形態において、前記第2発光ユニットは第2発光チップであり、前記第2発光チップは、赤色光を発光するように構成されている。
【0013】
ある好ましい実施形態において、前記第1発光チップと前記第2発光チップは水平または垂直に積み重ねて配置されている。
【0014】
ある好ましい実施形態において、前記第1発光チップと前記第2発光チップは垂直に積み重ねて配置されており、前記第1発光チップは、前記第2発光チップの発光経路上に位置している。
【0015】
本出願は、上記のLED光源を備えるバックライトモジュールも提供する。
【0016】
本出願の実施例は、さらに、表示パネルと、前記表示パネルにバックライトを供給する上記のバックライトモジュールとを含む表示装置を提供する。
【0017】
本願実施例は、さらに、上記のLED光源を備える照明装置を提供する。
【0018】
本出願のLED光源、バックライトモジュール、表示装置および照明装置は、単一のチップ(第1発光チップ)を用いることにより、少なくとも純度の高い青色光および緑色光を発光可能であり、青色光および緑色光の発光源は、同一の組の電極のみを用いることができ、第2発光ユニットが発光する赤色光と混色することにより白色光を形成する。本出願は、LED光源製品の生産コストを大幅に低減できるだけでなく、緑色光の純度を向上させてLED光源の色域を向上させることができ、表示装置の広色域要求を満たすことが可能である。
【0019】
本出願は、フォトルミネッセンス材料を励起して緑色光を発するものに比べて、チップを用いて発光することにより特定波長の緑色光、特に530nm以下の波長の緑色光を出すことが容易であり、技術的難易度およびコストがともに低減され、動植物生育用照明装置に必要な特定波長の光の照明ニーズに好適に満足できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願の第1実施例に係るLED光源の構成を示す図である。
図2】本願の第1実施例に係るバッケージホルダの構成を示す図である。
図3】本願の第1実施例に係る第1発光チップの構成を示す図である。
図4】本願の第1実施例に係る第1発光チップが発する青緑色光のスペクトルである。
図5】本願の第2実施例に係るバッケージホルダの構成を示す図である。
図6】本願の第3実施例に係る第1発光チップの構成を示す図である。
図7】本願の第4実施例に係るLED光源を示す図である。
図8】本願の第5実施例に係るLED光源を示す図である。
図9】本願の第6実施例に係るLED光源を示す図である。
図10】本願の第7実施例に係るLED光源を示す図である。
図11】本願の第8実施例に係るLED光源を示す図である。
図12】本願の第9実施例に係るLED光源を示す図である。
図13】本願の第10実施例に係るバックライトモジュールの構成を示す図である。
図14】本願の第11実施例に係るバックライトモジュールの構成を示す図である。
図15】本願の第12実施例に係る表示装置の構成を示す図である。
図16】本願の第13実施例に係る照明装置の構成を示す図である。
図17】本願が提供するLED光源の白色発光スペクトルと、関連技術1の白色発光スペクトルとを比較した図である。
図18】本願において提供されるCIE1931色度図であり、本願のLED光源と関連技術1の色域カバレッジとを照合して示している。
図19図18における関連技術1のNTSC色域及びsRGB色域でのカバレッジデータ統計図である。
図20図18における本願に係るLED光源のNTSC色域およびsRGB色域でのカバレッジデータ統計図である。
図21】関連技術2のシアン色光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本開示は、以下の詳細な説明において上記の図面と併せてさらに説明される。
【0022】
なお、以下の具体的な実施形態は本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用および/または用途を制限することを意図するものではない。多くの変化があることが理解されるべきである。具体的な実施形態は、当業者が、過度の実験を必要とせずに、本発明の例示的な実施形態を実現することを可能にするものであり、例示的な実施形態に記載された機能および構造は、添付の特許請求書に記載の本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変更または修正が可能であることを理解されたい。
【0023】
なお、本願の記述において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「上」、「底」、「内」、「外」等の用語が示す方向や位置関係は、図面に基づき示す方向や位置関係であり、説明の便意上定義されたものであり、それぞれの装置又は素子が特定の方向を有して、特定の方向で構成及び動作していることを示すものではないため、本発明を限定するものではない。また、「第1」、「第2」という用語は、説明の目的にのみ使用され、相対的重要性を示す、または暗示する、または示される技術的特徴の数を暗黙的に示すと理解されてはいけない。これにより、「第1」、「第2」が限定された特徴は、1つまたはそれ以上の当該特徴を明示的または暗示的に含み得る。なお、本願の記載において、「複数」とは、特に具体的に限定されない限り、2つ以上を意味し、少なくとも1つは、1つ、2つ、または2つ以上であってもよいことを意味する。
【0024】
以下、本願の実施形態について、図1から図21を参照しながら、さらに詳細に説明する。
【0025】
第1実施例
図1は、本願の第1実施例に係るLED光源の構成を示す図である。図2は、本願の第2実施例に係るバッケージホルダの構成を示す図である。
【0026】
図1を参照すると、本願は、第1発光ユニット11と、第2発光ユニット12とおよびバッケージホルダ13を含むLED光源1を提供する。バッケージホルダ13は、内部に収納キャビティ134を有しており、一側が開口されて出光口135を形成している。第1発光ユニット11及び第2発光ユニット12は、バッケージホルダ13の収容キャビティ134内に設けられており、いずれもバッケージホルダ13の出光口135に向けて発光可能となっている。第1発光ユニット11は、少なくとも青色光及び緑色光を発光するように構成され、第2発光ユニット12は、赤色光を発光するように構成されている。第1発光ユニット11で発光された青色光及び緑色光と、第2発光ユニット12で発光された赤色光とが混色されて白色光を形成する。
【0027】
なお、実際のユースケースのニーズ、例えば動植物育成照明のニーズに応じて、第1発光ユニット11は、青色光、緑色光、シアン色光の3つの波長の光を発するように構成されていてもよい。
【0028】
図1を参照すると、パッケージホルダ13は、基板131と、基板131の上側に設けられた反射カップ132とを含む。反射カップ132は、環状のカップ状をなしており、反射カップ132の内部が収納キャビティ134となり、反射カップ132の上側開口が出光口135となる。つまり、反射カップ132が基板131から離れる側に出光口135が位置している。第1実施例において、基板131は、反射カップ132とともにLCP(Liquid Crystal Polymer)材料により一体的に作製され得る。また、作製において、LCP材料にはプラスチック(Plastic)粒子、セラミックス(Ceramic)粒子、又は高揮発性溶液を混入させてもよい。反射カップ132の出光口135は、基板131から離れる側に位置している。なお、他のいくつかの実施例において、本願における基板131は、他の形態の材料や構造、例えば、銀メッキされた銅板であってもよく、本願は特に制限されていない。
【0029】
図1を参照すると、反射カップ132には、第1発光ユニット11及び第2発光ユニット12を覆うパッケージ133が設けられている。パッケージ133は、反射カップ132内の収容キャビティ134を充塞しており、反射カップ132内の第1発光ユニット11及び第2発光ユニット12を保護する。
【0030】
図1を参照すると、第1発光ユニット11は第1発光チップ111であり、第1発光チップ111は、一般的なサイズのLEDチップ、miniLEDチップ、MicroLEDチップのいずれであってもよい。なお、本願において提供されるLED光源1は、一般的なサイズのものに限るものでなく、miniLED光源およびMicroLED光源も含むことができる。
【0031】
図3は、本願の第1実施例に係る第1発光チップ111の構成を示す図である。
【0032】
図3を参照すると、第1発光チップ111は、基板1111と、基板1111の上側に順次積層された低温バッファ層1112、第1半導体層1113、多層発光層1114及び第2半導体層1115とを含む。いくつかの態様において、基板1111は、窒化ガリウム(GaN)、サファイア、炭化ケイ素またはシリコンを含む。低温バッファ層1112はGaN低温バッファ層1112である。
【0033】
なお、いくつかの実施形態において、第1半導体層1113はN型半導体層であり、第2半導体層1115はP型半導体層であり、即ち、N型半導体層は多層発光層1114の基板1111に近づく側に位置している。他の実施形態において、第1半導体層1113はP型半導体層であり、第2半導体層1115はN型半導体層であり、即ち、P型半導体層は多層発光層1114の基板1111に近づく側に位置していてもよい。すなわち、N型半導体層とP型半導体層との位置が入れ替わってもよい。
【0034】
通常、成膜品質及び発光効率を保つためには、多層発光層1114の基板1111に近い側にN型半導体層が位置し、基板1111から離れる側にP型半導体層が位置するように設けられることが好ましい。さらに、多層積層される発光層1114は、N型半導体層の一部のみを覆い、N型半導体層の上側に第1電極1116が接続され、第1電極1116は、N型半導体層のうち発光層1114で覆われていない部分に位置している。P型半導体層の上側には、第2電極1117が接続されている。第1電極1116および第2電極1117は、多層発光層1114を発光させるための電気信号を供給するように構成される。
【0035】
なお、N型半導体層はn-ドープ半導体層であり、P型半導体層はp-ドープ半導体層である。また、第1電極1116が正極の場合、第2電極1117は負極である。また、第1電極1116が負極の場合、第2電極1117は正極である。本出願は、これを制限していない。
【0036】
多層発光層1114は、多層垂直積層の多重量子井戸構造(Multiplequantumwellstructure、略称MQWs)である。本実施形態において、多層発光層1114は、積層された2つの発光層1114であり、一方の発光層1114が青色光を発光するように構成されており、他方の発光層1114が緑色光を発光するように構成されている。
【0037】
なお、本願における「垂直積層」という用語は、いずれも発光方向に沿って順次積み重なったり、基板131に対して垂直な方向に並んだりすることを意味している。
【0038】
多層発光層1114の発光材料はいずれも同一であり、具体的には、多層発光層1114の発光材料はいずれもInGaN材料であり、青色光を発光する発光材料におけるIn元素の占める割合は、緑色光を発光する発光材料におけるIn元素の占める割合よりも小さい。
【0039】
青色、緑色の発光材料はいずれもInGaNであり、青色と緑色の発光が共に同一の発光チップから出るように、第1発光チップ111の垂直方向に積層されているので、2つの発光層1114で同一組の電極又は回路を共有し、1つの発光チップを用いて1つの波長の光のみを発光するものに比べて、本願はLEDチップの製造コストを大幅に低減できる。青色光と緑色光は、発光材料が同じであり、格子定数が整合しており、エピタキシャル欠陥が少ないため、同一の基板1111上に積層成長することができる。
【0040】
なお、本願における用語「ダブルピーク」とは、異なる発光波長を有する2つの発光ピークを持つLEDスペクトルを意味する。本願における用語「多ピーク」とは、それぞれ異なる発光波長を有する複数の発光ピークを有するLEDスペクトルを意味する。用語「放射ピーク」とは、放射波長における局所的な最大値を意味し、その放射強度は、近接または隣接する放射波長の少なくとも2倍である。
【0041】
第1発光チップ111は、発光スペクトルが多峰であり、具体的には、第1発光チップ111は少なくとも青色光及び緑色光を発光するように構成されている。
【0042】
図4は、本願の第1実施例に係る第1発光チップ111が発するスペクトルである。
【0043】
図4を参照すると、第1発光チップ111の発光スペクトルはタブルピークであり、第1発光チップ111は、青色光及び緑色光のみを発光するためのものであり、液晶パネル(Liquid Crystal Display、略称、LCD)のバックライト光源として用いることができる。本実施例において、緑色光の純度が高いため、適用する表示デバイスの色域を向上し、広色域要求を満たすことができる。また、混色効果が高い。
【0044】
図1を参照すると、第2発光ユニット12はフォトルミネッセンス層121であり、フォトルミネッセンス層121は赤色蛍光体およびオレンジ色蛍光体の少なくとも一方であってよい。なお、第2発光ユニット12は、赤色蛍光体又はオレンジ色蛍光体であってもよいし、両者を混合したものであってもよい。赤色蛍光体は、KSiF蛍光体(フッ化物赤色蛍光体)、Nitride蛍光体のうちの少なくとも1種を含む。同様に、オレンジ色蛍光体は、KSiF蛍光体(フッ化物赤色蛍光体)、Nitride蛍光体のうちの少なくとも1種を含む。
【0045】
第1発光チップ111の出光経路上には、赤色蛍光体およびオレンジ色蛍光体が散布されるが、パッケージ133内に、赤色蛍光体およびオレンジ色蛍光体が散布されていることが理解されるべきである。
【0046】
また、本実施例における当該赤色蛍光体またはオレンジ色蛍光体は、580nm~800nmの波長帯のフォトルミネッセンス材料である。別の実施例において、適応需要に応じて、他の波長域のフォトルミネッセンス材料を選択してもよい。
【0047】
第2の実施形態
図5は、本願の第2実施例に係るバッケージホルダ12の構成を示す図である。図3を参照すると、第2実施例が第1実施例と異なる点は、基板131と反射カップ132とは異なる材料からそれぞれ作成されており、例えば、基板131がシリコン基板131、プラスチック基板131、またはセラミック基板131等であり、反射カップ132がLCP材料から作成されている。
【0048】
第3実施形態
図6は、本願の第3実施例に係る第1発光チップ111の構成を示す図である。
【0049】
図6を参照すると、第3実施例が第1実施例と異なる点は、多層発光層1114が、積層された3層の発光層1114であり、それぞれ青色光、緑色光、シアン色光を発光するように構成されている。つまり、第1発光チップ111の発光スペクトルは3つのピークである。通常、シアン光の波長は480nm~500nmの間にある。3層の発光層1114の発光材料は、いずれもInGaNであり、青色光を発光するための発光材料、シアン色光を発光するための発光材料、緑色光を発光するための発光材料の順にIn元素が占める割合が減少している。
【0050】
本実施例は、動・植物照明器具の分野に応用できる。ここで、植物照明では、通常、青色光の波長は400nm~499nmの間、緑色光の波長は500nm~599nmの間、赤色光の波長は600nm~699nmの間、遠赤色光の波長は700nm~780nmの間とされる。異なる動植物の生育照明ニーズに応じて、第1発光チップ111を、複数の異なる色の組み合わせの光を発光するように設けることができ、本出願は、特に制限していない。
【0051】
第4実施形態
図7は、本願の第4実施例に係るLED光源1を示す図である。図7を参照すると、第4実施例が第1実施例と異なる点は、第2発光ユニット12が第2発光チップ122であり、第2発光チップ122が赤色LEDチップであり、第2発光チップ122が赤色光を発光するように構成されている。第2発光チップ122は、赤色発光材料を用いたエピタキシャルの赤色光発光層を含み、赤色発光材料は、AlGaInP材料であってもよい。
【0052】
図2及び図7を参照すると、第1発光チップ111と第2発光チップ122は、基板131に垂直な方向に積み重ねて配置されている。本実施例は、好適実施例として、第1発光チップ111が第2発光チップ122の発光経路上に位置する。具体的には、第2発光チップ122は、第1発光チップ111の出光口135から離れる一側、つまり、図7に示すように、第2発光チップ122は、第1発光チップ111の下方に位置する。これにより、LED光源1の全体のサイズを小さくすることができ、実装スペースの節約することができる。
【0053】
赤色光は波長が長いためエネルギーギャップは小さく、青色光は波長が短いためエネルギーギャップは大きい。したがって、赤色光は青色光発光材料のエネルギーギャップを横切ることができる。また、基板1111としてサファイヤ(Sapphire)基板を用いた場合、サファイア基板の方がエネルギーギャップが大きく、青色光および赤色光に対しては基板1111は透明である。従って、本実施例は、第2発光チップ122を第1発光チップ111の出光口135から離れる一側に載置することにより、発光効率を高めることができる。
【0054】
図7を参照すると、第1発光チップ111は、パッケージホルダ13内においてフェイスアップ実装(Face up Chip)方式により固定されており、つまり、第1発光チップ111の第1電極1116及び第2電極1117は、基板131から離れる方向に向かって設けられている。第2発光チップ122は、フリップチップ(Flip Chip)方式でパッケージホルダ13内に固定されている、つまり、第2発光チップ122の電極は、いずれも基板131に向けて設けられている。第1発光チップ111および第2発光チップ122の基板1111の材料は、基板1111による光の遮断を避けるためにエネルギーギャップの大きな材料とすべきであり、そうでなければ、第1発光チップ111および第2発光チップ122の基板1111を最終的に剥離して、発光効率を向上させる。
【0055】
第5実施形態
図8は、本願の第5実施例に係るLED光源1を示す図である。
【0056】
図8を参照すると、第5実施例が第1実施例と異なる点は、第1発光チップ111と第2発光チップ122とがパッケージホルダ13内において水平に並んでおり、本出願における用語「水平に並ぶ」は、いずれも基板131に平行な方向に並ぶことを指す。
【0057】
第1発光チップ111と第2発光チップ122は、共にフリップチップ(Flip Chip)実装方式によってパッケージホルダ13内に固定されている。つまり、第1発光チップ111と第2発光チップ122の電極はいずれも基板131に向けて設けられており、電極が発光面積を占有して発光効率に影響を与えることを避けることができる。第1発光チップ111および第2発光チップ122の基板1111の材料は、基板1111による光の遮断を避けるためにエネルギーギャップの大きな材料とすべきであり、そうでなければ、第1発光チップ111および第2発光チップ122の基板1111を最終的に剥離して、発光効率を向上させる。
【0058】
第6実施形態
図9は、本願の第6実施例に係るLED光源1を示す図である。
【0059】
図9を参照すると、第6実施例が第1実施例と異なる点は、第1発光チップ111と第2発光チップ122とが水平に並ぶように配列されている。第1発光チップ111は、フェイスアップ(Face up Chip)実装方式によりパッケージホルダ13内に固定されている。つまり、第1発光チップ111の第1電極1116及び第2電極1117は、いずれも基板131から離れる方向に設けられている。第2発光チップ122は、垂直(Vertical)の実装方式によりパッケージホルダ13内に固定されている。つまり、第2発光チップ122は、一方の電極が基板131に向けて設けられ、他方の電極が基板131から離れる方向に設けられている。
【0060】
なお、第1発光チップ111と第2発光チップ122とが、水平に並ぶ方式を採用する場合には、第1発光チップ111と第2発光チップ122は、それぞれ、フェイスアップ実装(Face up Chip)、垂直(Vertical)実装、フリップチップ(Flip Chip)のいずれかを採用可能である。本出願では、第1発光チップ111と第2発光チップ122の実装形態の組み合わせを網羅するものではなく、図7図8及び図9のみで例示的に説明する。
【0061】
第7実施形態
図10は、本願の第7実施例に係るLED光源1を示す図である。
【0062】
図10を参照すると、第7実施例が第1実施例と異なる点は、第1発光チップ111の実装形態が異なっている。第七実施例における第1発光チップ111は、チップサイズパッケージ(ChipScalePackage、略称CSP)の実装構造であり、第1発光チップ111は5つの発光面であり、フォトルミネッセンス層121は赤色蛍光体またはオレンジ色蛍光体の少なくとも一つであり、フォトルミネッセンス層121は第1発光チップ111の5つの発光面を包み込んでいる。
【0063】
なお、別の実施例では、第1発光チップ111は四つの発光面又は片面出光であってもよく、本開示は特に制限していない。
【0064】
なお、別の実施例では、第1発光チップ111はNCSP(Near Chip Scale Package)パッケージであってもよく、本願は、特に制限していない。
【0065】
第8実施形態
図11は、本願の第1実施例に係るLED光源1の構成を示す図である。
【0066】
図11を参照すると、第8実施例が第7実施例と異なる点は、フォトルミネッセンス層121が薄膜フォトルミネッセンス層であり、薄膜フォトルミネッセンス層に薄膜フォトルミネッセンス材料、例えばQDフォトルミネッセンス材料などが用いられている。なお、薄膜フォトルミネッセンス層のサイズは必要に応じて設計すればよく、例えば第8実施例では薄膜フォトルミネッセンス層のサイズは、第1発光チップ111がCSPパッケージまたはNCSPパッケージで実装された後のサイズに近づくものであり、薄膜フォトルミネッセンス材料を第1発光チップ111の直上の出光面に貼り付けることができる。他の幾つかの実施例において、フォトルミネッセンス層121は、複数の第1発光チップ111の出光面を覆うように比較的大きいサイズの薄膜フォトルミネッセンス層である。
【0067】
第9実施形態
図12は、本願の第9実施例に係るLED光源1を示す図である。
【0068】
図12を参照すると、第9実施例が第8実施例と異なる点は、第1発光チップ111がパッケージホルダ13を含むパッケージ構造であり、具体的には、第1発光チップ111がフリップチップ(FlipChip)である。
【0069】
第10実施形態
図13は、本願の第10実施例に係るバックライトモジュール2の構成を示す図である。
【0070】
図13を参照すると、本願第10実施例は、バックプレート21と、バックプレート21に接続された複数の上記いずれかの実施例に記載のLED光源1とを含むバックライトモジュール2を提供する。
【0071】
第11実施例
図14は、本願の第11実施例に係るバックライトモジュール2の構成を示す図である。
【0072】
図14を参照すると、本願第10実施例は、バックプレート21と、バックプレート21上に接続された複数の第1発光チップ111および単一のフォトルミネッセンス層121とを含むバックライトモジュール2を提供する。第1発光チップ111は、上述したいずれかの実施例に記載の第1発光チップ111である。フォトルミネッセンス層121は、薄膜フォトルミネッセンス層であり、複数の第1発光チップ111の出光面を覆うようにサイズが大きい。
【0073】
第12実施例
図15は、本願の第12実施例に係る表示装置3の構成を示す図である。
【0074】
図15を参照すると、本願第12実施例は、表示パネル31と上記のバックライトモジュール2を備える表示装置3を提供する。表示パネル31は、液晶表示パネル31(Liquid Crystal Display、略称、LCD)であり、バックライトモジュール2は表示パネル31にバックライトを提供する。バックライトモジュール2は、通常、表示装置3の底部に位置し、バックライトモジュール2の形状とサイズは、表示装置3の形状とサイズに合わせている。表示パネル31は、バックライトモジュール2の出光側に位置し、画像表示を実現するために用いる。表示装置3は、直下型バックライトまたはサイドイン型バックライトの構成を採用することができるが、本願は特に限定していない。
【0075】
第13実施形態
図16は、本願の第13実施例に係る照明装置4の構成を示す図である。
【0076】
図16を参照して、本願第13実施例は、上記開示されたLED光源1を備え、動植物生育用照明分野に適用可能な照明装置4を提供する。
【0077】
図17は、本願が提供するLED光源1の白色発光スペクトルと、関連技術1の白色発光スペクトルとの比較結果を示す図である。図18は、本願において提供されるCIE1931色度図であり、本願のLED光源と関連技術1の色域カバレッジとを照合して示している。図19は、図18における関連技術1のNTSC色域及びsRGB色域でのカバレッジデータ統計図である。図20は、図18における本願に係るLED光源1のNTSC色域およびsRGB色域でのカバレッジデータ統計図である。
【0078】
このうち、図17図18及び図19に係る関連技術1は、青色発光チップにβ-SiAlON緑色蛍光体及びKSiF赤色蛍光体を配合して白色光を発光するものである。
【0079】
図17及び図18を参照すると、青色発光チップにβ-SiAlON緑色蛍光体及びKSiF赤色蛍光体を配合する方法は、LCDディスプレイの広色域での主流であり、その発光スぺクトルは図17においてL1となる。本願が提供するLED光源1の発光スペクトルは、図17におけるL2である。緑色蛍光体の材料特性が励起スペクトルであり、その半波幅Aが大きいため、光の色純度が悪く、これは、関連技術1でLED光源の色域を向上することができないという要因である。
【0080】
図4を参照すると、本出願は、関連技術1と比較して、緑色光の発光態様を光励起光からエレクトロルミネッセンスに変え、且つ、緑色光と青色光を同一のLEDチップ(第1発光チップ111)に集積して、図4に示す第1発光チップ111の発光スペクトルをタブルピークとし、発光された青色光及び緑色光はいずれも純度が高く、図18及び図20で示すような広い色域効果を奏するものである。
【0081】
図17及び図18を参照すると、本願で用いるLED光源1は、第1発光チップ111の発光スペクトルの緑色波長帯域半波幅Bが関連技術1(純青色LEDチップに緑色蛍光体を配合する態様)の緑色波長帯域半波幅Aよりも短い(A>B)、すなわちLED自体の材料(発光層1114の材料は通常InGaN)で発光する波形の半波幅が励起蛍光体より狭く、色純度が高い。本出願における第1発光チップ111は、緑色波長帯域半値幅がより狭いため、CIE色度図上で緑色の色純度がより純粋となり、色域カバレッジがより大きくなり、LED光源1の色域が極めて高くなり、表示装置3の広色域要求を満たすことができる。
【0082】
図19及び図20を参照すると、関連技術1のNTSC規格の色域カバレッジは最高で90%しかない。しかし、本願が提供するLED光源1は、NTSC規格の色域でのカバレッジを100%以上に向上させることができる。
【0083】
また、第1発光チップ111は、蛍光粉末よりも緑色の波長帯域の発光スペクトルの半値幅が狭い、且つ、LEDチップは、蛍光粉末よりも波長帯域の調整が容易となるため、蛍光粉末ではできない緑色の波長帯域にすることができる。市販の緑色蛍光体は530nm以下の波長帯域の光を励起ことが難しく、529nm帯域の緑色蛍光体はかなり高価であり、現在、520nm、510nm帯域に対応する緑色蛍光体のメーカーは存在しない。本願の技術案は、チップ発光により、510nm~540nmの間で調整可能であり、520nm、510nmの光波長要求を満たすことができ、本願は製造コストをさらに低減し、動植物照明に必要な特定光波長要求を満たすことができる。
【0084】
図21は、関連技術2のシアン色光スペクトルである。この関連技術2はLED発光チップであり、青色発光材料と緑色発光材料とを同一の発光層に混合したものである。なお、図21に係る関連技術2においても、本出願で提供する第1発光チップ111と同様にエレクトロルミネッセンスである。しかし、この関連技術2では、青色発光材料と緑色発光材料とを垂直積層したものではなく、同一の発光層に混合することにより、光波を青色帯域から緑色帯域に調整している。これにより、関連技術2において図21に示すような単一ピークのシアン光スペクトルを得られている。
【0085】
図4に示す本願が提供するタブルピーク青緑光のスペクトルは、図21に示す関連技術2のシアン光のスペクトルと比べて、本願が提供するLED光源1が発する青、緑の光の純度が向上されており、色域が向上している。
【0086】
本願で採用するLED光源1は、青色光と緑色光の発光源を同一のチップ(第1発光チップ111)に集積したものであり、青色光と緑色光をそれぞれ独立した発光チップとするものに比べて、製造コストが安い。
【0087】
また、本願で採用するLED光源1は、1つのチップで異なる波長の発光材料を垂直に積み重ねるものであり、他の関連技術、例えば、パッケージホルダ13内に水平に並んだ異なる発光チップがそれぞれ青色光、緑色光を発光する態様と比較して、本願のLED光源1は、近距離時の色ずれを回避することができ、混色効果が高い。
【0088】
以上のように、本願が提供する多峰の第1発光チップ111は、第2発光ユニット12を組み合わせることで、LED光源の製造コストを低減するだけではなく、LED光源の色域を広くし、特定の光波長発光チップを作りやすくすることができ、表示装置3の広色域の要求と、動植物育成照明装置4の特定の波長の要求とを満たすことができる。
【0089】
以上、本願の具体的な実施形態について図面を参照しながら説明している。しかしながら、本願の具体的な実施形態に対して、本願の精神と範囲を逸脱することなく、様々な変更及び置換が可能であることは、当業者に理解されるところである。これらの変更および置換は、いずれも本出願において限定された請求範囲内に含まれている。
【図面符号の説明】
【0090】
符号説明
LED光源 1
第1発光ユニット 11
第1発光チップ 111
基板 1111
低温バッファ層 1112
第1半導体層 1113
発光層 1114
第2半導体層 1115
第1電極 1116
第2電極 1117
第2発光ユニット 12
フォトルミネッセンス層 121
第2発光チップ 122
パッケージホルダ 13
基板 131
反射カップ 132
パッケージ 133
収容キャビティ 134
出光口 135
バックライトモジュール 2
バックプレート 21
表示装置 3
表示パネル 31
照明装置 4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21